JP2015215449A - ポジ型感光性樹脂組成物、この樹脂組成物を用いた撥インク性バンク膜の形成方法、バンク膜を備える有機el用表示装置 - Google Patents

ポジ型感光性樹脂組成物、この樹脂組成物を用いた撥インク性バンク膜の形成方法、バンク膜を備える有機el用表示装置 Download PDF

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阿部 浩一
Koichi Abe
浩一 阿部
優 青木
Masaru Aoki
優 青木
政弘 橋本
Masahiro Hashimoto
政弘 橋本
粕谷 圭
Kei Kasuya
圭 粕谷
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Abstract

【課題】バンク上部の撥インク性と開口部のインク濡れ広がり性に優れ、かつ形状、ITO膜との密着性、低温硬化性及び機械特性に優れたバンク用撥インク性のポジ型感光性樹脂組成物を提供する。【解決手段】(A)特定の式で表される構造単位を有するアルカリ可溶性樹脂と、(B)光により酸を生成する化合物と、(C)熱架橋剤と、(D)アクリル樹脂と、(E)フッ素系界面活性剤とを含有するポジ型感光性樹脂組成物。(E)成分がさらに炭素数4〜6までのパーフルオロアルキル含有オリゴマーである前記のポジ型感光性樹脂組成物。【選択図】図3

Description

本発明は、インクジェット方式に対応可能な、撥インク性のポジ型感光性樹脂組成物と、撥インク性バンク膜の形成方法、並びにこの方法により形成されるバンク膜を備える有機EL(エレクトロルミネッセンス)用表示装置に関する。
近年、有機EL表示装置の大面積化と低コスト化の要求から、有機EL素子の発光層やカラーフィルターの形成にインクジェット法を用いた画素形成方法が提案されている。通常、画素形成には感光性樹脂組成物をフォトリソグラフィーによってパターニングし、画素と画素を仕切るバンク(「仕切部」または「隔壁」とも呼ばれる)を設け、バンクで囲まれた開口部に発光層及びレッド、グリーン、ブルーのそれぞれのインクをインクジェット法により噴射して画素を形成する。
しかし、インクジェット方式の場合、吐出されたインクがバンク上部を越えて隣接する画素に流出する等の問題が生じる場合があるため、バンクには、インクをはじく特性、すなわち撥インク性が要求されている。一方で、バンクで囲まれた画素形成の開口部には、吐出されたインクがボイド無く十分に濡れ広がる、相反する特性が要求される。さらに、バンクは、インクが十分に充填されるために必要な矩形の形状と、下地のITO(酸化インジウムスズ)膜との密着性、低温硬化性及び硬化後のバンク膜にクラックの発生がない十分な機械特性が要求される。
そこで、バンクに撥インク性を付与するために、フッ素系プラズマ処理を行う方法が提案されている(特許文献1参照)。また、フッ素系ポリマーを含むネガ型感光性樹脂組成物を使用し、撥インク性を有するバンクを形成する方法が提案されている(特許文献2参照)。
特開2000−353594号公報 特許第4474991号公報
上記特許文献1のフッ素系プラズマ処理方法は、真空中で行うため素子の生産性が著しく低下する課題があった。また、特許文献2のフッ素系ポリマーを含むネガ型感光性樹脂組成物をバンクとする方法は、露光時に発生する酸の拡散のためパターニング後の開口底部にすそを引きやすい傾向があり、さらに開口部はインクの濡れ広がり性が悪いためにボイドが発生しやすい傾向があった。
そこで、本発明は、バンク上部の撥インク性と開口部のインク濡れ広がり性に優れ、かつ形状、ITO膜との密着性、低温硬化性及び機械特性に優れたバンク用撥インク性のポジ型感光性樹脂組成物を提供することを目的とする。また、該樹脂組成物を用いた撥インク性バンク膜の形成方法、及びバンク膜を備える有機EL用表示装置を提供することを目的とする。
本発明は次のものに関する。
<1>(A)下記一般式(1)で表される構造単位を有するアルカリ可溶性樹脂と、
Figure 2015215449
(一般式(1)中、Rは水素原子又はメチル基を示し、Rは炭素数1〜10のアルキル基、アリール基、又はアルコキシ基を示し、nは1以上の整数を示し、aは0〜3の整数を示し、bは1〜3の整数を示す。)
(B)光により酸を生成する化合物と、(C)熱架橋剤と、(D)アクリル樹脂と、(E)フッ素系界面活性剤とを含有するポジ型感光性樹脂組成物。
<2>(E)成分がさらにパーフルオロアルキル含有オリゴマーである前記ポジ型感光性樹脂組成物。
<3>(A)成分がさらに下記一般式(2)で表される構造単位を有するアルカリ可溶性樹脂である、前記ポジ型感光性樹脂組成物。
Figure 2015215449
(一般式(2)中、Rは水素原子又はメチル基を示し、Rは炭素数1〜10のアルキル基、アリール基、又はアルコキシ基を示し、nは1以上の整数を示し、cは0〜3の整数を示す。)
<4>(B)成分がo−キノンジアジド化合物である、前記ポジ型感光性樹脂組成物。
<5>(D)成分がさらに下記一般式(3)で表される構造単位を有するアクリル樹脂である、前記ポジ型感光性樹脂組成物。
Figure 2015215449
(一般式(3)中、Rは水素原子又はメチル基を示し、Rは炭素数2〜20のヒドロキシアルキル基を示す。nは1以上の整数を示す。)
<6>前記ポジ型感光性樹脂組成物を基板の一部又は全面に塗布及び乾燥して塗布膜を得る塗布工程と、塗布膜の一部又は全面を露光する工程と、塗布膜の露光された部分をアルカリ水溶液により現像してパターンを有するバンク膜を形成する現像工程と、バンク膜を加熱する加熱工程とを有する撥インク性バンク膜の形成方法。
<7>前記の形成方法により基板上に形成された撥インク性バンク膜を備える有機EL用表示装置。
本発明によれば、バンク上部の撥インク性とパターニング後の開口部のインク濡れ広がり性に優れ、かつ形状、ITO膜との密着性、低温硬化性及び機械特性に優れたバンク用撥インク性ポジ型感光性組成物を提供することができる。また、該組成物を用いた撥インク性バンク膜の形成方法、並びにバンク膜を備える有機EL用表示装置を提供することができる。
有機EL素子のバンク製造工程の一例を示す断面図である。 有機EL素子のバンク製造工程の一例を示す断面図である。 有機EL素子のバンク製造工程の一例を示す断面図である。
本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
[感光性樹脂組成物]
本発明のポジ型感光性樹脂組成物は、(A)下記一般式(1)で表される構造単位を有するアルカリ可溶性樹脂と、
Figure 2015215449
(一般式(1)中、Rは水素原子又はメチル基を示し、Rは炭素数1〜10のアルキル基、アリール基、又はアルコキシ基を示し、nは1以上の整数を示し、aは0〜3の整数を示し、bは1〜3の整数を示す。)
(B)光により酸を生成する化合物と、(C)熱架橋剤と、(D)アクリル樹脂と、(E)フッ素系界面活性剤とを含有する撥インク性のポジ型感光性樹脂組成物である。以下、撥インク性ポジ型感光性樹脂組成物と表すこともある。
まず、撥インク性のポジ型感光性樹脂組成物が含有する各成分について説明する。
<(A)成分>
本発明の撥インク性ポジ型感光性樹脂組成物に用いられる(A)成分は、下記一般式(1)で表される構造単位を有するアルカリ可溶性樹脂である。
Figure 2015215449
(一般式(1)中、Rは水素原子又はメチル基を示し、Rは炭素数1〜10のアルキル基、アリール基、又はアルコキシ基を示し、nは1以上の整数を示し、aは0〜3の整数を示し、bは1〜3の整数を示す。)
