JP2016188412A - 成膜方法および積層体フィルムの製造方法 - Google Patents

成膜方法および積層体フィルムの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】サンプル基準が無くてもインライン反射率測定器を用いて金属吸収層の成膜条件を正確に制御可能な成膜方法を提供する。
【解決手段】この成膜方法は、長尺フィルムの金属層上に膜厚と反応条件が異なる反応性スパッタリングにより成膜された複数サンプル用金属吸収層の分光反射率特性を反射率測定器で測定しかつサンプル毎に反射率極小値の波長と極大値/極小値の比を特定するデータ収集工程と、収集された数値群から目標とする金属吸収層の波長λと比αを特定しかつ分光反射率を測定しながら波長λと比αに設定できる成膜初期条件を設定する工程と、該条件に従い金属層上に連続成膜される金属吸収層の分光反射率を上記反射率測定器により継続して測定しかつ波長λと比αが維持されるように反応性ガスの調整または/およびスパッタリング電力の調整を行う条件維持工程を有することを特徴とする。
【選択図】図4

Description

本発明は、樹脂フィルムから成る透明基板と積層膜を有し、タッチパネル等に使用される積層体フィルムに係り、特に、樹脂フィルム上に積層膜を形成する成膜方法と積層体フィルムの製造方法に関するものである。
近年、携帯電話、携帯電子文書機器、自動販売機、カーナビゲーション等のフラットパネルディスプレイ(FPD)の表面に設置する「タッチパネル」が普及している。
上記「タッチパネル」には、大きく分けて抵抗型と静電容量型が存在する。「抵抗型のタッチパネル」は、樹脂フィルムから成る透明基板と該基板上に設けられたX座標(またはY座標)検知電極シート並びにY座標(またはX座標)検知電極シートと、これ等シートの間に設けられた絶縁体スペーサーとで主要部が構成されている。そして、上記X座標検知電極シートとY座標検知電極シートは空間的に隔たっているが、ペン等で押さえられたときに両座標検知電極シートは電気的に接触してペンの触った位置(X座標、Y座標)が判るようになっており、ペンを移動させればその都度座標を認識して、最終的に文字の入力が行なえる仕組みとなっている。他方、「静電容量型のタッチパネル」は、絶縁シートを介してX座標(またはY座標)検知電極シートとY座標(またはX座標)検知電極シートが積層され、これ等の上にガラス等の絶縁体が配置された構造を有している。そして、ガラス等の上記絶縁体に指を近づけたとき、その近傍のX座標検知電極、Y座標検知電極の電気容量が変化するため、位置検知を行なえる仕組みとなっている。
そして、電極等の回路パターンを構成する導電性材料として、従来、ITO(酸化インジウム−酸化錫)等の透明導電層が広く用いられていた(特許文献1参照)。また、タッチパネルの大型化に伴い、特許文献2や特許文献3等に開示されたメッシュ構造の金属製細線(金属層)も使用され始めている。
ところで、上記透明導電層と金属製細線(金属層)を較べた場合、透明導電層は、可視波長領域における透過性に優れるため電極等の回路パターンが殆ど視認されない利点を有するが、金属製細線(金属層)より電気抵抗値が高いためタッチパネルの大型化や応答速度の高速化には不向きな欠点を有する。他方、金属製細線(金属層)は、電気抵抗値が低いためタッチパネルの大型化や応答速度の高速化に向いているが、可視波長領域における反射率が高いため、例え微細なメッシュ構造に加工されたとしても高輝度照明下において回路パターンが視認されることがあり、製品価値を低下させてしまう欠点を有する。そして、この反射は、媒質(空気)と金属製細線(金属層)の界面、金属製細線(金属層)と樹脂フィルムの界面の屈折率差によるフレネル反射に起因している。
そこで、金属製細線(金属層)上あるいは樹脂フィルムと金属層との間に金属酸化物から成る金属吸収層(黒化膜と称される)を設け(特許文献4参照)、樹脂フィルム側等から観測される金属製細線の反射を低減させる方法が提案されている。
そして、金属酸化物から成る金属吸収層については、金属酸化物の成膜効率を図る観点から、通常、金属ターゲットと反応性ガスを用いた反応性スパッタリング等により連続して成膜されているが、金属吸収層を継続して連続成膜した場合、成膜環境の経時変化(例えば、真空チャンバー内に含まれる水分量の経時変化や反応性ガスの濃度変化等)により、金属吸収層の特性が変化してしまう問題があった。
この問題を解決するため、成膜直後における金属吸収層の透過率若しくは反射率を計測する「インライン透過率測定器」若しくは「インライン反射率測定器」を真空チャンバー内に配置して所望とする特性が維持されるようフィードバック制御を行う方法(特許文献5〜7参照)が提案されている。
しかし、上記「インライン透過率測定器」を用いて制御する方法は、樹脂フィルム両面に金属吸収層と金属層が成膜された両面構造体に対して金属吸収層の光学特性を測定することが困難なことからその汎用性に欠けるため、「インライン反射率測定器」を用いて制御する方法が一般的に採用されている。
特開2003−151358号公報 特開2011−018194号公報 特開2013−069261号公報 特開2013−225276号公報 特許第4738292号公報 特開2000−017437公報 特開2005−338047公報
ところで、反射率が既知であるサンプル基準を用いて正確な反射率測定を行う一般的な「2光束自記分光光度計」と異なり、真空チャンバー内に配置する「インライン反射率測定器」においては測定された反射率を比較するサンプル基準が無く、成膜直後における金属吸収層の反射率を正確に測定することは難しいため、真空チャンバー内における成膜環境の経時変化に正確に対応できない問題が存在した。
本発明はこのような問題点に着目してなされたもので、その課題とするところは、上記サンプル基準が無くても「インライン反射率測定器」を用いて金属吸収層等の成膜条件を正確に制御可能な成膜方法を提供し、合わせてタッチパネル等に使用される積層体フィルムの製造方法を提供することにある。
そこで、本発明者は上記課題を解決するため以下のような実験を試みた。
まず、片面に金属(例えば銅)層が形成された長尺樹脂フィルム(PETフィルム等)の上記金属層上に、酸素を含む反応性ガスと金属(例えばNi−Cu合金)ターゲットを用いた反応性スパッタリング法により複数個のサンプル用金属吸収層を連続成膜し、かつ、得られた複数個のサンプル用金属吸収層の分光反射率特性を「インライン反射率測定器」を用いて測定した。
具体的には、サンプル用金属吸収層の膜厚を、例えば、20nm、24nm、および、28nmの3種(d1〜dn)に設定し、反応性ガスの酸素流量を膜厚に対し一定量となる、例えば、2.000sccm/nm、2.125sccm/nm、および、2.250sccm/nmの3組(a組)となるように導入して9(n×a)個のサンプル用金属吸収層を成膜した。
