JP2016178886A - 両軸受型リール - Google Patents

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Abstract

【課題】サミング操作に伴う指のスライド移動を違和感なくスムーズに行なえるサミング操作性が良好な両軸受型リールを提供する。【解決手段】本発明の両軸受型リールにおいて、スプール3のフランジ3aの外周端面に左側板7Aへ向けて傾斜して形成される面取り部3cの起点P1と、左側板7Aの外周端面7bにスプール3へ向けて傾斜して形成される面取り部7dの起点P2とを結ぶ線L2は、スプール3の軸方向と平行な基準線L1に対して成す角度θが30°〜45°に設定される。【選択図】 図7

Description

本発明は、釣糸を巻回するスプールをリール本体の側板間に回転自在に支持した両軸受型リールに関する。
従来、両軸受型リールのリール本体は、スプールに釣糸を平行に巻回するレベルワインド装置をスプール前方の側板間に配置する構成上、前方側に膨出した形状に構成されている(例えば、特許文献1参照)。また、前記リール本体の左右の側板は、フレームの枠板(内側板とも称される)の外側に、外側板(カバー体とも称される)を装着することで構成されており、フレームの枠板と外側板との間の空間に巻き取り駆動機構等の各種部品を組み込んでいる。
ところで、最近の釣りでは、メタルジグやラバージグ等の疑似餌を使った釣法(ジギングとも称される)が行われており、このようなジギングにも、上記した両軸受型リールが使用されている。両軸受型リールを用いてジギングを行う場合、釣人は、釣竿と共にリール本体を握持、保持した状態でシャクリ操作を頻繁に繰り返すとともにハンドルの巻き取り操作を行なう。また、このようなジギングでは、疑似餌に掛かった魚とのファイティング操作も激しいことから、リール本体は、確実にホールドすることができ、長期間使用しても負担がかからないことが望まれる。
この点、特許文献1に開示された形状(側板が前方側に膨出した形状を意味し、以下、このような形状を異形状と称する)の両軸受型リールは、実釣時にリール本体の反ハンドル側の側板を掌で保持する際、膨出した部分で引っ掛かりがあるため、不必要な動きが制限されて保持できるものの、その保持位置・状態が固定されてしまう。すなわち、反ハンドル側の手の自由度がなくなり、シャクリ操作や魚とのファイティング操作において、強く長時間掌で保持していると痛くなり、操作に支障をきたしてしまう。また、スプールに巻回される釣糸の糸巻量は多い方が好ましいが、糸巻量を多くするためにスプールフランジを大径化すると、その分、側板の前後方向の長さも長くなってしまい、結果としてホールド性が悪化したり重量化してしまう。
そこで、レベルワインド装置を設けることなく、リール本体の反ハンドル側の側板を側面視円形状に形成した両軸受型リールが知られている(例えば、特許文献2参照)。この公知例のように、反ハンドル側の側板を円形状に構成することで、掌で握り込んだ状態のまま必要に応じて位置をずらすことができるため、ジギングする際の操作性の向上が図れるようになる。また、この公知例では、ハンドルの巻き取りの効率化が図れるように、大型のドライブギアを組み込むようにしており、ハンドル側の側板については、円形ではなく部分的に膨出させて、その膨出部分にドライブギアの一部を配設し、リール本体として極力、重量化しないように構成している。
実開昭60−49772号 特開2004−173520号
ところで、前述した両軸受型リールでは、スプールから釣糸が勢いよく繰り出される際の(スプールの過回転に起因する)バックラッシュを防止するため、回転するスプールのフランジの外周端面に指を直接に当て付ける、あるいは、回転するスプールの釣糸巻回胴部に巻回される釣糸に指を当て付ける、いわゆるサミング操作を行なう場合がある。
