JP2016193145A - 光音響装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】光源11と、造影剤1012を含有する被検体に光源からの光を照射する照射部30と、照射部により照射された光を造影剤が吸収することにより発生する音響波を受信して電気信号を出力する受信部17と、被検体に含有される造影剤の濃度の経時変化に基づいて電気信号の信号強度を補正する補正処理部19aと、補正処理部による補正後の電気信号に基づいて被検体の特性情報を取得する取得部19bと、を有する光音響装置1000を用いる。
【選択図】図1
Description
P0=Γ・μa・Φ ・・・(式A)
ここでΓはグルナイゼン係数であり、堆積膨張係数βと音速cの2乗の積を定圧比熱Cpで割ったものである。Γは被検体が決まれば、ほぼ一定の値をとることが知られている。μaは光吸収体の吸収係数、Φは光吸収体の位置での光量(光吸収体に照射された光量であり、光フルエンスとも呼ばれる)である。被検体内の光吸収体で発生した初期音圧P0は、被検体内を音響波として伝搬し被検体の表面に配置した探触子によって検出される。この検出された音響波の音圧の時間変化を測定し、その測定結果からバックプロジェクション法等の画像再構成手法を用いることにより、初期音圧分布P0を算出することが可能となる。算出された初期音圧分布P0を、グルナイゼン係数Γで除することにより、μaとΦの積の分布、すなわち光エネルギー密度分布を得ることができる。また、被検体内の光量分布Φが分かれば、光エネルギー密度分布を光量分布Φで除することにより、吸収係数分布μaを得ることができる。すなわち、被検体内に照射する光に対して既知の光学特性を持つ光吸収体を造影剤として注入すると、その造影剤の存在量に応じた音響波を取得できる。
応じてコントラストが強調されたPAT画像(光音響画像ともいう)を取得できる。生体で使用され得る造影剤の条件としては、生体への透過性が高い波長領域の光をよく吸収する光学特性を有することなどが求められる。これらの条件を満たす造影剤として、インドシアニングリーン(Indocyanine Green、以下ICGと略すことがある)を一例として挙げることができる。ICGは、人体に照射した際の影響が少なく、かつ、生体への透過性が高い近赤外波長領域の光をよく吸収する光吸収体であることから、光音響測定における好ましい造影剤として用いることができる。非特許文献1では、ICGをマウスに投与して血中の滞留性について検討を行っている。
光源と、
造影剤を含有する被検体に前記光源からの光を照射する照射部と、
前記照射部により照射された光を前記造影剤が吸収することにより発生する音響波を受信して電気信号を出力する受信部と、
前記被検体に含有される前記造影剤の濃度の経時変化に基づいて前記電気信号の信号強度を補正する補正処理部と、
前記補正処理部による補正後の前記電気信号に基づいて前記被検体の特性情報を取得する取得部と、
を有する光音響装置を提供する。
本発明の被検体情報取得装置には、被検体に近赤外線等の光(電磁波)を照射することにより被検体内で発生した音響波を受信して、被検体情報を画像データとして取得する光音響効果を利用した装置を含む。
光音響効果を利用した装置の場合、取得される被検体情報とは、光照射によって生じた音響波の発生源分布、被検体内の初期音圧分布、あるいは初期音圧分布から導かれる光エネルギー吸収密度分布や吸収係数分布、組織を構成する物質の濃度分布を示す。物質の濃度分布とは、例えば、酸素飽和度分布、トータルヘモグロビン濃度分布、酸化・還元ヘモグロビン濃度分布などである。
また、複数位置の被検体の特性情報(例えば、初期音圧分布、光吸収エネルギー密度分布、または吸収係数分布など)を、2次元または3次元の特性分布として取得しても良い。特性分布は被検体内の特性情報を示す画像データとして生成され得る。なお、被検体の特性情報は、被検体情報とも称する。
本発明でいう音響波とは、典型的には超音波であり、音波、超音波と呼ばれる弾性波を含む。光音響効果により発生した音響波のことを、光音響波または光超音波と呼ぶ。探触子は、被検体内で発生した音響波を受信する。
響波を取得することで、画像再構成に十分な情報を取得できる。このように、光音響測定において、マルチ探触子を移動させて複数の音響波受信位置で音響波を受信する場合、被検体からの音響波を受信する一連の操作を完了するまでの間に測定のタイムラグが発生する。例えば被検体に照射するパルス光の発信周波数が20Hz、各音響波受信位置での積算回数が20回、音響波受信位置が120箇所で測定を行う場合、以下のような問題がある。すなわち、1回の光音響測定でおよそ2分程度の時間がかかってしまい、被検体が含有する造影剤の量がその時間内に大幅に減少する。そこで、このような場合について、本発明を適用する場合を以下に示す。
