以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態に係るコンテナ型蓄電ユニットについて説明する。なお、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示したものではない。
また、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
(実施の形態)
まず、コンテナ型蓄電ユニット1の構成について、説明する。図1は、本発明の実施の形態に係るコンテナ型蓄電ユニット1の外観を示す斜視図である。図2は、本発明の実施の形態に係るコンテナ型蓄電ユニット1の内部の構成を示す斜視図である。図3は、本発明の実施の形態に係るコンテナ型蓄電ユニット1の機能構成を示すブロック図である。
コンテナ型蓄電ユニット1は、内部に人が立入可能なコンテナ内に1以上の蓄電素子を収納した設備である。具体的には、図1に示すように、コンテナ型蓄電ユニット1は、コンテナ10を備えている。また、図2及び3に示すように、コンテナ型蓄電ユニット1は、コンテナ10の内部に、複数の蓄電装置100(本実施の形態では、8つの蓄電装置101〜108)と、複数のパワーコンディショナ200(本実施の形態では、2つのパワーコンディショナ201、202)と、制御装置300とを備えている。
具体的には、コンテナ10は、対向して配置された2つのラック110を有し、1つのラック110に収容された複数の蓄電モジュール120によって、4つの蓄電装置100が構成されている。複数の蓄電モジュール120のそれぞれは後述する蓄電素子122を複数有している。
本実施の形態では、ラック110において、前後(X軸方向)に並ぶ一組の柱で区画される4つの領域それぞれに収容された12個(3個×4段)の蓄電モジュール120によって1つの蓄電装置100が構成されている。なお、各蓄電装置100が備える電力線及び信号線等の要素についての図示は省略されている。また、1つの蓄電装置100が備える蓄電モジュール120の数に特に限定はなく、例えば、1つのラック110に収容された全ての蓄電モジュール120によって1つの蓄電装置100が構成されてもよい。つまり、1つのラック110が、1つの蓄電装置100のために設けられてもよい。
また、図2において、ラック110の基本構成を明確にするために、手前側(X軸方向プラス側)のラック110は点線で簡易に図示されており、かつ、4つの蓄電装置100(105〜108)の図示は省略している。本実施の形態に係るラック110は、コンテナ10の枠体の一部を含む構造体であり、耐震性に優れる等の特徴を有している。ラック110についての詳細は、図7〜図10を用いて後述する。
ここで、コンテナ10内において蓄電装置100は複数設けられていなくともよく、1つの蓄電装置100しか設けられていない構成でもかまわない。また、パワーコンディショナ200についても同様に、1つのパワーコンディショナ200しか設けられていない構成でもかまわない。また、制御装置300については、複数の制御装置300が設けられている構成でもよい。
コンテナ10は、内部に人が立入可能な空間を有するコンテナである。つまり、コンテナ10は、内部の機器のメンテナンス時などに内部に人が立ち入れるほどの大きさを有する金属製の中空かつ直方体形状の箱体である。具体的には、コンテナ10は、複数の蓄電モジュール120を有する蓄電装置100を収納し、土地に自立して設置されている。なお、コンテナ10は、いわゆるシェルタなどの箱体や、トラックや列車などの輸送手段によって搬送可能な箱体なども含む概念である。
例えば、コンテナ10の一例として、蓄電装置100を収納するいわゆる専用コンテナのうち、建築物には該当しない専用コンテナが挙げられるが、これに限定されない。国住指第4846号では、このような建築物には該当しない専用コンテナは、蓄電素子122、その他蓄電素子122としての機能を果たすため必要となる設備、及びそれらの設備を設置するための空間その他の蓄電素子122としての機能を果たすため必要となる最小限の空間のみを内部に有していると定義されている。また、この場合、コンテナ10は、稼動時は無人であり、機器の重大な障害発生時等を除いて内部に人が立ち入らないこととされている。また、この場合、コンテナ10は、複数積み重ねられて使用されることはないと定義されている。
ここで、コンテナ10は、基本的な構成として、コンテナ10の骨組みを形成する枠体と、枠体に取り付けられた板状部材とを備えている。枠体は複数の柱及び梁等を有している。具体的には、コンテナ10は、それぞれが、枠体の一部と板状部材とで構成される、下壁部11と、側壁部12、13、14及び15と、上壁部16とを有している。また、コンテナ10は、内部に、コンテナ10内の空間を2つの部屋に仕切る間仕切壁17を有している。なお、コンテナ10の枠体については、図6を用いて後述する。
下壁部11は、コンテナ10の底部に配置された壁であり、底面を形成する矩形状の板状部材である床板と、当該床板の下方に配置された複数の梁とを有している。当該梁は、例えばX軸方向(またはY軸方向)に延びる長尺状部材であり、床板を下方から支えるとともに、当該床板を補強する。なお、床板及び梁の材質は特に限定されないが、金属等の強度の高い材質によって形成されているのが好ましい。
側壁部12、13、14及び15は、下壁部11から立設して配置されたコンテナ10の側壁であり、下壁部11の外縁に沿って、下壁部11を囲うように配置されている。側壁部12、13、14及び15のそれぞれは、側面を形成する矩形状の板状部材と、当該板状部材を補強する複数の柱とを有している。つまり、当該柱は、下壁部11の外縁に接続され、かつ、上下方向(Z軸方向、以下同じ)に延設された部材である。なお、当該板状部材及び柱の材質は特に限定されないが、金属等の強度の高い材質によって形成されているのが好ましい。