特に、頻繁なシャクリ操作、シャクリ操作をしながらのハンドル巻き取り操作、及び、魚とのファイティング等、激しい操作が行われるジギングでは、サミング操作が頻繁に行なわれるとともに、スプールの回転速度も速いことから、サミングによる摩擦で釣糸が傷付かないように、また、瞬時にドラグ力を作用させるために、一般に、回転するスプールのフランジの外周端面に指を直接に当て付けるサミング形態がとられる。また、そのようなサミングは、通常、釣竿を握持、保持している手の掌をリール本体の反ハンドル側の側板の外側面に当接させるとともに、その手の親指の腹を側板の外周端面に載置してホールドした状態から、その載置した親指をスプールのフランジの外周端面上へと側方にスライドさせることによってなされる。
しかしながら、従来の両軸受型リールでは、異形状のものはもとより、ジギングに適した側面視円形状のものにおいても、一般に、リール本体の側板の外周端面とスプールのフランジの外周端面との間の高さの差(段差)が大きいため、サミングの際には、リール本体の側板の外周端面に載置している指をスプール側へ向けて側方にスライドさせてからスプールのフランジの外周端面上の位置まで下げる(落とし込む)動作が必要となり、側板の外周端面上からスプールのフランジの外周端面上への移行操作にかなりの違和感がある(スライド移動する指の落下感が強い)。
また、このような指の落下感を伴う複合的なスライド操作をサミングの度に繰り返すことは、特にサミング操作を頻繁に行なうジギングにおいて指の疲労感や痛みをもたらすとともに、サミング操作性の低下も招くこととなり、望ましくない。
本発明は、上記した問題に着目してなされたものであり、サミング操作に伴う指のスライド移動を違和感なくスムーズに行なえるサミング操作性が良好な両軸受型リールを提供することを目的とする。
上記した目的を達成するために、本発明は、リール本体の両側板間に回転自在に支持したスプールを一方の側板に設けたハンドルで回転可能とした両軸受型リールにおいて、前記スプールは、釣糸が巻回される釣糸巻回胴部と、前記釣糸巻回胴部の両側に形成されて前記側板に隣接するフランジとを備え、前記スプールの前記フランジの外周端面に反ハンドル側にある他方の前記側板へ向けて傾斜して形成される面取り部の起点と、前記他方の側板の外周端面に前記スプールへ向けて傾斜して形成される面取り部の起点とを結ぶ線は、前記スプールの軸方向と平行な基準線に対して成す角度が30°〜45°に設定されることを特徴とする。
上記した構成の両軸受型リールでは、反ハンドル側の側板へ向けて傾斜するスプールのフランジの面取り部の起点と、スプール側へ向けて傾斜する反ハンドル側の側板の面取り部の起点とを結ぶ線が、スプールの軸方向と平行な基準線に対して30°〜45°の角度を成しているため、側板の外周端面とスプールのフランジの外周端面との間に落差を生じさせることなくこれらの外周端面をほぼ同一の曲面(円弧)または平面に容易に沿わせることが可能となり、したがって、釣竿を握持、保持している手の掌をリール本体の反ハンドル側の側板の外側面に当接させるとともに、その手の親指の腹を側板の外周端面に載置してホールドした状態から、その載置した親指をスプールのフランジの外周端面上へと側方にスライドさせるだけで(従来のようにスプールのフランジの外周端面上の位置まで下げる落とし込み動作を伴うことなく側方スライドのみで)、スムーズにサミング操作へと移行することができる。すなわち、サミング操作に伴う指のスライド移動を違和感なく(指の落下感を伴わずに)スムーズに行なえ、サミング操作性が良好となり、したがって、瞬時の魚とのファイティング対応やスプールへの適度な制御操作等をスムーズに行なえる。
これは、特に、サミング操作を頻繁に行なうジギングにおいて、指の疲労感や痛みをもたらすことがなく、サミング操作性の低下を招くこともなくなるため、非常に有益である。また、スプールの外周端面の面取り部と側板の外周端面の面取り部との間のこのような配置関係は、リール保持とサミング操作とを行ない易い位置に手の掌および指をセットできるようにする。
