JP2016176381A - スクロール圧縮機 - Google Patents
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Abstract
【課題】可動スクロールが低速となっても、可動スクロールとスラスト軸受部との摩擦係数の増大、摩耗の発生を抑制することができるようにすること。【解決手段】スクロール圧縮機(1)は、圧縮室(S)を形成する固定スクロール(10)及び可動スクロール(20)を備え、可動スクロールの旋回動作によって、圧縮室内の冷媒及び潤滑油を含む混合液を圧縮する。スクロール圧縮機は、可動スクロールに対向配置される軸受面(47)を有するスラスト軸受部(40)を更に含む。スラスト軸受部は、軸受面に直交する線を回転中心として回転可能に設けられている。【選択図】図2
Description
本発明は、固定スクロールと可動スクロールとによって冷媒等の流体を圧縮するスクロール圧縮機に関する。
従来、スクロール圧縮機は、内部に圧縮室を形成する固定スクロール及び可動ロールを備えたものが知られている(特許文献1参照)。固定スクロール及び可動スクロールは、それぞれベース板上に螺旋状の壁体を設けて形成され、螺旋状の壁体同士が重なるように対向配置することで複数の圧縮室を形成している。可動スクロールのベース板において、壁体の形成面と反対面側には、スラスト軸受が固定状態で対向配置されている。
可動スクロールは、モータやエンジンなどの駆動源の動力を、駆動軸及びリンク機構を介して伝達することで旋回動作する。この旋回動作により、螺旋状の壁体における最外周の吸入口から流入した冷媒と潤滑油との混合液が、当該壁体に沿って中心部方向に移動される。この移動中、徐々に圧縮室の容積が狭まることで混合液が圧縮され、最後的にベース板中央部の吐出口より混合液が冷熱システム内へと供給される。
圧縮室において圧力が高まることにより、可動スクロールが対向するスラスト軸受の軸受面に押し付けられる。その面圧は、圧縮機の容量や運転条件によって異なるが、機械によっては数MPaに達する。駆動源の高速回転時には、可動スクロールとスラスト軸受の軸受面との間に潤滑油が十分に供給され、それらの間にくさび作用などによって圧力を有した油膜が形成される。これにより、可動スクロールが支えられ、高面圧下で可動スクロールとスラスト軸受の軸受面との低摩擦及び摩耗の防止を実現している。
しかしながら、駆動源の回転数が低下するに従い、くさび作用などの効果も低減して油膜が薄くなる。これにより、可動スクロールとスラスト軸受の軸受面とが固体接触するようになり、摩擦係数の増大と摩耗が発生する、という問題がある。なお、特許文献2は、可動スクロールを駆動させる主軸についての技術について開示するものであり、可動スクロールでの摩擦や摩耗に関する技術ついて、開示及び示唆が全くないものである。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、可動スクロールが低速となっても、可動スクロールとスラスト軸受部との摩擦係数の増大、摩耗の発生を抑制することができるスクロール圧縮機を提供することを目的とする。
本発明のスクロール圧縮機は、圧縮室を形成する固定スクロール及び可動スクロールを備え、該可動スクロールの旋回動作によって前記圧縮室内の流体を圧縮するスクロール圧縮機において、前記可動スクロールに対向配置される軸受面を有するスラスト軸受部を含み、該スラスト軸受部は、前記軸受面に直交する線を回転中心として回転可能に設けられていることを特徴とする。
この構成によれば、スラスト軸受部が回転するので、該スラスト軸受部と可動スクロールとの相対速度を高めることができる。これにより、高速動作時のみならず低速動作時においても、可動スクロールとスラスト軸受部との間における油膜の圧力上昇を図ることができる。この結果、可動スクロールとスラスト軸受部との摩擦係数が低減した状態を保って摩耗の発生を防ぐことができ、スクロール圧縮機の長寿命化を実現することができる。
本発明によれば、スラスト軸受部が回転するので、可動スクロールが低速となっても、可動スクロールとスラスト軸受部との摩擦係数の増大、摩耗の発生を抑制することができる。