図1は、本発明の実施の形態に係る光音響装置の実施例1を示すブロック図である。実施例1の光音響装置1000(以下、「装置1000」と略称する)は、光源11、光学系13、注入部14、探触子(受信部に対応する)17、信号収集部18、信号処理部19、表示部20をベースに構成される。装置1000は、被検体内の光学特性値等の被検体情報を視認可能な画像として取得できるものである。なお、以下では、3つの光吸収体を定義して説明に用いる。すなわち、その3つの光吸収体は、人工の光吸収体である造影剤1012、造影剤1012以外の光吸収体である非人工吸収体1014、その両者を合わせた光吸収体である統合吸収体101とそれぞれ定義する。
光源11は、被検体15が生体の場合、この生体のうち特定の成分(例えば血液)に吸収される特定の波長の光を照射する。光源11は、数ナノから数百ナノ秒オーダーのパルス光を発生可能なパルス光源が好ましい。光源11は、レーザが好ましいが、レーザのかわりに発光ダイオードなどから構成されても良い。光源11に用いるレーザは、固体レーザ、ガスレーザ、色素レーザ、半導体レーザなど種々のレーザを適用可能である。光源11は、本実施例では、単一の光源を用いている。しかしこれに限られず、複数の光源を用
いても良い。光源11は、この場合、同じ波長を発振する複数の光源から構成するようにする。そうすることで被検体15に照射する光の照射強度を上げられる。また、光源11は、発振波長の異なる複数の光源から構成することで、光学特性値分布の波長による違いを測定可能となる。光源11は、発振する波長を可変に制御できる色素やOPO(Optical Parametric Oscillators)を用いたレーザから構成することで、装置1000は、光学特性値分布の波長による違いを測定可能となる。光源11から発生される光の波長は、被検体15である生体内において吸収が少ない700nmから1100nmの波長領域のものが好ましい。ただし、光源11から発生される光の波長は、生体表面から比較的近い位置にある生体組織の光学特性値分布を求める場合には、上記の波長領域よりも範囲の広い、例えば400nmから1600nmの波長領域のものでも良い。光源11で発生させる光の波長は、特に被検体15が生体である場合には、生体にその光を照射したときに安全で、かつ高い生体透過性を示す700nmから900nmの近赤外領域の波長が好ましい。光源11から発せられるパルス光12のパルス幅は、光吸収体に吸収エネルギーを効率的に閉じ込めるために、熱・ストレス閉じ込め条件を満たす程度にすることが好ましい。光源11から発せられるパルス光12のパルス幅は、例えば、1ナノ秒から200ナノ秒程度である。
光学系13は、光源11から発せられた光12を、レンズやミラーなどの光学部品により所望の光分布形状に加工しながら被検体15に導く。または、光学系13は、この光12を光ファイバなどの光導波路などにより伝搬させて光源11から被検体15へと導くように構成しても良い。光学系13は、例えば、光を反射するミラー、光を集光したり拡大したり光の形状を変化させるレンズ、或いは光を拡散させる拡散板などの光学部品から構成しても良い。しかしこれに限られず、この光学部品は、光源11から発せられた光12を被検体15に所望の形状で照射できる種々のものを適用可能である。なお、光12は、レンズで集光させても良い。しかしこれに限られず、光12は、ある程度の面積に広げることで、生体への安全性を担保しつつ診断領域も広げるようにしても良い。
被検体15は、装置1000の構成ではないが、説明の便宜上ここで説明する。装置1000は、人や動物の悪性腫瘍や血管疾患などの診断や化学治療の経過観察などに用いられる。よって、被検体15は、生体であって、人体や動物の乳房、指、手足などの診断の対象となる部位である。本実施例において、被検体15は、被検体15の外部から注入されずとも被検体15の内部に存在し得る光吸収体と、被検体15の外部から注入されることで被検体15の内部に存在し得る光吸収体と、を有し得る。前者は、例えば、酸素化ヘモグロビン、還元ヘモグロビン、或いはそれらを含む血管などであり、後者は、造影剤1012等である。造影剤1012を注入した被検体15は、装置1000により光音響測定において、以下のようにされても良い。すなわち、非人口吸収体1014である血管中のヘモグロビン由来の音響波に基づく電気信号と、外部から注入した造影剤1012由来の音響波に基づく電気信号とを分離して抽出されても良い。こうすることで、それぞれの電気信号に基づき非人口吸収体1014である血管中のヘモグロビン由来の画像と造影剤1012由来の画像とを分けて形成できる。または、造影剤1012を注入した被検体15は、光音響測定において、以下のようにされても良い。すなわち、非人口吸収体1014である血管中のヘモグロビン由来の音響波に基づく電気信号と、外部から注入した造影剤1012由来の音響波に基づく電気信号とを分離せずに混在した電気信号を取得する。そして、その電気信号に基づき画像を取得するような使い方も可能である。こうすることで、非人口吸収体1014である血管中のヘモグロビン由来の電気信号に造影剤1012由来の電気信号が合わさっているので、この合わさった分だけ、被検体15内の血管部分の画像の輝度等がより強調された表示画像を取得可能である。
