JP6214188B2 - β−ラクタマーゼ検出方法 - Google Patents
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(1)以下の工程を含むことを特徴とする微生物のβ−ラクタマーゼ検出方法及び判定方法。
(a)第一の薬剤;ペニシリン系、
第二の薬剤;第一世代セフェム系、
第三の薬剤;第三世代セフェム系及び/または第四世代セフェム系、
第四の薬剤;モノバクタム系、
第五の薬剤;セファマイシン系及び/またはオキサセフェム系、並びに、
第六の薬剤;カルバペネム系、
からなる6系統のβ−ラクタム薬の各々を検出対象微生物に接触させ、各薬剤の分解の有無をアシドメトリー法により判別する工程、
(b)工程(a)における各薬剤の分解有無の判別結果に基づいて検出対象微生物の酵素分類の判定を行う工程。
(2)工程(a)において、
ペニシリナーゼ産生菌は、第一の薬剤が分解有りと判別され、第二の薬剤は分解有りまたは分解無しと判別され、第三の薬剤、第四の薬剤、第五の薬剤及び第六の薬剤は分解無しと判別され、
セファロスポリナーゼ産生菌(染色体性)は、第一の薬剤及び第二の薬剤が分解有りと判別され、第三の薬剤、第四の薬剤、第五の薬剤及び第六の薬剤は分解無しと判別され、
ESBL産生菌は、第一の薬剤及び第二の薬剤が分解有りと判別され、第五の薬剤及び第六の薬剤は分解無しと判別され、第三の薬剤及び第四の薬剤は分解有りまたは分解無しと判別され、
過剰産生型AmpC産生菌は、第一の薬剤、第二の薬剤、第三の薬剤、第四の薬剤及び第五の薬剤が分解有りと判別され、第六の薬剤は分解無しと判別され、
MBL産生菌は、第一の薬剤、第二の薬剤、第三の薬剤、第五の薬剤及び第六の薬剤が分解有りと判別され、第四の薬剤は分解無しと判別され、
KPC型カルバペネマーゼ産生菌及びOXA型カルバペネマーゼ産生菌は、6系統の薬剤すべてが分解有りと判別される、(1)に記載の方法。
(3)工程(a)において、pH指示薬を含有する媒体中でβ−ラクタム薬を検出対象微生物に接触させる、(1)または(2)に記載の方法。
(4)工程(a)において検出対象微生物と接触させる媒体が、ポリミキシンB、コリスチン、n-オクチル-β-D-グルコシドから選択される反応促進剤を更に含有する(3)に記載の方法。
(5)pH指示薬が、ブロモクレゾールパープル、ブロモチモールブルー、ニトラジンイエロー、フェノールレッドから選択される(3)または(4)に記載の方法。
(6)第一の薬剤がペニシリンGまたはピペラシリンであり、第二の薬剤がセファゾリン、セファロチン、セファピリン、セファレキシンまたはセフロキサジンであり、第三の薬剤がセフォタキシム、セフトリアキソン、セフチゾキシム、セフスロジン、セフテラムまたはセフメノキシムであり、第四の薬剤がアズトレオナムであり、第五の薬剤がフロモキセフまたはセフメタゾールであり、第六の薬剤がイミペネムまたはパニペネムである(1)から(5)のいずれか1項に記載の方法。
(7)工程(a)において検出対象微生物と接触させる媒体が、液体、半流動状物質、ディスクまたはろ紙である、(3)から(6)のいずれか1項に記載の方法。
(8)工程(a)において検出対象微生物と接触させる媒体が液体であり、β−ラクタム薬と検出対象微生物を多ウェルプレートのウェル内で、20〜40℃において接触させる、(3)から(7)のいずれか1項に記載の方法。
(9)1種類のβ−ラクタム薬、pH指示薬を含有するβ−ラクタマーゼ検出用処方を液体、乾燥状態または凍結状態で各ウェル内に備えた多ウェルプレートであって、β−ラクタム薬が、
第一の薬剤;ペニシリン系、
第二の薬剤;第一世代セフェム系、
第三の薬剤;第三世代セフェム系及び/または第四世代セフェム系、
第四の薬剤;モノバクタム系、
第五の薬剤;セファマイシン系及び/またはオキサセフェム系、並びに、
第六の薬剤;カルバペネム系、
からなる6系統である多ウェルプレート。
