JP2016187822A - 厚鋼板冷却方法及び厚鋼板冷却装置 - Google Patents

厚鋼板冷却方法及び厚鋼板冷却装置 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、冷却後の厚鋼板の品質を向上できる厚鋼板冷却方法及び厚鋼板冷却装置を提供することを課題とする。【解決手段】本発明の厚鋼板冷却方法は、冷却水散水前の厚鋼板表面の幅方向の温度分布を測定する工程と、上記冷却水散水前の温度分布及び冷却ヘッダーの水量密度分布に基づいて厚鋼板の板厚方向内部位置での冷却水散水後の温度分布を予測する工程と、予測した冷却水散水後の厚鋼板の板厚方向内部位置での温度偏差を小さくするよう表面側の上記冷却ヘッダーの幅方向の水量密度分布を調整する工程とを備え、上記冷却水散水後の温度分布を予測する工程が、上記水量密度分布を考慮して厚鋼板の表面での熱伝達係数の分布を算出する工程と、上記冷却水散水前の温度分布及び熱伝達係数の分布に基づいて厚鋼板の板厚方向内部位置での冷却水散水後の予測温度分布を導出する工程とを有することを特徴とする。【選択図】図4

Description

本発明は、厚鋼板冷却方法及び厚鋼板冷却装置に関する。
厚鋼板の製造において、焼き入れ効果等を得るために熱間圧延された厚鋼板を冷却水によって急速に冷却することがある。このような処理を行うための装置として、搬送状態の厚鋼板に1又は複数の冷却ヘッダーから冷却水を散水するよう構成された厚鋼板冷却装置が知られている。
焼き入れ等により厚鋼板に所望の物性を均質的に付与するためには、厚鋼板を所望の温度まで過不足なく均一に冷却することが望まれる。しかし、厚鋼板表面に散水した冷却水は厚鋼板中央側から外側に向かって幅方向に厚鋼板の表面を流れるため、厚鋼板の中央と端部とでは冷却水の流速が異なる。そこで厚鋼板の表面を流れる冷却水の幅方向の流速をパラメータとした冷却モデルを適用して熱伝達率を計算し、冷却後の厚鋼板の表面の幅方向の温度分布を予測して、冷却ヘッダーの水量密度分布を調整することが提案されている(特開2011−167754号公報参照)。
また、上記公報には、冷却ヘッダーから散水された冷却水が厚鋼板に衝突する部位については、冷却水量密度をパラメータとした冷却モデルを適用して熱伝達率を計算し、冷却後の厚鋼板の表面の幅方向の温度分布を予測することも提案されている。
このように、従来の厚鋼板冷却方法では、予想した温度分布と実際に冷却した後の温度分布とが比較可能、つまり直接温度分布を測定可能な厚鋼板の表面の温度を予測している。しかしながら、冷却時の厚鋼板の表面温度の履歴にはばらつきが大きい。
一方、厚鋼板の内部の温度は、表面温度に比して幅方向位置による偏差や継時変化が小さいため、厚鋼板内部の金属組織は、厚鋼板表面の金属組織に比べてより理想的なものとされ得る。厚鋼板の品質としては、この内部の金属組織の方が、表面の金属組織と比べてより重要である。
特開2011−167754号公報
上記要求に鑑みて、本発明は、冷却後の厚鋼板の品質を向上できる厚鋼板冷却方法及び厚鋼板冷却装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するためになされた発明は、熱間圧延後の厚鋼板を搬送しつつ、上記厚鋼板の表裏面に対向するよう上記厚鋼板の搬送方向に沿って配設される複数対の冷却ヘッダーから冷却水を散水する厚鋼板冷却方法であって、上記冷却ヘッダーの上流側で冷却水散水前の厚鋼板表面の幅方向の温度分布を測定する工程と、上記冷却水散水前の温度分布及び冷却ヘッダーの水量密度分布に基づいて厚鋼板の板厚方向内部位置での冷却水散水後の温度分布を予測する工程と、予測した冷却水散水後の厚鋼板の板厚方向内部位置での温度偏差を小さくするよう表面側の上記冷却ヘッダーの幅方向の水量密度分布を調整する工程とを備え、上記冷却水散水後の温度分布を予測する工程が、上記水量密度分布を考慮して厚鋼板の表面での熱伝達係数の分布を算出する工程と、上記冷却水散水前の温度分布及び熱伝達係数の分布に基づいて厚鋼板の板厚方向内部位置での冷却水散水後の予測温度分布を導出する工程とを有することを特徴とする厚鋼板冷却方法である。
