JP2016176667A - 太陽光反射用パネル - Google Patents

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智彦 坂井
慎一 藏方
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慎一 藏方
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Abstract

【課題】反射面を乱すことなく製作されてなる、耐候性を有し軽量化された太陽光反射用パネルを提供する。【解決手段】太陽光反射面を支持したフィルムを有した基材と、前記基材を経時変形しないように保持する基体を貼り合せた太陽光反射パネルにおいて、基材が変形しないように保持する基体と、反射面を有した基材との接触面積が太陽光反射面の面積の50%以下で、且つヤング率が55GPa以上、嵩比重が2000kg/m3以下であり、前記基材と前記基体との貼り合せに用いた接着剤の伸びが100%以上で、且つ硬度が30以上であることを特徴とする太陽光反射用パネル。【選択図】なし

Description

本発明は、太陽光反射用パネルに関する。
発展途上国の急激な経済成長に伴い、全世界的にエネルギー需要が増大し、かつては無尽蔵と考えられていた石油、天然ガス等の化石燃料の枯渇が現実味を帯びてきている。
このような状況を踏まえ、化石燃料の代替エネルギーとして、供給が最も安定しており、かつ豊富な自然エネルギーとして、太陽エネルギーが注目されており、現在、その太陽エネルギーを活用するための様々な検討がなされている。特に、世界のサンベルト地帯と言われている赤道近くには、広大な砂漠が広がっており、ここに降りそそぐ太陽エネルギーは正に無尽蔵と言える。また、米国南西部に広がる砂漠のわずか数%の面積における太陽エネルギーを活用すれば、実に7,000GWものエネルギーを得ることが可能であると考えられている。また、アラビア半島、北アフリカの砂漠のわずか数%の面積に照射される太陽エネルギーを活用すれば、全人類は必要とする全エネルギーを賄うことができるとも考えられている。
このように、太陽エネルギーは非常に有力な代替エネルギーであるものの、これを実際に活用する段階では、(1)太陽エネルギー自身のエネルギー密度が低いこと、並びに(2)太陽エネルギーの貯蔵及び移送が困難であること等が、問題となると考えられる。
上記問題のうち、(1)の太陽エネルギーのエネルギー密度が低いという問題に関しては、巨大な集光装置を用いて太陽光を集めることによって解決することが可能とされている。
この集光装置は、太陽光による紫外線や、設置する環境における熱、風雨、砂嵐等に晒されるため、従来、ガラス製ミラーを具備した太陽光反射用パネルが用いられてきた。さらに集光効率を高めるために、バックアップ材(ハニカムサンドイッチパネル)を予め湾曲させておきガラス薄板鏡(反射層付ガラス基材)を吸引し接着させて湾曲させたガラス反射鏡(ガラス製ミラー)を製造する方法が開示されている(特許文献1参照)。しかしながら、これらのガラス製ミラーは環境に対する耐久性は高いが、輸送時に破損しやすく、重量がかさむためパネルを設置する架台の強度で集光装置費用が膨らむ、設置時に重機を用いて設置するなど人工(じんく)が膨らむ等の問題を抱えている。
上記問題を解決するために、ガラス製ミラーを、多孔質からなる湾曲可能な芯材にし、反射層をプラスチックに変更してプラスチック製ミラーを製造する方法の検討がなされている(特許文献2参照)。
特開昭58−27102号公報(ガラス薄板鏡:2頁左下欄5〜6行参照) 特開昭56−61536号公報(熱融着(融点120℃前後)性フィルム状接着シート:5頁左欄34〜35行参照)
特許文献1の湾曲させたガラス反射鏡(ガラスミラーパネル又はガラス製ミラー)は、予めバックアップ材(ハニカムサンドイッチパネル)を湾曲させて製造する方法であるが、上記した課題を有するほか、バックアップ材(ハニカムサンドイッチパネル)の湾曲精度が出ていないと貼り合せる反射面を持ったガラス薄板鏡(反射層付ガラス基材)との間隙が不均一になり、接着時は反射面自体が平滑になっているため出来上がり直後、若しくはある程度の時間までは形状が維持可能と思われるが、長時間過酷な環境下に暴露されると接合時に発生する間隙差により反射面自体が歪んだ状態になると推定される。更に、バックアップ材は、反射用曲面を加工する曲率精度に仕上げることができるが、ガラス薄板鏡(反射層付ガラス基材)は、その曲率精度をバックアップ材と同様に仕上げることが極めて困難で、全体として製作完了時の精度が悪くなる。またガラス薄板鏡とバックアップ材の曲率精度に差が生じるため、ガラス薄板鏡とバックアップを貼り合せるとき、接着剤の厚さが不均一となり、接着強度がバラツク或いは空隙が残るなどの障害から温度変化による膨張・収縮作用によって破損しやすい。またガラス薄板鏡は、その重量が重くなると共に、取扱いに相当な注意を要し、架台や追尾支援装置等の付帯設備の設計強度を大きくしなければならない。また重量が増えると重力の影響を受け、基体が歪む可能性が高い。更にガラス薄板鏡の反射率は、ガラス内を光が往復するため、80%程度と低い等の問題もあった。
また、特許文献2のプラスチック製ミラー(フィルムミラーパネル)では、反射層付基材(光輝板)と芯材の接着に熱溶融粘着シートを用いた実施例が記載されているが、融点が120℃と高く、プラスティック基材に反射層を設ける場合には、基材自体が変形するなど硬度(剛性)が十分でなく、形状保持が困難であるほか、使用可能な基材が限定される(熱溶融のため貼る基材が限定される)、更に熱溶融粘着シートを用いた粘着剤が熱溶融のため温度耐性がないなどの問題があった。
したがって、本発明の目的は、上記問題に鑑みてなされたものであり、その解決課題は、(反射面を乱すことなく製作され)耐候性を有し軽量化された太陽光反射用パネルを提供することにある。
本発明者は、上記問題点を解決すべく、鋭意検討した結果、フィルムミラーパネルはガラスミラーパネルとは異なり、軽量化でき、大サイズでのハンドリングも可能というメリットがある。しかしながらが、太陽光反射面(反射層)が設けられているフィルム自体は剛性がなく、サポートする基体(基材)が必要である。軽量化のために多孔質な基体や接触面積が少ない金属製の基体などが挙げられるが、反射面を歪ませる事なく平滑に接合することが必要であるにも拘らず極めて困難であることを見出した。かかる知見に基づき、太陽光反射面を支持したフィルムを有する基材と、前記基材を(好ましくは経時変形しないように)保持する基体を貼り合せた太陽光反射パネルにおいて、軽量化及び剛性(パネル形状保持による耐候性)付与の観点から、多孔質な基体や接触面積が少ない金属製の基体を採用し得ることで、基体と基材との接触面積を抑え、且つ基体のヤング率を高め、嵩比重を抑える。さらに、反射面を支持するフィルム(反射フィルム)は薄膜フィルムであり、多孔質の基体に貼合すると基体表面(接着面)の凹凸がダイレクトに反射フィルムに反映されることから、反射面を歪ませる事なく平滑に接合する(反射面を乱すことなく製作し、耐候性を付与する)ために、基材と基体との貼り合せに用いた接着剤の伸びを高め、尚且つ硬度を高めることで、上記課題(問題点)を解決できることを見出し、本発明に至ったものである。
すなわち、本発明の上記目的は、以下の太陽光反射パネル構成により達成される。
1.太陽光反射面(反射層)を支持したフィルムを有する基材と、前記基材を(好ましくは経時変形しないように)保持する基体を貼り合せた太陽光反射パネルにおいて、
前記基体と、前記基材との接触面積が太陽光反射面の面積の50%以下で、且つ前記基体のヤング率が55GPa以上、嵩比重が2000kg/1m以下であり、
前記基材と前記基体との貼り合せに用いた接着剤の伸びが100%以上で、且つ硬度が30以上であることを特徴とする太陽光反射用パネル。
2.前記接着剤の引っ張り強度が、2MPa以上であることを特徴とする上記1に記載の太陽光反射用パネル。
3.前記接着剤の伸びが、200%以上であることを特徴とする上記1または2に記載の太陽光反射用パネル。
4.前記接着剤の不揮発分が、95%以上であることを特徴とする上記1〜3のいずれか1つに記載の太陽光反射用パネル。
5.前記接着剤が、シリコン、または変性シリコンを含有したものであることを特徴とする上記1〜4のいずれか1つに記載の太陽光反射用パネル。
6.太陽光反射用パネルの大きさが、1m以上であることを特徴とする上記1〜5のいずれか1つに記載の太陽光反射用パネル。
7.太陽光反射面は、端部が封止されていることを特徴とする上記1〜6のいずれか1つに記載の太陽光反射用パネル。
本発明では、太陽光反射用パネルを長時間過酷な環境下に暴露されても反射面(反射層)を有する基材自体が歪んだ状態になる(いわゆる経時変化する)のを効果的に防止することができ、優れた耐候性を有する。更に太陽光反射用パネルを軽量化することで設置する実プラントの架台簡素化/コストダウンすることができ、大面積のパネルであっても破損の可能性は低く、且つ重機を用いる事なくインストールが可能なパネルを提供することができる。
本発明に係る太陽光反射用パネルの代表的な実施形態を模式的に表す概略斜視図である。 図1のA−A線に沿う概略断面図である。 本発明に係る太陽光反射用パネルを構成する、太陽光反射面を支持したフィルム(反射フィルム)を有する基材の層構成の代表的な実施形態を模式的に表す概略断面図である。 図1の太陽光反射用パネルの端部に設けられた封止材(封止部)の詳細な形状を説明するための図である。 基体を構成するハニカム構造と、該ハニカム構造を挟持する基材と裏面保護材を両面から貼り合せた構造体を模式的に表した概略斜視面である。 図5(A)の構造体を、基体を構成するハニカム構造と、該ハニカム構造を挟持する基材と、裏面保護材基体と、に分解した概略斜視面である。 図5(C)は、基体を構成するトラスコア構造と該トラスコア構造と基材とを貼り合せた構造体を模式的に表した図面と該図面の基体を構成するトラスコア構造の部分を一部抜き出した拡大図面である。 図5(D)は、図5(C)のトラスコア構造と基材とを貼り合せた構造体とした際のB−B線に沿う概略断面図である。 本発明に係る太陽光反射用パネルを複数用いて構成した太陽受光部と、太陽伝熱部を備えた太陽光集光用ミラー装置の代表的な実施形態を示す概略透視図である。 図6の太陽光集光用ミラー装置の長手方向に垂直な断面(a)と長手方向に平行な断面(b)を示す概略図である。 本発明に係る太陽光反射用パネルを複数用いて構成した太陽受光部と、太陽伝熱部を備えた太陽光集光用ミラー装置の他の実施形態を示す概略透視図である。 図8の太陽光集光用ミラー装置の長手方向に垂直な断面(a)と長手方向に平行な断面(b)を示す概略面である。 本発明に係る太陽光反射用パネルを複数用いて構成した太陽受光部と、太陽伝熱部を備えた太陽光集光用ミラー装置の更に他の実施形態の長手方向に垂直な断面(a)と長手方向に平行な断面(b)を示す概略図である。 実施例で作製した成形パネルの外観(表面凹凸)の評価に用いた、成形パネルの反射面側の表面(接着面)の凹凸の様子を3段階の評価基準ごとに表した図面である。図11(A)は基体のハニカム構造の平面図と、該ハニカム構造を用いた成形パネルの反射面側の表面(接着面)の凹凸の様子を3段階の評価基準ごとに表した図面である。図11(B)は基体のトランスコア構造の平面図と、該トランスコア構造を用いた成形パネルの反射面側の表面(接着面)の凹凸の様子を3段階の評価基準ごとに表した図面である。 実施例で作製した成形パネルの形状保持の評価に用いた、成形パネルの形状保持の様子を3段階の評価基準(良好「○」、やや良好「△」、不良「×」)で表したうちの、図12(A)は良好「○」の様子を表した平面(図12(A)(a))と断面(図12(A)(b))の図面であり、図12(B)は不良「×」の様子を表した平面(図12(B)(a))と断面(図12(B)(b))の図面である。 実施例で作製した成形パネルの形状保持の評価試験に用いた形状保持測定装置の概略図であって、図13(A)は、形状保持測定装置全体を模式的に表した概略平面図であり、図13(B)は、図13(A)の形状保持測定装置全体を模式的に表した概略正面図である。
本発明に係る太陽光反射パネルは、太陽光反射面を支持したフィルムを有する基材と、前記基材を(経時変形しないように)保持する基体を貼り合せた太陽光反射パネルにおいて、前記基体と、前記基材との接触面積が、前記太陽光反射面の面積の50%以下で、且つ前記基体のヤング率が55GPa以上、嵩比重が2000kg/m以下であり、前記基材と前記基体との貼り合せに用いた接着剤の伸びが100%以上で、且つ硬度が30以上であることを特徴とするものである。かかる構成を有することにより、上記した発明の目的を達成し、上記した発明の効果を有効に奏することができるものである。
