以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態に係る蓄電設備について説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。また、各図において、寸法等は厳密に図示したものではない。また、以下の実施の形態では、蓄電設備の一例として、1以上の蓄電素子を収納するとともに内部に人が立入可能な空間を有するコンテナを備えるコンテナ型蓄電ユニットについて説明する。
(実施の形態)
まず、コンテナ型蓄電ユニット1の構成について、説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係るコンテナ型蓄電ユニット1の外観を示す斜視図である。また、図2は、本発明の実施の形態に係るコンテナ型蓄電ユニット1の内部の構成を示す斜視図である。また、図3は、本発明の実施の形態に係るコンテナ型蓄電ユニット1の機能構成を示すブロック図である。
コンテナ型蓄電ユニット1は、内部に人が立入可能なコンテナ内に複数の蓄電素子を収納した設備である。具体的には、図1に示すように、コンテナ型蓄電ユニット1は、コンテナ10を備えている。また、図2に示すように、コンテナ型蓄電ユニット1は、コンテナ10の内部に、複数の蓄電装置100(本実施の形態では、8つの蓄電装置101〜108)と、複数のパワーコンディショナ200(本実施の形態では、2つのパワーコンディショナ201、202)と、制御装置300とを備えている。
なお、蓄電装置100は複数設けられていなくともよく、1つの蓄電装置100しか設けられていない構成でもかまわない。また、パワーコンディショナ200についても同様に、1つのパワーコンディショナ200しか設けられていない構成でもかまわない。また、制御装置300については、複数の制御装置300が設けられている構成でもよい。
コンテナ10は、内部に人が立入可能な空間を有するコンテナである。つまり、コンテナ10は、内部の機器のメンテナンス時などに内部に人が立ち入れるほどの大きさを有する金属製の中空かつ直方体形状の箱体である。具体的には、コンテナ10は、後述の複数の蓄電素子122を有する蓄電装置100を収納し、土地に自立して設置されている。なお、コンテナ10は、いわゆるシェルタなどの箱体や、トラックや列車などの輸送手段によって搬送可能な箱体なども含む概念である。
例えば、コンテナ10の一例として、蓄電装置100を収納するいわゆる専用コンテナのうち、建築物には該当しない専用コンテナが挙げられるが、これに限定されない。国住指第4846号では、このような建築物には該当しない専用コンテナは、蓄電素子122、その他蓄電素子122としての機能を果たすため必要となる設備、及びそれらの設備を設置するための空間その他の蓄電素子122としての機能を果たすため必要となる最小限の空間のみを内部に有していると定義されている。また、この場合、コンテナ10は、稼動時は無人であり、機器の重大な障害発生時等を除いて内部に人が立ち入らないこととされている。また、この場合、コンテナ10は、複数積み重ねられて使用されることはないと定義されている。
ここで、コンテナ10は、下壁部11と、側壁部12、13、14及び15と、上壁部16とを有している。また、コンテナ10は、内部に、コンテナ10内の空間を2つの部屋に仕切る間仕切壁17を有している。
下壁部11は、コンテナ10の底部に配置された壁であり、コンテナ10内の空間の床面(コンテナ10の床面)を形成する矩形状の板状部材である床板と、当該床板の下方に配置された複数の床梁とを有している。当該床梁は、例えばX軸方向(またはY軸方向)に延びる長尺状の部材であり、床板を下方から支えるとともに、当該床板を補強する。なお、床板及び床梁の材質は特に限定されないが、金属等の強度の高い材質によって形成されているのが好ましい。本実施の形態では、蓄電素子122から漏れ出した電解液は、床板の下方の空間である下壁部11内の空間に溜められる。この詳細については、後述する。
側壁部12、13、14及び15は、下壁部11から立設して配置されたコンテナ10の側壁であり、下壁部11の外縁に沿って、下壁部11を囲うように配置されている。側壁部12、13、14及び15のそれぞれは、側面を形成する矩形状の板状部材と、当該板状部材を補強する複数の柱(図示せず)とを有している。つまり、当該柱は、下壁部11の外縁から上方(Z軸方向プラス側)に延びる長尺状の部材である。なお、当該板状部材及び柱の材質は特に限定されないが、金属等の強度の高い材質によって形成されているのが好ましい。
具体的には、側壁部12は、コンテナ10の長側面のうちX軸方向プラス側の面(前面)に配置された壁であり、側壁部14は、コンテナ10の長側面のうちX軸方向マイナス側の面(背面)に配置された壁である。ここで、側壁部12には開閉扉12aが設けられている。開閉扉12aは、蓄電装置100及び制御装置300を収容する部屋への出入口となる矩形状の扉であり、開閉可能に設置されている。つまり、側壁部12には、人が出入りできるほどの大きさの開口部が形成されており、開閉扉12aは、当該開口部を開閉可能に取り付けられている。
側壁部13は、コンテナ10の短側面のうちY軸方向プラス側の面に配置された壁であり、側壁部15は、コンテナ10の短側面のうちY軸方向マイナス側の面に配置された壁である。ここで、側壁部13には、開閉扉13aが設けられている。開閉扉13aは、パワーコンディショナ200を収容する部屋への出入口となる矩形状の扉であり、開閉可能に設置されている。
なお、図1に示される、開閉扉12a及び開閉扉13aそれぞれの位置は例示であり、これらの位置は、図1に示される位置に限定されない。例えば、開閉扉12aは、側壁部12において、図1に示される位置とは異なる位置に配置されてもよく、他の側壁部(例えば側壁部15)に配置されていてもよい。また、開閉扉13aが、例えば側壁部12に配置されていてもよい。
上壁部16は、コンテナ10の上部に配置された天井(屋根)を構成する壁であり、側壁部12、13、14及び15の上方に配置されている。つまり、上壁部16は、外縁が側壁部12、13、14及び15の上端に接続されて配置されている。また、上壁部16は、天面を形成する矩形状の板状部材と、当該板状部材を補強する複数の梁(図示せず)とを有している。当該梁は、例えばX軸方向(またはY軸方向)に延びる長尺状の部材である。なお、当該板状部材及び梁の材質は特に限定されないが、金属等の強度の高い材質によって形成されているのが好ましい。
