JP2016185702A - 疎水性凹凸面を有する構造体及び疎水性凹凸面の形成方法 - Google Patents

疎水性凹凸面を有する構造体及び疎水性凹凸面の形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】疎水性微粒子とワックスとを使用するが、有機溶媒を全く使用せずに形成された疎水性凹凸面を有する構造体を提供する。【解決手段】下地樹脂層1の表面には、ワックス3と、疎水性微粒子5の表面が露出し分布して存在しており、前記下地樹脂は、前記ワックスが吸収されていることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、疎水性凹凸面を有する構造体に関するものであり、より詳細には、疎水性微粒子が表面に分布していることにより、疎水性の凹凸面が形成されている構造体に関するものであり、さらには、その製造方法にも関する。
プラスチックは、成形が容易であり、種々の形態に容易に成形できることなどから、各種の用途に広く使用されており、例えば、各種飲料、食油、調味液、或いはヨーグルトのようなゲル状の粘稠な食品、さらには液体洗剤や糊などを収容するための容器として好適に使用されている。
ところで、液状の内容物或いはゲル状の内容物が収容されている容器では、内容物の容器内面への付着残存を有効に防止し(内容物の非付着性)、或いは内容物を容器から速やかに排出すること(内容物の滑落性)が求められる場合が多い。
内容物に対する非付着性や滑落性(以下、これらの特性を滑り性と呼ぶことがある)を高めるための手段としては、内容物と接触する表面に、疎水性微粒子を分布させたり、該表面をワックス固形分で被覆するなどの手段が知られている(例えば、特許文献1〜3参照)。
即ち、これらの公知の手段は、内容物と接触する表面に、疎水性微粒子やワックスを存在させておくことにより、水分を含有する内容物に対して、優れた滑り性を付与するというものである。特に、疎水性微粒子が表面に分布している場合には、表面に凹凸が形成され、これにより、内容物に対する滑り性が大きく向上するものとなっている。即ち、凹凸の表面を内容物が移動する場合、凹凸間に存在する空気と接触しながら内容物が移動するが、空気は最も撥水性が大きい。従って、疎水性微粒子が示す撥水性と凹凸による撥水性とが相俟って、内容物に対する滑り性が大きく増大するわけである。
特開2012−228787 特許第5490574号 特許第4348401号
しかしながら、疎水性微粒子やワックスを用いた従来公知の手段は、何れも、これらの成分を有機溶媒に溶解した塗布液を使用し、この塗布液を表面に塗布し、乾燥するという手段を使用しているため、溶媒除去のために環境に対する負荷が大きいという問題があった。
従って、本発明の目的は、疎水性微粒子とワックスとを使用するが、有機溶媒を全く使用せずに形成された疎水性凹凸面を有する構造体を提供することにある。
本発明の他の目的は、上記のような疎水性凹凸面を構造体表面に形成する方法を提供することにある。
本発明によれば、表面を形成している下地樹脂層の上に疎水性微粒子が分布している表面構造を有する構造体であって、該下地樹脂層にはワックスが吸収されていることを特徴とする構造体が提供される。
本発明の構造体においては、
(1)前記下地樹脂層の上に、前記ワックスがメタボール状に連なったメタボール立体層が形成されており、該メタボール立体層の内部に、前記疎水性微粒子が分布していること、
(2)前記メタボール立体層は、走査型電子顕微鏡で観察して、20〜200nmの径のボールの連結構造を有していること、
(3)前記疎水性微粒子は、4nm〜1μmの平均一次粒径を有していること、
(4)前記メタボール立体層が、前記微粒子と前記ワックスとを含む組成物の塗布層であること、
(5)前記ワックスの融点が40℃〜110℃の範囲にあること、
(6)前記下地樹脂層が、前記ワックスと相容性を有する樹脂により形成されていること、
(7)前記下地樹脂層がオレフィン系樹脂により形成されており、前記ワックスが、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、或いはポリエチレンワックスの少なくとも1種であること、
(8)容器の形態を有しており、容器に収容される内容物と接触する側の内面に、前記疎水微粒子が分布している表面構造が形成されていること、
が好ましく、特に、
(9)前記容器がオレフィン系樹脂製のボトルであること、
(10)前記容器が紙を基材とした容器であること、
がより好ましい。
また、本発明の構造体は、
(10)容器口部にヒートシールにより施される蓋材の形態を有しており、容器に収容されている内容物と接触する側の面に、前記疎水微粒子が分布している表面構造が形成されていること、
という態様も採り得る。
また、本発明によれば、構造体表面に疎水性凹凸面を形成する方法として、
少なくとも疎水性微粒子と溶融したワックスとを含む非溶媒塗布組成物と、表面がワックス吸収性樹脂の層により形成された構造体を用意する工程;
前記非溶媒塗布組成物を前記構造体の表面に塗布する工程;
次いで、前記構造体の表面を前記ワックスの融点以上の温度に加熱し該ワックスが溶融した状態を保持することにより、表面のワックス吸収性樹脂層に前記ワックスを吸収させた後、冷却する工程;
を含むことを特徴とする方法が提供される。
本発明によれば、さらに、構造体表面に疎水性凹凸面を形成する他の方法として、
ワックス吸収性樹脂を用いての押出成形により、表面が該ワックス吸収性樹脂の層により形成された構造体を製造するに際し、該ワックス吸収性樹脂の層に隣接し且つ表面側となる位置に、少なくとも疎水性微粒子と溶融したワックスとを含む組成物を共押出することを特徴とする方法が提供される。
本発明の構造体では、ワックスが吸収されている下地樹脂層の上に疎水性微粒子が分布しており、このような疎水性微粒子に由来して、この構造体表面には、疎水性の凹凸面が形成され、これにより、水分含有の物質に対する滑り性が大きく向上している。