(10)β−ラクタマーゼ検出用処方が、ポリミキシンB、コリスチン、n-オクチル-β-D-グルコシドから選択される反応促進剤を更に含有する(9)に記載の多ウェルプレート。
(11)pH指示薬が、ブロモクレゾールパープル、ブロモチモールブルー、ニトラジンイエロー、フェノールレッドから選択される(9)または(10)に記載の多ウェルプレート。
(12)第一の薬剤がペニシリンGまたはピペラシリンであり、第二の薬剤がセファゾリン、セファロチン、セファピリン、セファレキシンまたはセフロキサジンであり、第三の薬剤がセフォタキシム、セフトリアキソン、セフチゾキシム、セフスロジン、セフテラムまたはセフメノキシムであり、第四の薬剤がアズトレオナムであり、第五の薬剤がフロモキセフまたはセフメタゾールであり、第六の薬剤がイミペネムまたはパニペネムである(9)から(11)のいずれか1項に記載の多ウェルプレート。
第一世代セフェム系抗菌薬は、例えば、セファロチン(CET)、セファロリジン(CER)、セファピリン(CEPR)、セファゾリン(CEZ)、セフテゾール(CTZ)、セファセトリル(CEC)、セファレキシン(CEX)、セフラジン(CED)、セファトリジン(CFT)、セフロキサジン(CXD)、セファドロキシル(CDX)、セファゼドン、セフロダキシンである。
第三世代セフェム系抗菌薬は、例えば、セフテラム(CFTM)、セフメノキシム(CMX)、セフチゾキシム(CZX)、セフォペラゾン(CPZ)、セフォタキシム(CTX)、セフピラミド(CPM)、セフタジジム(CAZ)、セフトリアキソン(CTRX)、セフォジジム(CDZM)、セフスロジン(CFS)、セフィキシム(CFIX)、セフチブテン(CETB)、セフポドキシムプロキセチル(CPDX-PR)、セフカペンピボキシル(CFPN-PI)、セフチゾキシムアラピボキシル(CZX-AP)である。
第四世代セフェム系抗菌薬は、例えば、セフェピム(CFPM)、セフピロム(CPR)である。
モノバクタム系抗菌薬は、例えば、アズトレオナム(AZT)、カルモナム(CRMN)である。
セファマイシン系抗菌薬は、例えば、セフォキシチン(CFX)、セフメタゾール(CMZ)、セフォテタン(CTT)、セフブペラゾン(CBPZ)、セフミノクス(CMNX)である。
オキサセフェム系抗菌薬は、例えば、ラタモキセフ(LMOX)、フロモキセフ(FMOX)である。
カルバペネム系抗菌薬は、例えば、イミペネム(IPM)、パニペネム(PAPM)、メロペネム(MEPM)、ビアペネム(BIPM)、ドリペネム(DRPM)、テビペネム(TBPM)、エルタペネムである。
なお、後に示す実施例においては、略称を使用した。より迅速かつ正確な判定を行うためには、反応強度が強く、安定した成績が得られる薬剤、すなわち、第一の薬剤としてペニシリンGまたはピペラシリン、第二の薬剤としてセファゾリン、セファロチン、セファピリン、セファレキシンまたはセフロキサジン、第三の薬剤としてセフォタキシム、セフトリアキソン、セフチゾキシム、セフスロジン、セフテラムまたはセフメノキシム、第四の薬剤としてアズトレオナム、第五の薬剤としてフロモキセフまたはセフメタゾール、第六の薬剤としてイミペネムまたはパニペネムを選択することが特に好ましい。本発明は、少なくとも第一の薬剤、第二の薬剤、第三の薬剤、第四の薬剤、第五の薬剤及び第六の薬剤から選択されるβ−ラクタム薬を使用する方法であり、前記のβ−ラクタム薬の他に別の薬剤を使用することも可能である。例えば、第七の薬剤として第二世代セフェム系の抗菌薬も使用できる。第二世代セフェム系抗菌薬の具体例としては、セフロキシム(CXM)、セファマンドール(CMD)、セフォニシド、セフォチアム(CTM)、ロラカルベフ(LCBF)、セフプロジル(CFPZ)、セフォラニドが挙げられる。
なお、各実施例で使用した供試菌株一覧を以下の表2に示す。
大腸菌(β−ラクタマーゼ非産生株及びESBL産生株)、黄色ブドウ球菌(ペニシリナーゼ産生株)、緑膿菌(セファロスポリナーゼ産生株)、セラチア・マルセッセンス(MBL産生株)、クレブシエラ・ニューモニエ(カルバペネマーゼ産生株)を対象とし、酵素分類判定を行った。
