JP6638100B2 - 衝突検出装置 - Google Patents

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Description

本発明は、衝突検出装置、特に歩行者への衝突だけでなく二輪車等への衝突も正確に検出可能な衝突検出装置に関する。
車両に対する歩行者の衝突を検出する装置として、車両幅方向を長手方向として配置されるバンパビームと、バンパビームよりも前方に配置されるバンパフェースと、バンパビームとバンパフェースとの間に配置され、複数の検出器に接続されたチャンバ部材と、バンパフェースとチャンバ部材との間に配置される隙詰め部を有する衝撃吸収部材と、を備える衝突検出装置が知られている(特許文献1参照)。
このような衝突検出装置では、隙詰め部の後方への移動によってチャンバ部材が後方に圧縮されることで、車両に対する歩行者の衝突が検出可能となっている。
特許第5509863号公報
なお、実際の車両に衝突検出装置を適用する場合、歩行者への衝突だけでなく、例えば近年増加傾向にある自転車及びその乗員への衝突も考慮する必要がある。自転車を含む二輪車等への衝突の際には、バンパフェースに対する応力が下方から入力されることが多い。これは、応力の入力方向が前方からである歩行者への衝突の場合とは異なっている。
従来の衝突検出装置では、バンパフェース及び衝撃吸収部材に対して下方からの応力の入力を検出することが困難であった。衝撃吸収部材がバンパフェースを介して下方から応力を受ける場合は、特許文献1に記載されるようなチャンバ部材の変形形態、つまり隙詰め部の後方への移動によるチャンバ部材の圧縮変形が実現せず又はし難く、結果として歩行者への衝突時のようなチャンバ部材の圧縮変形が発生し難いので、検出器で衝突を正確に検出することができなかった又は困難であった。
よって、本発明が解決しようとする課題は、歩行者への衝突だけでなく二輪車等への衝突も正確に検出可能な衝突検出装置を提供することである。
前記課題を解決するための手段として、本発明に係る衝突検出装置は、車両の前部に配置されるバンパフェースへの衝突を検出可能な衝突検出装置であって、前記バンパフェースの後方に配置され、前記車両の幅方向に延在する筒状のセンサチューブと、前記センサチューブの変形を検出可能な検出器と、前記車両の幅方向に延在して前記センサチューブを収容する収容部を有し、前記バンパフェースの後方に配置される、衝撃を吸収可能な衝撃吸収部材と、を備え、前記衝撃吸収部材における下部には、前記車両の幅方向に分ける複数のスリットを入れることにより形成された複数の分割部が並設されるとともに、前記衝撃吸収部材における上部には、前記スリットが形成されずに前記複数の分割部を連結する連結部が設けられている。
本発明に係る衝突検出装置において、前記スリットは、前記車両の上下方向及び前後方向に沿って形成されることが好ましい。
本発明に係る衝突検出装置において、前記スリットは、前記収容部と連通して形成され、又は前記収容部近傍まで延在して形成されることが好ましい。
また、本発明に係る衝突検出装置において、前記スリットは、前記衝撃吸収部材を前方視したときに、前記スリットの少なくとも一部と前記収容部とが重複する位置に形成されることが好ましい。
更に、本発明に係る衝突検出装置において、前記スリットは、前記衝撃吸収部材を平面視したときに、前記スリットの少なくとも一部と前記収容部とが重複する位置に形成されることが好ましい。
更に、本発明に係る衝突検出装置において、前記車両の上下方向において、前記スリットは、その上端が前記収容部の上端部より下方に位置するように形成されることが好ましい。
例えば、本発明における衝撃吸収部材が歩行者への衝突に起因した衝撃を受けると、該衝撃によって衝撃吸収部材が変形すると共に、該衝撃吸収部材の収容部内に収容されるセンサチューブも圧縮変形するので、検出器がセンサチューブの変形を検出し、結果として衝突を検出することができる。
また、例えば本発明における衝撃吸収部材が自転車のタイヤへの衝突に起因した衝撃を受けると、スリットで一部が分割されて成る衝撃吸収部材においてタイヤが押し込まれた部位が局所的に変形を生じると共に、該局所的な変形が収容部内に収容されるセンサチューブに達することでセンサチューブも圧縮変形するので、検出器がセンサチューブの変形を検出し、結果として衝突を検出することができる。
これにより、本発明によると、歩行者衝突と二輪車衝突との応力の入力形態の違いに関わらず、いずれの場合でも衝撃吸収部材を確実に変形させることによって、車両の衝突形態として多い歩行者への衝突だけでなく、二輪車等への衝突も正確に検出可能な衝突検出装置を提供することができる。
図1は、車両における本発明の一実施形態に係る衝突検出装置の一部の取付位置を示す斜視図である。 図2は、図1に示した衝突検出装置に対する衝突体の衝突からエアバッグ装置の駆動までを説明するための概略図である。 図3は、衝突体への衝突の際の車両の前端部を示した概略図である。 図4は、比較例に係る衝撃吸収部材及びその周辺部材を示す断面概略図である。 図5は図1〜図3に示した衝撃吸収部材とバンパビームとを拡大して示した断面概略図であり、図5(a)は図2に示した衝撃吸収部材と衝突体とが衝突の際に当接した状態を示す平面視の断面概略図であり、図5(b)は図5(a)に示す状態からタイヤが衝撃吸収部材に対して押し込まれた状態を示す平面視の断面概略図であり、図5(c)は図5(b)に示す状態からタイヤが更に押し込まれた状態を示す側方視の断面概略図である。 図6は、本発明の他の実施形態に係る衝撃吸収部材及びその周辺部材を示す断面概略図である。