当該厚鋼板冷却方法は、上記のように、厚鋼板の表面での熱伝達係数の分布を算出し、冷却ヘッダーの水量密度分布、上記冷却水散水前の温度分布及び熱伝達係数の分布に基づいて厚鋼板の板厚方向内部位置での冷却水散水後の予測温度分布を導出する工程と、予測した冷却水散水後の厚鋼板の板厚方向内部位置での温度偏差を小さくするよう表面側の上記冷却ヘッダーの幅方向の水量密度分布を調整する工程とを備える。厚鋼板の内部での温度分布は、厚鋼板の表面の温度分布と比べて位置毎の偏差及び時間的な変動が小さいので、当該厚鋼板冷却方法は、厚鋼板の内部での予測温度分布を用いることによって、温度を比較的小さい許容誤差(トレランス)で管理することができる。このように表面に比べて温度偏差が小さい厚鋼板の内部での予測温度分布を考慮することによって、当該厚鋼板冷却方法は、冷却後の厚鋼板の内部の温度偏差を比較的小さくできる。従って、当該厚鋼板冷却方法は、厚鋼板の内部の冷却を最適化できるので、所望の金属組織を有する中心層の厚さを比較的大きくして冷却後の厚鋼板の品質を向上することができる。
上記熱伝達係数の分布を算出する工程で、厚鋼板の表面に形成される水膜高さの分布を変数として上記熱伝達係数の分布を算出するとよい。このように、上記熱伝達係数の分布を算出する工程で、厚鋼板の表面に形成される水膜高さの分布を変数として上記熱伝達係数の分布を算出することによって、厚鋼板表面に沿って流れる水膜と厚鋼板との間の熱伝達における熱伝達係数を比較的正確に算出できる。従って、比較的正確に冷却後の温度分布を予測することができるので、冷却後の厚鋼板内部の温度偏差をより小さくすることができる。
上記板厚方向内部位置をds、冷却水散水後の温度分布における温度偏差の許容値をETとし、係数a及びbを用いて、ds=a×ET−bを満たすよう板厚方向内部位置dsを決定する工程をさらに備えるとよい。このように、上記板厚方向内部位置をds、冷却水散水後の温度分布における温度偏差の許容値をETとし、係数a及びbを用いて、ds=a×ET−bを満たすよう板厚方向内部位置dsを決定する工程をさらに備えることによって、冷却後の温度が所望の範囲内となる中心層の厚さを比較的大きくすることができるような板厚方向内部位置dsを比較的容易に決定することができ、効率よく温度偏差を小さくし、冷却後の厚鋼板の品質をより向上することができる。
複数の上記冷却ヘッダーを用い、冷却ヘッダー毎に上記冷却水散水後の温度分布を予測する工程及び水量密度分布を調整する工程を行い、2番目以降の冷却ヘッダーについて温度分布を予測する工程で、上記冷却水散水前の温度分布として、1つ上流側の冷却ヘッダーの水量密度分布を調整する工程後の予測温度分布を用いるとよい。このように、複数の冷却ヘッダーを用いる場合に、冷却ヘッダー毎に上記冷却水散水後の温度分布を予測する工程及び水量密度分布を調整する工程を行い、下流側の冷却ヘッダーについて温度分布の測定値に換えて1つ上流側の冷却ヘッダーの冷却後の予測温度分布を冷却水散水前の温度分布として用いることによって、計算が容易となるので演算精度を向上でき、冷却後の厚鋼板内部の温度偏差をより小さくすることで冷却後の厚鋼板の品質をより向上することができる。
幅方向の位置毎に目標温度が与えられ、上記温度偏差を幅方向の各位置における予測温度と目標温度との差から求めてもよい。このように、幅方向の位置毎に目標温度が与えられ、上記温度偏差を幅方向の各位置における予測温度と目標温度との差から求めることによって、厚鋼板に幅方向の位置毎に異なる特性を付与することや、目標温度の分布を調整することにより厚鋼板の均質性をより向上することができる。
上記課題を解決するためになされた別の発明は、厚鋼板を搬送する搬送装置と、上記厚鋼板の表裏面に対向し、上記厚鋼板の搬送方向に沿って配設され、この搬送装置の搬送方向に対する幅方向に分布を有する水量密度で上記厚鋼板の表面に冷却水を散水する複数対の冷却ヘッダーとを備える厚鋼板冷却装置であって、上記冷却ヘッダーの上流側で上記冷却水散水前の厚鋼板表面の幅方向の温度分布を測定する温度測定装置と、上記温度測定装置の測定結果に基づいて表面側の上記冷却ヘッダーの幅方向の水量密度分布を決定する制御装置とをさらに備え、上記制御装置が、上記水量密度分布を考慮して厚鋼板の表面での熱伝達係数の分布を算出する制御要素と、上記冷却水散水前の温度分布及び熱伝達係数の分布に基づいて厚鋼板の板厚方向内部位置での冷却水散水後の予測温度分布を導出する制御要素と、予測した冷却水散水後の厚鋼板の板厚方向内部位置での温度偏差を小さくするよう上記冷却ヘッダーの幅方向の水量密度分布を調整する制御要素とを有することを特徴とする厚鋼板冷却装置である。