以下、本発明の実施の形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。本実施の形態に係るスクロール圧縮機は、例えば、空調機、冷凍機、給湯機等に搭載されて利用される。
図1は、本実施の形態に係るスクロール圧縮機の一部構成を下から見た概略斜視図であり、図2は、図1の縦断面図である。なお、以下の説明において、本実施の形態に係るスクロール圧縮機を縦置きとして利用する場合を説明するが、横置きとして利用してもよい。また、以下の位置及び方向を表す用語は、特に明示しない限り、図2を基準として用いる。
図1及び図2に示すように、スクロール圧縮機1は、固定スクロール10、可動スクロール20、駆動軸30、スラスト軸受部40、伝達機構50(図1では不図示)、保持部60を備え、これらは、密閉容器(不図示)内に配設されている。本実施の形態に係るスクロール圧縮機1は、流体として冷媒と潤滑油との混合液を吸入して圧縮し、高温高圧の状態にして機外の冷却システムに供給するものである。ここで、冷媒としては、特に限定されるものでないが、R404A等を例示でき、混合液において、潤滑油に対し冷媒が数%程度の割合で混合されている。なお、スクロール圧縮機1で圧縮する流体は他のものでもよい。
なお、図示省略したが、上記密閉容器には、吸引口及び吐出口が形成され、機外の冷却システムから吸引口を介して冷媒と潤滑油との混合液を吸引し、吐出口を介して冷却システムに高温高圧の混合液を供給する。また、密閉容器内には、混合液が貯留され、スクロール圧縮機1の上述した各構成が混合液に浸漬された状態で収容されている。
続いて、スクロール圧縮機1の各構成について、図2に加えて図3を参照して説明する。図3は、本実施の形態に係るスクロール圧縮機の一部構成を上から見た概略分解斜視図である。
図2及び図3に示すように、固定スクロール10は、円板状のベース板11と、このベース板11の下面に形成された螺旋状の壁体12とを備えている。ベース板11の中央位置には、ベース板11を貫通する吐出孔13が形成されている。固定スクロール10は、上記密閉容器に対して変位及び回転不能に固定されている。
可動スクロール20は、円板状のベース板21と、このベース板21の上面に形成され、壁体12と実質的に同一の螺旋状をなす壁体22とを備えている。可動スクロール20の壁体22は、固定スクロール10の壁体12と組み合わされ、各壁体12,22の接触位置の間に複数の圧縮室S(図3では不図示)が形成される。この組み合わされた状態(図1参照)で、可動スクロール20の壁体22の外方端と、これに対向する固定スクロール10の壁体12との間に吸入口14が形成される。なお、図示していないが、固定スクロール10の壁体12の外方端と、これに対向する可動スクロール20の壁体22との間にも、吸入口が形成される。
圧縮室Sにあっては、可動スクロール20の後述する旋回動作によって、容積が収縮しつつ各壁体12,22間で中央に向かって変位する。これにより、吸入口14から吸入した混合液が圧縮室Sにおいて圧縮されて吐出孔13から吐出される。
駆動軸30は、上下方向に中心軸線が延在する丸軸状に形成されている。駆動軸30は、モータやエンジン等の不図示の駆動源に接続され、駆動源からの駆動力が伝達されて回転可能に設けられている。
ここで、駆動軸30の上端側は、リンク機構35を介して可動スクロール20に連結されている。リンク機構35は、駆動軸30の上端に設けられて横方向に延びるアーム部35aと、アーム部35aの上面において駆動軸30の中心位置からずれた位置に形成された凸部35bと、ベース板21の下面に形成されて凸部35bを受容する凹部35c(図3では不図示)とを備えている。凹部35cは、ベース板21の中心位置に対して偏心した位置に形成されている。リンク機構35では、駆動軸30の回転によって、駆動軸30の軸中心周りで凸部35bを旋回させ、凹部35c内で凸部35bを相対回転させる。これにより、リンク機構35は、可動スクロール20を自転させずに駆動軸30の軸中心周りを公転するよう旋回動作させ、駆動軸30の回転駆動が可動スクロール20の旋回動作に変換される。なお、リンク機構35の構成は、可動スクロール20を上述のように旋回動作させる限りにおいて、種々の構成を採用することができる。
