JP2016192529A - 半導体発光素子及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】歩留まりの高い半導体発光素子を実現する。【解決手段】 半導体発光素子は、基板と、基板の上層に形成された、第一半導体層、活性層、及び第二半導体層と、第一電極とを有する。活性層は、窒化物半導体からなり、第一領域内において第一半導体層の側に位置する面が凹凸面を含んで構成される一方、第一領域とは異なる第二領域内において第一半導体層の側に位置する面が平坦面で構成される。第一電極は、第二領域内において、第一半導体層に接触すると共に、活性層及び第二半導体層に対して絶縁性を有した状態で形成されている。第二領域内のうち、第一電極と接触する領域に位置する第一半導体層の上層には、活性層及び第二半導体層が形成されていない。【選択図】 図1

Description

本発明は、半導体発光素子及びその製造方法に関する。
半導体発光素子の素子構造の一つとして、いわゆるビア構造型の半導体発光素子の開発が進められている。例えば、下記特許文献1には、ビア構造型の半導体発光素子を採用することにより、電流が半導体内で横方向に拡がるべき距離が小さくなり、直列抵抗を小さくすることができ、高電流駆動が実現できることが記載されている。
特開2004−047988号公報
本発明者は、上記のようなビア構造型の半導体発光素子を製造するに際して歩留まりが悪化するという特有の課題を見出し、本発明に至った。
本発明に係る半導体発光素子は、
基板と、
前記基板の上層に形成された、n型又はp型の窒化物半導体からなる第一半導体層と、
前記第一半導体層の上層に形成され、窒化物半導体からなり、第一領域内において前記第一半導体層の側に位置する面が凹凸面を含んで構成される一方、前記第一領域とは異なる第二領域内において前記第一半導体層の側に位置する面が平坦面で構成される活性層と、
前記活性層の上層に形成された、前記第一半導体層とは異なる導電型の窒化物半導体からなる第二半導体層と、
前記第二領域内において、前記第一半導体層に接触すると共に、前記活性層及び前記第二半導体層に対して絶縁性を有した状態で形成された第一電極とを備え、
前記第二領域内において、前記第一電極と接触している領域に位置する前記第一半導体層の上層には前記活性層及び前記第二半導体層が形成されていないことを特徴とする。
上記の素子において、第一電極は、活性層及び第二半導体層が存在しない領域において第一半導体層に接触するように形成されている。この第一電極は、活性層の第一半導体層の側に位置する面が凹凸面を含んで構成されている第一領域内ではなく、活性層の第一半導体層の側に位置する面が平坦面で構成されている第二領域内に設けられている。
活性層及び第二半導体層が存在しない領域を形成するためには、当該領域内に位置する第二半導体層及び活性層に対して、例えばエッチング等を施すことで形成される。ここで、第一電極を、活性層が凹凸面を含んで形成された第一領域内に形成する場合を想定する。エッチングが進行して、第一半導体層側における活性層の面が第一半導体層に向かって凹になっている箇所において第一半導体層が露出したとしても、その近傍の第一半導体層側における活性層の面が第一半導体層に向かって凸になっている箇所では、いまだ活性層が存在し、第一半導体層が露出していない状態が想定される。つまり、第一電極を形成するためには、第一半導体層側における活性層の面が第一半導体層に向かって凸になっている箇所において、第一半導体層が完全に露出するまでエッチングを進行させる必要がある。
これに対し、第一電極を、活性層が平坦面で形成された第二領域内に形成する場合には、上記のようなことを注意する必要がなく、単に活性層の膜厚相当分だけエッチングを進行させれば、第一半導体層を露出させることができる。すなわち、第一領域内に第一電極を形成する場合に比べて、エッチング量を減らすことができる。
エッチング量が増大することは、エッチング時に加えられるエネルギー量が増大することを意味する。発光素子の電気的特性に対する悪影響を出来る限り抑制する観点からは、エッチング時に印加するエネルギー量を小さくすることが好ましい。よって、上記構成によれば、半導体層に凹凸面が形成されている場合であっても、平坦面へのエッチングによって形成された孔部に第一電極を挿入することで実現できるため、複数の素子間の電気的特性を均一化でき、歩留まりの高いビア型構造の半導体発光素子が実現される。
この半導体発光素子は、ビア型の構造のみならず、フリップチップ型の構造とすることができる。
前記第二領域内において、少なくとも前記第二半導体層及び前記活性層を貫通し、前記第一半導体層に達する孔部を有し、
前記第一電極は、前記活性層及び前記第二半導体層に対して絶縁状態が保持された状態で前記孔部に挿入され、前記第一半導体層に接触するように形成されているものとしても構わない。これにより、歩留まりの良いビア型構造の半導体発光素子が実現される。
なお、上記の構成において、
前記活性層が、前記第一領域内において前記第一半導体層側の面及び前記第二半導体層側の面の双方が凹凸面を含んで構成される一方、前記第二領域内において前記第一半導体層側の面及び前記第二半導体層側の面の双方が平坦面で構成されているものとしても構わない。
上記の構成によれば、第一電極を形成するに際し、活性層に対しては、当該活性層の膜厚分をエッチングすれば第一半導体層の上面を露出させることができる。これにより、エッチング工程の制御性が容易になり、製造素子の歩留まりが向上する。
ここで、前記第一領域内の前記活性層の凹凸面が窒化物半導体の非極性面で構成され、前記第二領域内の前記活性層の平坦面が窒化物半導体の極性面で構成されているものとしても構わない。
窒化物半導体で構成された半導体発光素子においては、内部電界に起因して発光効率が低下するという別の課題がある。従来、窒化物半導体を用いた半導体発光素子は、c面成長によって作製されていた。ここで「c面成長」とは、c面に垂直な方向、すなわちc軸に沿ってエピタキシャル成長させることを意味する。
c軸方向に関しては、Ga原子とN原子が非対称的に配置されている。このとき、GaN層の成長面となるc面においては、Ga原子のみを含むGa原子面が僅かにプラスに帯電する一方、N原子のみを含むN原子面が僅かにマイナスに帯電し、結果としてc軸方向に自発分極が発生する。また、GaN結晶層上に異種半導体層をヘテロエピタキシャル成長させた場合、両者の格子定数の違いによって、GaN結晶に圧縮歪や引っ張り歪が生じ、GaN結晶内でc軸方向に圧電分極(ピエゾ分極)が発生する。