以下、添付した図面を参照して、本発明を実施するための形態について説明するが、本発明の技術的範囲は特許請求の範囲の記載に基づいて定められるべきであり、以下の形態のみに制限されない。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
また、本明細書において、範囲を示す「X〜Y」は「X以上Y以下」を意味する。また、特記しない限り、操作および物性等の測定は室温(20〜25℃)/相対湿度40〜50%の条件で測定する。
<太陽光反射用パネル100>
図1は、本発明に係る太陽光反射用パネルの概略斜視図である。図2は、図1のA−A線に沿う概略断面図である。図3は、本発明の太陽光反射用パネルを構成する太陽光反射面を支持したフィルム(反射フィルム)を有する基材の層構成を示す概略断面図である。図4は、封止材の詳細な形状を説明するための図である。以下、図1〜4を参照して、本発明に係る太陽光反射用パネル100について説明する。
図1、図2に示すように、本発明の太陽光反射用パネル100は、太陽光反射面を支持したフィルム(反射フィルム)110aを有する基材110と、前記基材110を(好ましくは経時変形しないように)保持する基体120と、を貼り合せたものである。太陽光反射用パネル100は、前記基材110と前記基体120との貼り合せに用いた接着剤130を有する。更に太陽光反射用パネル100では、前記基材110が変形しないように保持する基体120と、前記太陽光反射面を支持したフィルム(反射フィルム)110aを有する基材110との接触面積が太陽光反射面の面積の50%以下で、且つ前記基体120のヤング率が55GPa以上、嵩比重が2000kg/m以下である。更に太陽光反射用パネル100では、前記基材110と前記基体120との貼り合せに用いた接着剤130の伸びが100%以上で、且つ硬度が30以上である。また、太陽光反射用パネル100は、必要に応じて、太陽光反射面(反射フィルム、更には基材)の端部が封止されてなる封止材(封止部)140を有していてもよい。なお、太陽光反射用パネル100の1枚のサイズは、特に限定するものではないが、例えば、縦2m×横4mとする。本発明では、太陽光反射用パネルを長時間過酷な環境下に暴露されても反射面(反射層)を有する基材自体が歪んだ状態になる(いわゆる経時変化する)のを効果的に防止することができ、優れた耐候性を有する。更に太陽光反射用パネルを軽量化することで設置する実プラントの架台簡素化/コストダウンすることができ、大面積のパネルであっても破損の可能性は低く、且つ重機を用いる事なくインストールが可能なパネルを提供することができることから、太陽光反射用パネル100の1枚のサイズ(大きさ)は、1.0m以上であるのが好ましい。本発明では、より大面積のパネルであっても破損の可能性は低く、且つ重機を用いる事なくインストールが可能なパネルを提供することができることから、太陽光反射用パネル100の1枚のサイズ(大きさ)は、2.0m以上がより好ましく、4.0m以上が特に好ましい範囲である。通常、太陽光反射用パネル100の1枚のサイズが小さい面積(1m未満)では、表面形状(表面凹凸)や形状保持評価で差が出にくいが、上記した大きな面積(1.0m以上、例えば、4〜8m程度)では、表面形状(表面凹凸)や形状保持評価で差が出やすいが、本発明では、大きな面積(サイズ)にしても表面形状(表面凹凸)や形状保持評価(性能)に優れるため、より大型な太陽光反射用パネル100を採用することができる点で優れている。太陽光反射用パネル100の1枚のサイズ(大きさ)は、図6〜10に示すように、太陽受光部と、太陽伝熱部とを備えた太陽光集光用ミラー装置における、該太陽受光部を構成する複数の太陽光反射用パネルの中の1枚の大きさをいう。
(1)基材110
基材110は、太陽光反射面を支持したフィルム(反射フィルム)110aを有する基材であり、自己支持性の基材であることが好ましい。現在、ガラスミラーパネルのように、ガラス薄板鏡(反射層付ガラス基材)を用いたガラス反射鏡(ガラス製ミラー)のようにガラスを使用したプラントが展開されているが、効率を向上させるためと大サイズのパネル要求があり、ガラスでは重量が重くなり輸送、設置作業負荷が大きい、ガラスが破損するなどの課題がある。前記課題を解消するために反射層付ガラス基材を軽量化することが重要であり、且つ屋外に曝露されるためガラス同等の剛性、及び耐候性が必要である。パネル自体が屋外に設置されるため、強風(風速30m/s)が吹いた状態でも略変形しない剛性が必要で、雨にもさらされるため、耐腐食性も必要である。また、昼夜、季節により温度変化も大きく熱変形しにくいことも必要である。以上のことから、高剛性で耐候性を備えた反射層付ガラス基材を選ぶことが重要である。かかる観点から、基材110としては、ガラスに代えて、例えば、アルミニウム、アルミニウムめっき、アルミニウム系合金めっき、鋼、銅、銅めっき、錫めっき、クロムめっき、ステンレス鋼などを用いることができる。これらのうち、特に耐腐食性の良好なめっき鋼板、ステンレス鋼板、アルミニウム板などにすることが好ましい。また、基材110の形状としては、フィルム状、シート状、平板状、曲板状、半球状、ボウル状などが挙げられる。なお、基材110は、上記反射フィルム110aの端縁部分を支持したときに反射フィルム110aを担持することが可能な程度の剛性を有していれば、上記の材料や形状に限られない。たとえば、基材110として、軽量化を損なわず、耐候性、耐熱性(形状保持)、剛性、反射面の平滑性等を損なわない範囲内であれば樹脂などの材料を用いてもよい。かかる樹脂としては、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレート(PET)、およびフッ素系樹脂などを用いることができる。または、上記樹脂と、酸化チタン、シリカ、アルミニウム粉、銅粉などを練り込んだ樹脂フィルムまたはシート、これらを練り込んだ樹脂をコーティングしたり金属蒸着等の表面加工を施したりした樹脂フィルムまたはシートを、基材として使用してもよい。また、基材110の厚さは、基材110に用いる材料の種類に応じて変更してよい。基材110の厚さは、機械的強度(剛性)と軽量化とのバランス等を考慮した上で、とりわけ、基材110と基体120を接着剤130で貼り合せた後に、サンベルト地域近傍の使用環境下で長期間屋外に暴露された場合でも、基体を構成する多孔質構造や立体構造の基材との接触部分以外の空間部(基材との非接触部分)において、反射フィルム110aを有する基材110が、いわゆる、ひけ(凹み、たわみ)が生じるのを効果的に防止する観点から、0.2〜2.0mmの範囲であることが好ましく、0.4〜1.5mmの範囲であることがより好ましく、0.6〜1.0mmの範囲であることが特に好ましい。
また、自己支持性の基材として、一対の金属平板とその金属平板間に介装された中間層を有するもの(タイプA)、中空構造を有する樹脂材料からなるもの(タイプB)を使用してもよい。これらの具体的な構成については、WO 11/162154号パンフレットまたは米国特許出願公開第2013/0114155号公報などに記載される自己支持性基材AやBを採用することができる。
(2)太陽光反射面を支持したフィルム(反射フィルム)110a
太陽光反射面を支持したフィルム(以下、反射フィルムともいう)110aは、太陽光を反射する樹脂製のフィルムである。反射フィルム110aは、図1、図2に示すように、基材110(更には基体120)の形状にならって粘着剤等により貼合される。例えば、反射フィルム110aの貼り合せ面(反射面とが反対側の面)に粘着層(図3の符号118参照)を設けておき、該粘着層を介して基材110に貼付ければよい(貼合せればよい)。
また、反射フィルム110aは、図3に示すように、異なる機能をもつ複数の層から構成され、少なくとも光を反射するための太陽光反射面を持つ層(以下、反射層ともう)111を有している。反射層111の光入射側には、少なくとも一層の保護層が配設される。本実施形態に係る反射フィルム110aの好ましい層構成としては、反射層111の光入射側に、腐食防止層112、紫外線吸収層113、ガスバリアー層114、ハードコート層115が順に積層される。また、反射層111の基材110側(光入射側とは反対側)には、少なくとも一層の支持層(たとえば、後述する樹脂フィルム(樹脂支持層)117)が配設される。本実施形態に係る反射フィルム110aの好ましい層構成としては、反射層111の基材110側に、アンカー層116、太陽光反射面を支持するフィルム(樹脂フィルム、樹脂支持層)117、粘着層118が順に積層される。なお、反射フィルム110aを基材110に貼り合わせるまで、粘着層118を覆うための剥離層(不図示)が設けられてもよい。
以下、各層111〜118について簡単に説明する。
(2−1)反射層(光を反射するための太陽光反射面を持つ層)111
反射層111は、太陽光を反射する機能を有する金属などからなる層である。反射層111の表面反射率は、好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上である。
反射層111は、アルミニウム、銀、クロム、銅、ニッケル、チタン、マグネシウム、ロジウム、プラチナ、パラジウム、スズ、ガリウム、インジウム、ビスマス、および金の中からいずれかの元素を含む材料により形成されることが好ましい。特に、反射率の観点からアルミニウムまたは銀を主成分としていることが好ましく、このような金属の薄膜を二層以上形成するようにしてもよい。本実施形態の反射層111としては、銀を主成分とする銀反射層が用いられる。
反射層111の厚さは、反射率等の観点から、10nm以上200nm以下の範囲内であることが好ましく、より好ましくは30nm以上150nm以下である。反射層111の膜厚が10nmより大きいと、膜厚が十分であり、光を透過してしまうことがなく、反射フィルム110aの可視光領域での反射率を十分確保できるため好ましい。また、200nm程度までは膜厚に比例して反射率も大きくなるが、200nm超は膜厚に依存しない。
反射層111の表面粗さは、0.01μm以上0.1μm以下の範囲内であり、好ましくは0.02μm以上0.07μm以下の範囲内である。反射層111の表面粗さが0.01μm以上であるため、反射フィルム110aの生産段階において、連続的に製膜するロールトゥロール方式を用いた場合でも、反射層111とその入射光側の隣接層(本実施形態では腐食防止層112)の貼りつきを防止できる。
反射層111の形成法としては、湿式法及び乾式法のどちらも使用することができる。湿式法とは、めっき法の総称であり、溶液から金属を析出させ膜を形成する方法である。具体例をあげるとすれば、銀鏡反応などがある。一方、乾式法とは、真空製膜法の総称であり、具体的に例示するとすれば、抵抗加熱式真空蒸着法、電子ビーム加熱式真空蒸着法、イオンプレーティング法、イオンビームアシスト真空蒸着法、スパッタ法などがある。とりわけ、本発明には連続的に製膜するロールトゥロール方式が可能な蒸着法が好ましく用いられる。たとえば、太陽光反射用パネル(太陽熱発電用フィルムミラー)の製造方法において、光反射層111を銀蒸着(特に真空蒸着)によって形成する製造方法であることが好ましい。
(2−2)腐食防止層112
腐食防止層112は、反射層111の腐食を防止するために設けられる。そのため、腐食防止層112は、反射層111に隣接して設けられることが好ましい。特に、反射層111に金属(たとえば、銀)が含まれている場合に、腐食防止層112を設けることが好ましい。特に、腐食防止層112が反射層111の光入射側に隣接していることがより好ましい。また、反射層111の両側に腐食防止層112を隣接させてもよい。
腐食防止層112は、腐食防止剤を含有している。腐食防止剤としては、大別して、金属、特に銀に対する吸着性基を有する腐食防止剤と、酸化防止能を有する腐食防止剤(酸化防止剤ともいう)が好ましく用いられる。腐食防止層112は、金属、特に銀に対する吸着性基を有する腐食防止剤と酸化防止剤の少なくとも一方を含有していることが好ましい。ここで、「腐食」とは、金属(銀)がそれをとり囲む環境物質によって、化学的または電気化学的に浸食されるかもしくは材質的に劣化する現象をいう(JIS Z0103−2004参照)。
腐食防止層112には、腐食防止剤を保持するバインダーとして樹脂(たとえば、アクリル系樹脂)を用いることができる。より具体的には、腐食防止層112に用いる樹脂、腐食防止剤は、特に制限されないが、たとえば、ポリエステル系樹脂やアクリル系樹脂等の、WO 2012/165460号パンフレット(特に、段落「0079」〜「0095」)などの公知の文献に記載されるのと同様の材料が使用できる。なお、腐食防止剤の含有量は、使用する化合物によって最適量は異なるが、一般的には0.1g/m以上1.0g/m以下の範囲内であることが好ましい。