当該厚鋼板冷却装置は、上記のように、上記制御装置が、上記水量密度分布を考慮して厚鋼板の表面での熱伝達係数の分布を算出する制御要素と、上記冷却水散水前の温度分布及び熱伝達係数の分布に基づいて厚鋼板の板厚方向内部位置での冷却水散水後の予測温度分布を導出する制御要素と、予測した冷却水散水後の厚鋼板の板厚方向内部位置での温度偏差を小さくするよう上記冷却ヘッダーの幅方向の水量密度分布を調整する制御要素とを有する。厚鋼板の内部の板厚方向内部位置での温度分布は、厚鋼板の表面の温度分布と比べて位置毎の偏差及び時間的な変動が小さいので、当該厚鋼板冷却装置は、温度を比較的小さい許容誤差で管理することができる。従って、当該厚鋼板冷却装置は、このように厚鋼板の板厚方向内部位置での温度を考慮することによって、冷却後の厚鋼板内部の温度偏差を比較的小さし、冷却後の厚鋼板の品質を向上することができる。
ここで、「温度偏差」としては、例えば平均温度、幅方向中央での温度等の代表温度との差、又は目標温度との差を用いることができる。
本発明の厚鋼板冷却方法及び厚鋼板冷却装置は、冷却後の厚鋼板の品質を向上することができる。
本発明の一実施形態の厚鋼板製造方法に係る製造設備の構成を示す模式図である。 図1の製造設備に係る厚鋼板冷却装置の構成を示す模式図である。 (a)は図2の厚鋼板冷却装置の冷却ヘッダーの構成を示す模式図であり、(b)は冷却ヘッダーの水量密度分布を示す図である。 図3の厚鋼板冷却装置の水量密度分布決定処理の手順を示す流れ図である。 図4の温度分布予測工程の詳細な手順を示す流れ図である。 ある板厚方向位置における幅方向位置による温度履歴の違いを示すグラフである。 ある板厚方向位置における厚鋼板の幅方向温度分布を示すグラフである。 水量密度分布のクラウン量と温度偏差との関係を示すグラフである。 板厚方向位置と温度偏差との関係を示すグラフである。 温度偏差と板厚方向内部位置との関係を示すグラフである。
以下、適宜図面を参照しつつ、本発明の実施の形態を詳説する。
[厚鋼板加工設備]
図1の厚鋼板加工設備は、原料厚鋼板(スラブ)Pを加熱する加熱炉1と、加熱された原料厚鋼板Pを熱間圧延する粗圧延機2と、粗圧延機2で圧延された厚鋼板Pをさらに熱間圧延する仕上圧延機3と、仕上圧延機3で熱間圧延された厚鋼板Pを冷却する厚鋼板冷却装置4と、冷却された厚鋼板Pを矯正するレベラー5とを備える。
加熱炉1、粗圧延機2、仕上圧延機3及びレベラー5については、それぞれ公知の構成とすることができるので、詳細な説明は省略する。
〔厚鋼板冷却装置〕
厚鋼板冷却装置4は、熱間圧延後の厚鋼板Pを搬送しつつ厚鋼板Pの表面(上面)及び裏面(下面)に冷却水を散水することにより厚鋼板Pを冷却するものであって、加速冷却装置とも呼ばれる。この厚鋼板冷却装置4において、厚鋼板Pの冷却は、予め設定される冷却停止温度まで急速に冷却される。冷却停止温度としては、目的とする製品(厚鋼板Pの用途)に応じて定められるが、例えば200℃以上650℃(573K以上923K以下)以下とされる。
厚鋼板冷却装置4で冷却される厚鋼板Pの平均厚さとしては、特に限定されないが、例えば12mm以上100mm以下とすることができる。
当該厚鋼板冷却装置4は、図2に示すように、厚鋼板Pを搬送する搬送装置10と、この搬送装置10により搬送される厚鋼板Pの搬送方向に対する幅方向の温度分布を測定する温度測定装置20と、幅方向に分布を有する水量密度で厚鋼板Pの表面に冷却水を散水する3つの表面冷却ヘッダー30と、厚鋼板Pの裏面に一定の水量密度で冷却水を散水する3つの裏面冷却ヘッダー40と、温度測定装置20の測定結果に基づいて表面冷却ヘッダー30の水量密度分布を制御する制御装置50とを備える。
<搬送装置>
搬送装置10は、例えば図2に例示するように、複数のローラー11によって構成されるローラーコンベアーとすることができる。
<温度測定装置>
温度測定装置20は、表面冷却ヘッダー30の上流側で厚鋼板Pの幅方向の温度分布、つまり厚鋼板Pの中心軸を基準とする幅方向の位置x[mm]における表面温度Ti(x)[K]の分布を測定する。この温度測定装置20としては、表面温度Ti(x)を測定できるものであればよく、例えば放射温度計を用いることができる。
<表面冷却ヘッダー>
表面冷却ヘッダー30は、図3(a)に示すように、厚鋼板Pの幅方向(図中左右方向)に長い直方体状であり、底面に開口する複数の吐出口31と、内部空間を幅方向に3つに区分する2枚の隔壁32とを備える。2枚の隔壁32は、幅方向に対称、かつ幅方向に対して傾斜して搬送方向上流側に向けて広がるように配設されている。これにより、表面冷却ヘッダー30の内部空間は、2枚の隔壁32の内側の中央領域33と2枚の隔壁32の外側の2つの端部領域34とに区分される。この表面冷却ヘッダー30に対して、厚鋼板Pは、図中の矢印D方向に搬送される。