本発明によれば、サミング操作に伴う指のスライド移動を違和感なくスムーズに行なえるサミング操作性が良好な両軸受型リールが得られる。
本発明に係る両軸受型リールの第1の実施形態を示す平面図である。 図1に示す両軸受型リールの正面図である。 図1に示す両軸受型リールの反ハンドル側の左側面図である。 図1に示す両軸受型リールのハンドル側の右側面図である。 図1に示す両軸受型リールの断面図である。 図1に示す両軸受型リールの左側板とスプールとが隣接する部分の拡大断面図である。 図6の要部拡大断面図である。 スプールの外周端面の面取り部と側板の外周端面の面取り部との間の配置関係に基づく評価試験結果を示す表である。 本発明に係る両軸受型リールの第2の実施形態を示す要部拡大断面図である。
以下、図1から図8を参照して本発明に係る両軸受型リールの一実施形態について説明する。
本実施形態に係る両軸受型リールは、上述したように、ジギングする上で最適な構造となるように構成されたものであり、リール本体1は、左側板1A、右側板1B、及び両側板1A,1B間に回転自在に支持したスプール3を備えている。本実施形態では、右側板1B側にハンドル5を設けており、ハンドル5を巻き取り操作することでスプール3を回転駆動する構成となっている(右ハンドル式)。
リール本体1は、左右の側板1A,1Bを構成するフレーム7を備えている。このフレーム7は、例えば、アルミニウム合金の金属材等によって一体形成されており、左側板(反ハンドル側の側板)1Aそのものを構成すると共に、後述するカバー体15を装着した状態で右側板1Bを構成している。すなわち、フレーム7は、左側板7Aと右枠体7Bを備えており、左側板7Aがリール本体1の左側板1Aを構成し、右枠体7Bにカバー体15を装着することでリール本体1の右側板1Bを構成する。しかしながら、側板1A,1Bの形態はこのようなフレーム構造に限定されない。
一例としての前記フレーム構造において、フレーム7は、左側板7Aと右枠体7Bとを連結する連結部を備えている。本実施形態では、スプール3の前方に前連結部7C、スプール3の後方に後連結部7D、および、スプール3の下方に隣接して2つの下連結部7Eが設けられており、これらの連結部は、左側板7Aおよび右枠体7Bと共に一体形成されている。なお、下連結部7Eには、釣竿のリールシートに装着されるリール脚8が一体的に装着されている(リール脚はフレーム7と一体形成されていてもよい)。なお、本実施形態において、右枠体7Bは、スプール3を右側から挿入して着脱できるように開口を有するリング状に形成されるが、そのような構造に限定されない。
フレーム7の左側板7Aは、図3に示すように、外周形状が側面視円形状に構成されている。左側板7Aは、内部が中実構造で薄肉厚化されており、釣竿を握持、保持している手の掌が外側面7aに当接し、その手の親指が外周端面(円周面)7bに載置されてホールドされる略円柱形状になっている。本実施形態では、ホールド性(掌が当たる感触)が向上するように、外側面7aは軸方向に多少膨出しており(図1,図2参照)、また、外周端面7bに載置した親指が外側面7aとの間で違和感が生じないように、外周端面7bの外側には、外側面7aに移行するように傾斜した円周テーパ7cが形成されている。また、外周端面7bに載置した親指が後述するようにスムーズにサミング操作できるように、外周端面7bの内側(スプール3側)には、左側板7Aに隣接するスプール3のフランジ3a側へ滑らかに移行するように傾斜した面取り部7dが形成されている。なお、これについては、以下で更に詳しく説明する。
左側板7Aには、図5に示すように、スプール3のフランジ3aが収容される環状の凹所7eが形成されている(凹所7eの内径は、スプール3のフランジ3aの外径よりも僅かに大きく形成されている)。また、左側板7Aの中心領域には、凹部7fが形成されており、その凹所7f内には軸受10が配設され、スプール3の駆動軸3Aの左側端部を回転自在に支持している。