本発明に用いられるアルカリ可溶性樹脂は一般式(1)で表される構造単位を有するモノマを重合させることで得られる。
一般式(1)で表される構造単位を有するモノマとしてはp−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、o−ヒドロキシスチレン、p−イソプロペニルフェノール、m−イソプロペニルフェノール、o−イソプロペニルフェノール等が挙げられる。これらのモノマはそれぞれ1種単独で、又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
本発明に用いられるアルカリ可溶性樹脂を得る方法に特に制限はないが、例えば、一般式(1)で示される構造単位を有するモノマの水酸基をt-ブチル基、アセチル基等で保護して水酸基を保護されたモノマとし、水酸基を保護されたモノマを重合して重合体を得て、さらに得られた重合体を、公知の方法(酸触媒下で脱保護してヒドロキシスチレン系構造単位に変換すること等)により得られる。
本発明の(A)成分は、一般式(1)で表される構造単位を有するモノマのみからなる重合体又は共重合体であってもよく、一般式(1)で表される構造単位を有するモノマ以外のモノマとの共重合体であってもよい。(A)成分が共重合体である場合、共重合体中の一般式(1)で示される構造単位の割合は、露光部のアルカリ現像液に対する溶解性の観点から、(A)成分100モル%に対し、(A)成分10〜100モル%が好ましく、20〜97モル%がより好ましく、30〜95モル%がさらに好ましい。
本発明の(A)成分は、未露光部のアルカリ現像液に対する阻害性、現像後のバンク膜パターン形状、及び加熱後のバンク膜の機械物性の観点から,さらに下記一般式(2)で表される構造単位を有するアルカリ可溶性樹脂であることが好ましい。
Figure 2015215449
(一般式(2)中、Rは水素原子又はメチル基を示し、Rは炭素数1〜10のアルキル基、アリール基、又はアルコキシ基を示し、nは1以上の整数を示し、cは0〜3の整数を示す。)
一般式(2)で表される構造単位を有するアルカリ可溶性樹脂は、一般式(2)で表される構造単位を有するモノマを用いることで得られる。一般式(2)で表される構造単位を有するモノマとしては、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、o−メトキシスチレン、m−メトキシスチレン、p−メトキシスチレン等の芳香族ビニル化合物が挙げられる。これらのモノマはそれぞれ1種単独で、または2種類以上を組み合わせて使用することができる。
(A)成分が一般式(2)で示される構造単位を有するアルカリ可溶性樹脂である場合、未露光部のアルカリ現像液に対する溶解阻害性、現像後のバンク膜パターン形状、及び加熱後のバンク膜の機械物性の観点から、一般式(2)で示される構造単位の割合は(A)成分100モル%に対し、1〜90モル%が好ましく、3〜80モル%がより好ましく、5〜70モル%がさらに好ましい。
(A)成分の分子量は、アルカリ水溶液に対する溶解性、感光特性及び加熱後の機械物性のバランスを考慮すると、重量平均分子量で1,000〜500,000が好ましく、2,000〜200,000がより好ましく、2,000〜100,000であることがさらに好ましい。ここで、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定し、標準ポリスチレン検量線より換算して得た値である。
<(B)成分>
本発明の撥インク性ポジ型感光性樹脂組成物は、(B)光により酸を生成する化合物を含有する。(B)成分は、本発明の組成物において感光剤として用いられ、光照射により酸を生成させ、光照射した部分のアルカリ水溶液への可溶性を増大させる機能を有する。(B)成分の具体例としては、o−キノンジアジド化合物、アリールジアゾニウム塩、ジアリールヨードニウム塩、トリアリールスルホニウム塩が挙げられる。(B)成分は、これらの化合物のうちの1種のみからなるものであってもよく、また2種以上を含んで構成されるものであってもよい。これらの中で、感度が高いことから、o−キノンジアジド化合物が好ましい。
o−キノンジアジド化合物としては、例えば、o−キノンジアジドスルホニルクロリドと、ヒドロキシ化合物及び/又はアミノ化合物等とを脱塩酸剤の存在下で縮合反応させることで得られるものを用いることができる。
反応に用いられるo−キノンジアジドスルホニルクロリドとしては、例えば、ベンゾキノン−1,2−ジアジド−4−スルホニルクロリド、ナフトキノン−1,2−ジアジド−5−スルホニルクロリド、ナフトキノン−1,2−ジアジド−6−スルホニルクロリドが挙げられる。
反応に用いられるヒドロキシ化合物としては、例えば、ヒドロキノン、レゾルシノール、ピロガロール、ビスフェノールA、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−[4−{1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル}フェニル]エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,4´−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2´,4,4´−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,2´,3´−ペンタヒドロキシベンゾフェノン,2,3,4,3´,4´,5´−ヘキサヒドロキシベンゾフェノン、ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)プロパン、4b,5,9b,10−テトラヒドロ−1,3,6,8−テトラヒドロキシ−5,10−ジメチルインデノ[2,1−a]インデン、トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタンが挙げられる。
反応に用いられるアミノ化合物としては、例えば、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、4,4´−ジアミノジフェニルエーテル、4,4´−ジアミノジフェニルメタン、4,4´−ジアミノジフェニルスルホン、4,4´−ジアミノジフェニルスルフィド、o−アミノフェノール、m−アミノフェノール、p−アミノフェノール、3,3´−ジアミノ−4,4´−ジヒドロキシビフェニル、4,4´−ジアミノ−3,3´−ジヒドロキシビフェニル、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンが挙げられる。
これらの中でも特に、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−[4−{1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル}フェニル]エタンと1−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホニルクロリドとを縮合反応して得られたもの、トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン又はトリス(4−ヒドロキシフェニル)エタンと1−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホニルクロリドとを縮合反応して得られたものを用いることが好ましい。