本明細書で造影剤1012とは、主として、光音響信号分布のコントラスト(SN比)を改善する目的で、被検体15の外部から被検体15に投与される光吸収体を指す。ただし造影剤1012には、光吸収体そのもの以外に、体内動態を制御する材料を含み得る。体内動態を制御する材料として例えば、アルブミンやIgGなどの血清由来たんぱく質や、ポリエチレングリコールなどの水溶性の合成高分子がある。よって本発明書における造影剤1012には、光吸収体そのもの、光吸収体と他の材料とを共有結合させたもの、および、光吸収体とその他の材料を物理的な相互作用で保持させたものが含まれる。
被検体15が生体の場合、安全性や生体透過性の観点から、照射光としては近赤外光(波長600nm〜900nm)が好ましい。よって造影剤1012には、少なくとも近赤外波長領域に光吸収特性を有する材料を用いる。例えば、インドシアニングリーンに代表されるシアニン系化合物(シアニン色素ともいう)や、金や鉄酸化物に代表される無機化合物がある。
本実施例におけるシアニン系化合物は、吸収極大波長におけるモル吸光係数が106M−1cm−1以上であることが好ましい。本実施例におけるシアニン系化合物の構造の例として下記一般式(1)乃至(4)で表わされるものが挙げられる。
・・・(1)
式(1)において、R201乃至R212は互いに独立に水素原子、ハロゲン原子、SO3T201、PO3T201、ベンゼン環、チオフェン環、ピリジン環、または直鎖もしくは分岐の炭素数1乃至18のアルキル基を表す。上記T201は、水素原子、ナトリウム原子、カリウム原子のいずれかを表す。式(1)において、R21乃至R24は互いに独立に水素原子、または直鎖もしくは分岐の炭素数1乃至18のアルキル基を表す。式(1)において、A21、B21は、互いに独立に直鎖もしくは分岐の炭素数1乃至18のアルキレン基を表す。式(1)において、L21乃至L27は互いに独立にCH、またはCR25である。上記R25は、直鎖もしくは分岐の炭素数1乃至18のアルキル基、ハロゲン原子、ベンゼン環、ピリジン環、ベンジル基、ST202、または、直鎖もしくは分岐の炭素数1乃至18のアルキレン基を表す。上記T202は、直鎖もしくは分岐の炭素数1乃至18のアルキル基、ベンゼン環、または、直鎖もしくは分岐の炭素数1乃至18のアルキレン基を表す。 なお、式(1)において、L21乃至L27は4員環乃至6員環を形成していてもよい。式(1)において、R28は、−H、−OCH3、−NH2、−OH、−CO2T28、−S(=O)2OT28、−P(=O)(OT28)2、−CONH−CH(CO2T28)−CH2(C=O)OT28、−CONH−CH(CO2T28)−CH2CH2(C=O)OT28、及び−OP(=O)(OT28)2、のいずれかを表す。上記T28は、水素原子、ナトリウム原子、カリウム原子のいずれかを表す。式(1)において、R29は、−H、−OCH3、−NH2、−OH、−CO2T29、−S(=O)2OT29、−P(=O)(OT29)2、−CONH−CH(C
O2T29)−CH2(C=O)OT29、−CONH−CH(CO2T29)−CH2CH2(C=O)OT29、及び−OP(=O)(OT29)2、のいずれかを表す。上記T29は、水素原子、ナトリウム原子、カリウム原子のいずれかを表す。
・・・(2)
式(2)において、R401乃至R412は互いに独立に水素原子、ハロゲン原子、SO3T401、PO3T401、ベンゼン環、チオフェン環、ピリジン環、または直鎖もしくは分岐の炭素数1乃至18のアルキル基を表す。上記T401は、水素原子、ナトリウム原子、カリウム原子のいずれかを表す。式(2)において、R41乃至R44は互いに独立に水素原子、または直鎖もしくは分岐の炭素数1乃至18のアルキル基を表す。式(2)において、A41、B41は、互いに独立に直鎖もしくは分岐の炭素数1乃至18のアルキレン基を表す。式(2)において、L41乃至L47は互いに独立にCH、またはCR45である。上記R45は、直鎖もしくは分岐の炭素数1乃至18のアルキル基、ハロゲン原子、ベンゼン環、ピリジン環、ベンジル基、ST402、または、直鎖もしくは分岐の炭素数1乃至18のアルキレン基を表す。上記T402は、直鎖もしくは分岐の炭素数1乃至18のアルキル基、ベンゼン環、または、直鎖もしくは分岐の炭素数1乃至18のアルキレン基を表す。なお、式(2)において、L41乃至L47は4員環乃至6員環を形成していてもよい。式(2)において、R48は、−H、−OCH3、−NH2、−OH、−CO2T48、−S(=O)2OT48、−P(=O)(OT48)2、−CONH−CH(CO2T48)−CH2(C=O)OT48、−CONH−CH(CO2T48)−CH2CH2(C=O)OT48、及び−OP(=O)(OT48)2、のいずれかを表す。上記T48は、水素原子、ナトリウム原子、カリウム原子のいずれかを表す。式(2)において、R49は、−H、−OCH3、−NH2、−OH、−CO2T49、−S(=O)2OT49、−P(=O)(OT49)2、−CONH−CH(CO2T49)−CH2(C=O)OT49、−CONH−CH(CO2T49)−CH2CH2(C=O)OT49、及び−OP(=O)(OT49)2、のいずれかを表す。上記T49は、水素原子、ナトリウム原子、カリウム原子のいずれかを表す。