間仕切壁17は、蓄電装置100とパワーコンディショナ200との間に配置され、蓄電装置100が配置される空間とパワーコンディショナ200が配置される空間とを仕切る壁である。つまり、間仕切壁17は、側壁部13及び15と平行、かつ、下壁部11、側壁部12、14及び上壁部16の4つの壁に囲まれるように当該4つの壁に接して配置された矩形状の板状部材である。なお、間仕切壁17は、他の壁と同様に、柱または梁を有することにしてもよい。
以上のように、コンテナ10を構成する壁部(下壁部11、側壁部12、13、14、15、上壁部16、及び間仕切壁17)は、板状部材を有している。当該板状部材は、波板などどのような形状の部材であってもかまわないが、コンテナ10内の利用可能な容積を広げる等の観点から、平板状の部材であるのが好ましい。また、当該板状部材は、どのような材質で形成されていてもかまわないが、強度確保等の観点から、鋼板などの金属製の部材で形成されているのが好ましい。また、コンテナ10内の温度管理等の観点から、当該壁部は、内部に断熱材を有していることにしてもよい。
蓄電装置100は、後述の複数の蓄電素子122を有する蓄電モジュール120を複数備えた装置(つまり、複数の蓄電池を備えた蓄電池盤)である。本実施の形態では、8つの蓄電装置100(蓄電装置101〜108)のそれぞれは、矩形状を有し、12個の蓄電素子122を有する蓄電モジュール120を36個備えている。つまり、8つの蓄電装置100の全てで、3456個の蓄電素子122(288個の蓄電モジュール120)を有している。
具体的には、8つの蓄電装置100は、蓄電装置101〜104で構成される第一系統と、蓄電装置105〜108で構成される第二系統との2つの系統に分かれて、配置されている。そして、第一系統及び第二系統の各系統において、直列に接続された12個の蓄電モジュール120が、12セット並列に接続されている。
ここで、第一系統の蓄電装置101〜104は、側壁部14の内壁面に沿ってY軸方向に並んで配置されており、第二系統の蓄電装置105〜108は、側壁部12の内壁面に沿ってY軸方向に並んで配置されている。これにより、第一系統の蓄電装置101〜104と第二系統の蓄電装置105〜108との間に、機器の重大な障害発生時等に人が立入可能な空間が形成されている。
なお、系統の数、1系統に含まれる蓄電装置100の数、蓄電装置100が有する蓄電モジュール120の数、蓄電モジュール120が有する蓄電素子122の数、直列に接続される蓄電モジュール120(蓄電素子122)の数などは、一例であり、上記の数に限定されない。例えば、コンテナ型蓄電ユニット1は1つの蓄電装置100しか備えておらず、さらに、当該1つの蓄電装置100は1つの蓄電素子122しか有していない構成でもかまわない。この蓄電装置100の詳細な構成についての説明は、後述する。
パワーコンディショナ200は、コンテナ10の蓄電装置100とは反対側(Y軸方向プラス側)に、側壁部14に沿って配置される外形が矩形状のパワーコンディショナ(Power Conditioning System:PCS)である。パワーコンディショナ200は、外部の電力系統と蓄電装置100とを繋ぎ、蓄電装置100への電力を交流から直流に変換したり、蓄電装置100からの電力を直流から交流に変換したりする交直変換装置である。
具体的には、図3に示すように、パワーコンディショナ200は、蓄電装置100に接続(つまり、制御装置300を介して複数の蓄電モジュール120、すなわち複数の蓄電素子122に接続)されるとともに、外部の電力系統(商用電力系統2や電力負荷3など)に接続されている。そして、パワーコンディショナ200は、蓄電素子122の充電時に、当該電力系統から交流電力を受電した場合には、当該交流電力を直流電力に変換し、蓄電装置100へ送電する。また、パワーコンディショナ200は、蓄電装置100に貯蔵されている電力を電力系統に供給するために、蓄電装置100からの直流電力を交流電力に変換して、電力系統へ送電する。
ここで、本実施の形態では、2つのパワーコンディショナ200(パワーコンディショナ201、202)が設けられており、それぞれのパワーコンディショナ200は、電源線510、520及び制御装置300を介して、蓄電装置100の各系統に接続されている。電源線510、520は、蓄電装置100の充放電による電流が流れる配線(ケーブル)である。つまり、パワーコンディショナ201は、電源線510、520及び制御装置300を介して、第一系統の蓄電装置101〜104に接続され、パワーコンディショナ202は、電源線510、520及び制御装置300を介して、第二系統の蓄電装置105〜108に接続されている。これにより、蓄電装置101〜108の充放電が行われる。
なお、パワーコンディショナ200は、変圧器を介して、外部の電力系統と接続されているが、詳細な説明は省略する。また、パワーコンディショナ200の外形は、矩形状には限定されず、円柱形状など種々の形状が適用可能である。
図2に戻り、制御装置300は、蓄電装置100とパワーコンディショナ200との間に配置される外形が矩形状の装置であり、蓄電装置100を制御する。ここで、制御装置300は、間仕切壁17に沿って配置されている。具体的には、制御装置300は、間仕切壁17の蓄電装置100側に配置されている。つまり、間仕切壁17によって仕切られた2つの部屋のうちの一方の部屋(Y軸方向マイナス側の部屋)に、蓄電装置100と制御装置300とが収容され、他方の部屋(Y軸方向プラス側の部屋)にパワーコンディショナ200が収容されている。なお、蓄電装置100と制御装置300とは、機器の重大な障害発生時等に人が立入可能な空間が形成されるように、離間して配置されている。