さらに、本実施形態では、左側板7A内に、スプール3の釣糸繰り出し方向の回転を阻止する公知のスプールストッパ12が設置されている。このスプールストッパ12は、左側板7Aの外側面7aから突出するスライドレバー12aと、スライドレバー12aのスライド操作によって駆動されるリンク機構12bと、リンク機構12bに連結されて、スプール3の駆動軸3Aに回り止め固定されたラチェット3Bと係脱されるストッパ12cとを備えている。このように構成されたスプールストッパ12は、スライドレバー12aをスライド操作することにより、ストッパ12cをラチェット3Bに係合してスプール3の釣糸繰り出し方向の回転を阻止する状態と、ストッパ12cをラチェット3Bに非係合にしてスプール3の釣糸繰り出し方向の回転を可能にする状態とに切り換え可能としている。
また、リング状の右枠体7Bは、左側板7Aと同様、側面視で円形状に構成されており、その外径は、左側板7Aの外径よりも大きく形成されている。すなわち、ハンドル側の側板1Bには、後述するように、ハンドルの回転駆動力をスプールに伝達する巻き取り駆動機構、ドラグ機構、クラッチ機構等、各種の機能部品が収容されることから、リール本体1は、左側板1A(7A)よりも右側板1B(右枠体7B)の方が大きい構成となっている。
スプール3は、釣糸が巻回される釣糸巻回胴部3bと、その両側に形成されて左側板7Aに隣接するフランジ3aとを備えており、釣糸巻回胴部3bに巻回される釣糸は、フランジ3aによってその巻回容量が特定される。特に、本実施形態において、釣糸巻回胴部3bの外径は、スプール3の外径(フランジ3aの外径)の90%に設定される(図6に示される起点P1によって釣糸が巻回される釣糸巻回胴部3bのフランジ3aに境界付けられる)。また、スプール3の中心部には、駆動軸3Aが挿通固定されており、その駆動軸3Aのスプール3の左側にラチェット3Bが回り止め固定されるとともに、左側端部が軸受10によって左側板1A(フレーム7の左側板7A)に回転可能に支持される。また、駆動軸3Aのスプール3の右側には、軸受3Cが配設されるとともに、その軸方向外方に、後述するクラッチ機構によって軸方向に摺動されるピニオンギア23が係脱するピン3Dが設けられている。そして、ピン3Dが設けられる位置よりもハンドル5側の駆動軸3Aの部分は、小径化されてピニオンギア23に挿通されている(ピニオンギア23に挿通される小径化された部分を駆動軸3A´とする)。
フレーム7の右枠体7Bには、カバー体15が着脱可能に固定され、右枠体7Bとカバー体15によってリール本体1の右側板1Bが構成される。このカバー体15は、右枠体7Bとの間に収容スペースSが生じるように凹状に形成されており、収容スペースS内に各種の機能部品が配設されている。なお、カバー体15は、基本的に側面視で円形状に構成されているが、ハンドル5の巻き取り効率を向上するために、ハンドル軸5Aには大きいドライブギアを装着するようにしている。このため、図4に示すように、カバー体15には、部分的に略半円状に膨出する膨出部15Aが形成されており、その部分にドライブギアを収容するようにしている。
以下、収容スペースS内に配設される各種の機能部品について説明する。
上記したように、収容スペースS内には、ハンドル5の回転駆動力をスプール3に伝達する巻き取り駆動機構20、スプール3から繰り出される釣糸に対して所望の制動力を付与するドラグ機構50、および、スプール3を巻き取り状態/フリー回転状態に切り換えるクラッチ機構70が配設されるが、本実施形態では、カバー体15に装着される支持部材(セットプレートとも称する)16とカバー体15との間に収容スペースSを形成し、この収容スペースS内に前記各機構を配設している。
ここで巻き取り駆動機構20の構成について説明する。
