JP2016182560A - 焼却灰処理装置、廃棄物焼却装置、焼却灰処理方法及び廃棄物焼却方法 - Google Patents

焼却灰処理装置、廃棄物焼却装置、焼却灰処理方法及び廃棄物焼却方法 Download PDF

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Abstract

【課題】装置を大型化することなく廃棄物焼却灰のpHを低下させ、かつ重金属類の溶出を抑制できる、焼却灰処理装置、廃棄物焼却装置、焼却灰処理方法及び廃棄物焼却方法を提供する。
【解決手段】焼却灰処理装置は、廃棄物焼却炉1から排出された焼却灰を受けて該焼却灰を所定の粒径より大きい大径焼却灰と上記所定の粒径以下の小径焼却灰とに分級する分級装置8と、上記小径焼却灰を受けて該小径焼却灰を水と混合するとともに、上記廃棄物焼却炉1から排出された排ガスを受けて該排ガスを上記小径焼却灰に接触反応させる反応装置10とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、廃棄物焼却炉から排出される焼却灰中の有害物を無害化処理する焼却灰処理装置及び焼却灰処理方法、上記焼却灰処理装置を備える廃棄物焼却装置、そして上記焼却灰処理方法を用いる廃棄物焼却方法に関する。
都市ごみや産業廃棄物などの廃棄物を焼却した際に発生する焼却残渣は、その殆どが埋め立て処分されている。しかし、近年、埋め立て処分場の確保が困難になり、埋め立て量を減少させることが要望されている。このため、廃棄物焼却炉から排出される焼却残渣(以下、「焼却灰」という)を資源として有効利用し、埋立て処分量を減少させる試みがなされている。
しかし、焼却灰には、有害物質、特に重金属類が含まれている。したがって、焼却灰からの重金属類の溶出量が基準値以上の場合は、そのままでの資源としての利用が困難である。このような状況に対処するためには、上述のような性状の焼却灰を資源として利用するために、焼却灰から重金属類を除去する処理を行うか、または重金属類を安定化させて焼却灰からの溶出量を基準値以下とする処理を行わなければならない。なお、焼却灰に含まれている重金属類のうち、特に鉛の含有量が多いため、処理の対象になっている重金属類は主として鉛である。
焼却灰中の重金属類としての鉛の難溶性化に関しては、次のようなことが知られている。
焼却灰に含まれる鉛は、二酸化炭素と反応させて炭酸化物とせしめることにより、水に対する溶解度が低下する性質を有する。具体的には、酸化鉛PbOから炭酸鉛PbCOに変化することにより、水に対する溶解度は酸化鉛で107mg/lであるところ、炭酸鉛では2.5mg/lとなり、難溶性になる。
また、焼却灰は塩基性であって溶出液のpHが高い。焼却灰のpHに関しては、焼却灰に含まれる酸化カルシウムCaOあるいは水酸化カルシウムCa(OH)2を二酸化炭素と反応させて炭酸カルシウムCaCOとせしめることにより、焼却灰のpHを鉛が難溶性を示す難溶性領域とすることも行われる。焼却灰中の重金属類のうち、特に含有量が多い鉛は両性金属であり、強い塩基性を示す焼却灰に対してpHを低下させる処理を施し、難溶性領域とすることで、鉛の溶出量を減少させることができる。
このように、鉛などの重金属類の炭酸化反応により炭酸鉛などを生成させ難溶性にすることと共に、焼却灰のpHを低下させ難溶性領域にすることも同時に行うことにより、重金属類を難溶化し、焼却灰からの重金属類の溶出を抑制でき、焼却灰を土木資材として利用する際の基準値となる土壌環境基準である重金属類溶出基準を満足させることができる。
現状における焼却灰の鉛の溶出量に対する基準値は、資源として有効利用する場合、鉛の溶出量が0.01mg/lである。このため、焼却灰を利用する場合には、焼却灰をこれらの基準値以下の性状にするための処理をしなければならない。
このような焼却灰に含まれる重金属類の難溶性化処理が知られている状況のもとで、焼却灰の無害化処理方法として、特許文献1に開示されている方法が知られている。特許文献1の図2に開示されている焼却灰の重金属類の無害化処理方法では、廃棄物焼却炉から排出された焼却灰を炭酸塩化容器に全量貯留し、水酸化カルシウム等の水溶液に焼却炉排ガスを吹き込んで反応生成した炭酸水素塩溶液を上記炭酸塩化容器に供給して、焼却灰に含まれる重金属類を炭酸塩化し難溶性化する。
特開2000−157953
しかしながら、特許文献1に開示された方法にあっては、焼却灰の全量を炭酸水素塩溶液と反応させ炭酸塩化処理しているので、炭酸塩化容器として大型のものが必要となり、処理装置が大規模となり設備コストや運転コストが嵩むという問題がある。また、焼却灰の全量を処理するので処理時間がかかり、処理効率が低いという問題がある。
本発明は、かかる事情に鑑み、装置を大型化することなく廃棄物焼却灰のpHを低下させ、かつ重金属類の溶出を抑制できる、焼却灰処理装置、廃棄物焼却装置、焼却灰処理方法及び廃棄物焼却方法を提供することを課題とする。
