以下、添付図面を参照しながら実施例について詳細に説明する。なお、以下の説明では表示システムの一例として、生徒を用いた授業内で実施される表示システムについて説明するが、適用範囲についてはこれに限定されるものではない。
<表示システムの概略構成例>
図1は、表示システムの概略構成の一例を示す図である。図1に示す表示システム10は、情報処理装置の一例としての表示サーバ11と、一又は複数の情報端末12−1〜12−n(以下、必要に応じて「情報端末12」と総称する)と、表示装置の一例としての共有ディスプレイ13とを有する。表示サーバ11と、情報端末12と、共有ディスプレイ13とは、例えばLocal Area Network(LAN)やインターネット等に代表される通信ネットワーク14により、データの送受信が可能な状態で接続されている。
なお、本実施形態では、表示サーバ11は、教師が使用する情報端末であるため、以下の説明では必要に応じて「教師端末」という。また、本実施形態の複数の情報端末12は、授業を受ける個々の生徒が使用する情報端末であるため、以下の説明では必要に応じて「生徒端末」という。
図1に示すように、表示サーバ11は、表示プログラムの一例としての教師端末プログラム21と、生徒データベース(以下、データベースを「DB」という)22と、課題DB23と、課題回答DB24とを有する。また、情報端末12は、表示プログラムの一例としての生徒端末プログラム31を有する。
生徒DB22は、各生徒と情報端末12の情報(例えば、IPアドレス等)とを関連付けて記憶する。課題DB23は、情報端末12に対して送信する課題内容を管理する。課題回答DB24は、生徒から情報端末12を介して送信された意見(回答)等の情報を記憶する。
表示サーバ11は、予めインストールされた表示プログラムの一例としての教師端末プログラム21等を用いて以下に示す各処理を行う。表示サーバ11は、課題DB23から得られる課題や質問事項等を生徒DB22で管理された各情報端末12のアドレス宛てに送信し、各情報端末12からの意見(回答)等の情報を受信する。表示サーバ11は、各情報端末12から得られる情報を、各生徒又は各情報端末12に関連付けられている位置情報と共に、課題回答DB24に記憶する。
また、表示サーバ11は、各情報端末12から取得した意見等を共有ディスプレイ13に表示する。このとき、表示サーバ11は、上述した位置情報に基づき、各意見を所定の行と列からなるマトリクス状に配列して表示サーバ11の画面や共有ディスプレイ13に
表示(一覧表示)する(第1の画面)。マトリクスの各要素(マス目)には、意見内容と共に、誰の意見であるかが分かるように端末情報や生徒情報等を表示してもよい。マトリクス状の表示の一例としては、例えば各生徒の教室の座席の配列に対応した行列のマス目を設け、その各マス目に対し各座席に着席している生徒の意見を割り当てて表示させてもよいが、これに限定されるものではない。例えば、表示サーバ11が、情報端末12から意見を受信した生徒の順又は回答の多い順に並べて表示させてもよい。
また、表示サーバ11は、教師からの操作により、マトリクス状に表示された各生徒の意見に対して、議論の対象としたい意見の選択(チェック)を受け付ける。表示サーバ11は、意見の選択を受け付けると、受け付けた意見がどの意見であるかが分かるような情報を記憶しておく。
また、表示サーバ11は、教師からの操作により部分拡大表示要求がなされると、現在選択された意見を含む複数の意見(例えば、40意見中の9意見のみ)を拡大して表示サーバ11の画面や共有ディスプレイ13に表示させる(第2の画面)。その際、表示サーバ11は、選択意見の周囲にある意見(例えば8意見)に、議論の対象としたいためにチェックした他の意見や、すでに部分拡大表示にて表示済みの意見があるかを課題回答DB24を用いて判定し、判定結果に基づいて表示する周囲の意見を選択する。例えば、表示サーバ11は、部分拡大表示にて、表示済みの意見やチェック済みの意見が少ない周囲の意見を選択して、9意見による部分拡大表示を行うが、これに限定されるものではない。
情報端末12は、予めインストールされた表示プログラムの一例としての生徒端末プログラム31等を用いて以下に示す各処理を行う。情報端末12は、授業や議論等に参加する生徒(参加者)がそれぞれ所持し、使用する端末である。情報端末12は、生徒毎に関連付けられている。また、情報端末12は、例えば現在の位置情報等を取得することもできる。
情報端末12は、表示サーバ11から得られる情報(例えば、課題や質問事項)等を取得して、画面に表示したり、生徒の操作により入力された意見(回答)等の情報を受け付ける。また、情報端末12は、受け付けた情報等を、生徒や情報端末12を識別する識別情報と共に通信ネットワーク14を介して表示サーバ11等に送信する。
表示サーバ11や情報端末12は、ノート型Personal Computer(PC)やタブレット端末、スマートフォン等のモバイル機器であるが、これに限定されるものではなく、例えば教室等の各座席に設置されたデスクトップ型のPCであってもよい。
また、表示サーバ11は、例えば一以上の情報処理装置を用いたクラウドコンピューティングからなるクラウドサーバ等でもよい。この場合、情報端末12の一つを教師が操作し、表示サーバ11にアクセスして、上述した処理を行わせてもよい。
共有ディスプレイ13は、例えば各生徒が教室内等の所定の座席に着席している位置から確認できる場所に設置されている表示手段であり、例えば教室内の黒板等の位置に設置される電子黒板やスクリーン等であるが、これに限定されるものではない。
共有ディスプレイ13は、教師による表示サーバ11からの指示により、各情報端末12から収集された課題や質問事項等に対するそれぞれの回答(意見)等の情報を、所定の行と列とで構成されるマトリクス状に表示(一覧表示)する。また、共有ディスプレイ13は、表示サーバ11からの指示により、マトリクスの一部の領域(例えば、9人分の意見、6人分の意見等)を部分拡大表示したり、一つの意見のみを拡大表示(個人意見表示)することができる。ここで、部分拡大表示とは、例えばマトリクス全体のうち、所定の行、列のみの領域を部分的に抽出して拡大表示したものであるが、これに限定されるものではない。
共有ディスプレイ13は、上述したように生徒全員の回答(意見)等の表示及び閲覧を可能とするため大型の画面サイズであることが好ましいが、これに限定されるものではない。
通信ネットワーク14は、表示サーバ11、情報端末12、及び、共有ディスプレイ13との間でデータの送受信を行うためのネットワークであり、有線でも無線でもよい。
<表示サーバ11の機能構成例>
次に、上述した表示サーバ11の機能構成例について具体的に説明する。図2は、表示サーバの機能構成の一例を示す図である。図2の例において、表示サーバ11は、課題提示手段41と、意見収集手段42と、意見選択手段43と、表示対象選択手段44と、画面生成手段45と、表示手段46と、記憶手段47と、通信手段48とを有する。
