JP2016183717A - 車両用モータ駆動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】低温度環境下においても潤滑油の吸込みを円滑化すること。【解決手段】車両用モータ駆動装置は、潤滑油を貯留する潤滑油タンク(53)と、潤滑油タンクの吸込み口(53a)から潤滑油を吸い込んで、潤滑油を循環させるためのオイルポンプ(51)とを備えており、内部循環方式によって潤滑油を循環させる。このような構成の車両用モータ駆動装置に、モータ部内の空間(L)と潤滑油タンク(53)内の空間との境界部を跨って延びる伝熱部材(30)を設ける。伝熱部材(30)は、モータ部の発熱部分(13)の熱を採取し、採取した熱を潤滑油タンク(53)の吸込み口(53a)付近に導く。【選択図】図4

Description

本発明は、内部循環方式によって潤滑油を循環させる車両用モータ駆動装置に関する。
モータ部と減速部とを備える車両用モータ駆動装置は、そのケーシング内に複数の回転要素を有している。これらの回転要素は高速回転することから、潤滑油により回転要素を適切に潤滑する必要がある。
寒冷地等の低温度環境下において、モータ駆動装置を搭載した車両が放置または保管された場合、モータ駆動装置全体の温度低下に伴って、内部の潤滑油の温度も低下する。一般的に、潤滑油は温度が低下すると粘度が上昇する。粘度が上昇すると、それに併せて潤滑油の流動性が低下する。そのため、従来から、モータ駆動装置において、潤滑油の温度を強制的に上昇させることにより、潤滑油の粘度を低下させる技術が提案されている。
たとえば特開2003−339101号公報(特許文献1)および特開2011−89625号公報(特許文献2)には、モータの回転軸の回転が停止されているとき、すなわちモータの始動前に、モータのコイルに通電してコイルを発熱させ、その熱でオイルを加熱する技術が開示されている。このような技術によれば、モータの始動前にオイルの粘度を低下できるため、始動時におけるモータの回転抵抗の増加を抑制することができる。
特開2003−339101号公報(特許第3918631号) 特開2011−89625号公報
モータ駆動装置の潤滑方式としては、ギアにより潤滑油を掻き上げて各部に潤滑油を供給する油浴潤滑方式、および、ケーシング内に内蔵された潤滑油タンクからオイルポンプによって潤滑油を吸込み、潤滑油を圧送させて内部循環させる内部循環方式などが知られている。
上記特許文献1および2のモータ駆動装置は油浴潤滑方式を採用しているため、モータの始動前にコイルを強制的に発熱させることで、ケーシング下部に貯められた潤滑油全体を徐々に温めている。
しかし、オイルポンプを利用する内部循環方式のモータ駆動装置においては、コイルの発熱により潤滑油タンク内の潤滑油全体が自然に温まるのを待っていると、潤滑油全体の粘度はなかなか低下しない。そのため、オイルポンプに対して吸入側となる吸入油路および吐出側となる吐出油路において、潤滑油が流れ難い状況となる。特に、潤滑油タンクからオイルポンプへの吸入油路では、潤滑油の吸込みが円滑に行われず、吸込み油量が低下する。そうすると、オイルポンプ吐出量自体が減少する。その結果、回転要素などへの潤滑油の供給が不十分となる可能性がある。特に、極低温下では、オイルポンプへの潤滑油の吸込みが困難となり、回転要素が無給油状態となるおそれがあった。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであって、その目的は、低温度環境下においても潤滑油の吸込みを円滑化することのできる車両用モータ駆動装置を提供することである。
この発明のある局面に従う車両用モータ駆動装置は、内部循環方式によって潤滑油を循環させる車両用モータ駆動装置であって、潤滑油タンクと、オイルポンプと、モータ部と、伝熱部材とを備える。潤滑油タンクは、潤滑油を貯留する。オイルポンプは、潤滑油タンクの吸込み口から潤滑油を吸い込んで、潤滑油を循環させる。モータ部は、車輪を回転駆動する。伝熱部材は、モータ部の発熱部分の熱を採取し、採取した熱を潤滑油タンクの吸込み口付近に導く。