本発明によれば、上述の課題は、次の第一発明ないし第三発明に係る焼却灰処理装置、第四発明に係る廃棄物焼却装置、第五発明ないし第七発明に係る焼却灰処理方法及び第八発明に係る廃棄物焼却方法により解決される。
<第一発明>
第一発明に係る焼却灰処理装置は、廃棄物焼却炉から排出された焼却灰を受けて該焼却灰を所定の粒径より大きい大径焼却灰と上記所定の粒径以下の小径焼却灰とに分級する分級装置と、上記小径焼却灰を受けて該小径焼却灰を水と混合するとともに、上記廃棄物焼却炉から排出された排ガスを受けて該排ガスを上記小径焼却灰に接触反応させる反応装置とを備えることを特徴としている。
本発明では、分級装置によって、廃棄物焼却炉から排出された焼却灰を所定の粒径より大きい大径焼却灰と上記所定の粒径以下の小径焼却灰とに分級し、該小径焼却灰のみに廃棄物焼却炉からの排ガスを接触させている。この結果、排ガス中の二酸化炭素と小径焼却灰に含まれる重金属類とが反応して該重金属類が炭酸化物化して難溶性化するので、焼却灰からの重金属類の溶出が抑制される。また、排ガス中の二酸化炭素と小径焼却灰に含まれる塩基性成分の酸化カルシウムと水酸化カルシウムとが反応して、炭酸カルシウムを生成するので、小径焼却灰のpHが低下して、重金属類が難溶性を示す難溶性領域となり、小径焼却灰からの重金属類の溶出がさらに抑制される。以下、このような、焼却灰に排ガス中の二酸化炭素を接触反応させて該焼却灰からの重金属類の溶出を抑制する無害化処理を「溶出抑制処理」ともいう。
粒径の小さい焼却灰は、粒径が大きい焼却灰と比べて、重金属類濃度そして塩基性成分濃度が高い傾向にある。本発明では、廃棄物焼却炉から排出される焼却灰の全量ではなく、重金属類濃度そして塩基性成分濃度が高い小径焼却灰のみに溶出抑制処理が施される。この結果、本発明では、焼却灰全量に対して溶出抑制処理が施される場合と比べて、処理される焼却灰の量が少なくなるので、その分、溶出抑制処理のための装置が小規模となり、また、装置の運転コストが低減する。
第一発明において、焼却灰処理装置は、反応装置へ供給される排ガスを冷却する排ガス冷却装置を備えていてもよい。一般に、重金属類と二酸化炭素との反応は、低温下で行われると反応効率が高くなることが知られている。したがって、排ガスを排ガス冷却装置で冷却してから反応装置へ供給することにより、該反応装置での小径焼却灰中の重金属類と排ガス中の二酸化炭素との反応効率を向上させて、重金属類の難溶性化を促進することができる。
<第二発明>
第二発明に係る焼却灰処理装置は、廃棄物焼却炉から排出された焼却灰を受けて該焼却灰を水中に貯留して該焼却灰を冷却する焼却灰冷却装置と、該焼却灰冷却装置から排出された焼却灰を受けて該焼却灰を所定の粒径より大きい大径焼却灰と上記所定の粒径以下の小径焼却灰とに分級する分級装置と、上記小径焼却灰を受けて該小径焼却灰を水と混合するとともに、上記廃棄物焼却炉から排出された排ガスを受けて該排ガスを上記小径焼却灰に接触反応させる反応装置とを備えることを特徴としている。
第二発明においても、既述の第一発明と同様に、廃棄物焼却炉から排出された焼却灰のうち小径焼却灰のみに溶出抑制処理を施すことにより、溶出抑制処理のための装置の小規模化そして該装置の運転コストの低減が図られる。
また、第二発明では、廃棄物焼却炉から排出された焼却灰は焼却灰冷却装置で冷却されてから分級装置で分級され、小径焼却灰のみが反応装置で溶出抑制処理される。このように、焼却灰冷却装置で焼却灰を冷却することにより、該反応装置での小径焼却灰中の酸化カルシウムと排ガス中の二酸化炭素との反応効率が向上し、溶出抑制処理が促進される。また、焼却灰は焼却灰冷却装置で冷却されてから分級装置に供給されるので、分級装置に高温対策のための構成を設ける必要がなく、分級装置の構成を簡便なものとすることができる。
第一発明及び第二発明において、反応装置は、焼却灰と水とを貯留する反応槽と、該反応槽に貯留された焼却灰と水とを撹拌する撹拌手段とを有しており、上記反応槽は、小径焼却灰を受ける焼却灰受給口と、水を受ける受水口と、排ガスを受ける排ガス受給口と、排ガスに接触した焼却灰を排出する処理灰排出口と、反応後の処理水を排出する排水口とを有していてもよい。
<第三発明>
第三発明に係る焼却灰処理装置は、廃棄物焼却炉から排出された焼却灰を受けて該焼却灰を所定の粒径より大きい大径焼却灰と上記所定の粒径以下の小径焼却灰とに分級する分級装置と、廃棄物焼却炉から排出された排ガスを受けて該排ガス中の二酸化炭素を水に溶解させて二酸化炭素含有水を生成する二酸化炭素含有水生成装置と、上記小径焼却灰及び上記二酸化炭素含有水生成装置からの二酸化炭素含有水を受けて該二酸化炭素含有水を上記小径焼却灰に接触反応させる反応装置とを備えることを特徴としている。
第三発明においても、既述の第一発明及び第二発明と同様に、廃棄物焼却炉から排出された焼却灰のうち小径焼却灰のみに溶出抑制処理を施すことにより、溶出抑制処理のための装置の小規模化そして該装置の運転コストの低減が図られる。