ここで、制御装置300は、蓄電装置100の主回路を集合させ、並列接続し、パワーコンディショナ200と取り合うための中継の役割を担っている。また、制御装置300は、蓄電装置100が有する蓄電モジュール120(または蓄電素子122)の充電状態や放電状態等に関する情報(電圧、温度など)を取得して監視する。つまり、制御装置300には、当該情報を集合させてシステム全体の情報を取りまとめる監視装置が収納されている。また、制御装置300は、パワーコンディショナ200に対して充放電指令を行うことで、蓄電装置100が有する蓄電モジュール120(または蓄電素子122)を制御する。つまり、制御装置300には、充放電制御装置が収納されている。
具体的には、図3に示すように、制御装置300は、電源線510を介して、各系統に含まれる蓄電装置100(蓄電装置101〜108)と接続され、電源線520を介して、パワーコンディショナ200と接続されている。また、制御装置300は、通信線530を介して、各系統に含まれる蓄電装置100(蓄電装置101〜108)に接続されている。通信線530は、蓄電装置100からの情報、または蓄電装置100への情報を伝達する配線(ケーブル)である。これにより、蓄電装置100が有する蓄電モジュール120(または蓄電素子122)の充電状態や放電状態等の情報が制御装置300に送られる。
また、制御装置300は、通信線540を介して、パワーコンディショナ200に接続されており、パワーコンディショナ200に充放電指令を送信し、蓄電装置100の充放電を制御する。通信線540は、パワーコンディショナ200からの情報、またはパワーコンディショナ200への情報を伝達する配線(ケーブル)である。つまり、パワーコンディショナ201及び202は、通信線540を介して送信された制御装置300からの充放電指令に従って、第一系統の蓄電装置101〜104及び第二系統の蓄電装置105〜108の充放電を制御する。
なお、制御装置300は、上記の充放電制御装置を有していない構成(いわゆる蓄電池集合盤)であってもかまわないし、さらに、上記の監視装置を有していない構成であってもかまわない。この場合、コンテナ型蓄電ユニット1は、充放電制御装置または監視装置を別体として有していてもよいし、有していない構成でもかまわない。
次に、蓄電装置100の具体的な構成について、詳細に説明する。
図4は、本発明の実施の形態に係る蓄電装置100の内部の構成を示す斜視図である。具体的には、同図の(a)は、ラック110を透過して蓄電装置100の内部構成を示している。また、同図の(b)は、収容ケース121を透過して蓄電モジュール120の内部構成を示している。また、同図の(c)は、容器本体122bを分離して蓄電素子122の内部構成を示している。
同図の(a)に示すように、蓄電装置100は、蓄電装置100の外装体を構成するラック110と、ラック110内に収容された複数の蓄電モジュール120とを備えている。
ラック110は、6枚の矩形状の平板、柱、支持台などを有する中空の直方体形状(箱型)の部材であり、複数の蓄電モジュール120を収容し、かつ、当該複数の蓄電モジュール120を載置して支持する。なお、ラック110を構成する部材は、どのような材質で形成されていてもよいが、金属等の強度の高い材質によって形成されているのが好ましい。
蓄電モジュール120は、外部からの電気を充電し、また外部へ電気を放電することができる機器(電池モジュール)である。本実施の形態では、12段の支持台のそれぞれに、3個の蓄電モジュール120が載置されている。また、4段分(12個)の蓄電モジュール120が直列に接続されており、当該4段分の蓄電モジュール120が、3セット並列に接続されている。なお、蓄電モジュール120の個数は限定されず、他の複数個数または1個であってもよい。
また、同図の(b)に示すように、蓄電モジュール120は、蓄電モジュール120の外装体を構成する収容ケース121と、収容ケース121内に収容された複数の蓄電素子122とを備えている。収容ケース121は、中空の直方体形状(箱型)の部材であり、複数の蓄電素子122を覆うように配置されている。収容ケース121は、絶縁を確保する等の観点から、樹脂等の絶縁性の材質によって形成されているのが好ましい。
なお、同図の(b)では、蓄電モジュール120は、12個の矩形状の蓄電素子122を備えているが、蓄電素子122の個数は限定されず、他の複数個数または1個であってもよい。また、蓄電素子122の形状も限定されず、円柱形状や長円柱形状などであってもよい。また、蓄電モジュール120は、蓄電素子122同士を電気的に接続するバスバーや、蓄電素子122間に配置されるスペーサなども備えているが、詳細な説明は省略する。ここで、蓄電素子122の具体的な構成について、詳細に説明する。
蓄電素子122は、電気を充電し、また、電気を放電することのできる二次電池であり、より具体的には、リチウムイオン二次電池などの非水電解質二次電池である。なお、蓄電素子122は、非水電解質二次電池には限定されず、非水電解質二次電池以外の二次電池であってもよいし、キャパシタであってもかまわない。
同図の(c)に示すように、蓄電素子122は、容器を構成する容器蓋体122a及び容器本体122bと、正極端子122cと、負極端子122dとを備え、容器内部には、正極集電体122eと、負極集電体122fと、電極体122gとが配置されている。なお、容器内部には電解液などの液体が封入されているが、当該液体の図示は省略する。
容器本体122bは、金属からなる矩形筒状で底を備える部材であり、容器蓋体122aは、容器本体122bの開口を閉塞する金属製の部材である。この容器本体122bの内部に電極体122g等が収容され、容器蓋体122aと容器本体122bとが溶接等されることにより、容器の内部が密封される。
電極体122gは、正極と負極とセパレータとを備え、電気を蓄えることができる発電要素である。具体的には、電極体122gは、正極と負極との間にセパレータが挟み込まれるように層状に配置されたものが巻回されて長円形状に形成された巻回型の電極体である。なお、電極体122gは、円形状または楕円形状などに形成されていてもよいし、正極と負極とセパレータとが積層された積層型の電極体であってもかまわない。
正極は、アルミニウムまたはアルミニウム合金などからなる長尺帯状の導電性の正極集電箔の表面に、正極活物質層が形成された電極板である。負極は、銅または銅合金などからなる長尺帯状の導電性の負極集電箔の表面に、負極活物質層が形成された電極板である。なお、正極活物質層に用いられる正極活物質、及び負極活物質層に用いられる負極活物質としては、リチウムイオンを吸蔵放出可能なものであれば、適宜公知の材料を使用できる。