また、腐食防止層112は、紫外線吸収剤を含有することが好ましい。これにより、腐食防止層112より下層をより有効に保護することができる。このため、反射フィルム110aの耐久性をより向上できる。ここで、紫外線吸収剤は、特に制限はないが、たとえば、チアゾリドン系、ベンゾトリアゾール系、アクリロニトリル系、ベンゾフェノン系、アミノブタジエン系、トリアジン系、サリチル酸フェニル系、ベンゾエート系などの有機系の紫外線吸収剤、あるいは酸化セリウム、酸化マグネシウムなどの微粉末系の紫外線遮断剤や酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄等の無機系の紫外線吸収剤などがある。これらのうち、有機系の紫外線吸収剤や無機系の紫外線吸収剤が好ましく、トリアジン系紫外線吸収剤や無機系紫外線吸収剤がより好ましい。すなわち、紫外線吸収剤は、トリアジン系紫外線吸収剤または無機系紫外線吸収剤であることが好ましい。
また、腐食防止層112の厚さは、30nm以上1μm以下であることが好ましい。
これら樹脂材料(バインダー)を光反射層上などに塗布、塗工するなどして、腐食防止層を形成することができる。
(2−3)紫外線吸収層113
紫外線吸収層113は、太陽光や紫外線による反射フィルム110aの劣化防止の目的で、反射層111に入射する紫外線を吸収するために設けられる。紫外線吸収層113は、腐食防止層112よりも光入射側に設けることが好ましい。
紫外線吸収層113としては、たとえば、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタラートなど各種樹脂を用いることができる。特に、ポリエチレンテレフタラートなどのポリエステル系フィルムまたはアクリルフィルムを用いることが好ましい。その中でも、紫外線に耐性の高いアクリルフィルムが特に好ましい。
紫外線吸収層113は、紫外線吸収剤を含有している。たとえば、紫外線吸収層113は、紫外線吸収剤として、トリアジン系化合物を含有している。その他に、有機系として、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、サリチル酸フェニル系や、無機系として、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化鉄などをさらに含有していてもよい。
また、紫外線吸収層113としてアクリル層(メタクリル樹脂などが主成分)を用いる場合、柔らかく破損しにくい層とするために、可塑剤の微粒子を含有させてもよい。可塑剤の微粒子の好ましい例としては、たとえば、ブチルゴムやブチルアクリレートの微粒子などが挙げられる。
また、紫外線吸収層113の厚さは、30nm以上200μm以下であることが好ましく、50nm以上5μm以下であることがより好ましい。
(2−4)ガスバリアー層114
ガスバリアー層114は、湿度の変動、特に高湿度による樹脂フィルム(樹脂支持層117)及び樹脂フィルム(樹脂支持層117)で支持される各構成層などの劣化を防止するために設けられる。ガスバリアー層114は、反射層111より光入射側に設けられることが好ましい。なお、ガスバリアー層114には、劣化防止機能以外の機能、用途をさらに持たせてもよい。
ガスバリアー層114の防湿性としては、40℃、90%RHにおける水蒸気透過度が、1g/m・day以下であることが好ましく、より好ましくは0.5g/m・day以下、さらに好ましくは0.2g/m・day以下である。
また、ガスバリアー層114の酸素透過度としては、測定温度23℃、湿度90%RHの条件下で、0.6ml/m/day/atm以下であることが好ましい。
ガスバリアー層114は、無機酸化物の前駆体であるシラザン化合物やシロキサン化合物などの塗布膜に転化処理(酸化処理)を施すことにより形成される。
ガスバリアー層114の厚さは、30nm以上2000nm以下であることが好ましく、さらに好ましくは40nm以上500nm以下であり、特に好ましくは40nm以上300nm以下である。
ガスバリアー層114に使用される材料、ガスバリアー層114の形成方法は、特に制限されないが、たとえば、WO 2012/165460号パンフレット(特に、段落「0188」〜「0209」)等の公知の文献に記載されるのと同様の材料や方法が使用できる。
(2−5)ハードコート層115
ハードコート層115は、反射フィルム110a表面への傷つきや汚れの付着を防止するために設けられる。そのため、ハードコート層115は、光入射側の最外層に設けられることが好ましい。ただし、ハードコート層115よりさらに外側(光入射側)に、撥水性を有する防汚層(不図示)が設けられてもよい。
ハードコート層115は、透明性、耐候性、硬度、機械的強度などが得られるものであれば、任意の材料によって構成可能である。たとえば、ハードコート層115は、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂、有機シリケート化合物、シリコーン系樹脂などにより構成される。特に、硬度と耐久性などの点で、シリコーン系樹脂やアクリル系樹脂が好ましい。さらに、硬化性、可撓性、および生産性の点で、活性エネルギー線硬化型のアクリル系樹脂、または熱硬化型のアクリル系樹脂が好ましい。または、表面保護性、耐侯性が高いという点で、メタロキサン(有機シリケート化合物、シリコーン系樹脂)が好ましく使用される。すなわち、ハードコート層115は、メタロキサン系のハードコート層であることが好ましい。なお、活性エネルギー線硬化型のアクリル系樹脂を用いる場合には、例えば、活性エネルギー線としてエキシマ照射を行い、硬化させればよい。
また、ハードコート層115の厚さは、十分な耐傷性を得つつ、反射フィルム110aにそりが発生することを防止するという観点から、0.05μm以上10μm以下であることが好ましい。より好ましくは1μm以上10μm以下である。
(2−6)アンカー層116
アンカー層116は、樹脂からなり、樹脂支持層(樹脂フィルム)117の上(光入射側)に良好な反射層111を形成するために設けられる。したがって、アンカー層116は、樹脂支持層(樹脂フィルム)117と反射層111を密着させる密着性、反射層111を真空蒸着法などで形成する際の熱にも耐え得る耐熱性、反射層111の高い反射性能を引き出すための平滑性を有することが好ましい。
アンカー層116に使用する樹脂は、上記の密着性、耐熱性、平滑性の条件を満足するものであれば特に制限はなく、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリアミド系樹脂、塩化ビニル系樹脂などが挙げられる。特に、耐候性の観点からは、ポリエステル系樹脂とメラミン系樹脂の混合樹脂、またはポリエステル系樹脂とアクリル系樹脂の混合樹脂が好ましく、さらにイソシアネートなどの硬化剤を混合した熱硬化型樹脂とすればより好ましい。
また、アンカー層116の厚さは、0.01μm以上3μm以下が好ましく、より好ましくは0.1μm以上2μm以下である。この範囲の厚さとすれば、樹脂支持層(樹脂フィルム)117表面の凹凸を覆い隠すことができ、良好な平滑性と密着性が得られる。また、アンカー層116に十分な硬さが得られれば、結果として反射層111の反射率を高めることができる。なお、アンカー層116には、腐食防止層112に用いる腐食防止剤を含有させることが好ましい。
また、アンカー層116に使用される材料(樹脂材料)、アンカー層116の形成方法は、特に制限されないが、たとえば、WO 2012/165460号パンフレット(特に、段落「0209」〜「0212」)等の公知の文献に記載されるのと同様の材料や方法が使用できる。
(2−7)樹脂フィルム(樹脂支持層)117
樹脂フィルム(樹脂支持層)117は、反射層111等を製膜(造膜)し支持するためのものである。樹脂フィルム117の材料としては、反射層111等が製膜(造膜)でき、支持し得るものであれば特に制限されず、種々の樹脂製のフィルムを用いることができる。たとえば、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル系フィルムまたはアクリルフィルムを用いることが好ましい。
樹脂フィルム(樹脂支持層)117の厚さは、樹脂の種類および目的などに応じて適切な厚さにすることが好ましい。たとえば、10μm以上300μm以下の範囲内でよく、好ましくは20μm以上200μm以下、さらに好ましくは30μm以上100μm以下である。
(2−8)粘着層118
粘着層118は、反射フィルム110aを基材110に貼合可能にするために粘着性を有している。粘着層118は、樹脂支持層(樹脂フィルム)117の反射層111を形成した面(太陽光反射面)とは反対側の面(裏面)に設けられる。粘着層118の材料としては、特に制限されず、たとえば、ドライラミネート剤、ウエットラミネート剤、粘着剤、ヒートシール剤、ホットメルト剤などが用いられる。
また、粘着層118の厚さは、粘着効果、乾燥速度などの観点から、1μm以上100μm以下の範囲内であることが好ましい。
なお、必要に応じて、上記各層間に紫外線吸収層113、ガスバリアー層114、接着層などを設けてもよい。さらに、ハードコート層115の光入射側に剥離層や防汚層等を設けてもよい。
また、反射フィルム110aは、上記した各層111〜118以外の層(たとえば、帯電防止層など)が追加されてもよいし、一部の層(たとえば、紫外線吸収層113、ガスバリアー層114など)が省略されてもよい。また、各層111〜118の積層順序は、上記の例に限定されず、一部の層の積層順序が入れ替えられてもよい。
本実施形態の反射フィルム110a全体の厚さは、特に制限されないが、撓み防止、正反射率、取り扱い性等の観点から75〜300μmが好ましく、より好ましくは90〜250μm、更に好ましくは100〜250μmである。また、反射面の平滑性の観点からは、反射フィルム11aの光入射側の最表面層の中心線平均粗さ(Ra)が、3nm以上20nm以下であることが、反射光の散乱を防止でき集光効率を高めるという観点から好ましい。
(3)基体120
基体120は、前記反射フィルム110aを有する基材110を(経時変形しないように)保持する基体であり、自己支持性の基体であることが好ましい。現在、ガラスミラーパネルのように、ガラス薄板鏡(反射層付ガラス基材)を用いたガラス反射鏡(ガラス製ミラー)のように、ガラスを使用したプラントが展開されているが、効率を向上させるためと大サイズのパネル要求があり、ガラスでは重量が重くなり輸送、設置作業負荷が大きい、ガラスが破損するなどの課題がある。前記課題を解消するために、反射フィルム110aを有する基材110を経時変形しないように保持する基体120自体も軽量化することが重要であり、且つ屋外に曝露されるためガラス同等の剛性、及び耐候性が必要である。パネル自体が屋外に設置されるため、強風(風速30m/s)が吹いた状態でも略変形しない剛性が必要で、雨にもさらされるため、耐腐食性も必要である。また、昼夜、季節により温度変化も大きく熱変形しにくいことも必要である。以上のことから、高剛性で耐候性を備えた基体120を選ぶことが重要である。なお、基材110を経時変形しないように保持するとは、太陽光反射用パネル100を設置時の状態が長期間にわたって保持されることをいう。好ましくは、反射面(反射フィルム)110aを有する基材110の表面形状の変化(経時変形)を、長期間、好ましくは製品に求められる耐用年数に相当する期間;例えば10年程度)にわたって抑えることができるのが望ましい。
基体120の軽量化の方法としては、嵩密度を下げる、軽量な材質にする、の大きく2つの手段が挙げられる。嵩密度を下げる手段としては、空隙を大きくとる(ハニカム構造等の多孔質構造)、金属、樹脂などを立体構造にするなどの手段が挙げられる。空隙を大きくとるハニカムの材質は、紙でも高剛性で紙自体が侵されない構造をとることで適用できる。なお、空隙を大きくとるハニカムの材質には、立体構造にする方式と同様の樹脂や金属を用いることもできるが、軽量化の観点からは、紙製が最も好ましい。なお、紙は、通常の木材チップ原料から加工した紙のほか、各種加工を施した紙を用いることができる。例えば、剛性を高めるために加圧した圧縮紙、紙表面に撥水剤等をコーティング乃至含浸させた撥水紙、その他にも、耐熱性、防汚性、耐擦過性等を高めるために各種添加剤や樹脂を被覆コーティング乃至含浸させた各種の機能性紙等を適宜利用することができる。また種類や性能の異なる紙を重ねあわせたものなどを用いてもよい。これらは既に市販されている各種の紙を用いてもよい。更に、各種の紙を所望のハニカム構造として、例えば、ハニカムの大きさ(断面の六角形の対角線(長径ないし直径)の長さ)、ハニカムの枠体の太さ(断面の六角形の空間を仕切る枠体の太さ)、ハニカムの長軸方向の長さ(六角形柱の柱長)などを持つ市販品を用いてもよい。また立体構造にする方式は、トラスコア(複数の三角錐等の形状の突起とから成るパネル)、スマートシート(軽量高剛性パネル)などの方式を適用できる。軽量な材質としては、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレート(PET)、およびフッ素系樹脂などを用いることができるが、高剛性の樹脂であるポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、複合材料である炭素繊維強化プラスチック(CFRP)や炭素繊維(カーボンファイバ)などが好ましい。金属を空間の大きなトラスコア、スマートシート等の立体構造にする場合、軽量化の観点から、アルミニウム、アルミニウムめっき、アルミニウム系合金めっき、鋼、銅、銅めっき、錫めっき、クロムめっき、ステンレス鋼などを用いることができる。これらのうち、特に耐腐食性の良好なめっき鋼板、ステンレス鋼板、アルミニウム板などを用いるのが好ましく、中でも、立体化構造への成形加工性、耐腐食性に優れ、軽量な材質であるアルミニウム板(アルミニウムめっき板、アルミニウム系合金めっき板等を含む)を立体構造にしたものが好ましい。
