JP2016177027A - 感光性樹脂組成物、該感光性樹脂組成物を用いた形成したパターン硬化膜、及び該パターン硬化膜を撥インク性バンク膜として備える有機el用表示装置 - Google Patents
感光性樹脂組成物、該感光性樹脂組成物を用いた形成したパターン硬化膜、及び該パターン硬化膜を撥インク性バンク膜として備える有機el用表示装置 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】 現像時の未露光部溶解性が小さく、硬化時のパターンのダレが小さく、バンク表面の撥インク性とパターン開口部及びバンク側壁部のインク濡れ広がり性に優れ、ITOとの密着性、機械特性及び熱特性に優れたポジ型感光性樹脂組成物を提供することを目的とする。【解決手段】 現像で露光部が完全に溶解したときの未露光部の残膜率が95%以上である感光性樹脂組成物。【選択図】図1
Description
本発明は、インクジェット方式に対応可能な撥インク性を有するパターン硬化膜を形成可能なポジ型感光性樹脂組成物に関する。また、撥インク性バンク膜の形成方法、及び該バンク膜を備える有機EL(エレクトロルミネッセンス)用表示装置に関する。
有機EL表示装置の大面積化と低コスト化の要求から、有機EL素子の発光層やカラーフィルターの形成にインクジェット方式を用いた画素形成方法が提案されている。通常、画素形成には感光性樹脂組成物をフォトリソグラフィーによってパターニングし、画素と画素を仕切るバンク(「仕切部」又は「隔壁」とも呼ばれる)を設け、バンクで囲まれた開口部に発光層及びレッド、グリーン、ブルーのそれぞれのインクをインクジェット法により噴射して画素を形成する。
しかし、インクジェット方式の場合、吐出されたインクがバンク上部を越えて隣接する画素に流出する等の問題が生じる場合があるため、バンクにはインクをはじく特性(撥インク性)が要求されている。一方で、バンクで囲まれた画素形成の開口部には、吐出されたインクがボイド無く充分に濡れ広がる必要があり、バンクには撥インク性と濡れ広がり性といった相反する特性が要求される。
さらに、バンクはインクが充分に充填されるために必要な矩形の形状と、下地のITO(酸化インジウムスズ)膜との密着性、低温硬化性及び硬化後のバンク膜にクラックの発生がない充分な機械特性が要求される。
さらに、バンクはインクが充分に充填されるために必要な矩形の形状と、下地のITO(酸化インジウムスズ)膜との密着性、低温硬化性及び硬化後のバンク膜にクラックの発生がない充分な機械特性が要求される。
従来、バンクに撥インク性を付与するために、フッ素系プラズマ処理を行う方法が提案されている(特許文献1参照)。また、フッ素系ポリマーを含むネガ型感光性樹脂組成物を使用し、撥インク性を有するバンクを形成する方法が提案されている(特許文献2参照)。
しかしながら、上記特許文献1のフッ素系プラズマ処理方法は、真空中で行う必要があり、素子の生産性の観点から改善の余地があった。また、上記特許文献2のフッ素系ポリマーを含むネガ型感光性樹脂組成物を用いてバンクを形成すると、露光時に発生する酸の拡散によりパターニング後の開口底部にすそを引きやすい傾向があり、インクの濡れ広がり性が悪かったり、インクの充填不良が生じたりと、改善の余地があった。
上記特許文献2に記載のフッ素系ポリマーをポジ型感光性樹脂組成物に用いることでパターニング後の開口底部のすそ引きを無くすことは可能であるが、一方で未露光部が現像時に溶解してしまい、フッ素系ポリマーが存在するバンクの表面層が無くなり、撥インク性が著しく低下するという課題があった。
また、フッ素系界面活性剤の添加量を増やすことでバンクの表面層より下部にもフッ素系界面活性剤が存在するように調整しようとすると、パターン開口部やバンク側壁部にも撥インク性が生じてしまい、インク濡れ広がり性が低下してしまったり、バンク表面に塗布ムラが生じてしまったりと課題があった。
さらに、ポジ型感光性樹脂組成物の場合、硬化時にパターンのダレが生じてしまうことで撥インク性を必要とするバンク表面とインク濡れ広がり性を必要とするバンク側壁部の境目が無くなってしまうという課題もあった。
また、フッ素系界面活性剤の添加量を増やすことでバンクの表面層より下部にもフッ素系界面活性剤が存在するように調整しようとすると、パターン開口部やバンク側壁部にも撥インク性が生じてしまい、インク濡れ広がり性が低下してしまったり、バンク表面に塗布ムラが生じてしまったりと課題があった。
さらに、ポジ型感光性樹脂組成物の場合、硬化時にパターンのダレが生じてしまうことで撥インク性を必要とするバンク表面とインク濡れ広がり性を必要とするバンク側壁部の境目が無くなってしまうという課題もあった。
そこで、本発明は、現像時の未露光部溶解性が小さく、硬化時のパターンのダレが小さく、バンク表面の撥インク性とパターン開口部及びバンク側壁部のインク濡れ広がり性に優れ、ITOとの密着性、機械特性及び熱特性に優れたポジ型感光性樹脂組成物を提供することを目的とする。また、該樹脂組成物を用いた撥インク性バンク膜の形成方法、及びバンク膜を備える有機EL用表示装置を提供することを目的とする。
本発明は以下の具体的態様を提供する。
<1>アルカリ可溶性樹脂と、光により酸を生成する化合物と、熱架橋剤と、アクリル樹脂と、界面活性剤とを含有し、以下の条件(i)を満足する感光性樹脂組成物。
(i)感光性樹脂組成物を基板上に塗布及び乾燥し樹脂膜を形成し、前記樹脂膜の一部を露光後、前記樹脂膜を現像してパターン樹脂膜を形成する現像工程において、露光部が完全に溶解したときの未露光部の残膜率が95%以上。
<2>以下の条件(ii)を満足する<1>に記載の感光性樹脂組成物。
(ii)前記現像工程後、前記パターン樹脂膜を加熱しパターン硬化膜を形成した際のパターン形状角度が60°以上。
<3>前記アルカリ可溶性樹脂が、下記一般式(1)で表される構造単位を有する<1>又は<2>に記載の感光性樹脂組成物。
<1>アルカリ可溶性樹脂と、光により酸を生成する化合物と、熱架橋剤と、アクリル樹脂と、界面活性剤とを含有し、以下の条件(i)を満足する感光性樹脂組成物。
(i)感光性樹脂組成物を基板上に塗布及び乾燥し樹脂膜を形成し、前記樹脂膜の一部を露光後、前記樹脂膜を現像してパターン樹脂膜を形成する現像工程において、露光部が完全に溶解したときの未露光部の残膜率が95%以上。
<2>以下の条件(ii)を満足する<1>に記載の感光性樹脂組成物。
(ii)前記現像工程後、前記パターン樹脂膜を加熱しパターン硬化膜を形成した際のパターン形状角度が60°以上。
<3>前記アルカリ可溶性樹脂が、下記一般式(1)で表される構造単位を有する<1>又は<2>に記載の感光性樹脂組成物。
[一般式(1)中、R1は水素原子又はメチル基を示し、R2は炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基又は炭素数1〜10のアルコキシ基を示し、aは0〜3の整数を示し、bは1〜3の整数を示す。]
<4>前記アクリル樹脂が、下記一般式(2)で表される構造単位を有する<1>〜<3>のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
<4>前記アクリル樹脂が、下記一般式(2)で表される構造単位を有する<1>〜<3>のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
[一般式(2)中、R3は水素原子又はメチル基を示し、R4は炭素数2〜20のヒドロキシアルキル基を示す。]
<5>前記アクリル樹脂が、下記一般式(3)で表される構造単位を有する<1>〜<4>のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
<5>前記アクリル樹脂が、下記一般式(3)で表される構造単位を有する<1>〜<4>のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
[一般式(3)中、R5は水素原子又はメチル基を示し、R6は1級、2級又は3級アミノ基を有する1価の有機基を示す。]
<6>前記アクリル樹脂が、下記一般式(4)で表される構造単位を有する<1>〜<5>のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
<6>前記アクリル樹脂が、下記一般式(4)で表される構造単位を有する<1>〜<5>のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
[一般式(4)中、R7は水素原子又はメチル基を示し、R8は炭素数4〜20のアルキル基を示す。]
<7>前記アクリル樹脂が、下記一般式(5)で表される構造単位を有する<1>〜<6>のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
<7>前記アクリル樹脂が、下記一般式(5)で表される構造単位を有する<1>〜<6>のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
[一般式(5)中、R9は水素原子又はメチル基を示す。]
<8>前記アルカリ可溶性樹脂が、下記一般式(6)で表される構造単位を有する<1>〜<7>のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
<8>前記アルカリ可溶性樹脂が、下記一般式(6)で表される構造単位を有する<1>〜<7>のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
[一般式(6)中、R10は水素原子又はメチル基を示し、R11は炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基又は炭素数1〜10のアルコキシ基を示し、cは0〜3の整数を示す。]
