JP2014224645A - 排気熱交換器 - Google Patents
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Abstract
【課題】部品点数を削減しつつ、腐食による貫通孔が生じること(孔食)を抑制できる排気熱交換器を提供する。
【解決手段】内部を排気が流通し、外部を冷却媒体が流通するチューブ21と、チューブ21の内部に配置されるとともに、排気との伝熱面積を増大させるフィン22とを備え、フィン22は、チューブ21を構成するチューブ構成材料を切り起こすことにより形成されており、チューブ21の内表面およびフィン22の表面には、耐酸性を有する被膜30が形成されている。
【選択図】図4
【解決手段】内部を排気が流通し、外部を冷却媒体が流通するチューブ21と、チューブ21の内部に配置されるとともに、排気との伝熱面積を増大させるフィン22とを備え、フィン22は、チューブ21を構成するチューブ構成材料を切り起こすことにより形成されており、チューブ21の内表面およびフィン22の表面には、耐酸性を有する被膜30が形成されている。
【選択図】図4
Description
本発明は、燃焼により発生する排気と冷却媒体との間で熱交換を行うことで排気を冷却する排気熱交換器に関するものである。
従来、燃焼により発生する排気と冷却媒体とを熱交換させることで排気を冷却する排気熱交換器が知られている(例えば、特許文献1参照)。この排気熱交換器は、排気が流通するチューブと、チューブの内部に接合されたインナーフィンとを備えており、チューブ内を流れる排気と、チューブの外側を流れる冷却媒体との間で熱交換を行うように構成されている。
一般に、排気熱交換器においては、チューブ等の構成部材はステンレス材から形成されており、近年熱交換器の材料として広く使用されているアルミニウム材に比べて、重量面、材料費の面、ろう付け性の面で不利となっている。このため、上記特許文献1に記載の排気熱交換器では、軽量化、および材料費低減、ろう付け性向上のために例えばアルミニウム化を図っている。
ところで、このような排気熱交換器のインナーフィンは、波形状に成形した板状部材によって構成されている。つまり、チューブ材とは別にフィン材が必要となり、部品点数が増加してコストアップにつながる。
そこで、本発明者は、チューブ内表面を切り起こすことによりインナーフィンを形成することを検討した。
しかしながら、一般に、アルミニウム製のチューブは、耐食性を確保するために、芯材の表面に犠牲腐食材がクラッドされたクラッド材により構成されている。このようなクラッド材により構成されたチューブの内表面を切り起こしてインナーフィンを形成すると、以下のような問題が発生する。
すなわち、インナーフィンが犠牲腐食材により構成されることとなるため、インナーフィン自体が腐食してしまう。また、チューブ内表面のうち、インナーフィンが切り起こされた部分は、犠牲腐食材がなくなって芯材が露出するので、芯材に腐食による貫通孔が生じるおそれがある。
本発明は上記点に鑑みて、部品点数を削減しつつ、腐食による貫通孔が生じること(孔食)を抑制できる排気熱交換器を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、内部を排気が流通し、外部を冷却媒体が流通するチューブ(21)と、チューブ(21)の内部に配置されるとともに、排気との伝熱面積を増大させるフィン(22)とを備え、フィン(22)は、チューブ(21)を構成するチューブ構成材料を切り起こすことにより形成されており、チューブ(21)の内表面およびフィン(22)の表面には、耐酸性を有する被膜(30)が形成されていることを特徴とする。
これによれば、フィン(22)を、チューブ構成材料を切り起こすことにより形成することで、フィン材を廃止しつつ、フィン(22)を設けることができる。このため、部品点数を削減することが可能となる。このとき、チューブ(21)の内表面およびフィン(22)の表面に、耐酸性を有する被膜(30)を形成することで、チューブ(21)の内側およびフィン(22)に腐食による貫通孔が生じることを抑制できる。
また、請求項2に記載の発明では、内部を排気が流通し、外部を冷却媒体が流通するチューブ(21)と、チューブ(21)の内部に配置されるとともに、排気の流れを乱す乱流促進体(220)とを備え、乱流促進体(220)は、チューブ(21)を構成するチューブ構成材料を切り起こすことにより形成されており、チューブ(21)の内表面および乱流促進体(220)の表面には、耐酸性を有する被膜(30)が形成されていることを特徴とする。
これによれば、乱流促進体(220)を、チューブ構成材料を切り起こすことにより形成することで、フィン材を廃止しつつ、乱流促進体(220)を設けることができる。このため、部品点数を削減することが可能となる。このとき、チューブ(21)の内表面および乱流促進体(220)の表面に、耐酸性を有する被膜(30)を形成することで、チューブ(21)の内側および乱流促進体(220)に腐食による貫通孔が生じることを抑制できる。