第三発明では、二酸化炭素含有水生成装置で排ガス中の二酸化炭素を水に溶解させて二酸化炭素含有水を生成し、その二酸化炭素含有水を反応装置で小径焼却灰に接触反応させる。このように、反応装置での接触反応に先立って二酸化炭素含有水生成装置で排ガス中の二酸化炭素を予め水に溶解させて二酸化炭素含有水を生成しておくことにより、反応装置での接触反応の効率が向上し溶出抑制処理が促進される。
第三発明において、反応装置は、焼却灰と二酸化炭素含有水とを貯留する反応槽と、該反応槽に貯留された焼却灰と二酸化炭素含有水とを撹拌する撹拌手段とを有しており、上記反応槽は、小径焼却灰を受ける焼却灰受給口と、二酸化炭素含有水を受ける受水口と、二酸化炭素含有水に接触した焼却灰を排出する処理灰排出口と、反応後の処理水を排出する排水口とを有していてもよい。
第一発明ないし第三発明において、焼却灰処理装置は、反応装置での水あるいは二酸化炭素含有水のpHを計測するpH計と、該pH計によって計測されたpH計測値に応じて反応装置への排ガスあるいは二酸化炭素含有水の供給量を調整する制御装置とをさらに有しており、該制御装置は、上記pH計測値が所定範囲内に収まるまで排ガスあるいは二酸化炭素含有水を反応装置へ供給する制御を行うようになっていてもよい。
焼却灰を資源として利用するために要求される土壌環境基準値である所定の重金属類溶出基準値を満足するには、該焼却灰の溶出液のpHが十分に低くなっていなければならない。発明者は、反応装置で溶出抑制処理された焼却灰について環境省告示46号に基づく重金属類の溶出試験を行い、反応装置での水あるいは二酸化炭素含有水のpHと、反応装置から排出された焼却灰(処理灰)の溶出液のpHとの間に相関関係があることを見出した。つまり、反応装置での水あるいは二酸化炭素含有水のpHを計測することにより、上記相関関係に基づいて上記処理灰の溶出液のpHを導出することができる。したがって、上述のように制御装置が反応装置への排ガスあるいは二酸化炭素含有水の供給量をpH計測値に応じて調整して、pH計測値を所定範囲内に収めることにより、上記処理灰の溶出液のpHを、重金属類溶出基準値が満たされる程度まで小さくすることができる。
<第四発明>
第四発明に係る廃棄物焼却装置は、第一発明ないし第三発明のいずれか一つの焼却灰処理装置と、廃棄物焼却炉と、該廃棄物焼却炉から排出された排ガスとの熱交換により熱回収を行うための熱回収系統と、上記排ガスの無害化処理を行う排ガス処理系統とを備えることを特徴としている。
<第五発明>
第五発明に係る焼却灰処理方法は、廃棄物焼却炉から排出された焼却灰を所定の粒径より大きい大径焼却灰と上記所定の粒径以下の小径焼却灰とに分級する分級工程と、上記小径焼却灰を水と混合するとともに、上記廃棄物焼却炉から排出された排ガスを受けて該排ガスを上記小径焼却灰に接触反応させる反応工程とを備えることを特徴としている。
<第六発明>
第六発明に係る焼却灰処理方法は、廃棄物焼却炉から排出された焼却灰を水中に貯留して該焼却灰を冷却する焼却灰冷却工程と、該焼却灰冷却工程で冷却された焼却灰を所定の粒径より大きい大径焼却灰と上記所定の粒径以下の小径焼却灰とに分級する分級工程と、上記小径焼却灰を水と混合するとともに、上記廃棄物焼却炉から排出された排ガスを上記小径焼却灰に接触反応させる反応工程とを備えることを特徴としている。
<第七発明>
第七発明に係る焼却灰処理方法は、廃棄物焼却炉から排出された焼却灰を所定の粒径より大きい大径焼却灰と上記所定の粒径以下の小径焼却灰とに分級する分級工程と、廃棄物焼却炉から排出された排ガスを受けて、該排ガス中の二酸化炭素を水に溶解させて二酸化炭素含有水を生成する二酸化炭素含有水生成工程と、上記二酸化炭素含有水生成工程で生成された二酸化炭素含有水を上記小径焼却灰に接触反応させる反応工程とを備えることを特徴としている。
<第八発明>
第八発明に係る廃棄物焼却方法は、廃棄物焼却炉で廃棄物を焼却する廃棄物焼却工程と、第五発明ないし第七発明のいずれか一つの焼却灰処理方法の各工程と、上記廃棄物焼却炉から排出された排ガスとの熱交換により熱回収を行うための熱回収工程と、上記排ガスの無害化処理を行う排ガス処理工程とを備えることを特徴としている。
本発明では、廃棄物焼却炉から排出される焼却灰の全量ではなく、重金属類濃度そして塩基性成分濃度が高い小径焼却灰のみに溶出抑制処理を施すことにより、該小径焼却灰のpHを低下させるとともに該小径焼却灰中の重金属類の溶出を抑制するので、焼却灰全量に溶出抑制処理が施される場合と比べて、処理される焼却灰の量が少なくなり、その分、溶出抑制処理のための装置を小規模にでき、また、装置の運転コストを低減できる。
本発明の第一実施形態に係る廃棄物焼却装置の概要構成図である。 図1の廃棄物焼却装置に設けられた反応装置の概要構成図である。 処理灰について重金属類の溶出試験を行った際における反応装置での反応槽内液のpHと処理灰からの溶出液pHとの関係を示したグラフである。 本発明の第二実施形態に係る廃棄物焼却装置の概要構成図である。 本発明の第三実施形態に係る廃棄物焼却装置の概要構成図である。 本発明の第四実施形態に係る廃棄物焼却装置の概要構成図である。 図6の廃棄物焼却装置に設けられた反応装置及び二酸化炭素含有水生成装置の概要構成図である。