<9>前記界面活性剤が、パーフルオロアルキル構造を有するオリゴマーを含む<1>〜<8>のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
<10>前記光により酸を生成する化合物が、o−キノンジアジド化合物を含む<1>〜<9>のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
<11>インクジェット塗布に用いられる<1>〜<10>のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
<12><1>〜<11>のいずれかに記載の感光性樹脂組成物を基板に塗布及び乾燥し樹脂膜を形成する工程と、前記樹脂膜の一部を露光する工程と、露光後の前記樹脂膜をアルカリ水溶液により現像してパターン樹脂膜を形成する工程と、前記パターン樹脂膜を加熱する工程とを有するパターン硬化膜の製造方法。
<13><12>に記載の製造方法により基板上に形成されたパターン硬化膜を撥インク性バンク膜として備える有機EL用表示装置。
<9>前記界面活性剤が、パーフルオロアルキル構造を有するオリゴマーを含む<1>〜<8>のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
<10>前記光により酸を生成する化合物が、o−キノンジアジド化合物を含む<1>〜<9>のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
<11>インクジェット塗布に用いられる<1>〜<10>のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
<12><1>〜<11>のいずれかに記載の感光性樹脂組成物を基板に塗布及び乾燥し樹脂膜を形成する工程と、前記樹脂膜の一部を露光する工程と、露光後の前記樹脂膜をアルカリ水溶液により現像してパターン樹脂膜を形成する工程と、前記パターン樹脂膜を加熱する工程とを有するパターン硬化膜の製造方法。
<13><12>に記載の製造方法により基板上に形成されたパターン硬化膜を撥インク性バンク膜として備える有機EL用表示装置。
本発明によれば、現像時の未露光部溶解性が小さく、硬化時のパターンのダレが小さく、バンク表面の撥インク性とパターン開口部及びバンク側壁部のインク濡れ広がり性に優れ、ITOとの密着性、機械特性及び熱特性に優れたポジ型感光性組成物を提供することができる。
本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。また本明細書において「〜」を用いて数値範囲を表わす場合は、その前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示すものとする。本明細書において、「(メタ)アクリレート」とは、「アクリレート」及びそれに対応する「メタクリレート」を意味する。「(メタ)アクリル酸」等の他の類似の表現においても同様である。
[感光性樹脂組成物]
本実施形態の感光性樹脂組成物は、アルカリ可溶性樹脂(以下、「(A)成分」ともいう)と、光により酸を生成する化合物(以下、「(B)成分」ともいう)と、熱架橋剤(以下、「(C)成分」ともいう)と、アクリル樹脂(以下、「(D)成分」ともいう)と、界面活性剤(以下、「(E)成分」ともいう)とを含有し、以下の条件(i)を満足する感光性樹脂組成物である。
(i)感光性樹脂組成物を基板上に塗布及び乾燥し樹脂膜を形成し、前記樹脂膜の一部を露光後、前記樹脂膜を現像してパターン樹脂膜を形成する現像工程において、露光部が完全に溶解したときの未露光部の残膜率が95%以上。
本実施形態の感光性樹脂組成物は、アルカリ可溶性樹脂(以下、「(A)成分」ともいう)と、光により酸を生成する化合物(以下、「(B)成分」ともいう)と、熱架橋剤(以下、「(C)成分」ともいう)と、アクリル樹脂(以下、「(D)成分」ともいう)と、界面活性剤(以下、「(E)成分」ともいう)とを含有し、以下の条件(i)を満足する感光性樹脂組成物である。
(i)感光性樹脂組成物を基板上に塗布及び乾燥し樹脂膜を形成し、前記樹脂膜の一部を露光後、前記樹脂膜を現像してパターン樹脂膜を形成する現像工程において、露光部が完全に溶解したときの未露光部の残膜率が95%以上。
本実施形態の感光性樹脂組成物は、さらに以下の条件(ii)を満足することが好ましい。
(ii)前記現像工程後、前記パターン樹脂膜を加熱しパターン硬化膜を形成した際のパターン形状角度が60°以上。
(ii)前記現像工程後、前記パターン樹脂膜を加熱しパターン硬化膜を形成した際のパターン形状角度が60°以上。
これらの条件を満たすことで、インクジェット塗布に用いられるポジ型感光性樹脂組成物に要求される諸特性を改善できる。
以下、感光性樹脂組成物が含有する各成分について説明する。
<(A)成分>
(A)成分はアルカリ可溶性樹脂である。ここで、本発明の(A)成分がアルカリ水溶液に可溶であることの1つの基準を以下に説明する。
(A)成分単独と任意の溶剤、又は(A)成分と、以下に順を追って説明する(B)成分、(C)成分、(D)成分、及び(E)成分から得られた樹脂溶液を、シリコンウエハ等の基板上にスピン塗布して膜厚5μm程度の樹脂膜を形成する。これをテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液、金属水酸化物水溶液、有機アミン水溶液のいずれか一つに、20〜25℃において浸漬する。この結果、樹脂膜が均一な溶液として溶解し得るとき、(A)成分はアルカリ水溶液に可溶であると判断する。
(A)成分はアルカリ可溶性樹脂である。ここで、本発明の(A)成分がアルカリ水溶液に可溶であることの1つの基準を以下に説明する。
(A)成分単独と任意の溶剤、又は(A)成分と、以下に順を追って説明する(B)成分、(C)成分、(D)成分、及び(E)成分から得られた樹脂溶液を、シリコンウエハ等の基板上にスピン塗布して膜厚5μm程度の樹脂膜を形成する。これをテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液、金属水酸化物水溶液、有機アミン水溶液のいずれか一つに、20〜25℃において浸漬する。この結果、樹脂膜が均一な溶液として溶解し得るとき、(A)成分はアルカリ水溶液に可溶であると判断する。
(A)成分は下記一般式(1)で表される構造単位を有することが好ましい。
[一般式(1)中、R1は水素原子又はメチル基を示し、R2は炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基又は炭素数1〜10のアルコキシ基を示し、aは0〜3の整数を示し、bは1〜3の整数を示す。]
一般式(1)において、R2で表わされる炭素数1〜10のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基及びデシル基が挙げられる。これらの基は直鎖状であっても、分岐鎖状であってもよい。また、炭素数6〜10のアリール基としては、例えば、フェニル基及びナフチル基が挙げられる。炭素数1〜10のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペントキシ基、ヘキソキシ基、ヘプトキシ基、オクトキシ基、ノノキシ基及びデコキシ基が挙げられる。これらの基は直鎖状であっても、分岐鎖状であってもよい。
一般式(1)で表される構造単位を与えるモノマとしては、例えば、p−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、o−ヒドロキシスチレン、p−イソプロペニルフェノール、m−イソプロペニルフェノール及びo−イソプロペニルフェノールが挙げられる。これらのモノマは2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(A)アルカリ可溶性樹脂を得る方法に特に制限はないが、例えば、一般式(1)で示される構造単位を与えるモノマの水酸基をt−ブチル基、アセチル基等で保護して水酸基が保護されたモノマとし、水酸基が保護されたモノマを重合して重合体を得て、さらに得られた重合体を、公知の方法(酸触媒下で脱保護してヒドロキシスチレン系構造単位に変換すること等)で脱保護することにより得られる。
(A)成分は、一般式(1)で表される構造単位を与えるモノマのみからなる重合体又は共重合体であってもよく、一般式(1)で表される構造単位を与えるモノマとそれ以外のモノマとの共重合体であってもよい。(A)成分が共重合体である場合、共重合体中の一般式(1)で示される構造単位の割合は、露光部のアルカリ現像液に対する溶解性と硬化膜の機械特性の観点から、(A)成分100モル%に対し、10〜100モル%が好ましく、20〜97モル%がより好ましく、30〜95モル%がさらに好ましく、50〜95モル%が特に好ましい。
(A)成分は、未露光部のアルカリ現像液に対する溶解阻害性をより向上する観点から、下記一般式(6)で表される構造単位を有するアルカリ可溶性樹脂であることが好ましい。
[一般式(6)中、R10は水素原子又はメチル基を示し、R11は炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基又は炭素数1〜10のアルコキシ基を示し、cは0〜3の整数を示す。]
R11で表わされる炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基又は炭素数1〜10のアルコキシ基としては、それぞれ一般式(1)のR2と同様のものが例示できる。
