JP2016188054A - 車両前部構造 - Google Patents

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裕之 小池
Hiroyuki Koike
裕之 小池
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Abstract

【課題】車両前部から衝突荷重が入力された際に、フロントサイドメンバからサスペンションメンバを安定的に離脱させる車両前部構造を提供する。【解決手段】フロントサイドメンバ14の後端に形成されたキック部30の水平部40において、チューブナット44の周囲に一般部37よりも板厚の厚い厚肉部42が上方に突出形成されている。平面視においてチューブナット44に螺合されるボルト66の中心軸CLから厚肉部42の前端Fまでの距離L1が後端Rまでの距離L2よりも短い。したがって、締結部46で締結されたサスペンションメンバ12から車両後方側への衝突荷重Fhが入力され、ボルト66に図面上反時計回りの回転モーメントMが作用すると、厚肉部42と一般部37の境界部分69において、前端Fから破断を開始し、境界部分69に沿って全周破断される。この結果、フロントサイドメンバ14からサスペンションメンバ12が確実に離脱する。【選択図】図3

Description

本発明は、車両前部構造に関する。
従来、車両前部の両サイドにおいて、車両前後方向に延在するフロントサイドメンバと、車両前部においてサスペンション機構を支持するサスペンションメンバは、ダッシュパネルの下方で締結されている。
車両の前方から衝突荷重が入力された場合には、車両の骨格部材であるフロントサイドメンバとサスペンションメンバとの締結部を破断させることによって、サスペンションメンバを車体から離脱させ、衝突後半に作用するフロアG(加速度)を低減させる構成が採用されているものがある(特許文献1参照)。
特開2014−139055号公報
このような構成は、骨格部材が鋼材である場合に適用されてきたが、近年車両の軽量化のために骨格部材等にアルミが採用されてきている。この場合に、同様の構成を採用しても骨格部材の材質が異なるため、フロントサイドメンバとサスペンションメンバとの締結部の破断状態が異なることが考えられる。
したがって、異なる材質の骨格部材が採用された場合でも、フロントサイドメンバからサスペンションメンバを確実に離脱させるためには、向上の余地がある。
本発明は上記事実を考慮し、車両前部から衝突荷重が入力された際に、フロントサイドメンバからサスペンションメンバを安定的に離脱させる車両前部構造を提供することを目的とする。
請求項1記載の発明に係る車両前部構造は、車両前部においてフロントサスペンションを支持するサスペンションメンバと、車両前部の車両幅方向両側に車両前後方向に延在して配置されたフロントサイドメンバと、前記フロントサイドメンバの一般部から車両上方に突出して設けられ、前記サスペンションメンバ側からボルトが螺合されることにより、前記サスペンションメンバを前記フロントサイドメンバに締結するナット部と、前記フロントサイドメンバの一般部の表面において前記ナット部の周囲を囲むように形成され、前記一般部よりも強度が低い脆弱部と、前記脆弱部における車両前方側に設けられた前記一般部に設けられた破断開始部と、を備える。
この車両前部構造は、フロントサイドメンバに設けられたナット部の周囲を囲むように一般部よりも強度の低い脆弱部が形成されている。車両の前面衝突時に車両後方側への荷重がサスペンションメンバからフロントサイドメンバとサスペンションメンバの締結箇所に入力されると、ナット部に螺合されたボルトからナット部へ車両前方に倒れこむ方向の回転モーメントが作用する。この際、ナット部が設けられたフロントサイドメンバの一般部には、ナット部の周囲を囲むように一般部よりも強度が低い脆弱部が設けられていると共に、脆弱部の車両前方側に破断開始部が設けられている。したがって、破断開始部から脆弱部に沿ってフロントサイドメンバが破断し、フロントサイドメンバからナット部が離脱する。すなわち、フロントサイドメンバからサスペンションメンバを離脱させることができる。
請求項2記載の発明に係る車両前部構造は、請求項1記載の発明において、前記破断開始部は、前記脆弱部の車両前後方向前端部に設けられる。
