JP2016182066A - β−ラクタマーゼの検出法 - Google Patents

β−ラクタマーゼの検出法 Download PDF

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知明 河合
Tomoaki Kawai
知明 河合
公平 川口
Kohei Kawaguchi
公平 川口
桃子 藤崎
Momoko Fujisaki
桃子 藤崎
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Abstract

【課題】短時間にβ−ラクタマーゼの基質特異性に基づくカルバペネマーゼ検出または酵素分類の判定が可能な方法及びそれに用いる試薬を提供することを課題とする。【解決手段】工程(a)及び(b)を含むことを特徴とする微生物のβ−ラクタマーゼ検出方法及び判定方法であって、工程(a)が、第一の薬剤;ペニシリン系、第二の薬剤;第一世代セフェム系、第三の薬剤;第三世代セフェム系及び/または第四世代セフェム系、第四の薬剤;モノバクタム系、第五の薬剤;セファマイシン系及び/またはオキサセフェム系、並びに第六の薬剤;カルバペネム系、からなる6系統から選択される少なくとも3系統のβ−ラクタム薬の各々を検出対象微生物に接触させ、各薬剤の分解の有無をアシドメトリー法により判別する工程であり、工程(b)が、工程(a)における各薬剤の分解有無の判別結果に基づいて検出対象微生物の酵素分類の判定を行う工程である、方法。【選択図】なし

Description

本発明は、β−ラクタマーゼ検出方法に関する。より詳細には、アシドメトリー法によりβ−ラクタマーゼの基質特異性に基づくカルバペネマーゼ検出または酵素分類判定を行う方法、及びそれに用いる試薬に関する。なお、本明細書では、細菌の学名及び遺伝子名を通常用いられるイタリック体ではなく普通の書体で表記する。
β−ラクタム系抗菌薬(以下、β−ラクタム薬という。)は、その分子構造母核中にβ−ラクタム環を持つ抗菌薬の総称でペニシリンの発見以来、多くのβ−ラクタム薬が開発されている。このβ−ラクタム薬の開発に伴い、その分子構造中のβ−ラクタム環を加水分解して、その抗菌作用を無効化する酵素(β−ラクタマーゼ)を産生する耐性菌(β−ラクタマーゼ産生菌)が出現し、院内感染対策上重要な問題となっている。
β−ラクタマーゼはAmblerらによって酵素タンパクのアミノ酸一次配列の相同性により、クラスA〜D型に分類された。クラスAに属するβ−ラクタマーゼは、活性中心にセリン残基を有するセリンペプチダーゼである。その原型となる酵素はペニシリン系抗菌薬を加水分解するペニシリナーゼであるが、基質特異性が拡張することにより、ペニシリン系抗菌薬のみでなくセファロスポリン系抗菌薬やモノバクタム系抗菌薬に対する加水分解作用も示すようになった基質拡張型β−ラクタマーゼ(extended-spectrum β-lactamase、以下、ESBLという。)もクラスAのβ−ラクタマーゼに含まれる。また、海外ではクラスAに属するKPC(Klebsiella pneumoniae carbapenemase)型カルバペネマーゼの産生菌が問題となっている。クラスBに属するβ−ラクタマーゼは、活性中心に亜鉛イオンを有しているため、メタロ−β−ラクタマーゼ(metallo-β-lactamase、以下、MBLという。)と呼ばれる。このクラスに属するβ−ラクタマーゼは、ペニシリン系抗菌薬、セフェム系抗菌薬及びカルバペネム系抗菌薬まで幅広く加水分解するものが多い。クラスCに属するβ−ラクタマーゼは、活性中心にセリン残基を有し、主としてセファロスポリン系抗菌薬を加水分解するセファロスポリナーゼである。クラスCに属するβ−ラクタマーゼをコードする遺伝子であるampCは、一部の菌種を除き、腸内細菌科からブドウ糖非発酵菌に属する菌種の染色体に存在しており、そのようなβ−ラクタマーゼを産生する菌株は染色体性AmpC産生株と呼ばれ、セファマイシン系抗菌薬に感受性を示す。一方、プラスミド上にampCがコードされたプラスミド性AmpC(例えば過剰産生型AmpC)は、AmpCが効率的に産生されるために、セファマイシン系抗菌薬、オキサセフェム系抗菌薬に耐性を示す。クラスDに属するβ−ラクタマーゼは、クラスAに属する酵素と同様に活性中心にセリン残基を有し、原型となる酵素は主としてペニシリン系抗菌薬を加水分解する。オキサシリンを分解する効率がペニシリン分解効率よりも高いことがクラスAのβ−ラクタマーゼとの違いであり、クラスDに属するβ−ラクタマーゼはオキサシリナーゼと呼ばれる。クラスDに属するカルバペネマーゼとしてOXA(oxacillinase)型カルバペネマーゼが知られている(非特許文献1)。
前述のように、β−ラクタマーゼはその基質となるβ−ラクタム薬を加水分解して不活化するため、β−ラクタマーゼ産生菌に感染した患者に対してその基質となるβ−ラクタム薬を投与して行う治療を難しくすることが多い。一方、必要以上に抗菌スペクトルの広い抗菌薬を投与することは、新たな耐性菌を出現させる原因にもなる。そのため、感染した細菌がβ−ラクタマーゼを産生するか否か、産生する場合はそのβ−ラクタマーゼがどの抗菌薬を不活化するのかを抗菌薬を投与する前に判定可能な、迅速試験方法が望まれている。特に、MBL産生菌、KPC型カルバペネマーゼ産生菌、OXA型カルバペネマーゼ産生菌などは、アミノグリコシド系抗菌薬やキノロン系抗菌薬にも耐性を有していることがあり、有効な抗菌薬が限定される(非特許文献2)。そのため、感染した細菌がカルバペネム系抗菌薬を不活化するβ−ラクタマーゼを産生するか否かを簡易、迅速に検出することは重要である。
現在、β−ラクタマーゼの迅速検出が可能な方法として、クロモジェニック法、UV法、ヨードメトリー法、アシドメトリー法等が知られている(特許文献1、2、3及び4)。クロモジェニック法は、β−ラクタマーゼによる加水分解によってβ−ラクタム環が開裂すると変色する基質を使用する方法である。この方法は基質自体が変色するため、感度は高いが、単一の基質と複数のβ−ラクタマーゼ阻害剤を組み合わせることによりβ−ラクタマーゼのクラス分類を行うため、基質特異性を判別することはできない。UV法は、一般的には酵素を菌の細胞中から精製して行う手法であるため、簡易な検査法に用いることができない。
ヨードメトリー法は、β−ラクタマーゼによる基質の加水分解に伴い生じる酸がヨウ素を還元することに基づき、ヨード澱粉反応による色の変化を指標として検出する方法である。一方、アシドメトリー法は、β−ラクタマーゼによる基質の加水分解に伴い生じる酸に由来するpH変化をpH指示薬の色の変化として検出する方法である。しかし、これらの検出原理を利用してβ−ラクタマーゼの詳細な酵素分類の判定ができる方法はこれまでに知られていない。
特開2004−166694号公報 国際公開第2002/024707号 国際公開第2006/043558号 特表2014−519833号公報
石井良和,臨床検査,54(5),473−480,2010 中村文子ら,モダンメディア,56(10),250−256,2010
本発明は、上記の現状に鑑みてなされたものであり、短時間にβ−ラクタマーゼの基質特異性に基づくカルバペネマーゼ検出または酵素分類の判定が可能な方法、及びそれに用いる試薬を提供することを目的としている。
本発明者らは、上記課題を解決するために種々の検討を重ねた結果、アシドメトリー法を検出原理とし、第一の薬剤;ペニシリン系、第二の薬剤;第一世代セフェム系、第三の薬剤;第三世代セフェム系及び/または第四世代セフェム系、第四の薬剤;モノバクタム系、第五の薬剤;セファマイシン系及び/またはオキサセフェム系、並びに第六の薬剤;カルバペネム系からなる6系統から選択される少なくとも3種のβ−ラクタム薬の各々を検出対象菌に接触させ、各薬剤の分解の有無をアシドメトリー法により判別することにより、検出対象菌がカルバペネマーゼ産生菌であるか否かを判定可能であることを見いだした。更に、検出対象菌に接触させるβ−ラクタム薬を、前記6系統から選択される3、4または5系統とすることにより、その組み合わせによって、カルバペネマーゼ(MBL、KPC型カルバペネマーゼまたはOXA型カルバペネマーゼ)の検出、カルバペネマーゼの分類(MBLであるか、または、KPC型カルバペネマーゼ若しくはOXA型カルバペネマーゼであるか)、MBLの検出、さらにESBLの検出、過剰産生型AmpCの検出、酵素分類(ESBL、過剰産生型AmpC、MBL、及び、KPC型カルバペネマーゼ若しくはOXA型カルバペネマーゼの分類)ができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は以下のような構成からなるものである。
(1)以下の工程を含むことを特徴とする微生物のβ−ラクタマーゼ検出方法及び判定方法。
(a)少なくとも3系統のβ−ラクタム薬の各々を検出対象微生物に接触させ、各薬剤の分解の有無をアシドメトリー法により判別する工程、
(b)工程(a)における各薬剤の分解有無の判別結果に基づいて検出対象微生物の酵素分類の判定を行う工程。
(2)以下の工程を含むことを特徴とする微生物のβ−ラクタマーゼ検出方法及び判定方法。
(a)第一の薬剤;ペニシリン系、
第二の薬剤;第一世代セフェム系、
第三の薬剤;第三世代セフェム系及び/または第四世代セフェム系、
第四の薬剤;モノバクタム系、
第五の薬剤;セファマイシン系及び/またはオキサセフェム系、並びに、
第六の薬剤;カルバペネム系、
からなる6系統から選択される少なくとも3系統のβ−ラクタム薬の各々を検出対象微生物に接触させ、各薬剤の分解の有無をアシドメトリー法により判別する工程、
(b)工程(a)における各薬剤の分解有無の判別結果に基づいて検出対象微生物の酵素分類の判定を行う工程。
(3)工程(a)において、検出対象微生物に接触させるβ−ラクタム薬が、前記6系統から選択される3、4または5系統の薬剤である(2)に記載の方法。
(4)工程(a)において、検出対象微生物に接触させるβ−ラクタム薬が3系統であり、前記3系統が以下の(3−1)〜(3−14)のいずれかである、(3)に記載の方法。
(3−1)1;ペニシリン系、2;第一世代セフェム系及び3;カルバペネム系からなる3系統、
(3−2)1;第一世代セフェム系、2;第三世代セフェム系または第四世代セフェム系、及び3;カルバペネム系からなる3系統、
(3−3)1;ペニシリン系、2;第三世代セフェム系または第四世代セフェム系、及び3;カルバペネム系からなる3系統、
(3−4)1;ペニシリン系、2;セファマイシン系またはオキサセフェム系、及び3;カルバペネム系からなる3系統、
(3−5)1;第一世代セフェム系、2;セファマイシン系またはオキサセフェム系、及び3;カルバペネム系からなる3系統、
(3−6)1;第三世代セフェム系または第四世代セフェム系、2;セファマイシン系またはオキサセフェム系、及び3;カルバペネム系からなる3系統、
(3−7)1;ペニシリン系、2;第三世代セフェム系または第四世代セフェム系、及び3;セファマイシン系またはオキサセフェム系からなる3系統、
(3−8)1;第一世代セフェム系、2;モノバクタム系及び3;カルバペネム系からなる3系統、
(3−9)1;ペニシリン系、2;モノバクタム系及び3;カルバペネム系からなる3系統、
(3−10)1;第三世代セフェム系または第四世代セフェム系、2;モノバクタム系、及び3;カルバペネム系からなる3系統、
(3−11)1;第一世代セフェム系、2;モノバクタム系、及び3;セファマイシン系またはオキサセフェム系からなる3系統、
(3−12)1;ペニシリン系、2;モノバクタム系、及び3;セファマイシン系またはオキサセフェム系からなる3系統、
(3−13)1;第三世代セフェム系または第四世代セフェム系、2;モノバクタム系、及び3;セファマイシン系またはオキサセフェム系からなる3系統、
(3−14)1;モノバクタム系、2;セファマイシン系またはオキサセフェム系、及び3;カルバペネム系からなる3系統。
(5)工程(a)において、検出対象微生物に接触させるβ−ラクタム薬が4系統であり、前記4系統が以下の(4−1)〜(4−15)のいずれかである、(3)に記載の方法。
(4−1)1;ペニシリン系、2;第一世代セフェム系、3;第三世代セフェム系または第四世代セフェム系、及び4;カルバペネム系からなる4系統、
(4−2)1;ペニシリン系、2;第一世代セフェム系、3;セファマイシン系またはオキサセフェム系、及び4;カルバペネム系からなる4系統、
(4−3)1;ペニシリン系、2;第三世代セフェム系または第四世代セフェム系、3;セファマイシン系またはオキサセフェム系、及び4;カルバペネム系からなる4系統、
(4−4)1;第一世代セフェム系、2;第三世代セフェム系または第四世代セフェム系、3;セファマイシン系またはオキサセフェム系、及び4;カルバペネム系からなる4系統、
(4−5)1;ペニシリン系、2;第一世代セフェム系、3;第三世代セフェム系または第四世代セフェム系、及び4;セファマイシン系またはオキサセフェム系からなる4系統、
(4−6)1;ペニシリン系、2;第一世代セフェム系、3;モノバクタム系、及び4;カルバペネム系からなる4系統、
(4−7)1;ペニシリン系、2;第三世代セフェム系または第四世代セフェム系、3;モノバクタム系、及び4;カルバペネム系からなる4系統、
(4−8)1;第一世代セフェム系、2;第三世代セフェム系または第四世代セフェム系、3;モノバクタム系、及び4;カルバペネム系からなる4系統、
(4−9)1;ペニシリン系、2;第一世代セフェム系、3;モノバクタム系、及び4;セファマイシン系またはオキサセフェム系からなる4系統、
(4−10)1;ペニシリン系、2;第三世代セフェム系または第四世代セフェム系、3;モノバクタム系、及び4;セファマイシン系またはオキサセフェム系からなる4系統、
(4−11)1;第一世代セフェム系、2;第三世代セフェム系または第四世代セフェム系、3;モノバクタム系、及び4;セファマイシン系またはオキサセフェム系からなる4系統、
(4−12)1;ペニシリン系、2;第一世代セフェム系、3;第三世代セフェム系または第四世代セフェム系、及び4;モノバクタム系からなる4系統、
(4−13)1;ペニシリン系、2;モノバクタム系、3;セファマイシン系またはオキサセフェム系、及び4;カルバペネム系からなる4系統、
(4−14)1;第一世代セフェム系、2;モノバクタム系、3;セファマイシン系またはオキサセフェム系、及び4;カルバペネム系からなる4系統、
(4−15)1;第三世代セフェム系または第四世代セフェム系、2;モノバクタム系、3;セファマイシン系またはオキサセフェム系、及び4;カルバペネム系からなる4系統。
(6)工程(a)において、検出対象微生物に接触させるβ−ラクタム薬が5系統であり、前記5系統が以下の(5−1)〜(5−6)のいずれかである、(3)に記載の方法。
(5−1)1;ペニシリン系、2;第一世代セフェム系、3;第三世代セフェム系または第四世代セフェム系、4;セファマイシン系またはオキサセフェム系、及び5;カルバペネム系からなる5系統、
(5−2)1;ペニシリン系、2;第一世代セフェム系、3;第三世代セフェム系または第四世代セフェム系、4;モノバクタム系、及び5;カルバペネム系からなる5系統、
(5−3)1;ペニシリン系、2;第一世代セフェム系、3;第三世代セフェム系または第四世代セフェム系、4;モノバクタム系、及び5;セファマイシン系またはオキサセフェム系からなる5系統、
(5−4)1;ペニシリン系、2;第一世代セフェム系、3;モノバクタム系、4;セファマイシン系またはオキサセフェム系、及び5;カルバペネム系からなる5系統、
(5−5)1;ペニシリン系、2;第三世代セフェム系または第四世代セフェム系、3;モノバクタム系、4;セファマイシン系またはオキサセフェム系、及び5;カルバペネム系からなる5系統、
(5−6)1;第一世代セフェム系、2;第三世代セフェム系または第四世代セフェム系、3;モノバクタム系、4;セファマイシン系またはオキサセフェム系、及び5;カルバペネム系からなる5系統。
(7)工程(a)において、pH指示薬を含有する媒体中でβ−ラクタム薬を検出対象微生物に接触させる、(1)〜(6)のいずれか1項に記載の方法。
(8)工程(a)において検出対象微生物と接触させる前記媒体が、ポリミキシンB、コリスチン、n-オクチル-β-D-グルコシドから選択される反応促進剤を更に含有する(7)に記載の方法。
(9)pH指示薬が、ブロモクレゾールパープル、ブロモチモールブルー、ニトラジンイエロー、フェノールレッドから選択される(7)または(8)に記載の方法。
(10)工程(a)において、検出対象微生物に接触させるペニシリン系のβ−ラクタム薬がペニシリンGまたはピペラシリンであり、第一世代セフェム系のβ−ラクタム薬がセファゾリン、セファロチン、セファピリン、セファレキシンまたはセフロキサジンであり、第三世代セフェム系のβ−ラクタム薬がセフォタキシム、セフトリアキソン、セフチゾキシム、セフスロジン、セフテラムまたはセフメノキシムであり、第四世代セフェム系のβ−ラクタム薬がセフェピムまたはセフピロムであり、モノバクタム系のβ−ラクタム薬がアズトレオナムであり、セファマイシン系のβ−ラクタム薬がセフメタゾールであり、オキサセフェム系のβ−ラクタム薬がフロモキセフであり、カルバペネム系のβ−ラクタム薬がイミペネムまたはパニペネムである、(2)〜(9)のいずれか1項に記載の方法。
(11)工程(a)において検出対象微生物と接触させる前記媒体が、液体、半流動状物質、ディスクまたはろ紙である、(7)〜(10)のいずれか1項に記載の方法。
(12)工程(a)において検出対象微生物と接触させる前記媒体が液体であり、β−ラクタム薬と検出対象微生物を多ウェルプレートのウェル内で、20〜40℃において接触させる、(7)〜(11)のいずれか1項に記載の方法。
(13)1種類のβ−ラクタム薬、pH指示薬を含有するβ−ラクタマーゼ検出用処方を液体、乾燥状態または凍結状態で各ウェル内に備えた多ウェルプレートであって、1枚の多ウェルプレートが備えるβ−ラクタム薬が、
第一の薬剤;ペニシリン系、
第二の薬剤;第一世代セフェム系、
第三の薬剤;第三世代セフェム系及び/または第四世代セフェム系、
第四の薬剤;モノバクタム系、
第五の薬剤;セファマイシン系及び/またはオキサセフェム系、並びに、
第六の薬剤;カルバペネム系、
からなる6系統から選択される少なくとも3系統の薬剤である多ウェルプレート。
(14)1種類のβ−ラクタム薬、pH指示薬を含有するβ−ラクタマーゼ検出用処方を液体、乾燥状態または凍結状態で各ウェル内に備えた多ウェルプレートであって、1枚の多ウェルプレートが備えるβ−ラクタム薬が、
第一の薬剤;ペニシリン系、
第二の薬剤;第一世代セフェム系、
第三の薬剤;第三世代セフェム系及び/または第四世代セフェム系、
第四の薬剤;モノバクタム系、
第五の薬剤;セファマイシン系及び/またはオキサセフェム系、並びに、
第六の薬剤;カルバペネム系、
からなる6系統から選択される3、4または5系統の薬剤である多ウェルプレート。
(15)1枚の多ウェルプレートが備えるβ−ラクタム薬が3系統であり、前記3系統が以下の(3−1)〜(3−14)のいずれかである、(14)に記載の多ウェルプレート。
(3−1)1;ペニシリン系、2;第一世代セフェム系及び3;カルバペネム系からなる3系統、
(3−2)1;第一世代セフェム系、2;第三世代セフェム系または第四世代セフェム系、及び3;カルバペネム系からなる3系統、
(3−3)1;ペニシリン系、2;第三世代セフェム系または第四世代セフェム系、及び3;カルバペネム系からなる3系統、
(3−4)1;ペニシリン系、2;セファマイシン系またはオキサセフェム系、及び3;カルバペネム系からなる3系統、
(3−5)1;第一世代セフェム系、2;セファマイシン系またはオキサセフェム系、及び3;カルバペネム系からなる3系統、
(3−6)1;第三世代セフェム系または第四世代セフェム系、2;セファマイシン系またはオキサセフェム系、及び3;カルバペネム系からなる3系統、
(3−7)1;ペニシリン系、2;第三世代セフェム系または第四世代セフェム系、及び3;セファマイシン系またはオキサセフェム系からなる3系統、
(3−8)1;第一世代セフェム系、2;モノバクタム系及び3;カルバペネム系からなる3系統、
(3−9)1;ペニシリン系、2;モノバクタム系及び3;カルバペネム系からなる3系統、
(3−10)1;第三世代セフェム系または第四世代セフェム系、2;モノバクタム系、及び3;カルバペネム系からなる3系統、
(3−11)1;第一世代セフェム系、2;モノバクタム系、及び3;セファマイシン系またはオキサセフェム系からなる3系統、
(3−12)1;ペニシリン系、2;モノバクタム系、及び3;セファマイシン系またはオキサセフェム系からなる3系統、
(3−13)1;第三世代セフェム系または第四世代セフェム系、2;モノバクタム系、及び3;セファマイシン系またはオキサセフェム系からなる3系統、
(3−14)1;モノバクタム系、2;セファマイシン系またはオキサセフェム系、及び3;カルバペネム系からなる3系統。
(16)1枚の多ウェルプレートが備えるβ−ラクタム薬が4系統であり、前記4系統が以下の(4−1)〜(4−15)のいずれかである、(14)に記載の多ウェルプレート。
(4−1)1;ペニシリン系、2;第一世代セフェム系、3;第三世代セフェム系または第四世代セフェム系、及び4;カルバペネム系からなる4系統、
(4−2)1;ペニシリン系、2;第一世代セフェム系、3;セファマイシン系またはオキサセフェム系、及び4;カルバペネム系からなる4系統、
(4−3)1;ペニシリン系、2;第三世代セフェム系または第四世代セフェム系、3;セファマイシン系またはオキサセフェム系、及び4;カルバペネム系からなる4系統、
(4−4)1;第一世代セフェム系、2;第三世代セフェム系または第四世代セフェム系、3;セファマイシン系またはオキサセフェム系、及び4;カルバペネム系からなる4系統、
(4−5)1;ペニシリン系、2;第一世代セフェム系、3;第三世代セフェム系または第四世代セフェム系、及び4;セファマイシン系またはオキサセフェム系からなる4系統、
(4−6)1;ペニシリン系、2;第一世代セフェム系、3;モノバクタム系、及び4;カルバペネム系からなる4系統、
(4−7)1;ペニシリン系、2;第三世代セフェム系または第四世代セフェム系、3;モノバクタム系、及び4;カルバペネム系からなる4系統、
(4−8)1;第一世代セフェム系、2;第三世代セフェム系または第四世代セフェム系、3;モノバクタム系、及び4;カルバペネム系からなる4系統、
(4−9)1;ペニシリン系、2;第一世代セフェム系、3;モノバクタム系、及び4;セファマイシン系またはオキサセフェム系からなる4系統、
(4−10)1;ペニシリン系、2;第三世代セフェム系または第四世代セフェム系、3;モノバクタム系、及び4;セファマイシン系またはオキサセフェム系からなる4系統、
(4−11)1;第一世代セフェム系、2;第三世代セフェム系または第四世代セフェム系、3;モノバクタム系、及び4;セファマイシン系またはオキサセフェム系からなる4系統、
(4−12)1;ペニシリン系、2;第一世代セフェム系、3;第三世代セフェム系または第四世代セフェム系、及び4;モノバクタム系からなる4系統、
(4−13)1;ペニシリン系、2;モノバクタム系、3;セファマイシン系またはオキサセフェム系、及び4;カルバペネム系からなる4系統、
(4−14)1;第一世代セフェム系、2;モノバクタム系、3;セファマイシン系またはオキサセフェム系、及び4;カルバペネム系からなる4系統、
(4−15)1;第三世代セフェム系または第四世代セフェム系、2;モノバクタム系、3;セファマイシン系またはオキサセフェム系、及び4;カルバペネム系からなる4系統。
(17)1枚の多ウェルプレートが備えるβ−ラクタム薬が5系統であり、前記5系統が以下の(5−1)〜(5−6)のいずれかである、(14)に記載の多ウェルプレート。
(5−1)1;ペニシリン系、2;第一世代セフェム系、3;第三世代セフェム系または第四世代セフェム系、4;セファマイシン系またはオキサセフェム系、及び5;カルバペネム系からなる5系統、
(5−2)1;ペニシリン系、2;第一世代セフェム系、3;第三世代セフェム系または第四世代セフェム系、4;モノバクタム系、及び5;カルバペネム系からなる5系統、
