JP2018036073A - 構造物の劣化判定方法 - Google Patents
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Abstract
Description
そこで、ハンマー加振したときに発生する音をマイクロフォンで採取し、採取された音の周波数スペクトルと予め記憶しておいた健全部の周波数スペクトルである基準周波数スペクトルを比較することで、コンクリート構造物の剥離の有無を判定する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1では、ハンマーとマイクロフォンとを一体に構成した打撃・集音装置と、この打撃・集音装置をトンネルの内壁近傍に移動させる台車とを備えたコンクリートの剥離診断装置をトンネル内に設置するとともに、打撃・集音装置をトンネルの内壁に沿って移動させることで、トンネルの内壁のコンクリートの剥離を検出するようにしている。
作業者が加振する場合には、加振力を一定にすることが困難であるため、前記従来の方法のように、採取した音の周波数スペクトルを用いて剥離診断したとしても、診断精度が低下してしまうといった問題点があった。
このように、計測する構造物を加振したときに音が変わらない領域を基準健全領域とし、この基準健全領域のデータを基準データ群とするとともに、計測データと基準データ群との間のマハラノビスの距離により構造物が劣化しているか否かを判定するようにしたので、構造物の劣化判定を容易にかつ確実に行うことができる。
また、周波数スペクトルのパワー平均の値が所定の値になるように基準化した周波数スペクトルを用いて構造物が劣化しているか否かを判定したので、加振力がばらついた場合でも、構造物が劣化しているか否かを精度よく判定することができる。
また、本発明は、前記所定の値を、予め設定された前記構造物の基準健全領域内の加振点の発生音の周波数スペクトルのうちの予め設定された周波数範囲のパワー平均の値としたことを特徴とする。
これにより、前記所定の値が、劣化判定を行う現場の構造物の形状や配筋の情報を含んだ値となるので、構造物の劣化判定精度を更に向上させることができる。
また、前記周波数スペクトル(基準化された周波数スペクトルも含む)の周波数範囲、及び、前記予め設定された周波数範囲を、800Hz〜10000Hzとしたので、道路交通量の影響により生じる不要な低周波成分を排除できるので、劣化判定精度を向上させることができるとともに、劣化判定を効率よく行うことができる。
また、前記周波数スペクトルの周波数範囲、及び、前記予め設定された周波数範囲を、3000Hz〜6500Hzとすれば、劣化判定精度を更に向上させることができる。
また、前記劣化判定を行うステップで、予め求めておいた内部に空洞のある試験体を加振したときの発生音のデータを用いて算出したマハラノビスの距離に基づいて設定した閾値と、ひび割れによる浮きが存在する試験体を加振したときの発生音のデータを用いて算出したマハラノビスの距離に基づいて設定した閾値とのいずれか一方、または、両方を用いて前記計測点の劣化判定を行うようにしたので、計測点の劣化状態についても判定できる。
同図に示すように、本例では、作業者W(腕のみを記載)が、劣化診断の対象物であるコンクリート構造物としての建造物の壁部(以下、壁部6という)の表面を、ハンマー2で打撃して加振した際に発生する音(以下、発生音という)をマイクロフォン3で採取することで、壁部6の発生音の音圧信号を検出する。
劣化判定装置4は、音データ取込手段41と、記憶手段42と、周波数スペクトル算出手段43と、周波数スペクトル基準化手段44と、統計データ作成手段45と、相関行列生成手段46と、劣化判定手段47とを備える。
劣化判定装置4の記憶手段42〜劣化判定手段47までの各手段は、例えば、パーソナルコンピュータのソフトウェアとメモリーとにより構成される。
音データ取込手段41は、増幅器41aとA/D変換器41bとを備える。
増幅器41aは、マイクロフォン3で測定された音圧信号から高周波ノイズ成分を除去するとともに、音圧信号を増幅する。A/D変換器41bは、増幅された音圧信号をA/D変換し、A/D変換された音圧信号である音圧波形データを記憶手段42に送る。
