JP2016190232A - 溶存水素を含む液体を生成する生成器 - Google Patents

溶存水素を含む液体を生成する生成器 Download PDF

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正治 棚橋
棚橋 正和
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正和 棚橋
秀彰 坂井
Hideaki Sakai
秀彰 坂井
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Abstract

【課題】溶存水素を含む液体を生成する生成器を提供する。【解決手段】開示される生成器101は、溶存水素を含む液体を生成する生成器である。生成器101は、第1の電極131と、第2の電極132と、シート状のセパレータ133とを含む電極部130を含む。第1の電極131、セパレータ133、第2の電極132は、電極部130の下方からこの順に配置されている。セパレータ133は、第1の電極131の上方を覆うように配置されている。セパレータ133と水平方向とがなす角度は、5°〜60°の範囲にある。【選択図】図1

Description

本発明は、溶存水素を含む液体を生成する生成器に関する。
近年、溶存水素濃度が高い水(水素水)の効能が注目されており、水素水を製造するための装置について提案がなされている(たとえば特許文献1)。従来の装置は、製造した水素水を特殊な容器に封入して販売する場合や、水素水を製造する装置がある場所において水素水を飲用する場合には便利である。しかし、水素水を気軽に持ち運んで飲用する用途には必ずしも適しているとはいえない。また、水素水を製造する装置の小型化や高効率化が求められている。
特開2005−105289号公報
このような状況において、本発明は、溶存水素を含む液体を生成する生成器を提供することを目的の1つとする。
本発明の一実施形態による生成器は、溶存水素を含む液体を生成する生成器であって、第1の電極と、第2の電極と、シート状のセパレータとを含む電極部を含む。前記第1の電極、前記セパレータ、および前記第2の電極が、前記電極部の下方からこの順に配置されている。前記セパレータは前記第1の電極の上方を覆うように配置されている。前記セパレータと水平方向とがなす角度が5°〜60°の範囲にある。
本発明によれば、溶存水素を含む液体を調製できる生成器が得られる。
図1は、本発明の生成器の一例を模式的に示す断面図である。 図2は、本発明の生成器で用いられる電極の一例を示す平面図である。 図3は、本発明の生成器の他の一例を模式的に示す断面図である。 図4は、本発明の生成器のその他の一例を模式的に示す断面図である。 図5は、本発明の生成器で用いられる電極の他の一例を示す平面図である。 図6は、本発明の生成器のさらにその他の一例を模式的に示す断面図である。 図7は、本発明の生成器のさらにその他の一例を模式的に示す断面図である。 図8は、本発明の生成器のさらにその他の一例を模式的に示す断面図である。 図9は、本発明の生成器のさらにその他の一例を模式的に示す断面図である。
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、以下の説明では、本発明の実施形態について例を挙げて説明するが、本発明は以下で説明する例に限定されない。以下の説明において特定の数値や特定の材料を例示する場合があるが、本発明はそれらの例示に限定されない。
この明細書において、鉛直方向および水平方向とはそれぞれ、装置を使用状態に設置したときの鉛直方向および水平方向を意味する。具体的には、水平方向は、本体内部に配置される液体の液面と平行な方向である。生成器を置いて使用する場合、水平方向は、通常、生成器の底面(設置面)と平行な方向である。
この明細書において、溶存水素濃度が高い液体とは、たとえば、溶存水素濃度が0.3ppm以上(質量基準、以下同じ)である液体を意味する。溶存水素濃度が高い液体の例には、溶存水素濃度が高い水(水素水)が含まれる。本発明の生成器によって、飲用の液体の溶存水素濃度を0.4ppm以上としてもよく、たとえば0.4ppm〜1.5ppmの範囲や0.5ppm〜1.6ppmの範囲としてもよい。
(溶存水素を含む液体の生成器)
本発明の生成器は、溶存水素を含む液体を生成する生成器である。この生成器は、電極部を含む。電極部は、第1の電極と、第2の電極と、シート状のセパレータとを含む。第1の電極、セパレータ、および第2の電極は、電極部の下方からこの順に配置されている。換言すれば、第1の電極と第2の電極とは、セパレータを挟んで対向している。ここで、「電極部の下方」とは、本発明の生成器を使用状態においたときの下方を意味し、使用状態における電極部の下方を意味する。
セパレータは第1の電極の上方を覆うように配置されている。セパレータと水平方向とがなす角度(以下では、「角度G」という場合がある)は、5°〜60°の範囲にある。角度Gは、5°〜45°の範囲にあってもよく、5°〜30°の範囲にあってもよい。一例では、第1の電極、第2の電極、およびセパレータが互いに実質的に平行に配置される。この明細書において、「実質的に平行」とは角度のずれが5°未満であることを意味する。
液体は、水を含む液体であり、たとえば飲用の液体である。飲用の液体に特に限定はなく、飲用の液体の例には、水(水道水を含む)、お茶、ジュース、コーヒー、および、その他の飲用の液体が含まれる。飲用の液体の例には、ペットが飲むための液体が含まれる。液体は、人や動物(ペット等)が体を浸漬するための液体であってもよい。具体的には、入浴や足湯用の槽に配置される液体であってもよい。そのような液体の例には、水(水道水を含む)が含まれる。
