JP2016180536A - 排気熱交換器 - Google Patents

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健太 植田
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Toru Ikeda
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【課題】加工性を向上しつつ、凝縮水の滞留を抑制できる排気熱交換器を提供する。【解決手段】排気が流通するチューブ110を有するコア部115と、チューブ110の長手方向端部が接続されたコアプレート140と、コア部115を覆うように配置されるとともに、冷却水が流通するケーシング130とを備え、コアプレート140は、板状に形成されているとともに、ケーシング130に接合されており、コア部140には、チューブ110と連通する流出側タンク部160が接続されており、流出側タンク部160は、排気が流通する本体部162と、本体部162のコア部115側の端部に接続されているともに、コアプレート140に接合された平面状のプレート接合部163とを有しており、チューブ110の内壁面と、流出側タンク部160における本体部162とプレート接合部163と接続部165の内壁面とが、滑らかに接続されている。【選択図】図5

Description

本発明は、燃焼により発生する排気と熱媒体との間で熱交換を行う排気熱交換器に関するものである。
従来、内燃機関の吸気側に戻される排気と冷却水とを熱交換して排気を冷却するEGRクーラ等の排気熱交換器として、排気が流通する複数のチューブを有するコア部と、コア部を覆うように配置された冷却水タンク(シェル)と、コア部と排気配管とを接続する排気タンク(出側ガス通路)とを備えるものが知られている。
このようなEGRクーラでは、コア部は、チューブの両端部が貫通接合されるコアプレート(ヘッダープレート)を有している。また、冷却水タンクは、コアプレートの外周縁部に接合される。そして、排気タンクは、冷却水タンクの内壁面に接合される。
このため、排気タンクと水タンクとの接続部において、チューブの下端面と排気タンクの内壁面との間に段差部が生じる。そして、排気が冷却されることで発生する凝縮水が当該段差部に滞留すると、EGRクーラの構成部品が腐食するおそれがある。
これに対し、特許文献1には、排気タンクの下端部を2回屈曲させて、コアプレートの平面部および側面部の双方に接合させる技術(以下、第1技術という)が開示されている。また、特許文献1には、コアプレートの外周部に筒状の延設部を設け、当該延設部の内周部に排気タンクを接合させる技術(以下、第2技術という)も開示されている。これらの技術によれば、チューブの下端面と排気タンクの内壁面との間に段差部が生じなくなるため、EGRクーラ内に凝縮水が滞留して腐食の原因となることを抑制できる。
特開2013−24109号公報
しかしながら、特許文献1に記載の第1技術では、コアプレートを2回屈曲させる必要がある。また、特許文献1に記載の第2技術では、コアプレートの外周部に延設部を設ける必要がある。したがって、特許文献1に記載のEGRクーラでは、加工性が悪化して、製造コストが増大するおそれがある。
本発明は上記点に鑑みて、加工性を向上しつつ、凝縮水の滞留を抑制できる排気熱交換器を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、内燃機関(10)から排出される排気が流通する排気流路(111)を形成するチューブ(110)を有するとともに、チューブ(110)の内部を流通する排気とチューブ(110)の外部を流通する熱媒体との間で熱交換を行うコア部(115)と、チューブ(110)の長手方向端部が接続されたコアプレート(140)と、コア部(115)を覆うように配置されるとともに、熱媒体が流通する熱媒体流路(131)を形成する熱媒体流路形成部材(130)とを備え、コアプレート(140)は、板状に形成されているとともに、熱媒体流路形成部材(130)に接合されており、コア部(140)には、チューブ(110)と連通する排気流通部品(160)が接続されており、排気流通部品(160)は、排気が流通する本体部(162)と、本体部(162)のコア部(115)側の端部に接続されているともに、コアプレート(140)に接合された平面状のプレート接合部(163)とを有しており、チューブ(110)の内壁面と、排気流通部品(160)における本体部(162)とプレート接合部(163)と接続部(165)の内壁面とが、滑らかに接続されていることを特徴とする。