(基本実施形態の概要)
本発明に係る衝突検出装置の一実施形態について、図1及び図2を参照しつつ説明する。
なお、図1は、車両における本発明の一実施形態である衝突検出装置の一部の取付位置を示す斜視図である。また、図2は、衝突検出装置に対する衝突体の衝突からエアバッグ装置の駆動までを説明するための概略図である。
図1には、本実施形態に係る衝撃吸収部材2及びセンサチューブ3が配置される車両100の前部の一部を示している。
図1に示すように、衝撃吸収部材2及びセンサチューブ3は、車両100の前部を構成する部材であり、車両100の幅方向に延在するバンパフェース101とバンパビーム102との間に配置される。
バンパフェース101は、車両100の前端部に配置される外装部材の1つであり、車両100の幅方向中央部から後方に湾曲した形状を有する。バンパフェース101は、衝突の衝撃を受けると変形及び破断可能に形成され、例えばポリプロピレン等の樹脂材料含有の成形体を採用することができる。
バンパビーム102は、車両100の左右両側にそれぞれ配置されるフロントサイドフレーム103の前端部に対して、応力を伝達可能なようにバンパステー104を介して取付けられている。フロントサイドフレーム103は、車両100の前部における骨格部材の1つであり、高剛性を有する。図1に示すように、バンパビーム102の後方であって、一対のフロントサイドフレーム103の間にはエンジン冷却のためのラジエータ105及びコンデンサ106とこれらの部材を固定的に支持する支持部材107とが配置されている。また、支持部材107の下方には、車両100の前後方向においてバンパフェース101と略同位置まで突出して配置される下方突出部108が配置されている。下方突出部108については、図3を参照しつつ後述する。
図1及び図2に示すように、センサチューブ3は、バンパフェース101の後方に配置され、車両100の幅方向及びバンパフェース101に沿って延在する円筒状部材である。本実施形態におけるセンサチューブ3は可撓性を有し、一端部から他端部まで連通する中空の部材であり、衝突体Cの衝突に起因した衝撃を受けると変形して内圧の変化を生じる。センサチューブ3の内部には、センサチューブ3の変形によって生じる内圧の変化が伝播可能な適宜の流体が満たされ、本実施形態においては空気が満たされている。
特に図2に示すように、センサチューブ3は、その両端部がそれぞれ圧力センサ41及び42に接続されている。圧力センサ41及び42は、センサチューブ3の変形によって生じたセンサチューブ3の内圧の変化を検出可能な部材であり、例えばダイアフラム等を利用して圧力の変化を検出するセンサを採用することができる。本実施形態においては、センサチューブ3が変形するとセンサチューブ3内の空気が両端部の少なくとも一方から吐出されるので、吐出された空気の圧力を圧力センサ41及び42で検出することによって、センサチューブ3の内圧の変化が検出可能である。圧力センサ41及び42は、それぞれコントローラ5に接続され、更に該コントローラ5はエアバッグ装置6に接続されている。
なお、圧力センサ41及び42は、本発明における検出器の一例である。
コントローラ5は、圧力センサ41及び42の少なくとも一方において検出されたセンサチューブ3の内圧の変化に基づいて、バンパフェース101に対する衝突の発生の有無を判別する部材である。コントローラ5は、エアバッグ装置6に対して駆動信号を出力するようになっている。なお、本実施形態に係る衝突検出装置1は、歩行者又は二輪車に乗車している乗員等の衝突体Cを保護対象者として想定している。よって、エアバッグ装置6は、衝突した歩行者又は二輪車の乗員を保護するために車両100のフロントフードの後縁部近傍に展開可能なエアバッグ本体、及び該エアバッグ本体を展開するための適宜のインフレータ等を有する。つまり、エアバッグ装置6は、圧力センサ41及び42の検出結果に基づいて、コントローラ5によって駆動されることになる。
図1及び図2に示すように、センサチューブ3は、衝撃吸収部材2とバンパビーム102とに挟持されるように配置されている。衝撃吸収部材2は、バンパフェース101の後方に配置され、衝突体Cが衝突した際に変形して衝撃を吸収可能な部材であり、例えば発泡樹脂材料含有の成形体を採用することができる。本実施形態において衝撃吸収部材2は、バンパフェース101に沿って長手寸法を有する柱状部材であり、長手方向に直交する断面が略台形を成す。特に図1に示すように、衝撃吸収部材2は、収容部21とスリット22と分割部23と連結部24とを有する。
収容部21は、車両100の幅方向及びバンパフェース101に沿って延在し、衝撃吸収部材2の上下方向略中央部でかつ後端面側に形成されている。収容部21は、後方側が開放状態である溝として形成されている。衝撃吸収部材2が、接着又は適宜の治具及び締結部材等によって、バンパビーム102の前面部に対して当接状態で固定配置されると、収容部21の後方側の開放部分がバンパビーム102によって覆蓋される。これにより本実施形態においては、センサチューブ3が衝撃吸収部材2の収容部21から脱落することなく収容部21内に保持される。