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について図1〜図4に基づいて説明する。本実施形態では、本発明の熱交換器を排気熱交換器(EGRクーラ)に適用した例を説明する。
以下、本発明の第1実施形態について図1〜図4に基づいて説明する。本実施形態では、本発明の熱交換器を排気熱交換器(EGRクーラ)に適用した例を説明する。
EGRクーラ1は、図示しない内燃機関(エンジン)での燃焼により発生した排気をエンジンに再循環させる際に、その排気をエンジンの冷却水(冷却媒体)によって冷却する排気熱交換器である。EGRクーラ1は、図1および図2に示すように、内部にフィン22が配設される複数のチューブ21、水タンク130、入口ガスタンク140、出口ガスタンク160、入口水パイプ170、および出口水パイプ180等から構成されている。
以下説明する各部材は、軽量で熱伝導性に優れ、且つ安価なアルミニウム材、あるいはアルミニウム合金材から成形されており、各部材の当接部がろう付あるいは溶接により接合されている。
チューブ21は、図3に示すように、排気が流通する排気流路21aを構成する管であり、内部を排気が流れるようになっている。また、チューブ21の外部を冷却水が流れるようになっており、このチューブ21を介して、排気と冷却水とを熱交換させる。
具体的には、チューブ21の排気流れ方向から見たときの断面形状は、長辺21cと短辺21dを有する扁平形状である。長辺21c側となる扁平面に垂直な方向(図中上下方向)に、複数のチューブ21が積層されている。また、図2に示すように、本実施形態では、基本的に、隣り合うチューブ21の外壁によって、隣り合うチューブ21間に冷却水が流れる冷却水流路21bが構成されている。
チューブ21の内部には、フィン22が配設されている。なお、フィン22の詳細については後述する。
チューブの長辺21c側となる基本面111には、凸部112および凹部113が設けられている。凸部112は、チューブ基本面111の表面から外方に向けて突出するようにプレス加工された打出し部であり、チューブ基本面111の外周部に堰のように形成されている。そして、凹部113は、上記凸部112の突出頂点からチューブ基本面111側にへこむへこみ部として形成されている。
凹部113の形成される位置は、ここではチューブ基本面111における1つの対角の位置となる2箇所としている。上記チューブ21は、図2に示すように、チューブ基本面111に形成された凸部112が互いに当接するように複数積層されて、各凸部112同士が接合されている。
そして、凸部112のうち、各チューブ21の長手方向端部に形成された凸部112同士が接合されることで、複数積層されたチューブ21の長手方向端部には、後述する水タンク130の内部(水流路115)と各ガスタンク140、160の内部とを区画する区画部112Aが形成されている。
ここで、複数積層されるチューブ21間において、凸部112の内側領域には空間が形成されて、この空間が冷却水用の水流路115となっている。また、チューブ基本面111で2箇所形成される凹部113のうち、チューブ21長手方向の一方(図2中の左下側)の凹部113同士によって形成される開口部は、外部と上記水流路115とが連通して冷却水が流入する流入側開口部113aとなっている。
また、チューブ基本面111で2箇所形成される凹部113のうち、チューブ21長手方向の他方(図2中の右上側)の凹部113同士によって形成される開口部は、外部と上記水流路115とが連通して冷却水が流出する流出側開口部113bとなっている。ここでは、排気流路21a(チューブ21内)において、排気ガスが流入する側を流入側開口部113aとし、その反対側を流出側開口部113bとしている。
そして、チューブ21の流入側開口部113a側となるチューブ基本面111には、チューブ21の外表面における冷却水の温度境界層の温度を低下させる温度低下手段としての凸状部が形成されている。凸状部は、ここでは、複数のディンプル116として形成されている。ディンプル116は、例えば円筒形の凸状部として設定することができ、碁盤目状に複数配置されている。ディンプル116の突出寸法は、チューブ21の外周部の凸部112の突出寸法と同一としている。
また、チューブ基本面111の流入側開口部113aの近傍には、冷却水の流れをできるだけチューブ基本面111の全体に拡げ、流出側開口部113bへと向かうようにするための整流部117が設けられている。整流部117も上記ディンプル116と同様にチューブ基本面111から突出するようにして形成されている。
水タンク130は、複数積層されたチューブ21を内部に収容する筒状の容器体であり、第1水タンク130Aと第2水タンク130Bとから形成されている。
第1水タンク130Aは、チューブ基本面111に対向する本体部131と、この本体部131の上側端部からチューブ21側に略90度に折り曲げられた上面部132と、本体部131の下側端部からチューブ21側に略90度に折り曲げられた下面部133とを備えて、横断面形状がコの字状を成している。
