JP2016188826A - 温度計測装置、メッキ鋼板の加熱装置、メッキ鋼板のプレス装置、温度計測方法、メッキ鋼板の加熱方法、およびメッキ鋼板のプレス方法 - Google Patents

温度計測装置、メッキ鋼板の加熱装置、メッキ鋼板のプレス装置、温度計測方法、メッキ鋼板の加熱方法、およびメッキ鋼板のプレス方法 Download PDF

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Abstract

【課題】加熱時におけるメッキ鋼板の放射率の変動による影響を抑制しつつメッキ鋼板の温度を計測することができる温度計測装置を提供する。
【解決手段】温度計測装置4は、メッキ鋼板1から放射される放射光の光量を検出し、検出光量に応じた値を出力する検出手段43と、検出手段の出力値とメッキ鋼板の実際の温度との間の対応関係を記憶した記憶手段45と、出力値および対応関係に基づいてメッキ鋼板の温度を推定する推定手段44と、を備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、温度計測装置、メッキ鋼板の加熱装置、メッキ鋼板のプレス装置、温度計測方法、メッキ鋼板の加熱方法、およびメッキ鋼板のプレス方法に関する。
近年、自動車の軽量化による燃費向上および安全性能の向上を目的とした薄板鋼板の高強度化に伴い、様々な鋼板加工技術が開発されている。その中の一つとして、高温加熱した鋼板を熱間でプレス加工し同時に焼入れを行うことで加工性に優れた高強度鋼板が得られるホットプレス技術が存在する。高温で成形するには、鋼板を適正温度まで加熱する必要があり、加熱方法として生産性の観点から素早く目標温度まで到達させることが可能である通電加熱方式がよく用いられている。また加熱制御方式として、鋼種・鋼板の大きさ等を限定して予め電流・電圧のパターンを決定し、そのパターンを用いて目標温度まで加熱する方法(特許文献1参照)や、加熱中に鋼板の温度を測定・制御する方法が存在する。後者では、生産性を考慮すると非接触の放射温度計で計測することが望ましい。
メッキ鋼板の放射率変動の影響を除外するため、多波長で計測しその関係性を用いることにより温度を計測する手法が存在する(特許文献2参照)。代表的なものとして放射光を2波長で計測し、その光量比を計算し理論曲線を用いて温度と対応させる手法が存在する。
特開2011−82006号公報 特開平5−231945号公報
特許文献1の技術では、鋼種や鋼板の大きさによりその都度電流電圧パターンを実験的に導出せねばならず生産性が低いという問題がある。また、鋼板の形状や大きさのばらつきがそのまま温度誤差となるため、目標温度に対する精度が十分でない場合が多いといった問題もある。
特許文献2の技術では、特許文献1と異なり加熱中に測温・制御を行う。ところで、ホットプレス技術に用いられる鋼板には焼き入れ時の表面酸化防止や耐食性の改善を目的として表面処理が施されていることが多く、成形時に高温加熱する際に温度変化に伴う表面性状の変化により放射率変動が発生する。このため、実際に放射温度計で計測を試みると表面メッキの溶融などにより2波長間の放射率の比が変化することが多く、測定値に大きな誤差が生じる。加熱時にメッキ鋼板の放射率が変動したとしても、その放射率の変動による影響を抑制しつつメッキ鋼板の温度を精度よく計測できることが望ましい。
本発明の目的は、加熱時におけるメッキ鋼板の放射率の変動による影響を抑制しつつメッキ鋼板の温度を計測することができる温度計測装置、メッキ鋼板の加熱装置、メッキ鋼板のプレス装置、温度計測方法、メッキ鋼板の加熱方法、およびメッキ鋼板のプレス方法を提供することである。
本発明の温度計測装置は、メッキ鋼板から放射される放射光の光量を検出し、検出光量に応じた値を出力する検出手段と、前記検出手段の出力値と前記メッキ鋼板の実際の温度との間の対応関係を記憶した記憶手段と、前記出力値および前記対応関係に基づいて前記メッキ鋼板の温度を推定する推定手段と、を備えたことを特徴とする。
上記温度計測装置において、前記推定手段は、前記出力値に対して前記実際の温度の候補が複数存在する場合、前記出力値の時系列データに基づいて前記メッキ鋼板の温度を推定することが好ましい。
上記温度計測装置において、前記記憶手段は、前記実際の温度に対する前記検出手段の出力特性を示すモデルパターンを記憶しており、前記推定手段は、前記出力値の時系列データと前記モデルパターンとのマッチングを行って前記メッキ鋼板の温度を推定することが好ましい。
上記温度計測装置において、前記記憶手段は、前記実際の温度に対する前記検出手段の出力特性を示す少なくとも1つの極値を有するモデルパターンを記憶しており、前記推定手段は、前記検出手段から取得した前記出力値に基づいて、前記モデルパターンにおける前記極値を境界とする複数の領域から何れかの領域を選択し、選択した前記領域から前記メッキ鋼板の温度を推定することが好ましい。
本発明のメッキ鋼板の加熱装置は、上記温度計測装置と、前記メッキ鋼板を加熱する加熱装置と、を備え、前記温度計測装置によって推定された温度に基づいて前記メッキ鋼板を所定温度まで加熱することを特徴とする。