上記のようなワックス吸収下地樹脂層に形成される疎水性の凹凸面は、また、本発明においては、上記下地樹脂層にはワックスが吸収されている。即ち、有機溶媒を用いずに形成することができ、これが本発明の最大の利点である。 具体的には、ワックス吸収性の樹脂により形成された表面を有する構造体を成形し、この表面上に、溶融状態のワックスに疎水性微粒子が分散されている塗布組成物を塗布し、次いで、このワックスの融点以上に加熱する。これにより、ワックスは、表面の樹脂層中に吸収され、疎水性微粒子が表面に付着して分布した構造となる。
上記の方法によれば、加熱時間や加熱温度等を調整することにより、下地樹脂層の表面に形成される疎水性凹凸面の凹凸の程度を調整することができる。例えば、加熱時間を長くし或いは加熱温度を高くするほど、塗布組成物からワックス吸収性の下地樹脂層へのワックスの吸収量が多くなる。
即ち、塗布組成物中のワックスのほとんどを下地樹脂層中に吸収させた場合には、下地樹脂層の表面に薄いワックス層が形成され、このような薄いワックス層から疎水微粒子が突出しており、これにより疎水性凹凸面が形成されることとなる。薄いワックス層から突出した疎水性微粒子は、該粒子自体が露出していることもあるし、場合によっては、粒子表面にワックス層が形成された状態で突出していることもあり、このような疎水性凹凸面の凹凸の程度は、疎水性微粒子の粒径に大きく依存している。 また、用いる疎水性微粒子の粒径を小さなものとし、下地樹脂層へのワックスの吸収量をある程度制限することにより、下地樹脂層の上に、前記ワックスがメタボール状に連なったメタボール立体層を形成することができ、このようなメタボール立体層の内部には、疎水性微粒子が分布しており、このようなメタボール立体層により疎水性凹凸面が形成される。かかる疎水性凹凸面では、互いに連結している一つのメタボールの内部に複数の疎水性粒子が分布しており、本発明では、最も高い滑り性を発揮する。
また、本発明では、共押出を利用して、ワックスが吸収された下地樹脂層の表面に疎水性微粒子が分布した疎水性凹凸面を形成することができる。 即ち、ワックス吸収性の樹脂の溶融物を押出しての押出成形により表面に該樹脂層を有する構造体を成形するに際して、この樹脂層に隣接し且つ表面側となる位置に、ワックスの溶融物に疎水性微粒子が分散された組成物を共押出する。これにより、疎水性微粒子の分散媒であるワックスは、隣接する樹脂層中に吸収され、表面に疎水性微粒子が分布した疎水性凹凸面を形成することができる。 このような方法によっても、有機溶媒を用いることなく、疎水性凹凸面を形成することができる。このようにして形成される疎水性凹凸面では、やはり、上記と同様、内部に疎水性微粒子が分布したメタボール立体層により疎水性凹凸面が形成される。
このように、前述した本発明の構造体が有している疎水性微粒子による疎水性の凹凸面は、有機溶媒を使用せずに形成することができ、これは、加熱に際して揮散する有機溶媒の捕集等のための負担が完全に不要となり、生産効率の大幅な上昇やコストの低減を図り、環境に対する悪影響も回避することができ、工業的実施に極めて有利となる。
本発明の構造体の表面に形成されているもっとも好適な疎水性凹凸面を示す概略断面図。 本発明の構造体の表面に形成される疎水性凹凸面の他の例を示す概略断面図。 本発明の構造体の好適な形態であるダイレクトブローボトルの形態を示す図。 実施例1において、加熱工程前に原子間力顕微鏡を用いて表面形状の測定を実施することによって得られた3次元像。 実施例1において、加熱工程後に原子間力顕微鏡を用いて表面形状の測定を実施することによって得られた3次元像。 実施例1において、加熱工程前に走査型電子顕微鏡を用いて、表面観察を実施することによって得られた観察画像(10,000倍)。 実施例1において、加熱工程前に走査型電子顕微鏡を用いて、表面観察を実施することによって得られた観察画像(100,000倍)。 実施例1において、加熱工程後に走査型電子顕微鏡を用いて、表面観察を実施することによって得られた観察画像(10,000倍)。 実施例1において、加熱工程後に走査型電子顕微鏡を用いて、表面観察を実施することによって得られた観察画像(100,000倍)。 実施例2において、加熱工程後に走査型電子顕微鏡を用いて、表面観察を実施することによって得られた観察画像(10,000倍)。 実施例2において、加熱工程後に走査型電子顕微鏡を用いて、表面観察を実施することによって得られた観察画像(100,000倍)。 実施例2において、加熱工程後に透過型電子顕微鏡を用いて、断面観察を実施することによって得られた観察画像。 実施例3において、加熱工程後に走査型電子顕微鏡を用いて、表面観察を実施することによって得られた観察画像(10,000倍)。 実施例3において、加熱工程後に走査型電子顕微鏡を用いて、表面観察を実施することによって得られた観察画像(100,000倍)。
<構造体の表面構造>
本発明の構造体の表面構造は、疎水性凹凸面を有するものであるが、このような表面構造を形成している最も好適な疎水性凹凸面を示す図1を参照して、全体として10で示す構造体は、表面にワックス吸収性の下地樹脂層1を有しており、この下地樹脂層1には、ワックス3が吸収されている。このようなワックスが吸収されている下地樹脂層1上に、メタボール立体層5が形成されている。
このメタボール立体層5は、ワックス3により形成された球形状のメタボール5aが連結した状態となっており、図1から理解されるように、1個のメタボール5aの内部に、複数の疎水性微粒子7が分布している。このようなメタボール立体層5により疎水性凹凸面が形成されるわけであるが、一般に、かかるメタボール立体層5におけるメタボール5aの径(円相当径)は、走査型電子顕微鏡で測定して20〜200nm、特に50〜150nmの範囲にある。また、かかる立体層5は、メタボール5aの連結により形成されているため、その内部には、空隙9が存在している。このようなメタボール立体層5は、内部に空隙を含んだ凹凸度の高い凹凸面となり、しかも、疎水性のワックス3と疎水性微粒子7とにより形成されているため、高い疎水性を示し、水分含有物質や親水性の物質に対して極めて高い滑り性を示す。