尚、「インライン反射率測定器」を用いて測定したサンプル用金属吸収層の分光反射率特性を図5に示し、かつ、分光反射率特性に係る図5のグラフ図を一部拡大したグラフ図を図6に示す。
図5と図6のグラフ図から、サンプル用金属吸収層の膜厚が厚くなるにつれて分光反射特性の極小値が長波長側へほぼ平行移動することが確認され、更に、成膜時の導入酸素量が増加するにつれて分光反射率曲線が低反射側へほぼ垂直移動することが確認される。
これ等の結果を下記表1に示し、かつ、表1に示されたデータ群から「反射率極小値の波長−酸素流量/膜厚の関係、および、反射率極小値の波長−膜厚の関係」を表す関係図を作成(図7参照)すると共に、同じく表1に示されたデータ群から「反射率極大値/極小値−酸素流量/膜厚の関係、および、反射率極大値/極小値−膜厚の関係」を表す関係図も作成(図8参照)した。
そして、「反射率極小値の波長−酸素流量/膜厚の関係、および、反射率極小値の波長−膜厚の関係」を表す図7の関係図から、「反射率極小値の波長」は、反応条件(酸素流量/膜厚)に依存せず、膜厚のみに比例して増加していることが確認され、
また、「反射率極大値/極小値−酸素流量/膜厚の関係、および、反射率極大値/極小値−膜厚の関係」を表す図8の関係図から、「反射率極大値/極小値の比」は、反応条件(酸素流量/膜厚)と膜厚の両方に依存し、これ等の増加に比例して「反射率極大値/極小値の比」が増加していることが確認される。
この結果、「インライン反射率測定器」で測定された反射率を上述のサンプル基準と比較することなく、「反射率極小値の波長」から膜厚を求めて膜厚に係る成膜条件(スパッタリング電力や長尺樹脂フィルムの搬送速度等)を調整でき、かつ、「反射率極大値/極小値の比」から反応条件(酸素流量/膜厚)も調整できることが確認される。
本発明はこのような技術的発見に基づき完成されたものである。
すなわち、本発明に係る第1の発明は、
少なくとも片面に金属層が形成された長尺樹脂フィルムの該金属層上に、酸素を含む反応性ガスと金属ターゲットを用いた反応性スパッタリング法により連続して金属吸収層を成膜すると共に、成膜される金属吸収層の分光反射率特性に基づいて金属吸収層の成膜条件を制御する成膜方法において、
膜厚d1〜dnのサンプル用金属吸収層をそれぞれa組の反応条件(酸素流量/膜厚)に従って金属層上に成膜し、かつ、成膜された複数(n×a)個のサンプル用金属吸収層の分光反射率を測定して極大値と極小値を有する分光反射率特性をそれぞれ求めると共に、得られた分光反射率特性から、(n×a)個のサンプル用金属吸収層毎に「反射率極小値の波長」および「反射率極大値と極小値の比(=極大値/極小値)」の数値をそれぞれ特定する成膜前のデータ収集工程と、
データ収集工程により得られた(n×a)個の「反射率極小値の波長」および「反射率極大値と極小値の比(=極大値/極小値)」の数値群から、成膜目標とする金属吸収層に係る数値(反射率極小値の波長λおよび反射率極大値と極小値の比α)を特定し、かつ、目標とする金属吸収層を金属層上に成膜しながらスパッタリング装置内に設けられたインライン反射率測定器により成膜中における金属吸収層の分光反射率を測定すると共に、上記「反射率極小値の波長λ」および「反射率極大値と極小値の比α」に設定される反応性ガスの酸素流量およびスパッタリング電力を特定する成膜条件設定工程と、
成膜条件設定工程により特定された成膜条件に従い金属層上に連続成膜される金属吸収層の分光反射率を上記インライン反射率測定器により継続して測定し、上記「反射率極小値の波長λ」および「反射率極大値と極小値の比α」が維持されるように反応性ガスの調整または/およびスパッタリング電力の調整を行う成膜条件維持工程、
を具備することを特徴とするものである。
次に、本発明に係る第2の発明は、
第1の発明に記載の成膜方法において、
上記成膜条件維持工程における反応性ガスの調整が、水素若しくは水蒸気の添加、または/および、上記酸素流量の変更であることを特徴とし、
第3の発明は、
第1の発明に記載の成膜方法において、
上記金属吸収層の膜厚が10nm〜100nmの範囲、かつ、反応性ガスに含まれる酸素が5重量%〜20重量%の範囲に設定されていることを特徴とし、
第4の発明は、
第1の発明または第2の発明に記載の成膜方法において、
上記金属ターゲットが、Ni単体、若しくは、Ti、Al、V、W、Ta、Si、Cr、Ag、Mo、Cuより選ばれる1種以上の元素が添加されたNi系合金、または、Cu単体、若しくは、Ti、Al、V、W、Ta、Si、Cr、Ag、Mo、Niより選ばれる1種以上の元素が添加されたCu系合金で構成されていることを特徴とし、
第5の発明は、
第1の発明〜第4の発明のいずれかに記載の成膜方法において、
上記長尺樹脂フィルムと金属層との間に下側金属吸収層が設けられていることを特徴とするものである。
また、本発明に係る第6の発明は、
樹脂フィルムから成る透明基板と該透明基板の少なくとも片面に設けられた積層膜とで構成され、該積層膜が、下側金属吸収層と金属層と上側金属吸収層から成る積層体フィルムの製造方法において、
上記上側金属吸収層が、第1の発明〜第5の発明のいずれかに記載の成膜方法により成膜されていることを特徴とする。
本発明に係る成膜方法は、
膜厚d1〜dnのサンプル用金属吸収層をそれぞれa組の反応条件(酸素流量/膜厚)に従って金属層上に成膜し、かつ、成膜された複数(n×a)個のサンプル用金属吸収層の分光反射率を測定して極大値と極小値を有する分光反射率特性をそれぞれ求めると共に、得られた分光反射率特性から、(n×a)個のサンプル用金属吸収層毎に「反射率極小値の波長」および「反射率極大値と極小値の比(=極大値/極小値)」の数値をそれぞれ特定する成膜前のデータ収集工程と、
データ収集工程により得られた(n×a)個の「反射率極小値の波長」および「反射率極大値と極小値の比(=極大値/極小値)」の数値群から、成膜目標とする金属吸収層に係る数値(反射率極小値の波長λおよび反射率極大値と極小値の比α)を特定し、かつ、目標とする金属吸収層を金属層上に成膜しながらスパッタリング装置内に設けられたインライン反射率測定器により成膜中における金属吸収層の分光反射率を測定すると共に、上記「反射率極小値の波長λ」および「反射率極大値と極小値の比α」に設定される反応性ガスの酸素流量およびスパッタリング電力を特定する成膜条件設定工程と、
成膜条件設定工程により特定された成膜条件に従い金属層上に連続成膜される金属吸収層の分光反射率を上記インライン反射率測定器により継続して測定し、上記「反射率極小値の波長λ」および「反射率極大値と極小値の比α」が維持されるように反応性ガスの調整または/およびスパッタリング電力の調整を行う成膜条件維持工程、
を具備することを特徴としている。
