以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。かかる実施の形態は、本発明の一態様を示すものであり、この発明を限定するものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。また、以下の図面においては、各構成をわかりやすくするために、実際の構造と各構造における縮尺や数等が異なっている。
[第1実施形態]
図1は、本実施形態の光源装置100の構成を示す模式図である。図1に示すように、光源装置100は、光源部10、コリメート光学系20、導光光学系30、発光素子40、光拡散板46、ピックアップレンズ50、ダイクロイックミラー60,合成光学系(第1合成光学系)70を有している。光源装置100では、光源部10から射出される青色光のレーザー光Bを発光素子40に照射することにより、発光素子40が備える赤色蛍光体層(第1の蛍光体層)45Rから、液晶ライトバルブの照明光として用いる赤色の蛍光(第1の蛍光)Rを射出し、同様に緑色蛍光体層(第2の蛍光体層)45Gから緑色の蛍光(第2の蛍光)Gを射出させる。さらに、これらの色光を青色光であるレーザー光と合成することにより、白色光Lを射出可能な構成となっている。なお、以下の説明においては、赤色蛍光体層45Rと緑色蛍光体層45Gとをまとめて蛍光体層45と称することがある。
本実施形態の光源装置100は、プロジェクターの照明光として好適に用いることができる。以下、光源装置100の構成を順に説明する。
光源部10は、複数(図では3つ)のレーザー光源(半導体レーザー)11を有し、励起光である青色(発光強度のピーク:約445nm)のレーザー光Bを射出するレーザー光源アレイである。光源部10では、例えば、レーザー光源11を2次元状に配列することにより、高出力の励起光源とすることができる。
なお、光源部10は、レーザー光源アレイではなく、1つのレーザー光源だけを用いることとしてもよい。また、レーザー光源ではなくLED等の他の固体光源(半導体素子)を用いることも可能である。さらには、後述する蛍光物質を励起させることができる波長の光であれば、445nm以外のピーク波長を有する色光を射出する光源であっても構わない。
コリメート光学系20では、コリメーターレンズアレイ21と、集光レンズ23と、平行化レンズ25と、が光路上にこの順で配置されている。光源部10から出射されたレーザー光Bは、光源部10のレーザー光源に1体1で対応して設けられたコリメーターレンズアレイ21の小レンズに入射して平行化され、集光レンズ23で集光された後に平行化レンズ25を透過することにより、レーザー光全体として光線束が細められる。
導光光学系30は、第1導光ミラー31、第2導光ミラー(第1ミラー)32、第3導光ミラー(第2ミラー)33を含んでいる。これらのうち、第1導光ミラー31および第2導光ミラー32は、入射する光の一部を反射するとともに、残部を透過させるビームスプリッターである。また第3導光ミラー33は、光を反射する反射ミラーである。
第1導光ミラー31および第2導光ミラー32は、透明基板上に誘電体多層膜のような光分離膜が形成された構成を有している。用いる第1導光ミラー31および第2導光ミラー32の反射光と透過光との比率は、光分離膜の構成(屈折率、厚さ等)を制御することにより任意に制御可能である。
コリメート光学系20から射出されたレーザー光Bは、第1導光ミラー31に入射し、一部が反射して第1励起光B1として光拡散板46に入射する。また、第1導光ミラー31を透過するレーザー光の残部は、第2導光ミラー32に入射し、一部が反射して第2励起光B2となる。第2励起光B2は、第2導光ミラー32で反射して、発光素子40に設けられた緑色蛍光体層45Gに入射する。そして、第2導光ミラー32を透過するレーザー光Bの残部は、第3導光ミラー33で反射して、第3励起光B3として発光素子40に設けられた赤色蛍光体層45Rに入射する。このようにして、レーザー光Bは、第1励起光B1,第2励起光B2、第3励起光B3の3つの光線束に分割され、第1励起光B1が光拡散板46に入射し、第2励起光B2が緑色蛍光体層45Gに入射し、第3励起光B3が赤色蛍光体層45Rに入射する。第2励起光B2は緑色蛍光体層45Gを励起する励起光であり、第3励起光B3は赤色蛍光体層45Rを励起する励起光である。第1励起光B1は、光拡散板46を励起させる光ではない。第1励起光B1は光拡散板46によって拡散され、配光性が変更された青色光として光拡散板46から射出される。
また、本実施形態の光源装置100をプロジェクターの光源として採用した場合、第1励起光B1はレーザー光であるため、第1励起光B1によって形成される画像にはスペックルノイズが発生する。しかし、光拡散板46をたとえば所定の回転軸の周りに回転させる等によって、第1励起光B1が光拡散板46に入射する位置を時間的に変化させれば、スペックルノイズを低減することができる。
発光素子40は、発光素子40に設けられた蛍光体層45を用いて、第2励起光B2,第3励起光B3をそれぞれ緑色蛍光G、赤色蛍光Rに変換して射出する。
発光素子40については、図2及び図3を合わせて参照しながら説明する。図2は、発光素子40の平面図、図3は、発光素子40に設けられた赤色蛍光体層45Rの一部断面図である。
図2に示すように、発光素子40は、平面視円形の基板41と、基板41の第1主面41a上の第1の環状領域AR1に設けられた赤色蛍光体層45Rと、基板41の第1主面41a上の第2の環状領域AR2に設けられた緑色蛍光体層45Gと、を有している。第1の環状領域AR1および第2の環状領域AR2は同心円状に設定されている。また、第2の環状領域AR2は第1の環状領域AR1の外周側に設定されている。緑色蛍光体層45Gに入射する励起光B2の光強度は、赤色蛍光体層45Rに入射する励起光B3の光強度よりも大きくなっている。