上記のようなメタボール立体層5は、疎水性微粒子7と溶融した状態のワックス3とを含む非溶媒塗布組成物を用い、該非溶媒塗布組成物を下地樹脂層1上に塗布し、ワックス3の溶融状態が維持されるように構造体10の表面)下地樹脂層1の表面)を加熱して、ワックス3の一部を下地樹脂層1に吸収させた後、冷却することにより形成される。
即ち、疎水性凹凸面を形成しているメタボール立体層5は、疎水性微粒子7を溶融状態にあるワックス3と共存させた状態で、下地樹脂層1中にワックス3を吸収させることにより初めて形成される極めて特異的な構造である。複数個の疎水性微粒子7を内部に含んだ状態で溶融したワックス3が存在しており、この状態でワックス3が下地樹脂層1に吸収されていくため、疎水性微粒子7から離れた部分に存在しているワックス3が優先的に下地樹脂層1に吸収されていき、疎水性微粒子7の近傍に位置するワックス3が疎水性微粒子7と共に下地樹脂層1上に残り、この状態で溶融したワックス3が冷却固化することにより、滑らかな面を有する球形もしくは球形に近い形のワックス3のメタボールの内部に、複数個の疎水性微粒子7が分布しており、このようなメタボールが連結しており且つ内部に空隙9を含んだ構造のメタボール立体層5が、ワックス3が吸収されている下地樹脂層1上に形成されることとなる。上記のようなメタボールの形状は、例えば、物質の化学構造を空間的に示す際に広く用いられている空間充填モデル(Space−filing model)に似ている。
このようなメタボール立体層5の形成は、後述する実施例に示されているように、原子間力顕微鏡や走査型電子顕微鏡により確認することができる。
また、上記の説明から理解されるように、疎水性微粒子7と溶融した状態のワックス3とを含む非溶媒塗布組成物の塗布層を、上記のようなメタボール立体層5が形成された後もさらに加熱してワックス3を溶融状態に保持していくと、疎水性微粒子7の周りに存在している溶融したワックス3が下地樹脂層1の表面側に落下していく。この結果、ワックス3を吸収している下地樹脂層1上に、ワックス3の薄層3aが形成され、疎水性微粒子7は、この薄層3aから突出した状態で分布することとなる。この疎水性微粒子7の薄層3aから突出している部分では、疎水微粒子7の表面が露出しているか或いは微量のワックス3が表面を覆う形で存在している。
このような表面構造においても、疎水性凹凸面が形成されており、前述したメタボール立体層5と比較すると、凹凸の程度が低く且つ内部に空隙9を含んでいないため、滑り性という観点ではやや劣ったものとなるが、疎水性微粒子7を安定に保持することができ、その滑り性を長期にわたって安定に発揮することができる。かかる薄層3aの厚みは、通常、滑り性及び疎水性微粒子7の保持性を確保するという観点で、2nm〜1μm程度の範囲にあることが望ましい。
尚、上記のような図2の状態から引き続いて加熱してワックス3を溶融状態に保持していくと、薄層3aを形成しているワックス3も下地樹脂層1に吸収され、この結果、下地樹脂層1の表面には、疎水性微粒子7のみが残る。この状態でも表面に分布した疎水性微粒子7により疎水性凹凸面が形成されており、しかも下地樹脂層1の表面が疎水性を示すワックス3を含んでいるため、ある程度の滑り性を示すが、図1や図2の形態と比較すると、疎水性微粒子7の脱落を生じ易く、滑り性を長期にわたって発揮させるには適当でない。
ワックス吸収性の樹脂層(下地樹脂層)1;
本発明において、下地樹脂層1は、ワックス(炭化水素系ワックス、エステル系ワックスなど)を吸収し得るものである。下地樹脂層1のワックス吸収性は、用いるワックスを溶融して下地樹脂層1上に塗布し、その吸収性(体積変化)を確認することにより、吸収性の有無を判断することができるので、これを利用して下地樹脂層1に用いる樹脂を、用いるワックスの種類に応じて選択することができる。また、下地樹脂層1に用いる樹脂の種類に応じてワックスの種類を選択することもできる。
本発明においては、一般的には、疎水性が高く(例えば、水に対する接触角(23℃で測定)が70度以上、特に好ましくは85度以上)、分子鎖には極性基を含んでおらず、しかも、比較的ルーズな構造を有しており、架橋構造を有していない熱可塑性樹脂、具体的には、オレフィン系もしくはポリエステル系樹脂を用いて下地樹脂層1を形成することが好適である。
このようなオレフィン系及びポリエステル系樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ1−ブテン、ポリ4−メチル−1−ペンテンあるいはエチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、酢酸ビニル等のα−オレフィン同士のランダムあるいはブロック共重合体、環状オレフィン共重合体、ポリエステル系樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートやポリ乳酸などを例示することができ、必要に応じてこれらをブレンドして使用することもできる。
また、下地樹脂層1を形成する樹脂は、少なくともフィルムを形成し得る程度の分子量を有しているが、その分子量が極端に高いもの(例えば超高分子量ポリエチレンなど)は、ワックスの吸収性をほとんど示さなくなってしまう。従って、一般的には、通常の押出グレードのメルトフローレート(MFR)を有するものを用いるのがよく、特に低密度ポリエチレン(LDPE)、ポリプロピレンやポリエチレンテレフタレート(PET)が、ワックスの吸収性と同時に、成形性も優れているという点で好適である。
上記のようなワックス吸収性の下地樹脂層1の厚みは、特に制限されるものではないが、一般的には、5〜200μm、特に10〜100μm程度の厚みを有していることが好ましい。この厚みが薄すぎると、ワックス3の吸収量が少なくなってしまい、この結果、メタボール立体層5が形成されにくくなってしまい、表面の凹凸による疎水性効果が低減してしまうおそれがある。また、下地樹脂層1の厚みが必要以上に厚いと、用いたワックス3のほとんど全てが下地樹脂層1に吸収されてしまい易く、例えば図1或いは図2に示されているような構造が形成されるようにコントロールすることが困難となるおそれがある。即ち、疎水性微粒子7が直接下地樹脂層1の表面に分布した構造となり易く、疎水性微粒子7の保持力が低下してしまい、その脱落を生じ易く、安定した滑り性を確保することが困難となる傾向がある。