スリット22は、車両100の上下方向及び前後方向に沿って形成され、車両100の幅方向に並設される複数の切れ目である。図2に示すように、スリット22は、衝撃吸収部材2の前端面部から収容部21及び後端面部まで延在し、衝撃吸収部材2を車両100の幅方向に分割している。なお、本実施形態においては、スリット22は、収容部21に連通して形成されている。柱形状を成す衝撃吸収部材2は、その下側部分にスリット22が形成されることによって、特に図1に示すように分割部23及び連結部24に分けられる。
分割部23及び連結部24については、図3を参照しつつ後述する。また、衝突に起因した衝撃を受けた場合のスリット22の機能及び作用については、図5を参照しつつ後述する。
続いて、図3を参照しつつ、車両100が自転車に衝突した場合の、衝撃吸収部材2に対する応力の入力形態について説明する。
図3は、衝突体への衝突の際の車両の前端部を示した概略図である。なお、図3において車両100より前方に位置する太線で示した円は、衝突体の一例である自転車のタイヤTの輪郭線である。
図3に示すように、車両100の前部は蓋部材であるフード109によって上方が覆蓋されている。また、車両100の前端部にはグリル110が前方に臨んで配置される。グリル110は、ラジエータ105及びコンデンサ106による熱交換を促進させるために車両100の前部内に外気を流入可能にする格子状部材である。
グリル110の下方にバンパフェース101が配置されると共に、該バンパフェース101の下方に下方突出部108が配置される。
下方突出部108は、図3に示すように、車両100の前後方向においてバンパフェース101と略同位置に配置されている。下方突出部108は、バンパフェース101と同一材料によって形成される。下方突出部108の上端部とバンパフェース101の下端部とが適宜の樹脂製部材、金属部材等を用いて一体的に形成される。バンパフェース101及び下方突出部108の配置及び形状等は、車両100の意匠に応じて適宜に変更可能である。バンパフェース101及び下方突出部108は、歩行者又は二輪車等への衝突によって破断又は変形可能に形成されている。
また、図3における衝撃吸収部材2の収容部21の上端部から前端面部まで延在する破線は、スリット22の上端縁を示す。
車両100の上下方向において、スリット22は、衝撃吸収部材2の収容部21の上端部から下端面部まで形成されている。
更に、車両100の前後方向において、スリット22は、衝撃吸収部材2の収容部21と同一高さでは衝撃吸収部材2の前端面部から収容部21に連通するように形成されると共に、収容部21より下方では衝撃吸収部材2の前端面部から後端面部まで形成されている。
なお、本実施形態においてスリット22は収容部21に連通しているが、図5を参照しつつ後述するように、スリット22によって形成される分割部23の圧縮変形が収容部21及びセンサチューブ3に伝播する限り、スリット22が収容部21に連通せずに収容部21近傍まで延在していても良い。
よって、図3に示すように、衝撃吸収部材2における収容部21より上側はスリット22が形成されていないので一体的な柱状部位である連結部24が形成されると共に、収容部21より下側はスリット22によって分割されて形成される分割部23が並設されている。スリット22が車両100の上下方向及び前後方向に延在しているので、分割部23も同様に車両100の上下方向及び前後方向に沿って形成される。この方向は、自転車への衝突の際に、衝撃吸収部材2に対してタイヤTが押し込まれることの多い方向である。また、収容部21より上側に形成される連結部24は、衝撃吸収部材2においてある程度の領域を占めているので、走行時の振動及び衝撃、衝突時の衝撃等によって分割部23の位置がぶれないようにすることができ、衝撃吸収部材2全体の形状保持を図ることができる。
また、本実施形態においてスリット22は、衝撃吸収部材2の前端面、収容部21の内面、後端面及び下端面の全てに切れ目が視認可能な程度に露出することによって、衝撃吸収部材2の下側部分は分割部23として明らかに分割された状態となっている。
本発明においては、後述する分割部の変形形態が実現する限り、衝撃吸収部材の形状安定性等を考慮して、スリットを衝撃吸収部材の内部のみに形成して表面近傍まで延在させ、表面には露出しない程度に留めておくようにしても良い。この場合もスリットが衝撃吸収部材を分けている形態に含めることとする。
以下に、図3に示す車両100が自転車に衝突した場合について説明する。
車両100が自転車のタイヤTに衝突した場合、まずタイヤTは実線で示すように下方突出部108に当接する。下方突出部8は、歩行者及び二輪車の乗員等を車両100の下側に巻き込む衝突形態の防止のために設けられる。下方突出部108は、タイヤTへの衝突によって破断又は後方への変形を生じつつ、タイヤTを上方に跳ね上げる。つまり、下方突出部108はタイヤTを上方に案内する。
下方突出部108への当接によって上方に跳ね上げられたタイヤTは、図3に破線で示すように、バンパフェース101に対して前側下方から後側上方に向かって当接する。バンパフェース101は、タイヤTへの衝突によって破断又は後側上方への変形を生じつつ、下方突出部108に跳ね上げられたタイヤTを若干下方に案内する。なお、このとき、下方突出部108はタイヤTを跳ね上げたときよりも更に大きく破断又は後方への変形を生じている。