課題提示手段41は、予め課題DB23に記憶された1又は複数の課題や質問事項等から少なくとも一つを選択し、選択した内容を各情報端末12に提示する。なお、課題提示手段41は、例えば課題DB23から取得した課題や質問事項等の内容を表示サーバ11又は共有ディスプレイ13に提示させて、教師等に選択させるようにしてもよい。
意見収集手段42は、課題提示手段41により提示された課題や質問事項等に対する各情報端末12からの意見(回答)の情報を収集する。意見収集手段42は、収集した意見を生徒や情報端末12に対応する位置情報と共に課題回答DB24に記憶する。ここで、位置情報とは、例えばマトリクス状の行列の座標(表示位置座標)等であるが、これに限定されるものではない。また、意見収集手段42は、予め課題毎に設定された回答制限時間に基づいて意見の収集を管理する。
意見選択手段43は、意見収集手段42により収集された意見の中から教師が議論の対象にしたい意見のチェックを受け付ける。また、意見選択手段43は、受け付けた意見に対して課題回答DB24の該当部分にフラグをセットする。なお、意見選択手段43は、所定の回答制限時間内に送られてくる各生徒からの意見を受信しながら、教師が議論したい意見の選択を受け付ける。
表示対象選択手段44は、教師等からマトリクス上のある意見が選択され、その意見を含む部分拡大表示要求があった場合に、その要求に対して表示する複数の意見を含む領域を決定する。例えば、表示対象選択手段44は、選択意見を含む周囲の意見(8意見)の各表示パターン(領域)の候補を取得し、その各表示パターンに対し、チェック済みの他の意見や、すでに部分拡大表示にて表示済みの意見がないかを課題回答DB24を用いて判定する。上述した各パターンは、例えば部分拡大表示で9つの意見を縦横3×3の領域で表示する場合に、選択意見の位置を部分拡大表示領域の9つの各位置(左上、左中、左下、中上、中中、中下、右上、右中、右下)に割り当てたときの意見の表示パターンである。
表示対象選択手段44は、各パターンに対して、チェック済みの他の意見や、表示済みの意見があれば、それぞれの数を取得し、表示対象選択ワーク等の記憶エリアに一時的に記憶する。次に、表示対象選択手段44は、表示対象選択ワークにて、チェック済みの他の意見や、表示済み意見の数が最も少ないパターンを選択し、選択したパターンで部分拡大表示を行う。なお、表示対象選択手段44は、最も少ないパターンが複数ある場合には、予め設定された条件(例えば、選択意見の位置や、表示領域が画面またぎ(折り返し)をしない等)に基づいて表示パターンを決定する。
表示対象選択手段44は、表示済みの意見の数のみに基づいて表示パターンを決定してもよく、チェック済みの他の意見の数のみに基づいて表示パターンを決定してもよい。
画面生成手段45は、課題DB23を参照して教師等が課題を選択するための画面を生成する。また、画面生成手段45は、課題課題回答DB24等を参照して各生徒の意見に対するマトリクス表示画面(全意見を表示する一覧表示画面、第1の画面)を生成する。また、画面生成手段45は、部分拡大表示のときに、現在選択されている意見(画面上のカーソル等の位置にある意見)を含んだ複数の行列からなる意見を拡大表示する画面(第2の画面)を生成する。その際に、画面生成手段45は、例えば表示対象選択手段44により選択したチェック済みの他の意見や、表示済み意見の最も少ない表示パターンを部分拡大表示する。
また、画面生成手段45は、画面の内容を一覧表示や部分拡大表示等に切り替える各種ボタン等を生成する。例えば、教師は、画面上の各ボタンを選択することで、対応する各画面に切り替えることができる。
また、画面生成手段45は、表示された全ての意見について、課題回答DB24の表示済フラグを「1」にする。このフラグを用いて表示される意見を選択することで、部分拡大表示を繰り返しても、表示される生徒意見がなるべく重複せずに、万遍なく生徒の意見が表示されることになる。
表示手段46は、画面生成手段45で生成された各種画面(例えば、課題選択画面、マトリクス表示画面、部分拡大画面等)の内容を表示する。また、表示手段46は、例えばタッチパネル等のように入力と出力とを行う機能を有していてもよい。例えば、表示手段46は、画面上に表示された各種ボタンの押下(入力)や文字情報の入力、タッチ動作、フリック動作等を受け付ける。
記憶手段47は、本実施形態における表示処理が実現可能な各処理を実行するための設定情報、各種処理の実行経過や結果等を記憶する。記憶手段47に記憶される情報は、上述した教師端末プログラム21、生徒DB22、課題DB23、課題回答DB24等であるが、これに限定されるものではない。なお、記憶手段47に記憶されるデータの具体例については、後述する。また、記憶手段47は、記憶された各種情報を必要に応じて所定のタイミングで読み出したり、書き込んだりすることができる。記憶手段47は、例えばハードディスクやメモリ等であるが、これに限定されるものではない。
通信手段48は、図1に示す各情報端末12や共有ディスプレイ13等に対して、通信ネットワーク14を介してデータの送受信を行う。例えば、通信手段48は、各情報端末12に対して課題を送信し、各情報端末12から課題に対する意見を受信する。また、通信手段48は、画面生成手段45で生成された画面等を共有ディスプレイ13に送信して表示させる。
<表示サーバ11のハードウェア構成例>
本実施形態は、上述した各機能をコンピュータに実行させることができる実行プログラム(表示プログラム)を、例えば表示サーバ11にインストールすることにより、本実施形態における表示処理を実現することができる。ここで、表示サーバ11のハードウェア構成例について図を用いて説明する。
図3は、表示サーバのハードウェア構成の一例を示す図である。図3に示す表示サーバ11は、入力装置51と、出力装置52と、ドライブ装置53と、補助記憶装置54と、主記憶装置55と、Central Processing Unit(CPU)56と、ネットワーク接続装置57とを有し、これらはシステムバスBで相互に接続されている。
入力装置51は、ユーザ等が操作するキーボード及びマウス等のポインティングデバイスや、マイク等の音声入力デバイスを有しており、ユーザ等からのプログラムの実行指示、各種操作情報、ソフトウェア等を起動するための情報等の入力を受け付ける。
出力装置52は、本実施形態における処理を行うためのコンピュータ本体を操作するのに必要な各種ウィンドウやデータ等を表示するディスプレイを有し、CPU56が有する制御プログラムによりプログラムの実行経過や結果等を表示する。
ここで、本実施形態においてコンピュータ本体にインストールされる実行プログラムは、例えば、Universal Serial Bus(USB)メモリやCD−ROM、DVD等の可搬型の記録媒体58等により提供される。プログラムを記録した記録媒体58は、ドライブ装置53にセット可能であり、CPU56からの制御信号に基づき、記録媒体58に含まれる実行プログラムが、記録媒体58からドライブ装置53を介して補助記憶装置54にインストールされる。