本発明の生成器では、第1の電極と第2の電極とが本体の底面からこの順に配置される。そのように配置することによって、第1の電極をアノードとし第2の電極をカソードとして水を電気分解した際に、第1の電極によって発生する溶存酸素および次亜塩素酸を第2の電極で還元分解しやすくなる。第2の電極は、板状の電極ではないことが好ましく、貫通孔を有する電極や、金属線で構成された電極であることが好ましい。一方、第1の電極は、板状の電極であってもよい。
第1および第2の電極は、水の電気分解を生じさせるための電極である。電極(第1および第2の電極)は、金属で構成されてもよいし、導電性の炭素材料で構成されてもよいし、それらの少なくとも1つと他の材料との複合材料で構成されてもよい。電極は金属電極であってもよい。電極に用いられる金属の例には、チタン、ニッケル、白金、および電極に用いることが可能なその他の金属が含まれる。水の電気分解を容易にするために、電極の表面には白金が存在することが好ましい。好ましい電極の一例は、白金でコートされたチタン電極である。第1の電極と第2の電極とは、同じであってもよいし、異なってもよい。
第1の電極の電位と第2の電極の電位との間の電位差を、水の電気分解が生じる電圧以上とすることによって、水の電気分解を生じさせることができる。第1および第2の電極の一方がアノードとなり他方がカソードとなるように直流電圧を印加することによって、アノードにおいて酸素ガスを発生させ、カソードにおいて水素ガスを発生させることができる。なお、直流電圧には、定電圧以外の電圧が含まれ、たとえば脈流電圧が含まれる。以下で説明するように、通常、第1の電極がアノードとなり、第2の電極がカソードとなるように、両者の間に直流電圧が印加される。
電極の形状に特に限定はない。第1および第2の電極はそれぞれ、2次元方向に広がる電極であることが好ましい。2次元方向に広がる電極は、典型的には、全体として平らな形状を有する電極である。別の観点では、2次元方向に広がる電極の一例は、1つの平面に沿った形状を有する電極である。そのような電極の例には、板状の電極が含まれる。また、そのような電極の例には、複数の金属線を1つの平面に沿うように配置することによって形成された電極も含まれる。具体的には、電極は、ネット状の電極であってもよい。2次元方向に広がる電極の例には、全体として2次元方向に広がる電極が含まれる。そのような電極の例には、全体として面状の形状を有する電極が含まれ、たとえば、1つのなだらかな曲面に沿って形成された電極が含まれる。
本発明の生成器において、溶存水素を含む液体を生成する場合には、第1の電極がアノードとなり、第2の電極がカソードとなるように両者の間に直流電圧を印加する。第2の電極の表面積は、第1の電極の表面積よりも大きくてもよい。その構成によれば、第1の電極(アノード)で発生した次亜塩素酸および溶存酸素を、第2の電極(カソード)で還元分解しやすくなる。第2の電極の表面積は、第1の電極の表面積の1倍〜3000倍の範囲(たとえば2倍〜2000倍の範囲)にあってもよい。
セパレータは、第1の電極と第2の電極との間の短絡を防止する。別の観点では、セパレータは、第1の電極と第2の電極との間の距離を確保するためのスペーサである。セパレータは、絶縁性のネット状のセパレータであってもよく、たとえば絶縁性樹脂からなるネットであってもよい。セパレータは、液体を通過させる一方で、液体に浸漬された状態において気泡の通過を抑制するセパレータであってもよい。そのようなセパレータの例には、布状のセパレータが含まれ、たとえば、親水性の布(織布、不織布、その他の布)からなるセパレータが含まれる。そのようなセパレータを用いることによって、第1の電極において発生した気泡が第2の電極に接触することを抑制できる。親水性の布の例には、綿からなる布や、親水性樹脂の繊維からなる布が含まれる。
セパレータは、アノードとなる電極(たとえば第1の電極)を挟むように配置されてもよいし、アノードとなる電極(たとえば第1の電極)を囲むように配置されてもよい。セパレータは、イオン交換能を有さない材料で形成される。すなわち、セパレータはイオン交換膜ではない。
本発明の生成器は、第1の電極、セパレータ、および第2の電極を所定の角度に支持する支持台を含んでもよい。その支持台は、第1の電極、セパレータ、および第2の電極が配置されるケースであってもよい。支持台は、液体を通すことを意図している部分(後述する管の部分など)以外において液体を通さないものであってもよい。
本発明の生成器において、第2の電極が2次元方向に広がる面積が、第1の電極が2次元方向に広がる面積よりも大きくてもよい。この構成によれば、第1の電極で発生した溶存酸素および次亜塩素酸を、第2の電極で還元分解しやすくなる。その場合、第1の電極において発生したガスが通過する部分を除いて、第2の電極は、本体内部の断面の大部分(たとえば、面積比で80%以上や90%以上)を占めるように配置されることが好ましい。好ましい一例では、上方から見たときに、第1の電極の外縁が、第2の電極の外縁と同じか外縁の内側にある。なお、この明細書において、2次元方向に広がる電極の面積とは、電極の外縁に囲まれる面積を意味する。
本発明の生成器において、セパレータは、第1の電極の上方および下方の両方に配置されてもよい。たとえば、セパレータは、第1の電極の上方を覆うように配置されたシート状の第1のセパレータと、第1の電極の下方に配置された第2のセパレータ(たとえばシート状のセパレータ)とを含んでもよい。そのようなセパレータの一例は、開口部を有する袋状のセパレータや、筒状のセパレータである。第1の電極は、第1および第2のセパレータによって囲まれてもよい。たとえば、第1の電極は、袋状または筒状のセパレータの内部に配置されてもよい。第1の電極をセパレータで囲むことによって、第1の電極周辺の液体の移動を抑制できる。そのため、水を電気分解したときに第1の電極で発生する水素イオンの濃度が、第1の電極の周辺で高くなりやすくなる。その結果、第1の電極の周辺の液体の電気伝導度が高くなり、電極間に電流が流れやすくなるという利点がある。
