JP2016186850A - 波長変換素子、光源装置及びプロジェクター - Google Patents

波長変換素子、光源装置及びプロジェクター Download PDF

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Abstract

【課題】励起光の利用効率を高めることができる波長変換素子、光源装置及びプロジェクターを提供すること。【解決手段】励起光によって励起されて蛍光光を射出する波長変換層42と、波長変換層42を支持する支持面441を有する基板44と、を有し、波長変換層42は、凹部421(溝部422)を有し、凹部421の内面において互いに対向する部位は、凹部421の断面視において支持面441の法線NVに対して同じ側に傾斜している。【選択図】図4

Description

本発明は、波長変換素子、光源装置及びプロジェクターに関する。
従来、光源から射出された光を変調して画像情報に応じた画像を形成し、当該画像をスクリーン等の被投射面上に拡大投射するプロジェクターが知られている。このようなプロジェクターに用いられる光源装置として、励起光を射出する固体光源と、励起光により励起されて蛍光光を発光する蛍光体層(波長変換層)と、を備える光源装置が知られている。
蛍光体層にて生じた蛍光光のうち蛍光体層の表面に臨界角未満の入射角で入射した成分は、蛍光体層の外部に射出できる。一方、蛍光体層の表面に臨界角以上の入射角で入射した成分は、表面で反射して、蛍光体層の内部を散乱されながら進行する。そのため、蛍光体層から蛍光光が射出される領域は、励起光が照射された領域の外側に拡がる。
このような問題に対し、半球状又は截頭角錐台形状の微小凸状体の2次元アレイ構造を持つ蛍光体層を有する光源装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2013−161561号公報
ここで、上記特許文献1における微小凸状体の斜面の垂直面からの傾斜角をαとすると、−αから+αの間の入射角で微小凸状体の間の領域に入射した光は、蛍光体層に入射できない。上記特許文献1の記載では、αは10度であるため、20度の範囲の入射角で入射した光は利用されない。そのため、励起光の利用効率が低いという問題がある。
本発明は、上記課題の少なくとも一部を解決することを目的としたものであり、励起光の利用効率が高い波長変換素子を提供することを目的の1つとする。また、本発明は、当該波長変換素子を有する光源装置を提供することを目的の1つとする。更に、本発明は、当該光源装置を備えるプロジェクターを提供することを目的の1つとする。
本発明の第1態様に係る波長変換素子は、励起光によって励起されて蛍光光を射出する波長変換層と、前記波長変換層を支持する支持面を有する基板と、を有し、前記波長変換層は、凹部を有し、前記凹部の内面において互いに対向する部位は、前記凹部の断面視において前記支持面の法線に対して同じ側に傾斜していることを特徴とする。
以下、本明細書では、波長変換層の励起光が入射する面の法線方向から見たとき、波長変換層から蛍光光が射出される領域のことを、実質的な発光領域と称する。波長変換層の平面視は、波長変換層を励起光の入射側から見る場合を指す。
第1態様では、波長変換層は、凹部を有しているため、波長変換層内で生じた蛍光光は、凹部にて反射、散乱又は屈折して波長変換層の外部へ射出しやすい。言い換えれば、実質的な発光領域が拡がりにくい。更に、凹部が励起光の入射領域内に位置していれば、実質的な発光領域が当該入射領域の外側に拡がりにくい。
また、凹部の内面において互いに対向する部位は、凹部の断面視において支持面の法線に対して同じ側に傾斜している。
ここで、凹部の断面視において、法線に対して時計回りに傾いている場合の傾き角を正とし、反時計回りに傾いている場合の傾き角を負とする。第1態様によれば、互いに対向する部位の傾き角が例えば正の場合、負の傾き角で波長変換層に照射される励起光の略全てが、波長変換層のどこかの部位に入射する。また、正の傾き角で波長変換層に照射される励起光のうち、特定の範囲の傾き角で凹部に入射した励起光以外は、必ず波長変換層へ入射する。従って、凹部の幅を小さくする等して、当該特定の範囲を上記特許文献1に記載の構成より狭めることができ、これにより、励起光を効率よく利用できる。
上記第1態様では、前記凹部の断面視において、前記凹部は、前記波長変換層を貫通していることが好ましい。
ここで、凹部が波長変換層を貫通していない場合には、当該凹部へと進行する励起光は波長変換層に入射できる。しかしながら、波長変換層にて生じた蛍光光のうち一部の成分は、凹部によってその進路を妨げられることなく波長変換層の内部を進行することができる。そのため、実質的な発光領域が拡がりやすい。
しかし、凹部が貫通していれば、平面視で波長変換層の外側へ向かって波長変換層の内部を進行する成分を、凹部によって少なくすることができる。従って、励起光の入射領域内にて波長変換層の外部へ射出される蛍光光の光量を確実に多くすることができ、実質的な発光領域を拡がりにくくすることができる。
上記第1態様では、前記互いに対向する部位は、互いに略平行であることが好ましい。
ここで、上記法線に対する凹部の傾斜角(法線と断面視での凹部の中心線との角度)によっては、当該対向する部位の一方が、他方に対して法線とは反対側に傾斜して形成される可能性がある。このような場合には、入射される励起光に対して凹部が開き気味になるため、当該凹部内に入射される励起光の光量が増えてしまう。
しかし、互いに対向する部位が互いに略平行であれば、入射される励起光に対して凹部が開き気味とはならないため、当該凹部内に入射される励起光の光量を少なくすることができる。従って、励起光のより多くの成分が波長変換層に入射するため、励起光の利用効率を高めることができる。
上記第1態様では、前記波長変換層の平面視において、前記凹部は、所定の幅を有する線状の溝であることが好ましい。
このような構成によれば、波長変換層内にて生じた蛍光光が凹部に入射しやすい。従って、励起光の入射領域内にて波長変換層の外部へ射出される蛍光光の光量を確実に多くすることができ、実質的な発光領域を拡がりにくくすることができる。
上記第1態様では、前記波長変換層の平面視において、前記凹部は、複数の溝から構成され、前記複数の溝は格子状に設けられていることが好ましい。
ここで、波長変換層にて生じた蛍光光は、当該蛍光光の発生部位から放射状に広がる。
このため、この構成によれば、蛍光光が溝部(凹部)に入射しやすい。従って、励起光の入射領域内にて射出される蛍光光の光量をより一層多くすることができる。
上記第1態様では、前記凹部の断面視において、前記凹部の中心軸は、前記法線に対して傾斜しており、前記凹部は、錐形状及び柱形状の少なくともいずれかの形状を有していることが好ましい。
このような凹部が、波長変換層に複数形成されていれば、当該凹部に入射される蛍光光の光量を多くすることができるので、上記と同様に、当該励起光の利用効率をより一層向上させることができる。
また、凹部が錐形状又は柱形状であれば、凹部が上記溝部である場合に比べて、励起光が凹部内に入射しにくく、その結果、励起光の利用効率が高くなる。
上記第1態様では、前記基板と前記波長変換層との間に設けられた反射層をさらに備えることが好ましい。
このような構成によれば、凹部内に入射した励起光は、反射層にて反射するため、波長変換層に入射することができる。従って、波長変換層に向けて射出された励起光の略全てが波長変換層に入射するので、励起光の利用効率を確実に高めることができる。
上記第1態様では、前記凹部に設けられ、前記波長変換層の屈折率とは異なる屈折率を有する透光部材をさらに備えることが好ましい。
このような構成によれば、凹部を補強できるので、当該凹部が形成されることによって波長変換層の強度が低くなることを抑制できる。
また、透光部材は、波長変換層の屈折率と異なる屈折率を有することから、凹部に入射される蛍光光を、波長変換層と透光部材との界面にて確実に散乱又は反射させることができる。
本発明の第2態様に係る光源装置は、上記波長変換素子と、前記波長変換素子の前記凹部を含む領域に前記励起光を照射する発光素子と、を備えることを特徴とする。
上記第2態様によれば、上記第1態様に係る波長変換素子と同様の効果を奏することができる。
