JP2016182724A - 印刷装置 - Google Patents

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昭夫 野村
陸生 山田
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陸生 山田
徹吾 石田
Tetsugo Ishida
徹吾 石田
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英昭 西島
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Abstract

【課題】切断時にカッター刃の摩耗が大きい面を持つ媒体に印刷する印刷装置において、低コストでカッターの耐久性を高めること。【解決手段】プリンター1(印刷装置)のオートカッター9は、固定刃7、可動刃15、および、可動刃15を固定刃7に対して進退させる可動刃駆動機構16を備える。記録紙101はサーマル紙である。記録紙101の発色剤塗工面101aに接触する側の刃である可動刃15にはハードクロムめっきを施し、固定刃7にはめっきを施さない。これにより、発色剤塗工面101aに接触する側の刃である可動刃15の硬度を、発色剤塗工面101aに接触しない側の刃である固定刃7の硬度よりも高める。よって、発色剤塗工面101aと接触する可動刃15の刃部15aが早期に摩耗することによってオートカッター9の耐久性が低下することを回避できる。【選択図】図5

Description

本発明は、固定刃と可動刃により印刷媒体を切断する印刷装置に関する。
プリンター(印刷装置)に搭載されるカッターは、固定刃と可動刃の摺動によって印刷媒体を切断する。特許文献1には、この種のカッターを備えるプリンターが開示されている。
特開2013−56384号公報
この種のカッターは、刃部の摩耗によってカット不良が生じるので、刃部の摩耗低減が課題である。ここで、特許文献1には、片面が発色剤塗工面であるサーマル紙に印刷するプリンターのカッターが開示されているが、サーマル紙の切断を繰り返す場合には、可動刃と固定刃で刃部の摩耗が同等ではなく、一方の刃の摩耗が他方の刃よりも多いことが知られている。摩耗が大きいのは、サーマル紙の発色剤塗工面に接触する側の刃であるため、発色剤の含有物によって刃部が摩耗すると考えられている。
カッターの耐久性向上のために、一般的なカッター刃の素材よりも耐摩耗性の高いカッター刃を用いることが提案されている。しかしながら、耐摩耗性の高いカッター刃を用いると部品コストが増大するため、より少ないコストで耐久性を高めることが望まれている。また、サーマル紙を切断するカッターのように、一方の刃の摩耗が他方の刃よりも多いことに着目してカッターの耐久性を高めることは提案されていない。
本発明の課題は、かかる点に鑑みて、切断時にカッター刃の摩耗が大きい面を持つ媒体に印刷する印刷装置において、低コストでカッターの耐久性を高めることにある。
上記の課題を解決するために、本発明の印刷装置は、固定刃と、前記固定刃の刃部に対して進退する可動刃と、を備えるカッターを有し、前記固定刃と前記可動刃の一方の刃部は、他方の刃部よりも硬度が高いことを特徴とする。
本発明によれば、固定刃と可動刃の一方の刃部が、他方の刃部よりも硬度が高い。固定刃と可動刃の刃部は、印刷媒体の切断時にそれぞれ、印刷媒体の一方の面と他方の面と接触するが、硬度が高い方の刃部が、刃部を摩耗させやすい面(例えば、サーマル紙の発色剤塗工面)と接触するように、固定刃と可動刃を配置することができる。このように、刃部を摩耗させやすい面と接触する刃部の硬度を、もう一方の刃部の硬度よりも所定量高めておくことにより、一方の刃部が他方の刃部よりも早期に摩耗することによってカッターの耐久性が低下することを回避できる。また、一方の刃の耐摩耗性(硬度)を高めるだけでよいため、低コストで耐久性を向上させることができる。
本発明において、前記固定刃と前記可動刃の一方は、刃部を形成する素材の硬度が他方よりも高いことが望ましい。このようにすると、一方の刃部で、他方の刃部よりも耐摩耗性を高めることができる。また、もう一方の刃部を持つ刃は従来通りの材質でよいので、低コストで耐久性を向上させることができる。