側壁部12は、コンテナ10の長側面のうちX軸方向プラス側の面(前面)に配置された壁であり、側壁部14は、コンテナ10の長側面のうちX軸方向マイナス側の面(背面)に配置された壁である。ここで、側壁部12には、開閉扉12aが設けられている。開閉扉12aは、蓄電装置100及び制御装置300を収容する部屋への出入口となる矩形状の扉であり、開閉可能に設置されている。つまり、側壁部12には、人が出入りできるほどの大きさの開口部が形成されており、開閉扉12aは、当該開口部を開閉可能に取り付けられている。
側壁部13は、コンテナ10の短側面のうちY軸方向プラス側の面に配置された壁であり、側壁部15は、コンテナ10の短側面のうちY軸方向マイナス側の面に配置された壁である。ここで、側壁部13には、開閉扉13aが設けられている。開閉扉13aは、パワーコンディショナ200を収容する部屋への出入口となる矩形状の扉であり、開閉可能に設置されている。つまり、側壁部13には、人が出入りできるほどの大きさの開口部が形成されており、開閉扉13aは、当該開口部を開閉可能に取り付けられている。
なお、図1に示される、開閉扉12a及び開閉扉13aそれぞれの位置は例示であり、これらの位置は、図1に示される位置に限定されない。例えば、開閉扉12aは、側壁部12において、図1に示される位置とは異なる位置に配置されてもよく、他の側壁部(例えば側壁部15)に配置されていてもよい。また、開閉扉13aが、例えば側壁部12に配置されていてもよい。
上壁部16は、コンテナ10の上部に配置された天井(屋根)を構成する壁であり、側壁部12、13、14及び15の上方に配置されている。つまり、上壁部16は、外縁が側壁部12、13、14及び15の上端に接続されて配置されている。また、上壁部16は、天面を形成する矩形状の板状部材と、当該板状部材を補強する複数の梁とを有している。当該梁は、例えばX軸方向(またはY軸方向)に延びる長尺状部材である。なお、当該板状部材及び梁の材質は特に限定されないが、金属等の強度の高い材質によって形成されているのが好ましい。
間仕切壁17は、蓄電装置100とパワーコンディショナ200との間に配置され、蓄電装置100が配置される空間とパワーコンディショナ200が配置される空間とを仕切る壁である。つまり、間仕切壁17は、側壁部13及び15と平行、かつ、下壁部11、側壁部12、14及び上壁部16の4つの壁に囲まれるように当該4つの壁に接して配置された矩形状の板状部材である。なお、間仕切壁17は、他の壁と同様に、柱または梁を有してもよい。
以上のように、コンテナ10を構成する壁部(下壁部11、側壁部12、13、14、15、上壁部16、及び間仕切壁17)は、板状部材を有している。当該板状部材は、波板など、どのような形状の部材であってもかまわないが、コンテナ10内の利用可能な容積を広げる等の観点から、平板状の部材であるのが好ましい。また、コンテナ10内の温度管理等の観点から、当該壁部は、内部に断熱材を有してもよい。
蓄電装置100は、後述の複数の蓄電素子122を有する蓄電モジュール120を複数備えた装置である。本実施の形態では、コンテナ10内において、2つのラック110を利用して、8つの蓄電装置100(蓄電装置101〜108)が構成されている。
これら8つの蓄電装置100は、蓄電装置101〜104で構成される第一系統と、蓄電装置105〜108で構成される第二系統との2つの系統に分かれて、配置されている。なお、第一系統及び第二系統のそれぞれでは、例えば、1つの蓄電装置100において直列に接続された12個の蓄電モジュール120が、4セット並列に接続されている。
ここで、側壁部14に沿って設けられたラック110と、側壁部12に沿って設けられたラック110との間に、機器の重大な障害発生時等に人が立入可能な空間が形成されている。つまり、第一系統の蓄電装置101〜104は、側壁部14の内側面に沿ってY軸方向に並んで配置されており、第二系統の蓄電装置105〜108は、側壁部12の内側面に沿ってY軸方向に並んで配置されている。これにより、第一系統の蓄電装置101〜104と第二系統の蓄電装置105〜108との間に当該空間が形成されている。
なお、系統の数、1系統に含まれる蓄電装置100の数、蓄電装置100が有する蓄電モジュール120の数、蓄電モジュール120が有する蓄電素子122の数、直列に接続される蓄電モジュール120(蓄電素子122)の数などは、一例であり、上記の数に限定されない。
パワーコンディショナ200は、コンテナ10の蓄電装置100とは反対側(Y軸方向プラス側)に、側壁部14に沿って配置される、外形が矩形状のパワーコンディショナ(Power Conditioning System:PCS)である。パワーコンディショナ200は、外部の電力系統と蓄電装置100とを繋ぎ、蓄電装置100への電力を交流から直流に変換したり、蓄電装置100からの電力を直流から交流に変換したりする交直変換装置である。
具体的には、図3に示すように、パワーコンディショナ200は、蓄電装置100に接続(つまり、制御装置300を介して複数の蓄電モジュール120、すなわち複数の蓄電素子122に接続)されるとともに、外部の電力系統(商用電力系統2及び電力負荷3など)に接続されている。そして、パワーコンディショナ200は、蓄電素子122の充電時に、当該電力系統から交流電力を受電した場合には、当該交流電力を直流電力に変換し、蓄電装置100へ送電する。また、パワーコンディショナ200は、蓄電装置100に貯蔵されている電力を電力系統に供給するために、蓄電装置100からの直流電力を交流電力に変換して、電力系統へ送電する。