本発明のメッキ鋼板のプレス装置は、上記メッキ鋼板の加熱装置と、前記メッキ鋼板の加熱装置によって前記所定温度まで加熱された前記メッキ鋼板をプレス加工するプレス加工手段と、を備えることを特徴とする。
本発明の温度計測方法は、メッキ鋼板から放射される放射光の光量を検出し、検出光量に応じた値を出力する検出手段から出力値を取得する検出工程と、前記検出手段の出力値と前記メッキ鋼板の実際の温度との間の予め記憶している対応関係、および前記検出工程で取得した前記出力値に基づいて前記メッキ鋼板の温度を推定する推定工程と、を含むことを特徴とする。
上記温度計測方法において、前記出力値に対して前記実際の温度の候補が複数存在する場合、前記推定工程において、前記検出工程で取得した前記出力値の時系列データに基づいて前記メッキ鋼板の温度を推定することが好ましい。
上記温度計測方法において、前記対応関係は、前記実際の温度に対する前記検出手段の出力特性を示すモデルパターンであり、前記推定工程において、前記検出工程で取得した前記出力値の時系列データと前記モデルパターンとのマッチングを行って前記メッキ鋼板の温度を推定することが好ましい。
上記温度計測方法において、前記対応関係は、前記実際の温度に対する前記検出手段の出力特性を示す少なくとも1つの極値を有するモデルパターンであり、前記推定工程において、前記検出工程で取得した前記出力値に基づいて、前記モデルパターンにおける前記極値を境界とする複数の領域から何れかの領域を選択し、選択した前記領域から前記メッキ鋼板の温度を推定することが好ましい。
本発明のメッキ鋼板の加熱方法は、上記温度計測方法と、前記推定工程において推定された温度に基づいて前記メッキ鋼板を所定温度まで加熱する加熱工程と、を含むことを特徴とする。
本発明のメッキ鋼板のプレス方法は、上記プレス鋼板の加熱方法と、前記加熱工程において前記所定温度まで加熱された前記メッキ鋼板をプレス加工するプレス加工工程と、を含むことを特徴とする。
本発明に係る温度計測装置は、メッキ鋼板から放射される放射光の光量を検出し、検出光量に応じた値を出力する検出手段と、検出手段の出力値とメッキ鋼板の実際の温度との間の対応関係を記憶した記憶手段と、対応関係に基づいてメッキ鋼板の温度を推定する推定手段と、を備える。本発明に係る温度計測装置によれば、加熱時に放射率が変動するメッキ鋼板であっても、予め記憶している対応関係に基づいて精度良くメッキ鋼板の温度を推定し計測することができるという効果を奏する。
図1は、第1実施形態に係るメッキ鋼板のプレス装置の概略構成図である。 図2は、第1実施形態に係るメッキ鋼板の加熱装置を示す図である。 図3は、第1実施形態に係る所定の対応関係の一例を示す図である。 図4は、第1実施形態のメッキ鋼板の加熱中における実際の温度に対する検出手段の出力値の推移を示す図である。 図5は、所定の対応関係に基づく補正後の温度の推移を示す図である。 図6は、第2実施形態に係る所定の対応関係を示す図である。 図7は、第2実施形態のメッキ鋼板の加熱中における実際の温度に対する検出手段の出力値の推移を示す図である。 図8は、状態遷移モデルを用いた補正後の温度の推移を示す図である。
以下に、本発明の実施形態に係る温度計測装置、メッキ鋼板の加熱装置、メッキ鋼板のプレス装置、温度計測方法、メッキ鋼板の加熱方法、およびメッキ鋼板のプレス方法につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記の実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるものあるいは実質的に同一のものが含まれる。
[第1実施形態]
図1から図5を参照して、第1実施形態について説明する。本実施形態は、温度計測装置、メッキ鋼板の加熱装置、メッキ鋼板のプレス装置、温度計測方法、メッキ鋼板の加熱方法、およびメッキ鋼板のプレス方法に関する。図1は、本発明の第1実施形態に係るメッキ鋼板のプレス装置の概略構成図である。
図1に示す本実施形態に係るメッキ鋼板のプレス装置100は、メッキ鋼板1をプレス加工する。加工対象のメッキ鋼板1は、例えば、亜鉛メッキ鋼板である。メッキ鋼板のプレス装置100は、メッキ鋼板の加熱装置2と、メッキ鋼板1をプレス加工するプレス加工手段3とを有する。
メッキ鋼板の加熱装置2は、後述する温度計測装置4によって推定された温度に基づいてメッキ鋼板1を所定温度まで加熱する。プレス加工手段3は、メッキ鋼板の加熱装置2によって所定温度まで加熱されたメッキ鋼板1をプレス加工する。メッキ鋼板の加熱装置2によって加熱されたメッキ鋼板1は、搬送ロール等の搬送手段によってプレス加工手段3に搬送される。本実施形態のプレス加工手段3は、ハウジング31と、一対のワークロール32,32と、一対のバックアップロール33,33とを有する。プレス加工手段3は、ワークロール32,32によってメッキ鋼板1を熱間圧延する。
