JP2016179312A - 注射器 - Google Patents

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Abstract

【課題】様々な目的に応じた注射液の射出を容易に実現するとともに、ユーザの利便性を向上させた注射器を提供する。【解決手段】ハウジングに対して、注射目的物質を収容する保持部、射出エネルギーを付与する駆動部、射出のための流路を含むノズル部、駆動部への電力供給のための電源部が、それぞれ独立して装填されることで、注射目的物質の射出が可能な状態が形成される注射器であって、注射目的物質の射出のためにハウジング内に保持部、駆動部が常に同一の並びで装填される装填状態が形成されるように、該ハウジングに対する、該保持部、該駆動部の装填位置を規定する規定手段が、備えられる。更に、電源部は、ハウジングに対して所定の装填位置に位置決めされる。【選択図】図2

Description

本発明は、注射目的物質を生体の注射対象領域に注射する注射器に関する。
注射針を介することなく注射を行う無針注射器では、一般に、火薬、加圧ガス、バネ等により薬剤等を含む注射液に対して圧力を加えることで注射成分の射出が行われる構成が採用される。そして、注射液を生体内の所望の領域に送り込めるよう、注射液に掛けられる加圧力が調整されることになる。ここで、特許文献1に示す技術では、加圧を行うためのガス発生剤と注射液とを一つのユニットに形成し、当該ユニットを注射器本体に装填して使用する構成が開示されている。当該構成では、注射器本体に挿入されたユニットは、それを覆う蓋が閉じられて、使用準備状態に至る。そして、使用後は新しいユニットを装填することで、次の注射が可能となる。
また、特許文献2では、注射液を保持する部分と、その注射液に対して圧力を加える加圧部分とを独立させた構成が開示されている。当該構成では、注射液の射出後、注射液を保持する部分と、加圧部分の動力源とをそれぞれ交換することで、次の注射が可能となる。
米国特許第6258063号明細書 特表2003−535654号公報 米国特許出願公開第2003/0114789号明細書
注射針の有無にかかわらず、注射液をその注射対象に注射する場合、その注射対象者や注射目的に応じて、注射液の種類や量、また、注射液を目的とする部位に送り届けるために該注射液に対してかけるべき荷重の大きさ等、注射に関する条件が変動する。そのため、目的とする条件での注射を実現するために、注射器の構成を当該条件に応じたものとする必要があり、ユーザの利便性が必ずしも良いものとは限らない。
本発明では、上記した問題に鑑み、様々な目的に応じた注射液の射出を容易に実現するとともに、ユーザの利便性を向上させた注射器を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、注射器のハウジングに装填される、該注射器の構成部の並びを規定するための構成を注射器に備えることとした。このような構成を採用することで、注射を行うために注射器に各構成部を装填した場合、仮に構成部の装填順序を間違ったとしても、当該規定するための構成によってユーザがその誤りを早期に認識することができるため、注射器の利便性を向上させることが可能となる。
具体的には、本発明は、生体の注射対象領域に注射目的物質を注射する注射器であって、ハウジングと、注射目的物質を収容する保持部と、前記保持部に収容されている前記注射目的物質に対して、該保持部からの射出のためのエネルギーを付与する駆動部と、前記保持部から射出された前記注射目的物質が流れる流路を含み、該流路の開口端から注射対象領域に対して該注射目的物質を射出するノズル部と、を備える。そして、前記ハウジン
グに対して、前記保持部、前記駆動部、前記ノズル部が、それぞれ独立して装填されることで、前記注射目的物質の射出が可能な状態が形成される。更に、前記注射器は、前記注射目的物質の射出のために前記ハウジング内に前記保持部および前記駆動部が常に同一の並びで装填される装填状態が形成されるように、該ハウジングに対する、該保持部および該駆動部の装填位置を規定する規定手段を、備える。
本発明に係る注射器は、その構成部である保持部、駆動部、ノズル部がそれぞれ独立してハウジングに装填されることで、注射目的物質の射出準備が行われるものである。そして、当該注射器では、保持部に収容されている注射目的物質に対して駆動部によって射出エネルギーが加えられることで、ノズル部の流路を注射目的物質が流れ、該流路の開口端から注射対象領域に対して射出される。この注射目的物質は、注射対象領域の内部で効能が期待される成分を含むものであり、上記のように駆動部により加えられる射出エネルギーがその射出時の駆動源である。そのため、駆動部による射出が可能であれば、注射目的物質の注射器内の収容状態や、液体やゲル状等の流体、粉体、粒状の固体等の注射目的物質の具体的な物理的形態は問われない。
たとえば、注射目的物質は液体であり、また固体であっても射出を可能とする流動性が担保されればゲル状の固体であってもよい。更には、注射目的物質は、粉体の状態であってもよい。そして、注射目的物質には、生体の注射対象領域に送り込むべき成分が含まれ、当該成分は注射目的物質の内部に溶解した状態で存在してもよく、又は当該成分が溶解せずに単に混合された状態であってもよい。一例を挙げれば、送りこむべき成分として、抗体増強のためのワクチン、美容のためのタンパク質、毛髪再生用の培養細胞等があり、これらが射出可能となるように、液体、ゲル状等の流体に含まれることで注射目的物質が形成される。
