JP2016190210A - 凝集沈殿処理装置 - Google Patents

凝集沈殿処理装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2016190210A
JP2016190210A JP2015072125A JP2015072125A JP2016190210A JP 2016190210 A JP2016190210 A JP 2016190210A JP 2015072125 A JP2015072125 A JP 2015072125A JP 2015072125 A JP2015072125 A JP 2015072125A JP 2016190210 A JP2016190210 A JP 2016190210A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
bottom plate
scraping
intermediate bottom
coagulation sedimentation
sludge blanket
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2015072125A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6328584B2 (ja
Inventor
昌文 三井
Akifumi Mitsui
昌文 三井
俊彦 安部
Toshihiko Abe
俊彦 安部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Heavy Industries Environment Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Heavy Industries Environment Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Heavy Industries Environment Co Ltd filed Critical Sumitomo Heavy Industries Environment Co Ltd
Priority to JP2015072125A priority Critical patent/JP6328584B2/ja
Publication of JP2016190210A publication Critical patent/JP2016190210A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6328584B2 publication Critical patent/JP6328584B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Separation Of Suspended Particles By Flocculating Agents (AREA)

Abstract

【課題】スラッジブランケット部の流動状態を保ち、良好な凝集効果を維持できる凝集沈殿装置を提供する。
【解決手段】本発明の凝集沈殿処理装置101は、原水に含まれる固形物を捕捉し、凝集する凝集沈殿処理装置において、原水が流入し、固形物を捕捉するスラッジブランケットを備えたスラッジブランケット部Sと、スラッジブランケットで発生した余剰スラッジをスラッジブランケット部Sの下方で濃縮する濃縮部Z2と、スラッジブランケット部Sと濃縮部Z2とを仕切る中間底板23と、中間底板23上に堆積した重量物を掻き寄せる掻き寄せ機構51と、掻き寄せ機構で掻き寄せられた重量物を排出する排出機構61とを備えていることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、凝集沈殿処理装置に関する。
従来、廃水処理の有力な手段の一つとして、特許文献1のように、流入水を受け入れる内筒が沈殿槽内に立設されているフロックゾーン型(「スラッジブランケット型」、「フロックブランケット型」と称することもある)の凝集沈殿槽が知られている。この凝集沈殿槽では、内筒の内側はフロックを上昇させる流動層が形成されて凝集反応が行われるフロック成長ゾーンとなり、内筒の外側はフロックが沈降するフロック沈降ゾーンとなり、フロック成長ゾーンで上昇しながら成長されたフロックは、内筒の外側へ越流することによりフロック沈降ゾーンに流入する。フロック沈降ゾーンの下部には汚泥を濃縮する汚泥濃縮部が設けられている。
特許第5085609号公報
ところで、凝集沈殿槽に流入する流入水に砂や比重の重い固形物等の重量物が含まれる場合、これら重量物は内筒の外側へ越流できず、内筒の内側で沈降し、内筒の底部に蓄積されることがある。しかしながら、流入水は内筒内で下部から上昇するため、内筒の底部に重量物が蓄積されると、成長ゾーンでの流動性が悪くなり、凝集効果が低減するおそれがある。
そこで、本発明は、流入水に砂等の重量物が含まれている場合であっても、スラッジブランケット部の流動状態を保ち、良好な凝集効果を維持できる凝集沈殿装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る凝集沈殿処理装置は、原水に含まれる固形物を捕捉し、凝集する凝集沈殿処理装置において、原水が流入し、固形物を捕捉するスラッジブランケットを備えたスラッジブランケット部と、スラッジブランケットで発生した余剰スラッジをスラッジブランケット部の下方で濃縮する濃縮部と、スラッジブランケット部と濃縮部とを仕切る中間底板と、中間底板上に堆積した重量物を掻き寄せる掻き寄せ機構と、掻き寄せ機構で掻き寄せられた重量物を排出する排出機構と、を備えたことを特徴とする。
上記の凝集沈殿処理装置によれば、スラッジブランケット部に流入する原水に砂等の重量物が含まれ、中間底板上に重量物が沈降したとき、掻き寄せ機構により重量物が掻き寄せられる。掻き寄せ機構により掻き寄せられた重量物は、排出機構により凝集沈殿処理装置外へ排出される。したがって、スラッジブランケット部に流入する原水に重量物が含まれたとしても、スラッジブランケット部の流動状態が保たれ、良好な凝集効果が維持され得る。
また、上記の凝集沈殿処理装置では、掻き寄せ機構は重量物を中間底板の外側に掻き寄せるように設けられ、排出機構は中間底板の外側に備えられてもよい。重量物を外部に排出するためには、凝集沈殿処理装置の外部に重量物を移動させる必要がある。上記の構成によれば、排出機構は中間底板の外側に設けられているため、重量物を外部に排出するための手段を別途設けない又は小型化することが可能となるので、排出機構を簡単な構造にすることができる。
また、上記の凝集沈殿処理装置では、掻き寄せ機構は、重量物を中間底板の中央側に掻き寄せるように設けられ、排出機構は中間底板の中央側に備えられてもよい。この構成によれば、掻き寄せ機構は、中間底板の中央側に重量物を掻き寄せる。この場合、排出機構を外側に設けた場合と比較すると、各重量物を排出するためには、各重量物を中央側に集めればよいので、各重量物の排出機構までの掻き寄せ機構による移動距離を小さくするような設計、すなわち、掻き寄せ効率が向上する構成をより簡単に実現することができる。