バンパフェース101を破断又は変形させたタイヤTは、図3に一点鎖線で示すように、衝撃吸収部材2に前側下方から後側上方に向かって応力を入力する。このとき、バンパフェース101が既に破断している場合はタイヤTが衝撃吸収部材2に直接当接し、バンパフェース101が変形している場合はタイヤTがバンパフェース101を介して衝撃吸収部材2に応力を入力する。
以上のように、自転車のタイヤTに車両100が衝突した場合は、衝撃吸収部材2の前側下方から衝突に起因した応力が入力される。
なお、車高の低い車種に本発明を適用する場合は、例えば下方突出部108を設けずにタイヤTがバンパフェース101に当接する形態、又は、下方突出部108を設けるがタイヤTはまずバンパフェース101に当接する形態等の衝突形態が考えられる。これらの場合であっても、バンパフェース101及び衝撃吸収部材2に対しては前側下方からのタイヤTの衝突が生じることが多い。この場合、衝撃吸収部材2は、図3に示した衝突形態と同様に、下方からの応力が入力される。
(比較例)
ここで、比較例に係る衝突検出装置について説明する。比較例に係る衝撃吸収部材としては、例えば図4に示す形態を挙げることができる。
図4(a)〜図4(d)は、比較例に係る衝撃吸収部材とバンパフェースとセンサチューブとバンパビームとを示す断面概略図である。なお、図4(a)〜図4(d)に示すバンパフェース、センサチューブ及びバンパビームは、図1〜図3に示した部材と同様の部材を用いているので、共通の参照符号を付すこととする。また、図4においては、歩行者への衝突によって衝撃吸収部材に対して前方から入力される応力を白抜きの矢印で示すと共に、自転車等の二輪車への衝突によって衝撃吸収部材に対して下方から入力される応力を黒色の矢印で示す。
まず、図4(a)に示す比較例は衝撃吸収部材201を用いている。衝撃吸収部材201は、バンパフェース101の後面部からバンパビーム102の前面部まで延在してセンサチューブ3の下方に配置される本体部91と、センサチューブ3と同一高さに配置され、バンパフェース101の後面部からセンサチューブ3の前側近傍まで延在し、本体部91の前端縁部において接続されている隙詰め部92とを有する。
衝撃吸収部材201を備えた車両が歩行者に衝突すると、衝撃吸収部材201は、本体部91が後方に圧縮されて変形すると共に、隙詰め部92が後方に移動することによってセンサチューブ3をバンパビーム102に対して押し付ける。これにより、センサチューブ3は変形を生じるので、センサチューブ3に接続される圧力センサ等の適宜の検出器がセンサチューブ3の変形を検出可能である。
これに対して、衝撃吸収部材201を備えた車両が自転車に衝突すると、衝撃吸収部材201は、本体部91及び隙詰め部92が前側下方から後側上方に向かって突き上げられるように変形する。しかしながら、このような衝撃吸収部材201の変形は、本体部91又は隙詰め部92がセンサチューブ3を圧縮する変形ではないことが多い。これにより、センサチューブ3が内圧の変化を生じる程度の変形を生じ難いので、検出器がセンサチューブ3の変形を検出することは困難である。
つまり、図4(a)に示す比較例では、前方から応力が入力される歩行者への衝突は検出可能であるが、下方から応力が入力される二輪車への衝突は検出が困難である。
図4(b)に示す比較例は衝撃吸収部材202を用いている。衝撃吸収部材202は、バンパフェース101の後面部からバンパビーム102の前面部まで延在し、断面が矩形状を成す柱状部材であり、その後端面にセンサチューブ3を収容可能な溝部93がバンパフェース101及びバンパビーム102に沿って形成されている。センサチューブ3は衝撃吸収部材202の溝部93とバンパビーム102との間に挟持されている。
衝撃吸収部材202を備えた車両が歩行者に衝突すると、衝撃吸収部材202は全体が後方に圧縮されて変形する。これにより、溝部93がその内容積を減少するように後方に圧縮され、結果としてセンサチューブ3はバンパビーム102に対して押し付けられる。よって、衝突体がバンパビーム102近傍にまで押し込まれると、センサチューブ3が変形を生じるので、検出器がセンサチューブ3の変形を検出可能である。なお、車両100の前後方向において衝突体が衝撃吸収部材202の略中央部程度まで押し込まれて止まった場合は、溝部93が変形しない可能性があるので、この場合はセンサチューブ3が変形せず、検出器においてもセンサチューブ3の変形は検出することができない。
また、衝撃吸収部材202を備えた車両が自転車に衝突すると、衝撃吸収部材202は前側下方から後側上方に向かって突き上げられるように変形する。しかしながら、このような衝撃吸収部材202の変形形態では、衝突体が溝部93近傍まで押し込まれなければ溝部93の変形は生じない又は生じ難い。すなわち、大きな相対速度を以って自転車に衝突しない限り、衝突体が溝部93近傍まで押し込まれないので、衝撃吸収部材202の溝部93に収容されるセンサチューブ3は変形しない又はし難いことによって、検出器がセンサチューブ3の変形を検出することが困難である。