液体100μLを加えて溶解した時に、以下に示した基本試薬組成においてβ−ラクタム薬の濃度及び緩衝液の濃度が、(1)4mg/mL PCG、0.5mM リン酸緩衝液、(2)4mg/mL CEZ、0.5mM リン酸緩衝液、(3)4mg/mL CFTM、0.5mM リン酸緩衝液、(4)4mg/mL CMX、0.5mM リン酸緩衝液、(5)4mg/mL AZT、0.25mM リン酸緩衝液、(6)4mg/mL FMOX、1mM リン酸緩衝液、(7)2mg/mL IPM、1.25mM リン酸緩衝液、(8)β−ラクタム薬なし、0.25mM リン酸緩衝液(陰性コントロール)となるように、β−ラクタマーゼ検出用処方液(1)〜(8)を調製し、96穴マイクロプレートに適量分注し、45℃で60分間乾燥し、β−ラクタマーゼ検出用処方液を固定化乾燥したプレートを作製した。
前培養した各菌株を滅菌生理食塩水に懸濁し、McFarland No. 1に調製した後、1.で作製したプレートに100μLずつ分注した。その後、35℃で15、60、180分間インキュベーションし、フェノールレッドの赤色から黄色への変化を目視で判別し、β−ラクタム薬分解の有無の判定を行った。
15、60、180分後の分解の有無の判別結果を表4〜6に示す。β−ラクタム薬の分解有りと判別された場合はその程度に応じて+、2+、3+と段階的に表示し、β−ラクタム薬の分解無しと判別された場合は−と表示している。
抗菌薬、界面活性剤等、β−ラクタム薬の加水分解反応を促進する可能性がある物質について、大腸菌(ESBL産生株)を対象とし、加水分解反応への影響を調べた。
液体100μLを加えて溶解した時に、以下に示した基本試薬組成において反応促進作用スクリーニング物質が(1)0.125万〜8万U/mL ポリミキシンB、(2)0.325万〜24万U/mL コリスチン、(3)0.625〜40mg/mL n-オクチル-β-D-グルコシド、(4)0.625〜40mg/mL CHAPS、(5)0.625〜40mg/mL MYS-45(日光ケミカルズ(株)製)、(6)0.625〜40mg/mL アデカトールN-1000((株)ADEKA製)、(7)0.625〜40mg/mL アデカトールN-1100((株)ADEKA製)、(8)0.625〜40mg/mL ノニオンNS-270(日油(株)製)、(9)0.625〜40mg/mL プルロニックF-68(Sigma社製)、(10)0.625〜40mg/mL プルロニックF-127(Sigma社製)、(11)0.625〜40mg/mL コール酸ナトリウムとなるように、β−ラクタマーゼ検出用処方液(1)〜(11)を調製し、また、コントロールとして反応促進剤なしのβ−ラクタマーゼ検出用処方液(12)を調製し、96穴マイクロプレートに適量分注し、45℃で60分間乾燥し、β−ラクタマーゼ検出用処方液を固定化乾燥したプレートを作製した。
前培養した菌株を滅菌生理食塩水に懸濁し、McFarland No. 1に調製した後、1.で作製したプレートに100μLずつ分注した。その後、35℃で24時間までインキュベーションし、輝度測定装置にて接触開始時から24時間後まで15分間隔で測定した。この測定値は、フェノールレッドの赤色から黄色への変化に従い数値が減少するため、測定値200をカットオフとし、測定値が200に達するまでの時間によって加水分解反応への影響を評価した。
各物質において、高い反応促進作用を示した最少濃度における、「測定値が200に達するまでの時間」をまとめたグラフを図1に示す。コール酸ナトリウム以外の物質は、多少なりとも反応促進作用を示したが、特にポリミキシンB、コリスチン、n-オクチル-β-D-グルコシドは顕著な反応促進作用を示した。反応促進剤なしの場合、200に達するまでの時間が6.75時間であったのに対して、ポリミキシンB、コリスチン、n-オクチル-β-D-グルコシドでは、0.5時間まで短縮された。