ここで、本実施の形態では、2つのパワーコンディショナ200(パワーコンディショナ201、202)が設けられており、それぞれのパワーコンディショナ200は、電源線510、520及び制御装置300を介して、蓄電装置100の各系統に接続されている。電源線510、520は、蓄電装置100の充放電による電流が流れる配線(ケーブル)である。つまり、パワーコンディショナ201は、電源線510、520及び制御装置300を介して、第一系統の蓄電装置101〜104に接続され、パワーコンディショナ202は、電源線510、520及び制御装置300を介して、第二系統の蓄電装置105〜108に接続されている。これにより、蓄電装置101〜108の充放電が行われる。
なお、パワーコンディショナ200は、変圧器を介して、外部の電力系統と接続されているが、詳細な説明は省略する。また、パワーコンディショナ200の外形は、矩形状には限定されず、円柱形状など種々の形状が適用可能である。
図2に戻り、制御装置300は、蓄電装置100とパワーコンディショナ200との間に配置される外形が矩形状の装置であり、蓄電装置100を制御する。ここで、制御装置300は、間仕切壁17に沿って配置されている。具体的には、制御装置300は、間仕切壁17の蓄電装置100側に配置されている。つまり、間仕切壁17によって仕切られた2つの部屋のうちの一方の部屋(Y軸方向マイナス側の部屋)に、蓄電装置100と制御装置300とが収容され、他方の部屋(Y軸方向プラス側の部屋)にパワーコンディショナ200が収容されている。なお、蓄電装置100と制御装置300とは、機器の重大な障害発生時等に人が立入可能な空間が形成されるように、離間して配置されている。
ここで、制御装置300は、蓄電装置100の主回路を集合させ、並列接続し、パワーコンディショナ200と取り合うための中継の役割を担っている。また、制御装置300は、蓄電装置100が有する蓄電モジュール120(または蓄電素子122)の充電状態や放電状態等に関する情報(電圧、温度など)を取得して監視する。つまり、制御装置300には、当該情報を集合させてシステム全体の情報を取りまとめる監視装置が収納されている。また、制御装置300は、パワーコンディショナ200に対して充放電指令を行うことで、蓄電装置100が有する蓄電モジュール120(または蓄電素子122)を制御する。つまり、制御装置300には、充放電制御装置が収納されている。
具体的には、図3に示すように、制御装置300は、電源線510を介して、各系統に含まれる蓄電装置100(蓄電装置101〜108)と接続され、電源線520を介して、パワーコンディショナ200と接続されている。また、制御装置300は、通信線530を介して、各系統に含まれる蓄電装置100(蓄電装置101〜108)に接続されている。通信線530は、蓄電装置100からの情報、または蓄電装置100への情報を伝達する配線(ケーブル)である。これにより、蓄電装置100が有する蓄電モジュール120(または蓄電素子122)の充電状態及び放電状態等の情報が制御装置300に送られる。
また、制御装置300は、通信線540を介して、パワーコンディショナ200に接続されており、パワーコンディショナ200に充放電指令を送信し、蓄電装置100の充放電を制御する。通信線540は、パワーコンディショナ200からの情報、またはパワーコンディショナ200への情報を伝達する配線(ケーブル)である。つまり、パワーコンディショナ201及び202は、通信線540を介して送信された制御装置300からの充放電指令に従って、第一系統の蓄電装置101〜104及び第二系統の蓄電装置105〜108の充放電を制御する。
なお、制御装置300は、上記の充放電制御装置を有していない構成(いわゆる蓄電池集合盤)であってもかまわないし、さらに、上記の監視装置を有していない構成であってもかまわない。この場合、コンテナ型蓄電ユニット1は、充放電制御装置または監視装置を別体として有していてもよいし、有していない構成でもかまわない。
次に蓄電モジュール120の具体的な構成について、詳細に説明する。図4は、本発明の実施の形態に係る蓄電モジュール120の構成を示す斜視図である。具体的には、同図は、蓄電モジュール120の収容ケース121を透過して蓄電モジュール120の内部構成を示している。
蓄電モジュール120は、外部からの電気を充電し、また外部へ電気を放電することができる機器(電池モジュール)である。図4に示すように、蓄電モジュール120は、蓄電モジュール120の外装体を構成する収容ケース121と、収容ケース121内に収容された複数の蓄電素子122とを備えている。収容ケース121は、中空の直方体形状(箱型)の部材であり、複数の蓄電素子122を覆うように配置されている。収容ケース121は、絶縁を確保する等の観点から、樹脂等の絶縁性の材質によって形成されているのが好ましい。
なお、同図では、蓄電モジュール120は、12個の矩形状の蓄電素子122を備えているが、蓄電素子122の個数は12には限定されない。蓄電モジュール120は、少なくとも1つの蓄電素子122を有すればよい。また、蓄電素子122の形状も限定されず、円柱形状や長円柱形状などであってもよい。また、蓄電モジュール120は、蓄電素子122同士を電気的に接続するバスバー、及び、蓄電素子122間に配置されるスペーサなども備えているが、詳細な説明は省略する。
図5は、本発明の実施の形態に係る蓄電素子122の構成を示す斜視図である。具体的には、同図は、蓄電素子122の容器から容器本体122bを分離して、当該容器の内部を示した図となっている。
