JP2016182614A - 圧延機における圧延制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】幅方向板端部の位置におけるロールギャップが、ロールプロフィール修正前に対して変化しないようなロールプロフィール誤差を算出することで、正確にロールプロファイルを修正し、修正したロールプロファイルを基に、板厚と板クラウンとを高精度に制御可能とする圧延機における圧延制御方法を提供する。【解決手段】本発明の圧延制御方法は、圧延機1に備えられた圧延ロール4のロールプロフィール予測誤差を算出し、そのロールプロフィール予測誤差を用いてロールプロフィールの修正を行い、修正されたロールプロフィールを有する圧延ロール4を用いて圧延材Xの圧延を行うとき、ロールプロフィールの修正を行う際には、ロールプロフィール修正後における圧延材Xの幅方向端部のロールギャップが、ロールプロフィール修正前における圧延材Xの幅方向端部のロールギャップと同じとなるように、ロールプロフィールの修正量を算出することを特徴とする。【選択図】図7

Description

本発明は、圧延材を圧延する圧延機における圧延制御方法に関する。
厚鋼板などの圧延材を製造するに際しては、まず粗圧延機において、加熱されたスラブ鋳片を予め決められた板厚に圧延し、仕上圧延機に送る。仕上圧延機では、粗圧延機で圧延された圧延材を目標の板厚になるまで圧延する。この製造工程では、圧延材の板クラウンをあらかじめ予測モデルを用いて算出し、それを目標値とするように圧延機の圧下特性を制御することが行われている。
従来、圧延機の圧下特性の制御においては、高精度の圧延制御を行うために、圧延荷重作用時での圧延ロールの変形、圧延材の変形、ロールプロフィールの経時変化を予測することで、圧延材の板クラウンを予測し、予測された板クラウンを基に板クラウン誤差が最小となるように、板厚制御が行われている。
このような板クラウンの予測に関し、ロールプロフィールの経時変化、特にサーマルクラウンや摩耗に起因するロールプロフィールの変化については、圧延状況やロール冷却状況に伴い予測誤差を生じることが多く、その結果、予測される板クラウンに大きな誤差が生じることになる。
このような問題に対応すべく、特許文献1,2に開示された技術が開発されている。
まず、特許文献1には、予測された板クラウンと実測された板クラウンを比較した板クラウン予測誤差に基づいて、ロールプロフィール誤差を定式化する技術が開示されている。定式化されたロールプロフィール誤差を用いて予測ロールプロフィールを修正することで、次材の板クラウン予測を高精度なものとなっている。この特許文献1では、ロールプロフィール誤差の定式化には、実測される板クラウンは板厚計で計測される3点の板厚(板幅中央と板端との差)から算出され、計算に必要なロール幅全体での測定ができないために、簡易な関数として2次関数を仮定して、ロールプロフィール学習を行うものとされている。
一方、特許文献2では、圧延材1本あたりのサーマルクラウン成長が台形形状であることに着目し、別途算出したワークロールプロフィール修正量と、圧延材1本あたりのサーマルクラウン成長量のワークロール胴長方向分布とを用いて、ワークロールプロフィール修正量のロール胴長方向分布を算出する方法、例えば双曲線関数のような近似可能な数式で表現し、ワークロールプロフィール修正量のロール胴長方向分布を算出する方法が開示されている。
特開2002−178014号公報 特開2007−283353号公報
特許文献1,2の技術では、いずれも板クラウン誤差を用いてロールプロフィール修正量を決定し、精度よく板クラウン予測を行えるとされている。例えば、特許文献1においては、ロールプロフィール誤差の算出結果により、圧延ロールの幅方向端部位置を基準として、ロールプロフィールを修正している。また、特許文献2においては、圧延材の板幅
端部の近傍の位置を基準として、板幅内でのロールプロフィールを修正している。
ところで、板クラウンは幅方向中央の板厚と幅方向端部の板厚との差であり、実測板クラウンと予測板クラウンの差である板クラウン誤差についても、言うまでもなく幅方向中央の板厚と幅方向端部の板厚との差の予測誤差となる。