本発明の第3態様に係るプロジェクターは、上記光源装置と、前記光源装置から射出された照明光を変調する光変調装置と、前記光変調装置からの画像光を投射する投射光学装置と、を備えることを特徴とする。
上記第3態様によれば、上記第2態様に係る光源装置と同様の効果を奏することができる。
本発明の第1実施形態に係るプロジェクターの構成を示す模式図。 上記第1実施形態における光源装置の構成を示す模式図。 上記第1実施形態における波長変換素子を示す平面図。 上記第1実施形態における波長変換素子を示す断面図。 上記第1実施形態における溝部を拡大して示す波長変換層の断面図。 上記第1実施形態における波長変換層に入射される励起光の光路を示す図。 上記第1実施形態における蛍光光の光路の一例を示す図。 上記第1実施形態における波長変換素子の変形を示す断面図。 上記第1実施形態における波長変換素子の変形を示す断面図。 上記第1実施形態における波長変換素子の変形を示す断面図。 本発明の第2実施形態に係るプロジェクターが備える波長変換素子を示す平面図。 上記第2実施形態における波長変換素子の変形を示す平面図。 本発明の第3実施形態に係るプロジェクターが備える波長変換素子を示す断面図。 上記第3実施形態における波長変換素子の変形を示す断面図。 本発明の第4実施形態に係るプロジェクターが備える波長変換層を示す概要斜視図。 上記第4実施形態における波長変換素子の変形を示す平面図。 本発明の第5実施形態に係るプロジェクターが備える光源装置の構成を示す模式図。 上記第5実施形態における波長変換層の一部を示す平面図。 本発明の第6実施形態に係るプロジェクターの構成を示す模式図。 上記第6実施形態における光源装置の構成を示す模式図。 上記第6実施形態における波長変換素子の一部を示す断面図。 上記第6実施形態における比較例としての波長変換素子の一部を示す断面図。
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について、図面に基づいて説明する。
[プロジェクターの概略構成]
図1は、本実施形態に係るプロジェクター1の構成を示す模式図である。
本実施形態に係るプロジェクター1は、内部に設けられた光源から射出された光束を変調して画像情報に応じた画像を形成し、当該画像をスクリーンSC1等の被投射面上に拡大投射する表示装置である。
このプロジェクター1は、図1に示すように、外装筐体2と、当該外装筐体2内に収納される光学ユニット3の他、図示を省略するが、当該プロジェクター1を制御する制御装置、冷却対象を冷却する冷却装置、及び当該プロジェクター1を構成する電子部品に電力を供給する電源装置を備える。
[光学ユニットの構成]
光学ユニット3は、上記制御装置による制御の下、画像情報に応じた画像光を形成及び投射する。この光学ユニット3は、光源装置31、色分離装置32、平行化レンズ33、光変調装置34、色合成装置35及び投射光学装置36を備える。
光源装置31は、照明光WLを射出する。なお、光源装置31の構成については、後述する。
色分離装置32は、光源装置31から入射された照明光WLを赤(R)、緑(G)及び青(B)の3つの色光に分離する。この色分離装置32は、ダイクロイックミラー321,322、全反射ミラー323,324,325及びリレーレンズ326,327を備える。
ダイクロイックミラー321は、光源装置31からの照明光WLを赤色光LRとその他の色光(緑色光LG及び青色光LB)とに分離する。ダイクロイックミラー321は、赤色光LRを透過させるとともに、その他の色光(緑色光LG及び青色光LB)を反射させる。ダイクロイックミラー322は、その他の色光を緑色光LGと青色光LBとに分離する。ダイクロイックミラー322は、緑色光LGを反射するとともに、青色光LBを透過させる。
全反射ミラー323は、赤色光LRの光路中に配置され、ダイクロイックミラー321を透過した赤色光LRを光変調装置34(34R)に向けて反射させる。一方、全反射ミラー324,325は、青色光LBの光路中に配置され、ダイクロイックミラー322を透過した青色光LBを光変調装置34(34B)に導く。また、緑色光LGは、ダイクロイックミラー322にて、光変調装置34(34G)に向けて反射される。
リレーレンズ326,327は、青色光LBの光路の、ダイクロイックミラー322の下流に配置されている。これらリレーレンズ326,327は、青色光LBの光路長が赤色光LRや緑色光LGの光路長よりも長くなることによる青色光LBの光損失を補償する機能を有する。
平行化レンズ33は、後述する光変調装置34に入射する光を平行化する。なお、赤、緑及び青の各色光用の平行化レンズを、それぞれ33R,33G,33Bとする。また、赤、緑及び青の各色光用の光変調装置を、それぞれ34R,34G,34Bとする。
光変調装置34(34R,34G,34B)は、それぞれ入射される赤、緑及び青の色光LR,LG,LBを変調して、画像情報に応じた色画像を形成する。これら光変調装置34は、入射される光を変調する液晶パネルにより構成される。なお、図示は省略するが、光変調装置34R,34G,34Bの入射側及び射出側にはそれぞれ、偏光板が配置されている。
色合成装置35には、各光変調装置34R,34G,34Bからの画像光が入射される。この色合成装置35は、各色光LR,LG,LBに対応した画像光を合成し、この合成された画像光を投射光学装置36に向けて射出する。本実施形態では、色合成装置35は、クロスダイクロイックプリズムにより構成される。
投射光学装置36は、色合成装置35にて合成された画像光をスクリーンSC1等の被投射面に投射する。このような構成により、スクリーンSC1に拡大された画像が投射される。
[光源装置の構成]
図2は、光源装置31の構成を示す模式図である。
光源装置31は、上記のように、照明光WLを色分離装置32に向けて射出する。この光源装置31は、図2に示すように、光源部311、アフォーカル光学系312、ホモジナイザー光学系313、偏光分離装置314、ピックアップ光学系315、位相差板316、ピックアップレンズ317、インテグレーター光学系318、偏光変換素子319、重畳レンズ320、蛍光部材4及び拡散反射素子5を備える。
ここで、光源装置31における各光学部品の配置について説明する。
光源装置31には、それぞれ同一平面内にあり、且つ互いに直交する照明光軸Ax1,Ax2が規定されている。
これらのうち、照明光軸Ax1上には、光源部311と、アフォーカル光学系312と、ホモジナイザー光学系313と、偏光分離装置314と、位相差板316と、ピックアップレンズ317と、拡散反射素子5とが、この順に並んで配置されている。
また、照明光軸Ax2上には、蛍光部材4と、ピックアップ光学系315と、偏光分離装置314と、インテグレーター光学系318と、偏光変換素子319と、重畳レンズ320とが、この順に並んで配置されている。
なお、本実施形態に係る光源装置31においては、光源装置31から上記色分離装置32に射出される光の進行方向は、照明光軸Ax2に沿う方向である。
[光源部の構成]
光源部311は、アレイ光源311A及びコリメーター光学系311Bを備える。
アレイ光源311Aは、複数の第1半導体レーザー3111及び複数の第2半導体レーザー3112を備える。複数の第1半導体レーザー3111及び複数の第2半導体レーザー3112は、照明光軸Ax1と直交する一平面内において、アレイ状に並んで配置されている。
第1半導体レーザー3111は、本発明の発光素子に相当し、励起光BL1(例えばピーク波長が440nmのレーザー光)を射出するレーザー光源である。
第2半導体レーザー3112は、青色光BL2(例えばピーク波長が460nmのレーザー光)を射出するレーザー光源である。
これら半導体レーザー3111,3112のそれぞれから射出された励起光BL1及び青色光BL2は、コリメーター光学系311Bに入射する。
コリメーター光学系311Bは、入射された励起光BL1及び青色光BL2を平行光束に変換する。コリメーター光学系311Bは、例えばアレイ状に配置された複数のコリメーターレンズ3113から構成されている。このコリメーター光学系311Bを通過した励起光BL1及び青色光BL2は、アフォーカル光学系312に入射する。
[アフォーカル光学系及びホモジナイザー光学系の構成]