蓄電素子122は、電気を充電し、また、電気を放電することのできる二次電池であり、より具体的には、リチウムイオン二次電池などの非水電解質二次電池である。なお、蓄電素子122は、非水電解質二次電池には限定されず、非水電解質二次電池以外の二次電池であってもよいし、キャパシタであってもかまわない。
同図に示すように、蓄電素子122は、容器を構成する容器蓋体122a及び容器本体122bと、正極端子122cと、負極端子122dとを備え、容器内部には、正極集電体122eと、負極集電体122fと、電極体122gとが配置されている。なお、容器内部には電解液などの液体が封入されているが、当該液体の図示は省略する。
容器本体122bは、金属からなる矩形筒状で底を備える部材であり、容器蓋体122aは、容器本体122bの開口を閉塞する金属製の部材である。この容器本体122bの内部に電極体122g等が収容され、容器蓋体122aと容器本体122bとが溶接等されることにより、容器の内部が密封される。
電極体122gは、正極と負極とセパレータとを備え、電気を蓄えることができる発電要素である。具体的には、電極体122gは、正極と負極との間にセパレータが挟み込まれるように層状に配置されたものが巻回されて長円形状に形成された巻回型の電極体である。なお、電極体122gは、円形状または楕円形状などに形成されていてもよいし、正極と負極とセパレータとが積層された積層型の電極体であってもかまわない。
正極は、アルミニウムまたはアルミニウム合金などからなる長尺帯状の導電性の正極集電箔の表面に、正極活物質層が形成された電極板である。負極は、銅または銅合金などからなる長尺帯状の導電性の負極集電箔の表面に、負極活物質層が形成された電極板である。なお、正極活物質層に用いられる正極活物質、及び負極活物質層に用いられる負極活物質としては、リチウムイオンを吸蔵放出可能なものであれば、適宜公知の材料を使用できる。
正極端子122cは、正極集電体122eを介して、電極体122gの正極に電気的に接続された電極端子であり、負極端子122dは、負極集電体122fを介して、電極体122gの負極に電気的に接続された電極端子である。つまり、正極端子122c及び負極端子122dは、電極体122gに蓄えられている電気を蓄電素子122の外部空間に導出し、また、電極体122gに電気を蓄えるために蓄電素子122の内部空間に電気を導入するための金属製の電極端子である。
正極集電体122eは、電極体122gの正極と容器本体122bの側壁との間に配置され、正極端子122cと当該正極とに電気的に接続される導電性と剛性とを備えた部材である。なお、正極集電体122eは、当該正極の正極集電箔と同様、アルミニウムまたはアルミニウム合金などを主成分とする金属で形成されている。
負極集電体122fは、電極体122gの負極と容器本体122bの側壁との間に配置され、負極端子122dと当該負極とに電気的に接続される導電性と剛性とを備えた部材である。なお、負極集電体122fは、当該負極の負極集電箔と同様、銅または銅合金などを主成分とする金属で形成されている。
次に、コンテナ10が備える枠体20及びラック110の構成について、図7〜図10を用いて説明する。なお、以下では、コンテナ10が備える2つのラック110のうちの一方(X軸方向マイナス側)について図示及びその説明を行い、他方(X軸方向プラス側)のラック110についての図示及びその説明は省略する。
図6は、実施の形態に係るコンテナ10の枠体20の構成概要を示す斜視図である。図7は、実施の形態に係るラック110の構成概要を示す斜視図である。なお、図7では、ラック110の構成を明確に示すために、ラック110に収容された複数の蓄電モジュール120のうち、1つの蓄電装置100が有する12個の蓄電モジュール120のみを図示し、他の蓄電モジュール120の図示は省略されている。
図8は、実施の形態に係る枠体20に支持部材31が固定された状態を示す図である。なお、図8では、支持部材31と枠体20との関係を明確にするために、枠体20の一部を切り取って図示している。また、支持部材31が枠体20に固定される時点において、枠体20には、コンテナ10の外壁及び内壁を形成する板状部材が取り付けられた状態であってもよいが、図8では、支持部材31と枠体20との関係を明確にするために、これら板状部材の図示は省略されている。
図6に示すように、実施の形態に係るコンテナ10は、コンテナ10の骨組み(骨格)を形成する枠体20を備える。枠体20は、主要な構成要素として、複数の長尺状部材を有している。また、これら長尺状部材のそれぞれは、例えば他の2以上の長尺状部材と接続されている。これらの長尺状部材は、例えば、剛性の高い鋼材に曲げ加工等を施すことで作製される。なお、枠体20は、例えば「フレーム」または「フレーム構造体」と表現することもできる。また、図6に示される枠体20の構造は一例であり、例えば、2つの長尺状部材の間に斜めに配置される筋交い等の他の部材が、枠体20の一部としてコンテナ10に備えられてもよい。
具体的には、本実施の形態に係る枠体20は、図6に示すように、一対の下部横柱23、一対の下部横柱24、4つの隅柱22、一対の上部横柱26、及び、一対の上部横柱27を有する。これら12本の長尺状部材により、全体として直方体形状であるコンテナ10の外形が形成さている。
より詳細には、一対の下部横柱23及び一対の下部横柱24により、下壁部11(図1参照)の周縁部が形成される。また、一対の上部横柱26及び一対の上部横柱27により、上壁部16(図1参照)の周縁部が形成される。さらに、4つの隅柱22のそれぞれによって、下壁部11の角部と上壁部16の角部とが接続される。
また、枠体20はさらに、上下方向に並ぶ下部横柱23と上部横柱26との間に渡された複数の側壁柱21と、一対の下部横柱23の間に渡された複数の下部梁25と、一対の上部横柱26の間に渡された複数の上部梁28とを有する。