上面部132の長手方向における流出側開口部113bに対応する側の端部には、外側(上側)に膨出する膨出部132aが形成されており、更に、この膨出部132aの領域内には、バーリング部(縁立て部)を備え、出口水パイプ180接続用となるパイプ孔132bが穿設されている。また、下面部133の長手方向の両端部には、外側(下側)に膨出する膨出部133a、133bが形成されている。
第2水タンク130Bは、チューブ基本面111に対向する本体部134と、この本体部134の上側端部からチューブ21側に略90度に折り曲げられた上面部135と、本体部131の下側端部からチューブ21側に略90度に折り曲げられた下面部136とを備えて、横断面形状が上記第1水タンク130Aよりも浅いコの字状を成している。
上面部135の長手方向における流出側開口部113bに対応する側の端部には、第1水タンク130Aと同様に、外側(上側)に膨出する膨出部135aが形成されている。また、下面部136の長手方向の両端部には、第1水タンク130Aと同様に、外側(下側)に膨出する膨出部136a、136bが形成されている。
第1水タンク130Aと第2水タンク130Bとは、コの字状断面の開口側が互いに接合されて、断面四角形状を成す筒状の水タンク130を形成している。水タンク130の長手方向の両端部は、外部に開口する開口側端部130C、130Dとなっている。そして、両開口側端部130C、130Dのうち、後述する入口ガスタンク140側となる開口側端部130Cには、水タンク膨出部としての膨出部133cが形成されている。
膨出部133cは、四角形状を成す開口側端部130Cの下側の辺の中央部で、この下側の辺よりも外側(下側)に膨出するようにして、且つ上述した膨出部133aに繋がるように形成されている。
入口ガスタンク140は、排気管からの排気を内部に流通させて、この排気を複数のチューブ21に分配供給するための排気流路140Cを形成するものであり、外側ガスタンク140Aと内側ガスタンク140Bとから形成されて、二重構造を成している。
外側ガスタンク140Aは、外形形状が直方体状を成して、チューブ21側となる一方の面が開口する半容器体として形成されている。開口している部位は、開口部141となっている。開口部141は、四角形状を成している。この開口部141と対向する側となる他方の面の下方には、バーリング部を備え、フランジ148接続用となる円形のフランジ孔142が形成されている。また、外側ガスタンク140Aの上側となる面には、入口水パイプ170の接続用のパイプ孔143が形成されている。
更に、外側ガスタンク140Aの下側となる外側壁部144には、ガスタンク膨出部としての膨出部(図示せず)が形成されている。膨出部は、四角形状を成す開口部141の下側の辺の中央部で、この下側の辺よりも外側(下側)に膨出すると共に、フランジ孔142側に向けて順次膨出量が小さくなるように形成されている。膨出部145は、外側ガスタンク140Aにおいてパイプ孔143の形成された面に対向する(反対側となる)面に設けられている。
内側ガスタンク140Bは、漏斗状を成して内部に排気流路140Cを形成するものであり、チューブ21側となる一方側に四角形状を成す開口部146が形成され、他方側にバーリング部を備え、フランジ148接続用となる円形のフランジ孔147が形成されている。開口部146は本願発明における一方の開口部に対応し、フランジ孔147は本願発明における他方の開口部に対応する。他方の開口部は、一方の開口部を貫く軸線に沿った方向に開口している。
内側ガスタンク140Bは、外側ガスタンク140Aの内部に挿入され、開口部146の外周面と、膨出部145を除く開口部141の内周面とが互いに接合され、またフランジ孔147のバーリング部の外周面と、フランジ孔142のバーリング部の内周面とが互いに接合されて、入口ガスタンク140が形成されている。
このように形成される入口ガスタンク140は、内側ガスタンク140Bと外側ガスタンク140Aとの二重構造によって、内側ガスタンク140Bの排気流路140Cの外側、つまり内側ガスタンク140Bと外側ガスタンク140Aとの間に外側空間140Dを備えるタンクとなっている。外側空間140Dは、膨出部145を介して入口ガスタンク140の外部と連通している。
入口ガスタンク140には、排気ガス再循環装置における相手側排気管との接続用のフランジ148が接合されている。フランジ148は、外形が菱形状を成す板部材であり、中心部に連通孔148aが形成され、また両端側にボルトによる締結用のボルト孔(雌ねじ)148bが形成されている。
連通孔148aと、入口ガスタンク140のフランジ孔142、146とが連通するようにして、フランジ148は、入口ガスタンク140に接合されている。そして、入口ガスタンク140の開口部146の内周面は、複数積層されたチューブ21の区画部112Aの外周面に接合されている。よって、内側ガスタンク140Bの排気流路140Cは、各チューブ21内の排気流路21aと連通している。