記憶手段42は、基準発生音記憶部42aと計測発生音記憶部42bとを備える。
基準発生音記憶部42aは、「基準健全領域」における加振点の音圧波形データを記憶し、計測発生音記憶部42bは、劣化判定する加振点の音圧波形データ(以下、計測音データという)を記憶する。ここで、「基準健全領域」とは、劣化判定する壁部6の表面を打撃して加振した際に発生する発生音の高低(もしくは、音色)が殆ど変化しない連続した領域を指す。以下、基準健全領域における加振点の打音データを健全部データという。
なお、基準健全領域内の点を劣化判定する場合には、再度加振した基準健全領域内の加振点の音圧波形データは、計測音データとして計測発生音記憶部42bに記憶される。
音圧波形抽出部43aは、基準発生音記憶部42aと計測発生音記憶部42bとに記憶された加振点毎の音圧波形データである健全部データと計測音データとを抽出し、周波数スペクトル算出部43bは、抽出した健全部データと計測音データとをそれぞれFFT処理して、周波数スペクトルを算出する。
周波数スペクトル基準化手段44は、基準パワー値算出部44aと周波数スペクトル基準化部44bとを備える。
基準パワー値算出部44aは、健全部データの周波数スペクトルのそれぞれについて、加振点毎に、所定の周波数範囲(ここでは、特定の卓越周波数を持たない、比較的高い周波数領域である3000Hz〜6500Hz)の音圧信号のパワー平均(エネルギー平均)を求めるとともに、これらパワー平均の平均値である基準パワー値を算出する。
周波数スペクトル基準化部44bは、健全部データの周波数スペクトルと計測音データの周波数スペクトルを、基準パワー値算出部44aで算出された基準パワー値を用いて基準化する。
ところで、800Hz未満の低周波数領域の音圧信号は、道路交通量の影響などのため、不要な成分が入る恐れがあり、10000Hz以上の高周波領域では、健全部と非健全部との差がないので、フーリエ変換において対象とする周波数範囲は800Hz〜10000Hzの範囲とすることが好ましい。なお、本例では、基準化する周波数スペクトルの範囲を前記の所定の周波数範囲よりも広い890Hz〜7070Hzとした。
図2は、基準健全領域内の表面136点をハンマー2で加振したときの周波数スペクトルを示す図である。同図の、上側の細い実線が最大値(max)、下側の細い実線が最小値(min)、中央の太い実線が平均値(ave)である。また、上側の破線が平均値+2×標準偏差(ave+2σ)、下側の破線が平均値−2×標準偏差(ave−2σ)である。
このグラフから、平均値±2×標準偏差(95.5%の範囲に相当)における周波数スペクトルの「形」は概ね保たれていることが分かる。
したがって、加振音を基準化しても、周波数スペクトルの形、すなわち、加振音の周波数特性は同一であると見做すことができる。
周波数スペクトルの基準化は、周波数スペクトルの大きさを、当該周波数スペクトルのパワー平均値(Power Average)を基準とした相対値とすることである。すなわち、図3に示すように、算出したパワー平均値の値を、同図の四角い枠で囲った基準パワー値(例えば、50dB)とすれば周波数スペクトルを基準化できる。なお、基準パワー値は、上記のように、基準健全領域の加振音のパワー平均の平均値である。
図3に示すように、健全部では、対象としている周波数範囲(3000Hz〜6500Hz)では、大きく卓越した周波数成分は見られず、周波数特性は概ね平坦となるが、図4(a)に示す空隙部や、図4(b)に示す浮き部などの非健全部では、卓越した周波数成分が見られる。
したがって、周波数スペクトルの基準化すれば、健全部と非健全部の周波数スペクトルの「形」の差をより明確にできるとともに、加振力によるレベル変動に関係なく加振点が健全部か、非健全部(空隙部もしくは浮き部)かを判定することができる。このことは、周波数範囲を890Hz〜7070Hzとしても同様である。
具体的には、基準健全領域内の加振点をPi(i=1〜n)とし、1/3オクターブバンドの中心周波数をfj(j=1〜k)とすると、基準健全領域内の加振点Piにおける1/3オクターブバンドの各レベルが基準データ群を構築するデータ(基準データyij)で、劣化判定箇所における加振点Prにおける1/3オクターブバンドの各レベルが計測データyrjである。以下、劣化判定箇所における加振点Prを計測点Prという。
