JP2016176652A - レンジフード - Google Patents
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Abstract
【課題】排気に含まれる油分を貯留回収して、簡単に廃棄することができるとともに、貯留回収した油液を誤ってこぼすことなく廃棄することができる取扱い性に優れたレンジフードを提供する。
【解決手段】排気から分離されて流下する油液を環状の油溜まり16aに貯留するオイルトレー16を、排気用ファンを内蔵したフード側に固定配備された支持部材としての化粧板40の係合金具42に、環状の油溜まりに沿う周方向の回動によって脱着可能に係合連結する。
【選択図】図3
【解決手段】排気から分離されて流下する油液を環状の油溜まり16aに貯留するオイルトレー16を、排気用ファンを内蔵したフード側に固定配備された支持部材としての化粧板40の係合金具42に、環状の油溜まりに沿う周方向の回動によって脱着可能に係合連結する。
【選択図】図3
Description
本発明は、レンジフードに関し、更に詳しくは、例えばガスコンロ、電気コンロ、及び、電磁誘導感熱式クッキングヒータ(IHヒータ)などの加熱調理器具の上方に設置されて、調理中に発生する煙や湯気などの排気を吸い込み捕集して屋外に排出するためのレンジフードに関する。
レンジフードにおいては、排気に含まれる油分を捕集回収するために、例えば、ファンロータの上手にグリスフィルターを配備して、ファンロータに吸い込まれる排気中の油分を吸着捕集するもの(特許文献1参照)、あるいは、ファンケーシングに付着した油を流下案内して所定のオイルポケットに導くようにしたもの(特許文献2参照)、などが知られている。
しかしながら、グリスフィルターを用いて排気中の油分を捕集する特許文献1では、適時、グリスフィルターを洗浄あるいは交換する必要があり、手入れに手数がかかるものであった。
一方、捕集した油を所定のオイルポケットに導く特許文献2では、オイルポケットを取り外して回収した油を廃棄することができると共に、オイルポケット自体を比較的簡単に清掃することができ、手入れは前者に比べて容易なものとなる。
上記オイルポケットが簡単に脱着できることが肝要であり、かかるオイルポケット等の簡単な脱着を図るものとして、以下に示すような構成のレンジフードが考えられる。
すなわち、図17に示すように、レンジフードには、排気用ファン2を内装した箱形の本体ハウジング3、本体ハウジング3の下端に連設された矩形のフードケース4、フードケース4の内側に装着される内装パネル5、及び、整流板6、等が備えられている。
オイルを捕集するために、排気用ファン2の下端の吸込み口10から流下する油液を受け止め回収するオイルトレー16´が配備される。このオイルトレー16´は、油を溜める環状の油溜まり16a´を備えると共に、その四隅には、係止孔17と係止凹部18が備えられている。
これらの係止孔17及び係止凹部18を、本体ハウジング3の内部のファンケーシング7の下面に備えられた係止金具50にそれぞれ横方向からスライド係止することで、オイルトレー16´をファンケーシング7に着脱可能に連結することができる。
また、オイルトレー16´を所定位置に装着した状態では、係止孔17と係止金具50とが弾性的に係止され、装着したオイルトレー16´がガタつかないようにしてある。
上記のようなレンジフードにおいては、オイルトレー16´を横方向にスライド操作することで、簡単にファンケーシング7に脱着することができるのであるが、オイルトレー16´を取り外す際には少し力を入れて横スライド操作する必要がある。
このため、オイルトレー16´に満杯近く油液が溜まっていると、そのスライド操作の終端において、勢い余ったスライド操作によって係止孔17の内縁が係止金具50の外端面に当接し、その当接衝撃によって溜まっていた油液が大きく波立って外部にこぼれてしまうおそれがある。また、スライド操作途中にオイルトレー16´に溜まっていた油液が横方向に流れた勢いで外部にこぼれてしまうおそれがある。
本発明は、このような点に着目してなされたものであって、排気に含まれる油分を貯留回収して、簡単に廃棄することができると共に、貯留回収した油液を誤ってこぼすことなく廃棄することができる取扱い性に優れたレンジフードを提供することを目的とする。
本発明では、上記目的を達成するために、次のように構成している。
(1)本発明のレンジフードは、油分を含んだ排気を排気用ファンで吸引して排出するレンジフードにおいて、前記排気から分離されて流下する油液を環状の油溜まりに貯留するオイルトレーを備え、前記オイルトレーが、前記排気用ファンを内蔵したフード側に固定配備された支持部材に、前記環状の油溜まりに沿う周方向の回動によって脱着可能に係合連結される。