この車両前部構造では、フロントサイドメンバにおいて、ナット部の周囲に設けられた脆弱部の車両前端部に破断開始部が設けられている。車両の前面衝突によって車両後方への荷重がサスペンションメンバに入力されると、サスペンションメンバとフロントサイドメンバを締結するボルトを介してナット部に車両前方に倒れるような回転モーメントが入力される。脆弱部において車両前後方向前端部に破断開始部を設けているため、脆弱部の破断開始部から破断が開始され、脆弱部の全周に亘って破断が進む。この結果、ナット部がフロントサイドメンバから離脱し、フロントサイドメンバからサスペンションメンバを確実に離脱させることができる。
請求項3記載の発明に係る車両前部構造は、車両前部においてフロントサスペンションを支持するサスペンションメンバと、車両前部の車両幅方向両側に車両前後方向に延在して配置されたフロントサイドメンバと、前記フロントサイドメンバの一般部から車両上方に突出形成され、前記サスペンションメンバ側からボルトが螺合されることにより、前記サスペンションメンバを前記フロントサイドメンバに締結するナット部と、前記フロントサイドメンバの一般部の表面において前記ナット部の周囲を囲むように形成されると共に、前記一般部よりも強度が低く設定され、前記ナット部に螺合された前記ボルトの中心軸と車両前後方向前端部までの第1距離が前記中心軸と車両前後方向後端部までの第2距離よりも短い脆弱部と、を備える。
この車両前部構造は、フロントサイドメンバに設けられたナット部の周囲を囲むように一般部よりも強度の低い脆弱部が形成されている。ここで、車両の前面衝突によってサスペンションメンバに車両後方への荷重が作用すると、サスペンションメンバとフロントサイドメンバを締結するボルトに車両前方側へ倒れるような回転モーメントが作用する。この回転モーメントにより、ナット部に車両前方へ倒れ込むような回転モーメントが作用する。この際、ボルトの中心軸から脆弱部の車両前後方向前端部までの第1距離が脆弱部の車両前後方向後端部までの第2距離よりも短いため、脆弱部の車両前後方向前端部に作用する荷重が相対的に大きくなり、脆弱部の車両前後方向前端部からフロントサイドメンバの破断が開始される。脆弱部の車両前後方向前端部から脆弱部に沿って破断が進み、脆弱部の全周に亘ってフロントサイドメンバが破断される。この結果、ナット部がフロントサイドメンバから離脱する。すなわち、フロントサイドメンバからサスペンションメンバを離脱させることができる。
請求項4記載の発明に係る車両前部構造は、請求項1〜3のいずれか1項記載の発明において、前記脆弱部は、平面視において連続した曲線で形成されている。
この車両前部構造は、脆弱部が平面視において連続した曲線で形成されている。したがって、車両の通常使用時にフロントサイドメンバとサスペンションメンバの締結部分であるナット部の周囲に設けられた脆弱部の特定箇所に応力集中することが抑制される。
請求項5記載の発明に係る車両前部構造は、請求項4記載の発明において、前記脆弱部は、平面視において円形状に形成されている。
この車両前部構造は、脆弱部が平面視において円形状に形成されている。したがって、車両の通常使用時にフロントサイドメンバとサスペンションメンバの締結部分であるナット部の周囲に設けられた脆弱部の特定箇所に応力集中することが一層抑制される。
請求項6記載の発明に係る車両前部構造は、請求項1〜5のいずれか1項記載の発明において、前記フロントサイドメンバにおいて、少なくとも前記ナット部が形成される部分と前記ナット部はアルミダイキャストで一体成形されている。
この車両前部構造は、少なくともフロントサイドメンバのナット部形成部分とナット部がアルミダイキャストで一体成形されている。上記のように、フロントサイドメンバとサスペンションメンバとの締結部を構成するナット部の周囲に脆弱部を設けて破断方向を制御すると共に破断開始位置を制御しているため、アルミのように伸性が低い材料でナット部等を形成していても、脆弱部に沿って確実に破断させることができる。
また、フロントサイドメンバにおいて少なくともナット部が形成される部分とナット部とを一体成形することによって、部品点数や製造工程を削減することができる。
請求項7記載の発明に係る車両前部構造は、請求項1〜6のいずれか1項記載の発明において、前記脆弱部は、前記フロントサイドメンバにおいて平面視で前記ナット部の周囲を囲むように形成され、かつ前記一般部よりも板厚が厚い厚肉部と前記一般部との境界部分である。