アフォーカル光学系312は、レンズ3121,3122を備え、コリメーター光学系311Bから入射された励起光BL1及び青色光BL2の光束径を調整し、これら励起光BL1及び青色光BL2をホモジナイザー光学系313に入射させる。
ホモジナイザー光学系313は、被照明領域の照度分布の均一性を高めるために設けられている。ホモジナイザー光学系313は、一対のマルチレンズアレイ3131,3132を備える。
[偏光分離装置の構成]
ホモジナイザー光学系313を通過した励起光BL1及び青色光BL2は、偏光分離装置314に入射する。偏光分離装置314は、プリズム型の偏光ビームスプリッターである。具体的に、偏光分離装置314は、それぞれ三角柱状に形成された2つのプリズム3141,3142と、当該プリズム3141,3142間に位置する偏光分離層3143と、を有する。各プリズム3141,3142が組み合わされて略直方体形状に形成されている。
これらのうち、偏光分離層3143は、照明光軸Ax1,Ax2のそれぞれに対して45°の角度で交差している。
このような偏光分離層3143は、入射する光に含まれるS偏光成分とP偏光成分とを分離する。具体的に、偏光分離層3143は、S偏光成分を反射させ、P偏光成分を透過させる。また、偏光分離層3143は、S偏光成分及びP偏光成分のいずれの偏光成分であっても、所定波長以上の光を透過させる色分離特性を有する。
励起光BL1及び青色光BL2はいずれも直線偏光光である。励起光BL1は、偏光分離層3143にS偏光の励起光BL1sとして入射する。青色光BL2は、偏光分離層3143にP偏光の青色光BL2pとして入射する。
従って、偏光分離層3143に入射された励起光BL1sは、蛍光部材4に向けて反射される。偏光分離層3143で反射された励起光BL1sは、ピックアップ光学系315に入射する。一方、偏光分離層3143に入射された青色光BL2pは、偏光分離層3143を拡散反射素子5に向けて透過する。偏光分離層3143を透過した青色光BL2pは位相差板316に入射する。
[位相差板及びピックアップ光学系の構成]
ピックアップ光学系315は、偏光分離層3143にて反射された励起光BL1sを集光し、蛍光部材4の波長変換素子41に重畳させる。また、ピックアップ光学系315は、当該波長変換層42から射出される蛍光光YLを集光する。このようなピックアップ光学系315は、例えば2つのピックアップレンズ3151,3152を有する。
なお、励起光BL1sは、励起光BL1sの中心軸が後述する波長変換素子41が有する基板44の支持面441の法線NV(図3参照)に沿うように入射する。
[蛍光部材の構成]
蛍光部材4は、入射された励起光BL1sにより励起されて当該励起光BL1sより波長が高い蛍光光(黄色光)YLを生成する。蛍光光YLはピックアップ光学系315側に射出される。この蛍光部材4は、波長変換素子41及びヒートシンク45を備える。
これらのうち、ヒートシンク45は、波長変換素子41における光入射側とは反対側の面に、当該波長変換素子41にて生じた熱が伝導可能に接続されている。このヒートシンク45により、当該熱が放熱され、波長変換素子41が冷却される。
なお、波長変換素子41の構成については、後に詳述する。
このような蛍光部材4から射出された蛍光光YLは、照明光軸Ax2に沿ってピックアップ光学系315を通過した後、偏光分離装置314に入射される。そして、この蛍光光YLは、偏光分離装置314の上記色分離特性を有する偏光分離層3143を通過して、インテグレーター光学系318に入射する。
[位相差板及びピックアップレンズの構成]
位相差板316は、1/4波長板であり、偏光分離装置314と拡散反射素子5との間の光路中に配置されている。この位相差板316は、偏光分離装置314から入射されるP偏光の青色光BL2pを円偏光の青色光BL2cに変換し、青色光BL2cをピックアップレンズ317に向けて射出する。
ピックアップレンズ317は、青色光BL2cを拡散反射素子5に向けて集光させる。
[拡散反射素子の構成]
拡散反射素子5は、ピックアップレンズ317を介して入射された青色光BL2cを偏光分離装置314に向けて拡散反射させる。このような拡散反射素子5としては、入射された青色光BL2cをランバート反射させるものが好ましい。
拡散反射素子5にて拡散反射された青色光BL2cは、位相差板316によりS偏光の青色光BL2sに変換される。青色光BL2sは、偏光分離装置314に入射する。青色光BL2sは、偏光分離装置314の偏光分離層3143にて反射されて、インテグレーター光学系318に入射する。
これにより、青色光BL2sは、偏光分離装置314を透過した蛍光光YLとともに、インテグレーター光学系318に入射され、照明光WLとして利用される。
[インテグレーター光学系の構成]
インテグレーター光学系318は、後述する重畳レンズ320と協同して、被照明領域における照度分布を均一化する。このインテグレーター光学系318は、一対のレンズアレイ3181,3182を備える。これらレンズアレイ3181,3182は、複数のレンズがアレイ状に配列されたものからなる。このインテグレーター光学系318から射出された照明光WLは、偏光変換素子319に入射する。
[偏光変換素子の構成]
偏光変換素子319は、図示を省略するが、偏光分離層及び反射層が形成された透光性部材と、位相差板とを有し、入射される照明光WLの偏光方向が揃えられた直線偏光に変換する。
重畳レンズ320は、偏光変換素子319から入射された照明光WLを被照明領域に重畳させる。この重畳レンズ320から射出された照明光WLは、上記色分離装置32に入射される。
[波長変換素子の構成]
図3は、波長変換層42を励起光BL1sの入射側から見た平面図である。図4は、図3に示した波長変換素子41のA−A断面図である。なお、以下の説明において、Z方向は、基板44から波長変換層42へ向かう方向である。X方向及びY方向は、それぞれZ方向に対して直交し、且つ互いに直交する方向を示す。すなわち、図4は、波長変換素子41のXZ平面と平行な断面図である。
波長変換素子41は、上記のように、励起光BL1sにより蛍光光YLを発生して、当該蛍光光YLを励起光BL1sの入射側(ピックアップ光学系315側)に射出する。この波長変換素子41は、図3及び図4に示すように、波長変換層42(図3)と、反射層43及び基板44(図3及び図4)と、を有する。
基板44は、アルミニウム等の熱伝導率の高い金属製の板体であり、図4に示すように、波長変換層42及び反射層43を支持する支持基板として機能する。すなわち、基板44は、波長変換層42を支持する略平坦な支持面441を有する。
基板44には、波長変換層42及び反射層43が位置する側とは反対側、すなわち、励起光BL1sの入射側とは反対側に、上記ヒートシンク45が接続される。
また、反射層43は、基板44と波長変換層42との間に位置し、当該波長変換層42側から入射される光を反射させる。このような反射層43は、基板44に形成されていてもよく、波長変換層42に形成されていてもよい。前者の場合、波長変換素子41は、基板44の支持面441に反射層43を形成し、当該反射層43上に波長変換層42を接着剤等により固定することによって構成できる。また、後者の場合、波長変換素子41は、波長変換層42に反射層43を形成し、当該波長変換層42を支持面441に固定することによって構成できる。
[波長変換層の構成]
波長変換層42は、上記蛍光光YLを発生させる蛍光体を含む。このような蛍光体は、例えば、波長440nmの励起光BL1sにより励起されて、例えば500〜700nmの波長域にピーク波長を有する蛍光光YLを生成する。
この他、波長変換層42を形成する材料としては、例えば酸化アルミニウム等の無機バインダーを例示できる。このような構成によれば、耐熱性及び表面加工性に優れた波長変換層42を構成できる。しかしながら、バインダーを用いずに蛍光体粒子を焼結して波長変換層42を形成してもよい。
波長変換層42には、図3に示すように、複数の溝部422が設けられている。複数の溝部422は、図3において縦方向(Y方向)に延在する溝部422と横方向(X方向)に延在する溝部422とからなり、格子状をなしている。複数の溝部422は、凹部421を構成している。本実施形態のように、凹部421が溝部422により構成されている場合、凹部421の断面とは、溝部422の延在方向と垂直な断面を意味する。すなわち、縦方向(Y方向)に延在する溝部422(凹部)の断面とは、当該溝部422のY方向と垂直な断面であり、横方向(X方向)に延在する溝部422(凹部)の断面とは、当該溝部422のX方向と垂直な断面である。