・・・(3)
式(3)において、R601乃至R612は互いに独立に水素原子、ハロゲン原子、SO3T601、PO3T601、ベンゼン環、チオフェン環、ピリジン環、または直鎖もしくは分岐の炭素数1乃至18のアルキル基を表す。上記T601は、水素原子、ナトリウム原子、カリウム原子のいずれかを表す。式(3)において、R61乃至R64は互いに独立に水素原子、または直鎖もしくは分岐の炭素数1乃至18のアルキル基を表す。式(3)において、A61、B61は、互いに独立に直鎖もしくは分岐の炭素数1乃至18のアルキレン基を表す。式(3)において、L61乃至L67は互いに独立にCH、またはCR65である。上記R65は、直鎖もしくは分岐の炭素数1乃至18のアルキル基、ハロゲン原子、ベンゼン環、ピリジン環、ベンジル基、ST602、または、直鎖もしくは分岐の炭素数1乃至18のアルキレン基を表す。上記T602は、直鎖もしくは分岐の炭素数1乃至18のアルキル基、ベンゼン環、または、直鎖もしくは分岐の炭素数1乃至18のアルキレン基を表す。なお、式(3)において、L61乃至L67は4員環乃至6員環を形成していてもよい。式(3)において、R68は、−H、−OCH3、−NH2、−OH、−CO2T68、−S(=O)2OT68、−P(=O)(OT68)2、−CONH−CH(CO2T68)−CH2(C=O)OT68、−CONH−CH(CO2T68)−CH2CH2(C=O)OT68、及び−OP(=O)(OT68)2、のいずれかを表す。上記T68は、水素原子、ナトリウム原子、カリウム原子のいずれかを表す。式(3)において、R69は、−H、−OCH3、−NH2、−OH、−CO2T69、−S(=O)2OT69、−P(=O)(OT69)2、−CONH−CH(CO2T69)−CH2(C=O)OT69、−CONH−CH(CO2T69)−CH2CH2(C=O)OT69、及び−OP(=O)(OT69)2、のいずれかを表す。上記T69は、水素原子、ナトリウム原子、カリウム原子のいずれかを表す。
・・・(4)
式(4)において、R901乃至R908は互いに独立に水素原子、ハロゲン原子、SO3T901、PO3T901、ベンゼン環、チオフェン環、ピリジン環、または直鎖もしくは分岐の炭素数1乃至18のアルキル基を表す。上記T901は、水素原子、ナトリウム原子、カリウム原子のいずれかを表す。式(4)において、R91乃至R94は互いに独立に水素原子、または直鎖もしくは分岐の炭素数1乃至18のアルキル基を表す。式(4)において、A91、B91は、互いに独立に直鎖もしくは分岐の炭素数1乃至18のアルキレン基を表す。式(4)において、L91乃至L97は互いに独立にCH、またはCR95である。前記R95は、直鎖もしくは分岐の炭素数1乃至18のアルキル基、ハロゲン原子、ベンゼン環、ピリジン環、ベンジル基、ST902、または、直鎖もしくは分岐の炭素数1乃至18のアルキレン基を表す。前記T902は、直鎖もしくは分岐の炭素数1乃至18のアルキル基、ベンゼン環、または、直鎖もしくは分岐の炭素数1乃至18のアルキレン基を表す。なお、式(4)において、L91乃至L97は4員環乃至6員環を形成していてもよい。式(4)において、R98は、−H、−OCH3、−NH2、−OH、−CO2T98、−S(=O)2OT98、−P(=O)(OT98)2、−CONH−CH(CO2T98)−CH2(C=O)OT98、−CONH−CH(CO
2T98)−CH2CH2(C=O)OT98、及び−OP(=O)(OT98)2、のいずれかを表す。前記T98は、水素原子、ナトリウム原子、カリウム原子のいずれかを表す。式(4)において、R99は、−H、−OCH3、−NH2、−OH、−CO2T99、−S(=O)2OT99、−P(=O)(OT99)2、−CONH−CH(CO2T99)−CH2(C=O)OT99、−CONH−CH(CO2T99)−CH2CH2(C=O)OT99、及び−OP(=O)(OT99)2、のいずれかを表す。上記T99は、水素原子、ナトリウム原子、カリウム原子のいずれかを表す。
・・・(i)
・・・(ii)
・・・(iii)
・・・(iv)
・・・(v)
また、上記シアニン系化合物は、芳香環がスルホン酸基、カルボキシル基、または、リン酸基で置換されていても良い。また、芳香環以外の部分に、スルホン酸基、カルボキシル基、リン酸基が導入されていても良い。
注入部14は、被検体15の外部から被検体15の内部へ造影剤1012を注入可能に構成されている。注入部14は、造影剤1012を被検体15に注入し、その注入が完了した時に注入完了信号を信号処理部19に送出する。この注入完了信号は、音響波由来の電気信号の処理に用いられるものである。注入部14は、被検体15の静脈から造影剤1012を注入するものである。しかしこれに限られず、注入部14は、造影剤1012を注入して、注入操作が完了した時刻を信号処理部19に伝えることができる種々のものが適用可能である。注入部14は、この場合、例えば、公知のインジェクションシステムやインジェクタなどであっても良い。
