JP2017201977A - 動物用の給水装置 - Google Patents

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宏恵 近藤
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正和 棚橋
正治 棚橋
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正治 棚橋
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Abstract

【課題】水に水素を溶解させて動物に供給するための給水装置を提供する。【解決手段】開示される動物用の給水装置100は、水10が配置される槽110と、槽110内の水10を電気分解するために槽110内に配置された電極部120と、槽110内の水10を動物に給水するための給水部130とを含む。電極部120は、セパレータ123と、セパレータ123を挟むように配置された第1および第2の電極121および122とを含む。【選択図】図1

Description

本発明は、動物用の給水装置に関し、特に、水素を水に溶解させて動物に供給する給水装置に関する。
従来から、ペット用の給水器が提案されている。たとえば、特開2014−45717号公報(特許文献1)では、保持具と支持具とによってペット用の柵に固定されるペット用の給水器が開示されている。この給水器では、給水容器内の水が受水皿に給水される。
特開2014−97010号公報(特許文献2)は、循環型の自動給水器を開示している。この給水器では、貯水タンクの水が循環ポンプによって水飲み部に供給される。
様々なペット用の給水装置が、従来から提案されている。しかし、特定の性質を付与した水を動物に供給するための給水装置については、充分に検討されていなかった。
特開2014−45717号公報 特開2014−97010号公報
このような状況において、本発明の目的の1つは、水に水素を溶解させて動物に供給するための給水装置を提供することである。
本発明の一実施形態による動物用の給水装置は、水が配置される槽と、前記槽内の前記水を電気分解するために前記槽内に配置された電極部と、前記槽内の前記水を動物に給水するための給水部とを含む。前記電極部は、セパレータと、前記セパレータを挟むように配置された第1および第2の電極とを含む。
本発明の他の一実施形態による動物用の給水装置は、水が配置される槽と、前記槽内の前記水を電気分解するために前記槽内に配置された電極部と、前記槽内の前記水を動物に給水するための給水部と、前記槽を含む循環路を形成する流路とを含む。前記電極部は、第1および第2の電極を含む。
本発明の給水装置によれば、水に水素を溶解させて動物に供給することが容易である。
図1は、本発明の給水装置の一例を模式的に示す断面図である。 図2は、図1の線II−IIにおける端面を示す図である。 図3は、本発明の給水装置で用いられる電極部の一例を模式的に示す断面図である。 図4は、本発明の給水装置の他の一例を模式的に示す断面図である。 図5は、本発明の給水装置で用いられるガス流制御機構の一例を模式的に示す断面図である。 図6は、本発明の給水装置のその他の一例を模式的に示す断面図である。 図7は、図6の線VII−VIIにおける端面を示す図である。 図8は、本発明の給水装置のその他の一例を模式的に示す図である。 図9は、本発明の給水装置のその他の一例を模式的に示す図である。 図10は、本発明の給水装置のその他の一例を模式的に示す図である。 図11は、本発明の給水装置のその他の一例を模式的に示す図である。 図12は、本発明の給水装置のその他の一例を模式的に示す図である。 図13は、その他の給水装置の一例を模式的に示す図である。 図14は、その他の給水装置の他の一例を模式的に示す図である。 図15は、その他の給水装置の他の一例を模式的に示す図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。以下の説明において本発明の実施形態について例を挙げて説明するが、本発明は以下で説明する例に限定されない。以下の説明では、具体的な数値や材料を例示する場合があるが、本発明の効果が得られる限り、他の数値や材料を適用してもよい。
(給水装置)
本発明の給水装置は、動物用の給水装置である。以下では、本発明の給水装置として、第1の給水装置および第2の給水装置について説明する。第2の給水装置は、循環式の給水装置である。まず、第1および第2の給水装置に共通する事項について説明する。
本発明の給水装置(第1および第2の給水装置)は、水が配置される槽と、槽内の水を電気分解するために槽内に配置された電極部と、槽内の水を動物に給水するための給水部とを含む。電極部は、第1および第2の電極を含む。電極部は、セパレータを含んでもよいし含まなくてもよい。電極部がセパレータを含む場合、電極部は、セパレータと、セパレータを挟むように配置された第1および第2の電極とを含む。
本発明の給水装置では、槽に通気部が形成されていてもよい。通常の使用時において槽が実質的に気密状態となっている場合には、槽に通気部が形成されていることが好ましい。そのような槽の例には、上方が閉じられている槽(容器)が含まれる。上方が閉じられている槽の例には、側面と上面とが一体となってつながっている槽や、上方が開放されている槽本体とその開放部を閉じる蓋とを有する槽が含まれる。
通気部は、槽の外部と内部との間で気体が移動する部分であればよい。通気部の例には、槽に形成された孔が含まれる。また、槽が、槽本体と蓋とを有する場合、それらの間の隙間を通気部として用いてもよい。通気部の例には、後述する通気孔(H)が含まれる。
本発明の給水装置では、水の電気分解で生成されたガスを放出するための通気部が槽に形成されていてもよい。通気部は、槽内が減圧状態となったときに槽外から槽内に大気を導入するための部分として機能してもよいし、水の電気分解で生成されたガスを放出するための部分として機能してもよいし、両方のための部分として機能してもよい。
本発明の給水装置では、第1の電極が存在する領域にある水が給水部に供給されることが好ましい。第1の電極が存在する領域(以下、「領域(A)」という場合がある)および第2の電極が存在する領域(以下、「領域(B)」という場合がある)は、以下のように決められる。
(1)後述の仕切りによって、第1の電極が存在する第1の領域と第2の電極が存在する第2の領域とに槽内が仕切られている場合、当該第1の領域が「第1の電極が存在する領域(A)」となり、第2の領域が「第2の電極が存在する領域(B)」となる。
(2)槽内が仕切りによって仕切られていない場合であって、第2の電極がセパレータで囲まれている場合には、そのセパレータで囲まれている領域が領域(B)となり、それ以外の槽内の領域(その領域に第1の電極が配置されている)が領域(A)となる。第2の電極がセパレータで囲まれている場合の例には、筒状のセパレータの中に第2の電極が配置されている場合や、シート状の2枚のセパレータの間に第2の電極が配置されている場合が含まれる。
(3a)槽内が仕切りによって仕切られていない場合であって且つ第2の電極がセパレータによって囲まれていない場合には、槽内のいずれの場所も、「第1の電極が存在する領域(A)」となる。電極がセパレータによって囲まれていない場合の例としては、セパレータが、第1の電極と第2の電極との間に配置されたシート状のセパレータのみからなる場合や、電極部がセパレータを含まない場合が挙げられる。
別の観点では、本発明の給水装置では、第1の電極が配置されている領域(以下、「領域(X)」という場合がある)にある水が給水部に供給されることが好ましい。第1の電極が配置されている領域(X)および第2の電極が配置されている領域(以下、「領域(Y)」という場合がある)は、以下のように決められる。
(1)後述の仕切りによって、第1の電極が存在する第1の領域と第2の電極が存在する第2の領域とに槽内が仕切られている場合、当該第1の領域が「第1の電極が配置されている領域(X)」となり、第2の領域が「第2の電極が配置されている領域(Y)」となる。
(2)槽内が仕切りによって仕切られていない場合であって、第2の電極がセパレータで囲まれている場合には、そのセパレータで囲まれている領域が領域(Y)となり、それ以外の槽内の領域(その領域に第1の電極が配置されている)が領域(X)となる。第2の電極がセパレータで囲まれている場合の例は、上述した通りである。