この車両前部構造は、フロントサイドメンバにおいて、平面視でナット部の周囲を囲むように一般部よりも板厚が厚い厚肉部を形成している。この厚肉部と一般部との境界が脆弱部に相当する。すなわち、フロントサイドメンバにおいて、ナット部の周囲を囲むように一般部よりも板厚が厚い厚肉部を形成することによって、簡単にナット部の周囲を囲むように脆弱部を形成することができる。したがって、車両の前面衝突によってサスペンションメンバに車両後方への荷重が作用した場合、ボルトからナットに作用する車両前後方向の回転モーメントによって脆弱部に沿ってフロントサイドメンバが破断し、ナット部が離脱する。すなわち、フロントサイドメンバからサスペンションメンバを離脱させることができる。
請求項8記載の発明に係る車両前部構造は、請求項1〜6のいずれか1項記載の発明において、前記脆弱部は、前記フロントサイドメンバにおいて平面視で前記ナット部の周囲を囲むように形成され、かつ前記一般部よりも板厚が薄い薄肉部である。
この車両前部構造は、フロントサイドメンバにおいて、平面視でナット部の周囲を囲むように一般部よりも板厚が薄い薄肉部を形成している。この薄肉部が脆弱部に相当する。すなわち、フロントサイドメンバにおいて、ナット部の周囲を囲むように一般部よりも板厚が薄い薄肉部を形成することによって、簡単にナット部の周囲を囲むように脆弱部を形成することができる。したがって、車両の前面衝突によってサスペンションメンバに車両後方への荷重が作用した場合、ボルトからナットに作用する車両前後方向の回転モーメントによって脆弱部に沿ってフロントサイドメンバが破断し、ナット部が離脱する。すなわち、フロントサイドメンバからサスペンションメンバを離脱させることができる。
請求項1〜3記載の発明の車両前部構造は、上記構成としたので、車両前部から衝突荷重が入力されたとき、フロントサイドメンバからサスペンションメンバを確実に離脱させることができる。
請求項4、5記載の発明の車両前部構造は、上記構成としたので、車両の通常使用時に脆弱部に応力集中することが抑制できる。
請求項6記載の発明の車両前部構造は、上記構成としたので、アルミダイキャストでナット部がフロントサイドメンバと一体成形されていても、フロントサイドメンバからサスペンションメンバを確実に離脱させることができる。
請求項7、8記載の発明の車両前部構造は、上記構成としたので、簡単に脆弱部を形成することができる。
第1実施形態に係る車両前部構造の一部を示す平面図である。 第1実施形態に係る車両前部構造の一部を示す側面図である。 図1における3−3線断面図である。 第1実施形態に係る車両前部構造における締結部を示す斜視図である。 第2実施形態に係る車両前部構造における締結部を示す斜視図である。
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態に係る車両前部構造について図1〜図4を参照して説明する。図1、図2は、それぞれ車両前部構造の一部を示す平面図及び側面図であり、図3は図1の3−3線断面図であり、図4は車両前部構造の締結部を示す斜視図である。以下、各図において、車両前方を矢印FR、車両上方を矢印UP、車両幅方向を矢印Wで示す。
先ず、車両前部構造10の全体構成について図1、図2を参照して説明する。車両前部構造10は、車両のエンジン等を支持するサスペンションメンバ12と、車両の両側部において車両前後方向に延在する骨格部材であるフロントサイドメンバ14、14(一方を図示省略)とを備える。
サスペンションメンバ12は、平面視略矩形状(図1、一部分のみ図示)であり、車両前方で車両幅方向に延在する前部材16と、前部材16の幅方向端部で平面視略L字型の連結部材18を介して前部材16と連結され略車両前後方向に延在する側部材20と、側部材20の車両後端側に連結される後部材22とを備える。
後部材22は、図1に示すように、側部材20の後端部に接合され、車両後方に向かって車幅方向内側に湾曲している接合部22Aと、接合部22Aの後端から反対側の接合部(図示省略)まで車幅方向に延在する幅方向部22Bと、接合部22Aの後端から車両後方に向かって車幅方向外側に湾曲する後部22Cとを備える。
なお、図1、図2に示すように、連結部材18の車両前方側には、車両前後方向に延在する第2メンバ24が設けられている。第2メンバ24の先端には、車両幅方向に延在するフロントバンパロア26が設けられている。
フロントサイドメンバ14は、図2に示すように、略車両前後方向に延在するフロントサイドメンバ本体28と、フロントサイドメンバ本体28の後端から車両後方に向かって下方に傾斜したキック部30とが接合されている。
