JP2016186330A - 転がり軸受 - Google Patents

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智彦 小畑
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光生 川村
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Abstract

【課題】簡易な手段により転動体上の過多なグリースを制御して回転トルクの低減を図り得る転がり軸受を提供する。【解決手段】転がり軸受1は、軌道輪である内輪2および外輪3と、内・外輪間に介在する複数の転動体4と、転動体4を保持する保持器5と、軸受内空間に封入されるグリース13とを備えてなり、保持器5は、環状の保持器本体7上に、軸方向一方側に開口して転動体4を保持するポケット9と、隣接するポケット間でポケット9の開口側に形成される溝部11とを有し、溝部11内の少なくとも一部に、繊維材または多孔質材からなるグリース保持体6を固定してなる。【選択図】図1

Description

本発明は、グリースで潤滑される転がり軸受に関する。
転がり軸受は、一般的に内輪、外輪、転動体、および保持器で構成されている。また、外部からの異物の侵入を防ぐためや、内部に封入した潤滑剤の流出を防ぐために、開口端部にシール部材が設けられる場合がある。軸受内部の潤滑は、グリースなどの潤滑剤により行われており、軸受の潤滑特性向上のために種々の工夫がなされている。
例えば、保持器に潤滑被膜を形成することによる潤滑特性向上技術として、特許文献1が提案されている。特許文献1には、高速・高荷重下でのスミアリング、焼付き、摩耗、ピーリングを防止するために、外方部材、内方部材、転動体などの表面に固体潤滑剤による所定の潤滑被膜がショットピーニング処理により形成された転動装置が記載されている(特許文献1参照)。また、潤滑剤や潤滑条件などを変更することによる潤滑特性向上技術として、特許文献2が提案されている。特許文献2には、耐剥離性、グリース漏れ性に優れ、かつ外輪回転軸受で使用しても早期焼付きを抑制できる軸受用グリース組成物として、所定のエステル油とジウレア化合物とを所定配合量で含むものが記載されている(特許文献2参照)。
その他、保持器の形状変更による潤滑特性向上技術として、特許文献3が提案されている。特許文献3には、軸受の回転トルクの低減を図るものとして、鋼板プレスにより形成された2枚の環状保持板で構成され、多角形状のポケットなどが形成された保持器を備えた深溝玉軸受が記載されている(特許文献3参照)。
特許第5045806号公報 特許第3330755号公報 特開2007−292195号公報
しかしながら、特許文献1の転動装置では、該装置を構成する部材における転動接触表面(軌道輪の軌道面や転動体自体の転動面)に潤滑被膜を形成するため、高い精度で該被膜の形成を行なう必要があり、製造コストも高くなる。また、特許文献2は封入グリースの改良により、潤滑特性を改善するものであるが、グリースのような半固体状潤滑剤を使用した場合は、潤滑剤に起因する攪拌抵抗のために回転トルクが大きくなる。近年における自動車や産業用機器などに用いる転がり軸受では、省エネルギー化を図るため、十分な潤滑寿命を確保しつつ、回転トルクを低減することは重要な課題である。
この課題に対して、特許文献3のような特殊形状の保持器を用いることで回転トルクの低減を図り得る。また、グリース種を最適化することや、グリース封入量自体を減らすことでも回転トルクの低減を図り得る。しかし、これらは製造コストの増加や軸受寿命の低下にも繋がるため、軸受形状、グリース種、グリース封入量などを既存品から大きく変更せずに、潤滑特性向上(特に回転トルクの低減)を図る技術の開発が望まれている。
また、転がり軸受内部におけるグリースの存在状態の影響として、運転中において転動体表面に過多のグリースが付着する毎に、転動体と軌道輪間に介在したグリースのせん断抵抗により回転トルクが大きくなるおそれがある。
本発明はこのような問題に対処するためになされたものであり、簡易な手段により転動体上の過多なグリースを制御して回転トルクの低減を図り得る転がり軸受を提供することを目的とする。
