JP2016176924A - 二次電池劣化検出システム、二次電池劣化検出方法 - Google Patents
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Abstract
Description
この蓄電池としては、例えば、非水電解質二次電池が用いられており、発電電力が消費電力を超えた場合に充電が行われ、発電電力が消費電力未満の場合放電が行われる。
このように、蓄電池の実使用においては、充電と放電とが繰り返し行われ、内部短絡などを原因とした、蓄電池の放電容量が充放電の繰り返し回数に応じて徐々に低下していく劣化が発生する。内部短絡に関しては、例えば蓄電池がリチウムイオン電池の場合、充電及び放電の繰り返しが進み、Li(リチウム)の析出が進行すると、後述する先行技術文献にあるように、電圧応答が初期の電圧値に比較して低下することになる。
蓄電池に対する充電中に、所定の時間間隔における端子間電圧の増加量が予め設定された電圧値より少ない場合、内部短絡を原因とする劣化が蓄電池に発生しているとする検出方法がある(例えば、特許文献1)。
また、電池の端子間に対して電気エネルギーを与えた後、電池の端子を開放し、開放状態の端子間電圧を測定し、所定の電圧と比較して電池の劣化状態を検出する方法がある(例えば、特許文献3)。
このため、先行技術文献の検出方法は、対象となる蓄電池の劣化判定を行う電圧応答に対する閾値を決定するための実験に多くの時間が必要となる。また、閾値を決定する際に、電池の劣化と電圧応答との関係を、理論的な考察により把握するための労力も必要となる。
本発明の二次電池劣化検出システムの一態様は、前記判定部が、前記電圧応答として電池の初期における初期電圧応答と、実使用後の使用後電圧応答とを検出し、前記初期電圧応答と前記使用後電圧応答とを比較し、前記電池の劣化を判定することを特徴とする。
本発明の二次電池劣化検出システムの一態様は、前記判定部が、前記電圧応答が時間微分された測定電圧微分値の使用経過における変化に基づいて、前記電池の劣化を判定することを特徴とする。
本発明の二次電池劣化検出システムの一態様は、前記判定部が、前記測定電圧微分値と予め設定された微分値閾値とを比較し、比較結果により前記電池の劣化を判定することを特徴とする。
本発明の二次電池劣化検出システムの一態様は、前記判定部が、前記測定電圧微分値と予め設定された時間微分値範囲とを比較し、比較結果により前記電池の劣化を判定することを特徴とする。
本発明の二次電池劣化検出システムの一態様は、前記判定部が、前記電池の使用後における前記測定電圧微分値である使用後測定電圧微分値と、初期における前記測定電圧微分値である初期測定電圧微分値との差分である微分値差分を求め、前記微分値差分と予め設定された差分閾値とを比較し、比較結果により前記電池の劣化を判定することを特徴とする。
本発明の二次電池劣化検出システムの一態様は、前記判定部が、前記電池の使用後における前記測定電圧微分値である使用後測定電圧微分値と、初期における前記測定電圧微分値である初期測定電圧微分値との差分である微分値差分を求め、前記微分値差分と予め設定された微分値差分範囲とを比較し、比較結果により前記電池の劣化を判定することを特徴とする。
本発明の二次電池劣化検出システムの一態様は、前記判定部が、前記電池の使用後における前記測定電圧微分値である使用後測定電圧微分値と、初期における前記測定電圧微分値である初期測定電圧微分値との差分である微分値差分を求め、所定の時間範囲における前記微分値差分の最大値及び最小値を抽出し、前記最大値と前記最小値との差である微分値差分差を求め、当該微分値差分差と予め設定された差分差閾値とを比較し、比較結果により前記電池の劣化を判定することを特徴とする。
本発明の二次電池劣化検出システムの一態様は、前記判定部が、前記電池の使用後における前記測定電圧微分値である使用後測定電圧微分値と、初期における前記測定電圧微分値である初期測定電圧微分値との差分である微分値差分を求め、前記微分値差分の所定の時間範囲における平均値である微分値平均値を求め、前記微分値平均値が予め設定された平均値閾値とを比較し、比較結果により前記電池の劣化を判定することを特徴とする。
本発明の二次電池劣化検出システムの一態様は、前記判定部が、前記電池の使用後における前記測定電圧微分値である使用後測定電圧微分値と、初期における前記測定電圧微分値である初期測定電圧微分値との差分である微分値差分を求め、前記微分値差分の所定の時間範囲における平均値である微分値平均値を求め、前記微分値平均値が予め設定された平均値範囲とを比較し、比較結果により前記電池の劣化を判定することを特徴とする。
本発明の二次電池劣化検出方法の一態様は、前記判定において、前記電圧応答として、電池の初期における初期電圧応答と、実使用後の使用後電圧応答とを検出し、前記初期電圧応答と前記使用後電圧応答とを比較し、前記電池の劣化を判定することを特徴とする。
本発明の二次電池劣化検出方法の一態様は、前記判定過程において、前記電圧応答が時間微分された測定電圧微分値の使用経過における変化に基づいて、前記電池の劣化を判定することを特徴とする。
図1を参照して、本発明の第1の実施形態による二次電池、例えば非水電解質二次電池(特にリチウムイオン電池)の内部短絡を原因とする劣化の判定を行う二次電池劣化検出システムを説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態による二次電池劣化検出システムの構成例を示す図である。図1に示す二次電池劣化検出システムは、製造時出荷前の品質検査、あるいは中古品の劣化状態やメンテナンス時における劣化状態などの際に使用する構成となっている。
図1において、二次電池劣化検出システムは、劣化検出器1と、シャント抵抗2と、充放電装置3と、接続スイッチ4とを備えている。
劣化検出器1は、測定部11、電圧応答算出部12、判定部13、SOC推定部14、記憶部15の各々を備えている。