以下、添付図面にもとづき、本発明の実施の形態を説明する。
<第一実施形態>
図1は、本実施形態に係る廃棄物焼却装置の概要構成図である。本実施形態に係る廃棄物焼却装置は、廃棄物を焼却する廃棄物焼却炉1(以下、単に「焼却炉1」という)と、焼却炉1から排出された排ガスとの熱交換により熱回収を行うための熱回収系統としてのボイラ2と、該ボイラ2で熱回収された排ガスを除塵して無害化処理を行う排ガス処理系統としてのバグフィルタ3と、バグフィルタ3で無害化処理された排ガスを大気中へ放出するための煙突4と、焼却炉1から排出された焼却灰中の有害物を無害化処理する焼却灰処理装置5とを備えている。
焼却灰処理装置5は、焼却炉1から排出された焼却灰中に混在する金属等(例えば鉄類など)を除去するための磁選機6と、金属等を除去された焼却灰から粗大物を除去する粗大物除去機7と、粗大物を除去された焼却灰を粒径に応じて大径焼却灰と小径焼却灰とに分級する分級機(分級装置)8と、小径焼却灰を破砕して細粒径焼却灰とする破砕機9と、細粒径焼却灰に溶出抑制処理を施す反応装置10と、該反応装置10における水(以下、「反応槽内液」という)のpHを計測するpH計11と、該pH計11によって計測されたpH計測値に応じて反応装置10への排ガスの供給量を調整する制御装置(図示せず)と、分級機8からの大径焼却灰及び反応装置10で溶出抑制処理された細粒径焼却灰を混合する混合機12と、該混合機12で混合された焼却灰を受ける灰ピット13とを有している。
粗大物除去機7は、例えばグリズリ(格子)を有しており、焼却灰に含まれているクリンカ(焼却灰の溶着物)や焼却灰の塊状物等の粗大物を除去するようになっている。このように焼却灰から粗大物を除去することにより、分級機8での目詰まりの発生を防止できる。
分級機8は、例えば篩を有しており、粗大物除去機7で粗大物が除去された焼却灰を、所定の粒径(例えば5〜50mm)より大きい大径焼却灰と上記所定の粒径以下の小径焼却灰とに分級するようになっている。
破砕機9は、分級機8で分級された小径焼却灰を破砕して細粒径(例えば1〜5mm以下)の細粒径焼却灰とする。このように小径焼却灰を細粒径焼却灰とすることにより全体の表面積が大きくなるので、反応装置10で細粒径焼却灰に排ガス中の二酸化炭素を接触反応させて溶出抑制処理を行う際に、焼却灰と二酸化炭素との接触効率を向上させることができる。また、破砕機9を設けることは必須ではなく、例えば分級機8で分級された小径焼却灰の粒径が十分に小さい場合には、該小径焼却灰を反応装置へそのまま供給することとしてもよい。
反応装置10は、破砕機9から細粒径焼却灰を受けて該細粒径焼却灰を水と混合するとともに、バグフィルタ3で除塵された後の排ガスの一部を受けて該排ガス中の二酸化炭素を上記細粒径焼却灰に接触反応させることにより溶出抑制処理を行う。具体的には、反応装置10の後述の反応槽14へ供給された排ガス中の二酸化炭素が水に溶解し、この溶解した二酸化炭素と気泡状の二酸化炭素と、細粒径焼却灰に含まれる重金属類とが接触反応する。この結果、該重金属類が炭酸化物化して難溶性化するので、焼却灰からの重金属類の溶出が抑制される。また、上記溶解した二酸化炭素と気泡状の二酸化炭素と、細粒径焼却灰に含まれる塩基性成分の酸化カルシウムと水酸化カルシウムとが接触反応して、炭酸カルシウムを生成して、細粒径焼却灰のpHが低下することにより、重金属類が難溶性を示す難溶性領域となり、焼却灰からの重金属類の溶出がさらに抑制される。
図2は、図1の廃棄物焼却装置に設けられた反応装置10の概要構成図である。図2に見られるように、反応装置10は、細粒径焼却灰と水とを貯留する反応槽14と、該反応槽14に貯留された細粒径焼却灰と水とを撹拌する撹拌手段15とを有している。
反応槽14は、細粒径焼却灰を受けるための焼却灰受給口14A及び水を受けるための受水口14Bが反応槽14の上部に設けられ、排ガスを受けるための排ガス受給口14Cが反応槽14の下部に設けられている。また、反応槽14は、溶出抑制処理後の上澄水を排出するための排水口14Dが反応槽14の上部に設けられ、溶出抑制処理後の細粒径焼却灰(以下、「処理灰」という)を排出するための処理灰排出口14Eが反応槽14の下部に設けられている。
撹拌手段15は、反応槽14の上部から垂下し軸線まわりに回転自在な回転軸部材15Aと、該回転軸部材15Aとともに上記軸線まわりに回転する撹拌翼15Bとを有している。該撹拌手段15の運転により、細粒径焼却灰と水との混合、排ガス中の二酸化炭素の水への溶解、そして溶解した二酸化炭素と細粒径焼却灰との接触反応が促進される。本実施形態では、撹拌手段15は、細粒径焼却灰の溶出抑制処理時に所定時間にわたって運転され、該所定時間後は停止するようになっている。撹拌手段15が停止した後は、溶出抑制処理された細粒径焼却灰(処理灰)が反応槽14の下部に沈降する。
