JP6656580B2 - 波長変換部材の製造方法 - Google Patents

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本発明は、発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)やレーザーダイオード(LD:Laser Diode)等の発する光の波長を別の波長に変換する発光色変換部材の製造方法に関する。
近年、蛍光ランプや白熱灯に変わる次世代の発光装置として、低消費電力、小型軽量、容易な光量調節という観点から、LEDやLDを用いた発光装置に対する注目が高まってきている。そのような次世代発光装置の一例として、例えば特許文献1には、青色光を出射するLED上に、LEDからの光の一部を吸収して黄色光に変換する波長変換部材が配置された発光装置が開示されている。この発光装置は、LEDから出射された青色光と、波長変換部材から出射された黄色光との合成光である白色光を発する。
波長変換部材としては、従来、樹脂マトリクス中に無機蛍光体粉末を分散させたものが用いられている。しかしながら、当該波長変換部材を用いた場合、LEDからの光により樹脂が劣化し、発光装置の輝度が低くなりやすいという問題がある。特に、LEDが発する熱や高エネルギーの短波長(青色〜紫外)光によってモールド樹脂が劣化し、変色や変形を起こすという問題がある。
そこで、樹脂に代えてガラスマトリクス中に蛍光体を分散固定した完全無機固体からなる波長変換部材が提案されている(例えば、特許文献2及び3参照)。当該波長変換部材は、母材となるガラスがLEDの熱や照射光により劣化しにくく、変色や変形といった問題が生じにくいという特徴を有している。しかしながら、当該波長変換部材は、特に薄型化を図った場合は機械的強度に劣るという問題がある。そこで、波長変換部材の機械的強度を担保するため、無機材料基材上に蛍光体層を形成してなる蛍光体複合材料が提案されている(例えば、特許文献4参照)。
特開2000−208815号公報 特開2003−258308号公報 特許第4895541号公報 特開2007−48864号公報
特許文献4に記載の蛍光体複合材料は、蛍光体層用のグリーンシートを準備し、当該グリーンシートを無機材料基材上に熱圧着して焼成することにより作製される。しかしながら、焼成後においてもグリーンシートに含まれる結着剤等の有機成分が蛍光体層中に残存しやすく、当該有機成分が着色成分となって波長変換部材の発光強度が低下するおそれがある。
以上に鑑み、本発明は、基材層と、その表面に形成された蛍光体層を備えてなる波長変換部材を製造するための方法であって、発光強度低下の原因となる残存有機成分を低減することが可能な方法を提供することを目的とする。
本発明の波長変換部材の製造方法は、基材層と、その表面に形成された蛍光体層を備えてなる波長変換部材を製造するための方法であって、ガラス粉末、蛍光体粉末及び有機成分を含有する蛍光体層形成用材料を準備する工程、貫通孔が形成された基材層の表面に蛍光体層形成用材料層を積層して積層体を作製する工程、及び、積層体を焼成することにより、有機成分を除去するとともに、ガラス粉末及び蛍光体粉末を焼結して蛍光体層を形成する工程、を含むことを特徴とする。
基材層上に蛍光体層形成用材料層を積層した状態で焼成した場合、蛍光体層形成用材料層の基材層とは反対側の表面は外部に開放されているため、有機成分が除去されやすい。一方、蛍光体層形成用材料層の基材層側の表面は、基本的に外部に開放されておらず、有機成分が除去されにくい。本発明の製造方法では、基材層に貫通孔が形成されており、有機成分が当該貫通孔を通じて外部に排出されやすい。従って、焼成後における蛍光体層中の残存有機成分を低減することができ、発光強度の低下を抑制することができる。
