JP2016176813A - 検査装置及び検査方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】傾いている物品におけるシール部の検査を良好に行うことができる検査装置及び検査方法を提供する。【解決手段】検査装置1は、包材60のシール部62における不良の有無を判断する判断部43を備え、判断部43は、物品Gに対応する物品領域52が透過画像50における画素の列方向及び行方向である配列方向に対して傾いている場合、物品領域52を含むマスク作成領域M1の所定方向が列方向又は行方向に沿うように、マスク作成領域M1を一方向に所定角度回転させ、回転後のマスク作成領域M1に基づいて、内容物61が収容された収容領域Aに対応するマスク領域MAを作成し、マスク領域MAを一方向とは反対の他方向に所定角度回転させて、収容領域Aにマスク領域を設定する。【選択図】図7
Description
本発明は、検査装置及び検査方法に関する。
従来の検査装置として、例えば特許文献1に記載された装置が知られている。特許文献1に記載の検査装置は、包材で内容物を包んだ物品を検査する装置であり、物品の画像からシール部を含む帯状の部分画像を取得し、部分画像に異物が存在しているか否かを判別する。この検査装置では、物品が所定方向に対して傾いている場合、物品の画像を回転させて補正し、補正後の画像から部分画像を取得している。
一般的に、画像を回転させる画像処理では、回転後の画素が回転前のどの画素に対応しているのか、すなわち回転後の画素位置が回転前の画像のどの位置に対応しているのかを求める必要がある。従来の検査装置のように、画像において物品の画像だけを回転させる処理では、物品の回転前の画素の位置と回転後の画素の位置とを正確に対応づけることが困難となるため、回転後の物品の画像の精度が低くなるおそれがある。そのため、従来の検査装置では、補正後の物品の画像からシール部を含む帯状の部分画像を精度良く取得できないおそれがある。したがって、従来の検査装置では、シール部の検査を精度良く行うことができない可能性がある。
本発明は、傾いている物品におけるシール部の検査を良好に行うことができる検査装置及び検査方法を提供することを目的とする。
本発明の係る検査装置は、内容物が包材に包装された物品に光を照射する光照射部と、物品を透過した光に基づいて、物品を含む透過画像を生成する画像生成部と、画像生成部により生成された透過画像に基づいて、包材のシール部における不良の有無を判断する判断部と、を備える検査装置であって、判断部は、物品に対応する物品領域が透過画像における画素の列方向及び行方向である配列方向に対して傾いている場合、物品領域を含むマスク作成領域の所定方向が列方向又は行方向に沿うように、マスク作成領域を一方向に所定角度回転させ、回転後のマスク作成領域に基づいて、内容物が収容された収容領域に対応するマスク領域を作成し、マスク領域を一方向とは反対の他方向に所定角度回転させて、収容領域にマスク領域を設定し、透過画像とマスク領域とに基づいてシール部における不良の有無を判断する。
この検査装置では、判断部は、マスク作成領域の所定方向が配列方向に沿うように、マスク作成領域を一方向に回転させ、回転後のマスク作成領域に基づいてマスク領域を作成し、マスク領域を一方向とは反対の他方向に回転させて、収容領域にマスク領域を設定している。これにより、検査装置では、物品領域が透過画像の配列方向に対して傾いている(物品が搬送方向に対して傾いている)場合であっても、物品領域を回転させることなく、収容領域にマスク領域を設定できる。そのため、検査装置では、透過画像とマスク領域とに基づいて、シール部における不良の有無を判断できる。したがって、検査装置では、傾いている物品におけるシール部の検査を良好に行うことができる。
一実施形態においては、判断部は、マスク作成領域の少なくとも一端部から所定の画素数だけ当該マスク作成領域を内側に縮小させてマスク領域を作成してもよい。これにより、包材の端部に設けられたシール部を含まない収容領域に適合するマスク領域を作成することができる。
