JP2016180027A - フラッシングオイル - Google Patents

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実男 篠田
Jitsuo Shinoda
実男 篠田
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    • C10PETROLEUM, GAS OR COKE INDUSTRIES; TECHNICAL GASES CONTAINING CARBON MONOXIDE; FUELS; LUBRICANTS; PEAT
    • C10MLUBRICATING COMPOSITIONS; USE OF CHEMICAL SUBSTANCES EITHER ALONE OR AS LUBRICATING INGREDIENTS IN A LUBRICATING COMPOSITION
    • C10M133/00Lubricating compositions characterised by the additive being an organic non-macromolecular compound containing nitrogen
    • C10M133/02Lubricating compositions characterised by the additive being an organic non-macromolecular compound containing nitrogen having a carbon chain of less than 30 atoms
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Abstract

【課題】洗浄性に優れ、新たに用いる潤滑油の性能に与える悪影響を抑制できるフラッシングオイルと、該フラッシングオイルを用いた洗浄方法とを提供する。
【解決手段】アミド化合物を含有するフラッシングオイル、アミド化合物を含有するフラッシングオイルを用いた洗浄方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、フラッシングオイル、及び該フラッシングオイルを用いた洗浄方法に関する。
一般に、フラッシングとは、装置や機械の新設時、分解修理組立て時、又は劣化した潤滑油の交換時に、装置系内のごみや異物、スラッジ等を除去するための洗浄操作のことをいう。特に、潤滑油を使用した装置系内には、スラッジ等の堆積物及び劣化した潤滑油や添加剤による残留物(以下、これらを単に「汚損物質」ともいう。)が存在する。装置系内のフラッシング時に、該残留物を十分に洗浄しないと、新たに使用する潤滑油の性能に大きく影響する。また、汚損物質のうち、特にスラッジ等の堆積物が存在すると、切替え弁や作動弁のスプールロック(スプール弁の詰りによる作動不良)を誘発し、装置の運転が継続できなくなる。また、汚損物質中に金属粉等が含まれていると、回転機器等の損傷を引き起こす。このため、汚損物質を効率よく除去できるフラッシングオイルが求められている。
例えば、特許文献1には、潤滑および/または洗浄剤組成物であって、スクシンイミド分散剤および/または四級アンモニウム塩分散剤を含む分散剤成分;キャリア流体成分;ならびに必要に応じた腐食防止剤を含む組成物が開示されている。
特表2013−510906号公報
フラッシングオイルには金属系の添加剤等が用いられており、金属系の添加剤等がフラッシング後の装置系内に残留すると、新たに用いる潤滑油の性能に大きな影響を与える。特に、新たに用いる潤滑油の酸化安定性に与える影響が大きく、その結果、潤滑油の交換頻度が増加し、装置の連続運転時間が短くなってしまい経済的な損失が大きくなる。また、金属系の添加剤が装置系内に残留することにより、当該添加剤自体が分解して汚損物質となり、更なる装置系内の汚損を引き起こしたり、装置の作動不良や損傷を引き起こすといった問題を抱えている。しかし、上記特許文献1には、これらの問題については記載されていない。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、本発明の課題は、洗浄性に優れ、新たに用いる潤滑油の性能に与える悪影響を抑制できるフラッシングオイルと、該フラッシングオイルを用いた洗浄方法とを提供することである。
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、アミド化合物がフラッシングに有用であることを見出し、上記課題を解決できることを見出した。
すなわち、本発明によれば、以下の[1]又は[2]が提供される。
[1]アミド化合物を含有するフラッシングオイル。
[2]アミド化合物を含有するフラッシングオイルを用いる洗浄方法。
本発明によれば、洗浄性に優れ、新たに用いる潤滑油の性能に与える悪影響を抑制できるフラッシングオイルと、該フラッシングオイルを用いた洗浄方法とを提供することができる。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
[フラッシングオイル]
本発明の一実施形態であるフラッシングオイルは、アミド化合物を含有する。