本発明の波長変換部材の製造方法において、基材層に複数の貫通孔が形成されていることが好ましい。このようにすれば、有機成分が当該貫通孔を通じて外部に排出されるサイトが多くなり、焼成後における蛍光体層中の残存有機成分をより一層低減しやすくなる。
本発明の波長変換部材の製造方法において、積層体が、2つの基材層と、その間に挟持されてなる蛍光体層形成用材料層を備えていてもよい。このようにすれば、2つの基材層の間に蛍光体層が挟持されてなる波長変換部材が得られ、波長変換部材の機械的強度を向上させることができ、蛍光体層の薄型化も容易となる。また、後述するように基材層が放熱材からなる場合は、蛍光体層で発生した熱をより一層効率良く外部に放出することが可能となる。なお、蛍光体層形成用材料層が2つの基材層により挟持された状態で焼成を行うと、蛍光体層形成用材料層の両表面が外部に開放されていない状態であるため、有機成分が極端に外部に排出されにくくなる。しかしながら、この場合であっても、基材層に形成された貫通孔から有機成分が外部に排出されるため、焼成後の残存有機成分を低減することができる。
本発明の波長変換部材の製造方法において、蛍光体層形成用材料がグリーンシートであることが好ましい。グリーンシートには一般に結合剤が含まれる。結合剤は有機成分の中でも分解温度が比較的高く、焼成により除去されにくい。よって、この場合は本願発明の効果をより一層享受しやすくなる。
本発明の波長変換部材の製造方法において、基材層が、蛍光体層より高い熱伝導率を有する放熱材からなるものであってもよい。特に光源のパワーが大きい場合、光源の熱や蛍光体から発せられる熱により蛍光体層の温度が上昇し、発光強度が経時的に低下する(温度消光)という問題がある。また、場合によっては、蛍光体層の温度上昇が顕著となり、構成材料(ガラスマトリクス等)が溶解するおそれがある。そこで、蛍光体層より高い熱伝導率を有する放熱材の表面に蛍光体層を形成する構成とすることにより、蛍光体層で発生した熱を効率良く外部に放出することができ、上記のような不具合の発生を抑制することができる。
本発明の波長変換部材の製造方法において、放熱材として透光性セラミックスからなるものを使用することができる。このようにすれば、透過型の波長変換部材を作製することができる。
本発明の波長変換部材の製造方法において、透光性セラミックスとして、酸化アルミニウム系セラミックス、酸化ジルコニア系セラミックス、窒化アルミニウム系セラミックス、炭化ケイ素系セラミックス、窒化ホウ素系セラミックス、酸化マグネシウム系セラミックス、酸化チタン系セラミックス、酸化ニオビウム系セラミックス、酸化亜鉛系セラミックス及び酸化イットリウム系セラミックスから選択される少なくとも1種を使用することができる。
本発明の波長変換部材の製造方法において、積層体を焼成して基材層の表面に蛍光体層を形成した後、基材層における貫通孔を通過する面で波長変換部材を切断する工程、を含んでいてもよい。このようにすれば、大面積の波長変換部材を作製した後、小片化することにより、波長変換部材の量産化が可能となる。
本発明の波長変換部材は、貫通孔を有する基材層と、その表面に形成された蛍光体層を備えてなることを特徴とする。
本発明によれば、基材層と、その表面に形成された蛍光体層を備えてなり、蛍光体層における残存有機成分が少ない波長変換部材を製造することができる。その結果、残存有機成分に起因する発光強度の低下を抑制することが可能となる。
(a)は第1の実施形態に係る積層体の模式的側面図、(b)は(a)の積層体を基材層側から見た模式的平面図を示す。 第2の実施形態に係る積層体の模式的側面図である。 第3の実施形態に係る積層体の模式的側面図である。 第4の実施形態に係る積層体の模式的側面図である。 第5の実施形態に係る積層体の模式的側面図である。 本発明の波長変換部材の切断工程を示す模式的側面図である。
