以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1乃至図25は、本実施の形態に係る紙幣処理装置およびこのような紙幣処理装置を備えた貨幣処理機を示す図である。このうち、図1は、本実施の形態による貨幣処理機の外観を示す斜視図であり、図2は、図1に示す貨幣処理機における紙幣処理装置の内部構成を概略的に示す概略構成図であり、図3は、図1や図2に示す貨幣処理機における制御系の構成を示す機能ブロック図である。また、図4は、図2に示す紙幣処理装置における第1アーム機構の構成の詳細を示す側面図であり、図5乃至図9は、図2に示す紙幣処理装置における第2アーム機構の構成の詳細を示す斜視図や側面図である。また、図10および図11は、図2に示す紙幣処理装置において第1アーム機構から第2アーム機構に束状態のバラ紙幣を受け渡すときの動作を順に示す側面図である。また、図12乃至図15は、図2に示す紙幣処理装置におけるバラ紙幣出金部や帯封紙幣出金部を筐体の外側から見たときの構成を示す斜視図であり、図16は、図2に示す紙幣処理装置におけるステージや帯封紙幣出金部の各フリッパーの構成を示す上面図である。また、図17は、図2に示す紙幣処理装置における一括帯封紙幣収納庫や各金種別帯封紙幣収納庫の上端部の構成を示す斜視図である。また、図18乃至図20は、図2に示す紙幣処理装置において様々な処理が行われる際の紙幣の流れを示す図であり、図21乃至図25は、図2に示す紙幣処理装置において様々な処理が行われる際の第1アーム機構および第2アーム機構の動作を示す図である。
本実施の形態による貨幣処理機1は、バラ紙幣やバラ硬貨の入金処理や出金処理を行うことができるとともに、機体内で所定枚数(例えば、100枚)のバラ紙幣から帯封紙幣を形成したり帯封紙幣の出金処理を行ったりすることができるようになっている。図1に示すように、本実施の形態による貨幣処理機1は、左右に並ぶよう配置された紙幣処理装置2および硬貨処理装置3から構成されている。なお、硬貨処理装置3については本発明と直接的な関係がないためその説明を省略する。
本実施の形態による貨幣処理機1における紙幣処理装置2の内部構成の詳細について図1および図2を用いて説明する。図1および図2に示すように、紙幣処理装置2は略直方体形状の筐体12を有しており、この筐体12の前面には、筐体12の外部から内部にバラ紙幣を入金するための入金部14、筐体12の内部から外部にバラ紙幣を出金するためのバラ紙幣出金部16、および筐体12の内部から外部に帯封紙幣を出金するための帯封紙幣出金部17がそれぞれ設けられている。なお、図2における筐体12の左側の側面が紙幣処理装置2の前面側(すなわち、図1に示すように紙幣処理装置2を見たときの正面側)となっており、図2における右方向が筐体12の奥行き方向となっている。ここで、図2に示すように、入金部14にはシャッター14aが設けられており、このシャッター14aは、入金部14における筐体12の前面に面する開口を開閉するようになっている。そして、シャッター14aにより入金部14の開口が開かれると、操作者は入金部14にアクセスすることができるようになり、当該操作者は入金部14に1または複数のバラ紙幣を積層状態で投入することができるようになる。なお、図1では、シャッター14aが開かれて操作者が入金部14にアクセスすることができるようになっている状態が示されている。このようなシャッター14aはシャッター駆動部14b(図3参照)により駆動されるようになっている。なお、シャッター14aを設けずに入金部14を開放したままの状態としてもよい。また、バラ紙幣出金部16にはシャッター16aが設けられており、このシャッター16aは、バラ紙幣出金部16の前面に面する開口および帯封紙幣出金部17の前面に面する開口を一体的に開閉するようになっている。そして、シャッター16aによりバラ紙幣出金部16および帯封紙幣出金部17の開口が開かれると、操作者はバラ紙幣出金部16および帯封紙幣出金部17にそれぞれアクセスすることができるようになり、当該操作者はバラ紙幣出金部16や帯封紙幣出金部17に集積されているバラ紙幣や帯封紙幣を筐体12の外部に取り出すことができるようになる。このようなシャッター16aはシャッター駆動部16b(図3参照)により駆動されるようになっている。
図2に示すように、筐体12の前面における入金部14の下方には、紙幣処理装置2においてバラ紙幣の出金処理が行われる際にバラ紙幣出金部16により出金すべきではないと判断されたバラ紙幣が集積される出金リジェクト部24、および紙幣処理装置2においてバラ紙幣の入金処理が行われる際に後述する一括バラ紙幣収納庫32や各金種別バラ紙幣収納庫34に収納すべきではないと判断されたバラ紙幣が集積される入金リジェクト部26がそれぞれ設けられている。ここで、図1および図2に示すように、出金リジェクト部24および入金リジェクト部26にはそれぞれシャッター24a、26aが設けられており、これらのシャッター24a、26aは、出金リジェクト部24や入金リジェクト部26における筐体12の前面に面する開口をそれぞれ開閉するようになっている。そして、シャッター24a、26aにより出金リジェクト部24や入金リジェクト部26の開口が開かれると、操作者は出金リジェクト部24や入金リジェクト部26にアクセスすることができるようになり、当該操作者は出金リジェクト部24や入金リジェクト部26に集積されているバラ紙幣を筐体12の外部に取り出すことができるようになる。このようなシャッター24a、26aはシャッター駆動部24b、26b(図3参照)により駆動されるようになっている。なお、シャッター26aを設けずに入金リジェクト部26を開放したままの状態としてもよい。また、本実施の形態では、入金部14の隣である直下に出金リジェクト部24が配置されているため、出金リジェクト部24内の出金リジェクト紙幣を入金部14に投入して筐体12内へ戻すようないわゆる出金リジェクト戻し処理を行なうときに、離れた位置から入金部14へ投入するのではないので利便性に富んでいる。
図2に示すように、入金部14には、当該入金部14に投入されたバラ紙幣を1枚ずつ筐体12の内部に繰り出すための紙幣繰出機構14cが設けられている。また、紙幣処理装置2の筐体12の内部には、当該筐体12内でバラ紙幣を1枚ずつ搬送する搬送部15が設けられており、紙幣繰出機構14cにより入金部14から繰り出されたバラ紙幣は当該搬送部15により搬送されるようになっている。また、搬送部15には識別部20が設けられており、搬送部15により搬送されるバラ紙幣は識別部20によりその金種、真偽、表裏、正損、新旧、搬送状態等が識別されるようになっている。また、搬送部15には表裏反転部22が設けられており、識別部20により識別されたバラ紙幣は表裏反転部22によりその表裏が揃うように反転させられるようになっている。
また、図2に示すように、搬送部15には入金一時保留部30、一括バラ紙幣収納庫32および複数(図2に示す例では3つ)の金種別バラ紙幣収納庫34がそれぞれ接続されており、搬送部15からこれらの入金一時保留部30、一括バラ紙幣収納庫32および各金種別バラ紙幣収納庫34にバラ紙幣が送られるようになっている。これらの入金一時保留部30、一括バラ紙幣収納庫32および各金種別バラ紙幣収納庫34では、バラ紙幣が積層状態で集積されるようになっている。より詳細には、入金一時保留部30、一括バラ紙幣収納庫32および各金種別バラ紙幣収納庫34の各々は、その上端部から紙幣を繰り入れて収納するととともに収納されている紙幣を上端部から繰り出すような構成となっている。
また、入金一時保留部30の上端部の近傍には紙幣繰出繰入機構30aが設けられており、当該入金一時保留部30に一時的に保留されているバラ紙幣は紙幣繰出繰入機構30aにより1枚ずつ搬送部15に繰り出されるようになっている。また、紙幣繰出繰入機構30aにより搬送部15から入金一時保留部30に紙幣が1枚ずつ繰り入れられるようになっている。ここで、入金一時保留部30には、バラ紙幣の入金処理において識別部20により識別されたバラ紙幣が一括バラ紙幣収納庫32や各金種別バラ紙幣収納庫34に収納される前に一時的に保留されるようになっている。
また、一括バラ紙幣収納庫32の上端部の近傍には紙幣繰出繰入機構32aが設けられており、当該一括バラ紙幣収納庫32に収納されているバラ紙幣は紙幣繰出繰入機構32aにより1枚ずつ搬送部15に繰り出されるようになっている。また、紙幣繰出繰入機構32aにより搬送部15から一括バラ紙幣収納庫32にバラ紙幣が1枚ずつ繰り入れられるようになっている。ここで、一括バラ紙幣収納庫32には、複数の金種のバラ紙幣が混合状態で収納されるようになっている。
また、各金種別バラ紙幣収納庫34の上端部の近傍には紙幣繰出繰入機構34aが設けられており、各金種別バラ紙幣収納庫34に収納されているバラ紙幣は紙幣繰出繰入機構34aにより1枚ずつ搬送部15に繰り出されるようになっている。また、紙幣繰出繰入機構34aにより搬送部15から各金種別バラ紙幣収納庫34にバラ紙幣が1枚ずつ繰り入れられるようになっている。ここで、各金種別バラ紙幣収納庫34には、それぞれ予め設定された特定の金種のバラ紙幣が収納されるようになっている。
図1および図2に示すように、筐体12の下部には前扉12aが設けられており、この前扉12aを開くことにより操作者は入金一時保留部30の内部にアクセスすることができるようになっている。また、入金一時保留部30、一括バラ紙幣収納庫32および各金種別バラ紙幣収納庫34は、筐体12の内部から手前側に(すなわち、図2における左方向に)引き出し可能となっている引出ユニット13に収容されている。そして、操作者が前扉12aを開いて引出ユニット13を筐体12の内部から手前側に引き出すことにより、当該操作者は一括バラ紙幣収納庫32および各金種別バラ紙幣収納庫34を引出ユニット13から取り外すことができるようになる。
