JPH0811086A - 織機用カッター - Google Patents

織機用カッター

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JPH0811086A
JPH0811086A JP15009394A JP15009394A JPH0811086A JP H0811086 A JPH0811086 A JP H0811086A JP 15009394 A JP15009394 A JP 15009394A JP 15009394 A JP15009394 A JP 15009394A JP H0811086 A JPH0811086 A JP H0811086A
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JP
Japan
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cutter
blade
loom
weft
titanium
Prior art date
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Pending
Application number
JP15009394A
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English (en)
Inventor
Jun Mihara
順 三原
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Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】織機用カッター4を構成する刃部材5の少なく
とも刃先6を、炭化チタン、窒化チタンの一種以上を主
成分とする焼結体、あるいはこれらの一種以上を主成分
とする被膜で形成する。 【効果】刃先6が高硬度で自己潤滑性、耐触性などの点
で優れているために、耐摩耗性、摺動性に優れており、
長期間にわたって良好な摺動特性と、鋭利な刃先6の維
持が可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、織機において横糸を切
断するために用いられるカッターに関するものである。
【0002】
【従来の技術】ウオータージェットルーム型の織機の構
造は、図4に示すように数多くの縦糸1に対して、横糸
2がノズル3から噴射される水によって搬送され、次い
でおさ打ちされるが、打ち込まれた横糸2の両端は織機
の左右に配置されているカッター4によって切断される
ように構成されている。
【0003】このカッター4は二つの刃部材による剪断
力で横糸2を切断するようにしたものであり、耐摩耗
性、耐食性、靱性等に優れたジルコニアセラミックスが
用いられている(特開昭58−18450号、59−1
18395号、61−226295号公報参照)。
【0004】一方、横糸2の搬送を圧縮空気に依って行
うエアージェットルーム型の織機においては、カッター
には高速度鋼(以下SKH材という)が一般的に用いら
れている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、ウオーター
ジェットルーム型織機のカッター4に用いられているジ
ルコニアセラミックスは、長期の使用で水熱反応により
結晶構造が変化し特性が大幅に低下すると言う問題点が
あった。
【0006】一方、エアージェットルーム型織機のカッ
ターに用いられるSKH材の場合、長期の使用に於てカ
ッター刃部に凝着を生じ、寿命の低下を引き起こすと言
う問題を有していた。
【0007】さらに、近年織布の生産性向上のため、織
機の回転数が従来500〜600rpmであったもの
が、1000rpm以上のものまで求められており、カ
ッター4は互いの刃部材が激しく摺動するようになって
いる。また、炭素繊維等の難切断繊維が開発されてきた
ことも合わせて、従来の材質ではカッター寿命が短くな
ってきたという問題が生じていた。
【0008】この様な高速機における、横糸切断用カッ
ターの寿命は設備稼動率に大きく影響するため、長寿命
のカッターが要求されていた。しかし、ウオータージェ
ットルーム用カッターでは摺動と水による冷却が繰り返
され、絶えず、冷熱サイクルや熱ショックを受ける状態
にあり、一方エアージェットルーム用カッターでは非常
に過酷な無潤滑乾式摺動条件下におかれていること等か
ら、長寿命のカッター素材が無かった。
【0009】さらに、SKH材のカッターは発錆の点で
ウオータージェットルームには用いられず、ジルコニア
製のカッターは使用中の特性劣下、刃部の欠け発生の点
からエアージェットルームでは使用できないことから、
同じ横糸切断を目的にしながらも、カッター材料の使い
分けが必要であり、そのため、部材の共用化、標準化を
阻害し、コストダウンへの障害ともなっていた。
【0010】そこで、本発明は、ウオータージェットル
ーム、エアージェットルームいずれの織機にも用いるこ
とができ、長寿命の織機用カッターを得ることを目的と
する。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の事情に
鑑み、織機用カッターを構成する刃部材の少なくとも一
方の刃先を、炭化チタン、窒化チタンの一種以上を主成
分とする焼結体、あるいはこれらの一種以上を主成分と
する被膜で構成したものである。
【0012】なお、上記主成分である炭化チタン(Ti