一実施形態においては、判断部は、物品領域の頂部を複数検出し、少なくとも2つの頂部を結ぶ直線を求め、当該直線と列方向又は行方向とが成す角度を取得して、当該角度に応じてマスク作成領域を一方向に回転させてもよい。これにより、物品領域の配列方向(列方向又は行方向)に対する傾き角度を精度良く求めることができ、マスク領域を適切に設定することができる。したがって、シール部の検査精度を高めることができる。
一実施形態においては、判断部は、物品領域を含む最小矩形を作成し、当該最小矩形の少なくとも一辺と列方向又は行方向とが成す角度を取得して、当該角度に応じてマスク作成領域を一方向に回転させてもよい。これにより、物品領域の配列方向(列方向又は行方向)に対する傾き角度を精度良く求めることができ、マスク領域を適切に設定することができる。したがって、シール部の検査精度を高めることができる。
本発明に係る検査方法は、内容物が包材に包装された物品に光を照射し、物品を透過した光に基づいて物品を含む透過画像を生成して、透過画像に基づいて包材のシール部における不良の有無を検査する検査装置による検査方法であって、検査装置が、物品に対応する物品領域が透過画像における画素の列方向及び行方向である配列方向に対して傾いている場合、物品領域を含むマスク作成領域を作成し、当該マスク作成領域の所定方向が列方向又は行方向に沿うように、マスク作成領域を一方向に所定角度回転させる回転ステップと、検査装置が、回転後のマスク作成領域に基づいて、内容物が収容された収容領域に対応するマスク領域を作成する作成ステップと、検査装置が、マスク領域を一方向とは反対の他方向に所定角度回転させて、収容領域にマスク領域を設定する設定ステップと、検査装置が、透過画像とマスク領域とに基づいてシール部における不良の有無を判断する判断ステップと、を含む。
この検査方法では、マスク作成領域の所定方向が列方向又は行方向に沿うように、マスク作成領域を一方向に回転させ、回転後のマスク作成領域に基づいてマスク領域を作成し、マスク領域を一方向とは反対の他方向に回転させて、収容領域にマスク領域を設定している。これにより、検査方法では、物品領域が透過画像の配列方向に対して傾いている(物品が搬送方向に対して傾いている)場合であっても、物品領域を回転させることなく、収容領域にマスク領域を設定できる。そのため、検査方法では、透過画像とマスク領域とに基づいて、シール部における不良の有無を判断できる。したがって、検査方法では、傾いている物品におけるシール部の検査を良好に行うことができる。
本発明によれば、傾いている物品におけるシール部の検査を良好に行うことができる。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明において同一又は相当要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
(1)全体構成
図1及び図2に示される近赤外線検査装置1は、樹脂フィルムからなる包材、及び当該樹脂フィルム内に収容された内容物を有する物品Gを検査する装置である。物品Gは、例えば、食品などの搬送ラインにおいて搬送される袋入り菓子などである。包材は、透明な材料、半透明な材料など、光透過性を有する材料からなる。また、パッケージの材料自体が色彩を有している場合もあるし、印刷などによってパッケージに色彩が施されている場合もある。
図1及び図2に示される近赤外線検査装置1は、樹脂フィルムからなる包材、及び当該樹脂フィルム内に収容された内容物を有する物品Gを検査する装置である。物品Gは、例えば、食品などの搬送ラインにおいて搬送される袋入り菓子などである。包材は、透明な材料、半透明な材料など、光透過性を有する材料からなる。また、パッケージの材料自体が色彩を有している場合もあるし、印刷などによってパッケージに色彩が施されている場合もある。