また、図2に示すように、搬送部15には複数(図2に示す例では2つ)の整理一時保留部40が接続されており、当該搬送部15から各整理一時保留部40にバラ紙幣が送られるとこれらの整理一時保留部40にバラ紙幣が積層状態で集積されるようになっている。また、本実施の形態による紙幣処理装置2では、所定枚数(例えば、100枚)のバラ紙幣からなる紙幣束に帯封紙を巻くことにより帯封紙幣を形成する帯封機構50が設けられている。
また、図2に示すように、筐体12の内部には第1アーム機構41および第2アーム機構42が設けられている。第1アーム機構41は、各整理一時保留部40および帯封機構50の間で移動可能となっており、各整理一時保留部40に集積された所定枚数(一枚も含む)のバラ紙幣からなる紙幣束を帯封機構50に搬送するようになっている。ここで、図2等において第1アーム機構41の可動領域を参照符号46で示す。また、帯封機構50において帯封処理が行われる際に、第1アーム機構41はこの帯封機構50に移動し、当該帯封機構50において第1アーム機構41の上下一対のアーム部102、104(後述)により挟持された状態にある紙幣束の外周面に帯封紙が巻かれるようになっている。また、第1アーム機構41は図2に示す位置から上方に移動して第2アーム機構42に対向する位置まで到達することができるようになっている。このことにより、各整理一時保留部40から第1アーム機構41により取り出された束状態のバラ紙幣を当該第1アーム機構41から第2アーム機構42に受け渡したり、帯封機構50により形成された帯封紙幣を第1アーム機構41から第2アーム機構42に受け渡したりすることができるようになる。このような第1アーム機構41の構成の詳細については後述する。
また、第1アーム機構41の近傍には、当該第1アーム機構41の上下一対のアーム部102、104(後述)により挟持された束状態のバラ紙幣や帯封紙幣をガイドするためのガイド部44(図21乃至図25参照、図2では図示せず)が設けられている。このガイド部44は、第1アーム機構41とは独立して上下方向のみに移動可能になっており、支え片44aを有している。このようなガイド部44の働きについては後述する。
第2アーム機構42は図2に示す位置からバラ紙幣出金部16に向かって筐体12の手前側に(すなわち、図2における左方向に)移動することができるようになっている。ここで、図2等において第2アーム機構42の可動領域を参照符号48で示す。なお、このような第2アーム機構42の可動領域48の一部(具体的には、第2アーム機構42の可動領域48の右側部分)には、第1アーム機構41も入ることができるようになっている。そして、第2アーム機構42の可動領域48に移動した第1アーム機構41から束状態のバラ紙幣や帯封紙幣が第2アーム機構42に受け渡された後、第2アーム機構42の上下一対のアーム部122、124(後述)により束状態のバラ紙幣や帯封紙幣が挟持された状態で当該第2アーム機構42が図2の矢印に示すようにバラ紙幣出金部16に向かって移動することにより、第2アーム機構42によって保持されている束状態のバラ紙幣や帯封紙幣がバラ紙幣出金部16に送られるようになる。より詳細には、図2に示すように、バラ紙幣出金部16の背面側(すなわち、図2における右側)には、図2に示す位置から下方に移動可能となっている、鉛直方向に延びる板状の分離部材19が設けられており、第2アーム機構42の上下一対のアーム部122、124により束状態のバラ紙幣や帯封紙幣が挟持された状態で当該第2アーム機構42の各アーム部122、124がバラ紙幣出金部16の内部にアクセスした後、分離部材19が図2に示す位置から下方に移動し、その後に第2アーム機構42において各アーム部122、124から束状態のバラ紙幣や帯封紙幣が解放されて当該第2アーム機構42がバラ紙幣出金部16から遠ざかる方向(すなわち、図2における右方向)に移動すると、束状態のバラ紙幣や帯封紙幣は分離部材19に当接することにより第2アーム機構42から分離してバラ紙幣出金部16に残るようになる。このような第2アーム機構42の構成の詳細については後述する。
また、図2に示すように、本実施の形態では、バラ紙幣出金部16および帯封紙幣出金部17をまたがって図2における上下方向に移動可能となっているステージ18が設けられている。ここで、本実施の形態の紙幣処理装置2においてバラ紙幣の出金処理が行われる際には、ステージ18は図2に示すように帯封紙幣出金部17の底面近傍に位置するようになり、第2アーム機構42からバラ紙幣出金部16に送られた束状態のバラ紙幣は当該バラ紙幣出金部16に集積されるようになる。一方、本実施の形態の紙幣処理装置2において帯封紙幣の出金処理が行われる際には、ステージ18は図2に示す位置から下方に移動してバラ紙幣出金部16の底面近傍に位置するようになり、第2アーム機構42からバラ紙幣出金部16に帯封紙幣が送られると当該帯封紙幣はステージ18に集積されるようになる。そして、ステージ18が上昇してバラ紙幣出金部16から帯封紙幣出金部17に移動すると、ステージ18から帯封紙幣出金部17に帯封紙幣が受け渡されて当該帯封紙幣は帯封紙幣出金部17に集積されるようになる。本実施の形態では、紙幣処理装置2において複数の帯封紙幣の出金処理が行われるときには、帯封紙幣出金部17に帯封紙幣が下から順次積み上げられるようになる。このようなステージ18の構成の詳細については後述する。
また、図2に示すように、筐体12の内部における上部領域には、一括帯封紙幣収納庫70および複数(図2に示す例では3つ)の金種別帯封紙幣収納庫72が設けられており、これらの一括帯封紙幣収納庫70や各金種別帯封紙幣収納庫72には、帯封機構50により形成された帯封紙幣が積層状態で収納されるようになっている。具体的には、一括帯封紙幣収納庫70には、複数の金種の帯封紙幣が混合状態で収納されるようになっており、一方、各金種別帯封紙幣収納庫72には、それぞれ予め設定された特定の金種の帯封紙幣が収納されるようになっている。ここで、ある金種の金種別帯封紙幣収納庫72がフル状態またはニアフル状態であり当該金種別帯封紙幣収納庫72に帯封紙幣をこれ以上収納することができなくなった場合には、当該金種の帯封紙幣はオーバーフロー帯封紙幣として一括帯封紙幣収納庫70に収納されるようになる。
一括帯封紙幣収納庫70および各金種別帯封紙幣収納庫72の内部にはそれぞれ図2における上下方向に移動可能となっているステージ70a、72aが設けられており、一括帯封紙幣収納庫70および各金種別帯封紙幣収納庫72の上端部(天井部分)に設けられた開口74(図17参照)からこれらの一括帯封紙幣収納庫70および各金種別帯封紙幣収納庫72に送られた帯封紙幣はステージ70a、72a上に積層状態で集積されるようになっている。また、一括帯封紙幣収納庫70や各金種別帯封紙幣収納庫72から帯封紙幣を出す場合には、ステージ70a、72aが上昇することにより一括帯封紙幣収納庫70や各金種別帯封紙幣収納庫72の上端部(天井部分)に設けられた開口74から帯封紙幣が上方に出されるようになる。
また、これらの一括帯封紙幣収納庫70や各金種別帯封紙幣収納庫72の上方には帯封紙幣の搬送を行う帯封紙幣搬送部60が設けられている。帯封紙幣搬送部60は、複数の突起60aが等間隔で設けられた循環ベルト60bを有しており、この循環ベルト60bは図2における時計回りの方向および反時計回りの方向の両方向に循環移動することができるようになっている。そして、帯封紙幣搬送部60により帯封紙幣が搬送される際に、当該帯封紙幣は循環ベルト60bの下面に沿って突起60aにより引っ掛けられた状態で図2における左右いずれかの方向に移動するようになる。また、図2に示すように、帯封紙幣搬送部60による帯封紙幣の搬送路における帯封紙幣出金部17と一括帯封紙幣収納庫70との間には判別部62が設けられており、帯封紙幣搬送部60により搬送される帯封紙幣は当該判別部62によりその金種が判別されるようになっている。
ここで、帯封機構50により形成された帯封紙幣を一括帯封紙幣収納庫70や各金種別帯封紙幣収納庫72に収納させる際には、第2アーム機構42により帯封紙幣がステージ18上に集積された後に当該ステージ18が上昇して帯封紙幣搬送部60の近傍の位置まで到達するようになる。また、循環ベルト60bは図2における反時計回りの方向に循環移動する。このことにより、ステージ18上の帯封紙幣が突起60aにより引っ掛けられて循環ベルト60bの下面に沿って図2における右方向に搬送され、判別部62によりその金種が判別された後、当該判別部62による判別結果に基づいて一括帯封紙幣収納庫70や各金種別帯封紙幣収納庫72に収納されるようになる。一方、一括帯封紙幣収納庫70や各金種別帯封紙幣収納庫72に収納されている帯封紙幣を帯封紙幣出金部17により出金する際には、循環ベルト60bは図2における時計回りの方向に循環移動し、一括帯封紙幣収納庫70や各金種別帯封紙幣収納庫72から上方に押し出された帯封紙幣が突起60aにより引っ掛けられて循環ベルト60bの下面に沿って図2における左方向に搬送されるようになる。また、ステージ18が上昇して帯封紙幣搬送部60の近傍の位置まで到達するようになる。そして、帯封紙幣搬送部60により搬送される帯封紙幣の金種が判別部62により判別された後、当該帯封紙幣はステージ18上に1つずつ集積され、ステージ18上に所定の数の帯封紙幣が集積されると当該ステージ18が下降してこのステージ18から帯封紙幣出金部17に帯封紙幣が受け渡されるようになる。図17に示すように、帯封紙幣が循環ベルト60bの下面に沿って搬送される際に、一括帯封紙幣収納庫70および各金種別帯封紙幣収納庫72の上端部(天井部分)に設けられた開口74のうち、帯封紙幣の繰り出しや繰り入れの対象となる一括帯封紙幣収納庫70および各金種別帯封紙幣収納庫72の開口74が開くようになる。一方、帯封紙幣の繰り出しや繰り入れの対象外の一括帯封紙幣収納庫70および各金種別帯封紙幣収納庫72の開口74はシャッター76で塞がれるようになり、帯封紙幣の通過の妨げとならないようになっている。