また、表面冷却ヘッダー30は、中央領域33に冷却水を供給する中央給水流路35及び2つの端部領域34に冷却水をそれぞれ給水する一対の端部給水流路36を有する。中央給水流路35には、主調整弁37を介して冷却水が供給される。一方、端部給水流路36には、中央給水流路35から分岐する分岐流路38に設けた分岐調整弁39を介して、中央給水流路35から冷却水が供給されるようになっている。
このように構成された表面冷却ヘッダー30は、厚鋼板Pの幅方向位置x[mm]における水量密度W(x)[L/min/m]が、図3(b)に示すような分布を示す。なお、表面冷却ヘッダー30の隔壁32は幅方向位置x[mm]からx[mm]にかけて配設され、表面冷却ヘッダー30の両端の位置がxとされている。
幅方向中心における水量密度(基準水量密度)W[L/min/m]は、中央給水流路35への給水量によって定められる。また、幅方向両端(x)における水量密度W(x)は、端部給水流路36への給水量によって定められ、基準水量密度Wに対する比をクラウン量Cw[無次元数]として、W(x)=Cw×Wで表わされる。このクラウン量Cwは、分岐調整弁39によって調整することができる。そして、幅方向位置xからxの間において、隔壁32により区分される中央領域33と端部領域34との搬送方向の長さ割合が線形に変化するので、水量密度W(x)は、WからCw×Wまで直線的に変化する。
<裏面冷却ヘッダー>
裏面冷却ヘッダー40は、厚鋼板Pの裏面に一様に冷却水を散水する多数のノズルにより構成され、厚鋼板Pを挟んで各表面冷却ヘッダー30に対向するよう配置されている。この裏面冷却ヘッダー40による散水量は、位置にかかわらず一定のW[L/min/m]とされる。
<制御装置>
制御装置50は、温度測定装置20によって測定された冷却水散水前の厚鋼板Pの幅方向の温度分布Ti(x)[K]に基づいて、表面冷却ヘッダー30の水量密度分布W(x)、つまり基準水量密度W及びクラウン量Cwを調整弁37及び分岐調整弁39によって調節することにより、表面冷却ヘッダー30の水量密度分布W(x)を決定する処理を行う。
この制御装置50は、水量密度分布決定処理の各制御工程をそれぞれ実行する複数の制御要素を有し、厚鋼板冷却装置4の動作を制御する。なお、上記水量密度分布決定処理の各制御工程については、後で詳しく説明する。制御装置50は、例えばマイクロコンピューターを有し、例えば各制御要素を構成するプログラムモジュール又はパートプログラムを含む制御プログラムに従って水量密度分布決定処理を実行する。
〔厚鋼板冷却方法〕
これより、上記厚鋼板冷却装置4の動作、つまり上記制御装置50によって行われる本発明の一実施形態に係る厚鋼板冷却方法について説明する。
当該厚鋼板冷却方法は、図4に示すように、水量密度分布W(x)の初期値を含む初期条件を設定する工程(ステップS01:初期条件設定工程)と、厚鋼板Pの表面の温度分布Ti(x)を測定する工程(ステップS02:温度分布測定工程)と、厚鋼板Pの板厚方向内部位置ds[mm]での冷却水散水後の温度分布Te(x)を予測する工程(ステップS03:温度分布予測工程)と、予測した温度分布Te(x)の温度偏差の収束を判定する工程(ステップS04:収束判定工程)と、予測した温度分布Te(x)の温度偏差を小さくするよう表面冷却ヘッダー30の水量密度分布W(x)を調整する工程(ステップS05:水量密度分布調整工程)とを備える。
当該厚鋼板冷却方法において、ステップS03の温度分布予測工程からステップS05の水量密度分布調整工程までの処理は、表面冷却ヘッダー30及び裏面冷却ヘッダー40の対毎に行われる。つまり、ステップS03からステップS05までの処理は、表面冷却ヘッダー30の数だけ繰り返される。
<初期条件設定工程>
ステップS01の初期条件設定工程では、制御装置50は、水量密度分布W(x)の初期値及びその他の運転条件を設定する。また、その他の運転条件としては、厚鋼板Pの板厚、幅方向の長さ、比熱、熱伝導率、変態発熱量等の物性、冷却水の水温、冷却停止温度、搬送装置10の搬送速度、冷却水散水後の目標温度、冷却水散水後の温度偏差の許容値ET[K]などが設定される。このような初期条件は、例えばハードディスクドライブやメモリー等の記憶装置からの読み込み、外部の制御装置等との通信、ユーザーの手入力などによって設定することができる。
