JP2016190828A - 重合性化合物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
しかしながら、従来の位相差板には、位相差板を通過して出力される偏光が有色の偏光に変換されてしまうという問題があった。これは、位相差板を構成する材料が位相差について波長分散性を有し、可視光域の光線が混在する製造波である白色光に対して各波長ごとの偏光状態に分布が生じることから、全ての波長領域において正確な1/4λあるいは1/2λの位相差に調整することが不可能であることに起因する。
このような問題を解決するため、広い波長域の光に対して均一な位相差を与え得る広帯域位相差板、いわゆる逆波長分散性を有する位相差板が種々検討されている(例えば、特許文献1〜6)。
薄層化の方法としては、フィルム基材に低分子重合性化合物を含有する重合性組成物を塗布することにより位相差板を作成する方法が、近年では最も有効な方法とされている。優れた波長分散性を有する低分子重合性化合物又はそれを用いた重合性組成物の開発が多く行われている(例えば、特許文献7〜24)。
すなわち、式(1)で示されるアルデヒド化合物と、式(IV)で示される化合物とを、トリエチルアミン等の塩基存在下で反応させることにより、式(2)で示される化合物を得、さらに、このものと、式(II)で示されるヒドラジン誘導体とを、塩酸等の酸の存在下で反応させることにより、目的とする重合性化合物(I)が製造される。
そこで、本発明者らは、その原因について、鋭意検討したところ、製造中間体である前記式(2)で表される化合物は、塩基性条件下で不安定であって、塩基存在下で徐々に分解して副生成物を生成すること、及び、目的物である重合性化合物(I)は、酸性条件下で不安定であって、酸存在下で徐々に分解して副生成物を生成することがわかった。
本発明は、かかる知見に基づいてなされたものであり、光学フィルム等の製造に有用な重合性化合物(I)を、高純度かつ高収率で製造する方法を提供することを目的とする。
(1)溶媒中、下記式(II)
RXはそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、シアノ基、ニトロ基、炭素数1〜6のフルオロアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルキルチオ基、一置換アミノ基、二置換アミノ基、又は、−C(=O)−O−R3を表す。ここで、R3は、水素原子、又は、置換基を有していても良い炭素数1〜10のアルキル基を表す。また、環を構成するC−RXは、窒素原子に置き換えられていてもよい。)で示される化合物と、2,5−ジヒドロキシベンズアルデヒドとを反応させることにより、下記式(III)
工程(A)で得られた反応液に、下記式(IV)
で示される重合性化合物の製造方法。
(2)前記工程(B)が、工程(A)で得られた反応液に、前記式(IV)で示される化合物の有機溶媒溶液及び塩基を添加し、全容を撹拌する工程であることを特徴とする、(1)に記載の重合性化合物の製造方法。
(3)前記式(IV)で表される化合物が、式(IV)中、Lがハロゲン原子の化合物である、(1)又は(2)に記載の重合性化合物の製造方法。
(5)前記式(II)で表される化合物が、式(II)中、RXが全て水素原子の化合物である、(1)〜(4)のいずれかに記載の製造方法。
なお、本発明において、「置換基を有していてもよい」は、「無置換又は置換基を有する」の意味である。
工程(A):溶媒中、前記式(II)で示される化合物(化合物(II))と、式(1)で表される2,5−ジヒドロキシベンズアルデヒド(ベンズアルデヒド化合物(1))とを反応させることにより、下記式(III)で表される化合物(化合物(III))を含む反応液を得る工程
工程(B):工程(A)で得られた反応液に、下記式(IV)で示される化合物(化合物(IV))、及び塩基を添加して、化合物(III)と化合物(IV)とを反応させる工程
Rの炭素数1〜20の有機基としては、特に制限されないが、具体的には、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数2〜20のアルケニル基、置換基を有していてもよい炭素数2〜20のアルキニル基、置換基を有していてもよい炭素数3〜12のシクロアルキル基、又は、芳香族炭化水素環及び芳香族複素環からなる群から選ばれる少なくとも一つの芳香環を有する、炭素数2〜20の有機基等が挙げられる。
これらの中でも、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数2〜20のアルケニル基、置換基を有していてもよい炭素数2〜20のアルキニル基、芳香族炭化水素環及び芳香族複素環からなる群から選ばれる少なくとも一つの芳香環を有する、炭素数2〜20の有機基が好ましい。