(5−3)1;ペニシリン系、2;第一世代セフェム系、3;第三世代セフェム系または第四世代セフェム系、4;モノバクタム系、及び5;セファマイシン系またはオキサセフェム系からなる5系統、
(5−4)1;ペニシリン系、2;第一世代セフェム系、3;モノバクタム系、4;セファマイシン系またはオキサセフェム系、及び5;カルバペネム系からなる5系統、
(5−5)1;ペニシリン系、2;第三世代セフェム系または第四世代セフェム系、3;モノバクタム系、4;セファマイシン系またはオキサセフェム系、及び5;カルバペネム系からなる5系統、
(5−6)1;第一世代セフェム系、2;第三世代セフェム系または第四世代セフェム系、3;モノバクタム系、4;セファマイシン系またはオキサセフェム系、及び5;カルバペネム系からなる5系統。
(18)β−ラクタマーゼ検出用処方が、ポリミキシンB、コリスチン、n-オクチル-β-D-グルコシドから選択される反応促進剤を更に含有する(13)〜(17)のいずれか1項に記載の多ウェルプレート。
(19)pH指示薬が、ブロモクレゾールパープル、ブロモチモールブルー、ニトラジンイエロー、フェノールレッドから選択される(13)〜(18)のいずれか1項に記載の多ウェルプレート。
(20)前記ペニシリン系のβ−ラクタム薬がペニシリンGまたはピペラシリンであり、前記第一世代セフェム系のβ−ラクタム薬がセファゾリン、セファロチン、セファピリン、セファレキシンまたはセフロキサジンであり、前記第三世代セフェム系のβ−ラクタム薬がセフォタキシム、セフトリアキソン、セフチゾキシム、セフスロジン、セフテラムまたはセフメノキシムであり、前記第四世代セフェム系のβ−ラクタム薬がセフェピムまたはセフピロムであり、前記モノバクタム系のβ−ラクタム薬がアズトレオナムであり、前記セファマイシン系のβ−ラクタム薬がセフメタゾールであり、前記オキサセフェム系のβ−ラクタム薬がフロモキセフであり、前記カルバペネム系のβ−ラクタム薬がイミペネムまたはパニペネムである、(13)〜(19)のいずれか1項に記載の多ウェルプレート。
本発明のβ−ラクタマーゼ検出方法、判定方法及びそれに用いる試薬は、最低3種のβ−ラクタム薬の各々を検出対象菌に接触させて、各薬剤の分解の有無をアシドメトリー法で判別するという簡易な操作で短時間に、β−ラクタマーゼの基質特異性に基づくカルバペネマーゼ検出または酵素分類判定が可能である。必要最小限の種類のβ−ラクタム薬を試験することにより、検出対象菌が産生するカルバペネマーゼ(MBL、KPC型カルバペネマーゼまたはOXA型カルバペネマーゼ)の検出、カルバペネマーゼの分類(MBL及び、KPC型カルバペネマーゼ若しくはOXA型カルバペネマーゼの分類)、MBLの検出、ESBLの検出、過剰産生型AmpCの検出、酵素分類(ESBL、過剰産生型AmpC、MBL、及び、KPC型カルバペネマーゼ若しくはOXA型カルバペネマーゼの分類)等を迅速に行うことができ、臨床及び院内感染対策上有用である。
図1は、反応促進剤の効果を調べた結果を示す図である。(実施例4)
本発明では、第一の薬剤;ペニシリン系、第二の薬剤;第一世代セフェム系、第三の薬剤;第三世代セフェム系及び/または第四世代セフェム系、第四の薬剤;モノバクタム系、第五の薬剤;セファマイシン系及び/またはオキサセフェム系、並びに第六の薬剤;カルバペネム系からなる6系統から選択される少なくとも3種のβ−ラクタム薬を検出対象微生物に接触させ、各薬剤の分解の有無をアシドメトリー法により判別し、基質特異性に基づきカルバペネマーゼ検出または酵素分類判定を行う。
本発明で使用するβ−ラクタム薬は、第一の薬剤;ペニシリン系、第二の薬剤;第一世代セフェム系、第三の薬剤;第三世代セフェム系及び/または第四世代セフェム系、第四の薬剤;モノバクタム系、第五の薬剤;セファマイシン系及び/またはオキサセフェム系、並びに第六の薬剤;カルバペネム系から選択される抗菌薬であれば特に限定されない。ペニシリン系抗菌薬は、例えば、ペニシリンG(PCG)、オキサシリン(MPIPC)、メチシリン(DMPPC)、フルクロキサシリン(MFIPC)、ナフシリン(NFPC)、フェネチシリン(PEPC)、クロキサシリン(MCIPC)、ジクロキサシリン(MDIPC)、アンピシリン(ABPC)、シクラシリン(ACPC)、アモキシシリン(AMPC)、レナンピシリン(LAPC)、アスポキシシリン(ASPC)、ピペラシリン(PIPC)、スルベニシリン(SBPC)、スルタミシリン(SBTPC)、タランピシリン(TAPC)、バカンピシリン(BAPC)、ピブメシリナム(PMPC)、カリンダシリン(CIPC)、カルフェシリン(CFPC)、ヘタシリン(IPABPC)である。
第一世代セフェム系抗菌薬は、例えば、セファロチン(CET)、セファロリジン(CER)、セファピリン(CEPR)、セファゾリン(CEZ)、セフテゾール(CTZ)、セファセトリル(CEC)、セファレキシン(CEX)、セフラジン(CED)、セファトリジン(CFT)、セフロキサジン(CXD)、セファドロキシル(CDX)、セファゼドン、セフロダキシンである。
第三世代セフェム系抗菌薬は、例えば、セフテラム(CFTM)、セフメノキシム(CMX)、セフチゾキシム(CZX)、セフォペラゾン(CPZ)、セフォタキシム(CTX)、セフピラミド(CPM)、セフタジジム(CAZ)、セフトリアキソン(CTRX)、セフォジジム(CDZM)、セフスロジン(CFS)、セフィキシム(CFIX)、セフチブテン(CETB)、セフポドキシムプロキセチル(CPDX-PR)、セフカペンピボキシル(CFPN-PI)、セフチゾキシムアラピボキシル(CZX-AP)である。
第四世代セフェム系抗菌薬は、例えば、セフェピム(CFPM)、セフピロム(CPR)である。
モノバクタム系抗菌薬は、例えば、アズトレオナム(AZT)、カルモナム(CRMN)である。
セファマイシン系抗菌薬は、例えば、セフォキシチン(CFX)、セフメタゾール(CMZ)、セフォテタン(CTT)、セフブペラゾン(CBPZ)、セフミノクス(CMNX)である。
オキサセフェム系抗菌薬は、例えば、ラタモキセフ(LMOX)、フロモキセフ(FMOX)である。
カルバペネム系抗菌薬は、例えば、イミペネム(IPM)、パニペネム(PAPM)、メロペネム(MEPM)、ビアペネム(BIPM)、ドリペネム(DRPM)、テビペネム(TBPM)、エルタペネムである。
なお、後に示す実施例においては、略称を使用した。より迅速かつ正確な判定を行うためには、反応強度が強く、安定した成績が得られる薬剤、すなわち、第一の薬剤としてペニシリンGまたはピペラシリン、第二の薬剤としてセファゾリン、セファロチン、セファピリン、セファレキシンまたはセフロキサジン、第三の薬剤としてセフォタキシム、セフトリアキソン、セフチゾキシム、セフスロジン、セフテラムまたはセフメノキシム、第四の薬剤としてアズトレオナム、第五の薬剤としてフロモキセフまたはセフメタゾール、第六の薬剤としてイミペネムまたはパニペネムを選択することが特に好ましい。
本発明は、第一の薬剤、第二の薬剤、第三の薬剤、第四の薬剤、第五の薬剤及び第六の薬剤から選択される少なくとも3種のβ−ラクタム薬を使用する方法であり、前記のβ−ラクタム薬の他に別の薬剤、例えば、第二世代セフェム系の抗菌薬を使用することも可能である。第二世代セフェム系抗菌薬の具体例としては、セフロキシム(CXM)、セファマンドール(CMD)、セフォニシド、セフォチアム(CTM)、ロラカルベフ(LCBF)、セフプロジル(CFPZ)、セフォラニドが挙げられる。
本発明では、β−ラクタマーゼ阻害剤を使用せずに、第一の薬剤、第二の薬剤、第三の薬剤、第四の薬剤、第五の薬剤及び第六の薬剤から選択される最低3種のβ−ラクタム薬を使用するのみで、β−ラクタマーゼの基質特異性に基づくカルバペネマーゼ検出または酵素分類判定が可能である。一方、β−ラクタマーゼ阻害剤を使用することも可能である。目的に応じて、適宜、クラブラン酸(CVA)、ボロン酸、ジピコリン酸(2,6−ピリジンジカルボン酸)、金属−エチレンジアミン4酢酸(EDTA)、メルカプト酢酸、メルカプトプロピオン酸、スルバクタム(SBT)、タゾバクタム(TAZ)等の既知のβ−ラクタマーゼ阻害剤を本発明のβ−ラクタム薬と併用し、詳細な分類を行うことも可能である。
本発明で使用する各β−ラクタム薬の濃度は、薬剤を分解するβ−ラクタマーゼを産生する菌に接触させた時に、β−ラクタム薬の加水分解をアシドメトリー法によって検出できる濃度である。そのような濃度は、β−ラクタム薬と検出対象微生物を接触させる媒体の種類、すなわち、β−ラクタム薬の加水分解反応を溶液あるいは半流動状物質中で行うか、またはディスクや試験片のような担体を使用して行うかを考慮し、更に接触時間等の条件も考慮して適量に設定する。例えば、溶液中で反応させる場合は、β−ラクタマーゼ検出反応液の最終濃度としてペニシリン系抗菌薬を0.1〜100mg/mL、第一世代セフェム系抗菌薬を0.1〜100mg/mL、第三世代セフェム系抗菌薬を0.1〜100mg/mL、第四世代セフェム系抗菌薬を0.1〜100mg/mL、モノバクタム系抗菌薬を0.1〜100mg/mL、セファマイシン系抗菌薬を0.1〜100mg/mL、オキサセフェム系抗菌薬を0.1〜100mg/mL、カルバペネム系抗菌薬を0.1〜100mg/mLとすることが好ましく、ペニシリン系抗菌薬をペニシリンG 0.5〜50mg/mLまたはピペラシリン0.5〜50mg/mL、第一世代セフェム系抗菌薬をセファゾリン0.5〜50mg/mL、セファロチン0.5〜50mg/mL、セファピリン0.5〜50mg/mL、セファレキシン0.5〜50mg/mLまたはセフロキサジン0.5〜50mg/mL、第三世代セフェム系抗菌薬をセフォタキシム0.5〜50mg/mL、セフトリアキソン0.5〜50mg/mL、セフチゾキシム0.5〜50mg/mL、セフスロジン0.5〜50mg/mL、セフテラム0.5〜50mg/mLまたはセフメノキシム0.5〜50mg/mL、モノバクタム系抗菌薬をアズトレオナム0.5〜50mg/mL、オキサセフェム系抗菌薬をフロモキセフ0.5〜50mg/mL、セファマイシン系抗菌薬をセフメタゾール0.5〜50mg/mL、カルバペネム系抗菌薬をイミペネム0.5〜25mg/mLまたはパニペネム0.5〜25mg/mLとすることがより好ましい。
本発明の検出対象微生物は、β−ラクタマーゼを産生する可能性のある菌である。具体例として、エシェリヒア・コリー(Escherichia coli)(以下、大腸菌という。)、クレブシエラ・ニューモニエ(Klebsiella pneumoniae)、クレブシエラ・オキシトカ(Klebsiella oxytoca)、セラチア・マルセッセンス(Serratia marcescens)、プロテウス・ミラビリス(Proteus mirabilis)、プロテウス・ブルガリス(Proteus vulgaris)、モルガネラ・モルガニ(Morganella morganii)、シトロバクター・フロインディ(Citrobacter freundii)、シトロバクター・コゼリ(Citrobacter koseri)、エンテロバクター・クロアカエ(Enterobacter cloacae)、エンテロバクター・エロゲネス(Enterobacter aerogenes)、シュードモナス・エルギノーサ(Pseudomonas aeruginosa)(以下、緑膿菌という。)、シュードモナス・プチダ(Pseudomonas putida)、ステノトロホモナス・マルトフィリア(Stenotrophomonas multophilia)、アシネトバクター・バウマニ(Acinetobacter baumannii)、ヘモフィルス・インフルエンザ(Haemophilus influenzae)、ナイセリア・ゴノレア(Neisseria gonorrhoeae)、モラクセラ・カタラーリス(Moraxella catarrhalis)等のグラム陰性菌及びグラム陽性菌であるスタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus、以下、黄色ブドウ球菌という。)、エンテロコッカス・フェカリス(Enterococcus faecalis)、バチルス・セレウス(Bacillus cereus)等が挙げられるが、これらに限定されない。
検出対象微生物は特に限定されないが、ヒト、他の動物の生体由来、環境、食品由来の検体中に含まれている可能性があるため、本発明では、これらの検体に由来する試料を使用することができる。検体を生理食塩水、リン酸緩衝生理食塩水、蒸留水、精製水等の溶媒に溶解させて調製することができる試料液は、該液に含まれる検出対象微生物の濃度を3.0×104〜3.0×1010CFU/mLとして使用することができるが、検体を溶解させる溶媒や試料液中の検出対象微生物濃度は以上の記載に限定されるものではない。
本発明では、β−ラクタム薬を検出対象微生物に接触させた後、各薬剤の分解の有無をアシドメトリー法により判別する。β−ラクタム薬と検出対象微生物を接触させる媒体は、検出対象微生物が産生するβ−ラクタマーゼによってβ−ラクタム薬が分解されうるものであれば特に限定されない。半流動状物質、ディスク、ろ紙等の固形状物質にβ−ラクタマーゼ検出用処方液を含浸させたものを媒体とするか、あるいは媒体を液体とすることができる。媒体を液体とする場合は、β−ラクタマーゼ検出用処方液そのものを媒体として使用するか、調製したβ−ラクタマーゼ検出用処方液を凍結させて保存した後に融解して液体に戻して使用するか、あるいはβ−ラクタマーゼ検出用処方液を自然乾燥、送風乾燥、加熱乾燥、減圧乾燥、凍結乾燥といった一般的な方法で乾燥させた後、溶解液を添加して溶解後、媒体として使用できる。
β−ラクタム薬と検出対象微生物を接触させる媒体は、少なくともpH指示薬を含有する。ただし、pH指示薬の至適pHを安定させる目的で、更に媒体に緩衝剤を添加することができる。その他に、微生物の発育を支持する成分を添加することもできるが、本発明では検出原理としてアシドメトリー法を使用するため、β−ラクタマーゼによるβ−ラクタム薬の加水分解反応以外の要因によってpHが変動することは好ましくない。微生物が発育したとき、その代謝する成分によってpHが変動するため、本発明における加水分解反応のアシドメトリー法による正確な判別を妨げる要因となる。そのため、本発明の媒体は、微生物の発育を支持する成分、すなわちペプトン、エキス類、糖類、炭水化物、ミネラル等、微生物が発育するための栄養源となる成分を含有しないことが好ましい。
本発明で使用するpH指示薬の種類及び濃度は特に限定されない。例えば、pH指示薬としてブロモクレゾールパープル、ブロモチモールブルー、ニトラジンイエロー、フェノールレッド等を使用できるが、後に記載するように反応促進剤としてポリミキシンBを使用する場合は、溶解性の相性の良いフェノールレッドを使用することが好ましい。媒体を液体とする場合には、β−ラクタマーゼ検出反応液の最終濃度としてフェノールレッドの濃度を0.01〜10ng/mLとすることが好ましい。
本発明では、緩衝剤を使用せずにβ−ラクタム薬と検出対象微生物を接触させ、β−ラクタマーゼの検出、判定を行うことも可能であるし、pH指示薬の至適pHを安定させる目的で媒体に緩衝剤を添加することも可能である。本発明において、緩衝剤を使用する場合、その種類及び濃度は、検出対象微生物が産生するβ−ラクタマーゼによるβ−ラクタム薬の加水分解に伴うpH変化をpH指示薬の色の変化として正確に検出しうるものである。緩衝剤を使用することにより、pH指示薬の至適pHを安定させることができるが、一方、緩衝剤の濃度が増す程pH変動が起こりにくくなる。そのため、緩衝剤の種類及び濃度は、pH指示薬の種類、対象微生物の菌数、検出感度、微生物の発育を支持する成分を含有させるか否か等を考慮して条件設定する。β−ラクタマーゼによる基質の加水分解が開始するまでの間はpHを安定に保ち、かつ、β−ラクタム薬の加水分解に伴う酸の産生に基づいて敏感にpHを変化させうるものであれば特に限定されないが、例えば、pH指示薬としてフェノールレッドを使用する場合はpH6.8ないし8.0付近で緩衝能が最大となる緩衝剤が好ましい。そのような緩衝剤とβ−ラクタマーゼ検出反応液の最終濃度として、例えば、リン酸緩衝液0.01〜100mM、ピペラジン-1,4-ビス(2-エタンスルホン酸)(PIPES)緩衝液0.01〜100mM、N-(2-アセトアミド)-2-アミノエタンスルホン酸(ACES)緩衝液0.01〜100mM、2-ヒドロキシ-3-モルホリノプロパンスルホン酸(MOPSO)緩衝液0.01〜100mM、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-2-アミノエタンスルホン酸(BES)緩衝液0.01〜100mM、3-モルホリノプロパンスルホン酸(MOPS)緩衝液0.01〜100mM、N-トリス(ヒドロキシメチル)メチル-2-アミノエタンスルホン酸(TES)緩衝液0.01〜100mM、2-[4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジニル]エタンスルホン酸(HEPES)緩衝液0.01〜100mM、3-[N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)アミノ]-2-ヒドロキシプロパンスルホン酸(DIPSO)緩衝液0.01〜100mM、2-ヒドロキシ-N-トリス(ヒドロキシメチル)メチル-3-アミノプロパンスルホン酸(TAPSO)緩衝液0.01〜100mM、ピペラジン-1,4-ビス(2-ヒドロキシプロパンスルホン酸)(POPSO)緩衝液0.01〜100mM、4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-(2-ヒドロキシプロパン-3-スルホン酸)(HEPPSO)緩衝液0.01〜100mM、3-[4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジニル]プロパンスルホン酸(EPPS)緩衝液0.01〜100mM、Tris-HCl緩衝液0.01〜100mM、酢酸緩衝液0.01〜100mM、クエン酸緩衝液0.01〜100mM等を使用することができる。
本発明では、第一の薬剤;ペニシリン系、第二の薬剤;第一世代セフェム系、第三の薬剤;第三世代セフェム系及び/または第四世代セフェム系、第四の薬剤;モノバクタム系、第五の薬剤;セファマイシン系及び/またはオキサセフェム系、並びに第六の薬剤;カルバペネム系からなる6系統から選択される少なくとも3系統のβ−ラクタム薬を検出対象微生物に接触させ、各薬剤の分解の有無をアシドメトリー法により判別し、それにより得られた基質特異性のデータに基づいてカルバペネマーゼの検出または酵素分類の判定を行う。試験するβ−ラクタム薬は、前記6系統から選択される少なくとも3系統の薬剤であれば特に限定されないが、必要最小限の種類のβ−ラクタム薬の試験で臨床上有用な酵素分類判定を行うためには、以下の酵素分類の判定表1−1〜1−3に示す(3−1)〜(3−14)のいずれかの3系統の薬剤セットとするか、酵素分類の判定表2−1〜2−3に示す(4−1)〜(4−15)のいずれかの4系統の薬剤セットとするか、または、酵素分類の判定表3に示す(5−1)〜(5−6)のいずれかの5系統の薬剤セットとすることが好ましい。
酵素分類の判定表1−1の薬剤セット:(3−1)は、ペニシリン系、第一世代セフェム系及びカルバペネム系からなる3系統の薬剤を試験する場合の判定表である。β−ラクタマーゼ非産生菌は3系統の薬剤すべてが分解無しと判別され、ペニシリナーゼ産生菌はペニシリン系抗菌薬が分解有りと判別され、第一世代セフェム系抗菌薬及びカルバペネム系抗菌薬は分解無しと判別され、セファロスポリナーゼ産生菌(染色体性)、ESBL産生菌及び過剰産生型AmpC産生菌は、ペニシリン系抗菌薬及び第一世代セフェム系抗菌薬が分解有りと判別され、カルバペネム系抗菌薬は分解無しと判別され、MBL産生菌、KPC型カルバペネマーゼ産生菌及びOXA型カルバペネマーゼ産生菌は、3系統の薬剤すべてが分解有りと判別される。したがって、ペニシリン系、第一世代セフェム系及びカルバペネム系からなる3系統の薬剤の各々を検出対象微生物に接触させた結果、3系統の薬剤すべてが分解無しと判別されれば、検出対象微生物はβ−ラクタマーゼ非産生菌であると判定され、ペニシリン系抗菌薬が分解有りと判別され、かつ、第一世代セフェム系抗菌薬及びカルバペネム系抗菌薬が分解無しと判別されれば、検出対象微生物はペニシリナーゼ産生菌であると判定され、3系統の薬剤すべてが分解有りと判別されれば、検出対象微生物はMBL産生菌、KPC型カルバペネマーゼ産生菌またはOXA型カルバペネマーゼ産生菌であると判定される。以上のように、薬剤セット:(3−1)の試験を行うことにより、検出対象微生物のβ−ラクタマーゼ産生の有無の確認、ペニシリナーゼの検出、カルバペネマーゼの検出(MBL、KPC型カルバペネマーゼまたはOXA型カルバペネマーゼであるか否かの検出)が可能となる。
酵素分類の判定表1−1の薬剤セット:(3−2)は、第一世代セフェム系、第三世代セフェム系または第四世代セフェム系、及びカルバペネム系からなる3系統の薬剤を試験する場合の判定表である。β−ラクタマーゼ非産生菌及びペニシリナーゼ産生菌は3系統の薬剤すべてが分解無しと判別され、セファロスポリナーゼ産生菌(染色体性)は、第一世代セフェム系抗菌薬が分解有りと判別され、第三世代セフェム系抗菌薬が分解無しまたは第四世代セフェム系抗菌薬が分解無しと判別され、カルバペネム系抗菌薬が分解無しと判別され、ESBL産生菌は第一世代セフェム系抗菌薬が分解有り、第三世代セフェム系抗菌薬が分解有り若しくは分解無しまたは第四世代セフェム系抗菌薬が分解有り若しくは分解無しと判別され、カルバペネム系抗菌薬が分解無しと判別され、過剰産生型AmpC産生菌は、第一世代セフェム系抗菌薬が分解有りと判別され、第三世代セフェム系抗菌薬が分解有りまたは第四世代セフェム系抗菌薬が分解有りと判別され、カルバペネム系抗菌薬が分解無しと判別され、MBL産生菌、KPC型カルバペネマーゼ産生菌及びOXA型カルバペネマーゼ産生菌は、3系統の薬剤すべてが分解有りと判別される。したがって、第一世代セフェム系、第三世代セフェム系または第四世代セフェム系、及びカルバペネム系からなる3系統の薬剤の各々を検出対象微生物に接触させた結果、3系統の薬剤すべてが分解有りと判別されれば、検出対象微生物はMBL産生菌、KPC型カルバペネマーゼ産生菌またはOXA型カルバペネマーゼ産生菌であると判定される。以上のように、薬剤セット:(3−2)の試験を行うことにより、検出対象微生物がペニシリナーゼ以外のβ−ラクタマーゼを産生するか否かの確認、カルバペネマーゼの検出(MBL、KPC型カルバペネマーゼまたはOXA型カルバペネマーゼであるか否かの検出)が可能となる。
酵素分類の判定表1−1の薬剤セット:(3−3)は、ペニシリン系、第三世代セフェム系または第四世代セフェム系、及びカルバペネム系からなる3系統の薬剤を試験する場合の判定表である。β−ラクタマーゼ非産生菌は3系統の薬剤すべてが分解無しと判別され、ペニシリナーゼ産生菌及びセファロスポリナーゼ産生菌(染色体性)は、ペニシリン系抗菌薬が分解有りと判別され、第三世代セフェム系抗菌薬が分解無しまたは第四世代セフェム系抗菌薬が分解無しと判別され、カルバペネム系抗菌薬が分解無しと判別され、ESBL産生菌はペニシリン系抗菌薬が分解有りと判別され、第三世代セフェム系抗菌薬が分解有り若しくは分解無しまたは第四世代セフェム系抗菌薬が分解有り若しくは分解無しと判別され、カルバペネム系抗菌薬が分解無しと判別され、過剰産生型AmpC産生菌は、ペニシリン系抗菌薬が分解有りと判別され、第三世代セフェム系抗菌薬が分解有りまたは第四世代セフェム系抗菌薬が分解有りと判別され、カルバペネム系抗菌薬が分解無しと判別され、MBL産生菌、KPC型カルバペネマーゼ産生菌及びOXA型カルバペネマーゼ産生菌は、3系統の薬剤すべてが分解有りと判別される。したがって、ペニシリン系、第三世代セフェム系または第四世代セフェム系、及びカルバペネム系からなる3系統の薬剤の各々を検出対象微生物に接触させた結果、3系統の薬剤すべてが分解無しと判別されれば、検出対象微生物はβ−ラクタマーゼ非産生菌であると判定され、3系統の薬剤すべてが分解有りと判別されれば、検出対象微生物はMBL産生菌、KPC型カルバペネマーゼ産生菌またはOXA型カルバペネマーゼ産生菌であると判定される。以上のように、薬剤セット:(3−3)の試験を行うことにより、検出対象微生物のβ−ラクタマーゼ産生の有無の確認、カルバペネマーゼの検出(MBL、KPC型カルバペネマーゼまたはOXA型カルバペネマーゼであるか否かの検出)が可能となる。