また、測定部11は、全ての出力端子をオープンさせたOCV(open circuit voltage)として測定を行う際、蓄電池100から放電電流が流させる放電状態に充放電装置3を制御する。
また、測定部11は、蓄電池100の初期状態以降の実使用状態において、充放電装置3を用いた蓄電池100に対する放電状態の際、所定のSOCの数値で充放電装置3の出力端子をオープンとして、放電処理を瞬断させ、蓄電池100の端子100A及び端子100BをOCV状態として、瞬断させた時点の端子間電圧Vd1_nと、所定の時間td経過後の端子間電圧Vd2_nとを測定する。ここで、充電状態あるいは放電状態において、瞬断した時点で計測される蓄電池100の端子100A及び端子100B間の端子間電圧の各々は、電圧変化が急激であったり、ノイズを含む場合がある。したがって、瞬断した時点から所定時間が経過した時点において、蓄電池100の端子間電圧を測定するようにしても良い。
電圧応答算出部12は、蓄電池100の初期状態において測定部11の測定した端子間電圧Vd1_nから、蓄電池100の初期状態以降の実使用状態において測定部11の測定した端子間電圧Vd2_nを減算し、初期状態以降の実使用状態の放電時における電圧応答である放電時電圧応答電圧Vdn(実使用後電圧応答)を求める。
測定部11は、蓄電池100の初期状態において、充放電装置3を用いた蓄電池100に対する充電状態の際、所定のSOCの数値で充放電装置3の出力端子をオープンとして、充電処理を瞬断させ、蓄電池100の端子100A及び端子100BをOCV状態として、瞬断させた時点の端子間電圧Vc1_0と、所定の時間td経過後の端子間電圧Vc2_0とを測定する。
また、測定部11は、蓄電池100の初期状態以降の実使用状態において、充放電装置3を用いた蓄電池100に対する充電状態の際、所定のSOCの数値で充放電装置3の出力端子をオープンとして、充電処理を瞬断させ、蓄電池100の端子100A及び端子100BをOCV状態として、瞬断させた時点の端子間電圧Vc1_nと、所定の時間td経過後の端子間電圧Vc2_nとを測定する。
電圧応答算出部12は、蓄電池100の初期状態において測定部11の測定した端子間電圧Vc2_nから、蓄電池100の初期状態以降の実使用状態において測定部11の測定した端子間電圧Vc1_nを減算し、初期状態以降の実使用状態の充電時における電圧応答である充電時電圧応答電圧Vcn(実使用後電圧応答)を求める。
図2は、蓄電池100に対する充電及び放電を繰り返したサイクル数と蓄電池100の容量維持率(放電容量維持率)との対応を示す図である。容量維持率とは、初期容量に対する再測定時の放電容量比を示している。したがって、容量維持率は、初期の放電容量を100とした規格化された放電容量の割合を示している。
本実施形態において使用した蓄電池はリチウムイオン電池であり、定格容量31.2Ahで充電電圧4.2V 放電終止電圧2.5Vとして、放電の電流レートを0.5C(クーロン)により、充放電サイクル試験を行った。
ここで、蓄電池100をSOC0%からSOC100%の間の充電及び放電をサイクル毎に行い、容量維持率の測定を150サイクル毎に行っている。この測定時において、周囲が25℃の環境に蓄電池100を配置し、一端SOC0%まで放電させて、SOC0%からSOC100%まで充電した後に、蓄電池100のSOC100%からSOC0%までの容量維持率をプロットしている。
図3から判るように、充放電サイクルのサイクル数が増加するにつれて、充電時電圧応答電圧の電圧レベルが低下していくのが判る。すなわち、充放電のサイクル数(劣化の程度)が増加するに従い、充電時電圧応答電圧Vcnが低下し、内部短絡による応答電圧の変化が見て取れる。
しかしながら、図4に示す充電時のSOC100%は、図3に示す充電時のSOC50%の場合に比較して、より明確に充電時電圧応答電圧Vcnが低下し、内部短絡による応答電圧の変化が見て取れる。
図5から判るように、充放電サイクルのサイクル数が増加するにつれて、放電時電圧応答電圧が変化するのが判る。
しかしながら、サイクル数の増加に対して、放電時電圧応答電圧が上下変動し、明確に蓄電池100の劣化を認識することはできない。
本実施形態においては、充電時の電圧応答から求めた検出応答電圧Vcn−Vcoにより、内部短絡における容量維持率の劣化を推定することが明確となった。
上述した結果から、図9のSOC0%の放電時における電圧応答に基づき、内部短絡を原因とした容量維持率の劣化を、上記検出応答電圧Vcn−Vc0の変化により推定できることが判る。サイクル数が1800サイクルにおいては、容量維持率が初期品(蓄電池100の初期状態)に比較して70%以上(74%)あり、蓄電池100が内部短絡の劣化により使用不可となったとは、本実施形態では考えない。容量維持率自体は蓄電池の運用にもよるため、任意に設定される必要がある。
本実施形態においては、図9のSOC0%の放電応答から求めた検出応答電圧Vcn−Vcoにより、内部短絡における容量維持率の劣化を推定することが明確となった。
これにより、本実施形態においては、図10のSOC50%の放電応答から求めた検出応答電圧Vcn−Vcoにより、内部短絡における容量維持率の劣化を推定することが明確となった。
例えば、図10においては、2200サイクルから2400サイクルにかけて、検出応答電圧Vdn−Vd0の初期値の急激な上昇が観察される。このように、検出応答電圧Vdn−Vd0の初期の値が、著しく変化していることは、蓄電池において劣化等の何らかの変化が生じていると推定される。
上述した見地から、検出応答電圧Vdn−Vd0の初期の電圧値などの変化の程度を、蓄電池の劣化の指標の一つとして採用してもよい。
図11は、本実施形態による二次電池劣化検出システムにおける蓄電池の初期品の充電時電圧応答電圧Vc0の測定処理動作の一例を示すフローチャートである。