置換基を有していてもよい炭素数2〜20のアルケニル基の炭素数は、2〜12であることが好ましい。
ここで、Rbは、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、又は、炭素数5〜12の芳香族炭化水素基を表す。Rbの炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基としては、前記Rで例示したのと同様のものが挙げられる。炭素数5〜12の芳香族炭化水素基としては、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基等が挙げられる。
ここで、Rdは炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、又は、炭素数3〜12のシクロアルキル基を表す。Rdとしては、前記Rの炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基として例示したのと同様のものが挙げられる。
Reは、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、フェニル基、又は、4−メチルフェニル基を表す。炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基としては、前記Rで例示したのと同様のものが挙げられる。
なお、Rの炭素数2〜20の有機基の「炭素数」は、置換基の炭素原子を含まない有機基全体の総炭素数を意味する。
これらの中でも、RXはそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、シアノ基、ニトロ基、炭素数1〜6のフルオロアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、又は、−C(=O)−O−R3であるのが好ましく、すべて水素原子であるのが特に好ましい。
C−RXが窒素原子に置き換えられた場合の、化合物(II)の具体例を下記に示すが、化合物(II)はこれらに限定されるものではない。
Raの炭素数1〜20のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、n−デシル基等が挙げられる。炭素数1〜20のハロアルキル基としては、トリフルオロメチル基等が挙げられる。
無置換若しくは置換基を有する炭素数1〜20のアリール基としては、フェニル基、4−メチルフェニル基、2−クロロフェニル基、3−メトキシフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基等が挙げられる。
これらの中でも、Lは、ハロゲン原子であるのが好ましく、塩素原子であるのがより好ましい。
nは1〜20の整数を表し、2〜10の整数であるのが好ましい。
工程(A)は、溶媒中、化合物(II)と、ベンズアルデヒド化合物(1)とを反応させることにより、化合物(III)を含む反応液を得る工程である。
これらの中でも、収率よく目的物が得られる観点から、ハロゲン化炭化水素系溶媒、エーテル系溶媒が好ましく、クロロホルムがより好ましい。
反応終了後は、反応液をそのまま、後述する工程(B)に供すればよい。
いずれの反応も、−10℃から用いる溶媒の沸点までの温度範囲で円滑に進行する。反応時間は、反応規模にもよるが、通常、数分から24時間である。
工程(B)は、工程(A)で得られた反応液に、化合物(IV)、及び塩基を添加して、化合物(III)と、化合物(IV)とを反応させる工程である。
化合物(IV)の使用量は、工程(A)で得られる化合物(III)と化合物(IV)のモル比が、1:2〜1:4、好ましくは1:2〜1:2.5となる量である。
これらの中でも、収率よく目的物が得られる観点から、有機塩基が好ましく、トリエチルアミン、4−(ジメチルアミノ)ピリジン、又はこれらの組み合せが好ましい。
塩基の使用量は、化合物(IV)1モルに対し、通常1〜3モルである。
反応温度は、通常−10℃〜+40℃である。反応時間は、反応規模にもよるが、通常、数分から数時間である。なかでも、収率よく目的物が得られる観点から、−10℃〜+5℃で、数分から3時間程度反応を行った後、昇温して、10℃〜30℃で、さらに数分から3時間程度反応を行うのが好ましい。
すなわち、まず、有機溶媒中、式(5)で表される1,4−シクロヘキサンジカルボン酸(カルボン酸化合物(5))に、塩基存在下、酸ハライドを反応させることにより、混合酸無水物を得る。
