JP2016186466A - 衝突検出装置および衝突検出方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】自動車Mの前部近傍において車幅方向に延びるように配置されると共に内部に中空の圧力波伝搬路8が形成され、圧力波伝搬路8を介して自動車Mの前部への衝突により生じた圧力波を車幅方向に伝搬させるセンサチューブ1と、センサチューブ1に接続され、圧力波伝搬路8を伝搬した圧力波の強度を検出する圧力センサと、圧力センサで検出された圧力波に基づいて、自動車Mの前部における衝突位置を演算する衝突演算部3とを備え、センサチューブ1は、圧力波伝搬路8の路幅Wを拡張する複数の拡幅部7を有する。
【選択図】図1
Description
また、複数の拡幅部は、センサチューブから前方に突出すると共に自動車の中央部から車幅方向に離れて位置するほど突出量または内部の容量が大きくなるように形成することが好ましい。
また、複数の拡幅部は、自動車の中央部側の内壁面が先端部に向かって中央部から徐々に離れるように傾斜することが好ましい。
実施の形態1
図1に、この発明の実施の形態1に係る衝突検出装置の構成を示す。この衝突検出装置は、自動車Mの前部に配置されたバンパーRへの衝突体Cの衝突を検出するもので、バンパーRに沿って自動車Mの車幅方向に延びるように配置されたセンサチューブ1を有し、このセンサチューブ1の両端部に圧力センサ2aおよび2bが接続されている。また、圧力センサ2aおよび2bがそれぞれ衝突演算部3に接続されると共に、衝突演算部3がエアバッグ制御部4を介して3つのエアバッグ装置5a〜5cに接続されている。
チューブ本体6は、円筒形状を有し、一端部から他端部まで連通する中空の圧力波伝搬路8が内部に形成されている。圧力波伝搬路8は、センサチューブ1がバンパーRから押圧されることにより生じる圧力波を一端部側と他端部側にそれぞれ伝搬するものであり、圧力波を伝搬する伝搬流体、例えば空気などで満たされている。
衝突演算部3は、圧力センサ2aおよび2bでそれぞれ検出された圧力波の強度分布の差に基づいて自動車Mの前部における衝突体Cの衝突位置を算出し、この衝突位置と圧力波の強度に基づいて自動車Mに衝突した衝突体Cが歩行者などの保護対象者か否かを判定する。
エアバッグ装置5a〜5cは、自動車Mにおいて互いに異なる箇所に配置されており、例えば図2に示すように、自動車Mの一対のフロントピラーP内にエアバッグ装置5aとエアバッグ装置5cを配置すると共にフロントフードHの後縁部下側にエアバッグ装置5bを配置することができる。エアバッグ装置5a〜5cは、インフレータ10a〜10cと、インフレータ10a〜10cからの展開ガスの注入により車外に展開されるエアバッグ11a〜11cとを有する。
なお、バンパーRは自動車Mの最前部を車幅方向に覆うように設けられており、このバンパーRの内部にセンサチューブ1が配置されている。
圧力波は、センサチューブ1がバンパーRから押圧されることにより生じ、その押圧位置から圧力センサ2aおよび2bへ向かって圧力波伝搬路8内を伝搬する。
具体的には、圧力波V2は、検出初期S1において、図5(A)に示すように、圧力波伝搬路8の路幅が拡張された拡室9を通過することにより密度が低下し、圧力波V1と比較して緩やかに強度が上昇する。この時、拡室9内に侵入した圧力波V2の一部は、拡幅部7の内壁により進行方向とは反対側に反射され、図5(B)に示すように、再度、拡幅部7の内壁により進行方向に反射されて、圧力波伝搬路8に戻される。このように、圧力波V2は拡幅部7における反射により順次遅れて圧力波伝搬路8を伝搬するため、検出後期S2では圧力波V2の最大強度が検出時間T1より遅い検出時間T2において生じることとなる。このような圧力波V2の遅延は、拡幅部7内の容量(拡室9の高さN、横幅Lおよび縦幅)と、拡幅部7の数とに応じて生じるものである。