また、本実施の形態の貨幣処理機1には、当該貨幣処理機1の各構成部材の制御を行う制御部80が設けられている。より詳細には、図3に示すように、制御部80には、紙幣処理装置2の入金部14(具体的には、入金部14に設けられた紙幣繰出機構14c)、搬送部15、識別部20、表裏反転部22、入金一時保留部30(具体的には、入金一時保留部30に設けられた紙幣繰出繰入機構30a)、一括バラ紙幣収納庫32(具体的には、一括バラ紙幣収納庫32に設けられた紙幣繰出繰入機構32a)、各金種別バラ紙幣収納庫34(具体的には、各金種別バラ紙幣収納庫34に設けられた紙幣繰出繰入機構34a)、第1アーム機構41、第2アーム機構42、帯封機構50、帯封紙幣搬送部60、判別部62、一括帯封紙幣収納庫70、各金種別帯封紙幣収納庫72、各シャッター14a、16a、24a、26aを開閉させるシャッター駆動部14b、16b、24b、26bがそれぞれ接続されている。そして、識別部20による紙幣の識別結果に係る信号や判別部62による帯封紙幣の金種の判別結果に係る情報等が制御部80に送られるとともに、制御部80は紙幣処理装置2の各構成部材に指令信号を送ることによりこれらの構成部材の動作を制御するようになっている。
また、図3に示すように、制御部80には硬貨処理装置3の各構成部材が接続されており、当該制御部80が硬貨処理装置3の各構成部材の動作を制御することにより硬貨処理装置3においてバラ硬貨の入金処理や出金処理等が行われるようになっている。このような制御部80による硬貨処理装置3の各構成部材の制御方法の詳細については説明を省略する。また、図3に示すように、制御部80には操作表示部82、記憶部84、印字部86および通信インターフェース部88がそれぞれ通信可能に接続されている。図1に示すように、操作表示部82は貨幣処理機1の前面に設けられたタッチパネル等からなり、当該操作表示部82には、貨幣処理機1における貨幣の処理状況や、紙幣処理装置2や硬貨処理装置3に収納されているバラ紙幣、帯封紙幣およびバラ硬貨の在高等に関する情報が表示されるようになっている。また、操作者は操作表示部82により制御部80に対して様々な指令を与えることができるようになっている。
記憶部84には、貨幣処理機1における貨幣の処理履歴や、紙幣処理装置2や硬貨処理装置3に収納されているバラ紙幣、帯封紙幣およびバラ硬貨の在高等に関する情報が記憶されるようになっている。また、図1に示すように、印字部86は貨幣処理機1の前面に設けられたプリンタ等からなり、当該印字部86は、貨幣処理機1における貨幣の処理履歴や、紙幣処理装置2や硬貨処理装置3に収納されているバラ紙幣、帯封紙幣およびバラ硬貨の在高等に関する情報をレシート等に印字するようになっている。また、制御部80は通信インターフェース部88を介して本実施の形態による貨幣処理機1とは別に設けられた外部装置(具体的には、例えば上位端末)に対して信号の送受信を行うことができるようになっている。
次に、第1アーム機構41の構成の詳細について図4を用いて説明する。図4に示すように、第1アーム機構41は、本体部106と、本体部106に設けられた上下一対のアーム部102、104とを有しており、上側のアーム部102および下側のアーム部104はそれぞれ本体部106から略水平方向に延びている。すなわち、上側のアーム部102および下側のアーム部104はそれぞれ本体部106から互いに平行となるように延びている。また、下側のアーム部104は本体部106に位置固定で設けられているのに対し、上側のアーム部102は本体部106に対して図4における上下方向に移動自在となっている。このことにより、上側のアーム部102は下側のアーム部104に接近する方向(すなわち、図4における下方向)および下側のアーム部104から離間する方向(すなわち、図4における上方向)にそれぞれ移動することができるようになる。また、上側のアーム部102における下側のアーム部104に対向する側の面にはウレタンゴム等からなる弾性部材103が設けられている。このことにより、図4に示すように上下一対のアーム部102、104により束状態のバラ紙幣(図4等において参照符号Pで表示)や帯封紙幣が挟持されたときに、束状態のバラ紙幣や帯封紙幣の上面が弾性部材103に接するようになり、束状態のバラ紙幣や帯封紙幣の上面と弾性部材103との間で働く摩擦力によってこれらの束状態のバラ紙幣や帯封紙幣が上下一対のアーム部102、104から抜け出てしまうことが防止されるようになっている。なお、束状態のバラ紙幣とは、紙幣枚数が一枚の場合も含み、一枚の場合でも、上記の弾性部材103によって、一枚のバラ紙幣が上下一対のアーム部102、104から抜け出てしまうことが防止される。
次に、第2アーム機構42の構成の詳細について図5乃至図9を用いて説明する。なお、図5は、上下一対のアーム部122、124が開いているときの状態を示す図であり、図6は、図5に示すような状態から上下一対のアーム部122、124が互いに接近して束状態のバラ紙幣や帯封紙幣を挟持する際の途中段階の状態を示す図であり、図7は、上下一対のアーム部122、124が互いに接近して束状態のバラ紙幣や帯封紙幣を挟持しているときの状態を示す図である。また、図8は、図5乃至図7に示す第2アーム機構42を下側から見たときの構成の詳細を示す斜視図であり、図9は、図5乃至図8に示す第2アーム機構42における上側のアーム部122を支持するアーム支持部138に設けられた弾性部材123の構成を示す側面図である。
図5乃至図7に示すように、第2アーム機構42は上下一対のアーム部122、124を有している。ここで、上側のアーム部122は複数(図5乃至図7に示す例では3つ)設けられており、各アーム部122はそれぞれ対応するアーム支持部138により支持されている。より詳細には、アーム支持部138は各アーム部122に対応して複数(図5乃至図7に示す例では3つ)設けられており、各アーム支持部138は、軸122bを中心としてアーム部122が回転自在となるように、対応するアーム部122を支持するようになっている。また、各アーム支持部138は1つの板状の可動部材136の側面にそれぞれ取り付けられている。ここで、可動部材136は、後述する揺動部材132に対して上下方向に移動することができるようになっている。また、各アーム支持部138の基端部にはバネ140の一端が設けられており、このバネ140の他端は各アーム部122の上面に設けられている取付部材122aに取り付けられている。このことにより、各アーム部122には、軸122bを中心として図5乃至図7における時計回りの方向に回転する力が各バネ140により付勢されるようになっている。また、各アーム支持部138には図示しないストッパーが設けられており、このストッパーにより各アーム部122が図5や図6に示す状態に維持されるようになっている。すなわち、各アーム部122がバネ140によって引っ張られることにより図5や図6に示す状態から軸122bを中心として更に回転してしまうことがストッパーにより防止されるようになっている。
また、下側のアーム部124は、上側の各アーム部122にそれぞれ対向するような刃先部分を有するフォーク形状のもとなっている。また、各刃先部分の先端部分124aはこのアーム部124の本体部分に対して前方下方にやや傾斜している。このことにより、第1アーム機構41から第2アーム機構42に束状態のバラ紙幣や帯封紙幣が受け渡される際に、これらの束状態のバラ紙幣や帯封紙幣の端部が下側のアーム部124の各刃先部分の先端部分124aで引っ掛かってしまうことが抑制される。
また、図5乃至図7に示すように、第2アーム機構42は、固定部材130と、この固定部材130に対して軸132aを中心として揺動自在となっている揺動部材132とを有している。固定部材130は、上下方向に延びる板状のものからなり、この固定部材130には上下方向に延びるガイド溝130aが設けられている。また、揺動部材132の下端部には下側のアーム部124が取り付けられている。このことにより、下側のアーム部124は揺動部材132と一体的に軸132aを中心として固定部材130に対して揺動するようになる。また、上述したように、上側の各アーム部122を支持する各アーム支持部138が取り付けられた可動部材136は、揺動部材132に対して上下方向に移動することができるようになっている。より詳細には、揺動部材132の上端部と下端部との間には上下方向に延びる複数の棒状のガイド部材134が設けられており、可動部材136に設けられた複数の貫通孔に各ガイド部材134がそれぞれ挿入されることによって当該可動部材136は各ガイド部材134により揺動部材132に対して上下方向に案内されるようになっている。このような可動部材136は駆動モータ(図示せず)によりガイド部材134に沿って上下方向に移動する。また、可動部材136の側縁部にはピン137が設けられており、このピン137は固定部材130のガイド溝130aに挿入されている。このことにより、可動部材136が揺動部材132に対して上下方向に移動する際に、この可動部材136に設けられたピン137が固定部材130のガイド溝130aにより上下方向に案内されるようになる。ここで、図5乃至図7に示すように、ガイド溝130aの下部域は上下方向に延びているのに対し、ガイド溝130aの上部域は上下方向からやや傾斜した方向に延びている。すなわち、固定部材130において、ガイド溝130aの上部域は、その上端がガイド溝130aの下部域よりも手前側に位置するよう、ガイド溝130aの下部域に対してやや傾斜している。