C)、窒化チタン(TiN)、またはこれらの複合物
(TiCN)は、合計で全体の50〜100重量%含有
していることが望ましい。これらの主成分は硬度が高
く、かつ自己潤滑性に優れたものであるために、本発明
のカッターを構成する部材は耐摩耗性に優れ、かつ耐食
性も高くすることが出来る。
【0013】また、上記主成分以外に、炭化モリブデン
(Mo2 C)、炭化クロム(Cr32 )、炭化ニオブ
(NbC)、炭化タンタル(TaC)、炭化タングステ
ン(WC)より選ばれる少なくとも一種を、各々全体の
1〜20重量%の範囲で含有させることが出来、これら
の成分を含有させることで、焼結性を高めると共に、靱
性や強度を向上させることが出来る。さらに、その他の
成分としてニッケル(Ni)、コバルト(Co)、モリ
ブデン(Mo)より選ばれる少なくとも一種の金属を、
各々全体の1〜30重量%の範囲で含有させてサーメッ
ト材とすることもできる。これらの成分は、結合金属相
として、靱性や強度を向上させることが出来る。
【0014】そして、上記組成となる原料粉末を所定形
状に成形した後、所定条件で焼成すれば、本発明のカッ
ターを構成する刃部材を成す焼結体を得ることができ
る。
【0015】一方、金属、プラスチック、ガラス、セラ
ミックス等からなる基体上に、CVD法やPVD法等に
よって、上記組成となるような被膜を形成して、本発明
のカッターを構成する部材を得ることもできる。
【0016】尚、これらの焼結体、被膜はカッターの刃
部材全体に形成されても良いし、切断用の刃先のみに形
成されても良い。
【0017】
【作用】本発明に依れば、織機用カッターを構成する刃
部材の刃先が、高硬度で自己潤滑性の優れたものとなる
ために、これらの刃部材同士の間の摺動性を高くでき
る。そのため、摺動時の摩擦抵抗を小さくできると共
に、刃部材自体及び、摺動相手の刃部材の摩耗量を少な
くすることが出来る。
【0018】従って、繰り返し冷熱サイクルのかかるウ
オータージェットルーム用としても、過酷な乾式無潤滑
条件下で用いられるエアージェットルーム用としても充
分な、硬度、摩耗特性、耐食性を有しており、長寿命を
実現できるものである。
【0019】
【実施例】以下本発明を図によって説明する。
【0020】図1に示すように、本発明の織機用カッタ
ー4は、二つの刃部材5からなる剪断式のものである。
また、二つの刃部材5は、共に全体が炭化チタン、窒化
チタン、及びこれらの複合物のうち一種以上を主成分と
する焼結体からなっており、互いの対向するエッジを刃
先6としてある。そして、横糸2がおさで打ち込まれた
後、この刃部材5同士が互いにこすれあいながら往復動
し、刃先6同士の摺動により横糸2に対して剪断力が生
じ、その力に依って横糸2が切断されるものである。
【0021】このカッター4は、図4に示すように、横
糸2の両端を切断する位置に配置され、織機の稼動時に
は600rpm以上の頻度で横糸2の切断を行うため
に、常に刃部材5の刃先6部分が激しく摺動することに
なる。しかし、これらの刃部材5が耐摩耗性、摺動性に
優れた材質からなるため、摩擦抵抗が小さく、かつ、各
刃部材5の摩耗量が少ないことから、長時間にわたって
良好に使用することができる。
【0022】なお、本発明のカッター4において、刃部
材5全体を炭化チタン、窒化チタン、及びこれらの複合
物のうち一種以上を主成分とする焼結体で構成する必要
はない。例えば、図2に示すように刃先近傍部5aのみ
を上記焼結体で形成して、他材質と接合したものでもよ
い。
【0023】また、二つの刃部材5の双方を上記焼結体
で形成する必要はなく、一方の刃部材5のみを炭化チタ
ン、窒化チタン、及びこれらの複合物のうち一種以上を
主成分とする焼結体で構成し、他方の刃部材5は金属や
セラミックスで形成しても良い。この場合も、上記炭化
チタン、窒化チタン、及びこれらの複合物のうち一種以
上を主成分とする焼結体は、摺動性に優れ、摺動相手材
に対する摩耗量も少ないことから、長い寿命とすること
ができる。さらに、この場合は互いの刃部材5の硬度が
異なるため、摩耗量を少なくすることができる。
【0024】次に本発明の他の実施例を説明する。
【0025】図3に刃部材5のみの断面を示すように、
セラミックス、ガラス、金属、プラスチック等からなる
基体5bの表面に、炭化チタン、窒化チタン、またはこ
れらの複合物を主成分とする被膜5cを形成したもので
ある。そして、この刃部材5で織機用カッターを構成す
れば、その表面の摺動性、耐摩耗性が高いために、摩擦
抵抗が小さく、かつ摩耗量を少なくすることができる。
【0026】また、このような被膜5cを備えた刃部材
5は表面のみに被覆すれば良いことから低コストとで
き、また複雑形状品でも容易に製造できる。なお、上記
のように基体5bは様々な材質を用いることができる
が、被膜5cと熱膨張率を合わせるためには、熱膨張率
6〜9×10-6/℃のセラミックスを用いることが望ま
しい。また、この被膜5cはPVD法やCVD法等で形
成することができ、その厚みは10〜300μmの範囲
が好ましい。これは、厚みが10μmよりも小さいと上
記のような摺動性、耐摩耗性を高める効果が乏しく、一
方300μmを超えると剥離しやすくなるためである。
【0027】さらに、これらの実施例において、刃部材
5の刃先6の角度は60〜90°の範囲内とすることが
好ましい。
【0028】実験例 ここで、本発明の織機用カッター4を構成する刃部材5
の耐摩耗性及び摺動性を調べるために、ボール・オン・
ディスク型の摩擦摩耗試験機を用いた試験を行った。