この車両用モータ駆動装置によれば、モータ部内の空間と潤滑油タンク内の空間との境界部を跨って伝熱部材が配置されるため、モータ部の発熱部分の熱により、潤滑油タンクの吸込み口付近の潤滑油が温められ、吸込み口付近の潤滑油の粘度が他の部分よりも先に低下する。したがって、低温度環境下においても潤滑油の吸込みを円滑化することができる。
好ましくは、伝熱部材は、潤滑油タンク内に位置する部分に、フィンを有している。
好ましくは、伝熱部材は、モータ部のステータに当接する当接部を有している。
モータ部と潤滑油タンクとは、隔壁を介して隣接していてもよい。この場合、伝熱部材は、隔壁を通過して延びており、モータ部は、隔壁によって区切られた、モータ部の外郭となるモータケーシングを含む。このような構成のモータ駆動装置において、伝熱部材は、モータケーシングの内壁面から離れて配置されていることが望ましい。
また、伝熱部材は、モータケーシング内の潤滑油を潤滑油タンク内に逃がす油逃し路を有していることが望ましい。
隔壁には、モータケーシング内の潤滑油を潤滑油タンクに還流させるための戻し開口が設けられている。伝熱部材は、隔壁の戻し開口内に挿通されていることが望ましい。
好ましくは、伝熱部材の材質は、アルミニウムまたは銅である。
本発明によれば、低温度環境下においても潤滑油の吸込みを円滑化することができる。
本発明の実施の形態に係るインホイールモータ駆動装置を有する電気自動車を、模式的に示す平面図である。 本発明の実施の形態に係るインホイールモータ駆動装置を示す縦断面図である。 本発明の実施の形態における伝熱部材の構造例を示す斜視図である。 図2に示したインホイールモータ駆動装置のうち、伝熱部材の周辺部を拡大して示した縦断面図であり、伝熱部材の配置例を示す図である。 伝熱部材の他の配置例を示す図である。 本発明の他の実施の形態となるオンボード方式のモータ駆動装置を有する電気自動車を、模式的に示す平面図である。
本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
本実施の形態に係る車両用モータ駆動装置は、図1に示すような電気自動車100に搭載されるインホイールモータ駆動装置11である。電気自動車100は、シャーシ101と、前輪としての操舵輪102と、懸架装置(サスペンション)を介してシャーシ101の下部に取り付けられた、後輪としての駆動輪103とを備えている。インホイールモータ駆動装置11は、シャーシ101のホイールハウジングの内部に設けられ、左右の駆動輪103それぞれを駆動する。
(基本構成について)
図2を参照して、はじめに、インホイールモータ駆動装置11の基本構成について説明する。インホイールモータ駆動装置11は、略円筒形状であり、駆動力を発生させるモータ部11Aと、モータ部11Aの回転を減速して出力する減速部11Bと、減速部11Bからの出力を駆動輪に伝える車輪ハブ軸受部11Cとを備える。モータ部11A、減速部11B、車輪ハブ軸受部11Cは、軸線O方向に直列かつ同軸に配置されている。
モータ部11Aの外郭をなすケーシング(モータケーシング)21aは、インホイールモータ駆動装置11の軸線O方向からみて略円筒形状であり、インホイールモータ駆動装置11の軸線Oを中心とする非回転の固定部材である。減速部11Bの外郭をなすケーシング(減速部ケーシング)21bも同様である。これに対し車輪ハブ軸受部11Cは内輪側の回転部材(ハブ輪77)および外輪側の固定部材(外輪部材80)を有し、このうち回転部材(ハブ輪77)には車輪103(図1参照)が取付固定されて、モータ部11Aの回転駆動力を車輪103に伝えると共に車重を車輪103に伝える。
