JP2016176393A - 可変容量型斜板式圧縮機 - Google Patents

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Abstract

【課題】制御弁が挿入される挿入孔とハウジングの外部との間のシール性を確保すること。【解決手段】金属シール38は、雄ねじ47cと雌ねじ37aとの螺合により生じる軸力によって第1延設面36aとフランジ47bとの間で挟み込まれている。これによれば、挿入孔37とリヤハウジング15の外部との間のシール性が強固なものとなる。そして、例えば二酸化炭素のようなガス透過性が高い気体を冷媒として用いる場合であっても、冷媒が金属シール38を透過することは無いため、挿入孔37とリヤハウジング15の外部との間のシール性が確保される。【選択図】図2

Description

本発明は、制御弁によって制御圧室の圧力の制御を行うことにより斜板の傾角を変更させて吐出容量を変更可能な可変容量型斜板式圧縮機に関する。
一般的に、可変容量型斜板式圧縮機のハウジング内には、回転軸が回転可能に支持されている。斜板は、回転軸からの駆動力を得て回転する。また、可変容量型斜板式圧縮機は、制御圧室から吸入圧領域に至る抽気通路と、吐出圧領域から制御圧室に至る給気通路とを有する。そして、制御弁によって制御圧室の圧力の制御が行われることにより、回転軸の回転軸線に直交する方向に対する斜板の傾角が変更される。これにより、斜板に係留されたピストンが斜板の傾角に応じたストロークで往復動し、吐出容量が変更される。
例えば特許文献1に開示されているように、ハウジングには制御弁が挿入される挿入孔(特許文献1では収容室)が形成されており、制御弁は、ハウジングの外部から挿入孔に挿入されることでハウジングに取り付けられている。制御弁は、例えばサークリップ等の抜け止め部材によって挿入孔からの抜け止めがなされた状態で、ハウジングに取り付けられている。
特開2000−205121号公報
ところで、挿入孔の内側は冷媒雰囲気となっているため、挿入孔とハウジングの外部との間のシール性を確保する必要がある。例えば、制御弁のバルブハウジングの外面にゴム製のOリングを装着し、Oリングによって挿入孔とハウジングの外部との間をシールする場合がある。しかし、例えば二酸化炭素のようなガス透過性が高い気体を冷媒として用いると、冷媒がOリングを透過してしまう場合があり、挿入孔からハウジングの外部へ冷媒が洩れてしまう虞がある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、制御弁が挿入される挿入孔とハウジングの外部との間のシール性を確保することができる可変容量型斜板式圧縮機を提供することにある。
上記課題を解決する可変容量型斜板式圧縮機は、複数のシリンダボアが形成されるシリンダブロックを有するハウジングと、前記ハウジングに回転可能に支持される回転軸と、前記回転軸からの駆動力を得て回転する斜板と、前記シリンダボアに往復動可能に収納されるピストンと、前記回転軸の回転軸線に直交する方向に対する前記斜板の傾角を変更させる制御圧室と、前記制御圧室の圧力を制御する制御弁と、前記ハウジングに形成されるとともに前記制御弁の少なくとも一部が挿入される挿入孔と、を備え、前記制御弁によって前記制御圧室の圧力の制御が行われることにより前記斜板の傾角が変更されて、前記ピストンが前記斜板の傾角に応じたストロークで往復動する可変容量型斜板式圧縮機であって、前記挿入孔に形成される雌ねじと、前記制御弁のバルブハウジングに形成されるとともに前記雌ねじに螺合する雄ねじと、を備え、前記ハウジングと前記バルブハウジングとの間には、前記挿入孔と前記ハウジングの外部との間をシールする金属シールが配置されており、前記金属シールは、前記雄ねじと前記雌ねじとの螺合により生じる軸力によって前記ハウジングと前記バルブハウジングとの間で挟み込まれている。
これによれば、雄ねじと雌ねじとの螺合により生じる軸力によって金属シールがハウジングとバルブハウジングとの間で挟み込まれることにより、挿入孔とハウジングの外部との間のシール性を強固なものとすることができる。そして、例えば二酸化炭素のようなガス透過性が高い気体を冷媒として用いる場合であっても、冷媒が金属シールを透過することは無いため、挿入孔とハウジングの外部との間のシール性を確保することができる。