(3b)槽内が仕切りによって仕切られていない場合であって且つ第2の電極がセパレータによって囲まれていない場合には、以下のように考える。この場合、セパレータを仮想的に延長して槽内を二分したと仮定する。このとき、第1の電極が存在する側の領域を領域(X)とし、第2の電極が存在する側の領域を領域(Y)とする。電極がセパレータによって囲まれていない場合の例は、上述したとおりである。
給水部は、動物に給水するための給水具と水の流路(たとえば管)とを含んでもよい。給水具は、槽内のうちの第1の電極が存在する領域に、流路を介して接続されていてもよい。
この明細書において、槽を容器と読み替えることが可能である。槽(容器)には、水が配置される。なお、槽には、水に加えて水以外の物質(たとえば溶質)が配置されてもよい。すなわち、槽内に配置される水は、溶質や他の溶媒を含んでもよい。
槽には、水の電気分解で生成されたガスを放出するための少なくとも1つの通気孔が形成されていてもよい。当該少なくとも1つの通気孔を、以下では、通気孔(H)という場合がある。通気孔(H)は、槽内の水の液面よりも上方に形成される。そのため、通気孔(H)は、槽の上部に形成される。槽は、上方に開口部が形成されている本体(上方が開口部となっている槽本体)と、当該開口部を封じる着脱可能な蓋とを含んでもよい。その場合、通気孔(H)は蓋に形成されてもよい。第1の電極と第2の電極とが仕切られていない場合の一例では、第1の電極で生成されたガスと第2の電極で生成されたガスとが、同じ通気孔(H)から放出される。
電極部がセパレータを含む場合、そのセパレータ(隔膜)は、水およびイオン(陽イオンおよび陰イオン)を通過させる。セパレータを用いることによって、第1の電極で生成されたガスの気泡と、第2の電極で生成されたガスの気泡とが合体することを抑制できる。絶縁性のセパレータを用いることによって、第1の電極と第2の電極とが短絡することを防止できる。そのため、セパレータは、通常、第1の電極と第2の電極との短絡を防止できる材料(たとえば絶縁材料)で形成される。セパレータの例には、多孔性の膜(多孔性樹脂膜など)や、繊維で形成された布(織布または不織布)が含まれる。セパレータは、水は通過させるが、水中において気泡を通過させにくいセパレータであることが好ましい。そのようなセパレータの例には、布状のセパレータが含まれ、たとえば、親水性の布(織布、不織布、その他の布)からなるセパレータが含まれる。親水性の布の例には、綿からなる布や、親水性樹脂の繊維からなる布が含まれる。セパレータの好ましい一例は、綿の布(織布および不織布)である。
電極部が水に浸漬されている状態において、セパレータは、気泡の透過を抑制する。ここで、以下の条件での電気分解を考える。
(1)下方から、第2の電極、セパレータ、および第1の電極の順に配置されており、それらは互いに平行であり且つ水平方向に対して30°傾いている。第1の電極、第2の電極、およびセパレータはそれぞれ、全体として平らな形状である。
(2)第2の電極の上方の全てを覆うようにセパレータが配置されている。
(3)第2の電極、セパレータ、および第1の電極の全てが水(たとえば水道水)の中に配置された状態で水を電気分解する。このとき、第2の電極がアノードとなるように電圧を印加する。
上記の条件で水を電気分解したときに、セパレータは、第2の電極で生成された酸素ガスの気泡の70体積%以上(たとえば、80体積%〜100体積%や、90体積%〜100体積%)を透過させないことが好ましい。ガスの透過性は、たとえば、セパレータの面密度、目の粗さ、透気度などによって制御できる。
電極部の第1の例(E1)では、セパレータは、第2の電極で生成されたガスがそのまま上方に流れるように配置されていてもよい。たとえば、セパレータは、垂直方向(重力が働く方向)に沿って配置されていてもよい。ここで、以下の(1)〜(3)のいずれかが満たされる場合には、セパレータが垂直方向に沿って配置されているといえる。
(1)セパレータが平面状(シート状)の場合には、セパレータ(平面)と垂直方向とがなす角度が、0〜20°の範囲(たとえば0〜10°の範囲や0〜5°の範囲)にあることを意味する。ここで、セパレータと垂直方向とがなす角度とは、平面とみなされたセパレータ上の任意の線と垂直方向とがなす角度(鋭角の角度)のうちの最小の角度をいう。
(2)セパレータが筒状部を含む場合には、筒状部の軸方向と垂直方向とがなす角度(鋭角の角度)が、0〜20°の範囲(たとえば0〜10°の範囲や0〜5°の範囲)にあることを意味する。
(3)セパレータを水平方向に投影して得られる最大の平面形状において、高さ方向(垂直方向)の長さが幅方向(水平方向)の長さよりも大きい。且つ、セパレータを垂直方向に投影して得られる平面形状の面積が、セパレータを水平方向に投影して得られる最大の平面形状の面積の0〜36%の範囲(たとえば0〜18%の範囲や0〜9%の範囲)にある。
なお、この明細書において、垂直方向(または水平方向)に対する部材の角度および配置は、給水装置を使用状態に設置したときの角度および配置を意味する。水平方向は、槽内部に配置される水の液面と平行な方向である。給水装置を置いて使用する場合、水平方向は、通常、給水装置の底面(設置面)と平行である。
電極部の第2の例(E2)では、第2の電極、セパレータ、および第1の電極が、電極部の下方からこの順に配置されている。ここで、「電極部の下方」とは、本発明の生成器を使用状態においたときの下方を意味し、使用状態における電極部の下方を意味する。
電極部の第2の例(E2)では、セパレータは第2の電極の上方を覆うように配置されていることが好ましい。この構成によれば、第2の電極で発生した酸素ガスの気泡は、セパレータの下面に沿って移動しながらセパレータの端部に到達し、その端部から上方に上昇する。そのため、セパレータの下面を移動する間に、酸素ガスの気泡同士が合体して大きくなり、その結果、溶存酸素濃度の上昇が抑制される。さらに、酸素ガスの気泡が第1の電極に到達することが、セパレータによって抑制される。それらの結果、電極部の第2の例(E2)によれば、溶存水素濃度が上昇しやすくなる。
電極部の第2の例(E2)において、セパレータと水平方向とがなす角度は、5°以上70°未満であってもよい。当該角度は、5°〜50°の範囲にあってもよく、5°〜25°の範囲にあってもよい。
本発明の電極部の好ましい一例では、第1の電極、第2の電極、およびセパレータが互いに実質的に平行に配置される。この明細書において、「実質的に平行」とは角度のずれが5°未満であることを意味する。
第1の給水装置の電極部は、上記の第1の例(E1)の電極部であってもよいし、第2の例(E2)の電極部であってもよいし、他の電極部であってもよい。第1の給水装置において、第1の例(E1)の電極部を用いることによって、槽の水平方向のサイズを小さくすることが可能である。第2の給水装置の電極部は、上記の第1の例(E1)の電極部であってもよいし、第2の例(E2)の電極部であってもよいし、他の電極部であってもよい。たとえば、第1および第2の給水装置の電極部は、セパレータを含まなくてもよい。
電極部がセパレータを含まない場合、水の電気分解が可能である限り、第1および第2の電極の配置に特に限定はない。その場合の好ましい一例では、第1および第2の電極がそれぞれ全体として平らな形状であり、互いに平行に配置される。その場合、第1および第2の電極の方向に限定はなく、それぞれ垂直方向に沿って配置されてもよいし、それぞれ垂直方向に対して傾いて配置されてもよい。
セパレータは、シート状のセパレータであってもよい。あるいは、セパレータは、第2の電極(好ましくは第2の電極の全体)を囲むように配置された筒状部を含んでもよい。筒状部の例には、全体として平らな筒状部も含まれる。この場合、平らな筒状部を挟むように2枚の第1の電極を配置してもよい。平らな筒状部の一例は、2枚のシート状のセパレータの側面を貼り合わせた筒状部である。セパレータは、筒状部の底が閉じられ、上方の一端のみが開口している袋状であってもよい。この場合、袋状のセパレータ内に第2の電極が配置される。
第2の電極をセパレータで囲むことによって、第2の電極で生成された酸素ガスの気泡同士が合体しやすくなる。酸素ガスの気泡を合体させて大きくすることによって、水の溶存酸素濃度が上昇することを抑制できる。溶存酸素濃度が上昇すると、それに伴って溶存水素濃度が低下するため、溶存酸素濃度の上昇を抑制することが好ましい。
第1および第2の電極には、水を電気分解できる電極が用いられる。第1の電極と第2の電極とは、同じであってもよいし異なってもよい。第1および第2の電極の例には、金属部分を含む電極が含まれる。第1および第2の電極の表面には、水の電気分解反応が生じやすい金属(たとえば白金)が存在することが好ましい。第1および第2の電極の好ましい一例は、表面に白金が存在する金属電極である。具体的には、表面が白金でコートされた金属電極が好ましく用いられる。白金でコートされる金属の例には、ニオブ、チタン、タンタル、およびその他の金属が挙げられる。