ステップS11:
作業者は、劣化判定を行う対象の蓄電池100の端子100A及び端子100Bを、二次電池劣化検出システムの接続スイッチ4の対応する電極に接続させる。
作業者は、評価対象の蓄電池100を二次電池劣化検出システムにセットした後、例えば、劣化検出器1の測定開始ボタン(不図示)を押下する。
これにより、劣化検出器1における測定部11は、接続スイッチ4をオン状態とし、蓄電池100の端子100A及び端子100Bの各々を、検出端子1A、検出端子1Bそれぞれを電気的に接続する。
測定部11は、蓄電池100の端子100A及び端子100Bの各々を、検出端子1A、検出端子1Bそれぞれを電気的に接続してから所定の時間過後に、蓄電池100に対する劣化判定の処理を開始する。
測定部11は、SOC推定部14からSOC50%となったことが通知されると、充放電装置3に対して充電で出力している電圧を瞬断させ、蓄電池100の端子100A及び端子100Bをオープン状態とさせ、充電処理を停止させる。
そして、測定部11は、充電を瞬断したタイミングにおいて、蓄電池100の端子100A及び端子100B間の端子間電圧Vc1_0を測定する。
次に、測定部11は、端子間電圧Vc1_0を測定した後、所定の時間tdが経過するまで待機する。
これにより、電圧応答算出部12は、端子間電圧Vc1_0から端子間電圧Vc2_0を減算し、充電時電圧応答電圧Vc0を求める。
また、電圧応答算出部12は、求めた充電時電圧応答電圧Vc0を、記憶部15に対して蓄電池100を識別する蓄電池識別情報とともに書き込んで、一旦記憶させる。
ステップS21:
作業者は、劣化判定を行う対象の蓄電池100の端子100A及び端子100Bを、二次電池劣化検出システムの接続スイッチ4の対応する電極に接続させる。
作業者は、評価対象の蓄電池100を二次電池劣化検出システムにセットした後、例えば、劣化検出器1の測定開始ボタン(不図示)を押下する。
これにより、劣化検出器1における測定部11は、接続スイッチ4をオン状態とし、蓄電池100の端子100A及び端子100Bの各々を、検出端子1A、検出端子1Bそれぞれを電気的に接続する。
測定部11は、蓄電池100の端子100A及び端子100Bの各々を、検出端子1A、検出端子1Bそれぞれを電気的に接続してから所定の時間過後に、蓄電池100に対する劣化判定の処理を開始する。
測定部11は、SOC推定部14からSOC50%となったことが通知されると、充放電装置3に対して充電で出力している電圧を瞬断させ、蓄電池100の端子100A及び端子100Bをオープン状態とさせ、充電処理を停止させる。
そして、測定部11は、充電を瞬断したタイミングにおいて、蓄電池100の端子100A及び端子100B間の端子間電圧Vc1_nを測定する。
また、測定部11は、端子間電圧Vc1_nを測定した後、所定の時間tdが経過するまで待機する。
これにより、測定部11は、端子間電圧Vc1_nから端子間電圧Vc2_nを減算し、充電時電圧応答電圧Vcnを求める。
また、電圧応答算出部12は、求めた充電時電圧応答電圧Vcnを、記憶部15に対して蓄電池100を識別する蓄電池識別情報とともに書き込んで、一旦記憶させる。
次に、電圧応答算出部12は、評価対象の蓄電池100の蓄電池識別情報に対応し、充電時電圧応答電圧Vc0及び充電時電圧応答電圧Vcnの各々を、記憶部15から読み出す。
そして、電圧応答算出部12は、充電時電圧応答電圧Vcnから充電時電圧応答電圧Vc0を減算し、検出応答電圧Vcn−Vc0を算出する。
また、電圧応答算出部12は、算出した検出応答電圧Vcn−Vc0を、判定部13に対して出力する。
判定部13は、電圧応答算出部12から検出応答電圧Vcn−Vc0が供給されると、記憶部15から閾値電圧を読み出す。
そして、判定部13は、検出応答電圧Vcn−Vc0と閾値電圧とを比較し、検出応答電圧Vcn−Vc0が閾値電圧を下回っているか否かの判定を行う。
このとき、判定部13は、検出応答電圧Vcn−Vc0が閾値電圧以上である場合に、処理をステップS26へ進める。一方、判定部13は、検出応答電圧Vcn−Vc0が閾値電圧を下回っている場合に、処理をステップS27へ進める。
判定部13は、検出応答電圧Vcn−Vc0が閾値電圧以下であるため、蓄電池100が劣化の程度が使用に影響を与える程に劣化していないことを作業者に対して通知する画像を、劣化検出器1に設けられた表示部(不図示)に対して行う。
判定部13は、検出応答電圧Vcn−Vc0が閾値電圧以下であるため、蓄電池100が劣化の程度が使用に影響を与える程に劣化していないことを作業者に対して通知する画像を、劣化検出器1に設けられた上記表示部に対して行う。
このとき、電圧応答算出部12は、放電時電圧応答電圧Vd0及び放電時電圧応答電圧Vdnの各々を算出し、検出応答電圧Vdn−Vd0を算出する。
そして、判定部13は、検出応答電圧Vdn−Vd0を閾値電圧と比較する。このとき、判定部13は、検出応答電圧Vdn−Vd0が閾値電圧を超えているか否かの判定を行う。ここで、判定部13は、検出応答電圧Vdn−Vd0が閾値電圧以下である場合に、劣化が進んでいないと判定する。一方、判定部13は、検出応答電圧Vdn−Vd0が閾値電圧を超えている場合に、劣化が進んでいると判定する。
図13を参照して、本発明の第2の実施形態による二次電池、例えば非水電解質二次電池(特にリチウムイオン電池)の内部短絡を原因とする劣化の判定を行う二次電池劣化検出システムを説明する。
図13は、本発明の第2の実施形態による二次電池劣化検出システムの構成例を示す図である。図13に示す二次電池劣化検出システムは、電力の需要家施設において実使用されている蓄電池を制御するEMS(energy management system)などに設けられ、実使用の蓄電池100の劣化状態を判定する構成となっている。