一般式(6)で表される構造単位を有するアルカリ可溶性樹脂は、一般式(6)で表される構造単位を与えるモノマを用いることで得られる。一般式(6)で表される構造単位を与えるモノマとしては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、o−メトキシスチレン、m−メトキシスチレン及びp−メトキシスチレン等の芳香族ビニル化合物が挙げられる。これらのモノマは2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(A)成分が一般式(6)で示される構造単位を有するアルカリ可溶性樹脂である場合、未露光部のアルカリ現像液に対する溶解阻害性及び硬化膜の機械特性の観点から、一般式(6)で示される構造単位の割合は(A)成分100モル%に対し、1〜90モル%が好ましく、3〜80モル%がより好ましく、5〜70モル%がさらに好ましく、5〜50モル%が特に好ましい。
(A)成分は、露光部のアルカリ現像液に対する溶解性及び未露光部のアルカリ現像液に対する溶解阻害性の観点から、一般式(1)で表される構造単位及び一般式(6)で表される構造単位を有するアルカリ可溶性樹脂であることが好ましい。
(A)成分の分子量は、アルカリ水溶液に対する溶解性、感光特性及びパターン硬化膜の機械特性のバランスを考慮すると、重量平均分子量で1000〜500000が好ましく、2000〜200000がより好ましく、2000〜100000であることがさらに好ましい。ここで、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定し、標準ポリスチレン検量線より換算して得ることができる。
<(B)成分>
(B)成分は光により(光を受けることにより)酸を生成する化合物は、感光性樹脂組成物において感光剤として機能する。(B)成分は、光照射を受けて酸を生成させ、光照射を受けた部分のアルカリ水溶液への可溶性を増大させる機能を有する。
(B)成分としては、一般に光酸発生剤と称される化合物を用いることができる。(B)成分の具体例としては、o−キノンジアジド化合物、アリールジアゾニウム塩、ジアリールヨードニウム塩、トリアリールスルホニウム塩が挙げられる。これらの中でも、感度が高いことから、o−キノンジアジド化合物が好ましい。
(B)成分は光により(光を受けることにより)酸を生成する化合物は、感光性樹脂組成物において感光剤として機能する。(B)成分は、光照射を受けて酸を生成させ、光照射を受けた部分のアルカリ水溶液への可溶性を増大させる機能を有する。
(B)成分としては、一般に光酸発生剤と称される化合物を用いることができる。(B)成分の具体例としては、o−キノンジアジド化合物、アリールジアゾニウム塩、ジアリールヨードニウム塩、トリアリールスルホニウム塩が挙げられる。これらの中でも、感度が高いことから、o−キノンジアジド化合物が好ましい。
o−キノンジアジド化合物としては、従来公知のものを特に制限なく用いることができるが、o−キノンジアジド化合物を合成する際の反応性の観点と、樹脂膜を露光する際に適度な吸収波長範囲である観点から、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−[4−{1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル}フェニル]エタンと1−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホニルクロリドとを縮合反応して得られた化合物、トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン又はトリス(4−ヒドロキシフェニル)エタンと1−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホニルクロリドとを縮合反応して得られた化合物を用いることが好ましい。
(B)成分の含有量は、露光部と未露光部の溶解速度差が大きくなり、感度がより良好となる点から、(A)成分100質量部に対して3〜100質量部が好ましく、5〜50質量部がより好ましく、5〜30質量部がさらに好ましく、5〜20質量部とすることが特に好ましい。
<(C)成分)>
(C)成分である熱架橋剤は、パターン樹脂膜を加熱して硬化する際に、(A)成分と反応して橋架け構造を形成し得る構造を有する化合物である。これにより、膜の脆さ及び膜の溶融を防ぐことができる。(C)成分としては、例えば、フェノール性水酸基を有する化合物、ヒドロキシメチルアミノ基を有する化合物及びエポキシ基を有する化合物が挙げられる。
(C)成分である熱架橋剤は、パターン樹脂膜を加熱して硬化する際に、(A)成分と反応して橋架け構造を形成し得る構造を有する化合物である。これにより、膜の脆さ及び膜の溶融を防ぐことができる。(C)成分としては、例えば、フェノール性水酸基を有する化合物、ヒドロキシメチルアミノ基を有する化合物及びエポキシ基を有する化合物が挙げられる。
なお、ここでいう「フェノール性水酸基を有する化合物」には、(A)アルカリ可溶性樹脂は包含されない。熱架橋剤としてのフェノール性水酸基を有する化合物は、熱架橋剤としてだけでなく、アルカリ水溶液で現像する際の露光部の溶解速度を増加させ、感度を向上させることができる。このようなフェノール性水酸基を有する化合物の重量平均分子量は、アルカリ水溶液に対する溶解性、感光特性、機械特性及び熱特性のバランスを考慮して、2000以下であることが好ましく、94〜2000であることがより好ましく、108〜2000であることがさらに好ましく、108〜1500であることが特に好ましい。
フェノール性水酸基を有する化合物としては、従来公知のものを用いることができるが、下記一般式(7)で表される化合物が、露光部の溶解促進効果と感光性樹脂膜の硬化時の溶融を防止する効果のバランスに優れているため、好ましい。
[一般式(7)中、Xは単結合又は2価の有機基を示し、R14、R15、R16及びR17はそれぞれ独立に水素原子又は1価の有機基を示し、s及びtはそれぞれ独立に1〜3の整数を示し、u及びvはそれぞれ独立に0〜3の整数を示す。]
一般式(7)において、Xが単結合である化合物は、ビフェノール(ジヒドロキシビフェニル)誘導体である。また、Xで示される2価の有機基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基等の炭素数1〜10のアルキレン基、エチリデン基等の炭素数2〜10のアルキリデン基、フェニレン基等の炭素数6〜30のアリーレン基、これらの炭化水素基の水素原子の一部又は全部をフッ素原子等のハロゲン原子で置換した基、スルホニル基、カルボニル基、エーテル結合、チオエーテル結合及びアミド結合が挙げられる。さらに、R14、R15、R16及びR17で示される1価の有機基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等の炭素数1〜10のアルキル基、ビニル基等の炭素数2〜10のアルケニル基、フェニル基等の炭素数6〜30のアリール基及びこれらの炭化水素基の水素原子の一部又は全部をフッ素原子等のハロゲン原子で置換した基が挙げられる。
上記一般式(7)で表わされる化合物としては、例えば、1,1−ビス{3,5−ビス(メトキシメチル)−4−ヒドロキシフェニル}メタン(本州化学工業株式会社製、商品名「TMOM−pp−BPF」)を用いることができる。
ヒドロキシメチルアミノ基を有する化合物としては、例えば、(ポリ)(N−ヒドロキシメチル)メラミン、(ポリ)(N−ヒドロキシメチル)グリコールウリル、(ポリ)(N−ヒドロキシメチル)ベンゾグアナミン及び(ポリ)(N−ヒドロキシメチル)尿素等の活性メチロール基の全部又は一部をアルキルエーテル化した含窒素化合物が挙げられる。ここで、アルキルエーテルのアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、ブチル基が挙げられ、一部自己縮合してなるオリゴマー成分を含有していてもよい。
ヒドロキシメチルアミノ基を有する化合物の具体例としては、ヘキサキス(メトキシメチル)メラミン、ヘキサキス(ブトキシメチル)メラミン、テトラキス(メトキシメチル)グリコールウリル、テトラキス(ブトキシメチル)グリコールウリル及びテトラキス(メトキシメチル)尿素が挙げられる。
エポキシ基を有する化合物としては、従来公知のものを用いることができる。その具体例としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂及びポリアルキレングリコールジグリシジルエーテルが挙げられる。
(C)成分としては、上述した化合物以外に、例えば、ビス[3,4−ビス(ヒドロキシメチル)フェニル]エーテル、1,3,5−トリス(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)ベンゼン等のヒドロキシメチル基を有する芳香族化合物、ビス(4−マレイミドフェニル)メタン、2,2−ビス[4−(4‘−マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパン等のマレイミド基を有する化合物、ノルボルネン骨格を有する化合物、多官能アクリレート化合物、オキセタニル基を有する化合物、ビニル基を有する化合物及びブロック化イソシアナート化合物を用いることもできる。
上述した(C)成分の中で、感度、機械特性及び熱特性をより向上できる点から、フェノール性水酸基を有する化合物又はヒドロキシメチルアミノ基を有する化合物を用いることが好ましく、解像度及び塗膜の伸びもより向上できる点から、ヒドロキシメチルアミノ基を有する化合物がより好ましく、ヒドロキシメチルアミノ基の全部又は一部をアルキルエーテル化したアルコキシメチルアミノ基を有する化合物がさらに好ましく、ヒドロキシメチルアミノ基の全部をアルキルエーテル化したアルコキシメチルアミノ基を有する化合物が特に好ましい。