酸ハライドの使用量は、カルボン酸化合物(5)に対して、通常0.5〜0.7倍モルである。
塩基の使用量は、カルボン酸化合物(5)1当量に対して、通常0.5〜0.7当量である。
これらの溶媒は一種単独で、或いは二種以上を組み合わせて用いることができる。
化合物(6)は、従来公知の方法により製造することができる(国際公開2014/010325号等)。また、市販品をそのまま用いることもできる。
化合物(6)の使用量は、カルボン酸化合物(5)に対し、通常、0.4〜1.2倍モル、好ましくは、0.4〜0.7倍モルである。
塩基の使用量は、用いた化合物(5)に対して、通常、1〜3倍モル、好ましくは1〜1.5倍モルである。
反応時間は、反応規模等にもよるが、通常、数分から数時間である。
酸ハライドとしては、前記カルボン酸化合物(5)に反応させる酸ハライドとして例示したのと同様のものが挙げられる。
ハロゲン化剤としては、特に制限されないが、塩化チオニル、臭化チオニル、塩化スルフリル等が挙げられる。
酸ハライド又はハロゲン化剤(以下、「ハロゲン化剤等」ということがある。)の使用量は、化合物(V)1モルに対し、通常1〜3モルである。
これらの中でも、後述するように、得られた化合物(IV)の溶媒溶液をそのまま後の工程に供することで、高収率で目的物を得られる観点から、前記化合物(II)と、ベンズアルデヒド化合物(1)との反応で用いた溶媒と同じ溶媒を用いるのが好ましい。
反応温度は、通常−10℃〜+30℃である。反応時間は、反応規模にもよるが、通常、数分から数時間である。
反応終了後は、減圧下で、溶媒及びハロゲン化剤等を除去することで、化合物(IV)を得ることができる。また、減圧下で、反応混合物の溶媒を半分程度に濃縮した後、ここに、減った量の溶媒を新たに添加し、再び減圧下で溶媒を半分程度に濃縮する操作を2〜3回繰り返すのが好ましい。最終的に得られる化合物(IV)の溶媒溶液を、工程(B)に供するのが好ましい。
また、本発明の製造方法によれば、酸性条件に弱い、目的物の重合性化合物(I)が、酸性条件下に晒されることがない。
よって、本発明の製造方法によれば、副生成物の生成を抑制し、高純度の目的物を高収率で得ることができる。
得られた反応液に、4−(ジメチルアミノ)ピリジン 3.2g(26.2mmol)、及び、4−(6−アクリロイルオキシ−ヘクス−1−イルオキシ)フェノール(DKSH社製)69g(0.26mol)を加え、再度反応器を水浴に浸して反応液内温を15℃とした。そこへ、トリエチルアミン 31.7g(0.31mmol)を、反応液内温を20〜30℃に保持しながら、30分間かけて滴下し、滴下終了後、全容を25℃でさらに2時間攪拌した。
目的物の構造は1H−NMRで同定した。
目的物の構造は1H−NMRで同定した。
反応終了後、エバポレーターにて反応液の量が半分になるまで濃縮した。その後、抜き出した量と同じ量のクロロホルムを加えて、エバポレーターにて反応液の量が半分になるまで濃縮した。この操作を3回繰り返し、化合物(IVa)のクロロホルム溶液を得た。
温度計を備えた3口反応器に、窒素気流中、2,5−ジヒドロキシベンズアルデヒド8.26g(59.65mmol)、(±)−10−カンファースルホン酸1.4g(5.97mmol)をクロロホルム600gに溶解させた。この溶液に、化合物(IIa)15.32g(61.44mmol)を加えて、全容を25℃にて4時間撹拌した。反応終了後、反応液に、トリエチルアミン30.18g(298.25mmol)、4−(ジメチルアミノ)ピリジン2.19g(17.90mmol)、2,6−ジターシャリーブチル−4−メチルフェノール500mgを加え、氷浴にて2℃まで冷却した(工程(A)、下記表において、第1工程に相当。)。
この反応液に、先のステップ3で製造した化合物(IVa)クロロホルム溶液全量を、反応液の温度が10℃以下となるようにゆっくりと滴下した。滴下終了後、そのまま2℃で1時間撹拌した後、反応液を25℃に戻して更に1時間撹拌した(工程(B)、下記表において、第1工程に相当。)。
目的物の構造は1H−NMRで同定した。
ステップ1〜3は実施例1と同様にして実施した。
温度計を備えた3口反応器に、窒素気流中、2,5−ジヒドロキシベンズアルデヒド8.26g(59.65mmol)、(±)−10−カンファースルホン酸1.4g(5.97mmol)をクロロホルム600gに溶解させた。この溶液に、化合物(IIa)15.32g(61.44mmol)を加えて、全容を25℃にて6時間撹拌した。反応終了後、反応液に、トリエチルアミン30.18g(298.25mmol)、4−(ジメチルアミノ)ピリジン2.19g(17.90mmol)、2,6−ジターシャリーブチル−4−メチルフェノール500mgを加え、氷浴にて2℃まで冷却した(工程(A)、下記表において、第1工程に相当。)。
