JP5924929B2 - フィンガージョイントの破損判定方法 - Google Patents

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本発明は、高速道路等の橋梁に設置されるフィンガージョイントが破損しているか否かを判定する方法に関するものである。
従来、高速道路等の橋梁には、寒暖差による橋桁の長さ方向の伸縮を吸収するため、橋桁の間に、図10に示すような、フィンガージョイント50と呼ばれる櫛型伸縮装置が設置されている(例えば、特許文献1参照)。
フィンガージョイント50は、それぞれが、櫛歯51aが形成されたフェイスプレート51と、フェイスプレート51の櫛歯51aが形成された側とは反対側から支持するウェブプレート52と、ウェブプレート52から橋桁60側に突出する複数のリブプレート53とを備えた一対のジョイント部材50A,50Bとから成り、各ジョイント部材50A,50Bを構成するフェイスプレート51の櫛歯51a同士を隙間を持たせて噛み合わせるようにして橋梁に設置することで、寒暖差による橋桁60の長さ方向の伸縮を吸収する。
なお、フェイスプレート51とウェブプレート52とリブプレート53とはそれぞれ鋼材から成り、溶接により組み立てられる。また、各ジョイント部材50A,50Bの橋桁60側は橋桁60のコンクリートと一体化されている。
特開2003−64613号公報
フィンガージョイント50は、車両走行による輪荷重の繰り返し作用を直接受けるため、フェイスプレート51が破断する場合がある。これは、フェイスプレート51と一体化している橋桁60のコンクリートの路面側の部分が削り取られてフェイスプレート51が振動し易くなり、その結果、フェイスプレート51に疲労亀裂が発生するためと考えられる。
フェイスプレート51の疲労亀裂を初期段階において把握することができれば、フェイスプレート51の破断前にフィンガージョイント50を交換できるので、高速道路の走行安全性を向上させることができる。
しかしながら、初期段階においては、フェイスプレート51の疲労亀裂は表面の外観目視だけでは把握できないのが現状であった。
そこで、配管等の傷の探査に用いられる超音波センサーやAEセンサーなどを用いてフェイスプレート51の疲労亀裂の有無を検査する方法が考えられるが、フィンガージョイント50は配管等に比べて面積が大きいので検査に時間がかかるだけでなく、フェイスプレート51が厚いため、ウェブプレートとの間に発生する亀裂を検出することが困難であるといった問題点があった。
本発明は、従来の問題点に鑑みてなされたもので、フェイスプレートの疲労亀裂を初期段階において容易にかつ効率よく把握してフィンガージョイントの破損を判定する方法を提供することを目的とする。
本発明者は、鋭意検討の結果、フェイスプレートとウェブプレートとの間に亀裂が発生するとフェイスプレートが曲がり易くなり、その結果、フェイスプレートに疲労亀裂が発生すること、及び、フェイスプレートとウェブプレートとの間に亀裂が存在するフィンガージョイントのフェイスプレートをハンマーなどで加振して振動させると、フィンガージョイントの固有振動周波数より高い周波数帯域の音が発生することから、フェイスプレートに打撃を与えて振動させた時に発生する上記周波数帯域の音の音源の位置を推定することで、フェイスプレートとウェブプレートとの間の亀裂の発生箇所を特定できることを見出し本発明に到ったものである。
すなわち、本願の請求項1に記載の発明は、複数のマイクロフォンを備えた音採取手段を用いて採取した振動状態にあるフィンガージョイントの発生する音の音圧波形データから前記音の音源方向を推定するとともに、前記フィンガージョイントのフェイスプレートの映像を撮影して、前記推定された音源方向のデータと前記撮影されたフェイスプレートの画像データとを合成して前記推定された音源方向を示す図形が描画された破損判定用画像を作成し、前記作成された破損判定用画像から前記フィンガージョイントの破損を判定する方法であって、前記フィンガージョイントが、道路用橋梁に設置される、櫛歯が形成されたフェイスプレートと、前記フェイスプレートを路面とは反対側から支持するウェブプレートと、前記ウェブプレートから橋桁側に突出する複数のリブプレートとを備えるフィンガージョイントで、前記音源方向を推定する音の音圧波形データが、予め設定しておいた、前記ウェブプレートと前記フェイスプレートとの間に亀裂が発生しているフィンガージョイントの前記フェイスプレートに打撃を与えて加振したときに発生する、当該フィンガージョイントの固有振動周波数より高い周波数帯域である判定周波数帯域の音圧波形データであり、前記破損判定用画像には、前記判定周波数帯域にある周波数を有する音の音源方法を示す図形のみが描画されることを特徴とする。
これにより、フェイスプレートとウェブプレートとの間に発生した亀裂を確実に推定できるので、疲労亀裂を初期段階においてフィンガージョイントの破損を把握することができる。したがって、高速道路の走行安全性を向上させることができる。