メッキ鋼板の加熱装置2は、温度計測装置4と、加熱装置5とを有する。本実施形態の温度計測方法の概略について説明する。まず、メッキ鋼板1の信頼できる温度値と、それに対応する表面性状の推移が反映される計測値を予め測定しておく。加熱装置5によりメッキ鋼板1を加熱する際に、温度計測装置4は予め測定した表面性状の推移の情報と加熱中の検出手段43の測定値から表面性状の推移を推定し考慮して真の温度を求める。これにより、加熱中に放射率が変動したとしても、その変動の影響を受けずにメッキ鋼板1の温度を推定することが可能となる。メッキ鋼板の加熱装置2は、温度計測装置4が推定した温度に基づいて加熱装置5による温度制御を行う。プレス加工手段3は、加熱装置5によって所定温度まで加熱されたメッキ鋼板1をプレス加工する。
温度計測装置4は、集光部41と、光ファイバー42と、検出手段43と、推定手段44と、記憶手段45を有する。集光部41は、メッキ鋼板1の表面1aと対向する位置に配置される。集光部41は、メッキ鋼板1の表面1aと対向するレンズを有する。集光部41は、このレンズによってメッキ鋼板1から放射される放射光を光ファイバー42に集光する。光ファイバー42は、導光部材であり、集光部41のレンズから入射する光を制御装置6の検出手段43に導く。検出手段43は、光ファイバー42によって伝送された光の強さ(光量)を検出し、検出光量に応じた値を出力する。本実施形態の検出手段43は、検出光量に応じた値として、メッキ鋼板1の温度を示す信号を出力する。検出手段43は、例えば、メッキ鋼板1の放射率が一定であるという前提のもとで、検出した光量に応じた温度値を出力する。
制御装置6の制御部61は、検出手段43と電気的に接続されており、検出手段43の出力値を取得する。制御部61は、所定の周期、例えば10[msec]から数10[msec]程度の間隔で検出手段43の出力値を取得し、この出力値の時系列データを生成し記憶する。出力値の取得間隔は、一定であることが好ましい。
加熱装置5は、電極51a,51bと、電源52と、温度制御部53とを有する。加熱装置5は、電極51a,51b間に電圧をかけ、メッキ鋼板1に大電流を流すことによりメッキ鋼板1の温度を上昇させる。第一電極51aは、メッキ鋼板1の幅方向(または長手方向)の一端に配置され、第二電極51bは、メッキ鋼板1の幅方向(または長手方向)の他端に配置される。第一電極51aおよび第二電極51bは、メッキ鋼板1を厚さ方向の両側から挟み込む。電極51a,51bは、電源52と接続されている。
電源52は、第一電極51aと第二電極51bとの間の電圧値を調節可能である。電源52による印可電圧は、温度制御部53によって制御される。温度制御部53は、予め定められた加熱速度でメッキ鋼板1の温度を上昇させるように、電源52の印可電圧を調節する。温度制御部53は、温度計測装置4によって推定された温度に基づいて、推定温度の上昇率が目標とする温度上昇率となるように、印可電圧を調節する。また、温度制御部53は、温度計測装置4によって推定された温度が所定温度となるまでメッキ鋼板1を加熱する。所定温度は、プレス加工手段3による加工内容に応じて予め定められている。本実施形態の加熱装置5は、例えば、メッキ鋼板1を900[℃]まで加熱する。
制御装置6は、検出手段43および制御部61を有する。制御部61は、温度計測装置4を構成する推定手段44および記憶手段45と、加熱装置5を構成する温度制御部53とを有する。制御部61は、例えば、ワークステーションやパソコン等の汎用のコンピュータであっても、専用の電子制御ユニット等であってもよい。記憶手段45としては、フラッシュメモリ等のROM、あるいはハードディスクやCD−ROM等の記録媒体等を用いることができる。記憶手段45は、検出手段43の出力値とメッキ鋼板1の実際の温度(信頼できる温度)との間の対応関係、および推定手段44や温度制御部53が実行するプログラム等を予め記憶している。
図2を参照して、検出手段43の出力値とメッキ鋼板1の実際の温度との間の対応関係(以下、単に「所定の対応関係」と称する。)を取得する方法の一例について説明する。所定の対応関係は、事前実験によって取得されるものであり、実際の温度に対する検出手段43の出力特性を示す。図2に示すように、事前実験では、メッキ鋼板1における放射温度計測箇所1cにメッキ鋼板1の温度の真値(実際の温度)を計測する熱電対7が設置される。放射温度計測箇所1cは、集光部41が有するレンズの光軸の延長線上の位置である。熱電対7を設置することによる検出手段43の検出値への影響を避けるため、熱電対7の設置箇所は、メッキ鋼板1の厚みが薄ければ裏面1b側に、厚みが厚ければ表面1aの放射温度計測箇所1cから少しずらした位置が好ましい。
事前実験では、データロガー8が熱電対7および制御部61に接続される。データロガー8は、熱電対7によって計測されたメッキ鋼板1の温度と、検出手段43から出力された出力値のそれぞれを記録する。事前実験では、加熱装置5によってメッキ鋼板1を加熱しながら、熱電対7の計測温度、および検出手段43が出力する温度をデータロガー8によって記録させる。メッキ鋼板1の初期温度をT、目標到達温度をTとする。加熱装置5によってメッキ鋼板1を目標到達温度をT付近あるいは目標到達温度をT以上に加熱し、温度上昇中に同一時刻の検出手段43と熱電対7の対応するデータをデータロガー8によって取得する。