モータ部11Aは、図2に示すように、回転電機のロータ12、ステータ13、およびモータ軸14aをケーシング21a内のモータ室Lに収容している。そしてモータ部11Aは、力行運転により減速部11Bを通じて車輪ハブ軸受部11Cに回転を出力し、あるいは制動時などにおいて車輪ハブ軸受部11Cの回転を利用して電力回生を行う。略円筒形状のケーシング21aの軸方向端は、円板形状のモータリヤカバー21rで塞がれる。ケーシング21aの内周面にはステータ13が周方向所定間隔に取付固定される。ステータ13よりも内径側にはロータ12が配置され、ロータ12は軸線Oに沿って延びるモータ軸14aに取付固定される。モータ部11Aは、ステータ13のコイル17に交流電流を供給することによって生じる電磁力を受けて、永久磁石又は磁性体によって構成されるロータ12が回転する。モータ軸14aの一方の端部は転がり軸受16を介してモータリヤカバー21rに支持される。モータ軸14aの他方の端部は転がり軸受16を介して隔壁21eに支持される。円筒形状のケーシング21a,21bと、円板形状の隔壁21eと、円板形状のモータリヤカバー21rは、互いに結合して、インホイールモータ駆動装置11のケーシング21を構成する。
ケーシング21bは減速室Nを画成し、減速室Nに減速部11Bの減速機構を収容する。この減速機構はサイクロイド減速機構であり、入力軸14bと、2個1対の偏心部材71と、2個の転がり軸受72と、外周部が波形状の2枚の曲線板73と、複数の内ピン74と、複数の外ピン75と、出力軸76とを有する。減速部11Bの入力軸14bはモータ部11Aのモータ軸14aに連結固定される。入力軸14bおよびモータ軸14aは、軸線Oに沿って延び、一体となって回転することから、モータ側回転部材とも称する。
各偏心部材71は、互いに180°異なる位相で、軸線Oから偏心して入力軸14bにそれぞれ設けられる。2枚の曲線板73は、その外周部が波形に形成された円板形状であり、その中央に中央孔を有し、この中央孔の内周面がそれぞれ転がり軸受72を介して各偏心部材71の外周面に回転自在に支持される。各外ピン75は、ケーシング21bに弾性支持された外ピンハウジング79に固定されて、曲線板73の波形に形成された外周部と係合し、軸線O回りに高速で公転する曲線板73を公転方向とは反対方向に僅かに自転運動させる。各内ピン74は出力軸76に取付固定されて、曲線板73に周方向所定間隔に形成された複数の貫通孔73hに通され、曲線板73の自転運動のみを取り出し、出力軸76に伝達する。これにより入力軸14bの回転は、減速部11Bにより減速されて、出力軸76から出力される。サイクロイド減速機構である減速部11Bは、遊星歯車組または平行軸歯車組からなる減速機構よりも高減速比であり、インホイールモータ駆動装置11の小型化および軽量化に資する。
出力軸76には車輪ハブ軸受部11Cのハブ輪77が連結固定される。ハブ輪77は車輪ハブ軸受部11Cの転動体78を介して、外輪部材80に回転自在に支持される。外輪部材80はボルトでケーシング21bに固定される。ハブ輪77にはボルト81を介して車輪103(図1参照)のロードホイールが取付固定される。転動体78は、2列に配列された複数の玉である。車輪ハブ軸受部11Cは例えば複列アンギュラ玉軸受である。
このインホイールモータ駆動装置11は、内部循環方式の潤滑油回路を備えており、潤滑油を内部循環させることで、モータ部11Aおよび減速部11Bを潤滑する。具体的には、減速部11Bのケーシング21bの下部に潤滑油タンク53が附設される。モータ室Lと減速室Nとの境界部に位置する隔壁21eには、オイルポンプ51が設けられている。オイルポンプ51は、軸線Oと同軸に配置され、内ピン74に固定された内ピン補強部材74bによって駆動される。つまり、減速部11Bの出力回転によりオイルポンプ51は駆動される。オイルポンプ51に対して吸入側となる吸入油路52および吐出側となる吐出油路54は、隔壁21eの壁厚内部に設けられている。
吸入油路52は、上下方向に延びて、その上端がオイルポンプ51の吸入口と接続し、その下端が潤滑油タンク53と接続する。潤滑油タンク53には、吸入油路52への吸込み口53aが設けられている。より具体的には、吸込み口53aは、吸入油路52に連通する吸込みノズル53bの先端部に設けられている。