また、この初期条件設定工程は、当該厚鋼板冷却方法において温度管理を行う厚鋼板Pの板厚方向内部位置(表面からの距離)ds[mm]を設定する工程を含む。この板厚方向内部位置dsは、上記初期条件毎に経験的に定めてもよいが、温度偏差の許容値ET[K]に基づき、係数a及びbを用いて、下記式(1)を満たすよう決定されることが好ましい。このように、数式によって板厚方向内部位置dsを定めることによって、厚鋼板Pの冷却後に温度偏差が小さく所望の金属組織を有する中心層の厚さを比較的大きくすることができる板厚方向内部位置dsを容易に決定できる。なお、上記数式中の係数a及びbは、実験や過去の実績に基づいて予め設定される。
ds=a×ET−b ・・・(1)
<温度分布測定工程>
ステップS02の温度分布測定工程では、温度測定装置20によって、表面冷却ヘッダー30の上流側で冷却水散水前(表面冷却ヘッダー30及び裏面冷却ヘッダー40間に進入する直前)の厚鋼板Pの表面の幅方向の温度分布Ti(x)を測定する。
<温度分布予測工程>
ステップS03の温度分布予測工程では、冷却水散水前の温度分布Ti(x)、設定されている表面冷却ヘッダー30の水量密度分布W(x)及び裏面冷却ヘッダー40の水量密度分布Wに基づいて、厚鋼板Pの板厚方向内部位置dsでの冷却水散水後(1つ下流側の表面冷却ヘッダー30及び裏面冷却ヘッダー40間に進入する前)の温度分布Te(x)を予測する。
なお、最初の表面冷却ヘッダー30についての温度分布予測工程では、冷却水散水前の温度分布Ti(x)として、温度分布測定工程で得られた温度分布Ti(x)の測定値を用いる。また、2番目以降の表面冷却ヘッダー30についての温度分布予測工程では、温度分布Ti(x)を実測してもよいが、1つ上流側の表面冷却ヘッダー30の水量密度分布調整工程後に最終的に予測した冷却水散水後の予測温度分布Te(x)を冷却水散水前の温度分布Ti(x)として使用することができる。
この温度分布予測工程は、図5に詳しく示すように、現在設定されている水量密度分布W(x)及び厚鋼板Pの幅方向の長さB[mm]を考慮して厚鋼板Pの表面に形成される水膜高さの幅方向の分布h(x)を算出する工程(ステップS11:水膜高さ分布算出工程)と、この水膜高さ分布h(x)を用いて幅方向の各位置xにおける厚鋼板Pの表面での熱伝達係数α(x)の分布を算出する工程(ステップS12:熱伝達係数分布算出工程)と、冷却水散水前の温度分布Ti(x)及び熱伝達係数α(x)の分布に基づいて、厚鋼板Pの所定の板厚方向内部位置ds[mm]での冷却水散水後の予測温度分布Te(x)を導出する工程(ステップS13:予測温度分布導出工程)とを有する。
(水膜高さ分布算出工程)
ステップS11の水膜高さ算出工程では幅方向の位置xでの水膜高さh(x)を、限界水膜高さhcr[mm]と、水量密度分布W(x)と、厚鋼板Pの幅方向の長さB及び厚鋼板冷却装置4固有の特性等に応じて定められる係数f、f及びfとを用い、下記式(2)により算出する。
h(x)=hcr+f×(1−f×x)0.5−f×(1−f×x) ・・・(2)
上記式(2)においては、下記式(21)及び(22)の関係が成り立つ。
cr={(2+C)×qcr /2/g}1/3 ・・・(21)
cr=γ×(B+0.25)0.5/4 ・・・(22)
なお、qcrは限界流量[L/min]、gは重力加速度[m/sec]、γは水量密度、水量クラウン量及びエッジカット量により決定されるノズル群流量[L/min]、Cは定数である。
(熱伝達係数分布算出工程)
ステップS12の熱伝達係数分布算出工程では、以下に詳説するように、厚鋼板Pの表面に形成される水膜の高さh(x)[mm]を変数として熱伝達係数分布α(x)を算出するとよい。
位置xでの熱伝達係数α(x)は、水膜高さh(x)と、幅方向中心での水膜高さ(基準水膜高さ)h[mm]及び幅方向中心での熱伝達係数(基準熱伝達係数)α[W/(m×K)]と基準水量密度Wに応じて定められる補正係数εとを用い、下記式(2)により算出される。
α(x)={h(x)/hε×α ・・・(3)
なお、上記基準熱伝達係数αは、実機又は実機を小型化した模擬試験装置での試験により、次の式(31)によってスケールを補正することにより予め設定される。
α=10^(c+c×logW+c×Ti) ・・・(31)
なお、c、c及びcは定数であり、Tiは、厚鋼板Pの幅方向中心での表面温度[K]である。