これら側壁柱21、下部梁25、及び上部梁28は、コンテナ10の強度の向上とともに、枠体20に、コンテナ10の内部と外部とを区画する壁面(板状部材)を取り付ける際の、取り付け相手としての役割を担う。
側壁柱21は、第一柱の一例であり、本実施の形態では、側壁部14に配置された柱である。側壁柱21は、上述のコンテナ10の強度の向上等の役割を担うとともに、図7及び図8に示すように、ラック110の一部を構成する柱として利用されている。
なお、図6等では、枠体20が有する、隅柱22以外の長尺状部材は、角柱状に簡略化されて図示されているが、枠体20が有する複数の長尺状部材の形状は、角柱状には限定されない。これら長尺状部材のそれぞれは、例えば、長手方向に直交する断面形状が円形、L字状、H字状、V字状、U字状、C字状、I字状、または、1つの辺を欠いた矩形状であってもよい。
図9は、実施の形態に係る側壁部14の構成概要を示す断面図である。具体的には、図9は、図7におけるIX−IX断面の一部を示している。
図9に示すように、側壁部14は、外板14aと、内張板14bと、外板14a及び内張板14bの間に配置された断熱材14cと、側壁柱21とを有する。
外板14aは、側壁部14の外壁を構成する板状部材であり、例えば、鋼板などの金属によって形成されている。内張板14bは、側壁柱21と外板14aとで囲まれた、断熱材14cが収容される凹部を塞ぐように配置される板状部材であり、例えば、鋼板などの金属によって形成されている。
外板14a及び内張板14bのそれぞれは、1以上の側壁柱21に対し、例えば溶接またはリベット等によって固定されている。このように構成された側壁部14において、支持部材31が固定される側壁柱21は、Y軸方向に略等間隔で複数配列されている。
本実施の形態に係るラック110は、具体的には図7及び図8に示すように、枠体20に固定された支持部材31を有する。支持部材31は、1以上の蓄電素子122を支持する部材である。本実施の形態では、支持部材31は、枠体20が有する上下方向に延設された柱である側壁柱21に固定されている。支持部材31は、例えば溶接によって側壁柱21に固定されている。支持部材31の側壁柱21に対する固定方法は溶接に限定されず、例えば、ボルト及びナットによる締結またはリベットによる締結が当該固定方法として採用されてもよい。
また、支持部材31は、本実施の形態では、側壁柱21から、コンテナ10の内部に向けて突出して配置されており、棚板32を介して、複数の蓄電モジュール120を下方から支持している。棚板32は、Y軸方向に並ぶ5つの支持部材31を渡すように配置されており、例えばこれら支持部材31に固定されている。ここで、棚板32は、支持部材31と一体の部材とみなすこともできるため、少なくとも1つの支持部材31と1枚の棚板32との組み合わせを「支持部材」と表現することもできる。また、棚板32の支持部材31に対する固定方法に特に限定はないが、ボルト及びナットもしくはリベットによる締結、または溶接等が例示される。
また、本実施の形態では、支持部材31はさらに、図7に示すように、コンテナ10の内部に配置された内部柱40に固定されている。内部柱40は、上下方向に延設された柱であり、コンテナ10の内部において下壁部11と上壁部16とを接続する柱である。本実施の形態では、複数の支持部材31のそれぞれは、両端のうちの一端が側壁柱21に固定され、他端が内部柱40に固定されている。なお、内部柱40は、下壁部11及び上壁部16の一方にのみ固定されていてもよい。
また、内部柱40は、その両端が、下壁部11の上面(床面)と、上壁部16の下面(天面)とに固定されることで設置されてもよく、また、枠体20の一部としてコンテナ10に設けられてもよい。
図10は、実施の形態に係る枠体20の一部として配置された内部柱40を示す斜視図である。図10に示すように、例えば、上下方向において対向して配置された1対の下部梁25と上部梁28との間を渡すように、内部柱40が配置されてもよい。これにより、例えば、枠体20の強度が向上するとともに、ラック110の柱としての、内部柱40の信頼性も向上する。
また、本実施の形態では、上下方向に4段の棚板32が配置されており、各棚板32は、Y軸方向に並ぶ4つの蓄電装置100(図2参照)に共用される。なお、各棚板32の素材に特に限定はないが、例えば鋼板などの金属によって構成される。また、各棚板32は、一体の構造物でなくてもよく、例えば、Y軸方向に並んで配置された4枚の板材であって、それぞれが2つの支持部材31に渡される4枚の板材によって、1つの棚板32が構成されてもよい。また、棚板32の段数も4には限定されず、1〜3のいずれかであってもよく、5以上であってもよい。例えば、コンテナ型蓄電ユニット1の用途もしくは要求される仕様、または、コンテナ10のサイズ等に応じて、棚板32の段数(枚数)等のラック110の仕様が決定されてもよい。
以上説明したように、本実施の形態に係るコンテナ型蓄電ユニット1は、コンテナ10の枠体20の一部を利用して構成された、1以上の蓄電素子122を収容するラック110を備える。具体的には、コンテナ10は、コンテナ10の骨組みを構成する枠体20と、枠体20に固定された、1以上の蓄電素子122を支持する支持部材31を有する。
この構成によれば、例えば、コンテナ10とは別体のラックをコンテナ10内に設置する場合に必要となる、ラックの転倒防止のための固定部材の設置及びその調整等が不要であり、コンテナ10の搬送中においても、ラック110の転倒等の事故の発生が抑制される。