吐出油路54は、オイルポンプ51の吐出口から隔壁21eの外縁まで上下方向に延びる。ケーシング21aの壁厚内部に形成されたケーシング油路55は、軸線Oと平行に延び、隔壁21e側の端部が上述した吐出油路54の上端と接続する。またケーシング油路55のモータリヤカバー21rに近い側の端部が、モータリヤカバー21rの壁厚内部に形成される連絡油路56と接続する。連絡油路56は円板形状の壁になるモータリヤカバー21rの内壁面と外壁面の間を上下方向かつ半径方向に延びる。モータリヤカバー21rの外径側に位置する連絡油路56の上端は、上述したケーシング油路55の一端と接続する。モータリヤカバー21rの内径側に位置する連絡油路56の下端は、モータ軸14aに設けられるモータ軸油路58aと接続する。
モータ軸油路58aは、モータ軸14aの内部に設けられて軸線Oに沿って延びる。そして、モータ軸油路58aの減速部11Bに近い側の一端が、入力軸14bに設けられて軸線Oに沿って延びる減速部入力軸油路58bと接続する。また、モータ軸油路58aの減速部11Bから遠い側の一端が、上述した連絡油路56と接続する。さらにモータ軸油路58aは、軸線方向中央部のロータフランジ部に形成されたロータ油路64の内径側端と接続する。
減速部入力軸油路58bは、入力軸14bの内部に設けられて、入力軸14bの両端間を軸線Oに沿って延びる。出力軸76と対向する減速部入力軸油路58bの一端には、潤滑油孔60が設けられる。潤滑油孔60は潤滑油を減速室Nに向けて噴射する。
減速部入力軸油路58bは、各偏心部材71内を径方向外側に向かって延びる潤滑油路59に分岐する。潤滑油路59の外径側端は、偏心部材71の外周面および曲線板73の内周面間に設けられた転がり軸受72と接続する。
減速室Nの底部には、減速部リターン孔61が設けられる。減速部リターン孔61はケーシング21bを貫通し、減速室Nと潤滑油タンク53を連通する。また、モータ室Lの底部には、モータ部リターン孔66が設けられる。潤滑油タンク53は隔壁21eを介してモータ室L(モータ部11A)と隣接しているため、モータ部リターン孔66(仮想線)は隔壁21eを貫通し、モータ室Lと潤滑油タンク53を連通する。モータ部リターン孔66は、モータケーシング21a内の潤滑油を潤滑油タンク53に還流させるために隔壁21eに設けられた戻し開口である。
潤滑油回路の作用につき説明すると、内ピン補強部材74bを介して出力軸76によって駆動されるオイルポンプ51は、潤滑油タンク53に貯留した潤滑油を吸込み口53aから吸い込んで、吸入油路52に吸入する。また、吸入した潤滑油を吐出油路54に吐出する。潤滑油は、オイルポンプ51によって加圧され、吐出油路54と、ケーシング油路55と、連絡油路56と、モータ軸油路58aとを順次流れる。
モータ軸油路58aを流れる潤滑油は、一部がロータ油路64に流入し、ロータ12の外周面からモータ室Lに噴射される。次に潤滑油は、モータ室Lの底部へ向かい、モータ部リターン孔66を経て潤滑油タンク53に還流する。このようにしてモータ部11Aは軸心給油方式によって潤滑される。またモータ室Lには噴射された潤滑油が充満して油雰囲気にされる。これによって、モータ室L内の冷却および潤滑が行われる。特にロータ12およびステータ13が冷却され、転がり軸受16が冷却および潤滑される。
モータ軸油路58aから減速部入力軸油路58bに流れる潤滑油は、分岐して潤滑油路59および潤滑油孔60を流れて減速室Nに噴射され、減速部11Bの偏心部材71、転がり軸受72、曲線板73、内ピン74、および外ピン75に付着する。次に潤滑油は、減速室Nの底部へ向かい、減速部リターン孔61を経て潤滑油タンク53に還流する。このようにして減速部11Bは軸心給油方式によって潤滑される。また減速室Nには噴射された潤滑油が充満して油雰囲気にされる。これによって、減速室N内の冷却および潤滑が行われる。具体的には、減速部11Bの偏心部材71、転がり軸受72、曲線板73、内ピン74、外ピン75、これらを支持する転がり軸受、および接触部分の冷却および潤滑が行われる。