加熱中の熱電対7の計測温度をTとし、検出手段43から出力される温度をTrとし、両者の関係を表すパターンを関数fを用いてTr=f(T)と標記する。熱電対7と検出手段43の計測遅延の影響を除外するため、加熱速度によるメッキ鋼板1の表面性状変化の影響が出ない範囲で緩やかに加熱することが望ましい。また、鋼種や表面処理の違いにより、メッキ鋼板1の温度の真値と検出手段43の測定値との関係が異なる。このため、鋼種や表面処理ごとに別の事前実験によって所定の対応関係が取得される。
図3には、事前実験によって取得された所定の対応関係の一例が示されている。図3において、横軸は熱電対7によって計測されたメッキ鋼板1の温度、縦軸は検出手段43から出力されたメッキ鋼板1の温度(出力値)である。熱電対7によって計測された温度は、メッキ鋼板1の真の温度、または真の温度に近い信頼できる温度であると考えられる。本明細書では、熱電対7によって計測された温度を「実際の温度T」とも称する。実際の温度Tは、加熱によるメッキ鋼板1の表面性状の変化の影響を受けることなく計測された値といえる。図3に示すように、検出手段43の出力値Trは、実際の温度Tに対して低温側に乖離している。これは、加熱されて高温となることでメッキ鋼板1の表面性状が変化するためと考えられる。メッキ鋼板1の亜鉛合金が溶融してメッキ鋼板1の放射率が低下することで、検出手段43の出力値Trが実際の温度Tに対して低温側にシフトしてしまう。
これに対して、本実施形態の温度計測装置4は、メッキ鋼板1が通電加熱される際に、事前実験により得られた表面性状の情報(所定の対応関係)を用いて検出手段43で得られた値を逐次補正する。事前実験により測定したパターンによる補正がなされることで、精度よくメッキ鋼板1の温度を推定することが可能となる。また、加熱装置5は、逐次補正された温度に基づいて電源52の印可電圧をフィードバック制御する。これにより、メッキ鋼板の加熱装置2は、所望の上昇速度で、かつ精度よくメッキ鋼板1の温度を目標到達温度Tまで上昇させることができる。
推定手段44は、メッキ鋼板1の温度の推定を行う。本実施形態の温度推定方法の具体的な内容について説明する。まず、事前実験により得られた所定の対応関係を示す関数fが予め決定される。関数fは、例えば、既知の手法により適宜定められる。関数fが逆関数を持つ場合、すなわち熱電対7の1つの計測値に対して出力値Trが1対1対応する場合、メッキ鋼板1の推定温度T’は、下記[数1]を用いて計算できる。
Figure 2016188826
(第1実施形態の実施例)
図3の所定の対応関係に基づいてメッキ鋼板1の温度を推定した実施例について説明する。図4は、メッキ鋼板の加熱中における実際の温度に対する検出手段の出力値の推移を示す図、図5は、所定の対応関係に基づく補正後の温度の推移を示す図である。図4の出力値Trの推移は、メッキ鋼板1の表面に熱電対7を溶接し、検出手段43と同期させた状態で加熱装置5によりメッキ鋼板1を加熱し、加熱時における鋼板温度の真値(熱電対7で計測)に対する検出手段43の出力値Trの推移を記録したものである。実施例では、事前実験と異なり、実際の加熱工程においてメッキ鋼板1を加熱する際の温度上昇率でメッキ鋼板1の温度を上昇させた。
図5において、横軸は熱電対7によって計測された実際の温度T、縦軸は、所定の対応関係に基づく上記[数1]によって推定されたメッキ鋼板1の温度(推定温度)T’を示す。出力値Trと実際の温度Tとの差分の標準偏差σは37.1[℃]、補正後の推定温度T’と実際の温度Tとの差分の標準偏差σは9.2[℃]であった。このように、第1実施形態の温度計測装置4は、精度よくメッキ鋼板1の温度を計測することができる。
以上説明したように、第1実施形態に係る温度計測装置4は、メッキ鋼板1から放射される放射光の光量を検出し、検出光量に応じた値を出力する検出手段43と、検出手段43の出力値Trとメッキ鋼板1の実際の温度Tとの間の対応関係(所定の対応関係)を記憶した記憶手段45と、出力値Trおよび対応関係に基づいてメッキ鋼板1の温度を推定する推定手段44と、を有している。本実施形態の温度計測装置4は、温度上昇によってメッキ鋼板1の表面性状が変化する場合であっても、予め記憶している対応関係に基づいて精度良くメッキ鋼板1の温度を推定することができる。
また、第1実施形態に係るメッキ鋼板の加熱装置2は、温度計測装置4と、メッキ鋼板1を加熱する加熱装置5と、を有し、温度計測装置4によって推定された温度に基づいてメッキ鋼板1を所定温度まで加熱する。メッキ鋼板の加熱装置2は、温度計測装置4によって精度良く推定される温度に基づいてメッキ鋼板1を加熱することで、メッキ鋼板1の温度を精度良く目標到達温度Tに合わせ込むことができる。
第1実施形態に係るメッキ鋼板のプレス装置100は、メッキ鋼板の加熱装置2と、メッキ鋼板の加熱装置2によって所定温度まで加熱されたメッキ鋼板1をプレス加工するプレス加工手段3と、を有する。メッキ鋼板のプレス装置100は、メッキ鋼板の加熱装置2によって高精度な温度制御を実行し、加工精度を向上させることができる。これにより、高品質な製品製造が可能となる。
