JP2016193808A - サファイア単結晶の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】融液固化法によるサファイア単結晶の製造方法において、冷却工程におけるクラックの発生を抑制したサファイア単結晶の製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】融液固化法によるサファイア単結晶の製造方法であって、
直径D(mm)の円柱形状部を有するサファイア単結晶を育成した後、前記サファイア単結晶の温度が500℃以上1200℃以下の温度域における冷却速度Va(℃/h)が、以下の式1を満たす冷却工程を有するサファイア単結晶の製造方法。
Va≦0.00125×D2−1.125×D+275・・・式1
【選択図】図3
【解決手段】融液固化法によるサファイア単結晶の製造方法であって、
直径D(mm)の円柱形状部を有するサファイア単結晶を育成した後、前記サファイア単結晶の温度が500℃以上1200℃以下の温度域における冷却速度Va(℃/h)が、以下の式1を満たす冷却工程を有するサファイア単結晶の製造方法。
Va≦0.00125×D2−1.125×D+275・・・式1
【選択図】図3
Description
本発明は、サファイア単結晶の製造方法に関する。
サファイア単結晶は、菱面体晶系の結晶構造あるいは六方晶系で近似される結晶構造を有する酸化アルミニウムの単結晶である。サファイア単結晶は、その優れた機械的特性や化学的安定性、光学特性から、工業材料として広く用いられており、特に青色、白色系の発光ダイオード(LED)を製造するためのGaN成膜基板として利用されている。
このようなサファイア単結晶の育成方法には種々の方法があり、例えば、ベルヌーイ法、EFG法(Edge−defined Film−fed Growth法)、カイロポーラス法(KY法)、ブリッジマン法、チョクラルスキー法(Cz法)などが挙げられる。
近年、LED製造において生産性および経済性が有利な6インチや8インチなどの大口径サファイア基板の需要が高まっている。これに伴いサファイア単結晶の大型化が求められている。
そこで、大型結晶の育成が比較的容易である、カイロポーラス法(KY法)、ブリッジマン法、チョクラルスキー法(Cz法)等の融液固化法により、サファイア単結晶を育成する方法について検討がなされるようになっている(例えば特許文献1)。
ところで、融液固化法では融液からサファイア単結晶を育成後、育成した結晶を室温近傍まで冷却する冷却工程を実施する。しかしながら、育成するサファイア単結晶のサイズの大型化に伴い冷却工程での育成結晶内外の温度差に起因する結晶内の歪が増大し、結晶にクラックが生じる場合があった。
そこで、本発明の一側面では、上記従来技術が有する問題に鑑み、融液固化法によるサファイア単結晶の製造方法において、冷却工程におけるクラックの発生を抑制したサファイア単結晶の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため本発明の一態様によれば、融液固化法によるサファイア単結晶の製造方法であって、
直径D(mm)の円柱形状部を有するサファイア単結晶を育成した後、前記サファイア単結晶の温度が500℃以上1200℃以下の温度域における冷却速度Va(℃/h)が、以下の式1を満たす冷却工程を有するサファイア単結晶の製造方法を提供することができる。
直径D(mm)の円柱形状部を有するサファイア単結晶を育成した後、前記サファイア単結晶の温度が500℃以上1200℃以下の温度域における冷却速度Va(℃/h)が、以下の式1を満たす冷却工程を有するサファイア単結晶の製造方法を提供することができる。
Va≦0.00125×D2−1.125×D+275・・・式1
本発明の一態様によれば、融液固化法によるサファイア単結晶の製造方法において、冷却工程におけるクラックの発生を抑制したサファイア単結晶の製造方法を提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明するが、本発明は、下記の実施形態に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、下記の実施形態に種々の変形および置換を加えることができる。