つまり、枠体20自体が、ラック110の一部を構成するため、従来のようなラックごとの姿勢の調整、及び、ラックごとの転倒防止のための後付の部材は不要である。そのため、例えばコンテナ10の側壁柱21が鉛直方向に平行となるように、コンテナ10の姿勢を調整することで、複数の蓄電装置100の姿勢を、鉛直方向に平行な姿勢に一括して揃えることができる。このことは、例えば、性能または安全性の観点から、複数の蓄電装置100それぞれの姿勢の調整が必要である場合において有利である。
また、コンテナ型蓄電ユニット1を設置すべき現場にコンテナ10を配置し、その後に、蓄電素子122の単位で、または、蓄電モジュール120の単位で、複数の蓄電素子122を、順次、コンテナ10内に収容することができる。つまり、多数の蓄電素子122が収容された大重量または大型のラックをコンテナ内に搬入して固定するような作業を行う必要がない。つまり、例えば重機を使用しなくても、複数の蓄電素子122をコンテナ10内に収容することができる。
また、支持部材31が枠体20に固定されることで、例えば、蓄電素子122からの熱をコンテナ10の外殻に伝導させるためのパスが、支持部材31及び枠体20によって形成される。本実施の形態では、例えば図9に示すように、支持部材31は、側壁柱21に固定され、かつ、側壁部14の外板14aは、側壁柱21に固定される。つまり、支持部材31と、外板14aとの間には、側壁柱21によって熱伝導のためのパスが形成されている。つまり、コンテナ10の構造そのものによって、コンテナ10内の1以上の蓄電素子122についての放熱性を向上させることも可能である。
また、本実施の形態では、4台分の蓄電装置100が有する複数の蓄電素子122(複数の蓄電モジュール120)を収容するラック110が、5本の側壁柱21を利用して構成されている。そのため、4台の蓄電装置100ごとのラックを作製する場合と比較すると、ラック110の作製に必要な材料の削減が可能となる。
このように、本実施の形態に係るコンテナ型蓄電ユニット1によれば、設置に係る作業を容易化することができる。
また、支持部材31が固定された柱(第一柱)は、枠体20が有する上下方向に延設された(本実施の形態では側壁柱21)である。つまり、支持部材31に掛けられる荷重を、当該荷重の方向に沿った方向である上下方向に延設された側壁柱21が支える構造となる。そのため、例えば、支持部材31が支持すべき1以上の蓄電素子122の合計の荷重が比較的大きい場合であっても、安定して支えることができる。
また、支持部材31が固定された柱(第一柱)が、側壁部14に配置された側壁柱21であることにより、コンテナ10の壁際(側壁部14近傍)の空間に1以上の蓄電素子122を配置することができる。これにより、例えば、コンテナ10の内部空間の利用効率が向上する。また、コンテナ10内における、人の立ち入りが可能な空間の確保が容易である。また、側壁部14が、側壁柱21を利用して構成されるラック110の強度向上に寄与するため、例えばコンテナ型蓄電ユニット1の安全性が向上する。
また、支持部材31は、側壁柱21から、コンテナ10の内部に向けて突出して配置される。側壁柱21は、上述のように枠体20の一部であって、かつ、上下方向に延設された柱であるため、支持部材31に掛けられる荷重を安定的に支えることができる。そのため、例えば、支持部材31の長さ(側壁柱21からの突出長さ)を比較的大きくすることができる。これにより、例えば、支持部材31に支持させる蓄電素子122の数を増加させることができる。
また、コンテナ10はさらに、コンテナ10の内部に配置され、支持部材31を固定する内部柱40を有する。つまり、支持部材31が、2本の柱に固定されるため、例えば支持部材31の耐荷重の向上が図られる。これにより、コンテナ型蓄電ユニット1の安全性が向上する。また、支持部材31をさらに長くすることができ、これにより支持部材31に支持させる蓄電素子122の数をさらに増加させることも可能である。また、内部柱40が、例えば図10に示すように枠体20の一部である場合、内部柱40は、枠体20の強度の向上に寄与するとともに、ラック110に許容される最大荷重の増加にも寄与する。
ここで、支持部材31が枠体20に固定されることにより、上述のように、支持部材31に支持される蓄電素子122と、コンテナ10の外殻との間の熱伝導のパスが形成される。そこで、ラック110は、当該パスを介して、コンテナ10の外殻からコンテナ10内の蓄電素子122への熱伝導を抑制するための構成を有してもよい。
図11は、実施の形態に係るラック110における断熱材70の配置例を示す側面図である。なお、図11は、ラック110をY軸方向マイナス側からみた場合のラック110の一部を図示しており、側壁部14が有する、側壁柱21以外の要素の図示は省略されている。また、棚板32及び断熱材70のそれぞれは、視認しやすいようにハッチングが付されている。
図11に示すように、例えば、ラック110において、棚板32と支持部材31との間に、断熱材70を配置する。これにより、支持部材31から棚板32への熱伝導は抑制される。その結果、コンテナ10の外部から、棚板32に載置された1以上の蓄電素子122(1以上の蓄電モジュール120)への熱伝導は抑制される。
上記構造は、例えば、コンテナ型蓄電ユニット1が、比較的高温な地帯に配置される場合など、環境温度の平均値または最大値が比較的に高い場合において、コンテナ10内の蓄電素子122の、外部の熱からの保護という観点から有利である。また、コンテナ型蓄電ユニット1が、比較的低温な地帯(寒冷地帯)に配置される場合において、コンテナ10内の蓄電素子122の、外部の冷気からの保護という観点から有利である。