大腸菌(ESBL産生株)、黄色ブドウ球菌(ペニシリナーゼ産生株)、緑膿菌(セファロスポリナーゼ産生株)、セラチア・マルセッセンス(MBL産生株)、クレブシエラ・ニューモニエ(カルバペネマーゼ産生株)を対象とし、反応促進剤としてのポリミキシンBの作用を調べた。
液体100μLを加えて溶解した時に、以下に示した基本試薬組成においてβ−ラクタム薬の濃度及び緩衝液の濃度が、(1)4mg/mL PCG、0.5mM リン酸緩衝液、(2)4mg/mL CEZ、0.5mM リン酸緩衝液、(3)4mg/mL CFTM、0.5mM リン酸緩衝液、(4)4mg/mL CMX、0.5mM リン酸緩衝液、(5)4mg/mL AZT、0.25mM リン酸緩衝液、(6)4mg/mL FMOX、1mM リン酸緩衝液、(7)2mg/mL IPM、0.25mMリン酸緩衝液、(8)β−ラクタム薬なし、0.25mM リン酸緩衝液(陰性コントロール)となるように、β−ラクタマーゼ検出用処方液(1)〜(8)を調製し、更に、比較用として実施例1と同様の、ポリミキシンBを含有しない8種類のβ−ラクタマーゼ検出用処方液を調製し、96穴マイクロプレートに適量分注し、45℃で60分間乾燥し、β−ラクタマーゼ検出用処方液を固定化乾燥したプレートを作製した。
前培養した各菌株を滅菌生理食塩水に懸濁し、McFarland No. 1に調製した後、1.で作製したプレートに100μLずつ分注した。その後、35℃で15、30、60、180分間インキュベーションし、フェノールレッドの赤色から黄色への変化を目視で判別し、β−ラクタム薬分解の有無の判定を行った。なお、陰性コントロールとして滅菌生理食塩水を使用した。
15、30、60、180分後の分解の有無の判別結果を表9〜12に示す。β−ラクタム薬の分解有りと判別された場合はその程度に応じて+、2+、3+と段階的に表示し、β−ラクタム薬の分解無しと判別された場合は−と表示している。
大腸菌(ESBL産生株)、緑膿菌(セファロスポリナーゼ産生株)、セラチア・マルセッセンス(MBL産生株)を対象とし、試料中の菌量が少ない場合におけるポリミキシンBの反応促進作用を調べた。
実施例3と同様とした。
前培養した各菌株を滅菌生理食塩水に懸濁し、McFarland No. 1に調製した後、滅菌生理食塩水で10倍希釈し、1.で作製したプレートに100μLずつ分注した。その後、35℃で15、30分間インキュベーションし、フェノールレッドの赤色から黄色への変化を目視で判別し、β−ラクタム薬分解の有無の判定を行った。なお、陰性コントロールとして滅菌生理食塩水を使用した。
15、30分後の分解の有無の判別結果を表13及び14に示す。β−ラクタム薬の分解有りと判別された場合はその程度に応じて+、2+、3+と段階的に表示し、β−ラクタム薬の分解無しと判別された場合は−と表示している。
β−ラクタム薬PCG、MPIPC、ABPC、AMPC、ASPC、PIPCを大腸菌(β−ラクタマーゼ非産生株、ペニシリナーゼ産生株及びESBL産生株)、黄色ブドウ球菌(β−ラクタマーゼ非産生株)、緑膿菌(β−ラクタマーゼ非産生株及びセファロスポリナーゼ産生株)、セラチア・マルセッセンス(MBL産生株)に接触させ、加水分解反応を調べた。
液体100μLを加えて溶解した時に、以下に示した基本試薬組成においてβ−ラクタム薬が、(1)PCG、(2)MPIPC、(3)ABPC、(4)AMPC、(5)ASPC、(6)PIPCとなるように、β−ラクタマーゼ検出用処方液(1)〜(6)を調製し、96穴マイクロプレートに適量分注し、45℃で60分間乾燥し、β−ラクタマーゼ検出用処方液を固定化乾燥したプレートを作製した。
前培養した各菌株を滅菌生理食塩水に懸濁し、McFarland No. 1に調製した後、1.で作製したプレートに100μLずつ分注した。その後、35℃で15分、60分、180分、24時間インキュベーションし、フェノールレッドの赤色から黄色への変化を目視で判別し、β−ラクタム薬分解の有無の判定を行った。