活性層は、一般的には量子井戸構造を有している。量子井戸構造を形成するに際しては上記のヘテロエピタキシャル成長が必要となる。よって、c面を成長面として活性層を含む半導体層を成長した場合、量子井戸内に自発分極やピエゾ分極に起因した内部電界がc軸方向に発生する。この結果、電子と正孔の再結合確率が下がって発光効率が低下してしまう。
これに対し、上記の半導体発光素子によれば、第一領域内において活性層が非極性面で構成されるため、全ての活性層が極性面で構成される場合と比較して内部電界が低下し、前記再結合確率が向上する。
また、第二領域内においては活性層が極性面で構成されるため、当該領域には平坦面が形成される。そして、この平坦面で構成された第二領域内に第一電極が形成されるため、上述したように隣接する第一電極の寸法の均一化と、複数の素子を製造する場合における素子間の第一電極の寸法の均一化が可能となり、ひいては素子間の電気的特性を均一化することができる。
前記第二半導体層は、前記第一領域内において前記活性層とは反対側に位置する面が凹凸面を含んで構成され、前記第二領域内において前記活性層とは反対側に位置する面が平坦面で構成されているものとしても構わない。
この場合、第一電極を形成するに際し、エッチングが進行して最初に第二半導体層が露出した時点からは、第二半導体層の膜厚及び活性層の膜厚分だけエッチングを進行させれば、第一半導体層を露出させることができる。これにより、エッチング工程の制御性が容易になり、製造素子の歩留まりが向上する。
なお、前記第二半導体層は、前記第一領域内及び前記第二領域内において、前記活性層とは反対側に位置する面が平坦面で構成されているものとしても構わない。
逆に、前記第二半導体層は、前記第一領域内及び前記第二領域内において、前記活性層とは反対側に位置する面が凹凸面を含んで構成されているものとしても構わない。この凹凸面は、例えば光取り出し効率を向上させることを意図した面とすることができる。
第二領域内において、第二半導体層の活性層とは反対側に位置する面が凹凸面を含んで構成されていたとしても、上述したように、活性層の第一半導体層側の面は平坦面で構成されているため、活性層の第一半導体層側の面が凹凸面で構成されている第一領域内に第一電極をを形成する場合と比較して、エッチング量を低下させることができる効果は依然として奏される。すなわち、この構成によれば、光取り出し効率を向上しながらも、歩留まりを向上した素子が実現される。
また、上記半導体発光素子は、
前記第二半導体層と接触した第二電極を備え、
前記第一電極は、前記第二電極に対して絶縁状態が保持された状態で前記第一半導体層に接触しているものとしても構わない。
また、本発明は、半導体発光素子の製造方法であって、
基板を準備する工程(a)と、
前記基板の上層に、第一領域内においては少なくとも非極性面を結晶成長面とし、前記第一領域とは異なる第二領域内においては極性面を結晶成長面として、n型又はp型の窒化物半導体からなる第一半導体層を成長させる工程(b)と、
前記第一半導体層の上層に窒化物半導体からなる活性層を成長させる工程(c)と、
前記活性層の上層に、前記第一半導体層とは異なる導電型の窒化物半導体からなる第二半導体層を成長させる工程(d)と、
前記第二領域内の少なくとも一部において、前記第二半導体層及び前記活性層をエッチングして、底面に前記第一半導体層を露出させる工程(e)と、
前記第二半導体層及び前記活性層と電気的に絶縁した状態で露出した前記第一半導体層の上面の少なくとも一部に前記第一電極を形成する工程(f)とを有することを特徴とする。
工程(b)では、第一領域にて少なくとも非極性面を結晶成長面として第一半導体層を成長させる一方、第二領域にて極性面を結晶成長面として第一半導体層を成長させる。これにより、工程(b)が完了した状態では、第一領域において第一半導体層の表面に凹凸が形成される一方、第二領域において第一半導体層の表面は平坦となる。
その後、工程(b)の後に工程(c)を行うことで、第一領域内において第一半導体層の側に位置する面が凹凸面を含んで構成される一方、第一領域とは異なる第二領域内において前記第一半導体層の側に位置する面が平坦面で構成される活性層を成長させることができる。よって、上述したように、工程(e)におけるエッチング時において、第一半導体層を露出させるために必要なエッチング量を低下させることができ、歩留まりの高い素子が実現される。
また、上記の方法によれば、少なくとも第一領域内では、非極性面を結晶成長面とする活性層を成長させることができる。よって、本方法によって製造される半導体発光素子は、極性面を結晶成長面とする活性層のみを有する半導体発光素子に比べて内部電界が緩和され、発光効率が向上する。
上述した工程(b)を実現するための方法としては、種々の方法を採用することができる。
一例としては、工程(a)の後に、基板の上面に窒化物半導体からなる第三半導体層を成長させた後、この第三半導体層に対して、第一領域内において、所定の方向に延伸する溝部(以下、「第一溝部」と呼ぶ。)を形成する工程(b1)を実行する。第一溝部は、基板の面が露出しない範囲内の深さとする。
工程(b1)の実行後、再び第三半導体層を成長させる工程(b2)を実行する。工程(b2)の実行前において、第一領域内には第一溝部が存在することで凹凸面が形成されており、この凹凸面上に第三半導体層が成長することで、第一領域内においては少なくとも非極性面を成長面とした第三半導体層が形成される。一方、第二領域内においては極性面を成長面とする第三半導体層が形成される。
工程(b2)の実行後、第一半導体層を成長させる工程(b3)を実行する。第一半導体層は、第三半導体層の成長面に引き続き成長することになるため、第一領域においては少なくとも非極性面を成長面として形成され、第二領域においては極性面を成長面として形成される。この工程(b1)~(b3)によって、工程(b)を実現することができる。
別の一例としては、工程(b1)の実行後に、第一半導体層を成長させる工程(b3)を実行することで、工程(b)を実現してもよい。すなわち、工程(b3)の実行前において、第一領域内には第一溝部が存在することで凹凸面が形成されており、この凹凸面上に第一半導体層が成長することで、第一領域内においては少なくとも非極性面を成長面とした第一半導体層が形成される。一方、第二領域内においては極性面を成長面とする第一半導体層が成長する。
更に別の一例としては、工程(a)の後に、基板の上面に窒化物半導体からなる第三半導体層を成長させ、その後に第一半導体層を成長させる工程(b4)を実行する。その後、第一半導体層に対して、第一領域内において、所定の方向に延伸する溝部を形成する工程(b5)を実行する。そして、工程(b5)の実行後、再び第一半導体層を成長させる工程(b6)を実行する。工程(b6)の実行前において、第一領域内には第一溝部が存在することで凹凸面が形成されており、この凹凸面上に第一半導体層が成長することで、第一領域内においては少なくとも非極性面を成長面とした第一半導体層が形成される一方、第二領域内においては極性面を成長面とする第一半導体層が形成される。この工程(b4)~(b6)によって、工程(b)を実現することができる。