本実施形態のサファイア単結晶の製造方法の一構成例について以下に説明する。
本実施形態のサファイア単結晶の製造方法は、融液固化法によるサファイア単結晶の製造方法に関する。そして、直径D(mm)の円柱形状部を有するサファイア単結晶を育成した後、サファイア単結晶の温度が500℃以上1200℃以下の温度域における冷却速度Va(℃/h)が、以下の式1を満たす冷却工程を有することができる。
Va≦0.00125×D2−1.125×D+275・・・式1
融液固化法によりサファイア単結晶を育成した場合、育成直後のサファイア単結晶は、原料融液が凝固した温度、すなわち原料融液の融点近傍の温度、例えば約2000℃になっている。そして、育成した結晶を取出すために係る温度から室温まで冷却する冷却工程を実施する際、従来はサファイア単結晶内外の温度差に起因する結晶内の歪が増大し、冷却工程において育成結晶にクラックが生じる場合があった。
融液固化法によりサファイア単結晶を育成した場合、育成直後のサファイア単結晶は、原料融液が凝固した温度、すなわち原料融液の融点近傍の温度、例えば約2000℃になっている。そして、育成した結晶を取出すために係る温度から室温まで冷却する冷却工程を実施する際、従来はサファイア単結晶内外の温度差に起因する結晶内の歪が増大し、冷却工程において育成結晶にクラックが生じる場合があった。
そこで、本発明の発明者らは、上記従来技術の課題を解決するため検討を行った。そして、サファイア単結晶は、単結晶育成後から室温近傍まで冷却する際、特定の温度域でクラックが発生し易く、係る温度域において冷却速度を育成結晶の直径に応じて算出される速度以下とすることでクラックの発生を抑制できることを見出し、本発明を完成した。
ここでまず、本実施形態のサファイア単結晶の製造方法において好適に用いることができるサファイア単結晶の製造装置の構成例について説明する。なお、ここでは融液固化法の例としてCz法によりサファイア単結晶を製造する際に用いることができるサファイア単結晶の製造装置の例を示すが、係る形態に限定されるものではない。
図1はサファイア単結晶製造装置内に設けられた坩堝の中心軸を通る面における断面図を模式的に示したものである。
チャンバー11の上部には引上げ軸12が設けられており、引き上げ軸12の先端部には、種結晶13が取り付けられるように構成されている。
チャンバー11の内部には、坩堝14を配置することができ、坩堝14は坩堝支持台15により支持される。また、坩堝14を囲むようにヒータ16が設置されている。なお、図1に示したサファイア単結晶製造装置10では、坩堝14の側面を囲むようにヒータ16を設けた例を示しているが、係る形態に限定されるものではなく、例えば坩堝14の底面と対向するようにヒータを設けることもできる。
そして、チャンバー11の内表面に沿って、坩堝14を囲むように断熱材17が配置されている。
サファイア単結晶の育成前に、坩堝14内に充填されたサファイア原料は、ヒータ16により加熱することで原料融液18とすることができる。そして、原料融液18に種結晶13を接触させるシーディングを実施した後、種結晶13を回転させながら徐々に引き上げることでサファイア単結晶19を育成することができる。
なお、サファイア単結晶製造装置10には必要に応じて、チャンバー内の雰囲気を制御するための気体供給手段、及び排気手段や、温度を測定するための温度測定手段等を任意に設けることもできる。
また、冷却工程における育成結晶の冷却速度を制御するため、例えば育成したサファイア単結晶の表面温度を放射温度計等の温度測定手段により測定しておき、該サファイア単結晶の表面温度を育成結晶であるサファイア単結晶の温度とすることができる。そして、係るサファイア単結晶の表面温度の時間当たりの変化を冷却速度として制御できる。このため、サファイア単結晶製造装置10には、例えばサファイア単結晶の表面温度を測定するための温度測定手段を設けておくこともできる。
図1に示したサファイア単結晶製造装置10において育成したサファイア単結晶19を冷却する場合を例に用いて、本実施形態のサファイア単結晶の製造方法を以下に説明する。