これによれば、チューブ(110)の内壁面と、排気流通部品(160)における本体部(162)とプレート接合部(163)と接続部(165)の内壁面とを、滑らかに接続することで、チューブ(110)の内壁面と、排気流通部品(160)における本体部(162)とプレート接合部(163)と接続部(165)の内壁面との間に段差が形成されることを抑制できる。このため、チューブ(110)と排気流通部品(160)との間に凝縮水が滞留することを抑制できる。このとき、排気流通部品(160)に、コアプレート(140)に接合される平面状のプレート接合部(163)を形成するだけでよいため、排気熱交換器の加工性を向上させることができる。
なお、本発明における「滑らかに接続」とは、完全に隙間無く接続されていることのみを意味するものではなく、製造誤差、組付誤差によって微小に隙間が形成されているものも「滑らかに接続」という用語の範囲内に含むものとする。
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
本実施形態に係るEGRクーラを用いたEGRを示す模式図である。 本実施形態に係るEGRクーラの内部を示す平面説明図である。 本実施形態に係るEGRクーラの内部を示す正面説明図である。 本実施形態のチューブを示す斜視図である。 図2のV部拡大図である。
以下、本発明の一実施形態について図1〜図5に基づいて説明する。本実施形態では、本発明の排気熱交換器をEGRクーラに適用した例を説明する。EGRクーラは、エンジン(内燃機関)での燃焼により発生した排気をエンジンに再循環させる際に、その排気をエンジンの冷却水(熱媒体) によって冷却する排気熱交換器である。
図1に示すように、EGR(排気再循環装置)は、車両のエンジン10に設けられた排気中の窒素酸化物低減用の装置であり、排気再循環管11、EGRバルブ12、およびEGRクーラ100を備えている。排気再循環管11は、エンジン10から排出される排気の一部をエンジン10の吸気側に還流させる配管である。排気再循環管11の入口部は、排気浄化触媒13の排気流れ上流側に接続されている。本実施形態では、排気再循環管11は円管により形成されている。
EGRバルブ12は、排気再循環管11の排気流れ途中に配設されて、エンジン10の稼働状態に応じて排気再循環管11を流通する排気(以下、EGRガスとも呼ぶ)の量を調節するものである。EGRクーラ100は、EGRガスとエンジン10の冷却水との間で熱交換を行い、EGRガスを冷却する熱交換器であり、エンジン10の排気側とEGRバルブ12との間に配設されている。
次に、EGRクーラ100の構造について、図2〜図5を用いて説明する。なお、図2および図3では、チューブ110を図示するために、ケーシング130等を断面で示している。
図2および図3に示すように、EGRクーラ100は、チューブ110、フィン120、ケーシング130、コアプレート140、流入側タンク部150、流出側タンク部160、流入口170、流出口180等を備えている。上記各部材は、例えば耐熱性および耐腐食性に優れるステンレス材から形成されており、各部材の当接部が互いにろう付けによって接合されている。
図4に示すように、チューブ110は、内部にEGRガスが流通する排気流路111を形成する管部材であり、EGRガスの流通方向に交差する断面が矩形扁平状に形成されている。このチューブ110は、例えば断面が浅いコの字状にプレス成形された2枚のチューブプレート110a、110bのコの字状開口側端部を互いに接合することにより形成されている。チューブ110は、扁平状断面の長辺側の面(以下、対向面と呼ぶ)が互いに対向するように複数積層されている。
チューブ110の対向面には、外側に向けて突出する凸部112が形成されている。凸部112は各チューブプレート110a、110bのプレス成形時に同時に成形される。
フィン120は、EGRガスと冷却水との熱交換を促進する伝熱部材であり、チューブ110内、つまり排気流路111内に配設されている。本実施形態では、フィン120として、オフセットフィンを採用している。
以下、複数積層されて凸部112同士で接合されたチューブ110およびフィン120の積層体を、コア部115という。コア部115は、チューブ110の内部を流通する排気とチューブ110の外部を流通する冷却水との間で熱交換を行う熱交換部である。
図2、図3に示すように、ケーシング130は、コア部115を内部に収納するとともに、チューブ110の周りに冷却水が流通する冷却水流路131を形成する角パイプ状の容器体である。ケーシング130は、コア部115を覆うように配置されている。冷却水流路131は、チューブ110とチューブ110との間、およびチューブ110とケーシング130との間に形成される通路である。なお、本実施形態の冷却水流路131が本発明の熱媒体通路に相当しており、本実施形態のケーシング130が本発明の熱媒体流路形成部材に相当している。
コアプレート140は、複数の貫通孔が設けられた一対の板部材である。一対のコアプレート140の貫通孔に、複数積層されたチューブ110の長手方向の両端部が貫通接合されることで、複数のチューブ110は一対のコアプレート140に保持される。そして、一対のコアプレート140の外周部は、ケーシング130の内周面に接合されている。一対のコアプレート140によって、ケーシング130内の冷却水流路131と、後述する各タンク部150、160の内部空間とが区画されている。