以下に、本発明の波長変換部材の製造方法の実施形態の一例について説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
波長変換部材の製造方法は、基材層と、その表面に形成された蛍光体層を備えてなる波長変換部材を製造するための方法であって、ガラス粉末、蛍光体粉末及び有機成分を含有する蛍光体層形成用材料を準備する工程、貫通孔が形成された基材層の表面に蛍光体層形成用材料層を積層して積層体を作製する工程、及び、積層体を焼成することにより、有機成分を除去するとともに、ガラス粉末及び蛍光体粉末を焼結して蛍光体層を形成する工程、を含むことを特徴とする。以下に、各工程毎に詳細に説明する。
(蛍光体層形成用材料の準備工程)
ガラス粉末としては、ケイ酸塩ガラス、ホウケイ酸塩ガラス、スズリン酸塩ガラス、ビスマス酸塩ガラス、ホウケイ酸亜鉛ガラス及びホウケイ酸鉛ガラスからなるものが挙げられる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用しても良い。なかでも、ケイ酸塩ガラス及びホウケイ酸塩ガラスは耐候性や耐熱性に優れるため、波長変換部材の経時劣化を抑制できるため好ましい。
ガラス粉末の粒度は特に限定されないが、例えば、最大粒子径Dmaxは200μm以下(特に150μm以下、さらには105μm以下)、かつ、平均粒子径D50が0.1μm以上(特に1μm以上、さらには2μm以上)であることが好ましい。ガラス粉末の最大粒子径Dmaxが大きすぎると、得られる波長変換部材において、励起光が散乱しにくくなり発光効率が低下しやすくなる。また、平均粒子径D50が小さすぎると、得られる波長変換部材において、励起光が過剰に散乱して発光効率が低下しやすくなる。
なお、本発明において、最大粒子径Dmax及び平均粒子径D50はレーザー回折法により測定した値を指す。
無機蛍光体粉末としては、一般に市場で入手できるものであれば特に限定されない。例えば、窒化物蛍光体、酸窒化物蛍光体、酸化物蛍光体(YAG蛍光体等のガーネット系蛍光体を含む)、酸硫化物蛍光体、ハロゲン化物蛍光体(ハロリン酸塩化物等)及びアルミン酸塩蛍光体等からなる粉末が挙げられる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。これらの無機蛍光体のうち、窒化物蛍光体、酸窒化物蛍光体及び酸化物蛍光体は耐熱性が高く、焼成時に比較的劣化しにくいため好ましい。なお、窒化物蛍光体及び酸窒化物蛍光体は、近紫外〜青の励起光を緑〜赤という幅広い波長領域に変換し、しかも発光強度も比較的高いという特徴を有している。そのため、窒化物蛍光体及び酸窒化物蛍光体は、特に白色LED素子用波長変換部材に用いられる無機蛍光体粉末として有効である。
上記無機蛍光体としては、波長300〜500nmに励起帯を有し波長380〜780nmに発光ピークを有するもの、特に青色(波長440〜480nm)、緑色(波長500〜540nm)、黄色(波長540〜595nm)、赤色(波長600〜700nm)に発光するものが挙げられる。
波長300〜440nmの紫外〜近紫外の励起光を照射すると青色の発光を発する無機蛍光体としては、(Sr,Ba)MgAl1017:Eu2+、(Sr,Ba)MgSi:Eu2+等が挙げられる。
波長300〜440nmの紫外〜近紫外の励起光を照射すると緑色の蛍光を発する無機蛍光体としては、SrAl:Eu2+、SrBaSiO:Eu2+、Y(Al,Gd)12:Ce3+、SrSiON:Eu2+、BaMgAl1017:Eu2+,Mn2+、BaMgSi:Eu2+、BaSiO:Eu2+、BaLiSi:Eu2+、BaAl:Eu2+等が挙げられる。
波長440〜480nmの青色の励起光を照射すると緑色の蛍光を発する無機蛍光体としては、SrAl:Eu2+、SrBaSiO:Eu2+、Y(Al,Gd)12:Ce3+、SrSiON:Eu2+、β−SiAlON:Eu2+等が挙げられる。