本実施形態の温度計測方法は、メッキ鋼板1から放射される放射光の光量を検出し、検出光量に応じた値を出力する検出手段43から出力値を取得する検出工程と、検出手段43の出力値Trとメッキ鋼板1の実際の温度Tとの間の予め記憶している対応関係、および検出工程で取得した出力値Trに基づいてメッキ鋼板1の温度を推定する推定工程と、を含む。本実施形態の温度計測方法は、予め記憶している対応関係に基づいて精度良くメッキ鋼板1の温度を推定することができる。なお、温度計測方法は、更に、予め検出手段43の出力値Trとメッキ鋼板1の実際の温度Tとの間の対応関係を計測する事前計測工程を含んでもよい。
また、第1実施形態に係るメッキ鋼板の加熱方法は、上記の温度計測方法と、推定工程において推定された温度に基づいてメッキ鋼板1を所定温度まで加熱する加熱工程と、を含む。推定工程と加熱工程は、並行して、または交互に実行される。推定工程において高精度にメッキ鋼板1の温度が推定されることで、加熱工程によってメッキ鋼板1の温度を精度良く目標到達温度Tに合わせ込むことができる。
第1実施形態に係るメッキ鋼板のプレス方法は、上記のプレス鋼板の加熱方法と、加熱工程において所定温度まで加熱されたメッキ鋼板1をプレス加工するプレス加工工程と、を含む。このメッキ鋼板のプレス方法は、推定工程および加熱工程によって高精度な温度制御を実行し、メッキ鋼板1の加工精度を向上させることができる。
[第2実施形態]
図6から図8を参照して、第2実施形態について説明する。第2実施形態については、上記第1実施形態で説明したものと同様の機能を有する構成要素には同一の符号を付して重複する説明は省略する。第2実施形態において、上記第1実施形態と異なる点は、検出手段43の検出値Trと実際の温度Tが1対1対応していない所定の対応関係にも対応可能な点である。図6は、第2実施形態に係る所定の対応関係を示す図である。図6に示す所定の対応関係では、検出手段43の出力値Trに対して実際の温度Tの候補が複数存在する領域がある。
図6に示すように、第2実施形態の所定の対応関係を示す関数は、極値Tra,Trbを有する。第1の極値Traは、極大値であり、これに対応する実際の温度Tは第1の温度Taである。第2の極値Trbは極小値であり、これに対応する実際の温度Tは第2の温度Tbである。第1の極値Traと第2の極値Trbとの間の温度帯では、出力値Trに対して実際の温度Tの候補が複数存在している。このため1つの出力値Trだけから実際の温度Tを精度良く決定することは難しい。
本実施形態の温度計測装置4は、予め測定した信頼できる温度値に対応する検出手段43の出力値の軌跡と、加熱中の検出手段43の加熱開始からの出力値の軌跡とを比較することによってメッキ鋼板1の温度の真値を推定する。これにより、メッキ鋼板1の温度の真値と検出手段43の出力値が1対1対応しておらず煩雑なパターンをしていても精度良く検出手段43の出力値からメッキ鋼板1の温度の真値を追従することが可能となる。
第2実施形態の推定手段44は、メッキ鋼板1の加熱中における検出手段43の出力値Trの時系列データ、すなわち出力値Trの軌跡に基づいてメッキ鋼板1の温度を推定する。推定手段44は、加熱開始からの検出手段43の出力値Trの軌跡と、所定の対応関係のパターンを比較して、複数の実際の温度Tの候補から最も確からしい温度を決定する。具体的には、推定手段44は、以下に説明するように過去の軌跡情報を用いて状態遷移に分割する。
事前の準備として、以下の(1)から(3)の手順が実行される。
(1)所定の対応関係から導出された関数Tr=f(T)が極値をとる実際の温度Tの値Ta,Tb,Tc…が導出される。
(2)導出された温度に基づいて、所定の対応関係を示す関数f(T)がTr=fa(T);(To<T<Ta)、Tr=fb(T);(Ta<T<Tb)、Tr=fc(T);(Tb<T<Tc)、…のように複数の温度領域に分割される。分割されたそれぞれの温度領域では、関数fa,fb,fc,…において、出力値Trと実際の温度Tは1対1対応する。
(3)分割された関数fa,fb,fc,…についてそれぞれ温度範囲を示す状態S(Sa,Sb,Sc,…)を定義し、第1の状態Sa→第2の状態Sb→第3の状態Sc→…となる状態遷移モデルと遷移条件を構築する。
実際にメッキ鋼板1の温度を計測する場合には、検出手段43の出力値Tr、状態遷移モデル、および遷移条件を用いて、現在の状態S(Sa,Sb,Sc,…)を判定する。なお、状態Sの初期条件は予め制御部61に与えられる。例えば、加熱開始時の状態Sは、第1の状態Saという条件が与えられる。各状態Sa,Sb,Sc,…では、対応する関数fa,fb,fc,…は逆行列を持ち、出力値Trから実際の温度Tを一意に決めることが可能である。