本発明においては、上述のワックス吸収性の下地樹脂層1のワックス吸収能を有効に活用するため、溶融状態にあるワックス3を下地樹脂層1に吸収させる際の樹脂の結晶化度が60%未満、好ましくは50%未満のものを用いるのが好ましい。換言すると、結晶化度がかかる範囲内に維持されている状態で且つ下地樹脂の融点未満の温度で、溶融状態のワックス3を下地樹脂層1に吸収させることが好適である。即ち、下地樹脂の結晶化度が高い状態で溶融状態にあるワックス3を下地樹脂層1に吸収させようとすると、該樹脂がワックス3との相容性が良好であったとしても、結晶成分が多く存在するため、ワックス3の吸収性が低下し、ワックス吸収量が不十分となり、図1に示すようなメタボール立体層5の形成が困難となり、また、図2に示すようなワックス3の薄層3aから疎水性微粒子7が突出した構造も形成されなくなってしまうおそれがある。
尚、下地樹脂の結晶化度は、該樹脂のDSC昇温曲線より測定することができるので、この曲線に基づき、結晶化度が上記範囲となるような温度領域で且つ該樹脂の融点未満の温度で、ワックス3を下地樹脂層1に吸収させればよい。
ワックス3;
本発明において用いるワックス3は、疎水性微粒子7の分散媒として使用されるものであるが、同時に、構造体10の表面(下地樹脂層1の表面)に分布している場合においても、疎水性を示し、その滑り性を阻害しないという特性を有している。
例えば、パラフィンワックスの場合、石油の精製工程から製造される常温で白色の固体であり、炭素数が20〜30程度の直鎖状のパラフィンを主成分とし、少量のイソパラフィンを含むものである。
植物系ワックスの例としてカルナバワックスを挙げると、カルナバヤシから採取される淡黄色〜淡褐色の固体であり、炭素数が16〜34のヒドロキシ酸エステルを主成分とするものである。
本発明においては、このようなワックス3の中でも、融点が50〜100℃の範囲にあるものが特に好適である。即ち、ワックス3の融点が低すぎると、夏場等において、この構造体10の使用中にワックス3が流れてしまい、これと共に、図1におけるメタボール立体層5や図2で示されているワックス3の薄層3aが脱落してしまうおそれがある。また、ワックス3の融点が高すぎると、ワックス3を樹脂層1に吸収させるための加熱温度を高温としなければならず、その作業が押出成形に限定されてしまったり、或いはワックス3の樹脂層1への吸収を効果的に行うことが困難となる恐れもある。
また、本発明においては、融点が上記範囲内であることを条件として、合成炭化水素ワックス、植物系ワックス、動物系ワックス、鉱物系ワックス等も使用することができる。
さらに、本発明で用いるワックス3は、例えば下地樹脂層1にオレフィン系樹脂を用いた場合はパラフィンワックス、ポリエチレンワックス、マイクロクリスタリンワックスが好適であり、下地樹脂層1にポリエステル系樹脂を用いた場合はカルナバワックスやキャンデリラワックスが好適である。即ち、これらのワックスは、下地樹脂層1に対して相容性を有しており、溶融状態で下地樹脂層1上に存在させたとき、下地樹脂層1に速やかに吸収され、図1に示すメタボール立体層5や疎水性微粒子7が突出している薄層3aを容易に形成することができるからである。
尚、本発明において、下地樹脂層1にワックス3が吸収されていることは、樹脂層1についてのDSC昇温曲線において、樹脂層1単体の融点よりも低温域に、吸熱ピーク(吸収量によっては、ショルダーとして現れることもある)が形成されていることや溶剤による抽出により確認することができる。
疎水性微粒子7;
本発明において用いる疎水性微粒子7は、疎水性を示す限り、特に制限されないが、一般的には、シリカ、酸化チタン、アルミナ等の無機酸化物の粒子や、炭酸カルシウムなどの炭酸塩の粒子、カーボンブラックなどの炭素粒子が好適に使用される。
また、上記のような疎水性微粒子7の中でも、本発明における凹凸表面構造を形成するためには、用いる微粒子の一次粒径(あるいは、最小構成単位)が3nm〜1μm、好ましくは5nm〜500nm、より好ましくは10nm〜200nmの範囲にあることが望ましい。本発明において、疎水性微粒子7はメタボ−ル立体層5を形成しているメタボールのコアのようなものとして働くと推察され、メタボールのサイズは、用いる疎水性微粒子7の一次粒径に依存すると考えられるためである。したがって、本発明において、水分を含有する内容物に対して優れた滑り性を示すメタボール立体層5を形成するためには、疎水性微粒子7を上記範囲としておくことが好ましい。
尚、疎水性微粒子7の一次粒子径は、走査型電子顕微鏡観察に測定することができる。
また、上記のような疎水性微粒子7の表面は、30mN/m以下の臨界表面張力を示す
官能基、例えば、メチル基等のアルキル基、メチルシリル基などのアルキルシリル基、フルオロアルキル基、フルオロアルキルシリル基などによって修飾されていることが好ましい。このような疎水性官能基の導入により、例えば、この疎水性微粒子7を溶融状態のワックス3に分散させた際に、良好な分散が得られ、疎水性微粒子7の近傍にワックス3が保持され、メタボ−ル立体層5の形成が容易となり、また、部分的な欠陥のないメタボール立体層5を均等に形成することができる。
例えば、本発明において、このような疎水性微粒子7を含むメタボールの連結により形成されるメタボール立体層5の表面に純水20μLを滴下したとき、この純水が滑落する該表面の角度として定義される転落角が5°以下とすることができ、水分を含有する粘稠な内容物に対する滑り性を著しく高めることができる。
このような疎水性官能基による修飾は、これらの官能基を有する疎水化剤(例えばシラン化合物、シロキサン化合物、シラザン化合物、チタンアルコキシド化合物など)を用いてのカップリングや、脂肪酸・金属石鹸等を用いたコーティングにより行われる。
本発明において、特に好適に使用される疎水性微粒子7は、コストや入手のし易さから、疎水性シリカ微粒子や炭酸カルシウム微粒子であり、ジメチルシリル基、トリメチルシリル基で表面修飾、あるいはシリコーンオイルで表面被覆されている疎水性シリカ微粒子、あるいは、脂肪酸や金属石鹸で表面被覆されている炭酸カルシウム微粒子が最も好ましい。