近赤外線検査装置(検査装置)1は、光照射部2と、光検出部3と、制御コンピュータ4と、振分機構5と、を備えている。光照射部2は、搬送コンベア11,12の下方に配置されている。光検出部3は、搬送コンベア11,12の上方に配置されている。光照射部2及び光検出部3は、搬送コンベア11,12間に設けられた間隙を介して互いに対向している。
光照射部2は、搬送コンベア11,12間の間隙の下方において当該間隙に沿って延在する近赤外線照射器13を有している。光照射部2は、搬送コンベア11,12によって搬送される物品Gが搬送コンベア11,12間の間隙上を通過する際に、近赤外線照射器13から物品Gに近赤外線を照射する。なお、近赤外線の波長は、780nm〜1400nmである。
光検出部3は、搬送コンベア11,12間の間隙の上方において当該間隙に沿って延在する近赤外線ラインセンサ14を有している。光検出部3は、搬送コンベア11,12によって搬送される物品Gが搬送コンベア11,12間の間隙上を通過する際に物品Gに照射された近赤外線の透過光を近赤外線ラインセンサ14で検出し、検出信号を出力する。
近赤外線ラインセンサ14は、物品Gを透過した近赤外線を検出する。近赤外線ラインセンサ14は、搬送コンベア11,12による物品Gの搬送方向に直交する水平方向に一列に配列された複数の検出素子14a(図3参照)を有している。
光照射部2及び光検出部3は、光照射部2から光検出部3に至る近赤外線の光路が周囲雰囲気に露出した状態で、台座6に立設された支柱7に片持ち支持されている。なお、物品Gの検査領域がシールドボックスなどによって覆われる構成としてもよい。
制御コンピュータ4は、支柱7内に収容されており、近赤外線検査装置1の動作制御及び各種の信号処理を行う。支柱7には、制御コンピュータ4の他、ディスプレイなどの表示部及びタッチボタンなどの操作部が設けられている。ただし、制御コンピュータ4、表示部及び操作部は、台座6及び支柱7とは別に用意された制御ボックスなどに設けられていてもよい。
図2に示されるように、振分機構5は、近赤外線検査装置1の下流側に配置されている。振分機構5は、搬送コンベア11,12によって近赤外線検査装置1に対して連続的に搬送される物品Gを振り分ける。振分機構5は、物品Gに不具合が有る場合には、アーム5aを動作させて、正規のラインコンベア80から外れた回収箱90に物品Gを送る。
(2)制御コンピュータの構成
制御コンピュータ4は、近赤外線検査装置1における各種動作を制御する部分であり、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などで構成される。制御コンピュータ4は、光検出部3から出力された検出信号に基づいて、物品Gの近赤外線透過像を取得し、当該赤外線透過像における1画素当たりの濃淡値に基づいて、シール部のシール不良、包材における内容物以外の異物の混入の有無、内容物の割れの有無、シール部への内容物の噛み込みの有無、シール部の折れ曲がりの有無などを判断する。本実施形態では、制御コンピュータ4がシール部のシール不良の有無を判断する場合について説明する。
制御コンピュータ4は、近赤外線検査装置1における各種動作を制御する部分であり、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などで構成される。制御コンピュータ4は、光検出部3から出力された検出信号に基づいて、物品Gの近赤外線透過像を取得し、当該赤外線透過像における1画素当たりの濃淡値に基づいて、シール部のシール不良、包材における内容物以外の異物の混入の有無、内容物の割れの有無、シール部への内容物の噛み込みの有無、シール部の折れ曲がりの有無などを判断する。本実施形態では、制御コンピュータ4がシール部のシール不良の有無を判断する場合について説明する。