本発明の転がり軸受は、軌道輪である内輪および外輪と、この内・外輪間に介在する複数の転動体と、この転動体を保持する保持器と、軸受内空間に封入されるグリースとを備えてなる転がり軸受であって、上記保持器は、環状の保持器本体上に、軸方向一方側に開口して上記転動体を保持するポケットと、隣接する上記ポケット間で該ポケットの開口側に形成される溝部とを有し、上記溝部内の少なくとも一部に、繊維材または多孔質材からなるグリース保持体を固定してなることを特徴とする。
上記グリース保持体が、上記保持器の内外径面の一部または全面に固定されていることを特徴とする。また、上記グリース保持体が、上記溝部における保持器内外径面とのエッジ部の一部または全体に固定されていることを特徴とする。また、上記保持器は、上記ポケットの縁に形成された保持爪と、隣接する上記保持爪の背面相互間に形成された該保持爪の立ち上がり基準面となる平坦部とを有し、上記溝部が、上記保持爪と上記平坦部とから構成され、上記グリース保持体が、上記平坦部の一部または全面に固定されていることを特徴とする。
好ましい形態として、上記保持器は、上記ポケットの縁に形成された保持爪と、隣接する上記保持爪の背面相互間に形成された該保持爪の立ち上がり基準面となる平坦部とを有し、上記溝部が、上記保持爪と上記平坦部とから構成され、上記グリース保持体が、上記保持器の内外径面の全面、上記溝部における保持器内外径面とのエッジ部の全体、および、上記平坦部の全面に固定されていることを特徴とする。
上記グリース保持体は、上記繊維材である合成樹脂の短繊維を植毛してなることを特徴とする。
本発明の転がり軸受は、軌道輪である内輪および外輪と、この内・外輪間に介在する複数の転動体と、この転動体を保持する保持器と、軸受内空間に封入されるグリースとを備えてなり、上記保持器は、環状の保持器本体上に、軸方向一方側に開口して上記転動体を保持するポケットと、隣接する上記ポケット間で該ポケットの開口側に形成される溝部とを有し、この溝部内の少なくとも一部に、繊維材または多孔質材からなるグリース保持体を固定してなるので、溝部においてグリースが保持され、転動体上に過多なグリースが供給されることを防止できる。このため、転動体と軌道輪間でグリースがせん断されることを抑制でき、回転トルクを低減できる。
また、上記構成に加えて、グリース保持体が保持器の内外径面の一部または全面に固定されているので、保持器においてよりグリースが保持でき、更に回転トルクを低減できる。
上記グリース保持体が、繊維材である合成樹脂の短繊維を植毛してなるので、表面積を増加させやすく、グリースの保持性に優れる。また、油による膨潤や溶解などが生じにくく化学的に安定である。
本発明の一実施例に係る転がり軸受の一部断面図と保持器の一部斜視図である。 保持器の一形態(実施例1、2)を示す図である。 保持器の他の形態(実施例3)を示す図である。 保持器の他の形態(実施例4)を示す図である。 保持器の他の形態(比較例1)を示す図である。 回転トルクの経時変化(実施例1、2)を示す図である。 回転トルクの経時変化(実施例3、4)を示す図である。 回転トルクの経時変化(比較例1)を示す図である。 トルク測定後の軸受(実施例1、2)の状態を示す写真である。 トルク測定後の軸受(実施例3、4)の状態を示す写真である。 トルク測定後の軸受(比較例1)の状態を示す写真である。
本発明の転がり軸受の一例を図1に基づき説明する。図1(a)は、本発明の転がり軸受として所定の樹脂製冠形保持器を組み込んだ深溝玉軸受の一部断面図であり、図1(b)は、この冠形保持器の一部斜視図である。図1(a)に示すように、転がり軸受1は、外周面に軌道面2aを有する内輪2と、内周面に軌道面3aを有する外輪3とが同心に配置される。内輪の軌道面2aと外輪の軌道面3aとの間に複数個の転動体4が介在して配置される。この複数個の転動体4が、冠形の保持器5により保持される。また、転がり軸受1は、内・外輪の軸方向両端開口部に設けられた環状のシール部材12を備え、内輪2と外輪3と保持器5とシール部材12とで構成される軸受内空間に封入されたグリース13によって潤滑される。