尚、上述した疎水性微粒子7は、図1に示されているようにメタボール立体層5の内部に分布して存在し、或いは図2に示されているようにワックス3の薄層3aから突出した状態で表面に分布しているが、このような表面構造を容易に形成することができ、また優れた滑り性を発揮させるという点で、その表面分布量は、その一次粒径によっても若干異なるが、一般的には0.05〜10g/m、さらには0.1〜5g/m、特には0.5〜3g/mの範囲にあることが好適である。
疎水性凹凸面を有する表面構造の形成;
上述した本発明の構造体10の表面構造を形成する疎水性凹凸面は、先にも述べたように、疎水性微粒子7と溶融した状態のワックス3とを含む非溶媒塗布組成物(以下、ワックス組成物と呼ぶ)を用いて形成される。即ち、予め、表面にワックス吸収性の樹脂層1を備えた成形体を成形し、この成形体の表面に、溶融状態にあるワックス3を含むワックス組成物をスプレー噴霧、ローラコーティング、ナイフコーティング等により塗布し、さらに、ワックスの溶融状態が維持されるように表面を加熱保持し、表面の樹脂層1にワックス3を吸収させることにより、目的とする表面構造を有する構造体10を得ることができる(以下、この方法を塗布法と呼ぶ)。
上記の塗布法において、溶融状態にあるワックス3を下地樹脂層1中に吸収させるための加熱温度は、ワックス3の融点以上であり、且つ樹脂層1の熱変形を回避するために、少なくとも、樹脂層1を形成している下地樹脂(ワックス吸収性樹脂)の融点よりも低い温度であるが、下地樹脂の結晶化度が所定の範囲以下となる程度の温度が好ましいことは、先にも述べたとおりである。
尚、この加熱は、一旦、表面に塗布されたワックス組成物中のワックスが冷却されて固化した後に行うことも可能である。
加熱保持時間は、塗布層を占めるワックス3の量や下地樹脂層1の厚みや下地樹脂の種類(ワックス吸収性の程度)及び加熱温度によっても異なり、一概に規定することはできないが、一般的には、図1に示すメタボール立体層5を形成するためには、通常、10秒〜5分間程度である。加熱保持時間をさらに長くすると、図2に示されているように、ワックス3の薄層3aから疎水性微粒子7が突出した構造が形成され、さらに、加熱保持時間を長くすると、ワックス3のほとんど全てが下地樹脂層1に吸収され、疎水性微粒子7のみが下地樹脂層1の表面に分布した構造となる。従って、あら締めラボ試験を行い、目的とする表面構造の形態に応じて、加熱温度や加熱保持時間を設定しておくべきである。
また、このような塗布方法では、構造体1の全表面に上記のような表面構造を容易に形成することができるが、ワックス組成物の塗布位置を選択的に設定することにより、構造体1−の表面の一部に限定して、上記のような表面構造を形成することもできる。
また、本発明においては、共押出法によっても前述した表面構造を形成することができる。
この方法では、下地樹脂層1を形成するワックス吸収性の樹脂(下地樹脂)と上記ワックス組成物とを、樹脂層1の表面側にワックス組成物が隣接するようにして共押出しを行うことにより、前述した表面構造と下地樹脂層1を備えた成形体の成形とを一挙に行うことができる。この場合には、ワックス組成物中のワックス3と下地樹脂ワックス吸収性の下地樹脂との何れもが溶融した状態で隣接しているため、ワックス3の樹脂層1への吸収が速やかに行われ、ワックス3を樹脂層1に吸収させるために格別の熱処理を必要としないという利点を有している。ただ、この方法は、図2に示されているように、ワックス3の薄層3aから疎水性微粒子7が突出して分布している表面構造の形成は容易であるが、図1に示されているようなメタボール立体層5の形成には難がある。押し出し後の温度コントロールが難しいからである。
尚、上記の塗布による方法及び共押出しによる方法において、用いるワックス組成物における疎水性微粒子7の濃度は、この組成物を用いての塗布或いは共押出を容易に行うことができ、前述した図1或いは図2の表面構造が容易に形成されるように設定され、通常、50質量%以下、好ましくは3〜10質量%程度である。
本発明では、上記の何れの方法によるも、有機溶媒を用いずに所定の表面構造を形成す
ることができる。
構造体10の層構造;
本発明の構造体10は、上述したワックス3が表面の樹脂層1に吸収されており且つ該樹脂層1の表面に図1に示すメタボ−ル立体層5が形成され或いは図2に示すワックス3の薄層3aから疎水性微粒子7が突出して分布している表面構造が形成されている限りにおいて、種々の形態を取ることができる。
例えば、本発明の構造体10は、ワックス3が吸収されている樹脂層1のみによる単層構造の表面に図1或いは図2に示す表面構造が形成されていてもよいし、下地樹脂層1がガラスや金属箔、或いは紙等の表面に形成されている構造とすることも可能である。特に、容器の蓋材として本発明の構造体10を用いる場合には、下地樹脂層1が紙や金属箔に積層された形態となる場合が多い。
さらに、本発明では、下地樹脂層1を他の樹脂層と積層した多層構造とすることも可能である。
このような多層構造としては、例えば、下地樹脂層1の一方側の面に適宜接着剤樹脂の層を介して酸素バリア層や酸素吸収層が積層された層構造とし、さらに樹脂層1と同種の樹脂やポリエチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂の層を積層した構造を例示することができる。このような多層構造は、特に構造体10を容器の形態で使用するときに適用される。
かかる多層構造での酸素バリア層は、例えばエチレン−ビニルアルコール共重合体やポリアミドなどの酸素バリア性樹脂により形成されるものであり、その酸素バリア性が損なわれない限りにおいて、酸素バリア性樹脂に他の熱可塑性樹脂がブレンドされていてもよい。