また、上記の凝集沈殿処理装置では、スラッジブランケット部の下側で回転可能に設けられ、原水を分散させるディストリビュータを備え、掻き寄せ機構はディストリビュータに設けられてもよい。この構成によれば、掻き寄せ機構はディストリビュータに設けられて一緒に回転するため、設備構成を少なくすることができる。また、この場合、ディストリビュータを回転させる駆動源を利用して、掻き寄せ機構も動作させることができるため、省エネルギー効果を得ることができる。
また、上記の凝集沈殿処理装置では、スラッジブランケット部の下側で回転可能に設けられ、原水を分散させるディストリビュータを備え、掻き寄せ機構はディストリビュータとは離間して設けられてもよい。この構成によれば、掻き寄せ機構とディストリビュータとは離間しているため、それぞれの機能に基づいた設計を行い、個別に製造することができるため、例えばそれぞれの機能向上を考慮した構造を容易に実現することができる。また、掻き寄せ機構及びディストリビュータのそれぞれを簡単な構造とすることもできるため、容易に製造することも可能となる。
本発明によれば、スラッジブランケット部の流動状態を保ち、良好な凝集効果を維持できる凝集沈殿装置が提供される。
本発明の第1実施形態に係る凝集沈殿処理装置の概略構成を示す図である。 図1のII−II矢視図である。 (a)は、本発明の第2実施形態に係る凝集沈殿処理装置の概略構成を示す図であり、(b)は、図3(a)のIIIb−IIIb矢視図である。 (a)は、本発明の第3実施形態に係る凝集沈殿処理装置の概略構成を示す図であり、(b)は、図4(a)のIVb−IVb矢視図である。 (a)は、本発明の第4実施形態に係る凝集沈殿処理装置の概略構成を示す図であり、(b)は、図5(a)のVb−Vb矢視図である。
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態を詳細に説明する。なお、図面の説明においては同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る凝集沈殿処理装置101の概略構成を示す図である。また、図2は、凝集沈殿処理装置101のII−II線矢視図である。本実施形態に係る凝集沈殿処理装置は、所謂「スラッジブランケット型」と称される凝集沈殿槽を有している。スラッジブランケット型凝集沈殿槽は、槽内に上昇水流による凝集フロックの流動層を形成し、その流動層内に、新たに生成したフロックを通過させるものである。このとき、小さなフロックは、流動層における大きなフロックに捕捉されて大きくなり、沈降速度が速まる。これにより、スラッジブランケット型凝集沈殿槽への流入水は、処理水と汚泥に分離され、それぞれ槽外に排出される。以下、フロックは、凝集フロック、汚泥、固形物と称されることがある。
図1に示す凝集沈殿処理装置101は、凝集フロックを含む流入水を導入し、スラッジブランケット部Sに形成されたスラッジブランケットにおいて、凝集フロックを成長させた後、固形物としての凝集フロックと処理水とを分離する機能を有する。凝集沈殿処理装置101に導入される流入水は、有機性排水等の原水に対して、例えばPAC(ポリ塩化アルミニウム)等の無機凝集剤と、例えばアニオン系ポリマー等の高分子凝集剤と、が供給されたものとすることができる。原水に対して凝集剤を混合させることで、凝集フロックが生成される。
本実施形態の凝集沈殿処理装置101は、図1に示すように、有底円筒状の下筒水槽1と、この下筒水槽1の上方に設けられた有底円筒状の上筒水槽2と、を備える。この凝集沈殿処理装置101にあっては、上筒水槽2の底部が下筒水槽1の底部から上方に所定長離隔しており、2重水槽構造を呈している。なお、本実施形態では、下筒水槽1及び上筒水槽2を円筒状としているが、角筒状であっても良い。
下筒水槽1と上筒水槽2とは軸線Lに沿って同軸に配置されている。そして、下筒水槽1と上筒水槽2とは、下筒水槽1及び上筒水槽2の外周の一部に設けられて、軸線Lに沿って上下方向に延びる流路3によって接続されている。流路3は、上筒水槽2の側壁21の外方において、下筒水槽1の側壁11に形成された開口12と、上筒水槽2の側壁21に設けられた開口22と、を囲うように上下方向に延びる流路壁31によって形成される。なお、下筒水槽1及び上筒水槽2の外周のうち流路3が形成されていない領域では、下筒水槽1の側壁11及び上筒水槽2の側壁21が凝集沈殿処理装置101の外壁を形成する。
なお、図1に示す凝集沈殿処理装置101では、流路3の上方が開放されている構成について示しているが、閉じた構成であってもよい。また、流路3は、上筒水槽2の側壁21に設けられた開口22と下筒水槽1の開口12とを接続している例を示しているが、上筒水槽2の径が下筒水槽1よりも小さい等の場合には、流路3の形状を適宜変更することができる。
また、下筒水槽1と上筒水槽2との間には、上筒水槽2の底部を形成する中間底板23が設けられる。この中間底板23は、下筒水槽1の天面となる。
凝集沈殿処理装置101の軸線L上には、センターシャフト40が配置されている。センターシャフト40の外側には、センターシャフト40を囲むようにフィードパイプ41が設けられている。フィードパイプ41は、流入水配給管42に連結されている。流入水配給管42は、凝集沈殿処理装置101の外壁を形成する上筒水槽2の側壁21を貫通して外側に突き出し、上流側と接続されている。流入水配給管42の内部とフィードパイプ41の内部とは連通している。
フィードパイプ41は、上下方向で上部41aと下部41bとに分けられており、上部41aと下部41bとの間は、ラビリンス構造等のロータリジョイント43により接続されている。フィードパイプ41は、その上部41aの側面で流入水配給管42と接続されており、フィードパイプ41の下部41bには、分散管(ディストリビュータ)44が設けられている。
分散管44には、複数の流入水吐出口44aが形成されている。分散管44は、流入水吐出口44aを上筒水槽2の底部を形成する中間底板23側に向けた状態でセンターシャフト40とともに回転する。このとき、フィードパイプ41の下部41bは、分散管44と一緒に回転する。なお、分散管44は回転軸の軸ブレを防止するために、分散管44は、軸線Lに対して点対称となるように配置される。本実施形態では、フィードパイプ41から突出する2つの分散管44b,44cが軸線Lを通る直線上に配置されている場合について説明する。
センターシャフト40は、ロータリジョイント等により中間底板23と接続され、さらに下方へ延びる。センターシャフト40の下端には、濃縮汚泥掻き寄せ機46が設けられている。センターシャフト40の回転に伴って濃縮汚泥掻き寄せ機46も回転する。濃縮汚泥掻き寄せ機46は、凝集沈殿処理装置101の外壁を形成する下筒水槽1の底面13上に設けられ、底面13に堆積した濃縮汚泥を中央に掻き寄せる。掻き寄せられた濃縮汚泥は、排出口14から外方に排出する。