上記ヒドロキシメチルアミノ基の全部をアルキルエーテル化したアルコキシメチルアミノ基を有する化合物の中でも、下記一般式(8)で表される化合物が好ましい。
[一般式(8)中、R30〜R35は、それぞれ独立に炭素数1〜10のアルキル基を示す。]
一般式(8)において、R31〜R36で表される炭素数1〜10のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基及びデシル基が挙げられる。これらの基は直鎖状であっても、分岐鎖状であってもよい。
(C)成分の含有量は、露光部と未露光部の溶解速度差が大きくなり、感度がより良好となる点から、(A)成分100質量部に対して0.5〜50質量部が好ましく、1〜40質量部がより好ましく、2〜30質量部がさらに好ましい。
<(D)成分>
(D)成分であるアクリル樹脂は、下記一般式(2)で表される構造単位を有することが好ましい。
(D)成分であるアクリル樹脂は、下記一般式(2)で表される構造単位を有することが好ましい。
[一般式(2)中、R3は水素原子又はメチル基を示し、R4は炭素数2〜20のヒドロキシアルキル基を示す。]
一般式(2)で表される構造単位を有する(D)成分を含有することにより、(A)成分と(D)成分との相溶性を大きく向上させ、両成分が相分離することなく混合することができ、それにより(A)成分及び(D)成分のそれぞれの優れた特性を発現することができる。また、(D)成分を含有することにより、感光特性及び破断伸びをより向上することができる。(D)成分は、1種のアクリル樹脂のみからなるものであってもよく、2種以上のアクリル樹脂を含むものであってもよい。
一般式(2)中、(A)成分との相溶性、感度、破断伸びをより向上できる点から、 R4が炭素数2〜15のヒドロキシアルキル基が好ましく、炭素数2〜10のヒドロキシアルキル基がより好ましく、炭素数2〜8のヒドロキシアルキル基がさらに好ましい。
R4で示される炭素数2〜20のヒドロキシアルキル基としては、例えば、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、ヒドロキシブチル基、ヒドロキシペンチル基、ヒドロキシヘキシル基、ヒドロキシヘプチル基、ヒドロキシオクチル基、ヒドロキシノニル基、ヒドロキシデシル基、ヒドロキシウンデシル基、ヒドロキシドデシル基(ヒドロキシラウリル基という場合もある。)、ヒドロキシトリデシル基、ヒドロキシテトラデシル基、ヒドロキシペンタデシル基、ヒドロキシヘキサデシル基、ヒドロキシヘプタデシル基、ヒドロキシオクタデシル基、ヒドロキシノナデシル基及びヒドロキシエイコシル基が挙げられる。これらの基は直鎖状であっても、分岐鎖状であってもよい。
一般式(2)で表される構造単位は対応する(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルを重合させることで導入できる。
(D)成分は、一般式(2)で表される構造単位のみからなるアクリル樹脂であってもよく、一般式(2)で表される構造単位以外の構造単位を有するアクリル樹脂であってもよい。一般式(2)で表される構造単位以外の構造単位を有するアクリル樹脂である場合、アクリル樹脂中の一般式(2)で表される構造単位の割合は、(D)成分の総量に対して、0.1〜30モル%であることが好ましく、0.3〜20モル%であることがより好ましく、0.5〜10モル%であることがさらに好ましい。これにより(A)成分との相溶性をより向上することができる。
(D)成分は下記一般式(3)で表される構造単位を有するアクリル樹脂であることが好ましい。
[一般式(3)中、R5は水素原子又はメチル基を示し、R6は1級、2級又は3級アミノ基を有する1価の有機基を示す。]
(D)成分が一般式(3)で表される構造単位を有することで、未露光部の現像液に対する溶解阻害性をより向上できる。
一般式(3)で表される構造単位を有するアクリル樹脂を与えるモノマとしては、例えば、アミノエチル(メタ)アクリレート、N−メチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−エチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、アミノプロピル(メタ)アクリレート、N−メチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N−エチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ピペリジン−4−イル(メタ)アクリレート、1−メチルピペリジン−4−イル(メタ)アクリレート、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル(メタ)アクリレート、1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル(メタ)アクリレート、(ピペリジン−4−イル)メチル(メタ)アクリレート及び2−(ピペリジン−4−イル)エチル(メタ)アクリレートが挙げられる。
これらの中でも、未露光部の現像液に対する溶解阻害性、(A)成分との相様性をより向上できる点から、一般式(3)中、R6が下記一般式(9)で表される1価の有機基であることが好ましい。
これらの中でも、未露光部の現像液に対する溶解阻害性、(A)成分との相様性をより向上できる点から、一般式(3)中、R6が下記一般式(9)で表される1価の有機基であることが好ましい。
[一般式(9)中、Yは炭素数1〜5のアルキレン基を示し、R20〜R24は各々独立に水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基を示し、nは0〜10の整数を示す。]
一般式(3)中、R6が一般式(9)で表される1価の有機基で表される構造単位を与える重合性単量体としては、例えば、ピペリジン−4−イル(メタ)アクリレート、1−メチルピペリジン−4−イル(メタ)アクリレート、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル(メタ)アクリレート、1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル(メタ)アクリレート、(ピペリジン−4−イル)メチル(メタ)アクリレート及び2−(ピペリジン−4−イル)エチル(メタ)アクリレートが挙げられる。
これらの中でも、1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イルメタクリレートはFA−711MMとして、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イルメタクリレートが好ましい。これらはFA−712HMとして(いずれも日立化成株式会社製)として、商業的に入手可能である。
これらの中でも、1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イルメタクリレートはFA−711MMとして、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イルメタクリレートが好ましい。これらはFA−712HMとして(いずれも日立化成株式会社製)として、商業的に入手可能である。
(D)アクリル樹脂が一般式(3)で表される構造単位を有する場合、一般式(3)で表される構造単位の割合は、(A)成分との相溶性と現像液に対する溶解性の点から、(D)成分の総量に対して、0.3〜10モル%であることが好ましく、0.4〜6モル%であることがより好ましく、0.5〜5モル%であることがさらに好ましい。
(D)成分は下記一般式(4)で表される構造単位を有するアクリル樹脂であることが好ましい。
[一般式(4)中、R7は水素原子又はメチル基を示し、R8は炭素数4〜20のアルキル基を示す。]
(D)成分が一般式(4)で表される構造単位を有することで、感度及び破断伸びをより向上できる。
一般式(5)中、R8で示される炭素数4〜20のアルキル基としては、例えば、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基(ラウリル基という場合もある。)、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基及びエイコシル基が挙げられる。これらの基は直鎖状であっても分岐鎖状であってもよい。
一般式(4)中、感度、解像度及び破断伸びをより向上できる点から、R8が炭素数4〜16のアルキル基であることが好ましく、炭素数4〜12のアルキル基であることがより好ましく、炭素数4のアルキル基(n−ブチル基)であることがさらに好ましい。
一般式(4)で表される構造単位は対応する(メタ)アクリル酸アルキルを重合させることで導入できる。
(D)アクリル樹脂が一般式(4)で表される構造単位を有する場合、一般式(4)で表される構造単位の割合は、(D)成分の総量に対して、50〜93モル%であ
ることが好ましく、55〜85モル%であることがより好ましく、60〜80モル%であることがさらに好ましい。上記一般式(4)で表される構造単位の割合が50〜93モル%であることにより、感度及び破断伸びをより向上することができる。
ることが好ましく、55〜85モル%であることがより好ましく、60〜80モル%であることがさらに好ましい。上記一般式(4)で表される構造単位の割合が50〜93モル%であることにより、感度及び破断伸びをより向上することができる。
(D)成分は下記一般式(5)で表される構造単位を有するアクリル樹脂であることが好ましい。
[一般式(5)中、R9は水素原子又はメチル基を示す。]