図4において二点鎖線の外縁線ELによって囲まれた領域は、励起光BL1sが入射する照射スポットSPに相当する。複数の溝部422は、波長変換層42において少なくとも照射スポットSPの内側に設けられている。本実施形態では、溝部422の一部は、照射スポットSPの外側にも延出しているが、照射スポットSPの内側のみに形成してもよい。
溝部422は、波長変換層42とは屈折率が異なり、かつ、透光性を有する透光部材としての充填材Fによって充填されている。このような充填材Fとしては、ガラスや樹脂が例示される。充填材Fにより、溝部422(凹部421)が形成されたことによる波長変換層42の強度低下が補われている。
図5は、図4に示した波長変換素子41の断面における一部を拡大して示す図である。
図5に示すように、一の溝部422の内面において互いに対向する部位4221,4222(互いに対向する面)は、凹部421の断面視において、それぞれ法線NVに対して同じ側に傾斜している。具体的に、図5において左側に図示する溝部422では、各部位4221,4222は、反射層43に向かうに従ってX方向とは反対方向に向かうようにそれぞれ傾斜している。すなわち、各部位4221,4222は、法線NV(Z方向)から時計回りに傾斜している。このように、法線NVに対して時計回りに傾いている場合の傾き角を正とする。
一方、図5において右側に図示する溝部422では、各部位4221,4222は、それぞれ反射層43に向かうに従ってX方向に向かうように傾斜している。すなわち、各部位4221,4222は、法線NV(Z方向)から反時計回りに傾斜している。このように、法線NVに対して反時計回りに傾いている場合の傾き角を負とする。
そして、溝部422の法線NVに対する傾斜角と、溝部422の幅と、波長変換層42の厚さ寸法(法線NVに沿う寸法)とは、溝部422に直接入射した励起光BL1sが、その入射角によらず、波長変換層42のどこかの部位に必ず入射するように設定されている。
更に、図4に示すように、凹部421の断面視における溝部422の法線NVに対する傾斜角は、当該溝部422の位置が波長変換層42における中心Cから離れるに従って大きくなる。また、各溝部422の傾斜方向は、波長変換層42における励起光BL1sの入射側の面から反射層43に向かうに従って中心Cから離れる方向である。
このような溝部422は、ブレードによるダイシング加工、レーザー加工、又は、ウォータージェット加工により波長変換層42に形成できる。そして、形成された溝部422には、上記充填材Fが充填されるが、充填しなくてもよい。
図6は、縦方向に延在する溝部422(凹部421)の断面図である。換言すると、図6は、上記ピックアップレンズ3152から波長変換層42に向かって進行する励起光BL1sの光路を示す図である。なお、励起光BL1sは、外部の空気層、波長変換層42及び充填材Fのそれぞれの界面を通過する際に屈折されるが、図6においては、屈折による光路の変更を省略した励起光BL1sの光路を示す。
図6に示す溝部422は、法線NV(Z方向)から反時計回りに傾斜している。すなわち、溝部422の傾き角は負である。
ここで、上記ピックアップレンズ3152から射出された励起光BL1sは、様々な角度で波長変換層42に向かって進行する。
例えば、上記法線NVに沿って進行する励起光BL1sは、図6に実線の矢印A1で示すように、溝部422が形成されている領域に入射する場合であっても、波長変換層42のどこかの部位に入射する。これにより、当該励起光BL1sによって蛍光光YLを発生させることができる。
また例えば、溝部422の傾斜方向とは反対方向に傾斜して、正の傾き角で進行する励起光BL1sも、図6に一点鎖線の矢印A2で示すように、波長変換層42のどこかの部位に入射する。これにより、当該励起光BL1sによって蛍光光YLを発生させることができる。
溝部422の傾斜方向に沿って、負の傾き角で当該溝部422に直接入射する励起光BL1sは、図6に二点鎖線の矢印A3で示すように、当該溝部422を通過して反射層43に入射する。この場合、当該励起光BL1sの入射経路においては、励起光BL1sは波長変換層42に入射していない。しかしながら、反射層43にて反射されることにより、当該励起光BL1sは、図6に点線の矢印A4で示すように、溝部422から波長変換層42に入射する。これにより、当該励起光BL1sによって蛍光光YLを発生させることができる。このように、励起光BL1sの利用効率を高めることができる。
図7は、照射スポットSPの外側へ進行する蛍光光YLの光路の一例を模式的に示す断面図である。なお、図7においては、凹部421が形成されていない場合の光路を点線で示し、凹部421が形成されている場合の光路を実線で示している。以下の説明では、照射スポットSPの外側へ進行する蛍光光YLのことを、便宜上、内部伝播光と称する。
凹部421が形成されていない場合、点線で示したように、内部伝播光は、波長変換層42の内部を波長変換層42の端面42Tに向かって進行する。内部伝播光は、波長変換層42の内部で散乱されるため、内部伝播光の一部の成分は、波長変換層42の端面42Tに到達する前に、上面42Uから射出される。従って、実質的な発光領域は照射スポットSPの外側へ大きく拡がる。実質的な発光領域が必要以上に拡がると、ピックアップ光学系315に取り込まれない成分が多くなり、波長変換層42から射出した蛍光光YLの利用効率が低下する。
一方、照射スポットSP内に溝部422が設けられているため、溝部422で反射した光の一部が、ピックアップレンズ3152に向かって射出される。このため、凹部421が設けられていない場合に比べて、上記照射スポットSP内でピックアップレンズ3152に向けて射出される蛍光光YLの光量を多くすることができる。また、蛍光光YLが照射スポットSPの外へ拡がりにくいため、実質的な発光領域の周辺部における色むらが発生しにくい。
以上説明した本実施形態に係るプロジェクター1によれば、以下の効果がある。
凹部421(溝部422)が照射スポットSP内に設けられているので、蛍光光YLが照射スポットSPの外へ拡がりにくい。これにより、蛍光光YLの多くの成分は、照射スポットSPの内側において波長変換層42の外へ射出する。従って、凹部421がない場合に比べて実質的な発光領域が小さいため、ピックアップレンズ3152による集光効率が高い。
凹部421(溝部422)は、上記法線NVに対して傾斜している。溝部422の内面において互いに対向する部位4221,4222は、溝部422の断面視において法線NVに対して同じ側に傾斜している。
ここで、波長変換層42において、例えば傾き角が負である溝部422が位置する領域に、0又は正の傾き角で波長変換層42に照射される励起光の略全ては、波長変換層42のどこかの部位に入射する。一方、負の傾き角で波長変換層42に照射される励起光のうち、特定の範囲の傾き角で溝部422に入射した励起光以外は、必ず波長変換層42へ入射する。また、例えば傾き角が正である溝部422が位置する領域に、0又は負の傾き角で波長変換層42に照射される励起光の略全ては、波長変換層42のどこかの部位に入射する。一方、正の傾き角で波長変換層42に照射される励起光のうち、特定の範囲の傾き角で溝部422に入射した励起光以外は、必ず波長変換層42へ入射する。
これによれば、励起光BL1sのうち、溝部422を貫通するわずかな成分以外は、波長変換層42のどこかの部位に直接入射する。従って、励起光BL1sの利用効率を高めることができる。
凹部421が波長変換層42を貫通しているため、平面視で照射スポットSPの外へ向かって波長変換層42の内部を進行する成分が少ない。従って、実質的な発光領域が拡がりにくく、照射スポットSP内にて射出される蛍光光YLの光量を確実に多くすることができる。