つまり、図4(b)に示す比較例では、前方から応力が入力される歩行者への衝突は検出可能又は条件によっては検出不能であり、下方から応力が入力される二輪車への衝突は検出が困難である。
図4(c)に示す比較例は衝撃吸収部材203を用いている。衝撃吸収部材203は、上記衝撃吸収部材2の後面部が前面部近傍まで大きく切り欠かれた切欠部94を有し、全体形状としてバンパビーム102からバンパフェース101まで延在する板状部材が折り返されて再度バンパビーム102まで延在して成る折曲板形状を成す。図4(c)に示すように、センサチューブ3は、衝撃吸収部材203における切欠部94の前端部に配置されている。
衝撃吸収部材203を備えた車両が歩行者に衝突すると、衝撃吸収部材203は全体が後方に圧縮されて変形する。具体的には、図4(c)に示す比較例では衝撃吸収部材203の前面部からセンサチューブ3までの距離が小さいので、衝突体がセンサチューブ3が配置されている位置まで押し込まれ易い。しかしながら、衝撃吸収部材203ではセンサチューブ3の後方が空隙となっているので、後方に押圧されたセンサチューブ3は後方に撓むだけに留まってしまい、センサチューブ3の圧縮変形が生じない又は生じ難い。よって、検出器がセンサチューブ3の変形を検出することは困難である。
これに対して、衝撃吸収部材203を備えた車両が自転車に衝突すると、センサチューブ3の下側に形成されている衝撃吸収部材203における板状部位が、センサチューブ3の上側に形成されている板状部位に近付くように変形する。換言すると、衝撃吸収部材203には前側下方から後側上方に向かう応力が入力されるので、衝撃吸収部材203の上下の板状部位がセンサチューブ3を挟み込んで閉じるように変形する。衝撃吸収部材203により挟み込まれたセンサチューブ3は圧縮変形するので、検出器がセンサチューブ3の変形を検出することができる。
つまり、図4(c)に示す比較例では、前方から応力が入力される歩行者への衝突は検出が困難であるが、下方から応力が入力される二輪車への衝突は検出が可能である。
図4(d)に示す比較例は、上記図4(c)に示した比較例と同様に衝撃吸収部材203を用いると共に、センサチューブ3の配置領域は確保しつつ衝撃吸収部材203における切欠部94を埋めるスペーサ95が配置されている。すなわち、図4(d)に示す比較例におけるセンサチューブ3は、衝撃吸収部材203の切欠部94における前端部位と、スペーサ95との間に挟持されている。
衝撃吸収部材203とスペーサ95とを備えた車両が歩行者に衝突すると、衝撃吸収部材203はバンパフェース101からバンパビーム102に向かって後方に圧縮変形することによって、センサチューブ3はスペーサ95に対して押し付けられる。これにより、センサチューブ3は変形を生じるので、検出器がセンサチューブ3の変形を検出可能である。
これに対して、衝撃吸収部材203とスペーサ95とを備えた車両が自転車に衝突すると、上述した図4(c)の比較例のような衝撃吸収部材203は生じない又は生じ難い。具体的には、図4(d)に示す衝撃吸収部材203に対して前側下方から後側上方に向かって突き上げられる応力が入力されたとしても、スペーサ95が衝撃吸収部材203の変形を阻害するので、衝撃吸収部材203の上下の板状部位がセンサチューブ3を挟み込んで閉じるような変形が生じない又は生じ難い。これにより、検出器はセンサチューブ3の変形を検出することが困難である。
つまり、図4(d)に示す比較例では、前方から応力が入力される歩行者への衝突は検出可能であるが、下方から応力が入力される二輪車への衝突は検出が困難である。
以上のように、比較例に係る衝突検出形態、つまり衝撃吸収部材201、202又は203を備えた車両に対する衝突検出形態では、歩行者への衝突の検出と、二輪車への衝突の検出とを両立することが困難であった。
(本実施形態に係る衝撃吸収部材)
続いて、図5を参照しつつ、本実施形態に係る衝撃吸収部材2への衝突体の衝突形態について説明する。
なお、図5は図1〜図3に示した本実施形態に係る衝撃吸収部材とバンパビームとを拡大して示した断面概略図であり、図5(a)は図2に示した衝撃吸収部材と衝突体として自転車のタイヤとが衝突の際に当接した状態を示す平面視の断面概略図であり、図5(b)は図5(a)に示す状態からタイヤが衝撃吸収部材に対して押し込まれた状態を示す平面視の断面概略図であり、図5(c)は図5(b)に示す状態からタイヤが更に押し込まれた状態を示す側方視の断面概略図である。
まず、図5(a)に示すように、衝撃吸収部材2において、スリット22によって分割され、隣接する3つの分割部を第1分割部231、第2分割部232及び第3分割部233とする。図5(a)に示す衝突形態では、第2分割部232のみに対してタイヤTが当接している。なお、このときタイヤTは、図3に示したように衝撃吸収部材2の前側下方から後側上方に向かって相対的に移動している。
図5では、図3に示した自転車への衝突によってバンパフェース101が破断し、衝撃吸収部材2に対して衝突体である自転車のタイヤTが押し込まれた場合の、衝撃吸収部材2及びセンサチューブ3の変形形態を示している。