制御部7は、SOC検出部6の推定するSOC及びデマンド要求などに応じて、切り替えスイッチ5により、蓄電池100を負荷8に接続して放電状態とするか、蓄電池を発電機9(あるいは系統電源)に接続して充電状態とするかの制御を行う。
劣化検出器1’はユーザが蓄電池100の劣化判定を行う制御を行った場合、あるいは所定の期間が経過する毎に起動し、以下の劣化判定を行う。このとき、蓄電池100があまり使用されていない時間を、蓄電池100の設定時間としておき、劣化検出器1’は、この設定時間となると蓄電池100の劣化判定を行う。
劣化判定を行う際、測定部11は、SOC検出部6に対して蓄電池100の現在のSOCを確認する。
蓄電池100の充電処理におけるSOC50%において、蓄電池100の劣化判定の処理を行う際、蓄電池100の初期状態、及び蓄電池100の初期状態以降の実使用状態の蓄電池100の端子100A及び端子100B間の端子間電圧の測定結果から、以下の判定処理が行われる。
蓄電池100の使用を開始する時点において、以下に示すように、蓄電池100の初期状態における充電時電圧応答電圧Vc0を求める。
これにより、制御部7は、負荷8に対して蓄電池100の端子100A及び端子100Bが接続されるように、切り替えスイッチ5を切り替える。また、制御部7は、切り替えスイッチ5の切り替え後に、負荷8に対して放電電流を流させるようにし、蓄電池100に対して放電が行われるようにする。
これにより、制御部7は、発電機9に対して蓄電池100の端子100A及び端子100Bが接続されるように、切り替えスイッチ5を切り替える。また、制御部7は、切り替えスイッチ5の切り替え後に、発電機9から充電電圧(充電電流)を蓄電池100に供給するようにし、蓄電池100に対して充電が行われるようにする。
このとき、測定部11は、切り替えスイッチ5を制御し、負荷8及び発電機9の双方から、蓄電池100の端子100A及び端子100B切り離す処理を行う指示を制御部7に対して出力する。そして、制御部7は、蓄電池100から負荷8及び発電機9の双方を切り離すよう切り替えスイッチ5を制御する。
これにより、測定部11は、蓄電池100の端子100A及び端子100B間の端子間電圧を測定するため、発電機9による蓄電池100に対する充電処理を瞬断させる。
そして、測定部11は、制御部7から蓄電池100の端子100A及び端子100Bがオープン状態とされたことが通知されると、そのオープン状態となった時点、すなわち充電が瞬断されたタイミングにおける蓄電池100の端子100A及び端子100B間の端子間電圧Vc1_0を測定する。
そして、測定部11は、測定した端子間電圧Vc1_0及び端子間電圧Vc2_0の各々を、記憶部15に対して書き込んで記憶させる。
電圧応答算出部12は、端子間電圧Vc1_0から端子間電圧Vc2_0を減算し、充電時電圧応答電圧Vc0を算出する。
そして、電圧応答算出部12は、算出した充電時電圧応答電圧Vc0を、端子間電圧Vc1_0及び端子間電圧Vc2_0に対応させ、記憶部15に対して書き込んで記憶させる。
測定部11は、蓄電池100の劣化判定を行う場合、制御部7に対して蓄電池100がSOC0%となるように、蓄電池100の放電を行わせる。
これにより、制御部7は、負荷8に対して蓄電池100の端子100A及び端子100Bが接続されるように、切り替えスイッチ5を切り替える。また、制御部7は、切り替えスイッチ5の切り替え後に、負荷8に対して放電電流を流させるようにし、蓄電池100に対して放電が行われるようにする。
これにより、制御部7は、発電機9に対して蓄電池100の端子100A及び端子100Bが接続されるように、切り替えスイッチ5を切り替える。また、制御部7は、切り替えスイッチ5の切り替え後に、発電機9から充電電圧(充電電流)を蓄電池100に供給するようにし、蓄電池100に対して充電が行われるようにする。
このとき、測定部11は、切り替えスイッチ5を制御し、負荷8及び発電機9の双方から、蓄電池100の端子100A及び端子100B切り離す処理を行う指示を制御部7に対して出力する。そして、制御部7は、蓄電池100から負荷8及び発電機9の双方を切り離すよう切り替えスイッチ5を制御する。
これにより、測定部11は、蓄電池100の端子100A及び端子100B間の端子間電圧を測定するため、発電機9による蓄電池100に対する充電処理を瞬断させる。
そして、測定部11は、制御部7から蓄電池100の端子100A及び端子100Bがオープン状態とされたことが通知されると、そのオープン状態となった時点、すなわち充電が瞬断されたタイミングにおける蓄電池100の端子100A及び端子100B間の端子間電圧Vc1_nを測定する。
そして、測定部11は、測定した端子間電圧Vc1_n及び端子間電圧Vc2_nの各々を、記憶部15に対して書き込んで記憶させる。
電圧応答算出部12は、端子間電圧Vc1_nから端子間電圧Vc2_nを減算し、充電時電圧応答電圧Vcnを算出する。
そして、電圧応答算出部12は、算出した充電時電圧応答電圧Vcnを、端子間電圧Vc1_n及び端子間電圧Vc2_nに対応させ、記憶部15に対して書き込んで記憶させる。
そして、判定部13は、充電時電圧応答電圧Vcnから充電時電圧応答電圧Vc0を減算し、検出応答電圧Vcn−Vc0を算出する。
判定部13は、検出応答電圧Vcn−Vc0と閾値電圧とを比較し、検出応答電圧Vcn−Vc0が閾値電圧を下回っているか否かの判定を行う。
このとき、判定部13は、検出応答電圧Vcn−Vc0が閾値電圧以上であれば、劣化していないと判定し、一方、検出応答電圧Vcn−Vc0が閾値電圧を下回っていれば、劣化していると判定する。判定部13は、劣化検出器1’の表示部(不図示)に対し、蓄電池100の判定結果を表示する。
蓄電池100の放電処理におけるSOC0%において、蓄電池100の劣化判定の処理を行う際、蓄電池100の初期状態、及び蓄電池100の初期状態以降の実使用状態の蓄電池100の端子100A及び端子100B間の端子間電圧の測定結果から、以下の判定処理が行われる。
