JP2016191111A - 高加工性高強度缶用鋼板及びその製造方法 - Google Patents

高加工性高強度缶用鋼板及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】塗装焼付け後に450〜600MPaの上降伏強度、13%以上の全伸びなる特性を有し、さらに腐食性の強い内容物に対しても耐食性が良好な高加工性高強度缶用鋼板およびその製造方法を提供する。
【解決手段】特定の成分組成を有し、塗装焼付け処理後のTi析出物平均粒径が100nm以下及びMo析出物平均粒径が200nm以下の少なくとも一方を満たし、塗装焼付け処理後のフェライト平均結晶粒径が7μm以下であり、塗装焼付け処理後の圧延方向に平行な方向のヤング率が204GPa以上かつ圧延方向に対して直角方向のヤング率が219GPa以上であり、塗装焼付け処理後の上降伏強度が450〜600MPa、全伸びが13%以上であることを特徴とする加工性に優れた高強度缶用鋼板とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、高加工度の缶胴加工により成形される3ピース缶、耐圧強度を必要とする2ピース缶等の素材として用いられる缶用鋼板およびその製造方法に関するものである。詳しくは、本発明は、全伸びが大きく、かつ、優れた上降伏強度を有する缶用鋼板およびその製造方法に関するものである。
近年、スチール缶の需要を拡大するため、製缶コストを低減する策、ボトル缶や異形缶のような新規缶種にスチール缶を投入する策がとられている。
製缶コストの低減策としては、素材の低コスト化が挙げられる。絞り加工により成形される2ピース缶はもとより、単純な円筒成形が主体の3ピース缶であっても、使用する鋼板の薄肉化が進められている。
ただし、単に鋼板を薄肉化すると缶体強度が低下する。したがって、DRD缶や溶接缶の缶胴部のような高強度材が用いられている箇所には、単に薄肉化したのみの鋼板を用いることができない。そこで、高強度で極薄の缶用鋼板が望まれている。
現在、極薄で硬質な缶用鋼板は、焼鈍後に圧下率が20%以上の2次冷間圧延を施すDuble Reduce法(以下、DR法と称す)で製造されている。DR法を利用して製造した鋼板は高強度であるが、全伸びが小さいという特徴がある。
一方、最近市場に投入されている異形缶のような、強い加工度の缶胴加工により成形される缶の素材として、延性に乏しいDR材を用いることは、加工性の観点から困難である。また、DR材は通常の焼鈍後調圧する鋼板に比べて、製造工程も増えるため製造コストが高い。
こうしたDR材の欠点を回避するため、2次冷間圧延を省略し、種々の強化法を用いるとともに、1次冷間圧延および焼鈍工程で特性を制御するSingle Reduce法(SR法)により高強度鋼板を製造する方法が下記特許文献に提案されている。
特許文献1では、C、Nを多量に添加して焼付け硬化させることで、DR材並みの高強度缶用鋼板を得る技術が提案されている。特許文献1に記載の缶用鋼板は、塗装焼付け処理後の降伏応力が550MPa以上と高い。また、特許文献1の缶用鋼板では、Nの添加量、熱処理で硬度を調整できるとしている。
特許文献2でも、特許文献1と同様に、塗装後焼付け処理によって+50MPa程度の高強度化を実現している。
特許文献3では、Nb炭化物による析出強化やNb、Ti、Bの炭窒化物による微細化強化を複合的に組み合わせることで、強度と延性のバランスがとれた鋼板を提案している。
特許文献4では、Mn、P、N等の固溶強化を用いて高強度化する方法が提案されている。
特許文献5では、Nb、Ti、Bの炭窒化物による析出強化を用いて引張強度が540MPa未満であり、酸化物系介在物の粒子径を制御することで溶接部の成形性を改善する缶用鋼板が提案されている。
特開2001−107186号公報 特開平11−199991号公報 特開平8−325670号公報 特開2004−183074号公報 特開2001−89828号公報
まず、薄ゲージ化(薄肉化)するために強度確保が必要である。一方、拡缶加工のような缶胴加工により成形される缶体、フランジ加工により成形される缶体に鋼板を用いる場合には、高延性の鋼を適用する必要がある。
例えば、2ピース缶製造時のボトム加工、拡缶加工を代表とする3ピース缶製造時の缶胴加工およびフランジ加工において、鋼板の割れが発生しないように全伸びの大きい鋼板を素材として用いる必要がある。
さらに、腐食性の強い内容物への耐性も考慮すると耐食性が良好な鋼板にする必要がある。そこで、耐食性を阻害する過剰な元素添加は行うことができない。