図5(a)に示す状態から更にタイヤTが衝撃吸収部材2に対して押し込まれると、図5(b)に示す状態となる。具体的には、図5(a)に示す状態から更に後方側に押し込まれるタイヤTは、第2分割部232に対して押し込まれる。これにより、第2分割部232は後方に圧縮変形する。第2分割部232に隣接する第1分割部231及び第3分割部233は、それぞれスリット22によって分割されているので、第2分割部232がタイヤTから応力を受けて圧縮変形しても、第1分割部231及び第3分割部233は大きな変形が生じない。つまり、タイヤTが第2分割部232のみに押し込まれた場合、第2分割部232のみが圧縮変形することとなり、衝撃吸収部材2はタイヤTが押し込まれた部位が局所的に変形する。
図5(b)及び図5(c)に示すように、第2分割部232が圧縮変形すると、第2分割部232の後方部分が収容部21内のセンサチューブ3に対して押し込まれる。これにより、センサチューブ3は圧縮変形を生じる。特に図5(c)に示すように、本実施形態においては、スリット22によって形成される分割部23が、タイヤTが押し込まれることの多い軌道である衝撃吸収部材2の前側下方から収容部21までに亘って延在しているので、タイヤTと該タイヤTが当接した第2分割部232とが一体となって、他の周辺部材に阻害されることなく後方に移動可能となっている。なお、連結部24は収容部21及びセンサチューブ3の上端部より上側に形成されているので、二輪車への衝突の際に衝撃吸収部材2の局所的な変形、つまりタイヤTが押し込まれる部分の分割部23のみの圧縮変形を阻害するような悪影響は及ぼさない。
なお、歩行者への衝突等で生じる衝撃吸収部材2に対して前方からの応力の入力があった場合は、衝撃吸収部材2が車両100の前後方向に対して略平行に圧縮される。これにより、分割部23及び連結部24が圧縮変形し、収容部21も変形する。収容部21の変形が生じると、収容部21内に収容されたセンサチューブ3が、収容部21の内面により圧縮されて変形する。
したがって、本実施形態は、歩行者又は二輪車への衝突に際して、従来及び図4に示して上述した比較例よりも確実にセンサチューブ3を変形させることができる。本実施形態は、歩行者及び二輪車のいずれに衝突してもセンサチューブ3が変形するので、図2に示した圧力センサ41及び42によってセンサチューブ3の変形を検出可能である。つまり本実施形態は、歩行者衝突と二輪車衝突との応力の入力形態の違いに関わらず、いずれの場合でも衝撃吸収部材2を確実に変形させることによって、歩行者への衝突の検出と、二輪車への衝突の検出とを両立することができる。
本実施形態においては、特に二輪車への衝突の際に、タイヤT等の衝突体が収容部21及びセンサチューブ3に達していなくとも、タイヤTが圧縮された分割部23を介して収容部21及びセンサチューブ3を押圧して変形させることができる。よって、スリット22及び分割部23を有する衝撃吸収部材2は、図4に示したようなスリット22及び分割部23を有していない衝撃吸収部材201、202及び203に比べて、衝突体がセンサチューブ3まで押し込まれないような小さい衝撃及び応力を受けてもセンサチューブ3を変形させることができる。更に、本実施形態に係る衝突検出装置1は、センサチューブ3に衝突体が達する前に分割部23の変形、収容部21の変形及びセンサチューブ3の変形が生じるので、従来及び上述した比較例よりも早く衝突を検出可能である。
なお、図5には第2分割部232のみにタイヤTが当接し、更に押し込まれる衝突形態を示したが、例えば各分割部23における車両100の幅方向の寸法をタイヤTよりも小さく設定した場合、又は、タイヤTが図5に示した幅よりも大きい幅を有する場合であっても、タイヤTが当接する分割部23が単数であっても複数であっても、タイヤTが押し込まれる分割部23のみが圧縮変形することに変わりは無い。例えば図5(a)に示す第1分割部231及び第2分割部232に対してタイヤTが当接し、更に押し込まれたとすると、第1分割部231及び第2分割部232のみが後側上方に向かって圧縮変形すると共に、第3分割部233は大きくは変形しない。
(変形例)
図6には、本発明における衝撃吸収部材の変形例を示した。
なお、図6(a)及び図6(b)は、他の実施形態に係る衝撃吸収部材及びその周辺部材の端面を示す概略図である。図6に示すバンパフェース、センサチューブ及びバンパビームは、図1〜図3に示した部材と同様の部材を用いているので、共通の参照符号を付すこととする。図6においては、各衝撃吸収部材においてスリットを形成する領域にハッチングを付して示すと共に、二輪車への衝突の際にタイヤが当接する部位を黒色の点として示している。
図6に示すように衝撃吸収部材を側方視したときに、スリットを形成する領域は、分割部が形成される領域である。
図6(a)に示す衝撃吸収部材71と、上記衝撃吸収部材2との相違点は、スリットを形成する領域である。具体的には、衝撃吸収部材71は上記衝撃吸収部材2と同様の収容部21を有し、該収容部21とバンパビーム102との間にセンサチューブ3が配置されている。衝撃吸収部材71はスリット711を有する。
スリット711は、上記スリット22を形成する領域よりも狭い領域に形成されている。この領域は、例えば二輪車への衝突の際にタイヤが押し込まれる部位、及びタイヤが衝撃吸収部材71に対して押し込まれる軌道等を予め検証しておくことによって導出された、圧縮変形すべき必要最低限の領域の一例である。スリット711の上端縁部は、衝撃吸収部材71の前端面部におけるタイヤの当接部位近傍から、タイヤが押し込まれる方向である後側上方に延在し、収容部21の上端部まで形成されている。スリット711を形成することによって、衝撃吸収部材71は、分割部712と連結部713とを有する。