第1の電極の上方を覆うようにセパレータを配置することによって、第1の電極で生成されたガス(酸素ガス)の気泡は、セパレータの下面を速やかに移動してセパレータの端部に到達し、セパレータの端部から液体中を上昇する。第1の電極で生成されたガスの気泡は、セパレータの下面を移動する途中で合体して大きくなる。そのため、本発明の生成器によれば、第1の電極で生成された酸素ガスの気泡を大きくすることができ、酸素ガスが液体に溶解する速度を低く抑えることができる。さらに、本発明の生成器では、セパレータが傾いているため、第1の電極で生成されたガスの気泡がセパレータの下面に滞留して電極間の抵抗が上昇することを抑制できる。
本発明の生成器において、セパレータは、第1の電極より大きくてもよいし、第2の電極より大きくてもよいし、第1および第2の電極のいずれより大きくてもよい。好ましい一例では、上方から見たときに、第2の電極の外縁がセパレータの外縁の内側にある。そのようなセパレータを用いることによって、セパレータの端部から上昇する酸素の気泡が第2の電極に接触することを抑制できる。上方から見たときに、第1の電極の外縁および第2の電極の外縁の両方が、セパレータの外縁の内側にあってもよい。
本発明の生成器は、液体が存在するところに電極部を投げ込む形態のものであってもよい。その場合の本発明の生成器は、液体が配置される容器や槽を構成要素として含まなくてもよい。もちろん、本発明の生成器は、液体が配置される容器をさらに含んでもよい。この場合、電極部は、容器の内部に配置される。この形態の生成器の例には、携帯用の水筒や、ペット用の給水器が含まれる。
本発明の生成器は、容器の内部のガス圧が高くなったときに容器の内部のガスを放出するためのガス放出手段をさらに含んでもよい。ガス放出手段によって、容器内部のガス圧が過剰に高くなることを防止できる。一例のガス放出手段は、容器の内部の圧力が所定値以上(たとえば1.2気圧以上や1.5気圧以上や2気圧以上)となったときに本体内部のガスを放出するものであってもよい。
ガス放出手段は、容器内部のガス圧が大気圧よりもわずかに高くなったときに容器内部のガスを放出するガス放出手段であってもよい。そのようなガス放出手段の例には、容器内部のガス圧が大気圧よりも高くなったときに開放し、それ以外のときには閉じている弁が含まれる。そのようなガス放出手段の例には、通気口の開口部を、開放可能にカバーするプラスチック片やゴム片が含まれる。また、そのようなガス放出手段の一例は、通気口に配置されたリング状のパッキンと、そのパッキンを閉じるようにパッキン上に置かれた球体(たとえばガラスの玉やプラスチックの玉)とを含む。容器内部のガス圧が高くなると、球体が浮上してガスが放出される。
ガス放出手段の一例は、容器(本体または蓋)に形成された通気路を含んでもよい。ガス放出手段は、通気路に配置された液漏れ防止手段を含んでもよい。液漏れ防止手段は、通常の状態(容器内部のガス圧が過剰に高くない状態)において容器内部の液体が漏れることを防止する液漏れ防止手段が配置される。液漏れ防止手段の例には、弁、気液分離膜、多孔質膜(内圧調整膜)、および細孔が含まれる。液漏れ防止手段には、公知のものを適用してもよい。弁は、容器内部の圧力が所定値以上(たとえば上記の気圧以上)となったときに開く弁である。細孔は、通常の圧力では閉じているが圧力が高くなったときに開くような細孔であり、たとえば、ゴムに形成された細孔が含まれる。
容器は、開口部を有し液体が配置される本体と、開口部に配置される蓋とを含んでもよい。この場合、生成器の本体は、分離できる形態であってもよい。たとえば、本体は、電極部が配置される下部(本体下部)と下部以外の上部(本体上部)とに分離できてもよい。本体上部によって、液体を配置する空間が確保される。このように分離できるようにすることによって、電極部の洗浄や交換が容易になる。分離される本体の一部には、電源ユニットが配置されてもよい。たとえば、分離される本体下部には、二次電池が配置されてもよい。電源ユニットを分離可能とすることによって、本体の洗浄や電源ユニットの交換が容易になる。
本体の一例は、円筒状の筒状部と、筒状部の一端に配置された底部とを含む。筒状部の他端は開口部であり、蓋によって閉じられる。本体は、魔法瓶であってもよい。具体的には、本体は、内部が減圧された二重構造を有してもよい。また、本体は、魔法瓶でなくてもよい。本体は、公知の水筒やポットの本体であってもよい。また、本体は、公知の水筒やポットの本体を、本発明に適するように改良したものであってもよい。
本体(容器)の内側は金属であってもよい。たとえば、本体はステンレスで形成されていてもよい。本体の内側を金属とすることによって、次亜塩素酸や溶存酸素の分解を促進することができる。具体的には、本体内側の金属を介する電荷のやり取りによって、次亜塩素酸および溶存酸素の分解反応と溶存水素の酸化反応とが仲介される。その結果、次亜塩素酸および溶存酸素の分解反応が促進される。
蓋は、開口部に配置され、開口部の開閉を可能にする。蓋は、公知の水筒やポットの蓋であってもよい。また、蓋は、公知の水筒やポットの蓋を、本発明に適するように改良したものであってもよい。一例の蓋は、蓋の内側(本体の内側の空間に配置される側)と外側とに設けられた端子を含む。内側の端子と外側の端子とは、蓋の内部または外部を通る配線で接続される。蓋の内側の端子には、配線によって第1および第2の電極が接続される。
蓋および/または本体には、必要に応じて液漏れを防止するためのパッキンなどが配置される。本体が分離可能である場合も、必要に応じて液漏れを防止するためのパッキンなどが、分離部分に配置される。
本発明の生成器は、動物用の飲み口、および、動物用の飲み口が接続される接続部から選ばれるいずれか一方をさらに含んでもよい。この構成によれば、溶存水素濃度が高い液体(たとえば水素水)をペット等の動物に飲ませることができる。