上記特性について、前述の従来技術では、強度、延性(全伸び)、耐食性の中のいずれかを満たす鋼板を製造することは可能であるが、全てを満足する鋼板は製造できない。
例えば、特許文献1、2に記載のC、Nを多量に添加して焼付硬化性により強度を上昇させる方法は、強度上昇には有効な方法ではあるが、鋼中の固溶C、N量が多いことから、降伏伸びが大きくなる。
特許文献3では析出強化により高強度化を実現しており、強度と延性バランスのとれた鋼が提案されているが、全伸びについて記載されておらず、通常の製造方法では本発明で目標とする全伸びは得られない。
特許文献4では、固溶強化による高強度化を提案しているが、一般に耐食性を阻害する元素として知られているP、Mnが過剰に添加されているため、耐食性を阻害する恐れが高い。
特許文献5では、Nb、Ti等の析出、細粒化強化を用いることで目標強度を得ているが、溶接部の成形性、表面性状の観点からTi、Ca、REMの酸化物添加が必須である。特許文献5では、加工性について、フランジ加工性とネックシワ加工性について述べられているが、拡缶加工のような缶胴加工により成形される缶の製造に適用することは困難になる。さらに、特許文献5では、酸化物の粒子径を制御する必要があるため、コスト増等の操業上の課題が考えられる。
本発明は、かかる事情に鑑みなされたもので、塗装焼付け後に450〜600MPaの上降伏強度、13%以上の全伸びなる特性を有し、さらに腐食性の強い内容物に対しても耐食性が良好な高加工性高強度缶用鋼板およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を行った。その結果、以下の知見を得た。
析出強化、固溶強化、加工強化の複合的な組み合わせに着目し、Ti及びMoの少なくとも一方による析出強化およびNによる固溶強化を図ることで全伸びを損なわず高強度化できる。
さらに、2次冷間圧延における圧下率を1〜19%とし、従来の2次冷間圧延での圧下率より低い圧下率での加工強化により、全伸びを低下させることなく高強度化できる。
また、耐食性に支障のない範囲の元素添加量で原板の成分設計を行ったことで、腐食性の強い内容物に対しても良好な耐食性を示す。
本発明は、上記知見に基づき成分、製造方法をトータルで管理することで、高加工性高強度缶用鋼板およびその製造方法を完成するに至った。
本発明は、以上の知見に基づきなされたもので、その要旨は以下のとおりである。
[1]質量%で、C:0.020〜0.13%、Si:0.04%以下、Mn:0.10〜1.2%、P:0.100%以下、Al:0.1%以下、N:0.012%超え0.020%以下を含有し、さらにTi:0.004〜0.040%、Mo:0.004〜0.20%から選ばれる1種または2種を含有し、残部が鉄および不可避的不純物からなる成分組成を有し、塗装焼付け処理後のTi析出物平均粒径が100nm以下及びMo析出物平均粒径が200nm以下の少なくとも一方を満たし、塗装焼付け処理後のフェライト平均結晶粒径が7μm以下であり、塗装焼付け処理後の圧延方向に平行な方向のヤング率が204GPa以上かつ圧延方向に対して直角方向のヤング率が219GPa以上であり、塗装焼付け処理後の上降伏強度が450〜600MPa、全伸びが13%以上であることを特徴とする加工性に優れた高加工性高強度缶用鋼板。
[2]塗装焼付け処理後、表面から板厚方向に1/4深さの面における集合組織がBungeのEuler角表示で、(φ1,Φ,φ2)=(90°,55°,45°)方位の集積強度が5以上であり、(φ1,Φ,φ2)=(0°,X,45°)方位の集積強度が2以上9以下(但しX=0°,5°,10°,15°,20°,25°,30°,35°,40°,45°,50°,55°)であることを特徴とする[1]に記載の加工性に優れた高加工性高強度缶用鋼板。
[3]さらに、質量%で、S:0.03%以下を含有することを特徴とする[1]又は[2]に記載の高加工性高強度缶用鋼板。
[4][1]〜[3]のいずれかに記載の高加工性高強度缶用鋼板の製造方法であって、鋼を、仕上げ温度がAr3変態点以上の条件で圧延し、巻取り温度が620℃以下の条件で巻取る熱間圧延工程と、前記熱間圧延工程後に、酸洗し、圧下率が80%以上の条件で圧延する1次冷間圧延工程と、前記1次冷間圧延工程後に、均熱温度が650〜780℃、均熱時間が55s以下の条件で連続焼鈍する焼鈍工程と、前記焼鈍工程後に、圧下率が1〜19%の条件で圧延を行う2次冷間圧延工程とを有することを特徴とする高加工性高強度缶用鋼板の製造方法。