(D)成分が一般式(5)で表される構造単位を有することで、感度をより向上することができる。一般式(5)で表される構造単位を与えるモノマとしては、アクリル酸及びメタクリル酸が挙げられる。
(D)アクリル樹脂が一般式(5)で表される構造単位を有する場合、一般式(5)で表される構造単位の割合は、(D)成分の総量に対して、5〜35モル%であることが好ましく、10〜30モル%であることがより好ましく、15〜25モル%であることがさらに好ましい。上記一般式(5)で表される構造単位の組成比が5〜35モル%であることにより、(A)成分との相溶性及び現像性をより向上することができる。
(D)成分は、例えば、上記一般式(2)で表される構造単位を与えるモノマ、及び必要に応じて添加される一般式(3)、(4)及び(5)で表される構造単位を与えるモノマを配合し、乳酸エチル、トルエン、イソプロパノール等の溶媒(溶剤)中で攪拌し、必要に応じて加熱することにより得られる。
また、(D)アクリル樹脂の合成に用いられるモノマは、一般式(2)、(3)、(4)及び(5)で表される構造単位を与えるモノマ以外のモノマをさらに含んでいてもよい。
(D)成分の重量平均分子量は、2000〜100000であることが好ましく、3000〜60000であることがより好ましく、5000〜50000であることがさらに好ましく、10000〜40000であることが特に好ましい。重量平均分子量が2000以上では硬化膜の熱衝撃性をより向上でき、100000以下であると(A)成分との相溶性及び現像性をより向上できる。ここで、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定し、標準ポリスチレン検量線より換算して得ることができる。
(D)成分の含有量は、(A)成分との相溶性、感光特性、密着性、機械特性、熱特性のバランスの観点から、(A)成分100質量部に対して1〜50質量部が好ましく、3〜30質量部がより好ましく、5〜20質量部がさらに好ましい。
<E成分>
(E)成分である界面活性剤は、パターン樹脂膜を加熱して硬化した表面層に撥インク性を付与することができる。
(E)成分である界面活性剤は、パターン樹脂膜を加熱して硬化した表面層に撥インク性を付与することができる。
(E)成分としては、例えば、アニオン性やカチオン性のイオン性フッ素系化合物、エチレンオキシド基を有する非イオン性フッ素系化合物、パーフルオロアルキル基を有する(メタ)アクリルレートモノマーからなるオリゴマー化合物が挙げられる。
市販品としては、フロラードFC4430、FC4432(住友スリーエム株式会社、商品名)、サーフロンS−211、S−221、S−241、S−420、S−611、S−652(AGCセイミケミカル株式会社製、商品名、「サーフロン」は登録商標)が挙げられる。
このようなフッ素系界面活性剤は、組成物溶液に対する溶解性、硬化後のバンク上部面の撥インク性を保持する観点から、パーフルオロアルキル基を有する(メタ)アクリルレートモノマーからなるオリゴマー化合物が好ましく、さらに、バンクに仕切られた開口部のインク濡れ広がり性の観点から、炭素数4〜6のパーフルオロアルキル基を有する(メタ)アクリルレートモノマーからなるオリゴマー化合物がより好ましい。
(E)成分の含有量は、膜表面の撥インク性、パターン開口部及び側壁部の濡れ広がり性、膜の塗布ムラの観点から、(A)成分100質量部に対して0.01〜2.5質量部が好ましく、0.03〜2.0質量部がより好ましく、0.05〜1.5質量部がさらに好ましく、0.3〜1.0質量部とすることが特に好ましい。
<その他の成分>
本実施形態の感光性樹脂組成物は、上記(A)〜(E)成分以外に、溶剤、エラストマー、加熱により酸を生成する化合物、溶解促進剤、溶解阻害剤、カップリング剤、及び、界面活性剤又はレベリング剤等の成分を含有してもよい。
本実施形態の感光性樹脂組成物は、上記(A)〜(E)成分以外に、溶剤、エラストマー、加熱により酸を生成する化合物、溶解促進剤、溶解阻害剤、カップリング剤、及び、界面活性剤又はレベリング剤等の成分を含有してもよい。
本実施形態の感光性樹脂組成物は、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)等のアルカリ水溶液を用いて現像することが可能である。さらに、上述の本実施形態の感光性樹脂組成物を用いることにより、充分に高い感度及び解像度で、未露光部の高い溶解阻害性、硬化時パターンのダレが小さく、バンク表面の撥インク性とパターン開口部及びバンク側壁部のインク濡れ広がり性に優れ、ITO膜との密着性、機械特性及び熱特性に優れたパターン硬化膜を形成することが可能となる。
[パターン硬化膜の製造方法]
本発明のパターン硬化膜は感光性樹脂組成物から形成したパターン樹脂膜を加熱することにより得られる。具体的には、感光性樹脂組成物を基板の一部又は全面に塗布及び乾燥し樹脂膜を形成する工程(塗布・乾燥(成膜)工程)と、樹脂膜の一部を露光する工程(露光工程)と、露光後の樹脂膜をアルカリ水溶液により現像してパターン樹脂膜を形成する工程(現像工程)と、パターン樹脂膜を加熱する工程(加熱処理工程)とを有する。以下、各工程について説明する。
本発明のパターン硬化膜は感光性樹脂組成物から形成したパターン樹脂膜を加熱することにより得られる。具体的には、感光性樹脂組成物を基板の一部又は全面に塗布及び乾燥し樹脂膜を形成する工程(塗布・乾燥(成膜)工程)と、樹脂膜の一部を露光する工程(露光工程)と、露光後の樹脂膜をアルカリ水溶液により現像してパターン樹脂膜を形成する工程(現像工程)と、パターン樹脂膜を加熱する工程(加熱処理工程)とを有する。以下、各工程について説明する。
<塗布・乾燥(成膜)工程>
まず、本実施形態の感光性樹脂組成物を基板上に塗布し乾燥して樹脂膜を形成する。この工程では、まず、ガラス基板、半導体、金属酸化物絶縁体(例えば、TiO2、SiO2)、窒化ケイ素等の基板上に、本実施形態の感光性樹脂組成物を、スピンナー等を用いて回転塗布し、塗膜を形成する。塗膜の厚さに特に制限はないが、0.1〜40μmであることが好ましい。この塗膜が形成された基板をホットプレート、オーブン等を用いて乾燥する。乾燥温度や乾燥時間に特に制限はないが80〜140℃で、1〜7分行なうことが好ましい。これにより、基板上に感光性樹脂膜が形成される。感光性樹脂膜の厚さに特に制限はないが、0.1〜40μmであることが好ましい。
まず、本実施形態の感光性樹脂組成物を基板上に塗布し乾燥して樹脂膜を形成する。この工程では、まず、ガラス基板、半導体、金属酸化物絶縁体(例えば、TiO2、SiO2)、窒化ケイ素等の基板上に、本実施形態の感光性樹脂組成物を、スピンナー等を用いて回転塗布し、塗膜を形成する。塗膜の厚さに特に制限はないが、0.1〜40μmであることが好ましい。この塗膜が形成された基板をホットプレート、オーブン等を用いて乾燥する。乾燥温度や乾燥時間に特に制限はないが80〜140℃で、1〜7分行なうことが好ましい。これにより、基板上に感光性樹脂膜が形成される。感光性樹脂膜の厚さに特に制限はないが、0.1〜40μmであることが好ましい。
<露光工程>
次に、露光工程では、基板上に形成した樹脂膜に、マスクを介して紫外線、可視光線、放射線等の活性光線を照射する。本実施形態の感光性樹脂組成物において、(A)成分はi線に対する透明性が高いので、i線の照射を好適に用いることができる。なお、露光後、必要に応じて、溶解速度を向上させる観点から露光後加熱(PEB)を行うこともできる。露光後加熱を行なう場合の温度は70℃〜140℃、露光後加熱の時間は1分〜5分が好ましい。
次に、露光工程では、基板上に形成した樹脂膜に、マスクを介して紫外線、可視光線、放射線等の活性光線を照射する。本実施形態の感光性樹脂組成物において、(A)成分はi線に対する透明性が高いので、i線の照射を好適に用いることができる。なお、露光後、必要に応じて、溶解速度を向上させる観点から露光後加熱(PEB)を行うこともできる。露光後加熱を行なう場合の温度は70℃〜140℃、露光後加熱の時間は1分〜5分が好ましい。
<現像工程>
現像工程では、露光工程後の樹脂膜の露光部を現像液で除去することにより、樹脂膜がパターン化され、パターン樹脂膜が得られる。現像液としては、例えば、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ケイ酸ナトリウム、アンモニア、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン及び水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)等のアルカリ水溶液が好適に用いられる。
これらの水溶液の塩基濃度は、0.1〜10質量%とすることが好ましい。また、上記現像液にアルコール類又は界面活性剤を添加して使用することもできる。現像方法としては、例えば、現像液をシャワー現像、スプレー現像、浸漬現像、パドル現像等の方法により感光性樹脂膜上に配し、18〜40℃の条件下、30〜360秒間放置する方法が挙げられる。放置後水洗し、スピン乾燥を行うことでパターン樹脂膜を洗浄する。
現像工程では、露光工程後の樹脂膜の露光部を現像液で除去することにより、樹脂膜がパターン化され、パターン樹脂膜が得られる。現像液としては、例えば、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ケイ酸ナトリウム、アンモニア、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン及び水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)等のアルカリ水溶液が好適に用いられる。
