JP2016191802A - 感光性導電ペースト、導電性薄膜、及び電気回路 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、露光後の線太り抑制しつつ、狭ライン幅が達成可能で、且つ、現像後の断線や絶縁化を抑制することが可能な感光性導電ペーストを提供することを課題とするものである。【解決手段】感光性有機バインダー(A)、導電性粉体(B)、光重合性化合物(C)、光重合開始剤(D)、炭素数16〜26の直鎖状アルキル基を含有する紫外線吸収剤(E)および有機溶剤(F)を含有することを特徴とする感光性導電ペースト。【選択図】なし

Description

本発明は、導電パターンを形成するための感光性導電ペーストを提供するとともに、それにより製造される各種電気回路基板に関する。
近年、各種電子部品においては、小型化、高精度化が求められ、特に導体回路パターンの高密度化が強く求められている。
従来、導電パターンを形成するために、絶縁性樹脂の中に微粒子状の銀粉、銅粉、あるいはカーボン粒子を大量に混合した、いわゆるポリマー型の導電ペーストが実用化されている。一般に、導電パターンの形成には、スクリーン印刷による印刷方法(例えば、特許文献1、2)が広く採用されてきたが、高密度パターンも形成には限界があり、50μm以下の解像度のパターン形成が困難であった。
一方、光硬化型の感光性導電ペーストを用いる方法(例えば特許文献3)は、50μm以下のパターンを精度よく描画できるので、近年の細線化の流れを受けて主流となりつつある。
しかし、感光性導電ペーストにおいては、ペースト塗布膜中に大量に含有する導電性粒子による、照射光の散乱により、設計した線幅よりも太くなるという課題があった。そこで、一般に、紫外線吸収剤を添加する方法(例えば、特許文献4)が挙げられる。しかしながら、狭い導電パターンを形成する場合に、公知の紫外線吸収剤(例えば、特許文献5の段落(0036))を用いると、現像後に導電性のラインが断線や絶縁化する場合があるという課題がある。
特開平1−253111号公報 特開2005−267859号公報 特開2003−162921号公報 特開2006−310195号公報 特開平8−227153号公報
本発明の目的は上述の問題を解決し、露光後の線太り抑制しつつ、狭ライン幅が達成可能で、且つ、現像後の断線や絶縁化を抑制することが可能な感光性導電ペーストを提供することである。
本発明の感光性導電ペーストは以下の構成からなる。
(1)感光性有機バインダー(A)、導電性粉体(B)、光重合性化合物(C)、光重合開始剤(D)、炭素数16〜26の直鎖状アルキル基を含有する紫外線吸収剤(E)および有機溶剤(F)を含有することを特徴とする感光性導電ペースト。
(2)感光性有機バインダー(A)が不飽和二重結合を有し、酸価が30〜250mgKOH/gの範囲内であることを特徴とする(1)に記載の感光性導電ペースト。
(3)導電性粉体(B)が少なくとも平均粒子径D50が5μm以下の銀粉を含むことを特徴とする(1)〜(2)のいずれかに記載の感光性導電ペースト。
(4)前記(1)〜(3)のいずれかに記載の感光性導電ペーストから形成された導電性薄膜。
(5)前記(4)に記載の導電性薄膜を用いてなる電気回路。
(6)(a)前記(1)〜(3)のいずれかに記載の感光性導電ペーストを基材上に塗布する工程、(b)次いで前記塗布された感光性導電ペーストの一部を露光する工程、
(c)次いで未露光部を現像する工程
の工程を含むことを特徴とする(4)に記載の導電性薄膜の製造方法。
本発明によれば、狭い導電パターンであっても、現像時に断線することなく、導電性を有する導電パターンの作製が可能となる。
本発明は、感光性有機バインダー(A)、導電性粉体(B)、光重合性化合物(C)、光重合開始剤(D)炭素数16〜26の直鎖状アルキル基を含有する紫外線吸収剤(E)および有機溶剤(F)を含有することを特徴とする感光性導電ペースである。
本発明の感光性導電ペーストは、露光後の線太り抑制しつつ、狭ライン幅が達成可能で、且つ、現像後の断線や絶縁化を抑制することが可能である。
以下、本発明の感光性導電ペーストの実施形態について詳しく説明をする。
本発明における感光性有機バインダー(A)とは、分子内に不飽和二重結合を少なくとも一つ以上有するオリゴマーもしくはポリマーが好ましく、1種または2種以上を使用することができる。
感光性有機バインダー(A)の具体例としてはアクリル系共重合体があげられる。アクリル系共重合体とは、共重合成分に少なくともアクリル系モノマーを含む共重合体であり、アクリル系モノマーの具体例としては炭素−炭素二重結合を有するすべての化合物が使用可能であるが、好ましくはメチルアクリレート、アクリル酸、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸エチル、n−ブチルアクリレート、i−ブチルアクリレート、i−プロパンアクリレート、グリシジルアクリレート、N−メトキシメチルアクリルアミド、N−エトキシメチルアクリルアミド、N−n−ブトキシメチルアクリルアミド、N−イソブトキシメチルアクリルアミド、ブトキシトリエチレングリコールアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、イソボニルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、イソデキシルアクリレート、イソオクチルアクリレート、ラウリルアクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、メトキシエチレングリコールアクリレート、メトキシジエチレングリコールアクリレート、オクタフロロペンチルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、ステアリルアクリレート、トリフロロエチルアクリレート、アクリルアミド、アミノエチルアクリレート、フェニルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、1−ナフチルアクリレート、2−ナフチルアクリレート、チオフェノールアクリレート、ベンジルメルカプタンアクリレートなどのアクリル系モノマーおよびこれらのアクリレートをメタクリレートに代えたものやスチレン、p−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、α−メチルスチレン、クロロメチルスチレン、ヒドロキシメチルスチレンなどのスチレン類、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、1−ビニル−2−ピロリドン、アリル化シクロヘキシルジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、グリセロールジアクリレート、メトキシ化シクロヘキシルジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、トリグリセロールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、そしてビスフェノールAジアクリレート、ビスフェノールFジアクリレート、ビスフェノールA−エチレンオキサイド付加物のジアクリレート、ビスフェノールF−エチレンオキサイド付加物のジアクリレート、ビスフェノールA−プロピレンオキサイド付加物のジアクリレートなどのエポキシアクリレート、または上記化合物のアクリル基を1部または全てメタクリル基に代えた化合物等が挙げられる。
アルカリ現像液を用いて現像する場合、アクリル系共重合体にアルカリ可溶性を付与するためには、モノマーとして不飽和カルボン酸等の不飽和酸を用いることにより達成される。不飽和酸の具体的な例としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、酢酸ビニル、またはこれらの酸無水物等が挙げられる。これらを分子鎖に付与することにより、ポリマーの酸価を調整することができる。
本発明の感光性有機バインダーは、上述の不飽和カルボン酸等の不飽和酸をモノマーとして用いて得られたアクリルポリマー中の不飽和酸の一部と、グリシジル(メタ)アクリレート等の不飽和酸と反応する基と不飽和二重結合を有する基の両方を有する化合物を反応させることにより得られる、側鎖に反応性の不飽和二重結合を有するアルカリ可溶性ポリマーが好ましい。
上記の化合物を用いて公知の重合方法、例えばラジカル重合によりアクリル系共重合体を重合することができる。
本発明の感光性導電ペーストに含まれる感光性有機バインダー(A)の酸価はアルカリ可溶性という観点から30〜250mgKOH/gであることが好ましく、より好ましくは80〜170mgKOH/gである。酸価が30mgKOH/g以上であると可溶部分の現像液に対する溶解性が低下することがなく、酸価が250mgKOH/g以下であると現像許容幅を広くすることができる。
また、本発明の感光性導電ペーストに使用される感光性有機バインダー(A)は、重量平均分子量が5,000〜80,000であることが好ましく、重量平均分子量はより好ましくは6,000〜50,000、さらに好ましくは7,000〜40,000である。
重量平均分子量が5,000未満では光架橋で得られる塗膜がもろくなり、基材への密着性も劣ったものとなり、逆に、重量平均分子量が80,000を超えると導電ペーストの溶液粘度が高くなりすぎて、平滑な基材への塗布が困難となる。溶液粘度を低下させるために有機溶剤を多量に使用すると導電性粉体の分散性が不均一となったり、形成した細線の導電性が低下し問題となる。
本発明で使用される感光性有機バインダー(A)の含有量は、感光性導電ペースト中の全固形分(感光性導電ペーストから溶剤を除いたもの)100重量部に対して、2〜27重量部の範囲にあることが望ましく、より好ましくは7〜20重量部である。7重量部以上とすることにより、現像時において、露光部を保持できて、解像度を向上させることができ、作製される導電パターンの強度や基板との接着性を良くすることが可能である。また、20重量部以下にすることにより、導電性粉体(B)を多く配合することができるので、作製される導電パターンの比抵抗を低下させることが可能である。
次に、本発明で使用される導電性粉体(B)は、導電性を有する粉末状のものであれば使用することができ、具体的には、金、銀、プラチナ、パラジウム、ニッケル、銅、アルミニウム、錫、鉄などの単体或いはそれらの合金、酸化錫、及び酸化インジウムなどを用いることができるが、中でも銀が本発明では好ましく、銅を銀で被覆した銀コート銅粉を用いることも何ら問題はない。導電性粉体の形状としては、公知のフレーク状(リン片状)、球状、樹枝状(デンドライト状)、球状の1次粒子が3次元状に凝集した形状(凝集銀粉)等があり、いずれも使用可能であるが、導電性、光透過性を考慮すると球状もしくは球状と凝集銀粉の組み合わせが好ましい。
また上記導電性粉体(B)の平均粒径((D50)としては、現像後の細線形状が良好であるという観点から、平均粒径((D50)が5μm以下であることが好ましい。中心径が5μm以下の小さい導電性粉体を用いることで、スクリーン印刷における細線形状が良好となる。
下限は特に限定されないが、コスト的観点ならびに、粒径が細かくなると凝集し易く、結果として分散が困難となるため80nm以上が好ましい。80nmより小さくなると、導電性粉体の凝集力が増し、現像性、スクリーン印刷性が悪化する他、コスト的観点からも好ましくない。
中心径が5μmより大きい導電性粉体を用いた場合には、細線現像性が悪化し、結果として細線同士が接触を起こし、短絡を招く可能性がある。
本発明で用いる導電性粉体(B)の平均粒径((D50)は3μm以下であることがより好ましい。