(3−1)基体120を構成するハニカム構造
図5(A)は、基体120を構成する多孔質(ハニカム)構造と、該多孔質(ハニカム)構造を挟持する基材110と裏面保護材125を両面から貼り合せた構造体を模式的に表した図面である。図5(B)は、図5(A)の構造体を、基体を構成する多孔質(ハニカム)構造と、該多孔質(ハニカム)構造を挟持する基材と、裏面保護材と、に分解した斜視面である。図5(A)、(B)に示すように、基体120を構成する多孔質構造(例えば、正六角形柱を隙間なく並べたハニカム構造)の断面の多孔質の孔の大きさ(例えば、ハニカム断面の正六角形の対角線の長さ)L1は、パネルの大きさや軽量化と剛性とのバランス等を考慮して、好ましくは1.0〜10.0mm、より好ましくは2.0〜8.0mm、特に好ましくは3.0〜5.0mmの範囲である。また、基体120を構成する多孔質材の板厚(例えば、ハニカム断面の正六角形の空間を仕切る板材の太さ)t1は、機械的強度(剛性)と軽量化とのバランス等を考慮して、好ましくは0.1〜4.0mm、より好ましくは0.2〜3.0mm、特に好ましくは0.3〜2.0mmの範囲である。また、基体120の厚さ=基体120を構成する多孔質構造の長軸方向の長さ(例えば、ハニカム断面の正六角形柱の柱長)D1は、パネルの大きさや機械的強度(硬度・剛性)と軽量化とのバランス、架台への設置の容易さ等の観点から、好ましくは1.0〜30.0mm、より好ましくは2.5〜20.0mm、特に好ましくは5.0〜15.0mmの範囲である。
基体120を構成する紙や樹脂製の多孔質(ハニカム)構造の単位面積当たりの質量は、機械的強度(高剛性)と軽量化とのバランス等を考慮して、1.0〜9.0kg/mが好ましく、2.0〜7.5kg/mがより好ましく、2.0〜3.5kg/mが特に好ましい。
(3−2)基体120を構成するトラスコア構造
図5(C)は、基体120を構成する立体構造(トラスコア構造)と該立体構造(トラスコア構造)と基材110とを貼り合せた構造体を、立体構造(トラスコア構造)と基材とに分解して模式的に表した斜視面である。図5(D)は、図5(C)の立体構造(トラスコア構造)と基材とを貼り合せた構造体とした際のB−B線に沿う概略断面図である。図5(C)、(D)に示すように、基体120を構成する立体構造の大きさ(例えば、トラスコア断面の三角形の底辺(開口部)の長さ)L2は、パネルの大きさや軽量化と剛性とのバランス等を考慮して、好ましくは5〜150mm、より好ましくは10〜100mm、特に好ましくは15〜50mmの範囲である。また、基体120を構成する立体構造材の板厚(例えば、トラスコア断面の三角形の空間を仕切る板材の太さ)t2は、機械的強度(剛性)と軽量化とのバランス等を考慮して、好ましくは0.2〜1.5mm、より好ましくは0.3〜1.2mm、特に好ましくは0.4〜0.8mmの範囲である。また、基体120の厚さ=基体120を構成する立体構造の長軸方向の長さ(例えば、トラスコアの三角錐の高さ)D2は、パネルの大きさや機械的強度(硬度・剛性)と軽量化とのバランス、架台への設置の容易さ等の観点から、好ましくは2.0〜150mm、より好ましくは10〜100mm、特に好ましくは15〜70mmの範囲である。
また、基材110と、トラスコアを接着する面の1辺の長さL3は、好ましくは2.0〜50.0mm、より好ましくは5.0〜30.0mm、特に好ましくは10〜20mmの範囲である。長さL4は、大きい方が好ましく最低0.5mm以上で、好ましくは2.0mm以上である。
基体120を構成する金属や樹脂製の立体構造(トラスコアやスマートシートなど)の単位面積当たりの質量は、機械的強度(高剛性)と軽量化とのバランス等を考慮して、1.0〜8.0kg/mが好ましく、1.0〜5.0kg/mがより好ましく、1.5〜3.5kg/mが特に好ましい。
(3−3)紙製のハニカム構造等の基体と組み合わされる裏面保護材125
基体120に紙製の構造体、例えば、ハニカム構造等を用いる場合には、図5(A)、(B)に示すように、基体120の裏面(基材と貼り合せる面とは反対側の面)から、砂埃や雨水など塵、埃、酸素、水蒸気、硫化水素等が基体120内部に侵入するのを防止する観点から、基体120の裏面を覆うように、裏面保護材125を接着剤等で貼合わせるのが望ましい。紙製のハニカム構造等の基体120の裏面に設ける裏面保護材125は、軽量化、耐候性、剛性等の観点から、基体120と同様の材料を用いることができる。即ち、裏面保護材125としては、例えば、アルミニウム、アルミニウムめっき、アルミニウム系合金めっき、鋼、銅、銅めっき、錫めっき、クロムめっき、ステンレス鋼などを用いることができる。これらのうち、特に耐腐食性の良好なめっき鋼板、ステンレス鋼板、アルミニウム板などにすることが好ましい。また、裏面保護材125の形状としては、フィルム状、シート状、平板状のほか、基体120形状に合わせて曲板状、半球状、ボウル状などを用いることができる。なお、裏面保護材125は、ハニカムの枠体部分(断面六角形の空間を仕切る枠体部分)のみの接合により形状を保持することが可能な程度の剛性を有していれば、上記の材料や形状に限られない。たとえば、裏面保護材125として、軽量化を損なわず、耐候性、耐熱性(形状保持)、剛性、反射面の平滑性等を損なわない範囲内であれば樹脂などの材料を用いてもよい。かかる樹脂としては、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレート(PET)、およびフッ素系樹脂などを用いることができる。または、上記樹脂と、酸化チタン、シリカ、アルミニウム粉、銅粉などを練り込んだ樹脂フィルムまたはシート、これらを練り込んだ樹脂をコーティングしたり金属蒸着等の表面加工を施したりした樹脂フィルムまたはシートを、裏面保護材125として使用してもよい。また、裏面保護材125の厚さは、裏面保護材125に用いる材料の種類に応じて変更してよい。一般的には、裏面保護材125の厚さは、0.1〜3.0mmの範囲であることが好ましく、0.1〜1.5mmの範囲であることがより好ましく、0.1〜1.0mmの範囲であることが特に好ましい。
裏面保護材125の単位面積当たりの質量も、機械的強度(高剛性)と軽量化とのバランス等を考慮して、0.5〜3.0kg/mが好ましく、0.5〜2.0kg/mがより好ましく、0.5〜1.0kg/mが特に好ましい。
本発明の太陽光反射用パネル100では、前記基材110を(好ましくは経時変形しないように)保持する基体120と、前記太陽光反射面を支持したフィルム(反射フィルム)110aを有する基材110との(接着剤130による)接触面積が該太陽光反射面の面積(反射層の反射面積)の50%以下で、且つ前記基体120のヤング率が55GPa以上、嵩比重が2000kg/m以下である。かかる基材110と基体120との接触面積(接着剤130による接着面積)並びに基体120のヤング率及び嵩比重が上記要件を満足すること、すなわち、上記基材110と基体120との接触面積が小さく、基体が高いヤング率と低い嵩比重とを有することにより、太陽光反射面を支持したフィルム110aを有する基材110と、基体120を貼り合せた太陽光反射パネル100において、基体120が基材110を長時間過酷な環境下に暴露されても経時変形しないように保持することができ、尚且つ基体120の軽量化及び高剛性(パネル形状保持による耐候性)を発揮することができる点で優れている。上記要件は、上記したように紙製のハニカム構造等の多孔質な基体120やトラスコア構造等の接触面積が少ない金属製の立体構造の基体120を採用し得ることで、基体120と基材110との接触面積(接着面積)を抑え、且つ基体120のヤング率を高め、嵩比重を抑える(空隙を高め軽量化すると共に高剛性化する)ことができる。以上の点から、基体120と基材110との接触面積は、該太陽光反射面の面積(反射層の反射面積)の40%以下が好ましく、5.0%以上20%以下がより好ましい範囲である。また前記基体120のヤング率は、70GPa以上が好ましく、100GPa以上がより好ましい範囲である。さらに前記基体120の嵩比重は、500kg/m以下が好ましく、10kg/m以上500kg/m以下がより好ましい範囲である。ここで基体と基材との接触面積(接着面積)は、一定面積の基体と基材の接触面積から算出することができる。また基体のヤング率は、JIS−Z2280 1993年により測定することができる。基体の嵩比重は、重量・体積を実測し算出することができる。またはメーカー値(メーカーで測定した値を出版物(カタログ)や自社のホームページなどで公表している数値)を用いてもよい。
(4)基材110と基体120との貼り合せに用いた接着剤130
図1、2に示すように、太陽光反射用パネル100は、前記基材110と前記基体120との貼り合せに用いた接着剤130を有する。本発明の太陽光反射用パネル100では、前記基材110と前記基体120との貼り合せに用いた接着剤130の伸びが100%以上で、且つ硬度が30以上である。かかる接着剤130の伸び及び硬度が上記要件を満足すること、すなわち、上記接着剤130の伸びが大きく、尚且つ高い硬度を有することにより、基材110と基体120を接着剤130で貼り合せた後、長時間過酷な環境下に暴露されても、反射面(反射フィルム)110aを有する基材110の表面形状の変化(経時変形)を、長期間(製品に求められる耐用年数に相当する期間;例えば10年程度)にわたって抑えることができる点で優れている。また、反射フィルム110aを有する基材側に、基体120を構成する多孔質構造や立体構造に起因する表面(接着面)の凹凸が転写されるのを効果的に防止することができる。これにより、基材110と基体120を接着剤130で貼り合せた後に、サンベルト地域近傍の使用環境下で長期間屋外に暴露された場合でも、基体を構成する多孔質構造や立体構造の基材との接触部分以外の空間部(基材との非接触部分)において、反射フィルム110aを有する基材110が、いわゆる、ひけ(凹み、たわみ)が生じるのを効果的に防止することができる点で優れている。
上記接着剤130としては、上記要件を満足し得る接着剤(粘着剤含む)であればよい。接着剤としては以下の(a)〜(c)の3種類に大別されるが、以下に説明する通り、上記要件を満足し得る接着剤としては、下記(c)の反応形接着剤を用いるのが好ましい。
(a)エマルジョン形/ラテックス形接着剤
上記(a)のエマルジョン形/ラテックス形接着剤の特徴としては、基本、接着剤に含まれる水分を蒸発し固化させる接着剤である。蒸発により固化するタイプのため乾燥後、体積変化(収縮)が生じる。また、下地(基材110ないし基体120)の影響を受けやすく、下地に水分が含まれる場合には再乳化し接着力が失われる場合がある。低温時には、水が凍結し、接着の性能が損なわれ、十分な接着強度が出ない。前記の事から、反射フィルム110aを有する基材110との接着面積(接触面積)が50%以下の基体120と貼り合せると接着剤130の体積変化(収縮)により、反射面(反射フィルム110a、更には基材110)が歪み、屋外で長期間晒されると水分の影響を受けるなど、本発明の接着剤130に用いるものとしては好ましくない。
(b)溶剤形接着剤
上記(b)の溶剤形接着剤の特徴としては、接着剤に含まれる溶剤が揮発して固化するため接着時間が短縮できる長所を備えているが、溶剤が揮発し固化するため、上記(a)のエマルジョン形/ラテックス形接着剤と同様、貼り合せた反射面(反射フィルム110a、更には基材110)が乾燥後歪むなどの問題がある。また、溶剤を含んでいるため接着材料も限定される。また、下地(基材110ないし基体120)の水分と反応するなどの問題もあるなど、本発明の接着剤130に用いるものとしては好ましくない。