発光素子40は、基板41の中心を通る法線と平行に設けられた回転軸48がモーター49に接続され、回転可能になっている。発光素子40は、蛍光体層45が形成されていない第2主面41bが導光光学系30に面するように配置されている。
基板41は、基板本体42と、基板本体42と蛍光体層45との間に設けられた波長選択膜43と、基板本体42の波長選択膜43とは反対側の面に設けられた反射防止膜44と、を有している。
基板本体42は、励起光である青色光を透過させる物質を形成材料としており、例えば、石英ガラス、水晶、サファイア(単結晶コランダム)、透明樹脂などを用いることができる。これらの中では、励起光による加熱で変形しないように無機物である石英ガラス、水晶、サファイアが好適に用いられる。さらには、基板41に、蛍光体層45において発光する際に生じる発熱を放熱させる場合には、伝熱性等を考慮して水晶を形成材料として用いることが好ましい。
波長選択膜43は、基板本体42の表面に積層された誘電体多層膜のような光分離膜である。波長選択膜43は、励起光の波長帯域の色光を選択的に透過させ、それ以外の波長帯域の色光を反射させる波長選択性を有している。具体的には、波長選択膜43は青色光(例えば、波長が約445nmの光)を透過させ、青色光よりも長波長の光(例えば、480nmよりも長波長の光)を反射させる。つまり、波長選択膜43は、赤色蛍光Rおよび緑色蛍光Gを反射する反射面を有する。これにより、青色光である励起光は波長選択膜43を透過し、蛍光体層45に入射する。また、蛍光体層45で生じる赤色蛍光R,緑色蛍光Gが導光光学系30の方向に戻ることを防ぎ、射出方向(合成光学系70の方向)に向かわせることが可能となる。
反射防止膜44は、通常知られた誘電体多層膜で構成されるものを用いることができる。反射防止膜44を構成する複数の層は、それぞれ励起光Bの反射を防止するように屈折率が調整されている。これにより、第2主面41bにおける励起光の損失を抑えることができる。
図3に示すように、赤色蛍光体層45Rは、蛍光を発する複数の蛍光体粒子451Rと、光透過性を有する基材452と、を有している。赤色蛍光体層45Rは、基板41の赤色蛍光体層45Rを励起する第3励起光B3が入射する側とは反対側に設けられている。
第3励起光B3は、赤色蛍光体層45Rに入射して、一部が赤色蛍光Rに変換される。
蛍光体粒子451Rは、第3励起光B3を吸収し赤色蛍光Rを発する粒子状の蛍光物質である。このような蛍光体粒子451Rとして、平均粒径が1μmから数十μm程度のものが高い発光効率を示すことが知られている。蛍光体粒子451Rとしては、通常知られた赤色蛍光体を用いることができる。例えば、平均粒径が10μmの(Sr,Ca)AlSiN3:Euで示される組成の蛍光体等の材料を用いることができる。
なお、蛍光体粒子451Rの形成材料は、1種であってもよく、2種以上の形成材料を用いて形成されている粒子を混合したものを蛍光体粒子451Rとして用いることとしてもよい。
ここで、蛍光体粒子451Rの平均粒径は、レーザー回折散乱方式を測定原理とした粒度分布測定装置(例えば、SALD2200(島津製作所社製))を用いて測定することができる。本実施形態では、平均粒径としてメジアン粒径(Median Size:粒径分布の中央値)を採用した。
また、図3では、赤色蛍光体層45Rについて図示しているが、図2に示す緑色蛍光体層45Gについては、蛍光体粒子451Rを、緑色蛍光を発する蛍光体粒子に置き換えることで、同様の構成を採用することができる。図1に示すように、第2励起光B2は、緑色蛍光体層45Gに入射して、一部が緑色蛍光Gに変換される。
このような蛍光体粒子としては、通常知られた緑色蛍光体を用いることができる。例えば、平均粒径が10μmの(YGd)3Al5O12:Ceで示される組成の蛍光体等の材料を用いることができる。緑色蛍光体についても、1種の形成材料から形成されている粒子であってもよく、2種以上の形成材料を用いて形成されている粒子を混合したものであってもよい。
基材452は、蛍光体粒子451Rのバインダーとして機能する。基材452の形成材料としては、光透過性を有する樹脂材料を用いることができ、中でも高い耐熱性を有するシリコーン樹脂を好適に用いることができる。
図4には、光拡散板46の構成を例示した一部断面図を示している。
まず、図4(a)に示すように、光拡散板46Aは、基板460と、フィラー461と、基材462と、を有している。光拡散板46Aは、TiO2等の高屈折な透光性を有するフィラー461を、光透過性を有する基材462に分散させた構成を採用することができる。基材462としては、上述の基材452と同様の樹脂材料を用いることができる。
このような光拡散板46Aは、フィラー461を分散した基材462の前駆体を塗布し、硬化することにより形成することができる。
図4(a)に示すように、このような光拡散板46Aでは、第1励起光B1は、光拡散板46Aに入射し、フィラー461で屈折・散乱することにより、配光性が変更された青色光として射出される。
また他にも、図4(b)に示すように、光拡散板46Bは、光透過性を有する基材463の表面に、複数の凹凸を設けた構成を採用することができる。図4(b)では、基材463の表面に複数の凹部464を設けることとして図示している。このような光拡散板46Bは、基材463の前駆体を塗布した後、凹部464に対応する凸型を用いて型押しした状態で基材463を硬化させ、硬化後に凸型を取り除くことにより形成することができる。
図4(b)に示すように、このような光拡散板46Bでは、直進性の高いレーザー光である第1励起光B1は、光拡散板46Bに入射し、凹部464で屈折・散乱することにより、配光性が変更された青色光として射出される。