本明細書中において、「フラッシングオイル」とは、アミド化合物を含有し、更に該アミド化合物の希釈剤として潤滑油基油を含有する組成物をいう。
<アミド化合物>
本発明の一実施形態であるフラッシングオイルは、アミド化合物を含有する。該アミド化合物を含有することにより、装置系内の汚損物質を効率的に除去することができる。また、装置系内のフラッシング後に使用される潤滑油性能に与える悪影響を抑制できる。
本発明の一実施形態であるフラッシングオイルにおいて、本発明で用いられるアミド化合物としては、下記一般式(1)で表されるアミド化合物が好ましい。
(一般式(1)中、R、Rは、それぞれ独立に、水素原子、又はアシル基〔−(C=O)−R〕を示す。Rは炭素数5以上29以下のヒドロカルビル基を示す。
は、水素原子、又は炭素数1以上4以下のアルキル基を示す。
aは、1以上6以下の整数を表す。bは、1以上9以下の整数を表す。
が複数存在する場合は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。ただし、Rの1つ以上、又はRのいずれかはアシル基〔−(C=O)−R〕を示す。
が複数存在する場合は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。)
は、水素原子、又は炭素数1以上4以下のアルキル基であり、好ましくは水素原子、又はメチル基であり、より好ましくは水素原子である。
は、炭素数5以上29以下のヒドロカルビル基である。該炭素数が5以上であることで、アミド化合物が基油又は潤滑油に溶解しやすくなる。また、該炭素数が29以下であることで、適度な塩基価を有するアミド化合物を得ることができる。
このような観点から、より好ましくは炭素数10以上25以下のヒドロカルビル基であり、更に好ましくは炭素数14以上20以下のヒドロカルビル基である。
で表される炭素数5以上29以下のヒドロカルビル基としては、炭素数5以上29以下のアルキル基若しくはアルケニル基、炭素数6〜24のアリール基、炭素数7〜24のアラルキル基が挙げられる。
これらの中では、好ましくは炭素数5以上29以下のアルキル基若しくはアルケニル基であり、より好ましくは炭素数10以上25以下のアルキル基若しくはアルケニル基であり、更に好ましくは炭素数14以上20以下のアルキル基若しくはアルケニル基である。
前記アルキル基及びアルケニル基は直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよく、その例としては、各種ペンチル基、各種ヘキシル基、各種ヘプチル基、各種オクチル基、各種ノニル基、各種デシル基、各種ウンデシル基、各種ドデシル基、各種トリデシル基、各種テトラデシル基、各種ペンタデシル基、各種ヘキサデシル基、各種ヘプタデシル基、各種オクタデシル基、各種ノナデシル基、各種イコシル基、各種ヘンイコシル基、各種ドコシル基、各種トリコシル基、各種テトラコシル基、各種ペンタコシル基、各種ヘキサコシル基、各種ヘプタコシル基、各種オクタコシル基、各種ノナコシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、各種ペンテニル基、各種ヘキセニル基、各種へプテニル基、各種オクテニル基、各種ノネニル基、各種デセニル基、各種ウンデセニル基、各種ドデセニル基、各種トリデセニル基、各種テトラデセニル基、各種ペンタデセニル基、各種ヘキサデセニル基、各種ヘプタデセニル基、各種オクタデセニル基、各種ノナデセニル基、各種イコセニル基、各種ヘンイコセニル基、各種ドコセニル基、各種トリコセニル基、各種テトラコセニル基、各種ペンタコセニル基、各種ヘキサコセニル基、各種ヘプタコセニル基、各種オクタコセニル基、各種ノナコセニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基等が挙げられる。これらの中でも、直鎖状又は分岐状のヘプタデシル基が好ましい。
炭素数6〜24のアリール基としては、例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、ナフチル基が挙げられ、炭素数7〜24のアラルキル基としては、例えば、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、メチルベンジル基、メチルフェネチル基が挙げられる。
aは、より好ましくは2又は3の整数であり、更に好ましくは2である。
bは、より好ましくは2以上7以下の整数であり、更に好ましくは3以上5以下の整数であり、より更に好ましくは4である。
また、本発明の一実施形態であるフラッシングオイルにおいて、本発明で用いられるアミド化合物としては、(A)脂肪酸及びその誘導体から選ばれる1種以上、並びに(B)アルキレンジアミン又はポリアルキレンポリアミンを反応させて得られる化合物であることが好ましい。
((A)脂肪酸及びその誘導体から選ばれる1種以上)
上記(A)成分は、脂肪酸及びその誘導体から選ばれる1種以上である。