(c)反応形接着剤
上記(c)の反応形接着剤の特徴としては、接着剤に含まれる成分が反応によって硬化するタイプである。二液を混ぜ合わせるタイプと、空気や物体中の水分に触れることによって化学反応を引き起こすタイプがある。上記(a)エマルジョン形/ラテックス形接着剤、上記(b)溶剤形接着剤に比べて湿度の影響を受けにくく、溶剤の揮発がなくても硬化するので貼り合せた反射面(反射フィルム110a、更には基材110)が歪む可能性が極めて低く、本発明の接着剤130に用いるものとして、好ましいものである。
なお、上記(a)〜(c)の接着剤以外にもホットメルト形接着剤がある。しかしながら、ホットメルト形接着剤は、熱に弱く、接着剤が伸びきってしまう(弾性を失う)ため、曲面形状のパネルが、数日たつと自重で元の平板状に戻ってしまい、集光管への集光能力が大幅に低下するほか、酸化でぼろぼろになるなどの問題もあるなど、本発明の接着剤130に用いるものとしては好ましくない。また、エポキシ樹脂(接着剤)の場合、硬くて伸びないため、衝撃に弱く、割れてしまうなどの問題もあるなど、本発明の接着剤130に用いるものとしては好ましくない。
使用環境が、サンベルト地域近傍の場合を考えると、接着剤(固化後)130に求められる性能としては、密着性、耐熱性、硬度、伸び、耐擦傷性、耐オゾン性、耐衝撃性、耐薬品性などが挙げられるが、中でも密着性、硬度、耐熱性、伸びが重要である。次に耐衝撃性、耐オゾン性、耐薬品性である。なお、本発明の接着剤130の物性(密着性、耐熱性、硬度、伸び、耐擦傷性、耐オゾン性、耐衝撃性、耐薬品性等)に関しては、以下の収縮率で説明するように、いずれも接着剤が完全に固化した後の物性を測定したものである。なお、接着剤の粘度等、固化した後では測定できないものについては、固化する前の液体時の物性を測定するものとする。また、本明細書において、単に接着剤とある場合には、前後の文章を参照することで、固化時(固化後)と、液体時のいずれを指しているのか判別することができる。
接着剤130の伸びについては、基材110と基体120の線膨張率が異なる場合、膨張、収縮差を接着剤で吸収する必要があり、広範囲の温度で吸収可能な接着剤が望ましい。こうした観点から、接着剤130の伸びは、100%以上が必要である。これにより、基材110と基体120の線膨張率が異なる場合の膨張、収縮差を接着剤でより効果的に吸収することができる点で優れている。また、反射フィルム110aを有する基材側に、基体120を構成する多孔質構造や立体構造に起因する表面(接着面)の凹凸が転写されるのを効果的に防止することができる。これにより、基材110と基体120を接着剤130で貼り合せた後に、サンベルト地域近傍の使用環境下で長期間屋外に暴露された場合でも、基体を構成する多孔質構造や立体構造の基材との接触部分以外の空間部(基材との非接触部分)において、反射フィルム110aを有する基材110が、いわゆる、ひけ(凹み、たわみ)が生じるのを効果的に防止することができる点で優れている。また、反射フィルム110aを有する基材側に、基体120を構成する多孔質構造や立体構造に起因する表面(接着面)の凹凸が転写されるのを効果的に防止することができる。これにより、基材110と基体120を接着剤130で貼り合せた後に、サンベルト地域近傍の使用環境下で長期間屋外に暴露された場合でも、基体を構成する多孔質構造や立体構造の基材との接触部分以外の空間部(基材との非接触部分)において、反射フィルム110aを有する基材110が、いわゆる、ひけ(凹み、たわみ)が生じるのを効果的に防止することができる点で優れている。また、上記伸びを有することで、熱変形に耐え得る接着剤であることから、異なる線膨張率を持つ基材と基体の急激な温度変化による膨張・収縮の繰り返しに追従することができ、基材や基体に加わるストレスを吸収することができる点でも優れている。こうした観点からは、接着剤130の伸びは、200%以上が好ましく、300%以上がより好ましく、400%以上が特に好ましい範囲である。ここで、接着剤130の伸びは、JIS−K6251(2010年)又はJIS−K6249(2003年)に従って測定することができる。
接着剤130の硬度については、硬度が低いと形状を維持することができず、成形時、設置後の変形に大きく影響してしまう。かかる観点から、接着剤130の硬度は、30以上が必要であり、この点は上記した通りである。成形時、更には設置後に長時間過酷な環境下に暴露されても経時変形しないように形状を維持し得るように、接着剤130の硬度は、40以上が好ましく、50以上がより好ましい範囲である。これにより、ことができる。また、反射フィルム110aを有する基材側に、基体120を構成する多孔質構造や立体構造に起因する表面(接着面)の凹凸が転写されるのを効果的に防止することができる。これにより、基材110と基体120を接着剤130で貼り合せた後に、サンベルト地域近傍の使用環境下で長期間屋外に暴露された場合でも、基体を構成する多孔質構造や立体構造の基材との接触部分以外の空間部(基材との非接触部分)において、反射フィルム110aを有する基材110が、いわゆる、ひけ(凹み、たわみ)が生じるのを効果的に防止することができる点で優れている。ここで、接着剤130の硬度は、JIS−K6253(2006年)のショアA(デュロメータタイプA)により測定することができる。なお、一部の接着剤130の硬度については、IS−K6253(2006年)のショアD(デュロメータタイプD)により測定するものとする。ここで、ショアDにより測定する一部の接着剤130とは、アクリル系接着剤などが挙げられる。
接着剤130の密着性が長期間屋外に暴露させて低下すると、基材110と基体120が浮き上がる、剥がれるなどの現象が生じ、太陽光反射面(反射フィルム110a、更には基材110)自体が変形、更に進行すると、基材110が基体120から完全に剥がれてしまう。かかる観点から、接着剤130の引っ張り強度は、2MPa以上であるのが好ましい。より密着性を高め、上記基材110と基体120が浮き上がりや剥がれるなどの現象が生じるのを防止し、耐温度性を高める観点からは、接着剤130の引っ張り強度は、2.5MPa以上がより好ましく、3.0MPa以上が特に好ましい範囲である。これにより、反射フィルム110aを有する基材側に、基体120を構成する多孔質構造や立体構造に起因する表面(接着面)の凹凸が転写されるのを効果的に防止することができる。これにより、基材110と基体120を接着剤130で貼り合せた後に、サンベルト地域近傍の使用環境下で長期間屋外に暴露された場合でも、基体を構成する多孔質構造や立体構造の基材との接触部分以外の空間部(基材との非接触部分)において、反射フィルム110aを有する基材110が、いわゆる、ひけ(凹み、たわみ)が生じるのを効果的に防止することがきる点でも優れている。なお、上限は特に制限されないが、実施例の表1、2から15MPa以下が良いと考えられる。接着剤130の引っ張り強度は、JIS K 6849(1994年)の「引張接着強さ」又はJIS−K6850(2006年)の「引張り剪断接着強さ」に従って測定することができる。
接着剤130の耐熱性は、使用環境がサンベルト地域近傍の場合を考えると、高温時(昼時)に軟化、低温時(夜間)に硬化を繰り返すことにより接着剤130の密着力が低下、亀裂が発生し性能を保てない可能性が考えられる。また、基材110、基体120、接着剤130の線膨張率(線膨張係数)が大きく異なると外気の温度変化により接着剤130の剥離等が懸念される。こうした観点から、接着剤130の線膨張率は、1.5〜3.0×10-6/Kの範囲が好ましい。また、反射フィルム110aを有する基材100の線膨張率は、11〜30×10-6/Kの範囲が好ましい。さらに基体120の線膨張率は、30×10-6/K以下の範囲が好ましい。本発明の太陽光反射用パネル100に適した基材110、基体120、接着剤130の各線膨張率(線膨張係数)の最大格差(=最大値−最小値)は、0〜30×10-6/Kの範囲が好ましく、0〜20×10-6/Kの範囲がより好ましく、0〜10×10-6/Kの範囲が特に好ましいものである。ここで、基材110、基体120、接着剤130の各線膨張率は、単位温度変化あたりの長さ変化率として定義される。従って、その測定では温度と長さを測ることになるが、このとき採用される長さ測定の方式によって測定法を分類することができる。測定法には大きく分けて試料の寸法変化を直接測定する絶対測定法と熱膨張率が既知の参照物質に対比させて測定する比較測定法の区分があり、さらに長さ測定の方式により細分することができ、主要な測定法としては、絶対測定法として、光干渉法、X線回折法、測微望遠鏡法・光走査法等があり、比較測定法としては、押し棒式膨張計、機械テコ法、光テコ法、電気容量法、歪みゲージ法等があり、何れを用いてもよいが、外力の影響を考慮し、歪みゲージ法を用いるのが好ましい。
接着剤130の収縮率(体積変化率)は、10%以下が好ましく、5.0%以下がより好ましく、2.0%以下が特に好ましい範囲である。接着剤130の収縮率(体積変化率)は、下記式により求めることができる。
ここで、(接着剤の)液体時の体積とは、基材と基体との貼り合せに用いる、接着剤の所定量の体積をいう。ここでいう液体時には、高粘度の液状物などの接着剤であっても、未使用時の状態であれば含まれるものとする。一方、(接着剤の)固化時の体積とは、液体時の体積の接着剤が、反応硬化により完全に固化した時の体積をいう。
本発明の接着剤130としては、上記(c)の反応形接着剤であって、使用環境がサンベルト地域近傍の場合を考慮し、接着剤130に求められる性能としては、上記した密着性(引っ張り強度)、耐熱性(線膨張率)、硬度、伸び、耐衝撃性(他にも耐擦傷性、耐オゾン性、耐衝撃性、耐薬品性)等の要件を満足するものが望ましく、(固化前の)反応形接着剤としては、具体的には、シリコーン(シリコン樹脂)、または変性シリコーン(変性シリコン樹脂)を含有したものであるのが好ましい。接着剤130に、シリコーン(シリコン樹脂)、または変性シリコーン(変性シリコン樹脂)を含有したものを採用することで、反射フィルム110aを有する基材側に、基体120を構成する多孔質構造や立体構造に起因する表面(接着面)の凹凸が転写されるのを効果的に防止することができる。これにより、基材110と基体120を接着剤130で貼り合せた後に、サンベルト地域近傍の使用環境下で長期間屋外に暴露された場合でも、基体を構成する多孔質構造や立体構造の基材との接触部分以外の空間部(基材との非接触部分)において、反射フィルム110aを有する基材110が、いわゆる、ひけ(凹み、たわみ)が生じるのを効果的に防止することができる点で優れている。また、これらの材料は、熱変形に耐え得ることから、異なる線膨張率を持つ基材と基体の急激な温度変化(−20℃〜50℃)による膨張・収縮の繰り返しに追従して伸縮することができ、基材や基体に加わるストレスを吸収することができる点でも優れている。また、これらの材料は、接着剤の硬度及び強度を極力損失せずに弾性を持たせることができ、接着性(密着性)を維持しつつ、異なる熱膨張率を持つ基材と基体の伸びにも耐えられる点で優れている。こうしたシリコーン(シリコン樹脂)、または変性シリコーン(変性シリコン樹脂)を含有した接着剤としては、特に制限されるものではなく、従来公知のものを適宜利用することができる。具体的には、シリコン樹脂(系弾性接着剤)、各種の変性シリコン樹脂(系弾性接着剤)(例えば、エポキシ変性シリコン樹脂、(ポリ)グリセリン変性シリコーン等のアルコール変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、フェニル変性シリコーン、アルコキシ変性シリコーン、ポリアルキレンオキシド変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、カルボキシル変性シリコーン、カルビノール変性シリコーン、フッ素変性シリコーンなど)、シリコーン系シーラント(シーラントも本発明の接着剤に含む)、変性(変成)シリコン樹脂等が挙げられるが、これらに何ら制限されるものではない。また、既に市販されていれものを用いてもよい。具体的には、セメダイン株式会社製のPM200、PM210、EP001、EP001K(いずれもエポキシ変性シリコン樹脂系弾性接着剤)、日本シーカ株式会社製のAS−70(シリコーン系シーラント)、アイカ工業株式会社製のアイカストロングル(変成シリコン樹脂)などが挙げられるが、これらに何ら制限されるものではない。エポキシ変性シリコン樹脂(系弾性接着剤)などには、必要に応じて硬化促進剤等を適宜適量、併用してもよい。
本発明の接着剤130の不揮発分としては、乾燥・固化前後での体積変化(収縮)を防止する観点から、97.0質量%以上が好ましく、99.0質量%以上がより好ましく、99.5質量%以上が特に好ましい。
(5)封止材(封止部)140