溝部422の内面において互いに対向する部位4221,4222が互いに略平行でない場合、溝部422は、断面視略V字状の溝部となる。この場合、法線NVに対する溝部422の傾斜角(法線NVと断面視での溝部422の中心線との角度)によっては、上記部位4221,4222の一方が、他方に対して法線NVとは反対側に傾斜して形成される可能性がある。このような場合には、入射される励起光BL1sに対して溝部422が開き気味になるため、当該溝部422内に入射される励起光BL1sの光量が増えてしまう。
これに対し、上記部位4221,4222が互いに略平行であることにより、入射される励起光BL1sに対して溝部422が開き気味とはならないため、当該溝部422内に入射される励起光BL1sの光量を少なくすることができる。従って、励起光BL1sのより多くの成分が波長変換層42に入射するため、励起光BL1sの利用効率を高めることができる。
縦方向に延在する溝部422と横方向に延在する溝部422が設けられているため、波長変換層42内にて生じた蛍光光YLを当該溝部422に入射させやすくすることができる。従って、照射スポットSP内にて射出される蛍光光YLの光量を一層多くすることができる。また、実質的な発光領域の周辺部における色むらが一層発生しにくい。
波長変換層42にて生じた蛍光光YLは、当該蛍光光YLの発生部位から放射状に広がる。このため、複数の溝部422が格子状に形成されていることにより、蛍光光YLを溝部422に入射させやすくすることができる。従って、照射スポットSP内にて射出される蛍光光YLの光量をより一層多くすることができる。また、実質的な発光領域の周辺部における色むらが一層発生しにくい。
基板44と波長変換層42との間に、反射層43が設けられている。これによれば、波長変換層42に入射することなく凹部421を貫通した励起光BL1sは、反射層43にて反射されて波長変換層42のどこかの部位に入射する。励起光BL1sの利用効率を確実に高めることができる。
凹部421(溝部422)内は、透光部材としての充填材Fにより充填されている。これによれば、凹部421を補強できるので、当該凹部421が形成されることによる波長変換層42の強度低下を抑制できる。また、充填材Fは、波長変換層42の屈折率と異なる屈折率を有することから、凹部421が充填材Fにより充填されていても、凹部421に入射した蛍光光YLは、波長変換層42と充填材Fとの界面にて確実に反射又は屈折する。従って、実質的な発光領域が拡がることを抑制できる。
[第1実施形態の第1変形例]
図8は、上記波長変換素子41の変形を示す断面図である。
上記波長変換素子41では、凹部421を構成する溝部422は、内面において互いに対向する部位4221,4222(互いに対向する面)が略平行となるように形成されていた。しかしながら、凹部421の構成はこれに限らない。
例えば、図8に示すように、当該部位4221,4222が法線NVに対して同じ側に傾斜しているものの互いに平行でない溝部422を有する凹部421としてもよい。
このような構成を有する波長変換素子41を用いた場合でも、上記と同様の効果を奏することができる。
[第1実施形態の第2変形例]
図9及び図10は、上記波長変換素子41の変形をそれぞれ示す断面図である。
上記波長変換素子41では、凹部421を構成する溝部422の傾斜方向は、励起光BL1sの入射側の面から反射層43側に向かうに従って、波長変換素子41の中心Cから離れる方向であるとした。しかしながら、凹部421の構成はこれに限らない。
例えば、図9に示す波長変換素子41のように、凹部421を構成する全ての溝部422の傾斜方向が法線NVに対して全て同じ側であってもよい。この場合、各溝部422の法線NVに対する傾斜角も同じであってもよく、それぞれ異なっていてもよい。
また例えば、図10に示す波長変換素子41のように、各溝部422の傾斜方向が法線NVに対してそれぞれランダムに設定されていてもよい。この場合の各溝部422の法線NVに対する傾斜角も同じであってもよく、それぞれ異なっていてもよい。
これら構成を有する波長変換素子41を用いた場合でも、上記と同様の効果を奏することができる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
本実施形態に係るプロジェクターは、上記プロジェクター1と同様の構成を有するが、波長変換素子の波長変換層に、上記照射スポットSP内の溝部に加えて、当該照射スポットSPの外側にも溝部が形成され、当該外側の溝部の形状が異なる点で、当該プロジェクター1と相違する。なお、以下の説明では、既に説明した部分と同一又は略同一である部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
図11は、本実施形態に係るプロジェクターが備える波長変換素子41Aを、上記励起光BL1sの入射側から見た平面図である。
本実施形態に係るプロジェクターは、波長変換素子41に代えて波長変換素子41Aを有する他は、上記プロジェクター1と同様の構成及び機能を有する。また、波長変換素子41Aは、波長変換層42に代えて波長変換層42Aを有する他は、上記波長変換素子41と同様の構成及び機能を有する。
波長変換層42Aは、図11に示すように、複数の溝部422により構成された凹部421Aを有する。複数の溝部422は、X方向に延在する溝部422とY方向に延在する溝部422とからなり、格子状をなしている。各溝部422には、充填材Fが充填されている。
これら溝部422は、上記波長変換素子41と同様に、法線NVに対して傾斜している。図示を省略するが、内面において互いに対向する部位が法線NVに対して同じ側に傾斜している。なお、各溝部422の傾斜方向や傾斜角、波長変換層42Aの厚さ寸法等は、上記第1実施形態にて示した内容を適用できる。
波長変換層42Aにおいては、溝部422は、上記波長変換層42と同様に照射スポットSP内に形成されている他、当該照射スポットSPの外側にも形成されている。
具体的に、照射スポットSP内においては、複数の溝部422が格子状に設けられ、照射スポットSP外においては、複数の溝部422が当該照射スポットSPを囲む枠状に設けられている。そして、照射スポットSP内より、照射スポットSP外の方が、溝部422が密に形成されている。すなわち、励起光BL1sの入射側から波長変換層42Aを見た場合、単位面積当たりの溝部422の面積が、照射スポットSP内より照射スポットSP外の方が大きい。
以上説明した本実施形態に係るプロジェクターによれば、上記第1実施形態にて示したプロジェクター1と同様の効果がある他、以下の効果がある。
波長変換層42Aの内部において、蛍光光YLの一部は照射スポットSPの外側へ進行するおそれがある。しかし、照射スポットSP外においては複数の溝部422が当該照射スポットSPを囲む枠状に設けられているため、実質的な発光領域が拡張することを一層効果的に抑制できる。
[第2実施形態の変形]
図12は、波長変換素子41Aの変形を示す平面図である。
上記波長変換素子41Aでは、照射スポットSP内より照射スポットSP外に溝部422を密に形成した。しかしながら、波長変換素子41Aの構成はこれに限らず、照射スポットSP内においても溝部422が密に形成される部位を設けてもよい。
例えば、図12に示す波長変換素子41Aのように、照射スポットSP内において励起光BL1sの入射光量が高い中央部分に、溝部422を密に形成してもよい。
このような構成を有する波長変換素子41Aを用いた場合でも、上記と同様の効果を奏することができる。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
本実施形態に係るプロジェクターは、上記プロジェクター1と同様の構成を有するが、波長変換層に形成された凹部(溝部)に当該波長変換層を貫通しないものが含まれる点で、上記プロジェクター1と相違する。なお、以下の説明では、既に説明した部分と同一又は略同一である部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
図13は、本実施形態に係るプロジェクターが備える波長変換素子41Bの断面図であり、図4に示した断面図と同じ位置及び同じ方向の断面図である。
本実施形態に係るプロジェクターは、波長変換素子41に代えて波長変換素子41Bを有する他は、上記プロジェクター1と同様の構成及び機能を有する。波長変換素子41Bは、図13に示すように、波長変換層42に代えて波長変換層42Bを有する他は、上記波長変換素子41と同様の構成及び機能を有する。波長変換層42Bは、凹部421Aに代えて凹部421Bを備える。