上記したように、本実施形態では、スプール3を回転駆動するハンドル5を右側板1B側に設置しており、支持部材16とカバー体15との間の収容スペースSには巻き取り駆動機構20が配設される。巻き取り駆動機構20は、ハンドル5が装着されたハンドル軸5Aと、このハンドル軸5Aに回転可能に装着されたドライブギア21と、ドライブギア21に噛合するピニオンギア23とを備えている。
ハンドル軸5Aは、その端部に巻き取り操作されるハンドル5が装着されており、カバー体15との間に配設される軸受25と、右枠体7Bに形成された凹所16gとの間に配設される軸受26とによって右側板1Bに対して回転可能に支持されている。ドライブギア21と噛合されるピニオンギア23は、スプール3の駆動軸3A´を挿通させており、駆動軸3A´に対して軸方向に摺動できるように支持されている。本実施形態では、ピニオンギア23の両側部を、それぞれ軸受27,28によって回転可能に支持している。この場合、軸受27は、支持部材16の貫通孔16eに配設されており、軸受28は、カバー体15に装着されスプールの駆動軸3A´の端面に当て付いてスプールの回転に制動力を付与する公知の制動装置29に配設されている。
ハンドル軸5Aには、カバー体15との間に公知の一方向クラッチ30が配設されており、ハンドル5の釣糸巻き取り方向の回転を許容し、逆回転を阻止している。また、ハンドル軸5A部分には、スプール3から繰り出される釣糸に対して所望の制動力を付与する公知のドラグ機構50が配設されている。このドラグ機構50は、ドライブギア21に形成された環状凹所21a内に配設された複数枚の制動板51と、ハンドル軸5Aに軸方向に移動不能に回り止め固定され、ドライブギア21と面接するラチェットギア52と、ハンドル軸5Aに配設され、回転操作することで軸方向に移動する操作ノブ55とを備えている。これにより、操作ノブ55を回転操作すると、一方向クラッチ30の内輪を介して制動板51が押圧されて、ドライブギア21にはハンドル軸5Aとの間で所望の押圧力が作用する。すなわち、操作ノブ55を回転操作することで、制動板21に対する押圧力を調整してスプール3から繰り出される釣糸に対して所望のドラグ力を作用させることが可能となる。
なお、ラチェットギア52には、係止爪(図示せず)が係合可能となっており、一方向クラッチ30の逆転防止機能に滑りが生じた際に、ハンドル軸5Aの逆回転を確実に阻止できるようになっている。
支持部材16には、スプール3を巻き取り状態/フリー回転状態に切り換える公知のクラッチ機構70が配設されている。このクラッチ機構70は、右側板1Bに配設され外周面に沿うように回動可能に支持された操作部材71と、支持部材16に回動可能に支持され、操作部材71の操作に伴って回動するクラッチプレート72と、ピニオンギア23の外周面に形成された円周溝と係合し、クラッチプレート71の回動操作によってピニオンギア23を軸方向に摺動させる係合部材74とを備えている。すなわち、操作部材71を操作することでピニオンギア23を軸方向に摺動させ、ピニオンギア23の断面非円形の端部23bをスプール3の駆動軸3Aに設けられたピン3Dと係脱させて動力の伝達状態(クラッチON状態)と、動力の遮断状態(クラッチOFF状態)との間で切り換えできるよう構成されている。この場合、ラチェットギア52および支持部材16には、ハンドル5を巻き取り操作した際、クラッチ機構70をOFF状態からON状態に自動復帰させる復帰機構が設けられている。
上述したように、カバー体15には、ハンドル軸5Aに装着されたドライブギア21を部分的に収容するように、略半円状に膨出する膨出部15Aが形成されている。この膨出した部分は、右枠体7Bにネジによって取着され略半円状に形成された閉塞部材61(図3参照)によって閉塞される。すなわち、上記したように、支持部材16が取り付けられたカバー体15を右枠体7Bに取り付けると、膨出部15Aは、右枠体7Bに取着された閉塞部材61によってそのまま閉塞されるようになっている。