上記可変容量型斜板式圧縮機において、前記制御弁は、ソレノイド部と、前記ソレノイド部の通電によって往復移動する弁体と、を備え、前記バルブハウジングは、前記弁体を収容する第1ハウジングと、前記ソレノイド部を収容するとともに前記第1ハウジングに組み付けられる第2ハウジングと、を備え、前記雄ねじは前記第1ハウジングに形成されており、前記第1ハウジングを前記挿入孔に取り付ける際に用いられる取付部が前記第2ハウジングの外面よりも内側に配置されていることが好ましい。
これによれば、第1ハウジングと第2ハウジングとが別部材であるため、取付部を第2ハウジングの外面よりも内側に配置することができ、取付部が、第2ハウジングの外面よりも外側に配置されている場合に比べて、制御弁の小型化を図ることができる。
この発明によれば、制御弁が挿入される挿入孔とハウジングの外部との間のシール性を確保することができる。
実施形態における可変容量型斜板式圧縮機を示す側断面図。 可変容量型斜板式圧縮機の一部分を拡大して示す側断面図。 斜板の傾角が最大傾角のときの制御弁を示す可変容量型斜板式圧縮機の一部拡大断面図。 筒体の端面図。 別の実施形態における筒体の端面図。 別の実施形態における筒体の端面図。
以下、可変容量型斜板式圧縮機を具体化した一実施形態を図1〜図4にしたがって説明する。なお、本実施形態の可変容量型斜板式圧縮機は、車両に搭載されるとともに車両空調装置に用いられる。
図1に示すように、可変容量型斜板式圧縮機10のハウジング11は、シリンダブロック12と、シリンダブロック12の一端面に連結されたフロントハウジング13と、シリンダブロック12の他端面に弁・ポート形成体14を介して連結されたリヤハウジング15とを備えている。ハウジング11内において、シリンダブロック12とフロントハウジング13とで囲まれた空間にはクランク室16が区画されている。また、シリンダブロック12及びフロントハウジング13には、回転軸17が回転可能に支持されるとともに、クランク室16内において、回転軸17にはラグプレート18が一体的に回転可能に設けられている。
回転軸17のハウジング11からの突出端部には、動力伝達機構PTを介して外部駆動源としての車両のエンジンEが作動連結されている。本実施形態では、動力伝達機構PTは、常時伝達型のクラッチレス機構(例えばベルト及びプーリの組合せ)である。
クランク室16には、回転軸17から駆動力を得て回転するとともに、回転軸17の回転軸線Lに直交する方向に対して傾動可能な斜板19が収容されている。斜板19は、クランク室16内において、スライド移動可能に回転軸17に支持されている。ラグプレート18と斜板19との間には、傾角を減少させる方向へ斜板19を付勢する付勢ばね20が配設されている。さらに、ラグプレート18と斜板19との間には、ヒンジ機構21が介在されている。そして、斜板19は、付勢ばね20の付勢力、ヒンジ機構21を介したラグプレート18との間でのヒンジ連結、及び回転軸17の支持により、ラグプレート18及び回転軸17と同期して回転可能であるとともに、回転軸17の軸方向へのスライド移動を伴いながら回転軸17に対し傾動可能となっている。
シリンダブロック12には、シリンダブロック12の軸方向に貫通形成されるシリンダボア12aが回転軸17の周囲に複数(図1では1つのシリンダボア12aのみ図示)配列されている。各シリンダボア12aにはピストン22が往復動可能にそれぞれ収納されている。各シリンダボア12aの両開口は、弁・ポート形成体14及びピストン22によって閉塞されている。そして、各シリンダボア12a内にはピストン22の往復動に応じて体積変化する圧縮室23が区画されている。各ピストン22は、一対のシュー24を介して斜板19の外周部に係留されている。そして、回転軸17の回転にともなう斜板19の回転運動が、シュー24を介してピストン22の往復直線運動に変換される。
リヤハウジング15と弁・ポート形成体14との間には、吐出室25が環状に区画されるとともに、この吐出室25の内側に、吸入室26が区画されている。また、弁・ポート形成体14には、吐出室25に連通する吐出ポート25h、及び吐出ポート25hを開閉する吐出弁25vが形成されるとともに、吸入室26に連通する吸入ポート26h、及び吸入ポート26hを開閉する吸入弁26vが形成されている。