これらの水溶液の塩基濃度は、0.1〜10質量%とすることが好ましい。また、上記現像液にアルコール類又は界面活性剤を添加して使用することもできる。現像方法としては、例えば、現像液をシャワー現像、スプレー現像、浸漬現像、パドル現像等の方法により感光性樹脂膜上に配し、18〜40℃の条件下、30〜360秒間放置する方法が挙げられる。放置後水洗し、スピン乾燥を行うことでパターン樹脂膜を洗浄する。
<加熱処理工程>
次いで、加熱処理工程では、パターン樹脂膜を加熱処理することにより、パターン硬化膜を形成することができる。加熱処理工程における加熱温度は、半導体装置に対する熱によるダメージを充分に防止する点から、250℃以下が好ましく、225℃以下がより好ましく、140〜200℃であることがさらに好ましい。
次いで、加熱処理工程では、パターン樹脂膜を加熱処理することにより、パターン硬化膜を形成することができる。加熱処理工程における加熱温度は、半導体装置に対する熱によるダメージを充分に防止する点から、250℃以下が好ましく、225℃以下がより好ましく、140〜200℃であることがさらに好ましい。
加熱処理は、例えば、石英チューブ炉、ホットプレート、ラピッドサーマルアニール、縦型拡散炉、赤外線硬化炉、電子線硬化炉、マイクロ波硬化炉等のオーブンを用いて行うことができる。また、大気中又は窒素等の不活性雰囲気中いずれを選択することもできるが、窒素下で行う方がパターンの酸化を防ぐことができるため好ましい。上述の好ましい加熱温度の範囲は従来の加熱温度よりも低いため、基板及び半導体装置へのダメージを小さく抑えることができる。従って、本実施形態のパターン樹脂膜の製造方法を用いることによって、電子デバイスを歩留まり良く製造することができる。また、プロセスの省エネルギー化につながる。さらに、本実施形態のポジ型感光性樹脂組成物によれば、感光性ポリイミド等に見られる加熱処理工程における体積収縮(硬化収縮)が小さいため、寸法精度の低下を防ぐことができる。
加熱処理工程における加熱処理時間は、ポジ型感光性樹脂組成物が硬化するのに充分な時間であればよいが、作業効率との兼ね合いから5時間以下が好ましい。
上述の本実施形態のパターン硬化膜の製造方法によれば、充分に高い感度及び解像度で、密着性及び熱衝撃性にも優れるパターン硬化膜が得られる。
[バンク膜を備える有機EL用表示装置]
上述の工程を経て形成されたパターン硬化膜は撥インク性バンク膜として用いることが好ましい。特に、インクジェット方式に対応可能な有機EL用表示装置のバンク膜として好適に使用できる。
上述の工程を経て形成されたパターン硬化膜は撥インク性バンク膜として用いることが好ましい。特に、インクジェット方式に対応可能な有機EL用表示装置のバンク膜として好適に使用できる。
ここで、有機EL素子のバンク製造工程の一例を図1〜3に基づいて説明する。
まず、図1に示す構造体100を準備する。構造体100は、ガラス基板1と、ITO等の透明電極膜2とを備える。
次に、透明電極膜2上に、本実施形態のバンク膜3を形成する。具体的には、まず撥インク性ポジ型感光性樹脂組成物をスピンコート法により透明電極膜2上に塗布し、乾燥して塗膜を形成することにより、図2に示す構造体200を得る。
さらに、パターンを描いたマスクを介して光照射した後、アルカリ水溶液にて現像してパターンを有する塗膜を形成する。その後、パターン膜を加熱により硬化することで、パターンを有するバンク膜3が形成され、図3に示す構造体300を得る。
[有機EL表示装置]
本発明の有機EL表示装置は、本発明のパターン硬化膜を撥インク性バンク膜として有する。有機EL表示装置とは、有機ELテレビ、有機EL携帯電話、有機ELパソコン等が挙げられる。
本発明の有機EL表示装置は、本発明のパターン硬化膜を撥インク性バンク膜として有する。有機EL表示装置とは、有機ELテレビ、有機EL携帯電話、有機ELパソコン等が挙げられる。
以下に、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
本実施例で用いた材料について以下に示す。
[(A)成分]
A1:p−t−ブトキシスチレンとスチレンとを、モル比75:25の割合で合計100質量部用意し、これらをプロピレングリコールモノメチルエーテル150質量部に溶解し、窒素雰囲気下、反応温度を70℃に保持して、アゾビスイソブチロニトリル4質量部を用いて10時間、70℃保持のままで約160回転/分(rpm)の攪拌回転数で攪拌し、重合を行なった。その後、反応溶液に硫酸を加えて反応温度を90℃に保持して10時間反応させ、p−t−ブトキシスチレンを脱保護してヒドロキシスチレンに変換した。得られた共重合体に酢酸エチルを加え、水洗を5回繰り返し、酢酸エチル相を分取し、溶剤を除去して、p−ヒドロキシスチレン/スチレン共重合体A1を得た。この共重合体A1のポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)は10000であった。また、13C−NMR分析の結果、p−ヒドロキシスチレンとスチレンとの共重合モル比は75:25であった。
A2:p−t−ブトキシスチレンとスチレンとを、モル比72:28の割合で合計100質量部用意し、これらをプロピレングリコールモノメチルエーテル150質量部に溶解させた以外は、上記A1と同様にしてp−ヒドロキシスチレン/スチレン共重合体A2を得た。この共重合体A2の重量平均分子量は10000であった。
A3:p−t−ブトキシスチレンとスチレンとを、モル比78:22の割合で合計100質量部用意し、これらをプロピレングリコールモノメチルエーテル150質量部に溶解させた以外は、上記A1と同様にしてp−ヒドロキシスチレン/スチレン共重合体A3を得た。この共重合体A3の重量平均分子量は10000であった。
A4:p−t−ブトキシスチレンのみ100質量部をプロピレングリコールモノメチルエーテル150質量部に溶解させた以外は、上記A1と同様にして、p−ヒドロキシスチレン単独重合体A4を得た。この単独重合体A4の重量平均分子量は10000であった。
[(A)成分]
A1:p−t−ブトキシスチレンとスチレンとを、モル比75:25の割合で合計100質量部用意し、これらをプロピレングリコールモノメチルエーテル150質量部に溶解し、窒素雰囲気下、反応温度を70℃に保持して、アゾビスイソブチロニトリル4質量部を用いて10時間、70℃保持のままで約160回転/分(rpm)の攪拌回転数で攪拌し、重合を行なった。その後、反応溶液に硫酸を加えて反応温度を90℃に保持して10時間反応させ、p−t−ブトキシスチレンを脱保護してヒドロキシスチレンに変換した。得られた共重合体に酢酸エチルを加え、水洗を5回繰り返し、酢酸エチル相を分取し、溶剤を除去して、p−ヒドロキシスチレン/スチレン共重合体A1を得た。この共重合体A1のポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)は10000であった。また、13C−NMR分析の結果、p−ヒドロキシスチレンとスチレンとの共重合モル比は75:25であった。
A2:p−t−ブトキシスチレンとスチレンとを、モル比72:28の割合で合計100質量部用意し、これらをプロピレングリコールモノメチルエーテル150質量部に溶解させた以外は、上記A1と同様にしてp−ヒドロキシスチレン/スチレン共重合体A2を得た。この共重合体A2の重量平均分子量は10000であった。
A3:p−t−ブトキシスチレンとスチレンとを、モル比78:22の割合で合計100質量部用意し、これらをプロピレングリコールモノメチルエーテル150質量部に溶解させた以外は、上記A1と同様にしてp−ヒドロキシスチレン/スチレン共重合体A3を得た。この共重合体A3の重量平均分子量は10000であった。
A4:p−t−ブトキシスチレンのみ100質量部をプロピレングリコールモノメチルエーテル150質量部に溶解させた以外は、上記A1と同様にして、p−ヒドロキシスチレン単独重合体A4を得た。この単独重合体A4の重量平均分子量は10000であった。
なお、重量平均分子量は、それぞれゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法を用いて、標準ポリスチレン換算により求めた。
具体的には、以下の装置及び条件にて重量平均分子量を測定した。
測定装置:検出器 L4000UV(株式会社日立製作所社製)
ポンプ:L6000(株式会社日立製作所社製)、
C−R4A Chromatopac(株式会社島津製作所社製)
測定条件:カラム Gelpack GL−S300MDT−5×2本
溶離液:THF
LiBr(0.03mol/l)、H3PO4(0.06mol/l)
流速:1.0ml/分、検出器:UV270nm
試料0.5mgに対して溶媒[THF/DMF=1/1(容積比)]1mlの溶液を用
いて測定した。
測定装置:検出器 L4000UV(株式会社日立製作所社製)
ポンプ:L6000(株式会社日立製作所社製)、
C−R4A Chromatopac(株式会社島津製作所社製)
測定条件:カラム Gelpack GL−S300MDT−5×2本
溶離液:THF
LiBr(0.03mol/l)、H3PO4(0.06mol/l)
流速:1.0ml/分、検出器:UV270nm
試料0.5mgに対して溶媒[THF/DMF=1/1(容積比)]1mlの溶液を用
いて測定した。
[(B)成分]
B1:1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−[4−{1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル}フェニル]エタンの1−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸エステル(エステル化率約90%、AZエレクトロニックマテリアルズ社製、商品名「TPPA528」)