ここで、図6および図7を参照して、サミング操作性を向上させるためのスプール3および左側板7Aの外周端面形態について説明する。
これらの図に示されるように、本実施形態において、スプール3のフランジ3aの外周端面には、反ハンドル側にある左側板7Aへ向けて上向きに傾斜して形成される面取り部3cが形成される。また、左側板7Aの外周端面7b(特に、スプール3のフランジ3aの外周端部を内側に受け入れる嵌合端部の外周面)には、前述したように、スプール3へ向けて下向きに傾斜して形成される面取り部7dが形成される。そして、この場合、左側板7Aへ向けて形成されるスプール3の面取り部3cの起点P1と、スプール3へ向けて形成される左側板7Aの面取り部7dの起点P2とを結ぶ線L2は、スプール3の軸方向と平行な基準線L1に対して成す角度θが30°〜45°、好ましくは35°〜45°、より好ましくは40°〜45°に設定されている。なお、本実施形態において、スプール3の面取り部3cの起点P1は、面取り部3cの巻回胴部3b側のフランジ3aに設定される(巻回胴部3bの側部に形成されるフランジ3aの径方向最外端)。また、起点P2は、面取り部7dの左側板7Aの外周端面7b側に設定される。
また、このような面取り部3c,7dの配置関係において、左側板7Aの面取り部7dを形成する傾斜面と基準線L1とが成す角度θ1は、スプール3の面取り部3cを形成する傾斜面と基準線L1とが成す角度θ2よりも小さいことが好ましい(図7参照)。この場合、θ1とθ2との間の角度差は20°〜50°であることが好ましい。
また、面取り部7dから面取り部3cへの指の滑らかなスライド移動を実現するために、面取り部3cの起点P1と面取り部7dの起点P2との間の高さHは2mm〜6mmであることが好ましく(図7参照)、面取り部3cの全長にわたる厚さT2の変化は0.1mm〜0.5mm、面取り部7dの全長にわたる厚さT1の変化は1mm〜3mmであることが好ましい(図6参照)。
以上のような構成では、反ハンドル側の左側板7Aへ向けて傾斜するスプール3のフランジ3aの面取り部3cの起点P1と、スプール3側へ向けて傾斜する反ハンドル側の左側板7Aの面取り部7dの起点P2とを結ぶ線L2が、スプール3の軸方向と平行な基準線L1に対して30°〜45°の角度θを成しているため、左側板7Aの外周端面7bとスプール3のフランジ3aの外周端面との間に落差を生じさせることなくこれらの外周端面をほぼ同一の曲面(円弧)または平面に容易に沿わせることが可能となり、したがって、釣竿を握持、保持している手の掌をリール本体1の反ハンドル側の左側板7Aの外側面7aに当接させるとともに、その手の親指の腹を左側板7Aの外周端面7bに載置してホールドした状態から、その載置した親指をスプール3のフランジ3aの外周端面上へと側方にスライドさせるだけで(従来のようにスプール3のフランジ3aの外周端面上の位置まで下げる落とし込み動作を伴うことなく側方スライドのみで)、スムーズにサミング操作へと移行することができる。すなわち、サミング操作に伴う指のスライド移動を違和感なく(指の落下感を伴わずに)スムーズに行なえ、サミング操作性が良好となり、したがって、瞬時の魚とのファイティング対応やスプールへの適度な制御操作等をスムーズに行なえる。
これは、特に、サミング操作を頻繁に行なうジギングに適した本実施形態の両軸受型リールにおいて、指の疲労感や痛みをもたらすことがなく、サミング操作性の低下を招くこともなくなるため、非常に有益である。また、スプール3の外周端面の面取り部3cと左側板7Aの外周端面7bの面取り部7dとの間のこのような配置関係は、リール保持とサミング操作とを行ない易い位置に手の掌および指をセットできるようにする。