流入側タンク部150は、各チューブ110にEGRガスを分配供給する漏斗状の部材である。流入側タンク部150における漏斗状の開口面積の大きい側の端部は、コアプレート140に接合されている。そして、流入側タンク部150の漏斗状の開口面積の小さい側の端部には、排気再循環管11の途中部位へ接続するためのジョイント部151が接合されている。
流出側タンク部160は、各チューブ110から流出するEGRガスを集合させる漏斗状の部材である。流出側タンク部160における漏斗状の開口面積の大きい側の端部は、コアプレート140に接合されている。そして、流出側タンク部160の漏斗状の開口面積の小さい側の端部には、排気再循環管11の途中部位へ接続するためのジョイント部161が接合されている。
流入口170は、冷却水を冷却水流路131内に導入する管部材である。流入口170は、当該流入口170の内部とケーシング130の内部(冷却水流路131)とが連通するように、ケーシング130のEGRガスの流入側に接合されている。
流出口180は、冷却水流路131内を流通した冷却水を外部に流出させる管部材である。流出口180は、当該流出口180の内部とケーシング130の内部(冷却水流路131)とが連通するように、ケーシング130のEGRガスの流出側に接合されている。
上述したように構成されたEGRクーラ100は、図2に示すように、EGRクーラ100内の排気流れ下流側(図2の紙面右側)が上流側(図2の紙面左側)よりも重力方向上方側に位置するように、車両の水平軸に対して傾斜して配置されている。すなわち、EGRクーラ100は、流出側タンク160が流入側タンク150よりも重力方向上方側に位置するように、車両の水平軸に対して傾斜して配置されている。
次に、本実施形態の各タンク部150、160の詳細構成を、図2および図5に基づいて説明する。なお、流入側タンク部150と流出側タンク部160とは、ほぼ同様の構成であるため、以下では流出側タンク部160について説明し、流入側タンク部150については説明を省略する。
図2および図5に示すように、流出側タンク部160は、排気が流通する本体部162と、コアプレート140に接合されるプレート接合部163と、ジョイント部161に接合されるジョイント接合部164とを有している。本体部162、プレート接合部163およびジョイント接合部164は、一体に形成されている。
プレート接合部163は、チューブ110の長手方向に直交する板状(平面状)に形成されている。プレート接合部163は、コアプレート140におけるコア部115と反対側の面(チューブ110と反対側の面)に接合されている。また、プレート接合部163は、本体部162のコア部115側の端部に接続されている。
ジョイント接合部164は、円筒状に形成されている。ジョイント接合部164は、ジョイント161の内壁面に接合されている。ジョイント接合部164の内径は、プレート接合部163の内径よりも小さい。また、ジョイント接合部164は、本体部162のコア部115と反対側の端部に接続されている。
本体部162は、プレート接合部163の内周端部とジョイント接合部164の排気流れ上流側端部とを接続する流路形成部材である。本体部162は、コア部115から遠くなるにつれて流路断面積が小さくなるように形成されている。すなわち、本体部162は、排気流れ上流側から下流側に向かうにつれて流路断面積が小さくなるように形成されている。具体的には、図5に示すように、本体部162の下端面は、排気流れ下流側(図5の紙面左側)が上流側(図5の紙面右側)よりも重力方向上方側に位置するように傾斜している。
また、流出側タンク160の重力方向下方側において、チューブ110の内壁面と、流出側タンク160における本体部162とプレート接合部163との接続部165の内壁面とが、滑らかに接続されている。すなわち、流出側タンク160の重力方向下方側において、チューブ110の内壁面と、流出側タンク160における本体部162とプレート接合部163との接続部165の内壁面とが、チューブ110の長手方向から見たときに、互いに重合配置されている。換言すると、流出側タンク160の重力下方側において、チューブ110の内壁面と流出側タンク160の内壁面との間に段差(隙間)が形成されていない。
ところで、上述したように、流出側タンク部160は、コア部115に接続されているとともに、チューブ110と連通している。したがって、本実施形態の流出側タンク部160が、本発明の排気流通部品を構成している。
コア部115は、角パイプ状の容器体であるケーシング130に収容されているため、排気流れ方向に直交する断面形状が矩形状となるように形成されている。このため、コア部115に接続されている流出側タンク部160の本体部162における排気流れ上流側端部は、排気流れ方向に直交する断面形状が矩形状となるように形成されている。
