JP2016191959A - 波長変換部材、発光デバイス及び波長変換部材の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】波長変換部材1は、波長変換部材本体10と、低屈折率層20とを備える。波長変換部材本体10は、ガラスマトリクス11と、ガラスマトリクス11中に配された無機蛍光体粉末12とを含む。低屈折率層20は、波長変換部材本体10の表面上に配されている。低屈折率層20は、無機蛍光体粉末12の屈折率より低い屈折率を有する。低屈折率層20は、無機蛍光体粉末を含まず、厚みが0.1mm以下である。
【選択図】図1
Description
波長変換部材本体と低屈折率層との界面は、平面状に形成されていることが好ましい。
図1は、本実施形態における波長変換部材の略図的断面図である。
波長変換部材本体10は、ガラスマトリクス11と無機蛍光体粉末12とを含む。ガラスマトリクス11は、無機蛍光体粉末12の分散媒として好適なものである限りにおいて特に限定されない。ガラスマトリクス11は、例えば、硼珪酸塩系ガラスや、SnO−P2O5系ガラスなどのリン酸塩系ガラスなどにより構成することができる。ガラスマトリクス11の屈折率は、1.45〜2.00であることが好ましく、1.47〜1.90であることがより好ましい。ガラスマトリクス11の軟化点は、250℃〜1000℃であることが好ましく、300℃〜850℃であることがより好ましい。
ガラス層20は、波長変換部材本体10の表面上に配されている。具体的には、ガラス層20は、波長変換部材本体10の主面(光入出面)10a上に配されている。このため、波長変換部材本体10へ入射する励起光と波長変換部材本体10から出射される蛍光とのうちの少なくとも一方はガラス層20を透過する。
図2に波長変換部材1を用いた発光デバイス2を示す。図2に示されるように、発光デバイス2は、光源30と、波長変換部材1とを有する。光源30は、波長変換部材1に無機蛍光体粉末12の励起波長の光L1を照射する。光L1が波長変換部材本体10に入射すると、無機蛍光体粉末12が光L1を吸収し、蛍光L2を出射する。波長変換部材1の光源30とは反対側には反射部材50が設けられているため、蛍光L2は、光源30側に向けて出射される。蛍光L2は、光源30と波長変換部材1との間に配されたビームスプリッタ40により反射され、発光デバイス2から取り出される。
次に、波長変換部材1の製造方法の一例について説明する。
上記実施形態では、波長変換部材本体10のひとつの主面10a上にガラス層20が設けられている例について説明した。但し、本発明は、この構成に限定されない。例えば、図3に示されるように、波長変換部材本体10が光入射面を構成している主面10aと光出射面を構成している主面10bとを有するような場合には、主面10aと主面10bとの両面上にガラス層20が配されていることが好ましい。この場合は、励起光の波長変換部材本体10への入射効率を高めることができると共に、蛍光の波長変換部材本体10からの出射効率を高めることができる。
モル%でSiO2:58%、Al2O3:6%、B2O3:17%、Li2O:8%、Na2O:8%、K2O:3%となるように原料を調合し、溶融急冷法によってフィルム状にガラスを成形した。得られたガラスフィルムを、ボールミルを用いて湿式粉砕し、平均粒子径(D50)が2μmであるガラス粉末を得た。
モル%でSiO2:18%、B2O3:38%、BaO:3%、SrO:7%:ZnO:15%、Li2O:13%、ZrO2:1%、La2O3:5%となるように原料を調合し、溶融急冷法によってフィルム状にガラスを成形した。得られたガラスフィルムを、ボールミルを用いて湿式粉砕し、平均粒子径(D50)が2μmであるガラス粉末を得た。
ガラス層の厚みを0.08mmとしたこと以外は実施例1と実質的に同様の構成を有する波長変換部材を実質的に同様の方法により作製した。
モル%でSiO2:58%、Al2O3:6%、B2O3:17%、Li2O:8%、Na2O:8%、K2O:3%となるように原料を調合し、溶融急冷法によってフィルム状にガラスを成形した。得られたガラスフィルムをボールミルによって湿式粉砕し、平均粒子径(D50)が2μmであるガラス粉末を得た。
実施例1〜3及び比較例のそれぞれにおいて作製した各サンプルの一主面(実施例1〜3については、波長変換部材本体側の面)に、反射基板(マテリアルハウス社製のMIRO−SILVER)を、接着剤(信越化学工業社製の高反射樹脂)を用いて貼付し、測定サンプルを作製した。測定サンプルを15℃に設定したペルチェ素子上に固定し、出力が30Wであり、波長440nmの青色レーザー光を測定サンプルに照射し、得られた蛍光を、光ファイバーを通して小型分光器(USB−4000、オーシャンオプティクス社製)で受光し、発光スペクトルを得た。発光スペクトルから、蛍光の強度を求めた。結果を下記の表1に示す。
2…発光デバイス
10…波長変換部材本体
10a,10b…波長変換部材本体の主面
11…ガラスマトリクス
12…無機蛍光体粉末
20…ガラス層
30…光源
40…ビームスプリッタ
50…反射部材
Claims (13)
- ガラスマトリクスと、前記ガラスマトリクス中に配された無機蛍光体粉末とを含む波長変換部材本体と、
前記波長変換部材本体の表面上に配されており、前記無機蛍光体粉末の屈折率より低い屈折率を有し、かつ無機蛍光体粉末を含まず、厚みが0.1mm以下である低屈折率層と、
を備える、波長変換部材。 - 前記波長変換部材本体と前記低屈折率層との界面が、平面状に形成されている、請求項1に記載の波長変換部材。
- ガラスマトリクスと、前記ガラスマトリクス中に配された無機蛍光体粉末とを含む波長変換部材本体と、
前記波長変換部材本体の表面上に配されており、前記無機蛍光体粉末の屈折率より低い屈折率を有する低屈折率層と、
を備える(ただし、ガラス部とガラス及び蛍光粉の複合部とを有し、前記ガラス及び蛍光粉の複合部が前記ガラス部に埋め込まれて結合されている発光ガラスを除く)、波長変換部材。 - 前記低屈折率層は、無機蛍光体粉末を含まない、請求項3に記載の波長変換部材。
- 前記低屈折率層の厚みが、0.1mm以下である、請求項3または4に記載の波長変換部材。
- 前記低屈折率層は、ガラス層により構成されている、請求項1〜5のいずれか一項に記載の波長変換部材。
- 前記ガラスマトリクスの軟化点と、前記ガラス層の軟化点との差が、200℃以下である、請求項6に記載の波長変換部材。
- 前記無機蛍光体粉末の屈折率が前記ガラスマトリクスの屈折率よりも高い、請求項1〜7のいずれか一項に記載の波長変換部材。
- 前記低屈折率層の全光線透過率が50%以上である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の波長変換部材。
- 前記波長変換部材本体における前記無機蛍光体粉末の含有量が20体積%以上である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の波長変換部材。
- 前記波長変換部材本体の熱膨張係数と、前記低屈折率層の熱膨張係数との差が、100×10−7/℃以下である、請求項1〜10のいずれか一項に記載の波長変換部材。
- 前記波長変換部材本体は、光入射面と光出射面とを有し、前記光出射面と前記光入射面との両面上に前記低屈折率層が設けられている、請求項1〜11のいずれか一項に記載の波長変換部材。
- 請求項1〜12のいずれか一項に記載の波長変換部材と、
前記波長変換部材に前記無機蛍光体粉末の励起波長の光を照射する光源と、
を備える、発光デバイス。
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