このように、インホイールモータ駆動装置11は、オイルポンプ51の駆動に応じて潤滑油タンク53内の潤滑油を吸込み口53aから吸い込むことによって、潤滑油の循環が可能となる。そのため、インホイールモータ駆動装置11を搭載した電気自動車100(図1参照)が低温度環境下で放置または保管された場合など、潤滑油タンク53に貯留された潤滑油の粘度が高くなっている場合には、オイルポンプ51を駆動しても吸込み口53aからの潤滑油の吸込みが困難となるおそれがある。
そこで、本実施の形態のインホイールモータ駆動装置11は、モータ部11Aの発熱部分の熱を、潤滑油タンク53の吸込み口53a付近の潤滑油に伝える伝熱機構を備えている。伝熱機構について、以下に詳細に説明する。
(伝熱機構について)
図2に示されるように、インホイールモータ駆動装置11は、伝熱機構として、隔壁21eを通過して、モータ室Lから潤滑油タンク53内の空間へ延びる伝熱部材30を備えている。伝熱部材30は、モータ部11Aの発熱部分の熱を採取し、採取した熱を潤滑油タンク53の吸込み口53a付近に導く。伝熱部材30の材質は、典型的にはアルミニウムまたは銅であるが、熱伝導率が高い材質であれば他のものでもよい。
伝熱部材30の詳細については、図3および図4を参照して説明する。図3は、伝熱部材30の構造例を示す斜視図である。図4は、図2に示したインホイールモータ駆動装置11のうち、伝熱部材30の周辺部を拡大して示した縦断面図である。
伝熱部材30は、一端側に設けられた当接部31と、他端側に設けられたフィン33と、これらを連結する連結部32とを有している。当接部31は、モータ部11Aのステータ13に当接する。具体的には、当接部31は、ステータ13の底面13aに面接触している。これにより、コイル17への通電により発熱するステータ13の熱が当接部31において採取される。当接部31は、たとえば固定金具等を用いてステータ13に固定されていてもよい。
連結部32は、隔壁21eを跨って延びており、当接部31が採取したステータ13の熱をフィン33に伝える。連結部32は、典型的には、隔壁21eのモータ部リターン孔66に挿通される。この場合、連結部32は、モータ部リターン孔66の内側面との間に空間をあけて配置されていることが望ましい。
連結部32は、隔壁21eに跨る部分に、モータケーシング21a内の潤滑油を潤滑油タンク53に逃がす油逃し路32aを有している。油逃し路32aは、たとえば貫通孔として構成される。油逃し路32aの軸線O方向に沿う長さは、モータ部リターン孔66の軸線O方向に沿う長さよりも長いことが望ましい。このように油逃し路32aが設けられるため、モータ室Lの潤滑油は、モータ部リターン孔66を通過する際に、油逃し路32aとしての貫通孔を通り抜けて、潤滑油タンク53へ還流することが可能となる。つまり、隔壁21eのモータ部リターン孔66に伝熱部材30が挿通されたとしても、モータ室Lからの潤滑油の還流を妨げない。なお、油逃し路32aは、貫通孔に限定されず、たとえば溝などによって構成されてもよい。
フィン33は、潤滑油タンク53内に位置する部分に配置され、より特定的には吸込み口53aの近傍に配置される。これにより、吸込み口53a付近において、当接部31が採取した熱の放熱が促される。その結果、効果的に吸込み口53a付近の潤滑油の温度を上昇させることができる。
フィン33は、連結部32の両面または片面に、連結部32と一体的に設けられている。なお、各フィン33は、潤滑油の吸込み口53aへの流動方向に沿って配置されることが望ましい。この場合、フィン33により潤滑油タンク53内の潤滑油の整流効果も期待できる。