一方、流出側タンク部160の本体部162における排気流れ下流側端部は、円管により形成された、すなわち排気流れ方向に直交する断面形状が円形状となる排気再循環管11に、ジョイント161を介して接続されている。したがって、流出側タンク部160の本体部162における排気流れ下流側端部は、排気流れ方向に直交する断面形状が円形状となるように形成されている。
以上説明したように、本実施形態では、流出側タンク部160の重力方向下方側において、チューブ110の内壁面と、流出側タンク部160における本体部162とプレート接合部163と接続部165の内壁面とを、滑らかに接続している。これによれば、チューブ110の内壁面と、流出側タンク部160における本体部162とプレート接合部163と接続部165の内壁面との間に段差が形成されることを抑制できる。このため、チューブ110と流出側タンク部160との間に、排気が冷却されることで発生する凝縮水が滞留することを抑制できる。その結果、図5の破線矢印に示すように、凝縮水を流出側タンク部160からチューブ110に向かって確実に排出させることができるので、EGRクーラ100の構成部品に腐食が生じることを抑制できる。
このとき、流出側タンク部160に、コアプレート140に接合される平面状のプレート接合部163を形成するだけでよい。すなわち、コアプレート140を2回以上屈曲させたり、コアプレート140の外周部に延設部を設けたりする必要がない。したがって、EGRクーラ100の構成部品(流出側タンク部160)の加工性を向上させることができる。このことは、本実施形態のように、アルミニウムよりも加工荷重が大きいステンレスを流出側タンク部160に用いた構成において、特に効果を奏する。
(他の実施形態)
本発明は上述の実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、例えば以下のように種々変形可能である。
(1)上記実施形態では、流入側タンク部150を流出側タンク部160とほぼ同様の構成とした例について説明したが、これに限らず、流入側タンク部150を流出側タンク部160と異なる構成としてもよい。
(2)上記実施形態では、流出側タンク部160としてステンレスを用いた例について説明したが、これに限らず、流出側タンク部160としてアルミニウム等の他の材料を用いてもよい。
110 チューブ
115 コア部
140 コアプレート
130 ケーシング(熱媒体流路形成部材)
160 流出側タンク部(排気流通部品)
162 本体部
163 プレート接合部
165 接続部

Claims (3)

  1. 内燃機関(10)から排出される排気が流通する排気流路(111)を形成するチューブ(110)を有するとともに、前記チューブ(110)の内部を流通する排気と前記チューブ(110)の外部を流通する熱媒体との間で熱交換を行うコア部(115)と、
    前記チューブ(110)の長手方向端部が接続されたコアプレート(140)と、
    前記コア部(115)を覆うように配置されるとともに、前記熱媒体が流通する熱媒体流路(131)を形成する熱媒体流路形成部材(130)とを備え、
    前記コアプレート(140)は、板状に形成されているとともに、前記熱媒体流路形成部材(130)に接合されており、
    前記コア部(140)には、前記チューブ(110)と連通する排気流通部品(160)が接続されており、
    前記排気流通部品(160)は、
    前記排気が流通する本体部(162)と、
    前記本体部(162)の前記コア部(115)側の端部に接続されているともに、前記コアプレート(140)に接合された平面状のプレート接合部(163)とを有しており、
    前記チューブ(110)の内壁面と、前記排気流通部品(160)における前記本体部(162)と前記プレート接合部(163)と接続部(165)の内壁面とが、滑らかに接続されていることを特徴とする排気熱交換器。
  2. 前記コア部(115)は、前記排気の流れ方向に直交する断面形状が矩形状であり、
    前記排気流通部品(160)の前記本体部(162)における前記排気の流れ方向の上流側端部は、前記排気の流れ方向に直交する断面形状が矩形状であり、
    前記排気流通部品(160)の前記本体部(162)における前記排気の流れ方向の下流側端部は、前記排気の流れ方向に直交する断面形状が円形状であることを特徴とする請求項1に記載の排気熱交換器。
  3. 前記チューブ(110)、前記コアプレート(140)および前記排気流通部品(160)が、ステンレスにより構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の排気熱交換器。
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