本実施形態では、細粒径焼却灰の溶出抑制処理後、溶出抑制処理に利用された処理水、すなわち反応槽14内の上澄水が排水口14Dから排水される。図1に見られるように、排水された上澄水は焼却炉1へ供給され、該焼却炉1内に噴霧される。このように上澄水を焼却炉1に供給することにより、該上澄水内に残留している細粒径焼却灰が焼却炉1内に戻されることとなる。該細粒径焼却灰は、焼却炉1から排出された後、焼却灰処理装置5で再度処理される。また、細粒径焼却灰の溶出抑制処理後、反応槽14の下部に沈降した処理灰は処理灰排出口14Eから排出されて、混合機12へ供給される。なお、上記上澄水を焼却炉1内に戻すことは必須ではない。
また、本実施形態では、反応装置10の反応槽14内の水(以下、「反応槽内液」という)のpHがpH計によって計測されており、そのpH計測値に応じて反応装置10への排ガスの供給量が制御装置によって調整されるようになっている。排ガスの供給量の調整については図3に基いて後述する。
混合機12は、分級機8からの大径焼却灰と反応装置10からの処理灰とを混合する。混合された大径焼却灰及び処理灰(以下、「混合焼却灰」という)は灰ピット13へ送られる。そして、灰ピット13に貯留された混合焼却灰は埋立処分場へ搬送されて埋立処分されるか、資源として有効利用される。
上記処理灰は、反応装置10の反応槽14で水と混合されたことにより水分を含んでいて含水率が高くなっているので、該処理灰が凝集したり機器や配管に付着したりしやすくなっており、搬送の際のハンドリング性が低い。一方、上記大径焼却灰は高温であり含水率が低くなっている。本実施形態では、含水率の高い処理灰と含水率の低い大径焼却灰とが混合機12で混合されて混合焼却灰の含水率が調整されることにより、該混合焼却灰のハンドリング性が適正となっている。
次に、制御装置による排ガスの供給量の調整について説明する。発明者は、反応装置10の運転条件を変えて溶出抑制処理を行い、各運転条件で溶出抑制処理された焼却灰(処理灰)について、それぞれ環境省告示46号に基づく重金属類の溶出試験を行った。図3は、反応槽内液のpHと処理灰からの溶出液のpHとの関係を示したグラフである。発明者は、図3に示されるように反応槽内液のpHと溶出液のpHとの間に相関関係があり、反応槽内液のpHを計測してモニタリングすることにより、溶出抑制処理の進行状況ひいては処理灰の溶出液のpHを把握できることを見出した。例えば、溶出液のpHが12.0以下となれば重金属類の溶出が抑制され重金属類溶出基準が満たされるので、図3のグラフを参照すれば、反応槽内液がpH11.5以下となったときに溶出抑制処理が完了したとみなすことができる。
本実施形態では、図1に見られるように、反応装置10の反応槽内液のpHがpH計11によって計測されている。制御装置は、該pH計11によって計測されたpH計測値が所定範囲内に収まるまで排ガスを反応装置10へ供給し、pH計測値が所定範囲内に収まった後は該排ガスの供給を停止するような制御を行うことにより、排ガスの供給量を調整する。この排ガスの供給量の調整は、例えば、反応装置10へ排ガスを供給する配管に設けられたバルブ(図示せず)の開閉状態を制御することにより行われる。
次に、本実施形態に係る廃棄物焼却装置の動作を図1に基づいて説明する。焼却炉1で廃棄物が焼却されて発生した排ガスは、ボイラ2で熱回収された後、バグフィルタ3で除塵されて、煙突4から大気中に放出される。また、バグフィルタ3で除塵された排ガスの一部は反応装置10へ送られて溶出抑制処理に利用される。
一方、焼却炉1で生じた焼却灰は、磁選機6で金属等が除去され、さらに粗大物除去機7で粗大物が除去されてから、分級機8で大径焼却灰と小径焼却灰とに分級される。大径焼却灰は溶出抑制処理されることなく混合機12へ送られる。小径焼却灰は破砕機9で破砕されて細粒径焼却灰とされた後、該細粒径焼却灰が反応装置10へ送られて既述の溶出抑制処理を施される。この溶出抑制処理に際して、反応装置10へ供給される排ガスの量は、pH計11で計測された反応槽内液のpHに応じて制御装置により調整される。溶出抑制処理された細粒径焼却灰(処理灰)は混合機12へ送られて大径焼却灰と混合され、これによって、既述したように混合焼却灰が適正な含水率に調整される。混合焼却灰は灰ピット13で貯留された後、埋立処分場へ搬送されて埋立処分されるか、資源として有効利用される。
本実施形態では、従来のように焼却灰全量を溶出抑制処理するのではなく、まず焼却灰を大径焼却灰と小径焼却灰とに分級してから、重金属類濃度そして塩基性成分濃度が高い小径焼却灰のみを溶出抑制処理する。したがって、本実施形態によれば、溶出抑制処理される焼却灰の量が従来と比べて少なくなるので、その分、溶出抑制処理のための装置が小規模となり、また、装置の運転コストが低減することができる。
<第二実施形態>