出口ガスタンク160は、漏斗状を成して内部に排気流路を形成するものであり、チューブ21側となる一方側に四角形状を成す開口部161が形成され、他方側にバーリング部を備え、フランジ163接続用となる円形のフランジ孔162が形成されている。出口ガスタンク160には、排気ガス再循環装置における相手側排気管との接続用のフランジ163が接合されている。
フランジ163は、上記フランジ148と同様に、外形が菱形状を成す板部材であり、中心部に連通孔が穿設され、また両端側にボルトによる締結用のボルト孔(雌ねじ)が形成されている。連通孔と、出口ガスタンク160のフランジ孔162とが連通するようにして、フランジ163は、出口ガスタンク160に接合されている。そして、出口ガスタンク160の開口部161の内周面は、複数積層されたチューブ21の区画部112Aの外周面に接合されている。よって、出口ガスタンク160の内部となる排気流路は、各チューブ21内の排気流路21aと連通している。
そして、第1水タンク130A、第2水タンク130Bは、チューブ積層方向から複数積層されたチューブ21の外側を覆うように組付けされて、チューブ21は水タンク130内に収容された形となっている。水タンク130の開口側端部130C、130Dの内周面は、各ガスタンク140の開口部141、161の外周面に接合されている。
よって、水タンク130の膨出部133a、136aによって形成される空間と、複数積層されたチューブ21の側面部における開口部113aとが連通している。また、水タンク130の膨出部132a、135aによって形成される空間と、複数積層されたチューブ21の側面部における開口部113bとが連通している。また、チューブ21の側面部と膨出部133b、136bとの間には空間が形成されている。
また、最外方のチューブ21(チューブ基本面111)と本体部131、134との間には、各チューブ21間に形成される水流路115と同様の水流路115が形成されている。更に、チューブ21の上側の側面部と上面部132、135との間、およびチューブの下側の側面部と下面部133、136との間には隙間が形成されている。水タンク130の内部でチューブ21の外側に形成される空間が水タンク内空間となっている。
更に、水タンク130の膨出部133cの内周面が、入口ガスタンク140の膨出部145の外周面に接合され、膨出部133cと膨出部145とが接続されている。この両膨出部133c、145によって、両膨出部133c、145の内側に流路が形成されて、この流路が連通部150となっている。連通部150によって、水タンク130の膨出部133a、136aによって形成される空間と、入口ガスタンク140の外側空間とが連通している。
入口水パイプ170は、エンジンから流出される冷却水が流入する冷却流体流入口を形成するものであり、管部材から形成されている。入口水パイプ170の先端部は、外側ガスタンク140Aのパイプ孔143に挿入されて接合されている。入口水パイプ170は、入口ガスタンク140の外側空間140Dと連通している。
出口水パイプ180は、チューブ21の水流路115を流通した冷却水が流出する冷却流体流出口を形成するものであり、管部材から形成されている。出口水パイプ180の先端部は、水タンク130の膨出部132aにおけるパイプ孔132bに挿入されて接合されている。出口水パイプ180は、水タンク130の膨出部132a、135aによって形成される空間と連通している。
図3に示すように、フィン22は、各チューブ21内に配置されており、排気との伝熱面積を増大させて、排気と冷却水との間での熱交換を促進させるものである。フィン22は、チューブ21を構成するチューブ構成材料を切り起こすことにより形成されている。
図4に示すように、フィン22は、チューブ21における対向する二つの長辺21cの内表面のそれぞれに、複数設けられている。フィン22は、チューブ21の積層方向に垂直な方向から見たときの断面形状が、チューブ21の内表面との接続部を底辺とする略二等辺三角形状に形成されている。また、対向する二つの長辺21cの内表面に形成された複数のフィン22は、互い違いに配置されており、互いに接触しないようになっている。
チューブ21を構成するチューブ構成材料は、アルミニウム合金製の芯材20の両面に他の材料(ろう材や犠牲腐食材等)がクラッドされていないベア材である。芯材20の表面(排気と接触する面)と裏面(冷却水と接触する面)、および、フィン22の表面には、アトミックレイヤーデポジション(ALD)によって形成された被膜30が設けられている。
被膜30は、最表面に不動態を形成する膜である。被膜30は、耐酸性を有しており、芯材20よりも電位が貴になっている。また、被膜30は、撥水性を有している。本例では、被膜30は、Ta2O5、ZrO2、TiO2、Al2O3、SiO2の中から選ばれた少なくとも一種により構成されている。
