JP2016191640A - 道路橋用ジョイント部材の劣化診断方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】高速道路の路肩に音・映像採取ユニットをセットして道路橋用ジョイント部材の発生音の音圧波形データと画像データとを採取した後、音圧波形データをフーリエ解析して得られた周波数スペクトルから、基準ピーク値PLと高域ピーク値PHを算出して、ピーク比R=(PH/PL)を求め、このピーク比Rから道路橋用ジョイント部材の劣化の度合いを判定するとともに、音圧波形データを用いて、発生音の音源方向(θp,φp)を推定し、音源方向(θp,φp)と劣化の度合いと表す図形とが表示された劣化診断用画像Gを作成するようにした。
【選択図】図9
Description
フィンガージョイント50は、それぞれが、櫛歯51nが形成されたフェイスプレート51と、フェイスプレート51の櫛歯51nが形成された側とは反対側から支持するウェブプレート52と、ウェブプレート52から高速道路の橋桁60側に突出する複数のリブプレート53とを備えた一対のジョイント部材50A,50Bとから成り、各ジョイント部材50A,50Bを構成するフェイスプレート51の櫛歯51n同士を隙間を持たせて噛み合わせるようにして橋梁に設置することで、寒暖差による橋桁60の長さ方向の伸縮を吸収する。
なお、フェイスプレート51とウェブプレート52とリブプレート53とはそれぞれ鋼材から成り、溶接により組み立てられる。また、各ジョイント部材50A,50Bの橋桁60側は橋桁60のコンクリートと一体化されている。
フェイスプレート51の疲労亀裂を初期段階において把握することができれば、フェイスプレート51の破断前にフィンガージョイント50を交換できるので、高速道路の走行安全性を向上させることができる。
フェイスプレートの疲労亀裂を把握する方法として、フェイスプレートをハンマーなどで加振して振動させた際に発生する音の音圧信号を、複数のマイクロフォンを備えた音採取手段により採取し、この音圧信号から上記発生音の音源方向を推定するとともに、フェイスプレートを撮影し、推定された音源方向と撮影されたフェイスプレートの画像とを合成して作成された、音源方向を示す図形が描画された破損判定用画像からフィンガージョイントが破損しているか否かを判定する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、上記従来の方法では、フェイスプレートが破損しているか否かを判定することはできるが、フィンガージョイントの劣化の度合い、すなわち、フェイスプレートとリブプレートとの溶接部に発生する亀裂の進展の度合いについては、把握することが困難であるといった問題点があった。
これにより、ジョイント部材の劣化箇所を推定できるとともに、フェイスプレートとリブプレートとの溶接部の劣化の度合いを判別することができるので、ジョイント部材の劣化の度合いを確実に診断することができる。
これにより、ジョイント部材の状態を常時監視できるので、ジョイント部材の劣化を早期に発見することができる。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の道路橋用ジョイント部材の劣化診断方法であって、前記ジョイント部材の振動が、当該ジョイント部材に路面側から打撃を与えて加振したときに発生する振動であることを特徴とする。
これにより、ジョイント部材を同一の条件で振動させることができるので、ジョイント部材の劣化の度合いを確実に判定できる。
このように、互いに一直線上にない少なくとも3個のマイクロフォンを含む複数のマイクロフォンを平面板に設置して、平面板の前方から伝播される音の音圧信号のみを採取するようにしたので、装置を小型化できるとともに、音源方向の推定精度を向上させることができる。
この場合には、劣化箇所である音源位置を特定できないが、基準ピーク値と高域ピーク値とを比較すれば、加振点の近傍に、フェイスプレートとリブプレートとの溶接部が劣化進展している箇所が存在するか否かを判定できるので、ジョイント部材の劣化の度合いを診断することができる。
これにより、ジョイント部材の劣化の度合いの判定精度を向上させることができるとともに、推定された音源方向を示す図形が特定帯域の音源の方向を示す図形のみとなるので、音源位置の推定精度が向上する。