前記工程(e)は、前記第二領域内の少なくとも一部において、前記第二半導体層及び前記活性層をエッチングして、底面に前記第一半導体層が露出してなる溝部を形成する工程であり、
前記工程(f)は、前記第二半導体層及び前記活性層と電気的に絶縁した状態で前記溝部内に導電性材料を充填して前記第一電極を形成する工程であるものとしても構わない。
この方法によれば、第一電極は第二半導体層及び活性層を貫通する溝部(以下、適宜「第二溝部」と呼ぶ。)内に充填されるため、いわゆるビア構造型の半導体発光素子が実現される。これにより、電流分布密度の均一性が良好となり、高電流駆動に適した半導体発光素子が実現される。
なお、前記工程(e)は、窒化物半導体からなる層のc面に平行な面をエッチングする工程としても構わない。ここで、本明細書では、「c面に平行な面」とはc面及び実質的にc面に相当する面を指し、実質的にc面に相当する面とはc面に対して傾斜角度が5°以下の範囲内のものを指す。
また、上記方法において、前記工程(d)の終了後、前記工程(e)の開始前に、前記第二半導体層の上面に凹凸形状を形成する工程(g)を有するものとしても構わない。
この方法によれば、光取り出し効率を向上しながらも、歩留まりを向上した素子が実現される。
また、上記方法において、前記工程(d)の終了後、前記工程(e)の開始前に、少なくとも前記第一領域内における前記第二半導体層の上層に第二電極を形成する工程(h)を有し、
前記工程(f)が、前記第二電極と電気的に絶縁した状態で前記第一電極を形成する工程であるものとしても構わない。
上記構成によれば、活性層の表面に凹凸形状を有する半導体発光素子において、第一電極を形成する際に、エッチング量を最小限に抑制することができ、歩留まりの高い半導体発光素子が実現される。
本発明によれば、歩留まりの高い半導体発光素子を実現することができる。
一実施形態の半導体発光素子の構造を模式的に示す図面である。 一実施形態の半導体発光素子の製造工程を示す一工程図である。 一実施形態の半導体発光素子の製造工程を示す一工程図である。 一実施形態の半導体発光素子の製造工程を示す一工程図である。 一実施形態の半導体発光素子の製造工程を示す一工程図である。 一実施形態の半導体発光素子の製造工程を示す一工程図である。 一実施形態の半導体発光素子の製造工程を示す一工程図である。 一実施形態の半導体発光素子の製造工程を示す一工程図である。 一実施形態の半導体発光素子の製造工程を示す一工程図である。 一実施形態の半導体発光素子の製造工程を示す一工程図である。 一実施形態の半導体発光素子の製造工程を示す一工程図である。 一実施形態の半導体発光素子の製造工程を示す一工程図である。 一実施形態の半導体発光素子の製造工程を示す一工程図である。 一実施形態の半導体発光素子の製造工程を示す一工程図である。 一実施形態の半導体発光素子の製造工程を示す一工程図である。 一実施形態の半導体発光素子の製造工程を示す一工程図である。 一実施形態の半導体発光素子の製造工程を示す一工程図である。 一実施形態の半導体発光素子の製造工程を示す一工程図である。 ステップS9において、エッチングする箇所を、第二領域4内にした場合と第一領域3内にした場合の相違点を説明するための図である。 別実施形態の半導体発光素子の製造工程を示す一工程図である。 別実施形態の半導体発光素子の製造工程を示す一工程図である。 別実施形態の半導体発光素子の別の構造を模式的に示す図面である。 別実施形態の半導体発光素子の製造工程を示す一工程図である。 別実施形態の半導体発光素子の製造工程を示す一工程図である。 別実施形態の半導体発光素子の別の構造を模式的に示す図面である。 別実施形態の半導体発光素子の製造工程を示す一工程図である。 別実施形態の半導体発光素子の製造工程を示す一工程図である。 別実施形態の半導体発光素子の別の構造を模式的に示す図面である。
本発明の半導体発光素子及びその製造方法につき、図面を参照して説明する。なお、各図において図面の寸法比と実際の寸法比は必ずしも一致しない。
〈構造〉
図1は、半導体発光素子の構造を模式的に示す図面であり、いわゆる「ビア構造型」と呼ばれる素子に対応する。図1において、(a)は光取り出し面とは反対側から見たときの模式的な平面図であり、(b)は(a)内におけるA−A線で切断したときの模式的な断面図であり、ここでは[0001]方向及び[1−100]方向で形成される平面で切断したときの模式的な断面図に相当する。
なお、本明細書では、ミラー指数を示すカッコ内の数字の直前に付された符号「−」はその指数の反転を示しており、図面内における「バー」と同義である。また、本明細書において、{1−101}面とは、(1−101)面、及びこの(1−101)面と結晶学的に等価な面、すなわち(10−11)面、(01−11)面、(0−111)面、(−1101)面、及び(−1011)面を含む概念である。また、本明細書において、<11−20>方向とは、[11−20]方向、及びこの[11−20]方向と結晶学的に等価な方向、すなわち[1−210]方向、[−2110]方向、[−1−120]方向、[−12−10]方向、及び[2−1−10]方向を含む概念である。
また、本明細書において、単に「AlGaN」という表記をしている場合には、AlとGaを含む窒化物半導体であるという意味を示すものであり、AlとGaの組成比の記述を単に省略して記載したものであって、AlとGaの組成比が1:1である場合に限定する趣旨ではない。InGaNやAlInGaNという表記についても同様である。
半導体発光素子1は、基板11と、第一半導体層15と、活性層17と、第二半導体層19と、第一電極41とを備えている。第一半導体層15は基板11の上層に形成され、活性層17は第一半導体層15の上層に形成され、第二半導体層19は活性層17の上層に形成されている。また、半導体発光素子1は、第一電極41及び第二電極21を有している。
ここで、説明の都合上、図1(b)に示すように、半導体発光素子1を第一領域3及び第二領域4の2つの領域に分ける。第二領域4は第一電極41が形成されている領域及びその近傍の領域に対応し、第一領域3は半導体発光素子1において第二領域4よりも第一電極41の配置箇所から離れた領域に対応している。