蓄電池100の使用を開始する時点において、以下に示すように、蓄電池100の初期状態における充電時電圧応答電圧Vc0を求める。
これにより、制御部7は、制御部7に対して蓄電池100に対する充電処理を行わせる。
制御部7は、発電機9に対して蓄電池100の端子100A及び端子100Bが接続されるように、切り替えスイッチ5を切り替える。また、制御部7は、切り替えスイッチ5の切り替え後に、発電機9から充電電圧(充電電流)を蓄電池100に供給するようにし、蓄電池100に対して充電が行われるようにする。
これにより、制御部7は、負荷8に対して蓄電池100の端子100A及び端子100Bが接続されるように、切り替えスイッチ5を切り替える。また、制御部7は、切り替えスイッチ5の切り替え後に、負荷8に対して放電電流を流させるようにし、蓄電池100に対して放電が行われるようにする。
このとき、測定部11は、切り替えスイッチ5を制御し、負荷8及び発電機9の双方から、蓄電池100の端子100A及び端子100B切り離す処理を行う指示を制御部7に対して出力する。そして、制御部7は、蓄電池100から負荷8及び発電機9の双方を切り離すよう切り替えスイッチ5を制御する。
これにより、測定部11は、蓄電池100の端子100A及び端子100B間の端子間電圧を測定するため、負荷8に対して放電電流を流させる、蓄電池100に対する放電処理を瞬断させる。
そして、測定部11は、制御部7から蓄電池100の端子100A及び端子100Bがオープン状態とされたことが通知されると、そのオープン状態となった時点、すなわち放電が瞬断されたタイミングにおける蓄電池100の端子100A及び端子100B間の端子間電圧Vd1_0を測定する。
そして、測定部11は、測定した端子間電圧Vd1_0及び端子間電圧Vd2_0の各々を、記憶部15に対して書き込んで記憶させる。
電圧応答算出部12は、端子間電圧Vd1_0から端子間電圧Vd2_0を減算し、充電時電圧応答電圧Vd0を算出する。
そして、電圧応答算出部12は、算出した充電時電圧応答電圧Vd0を、端子間電圧Vcd_0及び端子間電圧Vcd_0に対応させ、記憶部15に対して書き込んで記憶させる。
測定部11は、蓄電池100の劣化判定を行う場合、制御部7に対して蓄電池100がSOC100%となるように、蓄電池100に対して充電を行う。
これにより、制御部7は、制御部7に対して蓄電池100に対する充電処理を行わせる。
これにより、制御部7は、発電機9に対して蓄電池100の端子100A及び端子100Bが接続されるように、切り替えスイッチ5を切り替える。また、制御部7は、切り替えスイッチ5の切り替え後に、発電機9から充電電圧(充電電流)を蓄電池100に供給するようにし、蓄電池100に対して充電が行われるようにする。
これにより、制御部7は、負荷8に対して蓄電池100の端子100A及び端子100Bが接続されるように、切り替えスイッチ5を切り替える。また、制御部7は、切り替えスイッチ5の切り替え後に、負荷8に対して放電電流を流させるようにし、蓄電池100に対して放電が行われるようにする。
このとき、測定部11は、切り替えスイッチ5を制御し、負荷8及び発電機9の双方から、蓄電池100の端子100A及び端子100B切り離す処理を行う指示を制御部7に対して出力する。そして、制御部7は、蓄電池100から負荷8及び発電機9の双方を切り離すよう切り替えスイッチ5を制御する。
これにより、測定部11は、蓄電池100の端子100A及び端子100B間の端子間電圧を測定するため、負荷8に対して放電電流を流させる、蓄電池100に対する放電処理を瞬断させる。
そして、測定部11は、制御部7から蓄電池100の端子100A及び端子100Bがオープン状態とされたことが通知されると、そのオープン状態となった時点、すなわち放電が瞬断されたタイミングにおける蓄電池100の端子100A及び端子100B間の端子間電圧Vd1_nを測定する。
そして、測定部11は、測定した端子間電圧Vd1_n及び端子間電圧Vd2_nの各々を、記憶部15に対して書き込んで記憶させる。
電圧応答算出部12は、端子間電圧Vd1_nから端子間電圧Vd2_nを減算し、充電時電圧応答電圧Vd0を算出する。
そして、電圧応答算出部12は、算出した充電時電圧応答電圧Vdnを、端子間電圧Vcd_n及び端子間電圧Vcd_nに対応させ、記憶部15に対して書き込んで記憶させる。
そして、判定部13は、放電時電圧応答電圧Vdnから放電時電圧応答電圧Vd0を減算し、検出応答電圧Vdn−Vd0を算出する。
判定部13は、検出応答電圧Vdn−Vd0と閾値電圧とを比較し、検出応答電圧Vdn−Vd0が閾値電圧を超えているか否かの判定を行う。
このとき、判定部13は、検出応答電圧Vdn−Vd0が閾値電圧以下であれば、劣化していないと判定し、一方、検出応答電圧Vcn−Vc0が閾値電圧を超えていれば、劣化していると判定する。判定部13は、劣化検出器1’の表示部(不図示)に対し、蓄電池100の判定結果を表示する。
図14を参照して、本発明の第3の実施形態による二次電池、例えば非水電解質二次電池(特にリチウムイオン電池)の内部短絡を原因とする劣化の判定を行う二次電池劣化検出システムを説明する。
図14は、本発明の第3の実施形態による二次電池劣化検出システムの構成例を示す図である。図14に示す二次電池劣化検出システムは、第1の実施形態と同様に、製造時出荷前の品質検査、あるいは中古品の劣化状態やメンテナンス時における劣化状態などの際に使用する構成となっている。図14において、二次電池劣化検出システムは、劣化検出器10と、シャント抵抗2と、充放電装置3と、接続スイッチ4とを備えている。また、図14において、第1の実施形態と同様の構成には同一の符号を付してある。
劣化検出器10は、測定部11、電圧応答微分値算出部16、判定部13A、SOC推定部14、記憶部15の各々を備えている。