また、本実施形態の光源装置100をプロジェクターの光源として採用した場合、第1励起光B1はレーザー光であるため、第1励起光B1によって形成される画像にはスペックルノイズが発生する。しかし、光拡散板46Bをたとえば所定の回転軸の周りに回転させる等によって、第1励起光B1が光拡散板46Bに入射する位置を時間的に変化させれば、スペックルノイズを低減することができる。
図5は、基板41に対する導光光学系30の配置状態を示す模式図である。
図5において、CPは基板41の回転中心(回転軸の中心)、CP1は第2導光ミラー32の中心、CP2は第3導光ミラー33の中心である。また、θは、基板41の第1主面41aと直交する方向から視て、すなわち基板41の回転軸と平行な方向から視て、第2導光ミラー32の中心CP1と基板41の回転中心CPとを結ぶ線と第3導光ミラー33の中心CP2と基板41の回転中心CPとを結ぶ線とのなす角度である。言い換えれば、基板41の回転軸と第1主面41aとの交点をCP’とし、第2導光ミラー32の中心CP1の第1主面41aへの投影をCP1’(図示せず)とし、第3導光ミラー33の中心CP2の第1主面41aへの投影をCP2’(図示せず)とした時、θは、CP’とCP1’とを結ぶ直線と、CP’とCP2’とを結ぶ直線とのなす角である。
図5に示すように、基板41の第1主面41aと直交する方向から視て、第2導光ミラー32の中心CP1と基板41の回転中心CPとを結ぶ線と第3導光ミラー33の中心CP2と基板41の回転中心CPとを結ぶ線とのなす角度θは、180度となっている。これにより、第2導光ミラー32と第3導光ミラー33とは互いに接触しないように配置される。なお、θは、180度に限らず、90度以上270度以下の範囲内になっていればよい。つまり、第2導光ミラー32を所定の位置に固定した場合、第3導光ミラー33の中心CP2は、図5において斜線で示した平面視半円の領域ARM内に配置されていればよい。これによれば、基板41の直径が比較的小さい場合であっても、第2導光ミラー32と第3導光ミラー33とが互いに接触しないように、第2導光ミラー32と第3導光ミラー33とを配置することができる。
図1に戻って、モーター49は、発光素子40を使用時において例えば7500rpmで回転させる。この場合、発光素子40において励起光(第2励起光B2、第3励起光B3)が照射される領域(ビームスポット)は、周方向に移動する。すなわち、モーター49は、発光素子40におけるビームスポットの位置を変位させる位置変位手段として機能する。これにより、励起光が発光素子40上の同一の位置を照射し続けないため、照射位置の熱劣化を防止し、装置を長寿命化することができる。
光拡散板46から射出される第1励起光B1、緑色蛍光体層45Gから射出される光、赤色蛍光体層45Rから射出される光は、光拡散板46、緑色蛍光体層45G、赤色蛍光体層45Rに対応してそれぞれ設けられているピックアップレンズ50に入射する。ピックアップレンズ50では、光拡散板46、緑色蛍光体層45G、赤色蛍光体層45Rから拡散しながら射出される光を平行化する。
緑色蛍光体層45Gから射出されピックアップレンズ50を透過した光は、緑色蛍光体層45Gに対応して設けられたダイクロイックミラー60に入射する。また、赤色蛍光体層45Rから射出されピックアップレンズ50を透過した光は、赤色蛍光体層45Rに対応して設けられたダイクロイックミラー60に入射する。ダイクロイックミラー60は、励起光の波長帯域の色光を選択的に反射させ、それ以外の波長帯域の色光を透過させる波長選択性を有している。具体的には、青色光(例えば、波長が約445nmの光)を反射させ、青色光よりも長波長の光(例えば、480nmよりも長波長の光)を透過させる。
ダイクロイックミラー60は、誘電体多層膜を有して構成されている。
ここで、緑色蛍光体層45Gおよび赤色蛍光体層45Rから射出される光には、各蛍光体層で蛍光に変換されなかった励起光成分(第2励起光B2,第3励起光B3)が含まれている。しかし、これらの励起光成分は、ダイクロイックミラー60により分離され、各蛍光体層に向けて反射される。
これにより、青色光である励起光は蛍光体層に再度入射して、蛍光発光に用いられる。
また、緑色蛍光体層45Gおよび赤色蛍光体層45Rから射出される光は、色純度が高い緑色蛍光Gおよび赤色蛍光Rとなり、合成光学系70の方向に射出される。
合成光学系70は、第1合成ミラー(第3ミラー)71、第2合成ミラー(第4ミラー)72、第3合成ミラー73を含んでいる。これらのうち、第1合成ミラー71は、光を反射する反射ミラーである。また、第2合成ミラー72は、赤色光を透過させるとともに緑色光を反射するダイクロイックミラーである。さらに、第3合成ミラー73は、青色光を透過させるとともに青色光よりも長波長の光(例えば、480nmよりも長波長の光)を反射させるダイクロイックミラーである。第2合成ミラー72および第3合成ミラー73は、透明基板上に誘電体多層膜のような光分離膜が形成された構成を有している。
発光素子40から射出される赤色蛍光Rは、第1合成ミラー71で反射され、第2合成ミラー72を透過した後、第3合成ミラー73で反射され、外部に射出される。また、発光素子40から射出される緑色蛍光Gは、第2合成ミラー72で反射された後、第3合成ミラー73で反射され、外部に射出される。そして、光拡散板46から射出される第1励起光B1は、第3合成ミラー73を透過し、外部に射出される。
このようにして、赤色蛍光R,緑色蛍光G、第1励起光B1は、合成され、白色光Lとして射出される。
本実施形態の光源装置100は、以上のようにして機能する。