本発明によれば、450〜600MPaの上降伏強度、13%以上の全伸びを有する高加工性高強度用鋼板が得られる。詳細には、本発明では、Ti又はMoによる析出強化、Nによる固溶強化及び焼鈍後に圧下率1〜19%という低圧下率で2次冷間圧延を行うことによる加工強化により、他の特性に害を与えることなく、複合強化し強度を上昇させる。その結果、全伸びが13%以上でありながら最終製品で上降伏強度が450〜600MPaになる。
さらに、本発明であれば、原板の高強度化により、溶接缶を薄ゲージ化しても高い缶体強度を確保することが可能となる。本発明の高加工性高強度鋼板を、ボトム部の耐圧強度を必要とする2ピース缶用途に適用しても、現行ゲージのまま高い耐圧強度を得ることが可能となる。また、延性を高くすることにより、溶接缶で用いられる拡缶加工のような強い缶胴加工やフランジ加工を行うことも可能となる。
さらに、本発明であれば、耐食性に支障を生じないように、成分組成が設定されている。その結果、本発明の高加工性高強度缶用鋼板は、強度、加工性、耐食性いずれにおいても優れる。
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されない。
本発明の高加工性高強度缶用鋼板は、上降伏強度が(以下、U−YPと称することもある)450〜600MPa、全伸びが13%以上であり、優れた耐食性を有する。また、本発明の高加工性高強度缶用鋼板では、時効性を小さくできる。
本発明では、Ti又はMoを析出強化元素として添加し、Nを固溶強化元素として添加し、焼鈍後に圧下率1〜19%の2次冷間圧延を行うことによる加工強化で上降伏強度を上記の範囲にすることを可能とする。さらに、特定の成分系にて上記の方法で上降伏強度を高めれば、全伸びも高い状態になる。優れた上降伏強度を有するとともに全伸びが高いことが、本発明の特徴であり、最も重要な要件である。このように、析出強化元素、固溶強化元素を添加しつつ、全伸びを高い状態にできるように、成分組成、組織、製造条件を適正化することで、上降伏強度が450〜600MPa、全伸びが13%以上の高加工性高強度缶用鋼板が得られる。
次に、本発明の高加工性高強度缶用鋼板(本明細書において、高加工性高強度缶用鋼板を缶用鋼板という場合がある。)の成分組成について説明する。本発明の高加工性高強度缶用鋼板は、質量%で、C:0.020〜0.13%、Si:0.04%以下、Mn:0.10〜1.2%、P:0.100%以下、Al:0.1%以下、N:0.012%超え0.020%以下を含有し、さらにTi:0.004〜0.040%、Mo:0.004〜0.20%から選ばれる1種または2種を含有し、残部が鉄および不可避的不純物からなる成分組成を有する。以下、各成分について説明する。なお、本明細書において、成分組成の説明における「%」は「質量%」を意味する。
C:0.020〜0.13%
本発明の缶用鋼板においては、連続焼鈍後に所定以上の上降伏強度(450〜600MPa)を達成すると同時に13%以上の全伸びを有することが必須である。そのためにはフェライト平均結晶粒径を7μm以下にすること、Ti添加によるTiNの析出強化及び/又はMo添加によるMoCの析出強化を利用することが重要となる。フェライト平均結晶粒径を上記範囲に調整するとともに、Ti又はMoによる析出強化を利用するためには、缶用鋼板のC含有量が重要となる。具体的には、C含有量の下限を0.020%とすることが必要である。特に、上降伏強度を600MPa以上にする場合にはC含有量を0.07%以上とするのが望ましい。一方、C含有量が0.13%を超えると、鋼の溶製中冷却過程の中で亜包晶割れを起こす。このため、C含有量の上限は0.13%とする。
Si:0.04%以下
Siは固溶強化により鋼を高強度化させる元素である。しかし、Si含有量が0.04%を超えると耐食性が著しく損なわれる。よって、Si含有量は0.04%以下とする。なお、本発明ではSi以外の元素や製造条件の調整により上降伏強度を高めているため、Siによる固溶強化を利用する必要がない。このため、本発明においてはSiを含まなくてもよい。
Mn:0.10〜1.2%
Mnは固溶強化により鋼の強度を増加させ、フェライト平均結晶粒径も小さくする傾向にある。また、Mn含有量が低すぎると全伸びが低くなる。フェライト平均結晶粒径を小さくする効果が顕著に生じるのはMn含有量が0.10%以上である。また、目標の上降伏強度を確保するにはMn含有量を0.10%以上にする必要がある。よって、Mn含有量の下限を0.10%とする。一方、Mn含有量が1.2%を超えると耐食性、表面特性が劣る。よって、Mn含有量の上限を1.2%とする。