このような本実施形態の両軸受型リールの作用効果を実証するために、本発明者等は、スプール3の外周端面の面取り部3cと左側板7Aの外周端面7bの面取り部7dとの間の前述した配置関係に基づく評価試験を行なった。その試験結果が図8に示される。
この評価試験は、スプール3の面取り部3cの起点P1と左側板7Aの面取り部7dの起点P2とを結ぶ線L2と基準線L1とが成す角度θを25°から50°までの範囲で5°ずつ変化させた両軸受型リールをそれぞれ用意し、5人のテスターがそれぞれの両軸受型リールを実釣により使用することによって各評価項目について3段階評価(×・・・1点、△・・・0.5点、〇・・・1点)を行なうことによりなされた。なお、図7には、θが異なるそれぞれの両軸受型リールの各項目ごとに、5人のテスターが判定した評価結果として最も人数の多かった評価が×,△,〇の記号で示されている。
例えば、サミング性、すなわち、釣竿を握持、保持している手の掌をリール本体1の反ハンドル側の左側板7Aの外側面7aに当接させるとともに、その手の親指の腹を左側板7Aの外周端面7bに載置してホールドした状態から、その載置した親指をスプール3のフランジ3aの外周端面上へと側方にスライドさせる指の操作性に関する評価項目においては、45°〜25°の広い角度範囲で良好な〇の判定がなされた。また、リールを握る際のホールド性、すなわち、釣竿を握持、保持している手の掌をリール本体1の反ハンドル側の左側板7Aの外側面7aに当接させるとともに、その手の親指の腹を左側板7Aの外周端面7bに載置してホールドする際の安定感に関する評価項目においては、45°〜35°の角度範囲で良好な〇の判定がなされ、50°および35°において△の判定がなされた。更に、左側板7Aの凹所7eと嵌合するスプール3のフランジ3aの部分における強度に関する評価項目においては、50°〜40°の角度範囲で良好な〇の判定がなされ、35°および30°において△の判定がなされた。この強度試験は、30cmの高さから平坦な床へ向けてリールを様々な姿勢で自由落下させ、その際のスプール3のフランジ3aの損傷度合いを平均値として示したものである。また、デザインに関する評価項目においては、40°で良好な〇の判定がなされ、30°,35°,45°において△の判定がなされた。更に、面取り部3c,7dにおける加工性に関する評価項目においては、50°〜35°の広い角度範囲で良好な〇の判定がなされた。なお、角度θが小さくなればなるほど、面取り部3c,7dの切削加工量が多くなるため、30°,25°では段階的に低い評価が得られた。
以上の各評価の総合結果(単に各項目を合計した結果)が図7の表の最下行に記されている。この総合評価から明らかなように、スプール3の面取り部3cの起点P1と左側板7Aの面取り部7dの起点P2とを結ぶ線L2と基準線L1とが成す角度θは、30°〜45°が好ましく、35°〜45°がより好ましく、40°〜45°、更には40°が最も好ましいことが分かる。
図9には、サミング操作性を向上させるためのスプール3および左側板7Aの別の外周端面形態を有する両軸受型リールの第2の実施形態が示される。図示のように、本実施形態では、スプール3のフランジ3aの外周端面に面取り部が存在せず、代わりに、円弧状に湾曲する湾曲面部3dがフランジ3aの外周端面に設けられる。また、左側板7Aの外周端面7b(特に、スプール3のフランジ3aの外周端部を内側に受け入れる嵌合端部の外周面)には、第1の実施形態と同様に、スプール3へ向けて下向きに傾斜して形成される面取り部7dが形成される。そして、この場合、スプール3のフランジ3aの内面3aaの延長線X1とフランジ3aの外周端面の水平な延長性X2との交点P3と、左側板7Aの面取り部7dの起点P2とを結ぶ線L3は、スプール3の軸方向と平行な基準線L1に対して成す角度θ3が25°〜45°に設定される。このようにθ3の下限が第1の実施形態の場合のθの下限よりも小さくなる理由は、フランジ3aの外周端面に面取り形状が無くなり、したがって、交点P3と起点P2との間の高さhが第1の実施形態における起点P1,P2間の高さHよりも小さくなるからである。このようなスプール3および左側板7Aの外周端面形態においても、サミング操作に伴う指のスライド移動を違和感なく(指の落下感を伴わずに)スムーズに行なえ、サミング操作性が良好となり、また、図8に示される評価試験結果と同様の結果が得られた。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記した実施形態に限定されることはなく、種々変形することが可能である。