表面が白金層でコートされた電極を用いる場合、白金層の厚さを、たとえば0.1μm〜20μmの範囲としてもよい。水を電気分解すると白金層が徐々に薄くなる。そのため、長期の使用を可能にするためには、白金層の厚さを0.3μm以上とすることが好ましい。
第1および第2の電極はそれぞれ、電気的に接続された複数の電極で構成されていてもよい。第1および第2の電極の形状に特に限定はない。第1および第2の電極はそれぞれ、1つの面(平面や曲面)に沿った形状を有していてもよく、2次元方向に広がる形状を有していてもよい。たとえば、第1および第2の電極はそれぞれ、平らな電極であってもよい。この明細書において、「平らな電極」とは、全体として平らな形状の電極を意味し、換言すれば、2次元方向に広がる形状を有する電極を意味する。平らな電極の例には、線状の電極を1つの平面に沿って配置することによって形成された電極も含まれる。平らな電極には、貫通孔が形成されていてもよい。第1および第2の電極はそれぞれ、エクスパンドメタルであってもよいし、板状の電極であってもよい。第1および第2の電極が平らな電極である場合、それらは、実質的に平行に対向するように配置されることが好ましい。好ましい一例では、第1の電極と第2の電極とを結ぶ全ての直線上にセパレータが存在する。
第1の電極は、互いに平行に配置された複数のフィン状部を含んでもよい。その場合、当該複数のフィン状部はそれぞれ、第2の電極から離れるに従って上昇するように傾いていてもよい。この構成では、第1の電極において生成されたガスの気泡は、上昇するに従って第2の電極から離れる。そのため、第1の電極で生成されたガスの気泡と第2の電極で生成されたガスの気泡とが合体することを抑制できる。酸素ガスの気泡と水素ガスの気泡とが合体すると、溶存水素濃度の上昇が抑制される。そのため、それらの気泡の合体を防止することが好ましい。
水の電気分解が生じる電位差を第1の電極と第2の電極との間に生じさせると、水が電気分解されて水素ガスと酸素ガスとが生成される。以下で説明するように、通常の使用時では、第1の電極がカソードとなり第2の電極がアノードとなるように両者の間に所定の直流電圧が印加される。この電圧印加によって、第1の電極で水素ガスが生成され、第2の電極で酸素ガスが生成される。第1の電極で生成された水素ガスの一部は水に溶解し、その結果、槽内の水の溶存水素濃度が上昇する。
第1の電極と第2の電極との間には、水を電気分解するために必要な直流電圧が印加される。印加される直流電圧に特に限定はなく、2V〜30Vの範囲(たとえば2V〜12Vの範囲)にあってもよい。
第1および第2の電極は、それらの間に直流電圧を印加するための電源に接続される。本発明の装置は、電源を含んでもよい。電源は、コンセントから得られる交流電圧を直流電圧に変換するAC−DCコンバータであってもよい。また、電源は、電池(一次電池および二次電池)であってもよい。電源が電池である場合、槽は電池を固定するための部分を含んでもよい。当該部分は、槽本体に設けられてもよいし、蓋に設けられてもよい。
第1の電極と第2の電極との間の距離に特に限定はない。第1の電極と第2の電極との間の距離を短くすることによって、電気分解に必要な電圧を小さくできる。第1の電極と第2の電極との間隔は、たとえば0.15〜10mmの範囲にあってもよく、1〜5mmの範囲にあってもよい。
本発明の給水装置では、水の電気分解で生成されたガスを放出するための少なくとも1つの通気孔が槽に形成されていてもよい。当該少なくとも1つの通気孔を、以下では「通気孔(H)」という場合がある。槽内が後述する仕切りで仕切られていない場合の一例では、第1の電極で生成されたガスと第2の電極で生成されたガスとが共に1つの通気孔(H)から放出される。
本発明の給水装置では、セパレータを含む仕切りによって、第1の電極が存在する第1の領域と第2の電極が存在する第2の領域とに槽内が仕切られていてもよい。その場合、第2の領域と槽の外部とが通気孔によって接続されていてもよい。この構成によれば、通気孔から放出されるガスの大部分を、第2の電極で生成された酸素ガスとすることが可能である。仕切りは、槽の内部を完全に二分してもよい。あるいは、仕切りは、電極より下方の部分を除いて槽を二分してもよい。すなわち、電極の最下部よりも上方の部分の全てが仕切りによって第1の領域と第2の領域とに仕切られていてもよい。仕切りは、第1の電極で生成された水素ガスの気泡と第2の電極で生成された酸素ガスの気泡とを分離するために設けられる。ガスの気泡は水の中を上昇するため、電極より下方の部分については仕切りがなくてもよい。
仕切りは、セパレータと仕切り部材とを含むことが好ましい。仕切り部材は、水が存在しない領域を仕切る。仕切り部材は、水の中および外の両方において気体を通過させにくい材料で形成されている。たとえば、仕切り部材は、樹脂や金属で形成されてもよい。仕切りによって槽内を仕切る場合、セパレータの全体が水に浸漬されることが好ましい。すなわち、セパレータと仕切り部材との接続部が水中に位置するように仕切りが構成されることが好ましい。
セパレータを含む仕切りによって槽内が第1の領域と第2の領域とに仕切られている場合、少なくとも1つの通気孔(H)は、第1の通気孔と第2の通気孔とを含んでもよい。その場合の一例では、第1の領域と槽の外部とが第1の通気孔によって接続されており、第2の領域と槽の外部とが第2の通気孔によって接続されている。この構成によれば、第1の通気孔から放出されるガスの大部分を第1の電極で生成された水素ガスとし、第2の通気孔から放出されるガスの大部分を第2の電極で生成された酸素ガスとすることが可能である。
本発明の給水装置では、槽と給水部との接続部であって槽から給水部へ向かって水が流れる接続部が、第1の電極に面していてもよい。あるいは、当該接続部が、第1の電極に面していなくてもよい。あるいは、当該接続部が、上記の領域(A)または領域(X)に面していてもよい。第1の電極で水素ガスが生成されることによって、第1の電極の近傍の溶存水素濃度が特に高くなる。槽と給水部との接続部を第1の電極に面するように配置することによって、溶存水素濃度が高い水を給水しやすくなる。
本発明の給水装置は、活性炭フィルタを備えてもよい。活性炭フィルタは、槽内に配置されていてもよい。あるいは、活性炭フィルタは給水部に配置されていてもよい。この構成によれば、給水部から給水される水を活性炭フィルタでろ過できる。活性炭フィルタは、給水箇所(動物が水を飲む部分)と電極部との間に配置されることが好ましい。
水に塩素イオンが含まれる場合、その水を電気分解する際に塩素イオンが酸化され、次亜塩素酸が生成される。次亜塩素酸は特有の臭いがあるため、動物が嫌う恐れがある。活性炭フィルタを用いることによって、次亜塩素酸を吸着・分解することが可能である。本発明の給水装置では、溶存水素濃度が高い水が給水部を通る。そのため、溶存水素によって活性炭が還元され、その結果、次亜塩素酸を分解しやすい状態に活性炭が維持される。活性炭フィルタはカートリッジ式として容易に交換できるようにすることが好ましい。また、電極部をカートリッジ式として容易に交換できるようにしてもよい。
給水する水の溶存水素濃度を上昇させる場合、第1の電極がカソードとなり第2の電極がアノードとなるように第1の電極と第2の電極との間に電圧(直流電圧)が印加される。この電圧印加によって、第1の電極で水素ガスおよび水酸化物イオン(OH-)が生成され、第2の電極で酸素ガスおよび水素イオン(H+)が生成される。なお、電気分解を続けると、電極の表面にスケールが堆積する場合がある。そのため、電極の再生のために、逆方向に電圧を印加できるように装置が構成されることが好ましい。具体的には、第1の電極がアノードとなり第2の電極がカソードとなるように第1の電極と第2の電極との間に電圧を印加できるように装置が構成されることが好ましい。
本発明の給水装置は、電圧印加を制御するコントローラを備えてもよい。コントローラによって、所定の時間間隔で電圧印加のオン/オフを切り替えてもよい。本発明の給水装置は、水センサを備えてもよい。そして、槽内の水の液面が所定の位置に到達したときに電圧印加を停止してもよい。たとえば、電極の上端に液面が到達したときや、本体と給水部との接続部の下端に液面が到達したときに、電圧印加を停止してもよい。水センサの出力に基づく電圧印加のオン/オフの制御は、コントローラによって行ってもよい。