また、フィンガージョイントが破損している場合には破損判定用画像に特定周波数帯域の音の音源方向を示す図形が描写されるので、フィンガージョイントが破損しているか否かを容易にかつ短時間で把握することができる
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のフィンガージョイントの破損判定方法であって、前記フィンガージョイントの振動が、道路用橋梁を走行する車両が当該フィンガージョイント上を通過した時に発生する振動であることを特徴とする。
これにより、フィンガージョイントの状態を常時監視できるので、フィンガージョイントの破損を早期に発見することができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載のフィンガージョイントの破損判定方法であって、前記フィンガージョイントの振動が、当該フィンガージョイントのフェイスプレートに路面側から打撃を与えて加振した時に発生する振動であることを特徴とする。
これにより、フィンガージョイントを同一の条件で振動させることができるので、フィンガージョイントの破損を確実に判定できる。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載のフィンガージョイントの破損判定方法であって、前記フィンガージョイントに当該フィンガージョイントのフェイスプレートの路面側から打撃を与えて加振するステップと、前記打撃を与える毎に、複数のマイクロフォンを備えた音採取手段を用いて前記フィンガージョイントが発生する音の音圧信号を採取するとともに前記フェイスプレートの映像を撮影するステップと、前記音採取手段で採取した音圧信号から前記判定周波数帯域にある音の音源方向を推定するステップと、前記推定された判定周波数帯域にある音源方向のデータと前記撮影されたフェイスプレートの画像データとを合成して前記推定された音源方向を示す図形が描画された破損判定用画像を作成するステップと、前記作成された破損判定用画像からフィンガージョイントの破損を判定するステップとを備えることを特徴とする。
このようなステップにしたがってフィンガージョイントが破損しているか否かを判定すれば、フィンガージョイントの破損検査を確実にかつ効率よく行うことができる。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載のフィンガージョイントの破損判定方法であって、前記フィンガージョイントに当該フィンガージョイントのフェイスプレートの路面側の複数箇所に打撃を与え、前記打撃を与える毎に、前記フィンガージョイントが発生する音の音圧信号を採取して前記判定周波数帯域にある音の音源方向を推定するとともに前記フェイスプレートの映像を撮影し、前記推定された判定周波数帯域にある音源方向のデータと前記撮影されたフェイスプレートの画像データとを合成して前記推定された音源方向を示す図形が描画された破損判定用画像を作成し、前記作成された複数の破損判定用画像からフィンガージョイントの破損を判定することを特徴とする。
これにより、フィンガージョイントが破損しているか否かだけでなく、フェイスプレートの破損箇所についても精度よく推定できるので、フィンガージョイントの破損判定精度を向上させることができる。
請求項6に記載の発明は、請求項に記載のフィンガージョイントの破損判定方法であって、前記特定周波数帯域が2500〜8000Hz帯域の中から選択される1つもしくは複数の周波数帯域であることを特徴とする。
このように、前記特定周波数帯域を、フェイスプレートとウェブプレートの間の亀裂の有無による音圧レベル差の大きな2500〜8000Hz帯域の中から選択される1つもしくは複数の周波数帯域としたので、亀裂の発生の有無を精度よく判定することができる。
なお、特定周波数帯域はフィンガージョイントの種類(大きさ、形状、材質を含む)により異なっているので、破損判定するフィンガージョイント毎に予め求めておき、破損判定用画像中には、前記予め求められた特定周波数帯域の音源の方向を示す図形のみを描画して表示する。
請求項に記載の発明は、請求項1〜請求項のいずれかに記載のフィンガージョイントの破損判定方法であって、前記破損判定用画像からフィンガージョイントの破損を判定する際に、前記作成された破損判定用画像と、予め求めておいた、前記フェイスプレートを路面と反対側から支持するウェブプレートと前記フェイスプレートとの間に亀裂が発生しているフィンガージョイントの前記フェイスプレートに打撃を与えて加振して作成した破損判定用画像である破損モデル画像とを照合して当該フィンガージョイントの破損を判定することを特徴とする。
このように、破損データベースとしての破損モデル画像を予め準備しておき、画像データ同士を照合してフィンガージョイントの破損を判定するようにしたので、音源方向を示す図形の発生箇所や発生頻度を正確に判定できる。したがって、フィンガージョイントの破損判定精度を更に向上させることができる。