なお、断熱材70の素材に特に限定はないが、例えば、ゴム、ウレタン、またはグラスウールなどが、断熱材70の素材として採用される。また、支持部材31と棚板32との間に断熱材70を配置する場合、支持部材31と棚板32とは、例えば、支持部材31、断熱材70、及び、棚板32を貫通する締結部材(ボルト及びナット、または、リベットなど)によって締結される。また、支持部材31と棚板32との接触箇所を一部に設けて当該接触箇所を溶接することで、棚板32を支持部材31に固定してもよい。
また、断熱材70の配置位置も、支持部材31と棚板32との間以外であってもよい。例えば、支持部材31と側壁柱21との間に断熱材70を挟みこんだ状態で、支持部材31をボルト等によって側壁柱21に固定してもよい。
つまり、コンテナ10が、枠体20と、支持部材31に支持される1以上の蓄電素子122のうちのいずれかの蓄電素子122との間の位置において支持部材31に接触して配置された断熱材70を有することで、上述の、蓄電素子122の、コンテナ10外部の熱からの保護等の効果を得ることは可能である。
また、図2及び図7において、ラック110に収容された複数の蓄電モジュール120がラック110の外部から視認可能なように図示されているが、ラック110は、外装体に覆われていてもよい。つまり、ラック110は、複数の蓄電モジュール120を収容する内部空間と、ラック110の外部の空間との間を区画する外装体を有してもよい。また、この外装体は、ラック110の全体を覆うように設けられてもよく、蓄電装置100ごと(図2参照)に設けられてもよい。ラック110が外装体を有することで、例えば、ラック110内の要素(蓄電モジュール120及びケーブル等)の保護が図られる。また、例えば何らかのトラブルの発生時において、ラック110の前方(X軸方向プラス側)の空間に立ち入った作業員の安全性も向上する。
ここで、コンテナ型蓄電ユニット1は、設置に係る作業を容易化するための構造を有するコンテナとして、図2、図6〜図10に示される構造とは異なる構造のコンテナを備えてもよい。そこで、コンテナ型蓄電ユニット1が備えるコンテナについての各種の変形例を、上記実施の形態との差分を中心に説明する。
(変形例1)
図12は、実施の形態の変形例1に係るコンテナ10aの特徴部分を示す斜視図である。具体的には、図12には、本変形例に係るコンテナ10aの枠体20の一部が図示されており、蓄電素子122が載置される棚板32は、点線で図示されている。
図12に示すように、本変形例に係るコンテナ10aの枠体20は、図10に示す枠体20と同じく、上下方向において対向して配置された1対の下部梁25と上部梁28との間を渡すように配置された内部柱40を有している。
本変形例では、この内部柱40から、内部柱40に最も近い側壁柱21とは逆向きに、支持部材31が突出している点で、上記実施の形態とは異なる。つまり、本変形例では、コンテナ10の壁際ではなく、コンテナ10のX軸方向の中央寄りに、蓄電モジュール120が配置される。
この場合、例えば、コンテナ10の壁際に、人の立ち入りが可能な空間を形成することができる。さらに、例えば、図12に示す内部柱40及び支持部材31を含むラック110を挟んで両側に、人の立ち入りが可能な空間を形成することができる。これにより、例えば、ラック110に収容された蓄電モジュール120のメンテナンス等の作業を、ラック110の両面から行うことが可能となる。
また、図12には図示していないが、例えば、X軸方向において対向して配置された2本の内部柱40を渡すように支持部材31を配置することで、これら2本の内部柱40及び支持部材31を含むラック110の信頼性を向上させることができる。
なお、図12では、棚板32が1段のみ点線で図示されているが、棚板32の段数は2以上であってもよい。つまり、内部柱40の長手方向に複数の支持部材31が配置され、それぞれの支持部材31に棚板32が取り付けられてもよい。
このように、支持部材31が、側壁柱21とは異なる柱に固定される場合であっても、当該柱が枠体20の一部であることで、ラック110の転倒防止のための固定部材の設置及びその調整が不要である等の効果は発揮される。つまり、本変形例に係るコンテナ10aを備えるコンテナ型蓄電ユニット1によれば、上記実施の形態に係るコンテナ型蓄電ユニット1と同じく、設置に係る作業を容易化することができる。
(変形例2)
図13は、実施の形態の変形例2に係るコンテナ10bの特徴部分を示す斜視図である。具体的には、図13には、本変形例に係るコンテナ10bの枠体20の一部が図示されており、蓄電素子122が載置される棚板32は、点線で図示されている。
図13に示すように、本変形例に係るコンテナ10bでは、枠体20に固定された支持部材31を備える。この点においては、上記実施の形態に係るコンテナ10と共通する。しかし、本変形例に係るコンテナ10bでは、上下方向において対向する一対の下部横柱23及び上部横柱26の間に配置された、中部横柱29に、支持部材31が固定されている点で上記実施の形態とは異なる。
中部横柱29は、枠体20の一部であって、長手方向(Y軸方向)の両端が隅柱22に固定された長尺状部材である。そのため、「柱」ではなく「梁」と表現することもできる。本変形例に係る中部横柱29は、例えば、複数の側壁柱21それぞれに設けられた孔または開口を貫通して配置されており、各側壁柱21とは、例えば溶接によって接続されている。なお、中部横柱29は、例えば、Y軸方向において隣り合う2本の側壁柱21の間のみを接続する長尺状部材が、Y軸方向に並ぶことで構成されてもよい。
このように構成された枠体20において、支持部材31を中部横柱29に固定することで、枠体20の一部を利用した、支持部材31を含むラック110を構成することができる。また、中部横柱29の長手方向(Y軸方向)の任意の位置に、支持部材31を溶接等で固定することができる。そのため、側壁柱21に支持部材31を固定する場合よりも、1以上の支持部材31の配置位置、または、複数の支持部材31の間隔についての自由度が向上する。