凝集沈殿処理装置101では、上筒水槽2内の開口22よりも下側の領域はスラッジブランケット部Sとして機能する。また、上筒水槽2の開口22と下筒水槽1の開口12とを接続する流路3内は、汚泥(スラッジブランケットで発生した余剰スラッジ)を沈降する沈降ゾーンZ1として機能する。また、下筒水槽1内の濃縮汚泥掻き寄せ機46が設けられている領域は、余剰スラッジを濃縮する濃縮ゾーンZ2(濃縮部)として機能する。上記の沈降ゾーンZ1及び濃縮ゾーンZ2は、余剰スラッジを外部に排出するための汚泥排出部として機能する。スラッジブランケット部Sと濃縮ゾーンZ2とは、中間底板23により仕切られて隣接している。
本実施形態に係る凝集沈殿処理装置101は、中間底板23上に堆積した重量物を掻き寄せる掻き寄せ機構51と、掻き寄せ機構51で掻き寄せられた重量物を凝集沈殿処理装置101の外部へ排出する排出機構61と、を備える。なお、重量物とは、中間底板23上に沈降した砂や比重の重い汚泥等をいう。このような重量物はスラッジブランケット部Sに形成されている流動層によって上昇できないため、中間底板23上に沈降し堆積する。
掻き寄せ機構51は、分散管44の下側に設けられ、重量物を中間底板23の外側方向X1に掻き寄せるように設けられている。
図1及び図2に示すように、掻き寄せ機構51は、分散管44の下面側に取り付けられた複数の掻き寄せ羽根51a〜51fにより構成される。複数の掻き寄せ羽根51a〜51fは、2つの分散管44b、44cに対して分散して取り付けられる。すなわち、掻き寄せ羽根51a〜51cは分散管44bに対して取り付けられ、掻き寄せ羽根51d〜51fは分散管44cに対して取り付けられる。分散管44が駆動源Mにより軸線Lを中心として方向Hに向けて回転するとき、掻き寄せ羽根51a〜51fも一緒に方向Hに向けて回転する。掻き寄せ羽根51a〜51fを、2つの分散管44b,44cに対して分散して取り付け、その数を同一とすることで、回転時の軸ブレを防止することができる。なお、軸にかかる荷重が偏らないように掻き寄せ羽根を配置した場合、軸ブレをさらに少なくすることができる。
掻き寄せ羽根51a〜51fは、それぞれ鉛直方向で延びる板状をなし、その上端は分散管44下面側に接続し、下端は中間底板23へ向かって延びている。掻き寄せ羽根51a〜51fは、上筒水槽2の大きさやフロックの性状により適宜変更されるが、それぞれ中間底板23に対向する主面下端部の幅(水平方向の長さ)は、50cm〜150cm程度とされる。また、掻き寄せ羽根51a〜51fの主面の高さ(垂直方向の長さ)は、中間底板23と分散管44との距離によって決定される。そして、中間底板23と分散管44との距離は、分散管44の流入水吐出口44aからの吐出流速によって決定される。掻き寄せ羽根51a〜51fの下端と中間底板23との距離は、1cm〜10cm程度とすることが望ましい。また、中間底板23と分散管44との距離は、例えば流入水吐出口44aからの吐出流速が0.3m/sec〜0.7m/secである場合に、50mm〜300mm程度とすることが望ましい。中間底板23と分散管44との距離が短い場合、吐出流速が速くなると抵抗が大きくなり、流入水を流入水吐出口44aから十分に噴出できない場合がある。この場合、前段の水槽やフィードパイプ41の上から流入水が溢れ出される可能性がある。そのため、流入水の吐出流速に応じて中間底板23と分散管44との距離を決定する必要がある。なお、掻き寄せ羽根51a〜51fの下端と中間底板23との距離を1cm〜10cm程度とすることで、比重の重い粒子の流動により、掻き寄せ羽根51a〜51fの下端と中間底板23との間にある粒子が撹拌され、粒子同士の接触(衝突)とフロック化を促進することができる。図2に示すように、掻き寄せ羽根51a〜51fは、流入水吐出口44aを塞がないように配置される。
また、掻き寄せ羽根51a〜51fは、中間底板23の径方向すなわち分散管44の長手方向に対し傾斜する。具体的には、板状の掻き寄せ羽根51a〜51fの主面のうち、H方向に分散管44が回転する際に上流側となる主面(前面部)が、側壁21側へ向くように傾斜して配置される。このとき、掻き寄せ羽根51a〜51fの前面部は、重量物に対し中間底板23上の外側へ移動させるような押力を付加する。ここで、フロックの性状や、濃縮濃度によるが、掻き寄せ羽根51a〜51fに係る分散管44の長手方向に対する傾斜角度は、例えば20°〜50°程度である。このような角度範囲とすることで、効率的に掻き寄せることができる。
分散管44の回転により、掻き寄せ羽根51a〜51fも一緒に回転する。このとき、掻き寄せ羽根51a〜51fの前面部は所謂レーキのように機能し、中間底板23上の重量物を外側へ掻き寄せる。分散管44は回転しながら流入水吐出口44aから流入水を噴出するため、中間底板23上のスラッジブランケット部Sでは流入水が螺旋状に上昇する流動層が形成される。この流動層による遠心力と掻き寄せ羽根51a〜51fの前面部による押力とが、重量物に対して付加される。したがって、重量物は、中間底板23上で渦巻状に近い移動軌跡を形成しながら徐々に外側に移動する。
なお、複数の各掻き寄せ羽根51a〜51fは、分散管44の回転により、それぞれ径方向に幅を有する同心円状の軌跡を描く。このとき、掻き寄せ羽根51a〜51fは、隣接する同心円状の軌跡が径方向で一部重複するように互いに配置される。具体的には、掻き寄せ羽根51dの軌跡は掻き寄せ羽根51cの軌跡と径方向で一部重複し、掻き寄せ羽根51cの軌跡は掻き寄せ羽根51eの軌跡と径方向で一部重複し、掻き寄せ羽根51eの軌跡は掻き寄せ羽根51bの軌跡と径方向で一部重複し、掻き寄せ羽根51bの軌跡は掻き寄せ羽根51fの軌跡と径方向で一部重複し、掻き寄せ羽根51fの軌跡は掻き寄せ羽根51aの軌跡と径方向で一部重複するように、掻き寄せ羽根51a〜51fが配置される。したがって、中間底板23上に堆積した重量物は、中央側から掻き寄せ羽根51d−掻き寄せ羽根51c−掻き寄せ羽根51e−掻き寄せ羽根51b−掻き寄せ羽根51f−掻き寄せ羽根51aとの順に配列されている掻き寄せ羽根51a〜51fのいずれかによって、徐々に外側へ押される。
このように、重量物が掻き寄せ羽根51a〜51fによって徐々に押される場合、スラッジブランケット部Sの流動層により発生した遠心力のみによっては外側へ移動できない重量物も確実に中間底板23の外側へ掻き寄せられる。そして、掻き寄せ羽根51a〜51fにより掻き寄せられた重量物は、中間底板23の外側に設けられた排出機構61により外部へ排出される。
排出機構61は、中間底板23の外側に設けられて重量部を受け入れる溝部61aと、溝部61aと外部とを接続する排出管61bと、排出管61bを介した重量物の排出を促進するポンプ61cと、を有する。なお、排出機構61が中間底板23の外側に設けられているとは、排出機構61のうち、溝部61aが中間底板23の外側に設けられていることをいい、排出機構61の他の部材は、中間底板23の外側とは異なる位置に配置することができる。