本発明で使用される導電性粉体(B)の含有量は、感光性導電ペースト中の全固形分(感光性導電ペーストから溶剤を除いたもの)100重量部に対して、70〜95重量部の範囲にあることが望ましく、より好ましくは80〜90重量部である。80重量部以上とすることにより、作製される導電パターンの比抵抗を低くすることが可能である。また、90重量部以下にすることにより、特に露光時の紫外線の散乱をより小さくすることができるので、微細なパターニングが容易となる。
本発明の感光性導電ペーストに使用される光重合性化合物(C)としては、2−エチルヘキシル (メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロペンタニル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAーエチレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテル・(メタ)アクリル酸付加物、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ジグリセリンエチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンーエチレンオキサイド付加物のトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル・(メタ)アクリル酸付加物、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリレートモノマーを挙げることができるが、これらに限定されるものではなく、公知の感光性を有する不飽和二重結合を有する化合物であれば、単独或いは2種以上を混合して使用することができる。これらの中でも架橋密度を上げるために、多官能の光重合性モノマーを使用することが好ましい。
これら光重合性化合物(C)を含むことで、架橋密度を向上させることができる他、光反応の際の架橋点間距離を調節することによって、塗膜の柔軟性や硬度を調整することができる。
また、現像に影響を与えないという観点から、親水性の官能基である水酸基やカルボキシル基を有していることが好ましい。
本発明で使用される光重合性化合物(C)の含有量は、感光性導電ペースト中の全固形分(感光性導電ペーストから溶剤を除いたもの)100重量部に対して、0.5〜15重量部の範囲にあることが望ましく、より好ましくは1〜8重量部である。1重量部以上とすることにより、感度を向上させ、かつ現像性を良くすることが可能である。また、8重量部以下にすることにより、導電性粉体(B)を多く配合することができるので、作製される導電パターンの比抵抗を低下させることが可能である。また、現像時において、露光部を保持できて、解像度が向上する。
本発明の感光性導電ペーストに使用される光重合開始剤(D)としては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、ベンゾフェノン、4,4−ビス(ジメチルアミン)ベンゾフェノン、4,4−ビス(ジエチルアミン)ベンゾフェノン、アセトフェノン、2,2−ジメトキシー2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン、アントラキノン、2−メチルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、チオサントン、2−メチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタール、ジベンジルケトン、4−ベンゾイル−4−メチルジフェニールケトン、アントロン、ベンズアントロン、4−アジドベンザルアセトフェノン、2,6−ビス(p−アジドベンジリデン)シクロヘキサン、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニールフォスフィンオキサイド、2−ブタジオンー2−(o−メトキシカルボニル)オキシム、1-フェニループロパンジオンー2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、2−メチルー〔4−(メチルチオ)フェニル〕ー2−モルフォリーノー1−プロパン、ナフタレンスルホニルクロライド、4,4−アゾビスイソブチロニトリルジフェニルジスルフィドなどをあげることができる。市販品としては、例えば、BASF社製のOxe-01, Oxe-02イルガキュアー184、イルガキュアー819、イルガキュアー907、イルガキュアー369、イルガキュアー379、ルシリンTPOなどが挙げられる。
光重合開始剤(D)としてはOxe-02のようなオキシムエステル系や、イルガキュアー907、イルガキュアー369のようなアミノアルキルフェノン系化合物を含むことがより好ましい。アミノアルキルフェノン系化合物、およびオキシムエステル系化合物は非常に高感度であるため、光重合開始剤(D)の含有量を少なくすることができる。その結果として、導電性塗膜の導電性や湿熱信頼性の向上することができるために好ましい。
これら公知の光重合開始剤は、単独または2種以上を組み合わせて使用することができる。2種以上の光重合開始剤を組み合わせて使用することで、溶剤への溶解性を考慮しながら、感度を調節することができる。
このような光重合開始剤(D)の配合量は、感光性成分(A)+(C)の合計重量部を100としたときに、0.05〜30重量部であることが好ましく、より好ましくは0.01〜10重量部である。0.05重量部以上とすることにより、露光部の硬化密度が増加し、現像後の残膜率を高くできる。30重量部以下にすることにより、光重合開始剤による塗膜上部での過剰な光吸収を抑制して逆テーパー型の形状となって、基材との密着不良を抑制できる。
本発明においては、紫外線吸収剤を含み、前記紫外線吸収剤が炭素数16〜26の直鎖状アルキル基を含有することを特徴とする。