酵素分類の判定表1−1の薬剤セット:(3−4)は、ペニシリン系、セファマイシン系またはオキサセフェム系、及びカルバペネム系からなる3系統の薬剤を試験する場合の判定表である。β−ラクタマーゼ非産生菌は3系統の薬剤すべてが分解無しと判別され、ペニシリナーゼ産生菌、セファロスポリナーゼ産生菌(染色体性)及びESBL産生菌は、ペニシリン系抗菌薬が分解有りと判別され、セファマイシン系抗菌薬が分解無しまたはオキサセフェム系抗菌薬が分解無しと判別され、カルバペネム系抗菌薬が分解無しと判別され、過剰産生型AmpC産生菌は、ペニシリン系抗菌薬が分解有りと判別され、セファマイシン系抗菌薬が分解有りまたはオキサセフェム系抗菌薬が分解有りと判別され、カルバペネム系抗菌薬が分解無しと判別され、MBL産生菌、KPC型カルバペネマーゼ産生菌及びOXA型カルバペネマーゼ産生菌は、3系統の薬剤すべてが分解有りと判別される。したがって、ペニシリン系、セファマイシン系またはオキサセフェム系、及びカルバペネム系からなる3系統の薬剤の各々を検出対象微生物に接触させた結果、3系統の薬剤すべてが分解無しと判別されれば、検出対象微生物はβ−ラクタマーゼ非産生菌であると判定され、ペニシリン系抗菌薬が分解有りと判別され、セファマイシン系抗菌薬が分解有りまたはオキサセフェム系抗菌薬が分解有りと判別され、かつ、カルバペネム系抗菌薬が分解無しと判別されれば、検出対象微生物は過剰産生型AmpC産生菌であると判定され、3系統の薬剤すべてが分解有りと判別されれば、検出対象微生物はMBL産生菌、KPC型カルバペネマーゼ産生菌またはOXA型カルバペネマーゼ産生菌であると判定される。以上のように、薬剤セット:(3−4)の試験を行うことにより、検出対象微生物のβ−ラクタマーゼ産生の有無の確認、過剰産生型AmpCの検出、カルバペネマーゼの検出(MBL、KPC型カルバペネマーゼまたはOXA型カルバペネマーゼであるか否かの検出)が可能となる。
酵素分類の判定表1−1の薬剤セット:(3−5)は、第一世代セフェム系、セファマイシン系またはオキサセフェム系、及びカルバペネム系からなる3系統の薬剤を試験する場合の判定表である。β−ラクタマーゼ非産生菌及びペニシリナーゼ産生菌は3系統の薬剤すべてが分解無しと判別され、セファロスポリナーゼ産生菌(染色体性)及びESBL産生菌は、第一世代セフェム系抗菌薬が分解有りと判別され、セファマイシン系抗菌薬が分解無しまたはオキサセフェム系抗菌薬が分解無しと判別され、カルバペネム系抗菌薬が分解無しと判別され、過剰産生型AmpC産生菌は、第一世代セフェム系抗菌薬が分解有りと判別され、セファマイシン系抗菌薬が分解有りまたはオキサセフェム系抗菌薬が分解有りと判別され、カルバペネム系抗菌薬が分解無しと判別され、MBL産生菌、KPC型カルバペネマーゼ産生菌及びOXA型カルバペネマーゼ産生菌は、3系統の薬剤すべてが分解有りと判別される。したがって、第一世代セフェム系、セファマイシン系またはオキサセフェム系、及びカルバペネム系からなる3系統の薬剤の各々を検出対象微生物に接触させた結果、第一世代セフェム系抗菌薬が分解有りと判別され、セファマイシン系抗菌薬が分解有りまたはオキサセフェム系抗菌薬が分解有りと判別され、かつ、カルバペネム系抗菌薬が分解無しと判別されれば、検出対象微生物は過剰産生型AmpC産生菌であると判定され、3系統の薬剤すべてが分解有りと判別されれば、検出対象微生物はMBL産生菌、KPC型カルバペネマーゼ産生菌またはOXA型カルバペネマーゼ産生菌であると判定される。以上のように、薬剤セット:(3−5)の試験を行うことにより、検出対象微生物がペニシリナーゼ以外のβ−ラクタマーゼを産生するか否かの確認、過剰産生型AmpCの検出、カルバペネマーゼの検出(MBL、KPC型カルバペネマーゼまたはOXA型カルバペネマーゼであるか否かの検出)が可能となる。
酵素分類の判定表1−1の薬剤セット:(3−6)は、第三世代セフェム系または第四世代セフェム系、セファマイシン系またはオキサセフェム系、及びカルバペネム系からなる3系統の薬剤を試験する場合の判定表である。β−ラクタマーゼ非産生菌、ペニシリナーゼ産生菌及びセファロスポリナーゼ産生菌(染色体性)は、3系統の薬剤すべてが分解無しと判別され、ESBL産生菌は、第三世代セフェム系抗菌薬が分解有り若しくは分解無しまたは第四世代セフェム系抗菌薬が分解有り若しくは分解無しと判別され、セファマイシン系抗菌薬が分解無しまたはオキサセフェム系抗菌薬が分解無しと判別され、カルバペネム系抗菌薬が分解無しと判別され、過剰産生型AmpC産生菌は、第三世代セフェム系抗菌薬が分解有りまたは第四世代セフェム系抗菌薬が分解有りと判別され、セファマイシン系抗菌薬が分解有りまたはオキサセフェム系抗菌薬が分解有りと判別され、カルバペネム系抗菌薬が分解無しと判別され、MBL産生菌、KPC型カルバペネマーゼ産生菌及びOXA型カルバペネマーゼ産生菌は、3系統の薬剤すべてが分解有りと判別される。したがって、第三世代セフェム系または第四世代セフェム系、セファマイシン系またはオキサセフェム系、及びカルバペネム系からなる3系統の薬剤の各々を検出対象微生物に接触させた結果、第三世代セフェム系抗菌薬が分解有りまたは第四世代セフェム系抗菌薬が分解有りと判別され、セファマイシン系抗菌薬が分解有りまたはオキサセフェム系抗菌薬が分解有りと判別され、かつ、カルバペネム系抗菌薬が分解無しと判別されれば、検出対象微生物は過剰産生型AmpC産生菌であると判定され、3系統の薬剤すべてが分解有りと判別されれば、検出対象微生物はMBL産生菌、KPC型カルバペネマーゼ産生菌またはOXA型カルバペネマーゼ産生菌であると判定される。以上のように、薬剤セット:(3−6)の試験を行うことにより、過剰産生型AmpCの検出、カルバペネマーゼの検出(MBL、KPC型カルバペネマーゼまたはOXA型カルバペネマーゼであるか否かの検出)が可能となる。
酵素分類の判定表1−2の薬剤セット:(3−7)は、ペニシリン系、第三世代セフェム系または第四世代セフェム系、及びセファマイシン系またはオキサセフェム系からなる3系統の薬剤を試験する場合の判定表である。β−ラクタマーゼ非産生菌は3系統の薬剤すべてが分解無しと判別され、ペニシリナーゼ産生菌及びセファロスポリナーゼ産生菌(染色体性)は、ペニシリン系抗菌薬が分解有りと判別され、第三世代セフェム系抗菌薬が分解無しまたは第四世代セフェム系抗菌薬が分解無しと判別され、セファマイシン系抗菌薬が分解無しまたはオキサセフェム系抗菌薬が分解無しと判別され、ESBL産生菌は、ペニシリン系抗菌薬が分解有りと判別され、第三世代セフェム系抗菌薬が分解有り若しくは分解無しまたは第四世代セフェム系抗菌薬が分解有り若しくは分解無しと判別され、セファマイシン系抗菌薬が分解無しまたはオキサセフェム系抗菌薬が分解無しと判別され、過剰産生型AmpC産生菌、MBL産生菌、KPC型カルバペネマーゼ産生菌及びOXA型カルバペネマーゼ産生菌は、3系統の薬剤すべてが分解有りと判別される。したがって、ペニシリン系、第三世代セフェム系または第四世代セフェム系、及びセファマイシン系またはオキサセフェム系からなる3系統の薬剤の各々を検出対象微生物に接触させた結果、3系統の薬剤すべてが分解無しと判別されれば、検出対象微生物はβ−ラクタマーゼ非産生菌であると判定され、3系統の薬剤すべてが分解有りと判別されれば、検出対象微生物は過剰産生型AmpC産生菌、MBL産生菌、KPC型カルバペネマーゼ産生菌またはOXA型カルバペネマーゼ産生菌であると判定される。以上のように、薬剤セット:(3−7)の試験を行うことにより、検出対象微生物のβ−ラクタマーゼ産生の有無の確認、カルバペネマーゼ(MBL、KPC型カルバペネマーゼ若しくはOXA型カルバペネマーゼ)または過剰産生型AmpC であるか否かの検出が可能となる。AmpCの高度産生株には、カルバペネム系抗菌薬に耐性を示す例があるが、薬剤セット:(3−7)では、カルバペネム系抗菌薬耐性の過剰産生型AmpC 産生菌を含めたカルバペネマーゼをスクリーニングすることができる。
酵素分類の判定表1−2の薬剤セット:(3−8)は、第一世代セフェム系、モノバクタム系及びカルバペネム系からなる3系統の薬剤を試験する場合の判定表である。β−ラクタマーゼ非産生菌及びペニシリナーゼ産生菌は3系統の薬剤すべてが分解無しと判別され、セファロスポリナーゼ産生菌(染色体性)は、第一世代セフェム系抗菌薬が分解有り、モノバクタム系抗菌薬及びカルバペネム系抗菌薬は分解無しと判別され、ESBL産生菌及び過剰産生型AmpC産生菌は、第一世代セフェム系抗菌薬及びモノバクタム系抗菌薬が分解有り、カルバペネム系抗菌薬は分解無しと判別され、MBL産生菌は第一世代セフェム系抗菌薬及びカルバペネム系抗菌薬が分解有り、モノバクタム系抗菌薬は分解無しと判別され、KPC型カルバペネマーゼ産生菌及びOXA型カルバペネマーゼ産生菌は、3系統の薬剤すべてが分解有りと判別される。したがって、第一世代セフェム系、モノバクタム系及びカルバペネム系からなる3系統の薬剤の各々を検出対象微生物に接触させた結果、第一世代セフェム系抗菌薬が分解有りと判別され、かつ、モノバクタム系抗菌薬及びカルバペネム系抗菌薬が分解無しと判別されれば、検出対象微生物はセファロスポリナーゼ(染色体性)であると判定され、第一世代セフェム系抗菌薬及びカルバペネム系抗菌薬が分解有りと判別され、かつ、モノバクタム系抗菌薬が分解無しと判別されれば、検出対象微生物はMBL産生菌であると判定され、3系統の薬剤すべてが分解有りと判別されれば、検出対象微生物はKPC型カルバペネマーゼ産生菌またはOXA型カルバペネマーゼ産生菌であると判定される。以上のように、薬剤セット:(3−8)の試験を行うことにより、検出対象微生物がペニシリナーゼ以外のβ−ラクタマーゼを産生するか否かの確認、セファロスポリナーゼ(染色体性)の検出、カルバペネマーゼの分類(MBLであるか、または、KPC型カルバペネマーゼ若しくはOXA型カルバペネマーゼであるかの分類)が可能となる。
酵素分類の判定表1−2の薬剤セット:(3−9)は、ペニシリン系、モノバクタム系及びカルバペネム系からなる3系統の薬剤を試験する場合の判定表である。β−ラクタマーゼ非産生菌は3系統の薬剤すべてが分解無しと判別され、ペニシリナーゼ産生菌及びセファロスポリナーゼ産生菌(染色体性)は、ペニシリン系抗菌薬が分解有り、モノバクタム系抗菌薬及びカルバペネム系抗菌薬が分解無しと判別され、ESBL産生菌及び過剰産生型AmpC産生菌は、ペニシリン系抗菌薬及びモノバクタム系抗菌薬が分解有り、カルバペネム系抗菌薬は分解無しと判別され、MBL産生菌はペニシリン系抗菌薬及びカルバペネム系抗菌薬が分解有り、モノバクタム系抗菌薬は分解無しと判別され、KPC型カルバペネマーゼ産生菌及びOXA型カルバペネマーゼ産生菌は、3系統の薬剤すべてが分解有りと判別される。したがって、ペニシリン系、モノバクタム系及びカルバペネム系からなる3系統の薬剤の各々を検出対象微生物に接触させた結果、3系統の薬剤すべてが分解無しと判別されれば、検出対象微生物はβ−ラクタマーゼ非産生菌であると判定され、ペニシリン系抗菌薬及びカルバペネム系抗菌薬が分解有りと判別され、かつ、モノバクタム系抗菌薬は分解無しと判別されれば、検出対象微生物はMBL産生菌であると判定され、3系統の薬剤すべてが分解有りと判別されれば、検出対象微生物はKPC型カルバペネマーゼ産生菌またはOXA型カルバペネマーゼ産生菌であると判定される。以上のように、薬剤セット:(3−9)の試験を行うことにより、検出対象微生物のβ−ラクタマーゼ産生の有無の確認、カルバペネマーゼの分類(MBLであるか、または、KPC型カルバペネマーゼ若しくはOXA型カルバペネマーゼであるかの分類)が可能となる。
酵素分類の判定表1−2の薬剤セット:(3−10)は、第三世代セフェム系または第四世代セフェム系、モノバクタム系、及びカルバペネム系からなる3系統の薬剤を試験する場合の判定表である。β−ラクタマーゼ非産生菌、ペニシリナーゼ産生菌及びセファロスポリナーゼ産生菌(染色体性)は、3系統の薬剤すべてが分解無しと判別され、ESBL産生菌は、第三世代セフェム系抗菌薬が分解有り若しくは分解無しまたは第四世代セフェム系抗菌薬が分解有り若しくは分解無しと判別され、モノバクタム系抗菌薬が分解有り、カルバペネム系抗菌薬が分解無しと判別され、過剰産生型AmpC産生菌は、第三世代セフェム系抗菌薬が分解有りまたは第四世代セフェム系抗菌薬が分解有りと判別され、モノバクタム系抗菌薬が分解有り、カルバペネム系抗菌薬は分解無しと判別され、MBL産生菌は、第三世代セフェム系抗菌薬が分解有りまたは第四世代セフェム系抗菌薬が分解有りと判別され、モノバクタム系抗菌薬が分解無し、カルバペネム系抗菌薬が分解有りと判別され、KPC型カルバペネマーゼ産生菌及びOXA型カルバペネマーゼ産生菌は、3系統の薬剤すべてが分解有りと判別される。したがって、第三世代セフェム系または第四世代セフェム系、モノバクタム系、及びカルバペネム系からなる3系統の薬剤の各々を検出対象微生物に接触させた結果、第三世代セフェム系抗菌薬が分解有りまたは第四世代セフェム系抗菌薬が分解有りと判別され、モノバクタム系抗菌薬が分解無しと判別され、かつ、カルバペネム系抗菌薬が分解有りと判別されれば、検出対象微生物はMBL産生菌であると判定され、3系統の薬剤すべてが分解有りと判別されれば、検出対象微生物はKPC型カルバペネマーゼ産生菌またはOXA型カルバペネマーゼ産生菌であると判定される。以上のように、薬剤セット:(3−10)の試験を行うことにより、検出対象微生物のカルバペネマーゼの分類(MBLであるか、または、KPC型カルバペネマーゼ若しくはOXA型カルバペネマーゼであるかの分類)が可能となる。
酵素分類の判定表1−3の薬剤セット:(3−11)は、第一世代セフェム系、モノバクタム系、及び、セファマイシン系またはオキサセフェム系からなる3系統の薬剤を試験する場合の判定表である。β−ラクタマーゼ非産生菌及びペニシリナーゼ産生菌は3系統の薬剤すべてが分解無しと判別され、セファロスポリナーゼ産生菌(染色体性)は、第一世代セフェム系抗菌薬が分解有り、モノバクタム系抗菌薬が分解無しと判別され、セファマイシン系抗菌薬が分解無しまたはオキサセフェム系抗菌薬が分解無しと判別され、ESBL産生菌は、第一世代セフェム系抗菌薬及びモノバクタム系抗菌薬が分解有りと判別され、セファマイシン系抗菌薬が分解無しまたはオキサセフェム系抗菌薬が分解無しと判別され、過剰産生型AmpC産生菌、KPC型カルバペネマーゼ産生菌及びOXA型カルバペネマーゼ産生菌は、3系統の薬剤すべてが分解有りと判別され、MBL産生菌は、第一世代セフェム系抗菌薬が分解有り、モノバクタム系抗菌薬が分解無しと判別され、セファマイシン系抗菌薬が分解有りまたはオキサセフェム系抗菌薬が分解有りと判別される。したがって、第一世代セフェム系、モノバクタム系、及び、セファマイシン系またはオキサセフェム系からなる3系統の薬剤の各々を検出対象微生物に接触させた結果、第一世代セフェム系抗菌薬が分解有り、モノバクタム系抗菌薬が分解無しと判別され、かつ、セファマイシン系抗菌薬が分解無しまたはオキサセフェム系抗菌薬が分解無しと判別されれば、検出対象微生物はセファロスポリナーゼ産生菌(染色体性)であると判定され、第一世代セフェム系抗菌薬及びモノバクタム系抗菌薬が分解有りと判別され、かつ、セファマイシン系抗菌薬が分解無しまたはオキサセフェム系抗菌薬が分解無しと判別されれば、検出対象微生物はESBL産生菌であると判定され、第一世代セフェム系抗菌薬が分解有り、モノバクタム系抗菌薬が分解無しと判別され、かつ、セファマイシン系抗菌薬が分解有りまたはオキサセフェム系抗菌薬が分解有りと判別されれば、検出対象微生物はMBL産生菌であると判定される。以上のように、薬剤セット:(3−11)の試験を行うことにより、検出対象微生物がペニシリナーゼ以外のβ−ラクタマーゼを産生するか否かの確認、セファロスポリナーゼ(染色体性)の検出、ESBLの検出、MBLの検出が可能となる。
酵素分類の判定表1−3の薬剤セット:(3−12)は、ペニシリン系、モノバクタム系、及び、セファマイシン系またはオキサセフェム系からなる3系統の薬剤を試験する場合の判定表である。β−ラクタマーゼ非産生菌は3系統の薬剤すべてが分解無しと判別され、ペニシリナーゼ産生菌及びセファロスポリナーゼ産生菌(染色体性)は、ペニシリン系抗菌薬が分解有り、モノバクタム系抗菌薬が分解無しと判別され、セファマイシン系抗菌薬が分解無しまたはオキサセフェム系抗菌薬が分解無しと判別され、ESBL産生菌は、ペニシリン系抗菌薬及びモノバクタム系抗菌薬が分解有りと判別され、セファマイシン系抗菌薬が分解無しまたはオキサセフェム系抗菌薬が分解無しと判別され、過剰産生型AmpC産生菌、KPC型カルバペネマーゼ産生菌及びOXA型カルバペネマーゼ産生菌は、3系統の薬剤すべてが分解有りと判別され、MBL産生菌は、ペニシリン系抗菌薬が分解有り、モノバクタム系抗菌薬が分解無しと判別され、セファマイシン系抗菌薬が分解有りまたはオキサセフェム系抗菌薬が分解有りと判別される。したがって、ペニシリン系、モノバクタム系、及び、セファマイシン系またはオキサセフェム系からなる3系統の薬剤の各々を検出対象微生物に接触させた結果、3系統の薬剤すべてが分解無しと判別されれば、検出対象微生物はβ−ラクタマーゼ非産生菌であると判定され、ペニシリン系抗菌薬及びモノバクタム系抗菌薬が分解有りと判別され、かつ、セファマイシン系抗菌薬が分解無しまたはオキサセフェム系抗菌薬が分解無しと判別されれば、検出対象微生物はESBL産生菌であると判定され、ペニシリン系抗菌薬が分解有り、モノバクタム系抗菌薬が分解無しと判別され、かつ、セファマイシン系抗菌薬が分解有りまたはオキサセフェム系抗菌薬が分解有りと判別されれば、検出対象微生物はMBL産生菌であると判定される。以上のように、薬剤セット:(3−12)の試験を行うことにより、検出対象微生物のβ−ラクタマーゼ産生の有無の確認、ESBLの検出、MBLの検出が可能となる。
酵素分類の判定表1−3の薬剤セット:(3−13)は、第三世代セフェム系または第四世代セフェム系、モノバクタム系、及び、セファマイシン系またはオキサセフェム系からなる3系統の薬剤を試験する場合の判定表である。β−ラクタマーゼ非産生菌、ペニシリナーゼ産生菌及びセファロスポリナーゼ産生菌(染色体性)は、3系統の薬剤すべてが分解無しと判別され、ESBL産生菌は、第三世代セフェム系抗菌薬が分解有り若しくは分解無しまたは第四世代セフェム系抗菌薬が分解有り若しくは分解無しと判別され、モノバクタム系抗菌薬が分解有りと判別され、セファマイシン系抗菌薬が分解無しまたはオキサセフェム系抗菌薬が分解無しと判別され、過剰産生型AmpC産生菌、KPC型カルバペネマーゼ産生菌及びOXA型カルバペネマーゼ産生菌は、3系統の薬剤すべてが分解有りと判別され、MBL産生菌は、第三世代セフェム系抗菌薬が分解有りまたは第四世代セフェム系抗菌薬が分解有りと判別され、モノバクタム系抗菌薬が分解無しと判別され、セファマイシン系抗菌薬が分解有りまたはオキサセフェム系抗菌薬が分解有りと判別される。したがって、第三世代セフェム系または第四世代セフェム系、モノバクタム系、及び、セファマイシン系またはオキサセフェム系からなる3系統の薬剤の各々を検出対象微生物に接触させた結果、第三世代セフェム系抗菌薬が分解有り若しくは分解無しまたは第四世代セフェム系抗菌薬が分解有り若しくは分解無しと判別され、モノバクタム系抗菌薬が分解有りと判別され、かつ、セファマイシン系抗菌薬が分解無しまたはオキサセフェム系抗菌薬は分解無しと判別されれば、検出対象微生物はESBL産生菌であると判定され、第三世代セフェム系抗菌薬が分解有りまたは第四世代セフェム系抗菌薬が分解有りと判別され、モノバクタム系抗菌薬が分解無しと判別され、かつ、セファマイシン系抗菌薬が分解有りまたはオキサセフェム系抗菌薬が分解有りと判別されれば、検出対象微生物はMBL産生菌であると判定される。以上のように、薬剤セット:(3−13)の試験を行うことにより、検出対象微生物のESBLの検出、MBLの検出が可能となる。
酵素分類の判定表1−3の薬剤セット:(3−14)は、モノバクタム系、セファマイシン系またはオキサセフェム系、及びカルバペネム系からなる3系統の薬剤を試験する場合の判定表である。β−ラクタマーゼ非産生菌、ペニシリナーゼ産生菌及びセファロスポリナーゼ産生菌(染色体性)は、3系統の薬剤すべてが分解無しと判別され、ESBL産生菌は、モノバクタム系抗菌薬が分解有りと判別され、セファマイシン系抗菌薬が分解無しまたはオキサセフェム系抗菌薬が分解無しと判別され、カルバペネム系抗菌薬は分解無しと判別され、過剰産生型AmpC産生菌は、モノバクタム系抗菌薬が分解有りと判別され、セファマイシン系抗菌薬が分解有りまたはオキサセフェム系抗菌薬が分解有りと判別され、カルバペネム系抗菌薬は分解無しと判別され、MBL産生菌は、モノバクタム系抗菌薬が分解無しと判別され、セファマイシン系抗菌薬が分解有りまたはオキサセフェム系抗菌薬が分解有りと判別され、カルバペネム系抗菌薬が分解有りと判別され、KPC型カルバペネマーゼ産生菌及びOXA型カルバペネマーゼ産生菌は、3系統の薬剤すべてが分解有りと判別される。したがって、モノバクタム系、セファマイシン系またはオキサセフェム系、及びカルバペネム系からなる3系統の薬剤の各々を検出対象微生物に接触させた結果、モノバクタム系抗菌薬が分解有りと判別され、セファマイシン系抗菌薬が分解無しまたはオキサセフェム系抗菌薬が分解無しと判別され、かつ、カルバペネム系抗菌薬が分解無しと判別されれば、検出対象微生物はESBL産生菌であると判定され、モノバクタム系抗菌薬が分解有りと判別され、セファマイシン系抗菌薬が分解有りまたはオキサセフェム系抗菌薬が分解有りと判別され、カルバペネム系抗菌薬が分解無しと判別されれば、検出対象微生物は過剰産生型AmpC産生菌であると判定され、モノバクタム系抗菌薬が分解無しと判別され、セファマイシン系抗菌薬が分解有りまたはオキサセフェム系抗菌薬が分解有りと判別され、カルバペネム系抗菌薬が分解有りと判別されれば、検出対象微生物はMBL産生菌であると判定され、3系統の薬剤すべてが分解有りと判別されれば、検出対象微生物はKPC型カルバペネマーゼ産生菌またはOXA型カルバペネマーゼ産生菌であると判定される。以上のように、薬剤セット:(3−14)の試験を行うことにより、検出対象微生物の酵素分類(ESBL、過剰産生型AmpC、MBL、及び、KPC型カルバペネマーゼ若しくはOXA型カルバペネマーゼの分類)が可能となる。
酵素分類の判定表2−1の薬剤セット:(4−1)は、ペニシリン系、第一世代セフェム系、第三世代セフェム系または第四世代セフェム系、及びカルバペネム系からなる4系統の薬剤を試験する場合の判定表である。β−ラクタマーゼ非産生菌は4系統の薬剤すべてが分解無しと判別され、ペニシリナーゼ産生菌は、ペニシリン系抗菌薬が分解有り、第一世代セフェム系抗菌薬が分解無しと判別され、第三世代セフェム系抗菌薬が分解無しまたは第四世代セフェム系抗菌薬が分解無しと判別され、カルバペネム系抗菌薬が分解無しと判別され、セファロスポリナーゼ産生菌(染色体性)は、ペニシリン系抗菌薬及び第一世代セフェム系抗菌薬が分解有りと判別され、第三世代セフェム系抗菌薬が分解無しまたは第四世代セフェム系抗菌薬が分解無しと判別され、カルバペネム系抗菌薬が分解無しと判別され、ESBL産生菌は、ペニシリン系抗菌薬及び第一世代セフェム系抗菌薬が分解有りと判別され、第三世代セフェム系抗菌薬が分解有り若しくは分解無しまたは第四世代セフェム系抗菌薬が分解有り若しくは分解無しと判別され、カルバペネム系抗菌薬が分解無しと判別され、過剰産生型AmpC産生菌は、ペニシリン系抗菌薬及び第一世代セフェム系抗菌薬が分解有りと判別され、第三世代セフェム系抗菌薬が分解有りまたは第四世代セフェム系抗菌薬が分解有りと判別され、カルバペネム系抗菌薬が分解無しと判別され、MBL産生菌、KPC型カルバペネマーゼ産生菌及びOXA型カルバペネマーゼ産生菌は、4系統の薬剤すべてが分解有りと判別される。したがって、ペニシリン系、第一世代セフェム系、第三世代セフェム系または第四世代セフェム系、及びカルバペネム系からなる4系統の薬剤の各々を検出対象微生物に接触させた結果、4系統の薬剤すべてが分解無しと判別されれば、検出対象微生物はβ−ラクタマーゼ非産生菌であると判定され、ペニシリン系抗菌薬が分解有り、第一世代セフェム系抗菌薬が分解無しと判別され、第三世代セフェム系抗菌薬が分解無しまたは第四世代セフェム系抗菌薬が分解無しと判別され、かつ、カルバペネム系抗菌薬が分解無しと判別されれば、検出対象微生物はペニシリナーゼ産生菌であると判定され、4系統の薬剤すべてが分解有りと判別されれば、検出対象微生物はMBL産生菌、KPC型カルバペネマーゼ産生菌またはOXA型カルバペネマーゼ産生菌であると判定される。以上のように、薬剤セット:(4−1)の試験を行うことにより、検出対象微生物のβ−ラクタマーゼ産生の有無の確認、ペニシリナーゼの検出、カルバペネマーゼの検出(MBL、KPC型カルバペネマーゼまたはOXA型カルバペネマーゼであるか否かの検出)が可能となる。
