JP2016182708A - 印刷装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電池の消耗程度に適切に対応して電池の残電力を使い切ることができる印刷装置を提供する。
【解決手段】印字ラベル作成装置は、印字データに応じて、サーマルヘッド23の複数の発熱素子のうち少なくとも1つを通電するサーマルヘッド制御回路217と、テープ送りローラ駆動軸の駆動を制御するモータ駆動回路216と、それらに電力を供給する円筒形の電池を収納する電池収納部と、電池の出力電圧値を検出可能なA/D入力回路219とを、有し、検出した出力電圧値を用いて電池の消耗程度を判定し、この消耗程度に基づいて、印字形成の態様を変更する。
【選択図】図4

Description

本発明は、電池により駆動される印刷装置に関する。
従来、例えば使用者が手軽に使用できるように、電池を用いて動作する印刷装置が既に提唱されている。このような印刷装置において、複数種類の電池が適宜交換して用いられる場合がある。その場合、電池の種別や品質によって電力の給電特性が異なるので、印刷装置の円滑な動作のためには、使用される電池に応じた動作設定を行う必要がある。操作者がその都度手動にて電池種別を入力する場合、操作負担が煩わしく、また誤入力の可能性もある。したがって、印刷装置側で自動的に電池の給電特性を見分けることが好ましい。
上記の点に着目した従来技術として、例えば特許文献1に記載の技術がある。この従来技術では、過去の印刷処理時において算出された最大の電池電圧降下量に基づいて今回の印刷処理時における最大の電池電圧降下量を予め予測し、今回の印刷処理が可能か否かを判定していた。
特開2006−159824号公報
一般的に、電池残量は印刷処理を繰り返すことで長期的にその消耗程度が緩やかに進み、さらに印刷処理中の負荷時の間だけ一時的に電池電圧が降下する。これに対し上記従来技術では、予測される最大電池電圧降下時の電圧だけで印刷処理の可否を判定するだけであった。このため、印字データ中の1文字分だけが極端に負荷が大きい場合でも電池残量を無駄に多く残したまま全体の印刷処理が不可能であると報知される可能性があり、電池残量の有効利用という点で改善する余地があった。
本発明の目的は、電池の消耗程度に適切に対応して電池の残電力を使い切ることができる、印刷装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、第1の発明は、被印刷物を搬送する搬送手段と、通電されて発熱する複数の発熱素子を備えた印字手段と、を有する印刷装置であって、印字データに応じて、前記印字手段の前記複数の発熱素子のうち少なくとも1つを通電する通電手段と、前記搬送手段の駆動を制御する駆動手段と、前記通電手段及び前記駆動手段に電力を供給する電池を収納する電池収納部と、前記電池の出力電圧値を検出可能な電圧検出手段と、前記搬送手段により搬送される前記被印刷物に対し、前記印字データに対応した印字を形成するように、前記駆動手段及び前記通電手段を連携して制御する連携制御手段と、前記電圧検出手段が検出した出力電圧値を用いて前記電池の消耗程度を判定する消耗判定手段と、前記消耗判定手段が判定した前記消耗程度に基づいて、前記連携制御手段の制御に基づく前記印字形成の態様を変更する印字態様変更手段と、を有することを特徴とする。
本願第1発明の印字装置は、搬送手段と、印字手段と、印字手段の少なくとも1つの発熱素子を通電する通電手段と、搬送手段の駆動を制御する駆動手段と、電池収納部とを有する。被印刷物に対し印字手段の発熱素子により印字データに対応した所望の印字が行われる。電池収納部には電池が収納され、上記通電手段及び駆動手段への電力供給は、上記電池によって行われる。このように電池を用いる場合、複数種類の電池が適宜交換して用いられる場合がある。その場合、電池の種別や品質によって電力の給電特性が異なるので、印刷装置の円滑な動作のためには、使用される電池に応じた動作設定を行う必要がある。操作者がその都度手動にて電池種別を入力する場合、操作負担が煩わしく、また誤入力の可能性もある。したがって、印刷装置側で自動的に給電特性を見分けることが好ましい。
一般的に、電池残量は印刷処理を繰り返すことで長期的にその消耗程度が緩やかに進み、さらに印刷処理中には印字手段の発熱素子を通電した負荷時の間だけ一時的に電池電圧が降下する。しかし、この通電時の電圧が所定のしきい値電圧を下回った場合には、その通電時の印字にかすれ等の印刷異常が生じてしまう。したがって、所望する印字データを印刷する際には、事前にその印刷処理の実行中における通電時の電圧降下量も含めた電池の消耗程度を正確に把握し、管理する必要がある。しかしこの場合には、印字データ中の1文字分だけが極端に負荷が大きい場合でも電池残量を無駄に多く残したまま全体の印刷処理が不可能であると報知される可能性があり、電池残量の有効利用という点で改善する余地があった。
そこで本実施形態では、消耗判定手段が電池の消耗程度を判定し、この消耗程度に基づいて印字態様変更手段が印字形成の態様を変更する。つまり、印字データ中のテキスト文字については、印字内容の文字の意味合いを実質的に変えることなくその印字態様を変更することで、印刷処理中の負荷時における一時的な電池電圧降下量を低減できる場合がある。このため本実施形態では、消耗判定手段で判定した電池の消耗程度に応じて印字態様変更手段が電圧降下量の少ない印字態様に変更することで、印刷異常の発生をできるだけ抑えることができる。すなわち、一時的な電池電圧降下量を抑えて、電池残量に相当する電圧が上記所定のしきい値電圧に近づくまで印刷処理を繰り返し行うことができる。以上の結果、電池の消耗程度に適切に対応して電池の残電力を使い切ることができる。