また、駆動部による注射目的物質への射出エネルギーの付与態様は、注射目的物質の射出が可能であれば、様々なエネルギー源を利用することができる。たとえば、火薬の燃焼で発生するガスの圧力を利用したもの、加圧のための電気的アクチュエータ(モータやピエゾ素子等)を利用したものが、射出のためのエネルギー源として挙げられる。
ここで、本発明に係る注射器を使って生体に注射目的物質を供給するときには、当該生体の大きさ、年齢、性別などの個体差があり、発現させる効果の違いによって使用される注射目的物質の種類も異なる。また注射対象領域によっても表皮、皮内、皮下、筋肉層などの生体組織における各層の厚さも異なり、それぞれの深さに注射目的物質を到達させるためには、当該注射目的物質に加えるべき荷重も調整する必要がある。そこで、当該注射器においては、注射目的物質を収容する保持部と、そこに収容されている注射目的物質に対して射出エネルギーを付与する駆動部と、注射目的物質の射出が行われるための流路を有するノズル部とが、それぞれ独立して構成されるとともに、それぞれがハウジングに対して独立して装填される。
すなわち、注射目的物質を収容する上記保持部においては、その注射目的物質の種類や量を複数準備しておき、また上記駆動部においては、注射目的物質に射出エネルギーを供給するためのエネルギー源として複数の形態を準備しておき、注射目的に応じてそれらを組み合わせて注射器のハウジングに組み込んで使用される。更に、ノズル部についても複数の態様を準備して上記組み合わせに含めることで、注射目的物質の射出の態様(例えば、注射対象領域に対して複数箇所で注射を行う、射出された注射目的物質の流れの直径をどの程度にするか等)も、調整しやすくなる。このように、注射器の各構成部を注射目的に応じて適宜組み合わせることを可能とすることで、本発明に係る注射器では有用性、利便性が向上する。
ここで、複数種類の駆動部とは、例えばエネルギー源が火薬やガス発生剤の場合、その量、形状、寸法などが異なるものを複数存在させることであり、加圧ガスをエネルギー源とする場合は、当該ガスの充填量を異ならせることである。さらにエネルギー源がバネである場合、そのばね定数が異なるものを複数存在させることである。また複数の保持部とは、充填される注射目的物質の種類や量などが異なるものが複数存在することを意味する。
そして、保持部と駆動部、更にはノズル部を適宜組み合わせてハウジングに対して装填されることで、上記のような注射目的に応じた注射目的物質の多様な射出を容易に実現することができるが、一方で、ハウジングに対する各構成部の装填順序を誤ると注射器が正常に機能しない場合がある。そのような場合には、ユーザが直ちに装填順序の誤りを認識できることが好ましく、それにより注射器の利便性を高めることになる。また、各構成部の装填順序を正しく行うことで、注射器の安定した性能発現につながり、再現性のよい注射が達成できるため好ましいとも言える。
そこで、本発明に係る注射器では、ハウジングに対する、少なくとも保持部と駆動部の装填位置を規定する規定手段が備えられる。保持部と駆動部がハウジングに装填される場合、駆動部から供給される射出エネルギーが、保持部に収容される注射目的物質に付与されることで、その射出が実現されるという構成を踏まえ、ハウジングに対する保持部および駆動部の装填位置は所定の位置とされている。したがって、この所定の位置と異なる位置に保持部等が装填されてしまうと、注射器による注射目的物質の射出が好適に行うことができなくなる。しかし、本発明に係る注射器では、上記規定手段により、ハウジングに対する保持部等の装填位置が一義的に規定されることになるため、換言すれば、保持部や駆動部が、規定されている装填位置以外の位置においてハウジング内に装填された状態とはならないため、仮に保持部等の装填順序を誤ると、ユーザはその誤りを直ちに認識することが可能となる。これにより、各構成部を適宜組み合わせることによる多様な注射態様の実現を、ユーザの利便性を損なうことなく実現することが可能となる。
なお、上記保持部は、一度使用した後は廃棄し、新たな保持部を組み込んで注射を行うようにしてもよい。このとき、駆動部およびノズル部も1回限りの使用とし、使用後は新たな駆動部等を使用してもよい。あるいは、駆動部およびノズル部は繰り返し使用できるものであれば、繰り返し、もしくは数回連続して使用してもよい。なお、注射器のハウジングは基本的には繰り返し使用でき、このため注射目的にあわせて複数のハウジングを所有する必要が無く、注射器の構成部品の管理が容易となる。
また、規定手段によって装填位置が規定される保持部および駆動部については、保持部と駆動部がハウジング内に装填される前に、例えば粘着テープや糊などによって互いに仮止めをした状態でハウジングに装填してもよい。あるいは、保持部と駆動部を個別にハウジング内部に装填してもよい。また、規定手段によって装填位置が規定されるものとして、ノズル部を含めてもよい。ノズル部の場合、注射目的物質を射出する流路が含まれることから、ユーザにおいても比較的装填順序を間違えにくいと考えられるが、本発明においては、上記の通り、ノズル部の装填位置も規定手段によって規定されることを排除するものではない。
ここで、上記注射器において、前記駆動部は、電源部からの印加電圧により燃焼する火薬又はガス発生剤を含み、該火薬又は該ガス発生剤の燃焼で生成される燃焼ガスの圧力を介して、前記注射目的物質に射出エネルギーを付与するように構成してもよい。その場合、前記規定手段は、前記注射目的物質の射出のために前記ハウジング内に前記電源部、前記保持部、前記駆動部が常に同一の並びで装填される装填状態が形成されるように、該ハウジングに対する、該電源部、該保持部、該駆動部の装填位置を規定してもよい。すなわ