酵素分類の判定表2−1の薬剤セット:(4−2)は、ペニシリン系、第一世代セフェム系、セファマイシン系またはオキサセフェム系、及びカルバペネム系からなる4系統の薬剤を試験する場合の判定表である。β−ラクタマーゼ非産生菌は4系統の薬剤すべてが分解無しと判別され、ペニシリナーゼ産生菌は、ペニシリン系抗菌薬が分解有り、第一世代セフェム系抗菌薬が分解無しと判別され、セファマイシン系抗菌薬が分解無しまたはオキサセフェム系抗菌薬が分解無しと判別され、カルバペネム系抗菌薬が分解無しと判別され、セファロスポリナーゼ産生菌(染色体性)及びESBL産生菌は、ペニシリン系抗菌薬及び第一世代セフェム系抗菌薬が分解有りと判別され、セファマイシン系抗菌薬が分解無しまたはオキサセフェム系抗菌薬が分解無しと判別され、カルバペネム系抗菌薬が分解無しと判別され、過剰産生型AmpC産生菌は、ペニシリン系抗菌薬及び第一世代セフェム系抗菌薬が分解有りと判別され、セファマイシン系抗菌薬が分解有りまたはオキサセフェム系抗菌薬が分解有りと判別され、カルバペネム系抗菌薬が分解無しと判別され、MBL産生菌、KPC型カルバペネマーゼ産生菌及びOXA型カルバペネマーゼ産生菌は、4系統の薬剤すべてが分解有りと判別される。したがって、ペニシリン系、第一世代セフェム系、セファマイシン系またはオキサセフェム系、及びカルバペネム系からなる4系統の薬剤の各々を検出対象微生物に接触させた結果、4系統の薬剤すべてが分解無しと判別されれば、検出対象微生物はβ−ラクタマーゼ非産生菌であると判定され、ペニシリン系抗菌薬が分解有り、第一世代セフェム系抗菌薬が分解無しと判別され、セファマイシン系抗菌薬が分解無しまたはオキサセフェム系抗菌薬が分解無しと判別され、かつ、カルバペネム系抗菌薬が分解無しと判別されれば、検出対象微生物はペニシリナーゼ産生菌であると判定され、ペニシリン系抗菌薬及び第一世代セフェム系抗菌薬が分解有りと判別され、セファマイシン系抗菌薬が分解有りまたはオキサセフェム系抗菌薬が分解有りと判別され、かつ、カルバペネム系抗菌薬が分解無しと判別されれば、検出対象微生物は過剰産生型AmpC産生菌であると判定され、4系統の薬剤すべてが分解有りと判別されれば、検出対象微生物はMBL産生菌、KPC型カルバペネマーゼ産生菌またはOXA型カルバペネマーゼ産生菌であると判定される。以上のように、薬剤セット:(4−2)の試験を行うことにより、検出対象微生物のβ−ラクタマーゼ産生の有無の確認、ペニシリナーゼの検出、過剰産生型AmpCの検出、カルバペネマーゼの検出(MBL、KPC型カルバペネマーゼまたはOXA型カルバペネマーゼであるか否かの検出)が可能となる。
酵素分類の判定表2−1の薬剤セット:(4−3)は、ペニシリン系、第三世代セフェム系または第四世代セフェム系、セファマイシン系またはオキサセフェム系、及びカルバペネム系からなる4系統の薬剤を試験する場合の判定表である。β−ラクタマーゼ非産生菌は4系統の薬剤すべてが分解無しと判別され、ペニシリナーゼ産生菌及びセファロスポリナーゼ産生菌(染色体性)は、ペニシリン系抗菌薬が分解有りと判別され、第三世代セフェム系抗菌薬が分解無しまたは第四世代セフェム系抗菌薬が分解無しと判別され、セファマイシン系抗菌薬が分解無しまたはオキサセフェム系抗菌薬が分解無しと判別され、カルバペネム系抗菌薬が分解無しと判別され、ESBL産生菌は、ペニシリン系抗菌薬が分解有りと判別され、第三世代セフェム系抗菌薬が分解有り若しくは分解無しまたは第四世代セフェム系抗菌薬が分解有り若しくは分解無しと判別され、セファマイシン系抗菌薬が分解無しまたはオキサセフェム系抗菌薬が分解無しと判別され、カルバペネム系抗菌薬が分解無しと判別され、過剰産生型AmpC産生菌は、ペニシリン系抗菌薬が分解有りと判別され、第三世代セフェム系抗菌薬が分解有りまたは第四世代セフェム系抗菌薬が分解有りと判別され、セファマイシン系抗菌薬が分解有りまたはオキサセフェム系抗菌薬が分解有りと判別され、カルバペネム系抗菌薬は分解無しと判別され、MBL産生菌、KPC型カルバペネマーゼ産生菌及びOXA型カルバペネマーゼ産生菌は、4系統の薬剤すべてが分解有りと判別される。したがって、ペニシリン系、第三世代セフェム系または第四世代セフェム系、セファマイシン系またはオキサセフェム系、及びカルバペネム系からなる4系統の薬剤の各々を検出対象微生物に接触させた結果、4系統の薬剤すべてが分解無しと判別されれば、検出対象微生物はβ−ラクタマーゼ非産生菌であると判定され、ペニシリン系抗菌薬が分解有りと判別され、第三世代セフェム系抗菌薬が分解有りまたは第四世代セフェム系抗菌薬が分解有りと判別され、セファマイシン系抗菌薬が分解有りまたはオキサセフェム系抗菌薬が分解有りと判別され、かつ、カルバペネム系抗菌薬が分解無しと判別されれば、検出対象微生物は過剰産生型AmpC産生菌であると判定され、4系統の薬剤すべてが分解有りと判別されれば、検出対象微生物はMBL産生菌、KPC型カルバペネマーゼ産生菌またはOXA型カルバペネマーゼ産生菌であると判定される。以上のように、薬剤セット:(4−3)の試験を行うことにより、検出対象微生物のβ−ラクタマーゼ産生の有無の確認、過剰産生型AmpCの検出、カルバペネマーゼの検出(MBL、KPC型カルバペネマーゼまたはOXA型カルバペネマーゼであるか否かの検出)が可能となる。
酵素分類の判定表2−1の薬剤セット:(4−4)は、第一世代セフェム系、第三世代セフェム系または第四世代セフェム系、セファマイシン系またはオキサセフェム系、及びカルバペネム系からなる4系統の薬剤を試験する場合の判定表である。β−ラクタマーゼ非産生菌及びペニシリナーゼ産生菌は4系統の薬剤すべてが分解無しと判別され、セファロスポリナーゼ産生菌(染色体性)は、第一世代セフェム系抗菌薬が分解有りと判別され、第三世代セフェム系抗菌薬が分解無しまたは第四世代セフェム系抗菌薬が分解無しと判別され、セファマイシン系抗菌薬が分解無しまたはオキサセフェム系抗菌薬が分解無しと判別され、カルバペネム系抗菌薬が分解無しと判別され、ESBL産生菌は、第一世代セフェム系抗菌薬が分解有りと判別され、第三世代セフェム系抗菌薬が分解有り若しくは分解無しまたは第四世代セフェム系抗菌薬が分解有り若しくは分解無しと判別され、セファマイシン系抗菌薬が分解無しまたはオキサセフェム系抗菌薬が分解無しと判別され、カルバペネム系抗菌薬が分解無しと判別され、過剰産生型AmpC産生菌は、第一世代セフェム系抗菌薬が分解有りと判別され、第三世代セフェム系抗菌薬が分解有りまたは第四世代セフェム系抗菌薬が分解有りと判別され、セファマイシン系抗菌薬が分解有りまたはオキサセフェム系抗菌薬が分解有りと判別され、カルバペネム系抗菌薬は分解無しと判別され、MBL産生菌、KPC型カルバペネマーゼ産生菌及びOXA型カルバペネマーゼ産生菌は、4系統の薬剤すべてが分解有りと判別される。したがって、第一世代セフェム系、第三世代セフェム系または第四世代セフェム系、セファマイシン系またはオキサセフェム系、及びカルバペネム系からなる4系統の薬剤の各々を検出対象微生物に接触させた結果、第一世代セフェム系抗菌薬が分解有りと判別され、第三世代セフェム系抗菌薬が分解有りまたは第四世代セフェム系抗菌薬が分解有りと判別され、セファマイシン系抗菌薬が分解有りまたはオキサセフェム系抗菌薬が分解有りと判別され、かつ、カルバペネム系抗菌薬は分解無しと判別されれば、検出対象微生物は過剰産生型AmpC産生菌であると判定され、4系統の薬剤すべてが分解有りと判別されれば、検出対象微生物はMBL産生菌、KPC型カルバペネマーゼ産生菌またはOXA型カルバペネマーゼ産生菌であると判定される。以上のように、薬剤セット:(4−4)の試験を行うことにより、検出対象微生物がペニシリナーゼ以外のβ−ラクタマーゼを産生するか否かの確認、過剰産生型AmpCの検出、カルバペネマーゼの検出(MBL、KPC型カルバペネマーゼまたはOXA型カルバペネマーゼであるか否かの検出)が可能となる。
酵素分類の判定表2−1の薬剤セット:(4−5)は、ペニシリン系、第一世代セフェム系、第三世代セフェム系または第四世代セフェム系、及び、セファマイシン系またはオキサセフェム系からなる4系統の薬剤を試験する場合の判定表である。β−ラクタマーゼ非産生菌は4系統の薬剤すべてが分解無しと判別され、ペニシリナーゼ産生菌は、ペニシリン系抗菌薬が分解有り、第一世代セフェム系抗菌薬が分解無しと判別され、第三世代セフェム系抗菌薬が分解無しまたは第四世代セフェム系抗菌薬が分解無しと判別され、セファマイシン系抗菌薬が分解無しまたはオキサセフェム系抗菌薬が分解無しと判別され、セファロスポリナーゼ産生菌(染色体性)は、ペニシリン系抗菌薬及び第一世代セフェム系抗菌薬が分解有りと判別され、第三世代セフェム系抗菌薬が分解無しまたは第四世代セフェム系抗菌薬が分解無しと判別され、セファマイシン系抗菌薬が分解無しまたはオキサセフェム系抗菌薬が分解無しと判別され、ESBL産生菌は、ペニシリン系抗菌薬及び第一世代セフェム系抗菌薬が分解有りと判別され、第三世代セフェム系抗菌薬が分解有り若しくは分解無しまたは第四世代セフェム系抗菌薬が分解有り若しくは分解無しと判別され、セファマイシン系抗菌薬が分解無しまたはオキサセフェム系抗菌薬が分解無しと判別され、過剰産生型AmpC産生菌、MBL産生菌、KPC型カルバペネマーゼ産生菌及びOXA型カルバペネマーゼ産生菌は、4系統の薬剤すべてが分解有りと判別される。したがって、ペニシリン系、第一世代セフェム系、第三世代セフェム系または第四世代セフェム系、及び、セファマイシン系またはオキサセフェム系からなる4系統の薬剤の各々を検出対象微生物に接触させた結果、4系統の薬剤すべてが分解無しと判別されれば、検出対象微生物はβ−ラクタマーゼ非産生菌であると判定され、ペニシリン系抗菌薬が分解有り、第一世代セフェム系抗菌薬が分解無しと判別され、第三世代セフェム系抗菌薬が分解無しまたは第四世代セフェム系抗菌薬が分解無しと判別され、かつ、セファマイシン系抗菌薬が分解無しまたはオキサセフェム系抗菌薬が分解無しと判別されれば、検出対象微生物はペニシリナーゼ産生菌であると判定され、4系統の薬剤すべてが分解有りと判別されれば、検出対象微生物は過剰産生型AmpC産生菌、MBL産生菌、KPC型カルバペネマーゼ産生菌またはOXA型カルバペネマーゼ産生菌であると判定される。以上のように、薬剤セット:(4−5)の試験を行うことにより、検出対象微生物のβ−ラクタマーゼ産生の有無の確認、ペニシリナーゼの検出、カルバペネマーゼ(MBL、KPC型カルバペネマーゼ若しくはOXA型カルバペネマーゼ)または過剰産生型AmpC であるか否かの検出が可能となる。薬剤セット:(4−5)では、カルバペネム系抗菌薬耐性の過剰産生型AmpC 産生菌を含めたカルバペネマーゼをスクリーニングすることができる。
酵素分類の判定表2−2の薬剤セット:(4−6)は、ペニシリン系、第一世代セフェム系、モノバクタム系、及びカルバペネム系からなる4系統の薬剤を試験する場合の判定表である。β−ラクタマーゼ非産生菌は4系統の薬剤すべてが分解無しと判別され、ペニシリナーゼ産生菌は、ペニシリン系抗菌薬が分解有り、第一世代セフェム系抗菌薬が分解無し、モノバクタム系抗菌薬が分解無し、カルバペネム系抗菌薬が分解無しと判別され、セファロスポリナーゼ産生菌(染色体性)は、ペニシリン系抗菌薬及び第一世代セフェム系抗菌薬が分解有りと判別され、モノバクタム系抗菌薬及びカルバペネム系抗菌薬が分解無しと判別され、ESBL産生菌及び過剰産生型AmpC産生菌は、ペニシリン系抗菌薬が分解有り、第一世代セフェム系抗菌薬が分解有り、モノバクタム系抗菌薬が分解有り、カルバペネム系抗菌薬が分解無しと判別され、MBL産生菌は、ペニシリン系抗菌薬及び第一世代セフェム系抗菌薬が分解有り、モノバクタム系抗菌薬が分解無し、カルバペネム系抗菌薬が分解有りと判別され、KPC型カルバペネマーゼ産生菌及びOXA型カルバペネマーゼ産生菌は、4系統の薬剤すべてが分解有りと判別される。したがって、ペニシリン系、第一世代セフェム系、モノバクタム系、及びカルバペネム系からなる4系統の薬剤の各々を検出対象微生物に接触させた結果、4系統の薬剤すべてが分解無しと判別されれば、検出対象微生物はβ−ラクタマーゼ非産生菌であると判定され、ペニシリン系抗菌薬が分解有り、第一世代セフェム系抗菌薬が分解無し、モノバクタム系抗菌薬が分解無し、かつ、カルバペネム系抗菌薬が分解無しと判別されれば、検出対象微生物はペニシリナーゼ産生菌であると判定され、ペニシリン系抗菌薬及び第一世代セフェム系抗菌薬が分解有りと判別され、かつ、モノバクタム系抗菌薬及びカルバペネム系抗菌薬が分解無しと判別されれば、検出対象微生物はセファロスポリナーゼ産生菌(染色体性)であると判定され、ペニシリン系抗菌薬及び第一世代セフェム系抗菌薬が分解有り、モノバクタム系抗菌薬が分解無し、かつ、カルバペネム系抗菌薬が分解有りと判別されれば、検出対象微生物はMBLであると判定され、4系統の薬剤すべてが分解有りと判別されれば、検出対象微生物はKPC型カルバペネマーゼ産生菌またはOXA型カルバペネマーゼ産生菌であると判定される。以上のように、薬剤セット:(4−6)の試験を行うことにより、検出対象微生物のβ−ラクタマーゼ産生の有無の確認、ペニシリナーゼの検出、セファロスポリナーゼ(染色体性)の検出、カルバペネマーゼの分類(MBLであるか、または、KPC型カルバペネマーゼ若しくはOXA型カルバペネマーゼであるかの分類)が可能となる。
酵素分類の判定表2−2の薬剤セット:(4−7)は、ペニシリン系、第三世代セフェム系または第四世代セフェム系、モノバクタム系、及びカルバペネム系からなる4系統の薬剤を試験する場合の判定表である。β−ラクタマーゼ非産生菌は4系統の薬剤すべてが分解無しと判別され、ペニシリナーゼ産生菌及びセファロスポリナーゼ産生菌(染色体性)は、ペニシリン系抗菌薬が分解有りと判別され、第三世代セフェム系抗菌薬が分解無しまたは第四世代セフェム系抗菌薬が分解無しと判別され、モノバクタム系抗菌薬が分解無しと判別され、カルバペネム系抗菌薬が分解無しと判別され、ESBL産生菌は、ペニシリン系抗菌薬が分解有りと判別され、第三世代セフェム系抗菌薬が分解有り若しくは分解無しまたは第四世代セフェム系抗菌薬が分解有り若しくは分解無しと判別され、モノバクタム系抗菌薬が分解有りと判別され、カルバペネム系抗菌薬が分解無しと判別され、過剰産生型AmpC産生菌は、ペニシリン系抗菌薬が分解有りと判別され、第三世代セフェム系抗菌薬が分解有りまたは第四世代セフェム系抗菌薬が分解有りと判別され、モノバクタム系抗菌薬が分解有りと判別され、カルバペネム系抗菌薬が分解無しと判別され、MBL産生菌は、ペニシリン系抗菌薬が分解有りと判別され、第三世代セフェム系抗菌薬が分解有りまたは第四世代セフェム系抗菌薬が分解有りと判別され、モノバクタム系抗菌薬が分解無しと判別され、カルバペネム系抗菌薬が分解有りと判別され、KPC型カルバペネマーゼ産生菌及びOXA型カルバペネマーゼ産生菌は、4系統の薬剤すべてが分解有りと判別される。したがって、ペニシリン系、第三世代セフェム系または第四世代セフェム系、モノバクタム系、及びカルバペネム系からなる4系統の薬剤の各々を検出対象微生物に接触させた結果、4系統の薬剤すべてが分解無しと判別されれば、検出対象微生物はβ−ラクタマーゼ非産生菌であると判定され、ペニシリン系抗菌薬が分解有りと判別され、第三世代セフェム系抗菌薬が分解有りまたは第四世代セフェム系抗菌薬が分解有りと判別され、モノバクタム系抗菌薬が分解無しと判別され、かつ、カルバペネム系抗菌薬が分解有りと判別されれば、検出対象微生物はMBLであると判定され、4系統の薬剤すべてが分解有りと判別されれば、検出対象微生物はKPC型カルバペネマーゼ産生菌またはOXA型カルバペネマーゼ産生菌であると判定される。以上のように、薬剤セット:(4−7)の試験を行うことにより、検出対象微生物のβ−ラクタマーゼ産生の有無の確認、カルバペネマーゼの分類(MBLであるか、または、KPC型カルバペネマーゼ若しくはOXA型カルバペネマーゼであるかの分類)が可能となる。
酵素分類の判定表2−2の薬剤セット:(4−8)は、第一世代セフェム系、第三世代セフェム系または第四世代セフェム系、モノバクタム系、及びカルバペネム系からなる4系統の薬剤を試験する場合の判定表である。β−ラクタマーゼ非産生菌及びペニシリナーゼ産生菌は4系統の薬剤すべてが分解無しと判別され、セファロスポリナーゼ産生菌(染色体性)は、第一世代セフェム系抗菌薬が分解有りと判別され、第三世代セフェム系抗菌薬が分解無しまたは第四世代セフェム系抗菌薬が分解無しと判別され、モノバクタム系抗菌薬が分解無しと判別され、カルバペネム系抗菌薬が分解無しと判別され、ESBL産生菌は、第一世代セフェム系抗菌薬が分解有りと判別され、第三世代セフェム系抗菌薬が分解有り若しくは分解無しまたは第四世代セフェム系抗菌薬が分解有り若しくは分解無しと判別され、モノバクタム系抗菌薬が分解有りと判別され、カルバペネム系抗菌薬が分解無しと判別され、過剰産生型AmpC産生菌は、第一世代セフェム系抗菌薬が分解有りと判別され、第三世代セフェム系抗菌薬が分解有りまたは第四世代セフェム系抗菌薬が分解有りと判別され、モノバクタム系抗菌薬が分解有りと判別され、カルバペネム系抗菌薬が分解無しと判別され、MBL産生菌は、第一世代セフェム系抗菌薬が分解有りと判別され、第三世代セフェム系抗菌薬が分解有りまたは第四世代セフェム系抗菌薬が分解有りと判別され、モノバクタム系抗菌薬が分解無しと判別され、カルバペネム系抗菌薬が分解有りと判別され、KPC型カルバペネマーゼ産生菌及びOXA型カルバペネマーゼ産生菌は、4系統の薬剤すべてが分解有りと判別される。したがって、第一世代セフェム系、第三世代セフェム系または第四世代セフェム系、モノバクタム系、及びカルバペネム系からなる4系統の薬剤の各々を検出対象微生物に接触させた結果、第一世代セフェム系抗菌薬が分解有りと判別され、第三世代セフェム系抗菌薬が分解無しまたは第四世代セフェム系抗菌薬が分解無しと判別され、モノバクタム系抗菌薬が分解無しと判別され、かつ、カルバペネム系抗菌薬が分解無しと判別されれば、検出対象微生物はセファロスポリナーゼ産生菌(染色体性)であると判定され、第一世代セフェム系抗菌薬が分解有りと判別され、第三世代セフェム系抗菌薬が分解有りまたは第四世代セフェム系抗菌薬が分解有りと判別され、モノバクタム系抗菌薬が分解無しと判別され、かつ、カルバペネム系抗菌薬が分解有りと判別されれば、検出対象微生物はMBLであると判定され、4系統の薬剤すべてが分解有りと判別されれば、検出対象微生物はKPC型カルバペネマーゼ産生菌またはOXA型カルバペネマーゼ産生菌であると判定される。以上のように、薬剤セット:(4−8)の試験を行うことにより、検出対象微生物がペニシリナーゼ以外のβ−ラクタマーゼを産生するか否かの確認、セファロスポリナーゼ(染色体性)の検出、カルバペネマーゼの分類(MBLであるか、または、KPC型カルバペネマーゼ若しくはOXA型カルバペネマーゼであるかの分類)が可能となる。
酵素分類の判定表2−2の薬剤セット:(4−9)は、ペニシリン系、第一世代セフェム系、モノバクタム系、及び、セファマイシン系またはオキサセフェム系からなる4系統の薬剤を試験する場合の判定表である。β−ラクタマーゼ非産生菌は4系統の薬剤すべてが分解無しと判別され、ペニシリナーゼ産生菌は、ペニシリン系抗菌薬が分解有り、第一世代セフェム系抗菌薬が分解無し、モノバクタム系抗菌薬が分解無しと判別され、セファマイシン系抗菌薬が分解無しまたはオキサセフェム系抗菌薬が分解無しと判別され、セファロスポリナーゼ産生菌(染色体性)は、ペニシリン系抗菌薬が分解有り、第一世代セフェム系抗菌薬が分解有り、モノバクタム系抗菌薬が分解無しと判別され、セファマイシン系抗菌薬が分解無しまたはオキサセフェム系抗菌薬が分解無しと判別され、ESBL産生菌は、ペニシリン系抗菌薬が分解有り、第一世代セフェム系抗菌薬が分解有り、モノバクタム系抗菌薬が分解有りと判別され、セファマイシン系抗菌薬が分解無しまたはオキサセフェム系抗菌薬が分解無しと判別され、過剰産生型AmpC産生菌、KPC型カルバペネマーゼ産生菌及びOXA型カルバペネマーゼ産生菌は、4系統の薬剤すべてが分解有りと判別され、MBL産生菌は、ペニシリン系抗菌薬が分解有り、第一世代セフェム系抗菌薬が分解有り、モノバクタム系抗菌薬が分解無しと判別され、セファマイシン系抗菌薬が分解有りまたはオキサセフェム系抗菌薬が分解有りと判別される。したがって、ペニシリン系、第一世代セフェム系、モノバクタム系、及び、セファマイシン系またはオキサセフェム系からなる4系統の薬剤の各々を検出対象微生物に接触させた結果、4系統の薬剤すべてが分解無しと判別されれば、検出対象微生物はβ−ラクタマーゼ非産生菌であると判定され、ペニシリン系抗菌薬が分解有り、第一世代セフェム系抗菌薬が分解無し、モノバクタム系抗菌薬が分解無しと判別され、かつ、セファマイシン系抗菌薬が分解無しまたはオキサセフェム系抗菌薬が分解無しと判別されれば、検出対象微生物はペニシリナーゼ産生菌であると判定され、ペニシリン系抗菌薬が分解有り、第一世代セフェム系抗菌薬が分解有り、モノバクタム系抗菌薬が分解無しと判別され、かつ、セファマイシン系抗菌薬が分解無しまたはオキサセフェム系抗菌薬が分解無しと判別されれれば、検出対象微生物はセファロスポリナーゼ産生菌(染色体性)であると判定され、ペニシリン系抗菌薬が分解有り、第一世代セフェム系抗菌薬が分解有り、モノバクタム系抗菌薬が分解有りと判別され、かつ、セファマイシン系抗菌薬が分解無しまたはオキサセフェム系抗菌薬が分解無しと判別されれば、検出対象微生物はESBL産生菌であると判定され、ペニシリン系抗菌薬が分解有り、第一世代セフェム系抗菌薬が分解有り、モノバクタム系抗菌薬が分解無しと判別され、かつ、セファマイシン系抗菌薬が分解有りまたはオキサセフェム系抗菌薬が分解有りと判別されれば、検出対象微生物はMBL産生菌であると判定される。以上のように、薬剤セット:(4−9)の試験を行うことにより、検出対象微生物のβ−ラクタマーゼ産生の有無の確認、ペニシリナーゼの検出、セファロスポリナーゼ(染色体性)の検出、ESBLの検出、MBLの検出が可能となる。