本発明によれば、動作環境が変動した場合でも電池の消耗程度に適切に対応して電池の残電力を使い切ることができる。
印字ラベル作成装置を斜め上方向から見た外観を表す斜視図である。 下カバーを開放した状態の印字ラベル作成装置を斜め下方向から見た外観を表す斜視図である。 カートリッジの内部構造を模式的に表す拡大平面である。 印字ラベル作成装置の制御系を表す機能ブロック図である。 1枚の印字ラベルを作成するときの電池電圧の変動挙動を説明する概念図である。 3種類の電池それぞれのフィード電圧の変動特性を示す図である。 液晶表示部による電池の消耗状況の表示例を表す図である。 電池の種別と消耗程度に対応した印字態様が設定されている印字態様テーブルを概念的に表す図である。 CPUによって実行される制御手順を表すフローチャートである。 図9中の印刷処理の詳細な制御手順を表すフローチャートである。
以下、本発明の一実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
本実施形態は、本発明を印刷装置としての印字ラベル作成装置1に適用したものである。この印字ラベル作成装置1は、所望の印字を行った印字済みラベル用テープを所定の長さに切断することにより、印刷物としての印字ラベルLを作成する。
まず、この印字ラベル作成装置1の概略構成について図1を用いて説明する。なお、本実施形態において印字ラベル作成装置1の前・後・左・右・上・下というときは、図1及び図2等に示す方向を指すものである。
図1及び図2に示すように、印字ラベル作成装置1の筐体2は、装置下面を構成する下カバー15と、装置側面を構成する横カバー16と、装置上面を構成する上カバー17とにより構成されている。上カバー17には、前方向から後方向に向けて、文字入力等の種々の操作が行われるキーボード3、電源スイッチや印刷キー等の印字ラベル作成装置1の各種機能を実行させるための機能キー群4、及び入力した文字や記号等を表示するための液晶ディスプレイ5が設けられている。また横カバー16の右側後方には、印刷された印刷済ラベル用テープ109(図3参照)をカットするためのカッターレバー7が設けられている。
印字ラベル作成装置1の下側後方には、カートリッジ8を着脱可能なカートリッジホルダ9が設けられている。このカートリッジホルダ9は、印字ラベル作成装置1の前端部を回転軸として開閉可能に構成された下カバー15を閉じると覆われ、下カバー15を開放すると露出されるようになっている。
図3に示すように、カートリッジ8は、筐体8Aと、この筐体8A内に配置され帯状の基材テープ101が巻回された第1ロール102(実際は渦巻き状であるが、図では簡略的に同心円状に示す)と、上記基材テープ101と略同じ幅であり、本実施形態の被印刷物を構成する透明なカバーフィルム103(ラベル用被印字テープ)が巻回された第2ロール104(実際は渦巻き状であるが、図では簡略的に同心円状に示す)と、インクリボン105(熱転写リボン、但し被印字テープが感熱テープの場合は不要)を繰り出すリボン供給側ロール111と、印字後のリボン105を巻取るリボン巻取りローラ106と、カートリッジ7のテープ排出部の近傍に回転可能に支持されたテープ送りローラ27とを有する。
テープ送りローラ27は、上記基材テープ101と上記カバーフィルム103とを押圧し接着させ上記印字済みラベル用テープ109としつつ、図3中矢印Aで示す方向にテープ送りを行う(圧着ローラとしても機能する)。
第1ロール102は、リール部材102aの周りに上記基材テープ101を巻回している。基材テープ101はこの例では4層構造となっており、詳細な図示を省略するが、内側に巻かれる側よりその反対側へ向かって、適宜の粘着剤からなる貼り合わせ用粘着層、PET(ポリエチレンテレフタラート)等から成る色付きのベースフィルム、適宜の粘着剤からなる貼り付け用粘着層、剥離紙の順序で積層され構成されている。
第2ロール104は、リール部材104aの周りに上記カバーフィルム103を巻回している。第2ロール104より繰り出されるカバーフィルム103の裏面に、インクリボン105がサーマルヘッド23(印字手段)に押圧されて当接させられる。
このとき、上記のカートリッジ8の構成に対応して、カートリッジホルダ9には、上記使用済みのインクリボン105を巻き取るためのリボン巻き取り軸107と、印字済みラベル用テープ109を搬送するためのテープ送りローラ27(後述の図3参照)を駆動するためのテープ送りローラ駆動軸108(搬送手段)とが設けられている。またカートリッジホルダ9には、カバーフィルム103に所望の印刷を行うサーマルヘッド23が、カートリッジ8の装着時にその上記開口部14に位置するように設けられている。
リボン巻取りローラ106及びテープ送りローラ27は、それぞれカートリッジ7外に設けた例えばパルスモータである駆動モータ(後述の図4参照)の駆動力が図示しないギヤ機構を介し上記リボン巻取りローラ駆動軸107及び上記テープ送りローラ駆動軸108に伝達されることによって連動して回転駆動される。