また、図1、図2に示すように、フロントサイドメンバ本体28の先端には連結部材32が接合されている。フロントサイドメンバ本体28よりも車幅方向外側で車両後方に向かって車両上方に湾曲したエプロンアッパメンバ34が連結部材32取り付けられている。エプロンアッパメンバ34の後端には、エプロンメンバ36が接合されている。なお、連結部材32の前方には、図示しないクラッシュボックスを介して車両幅方向に延在する図示しないフロントバンパリインフォースメントが設けられている。
なお、キック部30は、図1および図3に示すように、基本的に一定の厚さの板状の部材から形成されている。なお、この一定の厚さの部分を一般部37という。また、キック部30の一般部37は、図1及び図3に示すように、車両後方に向かって車両下方に傾斜した傾斜部38と、傾斜部38の途中に設けられた水平部40とを備える。水平部40には、一般部37の板厚よりも厚く、車両上方に突出形成された平面視円形の厚肉部42と、厚肉部42から車両上方に突出形成されたチューブナット44がアルミダイキャストで一般部37と一体的に成形されている。
このチューブナット44を含む締結部46の構成について、以下、詳細に説明する。
図3に示すように、締結部46を構成するサスペンションメンバ12の後部材22の後部22Cの後端側には、孔部50が形成されている。この孔部50には、断面ハット形状のホルダ52が嵌合されている。ホルダ52の内側には、筒状の緩衝部材(ラバーブッシュ)54が圧入されている。緩衝部材54は、筒状の外筒54A、その内側に配設されるゴム部54B、ゴム部54Bの内側で上部先端がゴム部54Bよりも上方に突出している内筒54Cとから構成されている。なお、ホルダ52の頂部には、内筒54Cの上側を挿通させる挿通孔56が形成されている。
内筒54Cの内部には、軸方向に延在するボルト挿通孔58が形成されている。内筒54Cの下端には、断面ハット形状の支持プレート60が配置されており、内筒54Cとゴム部54Bの下端を支持している。支持プレート60の頂部には、孔部62が形成されている。ボルト66が、ワッシャ64を介して支持プレート60の孔部62、内筒54Cのボルト挿通孔58を通ってチューブナット44のネジ孔67に螺入されていることにより、後部材22(サスペンションメンバ12)とキック部30(フロントサイドメンバ14)が締結されている。
なお、ホルダ52とキック部30の水平部40の間には、ゴム部68が配置されている。
また、図3、図4に示すように、チューブナット44は、厚肉部42において、平面視円形の厚肉部42の中心よりも車両前方側に偏った位置に形成されている。したがって、チューブナット44のネジ孔67の中心軸(ネジ孔67に螺入されたボルト66の中心軸)CLから厚肉部42の車両前方側の前端(以下、単に「前端」という)Fまでの距離L1は、厚肉部42の車両後方側の後端(以下、単に「後端」という)Rまでの距離L2よりも短くなっている。このように、チューブナット44の周囲は厚肉部42で囲まれている。したがって、厚肉部42と一般部37の境界部分69が、チューブナット44の周囲を囲むように形成されることになる。
さらに、図3に示すように、キック部30は、ダッシュパネル80の下端部と接合している。ダッシュパネル80の上部には、ダッシュクロスメンバ82が接合されている。なお、ダッシュパネル80、ダッシュクロスメンバ82は、説明の都合上、図1、図2では図示を省略している。
このように構成された車両前部構造10の作用について説明する。
車両の正面衝突時には、サスペンションメンバ12に車両後方向の衝突荷重Fhが作用する。この衝突荷重Fhは、サスペンションメンバ12の後部22Cにおいて締結部46を構成するチューブナット44に螺合されたボルト66の下端側に作用する。この結果、ボルト66には、図3上反時計回りの回転モーメントMが作用する。
ここで、チューブナット44の中心軸CLは、平面視円形の厚肉部42に対して前方に偏心して形成されている。すなわち、チューブナット44のネジ孔67の中心軸(ボルト66の中心軸)CLから厚肉部42の前端Fまでの距離L1は、厚肉部42の後端Rまでの距離L2よりも短い。したがって、水平部40における脆弱部である厚肉部42と一般部37との境界部分69において、前端Fの強度が後端Rの強度と比較して低い。この結果、回転モーメントMがボルト66からチューブナット44に作用したとき、水平部40の境界部分69の前端Fから破断が開始され(前端Fが破断開始位置となり)、境界部分69に沿って後端R側に破断が進み(図4、ジグザグ線ZL及び矢印A、B参照)、チューブナット44がボルト66と共に、キック部30から離脱する。