本実施形態では、溝部61aは、軸線Lを挟んで流路3と対向する位置において、中間底板23の外周の一部が下筒水槽1側へ凹んでいるように形成されている。溝部61aは、上筒水槽2に向かって開口し、この開口部から重量物を受け入れ貯留するように設けられている。溝部61aは、側壁21と、中間底板23よりも下方に突出するL字状の壁23aとによって形成される。溝部61aの側壁21側には排出管61bを介してポンプ61cが接続されている。ポンプ61cの駆動により、掻き寄せ羽根51a〜51fにより掻き寄せられた重量物は、溝部61aから排出管61bを介して外部に排出される。なお、重量物の引き抜き量は、ポンプ61cの駆動等により制御することができるが、スラッジブランケットの界面の高さ位置が低くならない程度に制御することが好ましい。
以下、本実施形態に係る凝集沈殿処理装置101の凝集沈殿方法について説明する。本実施形態に係る凝集沈殿処理装置101では、凝集剤が添加された原水が流入水として、流入水配給管42を経て、フィードパイプ41に導入される。フィードパイプ41に導入された流入水は、フィードパイプ41の内を下方に向けて流動し、分散管44で分かれて流入水吐出口44aから噴出する。流入水は、スラッジブランケット部Sに対してほぼ均等に供給され、流入水の上昇流により流動層を形成する。流入水に含まれた小さいフロックは、流動層で上昇する過程で、凝集フロックと接触して捕集され、粒子径が大きく成長する。このように、流入水は、スラッジブランケット部Sを上昇しながらフロックを成長させる。
スラッジブランケット部Sの上方に集まったフロックの一部は、流入水による流動層により上筒水槽2の側壁21側に移動し、開口22から流路3側へ方向Fに沿って越流することで沈降ゾーンZ1に流れ込む。ここで、越流とは、大きく且つ重くなったフロックが、開口22から側壁21を超えて沈降ゾーンZ1へ溢れ出されることをいう。
スラッジブランケット部Sを通過した処理水は、流入水の上昇流によって上昇し、上筒水槽2の上部から外部へ排出される。一方、開口22から流路3側へ越流した凝集フロックは、余剰スラッジとして、沈降ゾーンZ1に流れ込み、沈降される。
沈降ゾーンZ1は、越流して流れ込んだ凝集フロック(汚泥)を沈降する。ここで、スラッジブランケット部Sから越流して流れ込んだ凝集フロックは、比重が水より大きいので、流路3内を沈降し、開口12から下筒水槽1内へ導入される。下筒水槽1の底面13上に沈降して堆積した凝集フロックは、濃縮されて濃縮汚泥になり、濃縮ゾーンZ2に設けられた濃縮汚泥掻き寄せ機46の回転により、中央部に掻き寄せられ、排出口14から外方に排出される。
ここで、本実施形態に係る凝集沈殿処理装置101では、掻き寄せ機構51と排出機構61とを備えていることにより、スラッジブランケット部Sの底面である中間底板23上に堆積した重量物を外部へ排出する。この重量物は、分散管44の流入水吐出口44aから噴出された流入水に含まれた砂や比重が重い固形物等に由来する。重量物は、重量が重くスラッジブランケット部Sに形成された上昇水流による流動層によって上昇できないため、中間底板23上に沈降する。このとき、分散管44に取り付けられた掻き寄せ機構51は、分散管44と一緒に回転しながら、重量物を中間底板23の外側へ掻き寄せる。重量物は外側へ掻き寄せられた後、排出機構61の溝部61aに導入され、ポンプ61cの駆動により排出管61bを経て凝集沈殿処理装置101外へ排出される。
以上のように、本実施形態に係る凝集沈殿処理装置101によれば、分散管44からスラッジブランケット部Sに流入する流入水に砂等の重量物が含まれ、中間底板23上に重量物が沈降したとき、掻き寄せ機構51により重量物が中間底板23の外側へ掻き寄せ、排出機構61により外部に排出することができる。
従来の凝集沈殿処理装置では、掻き寄せ機構及び排出機構のように、スラッジブランケット部Sにおいて重量物を外部に排出する機構を備えていなかった。この場合、スラッジブランケット部Sに流入する流入水に重量物が含まれていると分散管44が埋まるところまで重量物が堆積し続け、分散管44が閉塞する可能性があった。分散管44の閉塞が生じると、スラッジブランケット部S内の流れに偏りが生じることから、処理水質が悪化することが考えられる。また、重量物が中間底板23に堆積すると、スラッジブランケット部Sの流動性が低下する可能性も考えられる。したがって、従来は、重量物がスラッジブランケット部Sの下部に滞留しないように、分散管44からの流入水の流速を高めたり、分散管44の回転速度を速めたりしていた。しかし、このような制御は、いずれも流入水がスラッジブランケット部S内を移動する時間を短くするため、処理水質の低下を引き起こす可能性がある。これに対して、本実施形態に係る凝集沈殿処理装置101によれば、掻き寄せ機構51及び排出機構61を備えることにより、スラッジブランケット部Sに流入する流入水に重量物が含まれたとしても、分散管44からの流入水の流速の調整等を行うことなく、スラッジブランケット部Sの流動状態を保つことができるため、良好な凝集効果が維持され得る。
また、掻き寄せ機構51が分散管44に対して取り付けられている場合、分散管44を回転させることにより、同時に掻き寄せ機構51を動作させることができる。また、掻き寄せ機構51と分散管44とを一体的に構成することで、設備の構成を少なくすることができる。その結果、設備のコストが低減されるとともに、設備をコンパクトにすることも可能となる。また、分散管44を駆動させる駆動源を利用して掻き寄せ機構51を動作させることができるため、より少ないエネルギーで重量物の排出を実現することができる。
(第2実施形態)
以下、第2実施形態に係る凝集沈殿処理装置102について説明する。
図3(a)は、本発明の第2実施形態に係る凝集沈殿処理装置102の概略構成を示す図であり、(b)は、凝集沈殿処理装置102のIIIb−IIIb線矢視図である。第2実施形態に係る凝集沈殿処理装置102は、第1実施形態に係る掻き寄せ機構51及び排出機構61に代えて、掻き寄せ機構52及び排出機構62を備える点以外は、第1実施形態と同様な構成を有する。したがって、第1実施形態と同様な構成についての説明は省略する。
図3(a)及び(b)に示されるように、掻き寄せ機構52は、分散管44の下側に設けられ、重量物を中間底板23の中央側に掻き寄せるように設けられている。掻き寄せ機構52により掻き寄せられた重量物は、方向X2に移動する。
掻き寄せ羽根52a〜52fは、第1実施形態に係る掻き寄せ羽根51a〜51fと同様に、板状の部材からなり、分散管44の下方に取り付けられる。このとき、掻き寄せ羽根52a〜52fは、中間底板23の径方向すなわち分散管44の長手方向に対し傾斜するが、傾斜方向が第1実施形態に係る掻き寄せ羽根51a〜51fとは異なり、H方向に分散管44が回転する際に上流側となる主面(前面部)が、軸線L側へ向くように傾斜して配置される。このとき、掻き寄せ羽根52a〜52fの前面部は、重量物に対し中間底板23上の中央側(軸線L側)へ移動させるような押力を付加する。ここで、フロックの性状や、濃縮濃度によるが、掻き寄せ羽根51a〜51fに係る分散管44の長手方向に対する傾斜角度は、例えば20°〜50°程度である。このような角度範囲とすることで、効率的に掻き寄せることができる。