上記構成において、カートリッジ7が上記カートリッジホルダ6に装着されロールホルダが上記リリース位置から上記印字位置に移動されると、カバーフィルム103及びインクリボン105が、上記サーマルヘッド23と、このサーマルヘッド23に対向して設けたプラテンローラ26との間に狭持される。これとともに、基材テープ101及びカバーフィルム103が、テープ送りローラ27と、テープ送りローラ27に対向して設けた圧着ローラ28との間に狭持される。そして、上記駆動モータの駆動力によってリボン巻取りローラ106及びテープ送りローラ27が図3中矢印B及び矢印Cで示す方向にそれぞれ同期して回転駆動される。このとき、前述のテープ送りローラ駆動軸108と上記圧着ローラ28及びプラテンローラ26はギヤ機構(図示せず)にて連結されており、テープ送りローラ駆動軸108の駆動に伴いテープ送りローラ27、圧着ローラ28及びプラテンローラ26が回転し、第1ロール102から基材テープ101が繰り出され、上述のようにテープ送りローラ27へ供給される。一方、第2ロール104からはカバーフィルム103が繰り出されるとともに、サーマルヘッド制御回路(後述の図4参照)によりサーマルヘッド23に設けられた複数の発熱素子が通電され、発熱する。このとき、カバーフィルム103の裏面側(すなわち上記基材テープと接着される側)には、リボン巻取りローラ106により駆動されるインクリボン105が、上記印字ヘッド23に押圧されて当接させられる。この結果、カバーフィルム103の裏面に、所望の印字内容の印字データに対応した印字が印刷される。そして、上記基材テープ101と上記印刷が終了したカバーフィルム103とが上記テープ送りローラ27及び圧着ローラ28の押圧により上記貼り合わせ用粘着層により接着されて一体化されて印字済みラベル用テープ109として形成され、カートリッジ8外へと排出される。カバーフィルム103への印字が終了したインクリボン105は、リボン巻取りローラ駆動軸107の駆動によりリボン巻取りローラ106に巻取られる。カートリッジ8外へ排出された印字済みラベル用テープ109の搬送経路の下流側には、固定刃40と可動刃41を備えた切断機構42が設けられている。上記カッターレバー7が操作されることにより可動刃41が動作し、上記印字済みラベル用テープ109の全体が切断され、印字ラベルLが生成される。
なお、図2に示すように、印字ラベル作成装置1の下側後方には、カートリッジホルダ9に隣接して、例えばアルカリ電池またはニッケル水素電池等の、外形が同一で電力の給電特性が異なる各種の円筒形の円筒形の電池BT(後述の図4参照)を複数個収納可能な電池収納部70が設けられている。なお、図2中、符号60は、外部電源としてのACアダプタ220(後述の図4参照)の出力プラグが接続されるDCジャックである。
次に、図4を用いて、印字ラベル作成装置1の制御系について説明する。
図4において、印字ラベル作成装置1は、所定の演算を行う演算部を構成するCPU212を有している。
CPU212は、RAM213の一時記憶機能を利用しつつROM214に予め記憶されたプログラムに従って信号処理を行い、それによって印字ラベル作成装置1全体の制御を行う。
またCPU212は、ACアダプタ220に接続され印字ラベル作成装置1の電源のオン・オフ処理を行う電源回路215と、上記プラテンローラ26を駆動する駆動モータ211の駆動制御を行うモータ駆動回路216(駆動手段)と、上記サーマルヘッド23の発熱素子の通電制御を行うサーマルヘッド制御回路217(通電手段)とに接続されている。
このとき、CPU212には、電池BTの出力電圧値を測定(検出)するためのA/D入力回路219(電圧検出手段)が設けられている。このA/D入力回路219には、電池BTが接続されている。そして本実施形態では、電池BTの交換時に満充電状態の新しい電池BTが装着されたものと検知した場合には、電池残量の管理を改めるバッテリリセットを行う。
さらに、CPU212には、上記液晶ディスプレイ5と、ROM214と、RAM213とが接続されている。また、ROM214には、電池BTの消耗状況の判定、種別の判定、及び印字形態の変更等の手順(後述の図9、図10等に示す各手順)を実行するための制御プログラムや、電池BTの消耗状況を判定するために使用するバッテリー残量しきい値(詳細は後述)等が記憶されている。
以上の基本構成において、本実施形態の特徴は、電池BTの出力電圧値の挙動に基づいて電池BTの消耗程度を検出し、それに応じて電池残量を使い切ることができるよう印字データの印字形態を変更することにある。以下、順を追って本実施形態の変更手法について説明する。
すなわち、前述の電池収納部70において複数種類の電池BTが適宜交換して用いられる場合がある。その場合、電池BTの種別や品質によって電力の給電特性が異なるので、印字ラベル作成装置1の円滑な動作のためには、使用される電池BTに応じた動作設定を行う必要がある。操作者がその都度手動にて電池BTの種別を入力する場合、操作負担が煩わしく、また誤入力の可能性もある。したがって、印字ラベル作成装置1側で自動的に電池BTの給電特性を見分けることが好ましい。
ここで、電池BTを駆動源として動作する本実施形態の印字ラベル作成装置1においては、1つの印字ラベルLの生成動作中において、電池BTの出力電圧値が変化する。すなわち、図5に示すように、テープ送りローラ駆動軸108によるテープ搬送もサーマルヘッド23による印字も行われない状態(スタンバイ状態)では、電池BTの出力電圧は比較的高いスタンバイ電圧Vsとなる。印字ラベルLの作成が開始されると、まずテープ送りローラ駆動軸108が駆動されてカバーフィルム103等のテープ搬送が行われる(フィード状態)。この搬送負荷によって、電池BTの出力電圧はやや下がってフィード電圧Vfとなる。この状態は、印字ラベルL作成時に所望の印字R(この例では「ABC」)を形成する領域として設定される印字領域Sのうち、実際にサーマルヘッド23の複数の発熱素子が通電され印字が開始されるより前の領域(前余白)に当該サーマルヘッド23が対向しているタイミングの間は、継続される。