遷移条件の典型的な例について説明する。第1の例として、検出手段43の出力値Trの増減が、現在の状態Sに対応する関数fの傾きと逆符号となったら、状態Sが遷移したと判定される。図6を参照して説明すると、現在の状態Sが第1の状態Saである場合、対応する第1の関数faの傾きは、実際の温度Tの増加に対して出力値Trが増加する正の傾きである。遷移先の第2の状態Sbに対応する第2の関数fbの傾きは負である。従って、現在の状態Sが第1の状態Saである場合に、出力値Trの増減が増加から減少に変化した場合、第2の状態Sbに遷移したと判定することができる。
第2の例として、検出手段43の出力値Trの大きさが現在属している状態Sに対応する関数の上端(または下端)に所定以上に接近したら状態が遷移したと判定される。例えば、第1の状態Saに対応する第1の関数faの上限値は第1の極値Traである。検出手段43の出力値Trと第1の極値Traとの差分が所定の閾値以下となったら、第2の状態Sbに遷移したと判定することができる。
第3の例として、各状態S(Sa,Sb,Sc,…)において予測モデルを立て、予測モデルによる予測値が現在属している状態Sから外れたら次の状態Sに遷移したと判定される。一例として、現在の状態Sが第1の状態Saである場合、現在の推定温度T’と、対応する関数fa、およびメッキ鋼板1の温度上昇率に基づいて検出手段43の出力値Trが予測される。この予測値と実際の出力値Trとの乖離が大きい場合、第2の状態Sbに遷移したと判定することができる。
第2実施形態では、上記の第1の例および第2の例を組み合わせた遷移条件が設定される。検出手段43の出力値Trが現在の状態Sに対応する関数fの上限値(または下限値)に20[℃]以内に接近し、かつ出力値Trの増減が現在の状態Sの関数fの傾きと逆方向である場合、次の状態に遷移したと判断される。推定手段44は、現在の状態Sに対応する関数f(fa,fb,fc,…)の逆関数に基づいて推定温度T’を算出する。これにより、最も確からしいメッキ鋼板1の温度を推定することが可能となる。
このように、本実施形態では、予め測定した信頼できる温度値に対応する検出手段43による出力値の軌跡を表面性状の変化が大きい地点で複数の状態に分割している。加熱開始からの検出手段43の出力値からまず計測時点の状態が推定され、推定された状態の情報を用いて鋼板温度の真値が算出される。これにより、メッキ鋼板1の温度の真値と検出手段43の出力値が1対1対応しておらず煩雑なパターンをしていても精度良く検出手段43の出力値から鋼板温度の真値を追従することが可能となる。
(第2実施形態の実施例)
図6の所定の対応関係に基づく状態遷移モデルを用いてメッキ鋼板1の温度を推定した実施例について説明する。図7は、第2実施形態のメッキ鋼板の加熱中における実際の温度に対する検出手段の出力値の推移を示す図、図8は、状態遷移モデルを用いた補正後の温度の推移を示す図である。図8に示すように、状態遷移モデルを用いた温度補正により、推定温度T’と実際の温度Tとの乖離量は、出力値Trと実際の温度Tとの乖離量と比較して低減している。出力値Trと実際の温度Tとの差分の標準偏差σは51.9[℃]、補正後の推定温度T’と実際の温度Tとの差分の標準偏差σは11.2[℃]であった。状態遷移モデルを用いることにより、高精度にメッキ鋼板1の温度を推定できることが確認された。
なお、昇温加速度や統計モデル、通電時における電圧、電流情報もしくはメッキ鋼板1の加熱モデルなどを用いて予測を行い、現在の推定温度T’から前後一定範囲のみを探索する等、整合窓をモデルから定義し探索範囲を制御しながら追従させてもよい。加熱モデルを用いた追従制度向上の具体例について述べる。通電時における電圧・電流のデータと加熱モデルを用いて前回測定からの実際の温度Tの上昇分を計算し、その予測値を用いて誤差を補正しながらパターンを追従する方法である。電流値をI、電圧値をV、鋼板の重量をM、鋼板の比熱をc、サンプリング周期をΔtとすると、推定温度上昇値ΔTは下記[数2]で表される。
Figure 2016188826
推定温度上昇値ΔTを用いて誤差を評価しフィードバックして追従させる手法、軌跡追従の際の整合窓を定義して探索範囲を限定する手法、評価関数を定義して推定温度上昇値ΔT周辺に推定値が来るよう評価するなどの手法が考えられる。また、輻射熱による抜熱を入れ込めば、より高精度な予測が可能となる。
以上説明したように、第2実施形態の推定手段44は、検出手段43の出力値Trに対して実際の温度Tの候補が複数存在する場合、出力値Trの時系列データに基づいて実際の温度Tを推定する。よって、所定の対応関係において出力値Trと実際の温度Tが1対1対応していない場合であっても、メッキ鋼板1の温度を精度良く推定することが可能となる。
また、第2実施形態の記憶手段45は、実際の温度Tに対する検出手段43の出力特性を示す少なくとも1つの極値を有するモデルパターン(特性関数、特性曲線)を記憶している。推定手段44は、検出手段43から取得した出力値Trに基づいて、モデルパターンにおける極値を境界とする複数の領域(第1の状態Sa、第2の状態Sb、第3の状態Sc、…)から何れかの領域(状態S)を選択し、選択した領域から実際の温度Tを推定する。推定手段44は、例えば、第1の状態Saを選択した場合、第1の状態Saの温度範囲から実際の温度Tを決定する。典型的には、推定手段44は、第1の状態Saに対応する第1の関数faの逆関数によって実際の温度Tを推定する。このように選択した領域から温度を推定することにより、精度良くメッキ鋼板1の温度を推定することができる。