あるいは、本発明において、前記固定刃と前記可動刃の一方の刃部に、耐摩耗性を高める表面処理が施されていてもよい。例えば、前記表面処理は、めっき処理であってもよい。このようにすると、一方の刃部で、他方の刃部よりも耐摩耗性を高めることができる。また、めっき処理を施す刃は、めっき処理を施せる素材であればよいので、素材の選択の自由度が高い。例えば、固定刃と可動刃の素材を従来と同じものにしてもよい。従って、低コストで耐久性を向上させることができる。
また、この場合に、前記固定刃と前記可動刃の一方の刃部は、他方の刃部の側を向く端面を備え、前記端面に前記表面処理が施されていることが望ましい。このようにすると、表面処理を施す部位が1つの面でよいので、耐摩耗性を持たせるために必要なめっき処理を低コストで行うことができる。
本発明において、前記カッターは、サーマル紙を切断するものであり、前記一方の刃部と前記他方の刃部の硬度差は、前記一方の刃部がサーマル紙の発色剤塗工面と接触し、他方の刃部がその裏面と接触するように前記固定刃と可動刃を配置して前記サーマル紙の切断を繰り返した場合に、前記一方の刃部の摩耗と前記他方の刃部の摩耗が同程度、あるいは、前記一方の刃部の摩耗の方が少なくなるように設定されていることが望ましい。このようにすると、発色剤塗工面と接触する側の刃の摩耗によって、カッターの耐久性が決まってしまうことを回避できる。従って、カッターの耐久性を向上させることができる。
本発明のプリンターを上方から見た場合の斜視図である。 プリンターの断面図である。 外装ケースおよび開閉カバーを取り外したプリンターを上方から見た斜視図である。 可動刃駆動機構の説明図である。 固定刃および可動刃と、その間を通る記録紙を模式的に示す説明図である。 カット耐久試験による刃部の摩耗を示す説明図である。
以下に、図面を参照して本発明の実施の形態にかかるプリンターを説明する。
図1は本発明の実施の形態に係るプリンターを排紙口が設けられている側から見た場合の斜視図である。図1(a)は開閉カバーを閉じた状態であり、図1(b)は開閉カバーを開けた状態である。図2はプリンターの断面図であり、図1(a)のC−C位置で切断した断面図である。以下の説明では、便宜上、プリンターの幅方向をX、前後方向をY、上下方向をZとし、排紙口が設けられている側を上方、その反対側を下方とする。また、開閉カバーが設けられている側を後方、その反対側を前方とする。幅方向Xにおける左右は、プリンターを前方から見た場合の左右とする。
図1に示すように、プリンター1(印刷装置)は全体として略直方体形状である。プリンター1は、外装ケース2と、外装ケース2に開閉可能に取り付けられた開閉カバー3と、外装ケース2の内部に収容される各種のプリンター構成部品を有する。外装ケース2の後側部分にはロール紙投入口4aが開口する。開閉カバー3は、ロール紙投入口4aを閉鎖する閉位置3A(図1(a)参照)と、後端部分を中心として上方に回動した開位置3B(図1(b)参照)に移動可能である。
開閉カバー3が閉位置3Aに配置されている状態では、図1(a)に示すように、開閉カバー3の前端縁と外装ケース2との間に排紙口5が形成される。外装ケース2の側面に設けられた開ボタン6を押すと、開閉カバー3が上方に開く。開閉カバー3が開いた状態では、図1(b)に示すように、ロール紙投入口4aが上方に開放される。従って、プリンター1の後端部分に設けられたロール紙収納部4へのロール紙100の装着が可能となる。
図1(b)に示すように、開閉カバー3の内側には、刃部7aを前方に向けた状態で固定刃7が取り付けられている。固定刃7の刃部7aは、開閉カバー3において排紙口5を規定する前端縁部分に沿っている。固定刃7は、上ケース12の内側に配置された可動刃ユニット8とともにオートカッター9を構成する。また、開閉カバー3の内側には、プラテンローラー10が回転可能に支持されている。
外装ケース2は、上方に開口した下ケース11と、下ケース11の開口を上側から覆う上ケース12を備える。ロール紙投入口4aは、上ケース12の後側部分に形成されている。ロール紙収納部4は、ロール紙投入口4aの下側で、下ケース11と開閉カバー3の間に設けられている。上ケース12の前側部分には電源スイッチ13などが設けられている。また、下ケース11の前側下部には、可動刃ユニット8の下方にバッテリー装着部25が設けられている。下ケース11の側面には、バッテリー装着部25を開閉する開閉扉26が取り付けられている。バッテリー装着部25には、プリンター1の電源であるバッテリー103が装着される。