サファイア単結晶19は、図1に示したように円柱形状部191を有しており、円柱形状部191の直径をDとした場合に、冷却工程において、サファイア単結晶の温度が500℃以上1200℃以下の温度域における冷却速度Vaが、以下の式1を満たすことが好ましい。
Va≦0.00125×D2−1.125×D+275・・・式1
なお、サファイア単結晶19に含まれる円柱形状部191とは、外観上略円柱形状であればよく、円柱形状部191の上端部での直径と、下端部での直径とが同一となる厳密な円柱形状である必要はない。例えば円柱形状部191の上端部での直径と、下端部での直径とが異なる場合、該上端部での直径と、下端部での直径との平均値を該円柱形状部191の直径Dとすることもできる。また、冷却速度とは、冷却工程におけるサファイア単結晶の単位時間当たりの温度変化を意味する。
なお、サファイア単結晶19に含まれる円柱形状部191とは、外観上略円柱形状であればよく、円柱形状部191の上端部での直径と、下端部での直径とが同一となる厳密な円柱形状である必要はない。例えば円柱形状部191の上端部での直径と、下端部での直径とが異なる場合、該上端部での直径と、下端部での直径との平均値を該円柱形状部191の直径Dとすることもできる。また、冷却速度とは、冷却工程におけるサファイア単結晶の単位時間当たりの温度変化を意味する。
本発明の発明者らの検討によると、サファイア単結晶の強度はサファイア単結晶の温度が500℃以上1200℃以下の温度域において極小値をもつ。このため、冷却工程における結晶のクラックの発生を抑制するためには、特にこの温度域におけるサファイア単結晶内の歪を低減させることが重要であり、歪を低減する手段として結晶内外の温度差を小さくするためには、冷却速度を遅くすることが好ましい。
そして、本発明の発明者らの検討によれば、上記温度域におけるサファイア単結晶にクラックが発生する冷却速度と、育成したサファイア単結晶の円柱形状部の直径Dとの間には相関があり、冷却速度が上述の式1を充足することでクラックの発生を抑制できる。なお、500℃以上1200℃以下の温度域における冷却速度Vaは係る温度域の間一定である必要はなく、上記式1を満たす範囲内で変化してもよい。ただし、冷却速度を変更するための制御を行う必要が生じるため、500℃以上1200℃以下の温度域において、冷却速度Vaは一定であることが好ましい。
500℃以上1200℃以下の温度域における冷却速度Vaの下限値は特に限定されるものではないが、冷却速度が過度に遅いと、生産性が低下する恐れがある。このため、以下の式1´を充足することが好ましい。
Va≧0.00125×D2−1.125×D+260・・・式1´
上記温度域以外の温度域、すなわち500℃より低温の温度域、及び1200℃より高温の温度域における冷却速度Vbについては特に限定されるものではなく、任意に選択できる。ただし、500℃以上1200℃以下の温度域よりも、500℃よりも低温の温度域、及び1200℃より高温の温度域の方がサファイア単結晶の強度が高く、クラックが発生しにくい。このため、生産性を高める観点から、上述の500℃以上1200℃以下の温度域における冷却速度Vaよりも冷却速度Vbを早くすることが好ましい。
上記温度域以外の温度域、すなわち500℃より低温の温度域、及び1200℃より高温の温度域における冷却速度Vbについては特に限定されるものではなく、任意に選択できる。ただし、500℃以上1200℃以下の温度域よりも、500℃よりも低温の温度域、及び1200℃より高温の温度域の方がサファイア単結晶の強度が高く、クラックが発生しにくい。このため、生産性を高める観点から、上述の500℃以上1200℃以下の温度域における冷却速度Vaよりも冷却速度Vbを早くすることが好ましい。
特に、冷却工程において、サファイア単結晶の温度が500℃より低温の温度域、及び1200℃より高温の温度域における冷却速度Vbは、以下の式2を満たすことが好ましい。
2×Va≦Vb・・・式2