まず、衝突体Cが、例えば図1に示すように、自動車MのバンパーフェイスFの右側部近傍に衝突すると、その衝撃が衝撃吸収部材Eに伝搬されて、衝撃吸収部材Eがセンサチューブ1を押圧する。この押圧により圧力波伝搬路8内に圧力波が生じ、押圧位置から圧力センサ2aに向かって圧力波V2aが伝搬すると共に圧力センサ2bに向かって圧力波V2bが伝搬する。
例えば、衝突演算部3は、圧力波V2aの最大強度が得られた検出時間T2aと、圧力波V2bの最大強度が得られた検出時間T2bとの差に基づいて自動車Mにおける衝突位置を算出することができる。具体的には、衝突演算部3は、自動車Mの様々な衝突位置について圧力波V2aと圧力波V2bの検出時間の差を求めたルックアップテーブルを予め格納し、実際に得られた検出時間T2aと検出時間T2bとの差に基づいてルックアップテーブルを参照することにより自動車Mにおける衝突位置を算出することができる。
また、複数の拡幅部7が、チューブ本体6に沿って等間隔に配置されているため、圧力波V2aおよびV2bの強度分布を伝搬距離に応じて一様に変化させることができ、衝突演算部3における自動車Mの衝突位置の演算を簡便化することができる。さらに、複数の拡幅部7が自動車Mの中央部Y0に対して線対称に配置されることにより、衝突演算部3における衝突位置の演算をより簡便化することができる。
具体的には、様々な衝突体Cについて圧力波の強度に対する閾値が予め設定されており、衝突演算部3は、設定された閾値に基づいて圧力波V2およびV3の強度を評価することにより、衝突体Cが保護対象者か否かを判定する。
そこで、衝突演算部3は、予め設定された閾値を衝突位置に応じて変化させる。例えば、衝突位置がバンパーフェイスFの側部近傍であれば閾値を低下させて、圧力波V2およびV3の強度が低い場合でも保護対象者との判定を行う。このように、衝突演算部3が、圧力波V2およびV3の強度に基づいて衝突体Cの判定を行う際に、自動車Mの衝突位置に応じて判定の閾値を変化させるため、衝突体Cの判定を高精度に行うことができる。
なお、エアバッグ制御部4は、衝突演算部3で演算された自動車Mの衝突位置に基づいてエアバッグ装置5a〜5cを選択的に駆動することもできる。例えば、自動車Mの前部において右側部近傍に保護対象者が衝突した場合には、自動車Mの右側部側のフロントピラーPに配置されたエアバッグ装置5cのみを駆動することができる。
実施の形態1では、複数の拡幅部7は、互いに同一形状を有するように形成されたが、圧力波伝搬路8を部分的に拡張することができればよく、異なる形状で形成することもできる。
上述したように、自動車MのバンパーフェイスFが中央部Y0から車幅方向に向かって後方に湾曲した形状を有するため、衝突体CがバンパーフェイスFの中央部Y0に衝突した場合と比較して、衝突体CがバンパーフェイスFの側部近傍に衝突した場合には衝撃がセンサチューブ1まで到達しにくく、圧力波V2aおよびV2bの強度が低くなる傾向がある。
本実施の形態によれば、複数の拡幅部21が中央部Y0から車幅方向に離れて位置するほど突出量が大きくなるように形成されているため、バンパーフェイスFの側部近傍に衝突した衝突体Cの衝撃を敏感に捉えることができ、圧力波V2aおよびV2bの強度の低下を抑制することができる。
このように、バンパーフェイスFの側部側に位置する拡幅部24ほど幅広く形成することにより、バンパーフェイスFの側部近傍に衝突した衝突体Cからの衝撃を広い範囲で敏感に捉えることができ、圧力波V2aおよびV2bの強度の低下を抑制することができる。