相関行列生成手段46は、基準データ群のデータである基準データyijを用いて、1/3オクターブバンドの各レベル間の相関行列Rを生成する。
劣化判定手段47は、マハラノビスの距離算出部47aと、判定部47bとを備える。
マハラノビスの距離算出部47aは、計測点Prのデータである1/3オクターブバンドの各レベルyrjと、相関行列Rとを用いて、計測点Prにおける発生音のデータと基準データ群とのマハラノビスの距離D2を求める。
相関行列の生成方法及びマハラノビスの距離D2の算出方法については後述する。
判定部47bは、マハラノビスの距離D2と予め設定された閾値とを比較することで、計測点Prが健全部であるか否かを判定する。
表示装置5は、劣化判定手段45の判定結果を、ディスプレイなどの表示画面5a上に表示する。
まず、基準健全領域を設定する(ステップS11)。
基準健全領域は、劣化判定する壁部6の表面を打撃して加振した際に発生する発生音の高低(もしくは、音色)が変化しない連続した領域を指す。以下、基準健全領域における加振点の打音データを健全部データという。
すなわち、健全部と非健全部とでは、打音の周波数特性が異なるので、予め設定された1つもしくは複数の特定周波数領域の音圧レベルを調べることで、加振点が健全部か否かを判定できる。
また、健全部における打音と非健全部における打音とでは、発生音の高低(もしくは、音色)が明らかに異なるので、加振点が健全部か否かの判定を作業者Wが行っても良い。
基準健全領域の設定が終了した後には、健全部データを取得(ステップS12)した後、取得された健全部データ(複数の加振点の音圧波形データ)の周波数スペクトルを算出する(ステップS13)。
ステップ14では、周波数スペクトル毎に、所定の周波数範囲の音圧信号のパワー平均を求めるとともに、これらパワー平均の平均値である基準パワー値を算出し、ステップ15では、この基準パワー値を用いて健全部データの周波数スペクトル基準化して基準化健全部周波数スペクトルを求める。
基準データ群は、上記したように、加振点Pi(i=1〜n)毎に求められる音圧波形データの変量であるk個の判定項目の値yij(j=1〜k)から構成される。
判定項目としては、音圧レベル、1/3オクターブバンドの各レベル、時間軸波形の変化量と存在量、周波数特性の変化量と存在量、加振点の位置と音源方向との差などが挙げられる。
本例では、1/3オクターブバンドの各レベルを判定項目とするとともに、取得された健全部データの1/3オクターブバンドの各レベルを求めることで、相関行列を算出するための基準データ群を構築する。
具体的には、図6(a)に示すように、健全部データである基準健全領域における打音の時系列波形を、125msec(サンプリング周波数16384Hz、データ長2048個)間隔で切り出し、それぞれの時系列波形をフーリエ変換して、図6(b)に示すような、周波数スペクトルを求めた後、この周波数スペクトルを基準化した基準化健全部周波数スペクトルを求め、基準化健全部周波数スペクトル毎に矩形フィルタを用いて1/3オクターブバンドの各レベルを求める。
本例では、フーリエ変換において対象とする周波数範囲を890Hz〜7070Hzとしたので、図6(c)に示すように、音圧レベルを求める1/3オクターブバンドの中心周波数fj(j=1〜k)は、1000Hz,1250Hz,1600Hz,2000Hz,2500Hz,3150Hz,4000Hz,5000Hz,6300Hzとなる。すなわち、基準データ群を構成する変量の数である判定項目の数(以下、項目数kという)は、k=9である。
また、本例では、基準データ群を構築するためのデータ数である健全部のデータ数nをn=20とした。多変量解析ではデータ数は多い方が望ましいが、健全部では変数間の相関が高いので、データ数としてはn>kであればよい。
このように、打音の取得位置であるデータ番号をi(i=1〜n)、判定項目である中心周波数fjをj(j=1〜k)とすると、基準データ群は、n×k個の基準データyijから構築される。