正極端子122cは、正極集電体122eを介して、電極体122gの正極に電気的に接続された電極端子であり、負極端子122dは、負極集電体122fを介して、電極体122gの負極に電気的に接続された電極端子である。つまり、正極端子122c及び負極端子122dは、電極体122gに蓄えられている電気を蓄電素子122の外部空間に導出し、また、電極体122gに電気を蓄えるために蓄電素子122の内部空間に電気を導入するための金属製の電極端子である。
正極集電体122eは、電極体122gの正極と容器本体122bの側壁との間に配置され、正極端子122cと当該正極とに電気的に接続される導電性と剛性とを備えた部材である。なお、正極集電体122eは、当該正極の正極集電箔と同様、アルミニウムまたはアルミニウム合金などを主成分とする金属で形成されている。
負極集電体122fは、電極体122gの負極と容器本体122bの側壁との間に配置され、負極端子122dと当該負極とに電気的に接続される導電性と剛性とを備えた部材である。なお、負極集電体122fは、当該負極の負極集電箔と同様、銅または銅合金などを主成分とする金属で形成されている。
次に、下壁部11及び当該下壁部11周りの具体的な構成について、詳細に説明する。
図5は、本実施の形態における下壁部11の詳細な構成を示す斜視図である。図6は、本実施の形態において、蓄電装置100が下壁部11の床板11aに載置されている構成を示す図である。図7は、本実施の形態における下壁部11の断面図であり、具体的には、図6のVII−VII線における断面図、及び、当該断面図のA−A線における断面図である。図8は、本実施の形態における下壁部11及び当該下壁部11周りでの電解液の流れを示す斜視図である。
なお、図5には、側壁部13〜15及び間仕切壁17も図示されている。また、図8では、何らかのアクシデントにより蓄電素子122から電解液が漏れ出した場合における当該電解液の流れを示している。また、図5及び図8では、説明の便宜のため、床板11aにハッチングを施しつつ、当該床板11aを半透過している。
図5に示すように、下壁部11は、当該下壁部11の内壁を構成する床板11aと、当該床板11aを支持する枠材11f及び床梁11gとを備える。また、図7に示すように、下壁部11はさらに、当該下壁部11の外壁を構成する底板11eと、受け板11c及び断熱材11dとを備える。また、床板11a、受け板11c及び断熱材11dには第一貫通孔11bが形成されている。
床板11aは、蓄電素子122が配置されるとともに人が立入可能な第一空間S10と、第一空間S10の下方の第二空間S20との間に配置される板状部材である。本実施の形態では、床板11aは、蓄電素子122を収納するとともに内部に人が立入可能な第一空間S10、及び、第一空間S10の下方の第二空間S20を有するコンテナ10において、第一空間S10と第二空間S20とを仕切る板状部材であり、具体的には下壁部11の内壁を構成する。床板11aは、強度面等から、鉄板などの金属によって形成されるのが好ましいが、金属以外で形成されてもかまわない。
具体的には、床板11aは、上壁部16と所定距離(例えば2500mm程度)離間して配置され、床板11aの内壁面と上壁部16の内壁面との間に人が立入可能な第一空間S10を形成する。また、床板11aは、底板11eと所定距離(例えば150mm)離間して配置され、当該底板11eとの間に第二空間S20を形成する。本実施の形態では、床板11aと底板11eとは、枠材11f及び床梁11gを上下方向から挟み込むように配置されることにより、枠材11f及び床梁11gの上下方向の厚さ分離間して配置されている。
床板11aには、蓄電装置100が載置されている。言い換えると、床板11aには、内方に複数の蓄電素子122が収容されるラック110が載置される。このように、床板11aは、下壁部11の内壁面かつコンテナ10内の空間の床面を形成する。床板11aは、枠材11f及び床梁11gと溶接等によって固定されることにより支持されている。なお、床板11aは、1枚の板状部材によって構成されていてもよいし、複数枚の板状部材が配列される(敷き詰められる)ことによって構成されていてもかまわない。
また、床板11aには、第一空間S10と第二空間S20とを接続する複数の第一貫通孔11b(第一貫通孔11b1〜11b4)が形成されている。本実施の形態では、図6に示すように、第一貫通孔11bは、蓄電装置100の下方、つまり、複数の蓄電素子が収容されるラック110(図4参照)の下方に形成された円形の貫通孔である。例えば、第一貫通孔11bは、1つのラック110に対して1つ形成され、対応するラック110の下方中央位置に形成されている。
なお、第一貫通孔11bの孔径は、特に限定されないが、例えば、10mm〜50mm程度である。また、本実施の形態では、第一貫通孔11bは円形の貫通孔であるが、孔の形状は特に限定されず、例えば、貫通方向に直交する断面形状が正方形状、楕円形状、長円形状、三角形状その他の多角形状など、どのような形状であってもかまわない。また、第一貫通孔11bは、対応するラック110の下方中央位置に形成されていなくてもよく、対応するラック下方のいずれの位置に形成されていてもよく、例えば、当該下方の端縁部に形成されていてもかまわない。
また、1つのラック110に対して形成される第一貫通孔11bの数は、1つに限らず、複数であってもかまわない。このとき、形成される第一貫通孔11bの数は、当該第一貫通孔11bの孔径に応じて適宜決定されてもよく、例えば、孔径が小さい場合、多くの第一貫通孔11bが形成されていてもよい。
また、第一貫通孔11bは、ラック110の個数及び配列とは無関係に形成されていてもよいし、床板11a全体で1つしか形成されていなくてもかまわない。
枠材11fは、4つの長尺状部材である枠材11f1〜11f4からなり、床板11aの周縁部において床板11aの下面(Z軸方向マイナス側の面)と当接して配置されることにより当該床板11aを支持する部材であり、下壁部11の枠体を構成する。