当該脂肪酸としては、好ましくは炭素数が6以上30以下の脂肪酸であり、より好ましくは炭素数11以上26以下の脂肪酸であり、更に好ましくは炭素数15以上21以下の脂肪酸である。このような脂肪酸としては、例えば、ヘキサン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ウンデカン酸、ドデカン酸、テトラデカン酸、ヘキサデカン酸、オクタデカン酸(ステアリン酸)、ヒドロキシオクタデカン酸、イコサン酸、ヘンイコサン酸、ドコサン酸、トリコサン酸、テトラコサン酸、オクテン酸、デセン酸、ドデセン酸、テトラデセン酸、ヘキサデセン酸、オクタデセン酸(オレイン酸)、ノナデセン酸、イコセン酸、ヘンイコセン酸、ドコセン酸、トリコセン酸、テトラコセン酸、及びこれらに対応する分岐状カルボン酸などが挙げられる。これらの中で、炭素数18の分岐状カルボン酸であるイソステアリン酸が好ましい。
また、上記脂肪酸の誘導体としては、例えば、上記脂肪酸のエステル;酸無水物;酸クロライド、酸ブロマイドといったハライド;等が挙げられる。
((B)アルキレンジアミン又はポリアルキレンポリアミン)
上記アルキレンジアミン又はポリアルキレンポリアミンとしては、窒素数が好ましくは2以上10以下、より好ましくは3以上8以下、更に好ましくは4以上6以下であり、より更に好ましくは5である。そして、アルキレン基の炭素数が好ましくは1以上6以下、より好ましくは2又は3であり、更に好ましくは2である。
該アルキレンジアミンとしては、例えば、エチレンジアミン、プロパンジアミン、N−メチル−1,3−プロパンジアミン、1,4−ブタンジアミンが挙げられる。
該ポリアルキレンポリアミンとしては、例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン等;N−(2−アミノエチル)ピペラジン、1,4−ビス(3−アミノプロピル)ピペラジンのような環状のアルキレンアミンを有するポリアルキレンポリアミン;が挙げられる。これらの中では、好ましくはテトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミンであり、より好ましくはテトラエチレンペンタミンである。
なお、上述したアミド化合物は、単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、本発明で用いられるアミド化合物は、JIS K2609に記載の方法に準拠して測定される窒素分(含有量)が、好ましくは1.0質量%以上であり、より好ましくは3.0質量%以上であり、更に好ましくは5.0質量%以上である。また、その上限は特に制限されないが、好ましくは20質量%以下、より好ましくは10質量%以下である。
また、本発明で用いられるアミド化合物は、JIS K 2501に記載の方法に準拠して測定される塩基価(塩酸法)の値が、好ましくは30mgKOH/g以上であり、より好ましくは50mgKOH/g以上であり、更に好ましくは70mgKOH/g以上であり、より更に好ましくは75mg/KOH以上である。また、その上限は特に制限されないが、好ましくは200mg/KOH以下、より好ましくは150mg/KOH以下、更に好ましくは100mg/KOH以下である。
上記フラッシングオイルにおいて、当該アミド化合物が含有されていればよく、フラッシングオイル中のアミド化合物含有量は、特に制限されない。なお、後述する装置の洗浄時に装置系内で使用されるクリーニングオイル中の当該アミド化合物濃度を、適度な濃度に調整しやすいように、その含有量を調整すればよい。なお、例えば、そのような場合において、取り扱い性の観点から、当該アミド化合物の含有量は、上記フラッシングオイル全量基準で、好ましくは1.0質量%以上、より好ましくは5.0質量%以上、更に好ましくは8.0質量%以上である。そして、好ましくは50質量%以下、より好ましくは30質量%以下である。
<潤滑油基油>
本発明の一実施形態であるフラッシングオイルは、取り扱い性の観点から、潤滑油基油(以下、単に「基油」ともいう。)を含有することが好ましい。本発明で用いられる潤滑油基油としては、特に制限はなく、従来、潤滑油の基油として使用されている鉱油及び合成油の中から任意のものを適宜選択して用いることができる。
鉱油としては、例えば、原油を常圧蒸留して得られる常圧残油を減圧蒸留して得られた潤滑油留分を、溶剤脱れき、溶剤抽出、水素化分解、溶剤脱ろう、接触脱ろう、水素化精製等のうちの1つ以上の処理を行って精製した鉱油やワックスやGTL WAX(ガストゥリキッド ワックス)を異性化することによって製造される基油等が挙げられるが、パラフィン系鉱油、水素化精製により処理した鉱油が好ましい。
合成油としては、例えば、ポリブテン、α−オレフィン単独重合体や共重合体(例えばエチレン−α−オレフィン共重合体)等のポリα−オレフィン(PAO)、例えば、ポリオールエステル、二塩基酸エステル、リン酸エステル等の各種のエステル、例えば、ポリフェニルエーテル等の各種のエーテル、ポリグリコール、ポリアルキレングリコール(PAG)、アルキルベンゼン(例えば、ハード型又はソフト型の重質アルキルベンゼン)、アルキルナフタレン等が挙げられる。
これらのうち、芳香族を含有する合成油(例えば、アルキルベンゼン)、PAO、PAG等の合成油が好ましい。