本実施形態では、活性層17は、第一領域3内において凹凸面を含んで形成されている一方、第二領域4内において平坦面が形成されている。そして、半導体発光素子1は、第二領域4内に孔部7を有しており、この孔部7内に挿入されるように第一電極41が形成されている。
以下、各要素の詳細な構成の一例について説明する。
(基板11、素子基板12)
基板11は、例えばサファイア基板で構成される。また、素子基板12は、CuW、W、Moなどの導電性基板、Siなどの半導体基板、又はAlN等の絶縁性基板に配線パターンを設けたもので構成される。なお、図1(b)に示されるように、素子基板12において、第一電極41に電気的に接続される領域と、第二電極21に電気的に接続される領域との間は絶縁性が確保されている。この絶縁性を確保するための方法は種々の方法を採り得るが、一例としてはパターニングによって実現することができる。
(接合層43)
接合層43は、例えば、Au−Sn、Au−In、Au−Cu−Sn、Cu−Sn、Pd−Sn、Snなどで構成される。この接合層43は、基板11と素子基板12とを接合する際に、両者の密着性を確保するための層として機能している。
(保護層42)
保護層42は、例えばPt系の金属(TiとPtの合金)、W、Mo、Niなどで構成される。接合層43を介した接合の際に、接合層43を構成する材料が第二電極21側に拡散して、第二電極21における反射率が落ちることによる光取り出し効率の低下を防止する機能を果たしている。
なお、図1(b)に示すように、接合層43を構成する材料が第一電極41側に拡散するのを防止する目的で、第一電極41の上面に保護層42を設けても構わない。
(第一電極41)
第一電極41は、例えばCr−Auで構成される。図1(a)に示すように、本実施形態の半導体発光素子1は、離散的に配置された複数の第一電極41を有する構成である。
第一電極41は、第二領域4内における第二半導体層19及び活性層17を貫通し、第一半導体層15に達する孔部7に挿入されることで形成されている。なお、本実施形態では、第一半導体層15がn型半導体層であり、第二半導体層19がp型半導体層であるものとして説明する。このとき、第一電極41はn側電極に相当する。
(第二電極21)
第二電極21は、第二半導体層19の面上に形成されており、例えばAg系の金属(NiとAgの合金)、Al、又はRh等を含む金属材料で構成することができる。これらの材料は、活性層17から射出される光を反射させることのできる導電性の材料である。このように構成することで、活性層17から素子基板12の側に向かって放出された光を、第二電極21で反射させて、取り出し面側(基板11側)へと導くことができるので、高い光取り出し効率が実現される。本実施形態では、第二電極21はp側電極に相当する。
(絶縁層54)
絶縁層54は、上述したように、第一電極41と第二電極21の間の絶縁性、第一電極41と第二半導体層19との間の絶縁性、及び第一電極41と活性層17との間の絶縁性を確保する目的で設けられている。本実施形態では、絶縁層54は、第一電極41の外側面の一部、及び第二電極21の素子基板12側の面の一部に設けられているものとしているが、上記の目的が実現できる範囲内で絶縁層54の形成箇所及び形成態様は適宜変更可能である。なお、絶縁層54はSiO2、SiN、Zr23又はAl23などで構成されるものとして構わない。
(第一半導体層15)
本実施形態において、第一半導体層15は、n型のAlN層で構成される。なお、AlNの他、一般式Alx2Gay2In1-x2-y2N(0≦x2≦1,0≦y2≦1)で規定されるn型の窒化物半導体層で構成することができる。また、本実施形態では、第一半導体層15は、図2E等を参照して後述するように、非極性面(例えば{1−101}面)に平行な成長面15aと、極性面(例えば{0001}面)に平行な成長面15bを有する。
(活性層17)
本実施形態において、活性層17は、Alx3Ga1-x3N(0<x3≦1)/AlNが一周期又は多周期で積層された構成である。一例として、Al0.8Ga0.2Nからなる発光層とAlNからなる障壁層が多周期繰り返されて構成されている。なお、活性層17の構成は、発光波長に応じて適宜選択される。また本実施形態では、活性層17は、第一半導体層15と同様に、非極性面(例えば{1−101}面)に平行な成長面17aと、極性面(例えば{0001}面)に平行な成長面17bを有する。なお、活性層17は、Al組成を異ならせることでバンドギャップエネルギーに差を設けた2種類の窒化物半導体層(AlGaN又はAlInGaN)が一周期又は多周期で積層されていても構わない。
(第二半導体層19)
本実施形態において、第二半導体層19は、p型Alx4Ga1-X4N(0<x4≦1)からなるp型クラッド層と、p型クラッド層の上層に形成されたp+型GaNからなるp型コンタクト層を含んで構成される。そして、このp型コンタクト層に接触するように第二電極21が形成されている。なお、p型コンタクト層は、p+型Alx5Ga1-X5N(0<x5≦1)で構成しても構わない。
(第三半導体層13)
本実施形態において、半導体発光素子1は、第三半導体層13を備えており、この第三半導体層13の上層に第一半導体層15が形成されている。第一半導体層15は、第三半導体層13の上層にエピタキシャル成長することで形成された層である。
本実施形態において、第三半導体層13はAlN層で構成される。なお、AlNの他、一般式Alx1Gay1In1-x1-y1N(0≦x1≦1,0≦y1≦1)で規定される窒化物半導体層で構成することができる。なお、Alx1Gay1In1-x1-y1NのIn組成は1%以下とするのが好ましく、Alx1Gay1In1-x1-y1NのAl組成は、活性層17からの発光波長に応じて適宜選択される。
この第三半導体層13は、第一領域3内において、所定の方向(ここでは[11−20]方向とする。)に沿って延伸する溝部(凹部)14を有している一方、第二領域4内には溝部14を有さない構成である。なお、本実施形態では、溝部14の延伸方向を[11−20]方向とするが、延伸方向は、[11−20]方向に対して結晶学的に等価な方向、すなわち<11−20>方向であるものとして構わないし、他の方向であっても構わない。
本構成によれば、活性層17が、非極性面に平行な成長面17a(後述する図2F参照)を有しているため、内部電界の影響が抑制されており、発光効率の高い発光素子が実現される。