音・映像採取ユニット10は、4個のマイクロフォンM1〜M4を備えた音採取手段11と、撮影手段としてのCCDカメラ(以下、カメラという)12と、マイクロフォンM1〜M4とカメラ12とが装着される平面板13と、平面板13を支持する支持台14と、支持台14を支持する支持脚(三脚15)と、支持台14に設置される温度センサー16とを備える。
図2(a),(b)は、平面板13への、マイクロフォンM1〜M4とカメラ12との装着例を示す図で、本例では、平面板13を円盤状とし、その中心にカメラ12を装着するとともに、マイクロフォンM1〜M4を、カメラ12を中心とする正方形の各頂点に配置した。
また、マイクロフォンM1〜M4は、振動膜面が平面板13の一方の面(以下、前面という)13aとほぼ同じ位置になるように装着される。カメラ12は、撮影方向が前方向(平面板13の他方の面である後面13bから前面13aに向かう方向)になるように平面板13に装着されて、フィンガージョイント50のフェイスプレート51を撮影する。
本例では、図3に示すように、音・映像採取ユニット10を、フィンガージョイント50が設置された橋桁60の路肩61に設置するとともに、ジョイント部材50のフェイスプレート51の表面を見下ろすような位置にカメラ12が位置するように、音・映像採取ユニット10を設置して、車両通過時におけるフィンガージョイント50からの発生音とフェイスプレート51の映像とを採取する。
カメラ12の撮影範囲としては、例えば、水平角θで±60°、仰角φで−20°〜−60°の範囲とすればよい。
記憶手段33〜劣化診断用画像作成手段37の各手段は、例えば、パーソナルコンピュータのソフトウェアとメモリーとにより構成される。
音データ入出力手段21は、増幅器21aと、A/D変換器21bとを備える。
増幅器21aは、ローパスフィルタを備え、マイクロフォンM1〜M4で採取した、車両通過時におけるフィンガージョイント50からの発生音の音圧信号から高周波ノイズ成分を除去するとともに、各音圧信号を増幅してA/D変換器21bに出力する。
A/D変換器21bは、音圧信号をA/D変換するとともに、A/D変換された音圧信号を音圧波形データとして記憶手段33に送る。
映像入出力手段22は、カメラ12で連続的に撮影された映像信号を入力してA/D変換するとともに、A/D変換された映像信号を画像データとして記憶手段33に送る。
図4(a)に示すように、リブプレート53は、フェイスプレート51とウェブプレート52と、それぞれ、溶接部51m及び溶接部52mにて溶接されている。
図4(b)に示すように、フィンガージョイント50の噛み合わせ側である櫛歯51n側に、繰り返し荷重Wを与えると、図4(c)に示すように、まず、(a)図及び(b)図の矢印Aで示す、溶接部51mの櫛歯51nとは反対側の端部の歪が急激に低下する。このような歪の急激な低下は、亀裂の発生によるものである。
繰り返し荷重を与え続けると、(b)図の矢印Bで示す、溶接部51mの中間点の歪が急激に低下し、最後に、(b)図の矢印Cで示す、櫛歯51n側の端部の歪が急激に低下する。すなわち、溶接部51mの亀裂は、繰り返し荷重Wを与えた側とは反対側の端部に発生し、繰り返し荷重Wを与えた側に向かって進展する。
なお、歪は、各点A,B,Cに、歪ゲージを貼付けて測定した。
本例では、このリブプレート53との溶接部51mの亀裂長さsを、フィンガージョイント50の劣化の度合いのメジャーとした。
フィンガージョイント50からの発生音(以下、打音という)の音圧信号は、図5に示すように、車両通過前のノイズ部分と、車両通過による衝撃音部分と、車両通過後の自由振動部分とから成るが、フェイスプレート51とリブプレート53との溶接部51mに亀裂が発生すると、打音の自由振動部分の周波数スペクトルが変化する。そこで、本例では、自由振動部分の音圧信号をフーリエ変換して、フィンガージョイント50の劣化の度合いの判定と音源方向の推定とを行うようにしている。
図6(a)は、フィンガージョイント50に繰り返し荷重を与える前の状態(健全状態)の周波数スペクトルで、健全状態においては、500Hz〜1500Hzの周波数帯域(以下、基準周波数帯域という)と、2000Hz〜2500Hzの周波数帯域(以下、第1高周波帯域という)とに、それぞれ、大きなピークが出現している。