図2に示すように、バッテリー装着部25とロール紙収納部4の間には、印刷ヘッド31が後方を向く状態に配置されている。印刷ヘッド31はサーマルヘッドである。開閉カバー3を閉じると、印刷ヘッド31のヘッド面には、後方からプラテンローラー10が当接する。印刷ヘッド31とプラテンローラー10の上方には、上述した固定刃7と可動刃ユニット8を備えるオートカッター9が配置される。バッテリー装着部25とロール紙収納部4の間には、ロール紙収納部4から印刷ヘッド31による印刷位置Aおよびオートカッター9によるカット位置Bをこの順番に経由して排紙口5に至る紙搬送路32が形成される。
プラテンローラー10は、搬送モーター34、および、搬送モーター34の駆動力をプラテンローラー10に伝達する輪列35とともに、記録紙101を紙搬送路32に沿って搬送する搬送機構を構成する。図1(b)に示すように、輪列35は、搬送モーター34の駆動力が伝達される本体部側輪列36とプラテンローラー10の軸部に取り付けられたローラー側歯車33を備える。開閉カバー3を閉じると、本体部側輪列36の最終歯車とローラー側歯車33が噛合して搬送モーター34の駆動力をプラテンローラー10に伝達可能となる。
(オートカッター)
図3は、外装ケース2および開閉カバー3を取り外したプリンター1を上方から見た斜視図である。図2、図3に示すように、上ケース12の内側には、オートカッター9の固定刃7および可動刃ユニット8が取り付けられている。図3に示すように、可動刃ユニット8は、可動刃15と、可動刃15を固定刃7に対して前後方向Yに進退させる可動刃駆動機構16と、可動刃駆動機構16を搭載するユニットフレーム18を備える。
固定刃7は板状であり、略左右対称の平面形状を備える。固定刃7の刃部7aは、固定刃7の前側(可動刃ユニット8の側)の縁の中央で幅方向Xに直線状に延びている。また、固定刃7は、刃部7aの両側で可動刃ユニット8の側に突出する被乗り上げ部37を備える。さらに、固定刃7は、各被乗り上げ部37の幅方向Xの外側で被乗り上げ部37よりも前方に突出する固定刃側突部38を備える。
可動刃ユニット8は、可動刃15の刃部15aを後方(固定刃7の側)に向けて設置される。可動刃15は、固定刃7とともに記録紙101を切断する切断位置15A(図3において破線で示す位置)と、切断位置15Aから前方に移動して固定刃7から離間した離間位置15B(図3において実線で示す位置)の間を移動する。可動刃15は、当該可動刃15が離間位置15Bから切断位置15Aに移動する際に、固定刃7の上側から固定刃7に摺接する。
可動刃15は板状であり、略左右対称の平面形状を備える。可動刃15の刃部15aは、可動刃15の後側(固定刃7の側)の縁で、幅方向Xの中央が前方(固定刃7から離れる方向)に後退したV字形状である。また、可動刃15は、刃部15aの両側で固定刃7の側に突出する乗り上げ部41を備える。各乗り上げ部41は、可動刃15が離間位置15Bにある状態では固定刃7の被乗り上げ部37と対峙しており、可動刃15が離間位置15Bから切断位置15Aに移動する途中で被乗り上げ部37に乗り上げる。
可動刃15は、幅方向Xの中央で前後方向Yに延びる可動刃側案内穴42と、可動刃側案内穴42の前方に配置された駆動ピン挿入穴43と、可動刃側案内穴42と駆動ピン挿入穴43の間で幅方向Xに配列された2つの可動刃側長穴45を備える。各可動刃側長穴45は幅方向Xに延びている。
図4は、可動刃駆動機構16の説明図であり、図4(a)は可動刃駆動機構16の斜視図、図4(b)はカッターフレーム53を取り除いた可動刃駆動機構16の平面図である。可動刃駆動機構16は、カッターモーター19と、幅方向Xに配列される2つのカッター駆動歯車51と、2つのカッター駆動歯車51のうちの一方のカッター駆動歯車51(1)にカッターモーター19の回転を減速して伝達する減速輪列52と、2つのカッター駆動歯車51と可動刃15の間に配置されたカッターフレーム53、および、カッター駆動板54を有する。
図4(b)に示すように、2つのカッター駆動歯車51は互いに噛合しており、同期して反対方向に回転する。各カッター駆動歯車51は、中心から外れた位置で当該カッター駆動歯車51の回転軸線方向に突出する駆動ピン55を備える。図4(a)に示すように、カッターフレーム53は、各カッター駆動歯車51が回転したときに各駆動ピン55が移動する移動軌跡を包含する2つの円形開口部62と、2つの円形開口部62の幅方向Xの中央より前方で前後方向Yに延びるフレーム側案内穴(図示省略)を備える。フレーム側案内穴は、図4(a)では、カッター駆動板54およびスライダー77の下側に隠れている。フレーム側案内穴には、可動刃15から下向きに延びる可動刃側ガイドピン44の下端部がスライダー77を貫通して挿入される。