反応に用いられる脱塩酸剤としては、例えば、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化カリウム、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジンが挙げられる。また、反応溶媒としては、例えば、ジオキサン、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、N−メチルピロリドンが用いられる。
o−キノンジアジドスルホニルクロリドと、ヒドロキシ化合物及び/又はアミノ化合物との配合は、o−キノンジアジドスルホニルクロリド1モルに対して、ヒドロキシ基とアミノ基とのモル数の合計が0.5〜1モルになるように配合されることが好ましい。脱塩酸剤とo−キノンジアジドスルホニルクロリドの好ましい配合割合は、0.95/1モル〜1/0.95モル当量の範囲である。
なお、上述の反応の好ましい反応温度は0〜40℃、好ましい反応時間は1〜10時間である。
(B)成分の含有量は、露光部と未露光部の溶解速度差が大きくなり、感度がより良好となる点から、(A)成分100質量部に対して3〜100質量部が好ましく、5〜50質量部がより好ましく、5〜30質量部がさらに好ましく、5〜25質量部とすることが特に好ましい。(A)成分100質量部に対して3質量部を下回ると溶解速度差が小さくなり、感度が低下する傾向がある。また、100質量部を超えると、現像後の残渣が多くなり、十分に解像できない傾向がある。
<(C)成分)>
本発明の感光性樹脂組成物は(C)熱架橋剤を含有する。(C)成分である熱架橋剤は、パターンを有するバンク膜を加熱して硬化する際に、(A)成分と反応して橋架け構造を形成しうる構造を有する化合物である。これにより、膜の脆さや膜の溶融を防ぎ矩形の形状を保持することができる。(C)成分としては、例えば、フェノール性水酸基を有する化合物、ヒドロキシメチルアミノ基を有する化合物、エポキシ基を有する化合物が挙げられる。
尚、ここでいう「フェノール性水酸基を有する化合物」には、(A)アルカリ可溶性樹脂は包含されない。熱架橋剤としてのフェノール性水酸基を有する化合物は、熱架橋剤としてだけでなく、アルカリ水溶液で現像する際の露光部の溶解速度を増加させ、感度を向上させることができる。このようなフェノール性水酸基を有する化合物の重量平均分子量は、アルカリ水溶液に対する溶解性、感光特性及び機械特性のバランスを考慮して、2000以下であることが好ましく、94〜2000であることがより好ましく、108〜2000であることがさらに好ましく、108〜1500であることが特に好ましい。
フェノール性水酸基を有する化合物としては、従来公知のものを用いることができるが、下記一般式(4)で表される化合物が、露光部の溶解促進効果とパターンを有するバンク膜の硬化時の溶融を防止する効果のバランスに優れているため好ましい。
Figure 2015215449

(一般式(4)中、Xは単結合又は2価の有機基を示し、R、R、R及びR10はそれぞれ独立に水素原子又は1価の有機基を示し、s及びtはそれぞれ独立に1〜3の整数を示し、u及びvはそれぞれ独立に0〜4の整数を示す。)
一般式(4)において、Xが単結合である化合物は、ビフェノール(ジヒドロキシビフェニル)誘導体である。また、Xで示される2価の有機基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基等の炭素数が1〜10のアルキレン基、エチリデン基等の炭素数が2〜10のアルキリデン基、フェニレン基等の炭素数が6〜30のアリーレン基、これらの炭化水素基の水素原子の一部又は全部をフッ素原子等のハロゲン原子で置換した基、スルホニル基、カルボニル基、エーテル結合、チオエーテル結合、アミド結合などが挙げられる。
ヒドロキシメチルアミノ基を有する化合物としては、(ポリ)(N−ヒドロキシメチル)メラミン、(ポリ)(N−ヒドロキシメチル)グリコールウリル、(ポリ)(N−ヒドロキシメチル)ベンゾグアナミン、(ポリ)(N−ヒドロキシメチル)尿素等の活性メチロール基の全部又は一部をアルキルエーテル化した含窒素化合物が挙げられる。ここで、アルキルエーテルのアルキル基としてはメチル基、エチル基、ブチル基等が挙げられ、一部自己縮合してなるオリゴマー成分を含有していてもよい。具体的には、ヘキサキス(メトキシメチル)メラミン、ヘキサキス(ブトキシメチル)メラミン、テトラキス(メトキシメチル)グリコールウリル、テトラキス(ブトキシメチル)グリコールウリル、テトラキス(メトキシメチル)尿素が挙げられる。
エポキシ基を有する化合物としては、従来公知のものを用いることができる。その具体例として、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、グリシジルアミン、複素環式エポキシ樹脂、ポリアルキレングリコールジグリシジルエーテルが挙げられる。
(C)成分として、上述した以外に、ビス[3,4−ビス(ヒドロキシメチル)フェニル]エーテル、1,3,5−トリス(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)ベンゼン等のヒドロキシメチル基を有する芳香族化合物、ビス(4−マレイミドフェニル)メタンや2,2−ビス[4−(4´−マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパン等のマレイミド基を有する化合物、ノルボルネン骨格を有する化合物、多官能アクリレート化合物、オキセタニル基を有する化合物、ビニル基を有する化合物、ブロック化イソシアナート化合物を用いることができる。
上述した(C)成分の中で、感度、解像性及び耐熱衝撃性をより向上できる点から、フェノール性水酸基を有する化合物、ヒドロキシメチルアミノ基を有する化合物を用いることが好ましく、ヒドロキシメチルアミノ基を有する化合物がより好ましく、ヒドロキシメチルアミノ基の全部又は一部をアルキルエーテル化したアルコキシメチルアミノ基を有する化合物がさらに好ましく、ヒドロキシメチルアミノ基の全部をアルキルエーテル化したアルコキシメチルアミノ基を有する化合物が特に好ましい。
上記ヒドロキシメチルアミノ基の全部をアルキルエーテル化したアルコキシメチルアミノ基を有する化合物の中でも、下記一般式(5)で表される化合物が特に好ましい。
Figure 2015215449
(式(5)中、R11〜R16は、それぞれ独立に炭素数1〜10のアルキル基を示す。)
(C)成分の含有量は、露光部と未露光部の溶解速度差が大きくなり、感度がより良好となる点と耐熱衝撃性の点から、(A)成分100質量部に対して1〜50質量部が好ましく、2〜40質量部がより好ましく、3〜30質量部がさらに好ましく、5〜20質量部とすることが特に好ましい。1質量部を下回ると溶解速度差が小さいために感度が低下する傾向があり、50質量部を超えると加熱後の硬化反応が進行し膜が脆くなる傾向がある。
<(D)成分>
本発明の感光性樹脂組成物は、(D)アクリル樹脂を含有する。(D)成分を含有することにより、(A)成分フェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂との相互作用が良好になり、感光特性と耐熱衝撃性を向上することができる。(D)成分は、1種のアクリル樹脂のみからなるものであってもよく、2種以上のアクリル樹脂を含むものであってもよい。さらに、本発明の(D)成分は、未露光部のアルカリ現像液に対する阻害性、パターン硬化膜の形状及び機械物性の観点から,さらに下記一般式(3)で表される構造単位を有するアクリル樹脂を含有することが好ましい。