図6(a)に示す実施形態では、二輪車への衝突によってタイヤが衝撃吸収部材71の前側下方から押し込まれると、タイヤが当接し始める部位からタイヤが押し込まれる軌道に沿って形成される分割部712が圧縮変形する。分割部712が変形すると、収容部21にも変形が伝播する。これにより収容部21及びセンサチューブ3が変形するので、上記圧力センサ41及び42等の検出器がセンサチューブ3の変形を検出可能となる。なお、図6(a)に示す実施形態においては、図5に示した実施形態と同様に、タイヤが当接した分割部712のみが変形を生じ、すなわち衝撃吸収部材71全体としてみるとタイヤが当接した部分が局所的に変形を生じることとなる。このとき連結部713は分割部712の変形を阻害することはない。
また、図6(a)に示す実施形態では、歩行者への衝突によって衝突体が衝撃吸収部材71の前方から押し込まれると、連結部713及び分割部712が前後方向に沿って圧縮変形する。これにより、収容部21が前後方向に圧縮され、結果としてセンサチューブ3が収容部21とバンパビーム102との間で前後方向に圧縮変形することになる。これにより、検出器がセンサチューブ3の変形を検出可能となる。
次に、図6(b)に示す衝撃吸収部材72と、上記衝撃吸収部材2との相違点は、収容部及びスリットの形態である。具体的には、衝撃吸収部材72は、その前面部の上下方向略中央部に溝状に形成される収容部721を有し、該収容部721とバンパフェース101の後面部との間にセンサチューブ3が配置されている。衝撃吸収部材72はスリット722を有する。
スリット722は、上記スリット22と同様に、車両100の上下方向及び前後方向に沿って延在され、車両100の幅方向沿って並設される切れ目である。
スリット722は、車両100の上下方向においては、収容部721に連通して形成され、収容部721から下方に延在し、衝撃吸収部材72の下端面部まで形成されている。
また、スリット722は、車両100の前後方向においては、衝撃吸収部材72の前端面部から収容部721及びセンサチューブ3の後端部まで形成されている。スリット722を形成することによって、衝撃吸収部材72は、分割部723と連結部724とを有する。
図6(b)に示す実施形態では、二輪車への衝突によってタイヤが衝撃吸収部材72の前側下方から押し込まれると、分割部723が後側上方に圧縮変形する。分割部723が変形すると、収容部721にも変形が伝播する。これにより収容部721及びセンサチューブ3が変形するので、検出器がセンサチューブ3の変形を検出可能となる。なお、図6(b)に示す実施形態においては、図5及び図6(a)に示した実施形態と同様に、タイヤが当接した分割部723のみが変形を生じ、すなわち衝撃吸収部材72全体としてみるとタイヤが当接した部分が局所的に変形を生じることとなる。このとき連結部724は分割部723の変形を阻害することはない。
また、図6(b)に示す実施形態では、歩行者への衝突によって衝突体が衝撃吸収部材72の前方から押し込まれると、収容部721は衝撃吸収部材72の前面部に配置されているので、衝突体が直接又はバンパフェース101を介して衝突の初期段階から収容部721を前後方向に圧縮変形させる。収容部721が前後方向に圧縮されると、センサチューブ3がバンパフェース101と収容部721と間で前後方向に圧縮変形することになる。これにより、検出器がセンサチューブ3の変形を検出可能となる。
したがって、図6に示した衝撃吸収部材71及び72は、歩行者への衝突に起因する前方からの衝撃の検出と、二輪車への衝突に起因する下方からの衝撃の検出とを両立することができる。
なお、スリット711の上端縁部、及びスリット722の後端縁部は、後側上方に向かって傾斜している。これにより、仮に二輪車への衝突の際にタイヤが浅い角度で押し込まれた場合、すなわち図5に示したタイヤTの衝撃吸収部材2への侵入角度よりも水平方向に近い角度で押し込まれた場合であっても、分割部の圧縮変形を収容部に向かって案内することができ、結果として収容部及びセンサチューブの変形を生じ易くしている。
以下に、本発明の他の変形例及び好適例について説明する。
図1〜図3及び図5に示した実施形態、及び図6(a)に示した実施形態のように、スリットは、衝撃吸収部材を前方視したときに、スリットの少なくとも一部と収容部とが重複する位置に形成されているのが好ましい。すなわち、スリットの少なくとも一部と収容部及びセンサチューブとが同一高さに設けられているのが好ましい。
このような位置にスリットを形成すると、例えば二輪車への衝突の際に二輪車のタイヤが衝撃吸収部材の前側下方から後側上方へ押し込まれた場合、スリットによって形成される分割部が圧縮変形し、更に変形した分割部が収容部に対して押し込まれ易くなる。これにより、衝撃吸収部材が局所的に変形し易く、衝撃吸収部材が受ける衝撃が収容部及びセンサチューブまで伝播され易くなるので好ましい。
更に、図6(b)に示した実施形態のように、スリットは、衝撃吸収部材を平面視したときに、スリットの少なくとも一部と収容部とが重複する位置に形成されているのが好ましい。すなわち、スリットの少なくとも一部と収容部及びセンサチューブとが前後方向で同一位置に設けられているのが好ましい。更に好ましくは、衝撃吸収部材を平面視したときに、スリットの少なくとも一部と収容部及びセンサチューブとが重複する事に加えて、図6(b)に示したようにスリットが収容部の下方に形成されている形態を挙げることができる。