図3に示されるように、制御コンピュータ4は、近赤外線検査装置1における各種制御処理を実行する概念的な部分として、画像生成部41と、判断部43と、を有している。このような概念的な部分は、例えばROMに格納されているプログラムがRAM上にロードされてCPUで実行されるソフトウェアとして構成することができる。なお、制御コンピュータ4は、電子回路などによるハードウェアとして構成されてもよい。
(2−1)画像生成部
画像生成部41は、物品Gを透過した光に基づいて、物品Gの透過画像を生成する部分である。具体的には、画像生成部41は、近赤外線ラインセンサ14から連続的に送信されてくる検出信号に基づいて、図4に示されるような、物品Gを含む透過画像50を生成する。画像生成部41は、検出信号に基づく画像の明度が低い場合には、透過画像50の明るさを調整する。画像生成部41は、生成した透過画像50を判断部43に出力する。
画像生成部41は、物品Gを透過した光に基づいて、物品Gの透過画像を生成する部分である。具体的には、画像生成部41は、近赤外線ラインセンサ14から連続的に送信されてくる検出信号に基づいて、図4に示されるような、物品Gを含む透過画像50を生成する。画像生成部41は、検出信号に基づく画像の明度が低い場合には、透過画像50の明るさを調整する。画像生成部41は、生成した透過画像50を判断部43に出力する。
図4に示されるように、物品Gは、内容物61が包材60に包装されてなる。内容物61は、包材60の収容領域A内に収容されている。物品G(包材60)は、例えば、略矩形形状を呈している。包材60には、互いに対向する位置に一対のシール部62が形成されている。シール部62のそれぞれは、例えば、略矩形形状(長方形状)を呈している。
(2−2)判断部
判断部43は、画像生成部41により生成された透過画像50に基づいて、包材60のシール部62における不良の有無を判断する。判断部43は、画像生成部41から出力された透過画像50を受け取ると、透過画像50を2値化処理し、図5に示されるように、2値化した画像において物品Gに対応する物品領域52を設定する。なお、図5においては、物品領域52を斜線で示しているが、実際には、2値化処理によって物品領域52が黒、その他の領域が白の2階調に変換されている。
判断部43は、画像生成部41により生成された透過画像50に基づいて、包材60のシール部62における不良の有無を判断する。判断部43は、画像生成部41から出力された透過画像50を受け取ると、透過画像50を2値化処理し、図5に示されるように、2値化した画像において物品Gに対応する物品領域52を設定する。なお、図5においては、物品領域52を斜線で示しているが、実際には、2値化処理によって物品領域52が黒、その他の領域が白の2階調に変換されている。
判断部43は、物品領域52が透過画像50における画素の列方向及び行方向である配列方向に対して傾いている否かを判断する。画素の列方向は、図5におけるX方向であり、画素の行方向は、図5におけるY方向である。
判断部43は、例えば、物品領域52の4つの頂部を通り且つ物品領域52を含む最小矩形(枠)を作成し、当該最小矩形の少なくとも一辺が配列方向に対して所定角度(例えば、1°以上45°以下)傾いている場合には、物品領域52が配列方向に対して傾いていると判断する。具体的には、例えば、図6(a)に示されるような形状を呈する物品Gの場合には、図6(b)に示されるように、物品領域52の4つの頂部を通る略矩形形状の最小矩形Kを作成する。判断部43は、最小矩形の例えば辺S1〜S4の一辺が配列方向に所定角度傾いている場合には、物品領域52が配列方向に対して傾いていると判断する。
判断部43は、物品領域52が透過画像50の画素の配列方向に対して傾いている場合、物品領域52を含む第1マスク作成領域M1の所定方向が列方向又は行方向に沿うように、第1マスク作成領域M1を一方向に所定角度回転させる(回転ステップ)。具体的には、判断部43は、図7に示されるように、物品領域52に重複する第1マスク作成領域M1を作成する。第1マスク作成領域M1は、物品領域52と略同形状を呈している。第1マスク作成領域M1は、後述するマスク作成領域Mの一部を構成する。
