JP2016188412A - 成膜方法および積層体フィルムの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】この成膜方法は、長尺フィルムの金属層上に膜厚と反応条件が異なる反応性スパッタリングにより成膜された複数サンプル用金属吸収層の分光反射率特性を反射率測定器で測定しかつサンプル毎に反射率極小値の波長と極大値/極小値の比を特定するデータ収集工程と、収集された数値群から目標とする金属吸収層の波長λと比αを特定しかつ分光反射率を測定しながら波長λと比αに設定できる成膜初期条件を設定する工程と、該条件に従い金属層上に連続成膜される金属吸収層の分光反射率を上記反射率測定器により継続して測定しかつ波長λと比αが維持されるように反応性ガスの調整または/およびスパッタリング電力の調整を行う条件維持工程を有することを特徴とする。
【選択図】図4
Description
また、「反射率極大値/極小値−酸素流量/膜厚の関係、および、反射率極大値/極小値−膜厚の関係」を表す図8の関係図から、「反射率極大値/極小値の比」は、反応条件(酸素流量/膜厚)と膜厚の両方に依存し、これ等の増加に比例して「反射率極大値/極小値の比」が増加していることが確認される。
少なくとも片面に金属層が形成された長尺樹脂フィルムの該金属層上に、酸素を含む反応性ガスと金属ターゲットを用いた反応性スパッタリング法により連続して金属吸収層を成膜すると共に、成膜される金属吸収層の分光反射率特性に基づいて金属吸収層の成膜条件を制御する成膜方法において、
膜厚d1〜dnのサンプル用金属吸収層をそれぞれa組の反応条件(酸素流量/膜厚)に従って金属層上に成膜し、かつ、成膜された複数(n×a)個のサンプル用金属吸収層の分光反射率を測定して極大値と極小値を有する分光反射率特性をそれぞれ求めると共に、得られた分光反射率特性から、(n×a)個のサンプル用金属吸収層毎に「反射率極小値の波長」および「反射率極大値と極小値の比(=極大値/極小値)」の数値をそれぞれ特定する成膜前のデータ収集工程と、
データ収集工程により得られた(n×a)個の「反射率極小値の波長」および「反射率極大値と極小値の比(=極大値/極小値)」の数値群から、成膜目標とする金属吸収層に係る数値(反射率極小値の波長λおよび反射率極大値と極小値の比α)を特定し、かつ、目標とする金属吸収層を金属層上に成膜しながらスパッタリング装置内に設けられたインライン反射率測定器により成膜中における金属吸収層の分光反射率を測定すると共に、上記「反射率極小値の波長λ」および「反射率極大値と極小値の比α」に設定される反応性ガスの酸素流量およびスパッタリング電力を特定する成膜条件設定工程と、
成膜条件設定工程により特定された成膜条件に従い金属層上に連続成膜される金属吸収層の分光反射率を上記インライン反射率測定器により継続して測定し、上記「反射率極小値の波長λ」および「反射率極大値と極小値の比α」が維持されるように反応性ガスの調整または/およびスパッタリング電力の調整を行う成膜条件維持工程、
を具備することを特徴とするものである。
第1の発明に記載の成膜方法において、
上記成膜条件維持工程における反応性ガスの調整が、水素若しくは水蒸気の添加、または/および、上記酸素流量の変更であることを特徴とし、
第3の発明は、
第1の発明に記載の成膜方法において、
上記金属吸収層の膜厚が10nm〜100nmの範囲、かつ、反応性ガスに含まれる酸素が5重量%〜20重量%の範囲に設定されていることを特徴とし、
第4の発明は、
第1の発明または第2の発明に記載の成膜方法において、
上記金属ターゲットが、Ni単体、若しくは、Ti、Al、V、W、Ta、Si、Cr、Ag、Mo、Cuより選ばれる1種以上の元素が添加されたNi系合金、または、Cu単体、若しくは、Ti、Al、V、W、Ta、Si、Cr、Ag、Mo、Niより選ばれる1種以上の元素が添加されたCu系合金で構成されていることを特徴とし、
第5の発明は、
第1の発明〜第4の発明のいずれかに記載の成膜方法において、
上記長尺樹脂フィルムと金属層との間に下側金属吸収層が設けられていることを特徴とするものである。