分散管44の回転により、掻き寄せ羽根52a〜52fも一緒に回転する。このとき、掻き寄せ羽根52a〜52fの前面部は中間底板23上の重量物を中央側へ掻き寄せる。したがって、重量物は、中間底板23上で渦巻状に近い移動軌跡を形成しながら徐々に中央側に移動する。
なお、複数の各掻き寄せ羽根52a〜52fは、分散管44の回転により、それぞれ径方向に幅を有する同心円状の軌跡を描く。このとき、掻き寄せ羽根52a〜52fは、第1実施形態に係る掻き寄せ羽根51a〜51fと同様に、隣接する同心円状の軌跡が径方向で一部重複するように互いに配置される。これにより、中間底板23上に堆積した重量物は、外側から掻き寄せ羽根52a−掻き寄せ羽根52f−掻き寄せ羽根52b−掻き寄せ羽根52e−掻き寄せ羽根52c−掻き寄せ羽根52dとの順に配列されている掻き寄せ羽根52a〜52fのいずれかによって、徐々に中央側へ押される。
排出機構62は、中間底板23の中央側であってフィードパイプ41の下方に設けられている。この排出機構62は、中間底板23の中央部に設けられて重量物を受け入れる溝部62aと、溝部62aと外部とを接続する排出管62bと、排出管62bを介した重量物の排出を促進するポンプ62cと、を有する。溝部62aは、中間底板23の中央部が下筒水槽1側に凹んでいるように形成されている。溝部62aは、上筒水槽2に向かって開口し、この開口部から重量物を受け入れ貯留するように設けられている。溝部62aの側壁には、排出管L2を介してポンプ62cが接続されている。このような排出機構62により、掻き寄せ機構52によって中間底板23の中央側に掻き寄せられた重量物は、外部へ排出される。なお、排出機構62が中間底板23の中央側に設けられているとは、排出機構62のうち、溝部62aが中間底板23の中央側に設けられていることをいい、排出機構62の他の部材は、中間底板23の中央側とは異なる位置に配置することができる。
本実施形態に係る凝集沈殿処理装置102において、掻き寄せ機構52と排出機構62との動作について説明すると、分散管44が回転すると掻き寄せ機構52も一緒に回転する。このとき、スラッジブランケット部Sの底面である中間底板23上に堆積した重量物は、掻き寄せ機構52の掻き寄せ羽根52a〜52fにより中間底板23の中央側に徐々に掻き寄せられる。掻き寄せられた重量物は、中間底板23の中央部に位置する溝部62aに導入される。溝部62aに流入した重量物は、排出管62bとポンプ62cにより外部へ排出される。
以上のように、第2実施形態に係る凝集沈殿処理装置102によれば、分散管44が回転することによって、掻き寄せ機構52が中間底板23上に堆積した重量物を中央側に掻き寄せる。掻き寄せられた重量物は、中央部に設けられた排出機構62の溝部62aに流入した後、排出管62bとポンプ62cにより外部へ排出される。第1実施形態に係る凝集沈殿処理装置101のように排出機構61が中間底板23の外周の一部に設けられているため、例えば重量物が掻き寄せ機構51により中間底板23の外周のうち、排出機構61の溝部61aが設けられた位置とは異なる位置に掻き寄せられた場合、重量物を外部に排出するためには、掻き寄せ機構51によって排出機構61の溝部61aまで引き続き移動させる必要がある。そのため、重量物によっては、排出機構61の溝部61aまでの移動距離が長くなることが考えられる。これに対して、本実施形態に係る凝集沈殿処理装置102では、中間底板23上の重量物の位置に関係なく、掻き寄せ機構52により中央側へ重量物を移動させれば、中央側に設けられた排出機構62の溝部62aから外部へ重量物を排出することができる。したがって、中間底板23上の各重量物の溝部62aまでの移動距離が長くなることを防止することができる。このように、排出機構62を中間底板23の中央側に設けることで、重量物の排出機構62までの移動距離を小さくするような設計、すなわち、掻き寄せ効率が向上する構成をより簡単に実現することができる。
(第3実施形態)
以下、第3実施形態に係る凝集沈殿処理装置103について説明する。
図4(a)は、本発明の第3実施形態に係る凝集沈殿処理装置103の概略構成を示す図であり、(b)は、凝集沈殿処理装置103のIVb−IVb線矢視図である。第3実施形態に係る凝集沈殿処理装置103は、第1実施形態に係る掻き寄せ機構51及び排出機構61に代えて掻き寄せ機構53及び排出機構63を備えている点以外は、第1実施形態と同様な構成を有する。したがって、第1実施形態と同様な構成についての説明は省略する。なお、排出機構63を構成する溝部63a、排出管63b、及びポンプ63cは、第1実施形態に係る排出機構61と同様である。そのため、排出機構63についての説明も省略する。
第3実施形態に係る掻き寄せ機構53は、分散管44とは別体で離間して設けられているが、両方とも同じ駆動源Mにより回転される。具体的に説明すると、掻き寄せ機構53は、センターシャフト40に取り付けられて、径方向に延びる2本のロッド53h,53iと、ロッド53h,53iの下側に取り付けられた掻き寄せ羽根53a〜53fとを有する。ロッド53h,53iは、軸線Lに対して点対称となるように、軸線Lを通る直線状に延びるように配置される。また、一方のロッド53hには、3つの掻き寄せ羽根53a〜53cが取り付けられると共に、一方のロッド53iには、3つの掻き寄せ羽根53d〜53fが取り付けられる。このように掻き寄せ羽根の数を同一とすることで、回転による軸ブレを防止している。なお、回転時の軸ブレを防止できる範囲で、掻き寄せ機構53と分散管44との位置関係は特に限定されない。
掻き寄せ羽根53a〜53fは、第1実施形態に係る掻き寄せ羽根51a〜51fと同様な構成を有する。すなわち、掻き寄せ羽根53a〜53fは、中間底板23上に堆積した重量物を徐々に外側へ掻き寄せるように、ロッド53h,53iに対して傾斜して設けられている。ここで、掻き寄せ羽根53a〜53fについての具体的な説明は省略する。
第3実施形態に係る掻き寄せ機構53と排出機構63とについて説明すると、センターシャフト40の回転に伴ってロッド53h,53iが回転する。よって、ロッド53h,53iに取り付けられた掻き寄せ羽根53a〜53fも一緒に回転する。このように掻き寄せ機構53が回転するとき、中間底板23上に堆積した重量物は、徐々に外側へ掻き寄せられる。掻き寄せられた重量物は、中間底板23の外側に設けられた排出機構63の溝部63aに導入され、外部へ排出される。
この実施形態に係る凝集沈殿処理装置103では、掻き寄せ機構53と分散管44とは別体で離間されている。そのため、掻き寄せ機構53と分散管44とをそれぞれ個別の設計指標で設計することができるため、より柔軟な設備設計を行うことができる。また、掻き寄せ機構53と分散管44とは離間されているため、各設備の構造を簡単にすることができるため、容易に製造することもできる。また、掻き寄せ機構53と分散管44とは別体で離間されているため、分散管44又は掻き寄せ機構53のいずれかの設備に故障が出た場合、他の設備の使用に影響せずに、故障が出た設備を部分的に交換することができる。また、掻き寄せ機構53及び分散管44は同一の駆動源Mによって駆動され回転される。そのため、エネルギー利用率が高く、別途の駆動源を設ける必要がないため、設備をよりコンパクトに設けることができる。