判断部43は、第1マスク作成領域M1を作成すると、第1マスク作成領域M1の列方向又は行方向に対する傾き角度を取得する。具体的には、判断部43は、図6(b)に示されるように、例えば、最小矩形Kの辺S2と行方向とが成す角度θを取得する。判断部43は、最小矩形Kの辺S1と列方向とが成す角度を取得してもよい。判断部43は、図7に示されるように、取得した角度θに応じて第1マスク作成領域M1を一方向(ここでは反時計回り方向)に回転させ、第1マスク作成領域M1の所定方向(辺、長手方向、短手方向等)を配列方向に沿わせる。
判断部43は、回転後の第1マスク作成領域M1に基づいて、内容物61が収容された収容領域Aに対応するマスク領域MA(図12参照)を作成する(作成ステップ)。マスク領域MAの作成について、以下詳細に説明する。判断部43は、マスク領域MAを作成するために、マスク作成領域Mを設定する。マスク作成領域Mは、マスク領域MAを作成するために設定される領域である。マスク作成領域Mの具体的な作成方法について、図8〜図11を参照しながら説明する。
図8に示されるように、マスク作成領域Mは、第1マスク作成領域M1、第2マスク作成領域M2及び第3マスク作成領域M3から成る。なお、図8では、マスク作成領域Mを斜線で示しているが、実際には、マスク作成領域Mの全体が塗りつぶされている。マスク領域MAについても同様である。
判断部43は、上述のように、第1マスク作成領域M1を作成する。また、判断部43は、図9に示されるように、第1マスク作成領域M1において、一方のシール部62の外側の頂部C1に対応する部分から透過画像50の端部50aまで列方向(X方向)に沿って延在する第1仮想線L1を作成すると共に、他方のシール部62の外側の頂部C2に対応する部分から端部50aまで列方向に沿って延在する第2仮想線L2を作成する。判断部43は、図8に示されるように、第1仮想線L1と第2仮想線L2と第1マスク作成領域M1とで囲まれる領域を第2マスク作成領域M2に設定する。
また、判断部43は、図9に示されるように、第1マスク作成領域M1において、一方のシール部62の外側の頂部C3に対応する部分から透過画像50の端部50bまで列方向(X方向)に沿って延在する第1仮想線L3を作成すると共に、他方のシール部62の外側の頂部C4に対応する部分から端部50bまで列方向に沿って延在する第2仮想線L4を作成する。判断部43は、図8に示されるように、第1仮想線L3と第2仮想線L4と第1マスク作成領域M1とで囲まれる領域を第3マスク作成領域M3に設定する。以上の処理により、判断部43は、第1マスク作成領域M1、第2マスク作成領域M2及び第3マスク作成領域M3を含む領域を、マスク作成領域Mとして設定する。
判断部43は、マスク作成領域Mを設定すると、物品領域52と、マスク作成領域Mとに基づいて、内容物61が収容された領域Sをマスク領域MAに設定する。具体的には、判断部43は、マスク作成領域Mを配列方向(本実施形態では行方向)に沿って平行に移動させて、移動後のマスク作成領域Mと物品領域52とに基づいてマスク領域MAを設定する。マスク作成領域Mの移動について、マスク作成領域Mの移動回数は、物品Gが略矩形形状を呈しており且つシール部の数が1以上4以下の場合、包材に形成されたシール部の数に応じて設定される。本実施形態では、包材60にシール部62が2つ形成されているため、判断部43は、マスク作成領域Mを2回移動させる。なお、シール部62の数は、タッチボタンなどの操作部により入力され、制御コンピュータ4に予め設定されている。
判断部43は、図10に示されるように、マスク作成領域Mを、物品領域52に対して画素の行方向に沿って図示上側に平行移動させる。マスク作成領域Mの移動量は、包材60のシール部62の幅寸法と同等とする。シール部62の幅寸法は、図4に示される透過画像50から取得される。また、判断部43は、図11に示されるように、マスク作成領域Mを、物品領域52に対して画素の行方向に沿って図示下側に平行移動させる。