また、ビア構造型の半導体発光素子においては、通常、図1(a)に示すように、同一の素子に複数のビア電極(ここでは第一電極41に対応)が形成される。そして、第一電極41が挿入されている孔部7が形成されている第二領域4は、第二半導体層19及び活性層17が平坦面で構成されている。後述するように、この孔部7はエッチングによって形成されるが、このようにエッチング対象面が平坦面で形成されることで、エッチングエネルギーを第二半導体層19及び活性層17の面に均一的に与えることができる。よって、この第一電極41を挿入するための孔部7を同一の寸法で形成できるので、製造される各半導体発光素子1間の電気的特性が均一化され、高い歩留まりが実現できる。
〈製造方法〉
半導体発光素子1の製造方法につき、図1及び図2A〜図2Qの各図を参照して説明する。なお、以下の図面のうち、図2A〜図2G、図2N〜図2Q、及び図2H(b)〜図2M(b)の各図においては、図1(b)と同様に、各時点における素子を図1(a)内におけるA−A線に対応する箇所で切断したときの模式的な断面図に相当する。また、図2H(a)〜図2M(a)は、図1(a)と同様に、各時点における素子を光取り出し面とは反対側から見たときの模式的な平面図に相当する。
(ステップS1)
基板11を準備する(図2A参照)。この基板11としては、一例として(0001)面を有するサファイア基板を用いることができる。
準備工程として、基板11のクリーニングを行う。このクリーニングは、より具体的な一例としては、MOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition:有機金属化学気相蒸着)装置の処理炉内に成長基板11を配置し、処理炉内に流量が例えば10slmの水素ガスを流しながら、炉内温度を例えば1150℃に昇温することにより行われる。
本ステップS1が工程(a)に対応する。
(ステップS2)
図2Bに示すように、基板11の(0001)面上に、例えばAlNからなる第三半導体層13を形成する。具体的な方法の一例としては、MOCVD装置の炉内温度を900℃以上1600℃以下の温度とし、キャリアガスとして窒素ガス及び水素ガスを流しながら、原料ガスとしてトリメチルアルミニウム(TMA)及びアンモニアを処理炉内に供給する。TMAとアンモニアの流量比(V/III比)を10以上4000以下の値とし、成長圧力を1kPa以上70kPa以下の値とし、供給時間を適宜調整することで、所望の膜厚のAlNが形成される。ここでは、膜厚が600nmのAlNからなる第三半導体層13を形成した。
なお、第三半導体層13として、Alx1Gay1In1-x1-y1N(0<x1≦1,0≦y1≦1)を形成する場合には、TMA、アンモニアに加えて、トリメチルガリウム(TMG)、及びトリメチルインジウム(TMI)を組成に応じた所定の流量で供給すればよい。
(ステップS3)
図2Cに示すように、第三半導体層13のうち、第一領域3内の少なくとも一部の領域に対して、所定の例えば<11−20>方向に沿った溝部(第一溝部)14を形成する。このとき、第二領域4内に対しては溝部を形成しない。この結果、第三半導体層13の上面は、第一領域3内に溝部14が形成され、第二領域4内には溝部14が形成されない。なお、溝部14の底面に基板11が露出しない範囲内の深さで溝部14を形成するように制御するのが好ましい。
具体的な方法の一例としては、ステップS2まで実行することで得られたウェハを処理炉から取り出し、フォトリソグラフィ法及びリアクティブイオンエッチング法(RIE法)によって第三半導体層13の<11−20>方向に平行な複数の溝を所定の間隔で形成する。なお、図2Cでは、<11−20>方向と結晶学的に等価な一の方向である[11−20]方向に溝部14を延伸させている。
なお、本ステップS3においては、図2Dに示すように、第二領域4の全領域をエッチングして溝部14aを形成することで、第二領域4内の上面を平坦面とするものとしても構わない。以下では、図2Cの状態から工程を進行させる場合についてのみ説明する。
本ステップS2−S3が工程(b1)に対応する。
(ステップS4)
図2Eに示すように、<11−20>方向に沿った溝部14が形成された第三半導体層13の上面に対して、第一半導体層15を形成する。具体的な方法の一例としては、ステップS3の実行完了後のウェハを再びMOCVD装置の炉内に入れ、MOCVD装置の炉内温度を900℃以上1600℃以下の温度とし、キャリアガスとして窒素ガス及び水素ガスを流しながら、原料ガスとしてTMA、アンモニア、及びn型ドーパントとしてのテトラエチルシラン等を処理炉内に供給する。TMAとアンモニアの流量比(V/III比)を10以上4000以下の値とし、成長圧力を1kPa以上70kPa以下の値とし、供給時間を適宜調整することで、所望の膜厚のAlNが形成される。ここでは、膜厚が3000nmのn型AlNからなる第一半導体層15を形成した。
なお、第一半導体層15として、n型のAlx2Gay2In1-x2-y2N(0<x2≦1,0≦y2≦1)を形成する場合には、TMA、アンモニア、テトラエチルシランに加えて、TMG、及びTMIを組成に応じた所定の流量で供給すればよい。
基板11の上面が露出しない深さを有する溝部14が形成された第三半導体層13の上面に対して結晶を成長させることで、第一領域3内には、非極性面(ここでは一例として{1−101}面)に平行な成長面15aを有する第一半導体層15が形成される。また、この第一半導体層15は、上面が平坦面のみで構成されていた第二領域4内には、極性面(ここでは一例として{0001}面)に平行な成長面15bを有した状態で成長する。なお、図2Eに示す構成では、第一領域3内において、第一半導体層15は、一部の箇所に極性面に平行な成長面15bを有しているが、第一領域3内において、第一半導体層15が非極性面に平行な成長面15aのみを有する構成であってもよい。
本ステップS4が工程(b3)に対応する。なお、ステップS2−S4が工程(b)に対応する。
(ステップS5)
図2Fに示すように、非極性面(ここでは{1−101}面)に平行な成長面15a、及び極性面(ここでは{0001}面)に平行な成長面15bを有する第一半導体層15の上面に、活性層17を成長させる。具体的な方法の一例としては、MOCVD装置の炉内温度を900℃以上1600℃以下の温度とし、キャリアガスとして窒素ガス及び水素ガスを流しながら、原料ガスとしてTMA及びアンモニアを処理炉内に膜厚に応じて所定時間供給する工程と、原料ガスとしてTMA、TMG及びアンモニアを処理炉内に膜厚に応じて所定時間供給する工程とを、周期数に応じて所定回数繰り返す。これにより、多周期のAlx3Ga1-x3N(0<x3≦1)/AlNからなる活性層17が形成される。
なお、活性層17として、Alx3Gay3In1-x3-y3N(0<x3≦1,0≦y3≦1)/Alx4Gay4In1-x4-y4N(0<x4≦1,0≦y4≦1)を形成する場合には、原料ガスとして、TMA、アンモニア、TMG、及びTMIを組成に応じた所定の流量で供給すればよい。