図6は、本実施形態のプロジェクターPJを示す模式図である。図6に示すようにプロジェクターPJは、光源装置100、色分離光学系200、液晶ライトバルブ(光変調素子)400R,400G,400B、色合成素子500、投写光学系600を含んでいる。
プロジェクターPJは、概略すると以下のように動作する。光源装置100から射出された光は、色分離光学系200により複数の色光に分離される。色分離光学系200により分離された複数の色光は、それぞれ対応する液晶ライトバルブ400R,400G,400Bに入射して変調される。液晶ライトバルブ400R,400G,400Bにより変調された複数の色光は、色合成素子500に入射して合成される。色合成素子500により合成された光は、投写光学系600により壁やスクリーン等のスクリーンSCRに拡大投写され、フルカラーの投写画像が表示される。
以下、プロジェクターPJの各構成要素について説明する。
コリメート光学系110は、光源装置100から射出された光の広がりを抑える第1レンズ112と、第1レンズ112から入射される光を略平行化する第2レンズ114とを備え、全体として光源装置100から射出された光を平行化するものである。本実施形態においては、第1レンズ112と第2レンズ114とは凸レンズで構成されている。
レンズアレイ120,130は、コリメート光学系110から射出された光の輝度分布を均一化するものである。レンズアレイ120は、複数の第1小レンズ122を含んでおり、レンズアレイ130は複数の第2小レンズ132を含んでいる。第1小レンズ122は、第2小レンズ132と1対1で対応している。コリメート光学系110から射出された光は、複数の第1小レンズ122に空間的に分かれて入射する。第1小レンズ122は、入射した光を対応する第2小レンズ132に結像させる。これにより、複数の第2小レンズ132の各々に、二次光源像が形成される。なお、第1小レンズ122,第2小レンズ132の外形形状は、液晶ライトバルブ400R,400G,400Bの画像形成領域の外形形状と略相似形となっている。
偏光変換素子140は、レンズアレイ120,130から射出された光Lの偏光状態を揃えるものである。図7に示すように、偏光変換素子140は、複数の偏光変換セル141を含んでいる。偏光変換セル141は、第2小レンズ132と1対1で対応している。
第2小レンズ132に形成された二次光源像からの光Lは、この第2小レンズ132に対応する偏光変換セル141の入射領域142に入射する。
偏光変換セル141の各々には、入射領域142に対応させて、偏光ビームスプリッター膜143(以下、PBS膜143と称する)及び位相差板145が設けられている。入射領域142に入射した光Lは、PBS膜143によりPBS膜143に対するP偏光L1とS偏光L2とに分離される。P偏光L1、S偏光L2の一方の偏光(ここではS偏光L2)は、反射部材144で反射した後、位相差板145に入射する。位相差板145に入射したS偏光L2は、位相差板145により偏光状態が他方の偏光(ここではP偏光L1)の偏光状態に変換されてP偏光L3になり、P偏光L1とともに射出される。
重畳レンズ150は、偏光変換素子140から射出された光を被照明領域にて重畳させるものである。光源装置100から射出された光は、空間的に分割された後、重畳されることにより輝度分布が均一化されて光線軸100ax周りの軸対称性が高められる。
色分離光学系200は、ダイクロイックミラー210、ダイクロイックミラー220、ミラー230、ミラー240、ミラー250、フィールドレンズ300R、フィールドレンズ300G,フィールドレンズ300B、リレーレンズ260、リレーレンズ270を含んでいる。ダイクロイックミラー210、ダイクロイックミラー220は、例えばガラス表面に誘電体多層膜を積層したものである。ダイクロイックミラー210、ダイクロイックミラー220は、所定の波長帯域の色光を選択的に反射させ、それ以外の波長帯域の色光を透過させる特性を有している。ここでは、ダイクロイックミラー210が緑色光と青色光とを反射させ、ダイクロイックミラー220が緑色光を反射させる。
光源装置100から射出された光Lは、ダイクロイックミラー210に入射する。光Lのうちの赤色光Rは、ダイクロイックミラー210を通ってミラー230に入射し、ミラー230で反射してフィールドレンズ300Rに入射する。赤色光Rは、フィールドレンズ300Rにより平行化された後に、液晶ライトバルブ400Rに入射する。
光Lのうちの緑色光Gと青色光Bとは、ダイクロイックミラー210で反射して、ダイクロイックミラー220に入射する。緑色光Gは、ダイクロイックミラー220で反射してフィールドレンズ300Gに入射する。緑色光Gは、フィールドレンズ300Gにより平行化された後に、液晶ライトバルブ400Gに入射する。
ダイクロイックミラー220を通った青色光Bは、リレーレンズ260を通りミラー240で反射した後、リレーレンズ270を通りミラー250で反射してフィールドレンズ300Bに入射する。青色光Bは、フィールドレンズ300Bにより平行化された後に、液晶ライトバルブ400Bに入射する。
液晶ライトバルブ400R,液晶ライトバルブ400G,液晶ライトバルブ400Bは、例えば透過型の液晶ライトバルブ等の光変調装置により構成される。液晶ライトバルブ400R,液晶ライトバルブ400G,液晶ライトバルブ400Bは、画像情報を含んだ画像信号を供給するPC等の信号源(図示略)と電気的に接続されている。液晶ライトバルブ400R,液晶ライトバルブ400G,液晶ライトバルブ400Bは、供給された画像信号に基づいて、入射光を画素ごとに変調して画像を形成する。液晶ライトバルブ400R,液晶ライトバルブ400G,液晶ライトバルブ400Bは、それぞれ赤色画像、緑色画像、青色画像を形成する。液晶ライトバルブ400R,液晶ライトバルブ400G,液晶ライトバルブ400Bにより変調された光(形成された画像)は、色合成素子500に入射する。