樹脂フィルムから成る透明基板と該透明基板の少なくとも片面に設けられた積層膜とで構成され、該積層膜が、下側金属吸収層と金属層と上側金属吸収層から成る積層体フィルムの製造方法において、
上記上側金属吸収層が、第1の発明〜第5の発明のいずれかに記載の成膜方法により成膜されていることを特徴とする。
膜厚d1〜dnのサンプル用金属吸収層をそれぞれa組の反応条件(酸素流量/膜厚)に従って金属層上に成膜し、かつ、成膜された複数(n×a)個のサンプル用金属吸収層の分光反射率を測定して極大値と極小値を有する分光反射率特性をそれぞれ求めると共に、得られた分光反射率特性から、(n×a)個のサンプル用金属吸収層毎に「反射率極小値の波長」および「反射率極大値と極小値の比(=極大値/極小値)」の数値をそれぞれ特定する成膜前のデータ収集工程と、
データ収集工程により得られた(n×a)個の「反射率極小値の波長」および「反射率極大値と極小値の比(=極大値/極小値)」の数値群から、成膜目標とする金属吸収層に係る数値(反射率極小値の波長λおよび反射率極大値と極小値の比α)を特定し、かつ、目標とする金属吸収層を金属層上に成膜しながらスパッタリング装置内に設けられたインライン反射率測定器により成膜中における金属吸収層の分光反射率を測定すると共に、上記「反射率極小値の波長λ」および「反射率極大値と極小値の比α」に設定される反応性ガスの酸素流量およびスパッタリング電力を特定する成膜条件設定工程と、
成膜条件設定工程により特定された成膜条件に従い金属層上に連続成膜される金属吸収層の分光反射率を上記インライン反射率測定器により継続して測定し、上記「反射率極小値の波長λ」および「反射率極大値と極小値の比α」が維持されるように反応性ガスの調整または/およびスパッタリング電力の調整を行う成膜条件維持工程、
を具備することを特徴としている。
反射率が既知であるサンプル基準が無くても「インライン反射率測定器」を用いて金属吸収層の成膜条件を正確に制御でき、これにより真空チャンバー内における成膜環境の経時変化に正確に対応できるため、連続成膜される金属吸収層の光学特性が変動し難い効果を有している。
上側金属吸収層が本発明の成膜方法を用いて成膜されているため、積層体フィルムにおける上側金属吸収層の光学特性を均一に揃えることが可能となる効果を有している。
図1は本発明に係る積層体フィルムの概略断面説明図である。
下側並びに上側金属吸収層は、Ni単体、若しくは、Ti、Al、V、W、Ta、Si、Cr、Ag、Mo、Cuより選ばれる1種以上の元素が添加されたNi系合金、または、Cu単体、若しくは、Ti、Al、V、W、Ta、Si、Cr、Ag、Mo、Niより選ばれる1種以上の元素が添加されたCu系合金から成る金属ターゲットと酸素を含む反応性ガスを用いた反応性スパッタリングにより形成される。尚、金属吸収層を構成する金属酸化物の酸化が進み過ぎると金属吸収層が透明になってしまうため、黒化膜になる程度の酸化レベルに設定することを要する。また、金属吸収層の各波長における光学定数(屈折率、消衰係数)は、反応の度合い、すなわち、酸化度に大きく影響され、金属ターゲットだけで決定されるものではない。尚、金属吸収層の膜厚は10nm〜100nmの範囲が望ましく、より好ましくは65nm以下である。
上記金属層の構成材料(金属材)としては、電気抵抗値が低い金属であれば特に限定されず、例えば、Cu単体、若しくは、Ti、Al、V、W、Ta、Si、Cr、Agより選ばれる1種以上の元素が添加されたCu系合金、または、Ag単体、若しくは、Ti、Al、V、W、Ta、Si、Cr、Cuより選ばれる1種以上の元素が添加されたAg系合金が挙げられ、特に、Cu単体が、回路パターンの加工性や抵抗値の観点から望ましい。また、金属層の膜厚は電気特性に依存するものであり、光学的な要素から決定されるものではないが、通常、透過光が測定不能なレベルの膜厚に設定される。尚、金属層が、乾式めっき法と湿式めっき法で形成された銅層で構成される場合、その膜厚は100nm〜2000nmが好ましい。