また、図8や図9に示すように、上側の各アーム支持部138の下面(すなわち、上側の各アーム支持部138における下側のアーム部124に対向する側の面)にはウレタンゴム等からなる弾性部材123が設けられている。このことにより、後述する図10(c)や図11(a)(b)に示すように上下一対のアーム部122、124により束状態のバラ紙幣(図10や図11等において参照符号Pで表示)や帯封紙幣が挟持されたときに、束状態のバラ紙幣や帯封紙幣の上面が弾性部材123に接するようになり、束状態のバラ紙幣や帯封紙幣の上面と弾性部材123との間で働く摩擦力によってこれらの束状態のバラ紙幣や帯封紙幣が上下一対のアーム部122、124から抜け出てしまうことが防止されるようになっている。ここで、第1アーム機構41の場合と同様に、紙幣枚数が一枚の場合でも、上記の弾性部材123によって、一枚のバラ紙幣が上下一対のアーム部122、124から抜け出てしまうことが防止される。
第2アーム機構42は、通常時には図5に示すように揺動部材132や可動部材136が鉛直面からやや傾斜して延びるような状態となっている。すなわち、下側のアーム部124が前方下方にやや傾斜して上側の各アーム部122と下側のアーム部124との間の距離がやや大きくなるよう、揺動部材132の下端部がやや後方に傾斜した状態となる。また、上側の各アーム部122はバネ140によって引っ張られることにより略水平方向に延びる状態が維持される。このことにより、第2アーム機構42が第1アーム機構41から束状態のバラ紙幣や帯封紙幣を受け取る際に、上側の各アーム部122と下側のアーム部124との間に形成される、第1アーム機構41に対向する側の第2アーム機構42の受入口が大きくなる。
次に、第1アーム機構41から第2アーム機構42に束状態のバラ紙幣や帯封紙幣を受け渡すときの動作について図10および図11を用いて説明する。なお、図10および図11では、第1アーム機構41から第2アーム機構42に束状態のバラ紙幣(図10および図11等において参照符号Pで表示)が受け渡される際の動作が示されているが、帯封機構50により形成された帯封紙幣が第1アーム機構41から第2アーム機構42に受け渡される際にも同様の動作が行われるようになる。
上側のアーム部102と下側のアーム部104との間で束状態のバラ紙幣を挟持している第1アーム機構41が図2に示すような位置から上昇すると、図10(a)に示すように第1アーム機構41は第2アーム機構42に対向する位置に到達する。この際に、第2アーム機構42は図5に示すような揺動部材132の下端部がやや後方に傾斜した状態となっている。このことにより、上側の各アーム部122と下側のアーム部124とが互いに平行に延びる場合と比較して、上側の各アーム部122と下側のアーム部124との間に形成される、第1アーム機構41に対向する側の第2アーム機構42の受入口が大きくなる。次に、図10(b)に示すように、第1アーム機構41が第2アーム機構42に接近する方向に移動する。このことにより、第1アーム機構41の上側のアーム部102と下側のアーム部104との間で挟持されている束状態のバラ紙幣は、第2アーム機構42の上側の各アーム部122と下側のアーム部124との間に位置するようになる。なお、本実施の形態では、第1アーム機構41および第2アーム機構42を上方から見て、第1アーム機構41の上側のアーム部102の位置と第2アーム機構42の上側の各アーム部122の位置は互いにずれるようになっており、また、第1アーム機構41の下側のアーム部104の位置と第2アーム機構42の下側の各アーム部124の位置も互いにずれるようになっている。
次に、図10(c)に示すように、第2アーム機構42において可動部材136が揺動部材132に対して下方に移動する。この際に、可動部材136に設けられたピン137が固定部材130のガイド溝130aに沿って下方向に案内される。ガイド溝130aは、その上部域が上下方向に対してやや傾斜し、下部域が鉛直面に沿うようになっているので、ピン137がガイド溝130aに沿って下方向に案内されると、図6に示すように固定部材130に対して揺動部材132が軸132aを中心として回転し、この揺動部材132は鉛直面に沿って延びるような姿勢となる。このことにより、下側のアーム部124は略水平方向に延びるようになる。このため、図10(c)に示すように、第1アーム機構41の上側のアーム部102と下側のアーム部104との間で挟持されている束状態のバラ紙幣の下面が第2アーム機構42の下側のアーム部124に接するようになる。また、揺動部材132が鉛直面に沿って延びるような姿勢となることにより、各ガイド部材134も略鉛直方向に延びるようになり、このことにより可動部材136に取り付けられた各アーム支持部138は略水平方向に延びるようになる。また、この際に、各アーム部122には、軸122bを中心として図10や図11における時計回りの方向に回転する力が各バネ140により付勢されているため、図6に示すように各アーム部122は各アーム支持部138に対してやや前方上方に傾斜した状態となり、上側の各アーム部122と下側のアーム部124との間に形成される、第1アーム機構41に対向する側の第2アーム機構42の受入口は大きいままに維持されるようになる。
そして、第2アーム機構42において可動部材136が揺動部材132に対して下方に移動することにより各アーム支持部138の下面に設けられた各弾性部材123が束状態のバラ紙幣の上面に接すると、上側の各アーム部122の後端部が束状態のバラ紙幣の上面により上方に押されることによって上側の各アーム部122が軸122bを中心として図10や図11における反時計回りの方向に回転する。このことにより、上側の各アーム部122も略水平方向に延びるようになり、上側の各アーム部122と下側のアーム部124との間で束状態のバラ紙幣が挟持されるようになる。この際に、束状態のバラ紙幣の上面が弾性部材123に接するようになるため、束状態のバラ紙幣や帯封紙幣の上面と弾性部材123との間で働く摩擦力によって束状態のバラ紙幣が上下一対のアーム部122、124から抜け出てしまうことが防止されるようになる。
その後、図11(a)に示すように第1アーム機構41の上側のアーム部102が下側のアーム部104から離間する方向(すなわち、図11における上方向)に移動し、第2アーム機構42の上側の各アーム部122と下側のアーム部124との間で挟持されている束状態のバラ紙幣は第1アーム機構41の上下一対のアーム部102、104から解放されるようになる。その後、図11(b)に示すように第1アーム機構41が第2アーム機構42から遠ざかる方向に移動し、更に下降することにより当該第1アーム機構41の可動領域46(具体的には、図2に示す位置)に戻る。このことにより、第2アーム機構42は、上側の各アーム部122と下側のアーム部124との間で束状態のバラ紙幣を挟持した状態で当該第2アーム機構42の可動領域48に沿ってバラ紙幣出金部16に移動することができるようになる。なお、第2アーム機構42がバラ紙幣出金部16に移動する際に、ガイド溝130aとピン137との間の隙間により、揺動部材132が軸132aを中心としてがたつくことがある。このようながたつきを防止するために、揺動部材132と固定部材130との間にバネ(図示せず)を介在させ、揺動部材132を常に図10における時計回りの方向に付勢しており、ピン137をガイド溝130aの開口縁の一側に押し付けるようにしている。
次に、バラ紙幣出金部16および帯封紙幣出金部17の構成の詳細について図12乃至図16を用いて説明する。なお、図12は、帯封紙幣がバラ紙幣出金部16に送られる前の状態を示す図であり、図13は、第2アーム機構42により帯封紙幣(図13等において参照符号P´で表示)がバラ紙幣出金部16に送られたときの状態を示す図であり、図14は、ステージ18上の帯封紙幣がバラ紙幣出金部16から帯封紙幣出金部17に送られたときの状態を示す図であり、図15は、ステージ18が下降して帯封紙幣が帯封紙幣出金部17の各フリッパー17a上に載置されたときの状態を示す図である。また、図16は、ステージ18や帯封紙幣出金部17の各フリッパー17aの構成を示す上面図である。
図12乃至図16に示すように、帯封紙幣出金部17の下端部には、当該帯封紙幣出金部17に集積される最下層の帯封紙幣の下面の側縁部を支持するためのフリッパー17aが複数設けられている。各フリッパー17aは、その基端部分に設けられた水平方向に延びる軸17b(図16参照)を中心として帯封紙幣出金部17の本体部分17cに対して回転自在となっており、この軸17bには、各フリッパー17aの先端部分を下方に回転させる方向に付勢するねじりバネ(図示せず)が設けられている。また、各フリッパー17aの軸17bの近傍には、当該フリッパー17aが図12等に示すような水平方向に延びる状態からこれ以上その先端部分が下方に回転することを防止するためのストッパー(図示せず)が設けられている。このことにより、各フリッパー17aに何ら力が加えられていないときには当該フリッパー17aは図12等に示すように水平方向に延びる状態となり、各フリッパー17a上に帯封紙幣が集積されても当該フリッパー17aは下方に回転することなく水平方向に延びる状態を維持し続ける。一方、フリッパー17aに対して下方から押すような力が加えられると、当該フリッパー17aはその基端部分に設けられた軸17bを中心としてその先端部分が上方に移動するよう回転するようになる(図14参照)。