Figure 2015215449
(一般式(3)中、Rは水素原子又はメチル基を示し、Rは炭素数2〜20のヒドロキシアルキル基を示す。nは1以上の整数を示す。)
(D)成分は上記一般式(3)で表される構造単位を含むことで、(D)成分と(A)成分フェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂との相互作用が良好になり、相溶性が向上するため、バンク膜の基板への密着性、感光特性、解像性、すそ引きの無い良好な矩形形状及び耐熱衝撃性を向上することができる。
一般式(3)中、(A)成分との相溶性及び耐熱衝撃性をより向上できる点から、Rが炭素数2〜20のヒドロキシアルキル基が好ましく、炭素数2〜15のヒドロキシアルキル基がより好ましく、炭素数2〜10のヒドロキシアルキル基が特に好ましい。Rで示される炭素数1〜20のアルキル基としては、例えば、ヒドロキエチル基、ヒドロキシプロピル基、ヒドロキシブチル基、ヒドロキシペンチル基、ヒドロキシヘキシル基、ヒドロキシヘプチル基、ヒドロキシオクチル基、ヒドロキシノニル基、ヒドロキシデシル基、ヒドロキシウンデシル基、ヒドロキシドデシル基(ラウリル基という場合もある)、ヒドロキシトリデシル基、ヒドロキシテトラデシル基、ヒドロキシペンタデシル基、ヒドロキシヘキサデシル基、ヒドロキシヘプタデシル基、ヒドロキシオクタデシル基、ヒドロキシノナデシル基、ヒドロキシエイコシル基及びこれらの構造異性体が挙げられる。
一般式(3)で表される構造単位を有するアクリル樹脂を与えるモノマとしては、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステルが挙げられる。
このような(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステルとしては、例えば、下記一般式(6)で表される化合物が挙げられる。
CH=C(R)−COOR …(6)
(一般式(6)中、Rは水素原子又はメチル基を示し、Rは炭素数2〜20のヒドロキシアルキル基を示す。)
一般式(6)で表されるモノマ体としては、例えば、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルエステル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピルエステル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチルエステル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシペンチルエステル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシヘプチルエステル、(メタ)アクリルヒドロキシ酸オクチルエステル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシノニルエステル、(メタ)アクリルヒドロキシ酸デシルエステル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシウンデシルエステル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシドデシルエステル((メタ)アクリル酸ヒドロキシラウリルエステルという場合もある)、(メタ)アクリル酸ヒドロキシトリデシルエステル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシテトラデシルエステル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシペンタデシルエステル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシヘキサデシルエステル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシヘプタデシルエステル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシオクタデシルエステル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシノナデシルエステル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエイコシルエステルが挙げられる。これらのモノマは単独で又は2種類以上を組み合わせて用いられる。
本発明の(D)成分である一般式(3)で表される構造単位を有するアクリル樹脂は、一般式(3)で表される構造単位のみからなるアクリル樹脂であっても良く、一般式(3)で表される構造単位以外の構造単位を有するアクリル樹脂であってもよい。一般式(3)で表される構造単位以外の構造単位を有するアクリル樹脂である場合、アクリル樹脂中の一般式(3)で表される構造単位の割合は、(D)成分の総量に対して、0.1〜30モル%であることが好ましく、0.3〜20モル%であることがより好ましく、0.5〜10モル%であることがさらに好ましい。上記一般式(3)で表される構造単位の組成比が0.1〜30モル%であることにより、(A)成分との相溶性及びパターン硬化膜の耐熱衝撃性をより向上することができる。
本発明の(D)成分はさらに下記一般式(7)で表される構造単位を有するアクリル樹脂であることが好ましい。
Figure 2015215449
(一般式(7)中、R17は水素原子又はメチル基を示し、R18は1級、2級又は3級アミノ基を有する1価の有機基を示す。nは1以上の整数を示す。)
(D)成分が一般式(7)で表される構造単位を有することで、未露光部の現像液に対する溶解阻害性をより向上できる。
一般式(7)で表される構造単位を有するアクリル樹脂を与えるモノマとしては、例えば、アミノエチル(メタ)アクリレート、N−メチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−エチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、アミノプロピル(メタ)アクリレート、N−メチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N−エチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ピペリジン−4−イル(メタ)アクリレート、1−メチルピペリジン−4−イル(メタ)アクリレート、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル(メタ)アクリレート、1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル(メタ)アクリレート、(ピペリジン−4−イル)メチル(メタ)アクリレート、2−(ピペリジン−4−イル)エチル(メタ)アクリレートが挙げられる。これらのモノマは単独で又は2種類以上を組み合わせて用いられる。これらの中でも、加熱後のバンク膜の基板への密着性、機械特性及び耐熱衝撃性をより向上できる観点から、一般式(7)中、R18が下記一般式(8)で表される1価の有機基であることが特に好ましい。
Figure 2015215449