ち、電源部を含めて、規定手段によってハウジングに対する各構成部の装填位置が規定されることで、各構成部を適宜組み合わせることによる多様な注射態様の実現を、ユーザの利便性を損なうことなく実現することが可能となる。
上記の態様では、電源部の装填位置が規定手段によって規定されていたが、それに代えて、当該電源部の装填位置は、規定手段によって規定されないようにしてもよい。すなわち、注射器に上記電源部を備える場合であって、前記規定手段は、前記注射目的物質の射出のために前記ハウジング内に前記保持部、前記駆動部が常に同一の並びで装填される装填状態が形成されるように、該ハウジングに対する、該保持部、該駆動部の装填位置を規定し、一方で、前記電源部は、前記ハウジングへの装填において、前記規定手段による装填位置の規定は行われないようにしてもよい。電源部が有する蓄電容量次第では、複数回にわたって駆動部に対して火薬等の燃焼に要する電圧印加が可能な場合がある。そのような場合には、注射目的物質の射出ごとに電源部をハウジングから取り外す必要はないため、規定手段による装填位置の規定の対象に含める必要はない。また蓄電容量次第では、駆動部や保持部とは独立して電源部をハウジングから取り出し可能になっているほうが、交換等における利便性が向上する。
ここで、上述までの注射器での前記ハウジングへの装填において、前記駆動部、前記保持部、前記ノズル部が該ハウジングの軸方向に重ねあわされて形成されるとともに、該ハウジングには、その開口部を介して該駆動部、該保持部、該ノズル部が順に一方向から装填されるように構成してもよい。その場合、前記規定手段は、前記駆動部、前記保持部、前記ノズル部が重ねあわされたときに前記駆動部から前記保持部にかけて形成される連続した外周面であって、前記駆動部から前記保持部に向かうに従い、該連続した外周面の半径が増大するように形成された、第一テーパ面と、前記ハウジング側の連続した内周面であって、前記第一テーパ面に対応する、第二テーパ面と、を有する。
すなわち、駆動部、保持部、ノズル部が重ねあわされることで形成される構成物側に設けられる第一テーパ面と、それに対応する該構成物が装填されるハウジング側に設けられる第二テーパ面とで、規定手段が形成される。これらのテーパ面の半径は、ハウジングの内部において当該構成物が装填される開口部に向かうに従い増大するように形成されている。そのため、相対的には、駆動部、保持部、ノズル部の順で、その半径が大きくなるため、仮に保持部やノズル部を駆動部よりも先にハウジングに装填しようとすると、ノズル部の装填位置よりも奥に、該ノズル部は進入することはできないため、結果として駆動部を装填することができなくなり、以てユーザは、注射器の構成部の装填順序を誤ったことを直ちに認識することができる。
また、上記のようにテーパ面を利用する形態に代えて、規定手段が、前記駆動部の外周面と、該駆動部の外周面の半径より大きい半径を有する、前記保持部の外周面とを含んで段状に形成される第一外周面と、前記ハウジング側に段状に形成される内周面であって、前記第一外周面に対応する、第二内周面と、を有するように構成されてもよい。このように、半径の異なる段状の外周面および内周面、換言すると、駆動部と保持部とでは連続しない外周面およびそれに対応するハウジングの内周面を利用することで、駆動部および保持部の装填位置を規定することが可能である。なお上記の発明においては、駆動部および保持部はハウジングに対して同軸上に配置されることができ、さらに電源部やノズル部も同軸上に配置されるようにすることができる。
この他、ハウジングへの装填において、仮にある構成部の装填順序を誤った場合、その構成部が本来装填される装填位置に至ることで、別の構成部の装填が阻害されるように構成され、ユーザに装填順序の誤りを認識させることが可能であれば、別の具体的な態様の規定手段も、本発明に係る注射器に採用してもよい。
ここで、上述までの注射器において、前記駆動部は、前記射出エネルギーを前記保持部側に付与するための開口部である駆動部側開口部を有し、前記保持部は、前記注射目的物質を収容する収容孔を有するとともに、該収容孔は、前記駆動部側開口部から付与される前記射出エネルギーを受ける収容孔側端部を有するように構成してもよい。その場合、前記駆動部側開口部もしくは前記収容孔側端部を囲む環状の突起部であって、前記装填状態において該環状の突起部が変形することで、該駆動部側開口部と該収容孔側端部との間の空間を密封する環状突起部が、前記駆動部側もしくは前記保持部側の何れか一方に設けられる。または、別法として、前記駆動部側開口部もしくは前記収容孔側端部を囲む環状の溝であって、前記装填状態において前記環状の突起部が嵌まり込むことで、該駆動部側開口部と該収容孔側端部との間の空間を密封する環状の溝部が、前記駆動部側もしくは前記保持部側の他方に設けられる。
駆動部の駆動部側開口部から放たれた射出エネルギーは、保持部の収容孔側端部に伝えられることで、収容孔に収容されている注射目的物質への射出エネルギーの付与が行われることになる。ここで、上述までの通り、本発明に係る注射器では、駆動部と保持部がそれぞれ独立して構成され、そしてハウジングへ装填される。そのため、駆動部と保持部との間での上記射出エネルギーの付与が好適に行われなければ、注射目的物質の注射対象領域への射出が良好に行われないことになる。そこで、上記の通り、駆動部側もしくは保持部側に変形可能な環状の突起部を設けることで、又は、駆動部側と保持部側に、互いに嵌合する環状の突起部と環状の溝部をそれぞれ設けることで、駆動部側開口部と収容孔側端部との間の空間での密封性を高め、駆動部側から伝えられる射出エネルギーが外部に漏れ出すのを可及的に抑制することが可能となる。これにより、注射目的物質の注射対象領域への射出を良好に行い得る。