補助記憶装置54は、例えばハードディスクドライブやSolid State Drive(SSD)等のストレージ手段等である。補助記憶装置54は、CPU56からの制御信号に基づき、本実施形態における実行プログラムや、コンピュータに設けられた制御プログラム等を記憶し、必要に応じて入出力を行うことができる。補助記憶装置54は、CPU56からの制御信号等に基づいて、記憶された各情報から必要な情報を読み出したり、書き込むことができる。
主記憶装置55は、CPU56により補助記憶装置54から読み出された実行プログラム等を格納する。主記憶装置55は、例えばRead Only Memory(ROM)やRandom Access Memory(RAM)等であるが、これに限定されるものではない。補助記憶装置54及び主記憶装置55は、例えば上述した記憶手段47に対応している。
CPU56は、オペレーティングシステム等の制御プログラム、及び主記憶装置55に格納されている実行プログラムに基づいて、各種演算や各ハードウェア構成部とのデータの入出力等、コンピュータ全体の処理を制御する。プログラムの実行中に必要な各種情報等は、例えば補助記憶装置54から取得することができ、また実行結果等を補助記憶装置54に格納することもできる。
CPU56は、例えば入力装置51から得られるプログラムの実行指示等に基づき、補助記憶装置54にインストールされたプログラムを実行させることにより、主記憶装置55上でプログラムに対応する処理を行う。
例えば、CPU56は、表示プログラムを実行させることで、上述した課題提示手段41による課題提示、意見収集手段42による意見収集、意見選択手段43による意見選択、
表示対象選択手段44による部分拡大時の表示対象意見の選択、画面生成手段45による表示画面生成、表示手段46による画面表示等の各処理を行う。CPU56における処理内容は、これに限定されるものではない。CPU56により実行された内容は、必要に応じて補助記憶装置54に記憶させることができる。
ネットワーク接続装置57は、CPU56からの制御信号に基づき、インターネットやLAN等の通信ネットワーク14と接続することにより、実行プログラムやソフトウェア、設定情報等を、通信ネットワーク14に接続されている外部装置等から取得する。また、ネットワーク接続装置57は、プログラムを実行することで得られた実行結果又は本実施形態における実行プログラム自体を外部装置等に提供することができる。
上述したようなハードウェア構成により、本実施形態における表示処理を実行することができる。また、プログラムをインストールすることにより、PCやサーバ等のコンピュータで本実施形態における表示処理を実現することができる。
<情報端末12の機能構成例>
次に、上述した情報端末12の機能構成例について具体的に説明する。図4は、情報端末の機能構成の一例を示す図である。図4に示す情報端末12は、課題取得手段61と、回答手段62と、画面生成手段63と、表示手段64と、通信手段65とを有する。
課題取得手段61は、通信ネットワーク14を介して表示サーバ11にログインし、ログインが成功すると、表示サーバ11の指示により、所定の課題等に関する情報を取得する。
回答手段62は、表示サーバ11から得られる課題等に対し、生徒が入力した意見(回答)を受け付ける。回答手段62は、生徒の操作により、受け付けた意見(回答)を、通信ネットワーク14を介して表示サーバ11に送信する。
画面生成手段63は、情報端末12を使用する生徒に、課題について考えてもらうための画面を生成する。画面生成手段63は、例えば表示サーバ11にログインして課題情報を取得するための画面や、課題に対する意見を入力する画面(回答入力画面)等を生成する。
表示手段64は、画面生成手段63により生成された画面等を表示する。なお、表示手段64は、例えばタッチパネル等のように入力と出力とを行う機能を有していてもよい。
通信手段65は、図1に示す表示サーバ11と通信ネットワーク14を介してデータの送受信を行う。例えば、通信手段65は、表示サーバ11から課題を受信し、受信した課題に対する意見(回答)を送信する。
また、通信手段65は、情報端末12の位置情報や端末情報、情報端末12を使用する生徒情報等を表示サーバ11に送信してもよい。また、通信手段65は、情報端末12間で赤外線等による近距離通信等によりデータの送受信を行ってもよい。また、通信手段65は、例えば、Wi−Fi(登録商標)やBluetooth(登録商標)等による通信を行ってもよい。
<情報端末12のハードウェア構成例>
本実施形態は、上述した各機能をコンピュータに実行させることができる実行プログラム(表示プログラム)を、例えば情報端末12にインストールすることにより、本実施形態における表示処理を実現することができる。ここで、情報端末12のハードウェア構成例について図を用いて説明する。
図5は、情報端末のハードウェア構成の一例を示す図である。図5に示す情報端末12は、スピーカ71と、マイク72と、ディスプレイ73と、無線部74と、操作部75と、位置情報取得部76と、近距離通信部77と、電力部78と、主記憶装置79と、CPU80とを有する。
スピーカ71は、画面に表示されている内容に対応する音声を出力する。また、スピーカ71は、アドレス帳等に設定された相手と通話する場合に、その相手の音声を出力したり、着信音等の音を出力する。マイク72は、生徒が発した音声や、その他の音を入力する。
ディスプレイ73は、時刻情報や表示サーバ11との接続情報、ログイン画面、課題に対する意見(回答)入力画面、他の生徒の回答結果等を表示する。また、ディスプレイ73は、生徒情報、文字データ、画像データ、映像データ等を表示する。ディスプレイ73としては、例えばLCD等があるが、これに限定されるものではない。
無線部74は、アンテナ等を用いて電波等の送受信を行い、表示サーバ11とのデータの送受信を行う。
操作部75は、各種機能に対する設定時、意見(回答)入力時に操作される入力手段である。操作部75は、ボタンやキー、スイッチ等であるが、例えばタッチパネル等のような構成である場合には、上述したディスプレイ73等に設けられていてもよい。
位置情報取得部76は、例えばGlobal Positioning System(GPS,全地球測位網)機能等を用いて位置情報を取得する。近距離通信部77は、他の情報端末12との短距離通信(ローカル通信)を行う。例えば、近距離通信部77は、赤外線通信を用いて、情報端末12間で直接短距離通信を行うことができる。また、近距離通信部77は、無線ルータ等の中継機器を介して情報端末12との短距離通信を行ってもよい。更に、通信手段65は、例えば、Wi−FiやBluetooth等による通信を行ってもよい。
電力部78は、情報端末12の各構成に対して電力を供給する。なお、電力部78は、例えばバッテリ等の内部電源であるが、これに限定されるものではなく、例えば外部電源等でもよい。主記憶装置79は、情報端末12における各種情報を記憶するための記憶手段であり、情報の書き込みや読み出し等を行うことができる。なお、主記憶装置79は、例えば、ROMやRAM等であるが、これに限定されるものではない。