P:0.100%以下
Pは固溶強化能が大きい元素ではある。しかし、Pの含有量が0.100%を超えると耐食性が劣る。このため、P含有量は0.100%以下とする。また、P含有量を0.007%未満とするには脱りんコストが大幅に上昇する。
Al:0.1%以下
Al含有量を増加すると、再結晶温度の上昇がもたらされるため、Al含有量の増加分だけ焼鈍温度を高く設定する必要がある。本発明においては、上降伏強度を増加させるために添加する他の元素の影響で再結晶温度が上昇し、焼鈍温度を高く設定しなければならない。そこで、Alによる再結晶温度の上昇を極力回避することが必要である。そこで、Al含有量を0.1%以下とする。なお、Alは脱酸剤として添加することが好ましく、この効果を得るためにはAl含有量を0.01%以上とすることが好ましい。
N:0.012%超え0.020%以下
Nは固溶強化を増加させるために必要な元素である。一方、N含有量が多すぎると、連続鋳造時の温度が低下する下部矯正帯でスラブ割れが生じやすくなる。よって、N含有量は0.020%以下とする。一方、固溶強化の効果を発揮させるためには、N含有量を0.012%超えとする必要がある。
Ti:0.004〜0.040%
Tiは、本発明においては重要な添加元素である。Tiは窒化物生成能の高い元素であり、微細な窒化物を析出させる。これにより、上降伏強度が上昇する。また、Tiは全伸びを所望の範囲にするのにも有効である。本発明では、Ti含有量によって上降伏強度や表面性状を調整することができる。Ti含有量が0.004%以上のときにこの効果が生じるため、Ti含有量の下限は0.004%に限定する。一方、Tiは再結晶温度の上昇をもたらすので、Ti含有量が0.040%超えると、650〜780℃の焼鈍温度、55s以下の均熱時間での連続焼鈍では未再結晶が一部残存するなど、焼鈍し難くなる。このため、Ti含有量の上限を0.040%に限定する。
Mo:0.004〜0.20%
Moは、本発明においては重要な添加元素である。Moは炭化物生成能の高い元素であり、微細な炭化物を析出させる。これにより、上降伏強度が上昇する。本発明では、Mo含有量によって上降伏強度や表面性状を調整することができる。Mo含有量が0.004%以上のときにこの効果が生じるため、Mo含有量の下限は0.004%に限定する。一方、Moは再結晶温度の上昇をもたらすので、Mo含有量が0.20%超えると、650〜780℃の焼鈍温度、55s以下の均熱時間での連続焼鈍では未再結晶が一部残存するなど、焼鈍し難くなる。このため、Mo含有量の上限を0.20%に限定する。
なお、本発明の高加工性高強度缶用鋼板は、Sを含まなくてもよいが、本特許を実施する上ではSを所定量含有することが好ましい。
S:0.03%以下
本発明の缶用鋼板はTi、Mo、C、N含有量が高いため、連続鋳造時矯正帯でスラブエッジが割れやすくなる。スラブ割れを防止する点からS含有量は0.03%以下にすることが望ましい。好ましくはS含有量は0.02%以下である。より好ましくは、S含有量は0.01%以下である。
上記必須成分及び任意成分以外の残部はFeおよび不可避的不純物とする。
次に本発明の缶用鋼板の組織について説明する。
フェライト平均結晶粒径:7μm以下
フェライト平均結晶粒径は、上降伏強度だけでなく、絞り加工時の表面性状にも影響する。最終製品のフェライト平均結晶粒径が7μmを超えると、絞り加工後、一部で肌荒れ現象が発生し、表面外観の美麗さが失われる。このため、フェライト平均結晶粒径は7μm以下とした。また、微細になるとフェライト粒径のバラツキが大きくなるという理由でフェライト平均結晶粒径は5μm以上であることが好ましい。ここで、フェライト平均結晶粒径は、塗装焼付け後においてフェライト平均結晶粒径が上記範囲にあることを意味する。本発明において、塗装焼付け処理とは、塗装焼付け、ラミネートの際の加熱に相当する処理のことであり、具体的には170〜265℃、12秒〜30分の範囲での熱処理を指す。なお、後述する実施例では標準的な条件として210℃、20分の熱処理を実施している。
なお、フェライト平均結晶粒径は、例えば、JIS G0551の切断法によるフェライト平均結晶粒径に準じて測定するものとする。また、フェライト平均結晶粒径の制御は、成分組成、冷間圧延の圧下率、焼鈍温度により行う。具体的には、上記成分組成を採用するとともに、後述する製造条件を調整することで7μm以下のフェライト平均結晶粒径が得られる。製造条件の調整について、フェライト平均結晶粒径を大きくするには、均熱温度を高くするか、均熱時間を長くすると良い。フェライト平均結晶粒径を小さくするには、CやMn添加量を増やすか、または、均熱温度を低くするか、均熱時間を短くすると良い。