15分、60分、180分、24時間後の分解の有無の判別結果を表16〜19に示す。β−ラクタム薬の分解有りと判別された場合はその程度に応じて+、2+、3+と段階的に表示し、β−ラクタム薬の分解無しと判別された場合は−と表示している。
β−ラクタム薬CEZ、CET、CEPR、CEX、CXDを大腸菌(β−ラクタマーゼ非産生株、ペニシリナーゼ産生株及びESBL産生株)、緑膿菌(β−ラクタマーゼ非産生株)に接触させ、加水分解反応を調べた。
液体100μLを加えて溶解した時に、以下に示した基本試薬組成においてβ−ラクタム薬が、(1)CEZ、(2)CET、(3)CEPR、(4)CEX、(5)CXDとなるように、β−ラクタマーゼ検出用処方液(1)〜(5)を調製し、96穴マイクロプレートに適量分注し、45℃で60分間乾燥し、β−ラクタマーゼ検出用処方液を固定化乾燥したプレートを作製した。
前培養した各菌株を滅菌生理食塩水に懸濁し、McFarland No. 1に調製した後、1.で作製したプレートに100μLずつ分注した。その後、35℃で15分、60分、180分、24時間インキュベーションし、フェノールレッドの赤色から黄色への変化を目視で判別し、β−ラクタム薬分解の有無の判定を行った。
15分、60分、180分、24時間後の分解の有無の判別結果を表21〜24に示す。β−ラクタム薬の分解有りと判別された場合はその程度に応じて+、2+、3+と段階的に表示し、β−ラクタム薬の分解無しと判別された場合は−と表示している。
β−ラクタム薬CTX、CTRX、CAZ、CZX、CMX、CDZM、CPZ、CFIX、CETB、CFS、CFTMを大腸菌(β−ラクタマーゼ非産生株、ペニシリナーゼ産生株及びESBL産生株)、緑膿菌(β−ラクタマーゼ非産生株)に接触させ、加水分解反応を調べた。
液体100μLを加えて溶解した時に、以下に示した基本試薬組成においてβ−ラクタム薬が、(1)CTX、(2)CTRX、(3)CAZ、(4)CZX、(5)CMX、(6)CDZM、(7)CPZ、(8)CFIX、(9)CETB、(10)CFS、(11)CFTMとなるように、β−ラクタマーゼ検出用処方液(1)〜(11)を調製し、96穴マイクロプレートに適量分注し、45℃で60分間乾燥し、β−ラクタマーゼ検出用処方液を固定化乾燥したプレートを作製した。
前培養した各菌株を滅菌生理食塩水に懸濁し、McFarland No. 1に調製した後、1.で作製したプレートに100μLずつ分注した。その後、35℃で15分、60分、180分、24時間インキュベーションし、フェノールレッドの赤色から黄色への変化を目視で判別し、β−ラクタム薬分解の有無の判定を行った。
15分、60分、180分、24時間後の分解の有無の判別結果を表26〜29に示す。β−ラクタム薬の分解有りと判別された場合はその程度に応じて+、2+、3+と段階的に表示し、β−ラクタム薬の分解無しと判別された場合は−と表示している。
セファマイシン系抗菌薬であるCFX 、CMZ、CMNX、オキサセフェム系抗菌薬であるLMOX、FMOXを大腸菌(ESBL産生株)、クレブシエラ・ニューモニエ(カルバペネマーゼ産生株)、セラチア・マルセッセンス(MBL産生株)、緑膿菌(セファロスポリナーゼ及びMBL産生株)、黄色ブドウ球菌(ペニシリナーゼ産生株)に接触させ、加水分解反応を調べた。
液体100μLを加えて溶解した時に、以下に示した基本試薬組成においてβ−ラクタム薬が、(1) CFX、 (2) CMZ、(3) CMNX、(4) LMOX、(5) FMOXとなるように、β−ラクタマーゼ検出用処方液(1)〜(5)を調製し、96穴マイクロプレートに適量分注し、45℃で60分間乾燥し、β−ラクタマーゼ検出用処方液を固定化乾燥したプレートを作製した。