そして、さらに搬送が進むと、サーマルヘッド23の複数の発熱素子が通電され、印字データに基づく所望の図像や文字の印字が開始される。この例ではまずテキストのアルファベット文字「A」が印字される。このように図像や文字の印字が行われるときの電池BTの出力電圧、すなわち印字時電圧は、印字する文字の態様に対応してフィード電圧Vfから一時的に低下するよう変動する。すなわち、搬送方向に直交する方向(図5中上下方向)に沿って複数配列された発熱素子のうち通電される発熱素子の数が多いタイミングでは比較的に負荷が大きくなるので、印字時電圧は比較的低くなる(例えば、図5中(ア)参照)。逆に、通電される発熱素子の数が少ないタイミングでは負荷が小さくなるので、印字時電圧は比較的高くなる(例えば、図5中(イ)参照)。
なお、上記のように印字領域Sへ印字開始した後であっても、細かく見ると、1つのテキスト文字の印字が終了した後、隣接する次のテキスト文字の印字開始までの領域(文字間余白)にサーマルヘッド23が対向している間は、サーマルヘッド23の発熱素子が通電されない非印字状態となる。図5の例ではアルファベット文字「A」と「B」との間の文字間余白、アルファベット文字「B」と「C」との間の文字間余白にサーマルヘッド23が対向しているタイミングが、この状態に該当する。このタイミングでは、電池BTの出力電圧は再び上昇して、上記前余白のタイミングと同様のフィード電圧Vfとなる。文字間余白が終了してサーマルヘッド23による次の文字の印字が開始されるタイミングとなると、再び電池BTの出力電圧はフィード電圧Vfより低い印字時電圧となる。
そして、すべての図像や文字の印字が終了した後(上記の例ではアルファベット文字「C」の印字が終了した後)は、印字領域S内であってもサーマルヘッド23の複数の発熱素子の通電が停止され印字が行われない領域(後余白)となり、当該領域にサーマルヘッド23が対向しているタイミングの間は、上記同様、電池BTの出力電圧は再び上記フィード電圧Vfとなる。この状態は、印字ラベルLの作成が終了し上記テープ送りローラ駆動軸108の駆動によるカバーフィルム103等のテープ搬送が終了するまで、継続される。
そして、上記のような出力電圧値の変化幅(以下、電圧降下量という)は、上記サーマルヘッド23における発熱素子の同時通電数にほぼ比例し、また電池BTの種別や品質等の要因によっても変動しうる。また、上記印刷処理中における発熱素子の通電時に最低限必要とされる印字時電圧をバッテリーウィークしきい値電圧Vbw(図中ではBWしきい値電圧Vbwと略記)として固定的に設定されている。
また図6は、品質の低い粗悪アルカリ電池、品質の高いアルカリ電池、及びニッケル水素電池の3種類の電池BTそれぞれのフィード電圧Vfの変動特性を示しており、横軸は印刷枚数(印字形成回数)に対応する。この図6において、粗悪アルカリ電池の場合は印刷枚数の増加に対して早くフィード電圧Vfが低下していくが、これと比較してアルカリ電池の場合はフィード電圧Vfの低下が遅く、つまり電池残量が比較的長く持つ。ニッケル水素電池は他のアルカリ電池と比較して中位レベルの電圧を長く維持し、結果的に最もフィード電圧Vfの低下が遅くなってより多くの回数で印刷処理を実行できる。このように、印刷処理を繰り返すことで電池BTの消耗程度が進んで上記フィード電圧Vfも次第に低下するため、同じ電池BTを用いて同じ印字データを印字する場合でも対応する最低印字時電圧が経時的に低下していく。
以上のように、電池残量は印刷処理を繰り返すことで長期的にその消耗程度が緩やかに進み、さらに印刷処理中にはサーマルヘッド23の発熱素子を通電した負荷時の間だけ一時的に電池電圧が降下する。しかし、この通電時の電圧がバッテリーウィークしきい値電圧Vbwを下回った場合には、その通電時の印字にかすれ等の印刷異常が生じてしまう。したがって、所望する印字データを印刷する際には、事前にその印刷処理の実行中における通電時の電圧降下量も含めた電池BTの消耗程度を正確に把握し、管理する必要がある。しかしこの場合には、印字データ中の1文字分だけが極端に負荷が大きい場合でも電池残量を無駄に多く残したまま全体の印刷処理が不可能であると報知される可能性があり、電池残量の有効利用という点で改善する余地があった。
そこで本実施形態では、個々の印字ラベルLの作成毎に電池BTの消耗程度を判定し、その消耗程度に基づいて次の印字ラベルLの作成時における印字形成の態様を変更する。上述したように、印字形成中におけるサーマルヘッド23の発熱素子の同時通電数とは、カバーフィルムの搬送方向において印字解像度に区分してなる各印字ライン上でのドットの形成数である。つまり、印字内容のドットパターンにおいて、テープ幅方向に連続するドット数が最も多い印字ラインで最大同時通電数となり、この通電時における電圧降下量が最大となる。このため、最大同時通電数(最大電圧降下量)を削減するには、例えば印字データに含まれる文字のフォントスタイル(フォント種別)を斜体化(及び細字化)するか、当該文字が英字である場合に小文字化するか、又は当該文字の印字サイズを縮小化することが有効である。このように、印字データ中のテキスト文字については、印字内容の文字の意味合いを実質的に変えることなくその印字態様(印字形成の態様)を変更することで、印刷処理中の負荷時における一時的な電池電圧降下量を低減できる。