また、酸素吸収層は、特開2002−240813号等に記載されているように、酸化性重合体及び遷移金属系触媒を含む層であり、遷移金属系触媒の作用により酸化性重合体が酸素による酸化を受け、これにより、酸素を吸収して酸素の透過を遮断する。このような酸化性重合体及び遷移金属系触媒は、上記の特開2002−240813号等に詳細に説明されているので、その詳細は省略するが、酸化性重合体の代表的な例は、第3級炭素原子を有するオレフィン系樹脂(例えばポリプロピレンやポリブテン−1等、或いはこれらの共重合体)、熱可塑性ポリエステル若しくは脂肪族ポリアミド;キシリレン基含有ポリアミド樹脂;エチレン系不飽和基含有重合体(例えばブタジエン等のポリエンから誘導される重合体);などである。また、遷移金属系触媒としては、鉄、コバルト、ニッケル等の遷移金属の無機塩、有機酸塩或いは錯塩が代表的である。
さらに、各層の接着のために使用される接着剤樹脂はそれ自体公知であり、例えば、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸などのカルボン酸もしくはその無水物、アミド、エステルなどでグラフト変性されたオレフィン樹脂;エチレン−アクリル酸共重合体;イオン架橋オレフィン系共重合体;エチレン−酢酸ビニル共重合体;などが接着性樹脂として使用される。
上述した各層の厚みは、各層に要求される特性に応じて、適宜の厚みに設定されればよい。
さらに、上記のような多層構造の構造体10を成形する際に発生するバリ等のスクラップをオレフィン系樹脂等のバージンの樹脂とブレンドとしたリグライド層を内層として設けることも可能である。
構造体の形態;
本発明の構造体10は、種々の形態を有することができるが、特に水分含む粘稠な物質
に対する滑り性(即ち、非付着性や滑落性)を向上させることができることから、包装容器や蓋材、キャップなどの包装材の形態で使用されることが好ましい。
特に蓋材では、先に述べたように、下地樹脂層1が紙や金属箔に積層された形態となる場合が多いが、蓋材の内面に前述した表面構造が形成されている態様は、粘稠なゲル状或いはプリン状の製品、例えばヨーグルトなどの付着を防止し得る上で有利である。また、かかる態様では、下地樹脂層1がワックス3を吸収することで軟化点が低下し或いは下地樹脂層1上にワックス3の薄層3aが形成されるため、ヒートシール性が向上しているという利点もある。
さらに、本発明が好適に適用される容器の形態は特に制限されず、カップ乃至コップ状、ボトル状、袋状(パウチ)、シリンジ状、ツボ状、トレイ、紙皿、紙トレイ状等、容器材質に応じた形態を有していてよく、延伸成形されていてもよい。容器の形態以外ではスプーン、フォーク、レンゲなどの食器類、キッチン用品、蓋などがある。
このような容器は、前述した下地樹脂層1を有する前成形体をそれ自体公知の方法により成形し、これを、ヒートシールによるフィルムの貼り付け、プラグアシスト成形等の真空成形、ブロー成形などの後加工に付して容器の形態とする。
さらに、先にも述べたように、その形態に応じて、スプレー噴霧による塗布法や共押出法により、加熱されて液状となっているワックスを、スプレー噴霧、或いはローラやナイフコーターなどを用いての塗布により、内面の下地表面に施すこと、また、特願2013−91244(PCT/JP2014/61565)に記載のようにブロー流体と共にブロー流体用の供給管からミスト状に供給することや、下地を構成する樹脂と共押出して内面に供給することにより、図1や図2に示す表面構造が内面に形成された容器の形態とすることができる。
図3には、本発明の構造体10の最も好適な形態であるダイレクトブローボトルが示されている。
即ち、図3において、全体として10で示されるこのボトル形態の構造体は、螺条を備えた首部11、肩部13を介して首部11に連なる胴部壁15及び胴部壁15の下端を閉じている底壁17を有しており、このようなボトル10の内面が、前述したワックス3が吸収された樹脂層1により形成されており、この内面にメタボ−ル立体層5或いはワックス3の薄層3aから疎水性微粒子7が突出した分布した表面構造が形成されている。
このような構造体10は、水分含有の粘稠な物質に対する滑り性が大きいため、特に、粘度(25℃)が100mPa・s以上の粘稠な内容物、例えば、ケチャップ、水性糊、蜂蜜、各種ソース類、マヨネーズ、マスタード、ドレッシング、ジャム、チョコレートシロップ、乳液等の化粧液、液体洗剤、シャンプー、リンス等の粘稠な内容物の充填ボトルとして最も好適である。
本発明を次の実施例にて説明する。
尚、以下の実施例等で行った各種の特性、物性等の測定方法及び構造体の材料に用いた樹脂等は次の通りである。
1.粘性内容物の滑落角の測定
後述の方法で作成した多層構造体から30mm×50mmの試験片を切り出した。
23℃―50%RHの条件下にて、固液界面解析システムDropMaster700
(協和界面化学(株)製)を用い、試験片の凹凸表面構造の形成側が上になるように固定し、30mgの内容物を試験片にのせ、試験片を1°/minの速度で徐々に傾けた際に内容物の滑落が発生した角度、すなわち滑落角を測定した。この滑落角の値が小さい程、内容物の滑落性が優れている。用いた粘性内容物は下記の通りである。
用いた粘性内容物; いちごジャム
2.表面形状の測定
後述の方法で作成した多層構造体から10mm×10mmの試験片を切り出した。
凹凸表面構造(疎水性凹凸面)の形成側を測定面とし、原子間力顕微鏡(NanoScopeIII、Digital Instruments社製)を用いて多層構造体の表面形状の測定を行った。測定条件を下記に示す。
カンチレバー:共振周波数f=363〜392kHz、
バネ定数k=20〜80N/m
測定モード:タッピングモード
スキャン範囲:50μm×50μm
スキャンライン数:256
得られた3次元形状のデータから、前記原子間力顕微鏡に付属のソフトウェア(Nan
oscope:version5.30r2)を用いて、スキャン範囲(2500μm
)の表面積Sを求め、比表面積rを算出した。比表面積rは下記式(1)で与えられる。
r=S/S (1)
式中、
Sは表面形状プロファイルから得られる表面積であり、
は走査範囲面積(2500μm)である。
3.SEMによる凹凸表面構造の形態観察
後述の方法で作成した多層構造体から30mm×50mmの試験片を切り出した。