前培養した各菌株を滅菌生理食塩水に懸濁し、McFarland No. 1に調製した後、1.で作製したプレートに100μLずつ分注した。その後、35℃で15分、60分、180分、24時間インキュベーションし、フェノールレッドの赤色から黄色への変化を目視で判別し、β−ラクタム薬分解の有無の判定を行った。
15分、60分、180分、24時間後の分解の有無の判別結果を表31〜34に示す。β−ラクタム薬の分解有りと判別された場合はその程度に応じて+、2+、3+と段階的に表示し、β−ラクタム薬の分解無しと判別された場合は−と表示している。
β−ラクタム薬IPM、MEPM、BIPM、TBPMをセラチア・マルセッセンス(MBL産生株)に接触させ、加水分解反応を調べた。
液体100μLを加えて溶解した時に、以下に示した基本試薬組成においてβ−ラクタム薬が、(1)IPM、(2)MEPM、(3)BIPM、(4)TBPMとなるように、β−ラクタマーゼ検出用処方液(1)〜(4)を調製し、96穴マイクロプレートに適量分注し、45℃で60分間乾燥し、β−ラクタマーゼ検出用処方液を固定化乾燥したプレートを作製した。
前培養した菌株を滅菌生理食塩水に懸濁し、McFarland No. 1に調製した後、1.で作製したプレートに100μLずつ分注した。その後、35℃で1時間、3時間、20時間インキュベーションし、ブロモクレゾールパープルの青紫色から黄色への変化を目視で判別し、β−ラクタム薬分解の有無を調べた。
IPMは1時間、3時間のインキュベーション後に陽性色(黄色)を呈し、20時間後には弱陽性色を呈した。MEPMとBIPMはともに、1時間のインキュベーション後に陰性色(青紫色)を呈し、3時間後、20時間後に陽性色(黄色)を呈した。更に、TBPMは1時間、3時間のインキュベーション後に陰性色(青紫色)を呈し、20時間後には弱陽性色を呈した。この結果から、試験した中で最も加水分解反応の速いIPMは本発明の使用に適していることが示唆された。
β−ラクタム薬IPM、PAPM、MEPM、BIPM、DRPM、TBPMを大腸菌(ESBL産生株)、クレブシエラ・ニューモニエ(カルバペネマーゼ産生株)、セラチア・マルセッセンス(MBL産生株)、緑膿菌(セファロスポリナーゼ及びMBL産生株)、黄色ブドウ球菌(ペニシリナーゼ産生株)に接触させ、加水分解反応を調べた。
液体100μLを加えて溶解した時に、以下に示した基本試薬組成においてβ−ラクタム薬が、(1) IPM、 (2) PAPM、(3) MEPM、(4) BIPM、(5) DRPM、(6) TBPMとなるように、β−ラクタマーゼ検出用処方液(1)〜(6)を調製し、96穴マイクロプレートに適量分注し、45℃で60分間乾燥し、β−ラクタマーゼ検出用処方液を固定化乾燥したプレートを作製した。
前培養した各菌株を滅菌生理食塩水に懸濁し、McFarland No. 1に調製した後、1.で作製したプレートに100μLずつ分注した。その後、35℃で15分、60分、180分、24時間インキュベーションし、フェノールレッドの赤色から黄色への変化を目視で判別し、β−ラクタム薬分解の有無の判定を行った。
15分、60分、180分、24時間後の分解の有無の判別結果を表37〜40に示す。β−ラクタム薬の分解有りと判別された場合はその程度に応じて+、2+、3+と段階的に表示し、β−ラクタム薬の分解無しと判別された場合は−と表示している。
Claims (12)
- 以下の工程を含むことを特徴とする微生物のβ−ラクタマーゼ検出方法及び判定方法。
(a)第一の薬剤;ペニシリンGまたはピペラシリン、
第二の薬剤;第一世代セフェム系、
第三の薬剤;第三世代セフェム系及び/または第四世代セフェム系、
第四の薬剤;モノバクタム系、
第五の薬剤;セファマイシン系及び/またはオキサセフェム系、並びに、
第六の薬剤;カルバペネム系、
からなる6系統のβ−ラクタム薬の各々を検出対象微生物に接触させ、各薬剤の分解の有無をアシドメトリー法により判別する工程、
(b)工程(a)における各薬剤の分解有無の判別結果に基づいて検出対象微生物の酵素分類の判定を行う工程。 - 工程(a)において、