本発明の一実施形態であるフラッシングオイルにおいて、基油として、上記鉱油を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。また、上記合成油を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。更には、上記鉱油一種以上と上記合成油一種以上とを組み合わせて用いてもよい。
また、上記フラッシングオイルにおいて上記アミド化合物が含有されていればよく、フラッシングオイル全量に対する当該基油の含有量は、特に制限されない。なお、後述する装置の洗浄時に装置系内で使用されるクリーニングオイル中において、上記アミド化合物が適度な濃度に調整しやすいように、当該基油の含有量を調整してもよい。なお、そのような場合、取扱い性の観点からは、当該基油の含有量は、上記フラッシングオイル全量基準で、好ましくは50〜99質量%、より好ましくは50〜95質量%、更に好ましくは70〜92質量%含有される。
<その他成分>
本発明の一実施形態であるフラッシングオイルは、本発明の効果を阻害しない範囲で、上記アミド化合物、及び上記基油以外のその他成分を、更に配合したものであってもよい。その他成分としては、例えば、防錆剤、酸化防止剤、油性向上剤、消泡剤等の潤滑油に通常使用される非金属系の添加剤が挙げられる。
また、本発明の一実施形態であるフラッシングオイルは、実質的に金属原子を含む添加剤を含有しないものが好ましく、例えば、フラッシングオイル全量基準における金属含有量が0.01質量%以下であることが好ましい。より、好ましい範囲は、0.001質量%以下である。
[フラッシングオイルの製造方法]
上記フラッシングオイルの製造方法は、特に制限されないが、好ましくは、アミド系化合物を、基油に配合して製造する方法が挙げられ、必要に応じてその他成分を配合してもよい。
アミド化合物、基油、その他成分のそれぞれは、上記と同様であるとともに、該製造方法で得られるフラッシングオイルは上記で述べた通りであり、それらの記載は省略する。
該製造方法においては、上記アミド化合物、基油及びその他成分は、いかなる方法で基油に配合されてもよく、その手法は限定されない。
[アミド化合物を含有するフラッシングオイルの使用方法]
本発明の一実施形態であるアミド化合物を含有するフラッシングオイルは、好ましくは、回転機器、及び/又は油圧機器の洗浄に用いることができる。これらの機器としては、圧縮機、ギヤ装置(風車等のギヤ装置を含む)、油圧ポンプ、アクチュエーター等が挙げられる。また、エンジンオイル装置、エンジン燃焼部(それらのタンク、配管、バルブ、油回路切替え弁等を形成する油器部品等を含む)にも好適に用いることができる。より好ましくは、大型回転機器であるタービン(スチーム又はガス出力タービン等)の洗浄に用いることができる。
[アミド化合物を含有するフラッシングオイルを用いる洗浄方法]
本発明の一実施形態は、アミド化合物を含有するフラッシングオイルを用いる洗浄方法である。
当該アミド化合物は、上述したアミド化合物と同様であり、その好適例も同様である。
当該アミド化合物を含有するフラッシングオイルを用いることで、装置系内の汚損物質を効率よく洗い落とすことができ、また、新たに用いる潤滑油の性能に対する悪影響を抑制しつつ、装置のフラッシングを行うことができる。
本発明の一実施形態である洗浄方法に用いるフラッシングオイルにおいて、上記アミド化合物として、上述したアミド化合物を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。また、本発明の一実施形態である洗浄方法において、当該アミド化合物を含有するフラッシングオイルは単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、本発明の一実施形態である洗浄方法は、好ましくは、下記工程(1)〜(3)から選ばれる1工程以上であるクリーニングオイルの調製工程と、洗浄工程(4)とを有する洗浄方法である。
(1)アミド化合物を含有するフラッシングオイルを、未使用の油剤に添加する工程
(2)アミド化合物を含有するフラッシングオイルを、使用済み油剤に添加する工程
(3)アミド化合物を含有するフラッシングオイルを、未使用の油剤及び使用済み油剤の混合物に添加する工程
(4)工程(1)〜(3)から選ばれる1つ以上で得られたクリーニングオイルを用いて洗浄する工程
<調製工程>
本発明の一実施形態である洗浄方法は、好ましくは、下記工程(1)〜(3)から選ばれる1工程以上の調製工程を有する。調製工程で、洗浄工程(4)で実際に装置系内を洗浄するクリーニングオイルを調製する。
ここで、本明細書において「クリーニングオイル」とは、上記アミド化合物を含有するフラッシングオイルと、未使用の油剤及び/又は使用済み油剤とを混合した油剤であり、実際に洗浄工程(4)で装置系内を洗浄するものを指す。
〔工程(1)〕
工程(1)は、上記アミド化合物を含有するフラッシングオイルを、未使用の油剤に添加する工程である。
当該油剤としては、好ましくは、回転機器用潤滑油、油圧作動油、又は潤滑油基油が挙げられる。また、該潤滑油基油としては、上述した潤滑油基油と同様のものを用いることができ、その好適例も同様である。
当該未使用の油剤としては、本発明の一実施形態である洗浄方法を用いて洗浄を行った装置系内で、洗浄後に新たに使用する油剤を用いることが好ましい。