封止材(封止部)140は、基材110および反射フィルム110aの側面(端面)が露出しないように、基材110および反射フィルム110aの外縁に沿って全周に配置される。また、紙製の多孔質な構造(ハニカム構造等)の基体120を用いる場合には、基体120の側面(端面)が露出しないように、封止材(封止部)140が基体120の側面(端面)の外縁に沿って全周に配置されていてもよい。即ち、少なくとも太陽光反射面(反射層111)、好ましくは反射フィルム110a、更に必要に応じて基材110や基体120の端部が封止されてなる封止材(封止部)140を有するのが好ましい。このように、少なくとも太陽光反射面(反射層111)の端部を封止材(封止部)140にて被覆(封止)することで、反射層111の金属が腐食される事が無く、長期に渡って反射性能が劣化しない太陽光反射用軽量化パネル110を提供することができる点で優れている。さらに、封止材(封止部)140は、図1、図2に示すように、基材110および反射フィルム110a(更に紙製の多孔質の基体120)の側面だけでなく、反射フィルム110aの露出している表面上(すなわち、光入射側の表面上)あるいは基材110の露出している表面上(すなわち、光入射の反対側の表面上)に亘って一体的に配置される。基材110および反射フィルム110aの側面が被覆されることより、塵や埃、酸素、水蒸気、あるいは硫化水素等が、基材110および反射フィルム110a(更に紙製の多孔質の基体120)の側面から侵入するのを防ぐことができる。これと共に、反射フィルム110aの露出している表面上あるいは基材110の露出している表面上にも一体的に配置することで封止材(封止部)140の剥離を防止できる。その結果、反射フィルム110aの劣化が抑制される。たとえば、反射フィルム110aが基材110から剥がれにくくなり、反射層111が金属である場合には反射層111の腐食を抑制、もしくは防止することができる。
封止材(封止部)140の材料としては、特に制限はないが、形成の容易性、ガス遮断性、耐久性などの観点から、硬化性樹脂、たとえば、熱硬化性樹脂、活性エネルギー線硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、などから適宜選択して用いることができる。
熱硬化性樹脂としては、たとえば、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂などが挙げられる。
活性エネルギー線硬化性樹脂としては、たとえば、エポキシアクリレート樹脂、ウレタンアクリレート樹脂、ポリエステルアクリレート樹脂などが挙げられる。
熱可塑性樹脂としては、アクリル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂などが挙げられる。
より具体的には、封止材(封止部)140の材料として、ペースト状のシリコンシーラント(信越シリコーン社製 KE45−G)、粘度が10Pa・sのエポキシ樹脂(スリーボンド社製2081D)、粘度が13Pa・sのアクリル樹脂(スリーボンド社製3017D)、25℃で粘度が300Pa・s以上600Pa・s以下のウレタン樹脂(エムシー工業社製ハイブレン XLL−6051A)などを用いることができる。柔軟性、脆さの観点から、封止材(封止部)140の材料として、シリコンシーラントを用いるのが好ましい。
次に、封止材(封止部)140の形状について詳細に説明する。
封止材(封止部)140は、図4に示すように、基材110および反射フィルム110a、更に基体120の側面において、膜厚T1が0mm<T1≦1.0mmであることが好ましい。このように、封止材(封止部)140の膜厚T1を上記範囲内とすることよって、基材110および反射フィルム110a(更に紙製の多孔質の基体120)の側面部分において、封止材(封止部)140の使用量を必要最小限に抑えることができ、製造コストを抑えられる。
また、封止材(封止部)140は、図4に示すように、反射フィルム110a上において、膜厚T2が0mm<T2≦1.0mm、塗布幅Wが0.2mm≦W≦2.0mmであることが好ましい。このように、封止材(封止部)140の膜厚T2を上記範囲内とすることより、反射フィルム110aの表面と封止材(封止部)140の間に生じる段差の高さを比較的低くできる。その結果、高圧洗浄やブラシ洗浄への耐性を有しながらも、段差部分に塵や埃等が堆積しにくくなり、反射フィルム110aの反射率の低下を抑制できる。さらに、封止材(封止部)140の塗布幅Wを上記範囲内とすることにより、封止材(封止部)140としての封止機能を損なわない範囲で反射フィルム110aの反射面積を最大化でき、反射フィルム110aの反射率の低下を最小限に留められる。これにより、発電効率の高い太陽光反射用パネル100が得られる。そのうえ、封止材(封止部)140の使用量も必要最小限に抑えることができるため、製造コストも抑えられる。
また、図4に示す例では、太陽光反射用パネル100の裏面(すなわち、光入射側とは反対側の面)には封止材(封止部)140が塗布されない。そのため、太陽光反射用パネル100を所定の位置や向きで保持するための保持用基材(たとえば、ボウル状の基材)に、複数の太陽光反射用パネル100を隙間なく貼り付けられる(図6〜9参照)。その結果、太陽光の反射方向が乱れず、発電効率を高められる。そのうえ、その保持用基材から太陽光反射用パネル100が剥がれにくく、長期間、太陽光反射用パネル100を張り替えずに使用できる。また、封止材(封止部)140の材料の塗布直後には、封止材(封止部)140の材料を乾燥させる必要があるが、封止材(封止部)140の材料がどこにも接触しないように太陽光反射用パネル100を保持しておくための特別な設備は不要である。
また、封止材(封止部)140を基材110、反射フィルム110a及び基体120の側面に設ける場合は、反射フィルム110aの反射面積を狭めることがなく、反射フィルム110aの全面積を有効に活用できる。太陽光反射用パネル100を太陽の動きに併せて位置や向きを可変自在に稼働(駆動)し得る太陽光集光用ミラー装置の太陽受光部の架台(図示せず)に設置する。このとき、架台に設置する太陽光反射用パネル100の裏面側に封止材(封止部)140を設けないのがよい。これは、太陽光反射用パネル100の裏面(=基体120の裏面)には、裏面保護材125が設けられており、更なる封止材140は不要なためである。また基体120が金属や樹脂製のトラスコア構造等の場合には、側面及び裏面のいずれにも封止材140は不要である。太陽光反射用パネル100の裏面に封止材(封止部)140を設けた場合には、太陽光反射用パネル100の裏面側の平滑性が損なわれ、架台と太陽光反射用パネル100との間に隙間の発生したり、太陽光の反射方向が乱れ、発電効率が損なわれるためである。かかる観点から、太陽光反射用パネル100の裏面側の基体120が紙製の多孔質(ハニカム)構造の場合には、その裏面にアルミニウム板などの裏面保護材125を接着剤等で貼合わせるのが好ましい。また、基体120に金属製(例えば、アルミニウム(合金)やステンレス製等)のトラスコア構造を用いる場合には、基体120の裏面から、砂埃や雨水など塵、埃、酸素、水蒸気、硫化水素等が基体120内部に侵入する恐れがないことから、裏面保護材125も不要である。
以上が本発明の太陽光反射用パネルについての説明である。以下は、本発明の太陽光反射用パネルを具備した太陽光集光用ミラー装置の一般的な実施形態について、図面を用いて簡単に説明する。
(太陽光反射用パネルを具備した太陽光集光用ミラー装置)
本発明の太陽光反射用パネルを具備した太陽光集光用ミラー装置の一般的な実施形態について、図6〜図10を参照しながら説明する。図6は、本発明に係る太陽光反射用パネルを複数用いて構成した太陽受光部と、太陽伝熱部を備えた太陽光集光用ミラー装置の代表的な実施形態を示す概略透視図である。図7は、図6の太陽光集光用ミラー装置の長手方向に垂直な断面(a)と長手方向に平行な断面(b)を示す概略図である。これら図6、7に示されている太陽光集光用ミラー装置1aにおいては、本発明に係る太陽光反射用パネル3が放物線の断面形を有する支持体(樋体)5の内面側に、長手方向に対して、垂直に(曲面方向に)連続的に取り付けられた太陽受光部と、太陽伝熱部(集光管)2を備えている。太陽伝熱部2は、複数の保持用基材(支柱)4で各支持体(樋体)5に固定され、太陽光反射用パネル3の底部(下方中心部)よりも上方に設置されている。これにより、図7に示すように、太陽光反射用パネル3に入射し、反射された太陽光が太陽伝熱部2に集光されるように、太陽光反射用パネル3の曲面形状や太陽伝熱部2の設置箇所等が調節されている。
図8は、本発明に係る太陽光反射用パネルを複数用いて構成した太陽受光部と、太陽伝熱部を備えた太陽光集光用ミラー装置の他の実施形態を示す概略透視図であり、図9は、図8の太陽光集光用ミラー装置の長手方向に垂直な断面(a)と長手方向に平行な断面(b)を示す概略面である。本形態の太陽光集光用ミラー装置は、図8及び図9に示すように、長手方向に平行な断面が直線状であり、かつ長手方向に垂直な断面が巨視的に曲面形状である太陽受光部と、太陽伝熱部2を備えた太陽光集光用ミラー装置1bであって、当該太陽受光部は、長手方向に垂直な方向に分割されて不連続な複数の長尺状の太陽光反射用パネル3により構成されてなることを特徴とする。太陽伝熱部(集光管)2は、複数の保持用基材(支柱)4で各支持体5または太陽光反射用パネル3間の不連続部分(隙間)6に固定され、断面が巨視的に曲面形状である太陽受光部の底部(下方中心部)よりも上方に設置されている。これにより、図9に示すように、太陽光反射用パネル3に入射し、反射された太陽光が太陽伝熱部2に集光されるように、(複数の太陽光反射用パネル3で構成される)太陽受光部の曲面形状や太陽伝熱部2の設置箇所等が調節されている。
なお、太陽光集光用ミラー装置1bの太陽受光部の「長手方向に垂直な断面が、巨視的に曲面形状である」とは、長手方向に垂直な方向において、複数の太陽光反射用パネル3により構成されている場合において、長手方向に垂直な断面において、微視的に見ると不連続部分(隙間)6があるが、不連続部分(隙間)6が曲面形状を維持するように接続されていると想定した場合に、曲面形状となることを意味する。特に、当該曲面の長手方向に垂直な断面の形状が略放物線状となる場合が好ましく、この場合を「巨視的に略放物線状である」と表現する。「略放物線である」とは、当該放物線状断面を有する太陽光集光用ミラー装置1bの太陽光反射用パネル3を複数用いて構成した太陽受光部に入射した光の70%以上が、太陽伝熱部2に集光する放物線形状であることを意味するものとする。なお、各々の太陽光反射用パネル3は、必ずしも曲面形状を取る必要はなく、平板であっても良く、不連続部分6を含む全体が巨視的に曲面形状に沿って配置されていればよい。
本形態の太陽光集光用ミラー装置1bは、前記の特徴を満たす限りにおいて、種々の形態を採用し得る。図8、9以外の他の形態を図10に示す。図10は、本発明に係る太陽光反射用パネルを複数用いて構成した太陽受光部と、太陽伝熱部を備えた太陽光集光用ミラー装置の更に他の実施形態の長手方向に垂直な断面(a)と長手方向に平行な断面(b)を示す概略図である。図10に示すように、長手方向に垂直な断面を見た場合に、複数の長尺状の太陽光反射用パネル3の各々が、相互に隣接する長尺状の太陽光反射用パネル3のうち、上側にある長尺状の太陽光反射用パネル3の下端が、下側の長尺状の太陽光反射用パネル3の上端よりも外側に位置し、段差が付くように配置されていることが好ましい。すなわち、各長尺状の太陽光反射用パネル3の断面の端が、隣接する長尺状の太陽光反射用パネル3の断面の端と段違い状になるよう配置する態様も好ましい。このような構成によれば、外側の長尺状の太陽光反射用パネル3の表面についた汚れが、隣接する長尺状の太陽光反射用パネル3の上に流れ落ちることがなく、外部に排出されることとなる為、防汚性を高めることが可能となる。太陽伝熱部2は、図8と同様に、複数の保持用基材(支柱)4で各支持体5または太陽光反射用パネル3間の不連続部分(段差部分)6に固定され、断面が巨視的に曲面形状である太陽受光部の底部(下方中心部)よりも上方に設置されている。これにより、図10に示すように、段差が付くように配置されている複数の太陽光反射用パネル3に入射し、反射された太陽光が太陽伝熱部2に集光されるように、(段差が付くように配置されている複数の太陽光反射用パネル3で構成される)太陽受光部の段差を有する曲面形状や太陽伝熱部2の設置箇所等が調節されている。
また、本発明においては、複数の太陽光反射用パネル3の各々が、図6、8に示すように、支持体(樋体)5上に取り替えできるように取り付けられていることが好ましい。この場合、当該複数の太陽光反射用パネル3の各々が、支持体(樋体)5上に接着されていることが好ましい。