請求項に記載の発明は、請求項1〜請求項のいずれかに記載のフィンガージョイントの破損判定方法であって、前記音採取手段が、互いに交わる2つの直線上にそれぞれ所定の間隔で配置された第1及び第2のマイクロフォン対と前記第1及び第2のマイクロフォン対の作る平面上にない第5のマイクロフォンとを備え、前記第1のマイクロフォン対を構成する2つのマイクロフォン間の音の到達時間差と、前記第2のマイクロフォン対を構成する2つのマイクロフォン間の音の到達時間差と、前記第5のマイクロフォンと前記第1及び第2のマイクロフォン対を構成する4つのマイクロフォンのそれぞれとで構成される4組のマイクロフォン対を構成するマイクロフォン間の到達時間差とを用いて音源方向を推定することを特徴とする。
このような音採取手段を用いることにより、少ないマイクロフォン数で音源方向を精度よく推定できるので、亀裂の発生箇所を効率よくかつ正確に推定することができる。
なお、前記発明の概要は、本発明の必要な全ての特徴を列挙したものではなく、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となり得る。
本発明の実施の形態に係るフィンガージョイントの破損判定装置の構成を示す図である。 音・映像採取ユニットと加振手段の設置位置の一例を示す図である。 マイクロフォンの配置を示す図である。 フィンガージョイントの加振試験方法を示す図である。 フィンガージョイントの健全部を加振した時に発生する音の音圧信号の時系列波形と周波数スペクトルとを示す図である。 フィンガージョイントの破損部を加振した時に発生する音の音圧信号の時系列波形と周波数スペクトルとを示す図である。 フィンガージョイントの破損判定方法を示すフローチャートである。 フィンガージョイントの健全部を加振した時の破損判定用画像の一例を示す図である。 フィンガージョイントの破損部を加振した時の破損判定用画像の一例を示す図である。 フィンガージョイントの一例を示す図である。
以下、実施の形態を通じて本発明を詳説するが、以下の実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものでなく、また、実施の形態の中で説明される特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、フィンガージョイントの破損判定装置1の構成を示す図で、フィンガージョイントの破損判定装置1は、加振手段1Dと、音・映像採取ユニット10と、データ処理部20と、記憶・演算部30と、表示手段40とを備える。
加振手段1Dは、図2に示すように、ジョイント部材50A(または、ジョイント部材50B)のフェイスプレート51を打撃する加振部材としてのハンマー1aと、ハンマー1aを回転させるハンマー駆動部1bと、ハンマー駆動部1bを支持する基台1cと、打撃毎に打撃信号を出力する信号発生部1dと、図示しない走行手段とを備え、自走してフェイスプレート51の所定の位置にハンマー1aによる打撃を加えて、ジョイント部材50A(または、ジョイント部材50B)を加振するとともに、打撃箇所を示す打撃信号を発生してデータ処理部20に出力する。
なお、図2では、データ処理部20、記憶・演算部30、及び、表示手段40については省略した。本例では、フェイスプレート51の打撃箇所を、櫛歯のある箇所の櫛歯とは反対側の箇所とした。
音・映像採取ユニット10は、音採取手段11と、撮影手段としてのCCDカメラ(以下、カメラという)12と、マイクロフォン固定部13と、カメラ支持台14と、支柱15と、支持脚16とを備える。
音採取手段11は複数のマイクロフォンM1〜M5を備える。
マイクロフォンM1〜M5の配置は、図3に示すように、4個のマイクロフォンM1〜M4を、互いに直交する2直線(ここでは、x軸とy軸)上にそれぞれ所定の間隔Lで配置された2組のマイクロフォン対(M1,M3)及びマイクロフォン対(M2,M4)を構成するように配置するとともに、第5のマイクロフォンM5を前記マイクロフォンM1〜M4の作る平面上にない位置(ここでは、Z軸上)に配置する。本例では、マイクロフォンM5を、マイクロフォンM1〜M4の作る正方形を底面とする四角錐の頂点の位置に配置した。これにより、更に4組のマイクロフォン対(M5, M1)〜(M5, M4)が構成される。
カメラ12の撮影方向は、図1の白抜きの矢印に示すように、2組のマイクロフォン対(M1,M3)及びマイクロフォン対(M2,M4)が配置される直交する2直線の交点を通り前記2直線とほぼ45°をなす方向に設定してある。
本例では、高速道路の橋梁に設置されている状態のフィンガージョイント50を撮影するので、図2に示すように、音・映像採取ユニット10を路肩側に設置するとともに、打撃を与える側のジョイント部材50Aのフェイスプレート51の表面を見下ろすような位置にカメラ12が位置するように、音・映像採取ユニット10を設置する。なお、カメラ12の撮影範囲を水平角θで±60°、仰角φで−20°〜−60°の範囲とした。