波長変換層42Bには、上記波長変換層42Aと同様に、凹部421Bを構成する複数の溝部422が照射スポットSP内だけでなく照射スポットSPの外側にも設けられている。
本実施形態では、各溝部422の傾斜方向は、ランダムに設定されているが、例えば溝部422の位置が中心Cから離れるに従って法線NVに対する当該溝部422の傾斜角が大きくなる等、上記した溝部422の形成状態を採用してもよい。また、各溝部422の内面において互いに対向する部位(面)は、略平行でなくてもよい。上記図8で示した溝部422のように、当該各部位が、法線NVに対してそれぞれ同じ側に傾斜していればよい。
なお、波長変換層42Bに形成された溝部422には、深さ寸法が異なる溝部422A,422Bが含まれる。
溝部422Aは、深さ寸法(法線NVに沿う寸法)が小さく、波長変換層42Bを貫通しない。溝部422Aは、照射スポットSP内に形成されている。
溝部422Bは、溝部422Aより深さ寸法が大きく、波長変換層42Bを貫通している。溝部422Bは、照射スポットSP外に形成されている。
溝部422の深さ寸法は、波長変換層42Bの厚さ寸法の25%以上であることが好ましい。このように溝部422の深さ寸法が設定されていると、波長変換層42Bの内部における蛍光光YLの周囲への広がりを抑制できるという効果を奏することができる。
ここで、波長変換層42Bの内部における蛍光光YLの広がりを抑制する点だけで言えば、溝部422は、波長変換層42Bを貫通していることが好ましい。しかしながら、このように溝部422が貫通していると、単位面積当たりの波長変換層42Bの体積が小さくなり、蛍光体に吸収される励起光BL1sの光量が少なくなる可能性が生じる。
このため、上記溝部422の深さ寸法は、励起光BL1sの吸収量と、蛍光光YLの広がりとに基づいて、波長変換層42Bの厚さ寸法の25%以上の範囲で、適宜設定される。
なお、本実施形態では、上記のように、波長変換層42Bにおける照射スポットSP内に浅い溝部422Aが形成されている。これは、上記のように、励起光BL1sが蛍光体に吸収されやすくするためである。一方、溝部422が深いと、蛍光光YLの広がりを抑制できる効果が大きくなるので、深い溝部422Bを照射スポットSP外に形成することにより、蛍光光YLの広がりを抑制している。これにより、上記ピックアップレンズ3152に入射される蛍光光YLの光量を増加させている。
以上説明した本実施形態に係るプロジェクターによれば、上記第1及び第2実施形態にて示したプロジェクター1と同様の効果がある。
[第3実施形態の変形]
図14は、波長変換素子41Bの変形を示す断面図であり、波長変換素子41Bの一部を拡大して示す断面図である。
上記波長変換素子41Bでは、凹部421を構成する溝部422は、波長変換層42Bにおいて励起光BL1sの入射側に開口する形状であった。しかしながら、波長変換素子41Bの構成はこれに限らない。例えば、図14に示すように、凹部421は、当該励起光BL1sの入射側とは反対側(すなわち、反射層43側)に開口していてもよい。
このような構成を有する波長変換素子41Bを用いた場合でも、上記と同様の効果を奏することができる。
なお、波長変換素子41Bは、例えば、基板44上、あるいは反射層43の上に凹部421に対応する凸部を設け、その上に波長変換層42Bを形成することによって製造できる。
[第4実施形態]
次に、本発明の第4実施形態について説明する。
本実施形態に係るプロジェクターは、上記プロジェクター1と同様の構成を有するが、波長変換層に形成された凹部の形状が異なる点で、上記プロジェクター1と相違する。なお、以下の説明では、既に説明した部分と同一又は略同一である部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
図15は、本実施形態係るプロジェクターが備える波長変換素子41Cの波長変換層42Cを示す概要斜視図である。
本実施形態に係るプロジェクターは、波長変換素子41に代えて波長変換素子41Cを有する他は、上記プロジェクター1と同様の構成及び機能を有する。波長変換素子41Cは、波長変換層42に代えて波長変換層42Cを有する他は、上記波長変換素子41と同様の構成及び機能を有する。
波長変換層42Cには、図15に示すように、励起光BL1sの入射側に開口する複数の凹部421Cが、二次元的に設けられている。各凹部421Cは、内部が略円筒状をなす。本実施形態のように、凹部421Cが筒の形状を有する場合、凹部421Cの断面とは、凹部421Cの中心軸と上記法線NV(図15では省略)とを含む面による凹部421Cの切断面を意味する。
なお、図示を省略するが、これら凹部421Cの内部は、上記充填材Fによって充填されている。しかしながら、これに限らず、充填材Fによって充填されていなくてもよい。すなわち、凹部421C内は空隙であってもよい。
各凹部421Cの中心軸は、上記溝部422と同様に、法線NVに対して傾斜している。凹部421Cの断面視において、当該凹部421Cの内面において互いに対向する部位は、当該法線NVに対して同じ側に傾斜している。
なお、図15に示した例では、照射スポットSP内だけでなく、照射スポットSP外にも複数の凹部421Cが形成されているが、これに限らず、照射スポットSP内だけに形成されていてもよい。また、凹部421Cの内部形状は、中心軸が法線NVに対して傾斜する円柱状に限らず、角柱状や、円錐状及び角錐状であってもよい。また、複数の凹部421Cは、X方向及びY方向に等間隔に設けられていてもよいし、ランダムに設けられていてもよい。
以上説明した本実施形態に係るプロジェクターによれば、上記第1及び第2実施形態にて示したプロジェクター1と同様の効果を奏することができる他、以下の効果を奏することができる。
各凹部421Cの内部形状は、法線NVに対して中心軸が傾斜する円柱形状に形成されている。これによれば、凹部421Cに入射される蛍光光YLの光量を多くすることができる。従って、照射スポットSP内にて波長変換層42Cの外部へ射出される蛍光光の光量を確実に多くすることができ、実質的な発光領域を拡がりにくくすることができる。
凹部421Cの径寸法と、複数の凹部421Cの密度とを適宜調整することにより、実質的な発光領域の拡がりと、励起光BL1sの利用効率とを調整することができる。
なお、各凹部421Cの深さ寸法を、当該凹部421Cの形成位置に応じて変更する等すれば、上記第3実施形態に示したプロジェクターと同様の効果を奏することも可能となる。
[第4実施形態の変形]
図16は、波長変換素子41Cの変形を示す平面図である。
上記波長変換素子41Cでは、平面視での凹部421Cの形状(励起光BL1sの入射側から見た凹部421Cの形状)は、円形状であった。しかしながら、これに限らず、平面視での凹部421Cの形状は、他の形状であってもよい。例えば、図16に示すように、平面視での凹部421Cの形状は、楕円、矩形、三角形及び星形等、種々の形状を採用できる。このような構成を有する波長変換素子41Cを用いた場合でも、上記と同様の効果を奏することができる。
[第5実施形態]
次に、本発明の第5実施形態について説明する。
本実施形態に係るプロジェクターは、上記プロジェクター1と同様の構成を有するが、蛍光部材の構成が異なる点で、上記プロジェクター1と相違する。なお、以下の説明では、既に説明した部分と同一又は略同一である部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
図17は、本実施形態に係るプロジェクターが備える光源装置31Dの構成を示す模式図である。
本実施形態に係るプロジェクターは、光源装置31に代えて光源装置31Dを有する他は、上記プロジェクター1と同様の構成及び機能を有する。また、光源装置31Dは、図17に示すように、蛍光部材4に代えて蛍光部材4Dを備える他は、上記光源装置31と同様の構成及び機能を有する。
蛍光部材4Dは、上記励起光BL1sが入射されて蛍光光YLを射出する波長変換素子41Dと、当該波長変換素子41Dを回転させるモーター等の回転手段46と、を有する。この蛍光部材4Dでは、回転手段46によって波長変換素子41Dが回転されることにより、当該波長変換素子41Dが冷却される構造となっている。