本発明の太陽光集光用ミラー装置は、図8〜10に示される形態を有していることにより、防汚性が高く、このため反射率及び、正反射率の劣化が防止され、かつ部分的交換が容易で、低コスト化が可能である。すなわち、本発明においては、複数の太陽光反射用パネル3を横貼りすることで、溝を横にきることができ、汚れた水を外に逃がすことができる。また、下方中心部の汚れた太陽光反射用パネル3のみを貼り替えることができ、かつ、横に貼ることで効率よく設置することができる。但し、図6、7に示す構成でも、太陽追尾装置を利用して、太陽光発電しない降雨時や夜間等に太陽受光部の底部(下方中央部)に傾斜がつくようにすることで、汚れた水を外に逃がすことができる。また、太陽光発電中でも、状況に応じて、短時間、太陽受光部の底部(下方中央部)に傾斜がつくようにするだけでも、集光効率に影響を与えることなく、汚れた水を外に逃がすことができる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[太陽光反射用パネルAの作製]
〔太陽光反射面(反射層)を支持したフィルム(反射フィルム)の作製〕
太陽光反射面(反射層)支持用のフィルム(樹脂フィルム)には、二軸延伸ポリエステルフィルム(ポリエチレンテレフタレートフィルム、幅1500mm、厚さ100μm)を用いた。
上記ポリエチレンテレフタレートフィルムの片面に、厚み0.1μmの接着層(常温硬化型接着剤層)を形成した。接着層の形成は、帯状のポリエチレンテレフタレートフィルムを連続搬送しながらグラビアコート法により連続コーティングし、乾燥させ巻き取る方式で実施した。
次いで、形成した接着層上に、反射層(光を反射するための太陽光反射面を持つ層)として、真空蒸着法により厚さ80nmの銀反射層を形成した。
次いで、この銀反射層上に、銀反射層とハードコート層をより強固に接合するためのアンダーコート層として、厚さ0.1μmの隣接層(腐食防止層)を形成した。隣接層の形成方法は、上記接着層と同様の方式で実施した。
次いで、上記隣接層上に膜厚が0.5μmのハードコート層を形成した。ハードコート層の形成方法は、上記接着層、隣接層の形成方式(装置)と同様で、コーティングにスロットダイを用い、乾燥した後にエキシマ照射(ハードコート層形成用樹脂である活性エネルギー線硬化型樹脂のエキシマ硬化)工程を追加して実施した。
〔太陽光反射面を支持したフィルム(反射フィルム)を有する基材の作製〕
上記で作製した反射フィルムを縦2000mm×横1000mmに切り出し、ポリエステルフィルム(樹脂フィルム)の反射層を形成した面(反射面)とは反対側の面に、厚さ3μmの粘着層(常温接合型粘着剤層)を介して、厚さ0.5mmで縦2000mm×横1000mmのアルミニウム板製の基材に貼り付け、上記反射フィルムを有する基材を作製した。
〔封止方法〕
封止材塗工装置を用いて、封止材としてはシリコンシーラント(信越シリコーン社製 KE45−G)を、上記基材の反射フィルムの端部を覆うように、上記反射フィルムの上面からアルミニウム板製の基材の上面にわたって封止材を連続的に塗工し、封止した。
上記封止材塗工装置には、上記反射フィルムの端部を覆うように、封止材を上記アルミニウム板製の基材および上記反射フィルムの端部表面に直接塗布する押出塗布装置を用いた。この封止材塗工装置は、封止材を噴射するノズルを有している。そして、塗布対象(上記反射フィルムが貼合された状態のアルミニウム板製の基材)をコンベアなどによってノズル直下で搬送させることによって上記反射フィルムの端部を覆うように上記反射フィルムの端部からアルミニウム板製の基材の端部にわたって封止材を連続的に塗布(塗工)を実施した。ノズルとしては、先端が平坦形状のノズルを用いた。その際の封止塗工条件、及び封止材形状は以下のとおりであった。
・封止材の塗工速度:1m/min
・反射フィルム(1)を覆っている封止材幅(図4のW):0.7mm
・アルミニウム板製の基材を覆っている封止材高さ(図4のT1):0.5mm
・封止材高さ(図4のT2):0.5mm
・封止材塗工ノズル:逆L字形状。
〔反射フィルムを有する基材と基体の接合−1)〕
上記で得られた端部に封止を施した反射フィルムを有する基材と、基体として、紙製のハニカム構造(ヤング率160GPa(ハニカム構造基体を厚み0.4mmのアルミニウム板でサンドイッチした場合のヤング率)、嵩比重1200kg/m)を準備した。なお、上記紙製のハニカム構造には、ハニカムの大きさL1は9.0mm、ハニカムの枠体(ペーパー部分)の太さt1は0.5mm、ハニカムの長軸方向の長さ=基体の厚さD1は12mmのものを用いた。
次いで、上記反射フィルムを有する基材のアルミニウム板製の基材面(上記反射フィルムを設けた面とは反対側の面)、及びアルミニウム板製の裏面保護材の片面に、接着剤Aを塗布し、乾燥前に上記反射フィルムを有する基材、上記ハニカム構造の基体、上記アルミニウム板製の裏面保護材の順に成形機上に重ね、接着剤Aが乾燥(固化)した際に、所望の形状(曲面形状;図12(A)参照)になるよう成形させ太陽光反射用パネル(以下、成形パネルとも称する)Aを作製した。
得られた成形パネルAの大きさは2mであり、上記成形パネルAの基体と基材との接触面積は、太陽光反射面の面積の5.0%であった。
実施例1
〔成形パネル−1の作製〕
上記接着剤Aとして、エポキシ変性シリコン樹脂[セメダイン株式会社製 PM200]を用いた以外は、上記成形パネルAの作製と同様にして、成形パネル−1を作製した。得られた成形パネル−1の基材と前記基体との貼り合せに用いた接着剤A(エポキシ変性シリコン樹脂[セメダイン株式会社製 PM200])の硬度、引っ張り強度、伸び、不揮発性分を測定した。得られた結果を表1に示す。
実施例2
〔成形パネル−2の作製〕
接着剤Aとして、エポキシ変性シリコン樹脂[セメダイン株式会社製 EP001K]を用いた以外は、上記成形パネルAの作製と同様にして、成形パネル−2を作製した。得られた成形パネル−2の基材と前記基体との貼り合せに用いた接着剤A(エポキシ変性シリコン樹脂[セメダイン株式会社製 EP001K])の硬度、引っ張り強度、伸び、不揮発性分を測定した。得られた結果を表1に示す。
実施例3
〔成形パネル−3の作製〕
接着剤Aとして、シリコン系シーラント[日本シーカ株式会社製 AS−70]を用いた以外は、上記成形パネルAの作製と同様にして、成形パネル−3を作製した。得られた成形パネル−3の基材と前記基体との貼り合せに用いた接着剤A(シリコン系シーラント[日本シーカ株式会社製 AS−70])の硬度、引っ張り強度、伸び、不揮発性分を測定した。得られた結果を表1に示す。
実施例4
〔成形パネル−4の作製〕
接着剤Aとして、変成シリコン樹脂[アイカ工業株式会社製 アイカストロングル]を用いた以外は、上記成形パネルAの作製と同様にして、成形パネル−4を作製した。得られた成形パネル−4の基材と前記基体との貼り合せに用いた接着剤A(変成シリコン樹脂[アイカ工業株式会社製 アイカストロングル])の硬度、引っ張り強度、伸び、不揮発性分を測定した。得られた結果を表1に示す。
比較例1
〔成形パネル−5の作製〕
接着剤Aとして、アクリル系樹脂[セメダイン株式会社製 Y620]を用いた以外は、上記成形パネルAの作製と同様にして、成形パネル−5を作製した。得られた成形パネル−5の基材と前記基体との貼り合せに用いた接着剤A(アクリル系樹脂[セメダイン株式会社製 Y620])の硬度、引っ張り強度、伸び、不揮発性分を測定した。得られた結果を表1に示す。
比較例2
〔成形パネル−6の作製〕
接着剤Aとして、エポキシ樹脂[セメダイン株式会社製 1500]を用いた以外は、上記成形パネルAの作製と同様にして、成形パネル−6を作製した。得られた成形パネル−6の基材と前記基体との貼り合せに用いた接着剤A(エポキシ樹脂[セメダイン株式会社製 1500])の硬度、引っ張り強度、伸び、不揮発性分を測定した。得られた結果を表1に示す。
[太陽光反射用パネルBの作製]
太陽光反射面を支持したフィルム(反射フィルム)を有する基材の作製から封止方法までは、太陽光反射用パネルAと同様にして、端部に封止を施した反射フィルムを有する基材を作製した。
〔反射フィルムを有する基材と基体の接合−2〕
上記で得られた端部に封止を施した反射フィルムを有する基材と同サイズの基体として、城山工業株式会社製のトラスコア(ヤング率100GPa、嵩比重135kg/m)を準備した。なお、上記城山工業株式会社製のトラスコア構造には、トラスコアの大きさL2は65mm、トラスコアの板厚t2は0.8mm、トラスコアの長軸方向の長さ=基体の厚さD2は16mmのものを用いた。
次いでトラスコアの頂点部(図5(C)の符号20参照)にのみ接着剤Aを塗布し、乾燥前に上記反射フィルムを有する基材、上記トラスコア構造の基体の順に成形機上に重ね、接着剤Aが乾燥(固化)した際に、所望の形状(曲面形状;図12(A)参照)になるよう成形させ太陽光反射用パネル(成形パネル)Bを作製した。ここで、基材とトラスコアを接着する面の1辺の長さL3は10mm、L4は25mmであった(図4(C)参照)。
実施例5
〔成形パネル−7の作製〕
上記接着剤Aとして、エポキシ変性シリコン樹脂[セメダイン株式会社製 PM200]を用いた以外は、上記成形パネルBの作製と同様にして、成形パネル−7を作製した。得られた成形パネル−7の基材と前記基体との貼り合せに用いた接着剤A(エポキシ変性シリコン樹脂[セメダイン株式会社製 PM200])の硬度、引っ張り強度、伸び、不揮発性分は、成形パネル−1の接着剤Aと同様である。
実施例6
〔成形パネル−8の作製〕
接着剤Aとして、エポキシ変性シリコン樹脂[セメダイン株式会社製 EP001K]を用いた以外は、上記成形パネルBの作製と同様にして、成形パネル−8を作製した。得られた成形パネル−8の基材と前記基体との貼り合せに用いた接着剤A(エポキシ変性シリコン樹脂[セメダイン株式会社製 EP001K])の硬度、引っ張り強度、伸び、不揮発性分は、成形パネル−2の接着剤Aと同様である。
実施例7
〔成形パネル−9の作製〕
接着剤Aとして、シリコン系シーラント[日本シーカ株式会社製 AS−70]を用いた以外は、上記成形パネルBの作製と同様にして、成形パネル−9を作製した。得られた成形パネル−9の基材と前記基体との貼り合せに用いた接着剤A(シリコン系シーラント[日本シーカ株式会社製 AS−70])の硬度、引っ張り強度、伸び、不揮発性分は、成形パネル−3の接着剤Aと同様である。
実施例8
〔成形パネル−10の作製〕
接着剤Aとして、変成シリコン樹脂[アイカ工業株式会社製 アイカストロングル]を用いた以外は、上記成形パネルBの作製と同様にして、成形パネル−10を作製した。得られた成形パネル−10の基材と前記基体との貼り合せに用いた接着剤A(変成シリコン樹脂[アイカ工業株式会社製 アイカストロングル])の硬度、引っ張り強度、伸び、不揮発性分は、成形パネル−4の接着剤Aと同様である。
比較例3
〔成形パネル−11の作製〕
接着剤Aとして、アクリル系樹脂[セメダイン株式会社製 Y620]を用いた以外は、上記成形パネルBの作製と同様にして、成形パネル−11を作製した。得られた成形パネル−11の基材と前記基体との貼り合せに用いた接着剤A(アクリル系樹脂[セメダイン株式会社製 Y620])の硬度、引っ張り強度、伸び、不揮発性分は、成形パネル−5の接着剤Aと同様である。
比較例4
〔成形パネル−12の作製〕
接着剤Aとして、エポキシ樹脂[セメダイン株式会社製 1500]を用いた以外は、上記成形パネルBの作製と同様にして、成形パネル−12を作製した。得られた成形パネル−12の基材と前記基体との貼り合せに用いた接着剤A(エポキシ樹脂[セメダイン株式会社製 1500])の硬度、引っ張り強度、伸び、不揮発性分は、成形パネル−6の接着剤Aと同様である。
[太陽光反射用パネルCの作製]
厚さ0.5mmのアルミニウム板製の基材に代えて、厚さ0.8mmのアルミニウム板製の基材を用いた以外は、太陽光反射面を支持したフィルム(反射フィルム)を有する基材の作製から封止方法まで、太陽光反射用パネルAと同様にして、端部に封止を施した反射フィルムを有する基材を作製した。
〔反射フィルムを有する基材と基体の接合−3〕
上記で得られた端部に封止を施した反射フィルムを有する基材と同サイズの基体として、太陽光反射用パネルBと同様のトラスコアを準備した。
次いで、太陽光反射用パネルBの作製と同様にして、トラスコアの頂点部(図5(C)の符号20参照)にのみ接着剤Aを塗布し、乾燥前に上記反射フィルムを有する基材、上記トラスコア構造の基体の順に成形機上に重ね、接着剤Aが乾燥(固化)した際に、所望の形状(曲面形状;図12(A)参照)になるよう成形させ太陽光反射用パネル(成形パネル)Cを作製した。
実施例9
〔成形パネル−13の作製〕