カッター駆動板54は、カッターフレーム53の上面に載置され、前後方向Yにスライド可能な状態でカッターフレーム53に支持される。カッター駆動板54は、幅方向Xに配列される2つの駆動板側長穴75を備える。各駆動板側長穴75には、カッターフレーム53の円形開口部62を介して上方に突出するカッター駆動歯車51の駆動ピン55がそれぞれ挿入される。各駆動板側長穴75は幅方向Xに延びている。また、カッター駆動板54は、2つの駆動板側長穴75の前方でカッター駆動板54の幅方向Xの中心から上方に突出する可動刃駆動ピン76を備える。
図3に示すように、可動刃15は、カッター駆動板54の上方から、カッターフレーム53に対して前後方向Yにスライド可能に取り付けられる。可動刃15とカッターフレーム53の間には、摺動抵抗が低い樹脂製のスライダー77が介在する。スライダー77は、カッターフレーム53の後側の幅方向Xの両端部分と、カッターフレーム53の前端における幅方向Xの中央部分の3箇所に配置される。カッターフレーム53のフレーム側ガイドピン64と可動刃15の可動刃側案内穴42、および、可動刃15の可動刃側ガイドピン44とカッターフレーム53のフレーム側案内穴(図示省略)はそれぞれ係合して、可動刃15を前後方向Y(進退方向)に案内するガイド機構を構成する。
可動刃15の駆動ピン挿入穴43には、カッター駆動板54の可動刃駆動ピン76が挿入される。一方、可動刃15の可動刃側長穴45は、カッター駆動板54の駆動板側長穴75と上下方向Zに重なるが、駆動板側長穴75に係合している駆動ピン55は、可動刃側長穴45内に達する位置まで延びていない。又は、可動刃側長穴45が駆動板側長穴75より、一回り大きく設定してある。つまり、カッター駆動歯車51(1)、51(2)の駆動ピン55は、可動刃15の可動刃側長穴45と係合していない。
(オートカッターによる記録紙の切断動作)
印刷位置Aにおいて印刷が施された記録紙101がカット位置Bを通過すると、カッターモーター19が駆動されて、各カッター駆動歯車51を1回転させる。これにより可動刃15は、切断位置15Aと離間位置15Bの間を1往復し、切断位置15Aにおいて記録紙101を切断する。
より具体的には、カッターモーター19が駆動されると、カッターモーター19の回転は減速輪列52を介して2つのカッター駆動歯車51に伝達される。2つのカッター駆動歯車51が回転すると、各駆動ピン55は、駆動板側長穴75内を幅方向Xに移動しながら固定刃7に接近する方向(後方)に移動する。このとき、各駆動ピン55は、カッター駆動板54における各駆動板側長穴75の後側の開口縁に当接して、カッター駆動板54を後方に移動させる。2つのカッター駆動歯車51からカッター駆動板54に伝達された動力は、可動刃駆動ピン76を介して可動刃15に伝達される。従って、可動刃15はカッター駆動板54の移動に伴って後方に移動し、切断位置15Aに到達する。
可動刃15が切断位置15Aに到達した後に、更に2つのカッター駆動歯車51が回転すると、各駆動ピン55は、駆動板側長穴75内を幅方向Xに移動しながら固定刃7から離間する方向(前方)に移動する。このとき、各駆動ピン55は、カッター駆動板54における各駆動板側長穴75の前側の開口縁に当接して、カッター駆動板54を前方に移動させる。また、2つのカッター駆動歯車51からカッター駆動板54に伝達された動力は、可動刃駆動ピン76を介して可動刃15に伝達される。従って、可動刃15はカッター駆動板54の移動に伴って前方に移動し、離間位置15Bに戻る。
(固定刃と可動刃の硬度)
図5は、固定刃7および可動刃15と、その間を通る記録紙101を模式的に示す説明図であり、図5(a)は斜視図、図5(b)は図5(a)のD−D断面図である。上述したように、固定刃7の前端には、幅方向Xに直線状に延びる刃部7aが形成されている。また、可動刃15の後端には、幅方向Xの中央が前方(固定刃7から離れる方向)に後退したV字形状の刃部15aが形成されている。記録紙101はサーマル紙である。記録紙101は、発色剤層が形成された発色剤塗工面101aを備え、この面が可動刃15の側を向いた状態で、固定刃7と可動刃15の間に通される。