上記飲み口および接続部から選ばれるいずれか一方は、電極部よりも下方に設けられていてもよい。その場合、本発明の生成器は、電極部を貫通する管をさらに含んでもよい。電極部の上部に存在する液体と電極部の下部に存在する液体とは、その管によって接続されている。換言すれば、その管によって、電極部の上部に存在する液体が、電極部の下部に導かれる。
上記飲み口および接続部から選ばれるいずれか一方は、電極部よりも下方に設けられていてもよい。その場合、本発明の生成器では、電極部と本体の内周面との間に隙間があってもよい。電極部の上部に存在する液体と電極部の下部に存在する液体とは、その隙間によって接続されている。換言すれば、その隙間によって、電極部の上部に存在する液体が、電極部の下部に導かれる。
電極部と本体の内周面との間の隙間の大きさ(両者の間の間隔)に特に限定はない。電極部と本体の内周面との間の間隔は、3〜40mmの範囲にあってもよく、5〜30mmの範囲にあってもよく、10〜30mmの範囲にあってもよい。
電極部と本体の内周面との間に隙間がある場合であって電極部が支持台を含まない場合の好ましい一例では、第1の電極を、液体を通さない板状の電極とする。その場合、第1の電極を、筒状または袋状のセパレータで囲ってもよい。
動物用の飲み口に特に限定はなく、通常時は閉じており動物が液体を飲みにきたときだけ液体を供給するような飲み口であってもよい。飲み口には、公知の飲み口を適用してもよい。そのような飲み口の一例は、先端にリング状のパッキンが配置された管と、その管内に配置されたボールとを含む。通常時は、ボールとパッキンとによって管の先端が閉じられて本体内部の水が漏れない。一方、動物が液体を飲むためにボールを押すと、ボールとパッキンとの間に隙間ができ、その隙間から液体が流れる。そのような飲み口は、ペット用の公知の給水器に用いられている。
本発明の生成器が上記飲み口または接続部を含む場合、本発明の生成器は、容器(たとえば本体または蓋)に設けられた通気路を含んでもよい。その通気路は、容器の外部から容器の内部への空気の流れを抑制する通気路であってもよい。たとえば、その通気路は、空気の流れに対する抵抗が高い通気路であってもよい。そのような通気路を用いることによって、容器の下部に接続された飲み口が開放されたときに、液体が多量に流れ出ることを抑制できる。そのような通気路の例には、細孔、多孔質体(多孔質膜など)が配置された通気路、通気膜が配置された通気路、容器内部側から外部側に向かってのみ開く弁が配置された通気路が含まれる。通気路は通常、電極部よりも上方に設けられ、具体的には、容器の上部(より具体的には液体の液面よりも上方の部分)に設けられる。
本発明の生成器は、液体が配置される槽をさらに含んでもよい。槽の上方は開放されていてもよい。電極部は、槽内に配置されてもよい。槽の例には、人や動物(ペット等)が体を浸漬するための槽(浴槽)が含まれる。この場合の生成器は、人や動物の入浴や足湯、洗顔等に利用できる。
第1および第2の電極には、外部の電源から直流電圧が供給されてもよい。あるいは、本発明の生成器は、電源を備えてもよい。たとえば、本発明の生成器は、コンセントから得られる交流電圧を直流電圧に変換するAC−DCコンバータを含んでもよい。また、本発明の生成器は、二次電池や太陽電池などの電源を含んでもよい。また、本発明の生成器は、一次電池で稼働できるものであってもよい。電源は、タイマー機能や、漏電遮断機能や、過電流遮断機能を有してもよい。電源は、電圧印加を制御するためのコントローラを含んでもよい。
本発明の生成器への電圧印加は、手動で制御してもよい。あるいは、本発明の生成器は、電圧印加を制御するためのコントローラを含んでもよい。コントローラは、演算処理装置と記憶手段とを含む。なお、記憶手段は、演算処理装置と一体化されていてもよい。記憶手段の例には、メモリなどが含まれる。記憶手段には、電圧印加を制御するためのプログラムが格納される。
本発明の生成器は、第1の電極に接続された第1の配線と、第2の電極に接続された第2の配線とさらに含んでもよい。第1および第2の配線は、生成器の外部に導かれている。一例では、第1の配線は本体または蓋を通って生成器外部に導かれており、第2の配線は本体または蓋を通って生成器外部に導かれている。本体または蓋の外部には、第1および第2の配線を電源に接続するための端子が設けられていてもよい。
本発明の生成器は、生成器が倒れたときに、第1および第2の配線を介した電圧供給を停止する電圧供給停止手段をさらに含んでもよい。そのような電圧供給停止手段の例には、生成器が倒れたときにオフになるスイッチが含まれる。そのようなスイッチには、電気ストーブなどに用いられている公知のスイッチと同様の機構を有するスイッチを用いてもよい。
本発明の生成器では、電極部が本体から取り出し可能であってもよい。また、電極部が交換式であってもよい。これらの構成によれば、電極のメンテナンスや交換が容易になる。第1および第2の電極は、電極部(電極ユニット)として一体化されていてもよい。
(生成器を用いた水素水の調製方法)
溶存水素濃度が高い液体を本発明の生成器を用いて調製する方法の一例について、以下に説明する。この方法では、第1の電極がアノードとなり第2の電極がカソードとなるように、それら電極の間に直流電圧を印加する。このとき、水の電気分解が生じる直流電圧を印加する。直流電圧は、たとえば2V以上であり、5V以上や12V以上や24V以上であってもよい。また、直流電圧は、50V以下や24V以下であってもよい。直流電圧は、2V〜50Vの範囲(たとえば5V〜24Vの範囲)にあってもよい。直流電圧の印加時間は、タイマーで制御されてもよい。