判定部13Aは、電圧応答微分値算出部16が求めた放電時測定電圧微分曲線において、放電開始時から所定の時間経過した時刻である比較対象時刻の放電時測定電圧微分曲線における放電時測定電圧微分値(以下、放電電圧微分値Vdif_dとする)の絶対値が、予め設定した放電時微分値閾値以下か否かの判定を行う。判定部13Aは、上記比較対象時刻の放電電圧微分値Vdif_dの絶対値が、放電時微分値閾値以下である場合、蓄電池100の劣化が実使用に問題が生じるレベルの程度であると判定する。一方、判定部13は、比較対象時刻の放電電圧微分値Vdif_dの絶対値が放電時微分値閾値を超えている場合、蓄電池100が実使用に問題が生じるレベルまでは劣化していないと判定する。
電圧応答微分値算出部16は、蓄電池100の充電時において、測定部11が充電開始時に測定した端子間電圧から、所定の測定時間範囲の蓄電池100の初期状態において測定部11の測定した端子間電圧までの測定点からなる充電時測定電圧曲線を微分し、充電時測定電圧微分曲線を求める。
判定部13Aは、電圧応答微分値算出部16が求めた充電時測定電圧微分曲線において、充電開始時から所定の時間経過した時刻である比較対象時刻の充電時測定電圧微分曲線における充電時測定電圧微分値(以下、充電電圧微分値Vdif_cとする)の絶対値が、予め設定した充電時微分値閾値以下か否かの判定を行う。判定部13Aは、上記比較対象時刻の充電電圧微分値Vdif_cの絶対値が、微分値閾値以下である場合、蓄電池100の劣化が実使用に問題が生じるレベルの程度であると判定する。一方、判定部13は、比較対象時刻の充電電圧微分値Vdif_cの絶対値が充電時微分値閾値を超えている場合、蓄電池100が実使用に問題が生じるレベルまでは劣化していないと判定する。
図15から判るように、充放電サイクルのサイクル数が増加するにつれて(使用経過によって)、充電時電圧応答電圧の充電電圧微分値Vdif_cの絶対値が低下していくのが判る。すなわち、充放電のサイクル数(劣化の程度)が増加するに従い、充電電圧微分値Vdif_cの絶対値が低下し、内部短絡による応答電圧の変化が見て取れる。図15(以降の図においても同様)において、初期品の充電電圧微分値が初期測定電圧微分値であり、充放電サイクルを経た充電電圧微分値が使用度測定電圧微分値である。
しかしながら、図16に示す充電時のSOC100%は、図15に示す充電時のSOC50%の場合とは逆に、サイクル数の増加とともに充電電圧微分値Vdif_cの絶対値が増加し(150サイクルを除く)、内部短絡による応答電圧の変化が見て取れる。
また、図16において、サイクル数の増加に伴い、初期状態の充電時測定電圧微分曲線に対する、実使用状態の充電時測定電圧微分曲線における測定時刻毎の充電電圧微分値Vdif_cの差分の絶対値の平均値(充電時微分値平均値Vave_dif_c)が大きくなり、明確に蓄電池100の劣化を認識することができる。
ここで、サイクル数の増加に伴い、初期状態の放電時測定電圧微分曲線に対する、実使用状態の放電時測定電圧微分曲線における測定時刻毎の放電電圧微分値Vdif_dの差分(放電時微分値差分)の絶対値が大きくなり、明確に蓄電池100の劣化を認識することができる。
また、サイクル数の増加に伴い、初期状態の放電時測定電圧微分曲線に対する、実使用状態の放電時測定電圧微分曲線における測定時刻毎の放電時測定電圧微分値の差分の平均値(放電時微分値平均値Vave_dif_d)の絶対値が大きくなり、明確に蓄電池100の劣化を認識することができる。
また、図19において、サイクル数の増加に伴い、初期状態の充電時測定電圧微分曲線に対する、実使用状態の充電時測定電圧微分曲線における測定時刻毎の充電電圧微分値Vdif_cの差分の平均値(充電時微分値平均値Vave_dif_c)の絶対値も所定の時刻までの時間範囲において、小さくなり、明確に蓄電池100の劣化を認識することができる。
また、図20において、サイクル数の増加に伴い、初期状態の充電時測定電圧微分曲線に対する、実使用状態の充電時測定電圧微分曲線における測定時刻毎の充電電圧微分値Vdif_cの差分の平均値(充電時微分値平均値Vave_dif_c)の絶対値も所定の時刻までの時間範囲において、大きくなり、明確に蓄電池100の劣化を認識することができる。
また、図21において、サイクル数の増加に伴い、初期状態の放電時測定電圧微分曲線に対する、実使用状態の放電時測定電圧微分曲線における測定時刻毎の放電電圧微分値Vdif_dの差分の平均値(放電時微分値平均値Vave_dif_d)の絶対値も所定の時刻までの時間範囲において、増加しており、明確に蓄電池100の劣化を認識することができる。一方、初期状態の放電時測定電圧微分曲線に対する、実使用状態の放電時測定電圧微分曲線における測定時刻毎の放電電圧微分値Vdif_dの差分の平均値(放電時微分値平均値Vave_dif_d)の絶対値も所定の時刻以降の時間範囲において、低下しており、明確に蓄電池100の劣化を認識することができる。
また、図22において、サイクル数の増加に伴い、初期状態の放電時測定電圧微分曲線に対する、実使用状態の放電時測定電圧微分曲線における測定時刻毎の放電電圧微分値Vdif_dの差分の平均値(放電時微分値平均値Vave_dif_d)の絶対値も所定の時刻までの時間範囲において、増加しており、明確に蓄電池100の劣化を認識することができる。
図23において、◆のプロットの線分は、サイクル数と、充電時にSOC50%で測定した蓄電池100のサイクル数毎の微分曲線(図19)における充電時微分値差分差Vdif_c_dif_difとの対応を示している。□(図では黒四角)のプロットの線分は、サイクル数と、充電時にSOC100%で測定した蓄電池100のサイクル数毎の微分曲線(図20)における充電時微分値差分差Vdif_c_dif_difとの対応を示している。▲のプロットの線分は、サイクル数と、放電時にSOC50%で測定した蓄電池100のサイクル数毎の微分曲線(図21)における放電時微分値差分差Vdif_d_dif_difとの対応を示している。×のプロットの線分は、サイクル数と、放電時にSOC0%で測定した蓄電池100のサイクル数毎の微分曲線(図22)における放電時微分値差分差Vdif_d_dif_difとの対応を示している。