酵素分類の判定表2−2の薬剤セット:(4−10)は、ペニシリン系、第三世代セフェム系または第四世代セフェム系、モノバクタム系、及び、セファマイシン系またはオキサセフェム系からなる4系統の薬剤を試験する場合の判定表である。β−ラクタマーゼ非産生菌は4系統の薬剤すべてが分解無しと判別され、ペニシリナーゼ産生菌及びセファロスポリナーゼ産生菌(染色体性)は、ペニシリン系抗菌薬が分解有りと判別され、第三世代セフェム系抗菌薬が分解無しまたは第四世代セフェム系抗菌薬が分解無しと判別され、モノバクタム系抗菌薬が分解無しと判別され、セファマイシン系抗菌薬が分解無しまたはオキサセフェム系抗菌薬が分解無しと判別され、ESBL産生菌は、ペニシリン系抗菌薬が分解有りと判別され、第三世代セフェム系抗菌薬が分解有り若しくは分解無しまたは第四世代セフェム系抗菌薬が分解有り若しくは分解無しと判別され、モノバクタム系抗菌薬が分解有りと判別され、セファマイシン系抗菌薬が分解無しまたはオキサセフェム系抗菌薬が分解無しと判別され、過剰産生型AmpC産生菌、KPC型カルバペネマーゼ産生菌及びOXA型カルバペネマーゼ産生菌は、4系統の薬剤すべてが分解有りと判別され、MBL産生菌は、ペニシリン系抗菌薬が分解有りと判別され、第三世代セフェム系抗菌薬が分解有りまたは第四世代セフェム系抗菌薬が分解有りと判別され、モノバクタム系抗菌薬が分解無しと判別され、セファマイシン系抗菌薬が分解有りまたはオキサセフェム系抗菌薬が分解有りと判別される。したがって、ペニシリン系、第三世代セフェム系または第四世代セフェム系、モノバクタム系、及び、セファマイシン系またはオキサセフェム系からなる4系統の薬剤の各々を検出対象微生物に接触させた結果、4系統の薬剤すべてが分解無しと判別されれば、検出対象微生物はβ−ラクタマーゼ非産生菌であると判定され、ペニシリン系抗菌薬が分解有りと判別され、第三世代セフェム系抗菌薬が分解有り若しくは分解無しまたは第四世代セフェム系抗菌薬が分解有り若しくは分解無しと判別され、モノバクタム系抗菌薬が分解有りと判別され、かつ、セファマイシン系抗菌薬が分解無しまたはオキサセフェム系抗菌薬が分解無しと判別されれば、検出対象微生物はESBL産生菌であると判定され、ペニシリン系抗菌薬が分解有りと判別され、第三世代セフェム系抗菌薬が分解有りまたは第四世代セフェム系抗菌薬が分解有りと判別され、モノバクタム系抗菌薬が分解無しと判別され、セファマイシン系抗菌薬が分解有りまたはオキサセフェム系抗菌薬が分解有りと判別されれば、検出対象微生物はMBLであると判定される。以上のように、薬剤セット:(4−10)の試験を行うことにより、検出対象微生物のβ−ラクタマーゼ産生の有無の確認、ESBLの検出、MBLの検出が可能となる。
酵素分類の判定表2−2の薬剤セット:(4−11)は、第一世代セフェム系、第三世代セフェム系または第四世代セフェム系、モノバクタム系、及び、セファマイシン系またはオキサセフェム系からなる4系統の薬剤を試験する場合の判定表である。β−ラクタマーゼ非産生菌及びペニシリナーゼ産生菌は4系統の薬剤すべてが分解無しと判別され、セファロスポリナーゼ産生菌(染色体性)は、第一世代セフェム系抗菌薬が分解有りと判別され、第三世代セフェム系抗菌薬が分解無しまたは第四世代セフェム系抗菌薬が分解無しと判別され、モノバクタム系抗菌薬が分解無しと判別され、セファマイシン系抗菌薬が分解無しまたはオキサセフェム系抗菌薬が分解無しと判別され、ESBL産生菌は、第一世代セフェム系抗菌薬が分解有りと判別され、第三世代セフェム系抗菌薬が分解有り若しくは分解無しまたは第四世代セフェム系抗菌薬が分解有り若しくは分解無しと判別され、モノバクタム系抗菌薬が分解有りと判別され、セファマイシン系抗菌薬が分解無しまたはオキサセフェム系抗菌薬が分解無しと判別され、過剰産生型AmpC産生菌、KPC型カルバペネマーゼ産生菌及びOXA型カルバペネマーゼ産生菌は、4系統の薬剤すべてが分解有りと判別され、MBL産生菌は、第一世代セフェム系抗菌薬が分解有りと判別され、第三世代セフェム系抗菌薬が分解有りまたは第四世代セフェム系抗菌薬が分解有りと判別され、モノバクタム系抗菌薬が分解無しと判別され、セファマイシン系抗菌薬が分解有りまたはオキサセフェム系抗菌薬が分解有りと判別される。したがって、第一世代セフェム系、第三世代セフェム系または第四世代セフェム系、モノバクタム系、及び、セファマイシン系またはオキサセフェム系からなる4系統の薬剤の各々を検出対象微生物に接触させた結果、第一世代セフェム系抗菌薬が分解有りと判別され、第三世代セフェム系抗菌薬が分解無しまたは第四世代セフェム系抗菌薬が分解無しと判別され、モノバクタム系抗菌薬が分解無しと判別され、かつ、セファマイシン系抗菌薬が分解無しまたはオキサセフェム系抗菌薬が分解無しと判別されれば、検出対象微生物はセファロスポリナーゼ産生菌(染色体性)であると判定され、第一世代セフェム系抗菌薬が分解有りと判別され、第三世代セフェム系抗菌薬が分解有り若しくは分解無しまたは第四世代セフェム系抗菌薬が分解有り若しくは分解無しと判別され、モノバクタム系抗菌薬が分解有りと判別され、かつ、セファマイシン系抗菌薬が分解無しまたはオキサセフェム系抗菌薬が分解無しと判別されれば、検出対象微生物はESBL産生菌であると判定され、第一世代セフェム系抗菌薬が分解有りと判別され、第三世代セフェム系抗菌薬が分解有りまたは第四世代セフェム系抗菌薬が分解有りと判別され、モノバクタム系抗菌薬が分解無しと判別され、かつ、セファマイシン系抗菌薬が分解有りまたはオキサセフェム系抗菌薬が分解有りと判別されれば、検出対象微生物はMBLであると判定される。以上のように、薬剤セット:(4−11)の試験を行うことにより、検出対象微生物がペニシリナーゼ以外のβ−ラクタマーゼを産生するか否かの確認、セファロスポリナーゼ(染色体性)の検出、ESBLの検出、MBLの検出が可能となる。
酵素分類の判定表2−3の薬剤セット:(4−12)は、ペニシリン系、第一世代セフェム系、第三世代セフェム系または第四世代セフェム系、及びモノバクタム系からなる4系統の薬剤を試験する場合の判定表である。β−ラクタマーゼ非産生菌は4系統の薬剤すべてが分解無しと判別され、ペニシリナーゼ産生菌は、ペニシリン系抗菌薬が分解有り、第一世代セフェム系抗菌薬が分解無しと判別され、第三世代セフェム系抗菌薬が分解無しまたは第四世代セフェム系抗菌薬が分解無しと判別され、モノバクタム系抗菌薬が分解無しと判別され、セファロスポリナーゼ産生菌(染色体性)は、ペニシリン系抗菌薬が分解有り、第一世代セフェム系抗菌薬が分解有りと判別され、第三世代セフェム系抗菌薬が分解無しまたは第四世代セフェム系抗菌薬が分解無しと判別され、モノバクタム系抗菌薬が分解無しと判別され、ESBL産生菌は、ペニシリン系抗菌薬が分解有り、第一世代セフェム系抗菌薬が分解有りと判別され、第三世代セフェム系抗菌薬が分解有り若しくは分解無しまたは第四世代セフェム系抗菌薬が分解有り若しくは分解無しと判別され、モノバクタム系抗菌薬が分解有りと判別され、過剰産生型AmpC産生菌、KPC型カルバペネマーゼ産生菌及びOXA型カルバペネマーゼ産生菌は、4系統の薬剤すべてが分解有りと判別され、MBL産生菌は、ペニシリン系抗菌薬が分解有り、第一世代セフェム系抗菌薬が分解有りと判別され、第三世代セフェム系抗菌薬が分解有りまたは第四世代セフェム系抗菌薬が分解有りと判別され、モノバクタム系抗菌薬が分解無しと判別される。したがって、ペニシリン系、第一世代セフェム系、第三世代セフェム系または第四世代セフェム系、及びモノバクタム系からなる4系統の薬剤の各々を検出対象微生物に接触させた結果、4系統の薬剤すべてが分解無しと判別されれば、検出対象微生物はβ−ラクタマーゼ非産生菌であると判定され、ペニシリン系抗菌薬が分解有り、第一世代セフェム系抗菌薬が分解無しと判別され、第三世代セフェム系抗菌薬が分解無しまたは第四世代セフェム系抗菌薬が分解無しと判別され、かつ、モノバクタム系抗菌薬が分解無しと判別されれば、検出対象微生物はペニシリナーゼ産生菌であると判定され、ペニシリン系抗菌薬が分解有り、第一世代セフェム系抗菌薬が分解有りと判別され、第三世代セフェム系抗菌薬が分解無しまたは第四世代セフェム系抗菌薬が分解無しと判別され、かつ、モノバクタム系抗菌薬が分解無しと判別されれば、検出対象微生物はセファロスポリナーゼ産生菌(染色体性)であると判定され、ペニシリン系抗菌薬が分解有り、第一世代セフェム系抗菌薬が分解有りと判別され、第三世代セフェム系抗菌薬が分解有りまたは第四世代セフェム系抗菌薬が分解有りと判別され、かつ、モノバクタム系抗菌薬が分解無しと判別されれば、検出対象微生物はMBLであると判定される。以上のように、薬剤セット:(4−12)の試験を行うことにより、検出対象微生物のβ−ラクタマーゼ産生の有無の確認、ペニシリナーゼの検出、セファロスポリナーゼ(染色体性)の検出、MBLの検出が可能となる。
酵素分類の判定表2−3の薬剤セット:(4−13)は、ペニシリン系、モノバクタム系、セファマイシン系またはオキサセフェム系、及びカルバペネム系からなる4系統の薬剤を試験する場合の判定表である。β−ラクタマーゼ非産生菌は4系統の薬剤すべてが分解無しと判別され、ペニシリナーゼ産生菌及びセファロスポリナーゼ産生菌(染色体性)は、ペニシリン系抗菌薬が分解有り、モノバクタム系抗菌薬が分解無しと判別され、セファマイシン系抗菌薬が分解無しまたはオキサセフェム系抗菌薬が分解無しと判別され、カルバペネム系抗菌薬が分解無しと判別され、ESBL産生菌は、ペニシリン系抗菌薬が分解有り、モノバクタム系抗菌薬が分解有りと判別され、セファマイシン系抗菌薬が分解無しまたはオキサセフェム系抗菌薬が分解無しと判別され、カルバペネム系抗菌薬が分解無しと判別され、過剰産生型AmpC産生菌は、ペニシリン系抗菌薬が分解有り、モノバクタム系抗菌薬が分解有りと判別され、セファマイシン系抗菌薬が分解有りまたはオキサセフェム系抗菌薬が分解有りと判別され、カルバペネム系抗菌薬が分解無しと判別され、MBL産生菌は、ペニシリン系抗菌薬が分解有り、モノバクタム系抗菌薬が分解無しと判別され、セファマイシン系抗菌薬が分解有りまたはオキサセフェム系抗菌薬が分解有りと判別され、カルバペネム系抗菌薬が分解有りと判別され、KPC型カルバペネマーゼ産生菌及びOXA型カルバペネマーゼ産生菌は、4系統の薬剤すべてが分解有りと判別される。したがって、ペニシリン系、モノバクタム系、セファマイシン系またはオキサセフェム系、及びカルバペネム系からなる4系統の薬剤の各々を検出対象微生物に接触させた結果、4系統の薬剤すべてが分解無しと判別されれば、検出対象微生物はβ−ラクタマーゼ非産生菌であると判定され、ペニシリン系抗菌薬が分解有り、モノバクタム系抗菌薬が分解有りと判別され、セファマイシン系抗菌薬が分解無しまたはオキサセフェム系抗菌薬が分解無しと判別され、かつ、カルバペネム系抗菌薬が分解無しと判別されれば、検出対象微生物はESBL産生菌であると判定され、ペニシリン系抗菌薬が分解有り、モノバクタム系抗菌薬が分解有りと判別され、セファマイシン系抗菌薬が分解有りまたはオキサセフェム系抗菌薬が分解有りと判別され、かつ、カルバペネム系抗菌薬が分解無しと判別されれば、検出対象微生物は過剰産生型AmpC産生菌であると判定され、ペニシリン系抗菌薬が分解有り、モノバクタム系抗菌薬が分解無しと判別され、セファマイシン系抗菌薬が分解有りまたはオキサセフェム系抗菌薬が分解有りと判別され、かつ、カルバペネム系抗菌薬が分解有りと判別されれば、検出対象微生物はMBLであると判定され、4系統の薬剤すべてが分解有りと判別されれば、検出対象微生物はKPC型カルバペネマーゼ産生菌またはOXA型カルバペネマーゼ産生菌であると判定される。以上のように、薬剤セット:(4−13)の試験を行うことにより、検出対象微生物のβ−ラクタマーゼ産生の有無の確認、検出対象微生物の酵素分類(ESBL、過剰産生型AmpC、MBL、及び、KPC型カルバペネマーゼ若しくはOXA型カルバペネマーゼの分類)が可能となる。
酵素分類の判定表2−3の薬剤セット:(4−14)は、第一世代セフェム系、モノバクタム系、セファマイシン系またはオキサセフェム系、及びカルバペネム系からなる4系統の薬剤を試験する場合の判定表である。β−ラクタマーゼ非産生菌及びペニシリナーゼ産生菌は4系統の薬剤すべてが分解無しと判別され、セファロスポリナーゼ産生菌(染色体性)は、第一世代セフェム系抗菌薬が分解有り、モノバクタム系抗菌薬が分解無しと判別され、セファマイシン系抗菌薬が分解無しまたはオキサセフェム系抗菌薬が分解無しと判別され、カルバペネム系抗菌薬が分解無しと判別され、ESBL産生菌は、第一世代セフェム系抗菌薬が分解有り、モノバクタム系抗菌薬が分解有りと判別され、セファマイシン系抗菌薬が分解無しまたはオキサセフェム系抗菌薬が分解無しと判別され、カルバペネム系抗菌薬が分解無しと判別され、過剰産生型AmpC産生菌は、第一世代セフェム系抗菌薬が分解有り、モノバクタム系抗菌薬が分解有りと判別され、セファマイシン系抗菌薬が分解有りまたはオキサセフェム系抗菌薬が分解有りと判別され、カルバペネム系抗菌薬が分解無しと判別され、MBL産生菌は、第一世代セフェム系抗菌薬が分解有り、モノバクタム系抗菌薬が分解無しと判別され、セファマイシン系抗菌薬が分解有りまたはオキサセフェム系抗菌薬が分解有りと判別され、カルバペネム系抗菌薬が分解有りと判別され、KPC型カルバペネマーゼ産生菌及びOXA型カルバペネマーゼ産生菌は、4系統の薬剤すべてが分解有りと判別される。したがって、第一世代セフェム系、モノバクタム系、セファマイシン系またはオキサセフェム系、及びカルバペネム系からなる4系統の薬剤の各々を検出対象微生物に接触させた結果、第一世代セフェム系抗菌薬が分解有り、モノバクタム系抗菌薬が分解無しと判別され、セファマイシン系抗菌薬が分解無しまたはオキサセフェム系抗菌薬が分解無しと判別され、かつ、カルバペネム系抗菌薬が分解無しと判別されれば、検出対象微生物はセファロスポリナーゼ産生菌(染色体性)であると判定され、第一世代セフェム系抗菌薬が分解有り、モノバクタム系抗菌薬が分解有りと判別され、セファマイシン系抗菌薬が分解無しまたはオキサセフェム系抗菌薬が分解無しと判別され、かつ、カルバペネム系抗菌薬が分解無しと判別されれば、検出対象微生物はESBL産生菌であると判定され、第一世代セフェム系抗菌薬が分解有り、モノバクタム系抗菌薬が分解有りと判別され、セファマイシン系抗菌薬が分解有りまたはオキサセフェム系抗菌薬が分解有りと判別され、かつ、カルバペネム系抗菌薬が分解無しと判別されれば、検出対象微生物は過剰産生型AmpC産生菌であると判定され、第一世代セフェム系抗菌薬が分解有り、モノバクタム系抗菌薬が分解無しと判別され、セファマイシン系抗菌薬が分解有りまたはオキサセフェム系抗菌薬が分解有りと判別され、かつ、カルバペネム系抗菌薬が分解有りと判別されれば、検出対象微生物はMBLであると判定され、4系統の薬剤すべてが分解有りと判別されれば、検出対象微生物はKPC型カルバペネマーゼ産生菌またはOXA型カルバペネマーゼ産生菌であると判定される。以上のように、薬剤セット:(4−14)の試験を行うことにより、検出対象微生物の酵素分類(セファロスポリナーゼ(染色体性)、ESBL、過剰産生型AmpC、MBL、及び、KPC型カルバペネマーゼ若しくはOXA型カルバペネマーゼの分類)が可能となる。
酵素分類の判定表2−3の薬剤セット:(4−15)は、第三世代セフェム系または第四世代セフェム系、モノバクタム系、セファマイシン系またはオキサセフェム系、及びカルバペネム系からなる4系統の薬剤を試験する場合の判定表である。β−ラクタマーゼ非産生菌、ペニシリナーゼ産生菌及びセファロスポリナーゼ産生菌(染色体性)は4系統の薬剤すべてが分解無しと判別され、ESBL産生菌は、第三世代セフェム系抗菌薬が分解有り若しくは分解無しまたは第四世代セフェム系抗菌薬が分解有り若しくは分解無しと判別され、モノバクタム系抗菌薬が分解有りと判別され、セファマイシン系抗菌薬が分解無しまたはオキサセフェム系抗菌薬が分解無しと判別され、カルバペネム系抗菌薬が分解無しと判別され、過剰産生型AmpC産生菌は、第三世代セフェム系抗菌薬が分解有りまたは第四世代セフェム系抗菌薬が分解有りと判別され、モノバクタム系抗菌薬が分解有りと判別され、セファマイシン系抗菌薬が分解有りまたはオキサセフェム系抗菌薬が分解有りと判別され、カルバペネム系抗菌薬が分解無しと判別され、MBL産生菌は、第三世代セフェム系抗菌薬が分解有りまたは第四世代セフェム系抗菌薬が分解有りと判別され、モノバクタム系抗菌薬が分解無しと判別され、セファマイシン系抗菌薬が分解有りまたはオキサセフェム系抗菌薬が分解有りと判別され、カルバペネム系抗菌薬が分解有りと判別され、KPC型カルバペネマーゼ産生菌及びOXA型カルバペネマーゼ産生菌は、4系統の薬剤すべてが分解有りと判別される。したがって、第三世代セフェム系または第四世代セフェム系、モノバクタム系、セファマイシン系またはオキサセフェム系、及びカルバペネム系からなる4系統の薬剤の各々を検出対象微生物に接触させた結果、第三世代セフェム系抗菌薬が分解有り若しくは分解無しまたは第四世代セフェム系抗菌薬が分解有り若しくは分解無しと判別され、モノバクタム系抗菌薬が分解有りと判別され、セファマイシン系抗菌薬が分解無しまたはオキサセフェム系抗菌薬が分解無しと判別され、かつ、カルバペネム系抗菌薬が分解無しと判別されれば、検出対象微生物はESBL産生菌であると判定され、第三世代セフェム系抗菌薬が分解有りまたは第四世代セフェム系抗菌薬が分解有りと判別され、モノバクタム系抗菌薬が分解有りと判別され、セファマイシン系抗菌薬が分解有りまたはオキサセフェム系抗菌薬が分解有りと判別され、かつ、カルバペネム系抗菌薬が分解無しと判別されれば、検出対象微生物は過剰産生型AmpC産生菌であると判定され、第三世代セフェム系抗菌薬が分解有りまたは第四世代セフェム系抗菌薬が分解有りと判別され、モノバクタム系抗菌薬が分解無しと判別され、セファマイシン系抗菌薬が分解有りまたはオキサセフェム系抗菌薬が分解有りと判別され、かつ、カルバペネム系抗菌薬が分解有りと判別されれば、検出対象微生物はMBLであると判定され、4系統の薬剤すべてが分解有りと判別されれば、検出対象微生物はKPC型カルバペネマーゼ産生菌またはOXA型カルバペネマーゼ産生菌であると判定される。以上のように、薬剤セット:(4−15)の試験を行うことにより、検検出対象微生物の酵素分類(ESBL、過剰産生型AmpC、MBL、及び、KPC型カルバペネマーゼ若しくはOXA型カルバペネマーゼの分類)が可能となる。
酵素分類の判定表3の薬剤セット:(5−1)は、ペニシリン系、第一世代セフェム系、第三世代セフェム系または第四世代セフェム系、セファマイシン系またはオキサセフェム系、及びカルバペネム系からなる5系統の薬剤を試験する場合の判定表である。β−ラクタマーゼ非産生菌は5系統の薬剤すべてが分解無しと判別され、ペニシリナーゼ産生菌は、ペニシリン系抗菌薬が分解有り、第一世代セフェム系抗菌薬が分解無しと判別され、第三世代セフェム系抗菌薬が分解無しまたは第四世代セフェム系抗菌薬が分解無しと判別され、セファマイシン系抗菌薬が分解無しまたはオキサセフェム系抗菌薬が分解無しと判別され、カルバペネム系抗菌薬が分解無しと判別され、セファロスポリナーゼ産生菌(染色体性)は、ペニシリン系抗菌薬が分解有り、第一世代セフェム系抗菌薬が分解有りと判別され、第三世代セフェム系抗菌薬が分解無しまたは第四世代セフェム系抗菌薬が分解無しと判別され、セファマイシン系抗菌薬が分解無しまたはオキサセフェム系抗菌薬が分解無しと判別され、カルバペネム系抗菌薬が分解無しと判別され、ESBL産生菌は、ペニシリン系抗菌薬が分解有り、第一世代セフェム系抗菌薬が分解有りと判別され、第三世代セフェム系抗菌薬が分解有り若しくは分解無しまたは第四世代セフェム系抗菌薬が分解有り若しくは分解無しと判別され、セファマイシン系抗菌薬が分解無しまたはオキサセフェム系抗菌薬が分解無しと判別され、カルバペネム系抗菌薬が分解無しと判別され、過剰産生型AmpC産生菌は、ペニシリン系抗菌薬が分解有り、第一世代セフェム系抗菌薬が分解有りと判別され、第三世代セフェム系抗菌薬が分解有りまたは第四世代セフェム系抗菌薬が分解有りと判別され、セファマイシン系抗菌薬が分解有りまたはオキサセフェム系抗菌薬が分解有りと判別され、カルバペネム系抗菌薬が分解無しと判別され、MBL産生菌、KPC型カルバペネマーゼ産生菌及びOXA型カルバペネマーゼ産生菌は、5系統の薬剤すべてが分解有りと判別される。したがって、ペニシリン系、第一世代セフェム系、第三世代セフェム系または第四世代セフェム系、セファマイシン系またはオキサセフェム系、及びカルバペネム系からなる5系統の薬剤の各々を検出対象微生物に接触させた結果、5系統の薬剤すべてが分解無しと判別されれば、検出対象微生物はβ−ラクタマーゼ非産生菌であると判定され、ペニシリン系抗菌薬が分解有り、第一世代セフェム系抗菌薬が分解無しと判別され、第三世代セフェム系抗菌薬が分解無しまたは第四世代セフェム系抗菌薬が分解無しと判別され、セファマイシン系抗菌薬が分解無しまたはオキサセフェム系抗菌薬が分解無しと判別され、かつ、カルバペネム系抗菌薬が分解無しと判別されれば、検出対象微生物はペニシリナーゼ産生菌であると判定され、ペニシリン系抗菌薬が分解有り、第一世代セフェム系抗菌薬が分解有りと判別され、第三世代セフェム系抗菌薬が分解有りまたは第四世代セフェム系抗菌薬が分解有りと判別され、セファマイシン系抗菌薬が分解有りまたはオキサセフェム系抗菌薬が分解有りと判別され、カルバペネム系抗菌薬が分解無しと判別されれば、検出対象微生物は過剰産生型AmpC産生菌であると判定され、5系統の薬剤すべてが分解有りと判別されれば、検出対象微生物はMBL産生菌、KPC型カルバペネマーゼ産生菌またはOXA型カルバペネマーゼ産生菌であると判定される。以上のように、薬剤セット:(5−1)の試験を行うことにより、検出対象微生物のβ−ラクタマーゼ産生の有無の確認、ペニシリナーゼの検出、過剰産生型AmpCの検出、カルバペネマーゼの検出(MBL、KPC型カルバペネマーゼまたはOXA型カルバペネマーゼであるか否かの検出)が可能となる。
酵素分類の判定表3の薬剤セット:(5−2)は、ペニシリン系、第一世代セフェム系、第三世代セフェム系または第四世代セフェム系、モノバクタム系、及びカルバペネム系からなる5系統の薬剤を試験する場合の判定表である。β−ラクタマーゼ非産生菌は5系統の薬剤すべてが分解無しと判別され、ペニシリナーゼ産生菌は、ペニシリン系抗菌薬が分解有り、第一世代セフェム系抗菌薬が分解無しと判別され、第三世代セフェム系抗菌薬が分解無しまたは第四世代セフェム系抗菌薬が分解無しと判別され、モノバクタム系抗菌薬が分解無しと判別され、カルバペネム系抗菌薬が分解無しと判別され、セファロスポリナーゼ産生菌(染色体性)は、ペニシリン系抗菌薬が分解有り、第一世代セフェム系抗菌薬が分解有りと判別され、第三世代セフェム系抗菌薬が分解無しまたは第四世代セフェム系抗菌薬が分解無しと判別され、モノバクタム系抗菌薬が分解無しと判別され、カルバペネム系抗菌薬が分解無しと判別され、ESBL産生菌は、ペニシリン系抗菌薬が分解有り、第一世代セフェム系抗菌薬が分解有りと判別され、第三世代セフェム系抗菌薬が分解有り若しくは分解無しまたは第四世代セフェム系抗菌薬が分解有り若しくは分解無しと判別され、モノバクタム系抗菌薬が分解有りと判別され、カルバペネム系抗菌薬が分解無しと判別され、過剰産生型AmpC産生菌は、ペニシリン系抗菌薬が分解有り、第一世代セフェム系抗菌薬が分解有りと判別され、第三世代セフェム系抗菌薬が分解有りまたは第四世代セフェム系抗菌薬が分解有りと判別され、モノバクタム系抗菌薬が分解有りと判別され、カルバペネム系抗菌薬が分解無しと判別され、MBL産生菌は、ペニシリン系抗菌薬が分解有り、第一世代セフェム系抗菌薬が分解有りと判別され、第三世代セフェム系抗菌薬が分解有りまたは第四世代セフェム系抗菌薬が分解有りと判別され、モノバクタム系抗菌薬が分解無しと判別され、カルバペネム系抗菌薬が分解有りと判別され、KPC型カルバペネマーゼ産生菌及びOXA型カルバペネマーゼ産生菌は、5系統の薬剤すべてが分解有りと判別される。したがって、ペニシリン系、第一世代セフェム系、第三世代セフェム系または第四世代セフェム系、モノバクタム系、及びカルバペネム系からなる5系統の薬剤の各々を検出対象微生物に接触させた結果、5系統の薬剤すべてが分解無しと判別されれば、検出対象微生物はβ−ラクタマーゼ非産生菌であると判定され、ペニシリン系抗菌薬が分解有り、第一世代セフェム系抗菌薬が分解無しと判別され、第三世代セフェム系抗菌薬が分解無しまたは第四世代セフェム系抗菌薬が分解無しと判別され、モノバクタム系抗菌薬が分解無しと判別され、かつ、カルバペネム系抗菌薬が分解無しと判別されれば、検出対象微生物はペニシリナーゼ産生菌であると判定され、ペニシリン系抗菌薬が分解有り、第一世代セフェム系抗菌薬が分解有りと判別され、第三世代セフェム系抗菌薬が分解無しまたは第四世代セフェム系抗菌薬が分解無しと判別され、モノバクタム系抗菌薬が分解無しと判別され、かつ、カルバペネム系抗菌薬が分解無しと判別されれば、検出対象微生物はセファロスポリナーゼ産生菌(染色体性)であると判定され、ペニシリン系抗菌薬が分解有り、第一世代セフェム系抗菌薬が分解有りと判別され、第三世代セフェム系抗菌薬が分解有りまたは第四世代セフェム系抗菌薬が分解有りと判別され、モノバクタム系抗菌薬が分解無しと判別され、かつ、カルバペネム系抗菌薬が分解有りと判別されれば、検出対象微生物はMBL産生菌であると判定され、5系統の薬剤すべてが分解有りと判別されれば、検出対象微生物はKPC型カルバペネマーゼ産生菌またはOXA型カルバペネマーゼ産生菌であると判定される。以上のように、薬剤セット:(5−2)の試験を行うことにより、検出対象微生物のβ−ラクタマーゼ産生の有無の確認、ペニシリナーゼの検出、セファロスポリナーゼ(染色体性)の検出、カルバペネマーゼの分類(MBLであるか、または、KPC型カルバペネマーゼ若しくはOXA型カルバペネマーゼであるかの分類)が可能となる。