そして、吸入室26の冷媒(本実施形態では二酸化炭素)は、ピストン22の上死点から下死点への移動により、吸入ポート26h及び吸入弁26vを介してシリンダボア12aに吸入される。シリンダボア12aに吸入された冷媒は、ピストン22の下死点から上死点への移動により所定の圧力にまで圧縮されるとともに、吐出ポート25hから吐出弁25vを押し退けて吐出室25に吐出される。
リヤハウジング15には、吐出室25に連通する吐出通路25aが形成されるとともに、吸入室26に連通する吸入通路26aが形成されている。吐出通路25aと、吸入通路26aとは外部冷媒回路30により接続されている。外部冷媒回路30は、吐出通路25aに接続された凝縮器31、凝縮器31に接続された膨張弁32、及び膨張弁32に接続された蒸発器33を備えている。蒸発器33には吸入通路26aが接続されている。
クランク室16と吸入室26とは、シリンダブロック12及び弁・ポート形成体14を貫通する抽気通路35により接続されている。抽気通路35は絞りを有する。リヤハウジング15には、電磁式の制御弁40が取り付けられている。
図2及び図3に示すように、リヤハウジング15の底面15eには、凹部36が形成されている。凹部36は、リヤハウジング15の底面15eに対して直交する方向に延びる第1延設面36aと、第1延設面36aに連続するとともに第1延設面36aに対して直交する方向に延びてリヤハウジング15の外周面に連続する第2延設面36bとを有する。第1延設面36aには、制御弁40の一部が挿入される挿入孔37が形成されている。挿入孔37の内面における第1延設面36a寄りには、雌ねじ37aが形成されている。
制御弁40は、ソレノイド部50と、ソレノイド部50の通電によって往復移動する弁体60とを備えている。制御弁40のバルブハウジング40hは、弁体60を収容する第1ハウジング41と、ソレノイド部50を収容するとともに第1ハウジング41に組み付けられる筒状の第2ハウジング42とを備えている。
ソレノイド部50は、固定鉄心51と、コイル50aへの電流の供給による励磁に基づいて固定鉄心51に引き付けられる可動鉄心52とを有する。ソレノイド部50は、図示しない制御コンピュータの通電制御(デューティ比制御)を受ける。固定鉄心51は、第2ハウジング42内における第1ハウジング41側の開口側に配置されるとともに、可動鉄心52は、第2ハウジング42内における第1ハウジング41とは反対側に配置されている。固定鉄心51における第1ハウジング41側の端部51eは、第2ハウジング42の開口から突出している。固定鉄心51の端部51eの外面にはフランジ51fが突出している。
固定鉄心51及び可動鉄心52は、有底筒状のケース53に収容されている。ケース53は、第2ハウジング42における第1ハウジング41とは反対側の開口から第2ハウジング42内に挿入されている。そして、ケース53は、第2ハウジング42における第1ハウジング41とは反対側の開口を塞ぐ蓋部材54に対してサークリップ53eにより抜け止めされている。
第1ハウジング41は、内部に収容室43、弁室44及び感圧室45が形成される室形成ハウジング46と、室形成ハウジング46における第2ハウジング42側の端部の外面に外嵌される筒体47とを備えている。筒体47は、挿入孔37に挿入される筒部47aと、筒部47aにおける第2ハウジング42寄りの外面から筒部47aの軸方向に対して直交する方向に突出する環状のフランジ47bとを有する。筒部47aの外面には、雌ねじ37aに螺合する雄ねじ47cが形成されている。
フランジ47bにおける第2ハウジング42側の端部の外面には、第2ハウジング42が外嵌される環状の溝部47dが形成されている。さらに、筒体47の内周面には係止突起47fが突出している。そして、固定鉄心51のフランジ51fと筒体47の係止突起47fとが互いに係止されることで、固定鉄心51が筒体47の内側で筒体47に取り付けられている。
収容室43は、室形成ハウジング46と固定鉄心51とによって区画されている。また、弁室44は、収容室43における固定鉄心51とは反対側に連続している。感圧室45は、弁室44よりもソレノイド部50とは反対側に配置されている。感圧室45と弁室44との間には、圧入凹部48が形成されている。圧入凹部48には、環状の弁座部材49が圧入されている。弁座部材49の中央部には弁孔49hが形成されている。