通常、露光工程において、感光性導電ペーストの塗布乾燥した膜の上に露光マスクを密着させ、露光マスクの上から紫外線を照射する。照射された紫外線は感光性成分を硬化させる。導電性粉末が存在するために、特に1μm以下の導電性粉末や不均一な形状の導電性粉末によって紫外線が散乱されて、余分な部分まで光硬化し、露光マスク通りのパターンができない傾向にある。すなわち、散乱された紫外光が露光マスクによる遮光部分にまでまわり込んで感光性成分を硬化させてしまう。主として、導電性粉末の吸収と散乱により膜の上部は紫外線量が多く、基材側の下部では紫外線量が少ない。したがって、散乱の影響は上部において特に顕著である。そのために普通の紫外線吸光剤を添加すると均一に分布するために、上部における散乱光のまわり込みがほぼ回避され、マスク部分の感光性有機成分の硬化を防ぐことができるが、下部においては、紫外線吸収により極端に紫外線量が少なくなり、硬化不十分となって、現像後の断線や線のアンダーカットを起こし易く好ましくない。上部のみ紫外線を吸収できる紫外線吸収剤が望まれる。
一般に、塗液に長鎖アルキル基を含有する化合物を配合すると、塗膜の表面付近にマイグレートして、膜上部で長鎖アルキル基を含有する化合物が高濃度に存在することが知られている。これは、長鎖アルキル基が膜中において非相溶であるためと説明される。したがって、長鎖アルキル基を含有する紫外線吸収剤を、感光性導電ペーストに配合すれば、塗布乾燥した膜の上部に比較的高濃度に存在させることができ、上部の紫外線を選択的に吸収し、下部では紫外線吸収量が少ないために、露光による線太りを抑制してかつ現像後の断線や線のアンダーカットを抑制できる。長鎖アルキル基は直鎖状が好ましく、炭素数16〜26が好ましい。炭素数15以下では添加量を多くする必要があり、現像後の断線や線のアンダーカットが生じ易い。炭素数26以上では分子量が大きすぎるために、膜質が悪くなり、かつ表面へのマイグレーションがし難くなり、現像後の断線や線のアンダーカットが生じ易い。上記のように、本発明者らは感光性導電性ペースト中に炭素数16〜26の長鎖アルキル基を有する紫外線吸収剤を含有することにより、露光による線太りを抑制してかつ現像後の断線や線のアンダーカットを抑制できることを新たに見出したものである。
炭素数16〜26の直鎖状アルキル基を含有する紫外線吸収剤としては、炭素数16〜26の直鎖状アルキル基が紫外線吸収性化合物と化学結合により連結されている化合物が挙げられる。紫外線吸収性化合物としては特に限定されないが、例えば、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、トリアジン系、ジフェニルシアノアクリレート系、ジベンゾイルメタン系などが挙げられる。炭素数16〜26の直鎖状アルキル基を含有する紫外線吸収剤の具体的な例として、2−(2−ヒドロキシ−5−オクタデシルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−ヘキサデシルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2,4‘−ジヒドロキシ−4−オクタデシルベンゾフェノン、2,4‘−ジヒドロキシ−4−ヘキサデシルベンゾフェノン、1−(4−tert―ブチルフェニル)―2−オクタデシルー3−(4’−メトキシフェニル)―プロパン1,3―ジオンが挙げられる。
炭素数16〜26の直鎖状アルキル基を含有する紫外線吸収剤(E)の添加量は、感光性導電ペースト中の全固形分(感光性導電ペーストから溶剤を除いたもの)100重量部に対して、0.001〜5重量部が好ましく、より好ましくは、0.01〜3重量部である。炭素数16〜26の直鎖状アルキル基を含有する紫外線吸収剤の添加量をこの範囲にすることにより、露光部の線幅太りを抑制しつつ、現像時に狭ラインの断線を起こしにくくさせることが可能であり、好ましい。
本発明の導電性ペーストは有機溶剤(F)を含む。有機溶剤(F)としては、沸点が100℃以上、300℃未満であることが好ましく、より好ましくは沸点が130℃以上、280℃未満である。
有機溶剤(E)の例としてはダイセル社製のエチルジグリコールアセテート(ECA)、ブチルグリコールアセテート(BCA)、ブチルジグリコールアセテート(BDGAC)、エクソン化学製のソルベッソ100,150,200が挙げられる。その他、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、トルエン、イソホロン、γ-ブチロラクトン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ベンジルアルコール、テキサノール、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ターピオネール等を挙げることができる。これらの有機溶剤は、単独あるいは2種以上を混合して使用することができる。
上記の中でも、感光性導電性ペーストを用いた導電性薄膜生産プロセスの観点から、沸点130℃以上の溶剤が好まれる。有機溶剤(F)の沸点が低すぎると、ペースト製造工程やペースト使用に際、スクリーン印刷での連続印刷に溶剤が揮発し、導電性ペーストを構成する成分比が変化しやすい懸念がある。一方で、溶剤の沸点が高すぎると、乾燥後の塗膜内部に溶剤が残存することがあり、露光プロセスのフォトマスク接触時に、塗膜の一部がフォトマスクへ移行してしまう可能性があるため、沸点は280℃以下であることが好ましい。
このような背景もあり、沸点110℃以上の溶剤と、沸点が280℃より低い溶剤を混合して用いられる場合もある。本発明においては、スクリーン印刷性(連続印刷時の溶剤揮発性)、と乾燥性において良好であるという観点から、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、テキサノール、ベンジルアルコール、ECA、BCA、BDGACからなる群より選択されてなる少なくとも1種類以上の溶剤が好ましい。