図6(b)は、フィンガージョイント50に繰り返し荷重を与え、溶接部51mの亀裂長さが、溶接部51mの全長の半分(例えば、10mm)まで進展したときの周波数スペクトルである。同図から明らかなように、基準周波数帯域のピークの大きさ(以下、基準ピーク値PLという)は減少し、逆に、第1高周波帯域のピークの大きさ(以下、高域ピーク値PHという)が増加していることがわかる。
亀裂が更に進展し、亀裂が溶接部51mの端部Cまで達すると、図6(c)に示すように、基準ピーク値PLは更に減少し、高域ピーク値PHは更に増加する。したがって、予め、溶接部51mの亀裂長さsと、基準ピーク値PLと高域ピーク値PHとの関係を調べておけば、を比較すれば、計測した基準ピーク値PLと高域ピーク値PHとから、溶接部51mの亀裂長さを知ることができる。以下、亀裂長さをsとする。
本例では、フェイスプレート51とリブプレート53との溶接部51mの劣化の度合いである亀裂長さsと基準ピーク値PLと高域ピーク値PHとの比であるピーク比R=(PH/PL)との関係を示すs−Rテーブル33Mを予め求めておき、これを記憶手段33に記憶する。
すなわち、記憶手段33は、音圧波形データと画像データとを保存するとともに、予め求めておいた、s−Rテーブル33Mを記憶する。s−Rテーブル33Mは、フィンガージョイント50の種類毎に作成される。
図7は、s−Rテーブル33Mの一例を示す図で、横軸は亀裂長さs[mm]、縦軸は振幅比Rである。亀裂長さsが長くなる程、振幅比Rは大きくなる。したがって、s−Rテーブル33Mを用いれば、音圧波形データから求めた振幅比Rから亀裂長さsを推定することができる。
なお、図6(a)〜(c)に示すように、周波数スペクトルの、2700Hz〜3200Hzの周波数帯域(以下、第2高周波帯域という)にもピークが出現する。このピークの大きさPH2も亀裂の進展に伴って増加するので、図7に示すように、ピーク比R2=(PH2/PL)も亀裂の進展に伴って増加する。
本例では、基準ピーク値PLと高域ピーク値PHとのピーク比Rを用いて亀裂長さsを推定しているが、ピーク比R2を用いて亀裂長さsを推定したり、ピーク比Rとピーク比R2の両方を用いて亀裂長さsを推定することも可能である。
劣化度合い判定手段35は、基準ピーク値PLと高域ピーク値PHとの比であるピーク比R=(PH/PL)を算出するとともに、算出されたピーク比Rと、記憶手段33に記憶されたs−Rテーブル33Mとから、溶接部51mの亀裂長さsを推定し、この推定された亀裂長さsから、フィンガージョイント50の劣化の度合いを判定する。
具体的には、複数の閾値K1,K2(K1<K2)を設定し、s<K1ならば劣化の度合いが「小」、K1≦s<K2ならば劣化の度合いが「中」、K2≦sならば劣化の度合いが「大」であると判定すればよい。なお、判定結果は、劣化診断用画像作成手段37に送られる。
具体的には、マイクロフォンM1〜M4の音圧波形データをFFTにて周波数解析し、周波数毎にマイクロフォンM1〜M4間の位相差を求め、この求められた位相差と、温度センサー16により計測された温度を用いて算出した音速cとから音源の方向を周波数毎に算出する。
水平角θp及び仰角φpは以下の式[数1]で表わせる。
なお、音圧信号の大きさとしては、マイクロフォンM1〜M4のうちのいずれかに入力される信号の大きさとしてもよいし、マイクロフォンM1〜M4に入力される信号の大きさの平均値を用いてもよい。
劣化診断用画像Gの横軸は水平角θpで縦軸は仰角φpで、音圧レベルの大きな、周波数帯域が第1高周波帯域(2000Hz〜2500Hz)の音源方向を示す図形のみが描写される。また、例えば、図形が円の場合には、円の半径と色が劣化の度合いを表わすようにすればよい。
本例では、劣化の度合いが「小」のときは円は表示せず、劣化の度合いが「中」のときに小円、劣化の度合いが「大」のときは大円とした。図8に示した劣化診断画像Gからは、フィンガージョイント50の櫛歯51nのうち、路肩側の端部から4番目の位置a4にあるリブプレート53とフェイスプレート51との溶接部51mの劣化の度合いが「中」で、5番目の位置a5にあるリブプレート53とフェイスプレート51との溶接部51mの劣化の度合いが「大」であることがわかる。