[第3実施形態]
第3実施形態について説明する。第3実施形態については、上記第1実施形態および第2実施形態で説明したものと同様の機能を有する構成要素には同一の符号を付して重複する説明は省略する。第3実施形態において、上記各実施形態と異なる点は、パターンマッチングを用いてメッキ鋼板1の温度を推定する点である。本実施形態の推定手段44は、加熱開始からの検出手段43の出力値Trの軌跡と、所定の対応関係(例えば、図6に示す対応関係)の一部との一致度を評価し比較することにより、メッキ鋼板1の温度を推定する。
推定手段44は、加熱中の初期状態からの検出手段43の出力値Trを記録しておき、動的計画法(DPマッチング等)を用いて、予め記録しておいた所定の対応関係における出力値Trの軌跡のどの領域に対応するかを軌跡間の一致度を評価することにより算出する。加熱装置5によるメッキ鋼板1の加熱が開始されて、検出手段43から出力値TrをN回取得したとする。検出手段43の出力値Trの時系列データをTr'(n);n=1,2,3,…,Nとし、所定の対応関係のパターンTr(m);m=1,2,3,…,Mの部分パターンをTr(m);m=1,2,3,…,M’(1≦M’≦M)とする。2データに対して、n=k(m=1,2,3,…,M’)と対応させるようDPマッチングを行ったときの距離関数は、下記[数3]となる。
Figure 2016188826
[数3]の距離関数を用いて、コスト関数を下記[数4]のように表記する。
Figure 2016188826
このコスト関数を、パラメータM’を振りながら最小化し、移動距離で正規化して比較する。その結果、最もコストが小さくなるM’を検出手段43の出力値Trに対応する予め計測したモデルパターン上の位置M*’とする(下記[数5])。最小コストとなる位置M*’から、時系列データ中の最新の出力値Trのモデルパターン上における位置が決定され、この出力値Trに対応するメッキ鋼板1の温度が推定される。
Figure 2016188826
なお、DPマッチングについては、例えば、下記の参考文献がある。DPマッチングのコストは一致度の指標の一例であり、軌跡の特徴量を比較するなど別の評価を用いてもよい。
参考文献:内田誠一,”[特別講演]DPマッチング概説 〜基本と様々な拡張〜”,信学技報,PRMU2006−166,Dec.2006.
上記のような予測モデルを用いることにより、加熱中の鋼板温度の真値と検出手段43の出力値が1対1対応していなくとも温度履歴を再現し、メッキ鋼板1の温度を目標到達温度Tに合わせ込むことが可能となる。
以上説明したように、第3実施形態の記憶手段45は、実際の温度Tに対する検出手段43の出力特性を示すモデルパターンを記憶している。推定手段44は、加熱時の出力値Trの時系列データとモデルパターンとのマッチングを行って実際の温度Tを推定する。これにより、加熱中の実際の温度Tの推移を推定し、現在のメッキ鋼板1の温度を精度良く推定することができる。
[各実施形態の第1変形例]
上記第1実施形態乃至第3実施形態の第1変形例について説明する。上記各実施形態では、所定の対応関係がメッキ鋼板1の実際の温度Tと出力値Trとの関係を示す物であったが、これには限定されない。所定の対応関係は、光量から温度が算出可能なパラメータとの対応関係であって、例えば、メッキ鋼板1の実際の温度Tとメッキ鋼板1の実際の放射率との対応関係であってもよい。この対応関係は、事前実験によって取得することが可能である。熱電対7により計測した実際の温度に対する放射率変動のパターンを事前実験により取得しておき、加熱時にこの変動パターンに基づいて検出手段43の出力値を補正してメッキ鋼板1の温度を推定し、加熱制御することが可能である。
[各実施形態の第2変形例]
上記第1実施形態乃至第3実施形態の第2変形例について説明する。検出手段43から取得した出力値Trを逐次補正することなく、目標到達温度Tに基づいて加熱終了を判定するようにしてもよい。例えば、加熱装置5は、メッキ鋼板1の加熱プロセスにおいて、出力値Trが目標到達温度Tに対応する値f(T)に到達するまで加熱を行うようにしてもよい。加熱中のメッキ鋼板1の温度は必ずしも正確に求められないため温度履歴の合わせ込みは出来ないが、加熱途中において実際の温度Tと出力値Trが1対1対応していなくてもメッキ鋼板1の温度を最終的な目標温度に合わせ込むことができる。なお、この加熱制御では、所定の対応関係において目標到達温度Tと出力値Trが1対1対応していることが望ましい。また、目標到達温度Tに対応する放射率を推定して利用しても同様の補正が可能である。
なお、メッキ鋼板1の実際の温度を計測する手段は、熱電対7に限定されるものではなく、メッキ鋼板1の表面温度が正確に測温可能な手法であればよい。事前実験における温度計測手段は、メッキ鋼板1の表面性状の変化による影響を受けないものであることが望ましく、例えば接触式であることが好ましい。