詳細には、図7に示すように、基準データyijの判定項目毎の平均mjと標準偏差σjとを求めた後、平均mjと標準偏差σjとを用いて基準データyijを正規化する。正規化されたデータをYijとすると、Yij=(yij−mj)/σjである。正規化されたデータYijの平均は0で、標準偏差は1である。
次に、この正規化されたデータYijから、以下の[数1]に示す式を用いてYipとYiqとの相関係数rpqを算出することで、以下の[数2]に示すような、対角要素が1、p行q列の要素がrpqである、k×kの相関行列Rを算出する。
次に、算出された計測データyrj(j=1〜k)を正規化し、正規化された計測データである1/3オクターブバンドの各レベルYrj(j=1〜k)とステップS17で算出した相関行列Rの逆行列R-1とを用いて、計測点Prにおける計測データと基準データ群とのマハラノビスの距離D2を求める(ステップS20)。
マハラノビスの距離D2は、以下の[数3]に示す式を用いて求められる。
D2>Kである場合には計測点Prが非健全部であると判定し、D2≦Kである場合には計測点Prが健全部であると判定する。本例では、K=4とした。
判定後は、判定結果をディスプレイなどの表示画面5a上に表示する(ステップS22)。
ステップS23では、計測が終了したか否かを判定する。
計測が終了していない場合には、ステップS18に戻って、次の計測点Pr+1の発生音を計測し、計測が終了した場合には、本処理を終了する。
なお、計測点Prが非健全部であると判定された場合には、作業者Wが、スプレーなどで、計測点Prに印をつけるようにすればよい。これにより、非健全部の位置だけでなく、壁6における非健全部の分布状態についても知ることができる。
図7は、空隙部と浮き部とを有する直方体状のコンクリート試験体を加振したときに発生する発生音のマハラノビスの距離D2の分布例を示す図で、基準データ群としては、空隙部及び浮き部から所定距離離れた健全部を加振したときの発生音のデータを用いた。
同図において、横軸は加振位置、縦軸はマハラノビスの距離D2で、D2>100のものは、D2=100とした。
図7から明らかなように、空隙部及び浮き部では、マハラノビスの距離D2が非常に大きく、計測データが基準データ群から大きく離れていることがわかる。
これにより、マハラノビスの距離D2を用いてコンクリート構造物の劣化判定を行うことができることが確認された。
また、前記実施の形態では、建造物の壁部6の劣化状態を判定したが、本発明は橋梁やトンネルの内壁、更には建造物の躯体などの他のコンクリート構造物にも適用可能である。また、本発明は、コンクリート構造物だけでなく、モルタルやタイルなどから成る構造物の劣化診断にも適用できる。
また、前記実施の形態では、フーリエ変換において対象とする周波数範囲を890Hz〜7070Hzとしたが、健全部と非健全部の周波数スペクトルの「形」の差がより明確な3000Hz〜6500Hzとすれば、劣化判定精度を更に向上させることができる。
例えば、周波数特性の変化量と存在量とを判定項目とする場合には、健全部データの音圧信号を、サンプリング周波数16384Hz、データ長2048個(周波数分解能8Hz)でフーリエ変換して得られた周波数スペクトルを用いればよい。この場合も、道路交通音などの影響を考慮して、変化量と存在量とを求める打音の周波数スペクトルの周波数範囲は890Hz〜7070Hzとすることが好ましい。
変化量と存在量とは周波数スペクトルの特徴を抽出するために用いられるもので、図8に示すように、周波数軸(横軸)に平行な複数の標本線を設定し、周波数特性値が標本線の値よりも大きい周波数のカウント数が存在量で、周波数特性値が標本線を横切った周波数のカウント数が変化量である。
例えば、標本線の数を7本とすれば、測定項目数はk=7×2=14となる。したがって、健全部のデータ数としては、n>14であればよい。
なお、判定項目を求めるための周波数スペクトルとしては、基準化健全部周波数スペクトル及び基準化計測部周波数スペクトルを用いることはいうまでもない。
また、予め求めておいた内部に空洞のある試験体を加振したときの発生音のデータyvjを用いて算出したマハラノビスの距離Dvに基づいて設定した閾値Kvと用いて、計測点の劣化状態が空洞であるか否かを判定するようにしてもよい。