図1(b)に示すように、冠形の保持器5は、環状の保持器本体7上に、軸方向一方側に開口して転動体を保持するポケット9と、隣接するポケット間でポケット9の開口側に形成される溝部11とを備える。より詳細には、環状の保持器本体7上に周方向に一定ピッチをおいて対向一対の保持爪8を形成し、その対向する各保持爪8を相互に接近する方向にわん曲させるとともに、その保持爪8間に転動体である玉を保持するポケット9を形成したものである。隣接するポケット9の縁に形成された相互に隣接する保持爪8の背面相互間に、保持爪8の立ち上がり基準面となる平坦部10が形成され、これら保持爪8と平坦部10とで溝部11が構成される。すなわち、保持爪8の背面(ポケット反対側面)が溝部11の内側面を、平坦部10の表面が溝部11の底面を、それぞれ構成する。
本発明の転がり軸受は、該構造の冠形の保持器5において、溝部11内に、繊維材または多孔質材からなるグリース保持体6を固定してなることを特徴としている。図1(b)に示す網掛け部分がグリース保持体の最大形成箇所である。この溝部11の表面に、グリース保持体6を固定した構造とすることで、該溝部内にグリースが保持され、転動体上に過多なグリースが供給されることを防止でき、回転トルクを安定的に低減できる。
グリース保持体6は、繊維材または多孔質材からなる。これらを用いることで溝部における表面積が増加してグリース保持性が向上する。繊維材としては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂、ナイロンなどのポリアミド樹脂、芳香族ポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンテフタレートなどのポリエステル樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル、ビニロンなどの合成樹脂繊維、カーボン繊維、グラスファイバーなどの無機繊維、レーヨン、アセテートなどの再生繊維や、綿、絹、麻、羊毛などの天然繊維が挙げられる。また、多孔質材としては、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリオレフィン、フェノール、ポリ塩化ビニルなどの合成樹脂や、天然ゴム、クロロプレンゴム、エチレンプロピレンゴム、ニトリルゴム、シリコンゴム、スチレンブタジエンゴムなどのゴムを発泡して得られるフォームが挙げられる。
繊維材からなるグリース保持体は、これら繊維を植毛して形成される。固定は接着剤によりなされる。植毛方法としては、吹き付けや静電植毛を採用できる。エッジ部などにおいても、多量の繊維を短時間で密に植毛できることから、静電植毛を採用することが好ましい。静電植毛方法としては、公知の方法を採用でき、例えば、静電植毛する範囲に接着剤を塗布し、繊維を帯電させて静電気力により上記接着剤塗布面に略垂直に植毛した後、乾燥工程・仕上げ工程などを行なう方法が挙げられる。また、多孔質材からなるグリース保持体は、予め所定形状に形成・加工したものを接着剤などにより接着固定して設けられる。
グリース保持体の接着に用いる接着剤としては、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂などを主成分とする接着剤が挙げられる。例えば、ウレタン樹脂溶剤系接着剤、エポキシ樹脂溶剤系接着剤、酢酸ビニル樹脂溶剤系接着剤、アクリル樹脂系エマルジョン接着剤、アクリル酸エステル−酢酸ビニル共重合体系エマルジョン接着剤、酢酸ビニル系エマルジョン接着剤、ウレタン樹脂系エマルジョン接着剤、エポキシ樹脂系エマルジョン接着剤、ポリエステル系エマルジョン接着剤、エチレン−酢酸ビニル共重合体系接着剤などが挙げられる。これらは単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記の繊維材の中でも、油による膨潤や溶解などが生じにくく化学的に安定であり、均質な繊維を多量に生産することができ、安価に入手することができるため、合成樹脂の短繊維を用いることが好ましい。さらに、合成樹脂の中でも樹脂製冠形保持器の材料として広く使用されているポリアミド樹脂を使用することで、軸受の使用条件を落とすことなく該軸受を使用することが可能である。