本発明によると、オイルトレーを取り外すために回動操作した場合、勢い余って係合開始位置まで衝撃的に回動させ、油溜まりの油液を不用意に流動させてしまうことがあるが、オイルトレーの操作方向が、環状の油溜まりに沿う周方向の回動であるので、溜まった油液は油溜まりにおいて単に周方向に流動するだけで大きく波立つことがなく、油溜まりから溢れ出ることはない。
(2)本発明の好ましい実施態様では、前記オイルトレーの外周部の複数箇所には、可動側係合部が設けられ、前記支持部材の複数箇所には、前記可動側係合部に係合する固定側係合部が設けられる。
この実施態様によると、周方向の複数箇所における可動側係合部と固定側係合部との係合によって、オイルトレーを水平姿勢で安定良く連結支持しておくことができる。なお、周方向の3箇所で係合支持することによって、係合箇所の数を少なくしながらオイルトレーを安定良く係合支持することができる。
(3)上記(2)の実施態様では、前記可動側係合部又は前記固定側係合部の一方を、縦溝と横溝を備えた鉤形の係合凹部とし、前記可動側係合部又は前記固定側係合部の他方を、前記係合凹部に係脱する係合突起としてもよい。
この実施態様によると、オイルトレーの取り付けにおいては、先ず、オイルトレーを持上げて、係合突起を係合凹部の縦溝に導き、次に、オイルトレーをその周方向に回動させて、係合突起を係合凹部における横溝に沿って係合移動させればよい。
また、オイルトレーの取り外しにおいては、オイルトレーをその周方向に逆回動させて、係合突起を係合凹部における横溝に沿って逆移動させ、係合突起を縦溝に位置させた状態でオイルトレーを下ろせばよい。
オイルトレーの取り付け、あるいは、取り外しの際、係合突起を横溝に沿って移動させる際に、誤ってオイルトレーから手が外れても、係合突起が横溝に係合されている間は、オイルトレーが不用意に落下することはない。
(4)上記(3)の実施態様では、前記オイルトレーの外周壁に、上向きに開放された前記縦溝と周方向に沿う前記横溝とを連設して前記鉤形の前記係合凹部を形成し、前記支持部材に、弾性変形可能な前記係合突起を有する係合金具を設けてもよい。
この実施態様によると、支持部材に設けられる係合金具の係合突起は、弾性変形可能であるので、オイルトレーの係合凹部を、前記係合突起に係合させて係合終了位置まで回動させたときには、係合突起の弾性復元力によって、オイルトレーを、排気用ファンの回転振動などによってガタつくことなく、安定して支持することができる。
(5)本発明の一実施態様では、前記係合凹部における前記縦溝の深さ、及び、前記横溝における係合終了位置を除く部位の深さが、前記係合突起との係合代より大きく、前記横溝における係合終了位置の深さが、係合終了位置を除く他の部位の深さよりも浅い。
この実施態様によると、係合突起を縦溝に導く挿入行程、及び、係合突起を横溝に沿って移動させる回動行程では、摺接抵抗少なく行うことができる。また、係合突起を横溝の奥端にまで移動させた係合終了位置では、係合突起の先端が横溝の底面に接触することになり、オイルトレーを安定保持することができる。
(6)上記(5)の実施態様では、前記横溝における前記係合終了位置と、該係合終了位置を除く他の部位との境界部に、前記係合終了位置の深さよりも浅い隆起を形成してもよい。
この実施態様によると、係合終了位置にまで回動されたオイルトレーが逆向きに回動するのに隆起を乗り越えるための抵抗が作用することになり、取り付けられたオイルトレーが不用意に逆向き回動して外れるようなことが防止される。
(7)本発明の更に他の実施態様では、前記オイルトレーの下面には、上方へ窪んだ指掛け部が形成される。
この実施態様によると、オイルトレーの取り付け、あるいは、取り外しの際に、指掛け部に指を掛けて回動操作することができ、オイルトレーから不用意に手を滑らせることがなくなり、容易にオイルトレーを回動操作することができる。
(8)本発明の他の実施態様では、前記オイルトレーの下面に、前記周方向での位置合わせ用のマークが形成される一方、前記支持部材の下面に、前記オイルトレーの前記マークに対応する係合開始位置及び係合終了位置をそれぞれ示すマークが形成される。
この実施態様によると、係合開始位置及び係合終了位置を容易に目視確認することができ、オイルトレーの取付けを速やかに行うことができると共に、回動操作が不足したままで取付け操作を終えてしまうことを防止し、所定の係合連結状態での確実な取付けを行うことができる。