このような位置にスリットを形成すると、特に図6(b)に示したように衝撃吸収部材の前側に収容部が設けられている場合に、例えば二輪車への衝突の際に二輪車のタイヤが衝撃吸収部材の前側下方から後側上方へ押し込まれた場合、スリットによって形成される分割部が圧縮変形し、更に変形した分割部が収容部に対して押し込まれ易くなる。これにより、衝撃吸収部材が局所的に変形し易く、衝撃吸収部材が受ける衝撃が収容部及びセンサチューブまで伝播され易くなるので好ましい。
図1〜図3及び図5に示した実施形態において、一のスリット22と隣接するスリット22との間隔、すなわち一のスリット22と隣接するスリット22とに挟まれる分割部23の幅としては、例えば分割部23が圧縮変形し、更にセンサチューブ3に押し込まれる際に、圧力センサ41及び42が検出可能な圧力変化を生じ得るセンサチューブ3の必要変形幅と略同一又はそれより若干大きい程度が好ましい。分割部23の幅は、分割部23の幅に応じた分割部23の変形のし易さと、センサチューブ3の必要変形幅とのバランスをとることができる程度に適宜に設定することができる。
図1〜図3及び図5〜図6に示した実施形態においてスリットは切れ目であり、スリット内部には内容物を設けていないが、分割部の形状保持性能の確保、及び、衝突時の分割部の圧縮変形が車両の幅方向にずれないようにするために、分割部の圧縮変形を阻害しない程度の接着強度を発揮する接着剤等をスリット内部に充填しても良い。
図1〜図3及び図5〜図6に示した実施形態においてスリットは切れ目であり、衝突前状態ではスリットの内容積が略ゼロである。これによって、特に二輪車への衝突の際に、スリット内、つまり2つの分割部の間にタイヤが嵌り込むことなく、タイヤによって分割部が圧縮されるので、センサチューブまで衝撃を伝播するという上述した作用だけでなく、分割部の圧縮変形による衝撃の吸収も可能であるので好ましい。
以上、本発明者によってなされた発明を適用した実施形態について説明したが、この実施形態による本発明の開示の一部をなす論述及び図面により、本発明は限定されることはない。例えば、補助部材は実施例では円盤形状又は円柱形状としたが、それ以外の形状であっても良い。すなわち、この実施形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施形態、実施例及び運用技術等は全て本発明の範疇に含まれることは勿論であることを付け加えておく。
1:衝突検出装置、2、71及び72:衝撃吸収部材、21及び721:収容部、22、711及び722:スリット、23、712及び723分割部、24、713及び724:連結部、3:センサチューブ、41及び42:圧力センサ、5:コントローラ、6:エアバッグ装置、201、202、203、204及び205:比較例に係る衝撃吸収部材、91:本体部、92:隙詰め部、93:溝部、94:切欠部、95:スペーサ、100:車両、101:バンパフェース、102:バンパビーム、103:フロントサイドフレーム、104:バンパステー、105:ラジエータ、106:コンデンサ、107:支持部材、108:下方突出部、109:フロントフード、110:グリル、C:衝突体、T:タイヤ

Claims (6)

  1. 車両の前部に配置されるバンパフェースへの衝突を検出可能な衝突検出装置であって、
    前記バンパフェースの後方に配置され、前記車両の幅方向に延在する筒状のセンサチューブと、
    前記センサチューブの変形を検出可能な検出器と、
    前記車両の幅方向に延在して前記センサチューブを収容する収容部を有し、前記バンパフェースの後方に配置される、衝撃を吸収可能な衝撃吸収部材と、を備え、
    前記衝撃吸収部材における下部には、前記車両の幅方向に分ける複数のスリットを入れることにより形成された複数の分割部が並設されるとともに、
    前記衝撃吸収部材における上部には、前記スリットが形成されずに前記複数の分割部を連結する連結部が設けられている、
    衝突検出装置。
  2. 前記スリットは、前記車両の上下方向及び前後方向に沿って形成される、
    請求項1に記載の衝突検出装置。
  3. 前記スリットは、前記収容部と連通して形成され、又は前記収容部近傍まで延在して形成される、
    請求項1又は2に記載の衝突検出装置。
  4. 前記スリットは、前記衝撃吸収部材を前方視したときに、前記スリットの少なくとも一部と前記収容部とが重複する位置に形成される、
    請求項1〜3のいずれかに記載の衝突検出装置。
  5. 前記スリットは、前記衝撃吸収部材を平面視したときに、前記スリットの少なくとも一部と前記収容部とが重複する位置に形成される、
    請求項1〜4のいずれかに記載の衝突検出装置。
  6. 前記車両の上下方向において、前記スリットは、その上端が前記収容部の上端部より下方に位置するように形成される、
    請求項1〜5のいずれかに記載の衝突検出装置。
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