上記の各実施形態および変形例に開示された内容は、適宜組み合わせて実行することができる。
1 メッキ鋼板
1a 表面
1b 裏面
1c 放射温度計測箇所
2 メッキ鋼板の加熱装置
3 プレス加工手段
4 温度計測装置
41 集光部
42 光ファイバー
43 検出手段
44 推定手段
45 記憶手段
5 加熱装置
51a 第一電極
51b 第二電極
52 電源
53 温度制御部
6 制御装置
61 制御部
7 熱電対
8 データロガー
100 メッキ鋼板のプレス装置
T 実際の温度
Tr 出力値
Tra 第1の極値
Trb 第2の極値
Sa 第1の状態
Sb 第2の状態
Sc 第3の状態

Claims (12)

  1. メッキ鋼板から放射される放射光の光量を検出し、検出光量に応じた値を出力する検出手段と、
    前記検出手段の出力値と前記メッキ鋼板の実際の温度との間の対応関係を記憶した記憶手段と、
    前記出力値および前記対応関係に基づいて前記メッキ鋼板の温度を推定する推定手段と、
    を備えたことを特徴とする温度計測装置。
  2. 前記推定手段は、前記出力値に対して前記実際の温度の候補が複数存在する場合、前記出力値の時系列データに基づいて前記メッキ鋼板の温度を推定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の温度計測装置。
  3. 前記記憶手段は、前記実際の温度に対する前記検出手段の出力特性を示すモデルパターンを記憶しており、
    前記推定手段は、前記出力値の時系列データと前記モデルパターンとのマッチングを行って前記メッキ鋼板の温度を推定する
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の温度計測装置。
  4. 前記記憶手段は、前記実際の温度に対する前記検出手段の出力特性を示す少なくとも1つの極値を有するモデルパターンを記憶しており、
    前記推定手段は、前記検出手段から取得した前記出力値に基づいて、前記モデルパターンにおける前記極値を境界とする複数の領域から何れかの領域を選択し、選択した前記領域から前記メッキ鋼板の温度を推定する
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の温度計測装置。
  5. 請求項1から4の何れか1項に記載の温度計測装置と、
    前記メッキ鋼板を加熱する加熱装置と、
    を備え、前記温度計測装置によって推定された温度に基づいて前記メッキ鋼板を所定温度まで加熱する
    ことを特徴とするメッキ鋼板の加熱装置。
  6. 請求項5に記載のメッキ鋼板の加熱装置と、
    前記メッキ鋼板の加熱装置によって前記所定温度まで加熱された前記メッキ鋼板をプレス加工するプレス加工手段と、
    を備えることを特徴とするメッキ鋼板のプレス装置。
  7. メッキ鋼板から放射される放射光の光量を検出し、検出光量に応じた値を出力する検出手段から出力値を取得する検出工程と、
    前記検出手段の出力値と前記メッキ鋼板の実際の温度との間の予め記憶している対応関係、および前記検出工程で取得した前記出力値に基づいて前記メッキ鋼板の温度を推定する推定工程と、
    を含むことを特徴とする温度計測方法。
  8. 前記出力値に対して前記実際の温度の候補が複数存在する場合、前記推定工程において、前記検出工程で取得した前記出力値の時系列データに基づいて前記メッキ鋼板の温度を推定する
    ことを特徴とする請求項7に記載の温度計測方法。
  9. 前記対応関係は、前記実際の温度に対する前記検出手段の出力特性を示すモデルパターンであり、
    前記推定工程において、前記検出工程で取得した前記出力値の時系列データと前記モデルパターンとのマッチングを行って前記メッキ鋼板の温度を推定する
    ことを特徴とする請求項7または8に記載の温度計測方法。
  10. 前記対応関係は、前記実際の温度に対する前記検出手段の出力特性を示す少なくとも1つの極値を有するモデルパターンであり、
    前記推定工程において、前記検出工程で取得した前記出力値に基づいて、前記モデルパターンにおける前記極値を境界とする複数の領域から何れかの領域を選択し、選択した前記領域から前記メッキ鋼板の温度を推定する
    ことを特徴とする請求項7または8に記載の温度計測方法。
  11. 請求項7から10の何れか1項に記載の温度計測方法と、
    前記推定工程において推定された温度に基づいて前記メッキ鋼板を所定温度まで加熱する加熱工程と、
    を含むことを特徴とするメッキ鋼板の加熱方法。
  12. 請求項11に記載のプレス鋼板の加熱方法と、
    前記加熱工程において前記所定温度まで加熱された前記メッキ鋼板をプレス加工するプレス加工工程と、
    を含むことを特徴とするメッキ鋼板のプレス方法。
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