表示手段40は、液晶ディスプレイ等の表示画面40Mを備え、劣化診断用画像作成手段37で作成された劣化診断用画像Gを表示画面40Mに表示する。
作業者は、劣化診断用画像Gから、亀裂の発生したリブプレート53の位置と劣化の度合いとを確認することができる。
まず、音・映像採取ユニット10を、フィンガージョイント50が設置されている橋桁60の路肩61にセットし(ステップS10)、マイクロフォンM1〜M4にてフィンガージョイント50の発生音の音圧信号とフェイスプレート51の画像を採取する(ステップS11)。
なお、音・映像採取ユニット10を2台準備し、左右の路肩61,61にそれぞれ設置してもよい。
次に、マイクロフォンM1〜M5の出力信号である音圧信号を増幅してA/D変換して得られた音圧波形データを記憶手段33に保存するとともに、カメラ12の映像信号をA/D変換して得られた画像データを記憶手段33に保存する(ステップS12)。
次に、記憶手段33に記憶された音圧波形データをフーリエ解析して得られた周波数スペクトルから、基準ピーク値PLと高域ピーク値PHを算出した後(ステップS13)、ピーク比R=(PH/PL)を算出する(ステップS14)。
そして、ピーク比Rとs−Rテーブル33Mとから、溶接部51mの亀裂長さsを推定して、フィンガージョイント50の劣化の度合いを判定する(ステップS15)。
次に、記憶手段33に保存された音圧波形データを用いて、フィンガージョイント50の発生音の音源方向である水平角θp及び仰角φpを推定する(ステップS16)。
そして、音源方向(θp,φp)と劣化の度合いと表す円が表示された劣化診断用画像を作成し(ステップS17)、この劣化診断用画像を表示装置の表示画面に表示する(ステップS17)。
なお、劣化診断を継続する場合には、ステップS11に戻って、フィンガージョイント50の発生音の音圧信号とフェイスプレート51の画像を採取する。
また、前記実施の形態では、s−Rテーブル33Mを用いて推定した亀裂長さsから、フィンガージョイント50の劣化の度合いを判定したが、ピーク比R=(PH/PL)から直接フィンガージョイント50の劣化の度合いを判定してもよい。この場合も、複数の閾値F1,F2(F1<F2)を設定し、R<F1ならば劣化の度合いが「小」、F1≦R<F2ならば劣化の度合いが「中」、F2≦Rならば劣化の度合いが「大」であると判定すればよい。
また、前記実施の形態では、劣化の度合いを判定を行ってから音源方向の推定を行ったが、音源方向の推定を先に行ってもよいし、劣化の度合いを判定と音源方向の推定とを並行して行ってもよい。
また、前記実施の形態では、平面板13に、マイクロフォンM1〜M4を、カメラ12を中心とする正方形の各頂点に配置した音採取手段11を用いたが、例えば、特許文献1に開示されているような、互いに交わる2つの直線上にそれぞれ所定の間隔で配置された第1及び第2のマイクロフォン対(M1,M3)及び(M2,M4)と第1及び第2のマイクロフォン対の作る平面上にない第5のマイクロフォンM5とを備えた音採取手段を用いてもよい。
なお、フィンガージョイント50に加振手段にて加振したときのピーク比R=(PH/PL)が大きい場合には、加振点の近傍の、フェイスプレート51とリブプレート53との溶接部51mの劣化が進展していると判定できるので、音源方向の推定を省略してもよいが、音源方向の推定を省略すると、劣化箇所の正確な位置が特定できないので、本例のように、音源方向を推定して劣化推定画像を作成することが好ましい。
11 音採取手段、12 カメラ、13 平面板、14 支持台、15 支持脚、
16 温度センサー、
20 データ処理装置、21 音データ入出力手段、22 映像入出力手段、
30 記憶・演算装置、33 データ記憶手段、34 ピーク値算出手段、
35 劣化度合い判定手段、36 音源方向推定手段、37 劣化診断用画像作成手段、40 表示装置、40M 表示画面、
50 フィンガージョイント、51 フェイスプレート、51n 櫛歯、
52 ウェブプレート、51m,52m 溶接部、53 リブプレート、
60 橋桁、61 路肩、M1〜M4 マイクロフォン。