第一実施形態では、排ガスが冷却されることなく反応装置10へ供給されることとしたが、第二実施形態では、排ガスが冷却されてから反応装置10へ供給されており、この点で第一実施形態と異なっている。以下、図4に基づいて第二実施形態を説明する。第二実施形態では、第一実施形態と異なる部分を中心に説明し、第一実施形態と同じ部分には同一の符号を付して説明を省略する。
図4は、本発明の第二実施形態に係る廃棄物焼却装置の概要構成図である。第二実施形態に係る廃棄物焼却装置は、反応装置10へ送られる排ガスを冷却するための排ガス冷却装置16が設けられている点で第一実施形態と異なっている。
排ガス冷却装置16は、例えば排ガスを冷却するための冷却水を貯留した冷却槽によって構成されている。バグフィルタ3で除塵された排ガスの一部が排ガス冷却装置16へ送られると、該排ガスが冷却槽内で冷却水によって冷却されてから、冷却排ガスとして反応装置10へ供給されて、細粒径焼却灰の溶出抑制処理に利用される。
一般に、酸化カルシウムと二酸化炭素との反応は、温度が低いほど反応効率が高くなることが知られている。したがって、本実施形態のように排ガスを排ガス冷却装置16で冷却してから反応装置10へ供給することにより、該反応装置10での細粒径焼却灰中の酸化カルシウムと排ガス中の二酸化炭素との反応効率を向上させて、炭酸カルシウムを生成し焼却灰のpHを低下させ難溶性領域にして重金属類の溶出抑制を促進することができる。
<第三実施形態>
第一実施形態では、焼却灰が冷却されることなく反応装置10へ供給されることとしたが、第三実施形態では、焼却灰が冷却されてから反応装置10へ供給されており、この点で第一実施形態と異なっている。以下、図5に基づいて第三実施形態を説明する。第三実施形態では、第一実施形態と異なる部分を中心に説明し、第一実施形態と同じ部分には同一の符号を付して説明を省略する。
図5は、本発明の第三実施形態に係る廃棄物焼却装置の概要構成図である。第三実施形態に係る廃棄物焼却装置は、焼却炉1から排出された焼却灰を冷却するための焼却灰冷却装置17が設けられている点で第一実施形態と異なっている。
焼却灰冷却装置17は、図5に見られるように、排ガスを冷却するための冷却水を貯留する貯水部17Aと、該貯水部17Aの上部から上方へ直状に突出する突出筒部17Bと、該突出筒部17Bの左方位置で貯水部17Aの上部から左上方へ延びる斜筒部17Cと、該斜筒部17Cの上部に連結されて逆L字状に延びる屈曲筒部17Dとを有している。
突出筒部17Bの上端には、焼却炉1から排出された焼却灰を受ける焼却灰受給口が形成されている。斜筒部17Cには、貯水部17Aで冷却された焼却灰(冷却焼却灰)を該斜筒部17C内で上昇移動させるコンベアや押上げ部材等の移動手段(図示せず)が設けられている。また、屈曲筒部17Dの下端には、斜筒部17C内を上昇移動した冷却焼却灰を磁選機6へ向けて落下排出するための焼却灰排出口が形成されている。
本実施形態では、焼却炉1から排出された焼却灰は突出筒部17Bを経て貯水部17A内の冷却水中に貯留され、該冷却水によって冷却される。冷却された焼却灰(冷却焼却灰)は上述の移動手段によって斜筒部17C内を上昇移動した後、屈曲筒部17Dを経て磁選機6へ向けて落下排出される。したがって、本実施形態では、冷却された細粒径焼却灰が反応装置10へ供給され、溶出抑制処理されるようになっている。
このように本実施形態では、焼却灰冷却装置17で焼却灰を反応装置10へ供給する前に予め冷却しておくことにより、該反応装置10での細粒径焼却灰中の重金属類と排ガス中の二酸化炭素との反応効率を向上させ、溶出抑制処理を促進させることができる。また、焼却灰は焼却灰冷却装置17で冷却されてから分級機8に供給されるので、分級機8に高温対策のための構成を設ける必要がなく、分級機8の構成を簡便なものとすることができる。
<第四実施形態>
第一実施形態では、排ガスが反応装置10へ供給されることとしたが、第四実施形態では、二酸化炭素含有水が反応装置10へ供給されており、この点で第一実施形態と異なっている。以下、図6及び図7に基づいて第二実施形態を説明する。第四実施形態では、第一実施形態と異なる部分を中心に説明し、第一実施形態と同じ部分には同一の符号を付して説明を省略する。
図6は、本発明の第四実施形態に係る廃棄物焼却装置の概要構成図である。第四実施形態に係る廃棄物焼却装置は、排ガス中の二酸化炭素を水に溶解させて二酸化炭素含有水を生成する二酸化炭素含有水生成装置18が設けられている点で第一実施形態と異なっている。
図7は、図6の廃棄物焼却装置に設けられた反応装置10及び二酸化炭素含有水生成装置18の概要構成図である。二酸化炭素含有水生成装置18は、例えば排ガス中の二酸化炭素を溶解するための水を貯留した貯水槽によって構成されている。この図7に見られるように、上記貯水槽には、排ガスを受けるための排ガス受給口18Aと、二酸化炭素含有水を反応装置10へ排出するための第一排水口18Bと、反応装置10からの後述の上澄水(二酸化炭素含有水)を受けるための受水口18Cと、二酸化炭素含有水を焼却炉1へ排出するための第二排水口18Dとが設けられている。また、図7に見られるように、反応装置10の反応槽14の下部には、第一実施形態における排ガス受給口14C(図2参照)に代えて、二酸化炭素含有水生成装置18からの二酸化炭素含有水を受けるための受水口14C’が設けられている。また、本実施形態では、反応槽14は、第一実施形態における受水口14B(図2参照)が設けられていない。