本発明の感光性導電ペーストに使用される有機溶剤(F)の含有量は、導電ペースト重量部を100としたときに、5〜40重量部であることが好ましく10〜35重量部以下であることがさらに好ましい。有機溶剤(E)の含有量が5重量部より少ないと、スクリーン印刷の連続印刷時に導電性ペーストの粘度が高くなり、印刷形状にカスレを生じる場合がある。一方、40重量部を超えると、ペースト粘度が低くなり、印刷形状がニジミで不安定となる場合がある。さらに乾燥後の塗膜に溶剤が残存し、フォトマスクとの接触時に裏移りすることがある他、得られる塗膜の膜厚が薄くなり、電気特性が低下する場合がある。
本発明の導電性ペーストにおいては、感光性有機バインダー(A)と反応し得る硬化剤としてブロックイソシアネートを配合してもよい。本発明の導電性ペーストに含まれる感光性有機バインダー(A)が水酸基を含有している場合には、硬化剤としてブロック化したイソシアネートを使用することで貯蔵安定性が向上し、好ましい。また反応点となる水酸基を含有する光重合性化合物(C)を適宜使用することにより、架橋密度を制御することも可能となる。
本発明の導電性ペーストは、その所望の特性を損なわない範囲であれば非感光性有機バインダー、可塑剤、増感剤、熱重合開始財、重合禁止剤、酸化防止剤、レベリング剤、表面調整剤、分散剤、消泡剤、沈降防止剤、シランカップリング剤、導電性フィラー、非導電性フィラーなどを含んでいてもよい。
本発明の感光性導電性ペーストの製造方法は特に限定されないが、例えば、以下のような工程により、製造することができる。まず、感光性有機バインダー(A)を有機溶剤(F)に溶解する。次いでこの溶液に導電性粉体(B)、光重合性化合物(C)、光重合開始剤(D)、炭素数16〜26の直鎖状アルキル基を含有する紫外線吸収剤(E)その他ブロックイソシアネートや沈降防止剤などの添加剤を添加し、ダブルプラネタリーやディゾルバー、遊星式の攪拌機等で予備分散を実施する。次いでこれを、三本ロールミルで分散して、導電性ペーストを得る。このような工程により得られた導電性ペーストは、さらに濾過しても良い。濾過を実施することで、現像後の線形状が良好となる場合がある。
また、本発明のような溶剤含有量が少ない導電性ペーストにおいては、三本ロールミルを用いる分散工程が生産効率の点で特に有効であるが、その他の分散機、例えばビーズミル、ニーダー、エクストルーダーなどを用いて分散しても何ら問題はない。
本発明の感光性導電ペーストを用いて、導電性薄膜あるいは細線を形成する手順としては、下記の(1)〜(3)の工程を含む。
(1)スクリーン印刷等により、本発明の感光性導電ペーストを基材上に塗布する工程、前乾燥工程を伴うパターン形成、(2)次いで前記塗布された感光性導電ペーストの一部を露光する工程による細線パターン露光
(3)次いで未露光部を現像する工程による細線パターン形成
工程(1)については本発明の導電性ペーストをスクリーン印刷法やスピンコートやバーコーター、ブレードコーター、ディップ法などを用いて基材上に塗布または印刷して塗膜を形成させる。
塗布方法については上記のどの塗布方法で塗布してもよいが、生産性、品質安定性の面からスクリーン印刷法で実施することが好ましい。基材としては特に限定はされないが、例えば、ポリカーボネート、アクリル、ポリイミド、ポリエステル等の基材が挙げられる。また、前記基材と導電性膜との間に透明導電性層を設け、導電性薄膜を透明導電性層上に積層することにより、導電性積層体を得ることができる。透明導電性層の素材は特に限定されないが、例えば、酸化インジウム・スズを主成分としてなるITO膜の導電薄膜を適用することが可能である。また、透明導電性層は基材全面に形成されたものだけでなく、エッチングにより透明導電性層の一部が除去されたものを使用することもできる。その他、ガラス基板やガラスエポキシ基板、ガラスポリイミド基板セラミック基板、ポリイミド基板、ビスマレイミドトリアジン)板、フェノール基板、紙フェノールなどの基板を用いることができる。
次いで上記で基板上に形成したパターンを例えば、熱風循環式乾燥炉、遠赤外線乾燥炉等を用い、例えば約60〜110℃で3〜30分程度乾燥させて、塗膜内部の有機溶剤を蒸発させる必要がある。これは次の露光工程において形成した塗膜とネガマスクを接触させる必要があるため、タック性を低減させる必要があるためである。
尚、本実施態様の感光性導電ペーストは、予めフィルム状に成膜したドライフィルムとして用いても何ら問題はない。
また、上記乾燥して得られるパターンの膜厚は、現像性が良好であるという観点と電気回路としての導電性の観点から3μm以上が好ましく、4m以上がより好ましい。一方で、現像性の観点から、厚みが厚いと現像液が塗膜内部に十分浸透せず、多大な残渣が残るという観点から、12μm以下が好ましく、10μm以下がさらに好ましい。
工程(2)については例えば(1)で作製した塗膜にフォトマスクを介してパターン露光して、現像を行う。露光方法としては、例えば、所定の露光パターンを有するフォトマスク(ネガ型、ポジ形)を用いた接触露光又は非接触露光が一般的であるが、フォトマスクを用いずに、レーザー光などで直接描画する方法を用いても良い。露光光源としては、ハロゲンランプ、高圧水銀灯、レーザー光、マルチランプ、メタルハライドランプ、ブラックランプ、無電極ランプなどが使用される。露光量としては、50〜1000mJ/cm2程度が好ましく、線太りや、生産性の観点から、100mJ/cm2〜600mJ/cm2がさらに好ましい。
工程(3)については現像方法としては、スプレー法、浸漬法等が用いられる。現像液としては、例えば感光性導電ペースト中にカルボキシル基を含有する場合、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、珪酸ナトリウムなどの金属アルカリ水溶液や、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどのアミン水溶液が用いられる。現像液濃度としては0.01〜10重量%であることが好ましく、0.1〜5重量%であることがより好ましい。アルカリ水溶液の濃度が0.01重量%未満であると可溶部が除去されない傾向があり、10重量%を超えるとパターン部を剥離させ、また、非可溶部を腐食させる傾向がある。また、現像時の現像温度は、20〜50℃で行うことが工程管理上好ましい但し、カルボキシル基が中和され、未露光部が除去されればよく、これらの現像液や、現像液濃度、現像温度に限定されるものではない。また、現像後、不要な現像液の除去のため、水洗や酸中和を行うことが好ましい。