図24において、◆のプロットの線分は、サイクル数と、充電時にSOC50%で測定した蓄電池100のサイクル数毎の微分曲線(図19)における充電時微分値平均値Vave_dif_cとの対応を示している。□(図では黒四角)のプロットの線分は、サイクル数と、充電時にSOC100%で測定した蓄電池100のサイクル数毎の微分曲線(図20)における充電時微分値平均値Vave_dif_cとの対応を示している。▲のプロットの線分は、サイクル数と、放電時にSOC50%で測定した蓄電池100のサイクル数毎の微分曲線(図21)における放電時微分値平均値Vave_dif_dとの対応を示している。×のプロットの線分は、サイクル数と、放電時にSOC0%で測定した蓄電池100のサイクル数毎の微分曲線(図22)における放電時微分値平均値Vave_dif_dとの対応を示している。
しかしながら、サイクル数の増加とともに、放電時電圧応答電圧(SOC0%)における放電電圧微分値Vdif_dの放電時微分値差分差Vdif_d_dif_difの絶対値が増加(単調増加)していくことが判る。このサイクル数の増加に伴う放電時電圧応答電圧(SOC0%)における放電時微分値差分差Vdif_d_dif_difの絶対値の変化により、蓄電池100の内部短絡による応答電圧の変化が見て取れる。
また、サイクル数の増加とともに、充電時電圧応答電圧(SOC100%)における充電電圧微分値Vdif_cの充電時微分値差分差Vdif_c_dif_difの絶対値が減少(単調減少)していくことが判る。このサイクル数の増加に伴う充電時電圧応答電圧(SOC100%)における充電時微分値差分Vdif_c_dif差の絶対値の変化により、蓄電池100の内部短絡による応答電圧の変化が見て取れる。
図25は、本実施形態による二次電池劣化検出システムにおける蓄電池の初期品の充電時電圧応答電圧Vc0の測定処理動作の一例を示すフローチャートである。本実施形態のフローチャートにおいて、ステップS31からステップS33の各々は、第1の実施形態における図11のフローチャートにおけるステップS11からステップS13それぞれと同様のため、処理の説明を省略する。
電圧応答微分値算出部16は、記憶部15から所定の時間範囲の測定電圧である充電時電圧応答電圧を順次読み込む。
そして、電圧応答微分値算出部16は、測定時刻に対応して微分処理を行い、充電電圧微分値Vdif_cを求め、蓄電池100の充電時測定電圧微分曲線を生成し、記憶部15に書き込んで記憶させる。
判定部13Aは、記憶部15から蓄電池100の充電時測定電圧微分曲線を読み出し、読み出した充電時測定電圧微分曲線から、所定の測定時刻の充電電圧微分値Vdif_cを抽出する。
そして、判定部13Aは、抽出した充電電圧微分値Vdif_cの絶対値が充電時微分値閾値電圧を超えているか否かの判定を行う。このとき、判定部13Aは、充電電圧微分値Vdif_cの絶対値が充電時微分値閾値電圧を超えている場合、処理をステップS36へ進める。一方、判定部13Aは、充電電圧微分値Vdif_cの絶対値が充電時微分値閾値電圧以下の場合、処理をステップS37へ進める。
判定部13Aは、充電電圧微分値Vdif_cが充電時微分値閾値電圧を超えているため、蓄電池100が劣化の程度が使用に影響を与える程に劣化していないことを作業者に対して通知する画像を、劣化検出器10(あるいは後述する第4の実施形態における劣化検出器20)に設けられた表示部(不図示)に対して行う。
判定部13Aは、充電電圧微分値Vdif_cの絶対値が充電時微分値閾値電圧以下であるため、蓄電池100が劣化の程度が使用に影響を与える程に劣化していないことを作業者に対して通知する画像を、劣化検出器10(あるいは後述する第4の実施形態における劣化検出器20)に設けられた上記表示部に対して行う。
また、蓄電池100の予め測定した特性により、劣化判定が可能となる充電時測定電圧微分曲線を生成し、充電時微分値平均値Vave_dif_cの絶対値と、充電時微分値差分差Vdif_c_dif_difの絶対値との各々を求め、蓄電池の劣化を判定してもよい。
このとき、電圧応答微分値算出部16は、所定の時間範囲における測定時刻毎の放電電圧微分値Vdif_dの微分処理を行い、蓄電池100の放電時測定電圧微分曲線を生成する。
そして、判定部13Aは、抽出した放電電圧微分値Vdif_dの絶対値が放電時微分値閾値電圧を超えているか否かの判定を行い、放電電圧微分値Vdif_dの絶対値に対してと同様の判定処理を行う。
例えば、放電時におけるSOC0%の場合、判定部13Aは、放電電圧微分値Vdif_dの絶対値が放電時微分値閾値電圧を超えている場合、蓄電池100の劣化が進んでいると判定する。一方、判定部13Aは、放電電圧微分値Vdif_dの絶対値が放電時微分値閾値電圧以下の場合、劣化が進んでいないと判定する。
また、蓄電池100の予め測定した特性により、劣化判定が可能となる放電時測定電圧微分曲線を生成し、放電時微分値平均値Vave_dif_dの絶対値と、放電時微分値差分差Vdif_d_dif_difの絶対値との各々を求め、蓄電池の劣化を判定してもよい。
図26を参照して、本発明の第4の実施形態による二次電池、例えば非水電解質二次電池(特にリチウムイオン電池)の内部短絡を原因とする劣化の判定を行う二次電池劣化検出システムを説明する。
図26は、本発明の第4の実施形態による二次電池劣化検出システムの構成例を示す図である。図26に示す二次電池劣化検出システムは、第2の実施形態と同様に、電力の需要家施設において実使用されている蓄電池を制御するEMSなどに設けられ、実使用の蓄電池100の劣化状態を判定する構成となっている。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