具体的には、対向する一対の枠材11f1及び11f3は床板11aの短辺下方に配置され、対向する一対の枠材11f2及び11f4は床板11aの長辺下方に配置されている。このような枠材11fの構成によって、蓄電素子122が配置された床板11aの下方が囲まれることとなる。つまり、蓄電素子122が配置された第一空間S10の下方は、枠材11fによって囲まれることとなる。
なお、枠材11fは、4つの長尺状部材から構成されることには限定されず、全ての部材が一体に形成されて1つの部材で構成されていてもよいし、2つ、3つ、又は5つ以上の部材から構成されていてもかまわない。また、枠材11fは、強度面等から、鋼材やステンレス材などの金属によって形成されるのが好ましいが、金属以外で形成されてもかまわない。
床梁11gは、複数の長尺状部材である床梁11gからなり、床板11aの下面と当接して配置されることにより当該床板11aを支持する梁であり、両端が枠材11fに固定されている。
具体的には、床梁11gは、対向する一対の枠材11f1と枠材11f3との間で例えば略等間隔に複数配置され、両端が対向する一対の枠材11f2及び11f4に固定されている。つまり、枠材11f1〜11f4によって構成される矩形の枠体の内部には、両端が当該枠体の長辺を構成する一対の枠材11f2、11f4に固定された複数の床梁11gが、当該矩形の長手方向に並んで配置されている。
なお、床梁11gは、両端が枠体の短辺を構成する一対の枠材11f1、11f3に固定され、枠体の短手方向に並んで複数配置されていてもかまわない。また、床梁11gは、強度面等から、鋼材やステンレス材などの金属によって形成されるのが好ましいが、金属以外で形成されてもかまわない。また、床梁11gは、等間隔に複数配置されていなくともよく、どのような間隔で配置されていてもよいし、1つしか配置されていない構成でもかまわない。
このように構成された床梁11gは、床板11aによって第一空間S10と仕切られた第二空間S20を横切るように配置される。つまり、第二空間S20は、床梁11gによって、より小容量の空間に仕切られる。例えば、図7に示すように、第二空間S20は、床梁11g1〜11g3によって小空間S21〜S24に仕切られる。
ここで、床梁11gには、例えば短手方向に貫通する、円形の貫通孔等の第二貫通孔11hが形成されている。つまり、第二貫通孔11hは、床梁11gによって仕切られた小空間同士を互いに接続する。
なお、第二貫通孔11hの孔径は、特に限定されないが、例えば、5mm〜30mm程度である。また、本実施の形態では、第二貫通孔11hは円形の貫通孔であるが、孔の形状は特に限定されず、例えば、貫通方向に直交する断面形状が正方形状、楕円形状、長円形状、三角形状その他の多角形状など、どのような形状であってもかまわない。また、各床梁11gに形成される第二貫通孔11hの数は、特に限定されない。例えば、図8では、各床梁11gに2つの第二貫通孔11hが形成されている。また、各床梁11gに形成される第二貫通孔11hの数は同数でなくてもよく、例えば、ラック110と床梁11gとの位置関係に応じて、床梁11gに形成される第二貫通孔11hの数が増減していてもかまわない。また、各床梁11gに形成される第二貫通孔11h同士が、同じ位置(本実施の形態ではX軸方向の同じ位置)に形成されていなくてもかまわない。
また、第二貫通孔11hの孔軸方向は特に限定されず、例えば、床梁11gの短手方向であってもよいし、当該短手方向に対して斜め方向であってもよい。また、第二貫通孔11hは、クランク状に形成されて床梁11gを貫通していてもかまわない。
底板11eは、下壁部11の外壁を構成する板状部材である。底板11eは、どのような材質で形成されていてもかまわないが、強度確保等の観点から、鋼板などの金属製の部材で形成されているのが好ましい。また、底板11eは、蓄電素子122に封入された電解液に対して耐腐食性を有することが好ましい。
底板11eは、枠材11fによって囲まれる空間の下方の開口を塞ぐように、枠材11fと溶接等によって隙間無く固定される。なお、底板11eは、枠材11fと密着していることにより当該枠材11fと隙間無く配置されていてもよいし、シーリング材等によって隙間無く配置されていてもかまわない。
このように構成された枠体11fと底板11eとは、これら枠体11fと底板11eとで囲まれる空間に流入した液体を溜めることができる構造、いわゆる‘ためます構造’を形成する。つまり、当該空間は、流入した液体を溜めることができる貯留空間となる。すなわち、本実施の形態では、床板11aによって仕切られたコンテナ10内の空間(床板11aと底板11eとの間に形成される空間)である第二空間S20は、上記の貯留空間となる。
ここで、上述したように、床板11aには、貯留空間である第二空間S20と当該第二空間S20の上方の第一空間S10とを接続する第一貫通孔11bが形成されている。このため、何らかのアクシデントにより第一空間S10に配置された蓄電素子122から電解液が漏れ出した場合であっても、当該電解液は第一貫通孔11bを通って第一空間S10から第二空間S20へと導かれて、第二空間S20で貯留される。
このように、本実施の形態における第一貫通孔11bは、電解液を第一空間S10から第二空間S20へと導く流路を構成する。すなわち、第一貫通孔11bは、第一空間S10から第二空間S20へと電解液を排出する排液孔である。
受け板11cは、床板11aの下方に配置され、断熱材11dを支持する板状部材であり、例えば、鋼板などの金属製の部材である。受け板11cは、上面視において(Z軸方向プラス側から見て)、枠材11f1、11f3及び床梁11gの間に配置され、例えば、枠材11f及び床梁11g等に溶接等によって固定されることで、断熱材11dを支持する。
断熱材11dは、床板11aと受け板11cとの間に充填され、受け板11cによって支持される。断熱材11dの素材は特に限定されないが、例えば、ゴム、ウレタン、またはグラスウールなどが採用される。
これら受け板11c及び断熱材11dにも、上述した第一貫通孔11bが形成されている。
以上、下壁部11及び当該下壁部11周りの具体的な構成について説明した。なお、床板11aと枠材11f及び床梁11gとの固定方法、底板11eと枠材11fとの固定方法、ならびに、受け板11cと枠材11f及び床梁11gとの固定方法は溶接に限定されず、例えば、ボルト及びナットによる締結またはリベットによる締結が当該固定方法として採用されてもかまわない。