そして、本発明に係る成膜方法によれば、
反射率が既知であるサンプル基準が無くても「インライン反射率測定器」を用いて金属吸収層の成膜条件を正確に制御でき、これにより真空チャンバー内における成膜環境の経時変化に正確に対応できるため、連続成膜される金属吸収層の光学特性が変動し難い効果を有している。
また、透明基板と積層膜とで構成され、該積層膜が下側金属吸収層と金属層と上側金属吸収層から成る本発明に係る積層体フィルムの製造方法によれば、
上側金属吸収層が本発明の成膜方法を用いて成膜されているため、積層体フィルムにおける上側金属吸収層の光学特性を均一に揃えることが可能となる効果を有している。
樹脂フィルムから成る透明基板の両面に透明基板側から数えて第1層目の下側金属吸収層と第2層目の金属層と第3層目の上側金属吸収層を有しかつ金属層が乾式成膜法と湿式成膜法で形成された積層体フィルムの概略断面説明図。 図1に示す積層体フィルムを用いて樹脂フィルムから成る透明基板の両面に金属製の積層細線がそれぞれ形成された電極基板フィルムの概略断面説明図。 樹脂フィルムから成る透明基板上に下側金属吸収層と金属層を形成する従来例に係る成膜装置(スパッタリングウェブコータ)の説明図。 本発明の成膜方法に適用される「インライン反射率測定器」を備えた成膜装置(スパッタリングウェブコータ)の説明図。 膜厚が20nm、24nm、28nmで、かつ、酸素流量(2.000sccm/nm、2.125sccm/nm、2.250sccm/nm)の条件で成膜された9個のサンプル用金属吸収層の分光反射率特性を示すグラフ図。 図5のグラフ図を一部拡大した分光反射率特性を示すグラフ図。 反射率極小値の波長−(酸素流量/膜厚)の関係、および、反射率極小値の波長−膜厚の関係をそれぞれ示す関係図。 (反射率極大値/極小値)−(酸素流量/膜厚)の関係、および、(反射率極大値/極小値)−膜厚の関係をそれぞれ示す関係図。 真空チャンバー内における水分量の経時変化を示すグラフ図。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。
(1)積層体フィルム
図1は本発明に係る積層体フィルムの概略断面説明図である。
すなわち、図1に示す積層体フィルムは、樹脂フィルムから成る透明基板60と、該透明基板60の両面に乾式成膜法(乾式めっき法)により形成された下側金属吸収層61、63と、該下側金属吸収層61、63上に乾式成膜法(スパッタリング:乾式めっき法)により形成された金属層62、64と、該金属層62、64上に湿式成膜法(湿式めっき法)により形成された金属層65、66と、該金属層65、66上に乾式成膜法(反応性スパッタリング:乾式めっき法)により形成された上側金属吸収層67、68とで構成されている。ここで、図1に示す積層体フィルムにおいて、符号62、65で示す金属層の両面に下側金属吸収層61と上側金属吸収層67を形成し、また、符号64、66で示す金属層の両面に下側金属吸収層63と上側金属吸収層68を形成しているのは、該積層体フィルムを用いて作製された電極基板フィルムをタッチパネルに組み込んだときに金属製積層細線から成るメッシュ構造の回路パターンが反射して見えないようにするためである。
また、図1に示す積層体フィルムは、透明基板60の両側に積層膜(下側金属吸収層、金属層および上側金属吸収層)を有する両面構造となっているが、透明基板60の片側に上記積層膜を有する片面構造としてもよい。
(1-1)金属吸収層の構成材料(金属ターゲット)
下側並びに上側金属吸収層は、Ni単体、若しくは、Ti、Al、V、W、Ta、Si、Cr、Ag、Mo、Cuより選ばれる1種以上の元素が添加されたNi系合金、または、Cu単体、若しくは、Ti、Al、V、W、Ta、Si、Cr、Ag、Mo、Niより選ばれる1種以上の元素が添加されたCu系合金から成る金属ターゲットと酸素を含む反応性ガスを用いた反応性スパッタリングにより形成される。尚、金属吸収層を構成する金属酸化物の酸化が進み過ぎると金属吸収層が透明になってしまうため、黒化膜になる程度の酸化レベルに設定することを要する。また、金属吸収層の各波長における光学定数(屈折率、消衰係数)は、反応の度合い、すなわち、酸化度に大きく影響され、金属ターゲットだけで決定されるものではない。尚、金属吸収層の膜厚は10nm〜100nmの範囲が望ましく、より好ましくは65nm以下である。
(1-2)金属層の構成材料
上記金属層の構成材料(金属材)としては、電気抵抗値が低い金属であれば特に限定されず、例えば、Cu単体、若しくは、Ti、Al、V、W、Ta、Si、Cr、Agより選ばれる1種以上の元素が添加されたCu系合金、または、Ag単体、若しくは、Ti、Al、V、W、Ta、Si、Cr、Cuより選ばれる1種以上の元素が添加されたAg系合金が挙げられ、特に、Cu単体が、回路パターンの加工性や抵抗値の観点から望ましい。また、金属層の膜厚は電気特性に依存するものであり、光学的な要素から決定されるものではないが、通常、透過光が測定不能なレベルの膜厚に設定される。尚、金属層が、乾式めっき法と湿式めっき法で形成された銅層で構成される場合、その膜厚は100nm〜2000nmが好ましい。
(1-3)透明基板を構成する樹脂フィルム
上記積層体フィルムに適用される樹脂フィルムの材質としては特に限定されることはなく、その具体例として、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルスルフォン(PES)、ポリアリレート(PAR)、ポリカーボネート(PC)、ポリオレフィン(PO)、トリアセチルセルロース(TAC)およびノルボルネンの樹脂材料から選択された樹脂フィルムの単体、あるいは、上記樹脂材料から選択された樹脂フィルム単体とこの単体の片面または両面を覆うアクリル系有機膜との複合体が挙げられる。特に、ノルボルネン樹脂材料については、代表的なものとして、日本ゼオン社のゼオノア(商品名)やJSR社のアートン(商品名)等が挙げられる。
尚、本発明に係る積層体フィルムを用いて作製される電極基板フィルムは「タッチパネル」等に使用するため、上記樹脂フィルムの中でも可視波長領域での透明性に優れるものが望ましい。
(2)電極基板フィルム
(2-1)上記積層体フィルムの積層膜をエッチング処理して、金属製積層細線に配線加工することにより電極基板フィルムを得ることができる。具体的には、図1に示す積層体フィルムの積層膜(下側金属吸収層、金属層および上側金属吸収層)をエッチング処理して図2に示す電極基板フィルムを得ることができる。
すなわち、図2に示す電極基板フィルムは、樹脂フィルムから成る透明基板70と、該透明基板70の両面に設けられた金属製積層細線から成るメッシュ構造の回路パターンを有し、上記金属製積層細線が、例えば線幅5μmでかつ透明基板70側から数えて第1層目の下側金属吸収層71、73と、第2層目の金属層72、75、74、76と、第3層目の上側金属吸収層77、78とで構成されている。