酵素分類の判定表3の薬剤セット:(5−3)は、ペニシリン系、第一世代セフェム系、第三世代セフェム系または第四世代セフェム系、モノバクタム系、及び、セファマイシン系またはオキサセフェム系からなる5系統の薬剤を試験する場合の判定表である。β−ラクタマーゼ非産生菌は5系統の薬剤すべてが分解無しと判別され、ペニシリナーゼ産生菌は、ペニシリン系抗菌薬が分解有り、第一世代セフェム系抗菌薬が分解無しと判別され、第三世代セフェム系抗菌薬が分解無しまたは第四世代セフェム系抗菌薬が分解無しと判別され、モノバクタム系抗菌薬が分解無しと判別され、セファマイシン系抗菌薬が分解無しまたはオキサセフェム系抗菌薬が分解無しと判別され、セファロスポリナーゼ産生菌(染色体性)は、ペニシリン系抗菌薬が分解有り、第一世代セフェム系抗菌薬が分解有りと判別され、第三世代セフェム系抗菌薬が分解無しまたは第四世代セフェム系抗菌薬が分解無しと判別され、モノバクタム系抗菌薬が分解無しと判別され、セファマイシン系抗菌薬が分解無しまたはオキサセフェム系抗菌薬が分解無しと判別され、ESBL産生菌は、ペニシリン系抗菌薬が分解有り、第一世代セフェム系抗菌薬が分解有りと判別され、第三世代セフェム系抗菌薬が分解有り若しくは分解無しまたは第四世代セフェム系抗菌薬が分解有り若しくは分解無しと判別され、モノバクタム系抗菌薬が分解有りと判別され、セファマイシン系抗菌薬が分解無しまたはオキサセフェム系抗菌薬が分解無しと判別され、過剰産生型AmpC産生菌、KPC型カルバペネマーゼ産生菌及びOXA型カルバペネマーゼ産生菌は、5系統の薬剤すべてが分解有りと判別され、MBL産生菌は、ペニシリン系抗菌薬が分解有り、第一世代セフェム系抗菌薬が分解有りと判別され、第三世代セフェム系抗菌薬が分解有りまたは第四世代セフェム系抗菌薬が分解有りと判別され、モノバクタム系抗菌薬が分解無しと判別され、セファマイシン系抗菌薬が分解有りまたはオキサセフェム系抗菌薬が分解有りと判別される。したがって、ペニシリン系、第一世代セフェム系、第三世代セフェム系または第四世代セフェム系、モノバクタム系、及び、セファマイシン系またはオキサセフェム系からなる5系統の薬剤の各々を検出対象微生物に接触させた結果、5系統の薬剤すべてが分解無しと判別されれば、検出対象微生物はβ−ラクタマーゼ非産生菌であると判定され、ペニシリン系抗菌薬が分解有り、第一世代セフェム系抗菌薬が分解無しと判別され、第三世代セフェム系抗菌薬が分解無しまたは第四世代セフェム系抗菌薬が分解無しと判別され、モノバクタム系抗菌薬が分解無しと判別され、かつ、セファマイシン系抗菌薬が分解無しまたはオキサセフェム系抗菌薬が分解無しと判別されれば、検出対象微生物はペニシリナーゼ産生菌であると判定され、ペニシリン系抗菌薬が分解有り、第一世代セフェム系抗菌薬が分解有りと判別され、第三世代セフェム系抗菌薬が分解無しまたは第四世代セフェム系抗菌薬が分解無しと判別され、モノバクタム系抗菌薬が分解無しと判別され、かつ、セファマイシン系抗菌薬が分解無しまたはオキサセフェム系抗菌薬が分解無しと判別されれば、検出対象微生物はセファロスポリナーゼ産生菌(染色体性)であると判定され、ペニシリン系抗菌薬が分解有り、第一世代セフェム系抗菌薬が分解有りと判別され、第三世代セフェム系抗菌薬が分解有り若しくは分解無しまたは第四世代セフェム系抗菌薬が分解有り若しくは分解無しと判別され、モノバクタム系抗菌薬が分解有りと判別され、かつ、セファマイシン系抗菌薬が分解無しまたはオキサセフェム系抗菌薬が分解無しと判別されれば、検出対象微生物はESBL産生菌であると判定され、ペニシリン系抗菌薬が分解有り、第一世代セフェム系抗菌薬が分解有りと判別され、第三世代セフェム系抗菌薬が分解有りまたは第四世代セフェム系抗菌薬が分解有りと判別され、モノバクタム系抗菌薬が分解無しと判別され、かつ、セファマイシン系抗菌薬が分解有りまたはオキサセフェム系抗菌薬が分解有りと判別されれば、検出対象微生物はMBL産生菌であると判定される。以上のように、薬剤セット:(5−3)の試験を行うことにより、検出対象微生物のβ−ラクタマーゼ産生の有無の確認、ペニシリナーゼの検出、セファロスポリナーゼ(染色体性)の検出、ESBLの検出、MBLの検出が可能となる。
酵素分類の判定表3の薬剤セット:(5−4)は、ペニシリン系、第一世代セフェム系、モノバクタム系、セファマイシン系またはオキサセフェム系、及びカルバペネム系からなる5系統の薬剤を試験する場合の判定表である。β−ラクタマーゼ非産生菌は5系統の薬剤すべてが分解無しと判別され、ペニシリナーゼ産生菌は、ペニシリン系抗菌薬が分解有り、第一世代セフェム系抗菌薬が分解無し、モノバクタム系抗菌薬が分解無しと判別され、セファマイシン系抗菌薬が分解無しまたはオキサセフェム系抗菌薬が分解無しと判別され、カルバペネム系抗菌薬が分解無しと判別され、セファロスポリナーゼ産生菌(染色体性)は、ペニシリン系抗菌薬が分解有り、第一世代セフェム系抗菌薬が分解有り、モノバクタム系抗菌薬が分解無しと判別され、セファマイシン系抗菌薬が分解無しまたはオキサセフェム系抗菌薬が分解無しと判別され、カルバペネム系抗菌薬が分解無しと判別され、ESBL産生菌は、ペニシリン系抗菌薬が分解有り、第一世代セフェム系抗菌薬が分解有り、モノバクタム系抗菌薬が分解有りと判別され、セファマイシン系抗菌薬が分解無しまたはオキサセフェム系抗菌薬が分解無しと判別され、カルバペネム系抗菌薬が分解無しと判別され、過剰産生型AmpC産生菌は、ペニシリン系抗菌薬が分解有り、第一世代セフェム系抗菌薬が分解有り、モノバクタム系抗菌薬が分解有りと判別され、セファマイシン系抗菌薬が分解有りまたはオキサセフェム系抗菌薬が分解有りと判別され、カルバペネム系抗菌薬が分解無しと判別され、MBL産生菌は、ペニシリン系抗菌薬が分解有り、第一世代セフェム系抗菌薬が分解有り、モノバクタム系抗菌薬が分解無しと判別され、セファマイシン系抗菌薬が分解有りまたはオキサセフェム系抗菌薬が分解有りと判別され、カルバペネム系抗菌薬が分解有りと判別され、KPC型カルバペネマーゼ産生菌及びOXA型カルバペネマーゼ産生菌は、5系統の薬剤すべてが分解有りと判別される。したがって、ペニシリン系、第一世代セフェム系、モノバクタム系、セファマイシン系またはオキサセフェム系、及びカルバペネム系からなる5系統の薬剤の各々を検出対象微生物に接触させた結果、5系統の薬剤すべてが分解無しと判別されれば、検出対象微生物はβ−ラクタマーゼ非産生菌であると判定され、ペニシリン系抗菌薬が分解有り、第一世代セフェム系抗菌薬が分解無し、モノバクタム系抗菌薬が分解無しと判別され、セファマイシン系抗菌薬が分解無しまたはオキサセフェム系抗菌薬が分解無しと判別され、かつ、カルバペネム系抗菌薬が分解無しと判別されれば、検出対象微生物はペニシリナーゼ産生菌であると判定され、ペニシリン系抗菌薬が分解有り、第一世代セフェム系抗菌薬が分解有り、モノバクタム系抗菌薬が分解無しと判別され、セファマイシン系抗菌薬が分解無しまたはオキサセフェム系抗菌薬が分解無しと判別され、かつ、カルバペネム系抗菌薬が分解無しと判別されれば、検出対象微生物はセファロスポリナーゼ産生菌(染色体性)であると判定され、ペニシリン系抗菌薬が分解有り、第一世代セフェム系抗菌薬が分解有り、モノバクタム系抗菌薬が分解有りと判別され、セファマイシン系抗菌薬が分解無しまたはオキサセフェム系抗菌薬が分解無しと判別され、かつ、カルバペネム系抗菌薬が分解無しと判別されれば、検出対象微生物はESBL産生菌であると判定され、ペニシリン系抗菌薬が分解有り、第一世代セフェム系抗菌薬が分解有り、モノバクタム系抗菌薬が分解有りと判別され、セファマイシン系抗菌薬が分解有りまたはオキサセフェム系抗菌薬が分解有りと判別され、かつ、カルバペネム系抗菌薬が分解無しと判別されれば、検出対象微生物は過剰産生型AmpC産生菌であると判定され、ペニシリン系抗菌薬が分解有り、第一世代セフェム系抗菌薬が分解有り、モノバクタム系抗菌薬が分解無しと判別され、セファマイシン系抗菌薬が分解有りまたはオキサセフェム系抗菌薬が分解有りと判別され、かつ、カルバペネム系抗菌薬が分解有りと判別されれば、検出対象微生物はMBL産生菌であると判定され、5系統の薬剤すべてが分解有りと判別されれば、検出対象微生物はKPC型カルバペネマーゼ産生菌またはOXA型カルバペネマーゼ産生菌であると判定される。以上のように、薬剤セット:(5−4)の試験を行うことにより、検出対象微生物のβ−ラクタマーゼ産生の有無の確認、詳細な酵素分類(ペニシリナーゼ、セファロスポリナーゼ(染色体性)、ESBL、過剰産生型AmpC、MBL、及び、KPC型カルバペネマーゼ若しくはOXA型カルバペネマーゼの分類)が可能となる。
酵素分類の判定表3の薬剤セット:(5−5)は、ペニシリン系、第三世代セフェム系または第四世代セフェム系、モノバクタム系、セファマイシン系またはオキサセフェム系、及びカルバペネム系からなる5系統の薬剤を試験する場合の判定表である。β−ラクタマーゼ非産生菌は5系統の薬剤すべてが分解無しと判別され、ペニシリナーゼ産生菌及びセファロスポリナーゼ産生菌(染色体性)は、ペニシリン系抗菌薬が分解有りと判別され、第三世代セフェム系抗菌薬が分解無しまたは第四世代セフェム系抗菌薬が分解無しと判別され、モノバクタム系抗菌薬が分解無しと判別され、セファマイシン系抗菌薬が分解無しまたはオキサセフェム系抗菌薬が分解無しと判別され、カルバペネム系抗菌薬が分解無しと判別され、ESBL産生菌は、ペニシリン系抗菌薬が分解有りと判別され、第三世代セフェム系抗菌薬が分解有り若しくは分解無しまたは第四世代セフェム系抗菌薬が分解有り若しくは分解無しと判別され、モノバクタム系抗菌薬が分解有りと判別され、セファマイシン系抗菌薬が分解無しまたはオキサセフェム系抗菌薬が分解無しと判別され、カルバペネム系抗菌薬が分解無しと判別され、過剰産生型AmpC産生菌は、ペニシリン系抗菌薬が分解有りと判別され、第三世代セフェム系抗菌薬が分解有りまたは第四世代セフェム系抗菌薬が分解有りと判別され、モノバクタム系抗菌薬が分解有りと判別され、セファマイシン系抗菌薬が分解有りまたはオキサセフェム系抗菌薬が分解有りと判別され、カルバペネム系抗菌薬が分解無しと判別され、MBL産生菌は、ペニシリン系抗菌薬が分解有りと判別され、第三世代セフェム系抗菌薬が分解有りまたは第四世代セフェム系抗菌薬が分解有りと判別され、モノバクタム系抗菌薬が分解無しと判別され、セファマイシン系抗菌薬が分解有りまたはオキサセフェム系抗菌薬が分解有りと判別され、カルバペネム系抗菌薬が分解有りと判別され、KPC型カルバペネマーゼ産生菌及びOXA型カルバペネマーゼ産生菌は、5系統の薬剤すべてが分解有りと判別される。したがって、ペニシリン系、第三世代セフェム系または第四世代セフェム系、モノバクタム系、セファマイシン系またはオキサセフェム系、及びカルバペネム系からなる5系統の薬剤の各々を検出対象微生物に接触させた結果、5系統の薬剤すべてが分解無しと判別されれば、検出対象微生物はβ−ラクタマーゼ非産生菌であると判定され、ペニシリン系抗菌薬が分解有りと判別され、第三世代セフェム系抗菌薬が分解有り若しくは分解無しまたは第四世代セフェム系抗菌薬が分解有り若しくは分解無しと判別され、モノバクタム系抗菌薬が分解有りと判別され、セファマイシン系抗菌薬が分解無しまたはオキサセフェム系抗菌薬が分解無しと判別され、かつ、カルバペネム系抗菌薬が分解無しと判別されれば、検出対象微生物はESBL産生菌であると判定され、ペニシリン系抗菌薬が分解有りと判別され、第三世代セフェム系抗菌薬が分解有りまたは第四世代セフェム系抗菌薬が分解有りと判別され、モノバクタム系抗菌薬が分解有りと判別され、セファマイシン系抗菌薬が分解有りまたはオキサセフェム系抗菌薬が分解有りと判別され、かつ、カルバペネム系抗菌薬が分解無しと判別されれば、検出対象微生物は過剰産生型AmpC産生菌であると判定され、ペニシリン系抗菌薬が分解有りと判別され、第三世代セフェム系抗菌薬が分解有りまたは第四世代セフェム系抗菌薬が分解有りと判別され、モノバクタム系抗菌薬が分解無しと判別され、セファマイシン系抗菌薬が分解有りまたはオキサセフェム系抗菌薬が分解有りと判別され、かつ、カルバペネム系抗菌薬が分解有りと判別されれば、検出対象微生物はMBL産生菌であると判定され、5系統の薬剤すべてが分解有りと判別されれば、検出対象微生物はKPC型カルバペネマーゼ産生菌またはOXA型カルバペネマーゼ産生菌であると判定される。以上のように、薬剤セット:(5−5)の試験を行うことにより、検出対象微生物のβ−ラクタマーゼ産生の有無の確認、酵素分類(ESBL、過剰産生型AmpC、MBL、及び、KPC型カルバペネマーゼ若しくはOXA型カルバペネマーゼの分類)が可能となる。
酵素分類の判定表3の薬剤セット:(5−6)は、第一世代セフェム系、第三世代セフェム系または第四世代セフェム系、モノバクタム系、セファマイシン系またはオキサセフェム系、及びカルバペネム系からなる5系統の薬剤を試験する場合の判定表である。β−ラクタマーゼ非産生菌及びペニシリナーゼ産生菌は5系統の薬剤すべてが分解無しと判別され、セファロスポリナーゼ産生菌(染色体性)は、第一世代セフェム系抗菌薬が分解有りと判別され、第三世代セフェム系抗菌薬が分解無しまたは第四世代セフェム系抗菌薬が分解無しと判別され、モノバクタム系抗菌薬が分解無しと判別され、セファマイシン系抗菌薬が分解無しまたはオキサセフェム系抗菌薬が分解無しと判別され、カルバペネム系抗菌薬が分解無しと判別され、ESBL産生菌は、第一世代セフェム系抗菌薬が分解有りと判別され、第三世代セフェム系抗菌薬が分解有り若しくは分解無しまたは第四世代セフェム系抗菌薬が分解有り若しくは分解無しと判別され、モノバクタム系抗菌薬が分解有りと判別され、セファマイシン系抗菌薬が分解無しまたはオキサセフェム系抗菌薬が分解無しと判別され、カルバペネム系抗菌薬が分解無しと判別され、過剰産生型AmpC産生菌は、第一世代セフェム系抗菌薬が分解有りと判別され、第三世代セフェム系抗菌薬が分解有りまたは第四世代セフェム系抗菌薬が分解有りと判別され、モノバクタム系抗菌薬が分解有りと判別され、セファマイシン系抗菌薬が分解有りまたはオキサセフェム系抗菌薬が分解有りと判別され、カルバペネム系抗菌薬が分解無しと判別され、MBL産生菌は、第一世代セフェム系抗菌薬が分解有りと判別され、第三世代セフェム系抗菌薬が分解有りまたは第四世代セフェム系抗菌薬が分解有りと判別され、モノバクタム系抗菌薬が分解無しと判別され、セファマイシン系抗菌薬が分解有りまたはオキサセフェム系抗菌薬が分解有りと判別され、カルバペネム系抗菌薬が分解有りと判別され、KPC型カルバペネマーゼ産生菌及びOXA型カルバペネマーゼ産生菌は、5系統の薬剤すべてが分解有りと判別される。したがって、第一世代セフェム系、第三世代セフェム系または第四世代セフェム系、モノバクタム系、セファマイシン系またはオキサセフェム系、及びカルバペネム系からなる5系統の薬剤の各々を検出対象微生物に接触させた結果、第一世代セフェム系抗菌薬が分解有りと判別され、第三世代セフェム系抗菌薬が分解無しまたは第四世代セフェム系抗菌薬が分解無しと判別され、モノバクタム系抗菌薬が分解無しと判別され、セファマイシン系抗菌薬が分解無しまたはオキサセフェム系抗菌薬が分解無しと判別され、かつ、カルバペネム系抗菌薬が分解無しと判別されれば、検出対象微生物はセファロスポリナーゼ産生菌(染色体性)であると判定され、第一世代セフェム系抗菌薬が分解有りと判別され、第三世代セフェム系抗菌薬が分解有り若しくは分解無しまたは第四世代セフェム系抗菌薬が分解有り若しくは分解無しと判別され、モノバクタム系抗菌薬が分解有りと判別され、セファマイシン系抗菌薬が分解無しまたはオキサセフェム系抗菌薬が分解無しと判別され、かつ、カルバペネム系抗菌薬が分解無しと判別されれば、検出対象微生物はESBL産生菌であると判定され、第一世代セフェム系抗菌薬が分解有りと判別され、第三世代セフェム系抗菌薬が分解有りまたは第四世代セフェム系抗菌薬が分解有りと判別され、モノバクタム系抗菌薬が分解有りと判別され、セファマイシン系抗菌薬が分解有りまたはオキサセフェム系抗菌薬が分解有りと判別され、かつ、カルバペネム系抗菌薬が分解無しと判別されれば、検出対象微生物は過剰産生型AmpC産生菌であると判定され、第一世代セフェム系抗菌薬が分解有りと判別され、第三世代セフェム系抗菌薬が分解有りまたは第四世代セフェム系抗菌薬が分解有りと判別され、モノバクタム系抗菌薬が分解無しと判別され、セファマイシン系抗菌薬が分解有りまたはオキサセフェム系抗菌薬が分解有りと判別され、かつ、カルバペネム系抗菌薬が分解有りと判別されれば、検出対象微生物はMBL産生菌であると判定され、5系統の薬剤すべてが分解有りと判別されれば、検出対象微生物はKPC型カルバペネマーゼ産生菌またはOXA型カルバペネマーゼ産生菌であると判定される。以上のように、薬剤セット:(5−6)の試験を行うことにより、検出対象微生物がペニシリナーゼ以外のβ−ラクタマーゼを産生するか否かの確認、酵素分類(セファロスポリナーゼ(染色体性)、ESBL、過剰産生型AmpC、MBL、及び、KPC型カルバペネマーゼ若しくはOXA型カルバペネマーゼの分類)が可能となる。
β−ラクタム薬の分解反応の温度、時間は、検出対象微生物や媒体の種類に応じて適切な条件に設定すれば良いが、例えば、嫌気性菌では、より長い接触時間を必要とする。条件設定としては、反応温度を20〜40℃とすることが好ましく、30〜37℃とすることがより好ましい。また、接触時間を1秒〜48時間とすることが好ましく、5分〜24時間とすることがより好ましい。
本発明のβ−ラクタム薬の分解の有無の判別は、適切な温度、時間で接触させた後、媒体の色調の変化の有無を目視あるいは装置により測定可能である。例えば、pH指示薬としてブロモクレゾールパープルを使用する場合には、黄色;分解有り、青紫色;分解なしと判別し、pH指示薬としてブロモチモールブルーを使用する場合には、黄色;分解有り、青色;分解なしと判別し、pH指示薬としてニトラジンイエローを使用する場合には、黄色;分解有り、青色;分解なしと判別し、pH指示薬としてフェノールレッドを使用する場合には、黄色;分解有り、赤色;分解なしと判別する。装置を使用する場合は、加水分解反応前後の特定波長における吸光度の変化、RGB(Red, Green, Blue)の変化あるいは輝度の変化を測定することにより分解の有無を判別できる。吸光度の測定波長は、使用するpH指示薬に応じて適切な波長を設定すれば良いが、例えば、pH指示薬としてフェノールレッドを使用する場合には、赤色の吸収極大波長である500nm付近あるいは黄色の吸収極大波長である400nm付近を測定波長とすることが好ましい。
本発明の、β−ラクタム薬と検出対象微生物を接触させる媒体は、ポリミキシンB、コリスチン、n-オクチル-β-D-グルコシドから選択される少なくとも1種類の反応促進剤を含有することができる。これらの反応促進剤を使用することにより、検出対象微生物の膜透過性が上昇し、β−ラクタマーゼによるβ−ラクタム薬の加水分解反応に要する時間の短縮が可能となる。その結果、反応が遅いスタフィロコッカス属菌等のβ−ラクタマーゼも短時間で検出可能となる他、接触時間が長引くことで培地のpHが変化することにより陽性呈色が陰性色化する問題や陰性菌の陽性呈色の問題を回避することも可能となる。本発明において反応促進剤は、検出対象微生物の細胞膜及び/または細胞壁の透過性を高めるために使用する。例えば、媒体が液体である場合、β−ラクタマーゼ検出反応液の最終濃度として、ポリミキシンBを単独で1〜40000U/mLとすることが好ましい。ただし、本発明では、β−ラクタム薬の分解の有無をアシドメトリー法により短時間で判別可能である限り、ポリミキシンB、コリスチン、n-オクチル-β-D-グルコシドから選択される1種類の反応促進剤の他に、更に反応促進剤を添加することも可能である。
本発明のβ−ラクタム薬と検出対象微生物を接触させる媒体が液体または半流動状物質である場合には、各ウェル内に1種類のβ−ラクタム薬、緩衝剤、pH指示薬等を含有する媒体を備えた多ウェルプレートとすることができる。多ウェルプレート内で検出対象微生物を接触させる媒体が液体である場合は、使用するまで乾燥固定化状態または凍結状態で保存し、使用時に適宜、液体に戻すこともできる。更に、必要に応じて、β−ラクタム薬を含まず緩衝剤、pH指示薬を含有するコントロール用のウェルを備えた多ウェルプレートとすることも可能であるし、微生物を含有しない陰性コントロール液、β−ラクタマーゼを含有する陽性コントロール液、検体希釈液、前処理液等をセットにすることも可能である。一方、β−ラクタム薬と検出対象微生物を接触させる媒体がディスク、ろ紙等の担体である場合も、同様に、陰性コントロール液、陽性コントロール液、検体希釈液、前処理液等をセットにすることができる。
以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこれら実施例により限定されるものではない。
なお、各実施例で使用した供試菌株一覧を以下の表4に示す。
(3系統のβ−ラクタム薬の試験による、β−ラクタマーゼの検出、酵素分類の判定)
大腸菌(β−ラクタマーゼ非産生株及びESBL産生株)、黄色ブドウ球菌(ペニシリナーゼ産生株)、緑膿菌(セファロスポリナーゼ産生株)、セラチア・マルセッセンス(MBL産生株)、クレブシエラ・ニューモニエ(カルバペネマーゼ産生株)を対象とし、反応促進剤としてポリミキシンBを添加した場合と添加しない場合の2とおりでβ−ラクタマーゼの検出、酵素分類判定を行った。
1.β−ラクタマーゼ検出用処方液の調製とプレートの作製
液体100μLを加えて溶解した時に、以下に示した基本試薬組成において、ポリミキシンB濃度が5000U/mL、β−ラクタム薬の濃度及び緩衝液の濃度が、(1)4mg/mL PCG、0.5mM リン酸緩衝液、(2)4mg/mL CEZ、0.5mM リン酸緩衝液、(3)4mg/mL CFTM、0.5mM リン酸緩衝液、(4)4mg/mL CMX、0.5mM リン酸緩衝液、(5)4mg/mL AZT、0.25mM リン酸緩衝液、(6) 4mg/mL CMZ、2mM リン酸緩衝液、(7)4mg/mL FMOX、1mM リン酸緩衝液、(8)2mg/mL IPM、0.25mMリン酸緩衝液、(9)β−ラクタム薬なし、0.25mM リン酸緩衝液(陰性コントロール)となるように、β−ラクタマーゼ検出用処方液(1)〜(9)を調製し、更に、ポリミキシンBを含有せず、β−ラクタム薬の濃度及び緩衝液の濃度が、(10)4mg/mL PCG、0.5mM リン酸緩衝液、(11)4mg/mL CEZ、0.5mM リン酸緩衝液、(12)4mg/mL CFTM、0.5mM リン酸緩衝液、(13)4mg/mL CMX、0.5mM リン酸緩衝液、(14)4mg/mL AZT、0.25mM リン酸緩衝液、(15) 4mg/mL CMZ、2mM リン酸緩衝液、(16)4mg/mL FMOX、1mM リン酸緩衝液、(17)2mg/mL IPM、0.25mMリン酸緩衝液、(18)β−ラクタム薬なし、0.25mM リン酸緩衝液(陰性コントロール)となるように、β−ラクタマーゼ検出用処方液(10)〜(18)を調製し、薬剤セット:(3−1)〜(3−14)試験用の96穴マイクロプレートに適量分注し、45℃で60分間乾燥し、β−ラクタマーゼ検出用処方液を固定化乾燥したプレートを作製した。
2.菌の接種とインキュベーション
前培養した各菌株を滅菌生理食塩水に懸濁し、McFarland No. 1に調製した後、1.で作製したプレートに100μLずつ分注した。その後、35℃で15、30、60、180分間インキュベーションし、フェノールレッドの赤色から黄色への変化を目視で判別し、β−ラクタム薬分解の有無の判定を行った。なお、陰性コントロールとして滅菌生理食塩水を使用した。
3.結果
薬剤セット:(3−1)〜(3−14)の分解の有無の判別結果を表6〜12に示す。β−ラクタム薬の分解有りと判別された場合はその程度に応じて+、2+、3+と段階的に表示し、β−ラクタム薬の分解無しと判別された場合は−と表示している。