ここで、図6に示す各種別の電池BTにおいて満充電状態から放電状態までの電池残量の状態を大、中、小の3段階で区分できるよう、図示するように各種別ごとに電池残量しきい値I、IIを設定する。つまり、フィード電圧Vfが電池残量しきい値I以上である場合は、使用中の電池BTの電池残量を「大」とみなす。また、フィード電圧Vfが電池残量しきい値Iより低く電池残量しきい値II以上である場合は、使用中の電池BTの電池残量を「中」とみなす。また、フィード電圧Vfが電池残量しきい値IIより低い場合は、使用中の電池BTの電池残量を「小」とみなす。
そして図6に示すように、電池残量しきい値I、IIは各電池種別間で異なる値であり、またそれぞれに対応する印刷枚数も大きく相違している。このため、使用中の電池BTの種別をあらかじめ印字ラベル作成装置1側で判定し、その種別に対応して電池残量しきい値I、IIを設定する必要がある。なお、本実施形態における電池種別の判定手法については、特開2013−132802号公報で公知となっている手法を用いるものとし、ここではその詳細についての説明を省略する。
また本実施形態では、上記液晶ディスプレイ5においてその時点の電池BTの消耗状況を表示する。図7(a)〜(c)は、液晶ディスプレイ5における電池BTの消耗状況の表示例を表す図である。これら図7(a)〜(c)において、液晶ディスプレイ5は、電池形状を模擬した全体図像61と、この全体図像61中に占める割合(数)で電池BTの電池残量を表す残量図像62とを表示する。残量図像62は、全体図像の外形の中に存在する複数の矩形領域で表され、表示される矩形領域の数が多いほど、電池BTの電池残量が多いことを表す。
図7(a)の表示例では、電池BTの消耗度が十分に低い(上記図6に示す電池残量しきい値I以上に該当する)場合であり、電池残量が大(ほぼ満量)である状態が表示されている。
図7(b)の表示例では、電池BTの消耗度が中程度である(上記図6に示す電池残量しきい値II以上、電池残量しきい値I未満に該当する)場合であり、電池残量が中程度である状態が表示されている。
図7(c)の表示例では、電池BTの消耗度が高い(上記図6に示す電池残量しきい値II未満に該当する)場合であり、電池残量が少ない状態が表示されている。
このように充電式の電池BTの消耗状況を図像化して表すことにより、ユーザに対し、当該電池BTの消耗状態を直感的に分かりやすく報知すると共に、その消耗状態の電池BTにおける電池残量も併せて報知することができる。
そして本実施形態では、図8に示す印字態様テーブルに基づき、上述した電池BTの種別と消耗度の段階に応じた印字形態の変更を行う。図8に示す例の印字態様テーブル(図示する例では英字の「H」を印字文字とした場合)では、使用している電池BTが粗悪アルカリ電池である場合、電池残量が大状態で印字サイズをLサイズ(デフォルトのサイズ)とし、フォントスタイルを斜体化した印字態様に設定する。また、電池残量が中状態で印字サイズをMサイズ(デフォルトより小さいサイズ)とし、フォントスタイルを斜体化した印字態様に設定する。また、電池残量が小状態で印字サイズをSサイズ(Mサイズより小さいサイズ)とし、フォントスタイルを斜体化した印字態様に設定する。
また、使用している電池BTがアルカリ電池である場合、電池残量が大状態で印字サイズをLサイズとし、フォントスタイルをデフォルトの通常体とした印字態様に設定する。また、電池残量が中状態で印字サイズをLサイズとし、フォントスタイルを斜体化した印字態様に設定する。また、電池残量が小状態で印字サイズをMサイズとし、フォントスタイルを斜体化した印字態様に設定する。
また、使用している電池BTがニッケル水素電池である場合、電池残量が大状態で印字サイズをLサイズとし、フォントスタイルを通常体とした印字態様に設定する。また、電池残量が中状態で印字サイズをMサイズとし、フォントスタイルを通常体とした印字態様に設定する。また、電池残量が小状態で印字サイズをSサイズとし、フォントスタイルを通常体とした印字態様に設定する。
以上のように印字態様を設定することにより、電池種別毎に異なる給電特性に応じて、電池BTの消耗度が低い(電池残量が大きい)場合には、できるだけ大きいサイズでかつデフォルトの通常体で印字形成することができる。また、電池BTの消耗度が高い(電池残量が小さい)場合には、その程度に応じた小さいサイズでかつ斜体化して印字形成時の電池電圧降下量を抑えることができ、印刷異常を回避できる。また、図8の印字態様テーブルでは示していないが、印字データに含まれる文字が英字である場合に小文字化することによっても最大同時通電数、最大電圧降下量の抑制に有効である。
以上説明した手法を実現するために、CPU212によって実行される印刷処理の手順を図9に示す。
図9において、例えば操作者が機能キー群4を適宜に操作して印字ラベルLに印字したい文字や記号等の印字データを入力し、さらに機能キー群4に備えられた上記印刷キーを操作して印字ラベルLの作成を指示することにより、このフローが開始される。
まず、ステップS5で、CPU212は、その時点で使用している電池BTのバッテリリセット後から初めての制御開始であるか否かを判定する。バッテリリセット後から2回目以降の制御である場合、判定は満たされず(S5:NO)、ステップS15に移る。
一方、バッテリリセット後の初回制御である場合、判定が満たされ(S5:YES)、ステップS10に移る。
ステップS10では、CPU212は、初期設定として電池残量を大とし、印字態様をデフォルト(Lサイズ、通常体)に設定する。