弁体60は、可動鉄心52側から固定鉄心51を貫通するとともに、収容室43、弁室44及び弁孔49hを通過して感圧室45に突出している。弁体60における可動鉄心52側の端面は、可動鉄心52に当接している。弁体60は、弁室44内に収容される弁部60vを有する。弁部60vは、弁座部材49における弁室44側の端面の弁孔49hの周囲に当接する端面シール部60sを有する。
弁体60には、感圧室45と弁孔49hとの間をシールする柱状のシール部60aを有する。シール部60aは、弁孔49hから感圧室45内に突出している。弁体60における収容室43内に位置する部位の外面には、規制リング61が装着されている。規制リング61と収容室43内におけるソレノイド部50とは反対側の端面46eとの間には、ばね62が介在されている。ばね62は、弁体60をソレノイド部50に向けて付勢する。したがって、ばね62は、可動鉄心52を固定鉄心51から遠ざける方向に付勢している。そして、ソレノイド部50の電磁力は、ばね62の付勢力に抗して、可動鉄心52を固定鉄心51に向けて引き付ける。
感圧室45には感圧体55が収容されている。感圧体55は、伸縮可能なベローズ56と、ベローズ56の一端部に結合された支持体57と、ベローズ56の他端部に結合された受圧体58と、ベローズ56内で支持体57と受圧体58とを互いに遠ざける方向に付勢するばね59とを有する。受圧体58は、弁体60のシール部60aの端部に連結されている。また、感圧室45内において、受圧体58と弁座部材49との間には、受圧体58を支持体57に向けて付勢するばね45aが配設されている。支持体57は室形成ハウジング46の開口を閉鎖している。
ベローズ56内において、支持体57にはストッパ57aが一体形成されている。また、受圧体58には、支持体57のストッパ57aに向けて突出するストッパ58aが形成されている。支持体57のストッパ57aと受圧体58のストッパ58aとは、ベローズ56の最短長を規定している。
室形成ハウジング46には、弁室44に連通する第1ポート46aが形成されている。弁室44は、第1ポート46a及び第1通路71を介してクランク室16に連通している。また、室形成ハウジング46及び弁座部材49には、弁孔49hに連通する第2ポート46bが形成されている。弁孔49hは、第2ポート46b及び第2通路72を介して吐出室25に連通している。そして、第2通路72、第2ポート46b、弁孔49h、弁室44、第1ポート46a及び第1通路71は、吐出室25からクランク室16に至る給気通路74を形成している。
室形成ハウジング46には、感圧室45に連通する第3ポート46cが形成されている。感圧室45は、第3ポート46c及び第3通路73を介して吸入室26に連通している。そして、ベローズ56は、受圧体58における弁座部材49側の面が受ける吸入室26からの吸入圧に応じて弁体60の移動方向に伸縮する。このベローズ56の伸縮が、弁体60の位置決めに利用されて弁体60の弁開度の調整に寄与している。弁体60の弁開度は、ソレノイド部50で生じる電磁力、ばね62の付勢力、及び感圧体55における弁体60を閉弁する方向への付勢力のバランスによって決まる。
図2に示すように、上記構成の可変容量型斜板式圧縮機10において、エアコンスイッチがOFFされて、ソレノイド部50への通電が停止されている状態では、可動鉄心52がばね62の付勢力によって固定鉄心51から離間する。そして、弁体60は、弁部60vの端面シール部60sが、弁座部材49における弁室44側の端面の弁孔49hの周囲から離間しており、弁孔49hを開放している。よって、弁体60は、給気通路74を開放する開弁状態となる。そして、給気通路74を介した吐出室25からクランク室16への冷媒の供給が行われて、クランク室16の圧力が高くなる。これにより、斜板19の傾角が小さくなって、ピストン22のストロークが小さくなり、吐出容量が減少する。
図3に示すように、エアコンスイッチがONされて、ソレノイド部50への通電が行われると、可動鉄心52が、ソレノイド部50で生じる電磁力によって、ばね62の付勢力に抗して、固定鉄心51に向けて引き付けられ、弁体60が感圧室45に向けて移動する。そして、弁体60は、弁部60vの端面シール部60sが、弁座部材49における弁室44側の端面の弁孔49hの周囲に当接して、弁孔49hを閉鎖している。よって、弁体60は、給気通路74を閉鎖する閉弁状態となる。そして、給気通路74を介した吐出室25からクランク室16への冷媒の供給が行われなくなり、クランク室16内の冷媒が、抽気通路35を介して吸入室26に排出され、クランク室16の圧力が低くなる。これにより、斜板19の傾角が大きくなって、ピストン22のストロークが大きくなり、吐出容量が増大する。