以上のように、本発明に係るレンジフードによれば、オイルトレーを取り外すために回動操作した場合、勢い余って係合開始位置まで衝撃的に回動させ、油溜まりの油液を不用意に流動させてしまっても、オイルトレーの操作方向が、環状の油溜まりに沿う周方向の回動であるので、溜まった油液は油溜まりにおいて単に周方向に流動するだけで大きく波立つことがなく、油溜まりから溢れ出ることはない。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は本発明の一実施形態のレンジフード1を下方から見た斜視図であり、図2はその分解斜視図であり、図3は要部を縦断した正面図である。
本実施形態のレンジフード1は、図示しない台所等に設置されるコンロ等の加熱調理器具の上方に配設されるものであり、排気用ファン2を内装した箱形の本体ハウジング3、本体ハウジング3の下端に連設されたフードケース4、フードケース4の内側に装着された内装パネル5、及び、整流板6、等が備えられている。
本体ハウジング3の内部には、ファンケーシング7が固定配備されると共に、このファンケーシング7の天井部に一部入り込む状態で、ファン駆動用のモータ8が縦向きに固定配備され、モータ8から下向きに延出された回転軸9に、シロッコファンからなる排気用ファン2が着脱可能に連結されている。
ファンケーシング7の底面には、排気用ファン2の下端吸気部に臨む吸込み口10が形成されると共に、ファンケーシング7は、本体ハウジング3の外方に延出された排気ダクト11に連通接続されている。
前記フードケース4は、下面全体が開口された平面視矩形の浅い箱形に形成されており、図2に示すように、その奥側側壁部の下端辺に備えられた左右の係止爪12に、内装パネル5の奥端辺を係止した上で、内装パネル5の前端隅部をフードケース4にネジ締め固定するようになっている。
フードケース4における奥側壁部には、照明ランプ13や種々の電気機器が装備されており、これらが内装パネル5によって覆い隠されるようになっている。また、内装パネル5には、ガラス板あるいは透光樹脂板からなるランプカバー14が開閉可能に備えられており、パネル装着状態において照明ランプ13の前面がランプカバー14で覆われる。フードケース4における前面には、各種の操作及び設定を行う操作部15が装備され、また、フードケース4と内装パネル5との間に形成される空隙が配線スペースとなっている。
内装パネル5の天井部には、吸込み口10から流下する油液を受け止め回収する油溜め部である環状の油溜まり16aを備えたオイルトレー16が脱着可能に装着されている。なお、オイルトレー16の取付け構造の詳細は後述する。
整流板6は、フードケース4における下向き開口より一回り小さい略矩形の扁平板状に構成されている。整流板6は、図2に示すように、その奥端部の左右に備えた孔付きの連結金具19を、内装パネル5の奥側に設けられた左右のフック20に係止し、その係止点を中心にして整流板6を持上げ揺動することで、整流板6における手前側の左右に突設した孔付きの連結金具21に、内装パネル5の左右に備えたロックピン22が付勢係合して、整流板6を内装パネル5に対して所定の装填位置に固定するように構成されている。
整流板6が装填位置セットされた状態では、整流板6の外周端と内装パネル5の周壁部との間に環状の流路23が形成されている。また、内装パネル5の下面と整流板6の上面との間は、図3に示すように、フード内通路24となっており、このフード内通路24を介して流路23と吸込み口10とが連通している。ここで、環状の流路23を狭幅に形成することで、整流板6に当たった排気が狭幅の流路23内ヘと高速で流入するようになり、これにより、ケーシング側方への排気の溢流が抑制されて、吸込み口10を経由する排気の捕集率が向上する。
また、整流板6における奥端辺の中央部位には、ランプカバー14に対応する凹入部6aが形成され、照明ランプ13からの光が整流板6で遮られることなく前方下方に広く照射されるようになっている。
図4は、図3におけるAーA断面図であり、図5は、排気用ファン2を下方から見た斜視図である。
図3〜図5を参照して、シロッコファンからなる排気用ファン2は、扁平リング状に形成された上部支持板25と下部支持板26とに亘って多数のファンブレード27が周方向一定ピッチで支持されると共に、ファンブレード27の上下中間部位が、中間支持板28に貫通支持された構造となっている。