CPU80は、オペレーティングシステム等の制御プログラム、及び主記憶装置79に格納されている実行プログラムに基づいて、各種演算や各ハードウェア構成部とのデータの入出力等、コンピュータ全体の処理を制御する。なお、CPU80は、主記憶装置79に予め格納されたプログラム(表示プログラム)に基づいて処理が行われる。
例えば、CPU80は、表示プログラムを実行させることで、上述した課題取得手段61による課題等の取得、回答手段62による意見の入力等の各処理を行う。更に、CPU80は、画面生成手段63による画面生成、表示手段64による表示等の各処理を行う。CPU80における処理内容は、これに限定されるものではない。
上述したようなハードウェア構成により、本実施形態における表示処理を実行することができる。また、プログラムをインストールすることにより、汎用のタブレット端末やスマートフォン等のコンピュータで本実施形態における表示処理を実現することができる。なお、本実施形態では、表示サーバ11のハードウェア構成を図5に示す構成にしてもよく、情報端末12のハードウェア構成を図3に示すハードウェア構成にしてもよい。
<各種データ例>
次に、本実施形態で使用される各種データ例について、図を用いて説明する。図6は、生徒DBの一例を示す図である。図7は、課題DBの一例を示す図である。図8は、課題回答DBの一例を示す図である。これらの各DBは、表示サーバ11の記憶手段47に記憶されるデータの一例である。
図6の例に示す生徒DBの項目としては、「生徒ID」、「生徒名」、「IPアドレス」等であるが、これに限定されるものではない。「生徒ID」は、情報端末12を使用する生徒を識別するためのIDである。「生徒名」は、生徒IDに対応する生徒の名前である。「IPアドレス」は、生徒IDに対応する生徒が使用する情報端末12のアドレス情報である。表示サーバ11は、生徒IDに対応するIPアドレスに対して課題を送信し、また情報端末12から受信した情報に付与されたIPアドレスから、その生徒から送信してきた情報であることを把握することができる。
図7の例に示す課題DBの項目としては、例えば「課題ID」、「課題内容」、「回答制限時間」等があるが、これに限定されるものではない。「課題ID」は、課題を識別するための情報である。「課題内容」は、課題IDに対応する課題内容を示す情報である。「回答制限時間」は、課題を送信してから、回答(意見)を受け付ける制限時間を指定したものである。回答制限時間を設けることで、全ての回答を待つという時間的なロスを軽減することができる。
図8に示す課題回答DBの一例としては、「生徒ID」、「賛否」、「意見内容」、「表示位置(行、列)」、「チェックフラグ」、「表示済フラグ」、「部分拡大表示時の表示位置」等であるが、これに限定されるものではない。なお、図8の例に示す課題回答DBは、課題ID毎に存在する。
「生徒ID」は、生徒を識別するための情報であり、図6に示す生徒DBの生徒IDと関連付けられている。「賛否」は、課題に対する回答結果であり、課題(質問)に対して、賛否の何れかを回答する必要がある場合に、その結果(例えば、賛成、反対等)が格納される。なお、賛否の何れかを確認する課題でないときは、この欄は空欄となる。「意見内容」は、課題に対する回答である。回答が未入力の場合には、空欄となる。
「表示位置(行、列)」は、各生徒の意見がマトリクス状に表示された画面のうち、どの位置に表示されるのかを行、列の座標(表示位置座標)で表したものである。この表示位置は、各生徒毎に予め設定されている。
「チェックフラグ」は、教師がマトリクス上に表示された各生徒の意見を参照し、そこから議論したい意見にチェックされた場合にフラグ(例えば、「1」等)がセットされる。
「表示済フラグ」は、部分拡大表示された意見にフラグ(例えば、「1」等)がセットされる。この「表示済フラグ」を用いて、フラグがセットされていない(例えば、「0」等)の意見を優先的に部分拡大表示の対象意見とすることで、一度表示された意見が再度表示されないようにし、多くの生徒の意見を部分拡大表示させることができる。
「部分拡大時の表示位置」は、例えば、ある生徒の意見が選択された上で部分拡大表示がなされた場合に、その意見が部分拡大表示領域のどの位置で表示されたかを示す情報である。例えば、部分拡大表示領域が、3×3行列である場合、「行」の欄には、上、中、下の何れかが記憶され、「列」の欄には、右、中、左の何れかが記憶される。これにより、部分拡大表示領域の9つの各位置(左上、左中、左下、中上、中中、中下、右上、右中、右下)を記憶できる。なお、「部分拡大時の表示位置」は、例えば一度、選択意見として表示した意見を再度、選択して部分拡大表示して議論を行うような場合に、上述したような表示パターンの選択を行わずに、「部分拡大時の表示位置」を参照し、すでにその意見が選択されたときの部分拡大表示時の各意見の配列(行、列)の状態で表示する場合等に参照される。
<表示サーバ11における処理の一例>
次に、表示サーバ11の処理の一例について、フローチャートを用いて説明する。図9は、表示サーバの処理の一例を示すフローチャートである。図9の例において、表示サーバ(教師端末)11は、生徒意見収集処理により情報端末(生徒端末)12から課題等に対する各生徒の意見の収集を行い(S01)、S01の処理で得られた情報に基づいて、表示制御処理を行い、各意見を画面に表示する(S02)。次に、上述した二つの処理について、具体的に説明する。
<S01:生徒意見収集処理>
図10は、生徒意見収集処理の一例を示すフローチャートである。図10の例において、課題提示手段41は、上述した図7に示す課題DB23を用いて課題選択画面を生成し、生成した画面を表示する(S11)。次に、課題提示手段41は、課題IDと、課題送信要求とを受け付けたか否かを判断し(S12)、受け付けてない場合(S12において、NO)、受け付けるまで待機する。また、受け付けた場合(S12において、YES)、課題提示手段41は、受け付けた課題IDに対応する課題内容を課題DBから取得して、生徒端末(情報端末12)に送信する(S13)。
次に、表示手段46は、電子黒板(共有ディスプレイ13)及び教師端末(表示サーバ11)に、課題に対する生徒意見(課題に対する賛否や意見)の受信状況を示すマトリクスを表示する(S14)。なお、S14の処理において、最初は全て未受信であるため、マトリクスのそれぞれの生徒意見表示領域には、未受信又は未回答と表示される。上記の画面の生成は、画面生成手段45が行う。
次に、意見収集手段42は、課題DB23から課題IDに対応する回答制限時間を取得する(S15)。次に、意見収集手段42は、生徒の賛否選択や意見記入欄文面を受信したか否か判断し(S16)、受信した場合(S16において、YES)、受信した賛否選択内容と意見記入欄文面を、図8に示す課題回答DB24に記憶する(S17)。S17の処理では、例えば情報端末12に関連付けられた生徒IDに応じて、賛否選択内容を「賛否」の欄に格納し、意見記入欄文面を「意見内容」の欄に格納する。