探触子17は、被検体15にパルス光が照射されることにより発生する音響波を受信して、それをアナログの電気信号に変化するとともに、その電気信号を信号収集部18に送出するものである。探触子17は、音響波を受信可能な音響波検出素子を複数配列して構成されても良い。この音響波検出素子は、圧電現象を用いたもの(例えばピエゾ素子等)、光の共振を用いたもの、容量の変化を用いたものなど音響波を検出できるものであれば、どのような素子を用いてもよい。探触子17は、複数の音響波検出素子が1次元あるいは2次元に配置されて構成しても良い。探触子17では、音響波検出素子の多次元配列から構成されることで、一つの探触子17の音響波受信位置で、音響波検出素子が存在する複数の場所で音響波を検出できる。このため、探触子17の音響波受信時間を短縮できるとともに被検体15の振動による音響波検出精度への影響を低減できる。探触子17は、被検体15に対して移動可能に構成される。探触子17は、このようにすることで、画像再構成に用いることができる音響波の取得量を十分に確保可能である。探触子17は、こ
の場合、被検体15表面に対するなるべく多くの方向から音響波を受信するのが理想的である。したがって、探触子17は、位置制御部32により移動可能に構成され、被検体15の表面に沿ってなるべく多くの範囲を移動できることが好ましい。位置制御部32は、探触子17を任意位置に移動可能なステッピングモータであっても良い。位置制御部32は、探触子17を被検体15の周囲に対して移動させるようにしても良い。そうすることで被検体15内の音源(光吸収体)の空間的な配置(被検体情報の一つ)を得るために十分な情報を取得可能である。
信号収集部18は、探触子17から送出される電気信号を入力し、その入力信号を増幅するとともに、アナログ/デジタル変換することでデジタル信号を生成して信号処理部19へ送出する。信号収集部18は、例えば、増幅器(オペアンプ等)、アナログ/デジタルコンバータ、FPGA(Field Programmable Gate Array)チップなどで構成される。信号収集部18は、探触子17から送出される電気信号が音響波検出素子毎にパラレルに入力される場合は、それら電気信号毎にパラレルに処理可能に構成されるほうが好ましい。それにより、画像再構成までの時間を短縮できる。
信号処理部19は、信号処理モジュール(補正処理部に対応する)19aと、画像再構成モジュール(取得部に対応する)19bとから構成される。信号処理モジュール19aは、造影剤1012の血中濃度の時間的推移情報を用いて上記デジタル信号の補正を行うものである。画像再構成モジュール19bは、その補正処理を行うことで構成される補正デジタル信号(補正後の電気信号に対応する)に対して画像再構成処理を行う。そうすることで被検体15内部の特性情報の一つである画像データを形成するものである。信号処理部19は、例えば、プロセッサとメモリを備えるワークステーションなどにより構成されても良く、このワークステーションは、信号処理モジュール19aおよび画像再構成モジュール19bの機能を有するようにしても良い。このワークステーションは、あらかじめプログラミングされたソフトウェアにより被検体15から取得されたデジタル信号の補
正処理を行う。
表示部20は、信号処理部19から送出される画像データを入力し、その入力データに基づいてユーザーに視認可能な画像を表示するものである。表示部20は、例えば、液晶ディスプレイなどから構成される。なお、表示部20は、装置1000の一部を構成するものであっても良いし、装置1000とは別体として外付け可能に構成されても良い。
図2は、ヌードマウスに造影剤1012であるICG(20ナノモル)を尾静脈注入した際の血中の造影剤1012濃度の時間的推移を示す図である。図2の縦軸は、血中のICG濃度を示し、横軸は、ヌードマウスに造影剤1012を注入してからの経過時間を示す。血中に存在するICG濃度は、図2から明らかなように、注入後10分以内で半分以下にまで低下している。循環血部分から発生する造影剤1012由来の音響波は、式Aの光音響波の発生原理に鑑みると、注入後10分以内で半分以下にまで低下する。
造影剤の濃度の経時変化に関するデータである。
図3は、上記本発明の実施例1における装置1000の機能を示すフローチャートである。フローは装置1000が有する支持部等により被検体15が支持されることによりスタートする。フローがスタートすると、ステップS301で、被検体15が支持された状態で装置1000への給電が開始され、装置1000が起動され、ステップS302へ移行する。ステップS302で、注入部14から被検体15内へ造影剤1012が注入され、ステップS303へ移行する。この場合、造影剤1012の注入方法は、例えばボーラス注入等が適用される。