第1の電極がアノードとなるように2つの電極間に電圧を印加することによって、第1の電極において酸素ガスを発生させ、第2の電極において水素ガスを発生させることができる。発生した水素ガスの一部は生成器内の液体に溶解し、それによって液体の溶存水素濃度が上昇する。発生した酸素ガスが生成器内の液体に溶解することは、抑制されることが好ましい。可能であれば、発生した酸素ガスを選択的に生成器の外部に放出することが好ましい。
以下では、本発明の生成器の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下で説明する実施形態は一例であり、実施形態の各構成は、上述した他の構成に置き換えることができる。以下の説明において、同様の部分については同一の符号を付して重複する説明を省略する場合がある。また、以下の図では、パッキンなどの一部の部品の図示は省略している。以下では、液体として水を用いる場合について説明しているが、水以外の液体を用いてもよい。
(実施形態1)
実施形態1では、本発明の生成器の一例を説明する。図1は、実施形態1の生成器(水筒)の断面図を模式的に示す。図1の水筒101は、本体110、蓋120、電極部130を含む。電極部130は、第1の電極131、第2の電極132、およびセパレータ133を含む。実施形態2で説明するように、電極部130は支持台を含んでもよい。本体110と蓋120とは、1つの容器109を構成する。本体110は、円筒状の筒状部110aと、底部110bとを含む。筒状部110aの上方は、開口部110cである。開口部110cは、着脱可能な蓋120によって閉じられる。蓋120は、公知の水筒で一般的に採用されているように、ねじ込み式の蓋であってもよい。
蓋120には、通気路(貫通孔)121が形成されている。通気路121には、通常時における液体の漏れを防止するための液漏れ防止手段122が設けられている。液漏れ防止手段122は、ガス放出手段として機能するものであってもよい。そのような液漏れ防止手段122の例には、内圧調整機能を有する多孔質膜が含まれる。
電極131および132のそれぞれには、配線(図示せず)が接続されている。2つの配線はそれぞれ、本体または蓋を通って水筒101の外側表面に設けられた2つの端子(図示せず)に接続されている。それら2つの端子に外部から直流電圧を印加することによって、2つの電極に電圧を印加できる。
電極131の一例の平面図を図2に示す。図2の電極131は、1つの平面に沿って配置された複数の金属線131aを含む。電極131は、2次元方向に広がる形状を有する。電極132も、電極131と同様の構成とすることができる。なお、電極132の表面積を、電極131の表面積よりも大きくしてもよい。
セパレータ133は、液体は通過させるが、液体中において気泡を通過させにくいセパレータである。図1に示すように、セパレータ133は、電極131および電極132より大きくてもよい。セパレータ133を電極131および電極132よりも大きくすることによって、電極131で発生したガスが電極132に衝突することを抑制できる。
第1の電極131、第2の電極132、およびセパレータ133は互いに平行であり、それぞれ、底面100dの方向(水平方向)に対して所定の角度Gだけ傾いている。
水筒101を用いて水素水を調製する方法について以下に説明する。なお、以下の実施形態で説明する他の生成器においても、同様の方法で水素水を調製できる。まず、本体110内に水を配置する。次に、水筒101に設けられた2つの端子を電源に接続し、それら2つの端子に直流電圧を印加する。このとき、第1の電極131がアノードとなり第2の電極132がカソードとなるように、且つ、水の電気分解が生じるように電圧を印加する。この電圧印加によって、第1の電極131では、酸素ガスおよび水素イオン(H+)が生成する。また、電圧印加によって、第2の電極132では、水素ガスおよび水酸化物イオン(OH-)が生成する。
第2の電極132で生成した水素ガスが水に溶解することによって、水中の溶存水素濃度が上昇する。一方、第1の電極131で生成した酸素ガスが水に溶解することによって、水中の溶存酸素濃度が上昇する。溶存酸素濃度が上昇すると、それに伴って溶存水素濃度が減少する。そのため、溶存水素濃度を高めるためには、溶存酸素濃度の上昇を抑制することが好ましい。溶存酸素濃度の上昇を抑制する方法の1つとして、第1の電極131で発生した酸素ガスの気泡を大きくすることが挙げられる。そのために、ガスが通過しにくいセパレータ133を用いてもよい。セパレータ133の表面を酸素ガスの気泡が移動する間に、気泡が結合してより大きな気泡になる。気泡を大きくすることによって、気泡と水とが接触する面積を低減することができ、それによって溶存酸素濃度の上昇を抑制できる。さらに、気泡が大きいと、水中を上昇する速度が速くなり、気泡と水との接触時間が短くなる。この点でも、酸素ガスの気泡を大きくすることは、溶存水素濃度を高めるために重要である。
第1の電極131がアノードとなるように2つの電極間に電圧を印加すると、第1の電極131において酸素の気泡が発生する。セパレータ133は傾いているため、第1の電極131で発生した酸素の気泡は、セパレータ133の表面を移動しながら上昇する。その過程で複数の気泡が合体して大きな気泡となり、セパレータ133の端部から大きな気泡が上昇する。このように、水筒101の構成によれば、酸素の気泡を大きくできるとともに、酸素の気泡がセパレータに滞留することを防止できる。また、水筒101の構成によれば、第2の電極132で発生した水素の気泡が、第1の電極131で発生した酸素の気泡に取り込まれることを抑制できる。これらによって、水中の溶存酸素濃度が大きくなることを抑制でき、その結果、溶存水素濃度を高めることができる。このように、実施形態1の生成器によれば、溶存水素濃度が高い液体を容易に調製できる。