そして、電極基板フィルムの電極(配線)パターンをタッチパネル用のストライプ状若しくは格子状とすることでタッチパネルに用いることができる。また、電極(配線)パターンに配線加工された金属製の積層細線は、積層体フィルムの積層構造を維持していることから、高輝度照明下においても透明基板に設けられた電極等の回路パターンが極めて視認され難い電極基板フィルムとして提供することができる。
(2-2)そして、本発明に係る積層体フィルムから電極基板フィルムに配線加工するには、公知のサブトラクティブ法により加工が可能である。
サブトラクティブ法は、積層体フィルムの積層膜表面にフォトレジスト膜を形成し、配線パターンを形成したい箇所にフォトレジスト膜が残るように露光、現像し、かつ、上記積層膜表面にフォトレジスト膜が存在しない箇所の積層膜を化学エッチングにより除去して配線パターンを形成する方法である。
上記記化学エッチングのエッチング液としては、塩化第二鉄水溶液や塩化第二銅水溶液を用いることができる。
(3)従来例に係る成膜装置(スパッタリングウェブコータ)
(3-1)スパッタリングウェブコータ
図3に示す従来例に係る成膜装置はスパッタリングウェブコータと称され、ロールツーロール方式で搬送される長尺樹脂フィルム表面に連続的に効率よく成膜処理を施す場合に用いられる。
具体的に説明すると、ロールツーロール方式で搬送される長尺樹脂フィルムの成膜装置(スパッタリングウェブコータ)は真空チャンバー10内に設けられており、巻き出しロール11から巻き出された長尺樹脂フィルム12に対して所定の成膜処理を行った後、巻き取りロール24で巻き取るようになっている。これら巻き出しロール11から巻き取りロール24までの搬送経路の途中に、モータで回転駆動されるキャンロール16が配置されている。このキャンロール16の内部には、真空チャンバー10の外部で温調された冷媒が循環している。
真空チャンバー10内では、スパッタリング成膜のため、到達圧力10-4Pa程度までの減圧と、その後のスパッタリングガスの導入による0.1〜10Pa程度の圧力調整が行われる。スパッタリングガスにはアルゴン等公知のガスが使用され、目的に応じて更に酸素等のガスが添加される。真空チャンバー10の形状や材質は、このような減圧状態に耐え得るものであれば特に限定はなく種々のものを使用することができる。また、真空チャンバー10内を減圧してその状態を維持するため、真空チャンバー10にはドライポンプ、ターボ分子ポンプ、クライオコイル等の種々の装置(図示せず)が組み込まれている。
巻き出しロール11からキャンロール16までの搬送経路には、長尺樹脂フィルム12を案内するフリーロール13と、長尺樹脂フィルム12の張力の測定を行う張力センサロール14とがこの順で配置されている。また、張力センサロール14から送り出されてキャンロール16に向かう長尺樹脂フィルム12は、キャンロール16の近傍に設けられたモータ駆動の前フィードロール15によってキャンロール16の周速度に対する調整が行われ、これによりキャンロール16の外周面に長尺樹脂フィルム12を密着させることができる。
キャンロール16から巻き取りロール24までの搬送経路も、上記同様に、キャンロール16の周速度に対する調整を行うモータ駆動の後フィードロール21、長尺樹脂フィルム12の張力の測定を行う張力センサロール22および長尺樹脂フィルム12を案内するフリーロール23がこの順に配置されている。
上記巻き出しロール11および巻き取りロール24では、パウダークラッチ等によるトルク制御によって長尺樹脂フィルム12の張力バランスが保たれている。また、キャンロール16の回転とこれに連動して回転するモータ駆動の前フィードロール15、後フィードロール21により、巻き出しロール11から長尺樹脂フィルム12が巻き出されて巻き取りロール24に巻き取られるようになっている。
キャンロール16の近傍には、キャンロール16の外周面上に画定される搬送経路(すなわち、キャンロール16外周面の内の長尺樹脂フィルム12が巻き付けられる領域)に対向する位置に、成膜手段としてのマグネトロンスパッタリングカソード17、18、19および20が設けられ、この近傍に反応性ガスを放出するガス放出パイプ25、26、27、28、29、30、31、32が設置されている。
ところで、上記金属吸収層と金属層のスパッタリング成膜を実施する際、図3に示すように板状のターゲットを使用できるが、板状ターゲットを用いた場合、ターゲット上にノジュール(異物の成長)が発生することがある。これが問題になる場合は、ノジュールの発生がなくかつターゲットの使用効率も高い円筒形のロータリーターゲットを使用することが好ましい。
(3-2)反応性スパッタリング
ところで、金属酸化物から成る金属吸収層を成膜する目的で酸化物ターゲットを適用した場合、成膜速度が遅く量産に適さない。このため、高速成膜が可能な例えばNi系の金属ターゲットを用い、かつ、酸素を含む反応性ガスを制御しながら導入する反応性スパッタリングが採られている。
そして、反応性ガスを制御する方法として以下の4つの方法が知られている。
(3-2-1)一定流量の反応性ガスを放出する方法。
(3-2-2)一定圧力を保つように反応性ガスを放出する方法。
(3-2-3)スパッタリングカソードのインピーダンスが一定になるように反応性ガスを放出する(インピーダンス制御)方法。
(3-2-4)スパッタリングのプラズマ強度が一定になるように反応性ガスを放出する(プラズマエミッション制御)方法。
(4)「インライン反射率測定器」を備えた成膜装置(スパッタリングウェブコータ)
ロールツーロール方式で搬送される長尺樹脂フィルム表面に連続的に成膜処理を行うスパッタリングウェブコータにおいては成膜時間が10時間以上に及ぶことがある。
このような長時間に亘る反応性スパッタリング処理の条件を一定に保つことは容易でない。なぜなら、真空チャンバー10の内壁に吸着したガス(水分)が徐々に放出されて真空チャンバー10内に含まれる水分量が経時的に変化しあるいは反応性ガスの濃度変化が起こるからである。そこで、減少した水分を補給し、あるいは、金属吸収層に取り込まれる酸素量を一定にするため上述したフィードバック制御が欠かせない。
そして、金属吸収層における酸化の度合いを連続的に把握するには、図3に示すように金属吸収層を成膜する領域(マグネトロンスパッタリングカソード18の終端領域)と金属層を成膜する領域(マグネトロンスパッタリングカソード19の始端領域)間におけるキャンロール16上において唯一現れる金属吸収層の分光反射率を「インライン反射率測定器」を用いて測定することが有効である。
(4-1)「インライン反射率測定器」を備えたスパッタリングウェブコータ