なお、本実施形態に係る掻き寄せ機構53の掻き寄せ羽根53a〜53fの配置を、第2実施形態に係る掻き寄せ羽根52a〜52fと同様の傾斜とすることで、重量物を中央側へ掻き寄せることが可能となる。この場合、排出機構63を排出機構62と同様に中央側に配置する構成とすることで、中間底板23上に堆積した重量物は、掻き寄せ機構53により中央側へ掻き寄せられ、中央部に設けられた排出機構63の溝部63aに流入した後、排出管63bとポンプ63cにより外部へ排出される。このような構成では、第2実施形態の凝集沈殿処理装置102と同じように、中間底板23上の重量物の位置に関係なく、掻き寄せ機構53により中央側へ重量物を移動させれば、中央側に設けられた排出機構63から外部へ重量物を排出することができる。したがって、中間底板23上の各重量物の溝部62aまでの移動距離が長くなることを防止することができる。このように、排出機構62を中間底板23の中央側に設けることで、重量物の排出機構62までの移動距離を小さくするような設計、すなわち、掻き寄せ効率が向上する構成をより簡単に実現することができる。
(第4実施形態)
以下、第4実施形態に係る凝集沈殿処理装置104について説明する。図5(a)は、本発明の第4実施形態に係る凝集沈殿処理装置104の概略構成を示す図であり、(b)は、凝集沈殿処理装置104のVb−Vb線矢視図である。第4実施形態に係る凝集沈殿処理装置104は、第3実施形態に係る掻き寄せ機構53及び排出機構63に代えて掻き寄せ機構54及び排出機構64を備えている点以外は、第3実施形態と同様な構成を有する。したがって、第3実施形態と同様な構成についての説明は省略する。なお、排出機構64を構成する溝部64a、排出管64b、及びポンプ64cは、第3実施形態に係る排出機構63及び第1実施形態に係る排出機構61と同様である。そのため、排出機構64についての説明も省略する。
第4実施形態に係る掻き寄せ機構54は、第3実施形態に係る掻き寄せ機構53と同様に、分散管44とは別体で離間して設けられていて、両方とも同じ駆動源Mにより回転される。ただし、掻き寄せ機構54の形状は、掻き寄せ機構53と異なる。具体的には、掻き寄せ機構54は、縦辺54aと横辺54bとにより形成されたL字型の部材である複数のL字部材54cを有する。縦辺54aは、フィードパイプ41の下部41bに設けられる。また、横辺54bは、縦辺54aの下端から、径方向且つ水平方向に延びる長尺状の板である。横辺54bの下端部と中間底板23との距離は1cm〜10cm程度とされる。横辺54bの下端と中間底板23との距離を1cm〜10cm程度とすることで、比重の重い粒子の流動により、横辺54bの下端と中間底板23との間にある粒子が撹拌され、粒子同士の接触(衝突)とフロック化を促進することができる。また、横辺54bの高さ(幅)は、掻き寄せ機構54の回転速度、流入水の特性等に応じて適宜設定される。本実施形態では、2つのL字部材54cが、軸線Lを挟んで点対称となるように配置される。なお、回転時の軸ブレを防止できる範囲で、掻き寄せ機構54と分散管44との位置関係は特に限定されない。
掻き寄せ機構54は、分散管44の回転に伴って回転可能となっている。掻き寄せ機構54は回転することにより、横辺54bにより重量物を外側へ掻き寄せる。掻き寄せられた重量物は、中間底板23の外側に設けられた排出機構64により外部へ排出される。
本実施形態に係る凝集沈殿処理装置104によれば、掻き寄せ機構54が回転するとき、L字部材54cの横辺54bは長尺状の板状をなすため、中間底板23上の流入水も重量物と一緒に押される。
以上、本発明をその実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変更を行うことができる。
例えば、凝集沈殿処理装置101,102,103において、掻き寄せ機構51,52,53として、1つの分散管に3つの掻き寄せ羽根が取り付けられている場合について説明したが、掻き寄せ羽根の数は適宜変更することができる。また、板状の掻き寄せ羽根の形状についても変更することができる。上記実施形態では、掻き寄せ羽根が略長方形状である場合について説明したが、重量物の掻き寄せに対する負荷が大きい場合には、流入水の移動が可能となるように開口を設けたり、下端側に溝を設けたりすることもできる。また、板状の掻き寄せ羽根の一部(例えば下側)を折り曲げたりしてもよい。また、複数の掻き寄せ羽根のそれぞれについて、配置や形状を変更してもよい。
同様に、凝集沈殿処理装置104の掻き寄せ機構54のうち、L字部材54cの数や、重量物を掻き寄せる横辺54bの形状についても適宜変更することができる。例えば、横辺54bは、水平方向に延びていなくてもよく、中間底板23に対して傾斜していてもよい。また、上記実施形態では、横辺54bが長尺状の板である場合について説明したが、横辺54bの端部が曲げられていてもよい。また、横辺54bの幅が端部に向かうにつれて細くなる形状としてもよい。
また、凝集沈殿処理装置101,102において、掻き寄せ機構51,52は、分散管44の下側で鉛直方向で延びるように設けられているが、分散管44からの流入水の分散を阻害しない範囲であれば、鉛直方向に傾斜して設けられてもよい。
また、凝集沈殿処理装置103,104において、掻き寄せ機構53,54と分散管44とが同一の駆動源Mにより動作する構成について説明したが、互いに異なる駆動源を利用してもよい。この場合、分散管44の回転数と掻き寄せ機構53,54の回転数とが互いに異なる構成とすることができる。また、同一の駆動源を利用する場合であっても、いずれか一方に対してギアを介して駆動させる構成とし、ギアを適宜調整することで、分散管44の回転数と掻き寄せ機構53,54の回転数とを互いに異ならせる構成としてもよい。
また、凝集沈殿処理装置101,103,104において、排出機構61,63,64は、中間底板23において軸線Lを挟んで流路3に対向する位置に設けられているが、中間底板23の外側であれば、排出機構の位置を適宜変更することができる。さらに、排出機構は、中間底板23の外側に点在するように複数設けられてもよい。また、複数の溝部からの重量物が合流可能なように排出管を設ける構成としてもよい。このように、排出機構の形状等は適宜変更することができる。
また、排出機構61,62,63,64は、溝部と排出管とポンプとを有するが、適宜変更することもできる。例えば、ポンプを設けずに、溝部に移動した重量物の重量を利用して外部に排出する構成としてもよい。また、溝部を設けずにポンプが接続された排出管を設けることで、ポンプの駆動により重量物を選択的に排出する構成としてもよい。ただし、この構成は、分散管44からの流入水の上昇水流による流動層を乱すことが考えられるので、排出機構を中間底板23の中央側に設ける場合にのみ好適であると考えられる。
1…下筒水槽、2…上筒水槽、3…流路、11,21…側壁、23…中間底板、44…分散管(ディストリビュータ)、51,52,53,54…掻き寄せ機構、61,62,63,64…排出機構、101,102,103,104…凝集沈殿処理装置、S…スラッジブランケット部、M…駆動源、Z2…濃縮ゾーン(濃縮部)。