このように本実施形態の車両前部構造10は、キック部30の水平部40に一般部37よりも板厚が厚い厚肉部42を平面視円形に形成し、平面視において厚肉部42の円形の中心よりも前端F側にオフセットした位置にチューブナット44を形成している。すなわち、チューブナット44のネジ孔67の中心軸(ボルト66の中心軸)CLから厚肉部42(境界部分69)の前端Fまでの距離L1が厚肉部42(境界部分69)の後端Rまでの距離L2よりも短いものとされている。
したがって、正面衝突によってボルト66から車両幅方向と垂直な平面内を回転する回転モーメントMがチューブナット44に作用した場合に、チューブナット44の周囲を囲むように形成された脆弱部となる厚肉部42と一般部37との境界部分69のうち、回転モーメントによって最も大きな荷重が作用する前端Fから破断が開始され、脆弱部である境界部分69に沿って破断が進む(図4、ジグザグ線ZL及び矢印A、B参照)。これにより、キック部30及びチューブナット44がアルミダイキャスト等で一体成形された場合でも、境界部分69に沿って前端Fから後端Rに向かって確実に破断される。
このように本実施形態の車両前部構造10では、車両の正面衝突時に、水平部40における破断開始位置および破断方向を精度良く制御でき、フロントサイドメンバ14のキック部30からチューブナット44を確実に破断させることができる。すなわち、フロントサイドメンバ14からサスペンションメンバ12を確実に離脱させることができる。したがって、キック部30とチューブナット44がアルミのような伸性の小さい材料から形成されている場合でも、意図したように破断することができる。
また、キック部30とチューブナット44をアルミダイキャストで一体成形しているため、部品点数及び製造工程を削減することができる。しかも、骨格部材であるフロントサイドメンバ14の少なくとも一部を軽量のアルミで製造することにより、車体の軽量化を図ることもできる。
さらに、厚肉部42(厚肉部42と一般部37との境界部分69)を平面視円形に水平部40に形成したため、車両の通常走行時に境界部分69の特定箇所に応力集中することが抑制される。
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態に係る車両前部構造70について説明する。第1実施形態と同様の構成要素には、同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。また、第1実施形態と異なる部分のみを説明する。
図5に示すように、チューブナット44が平面視円形の厚肉部42の中心に位置している。この場合には、チューブナット44のネジ孔67の中心軸(ボルト66の中心軸)CLから厚肉部42と一般部37の境界部分69の前端Fまでの距離L3と後端Rまでの距離L4は等しい。
一方、水平部40において、境界部分69の前端Fの前方には、凹部(ノッチ)72が形成されている。凹部72は、図5では境界部分69の前端Fに連続している。
このように構成された車両前部構造70の作用について説明する。
車両正面衝突の際、サスペンションメンバ12の後部材22から締結部46に荷重Fhが作用し、ボルト66には車両幅方向と垂直な平面内を反時計回りで回転するような回転モーメントが作用する。この際、水平部40において厚肉部42と一般部37との境界部分69の前端F側に凹部72が形成されている。
したがって、回転モーメントMがボルト66からチューブナット44に作用した場合には、厚肉部42と一般部37との境界部分69において、凹部72が形成された厚肉部42の前端Fから破断が開始される。境界部分69に沿って厚肉部42の後端R側に破断が進み(図5、ジグザグ線ZL及び矢印A、B参照)、チューブナット44が一般部37から破断され、フロントサイドメンバ14からサスペンションメンバ12が離脱させられる。
この車両前部構造70のように、平面視円形の厚肉部42に対してチューブナット44を偏心させなくても、破断開始させたい位置に凹部72(破断開始部)を形成するだけで、凹部72が形成された位置から境界部分69の破断を開始させることができる。
なお、本実施形態では、破断開始部である凹部72を脆弱部である厚肉部42と一般部37との境界部分69の前端Fの位置に設けたが、平面視円形の境界部分69において前端F(車両前方)側の位置であれば、前端Fに限定するものではない。このような位置に形成してもチューブナット44に回転モーメントMが作用することで、凹部72が形成された位置から破断が開始され、全周にわたって脆弱部である境界部分69に沿って水平部40が破断される。