次に、意見収集手段42は、電子黒板、教師端末の表示画面を、課題回答DB24の情報を用いて更新する(S18)。具体的には、課題回答DB24に新しく格納された賛否・意見があれば「未受信」という表示から、その賛否・意見の内容を示す表示に更新する。S18の処理後、又はS16の処理において、受信していない場合(S16において、NO)、生徒意見が教師より選択されたか否かを判断する(S19)。S19の処理で選択される意見は、例えば教師が議論したい意見であるが、これに限定されるものではない。
生徒意見が選択された場合(S19において、YES)、意見選択手段43は、課題回答DB24の対応する「チェックフラグ」の欄に「1」をセットする(S20)。
次に、意見収集手段42は、回答制限時間が経過したか否か判断し(S21)、経過していない場合(S21において、NO)、S16の処理に戻る。また、回答制限時間が経過した場合(S21において、YES)、表示手段46は、回答制限時間経過直後の画面を表示する(S22)。
<S02:表示制御処理の一例>
次に、上述した表示制御処理(S02)の一例について、フローチャートを用いて説明する。図11は、表示制御処理の一例を示すフローチャートである。図11の例において、画面生成手段45は、教師端末(表示サーバ11)を用いて、教師が意見を選択した上で、部分拡大表示要求を受け付けたか否かを判断する(S31)。教師が意見を選択した上で、部分拡大表示要求を受け付けた場合(S31において、YES)、課題回答DB24を参照し、選択された意見に行列情報(部分拡大時の表示位置)が記憶されているかを判定する(S32)。S32の処理では、その意見が、過去に選択意見とされた上で部分拡大表示された意見かを判定する。
ここで、表示対象選択手段44は、過去に表示された意見か否かを判断し(S33)、過去に表示された意見ではない場合(S33において、NO)、選択した意見の位置を課題回答DB24の表示位置(行、列)等から特定する(S34)。次に、表示対象選択手段44は、特定した位置の周囲に位置する意見を取得する(S35)。例えば、S35の処理では、表示対象選択手段44は、例えば3×3行列の部分拡大表示を行う場合には、上述した特定した位置の意見を中心(中中)として、その周囲(左上、左中、左下、中上、中下、右上、右中、右下)の意見を取得する。また、表示対象選択手段44は、マトリクス表示の右端の意見を選択している場合には、その周囲に位置する意見として、その意見を回りこんだ左端の意見を取得したり、画面をまたいで(折り返して)マトリクス表示の逆端の位置にある意見を含む周囲の意見を取得してもよい。
次に、表示対象選択手段44は、取得した周囲の意見に対し、課題回答DB24を参照し、チェックフラグ、或いは、表示済フラグがついた意見が存在するかを判定する(S36)。ここで、表示対象選択手段44は、チェックフラグ、或いは、表示済フラグがついた意見が存在するか否かを判断し(S37)、存在する場合(S37において、YES)、表示パターン選択処理を行う(S38)。
また、チェックフラグ、或いは、表示済フラグがついた意見が存在しない場合(S37において、NO)、表示対象選択手段44は、選択した意見を中心に所定数の意見を部分拡大表示する(S39)。S39の処理では、3×3行列の領域を部分拡大表示するが、これに限定されるものではない。
次に、S38又はS39の処理後、画面生成手段45は、表示手段46に表示された選択意見の行列位置を、課題回答DB24の「部分拡大時の表示位置」の欄に記憶する(S40)。また、画面生成手段45は、表示手段46に表示された全ての意見について、課題回答DB24の「表示済フラグ」の欄にフラグ「1」をセットする(S41)。
ここで、上述したS33の処理において、過去に表示された意見である場合(S33において、YES)、表示サーバ11は、「部分拡大時の表示位置」の欄に記憶されている行列に、選択意見を配置した表示パターンにて所定数(例えば、3×3行列)の意見を拡大表示する(S42)。S42の処理により、例えば、過去に選択した意見を再度選択した場合に、前回表示された部分拡大表示の内容(周辺意見の配列)と、同じ内容の部分拡大表示を行うことができ、生徒は違和感なく再表示された内容を確認することができる。
S41又はS42の処理後、表示手段46は、教師等から一覧表示要求を受け付けたか否かを判断し(S43)、一覧表示要求を受け付けていない場合(S43において、NO)、一覧表示要求を受け付けるまで待機する。また、一覧表示要求を受け付けた場合(S43において、YES)、課題回答DB24から、各生徒の情報を取得し、電子黒板(共有ディスプレイ13)、教師端末(表示サーバ11)の画面にマトリクス状に表示する(S44)。
S44の処理後、又はS31の処理において、教師が意見を選択した上で、部分拡大表示要求を受け付けていない場合(S31において、NO)、終了要求を受け付けたか否かを判断し(S45)、終了要求を受け付けていない場合(S45において、NO)、S31の処理に戻る。また、教師等により終了要求を受け付けた場合(S45において、YES)、表示制御処理を終了する。
<S38:表示パターン選択処理の一例>
次に、上述した表示パターン選択処理(S38)の一例について、フローチャートを用いて説明する。図12は、表示パターン選択処理の一例を示すフローチャートである。図12の例において、表示対象選択手段44は、選択した意見が部分拡大表示(所定数表示)の何れかの位置に含む表示パターンを取得する(S51)。次に、表示対象選択手段44は、S51の処理で得られた各表示パターンの候補に対して、表示される意見のチェックフラグ数、表示済フラグ数を、課題回答DB24から取得し、表示対象選択ワークに記憶する(S52)。
次に、表示対象選択手段44は、チェックフラグ数、表示済フラグ数の合計の最も少ないパターンを取得する(S53)。次に、表示対象選択手段44は、合計の最も少ないパターンが複数存在するか否かを判断し(S54)、合計の最も少ないパターンが複数存在する場合(S54において、YES)、表示対象選択手段44は、折り返しパターンが存在するか否かを判断する(S55)。S55の処理では、表示対象選択手段44は、例えば表示パターンに含まれる各意見に対する表示位置(行、列)を課題回答DB24から取得し、取得した表示位置が連続しているか否かで判断することができるが、これに限定されるものではない。上述の判断では、連続していないものがある場合、折り返しパターンが存在すると判断する。
S55の処理において、折り返しパターンが存在する場合(S55において、YES)、表示対象選択手段44は、折り返しパターンではないパターンを取得する(S56)。次に、表示対象選択手段44は、取得したパターン数が1つか否かを判断する(S57)。取得したパターン数が1つである場合(S57において、YES)、又は、S54の処理において、チェックフラグ数、表示済フラグ数の合計の最も少ないパターンが複数存在しない場合(S54において、NO)、その1つのパターンを取得する(S58)。
また、S55の処理において、折り返しパターンが存在しない場合(S55の処理において、NO)、又は、S57の処理において、取得したパターン数が1つではない場合(S57において、NO)、表示対象選択手段44は、各パターンのうち、行の位置において、選択した意見が中央のパターンがあるか否かを判断する(S59)。