Claims (5)

  1. 原水に含まれる固形物を捕捉し、凝集する凝集沈殿処理装置において、
    前記原水が流入し、前記固形物を捕捉するスラッジブランケットを備えたスラッジブランケット部と、
    前記スラッジブランケットで発生した余剰スラッジを前記スラッジブランケット部の下方で濃縮する濃縮部と、
    前記スラッジブランケット部と前記濃縮部とを仕切る中間底板と、
    前記中間底板上に堆積した重量物を掻き寄せる掻き寄せ機構と、
    前記掻き寄せ機構で掻き寄せられた前記重量物を排出する排出機構と、を備える凝集沈殿処理装置。
  2. 前記掻き寄せ機構は、前記重量物を前記中間底板の外側に掻き寄せるように設けられ、前記排出機構は前記中間底板の外側に備えられている請求項1に記載の凝集沈殿処理装置。
  3. 前記掻き寄せ機構は、前記重量物を前記中間底板の中央側に掻き寄せるように設けられ、前記排出機構は前記中間底板の中央側に備えられている請求項1に記載の凝集沈殿処理装置。
  4. 前記スラッジブランケット部の下側で回転可能に設けられ、前記原水を分散させるディストリビュータを備え、前記掻き寄せ機構は前記ディストリビュータに設けられている請求項1〜3のいずれか一項に記載の凝集沈殿処理装置。
  5. 前記スラッジブランケット部の下側で回転可能に設けられ、前記原水を分散させるディストリビュータを備え、
    前記掻き寄せ機構は、前記ディストリビュータとは離間して設けられる請求項1〜3のいずれか一項に記載の凝集沈殿処理装置。
JP2015072125A 2015-03-31 2015-03-31 凝集沈殿処理装置 Active JP6328584B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015072125A JP6328584B2 (ja) 2015-03-31 2015-03-31 凝集沈殿処理装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015072125A JP6328584B2 (ja) 2015-03-31 2015-03-31 凝集沈殿処理装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016190210A true JP2016190210A (ja) 2016-11-10
JP6328584B2 JP6328584B2 (ja) 2018-05-23