以上の現像工程については、アルカリ現像液、水洗、酸中和ゾーン、さらには乾燥ゾーンが設けられた連続槽式の現像装置を用いると生産効率が向上するので好ましい。
上記のようにそして、露光、現像により得られた感光性導電ペーストのパターン塗膜を後乾燥、後硬化させて電極パターンを形成する。
露光、現像後の後乾燥、後硬化については工程(1)と同様に熱風循環式乾燥炉、遠赤外線乾燥炉等を用いることが好ましい。乾燥、硬貨温度についてはパターン塗膜を、100〜180℃の温度、好ましくは110−140℃の温度にて、10〜60分程度加熱処理を行うことで電極パターンが形成される。
100℃より低い温度で最終硬化すると、硬化反応が進まず、さらには溶剤が残存することで所望の導電性が発現しない場合がある。一方で、180℃より高い温度で最終硬化すると、基材の変形が生じる場合があり、密着性の低下が生じる場合がある。
本発明の導電性積層体を用い、タッチパネルを製造することができる。タッチパネルは、抵抗膜方式であっても静電容量方式であってもよい。いずれのタッチパネルにも適用が可能であるが、本ペーストは、細線形成に好適であるため、静電容量方式に用いられることが好ましい。静電容量方式のタッチパネルは、スマートフォンやタブレット端末の普及で急速に採用されており、額縁部の狭化のニーズに対応して、額縁部の配線の微細ピッチ化の要求が高まっている。競合する導電ペーストのスクリーン印刷技術に対する優位性を有するためには、L/S(ライン幅(μm)/間隔(μm)を表す)で,25/25以下が好ましく、より好ましくは20/20以下である。
タッチパネルの製造方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、ITO膜等の透明導電性層を積層した基材上に、導電性ペーストを塗布又は印刷し、露光、現像を経て作製した導電性回路を加熱により硬化させ、導電性積層体を形成させ、得られる導電性積層体を別の導電性積層体と貼り合わせることにより製造することができる。
本発明の導電性ペーストは、タッチパネルの電極回路配線用として好適に用いられるが、それ以外にも、電磁波シールド用途、電子部品の回路形成用途、端子やリード線の導電性接着剤等の用途にも使用することが可能である。
本発明の感光性導電性ペーストは最終的に熱および光にて硬化さえすることができれば、従来のスクリーン印刷用のペーストとして用いても何ら問題はない。その他例えばグラビア印刷、凸版印刷等、その他印刷方式にも適用することができる。
以下に実施例及び比較例を示して、本発明をさらに具体的に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。
本発明における導電性ペーストの評価は、下記の方法により行った。
1.数平均分子量の測定方法
2.酸価の測定方法
試料樹脂0.2gを精秤し20mlのクロロホルムに溶解した。ついで、0.01Nの水酸化カリウム(エタノール溶液)で滴定して求めた。指示薬には、フェノールフタレイン溶液を用いた。
3.比抵抗の測定方法
厚み100μmのITO膜(尾池工業(株)製、KH300)に、導電性ペーストをスクリーン印刷法にて印刷した。スクリーン版としては東京プロセスサービス社製のST400ステンレスメッシュ(版サイズ320mm、乳剤厚10μm、線径23μm)を用い、幅80mm、長さ120mmの現像評価用のべた塗りパターンを形成し、熱風循環式乾燥炉にて90℃で10分間乾燥して、指触乾燥性の良好なパターンを形成した。なお、乾燥膜厚が5μmになるように印刷時の塗布厚を調整した。
その後、上記ベタ塗りパターンへ積算光量が300mJ/cm2となるよう露光し、液温30℃の0.2wt%Na2CO3水溶液を用いて現像を行い、次いで水洗した。その後、熱風循環式乾燥炉にて140℃×30分間キュアし、導電性積層体テストピースを作製した。導電性積層体テストピースのシート抵抗と膜厚を測定し、比抵抗を算出した。膜厚はゲージスタンドST−022(小野測器社製)を用い、アニール処理をしたPETフィルムの厚みをゼロ点として硬化塗膜の厚みを5点測定し、その平均値を用いた。シート抵抗はMILLIOHMMETER4338B(HEWLETT PACKARD社製)を用いてテストピース4枚について測定し、その平均値を用いた。
4.パターニング性の評価方法
3.で得られたベタ塗りパターンへ、光源として高圧水銀灯を用い、一定のラインアンドスペース(L/S)で配列する直線群を1つのユニットとし、L/Sの値が異なる6種類のユニットを有するフォトマスクを介して、露光した。次いで、液温30℃の0.2wt%Na2CO3水溶液を用いてスプレー現像を行った後、25℃の純粋にて60秒間水洗した。尚、露光は5枚のベタ塗りパターンにそれぞれ積算露光量が100、200、300、400、500mJ/cm2となるように露光した。現像時間は、ベタ塗りパターンが完全に除去できる最小時間の1.7倍とした。そして140℃で30分間キュアすることによって導電パターンを得た。各ユニットのL/Sの値は40/40、35/35、30/30、25/25、20/20、15/15とした(それぞれライン幅(μm)/間隔(μm)を表す)。一般に露光量が増加すると、現像後に微小なラインは残り易くなるがライン幅は増加し、逆に間隔が減少して埋まり易くなる。最小のL/Sを得るためには最適な露光量を見出す必要がある。そこで、露光時間の異なる5枚のL/Sのパターンを光学顕微鏡により観察し、5枚の内で、パターン間に残渣がなく、かつパターン剥がれのない最小のL/Sの値を与える露光時間での最小のL/Sの値を現像可能なL/Sとした。