波長300〜440nmの紫外〜近紫外の励起光を照射すると黄色の蛍光を発する無機蛍光体としては、LaSi11:Ce3+等が挙げられる。
波長440〜480nmの青色の励起光を照射すると黄色の蛍光を発する無機蛍光体としては、Y(Al,Gd)12:Ce3+、SrSiO:Eu2+が挙げられる。
波長300〜440nmの紫外〜近紫外の励起光を照射すると赤色の蛍光を発する無機蛍光体としては、MgSrSi:Eu2+,Mn2+、CaMgSi:Eu2+,Mn2+等が挙げられる。
波長440〜480nmの青色の励起光を照射すると赤色の蛍光を発する無機蛍光体としては、CaAlSiN:Eu2+、CaSiN:Eu2+、(Ca,Sr)Si:Eu2+、α−SiAlON:Eu2+等が挙げられる。
なお、励起光や発光の波長域に合わせて、複数の無機蛍光体粉末を混合して用いてもよい。例えば、紫外域の励起光を照射して白色光を得る場合は、青色、緑色、黄色、赤色の蛍光を発する無機蛍光体粉末を混合して使用すればよい。
波長変換部材の発光効率(lm/W)は、ガラスマトリクス中に分散した無機蛍光体粉末の含有量によって変化する。無機蛍光体粉末の含有量は発光効率が最適になるように適宜調整すればよい。無機蛍光体粉末の含有量が多すぎると、焼結しにくくなったり、気孔率が大きくなって、励起光が効率良く無機蛍光体粉末に照射されにくくなったり、波長変換部材の機械強度が低下しやすくなる等の問題が生じるおそれがある。一方、無機蛍光体粉末の含有量が少なすぎると、所望の発光強度が得られにくくなる。このような観点から、ガラス粉末と無機蛍光体粉末の質量比は、好ましくは20〜99.99:0.01〜80、より好ましくは50〜99:1〜50、さらに好ましくは70〜98:2〜30、特に好ましくは75〜97:3〜25%、最も好ましくは80〜95:5〜20となるように調整することが好ましい。
なお、波長変換部材において発生した蛍光を、励起光入射側へ反射させ、主に蛍光のみを外部に取り出すことを目的とした波長変換部材においては、上記の限りではなく、発光強度が最大になるように、無機蛍光体粉末の含有量を多くする(例えば、ガラス粉末と無機蛍光体粉末の質量比が20〜70:30〜80、さらには25〜60:40〜75)ことができる。
ガラス粉末及び無機蛍光体粉末以外に、例えばアルミナ、シリカ、マグネシア等の光拡散材を合量で30質量%(原料粉末合量に占める割合)まで含有させてもよい。
有機成分には、結合剤、可塑剤、溶剤等が含まれる。
結合剤は乾燥後の膜強度を高め、また柔軟性を付与する成分である。スラリー中における結合剤の含有量は0.1〜30質量%であることが好ましく、1〜20質量%であることがより好ましく、3〜15質量%であることがさらに好ましい。結合剤が少なすぎると、粉末同士の結合性が不安定になり、成形性や加工性が低下しやすくなる。一方、結合剤が多すぎると、スラリー成形後に粉末の充填率が低下する傾向がある。結合剤としては、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコール等のビニル系高分子;ポリブチルメタアクリレート、ポリメチルメタアクリレート、ポリエチルメタアクリレート等のアクリル系高分子;エチルセルロース、ニトロセルロース等のセルロース系高分子;アミド系高分子等の有機高分子が使用可能であり、これらを単独または混合して使用することができる。
可塑剤は乾燥速度をコントロールするとともに、乾燥膜に柔軟性を与える成分であり、そのスラリー中における含有量は0〜10質量%程度、さらには2〜7質量%程度が一般的である。可塑剤としては、アジピン酸ジオクチル、フタル酸ジブチル、ブチルベンジルフタレート、ジオクチルフタレート、ジイソオクチルフタレート、ジカプリルフタレート、ジブチルフタレート等が使用可能であり、これらを単独または混合して使用することができる。