(一般式(8)中、Yは炭素数1〜5のアルキレン基を示し、R19〜R23は各々独立に水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基を示し、nは0〜10の整数を示す。)
一般式(7)中、R18が一般式(8)で表される1価の有機基で表される構造単位を与える重合性単量体としては、例えば、ピペリジン−4−イル(メタ)アクリレート、1−メチルピペリジン−4−イル(メタ)アクリレート、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル(メタ)アクリレート、1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル(メタ)アクリレート、(ピペリジン−4−イル)メチル(メタ)アクリレート、2−(ピペリジン−4−イル)エチル(メタ)アクリレートが挙げられる。これらの中で、1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イルメタクリレートはFA−711MMとして、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イルメタクリレートはFA−712HMとして(いずれも日立化成株式会社製)として、それぞれ商業的に入手可能であるため好ましい。
(D)アクリル樹脂が一般式(7)で表される構造単位を有する場合、一般式(7)で表される構造単位の割合は、(A)成分との相溶性と現像液に対する溶解性の点から、(D)成分の総量に対して、0.3〜10モル%であることが好ましく、0.4〜6モル%であることがより好ましく、0.5〜5モル%であることが特に好ましい。
(D)成分の重量平均分子量は、2000〜100000であることが好ましく、3000〜60000であることがより好ましく、5000〜50000であることがさらに好ましく、10000〜40000であることが特に好ましい。重量平均分子量が2000以上では硬化膜の耐熱衝撃性をより向上でき、100000以下であると(A)成分との相溶性及び現像性をより向上できる。ここで、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定し、標準ポリスチレン検量線より換算して得た値である。
(D)成分の含有量は、感度、解像度、密着性、機械特性及び耐熱衝撃性のバランスの観点から、(A)成分100質量部に対して1〜50質量部が好ましく、3〜30質量部がより好ましく、5〜20質量部がさらに好ましい。
<(E)成分)>
本発明の撥インク性ポジ型感光性樹脂組成物は、(E)フッ素系界面活性剤を含有する。(E)成分であるフッ素系界面活性剤は、パターンを有するバンク膜を加熱して硬化した後に、バンク上部面に撥インク性を発現し、一方で、バンクに仕切られた開口部はインクの濡れ広がる特性を阻害しない化合物である。これにより、隣接する画素間のインクにじみを防止すると同時に、開口部ではインクを十分に充填することができる。
(E)成分としては、例えば、アニオン性・カチオン性のイオン性フッ素系化合物、エチレンオキシド基を有する非イオン性フッ素系化合物、パーフルオロアルキル基を有する(メタ)アクリルレートモノマーからなるオリゴマー化合物が挙げられる。市販品としては、フロラードFC4430、FC4432(住友スリーエム株式会社、商品名)、サーフロンS−211、S−221、S−241、S−420、S−611、S−652(AGCセイミケミカル株式会社製、商品名、「サーフロン」は登録商標)が挙げられる。
このようなフッ素系界面活性剤は、組成物溶液に対する溶解性、硬化後のバンク上部面の撥インク性を保持する観点から、S−420、S−611、S−652のパーフルオロアルキル基を有する(メタ)アクリルレートモノマーからなるオリゴマー化合物が好ましく、さらに、バンクに仕切られた開口部のインク濡れ広がり性の観点から、S−652の炭素数4〜6のパーフルオロアルキル基を有する(メタ)アクリルレートモノマーからなるオリゴマー化合物が特に好ましい。
<その他の成分>
本発明の撥インク性ポジ型感光性樹脂組成物は、上記(A)〜(E)成分以外に、エラストマー、加熱により酸を生成する化合物、溶解促進剤、溶解阻害剤、及びカップリング剤等の成分を含有してもよい。
(エラストマー)
エラストマーとしては、従来公知のものを用いることができるが、エラストマーを構成する重合体のガラス転移温度(Tg)が20℃以下であることが好ましい。
このようなエラストマーとしては、例えば、スチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、ウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、及びシリコーン系エラストマーが挙げられる。また、エラストマーは、微粒子状のエラストマーであってもよい。これらのエラストマーは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
エラストマーを用いる場合の含有量は、(A)成分100質量部に対して、1〜50質量部が好ましく、2〜30質量部がより好ましく、5〜20質量部がさらに好ましい。
(加熱により酸を生成する化合物)
加熱により酸を生成する化合物を用いることにより、パターンを有するバンク膜を加熱する際に酸を発生させることが可能となり、(A)成分と(C)成分との反応、すなわち熱架橋反応が促進され、バンク膜の耐熱性が向上する。また、加熱により酸を生成する化合物は光照射によっても酸を発生するため、露光部のアルカリ水溶液への溶解性が増大する。よって、未露光部と露光部とのアルカリ水溶液に対する溶解性の差がさらに大きくなり解像度がより向上する。
このような加熱により酸を生成する化合物は、例えば、50〜250℃まで加熱することにより酸を生成するものであることが好ましい。加熱により酸を生成する化合物の具体例としては、オニウム塩等の強酸と塩基とから形成される塩や、イミドスルホナートが挙げられる。
加熱により酸を生成する化合物を用いる場合の含有量は、(A)成分100質量部に対して、0.1〜30質量部が好ましく、0.2〜20質量部がより好ましく、0.5〜10質量部が特に好ましい。
(溶解促進剤)
溶解促進剤を上述の撥インク性ポジ型感光性樹脂組成物に配合することによって、アルカリ水溶液で現像する際の露光部の溶解速度を増加させ、感度及び解像性を向上させることができる。溶解促進剤としては従来公知のものを用いることができる。その具体例としては、カルボキシル基、スルホン酸、スルホンアミド基を有する化合物が挙げられる。
このような溶解促進剤を用いる場合の含有量は、アルカリ水溶液に対する溶解速度によって決めることができ、例えば、(A)成分100質量部に対して、0.01〜30質量部とすることができる。
(溶解阻害剤)
溶解阻害剤を(A)成分のアルカリ水溶液に対する溶解性を阻害する化合物であり、残膜厚、現像時間やコントラストをコントロールするために用いられる。その具体例としては、ジフェニルヨードニウムニトラート、ビス(p−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムニトラート、ジフェニルヨードニウムブロミド、ジフェニルヨードニウムクロリド、ジフェニルヨードニウムヨージドが挙げられる。溶解阻害剤を用いる場合の含有量は、感度と現像時間の許容幅の点から、(A)成分100質量部に対して0.01〜20質量部が好ましく、0.01〜15質量部がより好ましく、0.05〜10質量部が特に好ましい。
(カップリング剤)