〔工程(2)〕
工程(2)は、上記アミド化合物を含有するフラッシングオイルを、使用済み油剤に添加する工程である。
ここで、当該使用済み油剤とは、既に使用した上記油剤を指す。
当該使用済み油剤としては、本発明の一実施形態である洗浄方法を用いて洗浄を行う装置系内で使用した油剤であることが作業効率、コスト面の観点から好ましい。
〔工程(3)〕
工程(3)は、上記アミド化合物を含有するフラッシングオイルを、未使用の油剤及び使用済み油剤の混合物に添加する工程である。
ここで、未使用の油剤及び使用済み油剤の混合物とは、例えば、本発明の一実施形態である洗浄方法を用いて洗浄を行う装置系内で使用した油剤を、装置系内から一定量抜き出した後、当該装置系内に残った使用済み油剤(以下、単に「残油」ともいう。なお、「残油」は一度使用した特定の油剤のみを指すのではなく、装置系内に残存している各材料、及び汚損物質を含有するものを指す。)に対して、未使用の油剤を混合したものが挙げられる。
<洗浄工程>
〔工程(4)〕
工程(4)は、上記工程(1)〜(3)から選ばれる1工程以上で調製されたクリーニングオイルを用いて、実際に装置系内を洗浄する工程である。
工程(4)で用いられるアミド化合物の含有量は、良好な洗浄性を得る観点から、上記クリーニングオイル全量基準で、好ましくは0.10質量%以上、より好ましくは0.50質量%以上、更に好ましくは0.70質量%以上である。また、洗浄後の装置系内への残存量を少なくする観点から、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5.0質量%以下、更に好ましくは3.0質量%以下である。
工程(4)で、クリーニングオイルの温度は、より良好な洗浄性を得る観点から、好ましくは20℃以上、より好ましくは40℃以上であり、更に好ましくは45℃以上である。そして、上記フラッシングオイルの劣化を抑制する観点から、好ましくは120℃以下、より好ましくは100℃以下、更に好ましくは90℃以下である。
また工程(4)で、油圧ポンプ等を用いて装置系内にクリーニングオイルを送液して洗浄を行う場合、当該ポンプの能力によるため特に制限する必要は無いが、吐出圧力が低いと循環流量は多くなるが、油温の上昇が小さいため洗浄効果が少ない。圧力が高くなると循環流量は少なくなるものの油温が必然的に高くなるため洗浄効果が大きくなる。このため、例えば、一般社団法人日本建設機械施工協会規格(JCMAS)の規格P045に記載されるポンプユニット(ただし、ラインフィルターを用いない方式)を用いる場合であれば、1MPa(Gauge)以上、10MPa(Gauge)以下の範囲が好ましい。
なお、必要に応じて、当該工程(4)は、複数回行ってもよい。
<バックアップ洗浄>
〔工程(5)〕
また、本発明の一実施形態である洗浄方法は、上記の洗浄工程(4)の後に、更にバックアップ洗浄を行うための下記工程(5)を有することが、より好ましい。
(5)工程(4)での洗浄後、更に未使用の油剤を用いて洗浄する工程
該工程(5)におけるバックアップ洗浄を行うことで、洗浄後の装置系内で使用する新たな潤滑油の性能に与える悪影響をより抑制することができる。
なお、該工程(5)は、装置系内からの残油抜き取り時に、1回の抜き取り作業で、抜き取り可能な残油の量(装置系内の潤滑油充填可能容積に対する残油割合)にもよるが、装置系内を可能な限り、新たに使用する潤滑油に置換する観点、並びに装置系内をより確実に洗浄する観点から、複数回、実施されることが好ましい。
バックアップ洗浄を行う際には、装置系内に残存する使用済みのクリーニングオイルを抜き出してから、新たに未使用の油剤を加えて、洗浄を行う。
特に装置が開放できない場合や開放できない状況(例えば、大型装置の洗浄)では、工程(4)で使用したクリーニングオイルを装置系内から完全に抜き出すことは困難である。そのため、工程(5)では、通常、装置系内に残存している工程(4)で使用したクリーニングオイルに対して、新たに未使用の油剤を混合して、バックアップ洗浄を行う。当該未使用の油剤としては、好ましくは工程(5)の後に、装置系内で使用される潤滑油又は該使用される潤滑油に用いられる基油を用いることが好ましい。
工程(5)で、バックアップ洗浄に用いる油剤(残油及び未使用の油剤、又は未使用の油剤)の温度は、より良好な洗浄性を得る観点から、好ましくは30℃以上、より好ましくは50℃以上である。そして、好ましくは90℃以下、より好ましくは80℃以下である。
また工程(5)で、油圧ポンプ等を用いて装置系内に洗浄に用いる油剤(残油及び未使用の油剤、又は未使用の油剤)を送液して洗浄を行う場合、当該ポンプの吐出圧力は、装置の能力によるため特に制限する必要は無いが、例えば、一般社団法人日本建設機械施工協会規格(JCMAS)の規格P045に記載されるポンプユニット(ただし、ラインフィルターを用いない方式)を用いる場合であれば、通常1.0MPa〜10MPa(Gauge)の範囲で行えばよい。
工程(4)での洗浄が不十分であると、十分に洗い落とされていなかった汚損物質がバックアップ洗浄時やその後に使用される新たな潤滑油中に洗い落とされてくるため、結果としてバックアップ洗浄の回数が増加したり、新たな潤滑油の性能に悪影響を与えてしまう。