判別結果の表中で灰色に網がけしている欄は、試験した検出対象菌株が産生することが予め判明していたβ−ラクタマーゼの予想されるβ−ラクタム薬分解性(表1−1〜1−3の酵素分類判定表から予想)と本実施例の結果が異なり、正しく判別されなかったケースである。β−ラクタマーゼ検出用処方液にポリミキシンBを添加した場合は、添加していない場合に比べてβ−ラクタム薬の加水分解反応が促進され、30分間のインキュベーション後には、PCG以外のすべての陽性呈色が2+以上になり判定までに要するインキュベーション時間が短縮するとともに判定のしやすさが向上した。ポリミキシンBを添加した場合、60分間のインキュベーション後には、すべての薬剤の分解の有無を正しく判別可能となり、特に反応が遅く、ポリミキシンB無しでは180分かかっていた黄色ブドウ球菌によるPCGの分解反応に要する時間も60分に短縮された。
表6に示すとおり、薬剤セット:(3−2)の試験においては、ポリミキシンB添加の有無に関わらず、15分間のインキュベーション後にはCEZ、CFTM、CMX、IPMの分解の有無を正しく判別可能であり、カルバペネマーゼの検出(MBL、KPC型カルバペネマーゼまたはOXA型カルバペネマーゼであるか否かの検出)が可能であった。なお、緑膿菌(セファロスポリナーゼ産生株)は、表1−1等の酵素分類判定表と異なり、第三世代セフェム系抗菌薬であるCFTM、CMXを分解した。染色体性AmpCの発現は平常時、ごく微量に抑えられており、第三世代セフェム系抗菌薬には感性を保っているが、β−ラクタム薬に暴露されると発現が誘導され、多量のAmpCを産生することで第三世代セフェム系抗菌薬に耐性化することが知られていることから(土井洋平,化学療法の領域,Vol.28,No.10,2044−2052,2012)、被験菌株(緑膿菌EKN7155。酵素型;染色体性AmpC)は第三世代セフェム系抗菌薬に耐性化したものであると考え、緑膿菌EKN7155については、以下のすべての実施例も含めてCFTM、CMXともに「分解有り」を正しい判別として扱った。
薬剤セット:(3−2)以外の、PCGを含まない薬剤セットである(3−5)(表8)、(3−6)(表8)、(3−8)(表9)、(3−10)(表10)、(3−11)(表11)、(3−13)(表12)、(3−14)(表12)の7セットの試験においては、ポリミキシンB添加有りの場合、30分後のデータの無いCMZを除いて、30分間のインキュベーション後には薬剤の分解の有無を正しく判別可能であり、ポリミキシンB添加無しの場合でも、60分間のインキュベーション後には薬剤の分解の有無を正しく判別可能であることが示された。ポリミキシンB添加有りの場合は30分のインキュベーション後、また、ポリミキシンB添加無しの場合は60分のインキュベーション後に、薬剤セット:(3−5)、(3−6)では、カルバペネマーゼの検出(MBL、KPC型カルバペネマーゼまたはOXA型カルバペネマーゼであるか否かの検出)、薬剤セット:(3−8)、(3−10)では、セファロスポリナーゼ(染色体性)の検出、MBLの検出、KPC型カルバペネマーゼまたはOXA型カルバペネマーゼの検出、薬剤セット:(3−11)、(3−13)では、セファロスポリナーゼ(染色体性)の検出、ESBLの検出、MBLの検出、薬剤セット:(3−14)では、ESBLの検出、MBLの検出、KPC型カルバペネマーゼまたはOXA型カルバペネマーゼの検出が可能であった。
PCGを含む薬剤セットである(3−1)(表6)、(3−3)(表7)、(3−4)(表7)、(3−7)(表9)、(3−9)(表10)、(3−12)(表11)の6セットの試験においては、ポリミキシンB添加有りの場合、60分間のインキュベーション後には薬剤の分解の有無を正しく判別可能であり、ポリミキシンB添加無しの場合、特に反応が遅い黄色ブドウ球菌(ペニシリナーゼ産生株)によるPCGの分解有無の判別は180分間のインキュベーション後、それ以外は60分間のインキュベーション後に薬剤分解の有無を正しく判別可能であることが示された。ポリミキシンB添加の有無に関わらず、60分間のインキュベーション後には、薬剤セット:(3−1)、(3−3)、(3−4)では、カルバペネマーゼの検出(MBL、KPC型カルバペネマーゼまたはOXA型カルバペネマーゼであるか否かの検出)、薬剤セット:(3−7)では、カルバペネマーゼ(MBL、KPC型カルバペネマーゼ若しくはOXA型カルバペネマーゼ)または過剰産生型AmpC であるか否かの検出、薬剤セット:(3−9)では、MBLの検出、KPC型カルバペネマーゼまたはOXA型カルバペネマーゼの検出、薬剤セット:(3−12)では、ESBLの検出、MBLの検出が可能であった。また、ポリミキシンB添加有りの場合は60分のインキュベーション後、ポリミキシンB添加無しの場合は180分のインキュベーション後に、薬剤セット:(3−1)では、β−ラクタマーゼ産生の有無の確認及びペニシリナーゼの検出、薬剤セット:(3−3)、(3−4)、(3−7)、(3−9)、(3−12)では、β−ラクタマーゼ産生の有無の確認が可能であった。なお、180分後には、陰性コントロールを含めた、本来、陰性となるべきものが、複数の薬剤において陽性の呈色を示した一方で、大腸菌(ESBL産生株)によるAZTの分解反応の呈色やセラチア・マルセッセンス(MBL産生株)によるFMOXの分解反応の呈色は、60分後の黄色い呈色に比べて180分後には橙色になり、陽性色が弱まる傾向が認められた。
(4系統のβ−ラクタム薬の試験による、β−ラクタマーゼの検出、酵素分類の判定)
大腸菌(β−ラクタマーゼ非産生株及びESBL産生株)、黄色ブドウ球菌(ペニシリナーゼ産生株)、緑膿菌(セファロスポリナーゼ産生株)、セラチア・マルセッセンス(MBL産生株)、クレブシエラ・ニューモニエ(カルバペネマーゼ産生株)を対象とし、β−ラクタマーゼの検出、酵素分類判定を行った。
1.β−ラクタマーゼ検出用処方液の調製とプレートの作製
薬剤セット:(4−1)〜(4−15)試験用の96穴マイクロプレートを使用した以外は実施例1と同様とした。
2.菌の接種とインキュベーション
実施例1と同様とした。
3.結果
薬剤セット:(4−1)〜(4−15)の分解の有無の判別結果を表13〜23に示す。β−ラクタム薬の分解有りと判別された場合はその程度に応じて+、2+、3+と段階的に表示し、β−ラクタム薬の分解無しと判別された場合は−と表示している。
判別結果の表中で灰色に網がけしている欄は、試験した検出対象菌株が産生することが予め判明していたβ−ラクタマーゼの予想されるβ−ラクタム薬分解性(表2−1〜2−3の酵素分類判定表から予想)と本実施例の結果が異なり、正しく判別されなかったケースである。PCGを含まない薬剤セットである(4−4)(表15)、(4−8)(表17)、(4−11)(表20)、(4−14)(表22)、(4−15)(表23)、の5セットの試験においては、ポリミキシンB添加有りの場合、30分後のデータの無いCMZを除いて、30分間のインキュベーション後には薬剤の分解の有無を正しく判別可能であり、ポリミキシンB添加無しの場合でも、60分間のインキュベーション後には薬剤の分解の有無を正しく判別可能であることが示された。ポリミキシンB添加有りの場合は30分のインキュベーション後、また、ポリミキシンB添加無しの場合は60分のインキュベーション後に、薬剤セット:(4−4)では、カルバペネマーゼの検出(MBL、KPC型カルバペネマーゼまたはOXA型カルバペネマーゼであるか否かの検出)、薬剤セット:(4−8)では、セファロスポリナーゼ(染色体性)の検出、MBLの検出、KPC型カルバペネマーゼまたはOXA型カルバペネマーゼの検出、薬剤セット:(4−11)では、セファロスポリナーゼ(染色体性)の検出、ESBLの検出、MBLの検出、薬剤セット:(4−14)、(4−15)では、セファロスポリナーゼ(染色体性)の検出、ESBLの検出、MBLの検出、KPC型カルバペネマーゼまたはOXA型カルバペネマーゼの検出が可能であった。
PCGを含む薬剤セットである(4−1)(表13)、(4−2)(表13)、(4−3)(表14)、(4−5)(表16)、(4−6)(表16)、(4−7)(表17)、(4−9)(表18)、(4−10)(表19)、(4−12)(表21)、(4−13)(表21)の10セットの試験においては、ポリミキシンB添加有りの場合、60分間のインキュベーション後には薬剤の分解の有無を正しく判別可能であり、ポリミキシンB添加無しの場合、特に反応が遅い黄色ブドウ球菌(ペニシリナーゼ産生株)によるPCGの分解有無の判別は180分間のインキュベーション後、それ以外は60分間のインキュベーション後に薬剤分解の有無を正しく判別可能であることが示された。ポリミキシンB添加の有無に関わらず、60分間のインキュベーション後には、薬剤セット:(4−1)、(4−2)、(4−3)では、カルバペネマーゼの検出(MBL、KPC型カルバペネマーゼまたはOXA型カルバペネマーゼであるか否かの検出)、薬剤セット:(4−5)では、カルバペネマーゼ(MBL、KPC型カルバペネマーゼ若しくはOXA型カルバペネマーゼ)または過剰産生型AmpC であるか否かの検出、薬剤セット:(4−6)、(4−7)では、セファロスポリナーゼ(染色体性)の検出、MBLの検出、KPC型カルバペネマーゼまたはOXA型カルバペネマーゼの検出、薬剤セット:(4−9)、(4−10)では、セファロスポリナーゼ(染色体性)の検出、ESBLの検出、MBLの検出、薬剤セット:(4−12)では、セファロスポリナーゼ(染色体性)の検出、MBLの検出、薬剤セット:(4−13)では、ESBLの検出、MBLの検出、KPC型カルバペネマーゼまたはOXA型カルバペネマーゼの検出が可能であった。また、ポリミキシンB添加有りの場合は60分のインキュベーション後、ポリミキシンB添加無しの場合は180分のインキュベーション後に、薬剤セット:(4−1)、(4−2)、(4−5)、(4−6)、(4−9)、(4−12)では、β−ラクタマーゼ産生の有無の確認及びペニシリナーゼの検出、薬剤セット:(4−3)、(4−7)、(4−10)、(4−13)では、β−ラクタマーゼ産生の有無の確認が可能であった。
(5系統のβ−ラクタム薬の試験による、β−ラクタマーゼの検出、酵素分類の判定)
大腸菌(β−ラクタマーゼ非産生株及びESBL産生株)、黄色ブドウ球菌(ペニシリナーゼ産生株)、緑膿菌(セファロスポリナーゼ産生株)、セラチア・マルセッセンス(MBL産生株)、クレブシエラ・ニューモニエ(カルバペネマーゼ産生株)を対象とし、β−ラクタマーゼの検出、酵素分類判定を行った。
1.β−ラクタマーゼ検出用処方液の調製とプレートの作製
薬剤セット:(5−1)〜(5−6)試験用の96穴マイクロプレートを使用した以外は実施例1と同様とした。
2.菌の接種とインキュベーション
実施例1と同様とした。
3.結果
薬剤セット:(5−1)〜(5−6)の分解の有無の判別結果を表24〜29に示す。β−ラクタム薬の分解有りと判別された場合はその程度に応じて+、2+、3+と段階的に表示し、β−ラクタム薬の分解無しと判別された場合は−と表示している。
判別結果の表中で灰色に網がけしている欄は、試験した検出対象菌株が産生することが予め判明していたβ−ラクタマーゼの予想されるβ−ラクタム薬分解性(表3の酵素分類判定表から予想)と本実施例の結果が異なり、正しく判別されなかったケースである。表29に示すとおり、薬剤セット:(5−6)の試験においては、ポリミキシンB添加有りの場合、30分後のデータの無いCMZを除いて、30分間のインキュベーション後には薬剤の分解の有無を正しく判別可能であり、ポリミキシンB添加無しの場合でも、60分間のインキュベーション後には薬剤の分解の有無を正しく判別可能であることが示された。ポリミキシンB添加有りの場合は30分のインキュベーション後、また、ポリミキシンB添加無しの場合は60分のインキュベーション後に、セファロスポリナーゼ(染色体性)の検出、ESBLの検出、MBLの検出、KPC型カルバペネマーゼまたはOXA型カルバペネマーゼの検出が可能であった。
PCGを含む薬剤セットである(5−1)(表24)、(5−2)(表25)、(5−3)(表26)、(5−4)(表27)、(5−5)(表28)の5セットの試験においては、ポリミキシンB添加有りの場合、60分間のインキュベーション後には薬剤の分解の有無を正しく判別可能であり、ポリミキシンB添加無しの場合、特に反応が遅い黄色ブドウ球菌(ペニシリナーゼ産生株)によるPCGの分解有無の判別は180分間のインキュベーション後、それ以外は60分間のインキュベーション後に薬剤分解の有無を正しく判別可能であることが示された。ポリミキシンB添加の有無に関わらず、60分間のインキュベーション後には、薬剤セット:(5−1)では、カルバペネマーゼの検出(MBL、KPC型カルバペネマーゼまたはOXA型カルバペネマーゼであるか否かの検出)、薬剤セット:(5−2)では、セファロスポリナーゼ(染色体性)の検出、MBLの検出、KPC型カルバペネマーゼまたはOXA型カルバペネマーゼの検出、薬剤セット:(5−3)では、セファロスポリナーゼ(染色体性)の検出、ESBLの検出、MBLの検出、薬剤セット:(5−4)、(5−5)では、セファロスポリナーゼ(染色体性)の検出、ESBLの検出、MBLの検出、KPC型カルバペネマーゼまたはOXA型カルバペネマーゼの検出が可能であった。また、ポリミキシンB添加有りの場合は60分のインキュベーション後、ポリミキシンB添加無しの場合は180分のインキュベーション後に、薬剤セット:(5−1)、(5−2)、(5−3)、(5−4)では、β−ラクタマーゼ産生の有無の確認及びペニシリナーゼの検出、薬剤セット:(5−5)では、β−ラクタマーゼ産生の有無の確認が可能であった。
(反応促進剤の効果)
大腸菌(ESBL産生株)を対象とし、β−ラクタム薬の加水分解反応に対する各種反応促進剤による作用を調べた。
1.β−ラクタマーゼ検出用処方液の調製とプレートの作製
液体100μLを加えて溶解した時に、以下に示した基本試薬組成において反応促進剤が(1)0.125万〜8万U/mL ポリミキシンB、(2)0.325万〜24万U/mL コリスチン、(3)0.625〜40mg/mL n-オクチル-β-D-グルコシド、(4)0.625〜40mg/mL CHAPS、(5)0.625〜40mg/mL MYS-45(日光ケミカルズ(株)製)、(6)0.625〜40mg/mL アデカトールN-1000((株)ADEKA製)、(7)0.625〜40mg/mL アデカトールN-1100((株)ADEKA製)、(8)0.625〜40mg/mL ノニオンNS-270(日油(株)製)、(9)0.625〜40mg/mL プルロニックF-68(Sigma社製)、(10)0.625〜40mg/mL プルロニックF-127(Sigma社製)、(11)0.625〜40mg/mL コール酸ナトリウムとなるように、β−ラクタマーゼ検出用処方液(1)〜(11)を調製し、また、コントロールとして反応促進剤なしのβ−ラクタマーゼ検出用処方液(12)を調製し、96穴マイクロプレートに適量分注し、45℃で60分間乾燥し、β−ラクタマーゼ検出用処方液を固定化乾燥したプレートを作製した。
2.菌の接種とインキュベーション
前培養した菌株を滅菌生理食塩水に懸濁し、McFarland No. 1に調製した後、1.で作製したプレートに100μLずつ分注した。その後、35℃で24時間までインキュベーションし、輝度測定装置にて接触開始時から24時間後まで15分間隔で測定した。この測定値は、フェノールレッドの赤色から黄色への変化に従い数値が減少するため、測定値200をカットオフとし、測定値が200に達するまでの時間によって加水分解反応への影響を評価した。
3.結果
各反応促進剤において、高い反応促進作用を示した最少濃度における、「測定値が200に達するまでの時間」をまとめたグラフを図1に示す。コール酸ナトリウム以外は、多少なりとも反応促進作用を示したが、特にポリミキシンB、コリスチン、n-オクチル-β-D-グルコシドは顕著な反応促進作用を示した。反応促進剤なしの場合、200に達するまでの時間が6.75時間であったのに対して、ポリミキシンB、コリスチン、n-オクチル-β-D-グルコシドでは、0.5時間まで短縮された。
(酵素基質としてのペニシリン系抗菌薬の検討)
β−ラクタム薬PCG、MPIPC、ABPC、AMPC、ASPC、PIPCを大腸菌(β−ラクタマーゼ非産生株、ペニシリナーゼ産生株及びESBL産生株)、黄色ブドウ球菌(β−ラクタマーゼ非産生株)、緑膿菌(β−ラクタマーゼ非産生株及びセファロスポリナーゼ産生株)、セラチア・マルセッセンス(MBL産生株)に接触させ、加水分解反応を調べた。
1.β−ラクタマーゼ検出用処方液の調製とプレートの作製
液体100μLを加えて溶解した時に、以下に示した基本試薬組成においてβ−ラクタム薬が、(1)PCG、(2)MPIPC、(3)ABPC、(4)AMPC、(5)ASPC、(6)PIPCとなるように、β−ラクタマーゼ検出用処方液(1)〜(6)を調製し、96穴マイクロプレートに適量分注し、45℃で60分間乾燥し、β−ラクタマーゼ検出用処方液を固定化乾燥したプレートを作製した。
2.菌の接種とインキュベーション
前培養した各菌株を滅菌生理食塩水に懸濁し、McFarland No. 1に調製した後、1.で作製したプレートに100μLずつ分注した。その後、35℃で15分、60分、180分、24時間インキュベーションし、フェノールレッドの赤色から黄色への変化を目視で判別し、β−ラクタム薬分解の有無の判定を行った。
3.結果
15分、60分、180分、24時間後の分解の有無の判別結果を表32〜35に示す。β−ラクタム薬の分解有りと判別された場合はその程度に応じて+、2+、3+と段階的に表示し、β−ラクタム薬の分解無しと判別された場合は−と表示している。
β−ラクタマーゼ非産性株であることが判明している大腸菌(EKN4496)、黄色ブドウ球菌(EKN2088)、緑膿菌(EKN3089)では分解無し、それ以外の菌株では分解有りと判別できるようになるまでの時間は、試験した中ではPCGが最も短く、次いでPIPCが短かった。このことから、PCGとPIPCは迅速検出に適していることが示唆された。
(酵素基質としての第一世代セフェム系抗菌薬の検討)
β−ラクタム薬CEZ、CET、CEPR、CEX、CXDを大腸菌(β−ラクタマーゼ非産生株、ペニシリナーゼ産生株及びESBL産生株)、緑膿菌(β−ラクタマーゼ非産生株)に接触させ、加水分解反応を調べた。
1.β−ラクタマーゼ検出用処方液の調製とプレートの作製
液体100μLを加えて溶解した時に、以下に示した基本試薬組成においてβ−ラクタム薬が、(1)CEZ、(2)CET、(3)CEPR、(4)CEX、(5)CXDとなるように、β−ラクタマーゼ検出用処方液(1)〜(5)を調製し、96穴マイクロプレートに適量分注し、45℃で60分間乾燥し、β−ラクタマーゼ検出用処方液を固定化乾燥したプレートを作製した。
2.菌の接種とインキュベーション
前培養した各菌株を滅菌生理食塩水に懸濁し、McFarland No. 1に調製した後、1.で作製したプレートに100μLずつ分注した。その後、35℃で15分、60分、180分、24時間インキュベーションし、フェノールレッドの赤色から黄色への変化を目視で判別し、β−ラクタム薬分解の有無の判定を行った。
3.結果
15分、60分、180分、24時間後の分解の有無の判別結果を表37〜40に示す。β−ラクタム薬の分解有りと判別された場合はその程度に応じて+、2+、3+と段階的に表示し、β−ラクタム薬の分解無しと判別された場合は−と表示している。
β−ラクタマーゼ非産性株であることが判明している大腸菌(EKN4496)、緑膿菌(EKN3089)とペニシリナーゼ産生株であることが判明している大腸菌(EKN3737)では分解無し、ESBL産生株であることが判明している大腸菌(EKN7133)では分解有りと判別できるようになるまでの時間は、試験した中ではCEZが最も短かったが、試験したいずれのβ−ラクタム薬も15分後にはβ−ラクタム薬分解の有無を判別可能であることが示された。ただし、データは示していないが、CET、CEPRは陰性コントロール(滅菌生理食塩水)でも偽陽性となる場合があり、安定した結果が得られなかった。
(酵素基質としての第三世代セフェム系抗菌薬の検討)
β−ラクタム薬CTX、CTRX、CAZ、CZX、CMX、CDZM、CPZ、CFIX、CETB、CFS、CFTMを大腸菌(β−ラクタマーゼ非産生株、ペニシリナーゼ産生株及びESBL産生株)、緑膿菌(β−ラクタマーゼ非産生株)に接触させ、加水分解反応を調べた。
1.β−ラクタマーゼ検出用処方液の調製とプレートの作製
液体100μLを加えて溶解した時に、以下に示した基本試薬組成においてβ−ラクタム薬が、(1)CTX、(2)CTRX、(3)CAZ、(4)CZX、(5)CMX、(6)CDZM、(7)CPZ、(8)CFIX、(9)CETB、(10)CFS、(11)CFTMとなるように、β−ラクタマーゼ検出用処方液(1)〜(11)を調製し、96穴マイクロプレートに適量分注し、45℃で60分間乾燥し、β−ラクタマーゼ検出用処方液を固定化乾燥したプレートを作製した。
2.菌の接種とインキュベーション
前培養した各菌株を滅菌生理食塩水に懸濁し、McFarland No. 1に調製した後、1.で作製したプレートに100μLずつ分注した。その後、35℃で15分、60分、180分、24時間インキュベーションし、フェノールレッドの赤色から黄色への変化を目視で判別し、β−ラクタム薬分解の有無の判定を行った。
3.結果
15分、60分、180分、24時間後の分解の有無の判別結果を表42〜45に示す。β−ラクタム薬の分解有りと判別された場合はその程度に応じて+、2+、3+と段階的に表示し、β−ラクタム薬の分解無しと判別された場合は−と表示している。
予め判明しているβ−ラクタマーゼ産生の性質から、大腸菌ESBL産生株(EKN7133)のみが分解有りで他の菌株では分解無しと判別できるようになるまでの時間は、CTX、CTRX、CZX、CMX、CFS、CFTMで15分以内であった。中でも、CZX、CMX、CFS及びCFTMは15分後に3+という強陽性を示しており、反応の迅速性において優れた結果を示した。一方、CPZは、分解無しと判別されるはずの大腸菌ペニシリナーゼ産生株(EKN6677)が60分後に分解有りと判別されており、他の薬剤と比較して安定性において劣る結果であった。
(酵素基質としてのセファマイシン系抗菌薬及びオキサセフェム系抗菌薬の検討)
セファマイシン系抗菌薬であるCFX 、CMZ、CMNX、オキサセフェム系抗菌薬であるLMOX、FMOXを大腸菌(ESBL産生株)、クレブシエラ・ニューモニエ(カルバペネマーゼ産生株)、セラチア・マルセッセンス(MBL産生株)、緑膿菌(セファロスポリナーゼ及びMBL産生株)、黄色ブドウ球菌(ペニシリナーゼ産生株)に接触させ、加水分解反応を調べた。
1.β−ラクタマーゼ検出用処方液の調製とプレートの作製
液体100μLを加えて溶解した時に、以下に示した基本試薬組成においてβ−ラクタム薬が、(1) CFX、 (2) CMZ、(3) CMNX、(4) LMOX、(5) FMOXとなるように、β−ラクタマーゼ検出用処方液(1)〜(5)を調製し、96穴マイクロプレートに適量分注し、45℃で60分間乾燥し、β−ラクタマーゼ検出用処方液を固定化乾燥したプレートを作製した。
2.菌の接種とインキュベーション
前培養した各菌株を滅菌生理食塩水に懸濁し、McFarland No. 1に調製した後、1.で作製したプレートに100μLずつ分注した。その後、35℃で15分、60分、180分、24時間インキュベーションし、フェノールレッドの赤色から黄色への変化を目視で判別し、β−ラクタム薬分解の有無の判定を行った。
3.結果
15分、60分、180分、24時間後の分解の有無の判別結果を表47〜50に示す。β−ラクタム薬の分解有りと判別された場合はその程度に応じて+、2+、3+と段階的に表示し、β−ラクタム薬の分解無しと判別された場合は−と表示している。