様々な目的に応じた注射液の射出を容易に実現するとともに、ユーザの利便性を向上させた注射器を提供することが可能となる。
本発明の第一の実施例に係る注射器の、組み立て完了状態における概略構成を示す断面図である。 図1に示す注射器において、該注射器の構成部を装填する順序とともに、各構成部の相対関係を示す図である。 図1に示す注射器において、電源部の装填順序が図1に示す装填順序と異なる形態を説明するための図である。 図1に示す注射器において、駆動部と保持部の詳細な相対関係を示す第一の図である。 図1に示す注射器において、駆動部と保持部の詳細な相対関係を示す第二の図である。 本発明の第二の実施例に係る注射器において、該注射器の構成部を装填する順序とともに、各構成部の相対関係を示す図である。
以下に、図面を参照して本発明の実施形態に係る注射器70について説明する。なお、本発明の実施例に係る注射器70は、いわゆる注射針を有していない無針注射器であるが、本発明の趣旨が変わらない範囲においては、注射針の有無にかかわらず本発明を適用することが可能である。また、以下の実施形態の構成は例示であり、本発明はこの実施の形態の構成に限定されるものではない。
図1は、本発明に係る注射器70において、組み立てが概ね完了した状態における、注射器70の概略構成を示す断面図である。また、図2は、注射器70を組み立てるための、その構成部の装填順序を示す図である。注射器70は、図2に示すように、その本体となるハウジング5の内部に、注射器70の構成部である、電源部1、駆動部2、保持部3、ノズル部4が順次装填され、最後に固定リング6によって、これらの構成部がハウジング5に対して固定され、組み立てられることになる。
詳細には、ハウジング5は、その内部が中空状に形成され、軸方向の一端側に、電源部1、駆動部2、保持部3、ノズル部4がハウジング内に装填可能となるように装填用開口部52が形成されている。一方で、ハウジング5の軸方向の他端側には、後述するようにハウジング5に最初に装填される電源部1に設けられた押ボタンスイッチ11の頂部が露呈するように設けられた開口部53が形成されている。そして、ハウジング5内の中空部分は、その内周面が連続したテーパ面50として形成され、テーパ面50の半径(ハウジング5の内径)は、開口部53から装填用開口部52に進むに従い、換言すれば、ハウジング5の軸に沿ってその増大するように形成されている。なお、本実施例では、注射器70において、ハウジング5の開口部53側を上流側と称し、装填用開口部52側を下流側と称する。これは、各構成部がハウジング5に装填され注射器70が組み立て完了となった状態において、注射液34が射出されるときの流れの方向に基づいたものである。
ここで、注射器70においては、個別に機能を有し、独立して形成される構成部として、電源部1、駆動部2、保持部3、ノズル部4が、ハウジング5の装填用開口部52を介して、順次その内部に装填されて、図1に示す装填状態が形成される。電源部1は、後述する駆動部2に設けられた点火器22に電力供給を行うための電源であり、ユーザが押ボタンスイッチ11を押下すると、内部に保有するバッテリの電力を利用して、電源側電極12間に印加電圧を発生させる。この電源側電極12は、注射器70(ハウジング5)の中心軸上に位置する突起状の第一電極と、当該電極から所定の距離だけ離れた突起状の第二電極との一対の電極として形成される。
次に、駆動部2は、その内部にガス発生剤25を有し、ガス発生剤25が燃焼することで生じる燃焼ガスの圧力を、後述する保持部3に収容される注射液の射出エネルギーとして付与する。具体的には、電源部1の電源側電極12に対応する駆動部側電極21が、駆動部2の端面に形成されている。この駆動部側電極21は、注射器70(ハウジング5)の中心軸上に位置する微小円形の第一電極と、当該第一電極を中心として上記所定の距離と同じ半径を有する円周形状に形成された第二電極との一対の電極として形成される。このように駆動部側電極21が形成されることで、駆動部2に対する電源部1の相対位置(注射器70の中心軸を中心とする回転方向の相対位置)を問わず、駆動部側電極21と電源部側電極12との接触を良好に維持することができる。
そして、駆動部側電極21は、駆動部2内に設けられた点火器22に接続されている。点火器22は、公知の電気式の点火装置である。駆動部側電極21間に電源部1から電圧印加されると電流が流れ、それにより点火器22内に設けられた点火薬が燃焼する。このとき、点火薬の燃焼による燃焼生成物は、点火器22に隣接する燃焼室24に配置されているガス発生剤25側へと流れ込み、その結果、燃焼室24内でガス発生剤25の燃焼が開始される。そして、ガス発生剤25の燃焼により燃焼ガスが急激に発生することで、燃焼室24に隣接して設けられた金属製のピストン23に対して圧力が付与され、ピストン23が、注射器70の下流側に向かって推進していくことになる。図1ではピストン23で閉塞されている燃焼室24の保持部3側端部が駆動部側開口部となる。
なお、点火器22において用いられる点火薬として、好ましくは、ジルコニウムと過塩