水が塩素イオンを含む場合、電圧印加によって、第1の電極131では、塩素分子が生成し、その塩素分子から次亜塩素酸が生じる。次亜塩素酸は殺菌作用を有するという利点を有する一方で、特異な臭気を有する。そのため、次亜塩素酸の濃度が過剰とならないことが好ましい。水中の次亜塩素酸を第2の電極132(カソード)に接触させることによって、次亜塩素酸を還元分解することが可能である。また、水中の溶存酸素を第2の電極132(カソード)に接触させることによって、溶存酸素を還元分解することが可能である。第1の電極131を、第2の電極132と底部110bとの間に配置することによって、第1の電極131で発生した遊離塩素(塩素分子、次亜塩素酸イオン、次亜塩素酸)および溶存酸素を、第2の電極132で還元分解しやすくなる。
水の電気分解が進むと、水筒101内の圧力が高まる。圧力が過剰に高まることを防止するための機構を水筒101は含んでもよい。たとえば、水筒101内部の圧力が過剰に高くなったときに通気路121(ガス放出手段)からガスが放出されるようにしてもよい。また、水筒101内部の圧力が過剰に高くなったときに電圧印加を停止するスイッチを設けてもよい。また、電圧印加を所定の条件(電圧印加時間や積算電流値など)で停止するように電圧印加を制御してもよい。
なお、第1の電極131の上方と下方とにセパレータを配置してもよい。そのようなセパレータを含む電極部の断面図を図3に模式的に示す。図3に示す電極部130aは、第1の電極131、第2の電極132、およびセパレータ134を含む。それらは、図1で説明した電極部130と同様に傾けて配置される。
セパレータ134は、液体は通過させるが気泡を通過させにくいセパレータである。セパレータ134は、開口部134cを有する袋状のセパレータである。セパレータ134は、第1の電極131の上方を覆うシート状の第1のセパレータ134aと、第1の電極131の下方に配置されたシート状の第2のセパレータ134bとを含む。第1のセパレータ134aと第2のセパレータ134bとは、開口部134cを除いた外縁が縫い合わされて袋状となっている。開口部134cは、セパレータ134内の気泡が開口部134cから排出されやすいように配置される。具体的には、開口部134cは上方に位置するように配置される。換言すれば、開口部134cは、水筒101の底面100dからの距離が大きくなる位置に配置され、好ましくは、水筒101の底面100dからの距離が最も大きくなる位置に配置される。
第1の電極131で発生した酸素の気泡は、袋状のセパレータ134の中を上方に移動し、開口部134cから放出される。開口部134cから放出される気泡が第2の電極132に接触しないように電極部130aを構成することが好ましい。たとえば、セパレータ134を、第2の電極132よりも大きくしてもよい。
第1の電極131の上方と下方とにセパレータを配置する場合において、セパレータに挟まれた部分の上方の位置に、第3の電極を配置してもよい。そのような電極部の一例を図4に示す。図4の電極部130bは、図3の電極部130aと比較して、袋状のセパレータ134の開口部134cの近傍に第3の電極が配置されている点のみが異なる。電極部130bは、第1の電極131、第2の電極132に加え、第3の電極132aを含む。第3の電極132aは、袋状のセパレータ134の内側であって且つ開口部134cの近傍に配置されている。第3の電極132aと第2の電極132とは、実質的に同電位であり、両者は、一体であってもよいし配線で接続されていてもよい。
電極部130bにおいて、第1の電極131で発生した酸素の気泡は、セパレータ134の内部を上方に移動して開口部134cから放出される。このとき、気泡の移動に伴って、セパレータ134の内部には、第1の電極131に沿った液体の流れが生じる。そのため、第1の電極131において発生した次亜塩素酸および溶存酸素も、開口部134cに向かって移動しやすくなる。開口部134cの近傍に第3の電極132aを配置することによって、第1の電極131において発生した次亜塩素酸を還元分解しやすくなる。
本発明の生成器(たとえば実施形態1で説明した生成器)で用いられる第1の電極は、板状の電極であってもよい。また、第1の電極は、ストライプ状に形成された凸部を備える板状の電極であってもよい。そのような第1の電極の一例を図5に示す。図5に示す第1の電極141は、ストライプ状に配置された複数の凸部141aを備える板状の電極である。第1の電極141は、凸部141aが形成された面が上方に向くように、且つ、凸部141aが第1の電極141の傾斜と平行となるように配置される。
第1の電極として板状の電極を用いた場合、水の電気分解反応は、第1の電極のうち第2の電極132と対向している面(上方の面)において主に起こる。そのため、板状の第1の電極を用いることによって、第1の電極によって生成した溶存酸素および次亜塩素酸を還元分解しやすくなる。また、凸部141aを備える第1の電極141を用いることによって、第1の電極141の表面で発生した酸素の気泡が開口部134c側に移動しやすくなる。
本発明の生成器(たとえば実施形態1の生成器)の本体は、電極が配置された部分の本体を分離できるものであってもよい。そのような生成器(水筒)の断面図を、図6に模式的に示す。図6の水筒102は、本体110、蓋120、および電極部130を含む。本体110と蓋120とは1つの容器を構成する。水筒102の本体110は、下部本体111と上部本体112とに分離可能である。下部本体111には、電極部130が配置される。下部本体111には、電極を電源に接続するための接続端子111aが設けられている。上部本体112は筒状であり、その内部に液体が配置される。蓋120には通気路121が形成されている。通気路121には、ガス放出手段としても機能する液漏れ防止手段122が配置されている。図6に示した水筒102では、下部本体111と上部本体112とは、螺旋状に形成された凹凸によってねじ込んで固定できるようになっている。同様に、上部本体112と蓋120とは、螺旋状に形成された凹凸によってねじ込んで固定できるようになっている。ただし、これらの固定方法に特に限定はない。なお、分割部分や蓋には、通常、液漏れを防止するためのパッキン(図示せず)などが配置される。