その後ステップS15に移り、CPU212は、上述した入力済みの印字データを取得する。
その後ステップS100に移り、CPU212は、その時点で設定されている印字態様で上記ステップS15で取得した印字データを印字形成し印字ラベルLを作成する印刷処理を実行する(後述の図10参照)。
その後ステップS20に移り、CPU212は、上記ステップS100(後述の図10におけるステップS130参照)で記憶した出力電圧Vd(印字時電圧)と通電数Dに基づいて電池種別を判別する。なお、この電池種別の判別手法については、上述したように特開2013−132802号公報で公知となっている手法を用いるものとし、ここではその詳細について説明を省略する。
その後ステップS25に移り、CPU212は、上記ステップS20で判別した電池種別に対応する電池残量しきい値I、IIを取得する。これは、特に図示しないテーブル等を参照して取得すればよい。
その後ステップS30に移り、CPU212は、上記ステップS100(後述の図10におけるステップS145参照)で記憶したフィード電圧Vfが、上記ステップS25で取得した電池残量しきい値I以上であるか否かを判定する。フィード電圧Vfが電池残量しきい値I以上である場合、判定が満たされ(S30:YES)、ステップS35へ移る。
ステップS35では、CPU212は、電池残量を大に設定する。そしてステップS55に移る。
一方、上記ステップS30の判定において、フィード電圧Vfが電池残量しきい値I未満である場合、判定は満たされず(S30:NO)、ステップS40へ移る。
ステップS40では、CPU212は、フィード電圧Vfが、上記ステップS25で取得した電池残量しきい値II以上であるか否かを判定する。フィード電圧Vfが電池残量しきい値II以上である場合、判定が満たされ(S40:YES)、ステップS45へ移る。
ステップS45では、CPU212は、電池残量を中に設定する。そしてステップS55に移る。
一方、上記ステップS40の判定において、フィード電圧Vfが電池残量しきい値II未満である場合、判定は満たされず(S40:NO)、ステップS50へ移る。
ステップS50では、CPU212は、電池残量を小に設定する。そしてステップS55に移る。
ステップS55では、CPU212は、上記図7に示したように電池残量を液晶ディスプレイ5上に表示する。
その後ステップS60に移り、CPU212は、上記ステップS20で判別した電池種別と、上記ステップS35、S45、S50で判定した電池残量に基づいて、上記図8の印字態様テーブルを参照し印字態様を設定する。
その後ステップS65に移り、CPU212は、上述した入力済みの印字データがまだ残っていて印刷を続行するか否かを判定する。印字データが残っている場合、判定が満たされ(S65:YES)、上記ステップS15に戻り同様の手順を繰り返す。
一方、印字データが残っていない場合、判定は満たされず(S65:NO)、このフローを終了する。
なお、上記手順のうちステップS20の手順が各請求項記載の種別判定手段として機能し、ステップS25〜ステップS50の手順が、各請求項記載の消耗判定手段として機能し、ステップS60の手順が各請求項記載の印字態様変更手段として機能する。
次に、上記ステップS100の印刷処理についてその詳細な手順を図10に示して説明する。
まず、ステップS105では、CPU212は、モータ駆動回路216に制御信号を出力し、駆動モータ211によりテープ送りローラ駆動軸108及びリボン巻取りローラ駆動軸107を駆動開始する。これにより、カバーフィルム103、基材テープ101、及び印字済みラベル用テープ109(以下適宜、単にカバーフィルム103等」という)が搬送開始される。
その後ステップS110に移り、CPU212は、搬送されるカバーフィルム103等が印字領域Sの開始位置まで搬送されたかどうか(印字領域Sの前端に印字ヘッド23が正対する搬送方向位置になるまでカバーフィルム103等が搬送されたかどうか)、を判定する。この判定は、例えばステッピングモータからなる駆動モータ211のパルス数をカウントする等、公知の適宜の手法により行えば足りる。カバーフィルム103等が印字領域Sの開始位置まで搬送されるまでステップS110の判定が満たされず(S110:NO)、ループ待機する。カバーフィルム103等が印字領域Sの開始位置まで搬送されたらステップS110の判定が満たされ(S110:YES)、ステップS115へ移る。
ステップS115では、CPU212は、印字データに基づき、この時点でのタイミングが、サーマルヘッド23の発熱素子の通電タイミングであるかどうかを判定する。すなわち、上記サーマルヘッド23に対するカバーフィルム103の搬送方向位置が、印字領域Sのうち印字データを印字すべき位置にあるか否かを判定する。通電タイミングでない場合、判定は満たされず(S115:NO)、ステップS120へ移る。
ステップS120では、CPU212は、サーマルヘッド制御回路217に制御信号を出力し、サーマルヘッド23のすべての発熱素子を通電停止状態とする。その後、ステップS135に移る。
一方、上記ステップS115の判定において通電タイミングである場合、判定が満たされ(S115:YES)、ステップS125へ移る。
ステップS125では、CPU212は、サーマルヘッド制御回路217に制御信号を出力し、その時点のサーマルヘッド23に対するカバーフィルム103の搬送方向位置に対応した印字データの同時通電数及び配置で発熱素子を通電する。これにより、カバーフィルム103に、上記通電された発熱素子によりインクリボン105のインクが転写され、対応した印字が形成される。