素酸カリウムを含む火薬(ZPP)、水素化チタンと過塩素酸カリウムを含む火薬(THPP)、チタンと過塩素酸カリウムを含む火薬(TiPP)、アルミニウムと過塩素酸カリウムを含む火薬(APP)、アルミニウムと酸化ビスマスを含む火薬(ABO)、アルミニウムと酸化モリブデンを含む火薬(AMO)、アルミニウムと酸化銅を含む火薬(ACO)、アルミニウムと酸化鉄を含む火薬(AFO)、もしくはこれらの火薬のうちの複数の組合せからなる火薬が挙げられる。これらの火薬は、点火直後の燃焼時には高温高圧のプラズマを発生させるが、常温となり燃焼性生物が凝縮すると気体成分を含まないために発生圧力が急激に低下する特性を示す。
また、燃焼室24内に配置されるガス発生剤25としては、好ましくは、ニトロセルロース98質量%、ジフェニルアミン0.8質量%、硫酸カリウム1.2質量%からなるシングルベース無煙火薬が挙げられる。また、エアバッグ用ガス発生器やシートベルトプリテンショナ用ガス発生器に使用されている各種ガス発生剤を用いることも可能である。このガス発生剤25は、上記点火薬と異なり、燃焼時に発生した所定のガスは常温においても気体成分を含む。なお、ガス発生剤25は必ずしも使用しなくてもよく、点火器22とピストン23とで駆動部2が構成されていてもよい。
次に、保持部3は、注射器70によって注射される注射目的物質である注射液34を、その内部に収容する。具体的には、保持部3の中央には、該保持部3が図1に示すようにハウジング5内に装填された状態において、ハウジング5の中心軸上に沿うように、貫通孔(収容孔)33が形成されている。そして、この貫通孔33において、上流栓31と下流栓32との間の空間に、注射液34が収容されている。そして、上流栓31および下流栓32は、注射液34の収容時に該注射液が漏れ出さないように、且つ後述するようにピストン23の摺動に伴って注射液34が円滑に貫通孔33内を移動できるように、表面にシリコンオイルを薄く塗布したゴム製のものである。そして上流線31で閉塞されている貫通孔(収容孔)33の駆動部2側端部が収容孔側端部となる。
次に、ノズル部4は、保持部3が収容している注射液34を、注射器70の外部の注射対象物(注射対象領域)に射出するための流路を有している。具体的には、ノズル部4には、注射液34を射出するためのノズル43が形成されるとともに、図1に示すようにノズル部4がハウジング5内に装填された状態において、下流栓32と対向する箇所に、下流栓32を収容可能な凹部41が形成されている。この凹部41は、下流栓32とほぼ同じ径を有し、下流栓32の長さより若干長い深さを有する。これにより、駆動部2からの射出エネルギーで注射液34に圧力が掛かったときに、下流栓32が凹部41内に収容されることが可能となる。凹部41に下流栓32が収容されると、加圧された注射液34は、保持部3の貫通孔33内の空間から解放されることになる。その開放された注射液34を、ノズル43まで導くための流路42が、注射器70の中心軸に垂直な方向に延在するように設けられている。これにより、解放された注射液34は、流路42を経てノズル43から注射対象物へ射出されることになる。また、凹部41が下流栓32を収容する深さを有することで、注射液34の射出が下流栓32によって阻害されることを回避できる。
なお、ノズル43は、ノズル部4に複数形成されてもよく、または、一つ形成されてもよい。複数のノズル43が形成される場合には、各ノズル43に対して解放された注射液が送り込まれるように、各ノズル43に対応する流路42が形成される。さらに、複数のノズル43が形成される場合には、注射器70の中心軸の周囲に等間隔で各ノズル43が配置されるのが好ましい。また、ノズル43の径は、注射対象物、注射液34に掛かる射出圧力、注射液の物性(粘性)等を考慮して適宜設定される。
上述までのように、注射器70においては、電源部1、駆動部2、保持部3、ノズル部4が、それぞれ独立して構成され、各構成部が、図2に示すように、ハウジング5に対し
て順次装填されることで、図1に示す装填状態が形成されることになる。
このように、注射器70の構成部を、それぞれ独立して構成することで、ユーザは、注射目的に応じた構成部を選択して、それらを組み合わせて最終的な注射器70を組み立てることができる。例えば、注射液34に掛ける圧力プロファイルを変えて、注射対象物における注射深さを調整できるように、ガス発生剤25の種類や量を異ならせた複数種類の駆動部2を準備することができる。また、注射対象物に射出する注射液34の種類や量を、その注射対象物の状態等に応じて調整できるように(例えば、注射対象物が大人の皮膚構造体である場合と子供の皮膚構造体である場合とでは、投与すべき注射液の量も異なる点を踏まえて、その投与量を調整できるように)、注射液の種類や量を異ならせた複数種類の保持部3を準備することができる。また、注射対象物に応じた好適な注射液34の射出形態を選択できるように、ノズル43の数やそのノズル径等を異ならせた複数種類のノズル部4を準備することができる。そして、ユーザは、自己が行う所定の注射目的を達成するために、一つの駆動部2と、一つの保持部3と、一つのノズル部4とを選択し、図2に示すように各構成部を装填用開口部52を介して、ハウジング5に装填し注射器70が使用できる状態に至らせる。これにより、様々な目的に応じた注射液の射出が容易に実現される。
なお、ユーザが、ハウジングに対して、注射準備を行うために一つの駆動部2と、一つの保持部3と、一つのノズル部4とを選択しやすいように、各構成部は、その外形を所定の統一した塗装やデザインを付すのが好ましい。例えば、駆動部2は青色の塗装で統一し、保持部3は黄色の塗装で統一し、ノズル部4は赤色の塗装で統一する等である。これにより、複数の駆動部2を選択してしまう等のユーザのミスを抑制することができる。