本実施形態では、バグフィルタ3で除塵された排ガスの一部が二酸化炭素含有水生成装置18の排ガス受給口18Aから上記貯水槽内へ送られると、該排ガスが水に溶解することにより、上記貯水槽内で二酸化炭素含有水が生成される。該二酸化炭素含有水は、第一排水口18Bから排水されて反応装置10へ供給されて、細粒径焼却灰の溶出抑制処理に利用される。また、反応装置10への二酸化炭素含有水の供給量は、制御装置(図示せず)が反応装置10の反応槽内液のpH計測値に応じて制御することにより調製される。上記制御装置による制御は、第一実施形態における排ガス供給量の制御と同様の要領で行われる。
このように、反応装置10での溶出抑制処理に先立って二酸化炭素含有水生成装置18で排ガス中の二酸化炭素を予め水に溶解させて二酸化炭素含有水を生成しておくことにより、反応装置10へ排ガスをそのまま供給する場合と比べて、細粒径焼却灰と二酸化炭素との接触反応の効率を向上させることができ、溶出抑制処理を促進できる。また、二酸化炭素含有水生成装置18にて排ガスは貯留槽内で水によって冷却されるので、排ガス中の二酸化炭素は水に溶解した低温状態で反応装置10へ供給される。したがって、該反応装置10での重金属類と二酸化炭素との反応効率を向上させて、重金属類の難溶性化を促進することができる。
反応装置10での細粒径焼却灰の溶出抑制処理後、溶出抑制処理に利用された処理水、すなわち反応槽14内の上澄水が排水口14Dから排水され、二酸化炭素含有水生成装置18へ送られる。該上澄液は、二酸化炭素含有水であり、二酸化炭素含有水生成装置18の受水口18Cから上記貯水槽へ供給され、該貯水槽内で生成されている二酸化炭素含有水に混合される。つまり、二酸化炭素含有水生成装置18と反応装置10との間では二酸化炭素含有水が循環しており、循環するにつれて二酸化炭素含有水の濃度が高くなる。したがって、溶出抑制処理のために反応装置10に供給される二酸化炭素含有水の濃度が高まっていくので、細粒径焼却灰に多量の二酸化炭素を接触反応させて、溶出抑制処理を促進することができる。なお、溶出抑制処理のために必要な濃度の二酸化炭素含有水が反応装置10へ供給されるのであれば、上記上澄液を反応装置10から二酸化炭素含有水生成装置18へ送ることは必須ではない。
また、二酸化炭素含有水生成装置18で生成された二酸化炭素含有水の一部は第二排水口18Dから焼却炉1へ送られ、該焼却炉1内に噴霧される。反応装置10から受ける上澄水には細粒径焼却灰が残留しているので、上述のように二酸化炭素含有水を焼却炉1に供給することにより、上記細粒径焼却灰を焼却炉1内に戻して再処理することができる。なお、このように二酸化炭素含有水を焼却炉1内に戻すことは必須ではない。
図1に示す焼却灰処理装置と図2に示す反応装置を用いて、焼却灰を処理した。実施例として、廃棄物焼却炉から排出された焼却灰のうち粒径100mm以上の大塊物を取り除いたものを、分級機により粒径が5mmより大きい大径焼却灰と粒径が5mm以下の小径焼却灰とに分級し、小径焼却灰を反応装置の反応槽に投入し、排ガスを吹き込み、槽内を攪拌して溶出抑制処理を20分間施した。処理後の小径焼却灰を無処理の大径焼却灰に混ぜ戻し、混合後の焼却灰について環境省告示46号に基づき溶出試験を行ない、溶出液pHおよび溶出鉛濃度を測定した。また、比較例として焼却灰を分級せず全量を反応装置の反応槽に投入し、溶出抑制処理を施した。溶出試験結果を表1に示す。
Figure 2016182560
表1に示すように、実施例では溶出液pHは10.9、溶出鉛濃度は0.01mg/l未満であり、焼却灰の埋め立てにおける鉛の溶出基準0.01mg/l以下となり、十分に溶出抑制処理された。実施例は、比較例として焼却灰を分級せず全量を溶出抑制処理した場合の結果と同等の結果となった。実施例のように、焼却灰を分級し小径焼却灰のみを溶出抑制処理し無処理の大径焼却灰に混ぜ戻すことにより、焼却灰を全量溶出抑制処理する場合と同等の溶出抑制処理を行うことができるため、反応装置により処理する焼却灰量を1/2以上低減でき、処理装置を小規模にでき、また処理費用を低減できる。
1 焼却炉(廃棄物焼却炉)
2 ボイラ(熱回収系統)
3 バグフィルタ(排ガス処理系統)
5 焼却灰処理装置
8 分級機(分級装置)
10 反応装置
11 pH計
14 反応槽
14A 焼却灰受給口
14B 受水口
14C 排ガス受給口
14C’ 受水口
14D 排水口
14E 処理灰排出口
15 撹拌手段
16 排ガス冷却装置
17 焼却灰冷却装置
18 二酸化炭素含有水生成装置

Claims (12)

  1. 廃棄物焼却炉から排出された焼却灰を受けて該焼却灰を所定の粒径より大きい大径焼却灰と上記所定の粒径以下の小径焼却灰とに分級する分級装置と、