また、上述したように、洗浄する装置が開放できない場合、工程(5)では、工程(4)で使用したクリーニングオイルに対して、更に未使用の油剤を混合して、バックアップ洗浄を行うことになる。そのため、工程(4)の洗浄時に用いるアミド化合物に相当する他の添加剤やフラッシングオイル自体が新たな汚損物質を生じる原因となってしまう場合にも、結果としてバックアップ洗浄の回数を増加する必要が発生したり、新たに使用する潤滑油の性能に悪影響を与えてしまう。
ここで、上記アミド化合物を含有するフラッシングオイルから調製されたクリーニングオイルを、工程(4)で用いることで、装置系内の汚損物質を十分に洗い落とすことが可能となるだけでなく、当該アミド化合物を含有するフラッシングオイル自体も劣化が少ないものと考えられる。そのため、該工程(5)におけるバックアップ洗浄の回数も減らすことができ、また、新たに使用する潤滑油の性能に与える悪影響を抑制できるため、新たな潤滑油の性能を長期間維持できるものと考えられる。その結果、潤滑油の交換頻度も減少し、装置を長期間安定的に運転することが可能となり、潤滑油使用量削減のみならず連続運転時間の延長と、定期的な洗浄による運転停止の回数も削減できることから経済性にも優れる。
なお、更に好ましくは、上記工程(4)及び/又は工程(5)で、洗浄を行う装置系内のライン中に、効率的に汚損物質を除去するためのフィルターシステムを組み込むことによって、洗浄効率を向上させることができる。
[アミド化合物を含有するフラッシングオイルを用いる洗浄方法の対象]
本発明の一実施形態であるアミド化合物を含有するフラッシングオイルを用いる洗浄方法は、好ましくは、回転機器、油圧機器に対して有用である。これらの機器としては、圧縮機、ギヤ装置(風車等のギヤ装置を含む)、油圧ポンプ、アクチュエーター等が挙げられる。また、エンジンオイル装置、エンジン燃焼部(それらのタンク、配管、バルブ、油回路切替え弁等を形成する油器部品等を含む)にも好適に用いることができる。より好ましくは、大型回転機器であるタービン(スチーム又はガス出力タービン等)に対して有用である。
本発明を、実施例により詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
本明細書において、実施例及び比較例で用いた各原料の各物性の測定は、以下に示す要領に従って求めたものである。
(1)窒素分
JIS K2609に記載の方法に準拠して測定したものである。
(2)酸価
JIS K2501に記載の方法に準拠して、電位差滴定法により測定したものである。
(3)塩基価
JIS K2501に準拠して、塩酸法により測定したものである。
(4)金属分
JPI−5S−38−92に記載の方法に準拠して測定したものである。
(5)密度(15℃)
JIS K2249−1に記載の方法に準拠して測定したものである。
(6)動粘度(40℃)
JIS K2283に記載の方法に準拠して測定したものである。
(7)アニリン点
JIS K2256に記載の方法に準拠して測定したものである。
(8)引火点(クリーブランド開放式)
JIS K2265−4に記載の方法に準拠して測定したものである。
また、本明細書において、各実施例及び比較例で用いた潤滑油及びフラッシングオイルを以下に表す。
・未使用潤滑油(以下、単に「新油」ともいう。):「ダフニースーパータービンオイルMG32」(製品名、出光興産株式会社製、JIS K2213、タービン油2種、ISO VG 32)。
・汚損運転用潤滑油:「ダフニースーパータービンオイルMG32」(製品名、出光興産株式会社製、JIS K2213、タービン油2種、ISO VG 32)99.5質量%、及びジアルキルジチオリン酸亜鉛(ZnDTP)0.5質量%の混合物。
・フラッシングオイル1:鉱油(パラフィン系、VG 32相当、製品名「ダイアナプロセスオイル PW−32」、出光興産株式会社製、)90質量%、及び添加剤(イソステアリン酸とテトラエチレンペンタミンとの縮合アミド;窒素分6.2質量%、酸価8.5mgKOH/g、塩基価81mgKOH/g)10質量%の混合物、密度(15℃)0.85g/cm、フラッシングオイル中の金属分10質量ppm以下。
・フラッシングオイル2:合成油(ハード型の重質アルキルベンゼン;密度(15℃)0.87g/cm、動粘度(40℃)53.5mm/s、アニリン点67.2℃、引火点(クリーブランド開放式)188℃)90質量%、及び添加剤(イソステアリン酸とテトラエチレンペンタミンとの縮合アミド;窒素分6.2質量%、酸価8.5mgKOH/g、塩基価81mgKOH/g)10質量%の混合物、密度(15℃)0.85g/cm
・フラッシングオイル3:合成油(ハード型の重質アルキルベンゼン;密度(15℃)0.87g/cm、動粘度(40℃)53.5mm/s、アニリン点67.2℃、引火点(クリーブランド開放式)188℃)。
・フラッシングオイル4:合成油(油溶性ポリアルキレングリコール基油:製品名「UCON(登録商標) OSP−32」、DOW Chemical社製)
[実施例1及び2、並びに比較例1及び2]
下記の表1に示すフラッシングオイルを用いて、以下に示す評価方法に従って、各実施例及び各比較例の洗浄剤を評価した。得られた結果を下記表1に示す。