また、上述したように、ステージ18は、バラ紙幣出金部16および帯封紙幣出金部17をまたがって図12乃至図15における上下方向に移動可能となっている。ここで、図16に示すように、ステージ18の側縁部には、帯封紙幣出金部17の各フリッパー17aが通るような開口18aが複数設けられている。
また、図12等に示すように、バラ紙幣出金部16および帯封紙幣出金部17の奥側には、鉛直方向に延びる板状の分離部材19が設けられている。この分離部材19には、図13に示すように当該分離部材19が下方に移動したときに第2アーム機構42の上側の各アーム部122や下側のアーム部124等が通ることができるような開口が設けられている。
このような構成のバラ紙幣出金部16および帯封紙幣出金部17によれば、帯封機構50により形成された帯封紙幣が帯封紙幣出金部17に送られる際に、図12に示すように、ステージ18は予め図2に示す位置から下方に移動してバラ紙幣出金部16の底面近傍に位置するようになる。そして、図13に示すように、上側の各アーム部122と下側のアーム部124との間で帯封紙幣を挟持している第2アーム機構42がバラ紙幣出金部16に移動すると、この帯封紙幣はステージ18の上方に位置するようになる。また、分離部材19が図2に示す位置から下方に移動し、この分離部材19の開口を第2アーム機構42の上側の各アーム部122や下側のアーム部124等が通った状態となる。その後、第2アーム機構42の可動部材136が上方に移動することにより上側の各アーム部122が下側のアーム部124から離間する方向(すなわち、上方向)に移動すると、帯封紙幣が上側の各アーム部122および下側のアーム部124から解放されるようになる。そして、帯封紙幣を解放した第2アーム機構42はバラ紙幣出金部16から奥側に離間する方向(すなわち、図2における右方向)に移動する。この際に、ステージ18上の帯封紙幣は分離部材19に当接することにより第2アーム機構42につられて移動することなく当該第2アーム機構42から分離してバラ紙幣出金部16に残るようになる。
その後、図14に示すように帯封紙幣が載置されたステージ18がバラ紙幣出金部16から上昇し、帯封紙幣出金部17まで移動する。この際に、帯封紙幣出金部17の各フリッパー17aは、ステージ18に載置された帯封紙幣によって下方から押されるようになり、当該フリッパー17aはその基端部分に設けられた軸17bを中心としてその先端部分が上方に移動するよう回転する。そして、ステージ18が更に上方してこのステージ18が各フリッパー17aから上方に離間すると、各フリッパー17aは略水平方向に延びる状態に戻る。その後、ステージ18が帯封紙幣出金部17から下降してバラ紙幣出金部16まで移動することにより、図15に示すようにステージ18上の帯封紙幣が帯封紙幣出金部17の各フリッパー17a上に受け渡されるようになる。
次に、図2に示す紙幣処理装置2における一括帯封紙幣収納庫70や各金種別帯封紙幣収納庫72の上端部の構成について図17を用いて説明する。図17に示すように、一括帯封紙幣収納庫70や各金種別帯封紙幣収納庫72の上端部(天井部分)には、互いに離間する方向に移動することによって一括帯封紙幣収納庫70や各金種別帯封紙幣収納庫72の上端部の開口74を開くような左右一対のシャッター76が設けられている。そして、左右一対のシャッター76が開いたときには、帯封紙幣搬送部60の循環ベルト60bの下面に沿って突起60aにより引っ掛けられた状態で図2における右方向に搬送される帯封紙幣は、一括帯封紙幣収納庫70や各金種別帯封紙幣収納庫72の上端部の開口74に入るようになり、これらの一括帯封紙幣収納庫70や各金種別帯封紙幣収納庫72のステージ70a、72a上に集積されるようになる。一方、左右一対のシャッター76が閉じているときには、帯封紙幣搬送部60により図2における右方向に搬送される帯封紙幣はこのシャッター76上を移動し、当該シャッター76に対応する一括帯封紙幣収納庫70や各金種別帯封紙幣収納庫72に入れられることはない。また、一括帯封紙幣収納庫70や各金種別帯封紙幣収納庫72に収納されている帯封紙幣の出金処理を行う際にも、出金されるべき帯封紙幣が収納されている一括帯封紙幣収納庫70や各金種別帯封紙幣収納庫72のシャッター76が開いた後に各ステージ70a、72aが上昇することにより、一括帯封紙幣収納庫70や各金種別帯封紙幣収納庫72の上端部に設けられた開口74から帯封紙幣が上方に出されるようになる。
次に、このような構成からなる貨幣処理機1における紙幣処理装置2の動作について説明する。なお、以下に示すような紙幣処理装置2の動作は、制御部80が紙幣処理装置2の各構成部材を制御することにより行われるようになっている。
まず、紙幣処理装置2においてバラ紙幣の入金処理を行う際の動作について説明する。本実施の形態による紙幣処理装置2が待機状態となっているときに、操作者が入金処理開始の指令を操作表示部82により制御部80に入力したり上位端末等の外部装置から通信インターフェース部88を介して制御部80に入金処理開始の指令が送信されたりすると、入金部14に設けられたシャッター14aが開かれるようになり、操作者は入金部14に1または複数のバラ紙幣を投入することができるようになる。入金部14に投入されたバラ紙幣は紙幣繰出機構14cにより1枚ずつ筐体12内に繰り出され、搬送部15により1枚ずつ搬送される。そして、搬送部15により搬送されるバラ紙幣は識別部20によりその金種、真偽、表裏、正損、新旧、搬送状態等が識別される。また、識別部20により識別されたバラ紙幣は表裏反転部22によりその表裏が整えられる。そして、識別部20により正常な紙幣ではないと識別された紙幣、すなわちリジェクト紙幣は表裏反転部22から搬送部15により入金リジェクト部26に送られる。ここで、入金部14に投入されたバラ紙幣が全て筐体12内に繰り出されると、入金リジェクト部26に設けられたシャッター26aが開かれるようになり、操作者は入金リジェクト部26に集積されたリジェクト紙幣を手動で取り出し、入金部14に再投入等することができるようになる。
一方、識別部20により正常な紙幣であると識別されたバラ紙幣は、表裏反転部22から搬送部15により入金一時保留部30に送られ、この入金一時保留部30で一時的に保留されるようになる。そして、入金部14に投入されたバラ紙幣が全て筐体12内に繰り出されて入金一時保留部30または入金リジェクト部26に送られると、操作表示部82には操作者に対して入金確定の指令を促すメッセージが表示される。操作表示部82に表示される当該メッセージを見た操作者が操作表示部82により入金確定の指令を入力すると、入金一時保留部30から紙幣繰出繰入機構30aによりバラ紙幣が1枚ずつ搬送部15に繰り出され、当該搬送部15により一括バラ紙幣収納庫32または各金種別バラ紙幣収納庫34に送られる。より詳細には、入金一時保留部30から搬送部15に繰り出されたバラ紙幣は、識別部20により識別され、表裏反転部22によりその表裏が整えられた後に、対応する金種の各金種別バラ紙幣収納庫34に送られるが、対応する金種の金種別バラ紙幣収納庫34がフル状態またはニアフル状態である場合には当該バラ紙幣はオーバーフロー紙幣として一括バラ紙幣収納庫32に送られるようになる。そして、入金一時保留部30からバラ紙幣が全て搬送部15に繰り出されて各金種別バラ紙幣収納庫34や一括バラ紙幣収納庫32に送られると、紙幣処理装置2におけるバラ紙幣の入金処理に係る一連の動作が完了する。
次に、紙幣処理装置2においてバラ紙幣の出金処理を行う際の動作について図18に示す紙幣の流れ図を用いて説明する。本実施の形態による紙幣処理装置2が待機状態となっているときに、出金すべきバラ紙幣の金種毎の枚数や合計金額等に係る情報を含むバラ紙幣の出金処理開始の指令を操作者が操作表示部82により制御部80に入力したり上位端末等の外部装置から通信インターフェース部88を介して制御部80に上記のバラ紙幣の出金処理開始の指令が送信されたりすると、出金すべき金種のバラ紙幣が各金種別バラ紙幣収納庫34から1枚ずつ紙幣繰出繰入機構34aにより搬送部15に繰り出される。そして、搬送部15に繰り出されたバラ紙幣は当該搬送部15により1枚ずつ搬送され、識別部20によりその金種、表裏、搬送状態等が識別される。また、識別部20により識別されたバラ紙幣は表裏反転部22によりその表裏が整えられる。
識別部20により識別されたバラ紙幣が、バラ紙幣出金部16により出金することができると判断された紙幣である場合には、図18に示すように、当該バラ紙幣はバラ紙幣出金部16に送られる。具体的には、バラ紙幣出金部16により出金することができると判断された紙幣は、識別部20から搬送部15により上下の整理一時保留部40のうち一方の整理一時保留部40に送られ、当該整理一時保留部40に集積される。そして、整理一時保留部40に集積されたバラ紙幣の枚数が出金すべき枚数(一枚の場合も含む)に達すると、整理一時保留部40に集積されたバラ紙幣の束が第1アーム機構41により当該整理一時保留部40から取り出され、この紙幣の束は第1アーム機構41から第2アーム機構42に受け渡され、当該第2アーム機構42によりバラ紙幣の束がバラ紙幣出金部16に送られる。ここで、バラ紙幣の出金処理が行われる際には、ステージ18は図2に示すように帯封紙幣出金部17の底面近傍に位置するようになり、第2アーム機構42からバラ紙幣出金部16に送られたバラ紙幣は当該バラ紙幣出金部16に集積されるようになる。そして、出金されるべきバラ紙幣が全てバラ紙幣出金部16に送られると、このバラ紙幣出金部16に設けられたシャッター16aが開くことにより、操作者はバラ紙幣出金部16からバラ紙幣を取り出すことができるようになる。なお、識別部20により識別されたバラ紙幣が、バラ紙幣出金部16により出金することができると判断された紙幣ではない場合には、当該バラ紙幣は出金リジェクト部24に送られてこの出金リジェクト部24に集積されるようになる。