Claims (17)
- 充電時あるいは放電時の瞬断時において、電池の電圧応答を検出し、当該電圧応答の使用経過における変化により、前記電池の劣化を判定する判定部
を備えることを特徴とする二次電池劣化検出システム。 - 前記判定部が、前記電圧応答として、電池の初期における初期電圧応答と、実使用後の使用後電圧応答とを検出し、前記初期電圧応答と前記使用後電圧応答とを比較し、前記電池の劣化を判定する
ことを特徴とする請求項1に記載の二次電池劣化検出システム。 - 前記判定部が前記使用後電圧応答と前記初期電圧応答との差分を、予め設定された閾値電圧と比較することで前記電池の劣化を判定する
ことを特徴とする請求項2に記載の二次電池劣化検出システム。 - 前記電池の初期状態において充電時における充電処理あるいは放電時における放電処理を瞬断して、瞬断したタイミングでの前記電池の端子間電圧V1_0を測定し、前記所定の時間が経過した後に端子間電圧V2_0を測定し、また、前記電池の実使用状態において初期状態と同一の処理を瞬断して、瞬断したタイミングでの前記電池の端子間電圧V1_nを測定し、前記所定の時間が経過した後に端子間電圧V2_nを測定する測定部と、
前記端子間電圧V2_0と前記端子間電圧V1_0との差分を前記初期電圧応答とし、前記端子間電圧V2_nと前記端子間電圧V1_nとの差分を前記使用後電圧応答とする電圧応答算出部と
をさらに備えることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の二次電池劣化検出システム。 - 前記測定部が、充電時において前記電池に対する劣化判定を行う場合、前記端子間電圧V1_0、前記端子間電圧V2_0、前記端子間電圧V1_n及び前記端子間電圧V2_nの各々を、SOC50%あるいはSOC100%の近傍の所定のSOCで測定する
ことを特徴とする請求項4に記載の二次電池劣化検出システム。 - 前記測定部が、放電時において前記電池に対する劣化判定を行う場合、前記端子間電圧V1_0、前記端子間電圧V2_0、前記端子間電圧V1_n及び前記端子間電圧V2_nの各々を、SOC0%あるいはSOC50%の近傍の所定のSOCで測定する
ことを特徴とする請求項4に記載の二次電池劣化検出システム。 - 前記判定部が、前記電圧応答が時間微分された測定電圧微分値の使用経過における変化に基づいて、前記電池の劣化を判定する
ことを特徴とする請求項1に記載の二次電池劣化検出システム。 - 前記判定部が、前記測定電圧微分値と予め設定された微分値閾値とを比較し、比較結果により前記電池の劣化を判定する
ことを特徴とする請求項7に記載の二次電池劣化検出システム。 - 前記判定部が、前記測定電圧微分値と予め設定された時間微分値範囲とを比較し、比較結果により前記電池の劣化を判定する
ことを特徴とする請求項7に記載の二次電池劣化検出システム。 - 前記判定部が、前記電池の使用後における前記測定電圧微分値である使用後測定電圧微分値と、初期における前記測定電圧微分値である初期測定電圧微分値との差分である微分値差分を求め、前記微分値差分と予め設定された差分閾値とを比較し、比較結果により前記電池の劣化を判定する
ことを特徴とする請求項7に記載の二次電池劣化検出システム。 - 前記判定部が、前記電池の使用後における前記測定電圧微分値である使用後測定電圧微分値と、初期における前記測定電圧微分値である初期測定電圧微分値との差分である微分値差分を求め、前記微分値差分と予め設定された微分値差分範囲とを比較し、比較結果により前記電池の劣化を判定する
ことを特徴とする請求項7に記載の二次電池劣化検出システム。 - 前記判定部が、前記電池の使用後における前記測定電圧微分値である使用後測定電圧微分値と、初期における前記測定電圧微分値である初期測定電圧微分値との差分である微分値差分を求め、所定の時間範囲における前記微分値差分の最大値及び最小値を抽出し、前記最大値と前記最小値との差である微分値差分差を求め、当該微分値差分差と予め設定された差分差閾値とを比較し、比較結果により前記電池の劣化を判定する
ことを特徴とする請求項8に記載の二次電池劣化検出システム。 - 前記判定部が、前記電池の使用後における前記測定電圧微分値である使用後測定電圧微分値と、初期における前記測定電圧微分値である初期測定電圧微分値との差分である微分値差分を求め、前記微分値差分の所定の時間範囲における平均値である微分値平均値を求め、前記微分値平均値が予め設定された平均値閾値とを比較し、比較結果により前記電池の劣化を判定する
ことを特徴とする請求項7に記載の二次電池劣化検出システム。 - 前記判定部が、前記電池の使用後における前記測定電圧微分値である使用後測定電圧微分値と、初期における前記測定電圧微分値である初期測定電圧微分値との差分である微分値差分を求め、前記微分値差分の所定の時間範囲における平均値である微分値平均値を求め、前記微分値平均値が予め設定された平均値範囲とを比較し、比較結果により前記電池の劣化を判定する
ことを特徴とする請求項7に記載の二次電池劣化検出システム。 - 充電時あるいは放電時の瞬断時において、電池の電圧応答を検出し、当該電圧応答の使用経過における変化により、前記電池の劣化を判定する判定過程
を含むことを特徴とする二次電池劣化検出方法。 - 前記判定において、前記電圧応答として、電池の初期における初期電圧応答と、実使用後の使用後電圧応答とを検出し、前記初期電圧応答と前記使用後電圧応答とを比較し、前記電池の劣化を判定する
ことを特徴とする請求項15に記載の二次電池劣化検出方法。 - 前記判定過程において、前記電圧応答が時間微分された測定電圧微分値の使用経過における変化に基づいて、前記電池の劣化を判定する
ことを特徴とする請求項15に記載の二次電池劣化検出方法。
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