溶剤は原料をペースト化するための成分であり、そのスラリー中における含有量は1〜50質量%程度、さらには1〜40質量%程度が一般的である。溶剤としては、テルピネオール、酢酸イソアミル、トルエン、メチルエチルケトン、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタジオールモノイソブチレート等を単独または混合して使用することができる。
上記成分以外に、分散剤をスラリー中に0〜5質量%程度添加してもよい。分散剤としては、高分子型分散剤、界面活性剤型分散剤、無機型分散剤等を単独または混合して使用することができる。
上記のガラス粉末、蛍光体粉末及び有機成分をボールミル等にて混練することにより、スラリー状の蛍光体層形成用材料を得る。
(積層体の作製工程)
次に、基材層の表面に蛍光体層形成用材料層を積層して積層体を作製する。図1の(a)は第1の実施形態に係る積層体の模式的側面図、(b)は(a)の積層体を基材層側から見た模式的平面図を示す。第1の実施形態に係る積層体11は、貫通孔2aが形成された基材層2の表面に蛍光体層形成用材料層1が形成されてなる。基材層2に貫通孔2aが形成されていることにより、図1(a)の矢印で示すように焼成時に有機成分Oの分解ガスや揮発ガスが外部に排出されやすくなる。
例えば、蛍光体層形成用材料をPET(ポリエチレンテレフタラート)等の樹脂フィルム表面にドクターブレード法等で塗布し、乾燥することによりグリーンシートからなる蛍光体層形成用材料層1を得た後、蛍光体層形成用材料層1を基材層2上に積層することにより積層体11が得られる。あるいは、基材層2の表面に蛍光体層形成用材料をスクリーン印刷法やスプレー法等により塗布することにより蛍光体層形成用材料層1を形成し、積層体3を得る。
基材層2としては、ガラスやセラミックス等が挙げられる。ここで、基材層2が蛍光体層より高い熱伝導率を有する放熱材からなるものであると、蛍光体層2で発生した熱を効率良く外部に放出することができる。具体的には、放熱材の熱伝導率は5W/m・K以上、10W/m・K以上、特に20W/m・K以上であることが好ましい。
放熱材として透光性セラミックスからなるものを使用すれば、透過型の波長変換部材を得ることができる。透光性セラミックスの波長400nm〜800nmにおける全光線透過率は10%以上、20%以上、30%以上、40%以上、特に50%以上であることが好ましい。
透光性セラミックスとしては、酸化アルミニウム系セラミックス、酸化ジルコニア系セラミックス、窒化アルミニウム系セラミックス、炭化ケイ素系セラミックス、窒化ホウ素系セラミックス、酸化マグネシウム系セラミックス、酸化チタン系セラミックス、酸化ニオビウム系セラミックス、酸化亜鉛系セラミックス、酸化イットリウム系セラミックス等が挙げられる。
基材層2の厚みは0.05〜1mm、0.07〜0.8mm、特に0.1〜0.5mmであること好ましい。基材層の厚みが小さすぎると、機械的強度が低下する傾向がある。一方、基材層の厚みが大きすぎると、波長変換部材が大型化する傾向がある。
貫通孔2aの直径は0.05〜2mm、特に0.5〜1mmであることが好ましい。貫通孔2aの直径が小さすぎると、焼成時に有機成分Oが外部に排出されにくくなる。一方、貫通孔2aの直径が大きすぎると、波長変換部材としての有効利用面積が小さくなる傾向がある。また、基材層2の機械的強度が低下しやすくなる。
貫通孔2aは1つであってもよく、複数であってもよい。特に大面積の波長変換部材を作製する場合は、貫通孔2aが複数形成されていることによって、蛍光体層形成用材料層1に含まれる有機成分Oの分解ガスや揮発ガスを効率良く外部に排出することができる。具体的には、貫通孔2aの数は1個/cm以上、特に2個/cm以上であることが好ましい。なお、貫通孔2aの数が多すぎると、波長変換部材としての有効利用面積が小さくなる傾向がある。また、基材層2の機械的強度が低下しやすくなる。