B2:トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタンの1−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸エステル(エステル化率約95%)
B1:1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−[4−{1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル}フェニル]エタンの1−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸エステル(エステル化率約90%、AZエレクトロニックマテリアルズ社製、商品名「TPPA528」)
B2:トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタンの1−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸エステル(エステル化率約95%)
[(C)成分]
C1:ヘキサキス(メトキシメチル)メラミン(株式会社三和ケミカル製、商品名「ニカラックMW−30HM」、下記式(C1)で表される化合物)
C1:ヘキサキス(メトキシメチル)メラミン(株式会社三和ケミカル製、商品名「ニカラックMW−30HM」、下記式(C1)で表される化合物)
C2:1,1−ビス{3,5−ビス(メトキシメチル)−4−ヒドロキシフェニル}メタン(本州化学工業株式会社製、商品名「TMOM−pp−BPF」、下記式(C2)で表される化合物)
[(D)成分]
D1:攪拌機、窒素導入管及び温度計を備えた100mlの三口フラスコに、乳酸エチル55gを秤取し、別途に秤取した重合性単量体アクリル酸n−ブチル(BA)33.1g、アクリル酸ラウリル(LA)2.2g、アクリル酸(AA)5.3g、アクリル酸ヒドロキシブチル(HBA)2.6g、及び1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イルメタクリレート(商品名:FA−711MM、日立化成株式会社製)1.8g、並びにアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.3gを加えた。室温(25℃)にて約160回転/分(rpm)の攪拌回転数で攪拌しながら、窒素ガスを400ml/分の流量で30分間流し、溶存酸素を除去した。その後、窒素ガスの流入を止め、フラスコを密閉し、恒温水槽にて約25分で65℃まで昇温した。同温度を10時間保持して重合反応を行い、アクリル樹脂D1を得た。この際の重合率は99%であった。また、このD1の重量平均分子量は、約22000であった。
D1:攪拌機、窒素導入管及び温度計を備えた100mlの三口フラスコに、乳酸エチル55gを秤取し、別途に秤取した重合性単量体アクリル酸n−ブチル(BA)33.1g、アクリル酸ラウリル(LA)2.2g、アクリル酸(AA)5.3g、アクリル酸ヒドロキシブチル(HBA)2.6g、及び1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イルメタクリレート(商品名:FA−711MM、日立化成株式会社製)1.8g、並びにアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.3gを加えた。室温(25℃)にて約160回転/分(rpm)の攪拌回転数で攪拌しながら、窒素ガスを400ml/分の流量で30分間流し、溶存酸素を除去した。その後、窒素ガスの流入を止め、フラスコを密閉し、恒温水槽にて約25分で65℃まで昇温した。同温度を10時間保持して重合反応を行い、アクリル樹脂D1を得た。この際の重合率は99%であった。また、このD1の重量平均分子量は、約22000であった。
D2、D3:表1に示す配合量で重合性単量体を用いた以外は、D1の合成方法と同様にしてアクリル樹脂D2、D3をそれぞれ合成した。合成したアクリル樹脂D2、D3の重量平均分子量を表1に示した。
なお、(D)成分の重量平均分子量は、(A)成分の重量平均分子量の測定と同様の方法により求めた。
[(E)成分]
E1:サーフロンS−651(AGCセイミケミカル株式会社製)
E2:サーフロンS−611(AGCセイミケミカル株式会社製)
E1:サーフロンS−651(AGCセイミケミカル株式会社製)
E2:サーフロンS−611(AGCセイミケミカル株式会社製)
(実施例1〜9及び比較例1〜5)
表2に示した配合量の(A)〜(D)成分、溶剤として乳酸エチル100〜230質量部及びカップリング剤として3グリシジルオキシプロピルトリメトキシシランを1質量部配合し、これを3μm孔のPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)フィルターを用いて加圧ろ過して、実施例1〜9及び比較例1〜5の感光性樹脂組成物を調製した。
表2に示した配合量の(A)〜(D)成分、溶剤として乳酸エチル100〜230質量部及びカップリング剤として3グリシジルオキシプロピルトリメトキシシランを1質量部配合し、これを3μm孔のPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)フィルターを用いて加圧ろ過して、実施例1〜9及び比較例1〜5の感光性樹脂組成物を調製した。
<感光性樹脂組成物の評価>
実施例1〜9及び比較例1〜5の感光性樹脂組成物について、以下に示す評価を行った。その結果を表2に示した。
実施例1〜9及び比較例1〜5の感光性樹脂組成物について、以下に示す評価を行った。その結果を表2に示した。
(感度、現像後残膜率)
実施例1〜9及び比較例1〜5で得られた感光性樹脂組成物をシリコン基板上にスピンコートして、120℃で3分間加熱し、膜厚2.5〜3μmの塗膜を形成した。次いで、i線ステッパー(キャノン株式会社製、商品名「FPA−3000iW」)を用いて、1μm×1μmから100μm×100μmまでの正方形ホールパターンを有するマスクを介してi線(365nm)で縮小投影露光した。露光量は、100〜710mJ/cm2まで10mJ/cm2ずつ変えながら行った。露光後、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)の2.38質量%水溶液を用いて40秒現像した。
実施例1〜9及び比較例1〜5で得られた感光性樹脂組成物をシリコン基板上にスピンコートして、120℃で3分間加熱し、膜厚2.5〜3μmの塗膜を形成した。次いで、i線ステッパー(キャノン株式会社製、商品名「FPA−3000iW」)を用いて、1μm×1μmから100μm×100μmまでの正方形ホールパターンを有するマスクを介してi線(365nm)で縮小投影露光した。露光量は、100〜710mJ/cm2まで10mJ/cm2ずつ変えながら行った。露光後、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)の2.38質量%水溶液を用いて40秒現像した。
その後、水でリンスし、100μm×100μmの正方形ホールパターンが形成できる最小露光量を感度とした。
感度は高いことが好ましく、400mJ/cm2以下であることがより好ましい。
また現像後の未露光部の残膜率は、下式により算出した。
残膜率(%)=(現像後の塗膜の膜厚/現像前の塗膜の膜厚)×100
残膜率は高いことが好ましく、95%以上である。
また現像後の未露光部の残膜率は、下式により算出した。
残膜率(%)=(現像後の塗膜の膜厚/現像前の塗膜の膜厚)×100
残膜率は高いことが好ましく、95%以上である。
(解像度、外観)
上述で得られた現像後パターン膜の感度×1.3倍の露光量から得られた1μm×1μmから100μm×100μmの正方形ホールパターンを金属顕微鏡で観察し、開口している最小の正方形ホールパターンのサイズを解像度とした。
上述で得られた現像後パターン膜の感度×1.3倍の露光量から得られた1μm×1μmから100μm×100μmの正方形ホールパターンを金属顕微鏡で観察し、開口している最小の正方形ホールパターンのサイズを解像度とした。
解像度は小さいことが好ましく、5um以下であることがより好ましい。
また、上述のパターン付近を金属顕微鏡で観察し、残渣、パターン剥離、塗布ムラ、表面荒れの有無を確認し、上記何れか一つでも確認された場合は「×」、一つも確認されない場合は「○」とした。
(パターン形状角度)
上述で得られた現像後パターン膜を縦型拡散炉(光洋サーモシステム株式会社製、商品名「μ−TF」)を用い、窒素中、温度200℃(昇温時間1時間)で2時間、塗膜を加熱処理(硬化)し、膜厚約2μmの硬化膜を得た。
上述で得られた現像後パターン膜を縦型拡散炉(光洋サーモシステム株式会社製、商品名「μ−TF」)を用い、窒素中、温度200℃(昇温時間1時間)で2時間、塗膜を加熱処理(硬化)し、膜厚約2μmの硬化膜を得た。
その後、感度×1.3倍の露光量から得られた5μmの線形パターンの断面を、走査型電子顕微鏡を用いて観察し、基板とパターン側壁からパターン形状角度を得た。
パターン形状角度は大きいことが好ましく、60°以上がより好ましい。
(バンク表面、パターン開口部及びバンク側壁部の接触角)
上述で得られた硬化後パターン膜に、接触角計(協和界面科学株式会社製、商品名「Drop Master 500」)を用いて、インクの代わりに代用できるn−ヘキサデカン溶媒を滴下し、バンク表面、パターン開口部及びバンク側壁部の接触角を測定した。
バンク表面は接触角が大きいことが好ましく、50°以上であることがより好ましい。またパターン開口部とバンク側壁部は接触角が小さいことが好ましく、10°以下であることが好ましい。