このように構成されたコンテナ型蓄電ユニット1によって、図8に示すように、蓄電装置100の蓄電素子122から電解液が漏れ出した場合であっても、当該電解液は、床板11aに形成された第一貫通孔11bを通って第二空間S20に貯留されることとなる。例えば、蓄電装置101の蓄電素子122から電解液が漏れ出した場合、当該電解液は、蓄電装置101の下方に形成された第一貫通孔11b1を通って、第二空間S20へと導かれる。具体的には、第一貫通孔11b1を通った電解液は、第二空間S20を構成する複数の小空間の1つであって床梁11g1、11g2と床板11aと底板11eとで囲まれた小空間S21(図7参照)に導かれる。
床梁11gには、短手方向に貫通する第二貫通孔11hが形成されているため、一の小空間(例えば小空間S21)に導かれた電解液は、第二空間S20を構成する他の小空間(例えば小空間S22〜S24)にも導かれる。つまり、当該電解液は一の小空間に滞留せず、第二空間S20全体に溜められる。
このように、本実施の形態に係るコンテナ型蓄電ユニット1において、蓄電素子122から漏れ出した電解液が、第一貫通孔11b1を通って第二空間S20に貯留されることとなる。
以上説明したように、蓄電設備の一例として説明した本実施の形態に係るコンテナ型蓄電ユニット1によれば、第一空間S10と第二空間S20との間に配置された床板11aに、第一空間S10と第二空間S20とを接続する第一貫通孔11bが形成されている。ここで、蓄電素子122の電解液は危険物であるため、蓄電設備には、安全性確保の観点から、蓄電素子122から漏れ出した電解液を溜めることが必要である。そこで、本実施の形態によれば、床板11aに第一貫通孔11bを形成するという簡易な構成によって、当該床板11aの下方に位置する第二空間S20を貯留空間として利用して、蓄電素子122から漏れ出した電解液を溜めることができる。
特に、本実施の形態に係るコンテナ型蓄電ユニット1によれば、コンテナ10を備える蓄電設備であるため、コンテナ10の床板11aを利用して貯留空間を設けることができる。よって、簡易な構成で、蓄電素子122から漏れ出した電解液を溜めることができる。
具体的には、コンテナ10は、内部に人が立ち入れるほどの大きさを有する金属製の中空かつ直方体形状の箱体であるため、コンテナ10の床面を形成する板状部材である床板11aを有する。そこで、本実施の形態によれば、床板11aに第一貫通孔11bを形成することにより、コンテナ10と別物の貯留設備を設けることなく、床板11aを利用して電解液を溜めることができる。
また、コンテナ型蓄電ユニット1の大容量化の観点からは、コンテナ10がより多くの蓄電素子122を収納できることが好ましい。ただし、コンテナ10の内径寸法又は容量等は例えば規格等によって規定される場合がある。このため、床板11aを利用して電解液を溜めることにより、コンテナ10の内部空間における蓄電素子122を配置可能な部分を大きく確保することができ、コンテナ型蓄電ユニット1の大容量化を図ることが可能となる。
また、床板11aを利用して電解液を溜めることにより、コンテナ10に収納されたいずれの蓄電素子122から電解液が漏れ出した場合であっても、当該電解液を溜めることができる。特に、本実施の形態では、8つの蓄電装置100の全てで、3456個の蓄電素子122を有する。このため、床板11aに第一貫通孔11bを形成するという簡易な構成によって電解液を溜めることは、コンテナ型蓄電ユニット1全体の構造の簡素化に大きく貢献する。
また、コンテナ10の床板11aを利用して貯留空間を設けることにより、蓄電素子122から電解液が漏れ出した場合に、当該電解液をコンテナ10から取り出すことなく、輸送できる。つまり、当該場合に、コンテナ型蓄電ユニット1そのものを廃棄所まで輸送することができる。
また、コンテナ10の床板11aを利用して貯留空間を設けるため、貯留空間の容量を、コンテナ10のコンテナ長(Y軸方向の大きさ)を適宜調整(カスタマイズ)することにより、任意の容量にすることができる。
また、本実施の形態に係るコンテナ型蓄電ユニット1によれば、第二空間S20が床板11aとコンテナ10の底板11eとの間に形成されることによって、簡易な構成で第二空間S20の大容量化を図ることができる。このため、簡易な構成で蓄電素子122から漏れ出した多くの電解液を溜めることができる。
具体的には、床板11aは、コンテナ10の床面全体を形成する板状部材であり、底板11eは、コンテナ10の底面全体を形成する板状部材である。このため、床板11aと底板11eとの間に形成される空間は、コンテナ10の下部全体に亘って配置されるため大容量の空間となる。このため、床板11aの下方に位置する第二空間S20の大容量化が図られるので、多くの電解液を溜めることができる。
例えば、本実施の形態では、上述したように3456個の蓄電素子122を有する。このため、これら全ての蓄電素子122に封入された電解液の総量は1000リットル程度に大容量となる場合がある。よって、第二空間S20の容量が十分に確保できなければ、蓄電素子122から漏れ出した電解液が床板11a上にあふれることとなり、当該電解液がコンテナ10の外部へ流出する事態になりかねない。
また、このように多くの電解液を溜めることができる貯留設備をコンテナ10と別物で構成した場合には、貯留設備の大型化等に伴って当該貯留設備が複雑化する場合もある。さらに、このような貯留設備をコンテナ10の内部に設けた場合には、コンテナ10の内部空間に大型の貯留設備が配置されるため、コンテナ10に収納される蓄電素子122の個数が制限されてコンテナ型蓄電ユニット1の大容量化が困難となる。
よって、第二空間S20を床板11aと底板11eとの間に形成することは、簡素な構成で多くの電解液を溜められるため、コンテナ型蓄電ユニット1の安全性確保及び構成の簡素化に大きく貢献する。
ここで、本実施の形態では、床板11aは下壁部11の内壁を構成し、底板11eは下壁部11の外壁を構成する。通常、コンテナは、強度確保の観点から、各壁部(1つの下壁部、4つの側壁部、及び、1つの上壁部)に当該コンテナの骨組みを形成する長尺状部材が設けられている。例えば、本実施の形態における下壁部11には、当該下壁部11の枠体を構成する4つの長尺状部材である枠材11f1〜11f4が設けられている。そこで、本実施の形態では、当該枠材11f1〜11f4に底板11eを固定することにより、簡易な構成で‘ためます構造’を形成できる。