トが開始される。このようにして、ルックアップテーブル上の造影剤1012注入後の経過時間と、測定により現実に音響波が取得された時刻とが同期される。
最初に受信した時刻での血中造影剤1012の濃度についても、造影剤1012濃度の時間的推移情報が参照されることで取得されるようにしても良い。なお、これに限られず、取得された参照時刻での被検体15内の血中に存在する造影剤1012濃度が、造影剤1012の注入が完了した時刻での血中造影剤1012の濃度で除算されるようにしても良い。
て、血中に存在する造影剤1012の濃度が減少することによる画像データの輝度値等の精度の低下が抑制されたものである。ステップS306では、例えば、ステップS305の処理で算出された相対値に対して、その逆数が受信位置毎に算出され、受信位置或いは受信時刻と対応付けられて信号処理部19内の不図示のメモリ等に格納される。この格納された逆数のそれぞれは、後の補正処理に使用される変換係数である。そして、ある受信位置で受信された造影剤1012由来の音響波から形成されたデジタル信号に対して、その受信位置に対応する変換係数が乗算されることで、その受信位置で受信した音響波に基づくデジタル信号が補正され、補正デジタル信号が生成される。この場合に、この補正処理が全受信時刻でのデジタル信号について実行されることで、全デジタル信号について補正デジタル信号がそれぞれ生成される。そして、生成された受信位置毎の補正デジタル信号が不図示の信号処理部19内のメモリ等に格納される。なお、ここでは、各受信位置は、各音響波受信時刻と1対1に対応していることを前提としている。
図4は、本発明の実施の形態に係る光音響装置の実施例2を示すブロック図であり、実施例1と共通の構成については同一の番号を付して説明を省略する。また、実施例1と類似する構成については、二百番台の番号を付すと共にその十の位および一の位に共通の番号を付して、必要のない限り説明を省略する。本実施例の光音響装置2000(以下「装置2000」と略称する)は、ルックアップテーブルを参照するために、造影剤1012の注入完了時刻に基づく検知信号に基づいて受信時刻のカウントを開始することが可能に構成されるものである。そうすることで、装置2000は、ルックアップテーブルと実際の音響波受信時刻とを同期することで、ルックアップテーブルを参照でき、デジタル信号の補正が可能である。なお、実施例1の注入部14が出力する注入完了信号の換わりに本実施例では検知信号に基づいて受信時刻のカウントを開始するものである。
され、造影剤1012からの造影剤1012の有無が判別可能な信号を受信するようにする。そうすることで、造影剤1012が血中へ確実に注入されたことを検知し、その検知結果である検知信号を信号処理モジュール219aに送出する。信号処理モジュール219aは、この送出された検知信号を入力し、この入力した時刻を上記のルックアップテーブルの参照時刻の基準時として補正処理を実行する。なお、造影剤検知部202の造影剤1012の検知手法は、光音響、蛍光、吸収などの光学的な手法に限られず、放射性同位体元素を検知する手法などの公知の方法を用いて造影剤1012の有無を検知するようにしても良い。また、造影剤検知部202は、上記において、造影剤1012由来の音響波を受信することで造影剤1012の存在を検知するようにしているが、これに限られず、造影剤1012の有無が判別できる種々の信号を適用可能である。造影剤検知部202は、注入部14の先端付近に設けられるようにしても良い。注入部14から造影剤1012が注入され、その造影剤1012由来の信号を受信し易くなるからである。または、造影剤検知部202は、注入部14の先端付近以外に設けても良い。例えば静脈から造影剤1012を注入する場合、造影剤検知部202は、頸動脈部に設置し、頸動脈部に造影剤1012を注入した後、直ちに造影剤1012の有無が判別可能な信号(光音響波等)を取得する。造影剤検知部202は、その取得結果として信号処理部219へ検知信号を送出する。信号処理モジュール219aでは、その検知信号の入力に基づいて直ちに時間のカウントを開始する。そうすることで、信号処理モジュール219aは、ルックアップテーブル上の造影剤1012注入後の経過時間(ルックアップテーブル上の各音響波受信時刻)と、実際に音響波が受信された時刻とを同期させる。信号処理モジュール219aでは、そうすることで、ルックアップテーブルをデジタル信号の補正の際に参照可能となる。