    上記小径焼却灰を受けて該小径焼却灰を水と混合するとともに、上記廃棄物焼却炉から排出された排ガスを受けて該排ガスを上記小径焼却灰に接触反応させる反応装置とを備えることを特徴とする焼却灰処理装置。
  2. 反応装置へ供給される排ガスを冷却する排ガス冷却装置を備えることとする請求項1に記載の焼却灰処理装置。
  3. 廃棄物焼却炉から排出された焼却灰を受けて該焼却灰を水中に貯留して該焼却灰を冷却する焼却灰冷却装置と、
    該焼却灰冷却装置から排出された焼却灰を受けて該焼却灰を所定の粒径より大きい大径焼却灰と上記所定の粒径以下の小径焼却灰とに分級する分級装置と、
    上記小径焼却灰を受けて該小径焼却灰を水と混合するとともに、上記廃棄物焼却炉から排出された排ガスを受けて該排ガスを上記小径焼却灰に接触反応させる反応装置とを備えることを特徴とする焼却灰処理装置。
  4. 反応装置は、小径焼却灰と水とを貯留する反応槽と、該反応槽に貯留された小径焼却灰と水とを撹拌する撹拌手段とを有しており、
    上記反応槽は、小径焼却灰を受ける焼却灰受給口と、水を受ける受水口と、排ガスを受ける排ガス受給口と、排ガスに接触した小径焼却灰を排出する処理灰排出口と、反応後の処理水を排出する排水口とを有していることとする請求項1ないし請求項3のいずれか一つに記載の焼却灰処理装置。
  5. 廃棄物焼却炉から排出された焼却灰を受けて該焼却灰を所定の粒径より大きい大径焼却灰と上記所定の粒径以下の小径焼却灰とに分級する分級装置と、
    廃棄物焼却炉から排出された排ガスを受けて該排ガス中の二酸化炭素を水に溶解させて二酸化炭素含有水を生成する二酸化炭素含有水生成装置と、
    上記小径焼却灰及び上記二酸化炭素含有水生成装置からの二酸化炭素含有水を受けて該二酸化炭素含有水を上記小径焼却灰に接触反応させる反応装置とを備えることを特徴とする焼却灰処理装置。
  6. 反応装置は、小径焼却灰と二酸化炭素含有水とを貯留する反応槽と、該反応槽に貯留された小径焼却灰と二酸化炭素含有水とを撹拌する撹拌手段とを有しており、
    上記反応槽は、小径焼却灰を受ける焼却灰受給口と、二酸化炭素含有水を受ける受水口と、二酸化炭素含有水に接触した小径焼却灰を排出する処理灰排出口と、反応後の処理水を排出する排水口とを有していることとする請求項5に記載の焼却灰処理装置。
  7. 反応装置での水あるいは二酸化炭素含有水のpHを計測するpH計と、
    該pH計によって計測されたpH計測値に応じて反応装置への排ガスあるいは二酸化炭素含有水の供給量を調整する制御装置とをさらに有しており、
    該制御装置は、上記pH計測値が所定範囲内に収まるまで排ガスあるいは二酸化炭素含有水を反応装置へ供給する制御を行うこととする請求項1ないし請求項6のいずれか一つに記載の焼却灰処理装置。
  8. 請求項1ないし請求項7のいずれか一つに記載の焼却灰処理装置と、
    廃棄物焼却炉と、
    該廃棄物焼却炉から排出された排ガスとの熱交換により熱回収を行うための熱回収系統と、
    上記排ガスの無害化処理を行う排ガス処理系統とを備えることを特徴とする廃棄物焼却装置。
  9. 廃棄物焼却炉から排出された焼却灰を所定の粒径より大きい大径焼却灰と上記所定の粒径以下の小径焼却灰とに分級する分級工程と、
    上記小径焼却灰を水と混合するとともに、上記廃棄物焼却炉から排出された排ガスを受けて該排ガスを上記小径焼却灰に接触反応させる反応工程とを備えることを特徴とする焼却灰処理方法。
  10. 廃棄物焼却炉から排出された焼却灰を水中に貯留して該焼却灰を冷却する焼却灰冷却工程と、
    該焼却灰冷却工程で冷却された焼却灰を所定の粒径より大きい大径焼却灰と上記所定の粒径以下の小径焼却灰とに分級する分級工程と、
    上記小径焼却灰を水と混合するとともに、上記廃棄物焼却炉から排出された排ガスを上記小径焼却灰に接触反応させる反応工程とを備えることを特徴とする焼却灰処理方法。
  11. 廃棄物焼却炉から排出された焼却灰を所定の粒径より大きい大径焼却灰と上記所定の粒径以下の小径焼却灰とに分級する分級工程と、
    廃棄物焼却炉から排出された排ガスを受けて、該排ガス中の二酸化炭素を上記水に溶解させて二酸化炭素含有水を生成する二酸化炭素含有水生成工程と、
    上記二酸化炭素含有水生成工程で生成された二酸化炭素含有水を上記小径焼却灰に接触反応させる反応工程とを備えることを特徴とする焼却灰処理方法。
  12. 廃棄物焼却炉で廃棄物を焼却する廃棄物焼却工程と、
    請求項9ないし請求項11のいずれか一つに記載の焼却灰処理方法の各工程と、
    上記廃棄物焼却炉から排出された排ガスとの熱交換により熱回収を行うための熱回収工程と、
    上記排ガスの無害化処理を行う排ガス処理工程とを備えることを特徴とする廃棄物焼却方法。
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