上記積層体フィルムに適用される樹脂フィルムの材質としては特に限定されることはなく、その具体例として、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルスルフォン(PES)、ポリアリレート(PAR)、ポリカーボネート(PC)、ポリオレフィン(PO)、トリアセチルセルロース(TAC)およびノルボルネンの樹脂材料から選択された樹脂フィルムの単体、あるいは、上記樹脂材料から選択された樹脂フィルム単体とこの単体の片面または両面を覆うアクリル系有機膜との複合体が挙げられる。特に、ノルボルネン樹脂材料については、代表的なものとして、日本ゼオン社のゼオノア(商品名)やJSR社のアートン(商品名)等が挙げられる。
(2-1)上記積層体フィルムの積層膜をエッチング処理して、金属製積層細線に配線加工することにより電極基板フィルムを得ることができる。具体的には、図1に示す積層体フィルムの積層膜(下側金属吸収層、金属層および上側金属吸収層)をエッチング処理して図2に示す電極基板フィルムを得ることができる。
(3-1)スパッタリングウェブコータ
図3に示す従来例に係る成膜装置はスパッタリングウェブコータと称され、ロールツーロール方式で搬送される長尺樹脂フィルム表面に連続的に効率よく成膜処理を施す場合に用いられる。
ところで、金属酸化物から成る金属吸収層を成膜する目的で酸化物ターゲットを適用した場合、成膜速度が遅く量産に適さない。このため、高速成膜が可能な例えばNi系の金属ターゲットを用い、かつ、酸素を含む反応性ガスを制御しながら導入する反応性スパッタリングが採られている。
(3-2-1)一定流量の反応性ガスを放出する方法。
(3-2-2)一定圧力を保つように反応性ガスを放出する方法。
(3-2-3)スパッタリングカソードのインピーダンスが一定になるように反応性ガスを放出する(インピーダンス制御)方法。
(3-2-4)スパッタリングのプラズマ強度が一定になるように反応性ガスを放出する(プラズマエミッション制御)方法。
ロールツーロール方式で搬送される長尺樹脂フィルム表面に連続的に成膜処理を行うスパッタリングウェブコータにおいては成膜時間が10時間以上に及ぶことがある。
従来例に係る成膜装置(スパッタリングウェブコータ)と同様、「インライン反射率測定器」を備えたスパッタリングウェブコータは、図4に示すように真空チャンバー110内に設けられており、巻き出しロール111から巻き出された長尺樹脂フィルム112に対して所定の成膜処理を行った後、巻き取りロール124で巻き取るようになっている。これ等巻き出しロール111から巻き取りロール124までの搬送経路の途中に、モータで回転駆動されるキャンロール116が配置されている。このキャンロール116の内部には、真空チャンバー110の外部で温調された冷媒が循環している。
「インライン反射率測定器」を備えたスパッタリングウェブコータは、図4に示すようにキャンロール116外周面に巻き付けられた長尺樹脂フィルム112面に金属吸収層を成膜する第一成膜手段(マグネトロンスパッタリングカソード117とマグネトロンスパッタリングカソード118とで構成される)と、同じく長尺樹脂フィルム112面に金属層を成膜する第二成膜手段(マグネトロンスパッタリングカソード119とマグネトロンスパッタリングカソード120とで構成される)間のキャンロール116上において唯一現れる金属吸収層の分光反射率をキャンロール116近傍に設けられた「インライン反射率測定器」により測定し、測定された値(金属吸収層の反射率:但し、上述したようにサンプル基準が無いため、測定精度が若干劣る)と金属吸収層の目標値とを比較して上記第一成膜手段へ反応性ガスを供給する反応性ガス供給手段(ガス放出パイプ125、126、127、128)における反応性ガスの供給量を制御するようになっている。
一般的な「2光束自記分光光度計」の場合、上述したように反射率が既知であるサンプル基準の反射光強度を測定してベースラインとし、その後、測定サンプルの反射光強度を測定し、上記ベースラインと比較して相対反射率を求めている。
すなわち、本発明は、
少なくとも片面に金属層が形成された長尺樹脂フィルムの該金属層上に、酸素を含む反応性ガスと金属ターゲットを用いた反応性スパッタリング法により連続して金属吸収層を成膜すると共に、成膜される金属吸収層の分光反射率特性に基づいて金属吸収層の成膜条件を制御する成膜方法において、