例えば、右側板の形状やクラッチ機構の操作部材の配設位置や構成等、適宜変形することが可能である。また、本発明は、右側板にハンドルを装着したが左側板に装着してもよい。また、フレームの構造は任意であり、スプールに釣糸を平行に巻回するレベルワインド装置が設けられていても構わない。また、各面取り部3c,7dは、その傾斜角度が段階的に変化してもよく、また、前述した第2の実施形態のようにスプール3の面取り部3cが形成されなくてもよい。
1 リール本体
1A,1B 側板
3 スプール
3a フランジ
3b 釣糸巻回胴部
3c 面取り部
5 ハンドル
7 フレーム
7A 側板
7b 外周端面
7d 面取り部
L1 基準線
L2 面取り部の起点間を結ぶ線
L3 交点と起点とを結ぶ線
P1,P2 起点
P3 交点
X1,X2 延長戦

Claims (6)

  1. リール本体の両側板間に回転自在に支持したスプールを一方の側板に設けたハンドルで回転可能とした両軸受型リールにおいて、
    前記スプールは、釣糸が巻回される釣糸巻回胴部と、前記釣糸巻回胴部の両側に形成されて前記側板に隣接するフランジとを備え、
    前記スプールの前記フランジの外周端面に反ハンドル側にある他方の前記側板へ向けて傾斜して形成される面取り部の起点と、前記他方の側板の外周端面に前記スプールへ向けて傾斜して形成される面取り部の起点とを結ぶ線は、前記スプールの軸方向と平行な基準線に対して成す角度が30°〜45°に設定されることを特徴とする両軸受型リール。
  2. 前記側板の前記面取り部を形成する傾斜面と前記基準線とが成す角度は、前記スプールの前記面取り部を形成する傾斜面と前記基準線とが成す角度よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載の両軸受型リール。
  3. 前記スプールの前記面取り部の起点が前記巻回胴部の側部に形成される前記フランジの径方向最外端であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の両軸受型リール。
  4. 前記リール本体は、前記スプールに釣糸を平行に巻回するレベルワインド装置を伴わずにその反ハンドル側の側板が側面視円形状に形成されて成ることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の両軸受型リール。
  5. 前記反ハンドル側の側板の外径は、ハンドル側の側板よりも小径に形成されていることを特徴とする請求項4に記載の両軸受型リール。
  6. リール本体の両側板間に回転自在に支持したスプールを一方の側板に設けたハンドルで回転可能とした両軸受型リールにおいて、
    前記スプールは、釣糸が巻回される釣糸巻回胴部と、前記釣糸巻回胴部の両側に形成されて前記側板に隣接するフランジとを備え、
    前記スプールの前記フランジの内面の延長線と前記フランジの外周端面の水平な延長性との交点と、反ハンドル側にある他方の前記側板の外周端面に前記スプールへ向けて傾斜して形成される面取り部の起点とを結ぶ線は、前記スプールの軸方向と平行な基準線に対して成す角度が25°〜45°に設定されることを特徴とする両軸受型リール。
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