ステップS4において、非極性面に平行な成長面15a、及び極性面に平行な成長面15bを有する第一半導体層15が形成されているため、この状態で本ステップS5においてエピタキシャル成長させることで、図2Fに示すように、非極性面に平行な成長面17a及び極性面に平行な成長面17bを有する活性層17が形成される。特に、第一領域3内においては、非極性面に平行な成長面17aを有し、第二領域4内においては、極性面に平行な成長面17bを有する活性層17が形成される。なお、図2Fに示すように、活性層17は、第一領域3内においても非極性面に平行な成長面17bを一部有しても構わない。
本ステップS5が工程(c)に対応する。
(ステップS6)
図2Gに示すように、活性層17の上面に第二半導体層19を成長させる。具体的な方法の一例としては、MOCVD装置の炉内圧力を100kPa、炉内温度を830℃として、原料ガスとして、アンモニア、TMA及びTMGに加えて、p型不純物を構成するためのビスシクロペンタジエニルマグネシウム(Cp2Mg)を含めて更に成長させる。これにより、活性層17の上層にp型Alx4Ga1-X4N(0<x4≦1)で構成された第二半導体層19が形成される。なお、更に原料ガスの流量を変更してp+型GaN層をその上層に形成しても構わない。この場合、p型Alx4Ga1-X4N(0<x4≦1)とp+型GaN層とによって第二半導体層19が構成される。またp+型GaN層をp+型Alx5Ga1-X5N(0<x5≦1)で構成しても構わない。
本実施形態では、本ステップS6が完了した時点において、第二半導体層19の上面は、第一領域3内が凹凸面で構成される一方、第二領域4内が平坦面のみで構成される。
本ステップS6が工程(d)に対応する。
(ステップS7)
ステップS1−S6を経て得られたウェハに対して活性化処理を行う。より具体的には、RTA(Rapid Thermal Anneal:急速加熱)装置を用いて、窒素雰囲気下中650℃で15分間の活性化処理を行う。
(ステップS8)
図2Hに示すように、第二半導体層19の上面に第二電極21を形成する。具体的には、第二半導体層19の上面のうち、一以上の島状領域24以外の領域に対して選択的に第二電極21を形成する。このステップS8を経たウェハは、第二半導体層19が島状に露出した領域24と、第二電極21が露出した領域を上面に有する。ここで、前記島状領域24は、第二領域4内に形成される。
第二電極21の具体的な形成方法は、例えば以下の通りである。
まず、第二電極21を形成しない領域に対応した第二半導体層19の上面の領域に、パターニングによってレジストを塗布する。このレジストを塗布する領域は、後に第一電極41を形成する領域及び第一電極41に近くて電流が集中しやすい領域に対応する。その後、レジストの上面を含む全面に、例えばスパッタ装置にて膜厚150nmのAg及び膜厚30nmのNiを成膜する。なお、この材料膜として、第二半導体層19との密着性を高めるために、Ag層の下に膜厚1.5nm程度のNiを成膜しても構わない。
次に、レジストをリフトオフした後、RTA装置等を用いてドライエア又は不活性ガス雰囲気中で400℃〜550℃(例えば400℃)、60秒〜300秒間のコンタクトアニール処理を行って、第二電極21を形成する。不活性ガス雰囲気でアニールをした場合、マイグレーションによる第二半導体層19側へのAgの拡散を少なくすることができるため、ドライエア雰囲気の場合よりも更にショットキー効果を高めることができる。
本ステップS8が工程(h)に対応する。
(ステップS9)
図2Iに示すように、ステップS8を経て露出している、第二領域4内に位置する第二半導体層19の面に対してエッチングを行って第一半導体層15の上面を露出させる。
具体的には、ステップS8の終了時点で形成された第二電極21の上面に対して、パターニングによってレジスト51を塗布する。その後、このレジスト51をマスクとして、第一半導体層15の一部上面が露出するまで、第二半導体層19及び活性層17を、ICP装置を用いたドライエッチングによって除去する。なお、本ステップS9において、第一半導体層15についても一部エッチング除去しても構わない。本ステップS9によって、溝部7が形成される。この溝部7は「第二溝部」に対応する。
本ステップS9では、平坦面で構成された第二領域4内の第二半導体層19及び活性層17に対してエッチングが行われるため、隣接箇所に対しても同じ寸法のエッチング量で第一半導体層15を露出させることができる。この点につき、図3を参照して説明する。
図3は、本ステップS9において、エッチングする箇所を、第二領域4内にした場合と第一領域3内にした場合の相違点を説明するための図である。図3(a)は、ステップS9で第一領域3内の第二半導体層19及び活性層17に対してエッチングを行って第一半導体層15を露出させた場合の図面に対応する。図3(b)は、図2Iの図面に対応する。
図3(a)の場合、エッチング対象領域内に存在する第二半導体層19及び活性層17は、それぞれ凹凸面を有している。このとき、活性層17が第二半導体層19に向かって凹部を構成している箇所では、活性層17が第二半導体層19に向かって凸部を構成している箇所に比べて、活性層17と第一半導体層15との接触面は、基板11に近い位置に存在する。このことは、例えば、第二半導体層19の上面が凸部を構成している箇所において、第一半導体層13の上面が露出するまでエッチングが進行した場合であっても、未だ活性層17が露出していることを示唆する。
ステップS9で形成される溝部7は、その後に第一半導体層15に電流を供給するための第一電極41を埋め込むための空間となる。このため、ステップS7では、溝部7の底面の全ての領域において第一半導体層13の上面が露出するまで、エッチングを進行させる必要がある。全ての素子において、活性層17に形成される凹凸部のピッチや高さが同一の寸法を有するとは限らない。よって、図3(a)に示すように、溝部7を第一領域3内に形成しようとした場合には、エッチング量d1を多く確保しておく必要があり、供給するエッチングエネルギーが増大になるおそれがある。
これに対し、本実施形態のように、第二領域4内をエッチングして溝部7を形成する場合には、活性層17に形成される凹凸部のピッチや高さによらず、成膜された各層(17,19)の膜厚によって予め想定されるエッチング量d2だけ進行させることで、第一半導体層15を露出させることができる。また、本実施形態において、第一半導体層15の上面を露出させるために必要なエッチング量d2は、図3(a)に示すエッチング量d1よりも少なくすることができるため、エッチング時に印加するエネルギー量を少なくすることができる。