なお、被膜30として、Ta2O5、ZrO2、TiO2、Al2O3、SiO2の中から選ばれた少なくとも二種の組成を混合して組織をアモルファス化したものを採用してもよい。また、被膜30として、Ta2O5、ZrO2、TiO2、Al2O3、SiO2の中から選ばれた少なくとも二種を順に積層(多層化)したものを採用してもよい。
続いて、本実施形態のチューブ21およびフィン22を製造する製造方法について説明する。
まず、フィン22を形成するフィン形成工程を行う。具体的には、アルミニウム合金製のベア材である板状のチューブ構成材料の一面を切り起こすことにより、複数のフィン22を形成する。
次に、チューブ21を成形するチューブ成形工程を行う。具体的には、フィン形成工程にてフィン22が形成されたチューブ構成材料を筒状に折り曲げ、断面扁平形状に成形する。このとき、チューブ構成材料の両端部同士が、扁平形状の短辺21d側で重なり合っている。
次に、重なり合っているチューブ構成材料の両端部同士を、溶接により接合する溶接工程を行う。
次に、上記工程によって形成されたチューブ21およびフィン22の表面に被膜30を形成する被膜形成工程を行う。具体的には、チューブ21の内部および外部にコーティング材料を流通させることにより、アトミックレイヤーデポジションによって、チューブ21の内表面と外表面、およびフィン22の表面に被膜30を形成する。
以上説明したように、フィン22を、チューブ構成材料を切り起こすことにより形成することで、フィン材を廃止しつつ、フィン22を設けることができる。これより、部品点数を削減することができる。また、フィン22をチューブ21にろう付けする必要もなくなるので、フラックスを廃止することができる。
また、本実施形態のように、チューブ21およびフィン22の表面に、耐酸性を有する被膜30を形成することで、当該被膜30により、チューブ21およびフィン22に腐食による貫通孔が生じることを抑制できる。具体的には、被膜30として、チューブ21の芯材20よりも電位が貴になるものを用いることで、芯材20が腐食することを抑制できる。
ところで、被膜30として、チューブ21の芯材20よりも電位が卑になるものを用いても、犠牲腐食作用によって芯材20が腐食することを抑制できる。ただし、この場合、腐食生成物が発生してしまう。これに対し、本実施形態のように、被膜30として、チューブ21の芯材20よりも電位が貴になるものを用いることで、腐食生成物の発生を防止しつつ、芯材20が腐食することを抑制できる。
また、本実施形態では、被膜30が撥水性を有している。これによれば、チューブ21およびフィン22の表面に凝縮水が滞留することを抑制できるので、耐食性を向上させることが可能となる。また、排気に含まれるPM(Particulate Matter:パティキュレート)を凝縮水が包み込んで、その状態でEGRクーラ1の外部へ排出させる効果も期待できる。
ところで、従来のEGRクーラでは、チューブにおける対向する二つの長辺の内表面に、波形状のフィンをろう付けにより接合していた。つまり、フィンが、チューブにおける対向する二つの長辺の内表面の双方に接合されていた。この場合、チューブ内を高温の排気が流通することで、熱膨張によりフィンが切断されるおそれがあった。これに対し、本実施形態では、フィン22を、チューブ21における対向する二つの長辺21cの内表面のそれぞれに設けているので、熱膨張によりフィン22が切断されることを防止できる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について図5に基づいて説明する。なお、図5は、上記第1実施形態の図4に対応する図面である。本第2実施形態は、上記第1実施形態のフィン22に代えて、乱流促進体220を設けている。
次に、本発明の第2実施形態について図5に基づいて説明する。なお、図5は、上記第1実施形態の図4に対応する図面である。本第2実施形態は、上記第1実施形態のフィン22に代えて、乱流促進体220を設けている。
図5に示すように、乱流促進体220は、各チューブ21内に配置されており、排気の流れを乱して、排気と冷却水との熱交換効率を向上させるものである。乱流促進体220は、チューブ21の内方側に突出する凸状に複数形成されている。乱流促進体220は、チューブ21を構成するチューブ構成材料を切り起こすことにより形成されている。このため、チューブ21の内表面は、凹凸状になっている。また、チューブ21における対向する二つの長辺21cの内表面に形成された複数の乱流促進体220は、互いに接触しないようになっている。
チューブ21を構成するチューブ構成材料の芯材20の表面と裏面、および、乱流促進体220の表面には、アトミックレイヤーデポジション(ALD)によって形成された被膜30が設けられている。