実施例、比較例で用いた材料は以下の通りである。
・感光性有機バインダー(A)
(合成例1)感光性有機バインダー(A−1)
メタクリル酸メチル(MMA)/メタクリル酸(MAA)の共重合体にグリシジルメタクリレート(GMA)を付加反応させたバインダー
窒素雰囲気の反応容器中にジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート150gを仕込みオイルバスを用いて80℃まで昇温した。これに、メタクリル酸メチル60g、メタクルル酸34g、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.8gおよびジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート10gからなる混合物を1時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに6時間重合反応を行った。その後、ハイドロキノンモノメチルエーテル1gを添加して重合反応を停止した。引き続きグリシジルメタクリレート23g、トリエチルベンジルアンモニウムクロライド1gおよびジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート10gからなる混合物を0.5時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに2時間付加反応を行った。得られた反応溶液をメタノールで精製することで未反応不純物を除去し、さらに24時間真空乾燥することで感光性有機バインダー(A−1)を得た。得られた感光性有機バインダー(A−1)の酸価は110mgKOH/gで、重量平均分子量は24000であった。
(合成例2)感光性有機バインダー(A−2)
メタクリル酸メチル(MMA)/メタクリル酸(MAA)の共重合体に4−ヒドロキシアクリレートグリシジルエーテルを付加反応させたバインダー
合成例1において、グリシジルメタクリレート23gの代わりに、4−ヒドロキシアクリレートグリシジルエーテル32gを使用することを除いて、合成例1と同様にして感光性有機バインダー(A−2)を得た。得られた感光性有機バインダー(A−2)の酸価は103mgKOH/gで、重量平均分子量は32000であった。
(合成例3)感光性有機バインダー(A−3)
メタクリル酸メチル(MMA)/メタクリル酸2−エチルヘキシル(EHMA)/メタクリル酸(MAA)の共重合体にグリシジルメタクリレート(GMA)を付加反応させたバインダー
窒素雰囲気の反応容器中にジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート150gを仕込みオイルバスを用いて80℃まで昇温した。これに、メタクリル酸メチル45g、メタクリル酸2−エチルヘキシル18g、メタクルル酸32g、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.8gおよびジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート10gからなる混合物を1時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに6時間重合反応を行った。その後、ハイドロキノンモノメチルエーテル1gを添加して重合反応を停止した。引き続きグリシジルメタクリレート18g、トリエチルベンジルアンモニウムクロライド1gおよびジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート10gからなる混合物を0.5時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに2時間付加反応を行った。得られた反応溶液をメタノールで精製することで未反応不純物を除去し、さらに24時間真空乾燥することで感光性有機バインダー(A−3)を得た。得られた感光性有機バインダー(A−3)の酸価は120mgKOH/gで、重量平均分子量は22000であった。
・導電性粉体(B) 球状銀粉(D50=1.5μm)
・光重合性化合物(C) PETIA(ダイセル・オルネクス社製、ペンタエリスリトールトリアクリレート)
・光重合開始剤(D) Oxe−02(BASF社製)
・炭素数16〜26の直鎖状アルキル基を含有する紫外線吸収剤(E−1、E−2,E−3)
(合成例4)2―(2−ヒドロキシー5―オクタデシルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール(E−1)
O−ニトロアニリン(27.6g、0.2モル)を50 mlの濃塩酸と500mlの水の混合液中に懸濁した。10℃で12gの亜硝酸ナトリウムを加えて、生成した塩化O−ニトロベンゼンジアゾニウム溶液を45gの酢酸ナトリウムで中和した。
28g(0.1モル)の4−オクタデシルフェノールと、20mlのエタノール、20gのスルホン化ヒマシ油、 220mlの2%の水酸化ナトリウムのエマルジョンを作製し、10℃で攪拌しながら上記塩化ジアゾニウム溶液に加えた。生成物をろ過し、乾燥し、150mlのエタノールに懸濁した。
50gの亜鉛粉末と190mlの15%水酸化ナトリウムを加え、混合物を色が変わるまで還流した。亜鉛はろ過により分離し、ろ過物を酸性化すると、目的の2―(2−ヒドロキシー5―オクタデシルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール(E−1)が得られた。ろ過した後、エタノールから再結晶した。
(合成例5)2,4‘―ジヒドロキシー4−オクタデシルベンゾフェノン(E−2)