カップリング剤を撥インク性ポジ型感光性樹脂組成物に配合することによって、形成されるバンク膜の基板との接着性をより高めることができる。カップリング剤としては、例えば、有機シラン化合物、アルミキレート化合物等が挙げられる。
カップリング剤を用いる場合の含有量は、(A)成分100質量部に対して、0.1〜20質量部が好ましく、0.5〜10質量部がより好ましい。
[撥インク性バンク膜の形成方法]
本発明の撥インク性バンク膜の形成方法は、上述した撥インク性ポジ型感光性樹脂組成物を基板の一部又は全面に塗布及び乾燥して塗布膜を得る塗布工程と、塗布膜の一部又は全面を露光する工程と、塗布膜の露光された部分をアルカリ水溶液により現像してパターンを有するバンク膜を形成する現像工程と、バンク膜を加熱する加熱工程とを有する。以下、各工程について説明する。
<塗布・乾燥(成膜)工程>
先ず、撥インク性ポジ型感光性樹脂組成物を塗布する基板を用意する。基板としては、表面が、平坦なものであっても、ITO電極等が形成され凹凸を有しているものであってもよい。基板の材料としては、例えば、ガラス、金属板、金属箔、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリアクリル、ナイロン、ポリエーテルサルフォン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、トリアセチルセルロース等が挙げられる。また、この有機高分子等が、フィルム状になっているものを、基板として用いることもできる。
該組成物は、基板上に従来公知の方法によって塗布することが可能である。塗布方法の具体例としては、スピンコート法、スプレー法、ロールコート法、バーコート法、スリット塗布法等が挙げられる。これらの中で、一般に成膜性及び膜厚均一性に優れるスピンコート法及びスリット法により、撥インク性ポジ型感光性樹脂組成物を塗布することが好ましい。
例えば、スピンコート法を用いる場合には、好ましくは500〜4000min−1、より好ましくは、600〜3000min−1で、基板上に撥インク性ポジ型感光性樹脂組成物をスピンコートして塗膜を形成する。この回転数が、500min−1未満では、徐々に膜均一性が悪化する傾向があり、4000min−1を超えると、徐々に成膜性が悪化するおそれがある。
このようにして形成される塗膜の膜厚は、例えば次のようにして調整することができる。
まず、スピンコートの際に、回転数と塗布回数を調整することにより、塗膜の膜厚を調整することができる。即ち、スピンコートの回転数を下げたり、塗布回数を増やしたりすることで、塗膜の膜厚を厚くすることができる。
以上のようにして、塗膜の膜厚を調整することにより、最終生成物である加熱後のバンク膜の膜厚を調整することができる。バンク膜の好適な膜厚は、0.1〜10μmであることが好ましく、0.1〜5μmであることがより好ましく、0.1〜3μmであることが更に好ましい。
上述のようにして、基板上に塗膜を形成した後に、塗膜を乾燥して、塗膜中の有機溶媒を除去する。乾燥には、従来公知の方法を用いることができ、例えば減圧乾燥装置やホットプレートをそれぞれ単独で、あるいは併用して乾燥することができる。
例えば、ホットプレートを用いて乾燥する場合は、乾燥温度は、50〜150℃であることが好ましく、70〜140℃がより好ましく、80℃〜130℃が更に好ましい。この乾燥温度が、50℃未満では、有機溶媒の除去が十分に行われない傾向がある。また、乾燥温度が、150℃を超えると塗膜中の感光剤が分解して透過率が低下したり、塗膜の硬化が進行することによる、現像液に対する溶解性が低下して、感度低下や解像性低下を伴う傾向にある。
また、塗布工程により基板上に塗膜を形成した後で、ホットプレート等で、膜中の溶媒を除去する前に、減圧乾燥工程を有してもよい。この減圧乾燥により、成膜したときの面内膜厚ばらつきが小さくなったり、現像後の膜厚ばらつきが小さくなる効果がある。
減圧乾燥装置を用いて乾燥する場合は、減圧度は、150Pa以下が好ましく、100Pa以下がより好ましく、50Pa以下が更に好ましく、20Pa以下が極めて好ましい。また、減圧乾燥の温度は、0℃〜120℃が好ましく、10℃〜100℃がより好ましく、20℃〜80℃が更に好ましい。減圧度が、150Paよりも大きいと、溶媒の除去が十分でないことがある。また、温度が120℃よりも高いと、面内の膜厚ばらつきが大きくなり、0℃未満だと溶媒の除去が不十分になる傾向がある。
<露光工程>
次に、得られた塗膜の所定部分を露光する。塗膜の所定部分を露光する方法としては、従来公知の方法を用いることができ、例えば、所定のパターンのマスクを介して塗膜に放射線を照射することにより、所定部分を露光することができる。
ここで用いられる放射線としては、例えばg線(波長436nm)、h線(波長405nm)、i線(波長365nm)あるいはghi線が混合された紫外線、KrFエキシマレーザー等の遠紫外線、シンクロトロン放射線等のX線、電子線等の荷電粒子線が挙げられる。これらのうち、g線、h線及びi線が好ましい。露光量としては、通常10〜1000mJ/cm、好ましくは20〜500mJ/cmである。なお、露光後、必要に応じて露光後加熱(PEB)を行うこともできる。露光後加熱を行なう場合の温度は70℃〜140℃、露光後加熱の時間は1分〜5分が好ましい。
<現像工程>
続いて、塗膜の露光された所定部分(以下、「露光部」とも言う。)を除去して、所定のパターンを有する塗膜を得る。塗膜の露光部を除去する方法としては、従来公知の方法を用いることができ、例えば、現像液を用いて現像処理して露光部を除去することにより、所定のパターンを有する塗膜を得ることができる。
ここで用いられる現像液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、硅酸ナトリウム、アンモニア水等の無機アルカリ類、エチルアミン、n−プロピルアミン等の第一級アミン類、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン等の第二級アミン類、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン等の第三級アミン類、ジメチルエタノ−ルアミン、トリエタノ−ルアミン等のアルコ−ルアミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、コリン等の第四級アンモニウム塩又はピロ−ル、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ−(5.4.0)−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ−(4.3.0)−5−ノナン等の環状アミン類を、水に溶解したアルカリ水溶液が、好ましく使用される。
また現像液には、水溶性有機溶媒、例えばメタノ−ル、エタノ−ル等のアルコ−ル類や、界面活性剤を適量添加して、使用することもできる。さらに本発明の感光性樹脂組成物を溶解する各種有機溶媒も、現像液として使用することができる。
現像方法としては、液盛り法、ディッピング法、揺動浸漬法等の適宜な方法を利用することができる。現像処理後に、パターニングされた膜に対し、例えば流水洗浄によるリンス処理を行ってもよい。
<加熱工程>
最後に、現像工程後に残ったパターンを有する塗膜を加熱して最終硬化を行う。この加熱工程により、最終生成物である撥インク性を有するバンク膜が得られる。加熱処理工程における加熱温度は、例えば、100〜250℃であることが好ましく、150〜225℃であることがより好ましく、170〜210℃であることが特に好ましい。この加熱温度が、100℃未満では、十分に塗膜が硬化されない傾向にあり、250℃を超えると、撥インク性を発現するフッ素系界面活性剤の熱による劣化が生じる恐れがある。