マイクロフォン固定部13にはマイクロフォンM1〜M5が設置され、カメラ支持台14にはカメラ12が設置され、マイクロフォン固定部13とカメラ支持台14とは、3本の支柱15によって連結されている。つまり、音採取手段11とカメラ12とは一体化されている。なお、マイクロフォンM1〜M5は、カメラ12の上部に配置される。
支持脚16はいわゆる三脚で、音採取手段11とカメラ12とを計測箇所に支持する。
マイクロフォンM1〜M5は、音源であるフィンガージョイント50から伝播される音の音圧信号の大きさである音圧レベルをそれぞれ測定する。
データ処理部20は、データ取込手段21と、増幅器22と、A/D変換器23と、映像入出力手段24とを備える。
データ取込手段21は、加振手段1Dの信号発生部1dから送られてきた打撃信号が入力した時に、マイクロフォンM1〜M5で採取した音の音圧信号を増幅器22に取り込むとともに、映像入出力手段24への映像信号の取り込みを許可する測定開始スイッチの機能を備える。音圧信号と映像信号の取り込みは、予め設定した取込時間(例えば、2sec.)だけ行い、次の打撃信号が入って来た時点でデータの取り込みを再開する。
増幅器22はローパスフィルタを備え、マイクロフォンM1〜M5で採取した音の音圧信号から高周波ノイズ成分を除去するとともに、前記各音圧信号を増幅してA/D変換器23に出力する。
A/D変換器23は、前記音圧信号をA/D変換して得られた音圧波形データを記憶・演算部30のデータ記憶手段31に送る。
映像入出力手段24は、カメラ12で撮影された映像信号を入力し、この映像信号をA/D変換して得られた画像データをデータ記憶手段31に送る。
記憶・演算部30は、データ記憶手段31と、音源方向推定手段32と、破損判定用画像作成手段33と、破損判定手段34とを備える。
記憶・演算部30を構成する各手段は、例えば、パーソナルコンピュータのソフトウェアとメモリーとにより構成される。
データ記憶手段31は音圧波形データと画像データとを打撃箇所Fk(k=1〜n)毎に記憶する。なお、本例では、n=11とした。
音源方向推定手段32は判定帯域成分抽出部32aと音源方向推定部32bとを備える。
判定帯域成分抽出部32aは、例えば、バンドパスフィルターなどで構成され、A/D変換器23でA/D変換された音圧波形データから、予め設定しておいたフィンガージョイント50の破損判定に使用する周波数帯域(以下、判定周波数帯域という。ここでは、2900〜3150Hzの周波数帯域)の音圧信号のデータである音圧波形データを抽出して、音源方向推定部32bに送る。
なお、判定周波数帯域は、予め設定された特定周波数帯域である2500〜8000Hz帯域の中から、破損判定するフィンガージョイントの種類ごとに選択された周波数帯域で、本例では、判定周波数領域を1つにしたが、複数としてもよい。
音源方向推定部32bは、前記判定帯域の音圧波形データを用いて、音源方向である水平角θと仰角φとを算出するとともに音圧レベルを計測する。水平角θと仰角φの算出方法については後述する。
なお、判定帯域成分抽出部32aを省略し、音源方向推定部32bにおいて、水平角θと仰角φとの算出を、判定帯域についてのみ行ってもよい。
破損判定用画像作成手段33は、打撃箇所Fk(k=1〜n)毎に、音源方向推定手段32で算出された周波数毎の音源データである音源方向のデータ(水平角θと仰角φ)及び音圧レベルと、データ記憶手段31に記憶された画像データとを合成し、図8,9に示すような、画像中に音源の方向を示す図形(ここでは、円とした)が描画された破損判定用画像Gk,3(k=1〜n)を作成して表示手段40に出力する。破損判定用画像Gk,3は、打撃箇所がFkで、判定周波数帯域が2900〜3150Hzの音の音源方向を示す図形のみが描写した画像である。なお、合成する画像データとしては、打撃箇所Fkが画面のほぼ中央に映っている画像データを用いている。
破損判定手段34は、打撃箇所毎に作成されたn個の破損判定用画像Gk,3(k=1〜n)の中から、音源の方向を示す図形が表示されている破損判定用画像Gk,3があるか否かを判定することで、フィンガージョイント50が破損しているか否かを判定するとともに、フェイスプレート51とウェブプレート52との間に亀裂が発生している箇所(破損箇所)を特定する。
表示手段40は、液晶ディスプレイ等の表示画面40Mを備え、破損判定用画像作成手段33で作成された破損判定用画像を表示画面40Mに表示する。
本例では、判定帯域の設定を以下のようにして行った。
図4に示すように、フェイスプレート51とフェイスプレート51を路面と反対側から支持するウェブプレート52の間に亀裂Kが発生しているジョイント部材50A(もしくは、ジョイント部材50B)を複数個準備し、予め設定しておいたフェイスプレート51の打撃箇所Fk(k=1〜n)を1箇所ずつハンマー1aで打撃してジョイント部材50Aを加振してジョイント部材50Aが発生する音の音圧信号を音採取手段にて採取し、各打撃箇所Fk毎に前記音圧信号を周波数分析するとともに、打撃箇所Fk近傍をカメラ12にて撮影する。