判断部43は、図5に示される物品領域52と、図10に示される移動後のマスク作成領域Mと、図11に示される移動後のマスク作成領域Mとにおいて論理演算を行い、図12に示されるように、マスク領域MAを設定する(設定ステップ)。具体的には、判断部43は、物品領域52と移動後のマスク作成領域Mとの論理和を求めて、マスク領域MAを設定する。
判断部43は、マスク領域MAを設定すると、マスク領域MAを上記一方向とは反対の他方向に所定角度回転させて、収容領域Aにマスク領域MAを設定する。判断部43は、図13に示されるように、マスク領域MAを他方向(ここでは時計回り方向)に角度θだけ回転させる。これにより、判断部43は、図14に示されるように、収容領域Aにマスク領域MAを設定する。
判断部43は、透過画像50にマスク領域MAが重ねられた画像に基づいて、包材60のシール部62における不良の有無を判断する(判断ステップ)。判断部43は、シール部62のシール不良、シール部62への内容物61の噛み込みの有無、シール部62の折れ曲がりの有無などを判断する。判断部43は、判断結果を振分機構5に出力する。なお、判断部43は、シール部62の不良の判断の際、透過画像50にマスク領域MAが重ねられた画像をディスプレイに表示させる信号を出力し、当該画像をディスプレイに表示させてもよい。これにより、表示部において、検査領域となるシール部62を作業者が確認できる。
振分機構5は、判断部43から出力された判断結果においてシール部にシール不良が有ることを示している場合には、アーム5aを動作させることで、正規のラインコンベア80から外れた回収箱90に、シール不良であると判断された物品Gを送る。言い換えれば、振分機構5は、シール部62のシール不良がなく、シール部62への内容物の噛み込みがなく、かつシール部62の折れ曲がりのない、良品と判定された物品Gについては、正規のラインコンベア80に当該物品Gを送る。振分機構5は、判断部43から出力された判断結果においてシール不良以外の不具合の有ることを示している場合にも、物品Gを振り分ける。
以上説明したように、本実施形態の近赤外線検査装置1では、判断部43は、第1マスク作成領域M1の所定方向が配列方向に沿うように、第1マスク作成領域M1を一方向に回転させ、回転後の第1マスク作成領域M1に基づくマスク作成領域Mによりマスク領域MAを作成し、マスク領域MAを一方向とは反対の他方向に回転させて、収容領域Aにマスク領域MAを設定している。これにより、近赤外線検査装置1では、物品領域52が透過画像50の配列方向に対して傾いている(物品Gが搬送コンベア11,12の搬送方向に対して傾いている)場合であっても、物品領域52を回転させることなく、内容物61が収容された領域にマスク領域MAを設定できる。そのため、近赤外線検査装置1では、透過画像50とマスク領域MAとに基づいて、シール部62における不良の有無を判断できる。したがって、近赤外線検査装置1では、傾いている物品Gにおけるシール部62の検査を良好に行うことができる。
本実施形態では、判断部43は、物品領域52を含む最小矩形Kを作成し、最小矩形Kの辺S1〜S4の少なくとも一辺と列方向又は行方向とが成す角度θを取得して、角度θに応じて第1マスク作成領域M1を一方向に回転させている。これにより、例えば、図6(a)に示されるように、物品Gの包材60のシール部62の一部が内側に屈曲している場合であっても、物品領域52の配列方向(列方向又は行方向)に対する傾き角度θを精度良く求めることができ、マスク領域MAを適切に設定することができる。したがって、シール部62の検査精度を高めることができる。
本発明は、上記実施形態に限定されない。例えば、上記実施形態では、物品領域52の配列方向に対する傾きを物品領域52の最小矩形Kに基づいて求めている。しかし、物品領域52の配列方向に対する傾きは、以下の方法により求められてもよい。