以下に装置2000の変型例を説明する。本変型例に係る光音響装置において、造影剤検知部202は、閾値が設けられ、造影剤1012から発生する造影剤1012が存在することを示す信号が、この閾値を超えるときのみ検知信号を信号処理モジュール219aに出力するように構成される。ここで、実施例2の造影剤検知部202は、造影剤1012の注入完了を確認するために設けられていた。ここで、注入部14による造影剤1012の注入動作の不良等が原因で、循環血中での造影剤1012の初期濃度が十分に得られない場合には、音響波の受信結果がルックアップテーブルを十分に反映しない可能性がある。この場合、信号処理モジュール219aでは、正しい補正が実行できない可能性がある。そのため、上記閾値を設けておくことで、信号処理モジュール219aでは、ルックアップテーブルを用いて補正が可能か否かの判定を行うことができる。または、別の方法として、被検体15の血中に注入した造影剤1012の種々の初期濃度に応じた造影剤1012の血中濃度の経時変化の種々のパターンが予め予測できる場合がある。この場合には、その種々の初期濃度毎のルックアップテーブルと、それらに対応する各閾値を設定しておく。そして、造影剤検知部202で受信する信号強度に応じて対応する適切なルックアップテーブルを選択し、その選択したルックアップテーブルを用いてデジタル信号を補正するようにしても良い。
本実施例に係る光音響装置は、実施例1または2の光音響装置の基本的機能に加えて、デジタル信号の補正処理を行うための関心領域を設定可能なものである。実施例1は、受信した造影剤1012由来の音響波を取得し、その取得した音響波に基づくデジタル信号に対して補正処理を行うものである。ここで、被検体15中の循環血中以外の箇所に造影剤1012の一部が侵入した場合には、循環血中の濃度を測定してその結果に基づいて構成されているルックアップテーブルでは補正ができない場合も有り得る。そこで、本実施例の光音響装置は、上記の各実施例における光音響装置に関心領域設定部をさらに設けるものである。この関心領域設定部は、取得された造影剤1012に由来するデジタル信号から循環血部位に相当する部分を抽出するものである。関心領域設定部は、この場合、ユーザーにより表示部20を介して、被検体15の循環血部位に関心領域を指定可能に構成される。関心領域設定部は、デジタル信号の全体から、指定された関心領域部分を抽出するものである。そうすることで、本実施例の光音響装置では、循環血部位からの音響波に由来するデジタル信号にのみ補正処理を施すことができる。これにより循環血中の濃度変化に対応した部位から発生した音響波由来のデジタル信号だけに対して上記のような補正処理が可能である。このため、より高精度な画像データおよび光音響画像を取得できる。しかしこれに限られず、関心領域設定部は、自動的に被検体15の循環血部位を予測し、その予測された部位に自動的に関心領域を設定するようにしても良い。
図5は、本発明の実施の形態に係る光音響装置(以下「装置」と略称する)の実施例4を示すフローチャートである。本実施例では、被検体15内に光吸収係数が互いに異なる2種類の第1及び第2造影剤を注入した場合についてのものである。本実施例の装置は、実施例1が有する光源11を、第1造影剤1012により選択的に吸収される波長の第1の光と、第2造影剤により選択的に吸収される波長の第2の光とを出力可能に構成したものである。なお、本フローのステップS501からステップS503の処理は、実施例1における図3のステップS301からステップS303の処理と同様であるためここではその説明を省略する。フローは、ステップS503の経過時間のカウントが開始されてステップS504へ移行する。ステップS504では、第1の光がステップS304と同様の手順で照射および第1造影剤1012由来の音響波の受信が行われる。そして、最後の受信位置での音響波の受信が終了し、これらの受信に基づき各受信位置での第1造影剤1012由来のデジタル信号が生成されるとともに、それぞれそのデジタル信号の基となった音響波の受信時刻と対応づけられて記憶保持される。そして、探触子17が所定のホームポジションに移動され、ステップS505へ移行する。この所定のホームポジションは
、例えば探触子17が被検体15に対してらせん状に移動されながら音響波が受信されるような場合には、その螺旋軌道の中心位置としても良い。
本実施例の光音響装置は、上記各実施例の光音響装置に、血中の造影剤1012濃度の時間的推移情報を取得する装置(推移取得装置と略称する)を付加したものである。本実施例では、推移取得装置は、実施例1のステップS305の処理で駆動する。推移取得装置は、各受信位置で音響波を受信した時刻と同一の時刻で血中の造影剤1012濃度を取得する。推移取得装置は、この場合に、双方を関連づけたデータを全受信時刻について生成し、それらからなる造影剤1012濃度推移情報(ルックカップテーブル)を生成して信号処理部19内のメモリへ格納するものである。以降の処理は上記の実施例と同様である。このようにすることで、容易に補正に用いるルックアップテーブルを生成することができる。