ここで、伝熱部材30によって当接部31が採取した熱の多くを、潤滑油タンク53の吸込み口53a付近に導くため、伝熱部材30はモータケーシング21aの内壁面から離れて配置されている。また、潤滑油タンク53の底面からも離れて配置されていることが望ましい。なお、伝熱部材30の当接部31、連結部32、およびフィン33が、モータケーシング21aの内壁面および潤滑油タンク53の底面から離れて配置されていればよく、伝熱部材30を安定的に固定するために伝熱性の低い断熱材等を介してこれらの面に接していてもよい。
インホイールモータ駆動装置11がこのような伝熱部材30を備えることで、モータ部11Aの始動時に、コイル17の発熱により高温となるステータ13の熱が、潤滑油タンク53の吸込み口53a付近において放熱される。したがって、潤滑油タンク53に貯留された潤滑油のうち、吸込み口53a付近の潤滑油を効率良く温め、粘度を低下させることができる。その結果、低温度環境下においても、吸込み口53a付近の潤滑油の流動不良が優先的に改善できるため、簡易な方法で、オイルポンプ51への潤滑油の吸込みを早期に円滑化することができる。
なお、図4に示した断面図では、吸込み口53aがモータ部リターン孔66と略同じ高さとなっているため、伝熱部材30が一端から他端まで直線状に延在する構成が示されている。しかしながら、一般的には、吸込み口53aはモータ部リターン孔66よりも下方に位置するため、伝熱部材30の連結部32は潤滑油タンク53内において下方に曲げられていてもよい。すなわち、伝熱部材30の形状は、ステータ13とモータ部リターン孔66と吸込み口53aとの位置関係に応じて定められていればよい。
また、本実施の形態では、伝熱部材30の当接部31は、ステータ13の底面13aに当接する構成としたが、図5に示すように、ステータ13の側面13bに当接してもよい。この場合、ステータ13の側面13bとコイル17との間に伝熱部材30の当接部31を加締めて固定してもよい。
また、当接部31は、ステータ13に当接して、ステータ13の熱を採取することとしたが、コイル17など他の発熱部分に当接していてもよい。
また、本実施の形態では、フィン33は、伝熱部材30の先端部(他方側の端部)に設けられることとしたが限定的ではなく、伝熱部材30のうちの潤滑油タンク53内に位置する部分に設けられていればよい。あるいは、フィン33自体がなく、板状の伝熱部材30の先端部が、潤滑油タンク53の吸込み口53a付近に配置されていてもよい。
また、隔壁21eに複数個のモータ部リターン孔66が設けられている場合には、モータ部リターン孔66ごとに伝熱部材30が挿入されてもよい。このようにすることで、より効率良く潤滑油タンク53の吸込み口53a付近の油温を上昇させることができる。
また、本実施の形態では、伝熱部材30がモータ部リターン孔66に挿入されることとしたが、隔壁21eに伝熱部材30を挿通するための専用の孔(図示せず)が設けられてもよい。この場合、当該孔の内側面と伝熱部材30は、断熱材を介して接していてもよい。
また、インホイールモータ駆動装置11は、軸心給油方式によって各部を潤滑させる構成としたが、オイルポンプにより潤滑油タンク内の潤滑油を吸込んで、吸込んだ潤滑油を内部循環させる方式であれば、軸心給油方式に限定されない。
さらに、本実施形態のモータ駆動装置は、インホイールモータ駆動装置11であることとしたが、図6に示すようなオンボード方式のモータ駆動装置91にも適用可能である。このモータ駆動装置91は、インホイールモータ駆動装置11と基本的には同一構成であるが、ハブ輪77(図2参照)が駆動輪103に連結されるのではなく、等速ジョイント104を介して駆動軸105の車幅方向内側端と連結する。つまり、モータ駆動装置91はモータ部11Aと減速部11Bとを有しており(図2参照)、減速部11Bの出力軸が一方の等速ジョイント104と連結する。一方の等速ジョイント104に連結された駆動軸105は車幅方向に延び、その車幅方向外側端で他方の等速ジョイント104に連結され、他方の等速ジョイント104がハブ輪77(図2参照)と連結されている。そしてハブ輪77が駆動輪103に連結される。