Ti析出物平均粒径:100nm以下、Mo析出物粒径:200nm以下
Ti析出物平均粒径が100nmより大きくなると、析出物による転位のピン止めによる強度上昇の効果は期待できない。このため、所定の上降伏強度を得るためにTi析出物平均粒径は100nm以下とする。また、目標とする上降伏強度とするためにはTi析出物平均粒径の下限は好ましくは1nmである。また、Ti析出物平均粒径は、塗装焼付け後において、Ti析出物平均粒径が上記範囲にあることを意味する。塗装焼付け処理については、上記と同様であるため説明を省略する。
Ti析出物平均粒径を100nm以下にする必要がある場合において、Ti析出物平均粒径が100nmを超えるときには、焼鈍温度の条件を780℃以下に低くするという方法で調整したり、巻取り温度の条件を620℃以下に低くするという方法で調整したりして、Ti析出物平均粒径が100nm以下になるようにすればよい。
Mo析出物平均粒径が200nmより大きくなると、析出物による転位のピン止めによる強度上昇の効果は期待できない。このため、所定の上降伏強度を得るためにMo析出物平均粒径は200nm以下とする。また、目標とする上降伏強度とするためにはMo析出物平均粒径の下限は好ましくは1nmである。また、Mo析出物平均粒径は、塗装焼付け後において、Mo析出物平均粒径が上記範囲にあることを意味する。塗装焼付け処理については、上記と同様であるため説明を省略する。
Mo析出物平均粒径を200nm以下にする必要がある場合において、Mo析出物平均粒径が200nmを超えるときには、焼鈍温度の条件を780℃以下に低くするという方法で調整したり、巻取り温度の条件を620℃以下に低くするという方法で調整したりして、Mo析出物平均粒径が200nm以下になるようにすればよい。
なお、Ti析出物平均粒径、Mo析出物平均粒径の測定方法は、実施例に記載の通りである。
圧延方向に平行な方向のヤング率が204GPa以上かつ圧延方向に対して直角方向のヤング率が219GPa以上
ヤング率が高くなることで、形状凍結性が改善され、缶強度を確保するためには有利となる。圧延方向に平行な方向のヤング率および圧延方向に対して直角方向のヤング率の両方に着目する。このため、圧延方向に平行な方向のヤング率が204GPa以上かつ圧延方向に対して直角方向のヤング率が219GPa以上とする。また、圧延方向に平行な方向のヤング率については製造が困難という理由で290GPa以下が好ましく、圧延方向に対して直角方向のヤング率については製造が困難という理由で290GPa以下が好ましい。また、上記ヤング率は、塗装焼付け後において、上記ヤング率が上記範囲にあることを意味する。塗装焼付け処理については、上記と同様であるため説明を省略する。
圧延方向に平行な方向のヤング率を204GPa以上にする必要がある場合において、上記ヤング率が204GPa未満の場合には、1次冷間圧延の圧下率の条件を80%以上にするという方法で調整したり、巻取り温度の条件を620℃を超えない範囲で620℃に近づけるという方法で調整したりして、上記ヤング率が204GPa以上になるようにすればよい。
圧延方向に対して直角方向のヤング率を219GPa以上にする必要がある場合において、上記ヤング率が219GPa未満の場合には、1次冷間圧延の圧下率の条件を80%以上にするという方法で調整したり、巻取り温度の条件を620℃を超えない範囲で620℃に近づけるという方法で調整したりして、上記ヤング率が219GPa以上になるようにすればよい。
表面から板厚方向に1/4深さの面における集合組織がBungeのEuler角表示で(φ1,Φ,φ2)=(90°,55°,45°)方位の集積強度が5以上
(φ1,Φ,φ2)=(90°,55°,45°)は、γファイバーと呼ばれる方位群に含まれ、この方位の集積が高くなるとr値が向上し加工性に特に優れる。そこで、この方位の集積強度を5以上とすることが好ましい。また、上記集積強度は、塗装焼付け後において、上記集積強度が上記範囲にあることを意味する。塗装焼付け処理については、上記と同様であるため説明を省略する。
上記集積強度が5未満の場合には、1次冷間圧延の圧下率の条件を80%以上にするという方法で調整したり、巻取り温度の条件を620℃を超えない範囲で620℃に近づけるという方法で調整したりして、上記集積強度が5以上になるようにすればよい。