また、本実施の形態に係るコンテナ型蓄電ユニット1によれば、コンテナ10が第二空間S20を横切る床梁11gを有することにより、当該コンテナ10の強度が確保される。このような構成であっても、床梁11gに第二貫通孔11hが形成されていることにより、床梁11gによる第二空間S20内での電解液の滞留を抑制することができる。よって、コンテナ10の強度を確保しつつ、蓄電素子122から漏れ出した電解液を溜めることができる。
また、本実施の形態に係るコンテナ型蓄電ユニット1によれば、ラック110の下方に第一貫通孔11bが形成されていることにより、蓄電素子122から漏れ出した電解液を速やかに第二空間S20に導くことができる。
(変形例1)
次に、上記実施の形態の変形例1について、説明する。上記実施の形態では、第一貫通孔11bが蓄電装置100(蓄電装置101〜108)の下方に形成されているとした。つまり、第一貫通孔11bはラック110の下方に形成されているとした。しかし、第一貫通孔が形成されている位置はラック110の下方でなくてもかまわない。本変形例では、この一例として、第一貫通孔が、第一系統の蓄電装置101〜104と第二系統の蓄電装置105〜108との間の下方に形成されている。
図9は、本変形例において、蓄電装置100が下壁部211の床板11aに載置されている構成を示す図であり、具体的には、蓄電装置100は、第一貫通孔211bと重ならない位置に配置されている。図10は、本変形例における下壁部211及び当該下壁部211周りでの電解液の流れを示す斜視図である。なお、図10では、図8同様、何らかのアクシデントにより蓄電素子122から電解液が漏れ出した場合における当該電解液の流れが示され、説明の便宜のため、床板11aにハッチングを施しつつ、当該床板11aを半透過している。
図9に示すように、本変形例における第一貫通孔211b(第一貫通孔211b1〜211b2)は、床板11aの蓄電装置100の下方とは異なる位置に形成され、具体的には、第一系統の蓄電装置101〜104と第二系統の蓄電装置105〜108との間の空間の下方に形成されている。また、本変形例では、8つの蓄電装置101〜108に対して、2つの第一貫通孔211bが形成されている。
このように構成された本変形例に係るコンテナ型蓄電ユニットであっても、図10に示すように、蓄電装置100の蓄電素子122から電解液が漏れ出した場合、当該電解液は、床板11aに形成された第一貫通孔211bを通って第二空間S20に貯留されることとなる。例えば、蓄電装置101の蓄電素子122から電解液が漏れ出した場合、当該電解液は、床板11aによって形成される床面を流れて第一貫通孔211b1を通って、第二空間S20へと導かれる。具体的には、第一貫通孔211b1を通った電解液は、第二空間S20を構成する複数の小空間の1つであって床梁11g2、11g3と床板11aと底板11eとで囲まれた小空間S22(図7参照)に導かれる。
床梁11gには、短手方向に貫通する第二貫通孔11hが形成されているため、一の小空間(例えば小空間S22)に導かれた電解液は、第二空間S20を構成する他の小空間にも導かれる。つまり、当該電解液は一の小空間に滞留せず、第二空間S20全体に溜められる。
このように、本変形例に係るコンテナ型蓄電ユニットにおいても、上記実施の形態に係るコンテナ型蓄電ユニット1と同様に、蓄電素子122から漏れ出した電解液が第一貫通孔11b1を通って第二空間S20に貯留されることとなる。したがって、本変形例に係るコンテナ型蓄電ユニットにおいても、上記実施の形態と同様の効果が奏される。
(変形例2)
次に、上記実施の形態の変形例2について、説明する。上記実施の形態では、床梁11gに第二貫通孔11hが形成されているとした。しかし、本変形例では、床梁に貫通孔が形成されていない。
図11は、本変形例における下壁部311の断面図であり、具体的には、図6のVII−VII線に相当する断面図、及び、当該断面図のB−B線における断面図である。
上記実施の形態では、床梁11gは、上下方向両側が床板11aと底板11eとで挟み込まれるように配置されていた。これに対し、本変形例では、図11に示すように、床梁311gは、床板11a及び底板11eの少なくとも一方(例えば底板11e)と離間して配置されている。
このような構成により、床梁311gと、床板11a及び底板11eの少なくとも一方との間には、空隙311hが形成される。これにより、第二空間S20を横切るように配置された床梁311gによって仕切られた小空間(S21〜S24)同士は、当該空隙311hによって互いに接続される。
したがって、本変形例においても、上記実施の形態と同様に、一の小空間(例えば小空間S21)に導かれた電解液は、第二空間S20を構成する他の小空間(例えば小空間S22〜S24)にも導かれる。よって、本変形例に係るコンテナ型蓄電ユニットにおいても、上記実施の形態と同様の効果が奏される。
なお、床梁311gは、両端が枠材11fに固定されていればよく、床板11aと離間して配置されていてもかまわないが、床板11aを下方から支えるとともに、当該床板11aを補強して耐荷重を確保する観点から、床板11aに当接して配置されることが好ましい。
(変形例3)
次に、上記実施の形態の変形例3について、説明する。本変形例では、上記実施の形態と比べて、下壁部の枠材の配置が異なるとともに、床梁11gが配置されなくてもコンテナ10の強度が確保されるものとして当該床梁11gが配置されていない。
蓄電素子122に封入された電解液は危険物であるため、安全性確保の観点から、当該蓄電素子122から漏れ出した電解液を溜める必要があるが、上記実施の形態のように下壁部11全体に貯留空間を設けなくてもよい。
図12は、本変形例に係るコンテナ型蓄電ユニット401における下壁部411の詳細な構成を示す斜視図である。なお、同図では、図5同様、側壁部13〜15及び間仕切壁17も図示され、床板11aにハッチングを施しつつ、当該床板11aを半透過している。
同図に示すように、コンテナ10内の空間は間仕切壁17によって2つの部屋(空間)に仕切られている。具体的には、当該空間は、蓄電装置100が配置された部屋と、パワーコンディショナ200が配置された部屋とに仕切られている。