中間支持板28の下面中央には、ファンボス29が連結固定されると共に、ファンボス29の中心に、モータ8の下向き回転軸9に下方から挿抜可能な連結ボス部29aが、中間支持板28を貫通して上向きに突設されている。ファンボス29は、周知のワンタッチ着脱手段によって、連結ボス部29aに挿入された回転軸9との連結及び解除が可能となっている。
すなわち、回転軸9の上下中間箇所には、トルク伝達用の駆動ピン30が横向きに貫通止着されると共に、回転軸9の下部近くには、連結溝31が形成されている。排気用ファン2を持上げて、ファンボス29の連結ボス部29aを回転軸9に下方から挿嵌すると、連結ボス部29aの上端に十字状に形成されたV形の係合溝32に、回転軸9の駆動ピン31が係入するように回転軸9が追従回転する。回転軸9に連結部29aが所定深さまで挿嵌されて、駆動ピン30が係合溝32に正しく係合されると、ファンボス29に内蔵された図示されていないロック爪が自動的に回転軸9の連結溝31に付勢係合され、これによって、回転軸9と排気用ファン2とが一体回転可能に連結される。
また、ファンボス29の外周部に備えられた解除ノブ33を、ボス中心側に押し込み操作すると、内蔵されているロック爪が係合付勢力に抗して係合解除方向に強制後退され、この状態で排気用ファン2を下方に引き下げることで回転軸9から抜き外すことができ、清掃時における排気用ファン2の着脱をワンタッチ操作で行えるようになっている。
本実施形態においては、上記構成の排気用ファン2に排気中の油分を捕集する機能が与えられており、以下にその油捕集手段について説明する。
すなわち、排気用ファン2の下半内部に、排気中の油滴を付着、あるいは、排気中の油分蒸気を結露させて捕集する油捕集部材35が装着固定されている。この油捕集部材35は、例えば、鉄や耐食性に優れるステンレス等の金属製の薄板からなり、筒状部としての円筒状の周部35aと円形の上底部35bとを備えた、下向きに開放された有底円筒状に形成されている。油捕集部材35は、
ファンブレード27群の内周に沿う周部35aと上底部35bのそれぞれに断面積の小さい多数の通気孔36a,36bが密に配列形成されている。通気孔の形状は、特に限定されず、例えば、円形、楕円形、矩形、十字形、あるいは、スリット状などであってもよい。油捕集部材35は、一様に通気孔群を打ち抜き形成したパンチングメタルや、線材を編んだ網体で構成してもよい。
ファンブレード27群の内周に沿う周部35aと上底部35bのそれぞれに断面積の小さい多数の通気孔36a,36bが密に配列形成されている。通気孔の形状は、特に限定されず、例えば、円形、楕円形、矩形、十字形、あるいは、スリット状などであってもよい。油捕集部材35は、一様に通気孔群を打ち抜き形成したパンチングメタルや、線材を編んだ網体で構成してもよい。
なお、上底部35bの通気孔36bが、中間支持板28に備えられた放射状アーム28aによって塞がれることがないように、上底部35bは中間支持板28から下方に少し離して配備されている。
本実施形態に係るレンジフード1は以上にように構成されており、排気用ファン2の回転に伴って発生した負圧によって、整流板6の外周に形成された流路23から排気がフード内の吸込み口10に吸引され、排気用ファン2によって送り出された排気は、ファンケーシング7で案内されて排気ダクト11に導かれてゆく。
排気が、油捕集部材35の通気孔36a,36b群を通過する際、排気に含まれる微細な油滴は、油捕集部材35の表面や通気孔36a,36bに付着し、また、排気中に含まれる油分の蒸気は、排気が通気孔36a,36b群を通過する時に発生する乱流に起因する気圧の変動によって結露し、油捕集部材35の表面や通気孔36a,36bに付着する。そして、このようにして油捕集部材35の表面や通気孔36a,36bに付着した油分は、複数の微細な油滴として分散することになるが、分散した複数の微細な油滴同士がその一部でも接触すると、油分の表面張力により合体して一滴あたりの体積が増大した大きな粒状に変形して、ファン停止中に自重により流下して、オイルトレー16の下方に窪んだ油溜まり16aに回収される。
また、ファンケーシング7の内面に付着した油は、自重で流下してケーシング底面7aを経て吸込み口10側に導かれ、オイルトレー16の油溜まり16aに回収される。ここで、ファンケーシング7の底面7aは、吸込み口10に向けて先下がり傾斜されており、油は底面7aに滞留することなくオイルトレー16に流下しやすいものとなっている。
なお、整流板6、内装パネル5、ファンケーシング7などの排気が触れる各部材の表面は、オイルガード塗装が施されて撥油性が付与されており、付着した油の流動が円滑に行われると共に、付着した油の拭取りを容易に行うことができるようになっている。また、オイルトレー16には親水性塗装が施されて、オイルトレー16を水に浸すことで付着している油が浮き上がって除去しやすくなっている。