基材層2の主面において貫通孔2aの占める面積割合は0.001〜30%、特に0.5〜10%であることが好ましい。貫通孔2aの占める面積割合が小さすぎると、焼成時に有機成分Oが外部に排出されにくくなる。一方、貫通孔2aの占める面積割合が大きすぎると、波長変換部材としての有効利用面積が小さくなる傾向がある。また、基材層2の機械的強度が低下しやすくなる。
図2は第2の実施形態に係る積層体の模式的側面図を示す。第2の実施形態に係る積層体12は、2つの基材層2と、その間に挟持されてなる蛍光体層形成用材料層1を備えてなる。ここで、2つの基材層2のうち一方には貫通孔2aが形成されている。このようにすれば、機械的強度に優れた波長変換部材を得ることができる。また、基材層2が放熱材からなる場合は、蛍光体層で発生した熱をより一層効率良く外部に放出することが可能となる。なお、本実施形態では蛍光体層形成用材料層1の両表面が外部に開放されていない状態であるため、有機成分Oが極端に外部に排出されにくくなる。しかしながら、この場合であっても、基材層2に形成された貫通孔2aから有機成分Oが外部に排出されるため、焼成後の残存有機成分Oを低減することができる。
図3は第3の実施形態に係る積層体の模式的側面図を示す。第3の実施形態に係る積層体13は、第2の実施形態に係る積層体12と同様に、2つの基材層2と、その間に挟持されてなる蛍光体層形成用材料層1を備えてなる。ここで、2つの基材層2の両方に貫通孔2aが形成されている。このようにすれば、焼成時において、有機成分Oがより一層外部に排出されやすくなる。
図4は第4の実施形態に係る積層体の模式的側面図を示す。第4の実施形態に係る積層体14は、3つの基材層2と2つの蛍光体層形成用材料層1が交互に積層されてなる。このようにすれば、より一層機械的強度に優れた波長変換部材を得ることができる。また、基材層2が放熱材からなる場合は、蛍光体層で発生した熱をさらに効率良く外部に放出することが可能となる。ここで、外表面に位置する2つの基材層2のうち一方と、内部に位置する基材層2に貫通孔2aが形成されている。本実施形態においても、基材層2に形成された貫通孔2aから有機成分Oが外部に排出されるため、焼成後の残存有機成分Oを低減することができる。
図5は第5の実施形態に係る積層体の模式的側面図を示す。第5の実施形態に係る積層体15は、第4の実施形態に係る積層体14と同様に、3つの基材層2と2つの蛍光体層形成用材料層1が交互に積層されてなる。ここで、外表面に位置する2つの基材層2の両方に貫通孔2aが形成されている。このようにすれば、基材層2に形成された貫通孔2aから有機成分Oがより効率良く外部に排出されるため、焼成後の残存有機成分Oをより一層低減することができる。
(焼成工程)
上記で得られた積層体を焼成することにより、有機成分を除去するとともに、ガラス粉末及び蛍光体粉末を焼結して蛍光体層を形成する。これにより波長変換部材が得られる。焼成は、有機成分を除去するための脱脂工程を経た後、ガラス粉末及び蛍光体粉末を焼結するための本焼成を行うことが好ましい。脱脂工程は、ガラス粉末の軟化点−150℃〜ガラス粉末の軟化点−5℃の範囲が好ましく、ガラス粉末の軟化点−120℃〜ガラス粉末の軟化点−10℃の範囲がより好ましい。このような温度範囲とすることにより、有機成分を除去することができる。また、本焼成はガラス粉末の軟化点〜ガラス粉末の軟化点+150℃の範囲が好ましく、ガラス粉末の軟化点+5℃〜ガラス粉末の軟化点+130℃の範囲がより好ましい。このような温度範囲とすることにより、緻密な焼結体を得ることが可能となる。