本実施例の光音響装置は、実施例3の光音響装置に、設定した関心領域内の造影剤1012の濃度の経時変化を確認するために、探触子17を関心領域に応じた音響波受信位置に固定して音響波を受信するものである。なお、実施例1と共通の構成については同一の番号を付して説明を省略する。実施例3の光音響装置は、音響波受信時刻のカウントを開始し、最初の音響波受信時刻と、最後の音響波受信時刻、それらの間の音響波受信時刻において以下を行う。すなわち、これらの各時刻での血中に存在する造影剤1012の濃度を上記の造影剤1012濃度推移情報(ルックアップテーブル)から参照する。そして上記の造影剤1012濃度推移情報から各受信時刻における血中造影剤1012濃度の相対値を算出する。本実施例で行われる相対値化する方法は、上記各実施例と同様としても良い。本実施例の光音響装置による相対値化の結果として算出される相対値は、上記各実施例と同様に、各音響波受信時刻におけるデジタルデータを補正する際の変換係数として用いられる。そして、本実施例の光音響装置は、このデジタルデータを、変換係数を用いて補正することにより補正デジタル信号を生成し、その後の画像再構成等の処理は上記各実施例と同様である。
図6は、本発明の実施の形態に係る光音響装置の実施例7を示すブロック図であり、図1に対応する部分には同一の番号を付して必要のない限り説明を省略する。また実施例1と類似する構成については七百番台の番号を付すとともにその十の位および一の位に共通番号を付して、必要のない限り説明を省略する。なお、図6の717として示される探触子は、図7の切断線AA’での切断部端面を示すものである。本実施例の光音響装置7000(以下、「装置7000」と略称する)本実施例の装置7000は、探触子717の構成に特徴を有する。探触子717は、複数の音響波検出素子718、保持体734を有する。保持体734は、略半球面形状に形成されており、その略半球面形状に沿って複数の音響波検出素子718を保持している。音響波検出素子718は、それぞれ最も受信感度の高い方向が集中するように保持されている。本実施例では、複数の音響波検出素子718のそれぞれの最も受信感度の高い方向は、保持体734の略半球面形状の曲率中心を含む領域に向かうものである。音響波検出素子718の電気信号出力端は、それぞれ信号配線と接続されている。音響波検出素子718のそれぞれが出力した電気信号は、それぞれ信号配線が共通接続されて構成される信号線736により合成されるとともに、その信号線736を介して信号収集部18へと送出される。その後の信号処理等は各実施例と同様である。
<その他の実施形態>
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
Claims (10)
- 光源と、
造影剤を含有する被検体に前記光源からの光を照射する照射部と、
前記照射部により照射された光を前記造影剤が吸収することにより発生する音響波を受信して電気信号を出力する受信部と、
前記被検体に含有される前記造影剤の濃度の経時変化に基づいて前記電気信号の信号強度を補正する補正処理部と、
前記補正処理部による補正後の前記電気信号に基づいて前記被検体の特性情報を取得する取得部と、
を有する光音響装置。 - 前記照射部は、複数の所定の時刻で前記光の照射を行い、
前記受信部は、前記複数の所定の時刻で前記音響波を受信するとともに、前記複数の所定の時刻で前記電気信号を出力し、
前記補正処理部は、前記所定の時刻毎の前記電気信号の信号強度を補正する請求項1に記載の光音響装置。 - 前記補正処理部は、前記電気信号の信号強度を補正するにあたり前記造影剤の濃度の経時変化に関するデータを参照する請求項2に記載の光音響装置。
- 前記造影剤の濃度の経時変化に関するデータは、前記所定の時刻と該時刻での前記被検体内での前記造影剤の推定濃度とが対応付けられて形成されるものである請求項3に記載の光音響装置。
- 前記被検体に前記造影剤を注入する注入部をさらに有する請求項4に記載の光音響装置。
- 前記補正処理部は、前記造影剤の注入が完了した時刻に基づいて、前記受信部が前記音響波を受信する時刻と、前記造影剤の濃度の経時変化に関するデータ内の前記所定の時刻とを同期することで前記造影剤の濃度の経時変化に関するデータを参照する請求項5に記載の光音響装置。
- 前記補正処理部は、前記造影剤の濃度の経時変化に関するデータを参照することで前記受信部が前記音響波を受信した時刻での前記被検体内での前記造影剤の推定濃度を取得し、該取得した推定濃度と前記被検体内に前記造影剤が注入された時の前記造影剤の濃度との比に基づいて前記電気信号の補正を行う請求項6に記載の光音響装置。
- 前記被検体内に前記造影剤が注入された時の前記造影剤の濃度は、前記造影剤の濃度の経時変化に関するデータの前記所定の時刻のうち最も初期の時刻に対応づけられた前記推定濃度である請求項7に記載の光音響装置。
- 前記被検体と前記受信部との位置関係を変化させる位置制御部をさらに有し、
前記補正処理部は前記位置制御部が前記位置関係を変化させることにより前記受信部が複数の受信位置毎に前記音響波を受信して出力した前記電気信号の信号強度を、前記被検体に含有される前記造影剤の濃度の経時変化に基づいてそれぞれ補正する請求項2乃至8のいずれか1項に記載の光音響装置。 - 前記複数の受信位置のそれぞれと前記複数の所定の時刻のぞれぞれとは1対1に対応する請求項9に記載の光音響装置。
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