スラスト軸受部40は、可動スクロール20のベース板21の下方に配設されたドーナツ板状の軸受本体41と、軸受本体41の内方端側に上端(一端)側が連なる内壁部42と、内壁部42の下端(他端)側に連なって軸受本体41と平行になる底壁部43(図3では不図示)とを備えている。内壁部42は、円筒状に形成されて内部にアーム部35aが回転動作可能に受容されている。内壁部42と軸受本体41とは、駆動軸30と同一中心軸線上に配設されている。底壁部43の中央には、駆動軸30が貫通する孔44(図3では不図示)が形成され、この孔44の形成位置から下方に突出してボスのように突出部45(図3では不図示)が形成される。
軸受本体41は、その外周から旋回するベース板21がはみ出さない大きさに形成されている。軸受本体41の上面は、軸受面47とされ、この軸受面47がベース板21の下面に対向配置される。軸受面47には、圧縮室Sの圧力が高まることで、ベース板21の下面が押し付けられ、この押し付けによるスラスト荷重をスラスト軸受部40によって支持する。軸受面47には、複数の溝48が形成されている。かかる溝48の詳細な構成については、後述する。
伝達機構50は、駆動軸30の回転を伝達してスラスト軸受部40を回転させる遊星歯車機構により構成されている。伝達機構50は、駆動軸30に設けられて駆動軸30と同一中心位置に配置されるサンギヤ51と、サンギヤ51に噛み合う4枚の遊星ギヤ52と、底壁部43から起立して遊星ギヤ52を回転可能に支持する回転軸53と、内壁部42の内周に形成されて各遊星ギヤ52と噛み合うアウターギヤ54とを備えている。アウターギヤ54は、サンギヤ51と同一中心軸線上に配設されている。アウターギヤ54は、内壁部42に形成されるので、アウターギヤ54の回転と同速同方向にスラスト軸受部40が回転する。
伝達機構50では、駆動軸30及びサンギヤ51の回転により、遊星ギヤ52を介してアウターギヤ54を回転させる。この回転において、アウターギヤ54と、これと共に回転するスラスト軸受部40は、遊星歯車機構の特性上、駆動軸30及びサンギヤ51に対して逆方向に回転される。スラスト軸受部40の回転中心は、駆動軸30の回転中心と同一線上であって、軸受面47に直交する線上に位置する。一方、可動スクロール20の旋回方向は、駆動軸30の回転方向に沿う方向となるので、可動スクロール20の旋回方向に対し、スラスト軸受部40が対向する方向に回転することとなる。
保持部60は、スラスト軸受部40の下方における駆動軸30を囲うように設けられた筐体61と、筐体61の内側であって駆動軸30周りに設けられた上下2体の軸受部62とを備えている。各軸受部62は、内輪部62aと外輪部62bとの間に、玉やころからなる転動体62cが配設された転がり軸受からなる。各軸受部62は、駆動軸30からのラジアル荷重と、後述するスラスト荷重とを支持可能に設けられている。
筐体61は、上述した密閉容器(不図示)に直接或いは所定の取付構造を介して固定されている。筐体61は、各軸受部62における外輪部62bの外周に接する円筒状の筐体本体61aと、筐体本体61aの下端に設けられたドーナツ板状の受け部材61bとを備えている。筐体本体61aの内周には、環状リブ61cが形成され、環状リブ61cは、上方の軸受部62における外輪部62bを下側から支持している。受け部材61bは、内方領域において下方の軸受部62における外輪部62bを下側から支持している。
各軸受部62の内輪部62a間には、駆動軸30が挿通される筒状のスペーサ63が配設されている。また、上方の軸受部62における内輪部62aに対し、スラスト軸受部40の突出部45が接触している。従って、圧縮室Sの圧力が高まり、可動スクロール20がスラスト軸受部40に押し付けられると、上下2体の軸受部62によってスラスト軸受部40から加わるスラスト荷重が支持される。なお、各軸受部62が許容し得るスラスト荷重は、実際に加わるスラスト荷重の最大値より相当大きくなるよう設定されるので、スラスト荷重に対し軸受部62における摩擦や摩耗の発生は十分に抑制された状態となる。