なお、図13に示すように、枠体20が中部横柱29を有する場合において、複数の支持部材31のうちのいずれかが、側壁柱21に固定されてもよい。
また、中部横柱29の上下方向の位置、及び、中部横柱29の数等の、中部横柱29についての仕様は、図13に示される仕様に限定されない。例えば、上下方向に4本の中部横柱29が配置され、かつ、それぞれに1以上の支持部材31が固定されることで、複数段の棚板32が配置されてもよい。
このように、支持部材31が、上下方向とは異なる方向に延設された柱に固定される場合であっても、当該柱が枠体20の一部であることで、ラックの転倒防止のための固定部材の設置及びその調整が不要である等の効果は発揮される。つまり、本変形例に係るコンテナ10bを備えるコンテナ型蓄電ユニット1によれば、上記実施の形態に係るコンテナ型蓄電ユニット1と同じく、設置に係る作業を容易化することができる。
(その他)
以上、本発明に係る蓄電素子について、実施の形態及びその変形例に基づいて説明した。しかしながら、本発明は、実施の形態及びその変形例に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を実施の形態またはその変形例に施したものも、あるいは、上記説明された複数の構成要素を組み合わせて構築される形態も、本発明の範囲内に含まれる。
例えば、上記実施の形態及びその変形例では、コンテナ型蓄電ユニット1は、コンテナ10の内部に、蓄電装置100とパワーコンディショナ200と制御装置300とを備えていることとした。しかし、コンテナ型蓄電ユニット1は、パワーコンディショナ200及び/または制御装置300を備えていない構成でもかまわない。つまり、コンテナ型蓄電ユニット1は、1以上の蓄電装置100を備えていればよい。
また、コンテナ10の内部の空間を仕切る間仕切壁17は、コンテナ10に必須の要素ではない。例えば、コンテナ型蓄電ユニット1がパワーコンディショナ200を備えない場合、間仕切壁17はなくてもよい。
また、上記実施の形態及びその変形例では、支持部材31は、棚板32を介して蓄電素子122を支持するとしたが、支持部材31が、直接的に蓄電素子122を支持してもよい。また、支持部材31は、蓄電素子122を下方から支持しなくてもよい。例えば、支持部材31から吊り下げられた棚板32に、1以上の蓄電素子122(1以上の蓄電モジュール120)が載置されてもよい。つまり、支持部材31は、1以上の蓄電素子122を吊り下げ状に支持してもよい。
また、支持部材31の形状も、枠体20の一部である柱または梁からコンテナ10の内部に向けて突出した形状でなくてもよい。
例えば、Y軸方向に延設され、かつ、1以上の側壁柱21に固定された平板状の部材が、支持部材としてコンテナ10に備えられてもよい。この場合、例えば、当該支持部材に1以上の位置に棚板32を固定する。これにより、枠体20の一部を利用して構成された、当該支持部材及び1以上の棚板32を含む、蓄電素子122を収容するラックを得ることができる。
また、例えば、コンテナ10内において、枠体20の一部から支持部材が上下方向に突出して設けられていてもよい。例えば、枠体20の一部である下部梁25または上部梁28からコンテナ10の内部に向けて延設された長尺状の部材が、支持部材として用いられてもよい。この場合、当該支持部材の上下方向の1以上の位置に棚板32を固定する。これにより、枠体20の一部を利用して構成された、当該支持部材及び1以上の棚板32を含む、蓄電素子122を収容するラックを得ることができる。
また、コンテナ10が備えるラックは、柱と支持部材とで構成される基本構造に加え、補強のための部材を有してもよい。図14は、実施の形態に係るラック110に配置された補強部材の例を示す斜視図である。
図14の(a)に示すラック110では、支持部材31の両端を固定する、X軸方向に並ぶ2本の内部柱40の間に、さらに内部柱40aが配置されている。図14の(a)において、最も左側(Y軸方向で最もマイナス側、以下同じ)の4つの支持部材31は、当該2本の内部柱40と、その間に配置された内部柱40aとに固定されている。これにより、内部柱40aは、ラック110全体に対する補強部材として機能する。その結果、ラック110の強度が向上される。
なお、図14の(a)に示す例では、ラック110の最も左側の2本の内部柱40の間にのみ内部柱40aが配置されているが、内部柱40aは、例えば、X軸方向に並ぶ一対の内部柱40の間の位置であれば、どの位置に配置されてもよい。
図14の(b)に示すラック110では、支持部材31の両端を固定するX軸方向に並ぶ2本の内部柱40の間に、これら2本の内部柱40と、コンテナ10の床面とを斜めに接続するブレース部材45が配置されている。ブレース部材45は、主として、当該2本の内部柱40のX軸方向の傾きを規制する補強部材として機能し、これにより、ラック110の強度が向上される。
なお、図14の(b)に示す例では、ラック110の最も左側の2本の内部柱40の間にのみブレース部材45が配置されているが、ブレース部材45は、少なくとも1本の内部柱40とコンテナ10の床面とを接続するように配置されれば、どの位置に配置されてもよい。
また、内部柱40a及びブレース部材45のそれぞれは、下部梁25(例えば図8参照)に固定されていてもよく、下部梁25の上に配置された、床面を形成する板状部材に固定されていてもよい。内部柱40a及びブレース部材45のそれぞれは、下部梁25に固定されている場合、ラック110に対する高い補強効果が得られる点で好ましい。