10.3gの4−ヒドロキシ安息香酸と27gの3−オクタデシルフェノールを別々に攪拌機付きの反応溶器に加え、容器内を乾燥窒素ガスで置換し、約0℃まで冷却し、続いて45gの無水フッ化水素を加えた。その後、攪拌しながら75℃までゆっくり加温し、6時間保持して反応を完結させた。その後、内容物を25℃まで冷却し、過剰のフッ化水素を除去した。その後、100gの脱イオン水を注意深く加え、70℃に保ちながら激しく攪拌した。その後、室温に冷却し、ろ過によりすべての水を除去し、残留した固体を gの酢酸エチルに溶解した。4gのイソプロパノールと16gの水の混合物を加え、15分間激しく攪拌した。その後、有機相と分離た水相を除去し、有機相は2回同じイソプロパノール水混合液で洗浄した後、有機相を加熱して酢酸エチルを除き、60℃まで冷却して50gのヘキサンを加えた。この混合物を25℃になるまで3時間かけて冷却し、それからろ過し、ろ過物を10gのヘキサンで洗浄した後、風乾して残留ヘキサンを除去して2,4‘―ジヒドロキシー4−オクタデシルベンゾフェノン(E−2)を得た。
(合成例6)1−(4−tert―ブチルフェニル)−2−ドデシルー3−(4‘−メトキシフェニル)―プロパン1,3―ジオン(E−3)
5.9gの75%フッ化テトラn−ブチルアンモニウム水溶液(0.017モル)を3.1gの4−tert―ブチルー4‘−メトキシジベンゾイルメタン(PARSOL 1789 DSM社製、0.1モル)に加え、次に減圧下で3時間80℃まで加熱することにより、水を除去して無水の黄色の残渣を得た。この残渣を25mlのテトラヒドロフラン中に溶解し、10gの1−ブロモオクタデカン(0.03モル)を加えた。混合物を70℃で2時間攪拌した後、溶液を蒸発させて黄色の粘凋を得た。これを薄層カラムで分離し、1−(4−tert―ブチルフェニル)−2−ドデシルー3−(4‘−メトキシフェニル)―プロパン1,3―ジオン(E−3)を得た。
・市販紫外線吸収剤
KEMISORB71 (トリアゾール系、メチル基含有、ケミプロ化成)(E−4)
KEMISORB73 (トリアゾール系、t−ブチル基含有、ケミプロ化成)(E−5)
チヌビン384−2 (トリアゾール系、オクチル基含有、BASF社)(E−6)
チヌビン571 (トリアゾール系、ドデシル基含有、BASF社)(E−7)
KEMISORB11 (ベンゾフェノン系、メトキシ基含有、ケミプロ化成)(E−8)
KEMISORB12 (ベンゾフェノン系、オクチロキシ基含有、ケミプロ化成)(E−9)
実施例1
感光性有機バインダー(A−1)10gを溶剤(F)としてジプロピレングリコールモノメチルエーテル15gに溶解した溶液に、導電性粉体(B)として球状銀粉(D50=1.5μm)を84g、光重合性化合物(C)としてPETIA(ダイセル・オルネクス社製、ペンタエリスリトールトリアクリレート)を4.5g、光重合開始剤(D)としてのOxe−02(BASF社製)を1g、紫外線吸収剤(E−1)を0.5gを配合し、チルド三本ロール混練り機に3回通して分散し、感光性導電ペースト1を得た。
実施例2
実施例1において、感光性有機バインダー(A-1)10gを10.3gに、紫外線吸収剤(E−1)0.5gを0.2gに変更して実験1と同様にして感光性導電ペースト2を得た。
実施例3
実施例1において、感光性有機バインダー(A-1)10gを9.5gに、紫外線吸収剤(E−1)0.5gを1gに変更して実験1と同様にして感光性導電ペースト3を得た。
実施例4〜5
実施例1において、紫外線吸収剤(E−1)の代わりに、紫外線吸収剤(E−2)〜(E−3)を用いて、実施例1と同様にして感光性導電ペースト4〜感光性導電ペースト5を得た。
実施例6〜7
実施例1において、感光性有機バインダー(A-1)の代わりに、感光性有機バインダー(A-2)〜(A−3)を用いて、実施例1と同様にして感光性導電ペースト6〜感光性導電ペースト7を得た。
比較例1
実施例1において、感光性有機バインダー(A-1)10gを10.5gにし、紫外線吸収剤を配合しないで、実験1と同様にして感光性導電ペースト8を得た。
比較例2〜7
実施例1において、紫外線吸収剤(E−1)の代わりに、紫外線吸収剤(E−4)〜(E−9)を用いて、実施例1と同様にして感光性導電ペースト9〜感光性導電ペースト14を得た。
感光性導電ペースト1〜14について、比抵抗および現像可能なL/S値を表1に示した。
表1より、本発明の要件を満たす実施例1〜7は、パターニング性が良好で、高解像度のパターンが形成でき、しかも、低い比抵抗の導電パターンが得られることが分かる。
本発明の感光性導電性ペーストは、優れた解像性を可能にしながら、優れた比抵抗を有する導電性薄膜を提供することができ、例えば、タッチパネルを搭載する携帯電話、ノートパソコン、電子書籍などに用いる導電性ペーストとして有用である。

Claims (6)

  1. 感光性有機バインダー(A)、導電性粉体(B)、光重合性化合物(C)、光重合開始剤(D)、炭素数16〜26の直鎖状アルキル基を含有する紫外線吸収剤(E)および有機溶剤(F)を含有することを特徴とする感光性導電ペースト。
  2. 感光性有機バインダー(A)が不飽和二重結合を有し、酸価が30〜250mgKOH/gの範囲内であることを特徴とする請求項1に記載の感光性導電ペースト。
  3. 導電性粉体(B)が少なくとも平均粒子径D50が5μm以下の銀粉を含むことを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載の感光性導電ペースト。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の感光性導電ペーストから形成された導電性薄膜。
  5. 請求項4に記載の導電性薄膜を用いてなる電気回路。
  6. (1)請求項1〜3のいずれかに記載の感光性導電ペーストを基材上に塗布する工程、(2)次いで前記塗布された感光性導電ペーストの一部を露光する工程、
    (3)次いで未露光部を現像する工程
    の工程を含むことを特徴とする請求項4に記載の導電性薄膜の製造方法。
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