表面から板厚方向に1/4深さの面における集合組織がBungeのEuler角表示で、(φ1,Φ,φ2)=(0°,X,45°)方位の集積強度が2以上9以下(但しX=0°,5°,10°,15°,20°,25°,30°,35°,40°,45°,50°,55°)
(φ1,Φ,φ2)=(0°,X,45°)(但しX=0°,5°,10°,15°,20°,25°,30°,35°,40°,45°,50°,55°)の方位群はαファイバーと呼ばれる。この方位群の集積が高くなると、特に圧延直角方向のヤング率が向上し成形時の形状凍結性と加工後の缶の剛性が向上する。このため集積強度を2以上とすることが好ましい。過度に集積が高くなると目標の上降伏強度を確保することが難しくなる。このため集積強度の上限は9以下とする。また、上記集積強度は、塗装焼付け後において、上記集積強度が上記範囲にあることを意味する。塗装焼付け処理については、上記と同様であるため説明を省略する。
上記集積強度が2未満の場合には、1次冷間圧延の圧下率の条件を80%以上にするという方法で調整したり、巻取り温度の条件を620℃を超えない範囲で620℃に近づけるという方法で調整したりして、上記集積強度が2以上になるようにすればよい。また、上記集積強度が9超えの場合には、1次冷間圧延率の条件を80%に出来るだけ近づけるという方法で調整したり、巻取り温度の条件を620℃より出来るだけ低くするという方法で調整したりして、上記集積強度が9以下になるようにすればよい。
上降伏強度:450〜600MPa
0.2mm程度の板厚材について、溶接缶のパネリング強度、デント強度、2ピース缶の耐圧強度を確保するために、上降伏強度を450MPa以上とする。一方、600MPa超えの上降伏強度を得ようとすると多量の元素添加が必要となる。多量の元素添加は、本発明の缶用鋼板の耐食性を阻害する危険がある。そこで、上降伏強度は600MPa以下とする。上降伏強度は、上記成分組成を採用するとともに、後述する製造条件を採用することで目標値に制御することができる。なお、本発明においては、塗装焼付け後において上降伏強度が上記範囲にあることを意味する。塗装焼付け処理については、上記と同様であるため説明を省略する。
全伸び:13%以上
全伸びが13%を下回ると、例えば、拡缶加工のような缶胴加工により成形される缶の製造に、本発明の缶用鋼板を適用することが困難になる。また、全伸びが13%を下回ると、缶のフランジ加工時にクラックが発生するために、缶の製造に本発明の缶用鋼板を適用することが困難になる。従って、全伸びの下限は13%とする。なお、全伸びは成分組成を特定の範囲とし、焼鈍後の2次冷間圧延の圧下率を特定の範囲にすることにより目標値に制御する。なお、本発明においては塗装焼付け後の全伸びが上記範囲にあることを意味する。塗装焼付け処理については、上記と同様であるため説明を省略する。
次に本発明の缶用鋼板の製造方法について説明する。本発明の缶用鋼板は、熱間圧延工程と、1次冷間圧延工程と、焼鈍工程と、2次冷間圧延工程とを有する方法で製造される。以下、各製造工程について説明する。
熱間圧延工程
熱間圧延工程とは、鋼を、仕上げ温度がAr3変態点以上の条件で圧延し、巻き取り温度が620℃以下の条件で巻き取る工程である。
原料となる鋼について説明する。鋼は、上述成分組成に調整された溶鋼を、転炉等を用いた通常公知の溶製方法により溶製し、次に連続鋳造法等の通常用いられる鋳造方法で圧延素材とすることで得られる。以下、圧延素材が原料の鋼を意味する。
上記により得られた圧延素材に対して熱間圧延を施し、熱延板を製造する。熱間圧延の圧延開始時には、圧延素材の温度が1250℃以上にするのが好ましい。
また、熱間圧延における仕上げ温度はAr3変態点以上とする。熱間圧延における仕上げ圧延温度は、上降伏強度を確保する上で重要因子となる。仕上げ温度がAr3変態点未満では、γ+αの2相域熱間圧延により粒成長するため、上降伏強度が低下する。また、仕上げ温度がAr3変態点未満では、フェライト平均結晶粒径が大きくなる場合がある。よって、熱間圧延仕上げ温度は、Ar3変態点以上に限定した。なお、仕上げ圧延温度の上限は特に限定されないが、仕上げ圧延後の冷却が困難という理由で990℃を上限とすることが好ましい。
熱間圧延工程における巻取り温度は、本発明で重要となる上降伏強度、全伸びを目標値に制御する上で重要因子である。巻取り温度を620℃超えにすると、固溶強化のために添加したNがAlNとなって析出して、固溶N量が低下し、その結果、上降伏強度が低下する。このため、巻取り温度の上限を620℃とした。なお、巻取り温度の下限は特に限定されないが、冷却が困難という理由で400℃を下限とすることが好ましい。