ところで、図1、図2に示すように、ハウジング5に最初に装填されるのは電源部1である。電源部1が、押ボタンスイッチ11の面からハウジング5内に装填されると、押ボタンスイッチ11の周囲に設けられた段部13が、ハウジング5の開口部53の周囲に設けられた段部54に突き当てられて、電源部1の装填位置が決定される。この装填位置において、押ボタンスイッチ11の頂面と、ハウジング5の開口部53側の端面が面一の状態となる。
ここで、注射器70においては、電源部1からの印加電圧を駆動部2が受けて、ガス発生剤25を燃焼させ、それにより生じた燃焼ガスで注射液34を加圧し、加圧された注射液34をノズル43から外部に射出するという構成から、ハウジング5への各構成部の装填順序は、図2に示すように、電源部1の後は、駆動部2、保持部3、ノズル部4でなければならない。仮にこの順序を間違えて装填してしまうと、注射器70によって注射液34を射出することができない。
そこで、注射器70においては、各構成部のハウジング5への装填順序が適正なものとなるように、換言すれば、仮にユーザが各構成部の装填順序を誤った場合には、直ちにユーザがその誤りを認識できるように、ハウジング5内での各構成部の装填位置を規定するための構成が採用されている。具体的には、ハウジング5の内周面であるテーパ面50(第二テーパ面)に対応するように、各構成部の外周面がテーパ面(第一テーパ面)として形成されている。上記の通り、テーパ面50については、上流側から下流側に向けて、テーパ面50を形成する半径(外径)が増大するようになっている。そして、このテーパ面50に対応するように、ハウジング50に装填されるべき順序に従って、換言すれば、図1のように各構成部がハウジング5内でその軸方向に重ねあわされた状態で、ハウジング5側のテーパ面50に対応するように電源部1、駆動部2、保持部3、ノズル部4の外周面が連続したテーパ面(第一テーパ面)を形成するように、各構成部の外周面10、20、30、40が形成される。
このように各構成部の外周面10、20、30、40が、重ね合わされたときに連続したテーパ面となるように形成されることで、注射器70を使用できる状態にするためには、ハウジング5内での各構成部の装填位置が、図1に示すように一義的に決定されることになる。仮に、駆動部2より先に保持部3をハウジング5に装填してしまうと、保持部3は、自己の外周面30と、それに対応するテーパ面50の一部とが接触する位置、すなわち保持部30が装填されるべき装填位置よりも奥(上流側)には進むことができない。そのため、その後にユーザが駆動部2を装填しようとしたときに、駆動部2が装填できない状態となっているため、ユーザは装填順序を誤っていることに速やかに気付くことができる。したがって、ハウジング5のテーパ面50(第二テーパ面)と、各構成部の外周面10、20、30、40が重ね合わされて形成される連続したテーパ面(第一テーパ面)が、本発明に係る規定手段に相当する。
そして、図1に示すように各構成部がハウジング5内に装填されると、最も下流側に位置するノズル部4の端面に接触するように、固定リング6をハウジング5内に挿入する。固定リング6が、その外周に雄ネジが切ってあり、ハウジング5の内周面の端部(装填用開口部52)近傍に設けられた雌ネジ部51と螺合する。これにより、ノズル部4を介して、ハウジング5内に装填されている各構成部を押圧し、固定することができる。
<変形例1>
上記実施例では、電源部1も、他の構成部とともに、装填用開口部52を介してハウジング5内に装填されたが、その形態に代えて、図3に示すように、駆動部2等とは別に電源部1はハウジング5に対して上流側から装填するようにしてもよい。このとき、電源部1の押ボタンスイッチ11が設けられている端面とは反対側の端面の周囲に段部14が設けられる。そして、ハウジング5の開口部53側には、電源部1が収容される凹部55が設けられるとともに、この凹部55と、テーパ面50で画定されるハウジング5内の空間とを連結する空間に突部56が設けられる。そして、凹部55に電源部1が装填されると、電源部1側の段部14が、ハウジング5側の突部56に突き当てられることで、電源部1の装填位置が決まることになる。なお、装填された電源部1は、公知の固定手段等(例えば電源部1が有するスナップフィットなどで、ハウジングに対して着脱可能な状態で)でハウジング5に固定される。このようにハウジング5に電源部1が装填されると、電源部側電極12が、テーパ面50で画定されるハウジング5内の空間に向けて露呈された状態になり、図1と同じように、装填用開口部52を介して装填された駆動部2の駆動部側電極21と接触可能な状態となる。
電源部1は、その蓄電容量次第では、駆動部2への電力供給を数回にわたって実行することが可能である。そのような場合に、図1に示すように、駆動部2等の他の構成部と同じように、注射液34の射出の度に電源部1をハウジング5へ装填するのは、煩わしい場合もある。そこで、図3に示すように、電源部1のみを他の構成部とは別に装填することで、換言すると、電源部1を上述したテーパ面同士による装填位置の規定の対象としないようにすることで、電源部1の装填に関する煩わしさを軽減することができる。なお、電源部1の蓄電容量に応じた所定回数の電力供給を行った後は、ハウジングから電源部1を取り外し、新しい電源部1を装填すればよい。
<変形例2>