膜厚d1〜dnのサンプル用金属吸収層をそれぞれa組の反応条件(酸素流量/膜厚)に従って金属層上に成膜し、かつ、成膜された複数(n×a)個のサンプル用金属吸収層の分光反射率を測定して極大値と極小値を有する分光反射率特性をそれぞれ求めると共に、得られた分光反射率特性から、(n×a)個のサンプル用金属吸収層毎に「反射率極小値の波長」および「反射率極大値と極小値の比(=極大値/極小値)」の数値をそれぞれ特定する成膜前のデータ収集工程と、
データ収集工程により得られた(n×a)個の「反射率極小値の波長」および「反射率極大値と極小値の比(=極大値/極小値)」の数値群から、成膜目標とする金属吸収層に係る数値(反射率極小値の波長λおよび反射率極大値と極小値の比α)を特定し、かつ、目標とする金属吸収層を金属層上に成膜しながらスパッタリング装置内に設けられたインライン反射率測定器により成膜中における金属吸収層の分光反射率を測定すると共に、上記「反射率極小値の波長λ」および「反射率極大値と極小値の比α」に設定される反応性ガスの酸素流量およびスパッタリング電力を特定する成膜条件設定工程と、
成膜条件設定工程により特定された成膜条件に従い金属層上に連続成膜される金属吸収層の分光反射率を上記インライン反射率測定器により継続して測定し、上記「反射率極小値の波長λ」および「反射率極大値と極小値の比α」が維持されるように反応性ガスの調整または/およびスパッタリング電力の調整を行う成膜条件維持工程、
を具備することを特徴とするものである。
反応性スパッタリング成膜中の真空チャンバー内部における水分圧とアルゴン分圧(スパッタリングを行うために導入するガス)の経時変化について、四重極質量分析計で計測した結果を図9に示す。すなわち、図9は、図4に示す成膜装置の真空チャンバー内部における水分量の経時変化を示すグラフ図である。
本実施例においては、銅層(金属層)が片面に形成された長尺樹脂フィルムの銅層(金属層)上に、表1の「サンプル番号5」に記載された条件(膜厚24nm、酸素流量51sccm、酸素流量/膜厚=2.125sccm/nm)に従って、Ni−Cuの金属吸収層を連続的に成膜している。
比較例においても、銅層(金属層)が片面に形成された長尺樹脂フィルムの銅層(金属層)上に、表1の「サンプル番号5」に記載された条件(膜厚24nm、酸素流量51sccm、酸素流量/膜厚=2.125sccm/nm)に従って、Ni−Cuの金属吸収層を連続的に成膜している。
(1)表2の「反射率極大値」と「反射率極小値」欄から、実施例においては長尺樹脂フィルム全長(0m〜1200m)に亘って目標とする分光反射率特性を維持できる製法上の利点を有している。
11 巻き出しロール
12 長尺樹脂フィルム
13 フリーロール
14 張力センサロール
15 前フィードロール
16 キャンロール
17 マグネトロンスパッタリングカソード
18 マグネトロンスパッタリングカソード
19 マグネトロンスパッタリングカソード
20 マグネトロンスパッタリングカソード
21 後フィードロール
22 張力センサロール
23 フリーロール
24 巻き取りロール
25 ガス放出パイプ
26 ガス放出パイプ
27 ガス放出パイプ
28 ガス放出パイプ
29 ガス放出パイプ
30 ガス放出パイプ
31 ガス放出パイプ
32 ガス放出パイプ
60 透明基板(樹脂フィルム)
61 下側金属吸収層
62 乾式成膜法で形成された金属層(銅層)
63 下側金属吸収層
64 乾式成膜法で形成された金属層(銅層)
65 湿式成膜法で形成された金属層(銅層)
66 湿式成膜法で形成された金属層(銅層)
67 上側金属吸収層
68 上側金属吸収層
70 透明基板(樹脂フィルム)
71 下側金属吸収層
72 乾式成膜法で形成された金属層(銅層)
73 下側金属吸収層
74 乾式成膜法で形成された金属層(銅層)
75 湿式成膜法で形成された金属層(銅層)
76 湿式成膜法で形成された金属層(銅層)
77 上側金属吸収層
78 上側金属吸収層
110 真空チャンバー
111 巻き出しロール
112 長尺樹脂フィルム
113 フリーロール
114 張力センサロール
115 前フィードロール