1次冷間圧延工程
1次冷間圧延工程とは、熱間圧延工程後に、酸洗し、圧下率が80%以上の条件で圧延する工程である。
酸洗は表層スケールが除去できればよく、特に条件は規定しない。通常行われる方法により、酸洗することができる。
1次冷間圧延における圧下率は、本発明において重要な条件の一つである。1次冷間圧延での圧下率が80%未満では、上降伏強度が450MPa以上の鋼板を製造することは困難である。さらに、本工程での圧下率を80%未満とした場合、DR材並みの板厚(0.17mm程度)を得るためには、少なくとも熱延板の板厚を1mm以下にする必要がある。しかし、操業上、熱延板の板厚を1mm以下とすることは困難である。従って、本工程での圧下率は80%以上とする。
焼鈍工程
焼鈍工程とは、1次冷間圧延工程後に、均熱温度が650〜780℃、均熱時間が55s以下の条件で連続焼鈍する工程である。
焼鈍は連続焼鈍を用いる。均熱温度は、良好な加工性を確保するため、鋼板の再結晶温度以上とする必要があり、かつ、組織をより均一にするためには、均熱温度を650℃以上に限定する。一方、均熱温度が780℃超えの条件で連続焼鈍するためには、鋼板の破断を防止するために極力搬送速度を落とす必要があり、生産性が低下する。そこで、生産性及び加工性の点から、均熱温度を650〜780℃の範囲とする。
均熱時間が55s超えになるような速度では、生産性を確保できないため、均熱時間は55s以下とする。均熱時間の下限は特に限定されないが、安定的に焼鈍することが難しいという理由で、10sを下限とすることが好ましい。
2次冷間圧延工程
2次冷間圧延工程とは、上記焼鈍工程後に、圧下率が1〜19%の条件で圧延する工程である。
焼鈍後の2次冷間圧延での圧下率を通常のDR材製造条件と同様にすると、加工時に導入される歪が多くなるため全伸びが低下する。本発明では極薄材で全伸び13%以上を確保する必要があるため、2次冷間圧延での圧下率は19%以下とする。また、ストレッチャーストレイン防止のため可動転位を導入する必要があるため歪を入れるという理由で2次冷間圧延の圧下率は1%以上にする必要がある。
表1に示す成分組成を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなる鋼を実機転炉で溶製し、鋼スラブを得た。得られた鋼スラブを再加熱した後、熱間圧延し、巻取った。次いで、酸洗後、1次冷間圧延し、薄鋼板を製造した。得られた薄鋼板を、加熱速度15℃/secで加熱し、連続焼鈍を行った。次いで、冷却後、2次冷間圧延を施し、通常のSn鍍金を連続的に施して、ぶりきを得た。なお、詳細な製造条件を表2に示す。なお、Ar3変態点は加工フォーマスターでサンプルを1200℃に加熱後に徐冷する過程でサンプルの体積がγ→α変態によりで膨張した温度を求める方法で算出した。
Figure 2016191111
Figure 2016191111
以上により得られためっき鋼板(ぶりき)に対して、210℃、20分の塗装焼付け処理に相当する熱処理を行った後、引張試験を行い上降伏強度及び全伸びを測定し、また、結晶組織と平均結晶粒径等についても調査した。調査方法は以下の通りである。
引張試験は、JIS5号サイズの引張試験片を用いて行い、上降伏強度(U−YP)、全伸び(El)、降伏伸びを測定し、強度、延性および時効性(降伏伸び)を評価した。得られた結果を表3に示す。
結晶組織は、サンプルを研磨して、ナイタルで結晶粒界を腐食させて、光学顕微鏡で観察した。
フェライト平均結晶粒径は、上記のようにして観察した結晶組織について、JIS G5503の切断法を用いて測定した。得られた結果を表3に示す。
また、Ti析出物粒径とMo析出物粒径については所定の位置までシュウ酸などで化学研磨した後、SPEED法を用いて10μm電解し、抽出レプリカを作製して、TEMを用いて1μm四方の単位視野あたりの析出物の粒径を計測し平均値を算出するという方法で測定した。得られた結果を表3に示す。
ヤング率の評価は圧延方向および圧延方向に対して直角方向を、それぞれ長手方向として10×35mmの試験片を切り出し、横振動型の共振周波数測定装置を用いて、American Society for Testing Materialsの基準(C1259)に従い、ヤング率(GPa)を測定した。
Figure 2016191111