そのため、板クラウン誤差を用いてロールプロフィール修正量を決定する場合、例えば「ロールプロフィール予測値の幅方向中央位置の値と、板端部位置の値との差が大きくなるように修正すべき」ということは、特許文献1,2などの公知の技術を用いて算出することができる。
しかしながら、特許文献1,2などの公知の技術においては、ロールプロフィール修正量を決定する際に、圧延材の板幅端部位置あるいは圧延ロールの幅方向端部位置を基準として、幅方向中央位置のロールプロフィールを大きくするように修正すべきなのか(図1の左側参照)、又はロールプロフィールの幅方向中央位置を基準として、圧延材の板幅端部位置のロールプロフィールを小さくするように修正すべきなのか(図1の右側参照)、といったことをそもそも判断することができるようにはなっていない。
このロールプロフィールの修正の大きさの違いは、板クラウン精度には影響しないが、図1に示すように、板厚計算、すなわち板厚精度へ大きな影響を与える。例えば、板厚計算時にロールプロフィール修正量が加味されると、圧延ロールの幅方向中央部では、圧延ロール直径あたりのロールプロフィール修正量の2倍(上下ロール分)のロールギャップとなり、また圧延ロールの幅方向端部では、圧延ロール直径あたりのロールプロフィール修正量の1倍(半分×上下ロール分)のロールギャップとなり、所望の板厚が得られないこととなる。つまり、圧延材の板幅によっても板厚への影響が異なってくる。
すなわち、特許文献1,2の技術では、このロールプロフィールの修正の大きさの差(本来どうすべきか)を考慮しないまま、常に圧延ロールの幅方向端部位置、あるいは圧延材の板幅端部位置を基準としてロールプロフィールの修正を行っているため、板厚誤差を生じさせる原因となっている。この板厚誤差の一部分は、一般的に板厚制御にて行われる板厚学習(過去の板厚予測誤差)により修正されるものと考えられるが、本来板厚学習により修正しようとしていた板厚誤差に、ロールプロフィールの修正の大きさの差の影響が外乱として加わるため、板厚学習の効果、すなわち高精度の板厚誤差が十分に得られない。つまり、前述の影響は、板厚学習後において板厚誤差を大きくする原因となっているので、特許文献1,2などの従来技術ではロールプロフィールを正確に修正することは不可能である。
例えば、図2に示すように、実態のロールプロフィール(Sreal)、板クラウン学習(板クラウン予測)後の計算ロールプロフィール(Scal)を、下式とした場合、
(i)板クラウン学習に誤差がないとき(b=b’)は、板端位置での圧延ロールの直
径の誤差が式(3)となり、板端位置での圧延ロールの直径の誤差のみが適切に板厚学習(板厚予測)により修正される。
(ii)板クラウン学習に誤差があるとき(b≠b’)は、式(4)のようになり、板厚学習に板クラウン学習の誤差が含まれてしまうこととなる(板クラウン学習の誤差+板端位置での圧延ロール径の誤差)。それ故、板厚学習時に、板クラウン学習の影響(外乱)が加味されてしまう。
このように、特許文献1,2などの従来の方法では、圧延ロールの端部あるいは、圧延材の板端部位置を基準として幅方向の分布を修正することにより、その修正に連動するようにロールギャップ(特に、板厚の測定が行われる板端部位置でのロールギャップ)が変化するという問題が生じてしまう虞がある。
そこで、本発明は上記問題点を鑑み、圧延材を圧延する圧延機に備えられた圧延ロールのロールプロフィールに関し、幅方向板端部の位置におけるロールギャップが、ロールプロフィール修正前に対して変化しないようなロールプロフィール誤差を算出することで、正確にロールプロファイルを修正し、修正したロールプロファイルをもとに、板厚と板クラウンとを高精度に制御可能とする圧延機における圧延制御方法を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するため、本発明においては以下の技術的手段を講じた。
すなわち、本発明にかかる圧延機における圧延制御方法は、圧延機に備えられた圧延ロールのロールプロフィール予測誤差を算出し、前記算出したロールプロフィール予測誤差を用いてロールプロフィールの修正を行い、修正されたロールプロフィールを有する圧延ロールを用いて圧延材の圧延を行う圧延制御方法において、前記ロールプロフィールの修正を行う際には、ロールプロフィール修正後における前記圧延材の幅方向端部のロールギャップが、ロールプロフィール修正前における前記圧延材の幅方向端部のロールギャップと同じとなるように、前記ロールプロフィールの修正量を算出する。