この実施形態では、オイルトレー16に貯留回収した油液を誤ってこぼすことなく廃棄できるように、オイルトレー16の取付け構造を次のようにしている。
図6は、オイルトレー16を上方から見た斜視図であり、図7は、オイルトレー16を下方から見た斜視図であり、図8は、オイルトレー16の平面図であり、図9は、オイルトレー16の底面図であり、図10は、オイルトレー16の側面図であり、図11は、図10におけるBーB断面図である。
オイルトレー16は、図8及び図9に示すように、平面視円形環状であって、下方へ窪んだ上記油溜まり16aが、円周方向に沿って環状に形成されている。この実施形態では、オイルトレー16を回動操作して脱着するために、オイルトレー16の外周壁には、円周方向に沿って等ピッチで可動側係合部である係合凹部44が、複数個所(この例では3箇所)に形成されている。また、オイルトレー16の下面の対角位置には、指を掛けて回動操作するために上方へ窪んだ指掛け部49が形成されている。更に、オイルトレー16の下面には、回動操作の際の位置合わせ用の三角矢印のマーク46が設けられている。
このオイルトレー16が、脱着可能に係合連結されるフード側のフードケース4には、図3に示すように、オイルトレー16を装着するための円形の開口部を有する支持部材としての化粧板40が連結固定されている。この化粧板40の開口部にオイルトレー16が下方から挿入され、周方向に等ピッチで配備された複数箇所(この例では3箇所)の係合連結部分41において、オイルトレー16の上記係合凹部44を、化粧板40に固定された固定側係合部としての係合金具42に脱着可能に係合させるように構成されている。
化粧板40にネジ止め固定される係合金具42は、板バネ材からなり、図12に示すように、逆U字形に屈曲された内外方向に弾性変形可能な湾曲アーム部42aの遊端側に、係合突起43が内方(オイルトレー16に接近する方向)に向けて打出し成形されている。
図13は、オイルトレー16と係合金具42との係合連結部分41における係合開始状態の縦断面図であり、図14は、係合連結部分41における回動途中状態の縦断面図であり、図15は、係合連結部分41における乗り越え通過状態の縦断面図であり、図16は、係合連結部分41における係合終了状態の縦断面図である。
係合金具42の湾曲アーム部42aの下端部は、図13及び図14に示すように、化粧板40の開口部内端縁に起立した周壁40aに当接支持されており、係合突起43が外方(オイルトレー16から離れる方向)へは弾性的に後退変位することができ、内方への変位が所定位置で当接阻止されるようになっている。
オイルトレー16の係合凹部44は、図6、図10及び図11等に示すように、上向きに開放された縦溝44aの下端部に、周方向に沿った横溝44bを連設した鉤形に形成されている。これによって、オイルトレー16を持上げて係合金具42の係合突起43を、縦溝44aに導入した後、オイルトレー16を、その環状中心を通る縦軸心周りに水平回動させて、すなわち、環状の油溜まり16aに沿って回動させて係合突起43を横溝44bに導くことで、オイルトレー16を落下不能に係合金具42に係合支持することができる。
また、係合終了位置eである横溝44bの奥端位置より少し手前位置の溝底面には小隆起45が設けられている。この小隆起45は、横溝44bに沿って相対移動する係合突起43の先端移動軌跡に少し干渉する高さに設定されており、図15に示すように、小隆起45との接触反力によって湾曲アーム部42aが外方に撓み変形することで、係合突起43が小隆起45を乗越え通過できるようになっている。
従って、小突起45を乗越えて横溝44bの奥端にまで係合突起43を相対移動させた係合終了位置eでは、オイルトレー16は、小隆起45と係合突起43との干渉によって、連結解除方向への回動に乗越え抵抗が与えられることになり、オイルトレー16は不用意に逆回動して外れることなく安定保持される。
ここで、図11に示される縦溝44a及び横溝44bの深さd1は、図13及び図14に示すように、溝底と係合突起43の先端との間に僅かな間隙ができる大きさ、すなわち、係合突起43との係合代より大きく設定されると共に、横溝44bの小隆起45より奥側部位での深さd2は、前記深さd1よりも浅く設定されている。従って、係合突起43を縦溝44aに導く挿入行程、及び、係合突起43を横溝44bに沿って移動させる行程では、オイルトレー16を摺接抵抗少なく回動させることができる。また、小隆起45を乗り越えて係合突起43を横溝44bの奥端にまで移動させた係合終了位置eでは、図16に示すように、係合突起43の先端が溝底面に弾性押圧された状態で接触することになり、これによって、オイルトレー16を水平方向にガタつきなく安定保持することができる。