ペニシリナーゼ産生菌は、第一の薬剤が分解有りと判別され、第二の薬剤は分解有りまたは分解無しと判別され、第三の薬剤、第四の薬剤、第五の薬剤及び第六の薬剤は分解無しと判別され、
セファロスポリナーゼ産生菌(染色体性)は、第一の薬剤及び第二の薬剤が分解有りと判別され、第三の薬剤、第四の薬剤、第五の薬剤及び第六の薬剤は分解無しと判別され、
ESBL産生菌は、第一の薬剤及び第二の薬剤が分解有りと判別され、第五の薬剤及び第六の薬剤は分解無しと判別され、第三の薬剤及び第四の薬剤は分解有りまたは分解無しと判別され、
過剰産生型AmpC産生菌は、第一の薬剤、第二の薬剤、第三の薬剤、第四の薬剤及び第五の薬剤が分解有りと判別され、第六の薬剤は分解無しと判別され、
MBL産生菌は、第一の薬剤、第二の薬剤、第三の薬剤、第五の薬剤及び第六の薬剤が分解有りと判別され、第四の薬剤は分解無しと判別され、
KPC型カルバペネマーゼ産生菌及びOXA型カルバペネマーゼ産生菌は、6系統の薬剤すべてが分解有りと判別される、請求項1に記載の方法。 - 工程(a)において、pH指示薬を含有する媒体中でβ−ラクタム薬を検出対象微生物に接触させる、請求項1または2に記載の方法。
- 工程(a)において検出対象微生物と接触させる媒体が、ポリミキシンB、コリスチン、n-オクチル-β-D-グルコシドから選択される反応促進剤を更に含有する請求項3に記載の方法。
- pH指示薬が、ブロモクレゾールパープル、ブロモチモールブルー、ニトラジンイエロー、フェノールレッドから選択される請求項3または4に記載の方法。
- 第二の薬剤がセファゾリン、セファロチン、セファピリン、セファレキシンまたはセフロキサジンであり、第三の薬剤がセフォタキシム、セフトリアキソン、セフチゾキシム、セフスロジン、セフテラムまたはセフメノキシムであり、第四の薬剤がアズトレオナムであり、第五の薬剤がフロモキセフまたはセフメタゾールであり、第六の薬剤がイミペネムまたはパニペネムである請求項1から5のいずれか1項に記載の方法。
- 工程(a)において検出対象微生物と接触させる媒体が、液体、半流動状物質、ディスクまたはろ紙である、請求項3から6のいずれか1項に記載の方法。
- 工程(a)において検出対象微生物と接触させる媒体が液体であり、β−ラクタム薬と検出対象微生物を多ウェルプレートのウェル内で、20〜40℃において接触させる、請求項3から7のいずれか1項に記載の方法。
- 1種類のβ−ラクタム薬、pH指示薬を含有するβ−ラクタマーゼ検出用処方を液体、乾燥状態または凍結状態で各ウェル内に備えた多ウェルプレートであって、β−ラクタム薬が、
第一の薬剤;ペニシリンGまたはピペラシリン、
第二の薬剤;第一世代セフェム系、
第三の薬剤;第三世代セフェム系及び/または第四世代セフェム系、
第四の薬剤;モノバクタム系、
第五の薬剤;セファマイシン系及び/またはオキサセフェム系、並びに、
第六の薬剤;カルバペネム系、
からなる6系統である多ウェルプレート。 - β−ラクタマーゼ検出用処方が、ポリミキシンB、コリスチン、n-オクチル-β-D-グルコシドから選択される反応促進剤を更に含有する請求項9に記載の多ウェルプレート。
- pH指示薬が、ブロモクレゾールパープル、ブロモチモールブルー、ニトラジンイエロー、フェノールレッドから選択される請求項9または10に記載の多ウェルプレート。
- 第二の薬剤がセファゾリン、セファロチン、セファピリン、セファレキシンまたはセフロキサジンであり、第三の薬剤がセフォタキシム、セフトリアキソン、セフチゾキシム、セフスロジン、セフテラムまたはセフメノキシムであり、第四の薬剤がアズトレオナムであり、第五の薬剤がフロモキセフまたはセフメタゾールであり、第六の薬剤がイミペネムまたはパニペネムである請求項9から11のいずれか1項に記載の多ウェルプレート。
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