本発明の圧延機における圧延制御方法によれば、圧延材を圧延する圧延機に備えられた圧延ロールのロールプロフィールに関し、幅方向板端部の位置におけるロールギャップが、ロールプロフィール修正前に対して変化しないようなロールプロフィール誤差を算出することで、正確にロールプロファイルを修正し、修正したロールプロファイルをもとに、板厚と板クラウンとを高精度に制御可能とする。
ロールプロフィール修正の基準位置の違いによるロールギャップ変化を模式的に示した図である。 従来技術を用いてロールプロフィール学習を行った後のロールプロフィールを模式的に示した図である。 本発明を用いてロールプロフィール学習を行った後のロールプロフィールを模式的に示した図である。 圧延ロールの幅方向端部を基準とし、2次関数を用いてロールプロフィールを修正した後のサーマルクラウンを模式的に示した図である。 圧延ロールの幅方向端部を基準とし、シグモイド関数を用いてロールプロフィールを修正した後のサーマルクラウンを模式的に示した図である。 本発明を適用させたシグモイド関数を用いてロールプロフィールを修正した後のサーマルクラウンを模式的に示した図である。 板クラウン誤差の偏差を比較した図である。 板厚学習なしでの板厚誤差の変化を示した図である。 板厚学習した後の板厚誤差を比較した図である。 圧延機の概略を示した図である。
以下、本発明にかかる圧延機における圧延制御方法の実施形態を、図を基に説明する。本実施形態の圧延制御方法を説明する前に、本発明が適用される圧延装置1について説明する。
図8に示すように、本発明の板厚制御方法が適用される圧延装置1は、スラブ鋳片などの圧延材Xを厚鋼板Zに圧延するものであり、圧延材Xを加熱する加熱炉13と、加熱された圧延材Xを予め決定された板厚及び板幅に圧延する粗圧延機2と、粗圧延機2で圧延された圧延材Xを目標の板厚及び板幅になるまで圧延して最終製品となる厚鋼板Zを製造する仕上圧延機3と、を有している。
粗圧延機2は、圧延材Xを圧延する上下一対のワークロール4(圧延ロール)とワークロール4を支持する一対のバックアップロール5とを備えると共に、上方側のバックアップロール5を介してワークロール4に圧延荷重を付与する圧下装置10を有している。
また、粗圧延機2には圧延荷重を計測するための圧延荷重計6が備えられ、粗圧延機2の出側には圧延材Xの出側板厚を計測するための板厚計7が設けられている。圧延荷重計6や板厚計7で計測された圧延材Xのデータは、予測モデル8に送られて板クラウン及び板厚が予測される。さらに、粗圧延機2は、予測モデル8にて算出された板クラウン及び板厚を目標値として粗圧延機2を制御する制御手段9を備えている。
下流工程にある仕上圧延機3は、粗圧延機2と同様な略構成とされており、上下一対のワークロール4とワークロール4を支持するバックアップロール5とを備えると共に、ワークロール4に圧延荷重を付与する圧下装置10を有している。
また、仕上圧延機3にも、圧延荷重を計測するための圧延荷重計6が備えられ、仕上圧延機3の出側には圧延材Xの出側板厚を計測するための板厚計7が設けられている。圧延荷重計6や板厚計7で計測された圧延材Xのデータは、予測モデル8に送られて板クラウン及び板厚が予測される。さらに、仕上圧延機3は、予測モデル8にて算出された板クラウン及び板厚を目標値として粗圧延機2を制御する制御手段9を備えている。
上記した圧延装置1において、スラブ鋳片など圧延材Xは、加熱炉13で所定の温度まで加熱された後に圧延機2,3に導入されて、圧延機2,3に備えられているワークロール4の圧下による複数回の往復圧延(複数回の圧延パス)が施される。この圧延パスを複数回行うことで、目標とする板厚及び板幅の厚鋼板Zが製造される。
次に、本実施形態の圧延制御方法について説明する。以降、ワークロール4(圧延ロール)のことを単にロール4と呼ぶこともある。
本実施形態の圧延制御方法は、圧延機に備えられたロール4のロールプロフィール予測誤差を算出し、算出したロールプロフィール予測誤差を用いてロールプロフィールの修正を行い、修正されたロールプロフィールを有するロール4を用いて圧延材Xの圧延を行うとき、ロールプロフィールの修正を行う際には、ロールプロフィール修正後における圧延材Xの幅方向端部のロールギャップが、ロールプロフィール修正前における圧延材Xの幅方向端部のロールギャップと同じとなるように、ロールプロフィールの修正量を算出する