本実施形態の可変容量型斜板式圧縮機10において、クランク室16は、斜板19の傾角を変更させる制御圧室として機能している。そして、本実施形態では、給気通路74上に制御弁40を配設し、制御弁40の弁開度を調節して、吐出室25から給気通路74を介してクランク室16に供給される冷媒の供給量を制御することで、クランク室16の圧力を制御する、所謂「入れ側制御」が行われている。
図2及び図3に示すように、第1延設面36aとフランジ47bとの間には、環状の金属シール38が配置されている。金属シール38は、挿入孔37とリヤハウジング15の外部との間をシールしている。
図4に示すように、筒体47における筒部47aとは反対側の端面47eには、筒体47を挿入孔37に取り付ける際に用いられる取付部としての工具用穴47hが複数(本実施形態では3つ)形成されている。複数の工具用穴47hは、筒体47の周方向に等間隔置きに配列されるとともに、第2ハウジング42の外面よりも内側に配置されている。各工具用穴47hには、図示しない工具が備える3つのピンが挿通される。
次に、制御弁40における挿入孔37に対しての取り付け手順について説明する。
まず、室形成ハウジング46と筒体47とが組み付いてなる第1ハウジング41を挿入孔37に挿入する。このとき、フランジ47b上に金属シール38が配置されている。続いて、工具の各ピンを各工具用穴47hにそれぞれ挿通し、雄ねじ47cが雌ねじ37aに対して螺進するように筒体47を挿入していく。これにより、第1ハウジング41が挿入孔37に取り付けられる。このとき、雄ねじ47cと雌ねじ37aとの螺合により生じる軸力によって金属シール38が第1延設面36aとフランジ47bとの間で挟み込まれる。続いて、第2ハウジング42が溝部47dに外嵌されるとともに、固定鉄心51及び可動鉄心52を内部に収容したケース53が第2ハウジング42内に挿入される。そして、固定鉄心51のフランジ51fと筒体47の係止突起47fとが互いに係止されるとともに、ケース53がサークリップ53eによって蓋部材54に対して抜け止めされることで、ソレノイド部50が内部に収容された第2ハウジング42が第1ハウジング41に組み付けられる。これにより、制御弁40が挿入孔37に対して取り付けられる。
次に、本実施形態の作用について説明する。
挿入孔37の内側は、第1通路71、第2通路72及び第3通路73を冷媒が通過することで冷媒雰囲気となっている。ここで、雄ねじ47cと雌ねじ37aとの螺合により生じる軸力によって金属シール38が第1延設面36aとフランジ47bとの間で挟み込まれることにより、挿入孔37とリヤハウジング15の外部との間のシール性が強固なものとなっている。
上記実施形態では以下の効果を得ることができる。
(1)金属シール38は、雄ねじ47cと雌ねじ37aとの螺合により生じる軸力によって第1延設面36aとフランジ47bとの間で挟み込まれている。これによれば、挿入孔37とリヤハウジング15の外部との間のシール性を強固なものとすることができる。そして、例えば二酸化炭素のようなガス透過性が高い気体を冷媒として用いる場合であっても、冷媒が金属シール38を透過することは無いため、挿入孔37とリヤハウジング15の外部との間のシール性を確保することができる。
(2)バルブハウジング40hは、第1ハウジング41と、第1ハウジング41に組み付けられる第2ハウジング42とを備えている。そして、第1ハウジング41を挿入孔37に取り付ける際に用いられる工具用穴47hが第2ハウジング42の外面よりも内側に配置されている。これによれば、第1ハウジング41と第2ハウジング42とが別部材であるため、工具用穴47hを第2ハウジング42の外面よりも内側に配置することができ、工具用穴47hが、第2ハウジング42の外面よりも外側に配置されている場合に比べて、制御弁40の小型化を図ることができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
○ 図5に示すように、筒体47の外面の一部に、筒体47を挿入孔37に取り付ける際に用いられる取付部として、一対の平面部47gを形成してもよい。一対の平面部47gは、第2ハウジング42の外面よりも内側に配置されている。