このように、バンパーフェイスFの側部側に位置する拡幅部25ほど先端部の肉厚を大きく形成することにより、バンパーフェイスFの側部近傍に衝突した衝突体Cからの衝撃を小さくなる前に捉えることができ、圧力波V2aおよびV2bの強度の低下を抑制することができる。さらに、複数の拡幅部25は、肉厚により突出量を変化させるため、拡室9の容量を一定に保つことができ、衝突演算部3における自動車Mの衝突位置の演算が複雑化することを抑制することができる。
実施の形態1および2では、複数の拡幅部は、内部に中空の拡室を有する四角柱形状に形成されたが、圧力波伝搬路8を部分的に拡張することができればよく、この形状に限られるものではない。
これにより、圧力波伝搬路8を中央部Y0側から端部側に向かって伝搬する圧力波は、拡幅部33の垂直面36により進行方向とは反対側に反射され、再度、傾斜面34により進行方向に反射される。この時、傾斜面34は、圧力波を圧力波伝搬路8の開口に向かって反射するように傾斜されており、垂直面36で反射された圧力波を減じることなく進行方向の圧力波伝搬路8へと戻すことができる。このように、傾斜面34を有する複数の拡幅部33を設けることにより、圧力センサ2aおよび2bで検出される圧力波の強度が減少することを抑制することができ、自動車Mの衝突位置を正確に演算することができる。
また、上記の実施の形態1〜3では、センサチューブ1は、衝撃吸収部材EとバンパービームBの間に配置されたが、自動車Mの前部近傍に配置されて衝突体Cの衝突を捉えることができればよく、これに限られるものではない。例えば、図13に示すように、衝撃吸収部材Eの内部にセンサチューブ42を配置することができる。また、バンパーフェイスFと衝撃吸収部材Eの間にセンサチューブを配置することもできる。
Claims (7)
- 自動車の前部近傍において車幅方向に延びるように配置されると共に内部に中空の圧力波伝搬路が形成され、前記圧力波伝搬路を介して前記自動車の前部への衝突により生じた圧力波を車幅方向に伝搬させるセンサチューブと、
前記センサチューブに接続され、前記圧力波伝搬路を伝搬した前記圧力波の強度を検出する圧力センサと、
前記圧力センサで検出された前記圧力波に基づいて、前記自動車の前部における衝突位置を演算する衝突演算部と
を備え、
前記センサチューブは、前記圧力波伝搬路の路幅を拡張する複数の拡幅部を有する衝突検出装置。 - 前記複数の拡幅部は、前記自動車の中央部で区分けされる前記センサチューブの右半部側と左半部側にそれぞれ設けられる請求項1に記載の衝突検出装置。
- 前記複数の拡幅部は、前記センサチューブに沿って等間隔で且つ前記自動車の中央部に対して線対称に配置される請求項1または2に記載の衝突検出装置。
- 前記複数の拡幅部は、前記センサチューブから前方に突出すると共に前記自動車の中央部から車幅方向に離れて位置するほど突出量または内部の容量が大きくなるように形成される請求項1〜3のいずれか一項に記載の衝突検出装置。
- 前記複数の拡幅部は、前記自動車の中央部側の内壁面が先端部に向かって中央部から徐々に離れるように傾斜する請求項1〜4のいずれか一項に記載の衝突検出装置。
- 前記センサチューブの両端部に2つの前記圧力センサが接続され、
前記衝突演算部は、2つの前記圧力センサでそれぞれ検出される前記圧力波の差に基づいて前記自動車の前部における衝突位置を算出する請求項1〜5のいずれか一項に記載の衝突検出装置。 - 自動車の前部近傍において車幅方向に延びるように配置されると共に内部に形成された圧力波伝搬路の路幅が複数の拡幅部により拡張されたセンサチューブにより、前記自動車の前部への衝突により生じた圧力波が前記圧力波伝搬路を介して車幅方向に伝搬し、
前記圧力波伝搬路を伝搬した前記圧力波の強度を前記センサチューブに接続された圧力センサで検出し、
前記圧力センサで検出された前記圧力波に基づいて、衝突演算部が前記自動車の前部における衝突位置を演算する衝突検出方法。
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