好ましくは、ロールプロフィール修正後のロールギャップが、ロールプロフィール修正前と同じとなるように、ロール4の幅方向中央部におけるロールプロフィール修正量と、ロール4の幅方向板端部におけるロールプロフィール修正量とが略同じ値としておき、この同じ値とされたロール4の幅方向中央部におけるロールプロフィール修正量と、ロール4の幅方向板端部におけるロールプロフィール修正量とを用いて、ロールプロフィールの修正量を算出するとよい。
上記の圧延制御方法は、予測モデル8内で実施されるものである。
図3に示すように、例えば、本実施形態の予測モデル8内では、現在の状態のロールプロフィール(Sreal)、板クラウン学習後の計算ロールプロフィール(Scal)を、下式
とした場合、
(i)理想的なロールプロフィール学習が行われた場合(b=b’)は、幅方向板端部
の位置でのロール4の直径の誤差が式(8)のようになり、幅方向板端部の位置でのロール4の直径の誤差のみが板厚学習(板厚予測)により修正され、幅方向板端部の位置でのロールギャップが適切に修正される。すなわち、ロールギャップは、ロールプロフィールの修正前と修正後において変化しない。
(ii)板クラウン学習に誤差があるとき(b≠b’)は、式(9)のように、幅方向板端部の位置でのロール4の直径の誤差のみに修正され、幅方向板端部の位置でのロールギャップが適切に修正される。すなわち、ロールギャップは、ロールプロフィールの修正前と修正後において変化しない。
具体的には、本実施形態の圧延制御方法は、まず圧延材Xの板クラウンの実績値と板クラウンの予測値との偏差、及び圧延材Xの板幅を基に、台形形状を表現可能な関数を用いてロールプロフィール予測誤差を同定し、同定されたロールプロフィール予測誤差を用いて、ロールプロフィール修正量を決定する。
なお、本発明の予測モデル8には、板クラウンを高精度に予測するために、ワークロール4における熱膨張予測誤差を精度良く学習できる「台形型熱膨張を考慮したロールプロフィール学習機能」が導入されている。
具体的には、本実施形態の予測モデル8においては、圧延材X、N本分(例えば、N=3)の板幅と板クラウン誤差を蓄積し、台形形状を表現可能な関数の係数を同定し、誤差プロフィール学習値を算出するものとしている。例えば、一般にシグモイド関数と呼ばれる関数の変形である下式(10)を、誤差プロフィールの推定に用いる。
ここで、xはワークロール4胴長長さを規格化した座標(ロール4胴長中央の位置をゼロ、ロール4胴長端部位置を1,−1)である。また、係数aは台形の高さ、係数aは台形の勾配、係数aは変曲点の胴長方向位置を表す。したがって、係数aは板クラウン誤差、係数aは規格化した圧延材Xの板幅(乃至は板幅に近い値)を示すことが推定できる。
なお、圧延材X「1本」の板幅および板クラウン誤差の情報では、3つの未知数(係数a〜a)を同定することは不可能であるので、圧延材XのN数を所定値としておく。しかし、係数a〜aの同定に用いる圧延材XのN数が多いと、ロールプロフィール修正の応答性が悪くなるので、本願発明者らは、圧延材XのN数を2≦N≦20の範囲にすることが好ましいと見出した。さらには、2≦N≦5の範囲にするとより好ましい。
係数a〜aを同定するにあたっては、以下に示す同定方法、すなわち一般的に最尤法と呼ばれる方法を用いる。
具体的には、まず、圧延材X、N本分の板クラウン誤差と板幅の平均を算出し、係数aの上限値および下限値を板クラウン誤差の平均を基準として設定し、係数aの上限値および下限値を板幅の平均を基準として設定する。基準として設定したそれぞれの下限値を係数a及び係数aとして仮決定し、この係数aおよび係数aを用いて圧延材X、N本分の板クラウン誤差と板幅の関係を最小二乗法を用いて、最も精度よく近似できる係数aを算出する。この際に、仮決定した係数a〜aを用いた場合の誤差平方和を算出しておく。
次いで、係数aを基準範囲内で少し変化させて、上述と同様に係数aを算出し、誤差平方和も算出する。以降、上述の作業を繰り返し、係数aおよび係数aを上限値および下限値の範囲内で少しずつ変化させていき、誤差平方和が最小となる場合の係数a〜aを、当該圧延時の板幅と板クラウン誤差の関係を最もよく近似できる関数としての式(1)により決定する。