S59の処理において、選択した意見が中央のパターンがある場合(S59において、YES)、表示対象選択手段44は、その中の1つのパターンを取得する(S60)。S60の処理では、例えば複数存在すれば選択した意見が列の中央に位置するものを選択してもよいが、これに限定されるものではない。
また、S59の処理において、選択した意見が行の位置において中央のパターンがない場合(S59において、NO)、表示対象選択手段44は、各パターンのうち、列の位置において、選択した意見が中央のパターンがあるか否かを判断する(S61)。S61の処理において、選択した意見が中央のパターンがある場合(S61において、YES)、表示対象選択手段44は、選択した意見が、列の中央にあるパターンの中から、1つのパターンを取得する(S62)。S62の処理では、例えば選択した意見に対する行の位置が「上」のものを選択してもよく、「上」、「下」からランダムに選択してもよいが、これに限定されるものではない。
また、S61の処理において、選択した意見が列の位置において中央のパターンにない場合(S61において、NO)、表示対象選択手段44は、ランダムにパターンを選択する(S63)。
次に、表示対象選択手段44は、S58,S60,S62,S63の処理のうち、何れかの処理が終了後、取得した表示パターンに相当する意見を電子黒板(共有ディスプレイ13)、教師端末(表示サーバ11)に表示する(S64)。
<各種画面例>
次に、本実施形態における各種画面例について図を用いて説明する。
<課題選択画面例>
図13は、課題選択画面の一例を示す図である。図13に示す課題選択画面90は、課題選択表示領域91と、課題送信ボタン92と、キャンセルボタン93とを有する。
課題選択画面90は、S11の処理で教師端末(表示サーバ11)上に表示され、教師が、課題選択表示領域91に表示されている選択ボタンをチェックすることで、課題が選択され、課題送信ボタン92を押下することで、課題の内容が通信ネットワーク14を介して情報端末12に送信される。また、送信後に回答制限時間に基づく時間管理が開始され、制限時間経過後に回答が締め切られる。また、キャンセルボタン93を押下することで、選択のキャンセルが行われる。
<回答入力画面例>
図14は、情報端末における回答入力画面の一例を示す図である。情報端末12の表示手段64は、表示サーバ11から課題を受信すると、図14に示すような回答入力画面100を表示する。回答入力画面100は、課題表示領域101と、賛否選択領域102と、意見記入欄103と、送信ボタン104とを有する。
課題表示領域101は、表示サーバ11から送信された課題が表示される。図14の例では、「Q1.瓦礫受け入れについてどう思うか?」が表示されているが、課題の内容、表示形式、レイアウトについては、これに限定されるものではない。
賛否選択領域102には、課題に対して予め設定された意見のカテゴリ(種別)である「賛成」、「反対」のうち、何れか設定するボタン群を有する。生徒は、賛否選択領域102に表示された何れかのボタンを選択したり、課題に対する生徒の意見(回答)が入力できる。課題の内容によっては、賛否選択はなくてもよい。
意見記入欄103は、賛否選択領域102に入力した内容に対する理由等を入力する。なお、意見記入欄103は、入力する文字数等を制限することができるが、これに限定されるものではない。また、意見記入欄103は、入力がなくてもよい。
送信ボタン104は、生徒の操作によりボタンが押された場合に、賛否選択領域102や意見記入欄103に入力された情報を意見(回答)として表示サーバ11に送信する。図14の例では、送信ボタン104に「登録する!」等が記載されているが、記載内容については、これに限定されるものではない。また、表示サーバ11から回答制限時間が送信されている場合には、回答入力画面100に回答制限時間を表示してもよい。生徒は、上述した各情報端末12に表示された図14に示すような画面例を用いて課題に対する意見(回答)を容易に入力することができる。
<意見表示画面>
図15は、意見表示画面の一例を示す図である。図15に示す第1の画面の一例としての意見表示画面110は、マトリクス表示領域111と、部分拡大表示ボタン112と、終了ボタン113とを有するが、レイアウトや表示内容については、これに限定されるものではない。図15に示す意見表示画面110は、教師端末(表示サーバ11)及び電子黒板(共有ディスプレイ13)に表示される。
図15の例において、マトリクス表示領域111の要素数(マス目の数)は、生徒数に対応付けられており、全生徒(参加者)の意見が各要素に一覧表示される。マトリクス表示領域111の各要素は、例えば座席等に応じて設定してもよく、各生徒が所有する情報端末12の現在位置から得られる位置情報に基づいて配列してもよい。また、マトリクス表示領域111には、各生徒の意見だけでなく、生徒や情報端末を識別する情報が表示されていてもよい。
また、マトリクス表示領域111の各要素は、行と列のマトリクス座標(表示位置座標)で表すことができる。図15の例では、マトリクス表示領域111の左上を基準(1,1)として、各要素に座標(1,1)〜(6,7)が割り当てられている。この座標は、課題回答DB24で生徒IDに関連付けて管理されており、画面上には表示されていないが、これに限定されるものではなく、座標が表示されていてもよい。また、図15に示すマトリクス表示領域111では、回答が未受信の生徒の欄については、「未受信」等、その旨を示す情報が表示される。
教師は、マトリクス表示領域111により生徒端末(情報端末12)から受信した各意見内容を確認しながら、授業等で取り上げる内容(議論したい意見)について、議論する前にチェックすることができる。チェックは、例えば教師等が画面上のカーソル(指示表示)114を移動させて、マトリクス表示領域111に配列された各意見のうち、意見の上で選択操作(例えば、タッチ、クリック)を行う。選択意見(チェックされた意見)は、教師端末(表示サーバ11)の画面上に、その旨のマーク115が表示される。教師は、複数の意見をチェックすることができ、チェックする毎に、対応する対象の意見の上にマーク115が表示される(図15の例では、マーク115−1〜115−3が表示されている)。チェックがついた場合、意見選択手段43は、課題回答DB24の「チェックフラグ」欄に「1」をセットする。また、チェックを外した場合には、マーク115の表示を消去し、課題回答DB24のチェック済の意見の「チェックフラグ」欄に「0」をセットする。
なお、このマーク115は、教師端末に表示させてもよく、例えば電子黒板(共有ディスプレイ13)に表示させてもよい。電子黒板にマーク115を表示させないことで、生徒は、自分の意見がチェックされた否か等を議論する前に知らされなくて済むため、授業に集中することができる。
また、図15の例において、意見表示画面110の部分拡大表示ボタン112を押下すると、部分拡大表示に切り替わる。また、終了ボタン113を押下すると、意見表示を終了する。