本ステップS9は工程(e)に対応する。
(ステップS10)
次に、ステップS9において形成されていたレジスト51をリフトオフした後、図2Jに示すように、溝部7の底面の中央部及び第二電極21の上面に、パターニングによってレジスト53を形成する。すなわち、溝部7の底面においてレジスト53の外周に第一半導体層15の上面を露出させた状態とする。その後、全面に絶縁層54を形成する。絶縁層54としてはSiO2、SiN、Zr23、AlN、Al23等を用いることができる。
その後、図2Kに示すようにレジスト53をリフトオフする。このとき、溝部7の内側面及び第二電極21の一部上面に絶縁層54が形成される。
(ステップS11)
第二電極21の上面にパターニングによってレジスト55を形成する。その後、溝部7(図2K参照)を充填するように、導電性材料を成膜して第一電極41を形成する(図2L参照)。第一電極41の形成方法の一例としては、膜厚100nmのCrと膜厚0.5〜3μmのAuを蒸着した後、窒素雰囲気中で250℃、1分間程度のアニール処理を行う。その後、レジスト55をリフトオフする(図2M参照)。
ステップS10−S11によって、第二電極21と電気的に絶縁した状態で溝部7内に第一電極41が形成される。ステップS10−S11が工程(f)に対応する。
(後のステップ)
露出している第一電極41,第二電極21の上面に保護層42、接合層43を形成し、接合層43を介して素子基板12を接合する(図1参照)。具体的な一例としては以下の通りである。
電子線蒸着装置(EB装置)にて、TiとPtを3周期成膜することで保護層42を形成し、その後、保護層42の上面(Pt表面)に、Ti及びAu−Snハンダを蒸着させることで接合層43を形成する。そして、この接合層43を介して、各電極(41,21)に対して電圧を印加するための素子基板12を貼り合わせる。素子基板12としては、上述したようにCuW、W、Mo等の導電性基板、Si等の半導体基板、又はAlN等の絶縁性基板に配線パターンを設けたものを利用することができる。
〈別の製造方法〉
上述の方法では、ステップS2−S4によって工程(b)を実行したが、工程(b)は種々の方法で実現することができる。なお、ステップS5以後については上述した内容と共通であるため割愛する。
第一の方法は、図2Cに示す状態から、再度第三半導体層13を成長させる工程(b2)を実行した後、ステップS4と同様に第一半導体層15を成長させる方法である(図2N参照)。工程(b2)の実行前において、第一領域3内には溝部14が存在することで凹凸面が形成されており、この凹凸面上に第三半導体層13が成長することで、第一領域内3においては少なくとも非極性面を成長面とした第三半導体層13が形成される。一方、第二領域内4においては極性面を成長面とする第三半導体層13が形成される。よって、その後に第一半導体層15を成長させることで、図2Oに示すように、第一領域3内には非極性面に平行な成長面15aを有する第一半導体層15が形成され、第二領域4内には極性面に平行な成長面15bを有する第一半導体層15が形成される。
第二の方法は、図2Bに示す状態から第一半導体層15を成長させる工程(b4)を実行した後、第一領域内において、所定の例えば<11−20>方向に沿った溝部を形成する工程(b5)を実行する方法である(図2P参照)。そして、工程(b5)の実行後、再び第一半導体層15を成長させる工程(b6)を実行する。工程(b6)の実行前において、第一領域3内には溝部が存在することで凹凸面が形成されており、この凹凸面上に第一半導体層15が成長することで、図2Qに示すように、第一領域内3においては少なくとも非極性面を成長面とした第一半導体層15が形成される一方、第二領域4内においては極性面を成長面とする第一半導体層15が形成される。
[別実施形態]
以下において、別実施形態の構成について説明する。
〈1〉 上記実施形態において、図2Gを参照して説明したように、ステップS6の実行後、第二半導体層19は、第一領域3内において上面に凹凸が形成されている一方、第二領域4内において上面が平坦に形成されている。しかし、図4Aに示すように、第二半導体層19の成膜条件によっては、ステップS6の実行後に、第一領域3及び第二領域4の双方にわたって上面が平坦に形成されるものとしても構わない。
このような構成においても、ステップS9に係るエッチング時において、図4Bに示すように、第二領域4内において活性層17及び第一半導体層15は平坦面で構成されているため、隣接箇所に対しても同じ寸法のエッチング量で第一半導体層15を露出させることができる。
図4Bの状態の後、上述したステップS10以下のステップを実行することで、図4Cに示す半導体発光素子1が製造される。上記において、図4A及び図4Bは、各時点において、図4C(a)内におけるA−A線に対応する箇所で切断したときの模式的な断面図に相当し、図4Cは、この別実施形態に係る半導体発光素子1を、図1にならって模式的に示したものである。
〈2〉 上記別実施形態〈1〉において、図4Aの状態の後、ステップS8に係る第二電極21形成工程の開始前に、露出している第二半導体層19の上面に凹凸加工を施すものとしても構わない(図5A参照)。これは、工程(g)に対応する。
図5Aでは、第二半導体層19の上面のうち、第一領域3内にのみ凹凸形状5を施している。このような構成は、一例として、第二半導体層19の面のうち、第二領域4内の第二半導体層19に対してマスクをした状態で、露出している第一領域3内の第二半導体層19に対してKOH等のアルカリ溶液を浸すことで実現される。
このような構成においても、ステップS9に係るエッチング時において、図5Bに示すように、第二領域4内において活性層17及び第一半導体層15は平坦面で構成されているため、隣接箇所に対しても同じ寸法のエッチング量で第一半導体層15を露出させることができる。図5Bの状態の後、上述したステップS10以下のステップを実行することで、図5Cに示す半導体発光素子1が製造される。図5Cに示す半導体発光素子1によれば、第二半導体層19の一部の面に凹凸形状5を有するため、外部への光取り出し効率を向上させることができる。
なお、図5Aでは、第一領域3にのみ凹凸形状5を施したが、図6Aに示すように、このステップにおいて、第二半導体層19の上面の全面に凹凸形状5を施すものとしても構わない。この場合であっても、第二領域4内において活性層17は平坦面で形成されているため、ステップS9に係るエッチング時において、隣接箇所に対しても同じ寸法のエッチング量で第一半導体層15を露出させることができる(図6B参照)。図6Bの状態の後、上述したステップS10以下のステップを実行することで、図6Cに示す半導体発光素子1が製造される。