図4に、本変形例に係る駆動部2と保持部3との相対関係を示す。燃焼室24にはガス発生剤25が配置され、点火器22の点火によりガス発生剤25が燃焼し、その燃焼ガスによりピストン23が押圧されることになる。このとき、ピストン23は、燃焼室24の駆動部3側の開口部(駆動部側開口部)24aから保持部3側に移動することになる。一方で、保持部3側では、上流栓31、注射液34、下流栓32が配置される貫通孔33の
端部(収容孔側端部)33aを介して、ピストン23が進入することで、ガス発生剤25の燃焼ガスによる射出エネルギーが、上流栓31を介して注射液34に伝わることになる。
ここで、駆動部2の、保持部3側の端面に、開口部24aを囲むように環状の突起部26が設けられている。この環状の突起部26は、アルミニウム等の比較的軟らかい金属で形成されており、図1に示すように各構成部がハウジング5内に装填され、固定リング6によって固定されると、そのときに係る押圧力で駆動部2と保持部3との間で潰れて変形する。なお、この変形によって、ピストン23から上流栓31への射出エネルギーの伝達は阻害されない。この結果、変形した環状の突起部26が、燃焼室24、貫通孔33を中心とした駆動部2と保持部3との間の空間を囲むように密封することになるため、ガス発生剤25の燃焼ガスが、駆動部2と保持部3の間から外に漏出するのを抑制することができ、以て、注射液34への効果的な射出エネルギーの伝達を図ることができる。
<変形例3>
図5に、本変形例に係る駆動部2と保持部3との相対関係を示す。図5には、図4に示す環状の突起部26に代えて、環状の突部27および環状の溝部28を設けて、同じように注射液34への効果的な射出エネルギーの伝達を図ろうとする構成が開示されている。具体的には、駆動部2の、保持部3側の端面に、開口部24aを囲むように環状の突部27が設けられている。この環状の突部27は、上記環状の突起部26とは異なり、ハウジング5での固定時に変形はせず、保持部3の、駆動部2側の端面において端部33aを囲むように設けられた環状の溝部28に嵌り込む。環状の溝部28の深さは、環状の突部27の高さよりやや深く設定されている。
この結果、環状の突部27と環状の溝部28との嵌合が、燃焼室24、貫通孔33を中心とした駆動部2と保持部3との間の空間を囲むように密封することになる。そのため、ガス発生剤25の燃焼ガスが、駆動部2と保持部3の間から外に漏出するのを抑制することができ、以て、注射液34への効果的な射出エネルギーの伝達を図ることができる。
図6に基づいて、注射器70の第二の実施例について、特に、ハウジング5内に装填される各構成部の装填位置を規定する規定手段について説明する。なお、第二の実施例に係る注射器70において、規定手段以外の構成については上記第一の実施例に係る注射器70と同一であるから、そのような同一の構成については同一の参照番号を付すことで、その詳細な説明は省略する。
本実施例では、ハウジング5に装填される電源部1、駆動部2、保持部3、ノズル部4の外形を概ね円柱状に形成するとともに、各構成部の外周面の半径(外径)が、電源部1の外周面100、駆動部2の外周面200、保持部3の外周面300、ノズル部4の外周面400の順に、大きくなるように設計されている。したがって、本実施例の場合、ハウジング5内で各構成部を重ねあわせると、各構成部の外周面は、上記第一の実施例のように連続したテーパ面を形成するのではなく、段状の不連続な外周面を形成することになる。そして、ハウジング5側の内周面については、各構成部の外周面に対応させて形成される。具体的には、電源部1の外周面100に対応して内周面501が設けられ、駆動部2の外周面200に対応して内周面502が設けられ、保持部3の外周面300に対応して内周面503が設けられ、ノズル部4の外周面400に対応して内周面504が設けられる。そして、内周面501、502、503、504の順で、それぞれの半径(内径)は大きく設定される。そのため、ハウジング5の内周面についても、段状の不連続な面として形成される。
このように各構成部の外周面100、200、300、400が、重ね合わされたときに段状の不連続な外周面となるように形成され、且つハウジング5の内周面が当該外周面に対応するように形成されることで、注射器70を使用できる状態にするためには、ハウジング5内での各構成部の装填位置が、図1に示すように一義的に決定されることになる。このため、ユーザは装填順序を誤るとそれに速やかに気付くことができる。したがって、ハウジング5側の段状の内周面501、502、503、504と、各構成部の外周面100、200、300、400が重ね合わされて形成される段状の外周面が、本発明に係る規定手段に相当する。
また、各構成部の外形は、上述した円柱状に代えて、外周面がテーパ面となるように円錐台形状としてもよい。
<その他の実施例>
本発明に係る注射器70によれば、上述した注射液を皮膚構造体に注射する場合以外にも、例えば、ヒトに対する再生医療の分野において、注射対象となる細胞や足場組織・スキャフォールドに培養細胞、幹細胞等を播種することが可能となる。例えば、特開2008−206477号公報に示すように、移植される部位及び再細胞化の目的に応じて当業者が適宜決定し得る細胞、例えば、内皮細胞、内皮前駆細胞、骨髄細胞、前骨芽細胞、軟骨細胞、繊維芽細胞、皮膚細胞、筋肉細胞、肝臓細胞、腎臓細胞、腸管細胞、幹細胞、その他再生医療の分野で考慮されるあらゆる細胞を、注射器70により注射することが可能である。より具体的には、上記播種すべき細胞を含む液(細胞懸濁液)を保持部3に収容し、それに対してガス発生剤25の燃焼により加圧することで、移植される部位に所定の細胞を注射、移植する。