図5(b)に示すように、固定刃7の刃部7aは、可動刃15の側を向く端面7bおよび、端面7bと鋭角をなすように交差する摺動面7cを備える。可動刃15の刃部15aは、固定刃7の側を向く端面15bおよび、端面15bと鋭角をなすように交差する摺動面15cを備える。可動刃15が切断位置15Aに移動すると、記録紙101が切断されて、固定刃7の刃部7aと、可動刃15の刃部15aが重なる。可動刃15は、記録紙101の切断時に、記録紙101の発色剤塗工面101aに刃部15aが接触する。一方、固定刃7は、記録紙101の切断時に、記録紙101の発色剤塗工面101aに刃部7aが接触することはない。
固定刃7は、一般的なカッター刃と同程度の硬度である。例えば、SUS420J2の熱処理品を用いて固定刃7を形成する。この場合、固定刃7の硬度(ロックウェル硬度)はHRC52±1程度である。一方、可動刃15は、固定刃7よりも高い硬度である。例えば、SUS420J2の熱処理品にハードクロムめっきを施して可動刃15を形成する。ハードクロムめっきは、可動刃15全体に施すか、あるいは、刃部15aのみに施してもよい。このような可動刃15の硬度(ビッカース硬度)は、Hv900以上(ロックウェル硬度に換算した場合、HRC67以上)である。なお、他の素材や表面処理を用いて、可動刃15をこのような硬度にしてもよい。
このように、オートカッター9は、発色剤塗工面101aに接触する側の刃である可動刃15の硬度を、発色剤塗工面101aに接触しない側の刃である固定刃7の硬度よりも高めている。その結果、サーマル紙である記録紙101の切断を繰り返す場合の耐久性が従来よりも高まっている。図6は、カット耐久試験(50万回)による刃部の摩耗を示す説明図であり、図6(a)は本形態の可動刃15の摩耗を示し、図6(b)は本形態の固定刃7の摩耗を示す。また、図6(c)は従来の可動刃(固定刃7と同じ硬度の刃)の摩耗を示す。
図6(a)(b)から、本形態では、発色剤塗工面101aに接触する可動刃15の摩耗と、発色剤塗工面101aに接触しない固定刃7の摩耗が同程度であることがわかる。具体的には、摩耗の範囲が、可動刃15の刃部15aでは、板厚方向で0.0147mm、摺動方向で0.0323mmである。また、固定刃7の刃部7aでは、板厚方向で0.0145mm、摺動方向で0.0434mmである。また、可動刃15は、刃部15aの丸まりが少なく、角が残る形状に摩耗している。これに対し、従来のカッターのように可動刃15として固定刃7と同じ素材および表面処理のものを用いた場合、図6(c)に示すように、刃部の摩耗が本形態よりも格段に大きい。具体的には、摩耗の範囲が、板厚方向で0.0374mm、摺動方向で0.0826mmである。また、刃部の丸まりも大きく、角が取れてしまっていることがわかる。つまり、従来品では、発色剤塗工面101aが接触する側の刃(可動刃)の摩耗が早く、固定刃よりも摩耗が大きい。その結果、早期にカット不良が発生する。これに対し、本形態では、発色剤塗工面101aが接触する側の刃(可動刃15)の摩耗が従来より少なく、早期にカット性能を損なうには至らない。
可動刃15の硬度は、固定刃7の刃部7aの摩耗と、可動刃15の刃部15aの摩耗が同程度に進行するように設定することが望ましい。このようにすると、一方の刃の摩耗によってカッターの耐久性が決まってしまうことを回避できるので、全体として、カッターの耐久性を向上させることができる。あるいは、可動刃15の刃部15aの摩耗が、固定刃7の刃部7aの摩耗よりも少なくなるように設定すれば、少なくとも、可動刃15の刃部15aの摩耗によってカッターの耐久性が決まってしまうことはない。
(本形態の主な作用効果)
以上のように、本形態のプリンター1は、サーマル紙である記録紙101を切断するオートカッター9を構成する可動刃15の刃部15aの硬度を、固定刃7の刃部7aの硬度よりも高めている。これにより、発色剤塗工面101aと接触する可動刃15の刃部15aが早期に摩耗することによってオートカッター9の耐久性が低下することを回避できる。また、可動刃15の耐摩耗性(硬度)を高めるだけでよく、固定刃7は従来と同じものでよいので、低コストで耐久性を向上させることができる。
また、本形態は、めっき処理(ハードクロムめっき)で可動刃15の硬度を高めているので、可動刃15を形成する素材自体は固定刃7と同じものでもよく、選択の自由度が高い。従って、可動刃15の素材自体を変える場合と比較して、低コストで耐久性を向上させることができる。