ここで、本実施の形態による紙幣処理装置2においてバラ紙幣の出金処理が行われる際の第1アーム機構41および第2アーム機構42の動作について図21および図22を用いて詳述する。なお、図21および図22において、第1アーム機構41および第2アーム機構42により搬送される束状態のバラ紙幣を参照符号Pで示している。
整理一時保留部40に集積されたバラ紙幣の枚数が出金すべき枚数に達すると、図21(a)に示すように第1アーム機構41が当該整理一時保留部40に移動する。そして、第1アーム機構41における上側のアーム部102が下側のアーム部104に向かって(すなわち、下方向に)移動することにより、整理一時保留部40に集積された束状態のバラ紙幣が一対のアーム部102、104の間で挟持されるようになる。次に、図21(b)に示すように第1アーム機構41を整理一時保留部40から退く方向に移動させ、さらに図21(c)に示すように第1アーム機構41を上方に移動させて第2アーム機構42の可動領域48に入るようにし、第1アーム機構41を第2アーム機構42と同じ高さレベルに位置させるようにする。ここで、第1アーム機構41の上側のアーム部102と下側のアーム部104で挟持されている部分は、束状態のバラ紙幣の長手方向の一端寄りであり、他端寄りは挟持されていない。従って束状態のバラ紙幣の他端寄りが自重により下方へ垂れ下がることが考えられるので、ガイド部44の支え片44aによりこの他端寄りを下から支えて垂れ下がりを防止するようにしている(図21(c)参照)。なお、第1アーム機構41およびガイド部44は、図21の紙面において垂直方向に位置がずれている。また、図21(c)では、束状態のバラ紙幣の最下面と支え片44aとの間に間隔が生じているが、実際にはガイド部44が少し上昇してこの間隔をなくすようにし、このことにより束状態のバラ紙幣の他端寄りを支え片44aで下から支えるようにしている。
そして、図21(d)に示すように第1アーム機構41を第2アーム機構42に接近させた後に、図21(e)に示すように第2アーム機構42の上側の各アーム部122と下側のアーム部124との間で束状態のバラ紙幣を挟持させる。その後、図21(f)に示すように第1アーム機構41の上側のアーム部102を下側のアーム部104から離間する方向(すなわち、上方向)に移動させることにより、第1アーム機構41の各アーム部102、104から束状態のバラ紙幣を解放する。
そして、図22(a)に示すように、第1アーム機構41を第2アーム機構42から離間する方向に移動させ、さらに図22(b)に示すようにこの第1アーム機構41を下降させることにより当該第1アーム機構41を当該第1アーム機構41の可動領域46に戻す。その後、図22(c)に示すように上下一対のアーム部122、124により束状態のバラ紙幣を挟持した状態にある第2アーム機構42がバラ紙幣出金部16に向かって移動する。なお、このときに、上述したように、ステージ18は帯封紙幣出金部17の底面近傍に位置しており、バラ紙幣出金部16に送られた束状態のバラ紙幣はステージ18よりも下方に位置するようになる。また、第2アーム機構42がバラ紙幣出金部16の内部に入ると、図22(d)に示すように分離部材19が下降し、この分離部材19の開口を第2アーム機構42の上側の各アーム部122や下側のアーム部124が通った状態となる。そして、図22(e)に示すように上側の各アーム部122が下側のアーム部124から離間する方向(すなわち、上方向)に移動することにより、第2アーム機構42の各アーム部122、124から束状態のバラ紙幣が解放された後、図22(f)に示すようにシャッター16aが開くことにより操作者はバラ紙幣出金部16から束状態のバラ紙幣を取り出すことができるようになる。また、この際に、第2アーム機構42はバラ紙幣出金部16から退く方向に移動する。このときに、バラ紙幣出金部16にある束状態のバラ紙幣は分離部材19に当接することにより第2アーム機構42から分離してバラ紙幣出金部16に残るようになる。
次に、紙幣処理装置2において帯封紙幣の出金処理を行う際の動作について説明する。本実施の形態による紙幣処理装置2が待機状態となっているときに、出金すべき帯封紙幣の金種毎の数や合計金額等に係る情報を含む帯封紙幣の出金処理開始の指令を操作者が操作表示部82により制御部80に入力したり上位端末等の外部装置から通信インターフェース部88を介して制御部80に上記の帯封紙幣の出金処理開始の指令が送信されたりすると、出金すべき帯封紙幣の金種に対応するバラ紙幣が各金種別バラ紙幣収納庫34から1枚ずつ紙幣繰出繰入機構34aにより搬送部15に繰り出される。そして、搬送部15に繰り出されたバラ紙幣は当該搬送部15により1枚ずつ搬送され、識別部20によりその金種、表裏、搬送状態等が識別される。また、識別部20により識別されたバラ紙幣は表裏反転部22によりその表裏が整えられる。その後、バラ紙幣は搬送部15により上下の整理一時保留部40のうち一方の整理一時保留部40に送られ、当該整理一時保留部40に集積される。
そして、整理一時保留部40に集積されたバラ紙幣の枚数が所定枚数(具体的には、例えば100枚)に達すると、整理一時保留部40に集積されたバラ紙幣の束が第1アーム機構41により当該整理一時保留部40から取り出され、この紙幣束は第1アーム機構41により帯封機構50に送られる。そして、帯封機構50において、第1アーム機構41の上下一対のアーム部102、104により紙幣束が挟持された状態でこの紙幣束の外周面に帯封紙が巻かれることにより帯封紙幣が形成される。その後、第1アーム機構41は帯封紙幣を保持した状態で図2に示す位置から上方に移動して第2アーム機構42に対向する位置まで到達すると、第1アーム機構41から第2アーム機構42に帯封紙幣が受け渡される。そして、第2アーム機構42が図2に示す位置からバラ紙幣出金部16に向かって左方向に移動し、帯封紙幣がバラ紙幣出金部16に送られる。ここで、帯封紙幣の出金処理が行われる際には、ステージ18は図2に示す位置から下方に移動してバラ紙幣出金部16の底面近傍に位置するようになり、第2アーム機構42からバラ紙幣出金部16に帯封紙幣が送られると当該帯封紙幣はステージ18に集積されるようになる。そして、ステージ18が上昇してバラ紙幣出金部16から帯封紙幣出金部17に移動すると、ステージ18から帯封紙幣出金部17に帯封紙幣が受け渡されて当該帯封紙幣は帯封紙幣出金部17に集積されるようになる。本実施の形態では、紙幣処理装置2において複数の帯封紙幣の出金処理が行われるときには、帯封紙幣出金部17に帯封紙幣が下から順次積み上げられるようになる。そして、出金されるべき帯封紙幣が全て帯封紙幣出金部17に送られると、バラ紙幣出金部16に設けられたシャッター16aが開くことにより帯封紙幣出金部17における筐体12の前面に面する開口も開くようになり、操作者は帯封紙幣出金部17から帯封紙幣を取り出すことができるようになる。
また、本実施の形態では、帯封機構50により帯封紙幣を作成する際に生じた端数のバラ紙幣(例えば120枚の千円札を出金する場合、100枚の帯封紙幣が一束と端数のバラ紙幣が20枚になる)は、整理一時保留部40から第1アーム機構41および第2アーム機構42によりバラ紙幣出金部16に送られる。この場合には、バラ紙幣出金部16の開口および帯封紙幣出金部17の開口が共通のシャッター16aにより開閉されるため、シャッター16aが開いたときに操作者は帯封紙幣出金部17から帯封紙幣を取り出すとともにバラ紙幣出金部16から端数のバラ紙幣も同時に取り出すことができるようになる。また、バラ紙幣出金部16および帯封紙幣出金部17は上下に並ぶよう配置されておりシャッター16aが開いたときに操作者はバラ紙幣出金部16および帯封紙幣出金部17の両方の内部を見ることができるようになるため、バラ紙幣出金部16に集積された端数のバラ紙幣を筐体12の外部に取り出し忘れてしまうことを防止することができるようになる。
ここで、本実施の形態による紙幣処理装置2において帯封紙幣の出金処理が行われる際の第1アーム機構41および第2アーム機構42の動作について図23乃至図25を用いて詳述する。なお、図23乃至図25において、第1アーム機構41および第2アーム機構42により搬送される帯封紙幣を参照符号P´で示している。
図23(a)に示すように、帯封機構50において第1アーム機構41の上下一対のアーム部102、104により挟持された状態にある紙幣束の外周面に帯封紙が巻かれることによって帯封紙幣が形成されると、図23(b)に示すように第1アーム機構41は帯封機構50から退く方向に移動する。その後、図23(c)に示すように第1アーム機構41を上方に移動させて第2アーム機構42の可動領域48に入るようにし、第1アーム機構41を第2アーム機構42と同じ高さレベルに位置させるようにする。ここでもバラ紙幣の場合と同様に、ガイド部44の支え片44aで帯封紙幣の他端寄りを下から支えて垂れ下がりを防止するようにしている。そして、図23(d)に示すように第1アーム機構41を第2アーム機構42に接近させた後に、図23(e)に示すように第2アーム機構42の上側の各アーム部122と下側のアーム部124との間で帯封紙幣を挟持させる。その後、図23(f)に示すように第1アーム機構41の上側のアーム部102を下側のアーム部104から離間する方向(すなわち、上方向)に移動させることにより、第1アーム機構41の各アーム部102、104から帯封紙幣を解放する。