〈3〉 上記の各実施形態では、第一半導体層15をn型半導体層とし、第二半導体層19をp型半導体層として説明したが、これはあくまで一例であって、上記実施形態の構成からn型とp型を反転させた半導体発光素子を本発明から排除する趣旨ではない。
〈4〉 第一実施形態において、溝部14の延伸方向が<11−20>方向である場合を例に挙げて説明したが、これはあくまで一例であり、活性層17が第一領域3内において非極性面に平行な成長面17aを有して成長することができれば、溝部14の延伸方向は他の方向でも構わない。
〈5〉 上記の各実施形態では、第一電極41が孔部7内に形成された、ビア型構造の半導体発光素子1について説明した。しかし、例えば第二領域4を基板11の端部領域とすることで、同様に、歩留まりの高い横型やフリップチップ型の半導体発光素子1を実現することができる。
1 : 半導体発光素子
3 : 第一領域
4 : 第二領域
5 : 凹凸形状
7 : 孔部/溝部(第二溝部)
11 : 基板
12 : 素子基板
13 : 第三半導体層
14 : 溝部(第一溝部)
14a : 溝部(第一溝部)
15 : 第一半導体層
17 : 活性層
19 : 第二半導体層
21 : 第二電極
24 : 島状領域
41 : 第一電極
42 : 保護層
43 : 接合層
51 : レジスト
53 : レジスト
54 : 絶縁層
55 : レジスト

Claims (12)

  1. 基板と、
    前記基板の上層に形成された、n型又はp型の窒化物半導体からなる第一半導体層と、
    前記第一半導体層の上層に形成され、窒化物半導体からなり、第一領域内において前記第一半導体層の側に位置する面が凹凸面を含んで構成される一方、前記第一領域とは異なる第二領域内において前記第一半導体層の側に位置する面が平坦面で構成される活性層と、
    前記活性層の上層に形成された、前記第一半導体層とは異なる導電型の窒化物半導体からなる第二半導体層と、
    前記第二領域内において、前記第一半導体層に接触すると共に、前記活性層及び前記第二半導体層に対して絶縁性を有した状態で形成された第一電極とを備え、
    前記第二領域内において、前記第一電極と接触している領域に位置する前記第一半導体層の上層には前記活性層及び前記第二半導体層が形成されていないことを特徴とする半導体発光素子。
  2. 前記第二領域内において、少なくとも前記第二半導体層及び前記活性層を貫通し、前記第一半導体層に達する孔部を有し、
    前記第一電極は、前記活性層及び前記第二半導体層に対して絶縁状態が保持された状態で前記孔部に挿入され、前記第一半導体層に接触するように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の半導体発光素子。
  3. 前記第一領域内の前記活性層の凹凸面が窒化物半導体の非極性面で構成され、前記第二領域内の前記活性層の平坦面が窒化物半導体の極性面で構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体発光素子。
  4. 前記第二半導体層は、前記第一領域内において前記活性層とは反対側に位置する面が凹凸面を含んで構成され、前記第二領域内において前記活性層とは反対側に位置する面が平坦面で構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の半導体発光素子。
  5. 前記第二半導体層は、前記第一領域内及び前記第二領域内において、前記活性層とは反対側に位置する面が凹凸面を含んで構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の半導体発光素子。
  6. 前記第二半導体層は、前記第一領域内及び前記第二領域内において、前記活性層とは反対側に位置する面が平坦面で構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の半導体発光素子。
  7. 前記第二半導体層と接触した第二電極を備え、
    前記第一電極は、前記第二電極に対して絶縁状態が保持された状態で前記第一半導体層に接触していることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の半導体発光素子。
  8. 半導体発光素子の製造方法であって、
    基板を準備する工程(a)と、
    前記基板の上層に、第一領域内においては少なくとも非極性面を結晶成長面とし、前記第一領域とは異なる第二領域内においては極性面を結晶成長面として、n型又はp型の窒化物半導体からなる第一半導体層を成長させる工程(b)と、
    前記第一半導体層の上層に窒化物半導体からなる活性層を成長させる工程(c)と、
    前記活性層の上層に、前記第一半導体層とは異なる導電型の窒化物半導体からなる第二半導体層を成長させる工程(d)と、
    前記第二領域内の少なくとも一部において、前記第二半導体層及び前記活性層をエッチングして、底面に前記第一半導体層を露出させる工程(e)と、
    前記第二半導体層及び前記活性層と電気的に絶縁した状態で露出した前記第一半導体層の上面の少なくとも一部に前記第一電極を形成する工程(f)とを有することを特徴とする半導体発光素子の製造方法。
  9. 前記工程(e)は、前記第二領域内の少なくとも一部において、前記第二半導体層及び前記活性層をエッチングして、底面に前記第一半導体層が露出してなる溝部を形成する工程であり、
    前記工程(f)は、前記第二半導体層及び前記活性層と電気的に絶縁した状態で前記溝部内に導電性材料を充填して前記第一電極を形成する工程であることを特徴とする請求項8に記載の半導体発光素子の製造方法。
  10. 前記工程(e)は、窒化物半導体からなる層のc面に平行な面をエッチングする工程であることを特徴とする請求項8又は9に記載の半導体発光素子の製造方法。
  11. 前記工程(d)の終了後、前記工程(e)の開始前に、前記第二半導体層の上面に凹凸形状を形成する工程(g)を有することを特徴とする請求項8〜10のいずれか1項に記載の半導体発光素子の製造方法。
  12. 前記工程(d)の終了後、前記工程(e)の開始前に、少なくとも前記第一領域内における前記第二半導体層の上層に第二電極を形成する工程(h)を有し、
    前記工程(f)が、前記第二電極と電気的に絶縁した状態で前記第一電極を形成する工程であることを特徴とする請求項8〜11のいずれか1項に記載の半導体発光素子の製造方法。
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