例えば、図5(a)に示すように、打撃箇所F6近傍にフェイスプレート51とウェブプレート52の間の亀裂Kがあるジョイント部材50Aの亀裂Kから離れた打撃箇所F4(以下、健全部という)を打撃すると、マイクロフォンからは、図5(b)に示すような音圧信号が出力される。同図の20msec.のところの矢印が打撃を加えた時刻である。そして、前記音圧信号をFFT分析すると、図5(c)に示すような周波数スペクトルが得られる。
一方、図6(a)に示すように、ジョイント部材50Aの亀裂K近傍の打撃箇所(以下、破損部という)F6を打撃すると、マイクロフォンからは、図6(b)に示すような音圧信号が出力される。そして、前記音圧信号をFFT分析すると、図6(c)に示すような周波数スペクトルが得られる。なお、図5(c)及び図6(c)において、横軸は周波数[Hz]、縦軸は音圧レベル[dB]を示す。
図5(b)と図6(b)を比較して分かるように、健全部と破損部とでは、加振による発生音の大きさと継続時間に大きな差がある。すなわち、健全部では剛性が高いため、打撃音は短い時間で減衰するが、破損部ではフェイスプレート51とウェブプレート52との間に亀裂が存在するため、フェイスプレート51が亀裂を中心に振動するので、打撃音が減衰しても振動音は継続するので、発生音の継続時間は長い。
また、図5(c)と図6(c)を比較して分かるように、健全部と破損部とでは、当該ジョイント部材50Aの固有振動周波数(数Hz程度)より高い周波数帯域である2900〜3150Hz帯域において、音圧レベルの差が著しく大きい。
そこで、本例では、2900〜3150Hz帯域を判定帯域として選択した。
また、フィンガージョイント50の種類によっては、判定領域が2900〜3150Hzでない場合があるが、2500〜8000Hz帯域においては、フィンガージョイント50の種類によらず、音圧レベルの周波数成分の大きさが大きく異なっている帯域が1つもしくは複数あることが実験により分かっているので、判定領域としては、周波数帯域が2500〜8000Hz帯域の中から選択される1つもしくは複数の周波数帯域を選択すればよい。
なお、図5(a)及び図6(a)に示すように、打撃箇所Fk近傍を撮影して得られた画像データと判定帯域である2900〜3150Hz帯域の音の音源の方向のデータを合成すると、亀裂Kが発生している箇所に2900〜3150Hz帯域の音を発する音源位置を示す丸印が表示されることがわかる。
また、前記の亀裂Kが発生していることがわかっている複数のジョイント部材50A(もしくはジョイント部材50B)について、それぞれ、フェイスプレート51の打撃箇所Fk(k=1〜n)を1箇所ずつハンマー1aで打撃した時の音圧信号の判定帯域である2900〜3150Hz帯域の音の音源の方向のデータと、打撃箇所Fk近傍をカメラ12にて撮影して得られた画像データと合成することで、後述する破損データベースとしての破損モデル画像を作成することができる。
次に、本発明によるフィンガージョイントの破損判定方法について、図7のフローチャートを参照して説明する。
まず、音・映像採取ユニット10を計測点にセットし、カメラ12の撮影方向を高速道路の橋梁に設置されているフィンガージョイント50を構成するジョイント部材50Aのフェイスプレート51における打撃箇所F1に向けた後、打撃箇所F1を打撃してフィンガージョイント50を加振する(ステップS10)。そして、マイクロフォンM1〜M5にてフィンガージョイント50の発生する音の音圧信号と打撃箇所F1近傍の画像を採取する(ステップS11)。
次に、マイクロフォンM1〜M5の出力信号である音圧信号を増幅してA/D変換して得られた音圧波形データをデータ記憶手段31に保存するとともに、カメラ12の映像信号をA/D変換して得られた画像データをデータ記憶手段31に保存する(ステップS12)。なお、音圧信号の時系列波形についてもデータ記憶手段31に保存しておけば、破損判定の際に補助データとして使用することができる。
次に、データ記憶手段31に保存された音圧波形データからフィンガージョイント50の破損判定に使用する周波数帯域である判定帯域の音圧波形データを抽出するとともに、この音圧波形データを用いて音源データである音源方向と音圧レベルとを算出する(ステップS13)。
音源方向は、音圧波形データをFFTにて周波数解析し、各周波数毎にマイクロフォンM1〜M5間のそれぞれの位相差を求め、この求められた位相差から各周波数毎に音源の方向を推定する。なお、本例では、位相差に代えて、位相差に比例する物理量である到達時間差Dijを用いて音源方向である水平角θ及び仰角φを求めている。
具体的には、各マイクロフォン対(Mi, Mj)の位相差(時間遅れDij)から、当該観測点から見た音源方向を推定する。