波長変換素子41Dは、波長変換層42D、反射層43及び基板44を有する。
波長変換素子41Dにおいて、基板44は、図示を省略するが、励起光BL1sの入射側から見て円形状に形成されている。当該基板44の中心軸を中心として上記回転手段46によって基板44が回転される。また、反射層43は、上記のように、基板44における支持面441と波長変換層42Dとの間に設けられている。
図18は、波長変換素子41Dにおける波長変換層42Dの一部を示す平面図である。
波長変換素子41Dは凹部421Dを備える。波長変換素子41Dにおいて、波長変換層42Dは、略環状に形成され、基板44の支持面441上に配置される。この波長変換層42Dには、図18に示すように、平面視円形状の基板44の中央(図示省略)を中心とする半径方向に沿って延びる複数の溝部422Cと、当該中央を中心とする同心円状に形成された複数の溝部422Dと、を有する。凹部421Dは、複数の溝部422Cと複数の溝部422Dとから構成されている。
溝部422Cの間隔は、上記照射スポットSPに複数の溝部422Cが含まれる程度に設定されている。本実施形態では、基板44が回転に従って照射スポットSP内に位置する溝部422Cが移動するが、常時3〜4の溝部422Cが当該照射スポットSP内に位置するように、複数の溝部422Cが配置されている。
各溝部422Dは、照射スポットSPを基板44の半径方向に挟むように形成されている。具体的に、照射スポットSPに対して基板44の中央側に2つの溝部422Dが形成され、周縁側に2つの溝部422Dが形成されている。
溝部422Cの上記法線NVに対する傾斜方向や傾斜角、溝部422Dの上記法線NVに対する傾斜方向や傾斜角、波長変換層42Dの厚さ寸法、溝部422Cの深さ寸法、及び、溝部422Dの深さ寸法等は、上記各実施形態にて示した内容を適用できる。
以上説明した本実施形態に係るプロジェクターによれば、上記第1及び第2実施形態にて示したプロジェクター1と同様の効果がある。また、各溝部422C,422Dの深さ寸法を調整することにより、入射される励起光BL1sの利用効率が高く、実質的な発光領域の広がりを抑えた波長変換素子41Dを構成できる。
[第6実施形態]
次に、本発明の第6実施形態について説明する。
本実施形態に係るプロジェクターでは、照明装置が、蛍光を射出する蛍光光射出用の光源装置と、青色光を射出する青色光射出用の光源装置と、を備える。蛍光光射出用の光源装置は、透過型の蛍光部材を備えている。この点で、本実施形態に係るプロジェクターと、上記プロジェクター1とは相違する。なお、以下の説明では、既に説明した部分と同一又は略同一である部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
図19は、本実施形態に係るプロジェクター1Eの構成を示す模式図である。
本実施形態に係るプロジェクター1Eは、光源装置31及び色分離装置32に代えて光源装置31E及び色分離装置32Eを有する他は、上記プロジェクター1と同様の構成及び機能を有する。
色分離装置32Eは、全反射ミラー322Eを有し、リレーレンズ326,327及び全反射ミラー324を有しない。
光源装置31Eは、蛍光光射出用の光源装置31E1および青色光射出用の光源装置31E2を備える。光源装置31E1は、上記蛍光光YLを上記ダイクロイックミラー321に向けて射出し、当該ダイクロイックミラー321は、入射された蛍光光YLに含まれる赤色光LRを透過し、緑色光LGを反射させる。赤色光LRは、全反射ミラー323及び平行化レンズ33Rを介して光変調装置34Rに入射される。また、緑色光LGは、全反射ミラー322E及び平行化レンズ33Gを介して光変調装置34Gに入射される。
なお、光源装置31E1の構成については、後に詳述する。
光源装置31E2から射出された青色光は、全反射ミラー325及び平行化レンズ33Bを介して光変調装置34Bに入射される。なお、光源装置31E2は、図示を省略するが、レーザー光からなる青色光を射出する固体光源が配列されたアレイ光源、集光光学系及びインテグレーター光学系を備える構成を例示できる。
図20は、光源装置31E1の構成を示す模式図である。
光源装置31E1は、緑及び赤の色光が含まれる蛍光光YLを色分離装置32Eに向けて射出する。光源装置31E1は、図20に示すように、アレイ光源311A、ピックアップ光学系315、蛍光部材4E、コリメートレンズCL、インテグレーター光学系318、偏光変換素子319及び重畳レンズ320を備え、照明光軸Ax上にこの順に並んで配置されている。
この光源装置31E1では、アレイ光源311Aから射出された励起光BLは、ピックアップ光学系315を透過して蛍光部材4Eに入射され、当該蛍光部材4Eから蛍光光YLが射出される。蛍光光YLは、コリメートレンズCL、インテグレーター光学系318、偏光変換素子319及び重畳レンズ320を透過して色分離装置32Eに入射される。
[蛍光部材の構成]
蛍光部材4Eは、入射される励起光BLによって励起されて蛍光光YLを射出する波長変換素子41Eを備える。波長変換素子41Eは、波長変換層42、ダイクロイック膜43E及び基板44Eを有する。
基板44Eは、光透過性を有するガラスや樹脂等の基板により構成され、照明光軸Axに直交するように配置されている。この基板44Eにおいて、励起光BLの入射側とは反対側の面は、波長変換層42及びダイクロイック膜43Eを支持する支持面44E1とされており、ダイクロイック膜43Eは、支持面44E1と波長変換層42との間に配置されている。
ダイクロイック膜43Eは、基板44E側から入射される励起光BLを透過し、波長変換層42にて生じる蛍光光YLを反射させる。このため、蛍光光YLのうち、当該波長変換層42から基板44E側に向かう光は、当該ダイクロイック膜43EによってコリメートレンズCL側に反射される。これにより、波長変換層42から基板44E側に向かう蛍光光YLを有効に利用できる。
なお、波長変換層42は、上記各実施形態にて示した波長変換層42,42A〜42Cの構成を採用できる。また、波長変換素子41Eを、波長変換素子41Dのように回転可能に構成し、凹部421を凹部421Dと同様に構成してもよい。
図21は、波長変換素子41Eを示す断面図であり、換言すると、当該波長変換素子41Eの凹部421を通る一部の光の光路を示す図である。また、図22は、波長変換素子41Eに対する比較例としての波長変換素子41Xを示す断面図であり、換言すると、当該波長変換素子41Xの凹部421Xを通る一部の光の光路を示す図である。なお、構成を見やすくするために、図21及び図22においては、波長変換層42の厚さ及び凹部421,421Xの幅を誇張して図示している。
以下、図21に示した波長変換素子41Eの一例と、図22に示した比較例とを用いて、本実施形態の効果を説明する。
図21に示すように、波長変換素子41Eは、第1実施形態にて示した凹部421を有する。凹部421の断面視において、部位4221,4222の法線NVに対する傾き角をいずれもθ0とする。
図22に示した比較例としての波長変換素子41Xにおいては、凹部421Xを構成する溝部422Xの各部位4221X,4222Xは、凹部421Xの断面視において、法線NVに対して互いに逆側に傾斜している。すなわち、部位4221X,4222Xの法線NVに対する傾き角の絶対値はいずれもθ0であるが、部位4222Xの傾き角は正であり、部位4221Xの傾き角は負である。そして、部位4221Xと部位4222Xとにより形成される凹部421Xは、光の射出側に開くように形成されている。
ここで、励起光BLは、ダイクロイック膜43Eを透過して、基板44E側から波長変換層42へ様々な角度で入射する。図21に示した例では、溝部422の法線NVに対する傾き角は正であるので、正の傾き角で進行する励起光BLについて説明する。