判断部43は、物品領域52の頂部を複数検出し、少なくとも2つの頂部を結ぶ直線を求め、当該直線が配列方向に対して所定角度以上傾いている場合には、物品領域52が配列方向に対して傾いていると判断する。具体的には、例えば、図15(a)に示されるような形状を呈する物品Gの場合には、図15(b)に示されるように、4つの頂部CP1〜CP4を検出し、頂部CP1と頂部CP2とを結ぶ直線SL1、及び、頂部CP3と頂部CP4とを結ぶ直線SL2を求め、直線SL1又は/及び直線SL2が配列方向に対して所定角度傾いている場合には、物品領域52が配列方向に対して傾いていると判断する。
また、判断部43は、図15(b)に示されるように、物品領域52において頂部CP1〜CP4を検出して直線SL1,SL2を求めた場合には、例えば直線SL2と行方向とが成す角度θを取得する。判断部43は、図8に示されるように、取得した角度θに応じて第1マスク作成領域M1を一方向に回転させる。
上記実施形態では、判断部43は、物品領域52と移動後のマスク作成領域Mの論理和を求めて、マスク領域MAを設定しているが、マスク領域MAの作成方法はこれに限定されない。判断部43は、第1マスク作成領域M1の両端部から所定の画素数だけ(シール部62の幅に対応する画素数だけ)第1マスク作成領域M1を内側に縮小させて、マスク領域MAを作成してもよい。これにより、包材60の端部に設けられたシール部62を含まない収容領域Aに適合するマスク領域を作成することができる。
上記実施形態では、判断部43は、物品領域52の頂部を複数検出して傾きを求めているが、頂部以外の外周上の任意の点を用いて傾きを求めてもよい。例えば、物品Gにおける平行な一対の外辺に対して、その外辺の中点のそれぞれ(2点)を用いることにより、配列方向に対する傾きを求めることができる。これにより、頂部が折れやすい場合であっても、効果的に傾きを算出することができる。また、同様にサンプル形状に応じて適宜適切な点を利用することで傾きを判断してもよい。
上記実施形態では、透過画像50の配列方向(列方向、行方向)に対して、物品領域52が1°以上45°以下の角度で傾いている形態を一例に説明した。これについて、例えば物品Gが正方形状を呈する場合、物品Gが透過画像50の配列方向の一方向に対して例えば45°よりも傾いているときには、判断部43は、当該物品Gを検査不能と判断してもよい。正方形状を呈する物品領域52が45°よりも傾いている場合、包材60の側部をシール部62として認識して検査を行う可能性がある。そのため、物品領域52が45°よりも傾いている場合、正確な検査ができない可能性があり、検査不能と判断することで、正確な検査が行われる。なお、検査不能と判断された物品を検査の結果不良と判断された物品とは異なる場所に排出することで、再度検査し、廃棄ロスを減らすことができる。
また、判断部43は、例えば、物品Gが長方形状を呈している場合、物品Gが透過画像50の配列方向の一方向に対して例えば45°よりも傾いている場合であっても、物品領域52の長手方向又は短手方向とシール部62との位置関係と、搬送コンベア11,12における物品Gの通常(傾いていない状態)の載置状態との関係から、第1マスク作成領域M1の回転角度を求めて、第1マスク作成領域M1を回転させてもよい。すなわち、判断部43は、例えば、物品Gの長手方向の端部にシール部62が設けられており、搬送コンベア11,12において物品Gの長手方向が搬送方向に沿うように搬送される場合には、物品Gが透過画像50の配列方向の一方向に対して例えば45°よりも傾いている場合であっても、物品領域52の長手方向と搬送方向とが成す角度を算出し、第1マスク作成領域M1を回転させ、収容領域Aに適合するマスク領域MAを作成することができる。
上記実施形態では、検査対象となる物品Gとして、シール部62を有する包材60を一例に説明した。包材としては、包材の外枠の3辺に沿ってシール部が形成されたいわゆる3方シールであってもよいし、外枠の4辺に沿ってシール部が形成されたいわゆる4方シールであってもよい。また、その他の形状を有するものであってもよい。