本実施形態によれば、乱流促進体220を、チューブ構成材料を切り起こすことにより形成することで、乱流促進体を構成するための別部材を廃止しつつ、乱流促進体220を設けることができる。これより、部品点数を削減することができる。また、本実施形態のように、チューブ21および乱流促進体220の表面耐酸性を有する被膜30を形成することで、当該被膜30により、チューブ21および乱流促進体220に腐食による貫通孔が生じることを抑制できる。つまり、上記第1実施形態と同様の効果を得ることが可能となる。
また、本実施形態では、チューブ21内に設けた乱流促進体220により、チューブ21の内表面を通過する排気流れを乱流化できるので、排気に含まれるPMのEGRクーラ1外部への排出性を向上させることが可能となる。
(他の実施形態)
本発明は上述の実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、以下のように種々変形可能である。
本発明は上述の実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、以下のように種々変形可能である。
(1)上記実施形態では、チューブ21を構成するチューブ構成材料の芯材20の表面と裏面の双方に被膜30を形成した例について説明したが、これに限らず、チューブ構成材料の芯材20の表面(排気と接触する面)にのみ被膜30が形成されていてもよい。
(2)上記実施形態では、チューブ21を構成するチューブ構成材料としてアルミニウム合金を用いた例について説明したが、これに限らず、例えばステンレスを用いてもよい。
21 チューブ
22 フィン
30 被膜
220 乱流促進体
22 フィン
30 被膜
220 乱流促進体
Claims (8)
- 燃焼により発生する排気と冷却媒体との間で熱交換を行うことで、前記排気を冷却する排気熱交換器であって、
内部を前記排気が流通し、外部を前記冷却媒体が流通するチューブ(21)と、
前記チューブ(21)の内部に配置されるとともに、前記排気との伝熱面積を増大させるフィン(22)とを備え、
前記フィン(22)は、前記チューブ(21)を構成するチューブ構成材料を切り起こすことにより形成されており、
前記チューブ(21)の内表面および前記フィン(22)の表面には、耐酸性を有する被膜(30)が形成されていることを特徴とする排気熱交換器。 - 燃焼により発生する排気と冷却媒体との間で熱交換を行うことで、前記排気を冷却する排気熱交換器であって、
内部を前記排気が流通し、外部を前記冷却媒体が流通するチューブ(21)と、
前記チューブ(21)の内部に配置されるとともに、前記排気の流れを乱す乱流促進体(220)とを備え、
前記乱流促進体(220)は、前記チューブ(21)を構成するチューブ構成材料を切り起こすことにより形成されており、
前記チューブ(21)の内表面および前記乱流促進体(220)の表面には、耐酸性を有する被膜(30)が形成されていることを特徴とする排気熱交換器。 - 前記被膜(30)は、化学気相成長法により形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の排気熱交換器。
- 前記チューブ(21)の外表面には、前記被膜(30)が形成されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の排気熱交換器。
- 前記皮膜(30)は、最表面に不動態を形成する膜であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の排気熱交換器。
- 前記チューブ構成材料は、金属製の芯材の両面に他の材料がクラッドされていないベア材であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載の排気熱交換器。
- 前記チューブ(21)は、板状の前記チューブ構成材料の両端部同士を溶接することにより形成されていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1つに記載の排気熱交換器。
- 前記皮膜(30)は、撥水性を有していることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1つに記載の排気熱交換器。
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JP2016142490A (ja) * | 2015-02-04 | 2016-08-08 | 三恵技研工業株式会社 | 自動車用配管の熱交換器 |
CN107218825A (zh) * | 2017-05-25 | 2017-09-29 | 合肥皖化电泵有限公司 | 一种具有高效热交换器的bcp泵 |
JP2020084858A (ja) * | 2018-11-21 | 2020-06-04 | トヨタ自動車株式会社 | 熱交換器 |
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2013
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