集合組織の集積強度の評価は、減厚加工および歪除去を目的とした化学研磨(シュウ酸エッチング)を行い研磨した板厚1/4の位置で行った。測定にはX線回折装置を使用し、Schulzの反射法により(110),(200),(211),(222)極点図を作成した。これらの極点図から結晶方位分布関数(ODF:Orientation Distribution Function)を算出し、Euler空間(Bunge方式)のΨ2=45°断面を作図した。この時、ゴーストの影響を除くために奇数項の計算も行った。(φ1,Φ,φ2)=(90°,55°,45°)方位の集積強度、(φ1,Φ,φ2)=(0°,X,45°)方位の集積強度の結果を表4に示す。
耐圧強度を、鋼板を用いてロールフォーム、溶接、ネック成形、フランジ成形後に蓋を巻き締めて空缶サンプルを作成後、チャンバーに入れ、圧縮空気で加圧後にサンプルが座屈した圧力を測定するという方法で評価した。また、評価基準は座屈時の圧力が0.14MPa超を「◎」、0.14〜0.13MPaを「○」、0.13MPa未満を「×」とした。結果を表4に示した。
成形性を、鋼板を用いてロールフォーム、溶接に拡缶加工したときのクラックを観察するという方法で評価した。また、評価基準は目視で全くクラックが無い場合を「◎」、目視で微細な括れが1箇所見られる場合いを「○」、目視で微細な貫通したクラックが1箇所見られる場合を「×」とした。結果を表4に示した。
耐食性は電気ブリキの耐食性評価に用いられているアロイ・ティン・カップル(ATC)試験設備を用いて評価した。ATC値が0.05μA/cm未満のものを「◎」、0.05〜0.12μA/cmのものを「○」、0.12μA/cmを越えるものを「×」とした。
Figure 2016191111
表3より、本発明例は、組織が平均結晶粒径7μm以下であり、微細なフェライト組織であるため、上降伏強度が大きく、強度および延性の両者に優れていることが認められる。また、本発明では表1に成分組成に調整されているため耐食性も優れる。一方、比較例は、耐圧強度、成形性、耐食性のいずれかが劣る結果となった。
本発明によれば、強度、延性、耐食性いずれの特性にも優れた鋼板が得られるため、高加工度の缶胴加工を伴う3ピース缶、ボトム部が数%加工される2ピース缶を中心に缶用鋼板として最適である。

Claims (4)

  1. 質量%で、C:0.020〜0.13%、Si:0.04%以下、Mn:0.10〜1.2%、P:0.100%以下、Al:0.1%以下、N:0.012%超え0.020%以下を含有し、さらにTi:0.004〜0.040%、Mo:0.004〜0.20%から選ばれる1種または2種を含有し、残部が鉄および不可避的不純物からなる成分組成を有し、
    塗装焼付け処理後のTi析出物平均粒径が100nm以下及びMo析出物平均粒径が200nm以下の少なくとも一方を満たし、
    塗装焼付け処理後のフェライト平均結晶粒径が7μm以下であり、
    塗装焼付け処理後の圧延方向に平行な方向のヤング率が204GPa以上かつ圧延方向に対して直角方向のヤング率が219GPa以上であり、
    塗装焼付け処理後の上降伏強度が450〜600MPa、全伸びが13%以上であることを特徴とする加工性に優れた高加工性高強度缶用鋼板。
  2. 塗装焼付け処理後の、表面から板厚方向に1/4深さの面における集合組織がBungeのEuler角表示で、(φ1,Φ,φ2)=(90°,55°,45°)方位の集積強度が5以上であり、(φ1,Φ,φ2)=(0°,X,45°)方位の集積強度が2以上9以下(但しX=0°,5°,10°,15°,20°,25°,30°,35°,40°,45°,50°,55°)であることを特徴とする請求項1に記載の加工性に優れた高加工性高強度缶用鋼板。
  3. さらに、質量%で、S:0.03%以下を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の高加工性高強度缶用鋼板。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の高加工性高強度缶用鋼板の製造方法であって、
    鋼を、仕上げ温度がAr3変態点以上の条件で圧延し、巻取り温度が620℃以下の条件で巻取る熱間圧延工程と、
    前記熱間圧延工程後に、酸洗し、圧下率が80%以上の条件で圧延する1次冷間圧延工程と、
    前記1次冷間圧延工程後に、均熱温度が650〜780℃、均熱時間が55s以下の条件で連続焼鈍する焼鈍工程と、
    前記焼鈍工程後に、圧下率が1〜19%の条件で圧延を行う2次冷間圧延工程とを有することを特徴とする高加工性高強度缶用鋼板の製造方法。
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