(第1の給水装置)
本発明の第1の給水装置に関する事項について以下に説明する。なお、第2の給水装置の機能を阻害しない限り、第1の給水装置について説明した事項を第2の給水装置に適用することが可能である。
第1の給水装置は、水が配置される槽と、槽内の水を電気分解するために槽内に配置された電極部と、槽内の水を動物に給水するための給水部とを含む。電極部は、第1および第2の電極を含む。電極部は、セパレータと、セパレータを挟むように配置された第1および第2の電極とを含んでもよい。
第1の給水装置の給水部は、動物用の給水具、および、動物用の給水具が接続される接続具から選ばれる少なくとも1つを含んでもよい。すなわち、給水部は、給水具および/または接続具を含んでもよい。給水部は、槽のうちの第1の電極が存在する領域に、直接または他の部材を介して接続されていてもよい。第1の電極が存在する領域と給水部とを接続する他の部材の例には、水の流路(たとえば管)が含まれる。
第1の給水装置の給水部は、槽内の水が給水部に供給されることが可能なように構成される。給水部は、槽全体を高さで3等分したときの下方3分の1の領域に接続されてもよいし、中央3分の1の領域に接続されてもよいし、上方3分の1の領域に接続されてもよい。
給水具は、給水箇所として機能する。動物用の給水具に特に限定はなく、動物に応じて公知の給水具を適用してもよい。たとえば、犬、猫、小鳥などの小動物(ペット)のための給水具を用いてもよい。給水部に含まれる流路(水の流路)は、水素ガスおよび溶存水素が透過しにくい材料で構成されることが好ましい。そのような材料の例には、金属(たとえばステンレス鋼)、金属層(たとえばアルミニウム層)と樹脂層とを含む積層体、水素ガスおよび溶存水素が透過しにくい樹脂(たとえばポリテトラフルオロエチレン、ポリ塩化ビニルや高密度ポリエチレン)、水素ガスが透過しにくい樹脂層と他の樹脂層とを含む積層体が含まれる。
給水具の一例は、水の流路と、当該流路内に配置された止水具とを含む。止水具の一例は、止水具の一部を押すと水が流れ、当該一部を押すのをやめると水が止まるものである。止水具の一例は、ボールと、ボールが嵌合することによって止水するパッキンとを含む。ボールの代わりに弁棒などを用いてもよい。止水具には、公知の止水具を用いてもよい。
接続具は、給水具を接続できるものであれば特に限定されない。接続具の一例は、給水具に形成されたらせん溝に嵌合するらせん溝である。
給水部を介して槽内の水が動物に給水される。循環式ではない第1の給水装置では、通常、槽外部に給水された体積分だけ外気が槽内に入る。外気は、給水部を介して槽内に入ってもよい。あるいは、外気は、吸気部とは別に形成された通気部(たとえば通気孔(H)。以下同じ。)を介して槽内に入ってもよい。外気が通気部を介して槽内に入る場合、通気部と給水部とを含む流路の抵抗が小さいと、一度に多量の水が給水される恐れがある。そのため、外気が通気部を介して槽内に入る場合には、通気部を通って外気が槽内部に入る際の抵抗、および、給水部を通って水が槽外部に給水される際の抵抗から選ばれる少なくとも1つの抵抗が高いことが好ましい。前者の抵抗を高める手段の例には、槽の外部から内部へのガスの流れを抑制するための機構(ガス流制御機構)が含まれる。後者の抵抗を高める手段の例には、給水部に設けられた多孔質体、および、断面積が小さい流路(細い流路)が含まれる。多孔質体の例には、多孔質膜が含まれる。
給水部の流路の少なくとも一部の断面積を小さくする場合、その最小断面積は、0.2mm2〜4.9mm2の範囲(たとえば0.8mm2〜3.1mm2の範囲)にあってもよい。
槽の外部から内部へのガスの流れを抑制するための機構(ガス流制御機構)の一例は、槽の内部から外部へガスを通過させる一方で逆方向へはガスを通過させない弁である。弁の一例は、通気孔(H)の表面に設けられた柔軟性を有する板(たとえば、薄いプラスチック板や薄いゴム板)である。上記のガス流制御機構の例には、ガスの流れを抑制する部材が含まれ、たとえば、多孔質からなる部材(多孔質膜など)や、気体は通過させるが液体は通過させない気液分離膜が含まれる。あるいは、通気部を細孔として、気体の流れを抑制してもよい。
第1の給水装置の給水部は、一端が給水具に接続された管(流路)を含んでもよい。管の他端は、槽のうちの第1の電極が存在する領域に配置されている。この構成によれば、溶存水素濃度が高い水を、管を通して給水部に供給できる。管は、水素ガスおよび溶存水素が透過しにくい材料で形成されることが好ましい。好ましい一例の管は、ステンレス鋼からなる管である。ステンレス鋼からなる管を用いることによって、管の表面で次亜塩素酸を分解することが可能である。好ましい一例は、以下の(a)、(b)および(c)の少なくとも1つを満たす。
(a)管の他端は、第1の電極の上端よりも上方に存在する。
(b)管の他端と第1の電極との距離は、当該他端と第2の電極との距離よりも短い。
(c)給水部は、槽の下部に接続されている。
(第2の給水装置)
本発明の第2の給水装置は、循環式の給水装置である。第2の給水装置は、槽を含む循環路を形成する流路を含む。この流路を、以下では「流路(P)」と称する場合がある。槽は、循環路の一部を構成する。典型的には、流路(P)の少なくとも一部が給水部として機能する。換言すれば、第2の給水装置の典型的な一例では、給水部が流路(P)を含む。
循環路(たとえば循環路のうちの流路(P))には、大気に開放されている開放部が形成されていてもよい。この開放部が、動物に給水するための給水箇所(動物が水を飲む箇所)として機能してもよい。この場合、開放部が給水部として機能する。流路(P)に開放部が形成されている場合、流路(P)および開放部が、給水部として機能する。なお、第2の給水装置は、上述した給水具および/または接続具を含んでもよい。
第2の給水装置では、循環路(たとえば循環路のうちの流路(P))に活性炭フィルタが配置されてもよい。好ましい一例では、流路(P)のうち、電極部の下流側で且つ給水箇所の上流側の位置に活性炭フィルタが配置される。たとえば、給水側の接続部と給水箇所との間に活性炭フィルタが配置されてもよい。この構成によれば、動物が水を飲む直前の水を活性炭でろ過できる。給水側の接続部とは、槽と流路(P)との接続部のうち、槽から流路(P)に向かって水が流れる接続部を意味する。他の一例では、流路(P)のうち、電極部の上流側で且つ給水箇所の下流側の位置に活性炭フィルタが配置される。
第2の給水装置は、循環路内で水を循環させるためのポンプを含んでもよい。通常、ポンプは、流路(P)に配置される。ポンプは、槽の下方から上方に向かって流れるように水を循環さてもよい。あるいは、ポンプは、槽の上方から下方に向かって流れるように水を循環させてもよい。
通常、槽と流路(P)とは2つの接続部で接続される。その場合には、2つの接続部のうち給水側の接続部が、第1の電極に面するか、または、第1の電極の上方に配置されていてもよい。この構成によれば、溶存水素濃度が高い水が流路(P)に流れやすくなる。
以下では、本発明の給水装置の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下で説明する実施形態は本発明の一例であり、実施形態の各構成は、上述した他の構成に置き換えることができる。以下の説明において、同様の部分については同一の符号を付して重複する説明を省略する場合がある。以下の図面では、配線の図示を省略する。
(実施形態1)
実施形態1では、筒状部を含むセパレータを用いた第1の給水装置の一例について説明する。実施形態1の給水装置100の構成を図1に模式的に示す。図1の線II−IIにおける端面を、図2に模式的に示す。給水装置100は、槽110、槽110内に配置された電極部120、および給水部130を含む。槽110内には、水10が配置される。
槽(容器)110は、槽本体(容器本体)111と蓋112とを含む。槽本体111の上方は開口部となっている。その開口部は、着脱可能な蓋112によって閉じられる。その開口部から水10を槽110内に供給できる。蓋112には、1つの通気孔112hが形成されている。通気孔112hの開口部には、弁として機能する薄板113が配置されている。薄板113は、柔軟性を有する薄い板である。薄板113の周縁の一部は固定部113aとなっており、固定部113aにおいて薄板113は蓋112に固定されている。槽110内の気圧が大気圧よりも高くなると、薄板113が曲がって通気孔112hが開放され、槽110内のガスが通気孔112hを通って槽110の外部に放出される。槽110内の気圧が大気圧と同程度かそれよりも低い場合には、薄板113によって通気孔112hは閉じられる。そのため、通気孔112hを通って槽110の外部から内部に向かうガスの流れは抑制される。