図21に示したように、θ1以上θ2以下の入射角で溝部422に入射した励起光BL0は、実線の矢印にて示すように、溝部422への入射位置によっては波長変換層42に入射することなく溝部422を通過する。θ1よりも小さい入射角で溝部422に入射した励起光BL11は、一点鎖線の矢印にて示すように、溝部422への入射位置によらず、部位4221から波長変換層42に入射する。また、θ2よりも大きい入射角で溝部422に入射した励起光BL12は、二点鎖線の矢印にて示すように、溝部422への入射位置によらず、部位4222から波長変換層42に入射する。つまり、励起光BLのうち、θ1以上θ2以下の入射角で溝部422に入射した成分以外は、溝部422への入射位置によらず、波長変換層42の励起に利用される。なお、各部位4221,4222は、溝部422の断面視において法線NVに対して同じ側に傾斜しているため、本実施形態において、θ1は正である。
θ1とθ2との差が小さいほど、波長変換層42に入射せずに溝部422を通過する励起光BLの光量が少なくなることから、励起光BLの利用効率が高い。波長変換層42の厚さ寸法が同じであれば、断面における溝部422の幅が小さい方が当該差は小さい。また、溝部422の幅が同じであれば、波長変換層の厚さが大きい方が当該差は小さい。
これに対し、図22に示した比較例では、波長変換層42Xを貫通する凹部421X(溝部422X)に対して、θ0以下の正の傾き角で入射した励起光BLだけでなく、−θ0以上の負の傾き角で入射した励起光BLも、溝部422aへの入射位置によらず、波長変換層42に入射しない。この場合、波長変換層42Xに入射されない励起光BLの入射角の範囲は2×θ0であり、波長変換素子41Eにおける当該範囲(θ1とθ2との差)よりも遙かに大きい。従って、反射層43を備えていない上記波長変換素子41Eにおいても、励起光を高い効率で利用できる。
上記波長変換素子41Eを有するプロジェクター1Eによれば、上記第1及び第2実施形態にて示したプロジェクター1と同様の効果を奏することが可能となる。また、波長変換層42に形成される凹部421の深さ寸法を調整することにより、入射される励起光BL1sの利用効率が高く、実質的な発光領域の拡がりが抑えられた波長変換素子41Eを構成できる。
[実施形態の変形]
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
上記第1〜第3、第5及び第6実施形態では、凹部421は、所定の方向に延出する線状の複数の溝部422により構成され、上記第4実施形態では、凹部421Cは、内部形状が円柱、円錐及び角錐の各種形状に形成されるとした。しかしながら、本発明はこれに限らない。例えば、凹部は、波長変換層を励起光の入射側から見て渦巻状、同心円状、又は、矩形状に形成されていてもよい。すなわち、波長変換層を励起光の入射側から見た場合の凹部の形状は、適宜変更可能である。
上記第1〜第3実施形態では、凹部421を構成する複数の溝部422は、矩形の波長変換層42のそれぞれ長手方向及び短手方向であるX方向及びY方向に沿って延出するとした。しかしながら、本発明はこれに限らない。すなわち、励起光の入射側から波長変換層を見て溝部の延出方向は、どの方向でもよい。また、複数の溝部が交差する場合に、当該交差角は直角でなくてもよい。更に、溝部422の形成位置に応じて、当該溝部422の幅寸法を変えてもよい。
上記各実施形態では、凹部は、波長変換層に形成されるとした。しかしながら、波長変換層を支持する基板の支持面に凹凸構造を設けて、波長変換層の表面に当該凹凸構造を反映させてもよい。この場合、例えば、凹凸構造を備えた支持面にダイクロイック膜等の反射層を形成し、更に、凹凸構造が反映されるように反射層上に波長変換層を形成すればよい。これによっても、凹部を備えた波長変換層を形成することができる。
上記各実施形態では、波長変換層には、励起光により励起されて蛍光光を発生させる蛍光体が含まれるとした。しかしながら、本発明はこれに限らない。すなわち、励起光により励起されて蛍光光を発生させる材料が含まれていれば、波長変換層の材料は問わない。
上記各実施形態では、光変調装置として透過型の光変調装置34(34R,34G,34B)を用いることとした。しかしながら、本発明は、これに限らない。例えば、透過型の光変調装置34(34R,34G,34B)に代えて、反射型の光変調装置を用いてもよい。この場合、色分離装置32を設けることなく、当該色合成装置35により、色分離及び色合成を実行するようにしてもよい。
上記各実施形態では、プロジェクター1は、3つの光変調装置34(34R,34G,34B)を備えるとしたが、本発明はこれに限らない。すなわち、2つ以下、あるいは、4つ以上の光変調装置を用いたプロジェクターにも、本発明を適用可能である。
また、光変調装置として、デジタルマイクロミラーデバイス等の液晶以外の光変調装置を用いてもよい。
上記各実施形態において、上記蛍光部材4を備える光源装置31,31Eがプロジェクター1に適用される例を示した。しかしながら、本発明は、これに限らない。例えば、上記光源装置31,31Eは、照明器具及び自動車等のヘッドライト等に使用してもよい。
1,1E…プロジェクター、31,31D,31E…光源装置、311A…アレイ光源(発光素子)、34(34B,34G,34R)…光変調装置、36…投射光学装置、41,41A,41B,41C,41D,41E…波長変換素子、42,42A,42B,42C,42D…波長変換層、421,421A,421B,421C,421D…凹部、422,422A,422B,422C,422D…溝部、43…反射層、44,44E…基板、441,44E1…支持面、F…充填材(透光部材)、NV…法線。

Claims (10)

  1. 励起光によって励起されて蛍光光を射出する波長変換層と、
    前記波長変換層を支持する支持面を有する基板と、を有し、
    前記波長変換層は、凹部を有し、
    前記凹部の内面において互いに対向する部位は、前記凹部の断面視において前記支持面の法線に対して同じ側に傾斜していることを特徴とする波長変換素子。
  2. 請求項1に記載の波長変換素子において、
    前記凹部の断面視において、前記凹部は、前記波長変換層を貫通していることを特徴とする波長変換素子。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の波長変換素子において、
    前記互いに対向する部位は、互いに略平行であることを特徴とする波長変換素子。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の波長変換素子において、
    前記波長変換層の平面視において、前記凹部は、所定の幅を有する線状の溝であることを特徴とする波長変換素子。
  5. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の波長変換素子において、
    前記波長変換層の平面視において、前記凹部は、複数の溝から構成され、
    前記複数の溝は格子状に設けられていることを特徴とする波長変換素子。
  6. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の波長変換素子において、
    前記凹部の断面視において、前記凹部の中心軸は、前記法線に対して傾斜しており、前記凹部は、錐形状及び柱形状の少なくともいずれかの形状を有していることを特徴とする波長変換素子。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の波長変換素子において、
    前記基板と前記波長変換層との間に設けられた反射層をさらに備えることを特徴とする波長変換素子。
  8. 請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の波長変換素子において、
    前記凹部に設けられ、前記波長変換層の屈折率とは異なる屈折率を有する透光部材をさらに備えることを特徴とする波長変換素子。
  9. 請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の波長変換素子と、
    前記波長変換素子の前記凹部を含む領域に前記励起光を照射する発光素子と、を備えることを特徴とする光源装置。
  10. 請求項9に記載の光源装置と、
    前記光源装置から射出された照明光を変調する光変調装置と、
    前記光変調装置からの画像光を投射する投射光学装置と、を備えることを特徴とするプロジェクター。
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