続いて、ロールプロフィール修正量を式(11)を用いて算出する。
このとき、板クラウンの予測誤差において、(z(x)=0)となる位置からロール4の幅方向中央部までのロールプロフィール修正量と、(z(x)=0)となる位置から幅
方向板端部におけるロール4の位置までのロールプロフィール修正量とが等しくなる。
すなわち、ロール4の幅方向中央部(f(0))から(z(x)=0)となるまでの間におけるロールプロフィール修正量と、ロール4の幅方向板端部(f(w))から(z(x)=0)となる位置までの間におけるロールプロフィール修正量との差がゼロとなる。
図3に示すように、上記のように算出したロールプロフィール修正量に基づいて、ロールプロフィールを修正すると、板端部の位置でのロールギャップが変化しないことがわかる。
また、一般に行われるように、学習ゲインG (0<G<1)を乗じて、それまでの学習
項z(x)i−1を式(12)のように更新していく方法を取る場合にも、ロールギャップは変化しない、すなわちロールギャップはロールプロフィール修正前後において維持されることとなる。
さらには、ロールプロフィールの変化は圧延材と接触する範囲が大きく変化することから、同定したf(x)に対して幅方向板端部の位置までをロールプロフィール修正量として用いてもよい。加えて言えば、上記幅方向板端部の位置を、当該圧延材Xの板幅としてもよいし、N本の板幅の平均と板クラウンの平均からf(x)を算出していることから、N本の板幅の平均としてもよい。
以上述べた予測モデル8における圧延制御方法によれば、圧延材Xを圧延する圧延機に備えられた圧延ロール4のロールプロフィールに関し、幅方向板端部の位置におけるロールギャップが、ロールプロフィール修正前に対して変化しないようなロールプロフィール誤差を算出することで、正確にロールプロファイルを修正し、修正したロールプロファイルをもとに、板厚と板クラウンとを高精度に制御可能とする。
[実施例]
上述した圧延制御方法により、ロールプロフィール修正量、すなわちロールプロフィール予測誤差を算出した例を、以下に示す。
図4A〜図4Cは、板厚学習とロールプロフィール学習をする前のサーマルクラウンと、ロールプロフィール学習をした後のサーマルクラウンを示す図である。
図4Aは、ロール4の幅方向端部を基準とした2次関数を用いて算出したロールプロフ
ィール修正量を基に、ロールプロフィールを修正した後のサーマルクラウンを示す図である。図4Bは、ロール4の幅方向端部を基準としたシグモイド関数を用いて算出したロールプロフィール修正量を基に、ロールプロフィールを修正した後のサーマルクラウンを示す図である。図4Cは、ロールプロフィール修正後における圧延材Xの幅方向端部のロールギャップが、ロールプロフィール修正前における圧延材Xの幅方向端部のロールギャップと同じとなるように、ロールプロフィールのみを修正した後のサーマルクラウンを示す図である。
図4A〜図4B中の実線のような形状にサーマルクラウンがなるようにロールプロフィールを修正したものの、実際の圧延においては板厚誤差が大きくなり、所望の板厚及び板クラウンが得られなかった。そこで、図4C中の実線のような形状にサーマルクラウンがなるようにロールプロフィールを修正すると、板厚誤差を小さくすることができ、所望の板厚及び板クラウンが得られることとなった。
図5、図6は、ロール4の幅方向端部位置を基準としてロールプロフィールを修正した
場合の板クラウン誤差および板厚誤差(従来技術)と、本発明の技術を用いてロールプロフィールを修正した場合の板クラウン誤差および板厚誤差を示した図である。表1は、本実施形態及び従来技術における板クラウン誤差の偏差を示している。
図5および表1に示すように、板クラウン誤差については、本発明と従来技術ではほぼ同じ値となっており、従来技術による板クラウン誤差の修正効果を損なっていないことが分かる。なお、図5および表1の従来技術は、本実施形態は従来技術とほぼ同じ値であることが好ましい。すなわち、本実施形態で求めた板クラウン精度は良好であるといえる。
ところが、図6に示すように、板厚誤差については、従来技術ではロールプロフィール学習率を高くすると板厚精度が悪化している。それに対して、本実施形態では板厚精度のほぼ変化していない、すなわち板厚精度は高いまま維持されている。