模擬試験装置の例としては、冷却ヘッダーとして500個/mの密度で吐出口を有し、この吐出口の開口の厚鋼板の表面からの距離が300mm以上500mm以下となるよう配置され、冷却水の水量を200L/min/m以上2000L/min/m以下の範囲で調節できる機構を有する装置を使用することができる。
また、上記補正係数εは、予め上記模擬試験装置での試験により、基準水量密度W毎に設定されるか、基準水量密度Wの関数として設定される。
(予測温度分布導出工程)
ステップS13の予測温度分布導出工程では、冷却水散水前の厚鋼板Pの幅方向の温度分布Ti(x)及び熱伝達係数分布α(x)に基づいて、冷却水の温度を用いて厚鋼板の板厚方向内部位置での冷却水散水後の温度分布を予測する。
具体的には、上記温度分布Ti(x)及び熱伝達係数分布α(x)を用いて、冷却水散水後の厚鋼板Pの予測される幅方向の温度分布Te(x)を導出する。この予測温度分布Te(x)の導出は、厚鋼板Pの表面における熱伝達を上記熱伝達係数α(x)を用いて計算し、厚鋼板Pの内部における熱伝導を計算することによって行われる。
厚鋼板Pの内部における熱伝導は、温度T[K]、時間t[s]、板厚方向内部位置d[m]、比熱c[J/kg×s]、密度ρ[kg/m]及び熱伝導率λ[W/m×K]を用いて、厚さ方向の一次元熱伝導方程式(4)によってモデル化することができる。
c(T)×ρ×δT/δt=δ/δd×{λ(T)×δT/δd} ・・・(4)
この一次元熱伝導方程式(4)を有限差分法などにより、オンラインにて計算を行うことにより、冷却水散水後の厚鋼板P内の板厚方向内部位置dsでの幅方向の予測温度分布Te(x)が算出される。
<収束判定工程>
図4のステップS04の収束判定工程では、ステップS03で予測した温度分布Te(x)の温度偏差を算出し、この温度偏差が十分に小さくなっているか否かを判定する。具体的例としては、この収束判定工程では、平均温度偏差の絶対値が所定の閾値以下であるか否かを確認する。ステップS04において平均温度偏差の絶対値が閾値以下である場合、温度偏差が収束したものと判断して、図4の水量密度分布決定処理を終了、つまり現在の水量密度分布W(x)を維持する。一方、ステップS04において平均温度偏差の絶対値が閾値を超える場合、ステップS05に進んで水量密度分布W(x)の調整を行う。
収束判定工程で算出する温度偏差としては、各幅方向位置xにおける予測温度Te(x)と、例えば幅方向中心における予測温度Te(0)、予測温度分布Te(x)の平均値、初期条件の一つとして予め与えることができる任意の目標温度分布Ts(x)[K]等との差の合計値又は平均値とすることができる。
中でも温度偏差として目標温度分布Ts(x)との偏差を用いる場合、厚鋼板Pに幅方向の位置毎に異なる特性を付与することや、目標温度分布Ts(x)を調整することで冷却モデル等の誤差を補正して厚鋼板Pの均質性をより向上することができる。
<水量密度分布調整工程>
ステップS05の水量密度分布調整工程では、クラウン量Cwを調整する。具体的には、上記平均温度偏差が正の値である場合にはクラウン量Cwを一定量増加し、上記平均温度偏差が負の値である場合にはクラウン量Cwを一定量減少する。
ステップS05において、クラウン量Cwを調整することにより水量密度分布W(x)を変更したときは、ステップS03に戻って変更された水量密度分布W(x)に基づいて再度冷却水散水後の温度分布Te(x)を予測する。
そして、予測温度分布Te(x)における温度偏差が一定の閾値以下に収束するまで上記手順による水量密度分布W(x)の調整が繰り返される。
このようにして、当該厚鋼板冷却装置4は、厚鋼板P毎に、図4の上記水量密度分布決定処理により表面冷却ヘッダー30の水量密度分布W(x)を決定することで、冷却水散水後の厚鋼板Pの温度偏差を抑制して、均一で望ましい冷却を行うことができる。
ここで、上記式(1)の係数a及びbの詳細な決定方法について説明する。
図6に、4つの冷却ヘッダーを有する厚鋼板冷却装置4を用いて厚鋼板Pを冷却する場合の冷却開始から終了までの幅方向位置毎の温度履歴を板厚t、板幅、水量密度、クラウン量Cwに基づいてシミュレーションした結果を示す。なお、板厚方向位置は、厚鋼板Pの表面から板厚tの1/4の位置とした。なお、図示するシミュレーションにおける板厚tは20mm、板幅は3200mm、冷却ヘッダーの水量密度分布W(x)のクラウン量Cwは50%である。