得られた波長変換部材における蛍光体層の厚みは、励起光が確実に蛍光体に吸収されるような厚みである範囲において、薄い方が好ましい。その理由としては、蛍光体層が厚すぎると光の散乱や吸収が大きくなりすぎ、蛍光の出射効率が低下する傾向があること、及び、蛍光体層の温度が高くなって、経時的な発光強度の低下や構成材料の溶解が発生しやすくなることが挙げられる。そのため、蛍光体層の厚みは、2mm以下、1mm以下、特に0.8mm以下であることが好ましい。蛍光体層の厚みの下限値は、通常、0.03mm程度である。また、出射光として白色を得る目的の場合は、励起光と蛍光が適切な割合になるように、蛍光体層の厚みを制御すればよい。
なお図6に示すように、得られた波長変換部材20を、基材層2における貫通孔2aを通過する面Cで切断し、複数の波長変換部材片20’を作製してもよい。ここで、面Cは蛍光体層1’あるいは基材層2の主面に対して略垂直方向の面である。このようにすれば、大面積の波長変換部材20を作製した後、小片化することにより、波長変換部材片20’の量産化が容易となる。貫通孔2aは励起光や蛍光の透過の妨げになる場合があるが、上記の通り波長変換部材20を面Cで切断することにより、各波長変換部材片20’においては貫通孔2aが端部に位置することになるため、そのような問題が発生しにくい。
1 蛍光体層形成用材料層
1’ 蛍光体層
2 基材層
2a 貫通孔
11、12、13、14、15 積層体
20 波長変換部材
20’ 波長変換部材片

Claims (8)

  1. 基材層と、その表面に形成された蛍光体層を備えてなる波長変換部材を製造するための方法であって、
    ガラス粉末、蛍光体粉末及び有機成分を含有する蛍光体層形成用材料を準備する工程、
    貫通孔が形成された基材層の表面に蛍光体層形成用材料層を積層して積層体を作製する工程
    層体を焼成することにより、有機成分を除去するとともに、ガラス粉末及び蛍光体粉末を焼結して蛍光体層を形成する工程、及び、
    積層体を焼成して基材層の表面に蛍光体層を形成した後、基材層における貫通孔を通過する面で波長変換部材を切断する工程、
    を含むことを特徴とする波長変換部材の製造方法。
  2. 基材層に複数の貫通孔が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の波長変換部材の製造方法。
  3. 積層体が、2つの基材層と、その間に挟持されてなる蛍光体層形成用材料層を備えてなることを特徴とする請求項1または2に記載の波長変換部材の製造方法。
  4. 蛍光体層形成用材料がグリーンシートであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の波長変換部材の製造方法。
  5. 基材層が、蛍光体層より高い熱伝導率を有する放熱材からなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の波長変換部材の製造方法。
  6. 放熱材が透光性セラミックスからなることを特徴とする請求項5に記載の発光色変換部材の製造方法。
  7. 透光性セラミックスが、酸化アルミニウム系セラミックス、酸化ジルコニア系セラミックス、窒化アルミニウム系セラミックス、炭化ケイ素系セラミックス、窒化ホウ素系セラミックス、酸化マグネシウム系セラミックス、酸化チタン系セラミックス、酸化ニオビウム系セラミックス、酸化亜鉛系セラミックス及び酸化イットリウム系セラミックスから選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項6に記載の発光色変換部材の製造方法。
  8. 貫通孔が形成された基材層と、その表面に形成された蛍光体層を備えてなり、前記貫通孔が前記基材層の端部に位置することを特徴とする波長変換部材。
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