上記実施形態では、光検出部3が近赤外線ラインセンサ14を有していたが、光検出部は、近赤外線ラインセンサ14に代えて近赤外線エリアセンサを有していてもよい。また、光検出部は、近赤外線を通過させ且つ可視光を遮断するフィルタを有していてもよい。これにより、光照射部から光検出部に至る近赤外線の光路が周囲雰囲気に露出している場合に、周囲雰囲気から近赤外線ラインセンサ又は近赤外線エリアセンサに可視光が入射し、当該可視光が外乱光となるのを防止することができる。
上記実施形態では、光照射部から照射する光として近赤外線を一例に説明したが、光は、可視光、近赤外線、X線、紫外線、テラヘルツ波等であってもよい。光は、検査対象となる物品Gに応じて適宜設定されればよい。
1…近赤外線検査装置(検査装置)、2…光照射部、41…画像生成部、43…判断部、50…透過画像、52…物品領域、60…包材、61…内容物、62…シール部、A…収容領域、CP1〜CP4…頂部、M…マスク作成領域、MA…マスク領域、M1…第1マスク作成領域、M2…第2マスク作成領域、S1〜S4…辺、SL1,SL2…直線。
Claims (5)
- 内容物が包材に包装された物品に光を照射する光照射部と、前記物品を透過した前記光に基づいて、前記物品を含む透過画像を生成する画像生成部と、前記画像生成部により生成された前記透過画像に基づいて、前記包材のシール部における不良の有無を判断する判断部と、を備える検査装置であって、
前記判断部は、
前記物品に対応する物品領域が前記透過画像における画素の列方向及び行方向である配列方向に対して傾いている場合、前記物品領域を含むマスク作成領域の所定方向が前記列方向又は前記行方向に沿うように、前記マスク作成領域を一方向に所定角度回転させ、
回転後の前記マスク作成領域に基づいて、前記内容物が収容された収容領域に対応するマスク領域を作成し、
前記マスク領域を前記一方向とは反対の他方向に前記所定角度回転させて、前記収容領域に前記マスク領域を設定し、
前記透過画像と前記マスク領域とに基づいて前記シール部における不良の有無を判断する、検査装置。 - 前記判断部は、前記マスク作成領域の少なくとも一端部から所定の画素数だけ当該マスク作成領域を内側に縮小させて前記マスク領域を作成する、請求項1に記載の検査装置。
- 前記判断部は、前記物品領域の頂部を複数検出し、少なくとも2つの前記頂部を結ぶ直線を求め、当該直線と前記列方向又は前記行方向とが成す角度を取得して、当該角度に応じて前記マスク作成領域を前記一方向に回転させる、請求項1又は2に記載の検査装置。
- 前記判断部は、前記物品領域を含む最小矩形を作成し、当該最小矩形の少なくとも一辺と前記列方向又は前記行方向とが成す角度を取得して、当該角度に応じて前記マスク作成領域を前記一方向に回転させる、請求項1又は2に記載の検査装置。
- 内容物が包材に包装された物品に光を照射し、前記物品を透過した前記光に基づいて前記物品を含む透過画像を生成して、前記透過画像に基づいて前記包材のシール部における不良の有無を検査する検査装置による検査方法であって、
前記検査装置が、前記物品に対応する物品領域が前記透過画像における画素の列方向及び行方向である配列方向に対して傾いている場合、前記物品領域を含むマスク作成領域を作成し、当該マスク作成領域の所定方向が前記列方向又は前記行方向に沿うように、前記マスク作成領域を一方向に所定角度回転させる回転ステップと、
前記検査装置が、回転後の前記マスク作成領域に基づいて、前記内容物が収容された収容領域に対応するマスク領域を作成する作成ステップと、
前記検査装置が、前記マスク領域を前記一方向とは反対の他方向に前記所定角度回転させて、前記収容領域に前記マスク領域を設定する設定ステップと、
前記検査装置が、前記透過画像と前記マスク領域とに基づいて前記シール部における不良の有無を判断する判断ステップと、を含む、検査方法。
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