色合成素子500は、ダイクロイックプリズム等により構成される。ダイクロイックプリズムは、4つの三角柱プリズムが互いに貼り合わされた構造になっている。三角柱プリズムにおいて貼り合わされる面は、ダイクロイックプリズムの内面になる。ダイクロイックプリズムの内面に、赤色光が反射し緑色光が透過するミラー面と、青色光が反射し緑色光が透過するミラー面とが互いに直交して形成されている。ダイクロイックプリズムに入射した緑色光は、ミラー面を通ってそのまま射出される。ダイクロイックプリズムに入射した赤色光、青色光は、ミラー面で選択的に反射あるいは透過して、緑色光の射出方向と同じ方向に射出される。このようにして3つの色光(画像)が重ね合わされて合成され、合成された色光が投写光学系600によってスクリーンSCRに拡大投写される。
本実施形態のプロジェクターPJは、以上のような構成となっている。
以上のような構成の光源装置100によれば、赤色蛍光体層45R、緑色蛍光体層45Gを同一の基板41に集約したため、装置の小型化を図ることが容易となる。赤色蛍光体層45R、緑色蛍光体層45Gは基板41の回転軸48を中心として同心円状に設けられている。このため、基板41が回転することで光の照射位置が変化しても、赤色蛍光体層45R、緑色蛍光体層45Gには光が連続的に照射される。よって、複数の色光を同時に取り出すことが可能となり、汎用的に使用することができる。
また、この構成によれば、透過型の構成を実現することができる。また、励起光が基板41を介して赤色蛍光体層45Rと緑色蛍光体層45Gとに入射する。このため、励起光が蛍光体層に直接入射する構成に比べて、蛍光体が高温になることを抑制して蛍光への変換効率の低下を抑制することができる。
また、この構成によれば、導光光学系30を備えているので、赤色蛍光体層45Rに入射する励起光を発する光源と緑色蛍光体層45Gに入射する励起光を発する光源とを個別に設ける必要がない。すなわち、1つの光源部10を設けるだけの簡単な構成で赤色蛍光体層45Rと緑色蛍光体層45Gとに励起光を入射させることができる。
また、この構成によれば、2つのミラー32、ミラー33を設けるだけの簡単な構成で赤色蛍光体層45Rと緑色蛍光体層45Gとに励起光を入射させることができる。
また、この構成によれば、θが90度以上270度以下となっているので、第2導光ミラー32と第3導光ミラー33との距離を大きくすることができる。よって、基板41の直径が比較的小さい場合であっても、第2導光ミラー32と第3導光ミラー33との物理的干渉を抑制することができる。
また、この構成によれば、合成光学系70を備えているので、第1の蛍光と第2の蛍光を照明対象領域に向けて別々に導光する場合に比べて、光学系の構成を簡素化することができる。
また、この構成によれば、2つのミラー71、ミラー72を設けるだけの簡単な構成で赤色蛍光体層45Rから発せられた赤色蛍光Rと緑色蛍光体層45Gから発せられた緑色蛍光Gとを合成することができる。
また、この構成によれば、励起光は青色光であり、第1の光は赤色光であり、第2の光は緑色光であるので、青色光を励起光としたRGBカラー表示を実現することができる。
また、この構成によれば、光源11として半導体素子を用いた場合、装置の小型化及び光源の長寿命化を実現することができる。
また、この構成によれば、光源11として半導体レーザーを用いているので、蛍光体層に対して光が集光して照射されるため、高効率な光源を実現することができる。
基板41は回転軸のまわりに回転しているため、第2の環状領域AR2における励起光のビームスポットの移動速度は、第1の環状領域AR1における励起光のビームスポットの移動速度よりも大きい。そのため、もし緑色蛍光体層45G上における第2励起光B2のエネルギー密度と,赤色蛍光体層45R上における第3励起光B3のエネルギー密度とが互いに等しければ、緑色蛍光体層45Gの単位面積に単位時間あたり照射される第2励起光B2のエネルギーは、赤色蛍光体層45Rの単位面積に単位時間あたり照射される第3励起光B3のエネルギーよりも小さい。従って、緑色蛍光体層45Gに比較的強い励起光を照射する必要がある場合でも、緑色蛍光体層45Gにおいて光飽和現象が生じたり蛍光体が高温になったりすることを抑制し、蛍光への変換効率の低下を抑制することができる。本実施形態では、第1の環状領域AR1に赤色蛍光体層45Rを設け、第2の環状領域AR2に緑色蛍光体層45Gを設けたが、赤色蛍光体層45Rに比較的強い励起光を照射する必要がある場合は、第1の環状領域AR1に緑色蛍光体層45Gを設け、第2の環状領域AR2に赤色蛍光体層45Rを設ければよい。
また、この構成によれば、基板41と蛍光体層45との間に波長選択膜43が設けられているので、赤色蛍光体層45R、緑色蛍光体層45Gから発せられた光が基板41とは反対側に反射される。よって、赤色蛍光体層45R、緑色蛍光体層45Gからの光を効率的に取り出すことが可能となる。
また、以上のような構成のプロジェクターPJによれば、装置の小型化を図るとともに、途切れることなく白色光を射出する光源装置100を用いて画像形成を行うため、高品質な画像表示が可能となる。
なお、本実施形態においては、波長選択膜43は、基板本体42の一面に全面に設けることとしたが、赤色蛍光体層45Rが設けられる第1の環状領域AR1と、緑色蛍光体層45Gが設けられる第2の環状領域AR2と、に設けられていれば、他の領域にはなくてもよい。
[第2実施形態]
図8は、本発明の第2実施形態に係る光源装置101の構成を示す模式図である。
本実施形態の光源装置101は、第1実施形態の光源装置100と一部共通している。