各実施例及び比較例における洗浄剤の評価性能の評価方法は、以下の通りである。
[洗浄剤性能の確認方法]
<汚損工程>
一般社団法人日本建設機械施工協会規格(JCMAS)の規格P045に示されるポンプユニット(ただし、ラインフィルターを用いない方式とした。)、及び上記汚損運転用潤滑油を用いて、下記の条件にて、ポンプユニット内を汚損した。
(汚損(加速劣化)運転条件)
汚損運転用潤滑油供給量:13.0L
ポンプ吐出圧力:35.0MPa(Gauge)
油温:80℃
断熱圧縮用空気のポンプサクションへの供給量:1.0L/h
運転時間:500時間
<汚損状態の確認>
上記汚損運転実施後、ポンプユニット内から劣化した汚損運転用潤滑油(以下、単に「汚損油」ともいう。)を抜き取り、ポンプユニットから、試料用タンク、冷却器、配管類を開放した。試料用タンク壁面及び冷却器表面の汚損状態を目視にて確認した。結果を以下の基準(メリットレーティングによる6段階評価、0が良、5が劣)で評価した。
(試料用タンクの汚損状態)
「0」:タンク壁面に汚れが確認されなかった。
「1」:タンク壁面の全表面積中の10%未満に汚れ、付着物、変色が確認された。
「2」:タンク壁面の全表面積中の10%以上40%未満に汚れ、付着物、変色が確認された。
「3」:タンク壁面の全表面積中の40%以上70%未満に汚れ、付着物、変色が確認された。
「4」:タンク壁面の全表面積中の70%以上90%未満に汚れ、付着物、変色が確認された。
「5」:タンク壁面の全表面積中の90%以上100%以下に汚れ、付着物、変色が確認された。
(冷却器の汚損状態)
「0」:冷却器表面に汚れが確認されなかった。
「1」:冷却器表面の全表面積中の10%未満に汚れ、付着物、変色が確認された。
「2」:冷却器表面の全表面積中の10%以上40%未満に汚れ、付着物、変色が確認された。
「3」:冷却器表面の全表面積中の40%以上70%未満に汚れ、付着物、変色が確認された。
「4」:冷却器表面の全表面積中の70%以上90%未満に汚れ、付着物、変色が確認された。
「5」:冷却器表面の全表面積中の90%以上100%以下に汚れ、付着物、変色が確認された。
<調製工程及び洗浄工程>
上記汚損状態確認のために開放した装置を、再びポンプユニットに組付けた。ポンプユニットに、抜き取った汚損後の潤滑油(使用済み油剤、密度(15℃)0.85g/cm)と、下記表1に示す各フラッシングオイルとを、下記表1に示す添加量で混合してクリーニングオイルを調製し、下記条件にて洗浄運転を行った。
(洗浄運転条件)
クリーニングオイルの合計供給量:13.0L(内訳は、下記表1を参照)
ポンプ吐出圧力:5.0MPa(Gauge)
油温:50℃ 運転時間:72時間
<洗浄状態の確認>
上記洗浄運転実施後、ポンプユニット内からクリーニングオイルを抜き取り、ポンプユニットから、試料用タンク、冷却器、配管類を開放した。試料用タンク壁面及び冷却器表面の汚損状態を目視にて確認した。結果は、上記汚損状態の確認に記載した基準と同様の基準で評価した。
<バックアップ洗浄工程>
〔1回目のバックアップ洗浄〕
上記洗浄状態確認のために開放した装置を、再びポンプユニットに組付けた。全量抜き出したクリーニングオイルの2.6Lと、新油10.4Lとを混合した油を用い、下記条件にて洗浄運転を行った。
(バックアップ洗浄運転条件)
フラッシングオイル含有汚損油及び新油の合計供給量:13.0L
ポンプ吐出圧力:5.0MPa(Gauge)
油温:80℃ 運転時間:72時間
〔2回目のバックアップ洗浄〕
試料用タンクから、1回目のバックアップ洗浄で用いた油を全量抜き出し、抜き出した油2.6Lと、新油10.4Lとを混合した油を用いて、2回目のバックアップ洗浄を上記1回目のバックアップ運転条件と同様の条件で行った。
〔3回目のバックアップ洗浄〕
試料用タンクから2回目のバックアップ洗浄で用いた油を全量抜き出し、抜き出した油2.6Lと、新油10.4Lとを混合した油を用いて、3回目のバックアップ洗浄を上記1回目のバックアップ運転条件と同様の条件で行った。
各実施例及び比較例における上記汚損運転後、洗浄運転後、各回のバックアップ洗浄後において試料用タンクから抜き出した油(試料)の性状、並びに新油の性状を、以下の評価方法にて評価した。
[回転圧力容器式酸化安定度試験(RPVOT)]
JIS K2514−3に記載の方法に準拠して測定した。
試料の評価結果(値)/新油の評価結果(値)×100にて求めた値(対新油比率)を、下記表1に示す。
[ミリポア]
ミリポア値は、口径1.0ミクロンのメンブランフィルターを用い、ASTM D7873‐13の方法に準拠して測定した。
表1の結果から明らかなように、実施例1及び2のフラッシングオイルを用いた場合、比較例1及び2と比べて著しく洗浄性に優れていることが確認された。また、実施例1及び2では、ポンプユニット系内の汚損物質が効率良く洗い落とされていることが確認された。
また、実施例1及び2のフラッシングオイルを用いた場合、洗浄工程における洗浄後にミリポアの値が確認されなかった。
更に、実施例1及び2では、比較例1及び2と比べて3回のバックアップ洗浄によって、RPVOTの値が新油同等であることが確認でき、また上述の通りミリポアも確認されなかった。