ここで、本実施形態のサファイア単結晶の製造方法における冷却工程の冷却時間と結晶温度との関係の例を図2に示す。図2においては、サファイア単結晶の温度が500℃以上1200℃以下の温度域における冷却速度をVa、500℃より低温の温度域、及び1200℃より高温の温度域における冷却速度をVbとして示している。
ここで、本実施形態のサファイア単結晶の製造方法における冷却工程の冷却時間と結晶温度との関係の例を図2に示す。図2においては、サファイア単結晶の温度が500℃以上1200℃以下の温度域における冷却速度をVa、500℃より低温の温度域、及び1200℃より高温の温度域における冷却速度をVbとして示している。
なお、図2で冷却速度Vbは一定の場合を示したが、冷却速度Vbは500℃より低温の温度域、及び1200℃より高温の温度域において一定である必要はなく、途中で変化させても良い。ただし、冷却速度を変更するための制御を行う必要が生じることから、冷却速度Vbは上記温度域において一定であることが好ましい。
冷却速度Vaについても既述のように一定である必要はなく、変化させてもよい。
ここまで本実施形態のサファイア単結晶の製造方法についてCz法を用いてサファイア単結晶を育成した場合を例に説明したが、既述のようにCz法に限定されるものではない。カイロポーラス法(KY法)、ブリッジマン法等の融液固化法によりサファイア単結晶を製造する場合に広く適用することができる。
なお、サファイア単結晶を原料融液から育成する育成工程は各サファイア単結晶の育成方法に応じて任意に実施することができ、サファイア単結晶の育成工程の条件は特に限定されるものではない。
本実施形態のサファイア単結晶の製造方法により育成するサファイア単結晶のサイズは特に限定されるものではなく、任意に選択することができる。ただし、従来技術によれば、育成するサファイア単結晶のサイズが大きくなると冷却工程でクラックが発生していたところ、本実施形態のサファイア単結晶の製造方法によれば、サファイア単結晶のサイズが大きくなった場合でもクラックの発生を抑制できる。このため、育成するサファイア単結晶の円柱形状部の直径は200mm以上であることが好ましく、300mm以上であることがより好ましく、400mm以上であることが特に好ましい。
以上に説明した本実施形態のサファイア単結晶の製造方法によれば、サファイア単結晶の強度が極小値となるサファイア単結晶の温度が500℃以上1200℃以下の温度域において、冷却速度を所定の範囲とすることで、クラックの発生を抑制することができる。
以下に具体的な実施例、比較例を挙げて説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
図1に示したサファイア単結晶製造装置10を用いて、溶融固化法であるCz法により円柱形状部の直径が200mmφのサファイア単結晶を成長させた後、以下の条件で冷却工程を実施した。
[実施例1]
図1に示したサファイア単結晶製造装置10を用いて、溶融固化法であるCz法により円柱形状部の直径が200mmφのサファイア単結晶を成長させた後、以下の条件で冷却工程を実施した。
サファイア単結晶育成終了後の約2000℃から1200℃より高い温度までの温度域の冷却速度Vbを200℃/hとした。
そして、500℃以上1200℃以下の温度域における冷却速度Vaを100℃/hとした。
500℃より低い温度になってから室温までは冷却速度Vbを200℃/hとした。
冷却に要した総時間は約14時間であった。室温まで冷却後、チャンバー11から取り出した結晶にクラックが発生していないことが確認できた。
表1に実験条件、及び結果についてまとめて示す。なお、冷却時間とはサファイア単結晶を育成した後の約2000℃から室温までの冷却に要した総時間を示している。また、チャンバーからサファイア単結晶を取出した際にサファイア単結晶にクラックが含まれているか否かをクラック有無として示している。
[実施例2]
図1に示したサファイア単結晶製造装置10を用いて、溶融固化法であるCz法により円柱形状部の直径が300mmφのサファイア単結晶を成長させた後、以下の条件で冷却工程を実施した。
[実施例2]
図1に示したサファイア単結晶製造装置10を用いて、溶融固化法であるCz法により円柱形状部の直径が300mmφのサファイア単結晶を成長させた後、以下の条件で冷却工程を実施した。