この反応液に、先のステップ3で製造した化合物(IVa)のクロロホルム溶液全量を、反応液の温度を10℃以下に保持しながらゆっくりと滴下した。滴下終了後、そのまま2℃で2時間撹拌した後、反応液を25℃に戻して更に2時間撹拌を継続した(工程(B)、下記表において、第2工程に相当。)。
ステップ1〜3は実施例1と同様にして実施した。
温度計を備えた3口反応器に、窒素気流中、2,5−ジヒドロキシベンズアルデヒド8.26g(59.65mmol)、(±)−10−カンファースルホン酸1.4g(5.97mmol)をクロロホルム600gに溶解させた。この溶液に、化合物(IIa):15.32g(61.44mmol)を加えて、40℃にて4時間反応させた。反応終了後、トリエチルアミン30.18g(298.25mmol)、4−(ジメチルアミノ)ピリジン2.19g(17.90mmol)、2,6−ジターシャリーブチル−4−メチルフェノール500mgを加え、氷浴にて2℃まで冷却した(工程(A)、下記表において、第1工程に相当。)。
この反応液に、先のステップ3で製造した化合物(IVa)のクロロホルム溶液全量を、反応液の温度を10℃以下に保持しながらゆっくりと滴下した。滴下終了後、そのまま10℃で1時間撹拌した後、反応液を30℃に戻して更に1時間撹拌を継続した(工程(B)、下記表において、第2工程に相当。)。
目的物の構造は1H−NMRで同定した。
結果を表1にまとめた。
Claims (5)
- 溶媒中、下記式(II)
(式中、Rは、水素原子、又は、炭素数1〜20の有機基を表し、Xは、酸素原子、硫黄原子、−C(R1)(R2)−、又は、−N−R1−を表す。ここで、R1、R2はそれぞれ独立して、水素原子、又は、置換基を有していても良い炭素数1〜10のアルキル基を表す。
RXはそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、シアノ基、ニトロ基、炭素数1〜6のフルオロアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルキルチオ基、一置換アミノ基、二置換アミノ基、又は、−C(=O)−O−R3を表す。ここで、R3は、水素原子、又は、置換基を有していても良い炭素数1〜10のアルキル基を表す。また、環を構成するC−RXは、窒素原子に置き換えられていてもよい。)で示される化合物と、2,5−ジヒドロキシベンズアルデヒドとを反応させることにより、下記式(III)
(式中、X、R、RXは、前記と同じ意味を表す。)で表される化合物を含む反応液を得る工程(A)、及び、
工程(A)で得られた反応液に、下記式(IV)
(式中、Aは前記と同じ意味を表し、nは1〜20の整数を表し、Lは、ハロゲン原子、RaSO2−O−、又は、RaCO−O−を表す。ここで、Raは、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のハロアルキル基、又は、無置換若しくは置換基を有する炭素数1〜20のアリール基を示す。)で示される化合物、及び塩基を添加して、前記式(III)で表される化合物と、式(IV)で表される化合物とを反応させる工程(B)を有する、下記式(I)
(式中、A、R、RX、X、nは、前記と同じ意味を表す。)
で示される重合性化合物の製造方法。 - 前記工程(B)が、工程(A)で得られた反応液に、前記式(IV)で示される化合物の有機溶媒溶液及び塩基を添加し、全容を撹拌する工程であることを特徴とする、請求項1に記載の重合性化合物の製造方法。
- 前記式(IV)で表される化合物が、式(IV)中、Lがハロゲン原子の化合物である、請求項1又は2に記載の重合性化合物の製造方法。
- 前記式(II)で表される化合物が、式(II)中、Rが、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルケニル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキニル基、置換基を有していてもよい炭素数6〜18の芳香族基、又は、置換基を有していてもよい炭素数4〜18の複素環式芳香族基の化合物である、請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
- 前記式(II)で表される化合物が、式(II)中、RXが全て水素原子の化合物である、請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
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