なお、上述したように、槽本体111と蓋112との間が完全に密閉されないようにして、それらの間の隙間を空気が流れるようにしてもよい。電気分解をしていないときに給水がなされると、槽110内の圧力が低下する。そのときに、当該隙間から空気を槽110内に流入させることができる。
電極部120は、2つの第1の電極121、第2の電極122、およびセパレータ123を含む。電極121および122はそれぞれ、金属ワイヤを組み合わせて形成された電極であり、全体として平らな電極である。第1の電極121および第2の電極122はそれぞれ、配線を介して端子(図示せず)に接続されており、端子を介して外部の直流電源に接続される。なお、第1の電極121は、1つだけであってもよい。
セパレータ123は、上部が開口している封筒状のセパレータである。換言すれば、セパレータ123は、筒状部123aと、筒状123aの下方を閉じる底部123bとを含む。セパレータ123は、水は通過しやすいが、水中において気泡が通過しにくいセパレータである。なお、セパレータとして、筒状部123aのみからなるセパレータを用いてもよい。
セパレータ123内には第2の電極122が配置されている。2つの第1の電極121は、セパレータ123を挟むように配置されている。それぞれの第1の電極121は、セパレータ123を挟んで第2の電極122と対向している。図1では、セパレータと電極とを離して図示しているが、第1の電極121と第2の電極122とが短絡しない限り、セパレータと電極とは接触していてもよい。
筒状部123aは、筒状部123aの軸(筒が伸びる方向)が、垂直方向に対して実質的に平行になるように配置されている。そのため、第2の電極122で生成されたガスは、筒状部123aに沿ってそのまま上方に導かれる。
第2の電極122はセパレータ123で囲まれている。そのため、セパレータ123で囲まれていない部分が第1の電極121が存在する領域110a(領域(A))となり、セパレータ123で囲まれている部分が第2の電極が存在する領域110b(領域(B))となる。また、領域110aは上述した領域(X)であり、領域110bは上述した領域(Y)である。給水装置100では、領域110aにある水が給水部130に供給される。
槽本体111の側面には、動物用の給水具である給水部130が接続されている。槽110(槽本体111)と給水部130との接続部130aは、第1の電極121に面している。給水部130は、水の流路131を含む。流路131の先端には、リング状のパッキン132が配置されている。流路131内には、ボール133が配置されている。通常時は、槽110内に配置された水(液体)10の圧力によってボール133がパッキン132に押し付けられ、それによって流路131が封止される。ボール133の近傍が給水箇所となる。ペット等の動物が水を飲むためにボール133を押すと、パッキン132とボール133との間に隙間が生じ、水が流路131から流れ出る。なお、給水部130は、動物用の給水具が接続される接続部であってもよい。
図1では、槽本体111の側面に給水部が接続されている一例について説明した。しかし、給水部は、槽本体111の下部に接続されてもよい。
給水部130に供給される水10の溶存水素濃度を高める場合、第1の電極121がカソードとなり第2の電極122がアノードとなるように、且つ、水10が電気分解されるように2つの電極間に直流電圧を印加する。この電圧印加によって、第1の電極121において水素ガスが生成され、第2の電極122において酸素ガスが生成される。第1の電極121で生成された水素ガスが水10に溶解することによって、水10の溶存水素濃度が上昇する。第2の電極122で生成された酸素ガスの気泡は、筒状部123a内を上昇する間に合体して大きくなる。その結果、水10への酸素ガスの溶解は抑制される。さらに、筒状部123aで第2の電極122を囲むことによって、水素ガスの気泡と酸素ガスの気泡とが合体することを抑制できる。
筒状部123aの上方の開口部を、槽110内に配置される水10の液面よりも高い位置にしてもよい。この構成によれば、水素ガスの気泡と酸素ガスの気泡とが水10内で合体することを特に防止できる。
給水装置100では、電気分解で生成された水素ガスおよび酸素ガスの両方が、通気孔112hから放出される。給水部130から水10が排出されると、通気孔112hを通って槽110内にガスが流れ込むが、その流量は薄板113によって制限される。そのため、一度に多量の水10が給水部130から流れ出すことが抑制される。
第1の電極121は、第1の電極121で生成されたガスの気泡がセパレータ123から離れるように移動する形状を有してもよい。そのような第1の電極121を含む電極部120の一例の断面図を図3に示す。
図3に示す第1の電極121は、複数のフィン状部(板状部)121aを含む。それぞれのフィン状部121aは、セパレータ123から離れるに従って上昇するように傾いている。複数のフィン状部121aは、互いに平行に且つ垂直方向に沿って並んでいる。そのため、フィン状部121aの表面で生成されたガスの気泡は、フィン状部121aの下面に沿って上昇し、その上昇過程で、セパレータ123から離れる。この構成によれば、水素ガスの気泡と酸素ガスの気泡とを離すことができ、両者が合体することを抑制できる。
(実施形態2)
実施形態2では、筒状部を含むセパレータを用いた第1の給水装置の一例について説明する。実施形態2の給水装置100aの構成を図4に模式的に示す。
給水装置100aの槽110(蓋112)には、第1の通気孔112haと第2の通気孔112hbとが形成されている。通気孔112haおよび112hbはそれぞれ、薄板113によって塞がれている。薄板113の機能については、実施形態1で説明したため重複する説明を省略する。セパレータ123の筒状部123aは、筒状の仕切り部材124を介して第2の通気孔112hbに接続されている。給水装置100aのその他の構成については、給水装置100で説明したため、重複する説明を省略する。
セパレータ123(筒状部123a)と仕切り部材124とは、仕切り125を構成する。仕切り部材124は、水の中および外の両方において気体を通過させにくい材料で形成されている。図4に示す一例の仕切り部材124は筒状であり、ガス流路を構成している。仕切り125によって、槽110の内部が、第1の電極121が存在する第1の領域110aと、第2の電極122が存在する第2の領域110bとに分割されている。この場合、第1の領域110aが上述した領域(X)となり、第2の領域110bが上述した領域(Y)となる。第1の領域110aと槽110の外部とは、通気孔112haによって接続されている。第2の領域110bと槽110の外部とは、通気孔112hbによって接続されている。給水部130は、第1の領域110aに接続されている。
仕切り125は、セパレータ123と仕切り部材124との接続部分が水10の中となるように形成される。この構成によれば、第1の電極121で生成された水素ガスと第2の電極122で生成された酸素ガスとが混合されることを特に抑制できる。この構成では、第1の領域110aのうちの上方の空間の水素ガスの割合を高めることができる。そのため、第1の領域110a内の水10の溶存水素濃度を特に高めることができる。
なお、筒状部123aは、仕切り部材124を介さずに通気孔112hbに接続されていてもよい。セパレータ123のうち水10に浸漬されていない部分も、水の表面張力などの影響で濡れている場合が多い。そのような場合には、セパレータ123のうち水10に浸漬されていない部分も、ガスを通過させにくい。
本発明の給水装置(たとえば実施形態1〜3で説明する給水装置)では、薄板113の代わりに、他のガス流制御機構を用いてもよい。そのようなガス流制御機構の一例を、図5に示す。
図5に示すガス流制御機構140は、通気孔112hに配置される。ガス流制御機構140は、リング状部材141および球状部材142を含む。リング状部材141は、支持部材143によって支持されている。通気孔112hの端部には、球状部材142の飛び出しを防止するためのストッパ144が設けられている。なお、ガス流制御機構は、通気孔112hに接続されたガス流路に配置されてもよい。