その後ステップS130に移り、CPU212は、上記ステップS125での通電時においてA/D入力回路219により検出された出力電圧値Vとこのときの上記発熱素子の通電数Dとを、例えばRAM213に記憶する。なお、この出力電圧値Vは、1枚の印字ラベルLを作成する際にこのステップS130が繰り返されるたびに検出される。すなわち、印字ラベルLの生成動作に伴って前述した印字ラインが移動する際、印字ライン上における通電数Dに対応付けられた形で出力電圧値Vが常時検出され、RAM213に蓄積されていく。その後、ステップS135に移る。
ステップS135では、CPU212は、搬送されるカバーフィルム103等が印字領域Sの終了位置まで搬送されたかどうか(印字領域Sの後端にサーマルヘッド23が正対する搬送方向位置になるまでカバーフィルム103等が搬送されたかどうか)、を判定する。カバーフィルム103等が印字領域Sの終了位置まで搬送されていない場合、判定は満たされず(S135:NO)、ステップS115へ戻り同様の手順を繰り返す。
一方、カバーフィルム103等が印字領域Sの終了位置まで搬送された場合、判定が満たされ(S135:YES)、ステップS140へ移る。
ステップS140では、CPU212は、搬送されるカバーフィルム103等が、上記印字データに基づき印字領域Sよりラベル後端側に設定される切断位置まで搬送されたかどうか(上記切断位置に上記可動刃41が正対する搬送方向位置になるまで、印字済みラベル用テープ109が搬送されたかどうか)、を判定する。この判定も、前述と同様の公知の手法により行えば足りる。切断位置まで搬送されていなければ、ステップS140の判定が満たされず(S140:NO)、ループ待機する。カバーフィルム103等が切断位置まで搬送されたらステップS140の判定が満たされ(S140:YES)、ステップS145に移る。
ステップS145では、CPU212は、この時点でA/D入力回路219により検出されるフィード電圧Vfを例えばRAM213に記憶する。
その後ステップS150に移り、CPU212は、モータ駆動回路216に制御信号を出力し、駆動モータ211によるテープ送りローラ駆動軸108及びリボン巻取りローラ駆動軸107の駆動を停止する。これにより、カバーフィルム103、基材テープ101、及び印字済みラベル用テープ109の搬送が停止する。その後、ステップS155に移る。
ステップS155では、CPU212は、液晶ディスプレイ5に表示信号を出力する。これにより、操作者に対し、カッターレバー7を操作し切断機構15を動作させ印字済みラベル用テープ109を切断するよう促す、適宜の表示が行われる。
その後、上記ステップS155での表示に対応した上記印字済みラベル用テープ109の切断が行われたら(=印字ラベルLが生成されたら)、ステップS160に移り、CPU212は、モータ駆動回路216に制御信号を出力する。これにより、駆動モータ211により、テープ送りローラ駆動軸108及びリボン巻取りローラ駆動軸107が再び駆動開始され、カバーフィルム103、基材テープ101、及び印字済みラベル用テープ109の搬送が再開される。
そして、ステップS165で、CPU212は、上記ステップS160の搬送再開後、予め定めた所定の搬送量(上記生成された印字ラベルLを装置外へ排出するのに十分な距離)だけカバーフィルム103等の搬送が行われたかどうかを判定する。この判定も、前述と同様、公知の手法により行えば足りる。所定の搬送量だけ搬送されていなければステップS165の判定が満たされず(S165:NO)、ループ待機する。所定の搬送量だけ搬送されたらステップS165の判定が満たされ(S165:YES)、ステップS170に移る。
ステップS170では、ステップS150と同様、CPU212は、モータ駆動回路216に制御信号を出力し、駆動モータ211によるテープ送りローラ駆動軸108及びリボン巻取りローラ駆動軸107の駆動を停止する。これにより、カバーフィルム103、基材テープ101、及び印字済みラベル用テープ109の搬送が停止する。この後、このフローを終了する。
以上において、ステップS100の制御手順が、各請求項記載の連携制御手段として機能する。
以上説明したように、本実施形態の印字ラベル作成装置1では、ステップS25〜ステップS50の手順で電池BTの消耗程度を判定し、この消耗程度に基づいてステップS60の手順で印字形成の態様を変更する。つまり、印字データ中のテキスト文字については、印字内容の文字の意味合いを実質的に変えることなくその印字態様を変更することで、印刷処理中の負荷時における一時的な電池電圧降下量を低減できる場合がある。このため、判定した電池BTの消耗程度に応じて電圧降下量の少ない印字態様に変更することで、印刷異常の発生をできるだけ抑えることができる。すなわち、一時的な電池電圧降下量を抑えて、電池残量に相当する電圧が上記バッテリーウィークしきい値電圧Vbwに近づくまで印刷処理を繰り返し行うことができる。以上の結果、電池BTの消耗程度に適切に対応して電池BTの残電力を使い切ることができる。
また、本実施形態では特に、印字形成中において検出した出力電圧値を用いて電池BTの消耗程度を判定するため、電池BTに負荷が付加されている状態での消耗度を判定できる。特に、印字形成中のステップS145で検出したフィード電圧Vfに基づいて電池BTの消耗程度を判定するため、印刷枚数の増加に伴う長期的な低下変動に対応した電池残量の段階的な消耗程度の判定を高い精度で行うことができる。