○ 図6に示すように、筒体47の外面の一部に、筒体47を挿入孔37に取り付ける際に用いられる取付部として、例えば六角形状の外径部47kを形成してもよい。外径部47kは、筒体47の外面から外方へ突出しており、第2ハウジング42の外面よりも外側に配置されている。この場合、第1ハウジング41と第2ハウジング42とが一体形成されていてもよい。
○ 実施形態において、制御弁40の少なくとも一部が、挿入孔37に挿入されていればよい。要は、雄ねじ47cと雌ねじ37aとの螺合により生じる軸力によって、リヤハウジング15とバルブハウジング40hとの間で金属シール38が挟み込まれて、金属シール38によって挿入孔37とリヤハウジング15の外部との間がシールされれば、金属シール38の配置位置や制御弁40における挿入孔37に対しての挿入量等は適宜変更してもよい。
○ 実施形態において、可変容量型斜板式圧縮機10を、抽気通路上に制御弁を配設し、制御弁の弁開度を調節して、制御圧室から抽気通路を介して吸入圧領域に排出される冷媒の排出量を制御することで、クランク室16の圧力を制御する、所謂「抜き側制御」を行う構成としてもよい。
○ 実施形態において、可変容量型斜板式圧縮機10を、「入れ側制御」と「抜き側制御」とを両立させた三方弁型の制御弁を備える構成としてもよい。
○ 実施形態において、動力伝達機構PTは、外部からの電気制御によって動力の伝達及び遮断を選択可能なクラッチ機構であってもよい。
○ 実施形態において、可変容量型斜板式圧縮機10は、車両空調装置に用いられなくてもよく、その他の空調装置に用いられてもよい。
○ 実施形態において、冷媒として二酸化炭素を用いたが、冷媒として、例えば、フロンを用いてもよい。
10…可変容量型斜板式圧縮機、11…ハウジング、12…シリンダブロック、12a…シリンダボア、16…制御圧室として機能するクランク室、17…回転軸、19…斜板、22…ピストン、37…挿入孔、37a…雌ねじ、38…金属シール、40…制御弁、40h…バルブハウジング、41…第1ハウジング、42…第2ハウジング、47c…雄ねじ、47g…取付部としての平面部、47h…取付部としての工具用穴、47k…取付部としての外径部、50…ソレノイド部、60…弁体。

Claims (2)

  1. 複数のシリンダボアが形成されるシリンダブロックを有するハウジングと、
    前記ハウジングに回転可能に支持される回転軸と、
    前記回転軸からの駆動力を得て回転する斜板と、
    前記シリンダボアに往復動可能に収納されるピストンと、
    前記回転軸の回転軸線に直交する方向に対する前記斜板の傾角を変更させる制御圧室と、
    前記制御圧室の圧力を制御する制御弁と、
    前記ハウジングに形成されるとともに前記制御弁の少なくとも一部が挿入される挿入孔と、を備え、
    前記制御弁によって前記制御圧室の圧力の制御が行われることにより前記斜板の傾角が変更されて、前記ピストンが前記斜板の傾角に応じたストロークで往復動する可変容量型斜板式圧縮機であって、
    前記挿入孔に形成される雌ねじと、
    前記制御弁のバルブハウジングに形成されるとともに前記雌ねじに螺合する雄ねじと、を備え、
    前記ハウジングと前記バルブハウジングとの間には、前記挿入孔と前記ハウジングの外部との間をシールする金属シールが配置されており、
    前記金属シールは、前記雄ねじと前記雌ねじとの螺合により生じる軸力によって前記ハウジングと前記バルブハウジングとの間で挟み込まれていることを特徴とする可変容量型斜板式圧縮機。
  2. 前記制御弁は、
    ソレノイド部と、
    前記ソレノイド部の通電によって往復移動する弁体と、を備え、
    前記バルブハウジングは、
    前記弁体を収容する第1ハウジングと、
    前記ソレノイド部を収容するとともに前記第1ハウジングに組み付けられる第2ハウジングと、を備え、
    前記雄ねじは前記第1ハウジングに形成されており、
    前記第1ハウジングを前記挿入孔に取り付ける際に用いられる取付部が前記第2ハウジングの外面よりも内側に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の可変容量型斜板式圧縮機。
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