さらには、特表2007−525192号公報に記載されているような、細胞や足場組織・スキャフォールド等へのDNA等の送達にも、本発明に係る注射器70を使用することができる。この場合、針を用いて送達する場合と比較して、本発明に係る注射器70を使用した方が、細胞や足場組織・スキャフォールド等自体への影響を抑制できるためより好ましいと言える。
さらには、各種遺伝子、癌抑制細胞、脂質エンベロープ等を直接目的とする組織に送達させたり、病原体に対する免疫を高めるために抗原遺伝子を投与したりする場合にも、本発明に係る注射器70は好適に使用される。その他、各種疾病治療の分野(特表2008−508881号公報、特表2010−503616号公報等に記載の分野)、免疫医療分野(特表2005−523679号公報等に記載の分野)等にも、当該注射器70は使用することができ、その使用可能な分野は意図的には限定されない。
1・・・・電源部
2・・・・駆動部
3・・・・保持部
4・・・・ノズル部
5・・・・ハウジング
6・・・・固定リング
10、20、30、40・・・・外周面
12・・・・電源側電極
21・・・・駆動部側電極
22・・・・点火器
23・・・・ピストン
24・・・・燃焼室
24a・・・・開口部
25・・・・ガス発生剤
26・・・・環状の突起部
31・・・・上流栓
32・・・・下流栓
33・・・・貫通孔
33a・・・・端部
34・・・・注射液
41・・・・凹部
43・・・・ノズル
70・・・・注射器
100、200、300、400・・・・外周面
501、502、503、504・・・・内周面

Claims (6)

  1. 生体の注射対象領域に注射目的物質を注射する注射器であって、
    ハウジングと、
    注射目的物質を収容する保持部と、
    前記保持部に収容されている前記注射目的物質に対して、該保持部からの射出のためのエネルギーを付与する駆動部と、
    前記保持部から射出された前記注射目的物質が流れる流路を含み、該流路の開口端から注射対象領域に対して該注射目的物質を射出するノズル部と、
    前記駆動部に電力供給を行う電源部と、を備え、
    前記ハウジングに対して、前記保持部、前記駆動部、前記ノズル部、前記電源部が、それぞれ独立して装填されることで、前記注射目的物質の射出が可能な状態が形成され、
    前記駆動部は、前記電源部からの印加電圧により燃焼する火薬又はガス発生剤を含み、該火薬又は該ガス発生剤の燃焼で生成される燃焼ガスの圧力を介して、前記注射目的物質に射出エネルギーを付与し、
    更に、前記注射目的物質の射出のために前記ハウジング内に前記保持部、前記駆動部が常に同一の並びで装填される装填状態が形成されるように、該ハウジングに対する、該保持部、該駆動部の装填位置を規定する規定手段を、備え、
    前記電源部は、前記ハウジングに対して所定の装填位置に位置決めされる、
    注射器。
  2. 前記規定手段は、前記注射目的物質の射出のために前記ハウジング内に前記保持部、前記駆動部に加えて前記電源部が常に同一の並びで装填される装填状態が形成されるように、該ハウジングに対する、該保持部、該駆動部、該電源部の装填位置を規定する、
    請求項1に記載の注射器。
  3. 前記電源部を、前記保持部及び前記駆動部とは別に、前記ハウジングに対して前記所定の装填位置に位置決めする手段を、更に備える、
    請求項1に記載の注射器。
  4. 前記電源部は、前記ハウジングの中心軸上に位置する電源側第一電極と、該電源側第一電極から所定の距離だけ離れた電源側第二電極とを有し、
    前記駆動部は、前記電源側第一電極と前記電源側第二電極に対応する電極であって、前記ハウジングの中心軸上に位置する駆動側第一電極と、該駆動側第一電極を中心として前記所定の距離と同じ半径を有する円周形状に形成された駆動側第二電極とを有する、
    請求項1から請求項3の何れか1項に記載の注射器。
  5. 前記駆動部は、前記射出エネルギーを前記保持部側に付与するための開口部である駆動部側開口部を有し、
    前記保持部は、前記注射目的物質を収容する収容孔を有するとともに、該収容孔は、前記駆動部側開口部から付与される前記射出エネルギーを受ける収容孔側端部を有し、
    前記駆動部側開口部もしくは前記収容孔側端部を囲む環状の突起部であって、前記装填状態において該環状の突起部が変形することで、該駆動部側開口部と該収容孔側端部との間の空間を密封する環状突起部が、前記駆動部側もしくは前記保持部側の何れか一方に設けられる、
    請求項1から請求項4の何れか1項に記載の注射器。
  6. 前記駆動部は、前記射出エネルギーを前記保持部側に付与するための開口部である駆動部側開口部を有し、
    前記保持部は、前記注射目的物質を収容する収容孔を有するとともに、該収容孔は、前
    記駆動部側開口部から付与される前記射出エネルギーを受ける収容孔側端部を有し、
    前記駆動部側開口部もしくは前記収容孔側端部を囲む環状の突起部が、前記駆動部側もしくは前記保持部側の何れか一方に設けられ、
    前記駆動部側開口部もしくは前記収容孔側端部を囲む環状の溝であって、前記装填状態において前記環状の突起部が嵌まり込むことで、該駆動部側開口部と該収容孔側端部との間の空間を密封する環状の溝部が、前記駆動部側もしくは前記保持部側の他方に設けられる、
    請求項1から請求項4の何れか1項に記載の注射器。
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