水平角θと仰角φとは以下の式(1)及び式(2)で表わせる。
Figure 0005924929
ここで、時間遅れDijは、マイクロフォンMiに到達する音圧信号と、このマイクロフォンMiに対して対となるマイクロフォンMjに到達する音圧信号との時間差であり、この対となる2つのマイクロフォンMi及びMjに入力される信号のクロススペクトルPij(f)を求め、更に、対象とする前記周波数fの位相角情報Ψ(rad)を用いて、以下の式(3)により算出される。
Figure 0005924929
なお、音源方向と音圧レベルとは周波数毎に計測する。
また、マイクロフォンM5に入力される信号の大きさを、観察される音の音圧信号の大きさとする。
次に、横軸が水平角θで縦軸を仰角φであるマップ上に、音源方向(θ,φ)と音圧信号の周波数及び大きさとを表示した円が表示された破損判定用画像を作成する(ステップS14)。円の径が音圧レベルを表し、円の模様もしくは色が音圧信号の周波数を表す。
以下、打撃箇所F6のみが破損部であるとして説明する。
図8は、亀裂Kから離れた打撃箇所である健全部F4を打撃してフィンガージョイント50を加振した時の破損判定用画像G4,1の一例を示す図で、この破損判定用画像G4,1には、判定帯域である2900〜3150Hzの音圧信号の帯域成分(左下がりの斜線を施した円)のみが表示される。ここで、破損判定用画像Gk,jの添字kは打撃箇所を示し、添字jは判定帯域を示す(本例では、判定帯域が1つなので、j=1である)。
なお、破損判定用画像中に、判定帯域以外の1つもしくは複数の周波数帯域にある音の音源方向を異なる模様もしくは色の円で表示することも可能であるが、本例では、判定領域にある帯域成分のみを表示した。
次に、全ての打撃箇所Fk(k=1〜n)の破損判定用画像Gk,1を作成したか否かを判定する(ステップS15)。
全ての打撃箇所の破損判定用画像を作成していない場合には、加振手段1Dを自走させて次の打撃箇所まで自走した後、フェイスプレート51の所定の位置にハンマー1aによる打撃を加えて、次の打撃箇所Fk+1を打撃してフィンガージョイント50を加振した後、ステップS11〜ステップS14までの操作を行って、フィンガージョイント50の発生する音の音圧信号と打撃箇所Fk+1近傍の画像とを採取し、破損判定用画像Gk+1,1を作成する。
全ての打撃箇所の破損判定用画像の作成が終了したら、ステップS16に進んで、n枚の破損判定用画像Gk,1(k=1〜n)を用いてフィンガージョイント50を構成するジョイント部材50Aが破損しているか否かを判定する。
フィンガージョイント50を構成するジョイント部材50Aの破損判定が終了したら、ステップS10に戻り、ステップS10〜ステップS16までの操作を行ってジョイント部材50Bの破損判定を行う。
図9は、亀裂K近傍の打撃箇所F6である破損部を打撃してフィンガージョイント50を加振した時の破損判定用画像G6,1を示す図である。フィンガージョイント50に亀裂Kがない場合には、破損判定用画像Gk,1の全てが、音源位置を示す円がないか、あっても極めて少なく、かつ、円の半径は小さいが、フィンガージョイント50に亀裂Kがあった場合には、亀裂K近傍の打撃箇所Fsを打撃した時の破損判定用画像Gs,1には、図9に示した破損判定用画像G6,1と同様の、破損部近傍に音源位置を示す円が多数表示される。したがって、破損判定用画像Gk,1)に表示されている上記円の大きさや密度などからフィンガージョイント50が破損しているか否かを判定することが可能となる。また、上記円の表示されている箇所から亀裂Kの位置についても特定することができる。
このように、本実施の形態では、道路用橋梁に設置されているフィンガージョイント50のフェイスプレート51の複数の打撃箇所Fk(k=1〜n)にそれぞれ路面側から打撃を与えて加振し、打撃を与える毎に、複数のマイクロフォンM1〜M5を備えた音採取手段11を用いてフィンガージョイント50が発生する音の音圧信号を採取するとともに打撃箇所Fkの近傍の映像を撮影した後、前記音圧信号から予め設定された周波数帯域にある音の音源方向を推定し、この推定された音源方向のデータと前記撮影された画像データとを合成して推定された音源方向を示す図形が描画された破損判定用画像Gk,1(k=1〜n)を作成し、これら作成された複数の破損判定用画像からフィンガージョイント50が破損しているか否かを判定するようにしたので、フェイスプレート51の疲労亀裂を初期段階において容易に把握することができる。したがって、高速道路等の橋梁に設置されている状態で、フィンガージョイント50が破損しているか否かを容易にかつ短時間で判定することができる。
なお、前記実施の形態では、フェイスプレート51の打撃箇所Fkを、櫛歯のある箇所の櫛歯とは反対側の11箇所としたが、これに限るものではなく、櫛歯であってもよいし、櫛歯と櫛歯の間であってもよい。