上記接着剤Aとして、エポキシ変性シリコン樹脂[セメダイン株式会社製 PM200]を用いた以外は、上記成形パネルCの作製と同様にして、成形パネル−135を作製した。得られた成形パネル−13の基材と前記基体との貼り合せに用いた接着剤A(エポキシ変性シリコン樹脂[セメダイン株式会社製 PM200])の硬度、引っ張り強度、伸び、不揮発性分は、成形パネル−1の接着剤Aと同様である。
実施例10
〔成形パネル−14の作製〕
接着剤Aとして、エポキシ変性シリコン樹脂[セメダイン株式会社製 EP001K]を用いた以外は、上記成形パネルCの作製と同様にして、成形パネル−14を作製した。得られた成形パネル−14の基材と前記基体との貼り合せに用いた接着剤A(エポキシ変性シリコン樹脂[セメダイン株式会社製 EP001K])の硬度、引っ張り強度、伸び、不揮発性分は、成形パネル−2の接着剤Aと同様である。
実施例11
〔成形パネル−15の作製〕
接着剤Aとして、シリコン系シーラント[日本シーカ株式会社製 AS−70]を用いた以外は、上記成形パネルCの作製と同様にして、成形パネル−15を作製した。得られた成形パネル−15の基材と前記基体との貼り合せに用いた接着剤A(シリコン系シーラント[日本シーカ株式会社製 AS−70])の硬度、引っ張り強度、伸び、不揮発性分は、成形パネル−3の接着剤Aと同様である。
実施例12
〔成形パネル−16の作製〕
接着剤Aとして、変成シリコン樹脂[アイカ工業株式会社製 アイカストロングル]を用いた以外は、上記成形パネルCの作製と同様にして、成形パネル−16を作製した。得られた成形パネル−16の基材と前記基体との貼り合せに用いた接着剤A(変成シリコン樹脂[アイカ工業株式会社製 アイカストロングル])の硬度、引っ張り強度、伸び、不揮発性分は、成形パネル−4の接着剤Aと同様である。
比較例5
〔成形パネル−17の作製〕
接着剤Aとして、アクリル系樹脂[セメダイン株式会社製 Y620]を用いた以外は、上記成形パネルCの作製と同様にして、成形パネル−17を作製した。得られた成形パネル−17の基材と前記基体との貼り合せに用いた接着剤A(アクリル系樹脂[セメダイン株式会社製 Y620])の硬度、引っ張り強度、伸び、不揮発性分は、成形パネル−5の接着剤Aと同様である。
比較例6
〔成形パネル−18の作製〕
接着剤Aとして、エポキシ樹脂[セメダイン株式会社製 1500]を用いた以外は、上記成形パネルCの作製と同様にして、成形パネル−18を作製した。得られた成形パネル−18の基材と前記基体との貼り合せに用いた接着剤A(エポキシ樹脂[セメダイン株式会社製 1500])の硬度、引っ張り強度、伸び、不揮発性分は、成形パネル−6の接着剤Aと同様である。
表1のアクリル系樹脂(接着剤A)の硬度は、JIS−K6253(2006年)のショアD(デュロメータタイプD)により測定した値である。
[成形パネルの評価]
〔成形パネルの外観(表面凹凸)の評価〕
実施例1〜12及び比較例1〜6で作製した成形パネル1〜18の外観につき、各成形パネルの反射面側の表面(接着面)の凹凸の様子を以下の評価基準と図11(A)又は(B)の評価基準に基づき、目視により判定した。その結果を下記表2に示す。
・外観(表面凹凸)の評価基準
×:目視で接着面の凹凸が判別できる。図11(A)又は(B)の表面凹凸:「×」に最も近い状態であることが目視で確認できる;
△:注視すると接着面の凹凸が判別できる。図11(A)又は(B)の表面凹凸:「△」に最も近い状態であることが目視で確認できる;
○:目視で接着面の凹凸がわからない。図11(A)又は(B)の表面凹凸:「○」に最も近い状態であることが目視で確認できる。
〔成形パネルの形状保持の評価〕
実施例1〜12及び比較例1〜6で作製した曲面形状(図12(A)の状態)の成形パネル1〜18のサンプルにつき、図13(A)、(B)に示す形状保持測定装置を用いて測定を行った。
詳しくは図13(A)、(B)に示すように、形状保持測定装置12として、基盤11上に載置されたレーザー光(スリット)照射装置13a、13bを準備した。この形状保持測定装置12には、2基のレーザー光(スリット)照射装置13a、13bが、基盤11上の高台14の上に敷設されているIAI社製の単軸ロボット15の2基のステージ(図示せず)上に設けられている。これらレーザー光(スリット)照射装置13a、13bを載せたステージは、単軸ロボット15上を基盤11面(水平面)に対して並行な方向(水平方向)に自在を移動できる(可動式の)構成となっている。この形状保持測定装置12(IAI社製の単軸ロボット15の中心部)から一定の距離に直径7.5cm、高さ2mmの集光管16および成形パネル(縦2m×横1mm)のサンプル17が、それぞれ基盤11上に設置されている。集光管16は、その軸線方向が、基盤11面(水平面)に対して垂直な方向になるように設置されている。また各成形パネルのサンプル17は、基盤11上に、その反射面17a側が、2基のレーザー光(スリット)照射装置13a、13bからのレーザー光(スリット)を受光し、反射した光が集光管16に集光できる位置に設置する。なお、2基のレーザー光(スリット)照射装置13a、13bのレーザー光は、図13(B)に示すようにスリット状のものを用いた。詳しくはスリット幅Wが50cmであり、一方のレーザー光(スリット)照射装置13aのレーザー光には、赤色レーザー光線13Rを用い、もう一方のレーザー光(スリット)照射装置13bのレーザー光には、緑色レーザー光線13Gを用い、できるだけ太陽光(可視光線)の全波長域(380〜770nm)をカバーできるものとした。
成形パネルのサンプルの設置位置の位置決めは、標準サンプルを用いて決定すればよい。標準サンプルは、接着による歪や経時変化を受けない部材で作られていればよい。例えば、基体に成形サンプルと同じ曲率を持たせた曲面形状にしたステンレス鋼板などを用いることができる。この場合、重くなるが、太陽光反射面を支持したフィルムを有する基材を接着剤で貼り合せても歪や変形を受けない太陽光反射用パネルの標準サンプルとすることができる。この標準サンプルを用いて、2基のレーザー光(スリット)照射装置13a、13bをステージを移動させることで、単軸ロボット15上のどの位置に移動させても、常にレーザー光(スリット)照射装置13a、13bからのレーザー光(スリット)を受光し、反射した光が集光管16に集光できる位置をサンプルの設置位置とする。なお、サンプルが歪むなどして、所定の設置位置に設置できない場合(=比較例のサンプルの場合)には、できるだけ設置位置に沿うように設置するものとした。
上記した位置決めの仕方に基づいて設置した各成形パネルのサンプル17に2基のレーザー光(スリット)照射装置13a、13bからのレーザー光(スリット)を受光させ、反射した光が集光管16に集光できるか否かを測定した。かかる測定結果に基づき、各成形パネルの形状保持の様子を以下の評価基準と、図12(A)〜(B)の評価基準に基づき、判定した。その結果を下記表2に示す。
・形状保持の評価基準
×:成形パネルの形状が保持できず、反射光が集光管から外れる。また図12(B)の形状保持が「×」に最も近い状態であることが目視で確認できる。すなわち、図12(B)の断面図において、成形パネル断面の曲面形状が失われ、平板状に戻ってしまった状態であることが確認できる;
△:成形パネルの若干形状が変化するものの問題ないレベルであり、反射光が集光管から外れないが揺らぐレベルである。また図12(A)と図12(B)の形状保持の中間に最も近い状態であることが目視で確認できる。すなわち、図12(A)の断面図において、成形パネル断面の曲面形状が若干失われ、少しだけ平板状に近づいた状態であることが確認できる;
○:成形パネルの形状が保持でき、反射光が集光管に外れない。また図12(A)の形状保持が「○」に最も近い状態であることが目視で確認できる。すなわち、図12(A)の断面図において、成形パネル断面の曲面形状が殆ど損なわれず、当初の曲面形状を保持した状態であることが確認できる。
〔成形パネルの密着性の評価〕
実施例1〜12及び比較例1〜6で作製した成形パネル1〜18のサンプルにつき、引張接着強さ(JIS K 6849)または引張せん断接着強さ(JIS K 6850)に沿って、盤上に成形パネルのサンプルを下が空間になるように(=反射面側が下になるように)置き、上部より各JIS規格に沿った所定の圧力、若しくは所定の錘を載せ、成形パネルの状態(特に基材と基体の貼り合せ部分の密着状態)を目視で確認し、以下の評価基準に基づき、判定した。その結果を下記表2に示す。
・密着性の評価基準
×:成形パネル(特に基材と基体の貼り合せ部分)に剥がれ(浮き)が発生する;
△:成形パネル(特に基材と基体の貼り合せ部分)が若干剥がれるが問題ないレベル;
○:成形パネル(特に基材と基体の貼り合せ部分)に剥がれ(浮き)なし。
実施例の成形パネルでは、比較例の成形パネルに比して、外観(表面凹凸)、形状保持及び密着性の全てがバランスよく、良好な性能を発現できることが確認できた。
また、実施例の中でも、紙製のハニカム構造の基体を用いた実施例1〜4では、外観(表面凹凸)、形状保持及び密着性の全てがバランスよく、特に優れた性能(全て「○」の評価)を発現できることが確認できた。
また、城山工業株式会社製のトランスコア構造の基体を用いた実施例5〜8、9〜12では、一部に「△」の評価が見られた。
詳しくは、基材の厚み0.5mmの時にエポキシ変性シリコン樹脂を用いた実施例5、6の成形パネル−7,8の表面凹凸は「△」であった。一方、基材の厚み0.8mmの時にエポキシ変性シリコン樹脂を用いた実施例9、10の成形パネル−13、14の表面凹凸は「○」であった。逆に、基材の厚み0.8mmの時に変成シリコン樹脂を用いた実施例12の成形パネル−16の表面凹凸は「△」であったが、基材の厚み0.5mmの時に変成シリコン樹脂を用いた実施例8の成形パネル10の表面凹凸は「○」であった。更に基材の厚み0.8mmの時にシリコン系シーラントを用いた実施例11の成形パネル−15の形状保持は「△」であったが、基材の厚み0.5mmの時にシリコン系シーラントを用いた実施例7の成形パネル−9の表面凹凸は「○」であった。
以上のことから、城山工業株式会社製のトランスコア構造の基体を用いる場合には、基材の厚みが0.5mmの時と、0.8mmの時で、最適な接着剤が異なる、即ち、基材の厚みが0.5mmと比較的薄いときは、エポキシ変性シリコン樹脂が好ましく、基材の厚みが0.8mmと比較的厚いときは、シリコン系シーラントや変成シリコン樹脂が好ましいことがわかった。
1a、1b 太陽光集光用ミラー装置、
2太陽伝熱部(集光管)
3 太陽光反射用パネル、
4保持用基材(支柱)、
5 支持体(樋体)、
6 太陽光反射用パネル間の不連続部分(隙間)、
100 太陽光反射用パネル、
110 基材、
110a 太陽光反射面を支持するフィルム(反射フィルム)、
111 反射層(光を反射するための太陽光反射面を持つ層)、
112 腐食防止層、
113 紫外線吸収層、
114 ガスバリアー層、
115 ハードコート層、
116 アンカー層、
117 樹脂フィルム、樹脂支持層)、
118 粘着層、
120 基体、
125 裏面保護材、
130 基材と基体との貼り合せに用いた接着剤、
140 封止材(封止部)。

Claims (7)

  1. 太陽光反射面を支持したフィルムを有する基材と、前記基材を保持する基体を貼り合せた太陽光反射パネルにおいて、
    前記基体と、前記基材との接触面積が、前記太陽光反射面の面積の50%以下で、且つ前記基体のヤング率が55GPa以上、嵩比重が2000kg/m以下であり、
    前記基材と前記基体との貼り合せに用いた接着剤の伸びが100%以上で、且つ硬度が30以上であることを特徴とする太陽光反射用パネル。
  2. 前記接着剤の引っ張り強度が、2MPa以上であることを特徴とする請求項1に記載の太陽光反射用パネル。
  3. 前記接着剤の伸びが、200%以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の太陽光反射用パネル。
  4. 前記接着剤の不揮発分が、95質量%以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の太陽光反射用パネル。
  5. 前記接着剤が、シリコン、または変性シリコンを含有したものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の太陽光反射用パネル。
  6. 太陽光反射用パネルの大きさが、1m以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の太陽光反射用パネル。
  7. 太陽光反射面は、端部が封止されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の太陽光反射用パネル。
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