また、本実施形態では、凹部72が境界部分69と連続した形状としたが、少なくとも一点で接触していれば、同様の作用効果を奏する。さらに、凹部72が境界部分69から僅かに前方に離間している場合でも同様の作用効果を奏する。本実施形態では、これらの場合も含めて破断開始部が脆弱部における車両前方側に設けられたものとする。
また、一連の実施形態では、キック部30とチューブナット44がアルミダイキャストで一体成形されたものについて説明したが、チューブナット44が別体で形成され、溶接によってキック部30に取り付けられたものに適用しても良い。
さらに、一連の実施形態では、チューブナット44の周囲に厚肉部42を設け、一般部37との境界部分69を脆弱部としたが、水平部40に突出形成されたチューブナット44の周囲に、一般部37よりも板厚の薄い周回する凹部を設けても良い。この場合には、凹部が脆弱部となり、チューブナット44に螺合されるボルト66の中心軸CLから凹部の前端までの距離を凹部の後端までの距離よりも短くすることで、凹部の前端から凹部に沿って全周破断するように構成できる。
ただし、凹部を形成するよりも厚肉部42を水平部40に設ける方が、水平部40(キック部30)の強度を損なわないという点で優れる。
また、一連の実施形態では、脆弱部である厚肉部42と一般部37との境界部分69(厚肉部42)を平面視円形としたが、通常走行時に境界部分69の特定箇所に応力集中を抑制できるので、境界部分69(厚肉部42)を平面視において円形以外の連続した曲線で形成しても良い。
10、70 車両前部構造
12 サスペンションメンバ
14 フロントサイドメンバ
37 一般部
42 厚肉部
44 チューブナット(ナット部)
69 境界部分(脆弱部)
66 ボルト
72 凹部(破断開始部)
CL ボルトの中心軸
L1 距離(第1距離)
L2 距離(第2距離)

Claims (8)

  1. 車両前部においてフロントサスペンションを支持するサスペンションメンバと、
    車両前部の車両幅方向両側に車両前後方向に延在して配置されたフロントサイドメンバと、
    前記フロントサイドメンバの一般部から車両上方に突出して設けられ、前記サスペンションメンバ側からボルトが螺合されることにより、前記サスペンションメンバを前記フロントサイドメンバに締結するナット部と、
    前記フロントサイドメンバの一般部の表面において前記ナット部の周囲を囲むように形成され、前記一般部よりも強度が低い脆弱部と、
    前記脆弱部における車両前方側に設けられた前記一般部に設けられた破断開始部と、
    を備える車両前部構造。
  2. 前記破断開始部は、前記脆弱部の車両前後方向前端部に設けられる請求項1記載の車両前部構造。
  3. 車両前部においてフロントサスペンションを支持するサスペンションメンバと、
    車両前部の車両幅方向両側に車両前後方向に延在して配置されたフロントサイドメンバと、
    前記フロントサイドメンバの一般部から車両上方に突出形成され、前記サスペンションメンバ側からボルトが螺合されることにより、前記サスペンションメンバを前記フロントサイドメンバに締結するナット部と、
    前記フロントサイドメンバの一般部の表面において前記ナット部の周囲を囲むように形成されると共に、前記一般部よりも強度が低く設定され、前記ナット部に螺合された前記ボルトの中心軸と車両前後方向前端部までの第1距離が前記中心軸と車両前後方向後端部までの第2距離よりも短い脆弱部と、
    を備える車両前部構造。
  4. 前記脆弱部は、平面視において連続した曲線で形成されている請求項1〜3のいずれか1項記載の車両前部構造。
  5. 前記脆弱部は、平面視において円形状に形成されている請求項4記載の車両前部構造。
  6. 前記フロントサイドメンバにおいて、少なくとも前記ナット部が形成される部分と前記ナット部はアルミダイキャストで一体成形されている請求項1〜5のいずれか1項記載の車両前部構造。
  7. 前記脆弱部は、前記フロントサイドメンバにおいて平面視で前記ナット部の周囲を囲むように形成され、かつ前記一般部よりも板厚が厚い厚肉部と前記一般部との境界部分である請求項1〜6のいずれか1項記載の車両前部構造。
  8. 前記脆弱部は、前記フロントサイドメンバにおいて平面視で前記ナット部の周囲を囲むように形成され、かつ前記一般部よりも板厚が薄い薄肉部である請求項1〜6のいずれか1項記載の車両前部構造。
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