予めESBL産生株であることが判明している大腸菌(EKN7133)、ペニシリナーゼ産生株であることが判明している黄色ブドウ球菌(EKN3088)では分解無し、カルバペネマーゼ産生株であることが判明しているクレブシエラ・ニューモニエ(EKN9491)、MBL産生株であることが判明しているセラチア・マルセッセンス(EKN4636)、セファロスポリナーゼ及びMBL産生株であることが判明している緑膿菌(EKN7170)では分解有りと判別できるようになるまでの時間は、試験した中ではFMOXが最も短く、次いでCMZが短かった。このことから、FMOXとCMZは迅速検出に適していることが示唆された。
(酵素基質としてのカルバペネム系抗菌薬の検討1)
β−ラクタム薬IPM、MEPM、BIPM、TBPMをセラチア・マルセッセンス(MBL産生株)に接触させ、加水分解反応を調べた。
1.β−ラクタマーゼ検出用処方液の調製
液体100μLを加えて溶解した時に、以下に示した基本試薬組成においてβ−ラクタム薬が、(1)IPM、(2)MEPM、(3)BIPM、(4)TBPMとなるように、β−ラクタマーゼ検出用処方液(1)〜(4)を調製し、96穴マイクロプレートに適量分注し、45℃で60分間乾燥し、β−ラクタマーゼ検出用処方液を固定化乾燥したプレートを作製した。
2.菌の接種とインキュベーション
前培養した菌株を滅菌生理食塩水に懸濁し、McFarland No. 1に調製した後、1.で作製したプレートに100μLずつ分注した。その後、35℃で1時間、3時間、20時間インキュベーションし、ブロモクレゾールパープルの青紫色から黄色への変化を目視で判別し、β−ラクタム薬分解の有無を調べた。
3.結果
IPMは1時間、3時間のインキュベーション後に陽性色(黄色)を呈し、20時間後には弱陽性色を呈した。MEPMとBIPMはともに、1時間のインキュベーション後に陰性色(青紫色)を呈し、3時間後、20時間後に陽性色(黄色)を呈した。更に、TBPMは1時間、3時間のインキュベーション後に陰性色(青紫色)を呈し、20時間後には弱陽性色を呈した。この結果から、試験した中で最も加水分解反応の速いIPMは本発明の使用に適していることが示唆された。
(酵素基質としてのカルバペネム系抗菌薬の検討2)
β−ラクタム薬IPM、PAPM、MEPM、BIPM、DRPM、TBPMを大腸菌(ESBL産生株)、クレブシエラ・ニューモニエ(カルバペネマーゼ産生株)、セラチア・マルセッセンス(MBL産生株)、緑膿菌(セファロスポリナーゼ及びMBL産生株)、黄色ブドウ球菌(ペニシリナーゼ産生株)に接触させ、加水分解反応を調べた。
1.β−ラクタマーゼ検出用処方液の調製とプレートの作製
液体100μLを加えて溶解した時に、以下に示した基本試薬組成においてβ−ラクタム薬が、(1) IPM、 (2) PAPM、(3) MEPM、(4) BIPM、(5) DRPM、(6) TBPMとなるように、β−ラクタマーゼ検出用処方液(1)〜(6)を調製し、96穴マイクロプレートに適量分注し、45℃で60分間乾燥し、β−ラクタマーゼ検出用処方液を固定化乾燥したプレートを作製した。
2.菌の接種とインキュベーション
前培養した各菌株を滅菌生理食塩水に懸濁し、McFarland No. 1に調製した後、1.で作製したプレートに100μLずつ分注した。その後、35℃で15分、60分、180分、24時間インキュベーションし、フェノールレッドの赤色から黄色への変化を目視で判別し、β−ラクタム薬分解の有無の判定を行った。
3.結果
15分、60分、180分、24時間後の分解の有無の判別結果を表53〜56に示す。β−ラクタム薬の分解有りと判別された場合はその程度に応じて+、2+、3+と段階的に表示し、β−ラクタム薬の分解無しと判別された場合は−と表示している。
予めESBL産生株であることが判明している大腸菌(EKN7133)、ペニシリナーゼ産生株であることが判明している黄色ブドウ球菌(EKN3088)では分解無し、カルバペネマーゼ産生株であることが判明しているクレブシエラ・ニューモニエ(EKN9491)、MBL産生株であることが判明しているセラチア・マルセッセンス(EKN4636)、セファロスポリナーゼ及びMBL産生株であることが判明している緑膿菌(EKN7170)では分解有りと判別できるようになるまでの時間は、試験した中ではIPMが最も短く、次いでがPAPM短かった。このことから、IPMとPAPMは迅速検出に適していることが示唆された。
本発明のβ−ラクタマーゼ検出方法、判定方法及びそれに用いる試薬は、少なくとも3種のβ−ラクタム薬の各々を検出対象菌に接触させて、各薬剤の分解の有無をアシドメトリー法で判別するという簡易な操作で短時間に、β−ラクタマーゼの基質特異性に基づくカルバペネマーゼ検出または酵素分類判定が可能である。必要最小限の種類のβ−ラクタム薬を試験することにより、検出対象菌がカルバペネマーゼ産生菌(MBL産生菌、KPC型カルバペネマーゼ産生菌またはOXA型カルバペネマーゼ産生菌)であるか否かの判定、カルバペネマーゼの分類(MBL及び、KPC型カルバペネマーゼ若しくはOXA型カルバペネマーゼの分類)、MBLの検出、ESBLの検出、過剰産生型AmpCの検出、酵素分類(ESBL、過剰産生型AmpC、MBL、及び、KPC型カルバペネマーゼ若しくはOXA型カルバペネマーゼの分類)等を迅速に行うことができるため、臨床及び院内感染対策上有用である。

Claims (20)

  1. 以下の工程を含むことを特徴とする微生物のβ−ラクタマーゼ検出方法及び判定方法。
    (a)少なくとも3系統のβ−ラクタム薬の各々を検出対象微生物に接触させ、各薬剤の分解の有無をアシドメトリー法により判別する工程、
    (b)工程(a)における各薬剤の分解有無の判別結果に基づいて検出対象微生物の酵素分類の判定を行う工程。
  2. 以下の工程を含むことを特徴とする微生物のβ−ラクタマーゼ検出方法及び判定方法。
    (a)第一の薬剤;ペニシリン系、
    第二の薬剤;第一世代セフェム系、
    第三の薬剤;第三世代セフェム系及び/または第四世代セフェム系、
    第四の薬剤;モノバクタム系、
    第五の薬剤;セファマイシン系及び/またはオキサセフェム系、並びに、
    第六の薬剤;カルバペネム系、
    からなる6系統から選択される少なくとも3系統のβ−ラクタム薬の各々を検出対象微生物に接触させ、各薬剤の分解の有無をアシドメトリー法により判別する工程、
    (b)工程(a)における各薬剤の分解有無の判別結果に基づいて検出対象微生物の酵素分類の判定を行う工程。
  3. 工程(a)において、検出対象微生物に接触させるβ−ラクタム薬が、前記6系統から選択される3、4または5系統の薬剤である請求項2に記載の方法。
  4. 工程(a)において、検出対象微生物に接触させるβ−ラクタム薬が3系統であり、前記3系統が以下の(3−1)〜(3−14)のいずれかである、請求項3に記載の方法。
    (3−1)1;ペニシリン系、2;第一世代セフェム系及び3;カルバペネム系からなる3系統、
    (3−2)1;第一世代セフェム系、2;第三世代セフェム系または第四世代セフェム系、及び3;カルバペネム系からなる3系統、
    (3−3)1;ペニシリン系、2;第三世代セフェム系または第四世代セフェム系、及び3;カルバペネム系からなる3系統、
    (3−4)1;ペニシリン系、2;セファマイシン系またはオキサセフェム系、及び3;カルバペネム系からなる3系統、
    (3−5)1;第一世代セフェム系、2;セファマイシン系またはオキサセフェム系、及び3;カルバペネム系からなる3系統、
    (3−6)1;第三世代セフェム系または第四世代セフェム系、2;セファマイシン系またはオキサセフェム系、及び3;カルバペネム系からなる3系統、
    (3−7)1;ペニシリン系、2;第三世代セフェム系または第四世代セフェム系、及び3;セファマイシン系またはオキサセフェム系からなる3系統、
    (3−8)1;第一世代セフェム系、2;モノバクタム系及び3;カルバペネム系からなる3系統、
    (3−9)1;ペニシリン系、2;モノバクタム系及び3;カルバペネム系からなる3系統、
    (3−10)1;第三世代セフェム系または第四世代セフェム系、2;モノバクタム系、及び3;カルバペネム系からなる3系統、
    (3−11)1;第一世代セフェム系、2;モノバクタム系、及び3;セファマイシン系またはオキサセフェム系からなる3系統、
    (3−12)1;ペニシリン系、2;モノバクタム系、及び3;セファマイシン系またはオキサセフェム系からなる3系統、
    (3−13)1;第三世代セフェム系または第四世代セフェム系、2;モノバクタム系、及び3;セファマイシン系またはオキサセフェム系からなる3系統、
    (3−14)1;モノバクタム系、2;セファマイシン系またはオキサセフェム系、及び3;カルバペネム系からなる3系統。
  5. 工程(a)において、検出対象微生物に接触させるβ−ラクタム薬が4系統であり、前記4系統が以下の(4−1)〜(4−15)のいずれかである、請求項3に記載の方法。
    (4−1)1;ペニシリン系、2;第一世代セフェム系、3;第三世代セフェム系または第四世代セフェム系、及び4;カルバペネム系からなる4系統、
    (4−2)1;ペニシリン系、2;第一世代セフェム系、3;セファマイシン系またはオキサセフェム系、及び4;カルバペネム系からなる4系統、
    (4−3)1;ペニシリン系、2;第三世代セフェム系または第四世代セフェム系、3;セファマイシン系またはオキサセフェム系、及び4;カルバペネム系からなる4系統、
    (4−4)1;第一世代セフェム系、2;第三世代セフェム系または第四世代セフェム系、3;セファマイシン系またはオキサセフェム系、及び4;カルバペネム系からなる4系統、
    (4−5)1;ペニシリン系、2;第一世代セフェム系、3;第三世代セフェム系または第四世代セフェム系、及び4;セファマイシン系またはオキサセフェム系からなる4系統、
    (4−6)1;ペニシリン系、2;第一世代セフェム系、3;モノバクタム系、及び4;カルバペネム系からなる4系統、
    (4−7)1;ペニシリン系、2;第三世代セフェム系または第四世代セフェム系、3;モノバクタム系、及び4;カルバペネム系からなる4系統、
    (4−8)1;第一世代セフェム系、2;第三世代セフェム系または第四世代セフェム系、3;モノバクタム系、及び4;カルバペネム系からなる4系統、
    (4−9)1;ペニシリン系、2;第一世代セフェム系、3;モノバクタム系、及び4;セファマイシン系またはオキサセフェム系からなる4系統、
    (4−10)1;ペニシリン系、2;第三世代セフェム系または第四世代セフェム系、3;モノバクタム系、及び4;セファマイシン系またはオキサセフェム系からなる4系統、
    (4−11)1;第一世代セフェム系、2;第三世代セフェム系または第四世代セフェム系、3;モノバクタム系、及び4;セファマイシン系またはオキサセフェム系からなる4系統、
    (4−12)1;ペニシリン系、2;第一世代セフェム系、3;第三世代セフェム系または第四世代セフェム系、及び4;モノバクタム系からなる4系統、
    (4−13)1;ペニシリン系、2;モノバクタム系、3;セファマイシン系またはオキサセフェム系、及び4;カルバペネム系からなる4系統、
    (4−14)1;第一世代セフェム系、2;モノバクタム系、3;セファマイシン系またはオキサセフェム系、及び4;カルバペネム系からなる4系統、
    (4−15)1;第三世代セフェム系または第四世代セフェム系、2;モノバクタム系、3;セファマイシン系またはオキサセフェム系、及び4;カルバペネム系からなる4系統。
  6. 工程(a)において、検出対象微生物に接触させるβ−ラクタム薬が5系統であり、前記5系統が以下の(5−1)〜(5−6)のいずれかである、請求項3に記載の方法。
    (5−1)1;ペニシリン系、2;第一世代セフェム系、3;第三世代セフェム系または第四世代セフェム系、4;セファマイシン系またはオキサセフェム系、及び5;カルバペネム系からなる5系統、
    (5−2)1;ペニシリン系、2;第一世代セフェム系、3;第三世代セフェム系または第四世代セフェム系、4;モノバクタム系、及び5;カルバペネム系からなる5系統、
    (5−3)1;ペニシリン系、2;第一世代セフェム系、3;第三世代セフェム系または第四世代セフェム系、4;モノバクタム系、及び5;セファマイシン系またはオキサセフェム系からなる5系統、
    (5−4)1;ペニシリン系、2;第一世代セフェム系、3;モノバクタム系、4;セファマイシン系またはオキサセフェム系、及び5;カルバペネム系からなる5系統、
    (5−5)1;ペニシリン系、2;第三世代セフェム系または第四世代セフェム系、3;モノバクタム系、4;セファマイシン系またはオキサセフェム系、及び5;カルバペネム系からなる5系統、
    (5−6)1;第一世代セフェム系、2;第三世代セフェム系または第四世代セフェム系、3;モノバクタム系、4;セファマイシン系またはオキサセフェム系、及び5;カルバペネム系からなる5系統。
  7. 工程(a)において、pH指示薬を含有する媒体中でβ−ラクタム薬を検出対象微生物に接触させる、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 工程(a)において検出対象微生物と接触させる前記媒体が、ポリミキシンB、コリスチン、n-オクチル-β-D-グルコシドから選択される反応促進剤を更に含有する請求項7に記載の方法。
  9. pH指示薬が、ブロモクレゾールパープル、ブロモチモールブルー、ニトラジンイエロー、フェノールレッドから選択される請求項7または8に記載の方法。
  10. 工程(a)において、検出対象微生物に接触させるペニシリン系のβ−ラクタム薬がペニシリンGまたはピペラシリンであり、第一世代セフェム系のβ−ラクタム薬がセファゾリン、セファロチン、セファピリン、セファレキシンまたはセフロキサジンであり、第三世代セフェム系のβ−ラクタム薬がセフォタキシム、セフトリアキソン、セフチゾキシム、セフスロジン、セフテラムまたはセフメノキシムであり、第四世代セフェム系のβ−ラクタム薬がセフェピムまたはセフピロムであり、モノバクタム系のβ−ラクタム薬がアズトレオナムであり、セファマイシン系のβ−ラクタム薬がセフメタゾールであり、オキサセフェム系のβ−ラクタム薬がフロモキセフであり、カルバペネム系のβ−ラクタム薬がイミペネムまたはパニペネムである、請求項2〜9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 工程(a)において検出対象微生物と接触させる前記媒体が、液体、半流動状物質、ディスクまたはろ紙である、請求項7〜10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 工程(a)において検出対象微生物と接触させる前記媒体が液体であり、β−ラクタム薬と検出対象微生物を多ウェルプレートのウェル内で、20〜40℃において接触させる、請求項7〜11のいずれか1項に記載の方法。
  13. 1種類のβ−ラクタム薬、pH指示薬を含有するβ−ラクタマーゼ検出用処方を液体、乾燥状態または凍結状態で各ウェル内に備えた多ウェルプレートであって、1枚の多ウェルプレートが備えるβ−ラクタム薬が、
    第一の薬剤;ペニシリン系、
    第二の薬剤;第一世代セフェム系、
    第三の薬剤;第三世代セフェム系及び/または第四世代セフェム系、
    第四の薬剤;モノバクタム系、
    第五の薬剤;セファマイシン系及び/またはオキサセフェム系、並びに、
    第六の薬剤;カルバペネム系、
    からなる6系統から選択される少なくとも3系統の薬剤である多ウェルプレート。
  14. 1種類のβ−ラクタム薬、pH指示薬を含有するβ−ラクタマーゼ検出用処方を液体、乾燥状態または凍結状態で各ウェル内に備えた多ウェルプレートであって、1枚の多ウェルプレートが備えるβ−ラクタム薬が、
    第一の薬剤;ペニシリン系、
    第二の薬剤;第一世代セフェム系、
    第三の薬剤;第三世代セフェム系及び/または第四世代セフェム系、
    第四の薬剤;モノバクタム系、
    第五の薬剤;セファマイシン系及び/またはオキサセフェム系、並びに、
    第六の薬剤;カルバペネム系、
    からなる6系統から選択される3、4または5系統の薬剤である多ウェルプレート。
  15. 1枚の多ウェルプレートが備えるβ−ラクタム薬が3系統であり、前記3系統が以下の(3−1)〜(3−14)のいずれかである、請求項14に記載の多ウェルプレート。
    (3−1)1;ペニシリン系、2;第一世代セフェム系及び3;カルバペネム系からなる3系統、
    (3−2)1;第一世代セフェム系、2;第三世代セフェム系または第四世代セフェム系、及び3;カルバペネム系からなる3系統、
    (3−3)1;ペニシリン系、2;第三世代セフェム系または第四世代セフェム系、及び3;カルバペネム系からなる3系統、
    (3−4)1;ペニシリン系、2;セファマイシン系またはオキサセフェム系、及び3;カルバペネム系からなる3系統、
    (3−5)1;第一世代セフェム系、2;セファマイシン系またはオキサセフェム系、及び3;カルバペネム系からなる3系統、
    (3−6)1;第三世代セフェム系または第四世代セフェム系、2;セファマイシン系またはオキサセフェム系、及び3;カルバペネム系からなる3系統、
    (3−7)1;ペニシリン系、2;第三世代セフェム系または第四世代セフェム系、及び3;セファマイシン系またはオキサセフェム系からなる3系統、
    (3−8)1;第一世代セフェム系、2;モノバクタム系及び3;カルバペネム系からなる3系統、
    (3−9)1;ペニシリン系、2;モノバクタム系及び3;カルバペネム系からなる3系統、
    (3−10)1;第三世代セフェム系または第四世代セフェム系、2;モノバクタム系、及び3;カルバペネム系からなる3系統、
    (3−11)1;第一世代セフェム系、2;モノバクタム系、及び3;セファマイシン系またはオキサセフェム系からなる3系統、
    (3−12)1;ペニシリン系、2;モノバクタム系、及び3;セファマイシン系またはオキサセフェム系からなる3系統、
    (3−13)1;第三世代セフェム系または第四世代セフェム系、2;モノバクタム系、及び3;セファマイシン系またはオキサセフェム系からなる3系統、
    (3−14)1;モノバクタム系、2;セファマイシン系またはオキサセフェム系、及び3;カルバペネム系からなる3系統。
  16. 1枚の多ウェルプレートが備えるβ−ラクタム薬が4系統であり、前記4系統が以下の(4−1)〜(4−15)のいずれかである、請求項14に記載の多ウェルプレート。
    (4−1)1;ペニシリン系、2;第一世代セフェム系、3;第三世代セフェム系または第四世代セフェム系、及び4;カルバペネム系からなる4系統、
    (4−2)1;ペニシリン系、2;第一世代セフェム系、3;セファマイシン系またはオキサセフェム系、及び4;カルバペネム系からなる4系統、
    (4−3)1;ペニシリン系、2;第三世代セフェム系または第四世代セフェム系、3;セファマイシン系またはオキサセフェム系、及び4;カルバペネム系からなる4系統、
    (4−4)1;第一世代セフェム系、2;第三世代セフェム系または第四世代セフェム系、3;セファマイシン系またはオキサセフェム系、及び4;カルバペネム系からなる4系統、
    (4−5)1;ペニシリン系、2;第一世代セフェム系、3;第三世代セフェム系または第四世代セフェム系、及び4;セファマイシン系またはオキサセフェム系からなる4系統、
    (4−6)1;ペニシリン系、2;第一世代セフェム系、3;モノバクタム系、及び4;カルバペネム系からなる4系統、
    (4−7)1;ペニシリン系、2;第三世代セフェム系または第四世代セフェム系、3;モノバクタム系、及び4;カルバペネム系からなる4系統、
    (4−8)1;第一世代セフェム系、2;第三世代セフェム系または第四世代セフェム系、3;モノバクタム系、及び4;カルバペネム系からなる4系統、
    (4−9)1;ペニシリン系、2;第一世代セフェム系、3;モノバクタム系、及び4;セファマイシン系またはオキサセフェム系からなる4系統、
    (4−10)1;ペニシリン系、2;第三世代セフェム系または第四世代セフェム系、3;モノバクタム系、及び4;セファマイシン系またはオキサセフェム系からなる4系統、
    (4−11)1;第一世代セフェム系、2;第三世代セフェム系または第四世代セフェム系、3;モノバクタム系、及び4;セファマイシン系またはオキサセフェム系からなる4系統、
    (4−12)1;ペニシリン系、2;第一世代セフェム系、3;第三世代セフェム系または第四世代セフェム系、及び4;モノバクタム系からなる4系統、
    (4−13)1;ペニシリン系、2;モノバクタム系、3;セファマイシン系またはオキサセフェム系、及び4;カルバペネム系からなる4系統、
    (4−14)1;第一世代セフェム系、2;モノバクタム系、3;セファマイシン系またはオキサセフェム系、及び4;カルバペネム系からなる4系統、
    (4−15)1;第三世代セフェム系または第四世代セフェム系、2;モノバクタム系、3;セファマイシン系またはオキサセフェム系、及び4;カルバペネム系からなる4系統。
  17. 1枚の多ウェルプレートが備えるβ−ラクタム薬が5系統であり、前記5系統が以下の(5−1)〜(5−6)のいずれかである、請求項14に記載の多ウェルプレート。
    (5−1)1;ペニシリン系、2;第一世代セフェム系、3;第三世代セフェム系または第四世代セフェム系、4;セファマイシン系またはオキサセフェム系、及び5;カルバペネム系からなる5系統、
    (5−2)1;ペニシリン系、2;第一世代セフェム系、3;第三世代セフェム系または第四世代セフェム系、4;モノバクタム系、及び5;カルバペネム系からなる5系統、
    (5−3)1;ペニシリン系、2;第一世代セフェム系、3;第三世代セフェム系または第四世代セフェム系、4;モノバクタム系、及び5;セファマイシン系またはオキサセフェム系からなる5系統、
    (5−4)1;ペニシリン系、2;第一世代セフェム系、3;モノバクタム系、4;セファマイシン系またはオキサセフェム系、及び5;カルバペネム系からなる5系統、
    (5−5)1;ペニシリン系、2;第三世代セフェム系または第四世代セフェム系、3;モノバクタム系、4;セファマイシン系またはオキサセフェム系、及び5;カルバペネム系からなる5系統、
    (5−6)1;第一世代セフェム系、2;第三世代セフェム系または第四世代セフェム系、3;モノバクタム系、4;セファマイシン系またはオキサセフェム系、及び5;カルバペネム系からなる5系統。
  18. β−ラクタマーゼ検出用処方が、ポリミキシンB、コリスチン、n-オクチル-β-D-グルコシドから選択される反応促進剤を更に含有する請求項13〜17のいずれか1項に記載の多ウェルプレート。
  19. pH指示薬が、ブロモクレゾールパープル、ブロモチモールブルー、ニトラジンイエロー、フェノールレッドから選択される請求項13〜18のいずれか1項に記載の多ウェルプレート。
  20. 前記ペニシリン系のβ−ラクタム薬がペニシリンGまたはピペラシリンであり、前記第一世代セフェム系のβ−ラクタム薬がセファゾリン、セファロチン、セファピリン、セファレキシンまたはセフロキサジンであり、前記第三世代セフェム系のβ−ラクタム薬がセフォタキシム、セフトリアキソン、セフチゾキシム、セフスロジン、セフテラムまたはセフメノキシムであり、前記第四世代セフェム系のβ−ラクタム薬がセフェピムまたはセフピロムであり、前記モノバクタム系のβ−ラクタム薬がアズトレオナムであり、前記セファマイシン系のβ−ラクタム薬がセフメタゾールであり、前記オキサセフェム系のβ−ラクタム薬がフロモキセフであり、前記カルバペネム系のβ−ラクタム薬がイミペネムまたはパニペネムである、請求項13〜19のいずれか1項に記載の多ウェルプレート。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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