また、本実施形態においては、モータ部11Aとして、ケーシング21に固定されるステータ13と、ステータ13の内側に径方向の隙間をあけて対面する位置に配置されるロータ12とを備えるラジアルギャップモータを採用した例を示したが、これに限ることなく、任意の構成のモータが適用可能である。例えば、ステータとロータとが軸方向にあいた隙間を介して対向配置されるアキシアルギャップモータであってもよい。
さらに、本実施形態に係るインホイールモータ駆動装置11においては、サイクロイド式の減速機を採用した例を示したが、これに限ることなく、遊星減速機、2軸平行減速機、その他の減速機を適用可能であり、あるいは、減速機を採用しない、所謂ダイレクトモータタイプであってもよい。なお、本明細書中で「電気自動車」とは、電力から駆動力を得る全ての自動車を含む概念であり、例えば、ハイブリッドカー等をも含むものとして理解すべきである。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
11 インホイールモータ駆動装置、11A モータ部、11B 減速部、11C 車輪ハブ軸受部、12 ロータ、13 ステータ、14a モータ軸、14b 入力軸、16,72 転がり軸受、17 コイル、21,21a,21b ケーシング、21e 隔壁、21r モータリヤカバー、30 伝熱部材、31 当接部、32 連結部、32a 油逃し路、33 フィン、51 オイルポンプ、52 吸入油路、53 潤滑油タンク、53a 吸込み口、53b 吸込みノズル、54 吐出油路、55 ケーシング油路、56 連絡油路、58a モータ軸油路、58b 減速部入力軸油路、59 潤滑油路、60 潤滑油孔、61 減速部リターン孔、64 ロータ油路、66 モータ部リターン孔(戻し開口)、71 偏心部材、73 曲線板、74 内ピン、74b 内ピン補強部材、75 外ピン、76 出力軸、77 ハブ輪、78 転動体、79 外ピンハウジング、80 外輪部材、81 ボルト、91 オンボード方式のモータ駆動装置、100 電気自動車、101 シャーシ、102 操舵輪、103 駆動輪、104 等速ジョイント、105 駆動軸、L モータ室、N 減速室、O 軸線。

Claims (7)

  1. 内部循環方式によって潤滑油を循環させる車両用モータ駆動装置であって、
    潤滑油を貯留する潤滑油タンクと、
    前記潤滑油タンクの吸込み口から潤滑油を吸い込んで、潤滑油を循環させるためのオイルポンプと、
    車輪を回転駆動するためのモータ部と、
    前記モータ部の発熱部分の熱を採取し、採取した熱を前記潤滑油タンクの前記吸込み口付近に導く伝熱部材とを備える、車両用モータ駆動装置。
  2. 前記伝熱部材は、前記潤滑油タンク内に位置する部分に、フィンを有している、請求項1に記載の車両用モータ駆動装置。
  3. 前記伝熱部材は、前記モータ部のステータに当接する当接部を有している、請求項1または2に記載の車両用モータ駆動装置。
  4. 前記モータ部と前記潤滑油タンクとは、隔壁を介して隣接し、前記伝熱部材は、前記隔壁を通過して延びており、
    前記モータ部は、前記隔壁によって区切られた、前記モータ部の外郭となるモータケーシングを含み、
    前記伝熱部材は、前記モータケーシングの内壁面から離れて配置されている、請求項1〜3のいずれかに記載の車両用モータ駆動装置。
  5. 前記伝熱部材は、前記モータケーシング内の潤滑油を前記潤滑油タンク内に逃がす油逃し路を有している、請求項4に記載の車両用モータ駆動装置。
  6. 前記隔壁には、前記モータケーシング内の潤滑油を前記潤滑油タンクに還流させるための戻し開口が設けられており、
    前記伝熱部材は、前記隔壁の前記戻し開口内に挿通されている、請求項4または5に記載の車両用モータ駆動装置。
  7. 前記伝熱部材の材質は、アルミニウムまたは銅である、請求項1〜6のいずれかに記載の車両用モータ駆動装置。
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