また、打撃箇所の数についても櫛歯の数に無関係に設定してもよい。打撃箇所の数は少なくとも1箇所であればよい。すなわち、図5(a)もしくは図8に示すように、健全部である打撃箇所F4を打撃しても破損部である打撃箇所F6近傍の音の発生を観測できるので、打撃箇所についても、少なくとも1箇所であればよい。なお、打撃箇所の数が少ない場合には撮影範囲を広げて撮影する(一箇所ならば、フェイスプレート51全体を撮影する)必要があることはいうまでもない。
また、複数の打撃箇所Fkを一箇所ずつ順に打撃するのではなく、複数箇所を同時に打撃して破損判定用画像を作成してもよい。
また、前記例では、ハンマー1aを備えた加振手段1Dを用いて、フェイスプレート51を打撃することでフィンガージョイント50を加振したが、本発明はこれに限るものではなく、特定周波数帯域である2500〜8000Hz帯域の振動を励起できるものであれば、他の加振手段を用いてもよい。
また、加振手段1Dは本発明の必須の事項ではなく、当該フィンガージョイント50が加振されて振動状態にある時に発生する音の音圧信号とその時のフェイスプレート51の映像とを採取して破損判定用画像を作成すれば、フィンガージョイント50の破損を判定することができる。
具体的には、作業員がハンマー1aにてフェイスプレート51を打撃することでフィンガージョイント50を振動させてもよい。
あるいは、高速道路を走行中の車両がフィンガージョイント50を通過した時の衝撃音を利用してもよい。フィンガージョイント50は、フィンガージョイント50を通過する際のタイヤの荷重によりにより加振される。フェイスプレート51とウェブプレート52の間の亀裂Kが発生している場合には、前記衝撃音の中に亀裂Kに起因する2500〜8000Hzの音も含まれるので、前記衝撃音を採取して音源の方向を推定するとともに、フェイスプレート51の車両の通過位置近傍の映像とを採取して破損判定用画像を作成すれば、フィンガージョイント50を人為的に加振することなく、フィンガージョイント50の破損を判定することができるとともに、フィンガージョイントの状態を常時監視できるので、フィンガージョイントの破損を早期に発見することができる。
なお、乗用車よりは荷重の大きな大型車両が通過した時の方がフィンガージョイント50の振動が励起され易いので、破損判定用画像としては大型車両が通過時に作成した破損判定用画像を用いることが好ましい。
また、前記例では、作成された破損判定用画像に表示されている円の大きさや密度などからフィンガージョイント50が破損しているか否かを判定したが、予め破損データベースを作成してこの破損データベースと破損判定用画像とを照合することでフィンガージョイント50の破損を判定すれば、判定精度は更に向上する。
具体的には、前述した判定帯域の設定の場合と同様に、フェイスプレート51とウェブプレート52の間に亀裂Kが発生している複数のジョイント部材50A(もしくは、ジョイント部材50B)を準備し、これらジョイント部材50Aのフェイスプレート51に打撃を与えて加振して基準となる破損判定用画像である破損モデル画像を作成し、これを破損データベースとして予め記憶手段31に保存しておき、破損判定用画像作成手段33で作成された破損判定用画像Gs,1と前記破損モデル画像とを照合して当該フィンガージョイントの破損を判定すればよい。このように、画像同士を照合するようにすれば、破損判定用画像に表示されている円の大きさや密度などから音源方向を推定する場合に比較して、フィンガージョイント50の破損判定の精度を更に向上させることができる。
なお、破損モデル画像は、前記図5(a)及び図6(a)に示したものと同様であるので、図については省略した。
また、前記例では、判定帯域を設定する際に、フェイスプレート51とフェイスプレート51との間に亀裂Kが発生しているフィンガージョイント50を用いたが、判定帯域を設定する際に用いるフィンガージョイントとしては、実際に亀裂Kが発生しているフィンガージョイントではなく、フェイスプレート51とウェブプレート52との間に実際の亀裂Kを模擬した人工スリットを設けたものを用いてもよい。
以上説明したように、本発明によれば、高速道路等の橋梁に設置さている状態のフィンガージョイント50の破損を確実にかつ短時間で判定することができるので、高速道路の保守管理を効率よく行うことができる。
1 フィンガージョイントの破損判定装置、
10 音・映像採取ユニット、11 音採取手段、12 カメラ、
13 マイクロフォン固定部、14 カメラ支持台、15 支柱、16 支持脚、
20 データ処理部、21 データ取込手段、22 増幅器、23 A/D変換器、
24 映像入出力手段、
30 記憶・演算部、31 データ記憶手段、32 音源方向推定手段、
32a 判定帯域成分抽出部、32b 音源方向推定部、
33 破損判定用画像作成手段、34 破損判定手段、
40 表示手段、40M 表示画面、
50 フィンガージョイント、50A,50B ジョイント部材、
51 フェイスプレート、51a 櫛歯、52 ウェブプレート、53 リブプレート、
60 橋桁、M1〜M5 マイクロフォン。