従来例に係る成膜装置(スパッタリングウェブコータ)と同様、「インライン反射率測定器」を備えたスパッタリングウェブコータは、図4に示すように真空チャンバー110内に設けられており、巻き出しロール111から巻き出された長尺樹脂フィルム112に対して所定の成膜処理を行った後、巻き取りロール124で巻き取るようになっている。これ等巻き出しロール111から巻き取りロール124までの搬送経路の途中に、モータで回転駆動されるキャンロール116が配置されている。このキャンロール116の内部には、真空チャンバー110の外部で温調された冷媒が循環している。
真空チャンバー110内では、スパッタリング成膜のため、到達圧力10-4Pa程度までの減圧と、その後のスパッタリングガスの導入による0.1〜10Pa程度の圧力調整が行われる。スパッタリングガスにはアルゴン等公知のガスが使用され、目的に応じてさらに酸素等のガスが添加される。真空チャンバー110の形状や材質は、このような減圧状態に耐え得るものであれば特に限定はなく種々のものを使用することができる。また、真空チャンバー110内を減圧してその状態を維持するため、真空チャンバー110にはドライポンプ、ターボ分子ポンプ、クライオコイル等の種々の装置(図示せず)が組み込まれている。
巻き出しロール111からキャンロール116までの搬送経路には、長尺樹脂フィルム112を案内するフリーロール113と、長尺樹脂フィルム112の張力測定を行う張力センサロール114がこの順で配置されている。また、張力センサロール114から送り出されてキャンロール116に向かう長尺樹脂フィルム112は、キャンロール116の近傍に設けられたモータ駆動の前フィードロール115によって、キャンロール116の周速度に対する調整が行われ、これによりキャンロール116の外周面に長尺樹脂フィルム112を密着させることができる。
キャンロール116から巻き取りロール124までの搬送経路も、上記同様に、キャンロール116の周速度に対する調整を行うモータ駆動の後フィードロール121、長尺樹脂フィルム112の張力測定を行う張力センサロール122、および、長尺樹脂フィルム112を案内するフリーロール123がこの順に配置されている。
上記巻き出しロール111および巻き取りロール124では、パウダークラッチ等によるトルク制御によって長尺樹脂フィルム112の張力バランスが保たれている。また、キャンロール116の回転とこれに連動して回転するモータ駆動の前フィードロール115、後フィードロール121により、巻き出しロール111から長尺樹脂フィルム112が巻き出されて巻き取りロール124に巻き取られるようになっている。
キャンロール116の近傍には、キャンロール116の外周面上に画定される搬送経路(すなわち、キャンロール116外周面の内の長尺樹脂フィルム112が巻き付けられる領域)に対向する位置に、成膜手段としてのマグネトロンスパッタリングカソード117、118、119および120が設けられ、この近傍に反応性ガスを放出するガス放出パイプ125、126、127、128、129、130、131、132が設置されている。
(4-2)「インライン反射率測定器」によるフィードバック制御
「インライン反射率測定器」を備えたスパッタリングウェブコータは、図4に示すようにキャンロール116外周面に巻き付けられた長尺樹脂フィルム112面に金属吸収層を成膜する第一成膜手段(マグネトロンスパッタリングカソード117とマグネトロンスパッタリングカソード118とで構成される)と、同じく長尺樹脂フィルム112面に金属層を成膜する第二成膜手段(マグネトロンスパッタリングカソード119とマグネトロンスパッタリングカソード120とで構成される)間のキャンロール116上において唯一現れる金属吸収層の分光反射率をキャンロール116近傍に設けられた「インライン反射率測定器」により測定し、測定された値(金属吸収層の反射率:但し、上述したようにサンプル基準が無いため、測定精度が若干劣る)と金属吸収層の目標値とを比較して上記第一成膜手段へ反応性ガスを供給する反応性ガス供給手段(ガス放出パイプ125、126、127、128)における反応性ガスの供給量を制御するようになっている。
そして、キャンロール116の近傍に設けられる上記「インライン反射率測定器」は、図4に示すように白色(ハロゲン)光源等の安定化光源135と、該光源135からの光を2光路に分配しその一方の光路を構成する測定光照射ファイバ束が真空チャンバー110内に導入され他方の光路を構成する参照光照射ファイバ束が真空チャンバー110外に配置されるY分岐光ファイバ束134と、上記測定光照射ファイバ束と反射光受光ファイバ束から成りかつキャンロール116の外周面に巻き付けられた長尺樹脂フィルム112の金属吸収層へ向けて測定光照射ファイバ束から測定光を照射し金属吸収層からの反射光を反射光受光ファイバ束で受光して金属吸収層の反射率を測定する反射率測定プローブ133と、該反射率測定プローブ133の反射光受光ファイバ束と上記参照光照射ファイバ束の各端部が真空チャンバー110外において接続されかつ上記参照光照射ファイバ束の端部から出射される参照光と反射光受光ファイバ束の端部から出射される測定光を一定の時間毎に順次通過させる光切換器(光チョッパー)136と、該光切換器136を通過した参照光に基づき光源光量を測定しかつ測定された上記光源光量に基づき光切換器136を通過した測定光の光量を補正して金属吸収層の分光反射率を計測する分光器137とでその主要部が構成されている。
上記光切換器(光チョッパー)136で、分光器137に入射する測定光と参照光を切り替える理由は、長時間に亘る成膜中の光源や受光素子の温度変化、光ファイバにおけるカップリングの効率変化等によるドリフトを補正するためである。具体的には参照光の変化割合に応じて反射率を同様に補正している。尚、測定光と参照光を切り換える光切換器(光チョッパー)136の周期は1Hzである。
そして、分光器137で計測された金属吸収層の分光反射率データは、図4に示すように制御パソコン138に送信され、該制御パソコン138は反応性ガスの流量を制御する流量計139に流量設定値を送信する。そして、ガス導入チューブ140を経由して反応性ガスは上記ガス放出パイプ125、126、127、128に導かれ、上記第一成膜手段への反応性ガスの供給量を制御するように構成されている。尚、上記流量計139については、各ガス放出パイプ125、126、127、128にそれぞれ設置してもよい。
(5)「インライン反射率測定器」によるデータの解析(ベースラインの設定)
一般的な「2光束自記分光光度計」の場合、上述したように反射率が既知であるサンプル基準の反射光強度を測定してベースラインとし、その後、測定サンプルの反射光強度を測定し、上記ベースラインと比較して相対反射率を求めている。
しかし、「インライン反射率測定器」においては、測定された反射率を比較するサンプル基準が無いため、該サンプル基準に基づいて相対反射率を求めることは現実的にできない。