そして、図24(a)に示すように、第1アーム機構41を第2アーム機構42から離間する方向に移動させ、さらに図24(b)に示すようにこの第1アーム機構41を下降させることにより当該第1アーム機構41を当該第1アーム機構41の可動領域46に戻す。その後、図24(c)に示すように上下一対のアーム部122、124により帯封紙幣を挟持した状態にある第2アーム機構42がバラ紙幣出金部16に向かって移動する。なお、このときに、上述したように、ステージ18はバラ紙幣出金部16の底面近傍に位置しており、バラ紙幣出金部16に送られた帯封紙幣はステージ18よりも上方に位置するようになる。また、第2アーム機構42がバラ紙幣出金部16の内部に入ると、図24(d)に示すように分離部材19が下降し、この分離部材19の開口を第2アーム機構42の上側の各アーム部122や下側のアーム部124が通った状態となる。そして、図24(e)に示すように上側の各アーム部122が下側のアーム部124から離間する方向(すなわち、上方向)に移動することにより、第2アーム機構42の各アーム部122、124から帯封紙幣が解放された後、図24(f)に示すように第2アーム機構42はバラ紙幣出金部16から退く方向に移動する。このときに、バラ紙幣出金部16にある帯封紙幣は分離部材19に当接することにより第2アーム機構42から分離してバラ紙幣出金部16に残り、ステージ18上に載置されるようになる。また、第1アーム機構41が当該第1アーム機構41の可動領域46に戻ると、第2アーム機構42により帯封紙幣をバラ紙幣出金部16に送る動作と並行して、図24(b)〜図24(f)に示すように整理一時保留部40から束状態のバラ紙幣(参照符号Pで示す)を第1アーム機構41により取り出して帯封機構50により次の帯封紙幣を形成する動作が行われるようになる。ここで、整理一時保留部40から束状態のバラ紙幣を第1アーム機構41により取り出して帯封機構50に送る際に、取り出された束状態のバラ紙幣は、第1アーム機構41により掴まれた側とは反対側が膨らんで、この状態で帯封機構50に送ると帯封機構50の入口(図示せず)にバラ紙幣の膨らんだ側が接触する恐れがある。このため、ガイド部44の支え片44aにより、束状態のバラ紙幣Pにおける第1アーム機構41により掴まれた側とは反対側が膨れ上がるのを規制するようにしている(図24(e)参照)。
そして、図25(a)に示すように帯封紙幣が載置されたステージ18がバラ紙幣出金部16から上昇して帯封紙幣出金部17に移動した後、このステージ18が下降することにより、図25(b)に示すようにステージ18上の帯封紙幣は帯封紙幣出金部17の各フリッパー17aに受け渡されるようになる。このようにして、第1アーム機構41および第2アーム機構42により帯封紙幣が1つずつ帯封機構50から帯封紙幣出金部17に搬送されるようになる。この際に、ステージ18によってバラ紙幣出金部16から帯封紙幣出金部17に送られた帯封紙幣は当該帯封紙幣出金部17において下から順次積み上げられるようになる。そして、出金されるべき数の帯封紙幣が帯封紙幣出金部17に集積されると、図25(c)に示すようにバラ紙幣出金部16に設けられたシャッター16aが開くことにより帯封紙幣出金部17における筐体12の前面に面する開口も開くようになり、操作者は帯封紙幣出金部17から帯封紙幣を取り出すことができるようになる。
次に、紙幣処理装置2において帯封紙幣を形成して一括帯封紙幣収納庫70や各金種別帯封紙幣収納庫72に収納させるような帯封紙幣の収納処理を行う際の動作について説明する。紙幣処理装置2において帯封紙幣の収納処理を行う際の動作において、第2アーム機構42からバラ紙幣出金部16に送られた帯封紙幣がステージ18に集積されるまでの動作は上述した帯封紙幣の出金処理を行う際の動作と同一である。このため、帯封紙幣がステージ18に集積された後の動作について以下に説明する。
帯封機構50により形成された帯封紙幣が第2アーム機構42によりステージ18上に集積されると、当該ステージ18が上昇して帯封紙幣搬送部60の近傍の位置まで到達する。また、帯封紙幣の収納処理が行われる際に、循環ベルト60bは図2における反時計回りの方向に循環移動する。このことにより、帯封紙幣搬送部60の近傍の位置に到達したステージ18上の帯封紙幣が突起60aにより引っ掛けられて循環ベルト60bの下面に沿って図2における右方向に搬送される。そして、帯封紙幣搬送部60により搬送される帯封紙幣は判別部62によりその金種が判別された後、当該判別部62による判別結果に基づいて一括帯封紙幣収納庫70や各金種別帯封紙幣収納庫72に収納されるようになる。ここで、帯封紙幣搬送部60により搬送される帯封紙幣は、基本的には判別部62により判別された金種に対応する各金種別帯封紙幣収納庫72に収納されるが、判別部62により判別された金種に対応する金種別帯封紙幣収納庫72がフル状態またはニアフル状態であり当該金種別帯封紙幣収納庫72に帯封紙幣をこれ以上収納することができない場合には、当該帯封紙幣はオーバーフロー帯封紙幣として一括帯封紙幣収納庫70に収納されるようになる。
次に、紙幣処理装置2において一括帯封紙幣収納庫70や各金種別帯封紙幣収納庫72に収納されている帯封紙幣の出金処理を行う際の動作について説明する。一括帯封紙幣収納庫70や各金種別帯封紙幣収納庫72に収納されている帯封紙幣を帯封紙幣出金部17により筐体12の外部に出金する際には、循環ベルト60bが図2における時計回りの方向に循環移動する。また、一括帯封紙幣収納庫70や各金種別帯封紙幣収納庫72において帯封紙幣が集積されているステージ70a、72aが上昇することにより最上層にある帯封紙幣が突起60aにより引っ掛けられて循環ベルト60bの下面に沿って図2における左方向に搬送される。また、ステージ18が上昇して帯封紙幣搬送部60の近傍の位置まで到達するようになる。そして、帯封紙幣搬送部60により搬送される帯封紙幣の金種が判別部62により判別された後、当該帯封紙幣はステージ18上に1つずつ集積され、ステージ18に所定の数の帯封紙幣が集積されると当該ステージ18が下降してこのステージ18から帯封紙幣出金部17に帯封紙幣が受け渡されるようになる。そして、出金されるべき帯封紙幣が全て帯封紙幣出金部17に送られると、バラ紙幣出金部16に設けられたシャッター16aが開くことにより帯封紙幣出金部17における筐体12の前面に面する開口も開くようになり、操作者は帯封紙幣出金部17から帯封紙幣を取り出すことができるようになる。
また、本実施の形態の紙幣処理装置2では、一括帯封紙幣収納庫70や各金種別帯封紙幣収納庫72に収納されている帯封紙幣の出金処理と、上述したバラ紙幣の出金処理とを同時に行うことができるようになっている。すなわち、バラ紙幣の出金処理が行われる際における各整理一時保留部40からバラ紙幣出金部16までのバラ紙幣の搬送経路と、一括帯封紙幣収納庫70や各金種別帯封紙幣収納庫72に収納されている帯封紙幣の出金処理が行われる際における帯封紙幣の搬送経路とが異なるため、これらの帯封紙幣の出金処理およびバラ紙幣の出金処理を並行して行うことができるようになる。また、バラ紙幣出金部16の開口および帯封紙幣出金部17の開口が共通のシャッター16aにより開閉されるため、シャッター16aが開いたときに操作者は帯封紙幣出金部17から帯封紙幣を取り出すとともにバラ紙幣出金部16からバラ紙幣を同時に取り出すことができるようになる。また、バラ紙幣出金部16および帯封紙幣出金部17は上下に並ぶよう配置されておりシャッター16aが開いたときに操作者はバラ紙幣出金部16および帯封紙幣出金部17の両方の内部を見ることができるようになるため、帯封紙幣およびバラ紙幣のうち一方を筐体12の外部に取り出し忘れてしまうことを防止することができるようになる。
また、本実施の形態の紙幣処理装置2では、帯封機構50により形成された帯封紙幣の出金処理と、上述したバラ紙幣の出金処理とを同時に行うことができるが、このような場合には、まず、帯封機構50により形成された帯封紙幣が第1アーム機構41および第2アーム機構42によりバラ紙幣出金部16に搬送された後にステージ18によって当該帯封紙幣がバラ紙幣出金部16から帯封紙幣出金部17に送られ、出金されるべき帯封紙幣が全て帯封紙幣出金部17に送られた後に整理一時保留部40からバラ紙幣が第1アーム機構41および第2アーム機構42によりバラ紙幣出金部16に搬送されるようになる。
以上のような構成からなる本実施の形態の紙幣処理装置2によれば、搬送部15により各金種別バラ紙幣収納庫34(収納繰出部)から搬送された、バラ紙幣出金部16(バラ紙幣投出部)により筐体12の外部に投出されるべきバラ紙幣が、帯封用のバラ紙幣の集積部(すなわち、帯封用集積部)としての整理一時保留部40に集積されて当該整理一時保留部40で一時的に保留されるようになっている。この場合には、帯封機構50(帯封部)に送られるべきバラ紙幣が集積される集積部と、バラ紙幣出金部16により筐体12の外部に投出されるべきバラ紙幣が集積される集積部とを共通化することにより(すなわち、整理一時保留部40に、帯封機構50に送られるべきバラ紙幣およびバラ紙幣出金部16により筐体12の外部に投出されるべきバラ紙幣をそれぞれ集積させることにより)、帯封されるべきバラ紙幣が集積される集積部および筐体12の外部に投出されるべきバラ紙幣が集積される集積部を別々に設ける場合と比較して、紙幣処理装置2の部品の数を減らすことができ、よって紙幣処理装置2の製造コストを低減するとともに装置のサイズを小さくすることができる。