ここで、図15に示す意見表示画面110において、回答制限時間の経過直後には、回答制限前に送信した生徒全員の意見(図15の例では、意見1〜意見42)が表示される。教師は、議論を行うために、教師端末の画面上のカーソル114で意見を選択し、画面上をタッチして部分拡大表示ボタン112を押下すると、カーソル114で選択した意見を含むように所定数の意見が部分拡大表示される。
図16は、部分拡大表示された時に、全体意見を表示した一覧表示のうち、どの意見が部分的に表示されるかを示す図である。図16の例では、図15に示す意見表示画面110において、マトリクス表示領域111上にチェックされたマーク115−1が選択され、この選択された意見を基準に周囲の意見が取得された部分拡大表示がなされる。図16の例では、領域121に含まれる各意見が部分拡大表示される。図16の画面は、実際には表示されないものであり、部分拡大でどの意見が表示されるかを示したものである。なお、例えば、教師端末に対する所定操作(マウスの右クリック等)をある意見上で行うことで、図16で示すように、その意見を選択意見とした部分拡大表示で、どの意見が表示されるかを網掛け等で強調して表示してもよい。
ここで、図17は、部分拡大表示の一例を示す図である。図17の例では、第2の画面の一例としての意見表示画面110に部分拡大表示領域122を有する。なお、図17の例は、電子黒板に表示された例を示している。
図17に示すように、部分拡大表示することで、教師がチェックした意見を拡大表示することができ、また周囲にある他の生徒の意見も画面に拡大表示される。このため、部分拡大表示においては、チェックした意見と、他の生徒の意見との比較等を行うことができる。また、部分拡大表示された意見を回答した生徒は、自分の意見が電子黒板(共有ディスプレイ13)上で表示されるため、授業等に対する意欲(モチベーション)を向上させることができる。部分拡大表示領域122に表示された意見は、課題回答DB24の「表示済フラグ」の対応する欄に「1」がセットされる。
また、図17の例において、意見表示画面110は、一覧表示に戻るボタン123を有する。教師は、一覧表示に戻るボタン123を選択することで、図15等に示す一覧表示画面に切り替えることができる。
ここで、一覧表示に戻り、他のチェックした意見を部分拡大表示させる場合に、表示対象選択手段44は、選択した意見を含む幾つかの表示パターンから、未だ部分拡大表示されていない生徒の意見が多く表示される表示パターンの選択を行う。例えば、図16、図17では、マーク115−1が存在する意見を選択して部分拡大表示領域を示したが、マーク115−3を選択した場合には、その周囲にチェック済みの意見や表示済みの意見等が含まれることとなる。
図18は、2つ目の表示意見選択後に、その意見を中心として部分拡大表示を行ったときに、全体のうちのどの意見が表示されるかを示す図である。図18の例では、意見表示画面110のマトリクス表示領域111において、単に2つ目の選択意見(例えば、マーク115−3の意見)に対して、その周囲の領域124を選択すると、チェック済みの意見(マーク115−2の意見)や表示済みの意見125が含まれてしまう。
そこで、表示対象選択手段44は、マーク115−3に対応する意見を含む部分拡大表示の各表示パターンを取得し、取得した各パターンに対して、表示済みやチェック済みが少ないパターンを取得する。
図19は、表示パターンの第1の選択例を示す図である。第1の選択例は、図15に示すマーク115−3の意見を選択し、部分拡大表示を行う場合の表示パターンの選択例である。図19の(a)〜(i)に示す各部分拡大表示は、図15に示すマトリクス表示領域111に表示された各意見(意見1〜意見42)に対応し、選択したマーク115−3の意見(意見23)が部分表示拡大の何れかの位置に含む表示パターンを示している。
図19の例において、領域126はチェック済みの意見の領域であり、領域127はすでに部分拡大表示にて表示済みの意見の領域である。ここで、意見選択手段43は、課題回答DB24を参照し、(a)〜(i)の各表示パターンに対して、チェック済みの意見の数(チェックフラグ数)、及び表示済みの意見の数(表示済フラグ数)数をカウントし、表示対象選択ワークに記憶する。
図20は、表示対象選択ワークの第1の実施例を示す図である。図20に示す表示対象選択ワークの第1の実施例は、上述した図19の例に対応するものである。図20に示す表示対象選択ワークの項目としては、例えば「選択した意見の仮設定位置」、「チェックフラグ数」、「表示済フラグ数」、「合計」等であるが、これに限定されるものではない。図20の例において、「選択した意見の仮設定位置」は、選択した意見(マーク115−3のある意見、意見23)の部分拡大表示上の位置である。図20の例では、図19に示す(a)〜(i)の位置が記憶されている。
「チェックフラグ数」は、選択した意見を除く周囲の意見に対してチェックフラグがセットされている場合に、その数が記録される。なお、表示済みフラグが1となっている意見のチェックフラグはダブルカウントになるためにカウントしない。
「表示済フラグ数」は、すでに部分拡大表示された意見の数をカウントし、カウントされた値が記憶される。「合計」は、「チェックフラグ数」、「表示済フラグ数」の合計値である。
意見選択手段43は、図20の例に示す表示対象選択ワークを用いて、各表示パターンに対するチェックフラグ数及び表示済フラグ数の合計の少ない表示パターンを選択する。したがって、図20の例では、図19の(e)に示す表示パターンが選択される。
なお、本実施形態では、チェックフラグが付与されている意見をなるべく表示させないようにしている。例えば、チェックフラグを付与した意見は議論対象の意見であり、教師は授業の流れにおいてどの段階で表示させるかを予め想定している。したがって、チェックした意見を表示したときに他のチェック意見(例えば、結論)等も先に表示されてしまうと、授業がうまく進行できない可能性がある。
なお、意見選択手段43は、上述した「チェックフラグ数」、「表示済フラグ数」に対する優先度を設定しておき、優先度の高い方のカウント数に重みを付加してもよい。例えば、「チェックフラグ数」を優先させる場合に、意見選択手段43は、チェックフラグ数に0.5を乗じることにより、算出されたチェックフラグ数が小さくなるため、その表示パターンを優先して選択させることができる。
また、意見選択手段43は、ある意見が、チェック済みの意見であるが、表示済みの意見である場合には、すでに議論されたチェック意見であるため、表示済フラグ数のみのカウントを行う。
図21は、2つ目の部分拡大表示領域の画面例を示す図である。図21に示す意見表示画面110のうち、領域121−1は、すでに表示済みの意見を示す。図21の例では、意見表示画面110において、マトリクス表示領域111のうち、マーク115−3の意見を選択した際に、図19の(e)の表示パターンが採用され、領域121−2の表示パターンが選択され、図17に示すような部分拡大表示がなされる。