リング状部材141は、ゴムや樹脂で形成されてもよく、Oリングを用いてもよい。球状部材142は、リング状部材141上に配置され、槽110の外部から内部へのガスの流れを抑制する。球状部材142の材質に限定はなく、ガラス玉を用いてもよい。槽110内の気圧が大気圧以下であるときには、球状部材142とリング状部材141との間の隙間が閉じられているため、通気孔112hをガスが流れることが抑制される。一方、槽110内の気圧が大気圧よりも高くなったときには、リング状部材141と球状部材142との間に隙間が生じ、槽110の内部から外部に向かってガスが流れる。
(実施形態3)
実施形態3では、シート状のセパレータを用いる第1の給水装置の一例について説明する。実施形態3の給水装置100bの構成を、図6に模式的に示す。図6の線VII−VIIにおける端面を図7に示す。給水装置100bは、槽110、槽110内に配置された電極部220、および給水部130を含む。
電極部220は、第1の電極121、第2の電極122、およびセパレータ223を含む。電極121および122は、実施形態1で説明した電極と同様である。第1の電極121と第2の電極122とを結ぶ全ての直線上には、セパレータ223が存在する。セパレータ223は、シート状のセパレータである。セパレータ223は、水は通過しやすいが、水中において気泡が通過しにくいセパレータである。
給水装置100bの槽110(蓋112)には、第1の通気孔112haと第2の通気孔112hbとが形成されている。通気孔112haおよび112hbはそれぞれ、薄板113によって塞がれている。
セパレータ223と仕切り部材224とは、仕切り225を構成する。仕切り225によって、槽110の内部が、第1の電極121が存在する第1の領域110aと、第2の電極122が存在する第2の領域110bとに分割されている。この場合、第1の領域110aが上述した領域(X)となり、第2の領域110bが上述した領域(Y)となる。
仕切り部材224は、水の中および外の両方において気体を通過させにくい材料で形成されている。図6に示す一例の仕切り部材224は板状である。セパレータ223と仕切り部材224との接続部は、水10の中に位置する。
第1の領域110aと槽110の外部とは、通気孔112haによって接続されている。第2の領域110bと槽110の外部とは、通気孔112hbによって接続されている。給水部130は、第1の領域110aに接続されている。図6に示す一例では、槽110と給水部130との接続部130aが、第1の電極121に面している。
給水装置100bでは、実施形態2の給水装置100aと同様に、第1の電極121で生成された水素ガスと第2の電極122で生成された酸素ガスとが仕切り225によって分離される。そのため、第1の領域110aに存在する水10の溶存水素濃度を特に高めることができる。なお、槽110の内部が完全には仕切られていない構成とすることも可能である。その場合でも、槽110と給水部130との接続部が第1の電極121に面するようにすることによって、給水部130に供給される水の溶存水素濃度を高める効果が得られる。
(実施形態4)
実施形態4では、水が循環する第2の給水装置の一例について説明する。実施形態4の給水装置300の構成を図8に示す。給水装置300は、槽110、電極部120、流路331、ポンプ332、および活性炭フィルタ335を含む。電極部120は、第1の例(E1)の電極部であり、たとえば実施形態1で説明した電極部である。なお、電極部120として、図12に示すような、第2の例(E2)の電極部を用いてもよい。
流路331は、槽110とともに循環路333を構成する。すなわち、槽110は、循環路333の一部を構成する。循環路333(たとえば流路331)の一部は大気に開放された開放部333aとなっている。流路331と開放部333aとは、給水部として機能する。流路331には、ごみ等を除去するためのフィルタが配置されていてもよい。
ポンプ332は、開放部333aの下流側の流路331に配置されている。なお、ポンプ332は、開放部333aの上流側の流路331に配置されてもよい。たとえば、ポンプ332は、槽110と活性炭フィルタ335との間の流路331に配置されてもよい。
図8に示す一例では、槽110に通気孔は形成されていない。給水装置300では、循環路333の一部が開放されているため、ガスを放出するための通気孔は原則として不要である。もちろん、実施形態1で説明した通気孔112hを設けてもよいし、実施形態2で説明した通気孔112haおよび通気孔112hbを設けてもよい。
図8に示す一例では、槽110内は仕切りによって仕切られていない。流路331は、槽110に接続されている。より具体的には、流路331は、槽110のうちの第1の電極121が存在する領域110aに2箇所で接続されている。
ポンプ332によって、循環路333を水10が循環する。ペット等の動物は、開放部333a(給水箇所)から水10を飲むことができる。開放部333aは、循環路333のうち流路331以外の部分に形成されていてもよい。たとえば、槽110の上方が開放部となっていてもよい。水10に溶存している水素が大気に放出されることを抑制する観点では、開放部333aの面積は小さい方が好ましい。
水10は、槽110の下方から上方に向かって流れる。その場合の好ましい一例では、第1の電極121として、図3に示した第1の電極121が用いられる。なお、水10の循環方向は、槽110の上方から下方に向かって流れる方向であってもよい。
活性炭フィルタ335によって、水10がろ過される。さらに、活性炭フィルタ335によって、次亜塩素酸が分解される。活性炭フィルタ335は、接続部331cと開放部333aとの間に配置されている。接続部331cは、槽110と流路331との2つの接続部のうち給水側の接続部(槽110から流路331に向かって水が流れる接続部)である。なお、接続部331cと活性炭フィルタ335との間に、水10中のガスの気泡を大気に放出するための機構を設けてもよい。そのような機構の例には、公知のガストラップや液体用エアベントが含まれる。
実施形態1で説明したように電極部120に直流電圧を印加することによって、第1の電極121において水素ガスが生成され、第2の電極122において酸素ガスが生成される。その結果、水10の溶存水素濃度が上昇する。水10を電気分解するとともにポンプ332を駆動することによって、溶存水素濃度が上昇した水10が、循環路333を循環する。開放部333aで水10が大気に暴露されることによって水10の溶存水素濃度が減少する。しかし、水10の電気分解を行うとともに水10を循環させることによって、水10の溶存水素濃度を一定以上に保つことが可能である。
(実施形態5)
実施形態5では、水が循環する第2の給水装置の他の一例について説明する。実施形態5の給水装置300aの構成を図9に示す。実施形態4で説明した事項については、重複する説明を省略する場合がある。
給水装置300aでは、実施形態2で説明したように、セパレータ123(筒状部123a)と仕切り部材124とによって仕切り125が構成されている。仕切り125によって、槽110の内部が、第1の電極121が存在する第1の領域110aと第2の電極122が存在する第2の領域110bとに分割されている。第2の領域110bは通気孔112hに接続されている。通気孔112hの上方には、水10が漏れ出すことを防止するための筒状部110cが通気孔112hを囲むように形成されている。筒状部110cには、水10が漏れ出すことを防止するための気液分離膜などが配置されてもよい。図9に示す一例では第1の領域110aに通気孔が形成されていないが、第1の領域110aに通気孔を形成してもよい。
給水装置300aは、給水装置300で説明した流路331を含む。流路331の2つの端部はいずれも、第1の領域110aに接続されている。この構成によれば、第1の領域110a内に存在する水(溶存水素濃度が高い水)が、循環路333を循環する。
図9には、仕切りが、筒状部を含むセパレータを含む場合について説明した。筒状部を含むセパレータの代わりに、シート状のセパレータを含む仕切り(たとえば図6に示した仕切り225)を用いて槽110内を仕切ってもよい。そのような給水装置の一例を図10に示す。
図10に示す給水装置300bは、槽110内が、仕切り225によって第1の領域110aと第2の領域110bとに仕切られている。流路331は、第1の領域110aに接続されている。第2の領域110bの上方には、通気孔112hと、その周囲を囲む筒状部110cとが形成されている。その他の構成は、図9に示した給水装置300aと同様の構成とすることができる。
(実施形態6)
実施形態6では、槽内と給水部とを結ぶ管を含む第1の給水装置の一例について説明する。当該管の一例は、後述する管(T)と同様の管である。実施形態6の給水装置100cを図11に模式的に示す。実施形態1で説明した給水装置100と同様の部分については、重複する説明を省略する場合がある。