(実施形態2)
実施形態2では、ペット用の飲み口を含む本発明の生成器の一例について説明する。実施形態2の生成器を図7に示す。図7の生成器301は、本体310、蓋320、および電極部330を含む。本体310および蓋320は、1つの容器309を構成する。
電極部330は、容器310の内部に配置されている。生成器301は、容器310の下部であって電極部330の下方に接続された飲み口311を含む。飲み口311の先端にはリング状のパッキン312が配置されている。飲み口311内には、ボール313が配置されている。通常時は、容器310内に配置された水(液体)10の圧力によってボール313がパッキン312に押し付けられ、それによって飲み口311が封止される。ペットが水を飲むために飲み口311を押すと、パッキン312とボール313との間に隙間が生じ、水が飲み口311から流れ出る。なお、飲み口311の代わりに飲み口311の接続部が電極部330の下方に設けられていてもよい。
蓋320は、通気口123を備えることを除いて、実施形態1で説明した蓋120と同様である。通気口123には、多孔質部材124が配置されている。多孔質部材124は、空気が抵抗なく通気口123を流れることを防止する。すなわち、多孔質部材124は、容器309の外部から容器309の内部への空気の流れを抑制する。この構成によれば、飲み口311が開放されたときに、水が過剰に流れ出ることを抑制できる。
電極部330は、支持台135を含むことを除いて実施形態1で説明した電極部130と同様である。支持台135は、第1の電極131、第2の電極132、およびセパレータ133を所定の角度に支持する。支持台135は、図7に示すように、第1の電極131、第2の電極132、およびセパレータ133が配置されるケースであってもよい。第1の電極131、第2の電極132、およびセパレータ133は互いに平行であり、それぞれ、設置時の水10の液面10a(水平方向)に対して所定の角度Gだけ傾いている。通常、本体310は、その筒状部310aが伸びる方向(中心軸の方向)が垂直方向に沿うように設置される。そのため、通常、筒状部310aが伸びる方向と直交する方向が水平方向となる。本体310は、留め具(図示せず)などによってペットのケージなどに取り付けられてもよい。
生成器301は、電極部330を貫通する管136を備える。生成器301において、第1の電極131をアノードとし第2の電極132をカソードとして水10を電気分解すると、電極部330の上方の水10の溶存水素濃度が特に高くなる。ペットが飲み口311から水を飲む場合、電極部330の上方の水10が、管136によって飲み口311に導かれる。
図7に示す支持台135は、管136等の部分を除いて、第1の電極131の下方をカバーする。そのため、支持台135は、管136以外の箇所から第1の電極131の下方に水10が流れることを抑制する。支持台135によって、電極部330の上方の水10の溶存水素濃度を安定して高くできる。
(実施形態3)
実施形態3では、ペット用の飲み口を含む本発明の生成器の他の一例について説明する。実施形態3の生成器を図8に示す。図8の生成器301aは、本体310、蓋320、および電極部330を含む。本体310および蓋320は、1つの容器309を構成する。
本体310の筒状部310aの内周面310bと電極部330との間には隙間341が存在する。図8に示すように、隙間341は、セパレータ133の上方の部分からセパレータ133の下方の部分に向かう方向(図8の右側から左側に向かう方向)の延長線上に少なくとも存在することが好ましい。生成器301aは、管136の代わりに隙間341を設けた点のみが生成器301と異なるため、重複する説明を省略する。生成器301aにおいて、第1の電極131をアノードとし第2の電極132をカソードとして水10を電気分解すると、電極部330の上方の水10の溶存水素濃度が特に高くなる。ペットが飲み口311から水を飲む場合、電極部330の上方の水10が、隙間341によって飲み口311に導かれる。そのため、生成器301と同様に、溶存水素濃度が高い水を飲み口311に導くことができる。
実施形態3の生成器において、電極部330が支持台135を含まない場合、第1の電極131を、液体を通過させない平板電極(板状の電極)としてもよく、たとえば図5に示した電極としてもよい。その場合、酸素ガスは、第1の電極131のうち、第2の電極132と対向している面(上面)で主に発生する。そのため、第1の電極131の下方の溶存水素濃度を高めることができる。この構成によれば、容器の下方に設けられた飲み口311に流れる液体の溶存水素濃度を高めることができる。電極部330が支持台135を含まない場合、第1の電極131を平板電極とし、その第1の電極131を筒状または袋状のセパレータ(たとえば図3に示したセパレータ)で囲ってもよい。この構成によれば、第1の電極131の下方の溶存水素濃度をより高めることが可能である。
(実施形態4)
実施形態4では、槽を有する本発明の生成器の一例について説明する。実施形態4の生成器401を図9に模式的に示す。生成器401は、槽410、電極部330、電源420、および配線コード421を含む。電極部330は、管136がないことを除いて実施形態2で説明した電極部330と同様である。電源420は、たとえば、コンセントからの交流電圧を直流電圧に変換するAC−DCコンバータである。