また、3つ目の選択意見(マーク115−2)を選択した場合の部分拡大表示については、上述した2つ目の選択意見(マーク115−2)を選択したときと同様の処理が行われる。
図22は、表示パターンの第2の選択例を示す図である。第2の選択例は、図22に示すマーク115−2の意見を選択し、部分拡大表示を行う場合の表示パターンの選択例である。図22の(a)〜(i)に示す各部分拡大表示は、図15に示すマトリクス表示領域111に表示された各意見(意見1〜意見42)に対応し、選択したマーク115−2の意見(意見16)が部分表示拡大の何れかの位置に含む表示パターンを示している。
図22の例において、領域127は表示済みの意見の領域である。ここで、意見選択手段43は、課題回答DB24を参照し、(a)〜(i)の各表示パターンに対して、チェック済みの意見の数(チェックフラグ数)、及び表示済みの意見の数(表示済フラグ数)数をカウントし、その合計と共に表示対象選択ワークに記憶する。なお、意見23の部分については、マーク115−3が付されているが、すでに部分拡大表示されているため、カウントの対象にはならない。
図23は、表示対象選択ワークの第2の実施例を示す図である。図23に示す表示対象選択ワークの第2の実施例は、上述した図22の例に対応するものである。
図23に示す表示対象選択ワークの項目は、上述した図20と同様であるため、ここでの具体的な説明は省略する。「選択した意見の仮設定位置」には、3つ目の選択した意見(マーク115−2のある意見、意見16)の部分拡大表示上の位置である。図23の例では、図22に示す(a)〜(i)の位置が記憶されている。
意見選択手段43は、図23の例に示す表示対象選択ワークを用いて、各表示パターンに対するチェックフラグ数及び表示済フラグ数の合計の少ない表示パターンを選択する。意見選択手段43は、表示対象選択ワークから合計が最も少ない図22の(c)、(f)、(i)に示す3つの表示パターンを選択し、更に予め設定された条件に基づいて、1つの表示パターンを選択する。意見選択手段43は、例えば選択した意見(意見18)が列の中央にある図22の(c)の表示パターンを選択する。
図24は、3つ目の部分拡大表示領域の画面例を示す図である。図23に示す意見表示画面110のうち、領域121−1、121−2は、すでに部分拡大表示済みの意見を示す。図24の例では、意見表示画面110において、マトリクス表示領域111のうち、マーク115−2の意見を選択した際に、上述した図22の(c)の表示パターンが採用され、領域121−3の表示パターンが選択され、部分拡大表示がなされる。
なお、上述した表示パターンの選択は、2つ目以降の意見の選択に限定されず、1つ目の選択時点で行ってもよい。また、上述の例においては、教師がチェックした意見(マーク115−1〜115−3)を「選択した意見」として部分拡大表示する例を示したが、これに限定されるものではない。例えば、マトリクス表示領域111に表示された各意見のうち、チェックされていない意見を選択した場合でも同様の表示パターンの選択処理等がなされる。
また、上述した部分拡大表示は、マトリクス表示における3×3行列としたが、これに限定されるものではなく、2×3行列や、5×5行列等からなる部分拡大表示でもよい。
上述したように本実施形態によれば、より多くの情報(意見、回答)を表示することができる。なお、上述した実施形態では、例えば学校内における生徒同士のディスカッション支援を例に説明したがこれに限定されるものではない。例えば、本実施形態は、グループ毎に移動を行うコミュニティの場(例えば、サークルの集まりや、イベント、セミナー)等において、広く適用することができる。また、上述したように本実施形態によれば、例えば生徒の意見を全て表示しないような複数人の意見が表示される部分拡大表示モードにおいて、部分拡大表示を繰り返しても、表示される生徒意見が重複せずに、なるべく多くの生徒意見を表示することができる。
以上、各実施例について詳述したが、特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲内において、上記変形例以外にも種々の変形及び変更が可能である。また、上述した各実施例の一部又は全部を組み合わせることも可能である。
なお、以上の実施例に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)
複数の情報端末から得た情報をマトリクス状に表示する第1の画面と、前記第1の画面のうち一部の領域を拡大表示する第2の画面とを切り替え可能に表示し、
前記第2の画面に表示された前記情報に対し、該表示されたことを示すフラグを記憶し、
前記第1の画面から前記第2の画面に切り替わる際、前記記憶されたフラグを参照し、前記第2の画面に表示する領域を決定する、処理をコンピュータに実行させるための表示プログラム。
(付記2)
前記第2の画面は、前記第1の画面に表示された前記情報から選択された情報の位置情報に基づいて、前記選択された情報を含む所定数の情報を表示することを特徴とする付記1に記載の表示プログラム。
(付記3)
前記第1の画面に表示された前記複数の情報端末から得た情報のうち、所定の情報に対するチェックを受け付け、該チェックを受け付けた前記所定の情報と、前記フラグが設定された情報との数に基づいて前記第2の画面に表示する領域を決定することを特徴とする付記1又は2に記載の表示プログラム。
(付記4)
前記第2の画面に表示する領域の候補を取得し、取得した該領域の候補から、前記チェックを受け付けた前記所定の情報の数と、前記フラグが設定された情報の数との合計に応じて、前記第2の画面に表示する領域を決定することを特徴とする付記3に記載の表示プログラム。
(付記5)
前記第2の画面に表示する領域の候補のうち、前記合計が最も少ない候補を前記第2の画面に表示する領域として決定することを特徴とする付記4に記載の表示プログラム。
(付記6)
前記第2の画面に表示された前記情報に対し、前記第2の画面のどの位置に表示されたかを示す行列情報を記憶し、
前記情報を再度表示する場合に、記憶した前記行列情報に対応させて前記第2の画面を表示することを特徴とする付記1乃至5の何れか1項に記載の表示プログラム。
(付記7)
複数の情報端末から得た情報をマトリクス状に表示する第1の画面と、前記第1の画面のうち一部の領域を拡大表示する第2の画面とを切り替え可能に表示し、
前記第2の画面に表示された前記情報に対し、該表示されたことを示すフラグを記憶し、
前記第1の画面から前記第2の画面に切り替わる際、前記記憶されたフラグを参照し、前記第2の画面に表示する領域を決定する、処理をコンピュータが実行することを特徴とする表示方法。
(付記8)
複数の情報端末から得た情報をマトリクス状に表示する第1の画面と、前記第1の画面のうち一部の領域を拡大表示する第2の画面とを生成し、切り替え可能に表示させる画面生成手段と、
前記第2の画面に表示された前記情報に対し、該表示されたことを示すフラグを記憶し、前記第1の画面から前記第2の画面に切り替わる際、前記記憶されたフラグを参照し、前記第2の画面に表示する領域を決定する表示対象選択手段とを有することを特徴とする情報処理装置。