給水装置100cは、槽110、槽110内に配置された電極部120、および給水部160を含む。さらに、給水装置100cは、槽110内と給水部160とを結ぶ管151を含む。管151は、たとえばステンレス鋼からなる管である。図11では、1つの第1の電極121を用いる一例について示すが、2つの第1の電極121を用いてもよい。
給水部160は、接続部161、外側チューブ162、リング状のパッキン132、およびボール133を含む。パッキン132およびボール133は実施形態1で説明したものであり、給水具134として機能する。接続部161には、らせん状に凹凸(図示せず)が形成されている。この凹凸は、槽本体111の下部に設けられたらせん状の凹凸と嵌合する。すなわち、給水部160は、槽110(槽本体111)の下部に接続される。接続部161近傍の管151の周囲には、槽110内の水10が管151と外側チューブ162との間に漏れることを防止するためのパッキン161aが配置されている。なお、接続部161は、槽110の下方の開口部の蓋とみなすことも可能である。
管151の一端151aは、給水具134に接続されている。一端151aと外側チューブ162との間には、一端151aから供給された水10が管151と外側チューブ162との間に侵入することを防止するためのパッキン161bが配置されている。なお、パッキン161aおよび161bの代わりに樹脂を用いてもよい。また、給水具134を、分離可能としてもよい。
管151の他端151bは、第1の電極121の近傍であって第1の電極121の上方に配置されている。他端151bと第1の電極121との距離は、他端151bと第2の電極122との距離よりも近い。
給水装置100cにおいて水10を電気分解すると、第1の電極121で水素ガスが生成される。生成された水素ガスは、水10内を上昇する。そのため、第1の電極121の近傍であって第1の電極121の上方の領域にある水10の溶存水素濃度が特に高くなる。他端151bを当該領域に配置することによって、溶存水素濃度が高い水10を給水具134に供給できる。
上記実施形態では蓋112に通気孔112hを設ける場合について説明したが、槽本体111と蓋112との間にガスが流れる隙間が存在する場合には、通気孔112h(および薄板113)を省略することも可能である。
(実施形態7)
実施形態7では、水が循環する第2の給水装置の他の一例について説明する。実施形態7の給水装置300cの構成を図12に模式的に示す。なお、実施形態4および5で説明した事項については、重複する説明を省略する場合がある。
給水装置300cは、槽110、電極部120、流路331、ポンプ332、活性炭フィルタ335、およびケース340を含む。槽110は、ケース340の下部に設けられている。流路331と槽110とは循環路333を構成する。循環路333は、開放部333aを構成する皿状部333bを含む。皿上部333bの端部でオーバーフローした水10は、流路331を通って槽110に戻る。
電極部120は、第2の例(E2)の電極部である。電極部120では、第2の電極122、セパレータ123、および第1の電極121が、下方からこの順に配置されている。第1の電極121、第2電極122、およびセパレータ123はそれぞれ、垂直方向に対して傾いている。セパレータ123の上方の端部は、開放部333aの下流側の流路331に達している。
給水装置300cでは、槽110が仕切りで仕切られておらず、且つ、第2の電極122がセパレータ123によって囲まれていない。この場合、槽110内の全ての領域が、第1の電極121が存在する領域110a(領域(A))となる。領域110aにある水が、開放部333a(給水箇所)に供給される。なお、第2の電極122は、セパレータ123によって囲まれていてもよい。
セパレータ123を仮想的に延長した面123vによって槽110を仮想的に二分割した場合、第1の電極121が配置されている領域110x(領域(X))と、第2の電極122が配置されている領域110y(領域(Y))とに、槽110が分割される。領域110xにある水が、開放部333a(給水箇所)に供給される。
第2の電極122で生成された酸素ガスの気泡は、セパレータ123の下面を移動しながら上昇して流路331に到達し、流路331を上昇して大気中に放出される。そのため、給水装置300cでは、酸素ガスの気泡が、槽110の下流側の流路331に流れることを抑制できる。もちろん、流路331を通さずに酸素ガスの気泡を大気に放出してもよい。
水10を電気分解する際に生成する水素ガスを大気中に放出するために、ケース340内の空間340aは、いずれかの場所で大気に開放されていてもよい。
(その他の給水装置)
上記本発明の給水装置から電極部を除いた給水装置を、動物用の給水装置として用いることができる。以下では、この給水装置を「装置(D)」と称する場合がある。装置(D)は、溶存水素濃度を高めるための電極部を含まない。そのため、装置(D)で給水される水は、溶存水素濃度が高められた水ではなく、ペット等の動物が飲用する液体(通常は水)である。なお、本発明の給水装置の効果が得られる限り、装置(D)についての説明は、本発明の給水装置に適用できる。
装置(D)は、水が配置される槽と、水が流れる管(流路)と、槽の外に配置された給水具とを含む。当該管を以下では「管(T)」と称する場合がある。管(T)は、槽と給水具とを接続する。装置(D)は、水が流れる管(T)とは別に、大気が槽内に流入することを可能にする通気部を含む。通気部は、槽に形成されている。たとえば、通気部は槽本体に形成されていてもよいし、槽本体の開口部を塞ぐ部材(蓋その他の部材)に形成されていてもよい。通気部は、槽に形成された貫通孔であってもよいし、槽を貫通する管であってもよい。槽には、複数の通気部が形成されていてもよい。通気部の断面積(流体が流れる部分の断面積であって流体が流れる方向に垂直な断面積)は、管(T)の断面積S(水が流れる部分の断面積であって水が流れる方向に垂直な断面積)よりも小さくすることが好ましく、たとえば断面積Sの3分の1以下であってもよい。使用時において、通気部は、塞がれることなく流体が移動可能な状態にされる。
管(T)は、槽内の水を給水具に流す流路として機能する。好ましい一例では、管(T)の一端は槽内に配置され、他端が給水具に接続される。この構成によれば、管(T)の長さを確保しやすくなる。上記他端は、給水具に直接接続されていてもよいし、他の部材(たとえば流路)を介して給水具に接続されていてもよい。管(T)は通常、槽の下部から槽の外部に延び、給水具に接続される。槽、管(T)、および給水具については、第1の給水装置について説明したものを用いてもよい。ただし、管(T)については、溶存水素の透過を防止する必要がないため、溶存水素が透過しやすい材料で形成してもよい。
装置(D)において給水される水は管(T)を流れるため、管(T)における配管抵抗によって給水速度が制限される。そのため、過剰な給水が一度に行われることを抑制できる。過剰な給水を抑制するために、管(T)の流路部分の断面積Sおよび管(T)の長さLが所定の範囲にあることが好ましい。断面積Sが小さいほど配管抵抗が大きくなり、長さLが長いほど配管抵抗が大きくなる。通常、断面積Sが小さければ長さLが短くてもよく、断面積Sが大きければ長さLが長いことが求められる。
一例では、断面積Sが0.5mm2〜29mm2の範囲で且つ長さLが2cm〜15cmの範囲にある。たとえば、断面積Sが0.5mm2〜3.1mm2の範囲で且つ長さLが2cm〜7cmの範囲にあってもよい。
給水具から安定的に給水を行うためには、給水具から給水されたときに、給水量に相当する量の空気が槽内にスムーズに入る必要がある。そうでないと、槽内の圧力が低下して給水されなくなったり、一度に多量の空気が槽内に入って多量の水が一度に給水されたりする。そのため、槽には通気部が形成されている。
通気部は、槽の上部に形成されてもよい。ここで、槽の上部とは、装置(D)を使用状態に配置したときの上方の部分を意味する。通気部の例には、槽の上部に形成された貫通孔が含まれる。槽が、上部に開口部が形成されている槽本体と、当該開口部を封じる着脱可能な蓋とを含む場合、通気部は、槽本体に形成されてもよいし、蓋に形成されてもよい。あるいは、槽本体と蓋との隙間が通気部として機能してもよい。通気速度を制御するための部材を通気部に配置してもよい。そのような部材には、多孔質体や通気膜が含まれる。