繊維(短繊維)の形状としては、グリース保持体の形成箇所において、軸受機能に悪影響を与えるような他部材との干渉がない形状であれば特に限定されない。具体的な形状としては、例えば、長さ0.5〜2.0mm、太さ0.5〜50デシテックスのものが好ましく、保持体である植毛部の繊維の密度としては、植毛した面積あたりに繊維の占める割合が10〜40%が好ましい。特に長さについては、0.6〜1.5mmが好ましく、0.6〜1.0mmが特に好ましい。
また、保持器の材質については、金属材料や樹脂材料など、任意の材料を採用できる。図1〜図4に示す冠形保持器などは樹脂製である。例えば、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂、ポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂、熱可塑性ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ナイロン66樹脂、ナイロン46樹脂などのポリアミド樹脂を樹脂母材とし、炭素繊維、ガラス繊維などの強化繊維と、他の添加剤を配合した樹脂組成物を用いて、射出成形により製造される。
本発明におけるグリース保持体は、保持器の溝部の少なくとも一部に固定してあればよい。グリース保持体は、溝部の表面に薄く固定し、溝部にグリースを保持できるスペースを十分に確保する。また、溝部に加えて保持器の内外径面にグリース保持体を固定する形態としてもよい。なお、転動体と直接に接触するポケット表面にはグリース保持体を固定しないことが好ましい。これは、ポケットの形状が崩れ、転動体の拘束や、固定に用いる接着剤と転動体との接触により転動体にキズが発生し得るためである。
図2〜図4に基づき、グリース保持体(植毛部)の固定(形成)箇所の具体例について説明する。図2〜図4は、グリース保持体である植毛部が形成された冠形保持器の一部斜視図である。図2に示す形態の保持器5は、外径面5aおよび内径面5bの全面と、溝部11における内外径面5a、5bとのエッジ部の全体に、植毛部6aが形成されている。ここで、溝部11における内外径面5a、5bとのエッジ部は、具体的には、保持爪8の背面と内外径面5a、5bとのエッジ部と、平坦部10と内外径面5a、5bとのエッジ部である。
図3に示す形態の保持器5は、外径面5aおよび内径面5bの全面と、溝部11における内外径面5a、5bとのエッジ部の全体と、溝部11における平坦部10の全面に、植毛部6aが形成されている。すなわち、この形態は、図2に示す形態に加えて、平坦部10の全面にも植毛部6aを形成したものである。
図4に示す形態の保持器5は、内外径面5a、5bのうちの円周方向で平坦部10にかかる部分(柱部部分)を除いた全面と、溝部11における保持爪8の背面と内外径面5a、5bとのエッジ部の全体に、植毛部6aが形成されている。
本発明の転がり軸受は、グリースで潤滑される。グリースは軸受内空間に封入され、軌道面などに介在して潤滑がなされる。グリースを構成する基油としては、通常、転がり軸受に用いられるものであれば特に制限なく用いることができる。例えば、パラフィン系鉱油、ナフテン系鉱油などの鉱油、ポリブテン油、ポリ−α−オレフィン油、アルキルベンゼン油、アルキルナフタレン油などの炭化水素系合成油、または、天然油脂やポリオールエステル油、りん酸エステル油、ジエステル油、ポリグリコール油、シリコーン油、ポリフェニルエーテル油、アルキルジフェニルエーテル油、フッ素化油などの非炭化水素系合成油などが挙げられる。これらの潤滑油は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。また、グリースを構成する増ちょう剤としては、例えば、アルミニウム石けん、リチウム石けん、ナトリウム石けん、複合リチウム石けん、複合カルシウム石けん、複合アルミニウム石けんなどの金属石けん系増ちょう剤、ジウレア化合物、ポリウレア化合物などのウレア系化合物、PTFE樹脂などのフッ素樹脂粉末が挙げられる。これらの増ちょう剤は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