上述で得られた硬化後パターン膜に、接触角計(協和界面科学株式会社製、商品名「Drop Master 500」)を用いて、インクの代わりに代用できるn−ヘキサデカン溶媒を滴下し、バンク表面、パターン開口部及びバンク側壁部の接触角を測定した。
バンク表面は接触角が大きいことが好ましく、50°以上であることがより好ましい。またパターン開口部とバンク側壁部は接触角が小さいことが好ましく、10°以下であることが好ましい。
(クロスカット試験)
実施例1〜9及び比較例1〜5で得られた感光性樹脂組成物をITO基板上にスピンコートして、120℃で3分間加熱し、膜厚10〜12μmの塗膜を形成した。次いで、縦型拡散炉(光洋サーモシステム株式会社製、商品名「μ−TF」)を用い、窒素中、温度200℃(昇温時間1時間)で2時間、塗膜を加熱処理(硬化)し、膜厚約10μmの硬化膜を得た。この硬化膜に以下に示すクロスカット試験を行って、ITO基板に対する密着性を評価した。まず、ITO基板上の硬化膜表面の中央に、カッターガイドを用いて直交する縦横11本ずつの平行線を1mmの間隔で引き、1cm2の中に100個の正方形ができるように碁盤目状の切り傷をつけ、傷の状態を評価した。なお、切り傷は、カッターナイフの刃先を硬化膜に対して35〜45度の範囲で一定の角度に保ち、硬化膜を貫通してITO基板に届くように切り傷1本について0.5秒かけて等速に引いた。きれいにITO基板に付着している正方形が多いほど、密着性に優れていることを示している。評価基準は以下に従ってA、B、C、Dの4段階で評価した結果を示している。
A:切り傷の交点、及び正方形の一目一目にはがれがなく、欠損部の面積が全正方形面積の1%未満である。
B:切り傷の交点にわずかなはがれがあって、正方形の一目一目にはがれがなく、欠損部の面積が全正方形面積の5%未満である。
C:切り傷の両側と交点にはがれがあって、欠損部の面積が全正方形面積の5〜50%である。
D:切り傷によるはがれの幅が上記○の評価を得たものよりも大きく、欠損部の面積が全正方形面積の50%よりも大きい。
実施例1〜9及び比較例1〜5で得られた感光性樹脂組成物をITO基板上にスピンコートして、120℃で3分間加熱し、膜厚10〜12μmの塗膜を形成した。次いで、縦型拡散炉(光洋サーモシステム株式会社製、商品名「μ−TF」)を用い、窒素中、温度200℃(昇温時間1時間)で2時間、塗膜を加熱処理(硬化)し、膜厚約10μmの硬化膜を得た。この硬化膜に以下に示すクロスカット試験を行って、ITO基板に対する密着性を評価した。まず、ITO基板上の硬化膜表面の中央に、カッターガイドを用いて直交する縦横11本ずつの平行線を1mmの間隔で引き、1cm2の中に100個の正方形ができるように碁盤目状の切り傷をつけ、傷の状態を評価した。なお、切り傷は、カッターナイフの刃先を硬化膜に対して35〜45度の範囲で一定の角度に保ち、硬化膜を貫通してITO基板に届くように切り傷1本について0.5秒かけて等速に引いた。きれいにITO基板に付着している正方形が多いほど、密着性に優れていることを示している。評価基準は以下に従ってA、B、C、Dの4段階で評価した結果を示している。
A:切り傷の交点、及び正方形の一目一目にはがれがなく、欠損部の面積が全正方形面積の1%未満である。
B:切り傷の交点にわずかなはがれがあって、正方形の一目一目にはがれがなく、欠損部の面積が全正方形面積の5%未満である。
C:切り傷の両側と交点にはがれがあって、欠損部の面積が全正方形面積の5〜50%である。
D:切り傷によるはがれの幅が上記○の評価を得たものよりも大きく、欠損部の面積が全正方形面積の50%よりも大きい。
(硬化後破断伸び、硬化後破断強度)
実施例1〜9及び比較例1〜5で得られた感光性樹脂組成物をシリコン基板上にスピンコートして、120℃で3分間加熱し、膜厚約11〜12μmの塗膜を形成した。その後、前記の塗膜をプロキシミティ露光機(キャノン株式会社製、商品名「PLA−600FA」)を用いて、マスクを介して全波長で露光を行った。露光後、TMAHの2.38質量%水溶液を用いて現像を行い、10mm幅の矩形パターンを得た。その後、矩形パターンを縦型拡散炉(光洋サーモシステム株式会社製、商品名「μ−TF」)を用い、窒素中、温度200℃(昇温時間1時間)で2時間、塗膜を加熱処理(硬化)し、膜厚約10μmの硬化膜を得た。
実施例1〜9及び比較例1〜5で得られた感光性樹脂組成物をシリコン基板上にスピンコートして、120℃で3分間加熱し、膜厚約11〜12μmの塗膜を形成した。その後、前記の塗膜をプロキシミティ露光機(キャノン株式会社製、商品名「PLA−600FA」)を用いて、マスクを介して全波長で露光を行った。露光後、TMAHの2.38質量%水溶液を用いて現像を行い、10mm幅の矩形パターンを得た。その後、矩形パターンを縦型拡散炉(光洋サーモシステム株式会社製、商品名「μ−TF」)を用い、窒素中、温度200℃(昇温時間1時間)で2時間、塗膜を加熱処理(硬化)し、膜厚約10μmの硬化膜を得た。
上述の方法で得た膜厚約10μmの硬化膜をシリコン基板から剥離し、剥離した膜の破断伸び及び破断強度を「オートグラフAGS−H100N」(株式会社島津製作所製)によって測定した。試料の幅は10mm、膜厚は9〜11μmであり、チャック間は20mmとした。引っ張り速度は5mm/分で、測定温度は20℃〜25℃とした。同一条件で得た硬化膜から得た5本以上の試験片の測定値の平均を「破断伸び」及び「破断強度」とした。測定された破断伸び及び破断強度を表2に示した。
破断伸びは大きいことが好ましく、20%以上であることがより好ましい。破断強度は大きいことが好ましく、80MPa以上がより好ましい。
(Tg、CTE)
上述の硬化後破断伸び、硬化後破断強度の評価と同様の方法で得た膜厚約10μmの硬化膜をシリコン基板から剥離し、剥離した硬化膜のガラス転移温度(Tg)、50〜150℃の平均熱膨張係数(CTE)を「TMA/SS600」(セイコーインスツル株式会社製)で測定した。測定の際、試料の幅は2mm、膜厚は約10μmであり、チャック間は10mmとした。荷重は10gで、昇温速度は5℃/分であった。Tgは高いことが好ましく、180℃以上がより好ましい。CTEは低いことが好ましく、100×10-6/K以下であることがより好ましい。
上述の硬化後破断伸び、硬化後破断強度の評価と同様の方法で得た膜厚約10μmの硬化膜をシリコン基板から剥離し、剥離した硬化膜のガラス転移温度(Tg)、50〜150℃の平均熱膨張係数(CTE)を「TMA/SS600」(セイコーインスツル株式会社製)で測定した。測定の際、試料の幅は2mm、膜厚は約10μmであり、チャック間は10mmとした。荷重は10gで、昇温速度は5℃/分であった。Tgは高いことが好ましく、180℃以上がより好ましい。CTEは低いことが好ましく、100×10-6/K以下であることがより好ましい。
表2から明らかなように、実施例1〜9の感光性樹脂組成物は現像時の未露光部溶解性が小さく、硬化時のパターンのダレが小さく、バンク表面の撥インク性とパターン開口部及び側壁部のインク濡れ広がり性に優れ、ITOとの密着性、機械特性及び熱特性に優れている。一方、(A)成分のヒドロキシスチレンのみのA4を用いた比較例1は未露光部の溶解性が高く、またそれに伴いバンク表面の撥インク性が悪い結果となった。(E)成分としてE2を用いた比較例2と(E)成分が無い比較例3は未露光部の溶解性は低いが、バンク表面の撥インク性が無い結果となった。(E)成分のE1の添加量を3部とした比較例4はバンク表面の撥インク性は優れているが、(E)成分の添加量が多すぎるため、バンク側壁部の濡れ広がり性が悪く、また塗布ムラも生じた。(D)成分が無い比較例5は露光部の溶解性が低いためパターンが開口せず、また膜が脆いため機械特性が低く、熱特性は測定自体が出来なかった。
1…ガラス基板、2…透明電極膜、3…バンク膜、100,200,300…構造体。
Claims (13)
- アルカリ可溶性樹脂と、光により酸を生成する化合物と、熱架橋剤と、アクリル樹脂と、界面活性剤とを含有し、以下の条件(i)を満足する感光性樹脂組成物。
(i)感光性樹脂組成物を基板上に塗布及び乾燥し樹脂膜を形成し、前記樹脂膜の一部を露光後、前記樹脂膜を現像してパターン樹脂膜を形成する現像工程において、露光部が完全に溶解したときの未露光部の残膜率が95%以上。 - 以下の条件(ii)を満足する請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
(ii)前記現像工程後、前記パターン樹脂膜を加熱しパターン硬化膜を形成した際のパターン形状角度が60°以上。 - 前記界面活性剤が、パーフルオロアルキル構造を有するオリゴマーを含む請求項1〜8のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
- 前記光により酸を生成する化合物が、o−キノンジアジド化合物を含む請求項1〜9のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
- インクジェット塗布に用いられる請求項1〜10のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
- 請求項1〜11のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物を基板に塗布及び乾燥し樹脂膜を形成する工程と、
前記樹脂膜の一部を露光する工程と、
露光後の前記樹脂膜をアルカリ水溶液により現像してパターン樹脂膜を形成する工程と、
前記パターン樹脂膜を加熱する工程とを有するパターン硬化膜の製造方法。 - 請求項12に記載の製造方法により基板上に形成されたパターン硬化膜を撥インク性バンク膜として備える有機EL用表示装置。
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