サファイア単結晶育成終了後の約2000℃から1200℃より高い温度までの温度域の冷却速度Vbを100℃/hとした。
そして、500℃以上1200℃以下の温度域における冷却速度Vaを50℃/hとした。
500℃より低い温度になってから室温までは冷却速度Vbを100℃/hとした。
冷却に要した総時間は約27時間であった。室温まで冷却後、チャンバー11から取り出した結晶にクラックは発生していないことが確認できた。
表1に実験条件、及び結果についてまとめて示す。
[実施例3]
図1に示したサファイア単結晶製造装置10を用いて、溶融固化法であるCz法により円柱形状部の直径が400mmφのサファイア単結晶を成長させた後、以下の条件で冷却工程を実施した。
[実施例3]
図1に示したサファイア単結晶製造装置10を用いて、溶融固化法であるCz法により円柱形状部の直径が400mmφのサファイア単結晶を成長させた後、以下の条件で冷却工程を実施した。
サファイア単結晶育成終了後の約2000℃から1200℃より高い温度までの温度域の冷却速度Vbを50℃/hとした。
そして、500℃以上1200℃以下の温度域における冷却速度Vaを25℃/hとした。
500℃より低い温度になってから室温までは冷却速度Vbを50℃/hとした。
冷却に要した総時間は約54時間であった。室温まで冷却後、チャンバー11から取り出した結晶にクラックは発生していないことが確認できた。
表1に実験条件、及び結果についてまとめて示す。
[実施例4]
図1に示したサファイア単結晶製造装置10を用いて、溶融固化法であるCz法により円柱形状部の直径が200mmφのサファイア単結晶を成長させた後、以下の条件で冷却工程を実施した。
[実施例4]
図1に示したサファイア単結晶製造装置10を用いて、溶融固化法であるCz法により円柱形状部の直径が200mmφのサファイア単結晶を成長させた後、以下の条件で冷却工程を実施した。
サファイア単結晶育成終了後の約2000℃から1200℃より高い温度までの温度域の冷却速度Vbを100℃/hとした。
そして、500℃以上1200℃以下の温度域における冷却速度Vaを100℃/hとした。
500℃より低い温度になってから室温までは冷却速度Vbを100℃/hとした。
冷却に要した総時間は約20時間であった。室温まで冷却後、チャンバー11から取り出した結晶にクラックは発生していないことが確認できた。
表1に実験条件、及び結果についてまとめて示す。
[実施例5]
図1に示したサファイア単結晶製造装置10を用いて、溶融固化法であるCz法により円柱形状部の直径が300mmφのサファイア単結晶を成長させた後、以下の条件で冷却工程を実施した。
[実施例5]
図1に示したサファイア単結晶製造装置10を用いて、溶融固化法であるCz法により円柱形状部の直径が300mmφのサファイア単結晶を成長させた後、以下の条件で冷却工程を実施した。
サファイア単結晶育成終了後の約2000℃から1200℃より高い温度までの温度域の冷却速度Vbを50℃/hとした。
そして、500℃以上1200℃以下の温度域における冷却速度Vaを50℃/hとした。
500℃より低い温度になってから室温までは冷却速度Vbを50℃/hとした。
冷却に要した総時間は約40時間であった。室温まで冷却後、チャンバー11から取り出した結晶にクラックは発生していないことが確認できた。
表1に実験条件、及び結果についてまとめて示す。
[実施例6]
図1に示したサファイア単結晶製造装置10を用いて、溶融固化法であるCz法により円柱形状部の直径が400mmφのサファイア単結晶を成長させた後、以下の条件で冷却工程を実施した。
[実施例6]
図1に示したサファイア単結晶製造装置10を用いて、溶融固化法であるCz法により円柱形状部の直径が400mmφのサファイア単結晶を成長させた後、以下の条件で冷却工程を実施した。
サファイア単結晶育成終了後の約2000℃から1200℃より高い温度までの温度域の冷却速度Vbを25℃/hとした。
そして、500℃以上1200℃以下の温度域における冷却速度Vaを25℃/hとした。
500℃より低い温度になってから室温までは冷却速度Vbを25℃/hとした。