また、グリースには、必要に応じて公知の添加剤を添加できる。添加剤としては、例えば、有機亜鉛化合物、有機モリブデン化合物などの極圧剤、アミン系、フェノール系、イオウ系化合物などの酸化防止剤、イオウ系、リン系化合物などの摩耗抑制剤、多価アルコールエステルなどの防錆剤、ポリメタクリレート、ポリスチレンなどの粘度指数向上剤、二硫化モリブデン、グラファイトなどの固体潤滑剤、エステル、アルコールなどの油性剤などが挙げられる。
グリースの封入量は、所望の潤滑特性を確保できる範囲であれば特に限定されないが、軸受内空間における静止空間体積の50%〜80%(体積比率)程度とすることが好ましい。本発明では所定のグリース保持体の配置により、グリースのせん断抵抗の低減が図れるため、グリース封入量を上記範囲としながらも、回転トルクの低減が図れる。
以上、各図などに基づき本発明の実施形態を説明したが、本発明の転がり軸受はこれらに限定されるものではない。例えば、アンギュラ玉軸受、スラスト玉軸受、円筒ころ軸受、針状ころ軸受、スラスト円筒ころ軸受、スラスト針状ころ軸受、円すいころ軸受、スラスト円すいころ軸受、自動調心玉軸受、自動調心ころ軸受、スラスト自動調心ころ軸受などの任意の転がり軸受に適用できる。また、これらの転がり軸受に対して、シール部材(シールド板)の有無は問わず適用できる。
実施例1
6204転がり軸受(深溝玉軸受)に使用可能な図2の形状の樹脂製冠形保持器を射出成形により製造した。樹脂材質は、ナイロン66(ガラス繊維25体積%配合)である。この保持器の図2に示す位置に接着剤を塗布し、静電植毛により、繊維長0.8mmのナイロン66短繊維からなる植毛部を形成した。この保持器を6204転がり軸受(深溝玉軸受)に組み込み、軸受内空間にグリース(リチウム石けん+エステル油)を静止空間体積比で70体積%封入し、シールド板で封止して試験軸受とした。得られた試験軸受を下記のトルク測定試験に供し、回転トルクの経時変化を調べた。
<トルク測定試験>
縦型に試験軸受を固定し、回転数3600rpm、室温(25℃)雰囲気、外輪にアキシャル荷重20Nを負荷してロードセルで拘束し、内輪回転として、軸受で発生する回転トルクを算出した。
実施例2
実施例1と同材質・同形状の樹脂製冠形保持器を射出成形により製造した。この保持器の図2に示す位置に、繊維長0.5mmのナイロン66短繊維を用いる以外は実施例1と同様にして植毛部を形成した。この保持器を6204転がり軸受(深溝玉軸受)に組み込み、実施例1と同条件で上記トルク測定試験に供し、回転トルクの経時変化を調べた。
実施例3、実施例4、および比較例1
実施例1と同材質・同形状の樹脂製冠形保持器を射出成形により製造した。この保持器について、実施例3では図3に示す位置に、実施例4では図4に示す位置に、比較例1では図5に示す位置に、実施例1と同様(繊維長0.8mmのナイロン66短繊維を使用)にして植毛部を形成した。この保持器を6204転がり軸受(深溝玉軸受)に組み込み、実施例1と同条件で上記トルク測定試験に供し、回転トルクの経時変化を調べた。なお、比較例1とした図5に示す形態の保持器5は、外径面5aおよび内径面5bの全面に植毛部6aを形成し、溝部11には植毛部を形成していない。
図6に実施例1、2におけるトルク測定試験の結果を、図7に実施例3、4におけるトルク測定試験の結果を、図8に比較例1におけるトルク測定試験の結果を、それぞれ示す。また、図9に試験後(試験時間は約3時間)における実施例1、2の軸受の状態を、図10に同様に実施例3、4の軸受の状態を、図11に同様に比較例1の軸受の状態を、それぞれ示す。なお、図6〜8において、横軸は運転時間(h)を、縦軸は回転トルク(N・mm)をそれぞれ示す。
比較例1(図5、8、11)は、トルクが安定するまで1h以上時間を要し、その後大きなトルクスパイクも起こった。試験後の軸受内の観察結果より、溝部にグリースがランダムに存在し、運転中にグリースが溜まったり排出されたりを繰り返していたことが分かる。