因みに、縦溝44a及び横溝44bの深さd1は、約3mmであり、横溝44bの小隆起45より奥側部位での深さd2は、約2.5mmである。また、縦溝44aの横幅は、約3.5mmであり、横溝44bの縦幅は、約2mmであって、周方向に沿う長さは、約30mmである。
上記のように、オイルトレー16は、その外周に形成した係合凹部44に、固定側の係合突起43を周方向からスライド係合させて、所定位置に連結支持されるので、オイルトレー16を、周方向に回動操作することで簡単に取り外すことができる。従って、お手入れサインが出た際などには、整流板6を下方に揺動開放した上で、オイルトレー16を逆向きに回動操作して取り外し、溜まった油を廃棄することができる。
オイルトレー16を取り外す場合、係合突起43が小隆起45を乗り越え通過させるために、オイルトレー16を、少し力を入れて逆向きに回動操作することになり、小突起45を乗り越え通過させた係合突起43が縦溝44aまで移動した際に、勢い余って係合突起43を縦溝44aの溝壁に衝突させてしまい、その衝撃で油溜まり16aの油液が流動することがある。この場合、オイルトレー16の油溜まり16aは環状であるので、溜まった油液は、油溜まり16aにおいて周方向に流動するだけであり、油溜まり16から溢れ出ることはない。
なお、オイルトレー16を取り付ける場合、下方からは係合突起43や係合凹部44が良く見えないので、係合連結部分41の係合操作を容易にするために、上記の位置合わせ用の三角矢印のマーク46等によって、以下のように位置合わせが行われる。
つまり、図7,図9に示すように、オイルトレー16の下面には、図10に示される係合凹部44における縦溝44aの形成位置である係合開始位置sに対応して上記の三角矢印のマーク46が設けられると共に、図9に示すように、化粧板40の下面には、係合金具42の設置位置に対応した係合開始用の三角矢印のマーク47が設けられており、マーク46をマーク47に合わせて周方向での位置合わせをし、オイルトレー16を持上げることで、図13に示すように、係合突起43を係合凹部44における縦溝44aに導くことができる。
また、図9に示すように、化粧板40の下面には、係合突起43が小隆起45を乗り越えて横溝44bの奥端、つまり、図10に示される係合終了位置eに到達した時にマーク46に対向する係合終了用のマーク48が設けられており、オイルトレー16を取付け方向に回動操作する際に、係合突起43が小突起45を乗り越えた正しい取付け位置まで回動操作したことを目視確認することができるようになっている。これによって、係合突起43が小突起45に当接したことで取付けが完了したと勘違いしてしまうことが未然に回避されるようになっている。
また、オイルトレー16における下面の対角位置には、上記のように指掛け部49が形成されており、オイルトレー16を、手を滑らすことなく的確に回動操作することができる。
本発明は、以下のような形態で実施することもできる。
(1)係合連結部分41を、オイルトレー16の外周に設けた可動側係合部としての係合突起と、化粧板40側に固定側係合部として配備した鉤形の係合凹部とで構成し、上記と同様に周方向にスライド係合させる形態とすることもできる。なお、この場合、係合凹部における係合終了位置の手前に、弾性的に後退変位可能な小突起を設けて、係合突起が小突起を乗り越え通過するように構成しておくことで、上記実施形態と同様な逆回動防止機能を備えることができる。
(2)固定側係合部である係合突起43を備えた係合金具42を取付ける支持部材は、上記化粧板40に限らず、フード側の固定の部材であれば如何なるものでもよく、例えば、ファンケーシング7の下面、フードケース4あるいは
内装パネル5などに係合金具42を取付けてもよい。
内装パネル5などに係合金具42を取付けてもよい。
(3)係合連結部分41を、オイルトレー16の外周に形成した雄ネジと、化粧板40に設けたボスの内周に形成した雌ネジとを単にねじ係合させる構造として実施することもできる。この場合、ねじ込み終端における締め込みによってガタ無くオイルトレー16を固定支持することができるので、必ずしも上記したような弾性乗越え方式の隆起を備える必要はない。
(4)上記実施形態では、多数の通気孔を有する油捕集部材35を備えていたが、この油捕集部材35は、省略してもよい。
1 レンジフード
2 排気用ファン
4 フードケース