冷却に要した総時間は約80時間であった。室温まで冷却後、チャンバー11から取り出した結晶にクラックは発生していないことが確認できた。
表1に実験条件、及び結果についてまとめて示す。
[比較例1]
図1に示したサファイア単結晶製造装置10を用いて、溶融固化法であるCz法により円柱形状部の直径が200mmφのサファイア単結晶を成長させた後、以下の条件で冷却工程を実施した。
[比較例1]
図1に示したサファイア単結晶製造装置10を用いて、溶融固化法であるCz法により円柱形状部の直径が200mmφのサファイア単結晶を成長させた後、以下の条件で冷却工程を実施した。
サファイア単結晶育成終了後の約2000℃から1200℃より高い温度までの温度域の冷却速度Vbを240℃/hとした。
そして、500℃以上1200℃以下の温度域における冷却速度Vaを120℃/hとした。
500℃より低い温度になってから室温までは冷却速度Vbを240℃/hとした。
冷却に要した総時間は約11時間と、比較的短かった。しかしながら、室温まで冷却後、チャンバー11から取り出した結晶にクラックが発生していた。
表1に実験条件、及び結果についてまとめて示す。
[比較例2]
図1に示したサファイア単結晶製造装置10を用いて、溶融固化法であるCz法により円柱形状部の直径が300mmφのサファイア単結晶を成長させた後、以下の条件で冷却工程を実施した。
[比較例2]
図1に示したサファイア単結晶製造装置10を用いて、溶融固化法であるCz法により円柱形状部の直径が300mmφのサファイア単結晶を成長させた後、以下の条件で冷却工程を実施した。
サファイア単結晶育成終了後の約2000℃から1200℃より高い温度までの温度域の冷却速度Vbを120℃/hとした。
そして、500℃以上1200℃以下の温度域における冷却速度Vaを60℃/hとした。
500℃より低い温度になってから室温までは冷却速度Vbを120℃/hとした。
冷却に要した総時間は約23時間と、比較的短かった。しかしながら、室温まで冷却後、チャンバー11から取り出した結晶にクラックが発生していた。
表1に実験条件、及び結果についてまとめて示す。
[比較例3]
図1に示したサファイア単結晶製造装置10を用いて、溶融固化法であるCz法により円柱形状部の直径が400mmφのサファイア単結晶を成長させた後、以下の条件で冷却工程を実施した。
[比較例3]
図1に示したサファイア単結晶製造装置10を用いて、溶融固化法であるCz法により円柱形状部の直径が400mmφのサファイア単結晶を成長させた後、以下の条件で冷却工程を実施した。
サファイア単結晶育成終了後の約2000℃から1200℃より高い温度までの温度域の冷却速度Vbを60℃/hとした。
そして、500℃以上1200℃以下の温度域における冷却速度Vaを30℃/hとした。
500℃より低い温度になってから室温までは冷却速度Vbを60℃/hとした。
冷却に要した総時間は約45時間と、比較的短かった。しかしながら、室温まで冷却後、チャンバー11から取り出した結晶にクラックが発生していた。
表1に実験条件、及び結果についてまとめて示す。
図3の結果から、冷却速度VaがVa≦0.00125×D2−1.125×D+275の関係を充足する場合には、サファイア単結晶に冷却工程でクラックが生じることを抑制できることを確認できた。
19 サファイア単結晶
191 円柱形状部
191 円柱形状部
Claims (2)
- 融液固化法によるサファイア単結晶の製造方法であって、
直径D(mm)の円柱形状部を有するサファイア単結晶を育成した後、前記サファイア単結晶の温度が500℃以上1200℃以下の温度域における冷却速度Va(℃/h)が、以下の式1を満たす冷却工程を有するサファイア単結晶の製造方法。
Va≦0.00125×D2−1.125×D+275・・・式1 - 前記冷却工程において、前記サファイア単結晶の温度が500℃より低温の温度域、及び1200℃より高温の温度域における冷却速度Vb(℃/h)が、以下の式2を満たす請求項1記載のサファイア単結晶の製造方法。
2×Va≦Vb・・・式2
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