Claims (6)
- 道路用橋梁の路面側に設置されるフェイスプレートと、前記フェイスプレートの前記道路側とは反対側に設けられて前記道路の幅方向に延長するウェブプレートと、前記フェイスプレートと前記ウェブプレートとに溶接されて前記道路の長さ方向に延長する複数のリブプレートとを備えた道路橋用ジョイント部材の劣化の度合いを診断する方法であって、
複数のマイクロフォンを備えた音採取手段を用いて振動状態にある前記ジョイント部材の発生する音の音圧信号を採取するステップと、
前記音圧信号から、予め設定された基準周波数帯域に出現するピークの大きさである基準ピーク値と、予め設定された、前記基準周波数帯域よりも高い周波数帯域に出現するピークの大きさである高域ピーク値とを算出するステップと、
前記音圧信号から、前記基準周波数帯域の音の音源方向と前記基準周波数帯域よりも高い周波数帯域の音の音源方向のいずれか一方、もしくは、両方を推定するステップと、
前記ジョイント部材のフェイスプレートの映像を撮影するステップと、
前記算出された基準ピーク値及び高域ピーク値と、前記推定された音源方向のデータと、前記撮影されたフェイスプレートの画像データとから、前記ジョイント部材の劣化の度合いを判定するステップとを備え、
前記ジョイント部材の劣化の度合いを判定するステップでは、
前記推定された音源方向のデータと、前記撮影されたフェイスプレートの画像データとを合成して、前記音源方向を表す図形が描画された劣化診断画像を作成し、前記作成された劣化診断画像から前記ジョイント部材の劣化箇所を推定するとともに、
前記算出された基準ピーク値と高域ピーク値とを比較して、前記フェイスプレートと前記リブプレートとの溶接部の劣化の度合いを判定することを特徴とする道路橋用ジョイント部材の劣化診断方法。 - 前記ジョイント部材の振動が、道路用橋梁を走行する車両が当該ジョイント部材上を通過した時に発生する振動であることを特徴とする請求項1に記載の道路橋用ジョイント部材の劣化診断方法。
- 前記ジョイント部材の振動が、当該ジョイント部材に路面側から打撃を与えて加振したときに発生する振動であることを特徴とする請求項1に記載の道路橋用ジョイント部材の劣化診断方法。
- 前記音採取手段が、
平面板と、前記平面板に設置されて前記平面板を含む平面の一方の側である前方から伝播される音の音圧信号のみを採取する、互いに一直線上にない、2組のマイクロフォン対を構成する少なくとも3個のマイクロフォンを備え、
前記音源方向を推定するステップでは、前記各マイクロフォンに入力する音圧信号の到達時間差と、前記マイクロフォンの位置座標と音速とから前記音源の方向を推定することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の道路橋用ジョイント部材の劣化診断方法。 - 道路用橋梁の路面側に設置されるフェイスプレートと、前記フェイスプレートの前記道路側とは反対側に設けられて前記道路の幅方向に延長するウェブプレートと、前記フェイスプレートと前記ウェブプレートとに溶接されて前記道路の長さ方向に延長する複数のリブプレートとを備えた道路橋用ジョイント部材の劣化の度合いを診断する方法であって、
音採取手段により、前記ジョイント部材に路面側から打撃を与えて加振したときに発生する音の音圧信号を採取するステップと、
前記音圧信号から、予め設定された基準周波数帯域に出現するピークの大きさである基準ピーク値と、予め設定された、前記基準周波数帯域よりも高い周波数帯域に出現するピークの大きさである高域ピーク値とを算出するステップと、
前記基準ピーク値と前記高域ピーク値とを比較して、前記フェイスプレートと前記リブプレートとの溶接部の劣化の度合いを判定するステップと、
を備えることを特徴とする道路橋用ジョイント部材の劣化診断方法。 - 前記基準周波数帯域が500Hz〜1500Hz帯域であり、
前記基準周波数帯域よりも高い周波数帯域が2000Hz〜2500Hz帯域であることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の道路橋用ジョイント部材の劣化診断方法。
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