5 内装パネル
7 ファンケーシング
16 オイルトレー
16a 油溜まり
40 化粧板
41 係合連結部分
43 固定側係合部(係合突起)
44 可動側係合部(係合凹部)
44a 縦溝
44b 横溝
46 マーク(係合凹部側)
47 マーク(係合突起側)
49 指掛け部
s 係合開始位置
e 係合終了位置
2 排気用ファン
4 フードケース
5 内装パネル
7 ファンケーシング
16 オイルトレー
16a 油溜まり
40 化粧板
41 係合連結部分
43 固定側係合部(係合突起)
44 可動側係合部(係合凹部)
44a 縦溝
44b 横溝
46 マーク(係合凹部側)
47 マーク(係合突起側)
49 指掛け部
s 係合開始位置
e 係合終了位置
Claims (8)
- 油分を含んだ排気を排気用ファンで吸引して排出するレンジフードにおいて、
前記排気から分離されて流下する油液を環状の油溜まりに貯留するオイルトレーを備え、
前記オイルトレーが、前記排気用ファンを内蔵したフード側に固定配備された支持部材に、前記環状の油溜まりに沿う周方向の回動によって脱着可能に係合連結される、
ことを特徴とするレンジフード。 - 前記オイルトレーの外周部の複数箇所には、可動側係合部が設けられ、前記支持部材の複数箇所には、前記可動側係合部に係合する固定側係合部が設けられる、
請求項1に記載のレンジフード。 - 前記可動側係合部又は前記固定側係合部の一方が、縦溝と横溝を備えた鉤形の係合凹部であり、前記可動側係合部又は前記固定側係合部の他方が、前記係合凹部に係脱する係合突起である 、
請求項2に記載のレンジフード。 - 前記オイルトレーの外周壁には、上向きに開放された前記縦溝と周方向に沿う前記横溝とが連設されて前記鉤形の前記係合凹部が形成され、
前記支持部材には、弾性変形可能な前記係合突起を有する係合金具が設けられる、
請求項3に記載のレンジフード。 - 前記係合凹部における前記縦溝の深さ、及び、前記横溝における係合終了位置を除く部位の深さが、前記係合突起との係合代より大きく、前記横溝における係合終了位置の深さが、係合終了位置を除く他の部位の深さよりも浅い、
請求項3または4に記載のレンジフード。 - 前記横溝における前記係合終了位置と、該係合終了位置を除く他の部位との境界部に、前記係合終了位置の深さよりも浅い隆起が形成される、
請求項5に記載のレンジフード。 - 前記オイルトレーの下面には、上方へ窪んだ指掛け部が形成される、
請求項1ないし6のいずれか一項に記載のレンジフード。 - 前記オイルトレーの下面に、前記周方向での位置合わせ用のマークが形成される一方、前記支持部材の下面に、前記オイルトレーの前記マークに対応する係合開始位置及び係合終了位置をそれぞれ示すマークが形成される、
請求項1ないし7のいずれか一項に記載のレンジフード。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015057485A JP2016176652A (ja) | 2015-03-20 | 2015-03-20 | レンジフード |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015057485A JP2016176652A (ja) | 2015-03-20 | 2015-03-20 | レンジフード |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2016176652A true JP2016176652A (ja) | 2016-10-06 |
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ID=57071128
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2015057485A Pending JP2016176652A (ja) | 2015-03-20 | 2015-03-20 | レンジフード |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2016176652A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
2015
- 2015-03-20 JP JP2015057485A patent/JP2016176652A/ja active Pending
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