次に、本実施の形態における可動スクロール及びスラスト軸受部の相対位置関係について、図4A及び図4Bを参照して説明する。
図4A及び図4Bは、スクロール圧縮機を平面視した説明用の模式図である。ここで、図4Aは、可動スクロール20が同図において最下方に位置した状態を示す。この状態にて、可動スクロール20及びスラスト軸受部40の向きを説明する便宜上、可動スクロール20の図中上方に×印、スラスト軸受部40の図中上方に○印を付す。
図4Bは、図4Aの状態から駆動軸30を反時計方向に180°回転した状態を示す。可動スクロール20は、自転せずに駆動軸30を中心位置として公転するよう旋回するので、×印が図中上方に位置したまま180°旋回する。一方、スラスト軸受部40は、伝達機構50(図2参照)によって反時計回りの逆方向、つまり、時計回りに回転する。このとき、スラスト軸受部40の回転角度は、図4Bでは90°回転させたが、伝達機構50のギヤ比を変えることによって調整することができる。
以上のように、本実施の形態では、駆動軸30の回転によって、可動スクロール20及びスラスト軸受部40の両方を動作させることができる。これにより、図2に示すベース板21において端面だれや変形が生じたり、ベース板21と軸受面47との隙間を意図的テーパー形状とすることで、混合液(潤滑油)に対し、くさび作用が発現する。このくさび作用によって、ベース板21と軸受面47との間で、混合液が圧力を持って油膜として形成され、それらの接触を防止することができる。
ここで、くさび作用のレイノルズ方程式は、下記の数式(1)で示すようになることが知られている。この数式(1)において、x:位置、p:圧力、h:油膜厚さ、U:速度、η:粘度である。数式(1)から、くさび作用において発生する混合液(潤滑油)の圧力が、可動スクロールの周速U、混合液の粘度ηに比例することがわかる。
次いで、上記実施の形態に対する比較例について、図4A及び図4Cを参照して説明する。図4Aにおいて、実施の形態と異なる比較例の構成の符号は括弧内に示す。図4Cは、比較例における図4Bに対応する図である。図4A及び図4Cに示すように、比較例のスラスト軸受部40’は、駆動軸30が回転しても、回転せずに固定された状態とする。なお、比較例の可動スクロール20は、駆動軸30の回転によって、上記実施の形態の可動スクロール20と同様に旋回動作する。
上記実施の形態と比較例とを比べると、比較例のスラスト軸受部40’が回転しないのに対し、実施の形態では、可動スクロール20の旋回方向と逆方向にスラスト軸受部40を回転させている。これにより、比較例に比べ、実施の形態の方が可動スクロール20とスラスト軸受部40との相対回転速度を高めることができる。従って、実施の形態の方が、上記数式(1)の速度Uの値が大きくなり、油膜厚さhの値を大きくすることができる。
これを言い換えると、本実施の形態では、駆動軸30の回転速度を遅くしても、比較例と同等以上の油膜を形成することが可能となる。つまり、駆動軸30の回転速度が高速のときだけでなく、低速になっても、油膜厚さを厚くして油膜の圧力上昇を図ることができる。これにより、スクロール圧縮機1の起動時や停止時において、駆動軸30の回転数が低下しても、ベース板21と軸受面47との摩擦係数が低減した状態を保つことができる。この結果、ベース板21や軸受面47が摩耗することを抑制することができ、それらの長寿命化やメンテナンスの負担軽減を図ることができる。
次いで、スラスト軸受部40の軸受面47に形成された溝48について、図5を参照して説明する。図5は、スラスト軸受部の平面図である。
図5に示すように、各溝48は、軸受面47の外周から中心側に螺旋状に延びるスパイラル溝によって形成される。具体的には、溝48は、スラスト軸受部40の回転方向を図5中時計方向とした場合、軸受面47の外周から、該外周に沿う反時計方向に対し次第に離れるように湾曲しながら軸受面47の面内を延在する。そして、溝48の内方端は、溝48の外方端と軸受面47の中心を挟んで大まかに反対側に配設されている。溝48の外方端は、軸受面47の外周側に開放する一方、溝48の内方端は、軸受面47の面内における中央付近で閉塞するよう形成されている。本実施の形態では、全ての溝48が同一の平面形状に形成される。