一方で、比較例1及び2では、3回のバックアップ洗浄後であっても、RPVOTの値が新油同等の状態に回復していないことが確認された。また、比較例1では、3回のバックアップ洗浄後であってもミリポアが確認された。
本発明の一実施態様であるフラッシングオイルは、洗浄性に優れ、新たに用いる潤滑油の性能に与える悪影響を抑制できるため、装置系内のフラッシングに好適に使用できる。特に、フラッシング前の汚損油の完全な抜き出しが困難な大型装置等では、大量のフラッシングオイルと既存油又は新油との混合油、及びバックアップ洗浄時の油剤が必要となるとともに、洗浄後のそれら油剤の完全な抜き取りも同様に困難であるため、少なからず洗浄に用いた油剤が装置系内に残存する。本発明の一実施態様であるフラッシングオイルは、洗浄工程における洗浄回数、及びその後に行うバックアップ洗浄工程の回数を減少できる観点や、装置系内に残存するフラッシングオイルがその後に使用する新たな潤滑油の性能に与える悪影響を抑制できるという観点から、このような大型装置、例えば、タービン用のフラッシングオイルとして有用である。そして、本発明の一実施態様である洗浄方法も、同様に大型装置、特にタービンに対して有用である。

Claims (13)

  1. アミド化合物を含有するフラッシングオイル。
  2. 前記アミド化合物が、下記一般式(1)で表される、請求項1に記載のフラッシングオイル。
    (一般式(1)中、R、Rは、それぞれ独立に、水素原子、又はアシル基〔−(C=O)−R〕を示す。Rは炭素数5以上29以下のヒドロカルビル基を示す。
    は、水素原子、又は炭素数1以上4以下のアルキル基を示す。
    aは、1以上6以下の整数を表す。bは、1以上9以下の整数を表す。
    が複数存在する場合は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。ただし、Rの1つ以上、又はRのいずれかはアシル基〔−(C=O)−R〕を示す。
    が複数存在する場合は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。)
  3. 前記アミド化合物が、(A)脂肪酸及びその誘導体から選ばれる1種以上、並びに(B)アルキレンジアミン又はポリアルキレンポリアミンを反応させて得られる化合物である、請求項1に記載のフラッシングオイル。
  4. 前記(A)成分の炭素数が6以上30以下であり、
    前記(B)成分の窒素数が2以上10以下、かつ、アルキレン基の炭素数が1以上6以下である、請求項3に記載のフラッシングオイル。
  5. フラッシングオイル全量基準で、前記アミド化合物を1.0質量%以上50質量%以下含有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載のフラッシングオイル。
  6. 回転機器、及び/又は油圧機器に用いる、請求項1〜5のいずれか1項に記載のフラッシングオイル。
  7. アミド化合物を含有するフラッシングオイルを用いる洗浄方法。
  8. 前記アミド化合物が、下記一般式(1)で表される、請求項7に記載の洗浄方法。
    (一般式(1)中、R、Rは、それぞれ独立に、水素原子、又はアシル基〔−(C=O)−R〕を示す。Rは炭素数5以上29以下のヒドロカルビル基を示す。
    は、水素原子、又は炭素数1以上4以下のアルキル基を示す。
    aは、1以上6以下の整数を表す。bは、1以上9以下の整数を表す。
    が複数存在する場合は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。ただし、Rの1つ以上、又はRのいずれかはアシル基〔−(C=O)−R〕を示す。
    が複数存在する場合は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。)
  9. 前記アミド化合物が、(A)脂肪酸及びその誘導体から選ばれる1種以上、並びに(B)アルキレンジアミン又はポリアルキレンポリアミンを反応させて得られる化合物である、請求項7に記載の洗浄方法。
  10. 下記工程(1)〜(3)から選ばれる1工程以上であるクリーニングオイルの調製工程と、洗浄工程(4)とを有する、請求項7〜9のいずれか1項に記載の洗浄方法。
    (1)アミド化合物を含有するフラッシングオイルを、未使用の油剤に添加する工程
    (2)アミド化合物を含有するフラッシングオイルを、使用済み油剤に添加する工程
    (3)アミド化合物を含有するフラッシングオイルを、未使用の油剤及び使用済み油剤の混合物に添加する工程
    (4)工程(1)〜(3)から選ばれる1つ以上で得られたクリーニングオイルを用いて洗浄する工程
  11. 前記アミド化合物の含有量が、前記クリーニングオイル全量基準で、0.10〜10質量%である、請求項10に記載の洗浄方法。
  12. 前記油剤が回転機器用潤滑油、油圧作動油、又は潤滑油基油である、請求項10又は11に記載の洗浄方法。
  13. 請求項7〜12のいずれか1項に記載の洗浄方法を用いる、タービンの洗浄方法。
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