尚、加熱工程は、大気中で行うことも可能であるが、得られるバンク膜の酸化劣化を生じる恐れがあるため、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性雰囲気下で行うのが好ましく、この場合、酸素濃度が、1000ppm以下であるとより好ましい。また、加熱時間は、30〜240分が好ましく、30〜180分であるとより好ましい。この加熱時間が、30分未満では、十分に塗膜が硬化されない傾向にあり、240分を超えると、入熱量が過度に増大して、フッ素系界面活性剤の熱による劣化が生じる恐れがある。
更に、加熱のための装置としては、石英チューブ炉、その他の炉、ホットプレート、ラピッドサーマルアニール(RTA)等の加熱処理装置又は電子線(EB)、紫外線(UV)を併用した加熱処理装置を用いることができる。
上述の工程を経て形成された撥インク性バンク膜は、充分に高い感度及び解像度で、撥インク性と開口部のインク濡れ広がり性、パターン形状、ITOへの密着性及び耐熱衝撃性に優れる。
[バンク膜を備える有機EL用表示装置]
上述の工程を経て形成された撥インク性バンク膜は、インクジェット方式に対応可能な有機EL用表示装置のバンク膜として好適に使用できる。
ここで、有機EL素子のバンク製造工程の一例を図1〜3に基づいて説明する。
まず、図1に示す構造体100を準備する。構造体100は、ガラス基板1と、ITO等の透明電極膜2とを備える。
次に、透明電極膜2上に、本実施形態のバンク膜3は次のようにして形成する。まず撥インク性ポジ型感光性樹脂組成物をスピンコート法により透明電極膜2上に塗布し、乾燥して塗膜を形成することにより、図2に示す構造体200を得る。
さらに、パターンを描いたマスクを介して光照射した後、アルカリ水溶液にて現像してパターンを有する塗膜を形成する。その後、パターン膜を加熱により硬化することで、パターンを有するバンク膜3が形成され、図3に示す構造体300を得る。
[有機EL表示装置]
本発明の有機EL表示装置は、本発明の撥インク性バンク膜を有する。有機EL表示装置とは、例えば、有機ELテレビ、有機EL携帯電話、有機ELパソコン等が挙げられる。
以下に、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
本発明で用いた材料について以下に示す。
[(A)成分]
A1:p−t−ブトキシスチレンとスチレンとを、モル比85:15の割合で合計100質量部用意し、これらをプロピレングリコールモノメチルエーテル150質量部に溶解し、窒素雰囲気下、反応温度を70℃に保持して、アゾビスイソブチロニトリル4質量部を用いて10時間重合させた。その後、反応溶液に硫酸を加えて反応温度を90℃に保持して10時間反応させ、p−t−ブトキシスチレンを脱保護してヒドロキシスチレンに変換した。得られた共重合体に酢酸エチルを加え、水洗を5回繰り返し、酢酸エチル相を分取し、溶剤を除去して、p−ヒドロキシスチレン/スチレン共重合体を得た。この共重合体の分子量をゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定したところ、ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)が10,000であった。また、13C−NMR分析の結果、p−ヒドロキシスチレンとスチレンとの共重合モル比は85:15であった。
A2:p−t−ブトキシスチレンのみ100質量部をプロピレングリコールモノメチルエーテル150質量部に溶解させた以外は、合成例1と同様にして、p−ヒドロキシスチレン単独重合体を得た。この単独重合体の重量平均分子量は10,000であった。
A3:4−ヒドロキシスチレン/メタクリル酸メチル=50/50(モル比)の共重合体(ポリスチレン換算重量平均分子量=10000、丸善石油化学株式会社製、商品名「マルカリンカーCMM」、「マルカリンカー」は登録商標)
A´4:クレゾールノボラック樹脂(クレゾール/ホルムアルデヒドノボラック樹脂、m−クレゾール/p−クレゾール(モル比)=60/40、ポリスチレン換算重量平均分子量=12000、旭有機材工業株式会社製、商品名「EP4020G」)
なお、(A)成分の重量平均分子量は、それぞれゲル浸透クロマトグラフィー法を用いて、標準ポリスチレン換算により求めた。
測定装置:検出器 株式会社日立製作所製L4000UV
ポンプ:株式会社日立製作所製L6000
株式会社島津製作所製C−R4A Chromatopac
測定条件:カラム GELpack GL−S300MDT−5×2本
溶離液:THF/DMF=1/1(容積比)
LiBr(0.03mol/l)、HPO(0.06mol/l)
流速:1.0ml/分、検出器:UV270nm
ポリマー0.1mgに対して溶媒[THF]1mlの溶液を用いて測定した。
[(B)成分]
B1:1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−[4−{1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル}フェニル]エタンの1−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸エステル(エステル化率約90%、AZエレクトロニックマテリアルズ社製、商品名「TPPA528」)
B2:トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタンの1−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸エステル(エステル化率約95%)
[(C)成分]
C1:ヘキサキス(メトキシメチル)メラミン(三和ケミカル株式会社製、商品名「ニカラックMW−30HM、「ニカラック」は登録商標」、下記式(C1)で表される化合物)
Figure 2015215449
C2:1,1−ビス{3,5−ビス(メトキシメチル)−4−ヒドロキシフェニル}メタン(本州化学工業株式会社製、商品名「TMOM−pp−BPF」、下記式(C2)で表される化合物)
Figure 2015215449
[(D)成分]
攪拌機、窒素導入管及び温度計を備えた100mlの三口フラスコに、乳酸エチル55gを秤取し、別途に秤取した重合性単量体(アクリル酸ブチルエステル(BA)34.7g、アクリル酸ラウリルエステル(DDA)2.2g、アクリル酸(AA)3.9g、アクリル酸ヒドロキシブチルエステル(HBA)2.6g及び1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イルメタクリレート(商品名:FA−711MM、日立化成株式会社製)1.7g)、並びにアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.29gを加えた。室温にて約160min―1の攪拌回転数で攪拌しながら、窒素ガスを400ml/分の流量で30分間流し、溶存酸素を除去した。その後、窒素ガスの流入を止し、フラスコを密閉し、恒温水槽にて約25分で65℃まで昇温した。同温度を10時間保持して重合反応を行い、アクリル樹脂D1を得た。この際の重合率は99%であった。また、このGPC法の標準ポリスチレン換算により求めた重量平均分子量(MW)は、約22000であった。