各溝48は、スラスト軸受部40の図5中時計方向の回転により、スパイラル溝としたことによるポンピング効果によって、混合液が溝48内を軸受面47の外周から中心側に向かって流れる。この流れによって、軸受面47とベース板21(図2参照)との間における混合液の圧力を高めることができる。また、溝48内を流れた混合液が溝48の閉塞した内方端に衝突することによっても、混合液の圧力を高めることができる。このように溝48内を流れる混合液によっても、軸受面47とベース板21との間における油膜の圧力を高め、それらの低摩擦及び摩耗の防止を実現することができる。
ここで、スクロール圧縮機1の通常運転時においては、中央に近付くに従って圧縮室Sが高圧となることから、溝48の内方端部分で混合液の圧力を高めることで、油膜をより一層良好に形成することができる。
なお、図6に示すように、軸受面47に形成される溝49の形状を変更してもよい。図6は、変形例に係るスラスト軸受部の平面図である。図6に示すように、各溝49は、へリングボーン溝によって形成される。具体的には、溝49は、軸受面47の中央と外周との中間部分においてV字状に屈曲する屈曲部49aを備えた形状に形成されている。また、溝49は、屈曲部49aと軸受面47の外周との間に延びる外溝部49bと、屈曲部49aと軸受面47の中央側の開口部分との間に延びる内溝部49cとを備えた形状に形成されている。外溝部49b及び内溝部49cは、スパイラル状に形成され、外溝部49bは、上記溝48(図5参照)の外方端から所定長さ延在した部分と同様に形成されている。
図6に示す変形例に係る溝49にあっても、ポンピング効果によって、混合液が溝49内を軸受面47の外周から中心側に向かって流れるので、それらの間の油膜の圧力を高めることができる。また、溝49の外溝部49bを流れた混合液が屈曲部49aに衝突することによっても、図5の溝48より油膜の圧力をさらに高めることができる。
以上のように、本実施の形態によれば、スラスト軸受部40を回転させるので、回転軸30が低速回転となっても、くさび作用等により軸受面47とベース板21との間の油膜の厚さを確保でき、それらの摩擦係数が増大したり摩耗が発生したりすることを抑制することができる。
しかも、スラスト軸受部40の回転によって上記溝48,49のポンピング効果を得ることもでき、軸受面47とベース板21との間における混合液の圧力を上昇させて摩擦や摩耗の悪影響をより良く回避することができる。
また、伝達機構50によって駆動軸30の駆動を利用してスラスト軸受部40を回転させているので、スラスト軸受部40を回転駆動させるため、別途のアクチュエータ等を設置しなくてよくなり、構成の簡略化を図ることできる。
本発明は上記実施の形態に限定されず種々変更して実施することが可能である。また、上記実施の形態で説明した数値、寸法、材質、方向については特に制限はない。その他、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更することが可能である。
例えば、図7に示すように、球部材71及び支持体72を備えた支持手段70によってスラスト軸受部40のスラスト荷重を支持するようにしてもよい。球部材71は、スラスト軸受部40の回転時に、スラスト軸受部40の軸受本体41の下面に接触しつつ、軸受本体41と支持体72との間で転動可能に設けられている。支持体72は、上記密閉容器(不図示)に対して固定され、球部材71を介してスラスト荷重に抗する支持力を発揮する。支持手段70を設けた構成によれば、突出部45を介して各軸受部62に加わるスラスト荷重を軽減する、或いは、なくすことができる。
また、伝達機構50は、遊星歯車機構に限られるものでなく、ベルトとプーリを組み合わせた構成にする等、種々の変更が可能である。但し、伝達機構50を遊星歯車機構とすることで、駆動軸30の駆動力によって可動スクロール20を旋回でき、その旋回方向をスラスト軸受部40の回転に対向する方向に簡単にできる点で有利となる。