実施例1(図2、6、9)は、トルクが運転後5分以内に安定し、その後大きなトルクスパイクなく5N・mm程度(小さなトルクスパイク7N・mm)であった。試験後の軸受内の観察結果より、溝部にグリースが保持されていることが分かった。このことから、溝部の植毛繊維が該溝部にグリースを保持し、運転初期からグリースの攪拌を防止しグリース攪拌トルクを低減できたものと考えられる。
実施例2(図2、6、9)は、実施例1と同様にトルクが運転後5分以内に低減していくが、その後若干大きなトルクスパイクが数度起こった。試験後の軸受内の観察結果より、数か所の溝部にグリースが保持されていないことが分かった。実施例1と比較して繊維長が短いため、溝部でのグリース保持効果が低下し、運転中の遠心力によってグリースが溝部から飛び出し攪拌されていた。
実施例3(図3、7、10)は、トルクが運転後5分以内に安定し、その後トルクスパイクなく5N・mm以下であった。試験後の軸受内の観察結果より、実施例1よりもさらに溝部に隙間なくグリースが保持されていることが分かった。これは溝部の平坦部の植毛繊維によりグリース保持効果が増したためであると考えられる。
実施例4(図4、7、10)は、トルクが運転後5分以内に安定し、その後トルクスパイクなく7N・mm程度であった。試験後の軸受内の観察結果より、実施例1、3と比較すると溝部のグリース保持効果がやや低いことが分かる。これは溝部の平坦部のエッジ部に植毛繊維がないことで溝部でのグリース保持効果が低下し、微量のグリースが溝部から転動体もしくは軌道輪へ移動し攪拌されていたため、トルクが実施例1、3と比べ増加したと考えられる。
本発明の転がり軸受は、簡易な手段により転動体上の過多なグリースを制御して回転トルクの低減を図り得るので、種々の用途における転がり軸受として広く利用できる。
1 転がり軸受
2 内輪
3 外輪
4 転動体
5 保持器
6 グリース保持体
6a 植毛部
7 保持器本体
8 保持爪
9 ポケット
10 平坦部
11 溝部
12 シール部材
13 グリース

Claims (6)

  1. 軌道輪である内輪および外輪と、この内・外輪間に介在する複数の転動体と、この転動体を保持する保持器と、軸受内空間に封入されるグリースとを備えてなる転がり軸受であって、
    前記保持器は、環状の保持器本体上に、軸方向一方側に開口して前記転動体を保持するポケットと、隣接する前記ポケット間で該ポケットの開口側に形成される溝部とを有し、
    前記溝部内の少なくとも一部に、繊維材または多孔質材からなるグリース保持体を固定してなることを特徴とする転がり軸受。
  2. 前記グリース保持体が、前記保持器の内外径面の一部または全面に固定されていることを特徴とする請求項1記載の転がり軸受。
  3. 前記グリース保持体が、前記溝部における保持器内外径面とのエッジ部の一部または全体に固定されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の転がり軸受。
  4. 前記保持器は、前記ポケットの縁に形成された保持爪と、隣接する前記保持爪の背面相互間に形成された該保持爪の立ち上がり基準面となる平坦部とを有し、
    前記溝部が、前記保持爪と前記平坦部とから構成され、
    前記グリース保持体が、前記平坦部の一部または全面に固定されていることを特徴とする請求項1、請求項2または請求項3記載の転がり軸受。
  5. 前記保持器は、前記ポケットの縁に形成された保持爪と、隣接する前記保持爪の背面相互間に形成された該保持爪の立ち上がり基準面となる平坦部とを有し、
    前記溝部が、前記保持爪と前記平坦部とから構成され、
    前記グリース保持体が、前記保持器の内外径面の全面、前記溝部における保持器内外径面とのエッジ部の全体、および、前記平坦部の全面に固定されていることを特徴とする請求項1記載の転がり軸受。
  6. 前記グリース保持体は、前記繊維材である合成樹脂の短繊維を植毛してなることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか1項記載の転がり軸受。
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