116 キャンロール
117 マグネトロンスパッタリングカソード
118 マグネトロンスパッタリングカソード
119 マグネトロンスパッタリングカソード
120 マグネトロンスパッタリングカソード
121 後フィードロール
122 張力センサロール
123 フリーロール
124 巻き取りロール
125 ガス放出パイプ
126 ガス放出パイプ
127 ガス放出パイプ
128 ガス放出パイプ
129 ガス放出パイプ
130 ガス放出パイプ
131 ガス放出パイプ
132 ガス放出パイプ
133 反射率測定プローブ
134 Y分岐光ファイバ束
135 安定化光源
136 光切換器(光チョッパー)
137 分光器
138 制御パソコン
139 流量計(流量計ユニット)
140 ガス導入チューブ
Claims (6)
- 少なくとも片面に金属層が形成された長尺樹脂フィルムの該金属層上に、酸素を含む反応性ガスと金属ターゲットを用いた反応性スパッタリング法により連続して金属吸収層を成膜すると共に、成膜される金属吸収層の分光反射率特性に基づいて金属吸収層の成膜条件を制御する成膜方法において、
膜厚d1〜dnのサンプル用金属吸収層をそれぞれa組の反応条件(酸素流量/膜厚)に従って金属層上に成膜し、かつ、成膜された複数(n×a)個のサンプル用金属吸収層の分光反射率を測定して極大値と極小値を有する分光反射率特性をそれぞれ求めると共に、得られた分光反射率特性から、(n×a)個のサンプル用金属吸収層毎に「反射率極小値の波長」および「反射率極大値と極小値の比(=極大値/極小値)」の数値をそれぞれ特定する成膜前のデータ収集工程と、
データ収集工程により得られた(n×a)個の「反射率極小値の波長」および「反射率極大値と極小値の比(=極大値/極小値)」の数値群から、成膜目標とする金属吸収層に係る数値(反射率極小値の波長λおよび反射率極大値と極小値の比α)を特定し、かつ、目標とする金属吸収層を金属層上に成膜しながらスパッタリング装置内に設けられたインライン反射率測定器により成膜中における金属吸収層の分光反射率を測定すると共に、上記「反射率極小値の波長λ」および「反射率極大値と極小値の比α」に設定される反応性ガスの酸素流量およびスパッタリング電力を特定する成膜条件設定工程と、
成膜条件設定工程により特定された成膜条件に従い金属層上に連続成膜される金属吸収層の分光反射率を上記インライン反射率測定器により継続して測定し、上記「反射率極小値の波長λ」および「反射率極大値と極小値の比α」が維持されるように反応性ガスの調整または/およびスパッタリング電力の調整を行う成膜条件維持工程、
を具備することを特徴とする成膜方法。 - 上記成膜条件維持工程における反応性ガスの調整が、水素若しくは水蒸気の添加、または/および、上記酸素流量の変更であることを特徴とする請求項1に記載の成膜方法。
- 上記金属吸収層の膜厚が10nm〜100nmの範囲、かつ、反応性ガスに含まれる酸素が5重量%〜20重量%の範囲に設定されていることを特徴とする請求項1に記載の成膜方法。
- 上記金属ターゲットが、Ni単体、若しくは、Ti、Al、V、W、Ta、Si、Cr、Ag、Mo、Cuより選ばれる1種以上の元素が添加されたNi系合金、または、Cu単体、若しくは、Ti、Al、V、W、Ta、Si、Cr、Ag、Mo、Niより選ばれる1種以上の元素が添加されたCu系合金で構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の成膜方法。
- 上記長尺樹脂フィルムと金属層との間に下側金属吸収層が設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の成膜方法。
- 樹脂フィルムから成る透明基板と該透明基板の少なくとも片面に設けられた積層膜とで構成され、該積層膜が、下側金属吸収層と金属層と上側金属吸収層から成る積層体フィルムの製造方法において、
上記上側金属吸収層が、請求項1〜5のいずれかに記載の成膜方法により成膜されていることを特徴とする積層体フィルムの製造方法。
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