そこで考えられるのは、長尺樹脂フィルム上に下側金属吸収層を成膜する際、未成膜の長尺樹脂フィルム自体における反射率をベースラインとする方法であるが、透明性の高い長尺樹脂フィルムにおいてはキャンロールの反射が主となり、キャンロールの表面状態によっては極めて信頼性の低いベースラインとなってしまう。このため、「インライン反射率測定器」による測定ではサンプル基準の分光反射率と比較することは容易ではない。
他方、長尺樹脂フィルムに設けられた金属層上に上側金属吸収層を成膜する際においては、上記「インライン反射率測定器」で測定した各波長における反射光強度自体の信頼性は高い。その理由は、「インライン反射率測定器」から照射された測定光の一部が上側金属吸収層を透過し、下側に位置する金属層からの反射光と光学的な干渉を起こして極大値と極小値を有する分光反射率特性が得られるからである。
例えば、金属(銅)層が形成された長尺樹脂フィルム(PETフィルム)の金属層上に、酸素を含む反応性ガスと金属(Ni−Cu合金)ターゲットを用いた反応性スパッタリング法により金属吸収層(上側金属吸収層)を成膜し、かつ、この金属吸収層の分光反射率特性を「インライン反射率測定器」を用いて測定した結果を図5および図6に示す。
尚、図5のグラフ図において極大値と極小値を有する分光反射率特性となっている理由は、上述したように「インライン反射率測定器」から照射された測定光の一部が金属吸収層を透過し下側に位置する金属層からの反射光との光学的な干渉のためである。
具体的には、金属吸収層の膜厚を、20nm、24nm、および、28nmの3種に設定し、反応性ガスの酸素流量を膜厚に対し一定量となる、2.000sccm/nm、2.125sccm/nm、および、2.250sccm/nmの3組となるように導入して9個の金属吸収層を成膜した。尚、「インライン反射率測定器」を用いて測定した金属吸収層の分光反射率特性を図5に示し、かつ、図5を一部拡大したグラフ図を図6に示す。
図5と図6のグラフ図から、金属吸収層の膜厚が厚くなるにつれて分光反射特性の極小値が長波長側へほぼ平行移動することが確認され、更に、成膜時の導入酸素量が増加するにつれて分光反射率曲線が低反射側へほぼ垂直移動することが確認される。
ところで、図5と図6のグラフ図に示すような分光反射特性の変化は、金属吸収層の膜厚が10nm〜100nm、酸素導入量がスパッタリングガスの5重量%〜20重量%程度の狭い範囲にあるときに確認される傾向で、金属吸収層の膜厚と酸素導入量の幅を大幅に変えてしまうと上記傾向が得られ難くなることに留意しなければならない。但し、実際の成膜条件のバラツキによる変化は上記範囲に十分に含まれる。
図5と図6のグラフ図の結果を以下の表1に示し、かつ、表1に示されたデータ群から「反射率極小値の波長−酸素流量/膜厚の関係、および、反射率極小値の波長−膜厚の関係」を表す関係図を作成(図7参照)すると共に、同じく表1に示されたデータ群から「反射率極大値/極小値−酸素流量/膜厚の関係、および、反射率極大値/極小値−膜厚の関係」を表す関係図も作成(図8参照)した。
そして、「反射率極小値の波長−酸素流量/膜厚の関係、および、反射率極小値の波長−膜厚の関係」を表す図7の関係図から、「反射率極小値の波長」は、反応条件(酸素流量/膜厚)に依存せず、膜厚のみに比例して増加していることが確認され、「反射率極大値/極小値−酸素流量/膜厚の関係、および、反射率極大値/極小値−膜厚の関係」を表す図8の関係図から、「反射率極大値/極小値の比」は、反応条件(酸素流量/膜厚)と膜厚の両方に依存し、これ等の増加に比例して「反射率極大値/極小値の比」が増加していることが確認される。
この結果、「インライン反射率測定器」で測定された反射率を上述したサンプル基準と比較することなく、上記「反射率極小値の波長」から膜厚を求めて膜厚に係る成膜条件(スパッタリング電力や長尺樹脂フィルムの搬送速度等)を調整でき、かつ、「反射率極大値/極小値の比」から反応条件(酸素流量/膜厚)も調整できることが確認される。
(6)反射率が既知であるサンプル基準との比較を要しない本発明の成膜方法
すなわち、本発明は、
少なくとも片面に金属層が形成された長尺樹脂フィルムの該金属層上に、酸素を含む反応性ガスと金属ターゲットを用いた反応性スパッタリング法により連続して金属吸収層を成膜すると共に、成膜される金属吸収層の分光反射率特性に基づいて金属吸収層の成膜条件を制御する成膜方法において、
膜厚d1〜dnのサンプル用金属吸収層をそれぞれa組の反応条件(酸素流量/膜厚)に従って金属層上に成膜し、かつ、成膜された複数(n×a)個のサンプル用金属吸収層の分光反射率を測定して極大値と極小値を有する分光反射率特性をそれぞれ求めると共に、得られた分光反射率特性から、(n×a)個のサンプル用金属吸収層毎に「反射率極小値の波長」および「反射率極大値と極小値の比(=極大値/極小値)」の数値をそれぞれ特定する成膜前のデータ収集工程と、
データ収集工程により得られた(n×a)個の「反射率極小値の波長」および「反射率極大値と極小値の比(=極大値/極小値)」の数値群から、成膜目標とする金属吸収層に係る数値(反射率極小値の波長λおよび反射率極大値と極小値の比α)を特定し、かつ、目標とする金属吸収層を金属層上に成膜しながらスパッタリング装置内に設けられたインライン反射率測定器により成膜中における金属吸収層の分光反射率を測定すると共に、上記「反射率極小値の波長λ」および「反射率極大値と極小値の比α」に設定される反応性ガスの酸素流量およびスパッタリング電力を特定する成膜条件設定工程と、
成膜条件設定工程により特定された成膜条件に従い金属層上に連続成膜される金属吸収層の分光反射率を上記インライン反射率測定器により継続して測定し、上記「反射率極小値の波長λ」および「反射率極大値と極小値の比α」が維持されるように反応性ガスの調整または/およびスパッタリング電力の調整を行う成膜条件維持工程、
を具備することを特徴とするものである。
ところで、上記成膜条件維持工程において、「反射率極小値の波長」と「反射率極大値と極小値の比」の各値(λ、α)が保持されるように行う調整については、以下に述べる理由から、例えば、反応性ガス中に水素若しくは水蒸気を添加しまたは/および酸素流量を変更する方法、および、スパッタリング電力を調整し、更に長尺樹脂フィルムの搬送速度を変更する等の方法が挙げられる。
(7)真空チャンバー内に含まれる水分の影響
反応性スパッタリング成膜中の真空チャンバー内部における水分圧とアルゴン分圧(スパッタリングを行うために導入するガス)の経時変化について、四重極質量分析計で計測した結果を図9に示す。すなわち、図9は、図4に示す成膜装置の真空チャンバー内部における水分量の経時変化を示すグラフ図である。