また、上記実施の形態では、上下2体の軸受部62でスラスト軸受部40のスラスト荷重を支持したが、上方の軸受部62だけで支持するようにしてもよい。
また、図5及び図6における溝48,49の形成本数、形状、形成領域は、上述と同様の油膜形成能力を発揮し得る限りにおいて変更してもよい。更に、溝48,49を省略した構成としてもよいが、溝48,49を設けた方が上述のポンピング効果を得られる点で有利となる。
本発明は、例えば、空調機、冷凍機、給湯機等に搭載されるスクロール圧縮機に用いることができる。
1 スクロール圧縮機
10 固定スクロール
20 可動スクロール
30 駆動軸
40 スラスト軸受部
47 軸受面
48 溝(スパイラル溝)
49 溝(へリングボーン溝)
49a 屈曲部
49b 外溝部
49c 内溝部
50 伝達機構
62 軸受部
S 圧縮室
10 固定スクロール
20 可動スクロール
30 駆動軸
40 スラスト軸受部
47 軸受面
48 溝(スパイラル溝)
49 溝(へリングボーン溝)
49a 屈曲部
49b 外溝部
49c 内溝部
50 伝達機構
62 軸受部
S 圧縮室
Claims (8)
- 圧縮室を形成する固定スクロール及び可動スクロールを備え、該可動スクロールの旋回動作によって前記圧縮室内の流体を圧縮するスクロール圧縮機において、
前記可動スクロールに対向配置される軸受面を有するスラスト軸受部を含み、該スラスト軸受部は、前記軸受面に直交する線を回転中心として回転可能に設けられていることを特徴とするスクロール圧縮機。 - 所定の駆動源に接続されて前記可動スクロールを旋回動作させるための駆動軸と、該駆動軸の回転によって前記スラスト軸受部を回転させる伝達機構とを更に有していることを特徴とする請求項1に記載のスクロール圧縮機。
- 前記伝達機構は、前記可動スクロールにおける旋回動作の方向に対向する方向に前記スラスト軸受部を回転することを特徴とする請求項2に記載のスクロール圧縮機。
- 前記伝達機構は、遊星歯車機構により構成されることを特徴とする請求項2または請求項3に記載のスクロール圧縮機。
- 前記軸受面には、外周から中心側に延びる複数のスパイラル溝が形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のスクロール圧縮機。
- 前記軸受面には、複数のへリングボーン溝が形成され、該へリングボーン溝は、屈曲部と、該屈曲部と軸受面の外周側との間に延びる外溝部と、該屈曲部と軸受面の中央側との間に延びる内溝部とを備えた形状に形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のスクロール圧縮機。
- 前記駆動軸周りには、軸受部が設けられ、該軸受部によって、前記駆動軸から加わるラジアル荷重と、前記スラスト軸受部から加わるスラスト荷重とが支持されることを特徴とする請求項2に記載のスクロール圧縮機。
- 前記軸受部は、前記駆動軸周りに複数設けられ、該複数の軸受部によって前記スラスト荷重が支持されることを特徴とする請求項7に記載のスクロール圧縮機。
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Citations (2)
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- 2015-03-19 JP JP2015056072A patent/JP2016176381A/ja active Pending
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20170309 |
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A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20170314 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20171003 |