図7に、図6と同じシミュレーション結果のうち、各冷却ヘッダーによる冷却ゾーン(A,B,C,D)の出口における幅方向の温度分布及び最後の冷却ヘッダーよりさらに下流側の冷却停止位置(出口温度計位置)における幅方向の温度分布について示す。なお、図では、幅方向中心位置における温度を基準(0℃)として温度分布を示している。この結果、冷却開始から冷却終了までの厚鋼板Pにおける温度偏差(幅方向中心との温度差)の最大値は、Bゾーン出口からCゾーン出口までの間の約40℃となっている。
図8に、板厚方向位置及びクラウン量Cwを変えて図6及び7と同様のシミュレーションを行い、板厚方向位置毎にクラウン量Cwと温度偏差の最大値との関係を確認した結果を示す。この結果では、板厚方向位置に拘わらず、クラウン量Cwが約10%で温度偏差が最小になった。
図9に示すように、図8のシミュレーション結果において、温度偏差が最小となるクラウン量Cwでの温度偏差と板厚方向位置との関係を図9に示すようにプロットし、この図から温度偏差がそれぞれ5℃、10℃、20℃、30℃、50℃となる板厚方向内部位置dsを求めた。
板厚が12mm及び40mmの場合についても、同様に、温度偏差と板厚方向内部位置dsとの関係を求めた。なお、いずれの場合も、冷却速度が10℃/sec〜15℃/secとなるよう水量密度等を設定した。
図10に、得られた板厚方向内部位置dsと温度偏差との関係を、温度偏差をx軸、板厚方向内部位置をy軸にとり、それぞれ対数表示してプロットしたものを示す。なお、このグラフは、x軸の温度偏差が冷却時に求められる許容温度差以下であれば、その板厚方向内部位置dsにおける温度偏差が許容温度差以内に収まることを意味する。
図示するように、いずれの板厚においても、板厚方向内部位置dsと温度偏差とは直線的にプロットされており、上記式(1)を用いて板厚方向内部位置dsを決定すればよいことが分かる。従って、このように作成したグラフから、上記式(1)における係数a及びbの値を厚鋼板Pの板厚毎に予め設定することができる。なお、図10において、係数a及びbの値は、それぞれ0.91≦a≦3.88、−1.28≦b≦−0.67の範囲内にある数値とされる。
以上のように、厚鋼板の板厚、板幅、水量密度等の条件に応じて係数a,bの値を予め設定しておけば、温度偏差の許容値ETが与えられた場合に、冷却水散水後の温度分布を予測する板厚方向内部位置dsを、上記式(1)により容易に定めることができる。
<利点>
当該厚鋼板冷却方法及び当該厚鋼板冷却装置は、厚鋼板Pの表面での熱伝達係数分布α(x)を算出し、冷却水散水前の温度分布Ti(x)及び熱伝達係数分布α(x)に基づいて厚鋼板の板厚方向内部位置dsでの冷却水散水後の予測温度分布Te(x)を導出する。厚鋼板Pの板厚方向内部位置dsでの温度分布は、厚鋼板Pの表面の温度分布と比べて位置毎の偏差及び時間的な変動が小さいので、温度を比較的小さい許容誤差で管理することができる。このため、当該厚鋼板冷却方法及び当該厚鋼板冷却装置は、冷却後の厚鋼板P内部の温度偏差を比較的小さくすることにより、冷却後の厚鋼板の品質を向上することができる。
このため、当該厚鋼板冷却方法及び当該厚鋼板冷却装置は、厚鋼板Pの内部の冷却を最適化できるので、厚鋼板Pの中で所望の金属組織を有する中心層の厚さを温度偏差の許容値ETや板厚t等の操業条件に応じて設定することができる。
当該厚鋼板冷却方法及び厚鋼板冷却装置は、冷却ヘッダー毎に上記冷却水散水後の温度分布を予測して水量密度分布を調整するので、冷却終了後のみならず、冷却開始から終了までの各ヘッダー出側位置においても、厚鋼板P内部の温度偏差を小さくできる。
[その他の実施形態]
上記実施形態は、本発明の構成を限定するものではない。従って、上記実施形態は、本明細書の記載及び技術常識に基づいて上記実施形態各部の構成要素の省略、置換又は追加が可能であり、それらはすべて本発明の範囲に属するものと解釈されるべきである。
当該厚鋼板冷却方法及び厚鋼板冷却装置において、表面冷却ヘッダーは、幅方向の水量密度分布を調整できるものであれば、どのような構造であってもよい。また、表面冷却ヘッダーの数は、3つに限らず、1つでもよく、2つ又は4つ以上であってもよい。また、表面冷却ヘッダーと裏面冷却ヘッダーとは、一対一に対応しなくてもよい。
当該厚鋼板冷却装置において、裏面冷却ヘッダーの水量密度も調整するようにしてもよい。
当該厚鋼板冷却方法及び厚鋼板冷却装置において、複数の冷却ヘッダーを1つのユニットとして、一括して温度分布予測工程及び水量密度分布調整工程を適用してもよい。また、複数の冷却ヘッダーの上流側においてそれぞれ冷却水散水前の表面温度分布を測定してもよい。