図9のグラフ図から、スパッタリング時間の経過と共に真空チャンバーから水分が脱離していくことが確認される。この水分も、スパッタリングのプラズマ中において酸素と水素に分解され、金属吸収層の酸化に寄与する。従って、成膜スタート時と同じ分光反射特性曲線を長時間に亘り維持するには、反応性スパッタガスの酸素に加えて真空チャンバーから脱離する水分量を補う水蒸気若しくは水素ガスを補充する必要がある。
例えば、スパッタリング時間の経過と共に、真空チャンバーから脱離する水分量を補わない場合、下記比較例に示されているように反射率は上昇する(表2参照)。
そこで、「反射率極大値と極小値の比」が一定(α)に維持できるように反応性ガスの酸素に加え、真空チャンバーから脱離する水分量を補う水蒸気若しくは水素ガスを含むガス導入すればよい。例えば、モル比で2:1の水素ガスと酸素ガスの混合ガスが挙げられる。この混合ガスを増加させると「反射率極大値と極小値の比」が増加し、この混合ガスを減少させると「反射率極大値と極小値の比」が減少するので、「反射率極大値と極小値の比」を一定に保つように混合ガスの量を調整すればよい。
ところで、真空チャンバーから脱離する水分量を把握するには一般的に四重極質量分析計が利用される。上記四重極質量分析計はその場の雰囲気を計測する機器であり、「インライン反射率測定器」による測定の方が実際に取り込まれた反応性ガスを反映しているのでより直接的である。
尚、真空チャンバー内において四重極質量分析計により観測される水分は、成膜後における長尺樹脂フィルムをスパッタリングウェブコータから取り出したりした際の大気開放により、真空チャンバー内に吸着される水分である。また、真空チャンバー内に含まれる水分量は、真空チャンバー内における四重極質量分析計の配置位置や真空チャンバーの形状等で変動する。
以下、比較例を挙げて本発明の実施例について具体的に説明するが、本発明は以下の実施例により限定されるものではない。
図4に示す成膜装置(スパッタリングウェブコータ)を用い、反応性ガスには酸素ガスを用いると共に、キャンロール116は、直径600mm、幅750mmのステンレス製で、ロール本体表面にハードクロムめっきが施されている。前フィードロール115と後フィードロール121は直径150mm、幅750mmのステンレス製で、ロール本体表面にハードクロムめっきが施されている。
また、各マグネトロンスパッタリングカソード117、118、119、120の上流側と下流側にガス放出パイプ125、126、127、128、129、130、131、132を設置し、かつ、マグネトロンスパッタリングカソード117、118には金属吸収層用のNi−Cuターゲットを取付け、マグネトロンスパッタリングカソード119と120にはターゲットを取付けずかつ運転しなかった。
長尺樹脂フィルムには、フィルムの片面にスパッタリングで成膜した膜厚100nmと電気めっきで形成した膜厚400nmの合計膜厚500nmの銅層(金属層)が設けられた幅600mmで長さ1200mのPETフィルムを用い、上記キャンロール116は0℃に冷却制御している。また、真空チャンバー110を複数台のドライポンプにより5Paまで排気した後、更に、複数台のターボ分子ポンプとクライオコイルを用いて3×10-3Paまで排気している。
そして、以下の実施例と比較例は、片面に上記銅層(金属層)が形成された長尺樹脂フィルムの搬送速度を4m/分にした後、ガス放出パイプ125、126からアルゴンガスを300sccm導入し、かつ、マグネトロンスパッタリングカソード117、118については、膜厚24nmのNi−Cu金属吸収層が得られる電力制御により成膜を行っている。
また、反応性ガスの酸素ガスと、真空チャンバーから脱離する水分を補う水素ガスとを含むガス(水素+酸素)は、流量計ユニット139を経由して、ガス放出パイプ125、126、127、128へ混合ガスとして導入している。
[実施例]
本実施例においては、銅層(金属層)が片面に形成された長尺樹脂フィルムの銅層(金属層)上に、表1の「サンプル番号5」に記載された条件(膜厚24nm、酸素流量51sccm、酸素流量/膜厚=2.125sccm/nm)に従って、Ni−Cuの金属吸収層を連続的に成膜している。
まず、図4に示す成膜装置(スパッタリングウェブコータ)に組み込まれた「インライン反射率測定器」を用い、連続成膜しているNi−Cu金属吸収層の分光反射率特性を測定しながら「反射率極小値の波長」の数値(λ)が573nm(表1のサンプル番号5欄参照)になるようにスパッタ電力を微調整する。
次に、「反射率極大値と極小値の比(=極大値/極小値)」の数値(α)が1.043(表1のサンプル番号5欄参照)になるように反応性ガスを調整する。
これが、成膜スタート時における成膜条件になる。
そして、成膜時間が経過するにつれて真空チャンバー内から水分が脱離し、真空チャンバー内に含まれる水分量が経時的に減少するため、「反射率極大値と極小値の比(=極大値/極小値)」の数値(α)が1.043に維持されるように反応性ガス中への「水素+酸素の混合ガス」を徐々に増加させたところ、長尺樹脂フィルム全長(1200m)の成膜終了時には、各カソードに対する「水素+酸素の混合ガス」の導入量が10sccmに達した。
尚、実施例において、表1のサンプル番号5欄に記載された目標値、すなわち「反射率極小値の波長の数値(λ)が573nm」、かつ、「反射率極大値と極小値の比(=極大値/極小値)の数値(α)が1.043」である目標値が、長尺樹脂フィルム全長(0m〜1200m)に亘って達成されているか否かについて以下の表2に示し、合わせて、長尺樹脂フィルム全長(1200m)に亘る「反射率極大値」と「反射率極小値」の数値も表2に示す。
そして、表2における実施例の「反射率極大値」と「反射率極小値」欄から、長尺樹脂フィルム全長(0m〜1200m)に亘り目標とする分光反射率特性が維持されていることが確認される。
[比較例]
比較例においても、銅層(金属層)が片面に形成された長尺樹脂フィルムの銅層(金属層)上に、表1の「サンプル番号5」に記載された条件(膜厚24nm、酸素流量51sccm、酸素流量/膜厚=2.125sccm/nm)に従って、Ni−Cuの金属吸収層を連続的に成膜している。
但し、比較例においては、「インライン反射率測定器」によって測定されたデータを利用せず、そのままフィードバック制御無しに全長(1200m)の成膜を行っている。
すなわち、「反射率極小値の波長」の数値(λ)が573nmで、かつ、「反射率極大値と極小値の比(=極大値/極小値)」の数値(α)が1.043に維持されるようなフィードバック制御は行わなかった。
上記フィードバック制御を行っていない比較例も、表1のサンプル番号5欄に記載された目標値、すなわち「反射率極小値の波長の数値(λ)が573nm」、かつ、「反射率極大値と極小値の比(=極大値/極小値)の数値(α)が1.043」である目標値が、長尺樹脂フィルム全長(0m〜1200m)に亘って達成されているか否かについて表2に示し、合わせて、長尺樹脂フィルム全長(0m〜1200m)に亘る「反射率極大値」と「反射率極小値」の数値も表2に示す。