Claims (8)

  1. 複数のマイクロフォンを備えた音採取手段を用いて採取した振動状態にあるフィンガージョイントの発生する音の音圧波形データから前記音の音源方向を推定するとともに、前記フィンガージョイントのフェイスプレートの映像を撮影して、前記推定された音源方向のデータと前記撮影されたフェイスプレートの画像データとを合成して前記推定された音源方向を示す図形が描画された破損判定用画像を作成し、前記作成された破損判定用画像から前記フィンガージョイントの破損を判定する方法であって、
    前記フィンガージョイントが、道路用橋梁に設置される、櫛歯が形成されたフェイスプレートと、前記フェイスプレートを路面とは反対側から支持するウェブプレートと、前記ウェブプレートから橋桁側に突出する複数のリブプレートとを備えるフィンガージョイントで、
    前記音源方向を推定する音の音圧波形データが、
    予め設定しておいた、前記ウェブプレートと前記フェイスプレートとの間に亀裂が発生しているフィンガージョイントの前記フェイスプレートに打撃を与えて加振したときに発生する、当該フィンガージョイントの固有振動周波数より高い周波数帯域である判定周波数帯域の音圧波形データであり、
    前記破損判定用画像には、
    前記判定周波数帯域にある周波数を有する音の音源方法を示す図形のみが描画されることを特徴とするフィンガージョイントの破損判定方法。
  2. 前記フィンガージョイントの振動が、道路用橋梁を走行する車両が当該フィンガージョイント上を通過した時に発生する振動であることを特徴とする請求項1に記載のフィンガージョイントの破損判定方法。
  3. 前記フィンガージョイントの振動が、当該フィンガージョイントのフェイスプレートに路面側から打撃を与えて加振したときに発生する振動であることを特徴とする請求項1に記載のフィンガージョイントの破損判定方法。
  4. 前記打撃を与える毎に、複数のマイクロフォンを備えた音採取手段を用いて前記フィンガージョイントが発生する音の音圧信号を採取するとともに前記フェイスプレートの映像を撮影するステップと、
    前記音採取手段で採取した音圧信号から前記判定周波数帯域にある音の音源方向を推定するステップと、
    前記推定された音源方向のデータと前記撮影されたフェイスプレートの画像データとを合成して前記推定された判定周波数帯域にある音源方向を示す図形が描画された破損判定用画像を作成するステップと、
    前記作成された破損判定用画像からフィンガージョイントの破損を判定するステップとを備えることを特徴とする請求項3に記載のフィンガージョイントの破損判定方法。
  5. 前記フィンガージョイントに当該フィンガージョイントのフェイスプレートの路面側の複数箇所から打撃を与え、前記打撃を与える毎に、前記フィンガージョイントが発生する音の音圧信号を採取して前記判定周波数帯域にある音の音源方向を推定するとともに前記フェイスプレートの映像を撮影し、前記推定された音源方向のデータと前記撮影されたフェイスプレートの画像データとを合成して前記推定された判定周波数帯域にある音源方向を示す図形が描画された破損判定用画像を作成し、前記作成された複数の破損判定用画像からフィンガージョイントの破損を判定することを特徴とする請求項4に記載のフィンガージョイントの破損判定方法
  6. 前記周波数帯域が2500〜8000Hz帯域の中から選択される1つもしくは複数の周波数帯域であることを特徴とする請求項に記載のフィンガージョイントの破損判定方法。
  7. 前記破損判定用画像からフィンガージョイントの破損を判定する際に、前記作成された破損判定用画像と、予め求めておいた、前記フェイスプレートを路面と反対側から支持するウェブプレートと前記フェイスプレートとの間に亀裂が発生しているフィンガージョイントの前記フェイスプレートに打撃を与えて加振して作成した破損判定用画像である破損モデル画像とを照合して当該フィンガージョイントの破損を判定することを特徴とする請求項1〜請求項のいずれかに記載のフィンガージョイントの破損判定方法。
  8. 前記音採取手段が、互いに交わる2つの直線上にそれぞれ所定の間隔で配置された第1及び第2のマイクロフォン対と前記第1及び第2のマイクロフォン対の作る平面上にない第5のマイクロフォンとを備え、
    前記第1のマイクロフォン対を構成する2つのマイクロフォン間の音の到達時間差と、
    前記第2のマイクロフォン対を構成する2つのマイクロフォン間の音の到達時間差と、
    前記第5のマイクロフォンと前記第1及び第2のマイクロフォン対を構成する4つのマイクロフォンのそれぞれとで構成される4組のマイクロフォン対を構成するマイクロフォン間の到達時間差とを用いて音源方向を推定することを特徴とする請求項1〜請求項のいずれかに記載のフィンガージョイントの破損判定方法。
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