したがって、本実施形態において第1実施形態と共通する構成要素については同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。
図8に示すように、光源装置101は、光源部10、コリメート光学系20、発光素子40A、光拡散板46、ピックアップレンズ50、ピックアップレンズ51、合成光学系(第2合成光学系)70Aを有している。
本実施形態の光源装置101は、発光素子40Aが、上述の第1実施形態の光源装置100と異なり、発光素子40Aに対して励起光が入射する側と、発光素子40Aから蛍光が射出される側とが同じ、いわゆる反射型の構成を有している。光源部10から射出され、コリメート光学系20を透過して光線束が細められたレーザー光Bは、合成光学系70Aを介して発光素子40Aに設けられた緑色蛍光体層45G、赤色蛍光体層45Rに入射される。
合成光学系70Aは、第1ミラー71A、第2ミラー72A、第1反射ミラー73A、第2反射ミラー74A、第3ミラー75A、第4ミラー76A、を含んでいる。
まず、光源部10から射出されたレーザー光Bは、合成光学系70Aが有する第1ミラー71A、第2ミラー72A、第1反射ミラー73Aによって第1励起光B1、第2励起光B2、第3励起光B3に分離されながら、発光素子40Aに入射する。
第1ミラー71Aは、入射するレーザー光Bの一部を反射するとともに残部を透過させ、さらに緑色光を透過させるビームスプリッターである。また、第2ミラー72Aは、入射するレーザー光Bの一部を反射するとともに残部を透過させ、さらに赤色光を透過させるビームスプリッターである。そして、第1反射ミラー73Aは、光を反射する反射ミラーである。第1ミラー71A、第2ミラー72Aは、透明基板上に誘電体多層膜のような光分離膜が形成された構成を有している。
そして、発光素子40Aから射出される、赤色蛍光Rおよび緑色蛍光Gと、第1反射ミラー73Aによって反射される第1励起光B1とは、合成光学系70Aが有する第2反射ミラー74A、第3ミラー75A、第4ミラー76Aによって合成され、白色光Lとして外部に射出される。
具体的には、第2反射ミラー74Aは、光を反射する反射ミラーである。また、第3ミラー75Aは、青色光を透過させるとともに赤色光を反射するダイクロイックミラーである。さらに、第4ミラー76Aは、緑色光を透過させるとともに赤色光および青色光を反射させるダイクロイックミラーである。第3ミラー75Aおよび第4ミラー76Aは、透明基板上に誘電体多層膜のような光分離膜が形成された構成を有している。
図8に示すように、本実施形態の発光素子40Aでは、基板41Aの第1主面41Aaに、第1実施形態と同様の赤色蛍光体層45R、緑色蛍光体層45Gが同心状に設けられている。本実施形態の光源装置101が有する発光素子40Aは、上述の第1実施形態の光源装置と異なり、発光素子40Aに対して励起光が入射する側と、発光素子40Aから蛍光が射出される側とが同じ、いわゆる反射型の構成を有している。
基板41Aは、励起光である青色光、および蛍光である赤色光、緑色光を反射する反射面を有している。基板41Aの形成材料としては、例えば、アルミニウム基板のような金属基板などの光反射性を有する形成材料の板材や、石英ガラス、水晶、サファイア(単結晶コランダム)、透明樹脂などの光透過性を有する形成材料の板材の表面に反射膜を形成したものを用いることができる。本実施形態の基板41Aは、アルミニウム基板を用いて形成されているものとする。
このような基板41A上に設けられた赤色蛍光体層45R、緑色蛍光体層45Gに励起光が入射されると、各蛍光体層で発せられる蛍光は、基板41Aで反射し、励起光の入射方向に射出される。
また、第1実施形態と同様に、基板41Aの第1主面41Aaと直交する方向から視て、第1ミラー71Aの中心と基板41Aの回転中心とを結ぶ線と第2ミラー72Aの中心と基板41Aの回転中心とを結ぶ線とのなす角度は、180度となっている。これにより、第1ミラー71Aと第2ミラー72Aとは互いに接触しないように配置される。なお、前記なす角度は、180度に限らず、90度以上270度以下の範囲内になっていればよい。これによれば、基板41Aの直径が比較的小さい場合であっても、第1ミラー71Aと第2ミラー72Aとが互いに接触しないように、第1ミラー71Aと第2ミラー72Aとを配置することができる。
さらに、基板41Aの第1主面41Aaと直交する方向から視て、第3ミラー75Aの中心と基板41Aの回転中心とを結ぶ線と第4ミラー76Aの中心と基板41Aの回転中心とを結ぶ線とのなす角度は、180度となっている。これにより、第3ミラー75Aと第4ミラー76Aとは互いに接触しないように配置される。なお、前記なす角度は、180度に限らず、90度以上270度以下の範囲内になっていればよい。これによれば、基板41Aの直径が比較的小さい場合であっても、第3ミラー75Aと第4ミラー76Aとが互いに接触しないように、第3ミラー75Aと第4ミラー76Aとを配置することができる。
このような構成の光源装置101においては、励起光および蛍光が以下のような光の挙動を示しながら、外部に射出される。
まず、第1ミラー71Aに入射するレーザー光Bは、一部が反射して第2励起光B2として発光素子40Aに設けられた緑色蛍光体層45Gに面して設けられているピックアップレンズ51に入射する。ピックアップレンズ51は、第2励起光B2を緑色蛍光体層45Gに集光する。緑色蛍光体層45Gでは、第2励起光B2により蛍光体が励起され、緑色蛍光Gを発する。ピックアップレンズ51は、緑色蛍光体層45Gから発せられる蛍光を集光し(ピックアップ)、平行化する。