槽が、下部に開口部が形成されている槽本体と、当該開口部を封じる着脱可能な蓋とを含む場合、通気部は、槽本体に形成されてもよいし、蓋に形成されてもよい。下部の開口部に配置される蓋に通気部が形成される場合には、大気が流れるためのガス流路が通気部に接続される。この場合の槽の一例は、ペットボトルのような容器であり、蓋の方を下方にして用いられる。装置(D)の一例では、ガス流路となる管と管(T)とが、蓋を貫通するように配置される。
給水具から給水を行った場合に空気が槽内に入る可能性があるルートとしては、通気部の部分からの第1のルートと、管(T)からの第2のルートとがある。第2のルートは、水の流出と空気の流入とが同じ箇所で行われるため、安定して空気が移動しない場合がある。そのため、装置(D)では、給水具から給水を行った場合に、第1のルートを通して槽内に入る空気の量(体積)が、第2のルートを通して槽内に入る空気の量よりも多い。それが実現されるように、通気部および給水具が構成される。通気部の通気抵抗を小さくすると、第1のルートを通る空気の量を多くできる。典型的には、装置(D)では、給水具から給水されたときに、第2のルートから槽内に空気が入らない。すなわち、典型的な装置(D)では、第1のルートのみから槽内に空気が入る。
(その他の給水装置の一例)
装置(D)の一例について、以下に説明する。この一例の構成を、図13に示す。図13の装置400は、図11に示した装置100cとは異なり、電極部120を含まない。さらに、蓋112には、通気孔112hが形成されておらず、薄板113も配置されていない。さらに、槽本体111と蓋112との間が完全に密閉されておらず、それらの間の隙間112gを空気が流れる。その他の構成は、図11に示した装置100cの構成を適用できる。
隙間112gは、蓋112を槽本体111に固定するために両者に設けられる螺旋状の凹凸の間に形成される隙間であってもよい。あるいは、槽110(槽本体111または蓋112)に通気孔(通気部)を設けてもよい。その通気孔は、少なくとも気体が槽110の外部から槽110の内部に流入することを可能にする通気孔である。
図13に示すように、管151は、槽110の下部を通って槽110の内部と外部とをつないでいる。管151の一端151aは給水具134に接続され、他端151bは槽110の内部に配置されている。このようにして、管151は、槽110と給水具134とを接続している。
実施形態1で説明したように、動物が水を飲むためにボール133を押すと、パッキン132とボール133との間に隙間が生じ、水が流路131から流れ出る。このとき、管151の配管抵抗によって、給水速度が制限される。また、給水された分の空気は、隙間112gから槽110内に流入するため、槽110内が過剰に低圧になることない。そのため、安定した給水がなされる。
図13に示した装置400では、電極部120がないため、図11に示した装置100cとは異なり、管151の他端151bの位置は、電極部120の位置による制約を受けない。また、図13に示した装置400では、槽110の外部において管151の周囲が外側チューブ162で囲まれているが、管151の一端151aに給水具134が接続される限り、外側チューブ162はなくてもよい。さらに、図13に示した装置400では、槽110が槽本体111と蓋112とを含むが、通気部がある限り、蓋112はなくてもよい。その場合、給水は給水部160を槽110から取り外して行ってもよい。あるいは、槽110の上部に吸水口を設けて、そこから給水を行ってもよい。
(その他の給水装置の他の例)
装置(D)の他の一例について、以下に説明する。この一例の構成を、図14に示す。図14の装置400は、槽110が上方に開口部を有さない点、および、通気部として機能する管171を含む点で、図13の装置400とは異なる。図13の装置400と同様の点については、説明を省略する。なお、理解を容易にするために、管171にハッチングを付す。
槽110は下方に開口部を有する。接続部161およびパッキン161aはその開口部の蓋として機能している。管171は、その蓋を貫通している。管171の一端は、槽110の内部に配置されている。管171の他端は、給水部160の内側に配置されており、具体的には管151の一端151aの近傍に配置されている。管171の内径は、管151の内径よりも小さい。
ボール133が押されると、ボール133とパッキン132との間から水が給水されるとともに大気が流入する。その結果、管151の一端151aとボール133との間の空間に大気が流入する。その大気は、細い管171から槽110内に流入する。大気は管171を流れ、水は管151を流れるため、安定した給水が可能である。
図14には、管171の一端が槽110の内部に配置され、管171の他端が給水部160の内部に配置されている一例を示した。しかし、管171の一端が槽110の内部に配置され、管171の他端が給水部160の外側に配置されていてもよい。そのような一例の装置400を図15に示す。図15に示す装置400では、管171の一端が槽110の内部に配置され、管171の他端が大気に開放されている。図15に示す装置400の場合、管171の流路の断面積が大きいと、管171から水が漏れるおそれがある。そのため、管171の流路の断面積および長さは、水が漏れない一方で大気が所望の速度で槽110内に流入可能なように設定される。なお、管171の一端が、槽110内の水がない上部の位置に到達するように管171を長くしてもよい。
本発明は、動物用の給水装置に利用できる。ただし、本発明の装置は、動物への給水以外の用途に用いることも可能である。
100、100a、100b、100c、300、300a、300b、300c 給水装置
110 槽
110a 第1の電極が存在する領域
111 槽本体
112 蓋
112h、112ha、112hb 通気孔
120、220 電極部
121 第1の電極
121a フィン状部
122 第2の電極
123、223 セパレータ
123a 筒状部
124、224 仕切り部材
125、225 仕切り
130 給水部
151 管

Claims (12)

  1. 水が配置される槽と、
    前記槽内の前記水を電気分解するために前記槽内に配置された電極部と、
    前記槽内の前記水を動物に給水するための給水部とを含み、
    前記電極部は、セパレータと、前記セパレータを挟むように配置された第1および第2の電極とを含む、動物用の給水装置。
  2. 前記水の電気分解で生成されたガスを放出するための通気部が前記槽に形成されている、請求項1に記載の動物用の給水装置。
  3. 前記第1の電極が存在する領域にある前記水が前記給水部に供給される、請求項1または2に記載の動物用の給水装置。
  4. 前記給水部は、動物に給水するための給水具と前記水の流路とを含み、
    前記給水具は、前記槽内のうちの前記第1の電極が存在する領域に、前記流路を介して接続されている、請求項3に記載の動物用の給水装置。
  5. 前記セパレータは、垂直方向に沿って配置されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の動物用の給水装置。
  6. 前記セパレータは、前記第2の電極を囲むように配置された筒状部を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の動物用の給水装置。
  7. 水が配置される槽と、
    前記槽内の前記水を電気分解するために前記槽内に配置された電極部と、
    前記槽内の前記水を動物に給水するための給水部と、
    前記槽を含む循環路を形成する流路とを含み、
    前記電極部は、第1および第2の電極を含む、動物用の給水装置。
  8. 前記第1の電極が存在する領域にある前記水が前記給水部に供給される、請求項7に記載の動物用の給水装置。
  9. 前記循環路には、大気に開放されている開放部が形成されており、
    前記開放部が、動物に給水するための給水箇所として機能する、請求項7または8に記載の動物用の給水装置。
  10. 前記流路に活性炭フィルタが配置されている、請求項7〜9のいずれか1項に記載の動物用の給水装置。
  11. 前記循環路内で水を循環させるためのポンプを含み、
    前記ポンプは、前記槽の下方から上方に向かって流れるように前記水を循環させる、請求項7〜10のいずれか1項に記載の動物用の給水装置。
  12. 前記第1の電極がカソードとなり前記第2の電極がアノードとなるように前記第1の電極と前記第2の電極との間に電圧が印加される、請求項1〜11のいずれか1項に記載の動物用の給水装置。
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