(変形例)
(1)上記形態は、ハードクロムめっきを可動刃15の全体もしくは刃部15a(端面15bおよび摺動面15c)に施すものであったが、刃部15aの端面15bにハードクロムめっきを施し、他の部位には施さなくてもよい。発色剤塗工面101aは端面15bに接触するので、端面15bに施すことにより、最小限のめっき処理で摩耗を低減できる。この場合、ハードクロムめっきを施す面が1つでよいので、めっき処理が容易である。また、より低コストである。
(2)可動刃15にハードクロムめっきを施さず、他の表面処理で硬度を高めてもよい。あるいは、可動刃15にハードクロムめっきを施さず、固定刃7よりも硬度の高い素材で可動刃15を形成してもよい。例えば、SKH51(ハイス鋼)、セラミック、超硬合金などを用いてもよい。
(3)上記形態は、発色剤塗工面101aに接触する側の刃が可動刃15である場合の例であったが、本発明は、固定刃7が発色剤塗工面101aに接触する場合にも適用できる。この場合には、固定刃7の刃部7aの硬度を、可動刃15の刃部15aの硬度よりも高めればよい。
(4)上記形態は、片方の面が発色剤塗工面101aであるサーマル紙に印刷するプリンター1に本発明を適用したものであったが、本発明は、サーマル紙に限らず、一方の面と他方の面で接触する刃の摩耗が異なる各種の記録紙に印刷するプリンターに適用できる。
1…プリンター(印刷装置)、2…外装ケース、3…開閉カバー、3A…閉位置、3B…開位置、4…ロール紙収納部、4a…ロール紙投入口、5…排紙口、6…開ボタン、7…固定刃、7a…刃部、7b…端面、7c…摺動面、8…可動刃ユニット、9…オートカッター、10…プラテンローラー、11…下ケース、12…上ケース、13…電源スイッチ、15…可動刃、15a…刃部、15b…端面、15c…摺動面、15A…切断位置、15B…離間位置、16…可動刃駆動機構、18…ユニットフレーム、19…カッターモーター、25…バッテリー装着部、26…開閉扉、31…印刷ヘッド、32…紙搬送路、33…ローラー側歯車、34…搬送モーター、35…輪列、36…本体部側輪列、37…被乗り上げ部、38…固定刃側突部、41…乗り上げ部、42…可動刃側案内穴、43…駆動ピン挿入穴、44…可動刃側ガイドピン、45…可動刃側長穴、51…カッター駆動歯車、52…減速輪列、53…カッターフレーム、54…カッター駆動板、55…駆動ピン、62…円形開口部、64…フレーム側ガイドピン、75…駆動板側長穴、76…可動刃駆動ピン、77…スライダー、100…ロール紙、101…記録紙、101a…発色剤塗工面、103…バッテリー、A…印刷位置、B…カット位置、X…幅方向、Y…前後方向、Z…上下方向

Claims (6)

  1. 固定刃と、前記固定刃の刃部に対して進退する可動刃と、を備えるカッターを有し、
    前記固定刃と前記可動刃の一方の刃部は、他方の刃部よりも硬度が高いことを特徴とする印刷装置。
  2. 前記固定刃と前記可動刃の一方は、刃部を形成する素材の硬度が他方よりも高いことを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
  3. 前記固定刃と前記可動刃の一方の刃部に、耐摩耗性を高める表面処理が施されていることを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
  4. 前記表面処理は、めっき処理であることを特徴とする請求項3に記載の印刷装置。
  5. 前記固定刃と前記可動刃の一方の刃部は、他方の刃部の側を向く端面を備え、
    前記端面に前記表面処理が施されていることを特徴とする請求項3または4に記載の印刷装置。
  6. 前記カッターは、サーマル紙を切断するものであり、
    前記一方の刃部と前記他方の刃部の硬度差は、
    前記一方の刃部がサーマル紙の発色剤塗工面と接触し、他方の刃部がその裏面と接触するように前記固定刃と可動刃を配置して前記サーマル紙の切断を繰り返した場合に、前記一方の刃部の摩耗と前記他方の刃部の摩耗が同程度、あるいは、前記一方の刃部の摩耗の方が少なくなるように設定されていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかの項に記載の印刷装置。

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