凹凸表面構造の形成面が上になるように固定し、イオンスパッター(E−1045形立イオンスパッター、日立ハイテクノロジーズ製)を用いて放電電流20mA、処理時間40sec.の条件で、試験片表面にPtの金属薄膜コーティングを行った。
その後、試験片の凹凸表面構造の形態を、電界放出型走査型電子顕微鏡(S−4800、日立ハイテクノロジーズ製)を用いて10000倍率及び100000倍率の条件で観察し、凹凸表面構造の形態を確認した。
4.凹凸表面構造の断面観察
後述の方法で作成した多層構造体を包埋樹脂で固定後凍結させ、厚さ約100nmの薄片を切り出した。この薄片を透過型電子顕微鏡(TEM)で観察した。
<非溶媒塗布材料>
パラフィンワックス(融点50〜52℃)
<凹凸表面構造形成材料>
疎水性湿式シリカ
平均粒径2.8μm、BET比表面積500m/g
疎水性乾式シリカ
平均一次粒径7nm、BET比表面積220m/g
疎水性炭酸カルシウム
脂肪酸表面処理、平均一次粒径30nm、BET比表面積30m/g
<下地層形成樹脂>
低密度ポリエチレン(LDPE)(密度0.922g/cm、融点108℃)
<基材層形成材料>
一般原紙(坪量250g/m
<バインダー樹脂(比較例1)>
水性ポリエチレンエマルジョン
組成:樹脂成分/溶剤/蒸留水=25/20/55(重量比)
樹脂成分:融点=81℃、分子量=約6万
<下地層形成樹脂(比較例2)>
PETフィルム(膜厚100μm)
<実施例1>
容量50mlのバイアル瓶に、非溶媒塗布材料としてパラフィンワックス(融点50〜52℃)を供給し90℃の条件で加熱溶融させ、前述した疎水性湿式シリカを加え、ワックス組成物(非溶媒塗布生成物)を調製した。このワックス組成物において、ワックスと疎水性湿式シリカとの混合比(ワックス:シリカ)は93:7(重量比)である。
このワックス組成物を90℃の条件で加熱しながら撹拌したものを、約70℃に加熱したバーコーター(#3)を用いて、原紙(250g/m)上に形成された下地樹脂層(低密度ポリエチレン(LDPE)、膜厚20μm)に塗布し、多層構造体を作成した。
この多層構造体を、オーブンを用いて90℃−5minの条件で加熱し、ワックス組成物の塗布層に含まれるワックス成分を溶融させた。その後、多層構造体を室温下で冷却した。この方法により作成したオーブンでの加熱を行う前及び後の多層構造体サンプルに関して、それぞれ前述の粘性内容物の滑落角の測定、表面形状の測定、SEMによる凹凸表面構造の形態観察を行った。得られた滑落角の値及び凹凸構造の比表面積の値をまとめて表1に示す。また、表面形状の測定によって得られた3次元像をそれぞれ図4及び図5に示す。さらに、SEMによる凹凸表面構造の形態観察によって得られた観察画像を図6、図7、図8、図9に示す。
<実施例2>
凹凸表面構造の形成材料として、疎水性湿式シリカの代わりに、前述した疎水性乾式シリカを使用した以外は、実施例1と同様の操作を行ってワックス組成物を作成し且つ同様にして多層構造体サンプルを作製した。
この多層構造体サンプルに関して、前述の実施例1と同様の方法で、粘性内容物の滑落角の測定、及びSEMによる凹凸表面構造の形態観察、加えて凹凸表面構造の断面観察を行った。形態観察の結果によって得られた観察画像を図10、図11、断面観察によって得られた画像を図12に示す。
<実施例3>
凹凸表面構造の形成材料として炭酸カルシウム(脂肪酸表面処理、平均一次粒径30nm、BET比表面積30m/g)を使用し、パラフィンワックス:疎水性炭酸カルシウム=55.5:45.5(重量比)である混合組成物を作成した以外は、実施例1と同様の操作を行い、非溶媒塗布生成物を作成した。この方法により作成したオーブンでの加熱を行った後の多層構造体サンプルに関して、前述の実施例1と同様の方法で粘性内容物の滑落角の測定、及びSEMによる凹凸表面構造の形態観察を行った。形態観察によって得られた画像を図13、図14に示す。
多層構造体の層構成は、疎水性凹凸構造の形成面を内面として、以下の通りである。
ワックス組成物層/下地樹脂層(LDPE,20μm)/基材層(原紙,坪量250g/m)
<比較例1>
容量50mlのバイアル瓶に、疎水性材料の分散媒としてエタノール、蒸留水、凹凸表面構造の形成材料として疎水性シリカを加え、バインダー成分として水性ポリエチレンエマルジョンを供給し、エタノール/蒸留水/疎水性シリカ/水性ポリエチレンエマルジョン中の樹脂成分=45/45/5/5(重量比)である混合組成物を作成した。この混合組成物を、バーコーター(#3)を用いて下地層へ塗布し、混合組成物層/下地樹脂層/原紙(250g/m)の層構成となる多層構造体を作成した。作成した多層構造体を、オーブンを用いて90℃−5minの条件で加熱し、混合組成物層に含まれるバインダー成分を溶融させた後、多層構造体を室温下で冷却した。
<比較例2>
下地樹脂層としてPETフィルム(膜厚100μm)を使用した以外は、実施例1と同様の方法でワックス組成物を下地樹脂層に塗布し、ワックス組成物/PETフィルム(100μm)の多層構造体を作成した。
この多層構造体を、オーブンを用いて90℃−5minの条件で加熱し、非溶媒塗布生成物層に含まれるワックス成分を溶融させた後、多層構造体を室温下で冷却した。
表1の結果から、実施例1の多層構造体の比表面積に関しては、加熱工程前(図4)が1.10であるのに対し、加熱工程後(図5)は1.28となり、多層構造体の比表面積が増加したことがわかる。
また、粘性内容物の滑落角に関しては、加熱工程前のサンプルは滑落角の値が90°(滑落しない)であるのに対し、加熱工程後のサンプルは滑落角の値が6°であった。したがって、サンプル表面の比表面積が増加するに伴い、滑落性が大幅に向上したことがわかる。
実施例2及び実施例3に関しては、微粒子として、それぞれ疎水性乾式シリカ及び疎水性炭酸カルシウムを使用した例であるが、実施例1と同様に加熱工程前は粘性内容物が滑落しない状態であるのに対し、加熱工程後は粘性内容物が滑落する状態となる結果が示されている。
一方、比較例1に関しては、多層構造体の比表面積は加熱工程の前後で1.18から1.30へ増加したのに対し、粘性内容物の滑落角に関しては、加熱工程の前後ともに90°であり、加熱の有無にかかわらず滑落性は向上しないことがわかる。これは、バインダーとして使用した樹脂成分の分子量が数万と高いため、下地樹脂層中に十分に拡散されず、空隙が十分に形成されなかったためと推察される。