第1ミラー71Aを透過する励起光の残部は、第2ミラー72Aに入射し、一部が透過して第1励起光B1となり、残部が反射して第3励起光B3となる。
第3励起光B3は、第2ミラー72Aで反射して発光素子40Aに設けられた赤色蛍光体層45Rに面して設けられているピックアップレンズ51に入射する。ピックアップレンズ51は、第3励起光B3を赤色蛍光体層45Rに集光する。赤色蛍光体層45Rでは、第3励起光B3により蛍光体が励起され、赤色蛍光Rを発する。ピックアップレンズ51は、赤色蛍光体層45Rから発せられる蛍光を集光し(ピックアップ)、平行化する。
第1励起光B1は、第2ミラー72Aを透過して第1反射ミラー73Aで反射されて、光拡散板46に入射する。光拡散板46において拡散された第1励起光B1は、光拡散板46に面して設けられているピックアップレンズ50に入射する。ピックアップレンズ50では、光拡散板46から拡散しながら射出される光を平行化する。
緑色蛍光体層45Gから射出される緑色蛍光Gは、第1ミラー71Aおよび第4ミラー76Aを透過し、外部に射出される。
また、赤色蛍光体層45Rから射出される赤色蛍光Rは、第2ミラー72Aを透過し、第3ミラー75Aで反射された後、第4ミラー76Aで反射されて、外部に射出される。
そして、光拡散板46から射出される第1励起光B1は、第1励起光B1の射出方向に配置された第2反射ミラー74Aで反射され、第3ミラー75Aを透過した後、第4ミラー76Aで反射されて、外部に射出される。
このようにして、赤色蛍光R,緑色蛍光G、第1励起光B1は、合成され、白色光Lとして射出される。
本実施形態の光源装置101は、以上のようにして機能する。
以上のような構成の光源装置101によれば、反射型の構成を実現することができる。
また、この構成によれば、1つの光源部10を設けるだけの簡単な構成で、赤色蛍光体層45Rと緑色蛍光体層45Gとに励起光を入射させるとともに、光源から射出された光の一部と赤色蛍光体層45Rから発せられた赤色蛍光Rと緑色蛍光体層45Gから発せられた緑色蛍光Gとを合成することができる。
また、この構成によれば、6つのミラー(第1ミラー71A、第2ミラー72A、第1反射ミラー73A、第2反射ミラー74A、第3ミラー75A、第4ミラー76A)を設けるだけの簡単な構成で、赤色蛍光体層45Rと緑色蛍光体層45Gとに励起光を入射させるとともに、光源から射出された光の一部と赤色蛍光体層45Rから発せられた赤色蛍光Rと緑色蛍光体層45Gから発せられた緑色蛍光Gとを合成することができる。
また、この構成によれば、基板41Aの第1主面41Aaと直交する方向から視て、第1ミラー71Aの中心と基板41Aの回転中心とを結ぶ線と第2ミラー72Aの中心と基板41Aの回転中心とを結ぶ線とのなす角度が90度以上270度以下となっているので、第1ミラー71Aと第2ミラー72Aとの距離を大きくすることができる。よって、基板41Aの直径が比較的小さい場合であっても、第1ミラー71Aと第2ミラー72Aとの物理的干渉を抑制することができる。
また、この構成によれば、基板41Aの第1主面41Aaと直交する方向から視て、第3ミラー75Aの中心と基板41Aの回転中心とを結ぶ線と第4ミラー76Aの中心と基板41Aの回転中心とを結ぶ線とのなす角度が90度以上270度以下となっているので、第3ミラー75Aと第6ミラー75Aとの距離を大きくすることができる。よって、基板41Aの直径が比較的小さい場合であっても、第3ミラー75Aと第4ミラー76Aとの物理的干渉を抑制することができる。
なお、本実施形態においては、合成光学系70A(第2合成光学系)は、光源部10から射出された光を第1励起光B1と第2励起光B2と第3励起光B3とに分離し、かつ赤色蛍光Rと緑色蛍光Gと第1励起光B1とを合成する構成となっているが、これに限らない。例えば、第2合成光学系は、光源部10から射出された光を第2励起光B2と第3励起光B3とに分離し、かつ赤色蛍光Rと緑色蛍光Gとを合成する構成となっていてもよい。すなわち、合成光学系70Aは、光源部10から射出された光の少なくとも一部を分離する構成となっていればよい。
また、第2合成光学系が、光源部10から射出された光を第2励起光B2と第3励起光B3とに分離し、かつ赤色蛍光Rと緑色蛍光Gとを合成する構成となっている場合は、第1反射ミラーと第2反射ミラーは不要である。
[第3実施形態]
図9は、本発明の第3実施形態に係る光源装置102の構成を示す模式図である。
本実施形態の光源装置102は、第2実施形態の光源装置101と一部共通している。
したがって、本実施形態において第2実施形態と共通する構成要素については同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。
図9に示すように、光源装置102は、光源部10、コリメート光学系20、発光素子40A、光拡散板46、ピックアップレンズ50、ピックアップレンズ51、合成光学系(第2合成光学系)70Bを有している。
本実施形態の光源装置102は、合成光学系70Bが、上述の第2実施形態の光源装置101と異なり、基板41Aの第1主面41Aaと直交する方向から視て、基板41Aと重なる位置に配置された構成を有している。光源部10から射出され、コリメート光学系20を透過して光線束が細められたレーザー光Bは、合成光学系70Bを介して発光素子40Aに設けられた緑色蛍光体層45G、赤色蛍光体層45Rに入射される。
合成光学系70Bは、第1ミラー71B、第2ミラー72B、第3ミラー73B、第4ミラー74B、第5ミラー75B、第6ミラー76B、を含んでいる。
まず、光源部10から射出されたレーザー光Bは、合成光学系70Bが有する第1ミラー71B、第2ミラー72B、第3ミラー73Bによって第1励起光B1、第2励起光B2、第3励起光B3に分離されながら、発光素子40Aに入射する。すなわち、第1ミラー71B、第2ミラー72B、第3ミラー73Bは、第1実施形態の導光光学系30と同様の機能を有している。