[(E)成分]
(E)成分として、フッ素系界面活性剤のサーフロンS−420、S−611、S−652(AGCセイミケミカル株式会社製)を添加した。
(実施例1〜9、及び比較例1〜2)
下記表1に示した配合量(単位;質量部)の(A)〜(E)成分、さらに溶媒として乳酸エチル120質量部、及びカップリング剤として尿素プロピルトリエトキシシランの50質量%メタノール溶液2質量部を配合し、これを3μm孔のテフロン(登録商標)フィルターを用いて加圧ろ過して、実施例1〜9、及び比較例1〜2の撥インク性感光性樹脂組成物を調製した。
Figure 2015215449
<撥インク性感光性樹脂組成物の評価>
実施例1〜9、及び比較例1〜2の撥インク性感光性樹脂組成物について、以下に示す評価を行った。その結果を表2に示す。
(感度、解像度、形状)
実施例1〜9、及び比較例1〜2で得られた撥インク性感光性樹脂組成物をITO被膜で覆われたシリコン基板上にスピンコートして、120℃で4分間加熱し、膜厚10〜15μmの塗膜を形成した。次いで、i線ステッパー(キャノン株式会社製、商品名「FPA−3000iW」)を用いて、1μm×1μmから100μm×100μmまでの正方形ホールパターンを有するマスクを介してi線(365nm)で縮小投影露光した。露光量は、10〜1520mJ/cmまで20mJ/cmずつ変えながら行った。露光後、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)の2.38質量%水溶液を用いて現像した。
その後、水でリンスし、100μm×100μmの正方形ホールパターンが形成できる最小露光量を感度とした。また、上記露光量の範囲内で、開口している正方形ホールパターンのうち最小のものの大きさ(一辺の長さ)を解像度とし、さらに金属顕微鏡で観察したときの形状が矩形である場合を「○」、たる形状あるいは逆テーパー形状の場合を「×」とした。なお、感度及び解像度は、小さい程良好である。結果を表2に示した。
(密着強度)
実施例1〜9、及び比較例1〜2で得られた撥インク性感光性樹脂組成物をITO被膜で覆われた基板上にスピンコートして、120℃で4分間加熱し、膜厚約12〜14μmの塗膜を形成した。その後、この塗膜を露光せずにTMAHの2.38質量%水溶液を用いて処理をした。その後、得られた塗膜を縦型拡散炉(光洋サーモシステム株式会社製、商品名「μ−TF」)を用い、窒素中、温度200℃(昇温時間1.5時間)で2時間加熱処理(硬化)し、膜厚約10μmの硬化膜を得た。この硬化膜にクロスカットガイド(コーテック株式会社製)を用いてカミソリで10×10の碁盤目の切り込みを入れて、硬化膜を100個の小片に分割した。そこに粘着テープ(ニチバン株式会社製)を貼り付けた後、剥離した。粘着テープを剥離する際に、基板から剥離した小片の数により密着性を評価した。密着性は、全く剥離しない場合を「○」、1〜25個剥離の場合を「△」、25個以上の剥離がある場合を「×」とした。結果を表2に示した。
(撥インク性、インク濡れ広がり性)
実施例1〜9、及び比較例1〜2で得られた撥インク性感光性樹脂組成物をITO被膜で覆われた基板上にスピンコートして、120℃で4分間加熱し、膜厚約12〜14μmの塗膜を形成した。その後、この塗膜をプロキシミティ露光機(キャノン株式会社製、商品名「PLA−600FA」)を用いて、マスクを介して全波長で、最小露光量の2倍の露光量で露光を行った。露光後、TMAHの2.38質量%水溶液を用いて現像を行い、100μm間隔で隣接する100μm×100μmの正方形形状を有するバンク膜を得た。その後、接触角計(協和界面科学株式会社製、商品名「Drop Master 500」)を用いて、インクの代わりに代用できるn−ヘキサデカン溶媒を滴下し、バンク膜の上部の撥インク性と開口部のインク濡れ広がり性を評価した。撥インク性は、n−ヘキサデカン溶媒の接触角が50度以上を「○」、50度未満を「×」とした。一方、開口部のインク濡れ広がり性は、n−ヘキサデカン溶媒の接触角が10度未満を「○」、10度以上を「×」とした。結果を表2に示した。
Figure 2015215449
表2から明らかなように、実施例1〜9の撥インク性感光性樹脂組成物は、感度、解像度、形状が良く、さらにITO透明電極との密着に優れ、かつバンク上部の撥インク性と開口部のインク濡れ広がり性を両立する。一方、E成分を用いていない比較例1,2では、撥インク性とインク濡れ広がり性の両立が出来なかった。
1…ガラス基板、2…透明電極膜、3…バンク膜、100,200,300…構造体。

Claims (7)

  1. (A)下記一般式(1)で表される構造単位を有するアルカリ可溶性樹脂と、
    Figure 2015215449
    (一般式(1)中、Rは水素原子又はメチル基を示し、Rは炭素数1〜10のアルキル基、アリール基、又はアルコキシ基を示し、nは1以上の整数を示し、aは0〜3の整数を示し、bは1〜3の整数を示す。)
    (B)光により酸を生成する化合物と、
    (C)熱架橋剤と、
    (D)アクリル樹脂と、
    (E)フッ素系界面活性剤とを含有するポジ型感光性樹脂組成物。
  2. (E)成分がさらに炭素数4〜6までのパーフルオロアルキル含有オリゴマーである請求項1に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
  3. (A)成分がさらに下記一般式(2)で表される構造単位を有するアルカリ可溶性樹脂である、請求項1又は2に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
    Figure 2015215449
    (一般式(2)中、Rは水素原子又はメチル基を示し、Rは炭素数1〜10のアルキル基、アリール基、又はアルコキシ基を示し、nは1以上の整数を示し、cは0〜3の整数を示す。)
  4. (B)成分がo−キノンジアジド化合物である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
  5. (D)成分がさらに下記一般式(3)で表される構造単位を有するアクリル樹脂である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
    Figure 2015215449
    (一般式(3)中、Rは水素原子又はメチル基を示し、Rは炭素数2〜20のヒドロキシアルキル基を示す。nは1以上の整数を示す。)
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載のポジ型感光性樹脂組成物を基板の一部又は全面に塗布及び乾燥して塗布膜を得る塗布工程と、
    前記塗布膜の一部又は全面を露光する工程と、
    前記塗布膜の露光された部分をアルカリ水溶液により現像してパターンを有するバンク膜を形成する現像工程と、
    バンク膜を加熱する加熱工程と、
    を有する撥インク性バンク膜の形成方法。
  7. 基板上に請求項6記載の形成方法により形成された撥インク性バンク膜を備える有機EL(エレクトロルミネッセンス)用表示装置。
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KR20230142489A (ko) 2021-02-03 2023-10-11 닛산 가가쿠 가부시키가이샤 포지티브형 감광성 수지 조성물

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