【0029】比較例として、アルミナ系セラミックス、
窒化珪素系セラミックス、ジルコニア系セラミックス、
アルミナを主成分とし炭化チタンを添加したセラミック
ス、SKH材を用意した。一方、本発明の実施例とし
て、炭化チタンと窒化チタンを主成分とし炭化タングス
テンを含むサーメット材、主成分である炭化チタンを分
散粒子相とし、炭化クロム及びニッケルを固溶させて結
合相としたサーメット材を用意した。
【0030】各試料を、乾式無潤滑下の状態で、相手材
に高炭素クロム鋼SUJ2のボールを用いて、荷重0.
5kg、相対摺動速度0.17m/secで摺動試験を
行い、両者間の摩擦係数、両部材の摩耗量を測定した結
果を表1に示す。
【0031】表1より明らかなように、No.1〜5の
比較例は、摩擦係数が0.5以上と大きく、自材摩耗
量、相手材摩耗量共に大きかった。これに対して、本発
明実施例である炭化チタンと窒化チタンを主成分とする
焼結体(No.6)、及び炭化チタンを主成分とする焼
結体(No.7)は、いずれも摩擦係数が0.3よりも
小さく、自材摩耗量、相手材摩耗量共に極めて小さいこ
とから耐摩耗性、摺動性に優れていることがわかる。
【0032】なお、この実験例では、金属材(高炭素ク
ロム鋼)との摺動による試験を行ったが、No.6、7
の本発明の焼結体同士を摺動させても同様に優れた結果
を示した。
【0033】
【表1】
【0034】さらに、本発明実施例としてNo.6の焼
結体を用いて図1に示す二つの刃部材5を形成し、一方
比較例としてジルコニアセラミックスにより同じ刃部材
5を形成したものとともに、ウォータージェットルーム
型の織機において横糸2の切断に使用した。それぞれ、
摩耗により切断性が悪くなって刃部材5の交換が必要に
なるまでの時間を比較したところ、比較例では700時
間程度であったのに対し、本発明実施例では2000時
間以上使用可能であり、極めて長寿命とできることがわ
かった。
【0035】
【発明の効果】このように、本発明によれば、織機用カ
ッターを構成する刃部材の少なくとも刃先を、炭化チタ
ン、窒化チタンの一種以上を主成分とする焼結体、ある
いはこれらの一種以上を主成分とする被膜で形成したこ
とによって、刃部材が高硬度で自己潤滑性、耐触性など
の点で優れているために、耐摩耗性、摺動性に優れてお
り、長期間にわたって良好な摺動特性と、鋭利な刃部の
維持が可能となる。
【0036】したがって、この刃部材をウオータージェ
ットルーム型織機に適用することにより、従来のジルコ
ニアセラミックスの様に水熱反応による結晶構造の変化
に伴う特性の大幅低下の様な問題もなく極めて長時間の
使用に耐え得る。また、エアージェットルーム型織機に
適用した場合でも、従来のSKH材カッターに比較して
極めて高硬度であり、また摺動特性に優れているため
に、同様に長時間の使用に耐え得る。
【0037】更に、本発明の織機用カッターは、ウオー
タージェットルーム、エアージェットルームのいずれの
使用環境下の元でも良好に使用できることから、織機用
のカッターとして共用化、標準化が実現でき産業上きわ
めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の織機用カッターを示す断面図である。
【図2】本発明の織機用カッターの他の実施例を示す断
面図である。
【図3】本発明の織機用カッターの他の実施例を示す断
面図である。
【図4】一般的な織機の構造を示す概略図である。
【符号の説明】
1:縦糸 2:横糸 3:ノズル 4:カッター 5:刃部材 6:刃先

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】二つの刃部材の剪断力により織機における
    横糸を切断するようにしたカッターであって、少なくと
    も一方の刃部材の刃先を、炭化チタン、窒化チタンの一
    種以上を主成分とする焼結体もしくは被膜で形成したこ
    とを特徴とする織機用カッター。
JP15009394A 1994-06-30 1994-06-30 織機用カッター Pending JPH0811086A (ja)

Priority Applications (1)

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JP15009394A JPH0811086A (ja) 1994-06-30 1994-06-30 織機用カッター

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JP15009394A JPH0811086A (ja) 1994-06-30 1994-06-30 織機用カッター

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JP (1) JPH0811086A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016182724A (ja) * 2015-03-26 2016-10-20 セイコーエプソン株式会社 印刷装置
JP6117458B1 (ja) * 2016-02-15 2017-04-19 日鍛バルブ株式会社 切断装置及び切断刃
JP2020089311A (ja) * 2018-12-06 2020-06-11 株式会社クボタ 切断刃、農業機械および切断刃の製造方法

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