また、本実施の形態の紙幣処理装置2においては、上述したように、帯封機構50から帯封紙幣出金部17(帯封紙幣投出部)への帯封紙幣の搬送経路と、帯封用集積部としての整理一時保留部40からバラ紙幣出金部16へのバラ紙幣の搬送経路との少なくとも一部が重複するようになっている。すなわち、第1アーム機構41の可動領域46および第2アーム機構42の可動領域48は、帯封機構50から帯封紙幣出金部17への帯封紙幣の搬送経路として用いられるとともに、整理一時保留部40からバラ紙幣出金部16へのバラ紙幣の搬送経路としても用いられるようになっている。このように、帯封機構50から帯封紙幣出金部17への帯封紙幣の搬送経路の一部と、整理一時保留部40からバラ紙幣出金部16へのバラ紙幣の搬送経路の一部とを共通化することにより、帯封紙幣の搬送経路およびバラ紙幣の搬送経路を別々に設ける場合と比較して、筐体12内の省スペース化を図ることができるとともに紙幣処理装置2の部品の数を減らすことができ、よって紙幣処理装置2の製造コストを低減するとともに装置のサイズを小さくすることができる。
また、本実施の形態の紙幣処理装置2においては、上述したように、帯封機構50から帯封紙幣出金部17への帯封紙幣の搬送経路の途中にバラ紙幣出金部16(バラ紙幣投出部)が配置されており、帯封機構50からバラ紙幣出金部16への帯封紙幣の搬送経路と、整理一時保留部40からバラ紙幣出金部16へのバラ紙幣の搬送経路との少なくとも一部が重複するようになっている。
また、本実施の形態の紙幣処理装置2においては、上述したように、帯封機構50から帯封紙幣出金部17への帯封紙幣の搬送経路と整理一時保留部40からバラ紙幣出金部16へのバラ紙幣の搬送経路との重複する部分では同一の搬送機構(すなわち、第1アーム機構41および第2アーム機構42)により帯封紙幣およびバラ紙幣がそれぞれ搬送されるようになっている。この場合には、搬送機構の共通化を図ることにより、帯封紙幣の搬送機構およびバラ紙幣の搬送機構を別々に設ける場合と比較して、筐体12内の省スペース化を図ることができるとともに紙幣処理装置2の部品の数を減らすことができ、よって紙幣処理装置2の製造コストを低減するとともに装置のサイズを小さくすることができる。
また、本実施の形態の紙幣処理装置2においては、上述したように、帯封機構50により帯封紙幣を作成する際に生じた端数のバラ紙幣は帯封用集積部としての整理一時保留部40からバラ紙幣出金部16へ送られるようになっており、この端数のバラ紙幣の搬送経路と帯封機構50から帯封紙幣出金部17への帯封紙幣の搬送経路との少なくとも一部が重複するようになっている。すなわち、第1アーム機構41の可動領域46および第2アーム機構42の可動領域48は、整理一時保留部40からバラ紙幣出金部16への端数のバラ紙幣の搬送経路として用いられるとともに、帯封機構50から帯封紙幣出金部17への帯封紙幣の搬送経路としても用いられるようになっている。このように、整理一時保留部40からバラ紙幣出金部16への端数のバラ紙幣の搬送経路の一部と、帯封機構50から帯封紙幣出金部17への帯封紙幣の搬送経路の一部とを共通化することにより、端数のバラ紙幣の搬送経路および帯封紙幣の搬送経路を別々に設ける場合と比較して、筐体12内の省スペース化を図ることができるとともに紙幣処理装置2の部品の数を減らすことができ、よって紙幣処理装置2の製造コストを低減するとともに装置のサイズを小さくすることができる。
また、本実施の形態の紙幣処理装置2においては、上述したように、帯封用集積部としての整理一時保留部40は紙幣処理装置2の筐体12の内部(具体的には、筐体12の内部における奥側)に設けられている。この場合には、バラ紙幣が集積される集積部が筐体12の手前側に設けられている場合と比較して、搬送部15から整理一時保留部40に送られたバラ紙幣が当該整理一時保留部40に集積される際に発生する騒音を軽減することができるようになる。
また、本実施の形態の紙幣処理装置2においては、上述したように、第1アーム機構41および第2アーム機構42からなる複数の紙幣搬送部が設けられており、これらの複数の紙幣搬送部により1または複数のバラ紙幣あるいは帯封紙幣が順次搬送されるようになっている。そして、ある紙幣搬送部(具体的には、第2アーム機構42)は、別の紙幣搬送部(具体的には、第1アーム機構41)の各アーム部102、104(搬送部材)により挟持された状態にある1または複数のバラ紙幣あるいは帯封紙幣を各アーム部122、124(搬送部材)により挟持することによって別の紙幣搬送部(すなわち、第1アーム機構41)から1または複数のバラ紙幣あるいは帯封紙幣を受け取るようになっている。この場合には、第2アーム機構42は、第1アーム機構41の各アーム部102、104により挟持されて厚みが薄くなった状態にある1または複数のバラ紙幣あるいは帯封紙幣を各アーム部122、124により挟持することにより、この第2アーム機構42における一対のアーム部122、124を上下に大きく開かなくても第1アーム機構41から1または複数のバラ紙幣あるいは帯封紙幣を受け取ることができるようになり、よって各アーム部122、124の移動範囲を小さくすることができるようになりコンパクトな構成とすることができる。
また、本実施の形態の紙幣処理装置2においては、上述したように、少なくとも1つの紙幣搬送部(具体的には、第2アーム機構42)は、別の紙幣搬送部(具体的には、第1アーム機構41)から1または複数のバラ紙幣あるいは帯封紙幣を受け取る際に、一対のアーム部122、124の間に形成される第1アーム機構41に対向する側の受入口が大きくなるよう少なくとも1つのアーム部(具体的には、上側の各アーム部122および下側のアーム部124)が移動可能となっている。また、この際に、1または複数のバラ紙幣あるいは帯封紙幣を受け取る側の紙幣搬送部(具体的には、第2アーム機構42)は、別の紙幣搬送部(具体的には、第1アーム機構41)から1または複数のバラ紙幣あるいは帯封紙幣を受け取る際に一対のアーム部122、124における第1アーム機構41に対向する側の端部の間の距離が大きくなるよう少なくとも1つのアーム部(具体的には、上側の各アーム部122および下側のアーム部124)が移動可能となっている。これらの技術的事項によれば、1または複数のバラ紙幣あるいは帯封紙幣を受け取る側の紙幣搬送部(具体的には、第2アーム機構42)における受入口を大きくすることができるため紙幣搬送部間での1または複数のバラ紙幣あるいは帯封紙幣の受け渡しをスムーズに行うことができる。
また、本実施の形態の紙幣処理装置2においては、上述したように、1または複数のバラ紙幣あるいは帯封紙幣を受け取る側の紙幣搬送部(具体的には、第2アーム機構42)における少なくとも1つのアーム部(具体的には、下側のアーム部124)は、他のアーム部(具体的には、上側の各アーム部122)に対して傾斜した状態となるよう回転可能となっている。このことにより、1または複数のバラ紙幣あるいは帯封紙幣を受け取る側の紙幣搬送部(具体的には、第2アーム機構42)における受入口を大きくすることができるようになる。
より詳細には、1または複数のバラ紙幣あるいは帯封紙幣を受け取る側の紙幣搬送部(具体的には、第2アーム機構42)における一対のアーム部のうち上側の各アーム部122(第1搬送部材)は下側のアーム部124(第2搬送部材)に接近する方向および下側のアーム部124から離間する方向にそれぞれ移動可能となっており、下側のアーム部124は上側の各アーム部122に対して傾斜した状態となるよう回転可能となっている。そして、この第2アーム機構42は、第1アーム機構41から1または複数のバラ紙幣あるいは帯封紙幣を受け取る際に、下側のアーム部124が上側の各アーム部122に対して傾斜した状態となるよう回転することによって上側の各アーム部122および下側のアーム部124の間に形成される第1アーム機構41に対向する側の受入口が大きくなる。また、第1アーム機構41から1または複数のバラ紙幣あるいは帯封紙幣を受け取った後に上側の各アーム部122が下側のアーム部124に接近する方向に移動するとこのような上側の各アーム部122の動作に連動して下側のアーム部124が回転して上側の各アーム部122および下側のアーム部124が略平行状態となる。このような技術的事項によれば、第2アーム機構42は、第1アーム機構41から1または複数のバラ紙幣あるいは帯封紙幣を受け取った後に上側の各アーム部122および下側のアーム部124を略平行状態とすることができるためこれらの上側の各アーム部122および下側のアーム部124により1または複数のバラ紙幣あるいは帯封紙幣を適切に挟持することができるようになる。
なお、本実施の形態による紙幣処理装置は、上述したような態様に限定されることはなく、様々な変更を加えることができる。
例えば、整理一時保留部40や帯封機構50からバラ紙幣や帯封紙幣をバラ紙幣出金部16に搬送する際に、本実施の形態では2つのアーム機構(すなわち、第1アーム機構41および第2アーム機構42)が用いられているが、このようなアーム機構の数は2つに限定されることはない。変形例に係る紙幣処理装置において3つ以上のアーム機構が設けられており、整理一時保留部40や帯封機構50からバラ紙幣や帯封紙幣をバラ紙幣出金部16に搬送する際にこれらの3つ以上のアーム機構でバラ紙幣や帯封紙幣が順次受け渡されるようになっていてもよい。
また、本発明における、複数のアーム機構(紙葉類搬送部)を備えておりこれらの複数のアーム機構により1または複数の紙葉類が順次搬送されるような紙葉類搬送機構は、バラ紙幣や帯封紙幣を搬送するものに限定されることはない。本発明に係る紙葉類搬送機構により搬送される紙葉類として、商品券や小切手等、紙幣以外のものが用いられてもよい。