さらに、比較例2では、多層構造体の比表面積が加熱工程の前後で変化せず、粘性内容物の滑落角も加熱工程の前後ともに90°であり、滑落性も向上しないことがわかる。また、表面観察の結果からは、加熱工程後に関しても、疎水性微粒子とワックスが混合した層が形成されており、疎水性微粒子の形状が明確には確認できない様子が見られた。
図6及び図7は、実施例1における、加熱工程前のサンプルの表面状態を観察した結果であるが、微粒子がワックスと混合した層を成しており、微粒子の有する凹凸構造が全く観測されず、平滑な状態である様子が見られた。
これに対し、実施例1における加熱工程後のサンプルの状態を観察した結果である図8に関しては、表面に凹凸構造が形成されており、加熱により表面構造が変化している様子が見られた。また、図9ではこの表面をさらに拡大し観察を行った結果を示しているが、メタボ−ル立体層が形成されており、この立体層を形成している1個の球形状メタボールは約100nmの円相当径を有していることが確認された。
図10及び図11に関しては、実施例2での加熱工程後の表面形態を観察した結果である。実施例1と同様に微粒子周囲にワックスが被覆している様子が見られ、メタボ−ル立体層が形成されており、1個のメタボールの円相当径は約50nmであった。
図12に関しては、実施例2の凹凸表面構造の断面を観察した結果である。図中において、表記:A(黒色)の部分が疎水性粒子、表記:Bの部分がワックスの存在を示している。したがって、表層における表面凹凸構造が疎水性粒子及びワックスにより形成されていることが確認された。
図13及び図14に関しては、実施例3の表面状態を観察した結果である。実施例1と同様に、微粒子表面がワックスに覆われ、メタボ−ル立体層が形成されており、メタボールの円相当径は約100nmであった。したがって、微粒子が疎水性シリカ以外であっても、同様の凹凸構造の形成が可能であることを検証された。
これらの結果をまとめると、良好な撥液性が得られたサンプルは、実施例1、実施例2及び実施例3のように、ワックス中に疎水性を有する微粒子を分散し、ワックスと相容性のある下地樹脂層上に本分散液を塗布・冷却した後、加熱工程によりワックス成分を溶融させる方法で凹凸表面構造を形成させたものである。
本発明における凹凸表面構造の形成に関して推察すると、形成された凹凸表面構造は、滑らかな曲面からなる凹凸形状で、且つ、凹凸の内部にはナノオーダーの平均一次粒径からなる疎水性微粒子が分散している。形成された表面の凹凸は概ね100nm程度のスケールとなっているが、これは、微粒子表面にワックスが被覆される際に働く力、即ち、微粒子−ワックス間の分子間力が100nm以下の領域でのみこの力が支配的であることが主要因であると推察される。つまり、分子間力と下地樹脂層中への吸収・拡散により、所定の凹凸構造を形成し、且つ、内部に空隙を有する特有の立体構造が形成されるものと考えられる。
1:パラフィンワックスが吸収された樹脂層
3:パラフィンワックス
5:メタボール立体層
7:疎水性微粒子
10:構造体

Claims (14)

  1. 表面を形成している下地樹脂層の上に疎水性微粒子が分布している表面構造を有する構造体であって、該下地樹脂層にはワックスが吸収されていることを特徴とする構造体。
  2. 前記下地樹脂層の上に、前記ワックスがメタボール状に連なったメタボール立体層が形成されており、該メタボール立体層の内部に、前記疎水性微粒子が分布している請求項1に記載の構造体。
  3. 前記メタボール立体層は、走査型電子顕微鏡で観察して、20〜200nmの径のボールの連結構造を有している請求項2に記載の構造体。
  4. 前記疎水性微粒子は、4nm〜1μmの平均一次粒径を有している請求項1に記載の構造体。
  5. 前記メタボール立体層が、前記微粒子と前記ワックスとを含む組成物の塗布層である請求項1に記載の構造体。
  6. 前記ワックスの融点が40℃〜110℃の範囲にある請求項1に記載の構造体。
  7. 前記下地樹脂層が、前記ワックスと相容性を有する樹脂により形成されている請求項6に記載の構造体。
  8. 前記下地樹脂層がオレフィン系樹脂により形成されており、前記ワックスが、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、或いはポリエチレンワックスの少なくとも1種である請求項7に記載の構造体。
  9. 容器の形態を有しており、容器に収容される内容物と接触する側の内面に、前記疎水性微粒子が分布している表面構造が形成されている請求項1に記載の構造体。
  10. 前記容器がオレフィン系樹脂製のボトルである請求項9に記載の構造体。
  11. 前記容器が紙を基材とした容器である請求項9記載の構造体。
  12. 容器口部にヒートシールにより施される蓋材の形態を有しており、容器に収容されている内容物と接触する側の面に、前記疎水性微粒子が分布している表面構造が形成されている請求項1に記載の構造体。
  13. 少なくとも疎水性微粒子と溶融したワックスとを含む非溶媒塗布組成物と、表面がワックス吸収性樹脂の層により形成された構造体を用意する工程;
    前記非溶媒塗布組成物を、前記構造体の表面に塗布する工程;
    次いで、前記構造体の表面を前記ワックスの融点以上の温度に加熱して該ワックスが溶融した状態を保持することにより、表面のワックス吸収性樹脂層に前記ワックスを吸収させた後、冷却する工程;
    を含むことを特徴とする構造体表面に疎水性凹凸面を形成する方法。
  14. ワックス吸収性樹脂を用いての押出成形により、表面が該ワックス吸収性樹脂の層により形成された構造体を製造するに際し、該ワックス吸収性樹脂の層に隣接し且つ表面側となる位置に、少なくとも疎水性微粒子と溶融したワックスとを含む組成物を共押出することを特徴とする構造体表面に疎水性凹凸面を形成する方法。
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