この図5および図6に示すように、従来技術では、板クラウン精度を良くするためにロールプロフィール学習率を高くすると板厚精度が悪化し、良好な板厚精度を確保しようとすると板クラウン精度の向上効果が十分に得られないという、相反してしまうこととなる。
つまり、従来技術では、ロールプロフィール修正に関し、板厚学習時に板クラウン学習の誤差が含まれてしまう、すなわち板厚学習で得られた板厚予測値には板クラウン学習の影響(外乱)が含まれるものとなっているので、ロールギャップが変化してしまい、板厚の精度が悪化してしまうこととなる。
これに対して、本実施形態では、板厚学習時に板クラウン学習の影響を受けないように、板クラウン予測値(学習値)を幅方向中央部と幅方向端部とに分けて考え、幅方向中央部における板クラウン予測値と、幅方向端部における板クラウン予測値とが同じ値となるようにして板クラウン学習の影響を除去することで、ロールギャップがロールプロフィール修正前後で変化しないロールプロフィール修正量を算出している。
このようにすることで、ロールプロフィール学習率に依らずに、非常に安定した板厚精度を得ることができる。すなわち、本実施形態においては、板厚精度及び板クラウン精度を共に向上させている。
図7は、板クラウン学習し、且つ板厚学習した後の板厚誤差を比較した図である。表2は、本実施形態及び従来技術における板厚誤差の偏差を示している。
図7、表2を参照するに、従来技術では、グラフの上下幅が大きくなっており、板厚学習において板クラウン学習の影響を受けている、すなわち板厚誤差が悪化していることがわかる。一方、本実施形態では、グラフの上下幅が小さくなっており、板厚学習において
板クラウン学習の影響を受けていない、すなわち板厚誤差がよくなっていることがわかる。
以上より、本実施形態の圧延制御方法によれば、ロールプロフィールの予測誤差を幅方向中央部と幅方向端部とに分けて考え、幅方向中央部における予測誤差と、幅方向端部における予測誤差とが同じ値となるようにすることで、板クラウン学習の影響、つまりロールギャップが変化するという影響が除去されることとなり、ロールプロフィール修正前後でロールギャップが変化しないロールプロフィール修正量を算出することが可能となる。
それ故、正確にロールプロファイルを修正することができるようになり、修正したロールプロファイルをもとに、板厚と板クラウンとが高精度に制御可能となる。すなわち、本実施形態の圧延制御方法は、従来技術に比べて、大幅に板厚精度を向上させることができる。
なお、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。
例えば、本実施形態では、圧延機2,3として、厚鋼板Zのリバース圧延機を例示したが、薄鋼板の圧延機でもよく、タンデム型であってもよい。圧延形態は熱間又は冷間のどちらであってもよい。
また、本実施形態において、シグモイド関数を例に挙げて説明したが、2次関数、ロジスティック関数などを用いて圧延機の圧延制御を行ってもよい。
特に、今回開示された実施形態において、明示的に開示されていない事項、例えば、運転条件や操業条件、各種パラメータ、構成物の寸法、重量、体積などは、当業者が通常実施する範囲を逸脱するものではなく、通常の当業者であれば、容易に想定することが可能な値を採用している。
1 圧延装置
2 粗圧延機
3 仕上圧延機
4 ワークロール(圧延ロール)
5 バックアップロール
6 圧延荷重計
7 板厚計
8 予測モデル
9 制御手段
10 圧下装置
13 加熱炉
X 圧延材
Z 厚鋼板

Claims (1)

  1. 圧延機に備えられた圧延ロールのロールプロフィール予測誤差を算出し、前記算出したロールプロフィール予測誤差を用いてロールプロフィールの修正を行い、修正されたロールプロフィールを有する圧延ロールを用いて圧延材の圧延を行う圧延制御方法において、
    前記ロールプロフィールの修正を行う際には、
    ロールプロフィール修正後における前記圧延材の幅方向端部のロールギャップが、ロールプロフィール修正前における前記圧延材の幅方向端部のロールギャップと同じとなるように、前記ロールプロフィールの修正量を算出する
    ことを特徴とする圧延機における圧延制御方法。
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