当該厚鋼板冷却方法及び厚鋼板冷却装置において、熱伝達係数の分布は、他の冷却モデルに基づいて算出してもよく、2種類以上の冷却モデルを使用して算出してもよい。
当該厚鋼板冷却方法及び厚鋼板冷却装置において、任意の冷却ヘッダーの前又は後において厚鋼板の表面に滞留する冷却水を冷却水の噴流によって幅方向に押し流す水切りスプレー等の水切り機構を使用してもよい。
また、本発明に係る厚鋼板冷却装置を備える厚鋼板加工設備は、上述以外の装置を有してもよい。例えば、粗圧延機の上流側にバーティカルエッジャーを設けてもよく、厚鋼板冷却装置の上流側にさらなるレベラーを設けてもよい。
当該厚鋼板冷却方法は、熱間圧延された厚鋼板を急速に冷却するために好適に利用することができる。
1 加熱炉
2 粗圧延機
3 仕上圧延機
4 厚鋼板冷却装置
5 レベラー
10 搬送装置
11 ローラー
20 温度測定装置
30 表面冷却ヘッダー
31 吐出口
32 隔壁
33 中央領域
34 端部領域
35 中央給水流路
36 端部給水流路
37 主調整弁
38 分岐流路
39 分岐調整弁
40 裏面冷却ヘッダー
50 制御装置
P 厚鋼板

Claims (6)

  1. 熱間圧延後の厚鋼板を搬送しつつ、上記厚鋼板の表裏面に対向するよう上記厚鋼板の搬送方向に沿って配設される複数対の冷却ヘッダーから冷却水を散水する厚鋼板冷却方法であって、
    上記冷却ヘッダーの上流側で冷却水散水前の厚鋼板表面の幅方向の温度分布を測定する工程と、
    上記冷却水散水前の温度分布及び冷却ヘッダーの水量密度分布に基づいて厚鋼板の板厚方向内部位置での冷却水散水後の温度分布を予測する工程と、
    予測した冷却水散水後の厚鋼板の板厚方向内部位置での温度偏差を小さくするよう表面側の上記冷却ヘッダーの幅方向の水量密度分布を調整する工程と
    を備え、
    上記冷却水散水後の温度分布を予測する工程が、
    上記水量密度分布を考慮して厚鋼板の表面での熱伝達係数の分布を算出する工程と、
    上記冷却水散水前の温度分布及び熱伝達係数の分布に基づいて厚鋼板の板厚方向内部位置での冷却水散水後の予測温度分布を導出する工程と
    を有することを特徴とする厚鋼板冷却方法。
  2. 上記熱伝達係数の分布を算出する工程で、厚鋼板の表面に形成される水膜高さの分布を変数として上記熱伝達係数の分布を算出する請求項1に記載の厚鋼板冷却方法。
  3. 上記板厚方向内部位置をds[mm]、冷却水散水後の温度分布における温度偏差の許容値をET[K]とし、係数a及びbを用いて、ds=a×ET−bを満たすよう板厚方向内部位置dsを決定する工程をさらに備える請求項1又は請求項2に記載の厚鋼板冷却方法。
  4. 複数の上記冷却ヘッダーを用い、冷却ヘッダー毎に上記冷却水散水後の温度分布を予測する工程及び水量密度分布を調整する工程を行い、2番目以降の冷却ヘッダーについて温度分布を予測する工程で、上記冷却水散水前の温度分布として、1つ上流側の冷却ヘッダーの水量密度分布を調整する工程後の予測温度分布を用いる請求項1、請求項2又は請求項3に記載の厚鋼板冷却方法。
  5. 幅方向の位置毎に目標温度が与えられ、上記温度偏差を幅方向の各位置における予測温度と目標温度との差から求める請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の厚鋼板冷却方法。
  6. 厚鋼板を搬送する搬送装置と、上記厚鋼板の表裏面に対向し、上記厚鋼板の搬送方向に沿って配設され、この搬送装置の搬送方向に対する幅方向に分布を有する水量密度で上記厚鋼板の表面に冷却水を散水する複数対の冷却ヘッダーとを備える厚鋼板冷却装置であって、
    上記冷却ヘッダーの上流側で上記冷却水散水前の厚鋼板表面の幅方向の温度分布を測定する温度測定装置と、
    上記温度測定装置の測定結果に基づいて表面側の上記冷却ヘッダーの幅方向の水量密度分布を決定する制御装置と
    をさらに備え、
    上記制御装置が、
    上記水量密度分布を考慮して厚鋼板の表面での熱伝達係数の分布を算出する制御要素と、
    上記冷却水散水前の温度分布及び熱伝達係数の分布に基づいて厚鋼板の板厚方向内部位置での冷却水散水後の予測温度分布を導出する制御要素と、
    予測した冷却水散水後の厚鋼板の板厚方向内部位置での温度偏差を小さくするよう上記冷却ヘッダーの幅方向の水量密度分布を調整する制御要素と
    を有することを特徴とする厚鋼板冷却装置。
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