そして、表2における比較例の「反射率極大値」と「反射率極小値」欄から、長尺樹脂フィルム全長(0m〜1200m)に亘り目標とする分光反射率特性が維持されていないことが確認される。
「評 価」
(1)表2の「反射率極大値」と「反射率極小値」欄から、実施例においては長尺樹脂フィルム全長(0m〜1200m)に亘って目標とする分光反射率特性を維持できる製法上の利点を有している。
(2)他方、比較例においては、成膜初期と比較して成膜終了時において反射率が上昇してしまう(反射率極大値と反射率極小値が上昇する)製法上の欠点を有している。
本発明に係る成膜方法を用いて得られた金属吸収層を有する積層体フィルムは金属吸収層の光学特性が均一に揃っているため、タッチパネルに組み込まれる電極基板フィルムとして利用される産業上の可能性を有している。
10 真空チャンバー
11 巻き出しロール
12 長尺樹脂フィルム
13 フリーロール
14 張力センサロール
15 前フィードロール
16 キャンロール
17 マグネトロンスパッタリングカソード
18 マグネトロンスパッタリングカソード
19 マグネトロンスパッタリングカソード
20 マグネトロンスパッタリングカソード
21 後フィードロール
22 張力センサロール
23 フリーロール
24 巻き取りロール
25 ガス放出パイプ
26 ガス放出パイプ
27 ガス放出パイプ
28 ガス放出パイプ
29 ガス放出パイプ
30 ガス放出パイプ
31 ガス放出パイプ
32 ガス放出パイプ
60 透明基板(樹脂フィルム)
61 下側金属吸収層
62 乾式成膜法で形成された金属層(銅層)
63 下側金属吸収層
64 乾式成膜法で形成された金属層(銅層)
65 湿式成膜法で形成された金属層(銅層)
66 湿式成膜法で形成された金属層(銅層)
67 上側金属吸収層
68 上側金属吸収層
70 透明基板(樹脂フィルム)
71 下側金属吸収層
72 乾式成膜法で形成された金属層(銅層)
73 下側金属吸収層
74 乾式成膜法で形成された金属層(銅層)
75 湿式成膜法で形成された金属層(銅層)
76 湿式成膜法で形成された金属層(銅層)
77 上側金属吸収層
78 上側金属吸収層
110 真空チャンバー
111 巻き出しロール
112 長尺樹脂フィルム
113 フリーロール
114 張力センサロール
115 前フィードロール
116 キャンロール
117 マグネトロンスパッタリングカソード
118 マグネトロンスパッタリングカソード
119 マグネトロンスパッタリングカソード
120 マグネトロンスパッタリングカソード
121 後フィードロール
122 張力センサロール
123 フリーロール
124 巻き取りロール
125 ガス放出パイプ
126 ガス放出パイプ
127 ガス放出パイプ
128 ガス放出パイプ
129 ガス放出パイプ
130 ガス放出パイプ
131 ガス放出パイプ
132 ガス放出パイプ
133 反射率測定プローブ
134 Y分岐光ファイバ束
135 安定化光源
136 光切換器(光チョッパー)
137 分光器
138 制御パソコン
139 流量計(流量計ユニット)
140 ガス導入チューブ

Claims (6)

  1. 少なくとも片面に金属層が形成された長尺樹脂フィルムの該金属層上に、酸素を含む反応性ガスと金属ターゲットを用いた反応性スパッタリング法により連続して金属吸収層を成膜すると共に、成膜される金属吸収層の分光反射率特性に基づいて金属吸収層の成膜条件を制御する成膜方法において、
    膜厚d1〜dnのサンプル用金属吸収層をそれぞれa組の反応条件(酸素流量/膜厚)に従って金属層上に成膜し、かつ、成膜された複数(n×a)個のサンプル用金属吸収層の分光反射率を測定して極大値と極小値を有する分光反射率特性をそれぞれ求めると共に、得られた分光反射率特性から、(n×a)個のサンプル用金属吸収層毎に「反射率極小値の波長」および「反射率極大値と極小値の比(=極大値/極小値)」の数値をそれぞれ特定する成膜前のデータ収集工程と、
    データ収集工程により得られた(n×a)個の「反射率極小値の波長」および「反射率極大値と極小値の比(=極大値/極小値)」の数値群から、成膜目標とする金属吸収層に係る数値(反射率極小値の波長λおよび反射率極大値と極小値の比α)を特定し、かつ、目標とする金属吸収層を金属層上に成膜しながらスパッタリング装置内に設けられたインライン反射率測定器により成膜中における金属吸収層の分光反射率を測定すると共に、上記「反射率極小値の波長λ」および「反射率極大値と極小値の比α」に設定される反応性ガスの酸素流量およびスパッタリング電力を特定する成膜条件設定工程と、
    成膜条件設定工程により特定された成膜条件に従い金属層上に連続成膜される金属吸収層の分光反射率を上記インライン反射率測定器により継続して測定し、上記「反射率極小値の波長λ」および「反射率極大値と極小値の比α」が維持されるように反応性ガスの調整または/およびスパッタリング電力の調整を行う成膜条件維持工程、
    を具備することを特徴とする成膜方法。
  2. 上記成膜条件維持工程における反応性ガスの調整が、水素若しくは水蒸気の添加、または/および、上記酸素流量の変更であることを特徴とする請求項1に記載の成膜方法。
  3. 上記金属吸収層の膜厚が10nm〜100nmの範囲、かつ、反応性ガスに含まれる酸素が5重量%〜20重量%の範囲に設定されていることを特徴とする請求項1に記載の成膜方法。
  4. 上記金属ターゲットが、Ni単体、若しくは、Ti、Al、V、W、Ta、Si、Cr、Ag、Mo、Cuより選ばれる1種以上の元素が添加されたNi系合金、または、Cu単体、若しくは、Ti、Al、V、W、Ta、Si、Cr、Ag、Mo、Niより選ばれる1種以上の元素が添加されたCu系合金で構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の成膜方法。
  5. 上記長尺樹脂フィルムと金属層との間に下側金属吸収層が設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の成膜方法。
  6. 樹脂フィルムから成る透明基板と該透明基板の少なくとも片面に設けられた積層膜とで構成され、該積層膜が、下側金属吸収層と金属層と上側金属吸収層から成る積層体フィルムの製造方法において、
    上記上側金属吸収層が、請求項1〜5のいずれかに記載の成膜方法により成膜されていることを特徴とする積層体フィルムの製造方法。
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