槽410内には、水(液体)10が配置される。槽410の上方は開放されている。電極部330は、槽410内に配置される。図7で説明したように、電極部330において、第1の電極131、第2の電極132、およびセパレータ133は互いに平行である。それらはそれぞれ、支持台135の底面に対して所定の角度Gだけ傾いている。槽410の底面は平らであり、電極部330を槽410の底面に配置すると、セパレータ133と水平方向とがなす角度Gは、上述した範囲となる。なお、電極部330を槽410内に配置したときに、水平方向(水10の液面10aと平行な方向)とセパレータ133とがなす角度Gが上述した範囲にある限り、構成を変更してもよい。
本発明を、実施例によってさらに詳細に説明する。
(実施例1)
実施例1では、図3に示す水筒101と同様の水筒で水素水を調製した。ただし、実施例1では、蓋120で栓をせずに水素水を調製した。本体110の内径は54mmとした。第1の電極131には、エキスパンドメタルからなる電極(直径40mm)を用いた。第2の電極132には、下段と上段とからなる2層構造を有する電極(直径51mm)を用いた。下段の電極は金属線で構成し、上段の電極にはエキスパンドメタルを用いた。第1および第2の電極はともに、白金で表面がコートされた電極とした。セパレータ134は、綿100%の2枚の布で形成した。具体的には、2枚の円形の綿の布(直径45mm、厚さ0.2mm)の内側に第1の電極131を配置し、外縁の一部を縫うことによって、袋状にした。図5において右側に位置する開口部134cの部分は、縫わずに開放状態とした。電極およびセパレータの傾斜の角度G(図3参照)は、約20°とした。
まず、本体110内に600mLの水道水を配置した。次に、第1の電極131がアノードとなり第2の電極132がカソードとなるように、それら電極の間に24Vの電圧を印加した。電圧印加によって、電極間に約1.4Aの電流が流れ、水が電気分解された。第1の電極131で発生した酸素の気泡は、セパレータ134の端から比較的大きな気泡となって水中を上昇した。一方、第2の電極132で発生した水素の気泡は、微少な気泡のまま水中を上昇した。5分間の電圧印加によって、水道水の溶存水素濃度は1.3ppmとなった。なお、溶存水素濃度は、メチレンブルーを用いた滴定によって測定した。
本発明は、溶存水素を含む液体を調製できる生成器に利用できる。
100、101、102、301、301a、401 生成器
109、309 容器
110 本体
110a 筒状部
110b 底部
110c 開口部
120 蓋
121 通気路
130、130a、130b、330 電極部
131、141 第1の電極
132 第2の電極
133、134、233 セパレータ
135 支持台
136 管
410 槽

Claims (14)

  1. 溶存水素を含む液体を生成する生成器であって、
    第1の電極と、第2の電極と、シート状のセパレータとを含む電極部を含み、
    前記第1の電極、前記セパレータ、および前記第2の電極が、前記電極部の下方からこの順に配置されており、
    前記セパレータは前記第1の電極の上方を覆うように配置されており、
    前記セパレータと水平方向とがなす角度が5°〜60°の範囲にある、生成器。
  2. 前記第1および第2の電極はそれぞれ、2次元方向に広がる電極である、請求項1に記載の生成器。
  3. 前記第2の電極が2次元方向に広がる面積が、前記第1の電極が2次元方向に広がる面積よりも大きい、請求項2に記載の生成器。
  4. 前記セパレータが、前記第1の電極の上方を覆うように配置されたシート状の第1のセパレータと、前記第1の電極の下方に配置された第2のセパレータとを含み、
    前記第1の電極が前記第1および第2のセパレータによって囲まれている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の生成器。
  5. 前記液体が配置される容器をさらに含み、
    前記電極部が前記容器の内部に配置されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の生成器。
  6. 前記容器の内部のガス圧が高くなったときに前記容器の内部のガスを放出するためのガス放出手段をさらに含む、請求項5に記載の生成器。
  7. 前記容器は、開口部を有し前記液体が配置される本体と、前記開口部に配置される蓋とを含む、請求項5または6に記載の生成器。
  8. 前記本体は、前記電極部が配置される下部と、前記下部以外の上部とに分離できる、請求項7に記載の生成器。
  9. 動物用の飲み口、および、前記動物用の飲み口が接続される接続部から選ばれるいずれか一方をさらに含む、請求項5〜8のいずれか1項に記載の生成器。
  10. 前記いずれか一方が前記電極部よりも下方に設けられており、
    前記電極部を貫通する管をさらに含み、
    前記電極部の上部に存在する前記液体と前記電極部の下部に存在する前記液体とが、前記管によって接続されている、請求項9に記載の生成器。
  11. 前記いずれか一方が前記電極部よりも下方に設けられており、
    前記電極部と前記本体の内周面との間に隙間があり、
    前記電極部の上部に存在する前記液体と前記電極部の下部に存在する前記液体とが、前記隙間によって接続されている、請求項9に記載の生成器。
  12. 前記第1の電極が、液体を通過させない板状の電極である、請求項11に記載の生成器。
  13. 前記容器の上部に設けられた通気路を含み、
    前記通気路は、前記容器の外部から前記容器の内部への空気の流れを抑制する通気路である、請求項9〜12のいずれか1項に記載の生成器。
  14. 前記液体が配置される槽をさらに含み、
    前記槽の上方は開放されており、
    前記電極部が前記槽内に配置される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の生成器。
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