第1ミラー71Bは、入射する励起光の一部を反射するとともに残部を透過させ、さらに緑色光を透過させるビームスプリッターである。また、第2ミラー72Bは、入射するレーザー光Bの一部を反射するとともに残部を透過させるビームスプリッターである。そして、第3ミラー73Bは、入射するレーザー光Bを反射するとともに赤色光を透過させるビームスプリッターである。第1ミラー71B、第2ミラー72B、第3ミラー73Bは、透明基板上に誘電体多層膜のような光分離膜が形成された構成を有している。
第2ミラー72Bは、第1ミラー71Bと第3ミラー73Bとの間を直線的に進行する光の光路上に配置されている。
そして、発光素子40Aから射出される、赤色蛍光R,緑色蛍光G、第3ミラー73Bによって反射される第1励起光B1は、合成光学系70Bが有する第4ミラー74B、第5ミラー75B、第6ミラー76Bによって合成され、白色光Lとして外部に射出される。
基板41の第1主面41aと直交する方向から視て、第4ミラー74Bは第3ミラー73Bと重なり、第5ミラー75Bは第2ミラー72Bと重なり、第6ミラー76Bは第1ミラー71Bと重なるように配置されている。
具体的には、第4ミラー74Bは、光を反射する反射ミラーである。また、第5ミラー75Bは、赤色光を透過させるとともに青色光を反射するダイクロイックミラーである。
さらに、第6ミラー76Bは、緑色光を透過させるとともに赤色光および青色光を反射させるダイクロイックミラーである。第5ミラー75Bおよび第6ミラー76Bは、透明基板上に誘電体多層膜のような光分離膜が形成された構成を有している。
このような構成の光源装置102においては、励起光および蛍光が以下のような光の挙動を示しながら、外部に射出される。
まず、第1ミラー71Bに入射するレーザー光Bの一部は第1ミラー71Bで反射して、第2励起光B2として発光素子40Aに設けられた緑色蛍光体層45Gに面して設けられているピックアップレンズ51に入射する。ピックアップレンズ51は、第2励起光B2を緑色蛍光体層45Gに集光する。緑色蛍光体層45Gでは、第2励起光B2により蛍光体が励起され、緑色蛍光Gを発する。ピックアップレンズ51は、緑色蛍光体層45Gから発せられる蛍光を集光し(ピックアップ)、平行化する。
第1ミラー71Bを透過する励起光の残部は、第2ミラー72Bによって第3励起光B3と第1励起光B1とに分離される。
第1励起光B1は、第2ミラー72Bで反射して光拡散板46に入射する。光拡散板46において拡散された第1励起光B1は、光拡散板46に面して設けられているピックアップレンズ50に入射する。ピックアップレンズ50では、光拡散板46から拡散しながら射出される光を平行化する。
第3励起光B3は、第3ミラー73Bで反射して発光素子40Aに設けられた赤色蛍光体層45Rに面して設けられているピックアップレンズ51に入射する。ピックアップレンズ51は、第3励起光B3を赤色蛍光体層45Rに集光する。赤色蛍光体層45Rでは、第3励起光B3により蛍光体が励起され、赤色蛍光Rを発する。ピックアップレンズ51は、赤色蛍光体層45Rから発せられる蛍光を集光し(ピックアップ)、平行化する。
緑色蛍光体層45Gから射出される緑色蛍光Gは、第1ミラー71Bおよび第6ミラー76Bを透過し、外部に射出される。
また、光拡散板46から射出される第1励起光B1は、第1励起光B1の射出方向に配置された第5ミラー75Bで反射された後、第6ミラー76Bで反射されて、外部に射出される。
そして、赤色蛍光体層45Rから射出される赤色蛍光Rは、第3ミラー73Bを透過し、第4ミラー74Bで反射されて第5ミラー75Bを透過した後、第6ミラー76Bで反射されて、外部に射出される。
このようにして、赤色蛍光R,緑色蛍光G、第1励起光B1は、合成され、白色光Lとして射出される。
本実施形態の光源装置102は、以上のようにして機能する。
以上のような構成の光源装置102によれば、6つのミラー(ミラー71B、ミラー72B、ミラー73B、ミラー74B、ミラー75B、ミラー76B)を設けるだけの簡単な構成で、赤色蛍光体層45Rと緑色蛍光体層45Gとに励起光を入射させるとともに、光源から射出された光の一部と赤色蛍光体層45Rから発せられた赤色蛍光Rと緑色蛍光体層45Gから発せられた緑色蛍光Gとを合成することができる。
また、この構成によれば、第1ミラー71Bと第2ミラー72Bと第3ミラー73Bとが直線的に配置される。このため、基板41Aの第1主面41Aaと直交する方向から視て、ミラー71B、ミラー72B、ミラー73Bが基板41Aと重なる位置に配置される。すなわち、基板41Aの第1主面41Aaと直交する方向から視て、第2ミラー72Bが基板41Aと重ならない位置に配置されることはない。よって、装置の小型化を図ることができる。
また、この構成によれば、第4ミラー74Bと第5ミラー75Bと第6ミラー76Bとが直線的に配置される。このため、基板41Aの第1主面41Aaと直交する方向から視て、ミラー74B、ミラー75B、ミラー76Bが基板41Aと重なる位置に配置される。よって、装置の小型化を図ることができる。
本発明は、投写画像を観察する側から投写するフロント投写型プロジェクターに適用する場合にも、投写画像を観察する側とは反対の側から投写するリア投写型プロジェクターに適用する場合にも、適用することができる。
上記各実施形態においては、本発明の光源装置をプロジェクターに適用した例について説明したが、これに限らない。例えば、本発明の光源装置を他の光学機器(例えば、光ディスク装置、自動車のヘッドランプ、照明機器等)に適用することも可能である。