また、本実施形態では特に、印字形成中のステップS130で検出した出力電圧値Vdを用いて、ステップS20により電池BTの種別を判定する。そして、判定された上記消耗程度と上記電池種別に基づいて、ステップS60で印字態様を変更する。これにより、電池種別毎に異なる給電特性に応じて、電池BTの消耗度が低い(電池残量が大きい)場合には、できるだけ通常に近い印字態様で印字形成することができる。また、電池BTの消耗度が高い(電池残量が小さい)場合には、その程度に応じた印字態様で印字形成時の電池電圧降下量を抑えることができ、印刷異常を回避できる。
また、本実施形態では特に、印字態様として、印字サイズ、英字の大文字・小文字、フォント種類の少なくとも1つを変更する。これにより、印字内容の文字の意味合いを実質的に変えることなく最大同時通電数を低減でき、最低印字時電圧をバッテリーウィークしきい値電圧Vbwより高く維持させてより多くの印刷処理を繰り返し行うことができる。
さらに、以上では、印刷装置の一例として印字ラベル作成装置1に本発明を適用した場合を説明したが、その他にも、例えばA4、A3、B4、B5サイズ等の通常の被印刷用紙(被印刷物)に画像を形成したり文字を印刷する印刷装置に本発明を適用してもよい。この場合も同様の効果を得る。
なお、以上の説明において、「垂直」「平行」「平面」等の記載がある場合には、当該記載は厳密な意味ではない。すなわち、それら「垂直」「平行」「平面」とは、設計上、製造上の公差、誤差が許容され、「実質的に垂直」「実質的に平行」「実質的に平面」という意味である。
また、以上の説明において、外観上の寸法や大きさが「同一」「等しい」「異なる」等の記載がある場合は、当該記載は厳密な意味ではない。すなわち、それら「同一」「等しい」「異なる」とは、設計上、製造上の公差、誤差が許容され、「実質的に同一」「実質的に等しい」「実質的に異なる」という意味である。
但し、例えばしきい値や基準値等、所定の判定基準となる値あるいは区切りとなる値の記載がある場合は、それらに対しての「同一」「等しい」「異なる」等は、上記とは異なり、厳密な意味である。
なお、以上において、図4等の各図中に示す矢印は信号の流れの一例を示すものであり、信号の流れ方向を限定するものではない。
また、図9、図10等に示すフローチャートは本発明を上記フローに示す手順に限定するものではなく、発明の趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で手順の追加・削除又は順番の変更等をしてもよい。
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
1 印字ラベル作成装置(印刷装置)
23 サーマルヘッド(印字手段)
70 電池収納部
108 テープ送りローラ駆動軸(搬送手段)
216 モータ駆動回路(駆動手段)
217 サーマルヘッド制御回路(通電手段)
219 A/D入力回路(電圧検出手段)
BT 電池
L 印字ラベル(印刷物)

Claims (5)

  1. 被印刷物を搬送する搬送手段と、
    通電されて発熱する複数の発熱素子を備えた印字手段と、
    を有する印刷装置であって、
    印字データに応じて、前記印字手段の前記複数の発熱素子のうち少なくとも1つを通電する通電手段と、
    前記搬送手段の駆動を制御する駆動手段と、
    前記通電手段及び前記駆動手段に電力を供給する電池を収納する電池収納部と、
    前記電池の出力電圧値を検出可能な電圧検出手段と、
    前記搬送手段により搬送される前記被印刷物に対し、前記印字データに対応した印字を形成するように、前記駆動手段及び前記通電手段を連携して制御する連携制御手段と、
    前記電圧検出手段が検出した出力電圧値を用いて前記電池の消耗程度を判定する消耗判定手段と、
    前記消耗判定手段が判定した前記消耗程度に基づいて、前記連携制御手段の制御に基づく前記印字形成の態様を変更する印字態様変更手段と、
    を有することを特徴とする印刷装置。
  2. 請求項1記載の印刷装置において、
    前記消耗判定手段は、
    前記連携制御手段の制御に基づく印字形成中において前記電圧検出手段が検出した出力電圧値を用いて前記電池の消耗程度を判定する
    ことを特徴とする印刷装置。
  3. 請求項1又は2記載の印刷装置において、
    前記電圧検出手段が検出した出力電圧値を用いて前記電池の種別を判定する種別判定手段を有し、
    前記印字態様変更手段は、
    前記消耗判定手段が判定した前記消耗程度と、前記種別判定手段が判定した前記種別に基づいて、前記印字形成の態様を変更する
    ことを特徴とする印刷装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の印刷装置において、
    前記印字態様変更手段は、
    前記印字形成の態様として、印字サイズ、英字の大文字・小文字、フォント種類の少なくとも1つを変更する
    ことを特徴とする印刷装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の印刷装置において、
    前記搬送手段は、
    前記被印刷物としてラベル用被印字テープを搬送し、
    前記印字手段は、
    前記搬送手段により搬送される前記ラベル用被印字テープに所望の印刷を行い、前記印刷物としての印字ラベルを作成する
    ことを特徴とする印刷装置。
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