また、ひび割れによる浮きが存在する試験体を加振したときの発生音のデータyfjを用いて算出したマハラノビスの距離Dfに基づいて設定した閾値Kfと用いて、計測点の劣化状態が浮きであるか否かを判定することも可能である。
4 劣化判定装置、5 表示装置、6 壁部、
41 音データ取込手段、42 記憶手段、43 周波数スペクトル算出手段、
44 周波数スペクトル基準化手段、45 統計データ作成手段、
46 相関行列生成手段、47 劣化判定手段。
Claims (6)
- 構造物の表面を加振したときに構造物が発生する発生音の音圧信号の周波数スペクトルから、前記構造物が劣化しているか否かを判定する方法であって、
前記構造物の基準健全領域を設定するステップと、
前記基準健全領域内の複数の加振点の発生音の音圧信号を採取するステップと、
前記基準健全領域内の加振点の音圧信号の周波数スペクトルを算出するステップと、
前記算出された周波数スペクトルを、前記周波数スペクトルのパワー平均の値が所定の値になるように基準化した基準化健全周波数スペクトルを求めるステップと、
前記基準化健全部周波数スペクトルから、加振点毎に判定項目のデータを算出して基準データ群を構築するステップと、
前記判定項目のデータから前記判定項目のデータ間の相関関数を算出するステップと、
前記構造物の劣化判定箇所である計測点における発生音の音圧信号を採取するステップと、
前記計測点の音圧信号の周波数スペクトルを算出するステップと、
前記算出された音圧信号の周波数スペクトルを、前記周波数スペクトルのパワー平均の値が所定の値になるように前記周波数スペクトルを基準化した基準化計測部周波数スペクトルを求めるステップと、
前記基準化計測部周波数スペクトルから、前記判定項目のデータである計測データを算出するステップと、
前記計測データと前記相関関数とを用いて、前記計測データと前記基準データ群との間のマハラノビスの距離を算出するステップと、
前記算出されたマハラノビスの距離を用いて前記計測点の劣化判定を行うステップと、
を備え、
前記基準健全領域が、前記構造物の表面を加振したときの発生音の高低、もしくは、音色が変化しない連続した領域であり、
前記判定項目が、前記基準化された周波数スペクトルの音圧レベル、1/3オクターブバンドの各レベル、周波数スペクトルの変化量と存在量のいずれか、または、複数であることを特徴とする構造物の劣化判定方法。 - 前記所定の値が、予め設定された前記構造物の基準健全領域内の加振点の発生音の周波数スペクトルのうちの予め設定された周波数範囲のパワー平均の値であることを特徴とする請求項1に記載の構造物の劣化判定方法。
- 前記周波数スペクトルの周波数範囲、及び、前記予め設定された周波数範囲を、800Hz〜10000Hzとしたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の構造物の劣化判定方法。
- 前記周波数スペクトルの周波数範囲、及び、前記予め設定された周波数範囲を、3000Hz〜6500Hzとしたことを特徴とする請求項3に記載の構造物の劣化判定方法。
- 前記劣化判定を行うステップでは、
予め求めておいた劣化していない試験体の複数個所を加振したときの発生音のデータを用いて算出したマハラノビスの距離に基づいて設定した閾値を用いて前記計測点の劣化判定を行うことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の構造物の劣化判定方法。 - 前記劣化判定を行うステップでは、
予め求めておいた内部に空洞のある試験体を加振したときの発生音のデータを用いて算出したマハラノビスの距離に基づいて設定した閾値と、ひび割れによる浮きが存在する試験体を加振したときの発生音のデータを用いて算出したマハラノビスの距離に基づいて設定した閾値とのいずれか一方、または、両方を用いて前記計測点の劣化判定を行うことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の構造物の劣化判定方法。
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