本変形例における枠材411f(枠材411f1〜411f4)は、上記実施の形態の枠材11fと比べて、下壁部411全体の枠体ではなく、側壁部14と間仕切壁17との間における下壁部411の枠体を構成する。
このように構成された枠体411fと底板11eとは、これら枠体411fと底板11eとで囲まれる空間に流入した液体を溜めることができる、‘ためます構造’を形成する。つまり、当該空間は、流入した液体を溜めることができる貯留空間(第二空間)となる。
すなわち、本変形例によれば、蓄電素子122が配置される部屋の下方に貯留空間が設けられていることとなる。
このような本変形例に係るコンテナ型蓄電ユニット401においても、上記実施の形態に係るコンテナ型蓄電ユニット1と同様に、蓄電素子122から漏れ出した電解液が、第一貫通孔11b1を通って貯留空間に貯留されることとなる。したがって、本変形例に係るコンテナ型蓄電ユニット401においても、上記実施の形態と同様の効果が奏される。
なお、本変形例では、床梁11gが配置されないとしたが、上記実施の形態と同様に、床梁11gが配置されていてもかまわない。
(変形例4)
次に、上記実施の形態の変形例4について、説明する。本変形例では、上記実施の形態と比べて、床板11aに形成された第一貫通孔として、所定方向に延びる開口を有する貫通孔が形成されている。
図13は、本変形例において、蓄電装置100が下壁部511の床板11aに載置されている構成を示す図であり、具体的には、蓄電装置100は、所定方向に延びる開口を有する第一貫通孔511bと重なる位置に配置されている。
同図に示すように、本変形例における第一貫通孔511bは、所定方向に延びる開口を有する。本変形例では、第一貫通孔511bは、例えば、側壁部14の内壁面に沿ってY軸方向に開口が延設され、当該延設方向と直交するX軸方向に複数形成されている。
このような構成によっても、上記実施の形態と同様に、蓄電素子122から漏れ出した電解液が第一貫通孔511bを通って第二空間S20に貯留されることとなる。したがって、本変形例に係るコンテナ型蓄電ユニットにおいても、上記実施の形態と同様の効果が奏される。
また、蓄電素子122から漏れ出した電解液を第二空間S20に速やかに排出するためには、蓄電装置100の下方に第一貫通孔511bが形成されていることが好ましい。本変形例では、第一貫通孔511bが所定方向に延びた開口を有するため、蓄電装置100の下方に第一貫通孔511bが位置しやすくなる。つまり、コンテナ10内における蓄電装置100のレイアウト自由度を高めつつ、蓄電素子122から漏れ出した電解液の速やかな排出を可能にする。
(変形例5)
次に、上記実施の形態の変形例5について、説明する。
図14は、本変形例に係るコンテナ型蓄電ユニット601における下壁部611の詳細な構成を示す斜視図である。なお、同図には、当該斜視図の要部断面斜視図も示されている。また、同図では、図5同様、側壁部13〜15及び間仕切壁17も図示され、床板11aにハッチングを施しつつ、当該床板11aを半透過している。
同図に示すように、本変形例における下壁部611は、上記実施の形態における下壁部11と比べて、受け板11c及び断熱材11dを備えず、床梁611gとして長手方向に直交する断面形状がH形状のH鋼が設けられている。
このような構成によっても、上記実施の形態と同様の効果が奏される。
(その他変形例)
以上、本発明の実施の形態及びその変形例に係る蓄電設備について説明したが、本発明は、上記実施の形態及びその変形例に限定されるものではない。つまり、今回開示された実施の形態及びその変形例は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
例えば、上記実施の形態及びその変形例では、コンテナ型蓄電ユニットは、コンテナ10の内部に、蓄電装置100とパワーコンディショナ200と制御装置300とを備えていることとした。しかし、コンテナ型蓄電ユニットは、パワーコンディショナ200及び/または制御装置300を備えていない構成でもかまわない。つまり、コンテナ型蓄電ユニットは、少なくとも1以上の蓄電装置100を備えていればよい。
また、枠材及び床梁の形状は、角柱、又は、長手方向に直交する断面形状がH字状に限らない。これらは、例えば、長手方向に直交する断面形状が円形、L字状、V字状、U字状、または、1つの辺を欠いた矩形状であってもかまわない。また、枠材及び床梁は中実部材でなくてもよく、中空部材であってもかまわない。
また、複数の床梁は、互いに平行に配置されていなくてもよく、例えば枠体の内部において筋交い状に斜めに配置されていてもかまわない。
また、蓄電装置100は床板11aに載置されていなくてもよく、コンテナ10の第一空間S10に配置されていればよく、例えば、上壁部16から吊り下げられて支持されることにより、コンテナ10の第一空間S10に配置されていてもかまわない。
また、第二空間S20は、床板11aと底板11eとの間に形成された空間でなくてもよく、例えば、床板11aと受け板11cとの間に設けられた空間であってもかまわない。つまり、枠材と受け板11cとで‘ためます構造’を形成してもかまわない。
また、上記の実施の形態及び各変形例において、蓄電設備として、コンテナを備えるコンテナ型蓄電ユニットを例示したが、蓄電設備はこれに限らず、次のような構成であればよい。すなわち、蓄電設備は、1以上の蓄電素子が配置されるとともに人が立入可能な第一空間と、第一空間の下方の第二空間との間に配置される床板を備え、床板には、第一空間と第二空間とを接続する第一貫通孔が形成されていればよく、例えば、蓄電設備は、蓄電素子を収納するプラント等の建屋であってもかまわない。
また、床板はコンテナ及び建屋等の屋内の床板に限らず、屋外に配置された床板であってもかまわない。
また、蓄電設備は、蓄電素子としてレドックス・フロー電池等の比較的大型の電池を備えていてもかまわない。
また、上記実施の形態及びその変形例が備える各構成要素を任意に組み合わせて構築される形態も、本発明の範囲内に含まれる。例えば、上記の変形例3の内容を他の変形例の構成に適用してもよいし、上記の変形例4の内容を他の変形例の構成に適用してもかまわない。