Family

ID=57246198

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015072125A Active JP6328584B2 (ja) 2015-03-31 2015-03-31 凝集沈殿処理装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6328584B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018134619A (ja) * 2017-02-24 2018-08-30 オルガノ株式会社 凝集沈殿装置
JP2018140381A (ja) * 2017-02-24 2018-09-13 オルガノ株式会社 凝集沈殿装置
JP2018161635A (ja) * 2017-03-27 2018-10-18 住友重機械エンバイロメント株式会社 凝集沈殿処理装置
JP2018161636A (ja) * 2017-03-27 2018-10-18 住友重機械エンバイロメント株式会社 凝集沈殿処理装置
JP2021049529A (ja) * 2021-01-04 2021-04-01 住友重機械エンバイロメント株式会社 凝集沈殿処理装置
US11406919B2 (en) 2017-02-24 2022-08-09 Organo Corporation Flocculation and sedimentation apparatus

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5113474A (en) * 1974-04-19 1976-02-02 Ebara Infilco Kendakueki no zoryubunrisochi
JPH0672605U (ja) * 1993-03-29 1994-10-11 栗田工業株式会社 凝集沈殿装置
JPH09141006A (ja) * 1995-11-21 1997-06-03 Kurita Water Ind Ltd 凝集沈殿装置
JPH10202009A (ja) * 1997-01-17 1998-08-04 Kurita Water Ind Ltd 凝集沈殿装置
JP2007069189A (ja) * 2005-09-09 2007-03-22 Kurita Water Ind Ltd 沈殿槽
JP2010023009A (ja) * 2008-07-24 2010-02-04 Sumitomo Heavy Industries Environment Co Ltd 凝集沈殿装置及び凝集沈殿処理方法
JP2010274199A (ja) * 2009-05-28 2010-12-09 Sumitomo Heavy Industries Environment Co Ltd 凝集沈殿装置

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5113474A (en) * 1974-04-19 1976-02-02 Ebara Infilco Kendakueki no zoryubunrisochi
JPH0672605U (ja) * 1993-03-29 1994-10-11 栗田工業株式会社 凝集沈殿装置
JPH09141006A (ja) * 1995-11-21 1997-06-03 Kurita Water Ind Ltd 凝集沈殿装置
JPH10202009A (ja) * 1997-01-17 1998-08-04 Kurita Water Ind Ltd 凝集沈殿装置
JP2007069189A (ja) * 2005-09-09 2007-03-22 Kurita Water Ind Ltd 沈殿槽
JP2010023009A (ja) * 2008-07-24 2010-02-04 Sumitomo Heavy Industries Environment Co Ltd 凝集沈殿装置及び凝集沈殿処理方法
JP2010274199A (ja) * 2009-05-28 2010-12-09 Sumitomo Heavy Industries Environment Co Ltd 凝集沈殿装置

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018134619A (ja) * 2017-02-24 2018-08-30 オルガノ株式会社 凝集沈殿装置
JP2018140381A (ja) * 2017-02-24 2018-09-13 オルガノ株式会社 凝集沈殿装置
JP7025158B2 (ja) 2017-02-24 2022-02-24 オルガノ株式会社 凝集沈殿装置
US11406919B2 (en) 2017-02-24 2022-08-09 Organo Corporation Flocculation and sedimentation apparatus
JP2018161635A (ja) * 2017-03-27 2018-10-18 住友重機械エンバイロメント株式会社 凝集沈殿処理装置
JP2018161636A (ja) * 2017-03-27 2018-10-18 住友重機械エンバイロメント株式会社 凝集沈殿処理装置
JP2021049529A (ja) * 2021-01-04 2021-04-01 住友重機械エンバイロメント株式会社 凝集沈殿処理装置
JP7164788B2 (ja) 2021-01-04 2022-11-02 住友重機械エンバイロメント株式会社 凝集沈殿処理装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP6328584B2 (ja) 2018-05-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6328584B2 (ja) 凝集沈殿処理装置
CA2724169C (en) Improvements in feedwells
KR102034148B1 (ko) 응집 농축 기능이 포함된 심층구조의 슬러지 수집기 및 이를 포함하는 고탁도 폐수처리시스템
US20180008919A1 (en) Solids handling in water treatment systems and associated methods
US8562829B2 (en) Magnetic separation apparatus and waste water treatment apparatus
US11490587B2 (en) Two-tank weired reservoir and method of use
CN1440369A (zh) 泥浆快速脱水的设备和方法
WO2015141375A1 (ja) 凝集沈殿槽及び凝集沈殿システム
KR20150085268A (ko) 역경사적층흐름 구조를 갖는 역경사침전장치
KR101552506B1 (ko) 미생물 슬러지 농축장치
KR101531236B1 (ko) 협잡물 종합처리장치
JP2000117005A (ja) 凝集沈澱方法及び装置
JP2006198571A (ja) 沈澱装置
JP6826336B2 (ja) 凝集沈殿処理装置
JP6459716B2 (ja) 凝集沈殿処理装置
KR101228523B1 (ko) 슬러리 분리기
JP6858048B2 (ja) 凝集沈殿処理装置
CN202538428U (zh) 一种污泥浓缩机
JP2020157248A (ja) 凝集沈殿処理装置及び凝集沈殿処理装置の運転方法
JP6779812B2 (ja) 凝集沈殿装置
RU2503481C2 (ru) Способ регулирования возмущения шлама с сетчатой структурой
JP7164788B2 (ja) 凝集沈殿処理装置
JPS6229082B2 (ja)
JP6584981B2 (ja) 凝集沈殿処理装置及び凝集沈殿処理方法
CN109591223A (zh) 一种用于土壤中分离泥土与微塑料的分离装置

Legal Events

Date Code Title Description
A625 Written request for application examination (by other person)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A625

Effective date: 20170718

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180323

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180417

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180418

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6328584

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350