JP2016176374A - 自動車 - Google Patents

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Abstract

【課題】吸気管の壁面に付着する燃料量の変化に対応する増量補正または減量補正のうち減量補正を禁止する時間をより適切に定める。【解決手段】エンジンの始動後にエンジンを無負荷運転するときには、閾値tbrefに所定時間tb1を設定し(S220)、エンジンの始動後にエンジンを負荷運転するときには、閾値tbrefに所定時間tb1よりも短い所定時間tb2を設定する(S230)。そして、エンジンの始動時噴射の完了(始動完了)からの時間tbが閾値tbref未満のときには、壁面付着補正の減量補正を禁止し(S250,S260)、時間tbが閾値tbref以上に至ると、壁面付着補正の減量補正を許可する(S270,S280)。【選択図】図4

Description

本発明は、自動車に関し、詳しくは、エンジンを備える自動車に関する。
従来、自動車に搭載されるエンジンの制御装置として、エンジンを始動してから所定条件が成立するまでは、インマニウエット補正を禁止して目標燃料量を設定して燃料噴射制御を行ない、所定条件が成立した後は、インマニウエット補正を伴って目標燃料量を設定して燃料噴射制御を行なうものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。エンジンでは、インジェクタから燃料が噴射されると、その一部は、直入分として燃焼室に直接吸入され、残余は、吸気通路の内壁面に付着する。そして、直入分が燃焼室に吸入される際には、内壁面に付着していた燃料の一部が気化して持ち去り分として燃焼室に吸入される。インマニウエット補正は、この直入分と持ち去り分との予測によって行なわれる補正である。また、所定条件としては、エンジン回転数が所定回転数以上となり、吸気充填効率が第1設定値以下に下がり、吸気充填効率がそれをなました値よりも大きくなって更にその差が第2設定値以上になった、という条件が用いられる。このエンジンの制御装置では、こうした制御を行なうことにより、始動時或いは始動直後に、インマニウエット補正によって燃料減量側への補正が行なわれるのを抑制し、エンジンの回転落ちが生じるのを抑制することができる、としている。
特開平8−74621号公報
上述のエンジンの制御装置では、エンジンを始動してから所定条件が成立するまで、インマニウエット補正自体を禁止しているが、エンジンの失火を抑制するためなどの理由により、インマニウエットの燃料増量側への補正については許可すると共に燃料減量側への補正については禁止するものもある。燃料減量側への補正の禁止時間が比較的長いと、その間に、未燃焼の燃料が増加して空燃比がリッチ側になり、エミッションが悪化することがある。これに対して、燃料減量側への補正の禁止時間を一律に短くすると、その開始が早すぎることによって燃焼が不安定になる場合が生じる。
本発明の自動車は、吸気管の壁面に付着する燃料量の変化に対応する増量補正または減量補正のうち減量補正を禁止する時間をより適切に定めることを主目的とする。
本発明の自動車は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明の自動車は、
吸気管に燃料を噴射する燃料噴射弁を有するエンジンと、
基本燃料噴射量に、前記吸気管の壁面に付着する燃料量の変化に対応する増量補正または減量補正を施して、目標燃料噴射量を設定し、該目標燃料噴射量の燃料噴射が前記燃料噴射弁から行なわれるように前記エンジンを制御する制御手段と、
を備える自動車であって、
前記制御手段は、
前記エンジンの始動後に該エンジンを無負荷運転するときには、該エンジンの始動後に第1所定時間が経過するまでは、前記減量補正を禁止し、該第1所定時間が経過すると、前記減量補正を許可し、
前記エンジンの始動後に該エンジンを負荷運転するときには、該エンジンの始動後に前記第1所定時間よりも短い第2所定時間が経過するまでは、前記減量補正を禁止し、該第2所定時間が経過すると、前記減量補正を許可する手段である、
ことを特徴とする。
この本発明の自動車では、基本燃料噴射量に、吸気管の壁面に付着する燃料量の変化に対応する増量補正または減量補正を施して、目標燃料噴射量を設定し、目標燃料噴射量の燃料噴射が燃料噴射弁から行なわれるようにエンジンを制御する。そして、エンジンの始動後にエンジンを無負荷運転するときには、エンジンの始動後に第1所定時間が経過するまでは、減量補正を禁止し、第1所定時間が経過すると、減量補正を許可する。これに対して、エンジンの始動後にエンジンを負荷運転するときには、エンジンの始動後に第1所定時間よりも短い第2所定時間が経過するまでは、減量補正を禁止し、第2所定時間が経過すると、減量補正を許可する。エンジンの始動後にエンジンを負荷運転するときには、エンジンの始動後にエンジンを無負荷運転するときよりも、実際の吸気管の圧力が安定するまでに要する時間が短くなりやすい。これを踏まえて、エンジンの始動後にエンジンを負荷運転するときには、エンジンの始動後にエンジンを無負荷運転するときよりも減量補正の禁止時間を短くすることにより、未燃焼の燃料が増加して空燃比がリッチ側になるのをより抑制することができ、エミッションが悪化するのをより抑制することができる。特に、エンジンの負荷運転を開始してから比較的短時間で無負荷運転に移行するときに、この効果がより顕著に現われる。これに対して、エンジンの始動後にエンジンを無負荷運転するときには、エンジンの始動後にエンジンを負荷運転するときよりも減量補正の禁止時間を長くすることにより、減量補正の開始が早すぎることによって燃焼が不安定になるのを抑制することができる。これらの結果、エンジンの始動後に、エンジンを無負荷運転するか負荷運転するかに応じて、減量補正の禁止時間をより適切に定めることができる、と言える。ここで、「第1所定時間」は、エンジンの始動後にエンジンを無負荷運転するときに実際の吸気管の圧力が安定するまでに要する時間として予め実験や解析によって定められ、「第2所定時間」は、エンジンの始動後にエンジンを負荷運転するときに実際の吸気管の圧力が安定するまでに要する時間として予め実験や解析によって定められるものとしてもよい。
本発明の一実施例としてのハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。 エンジン22の構成の概略を示す構成図である。 実施例のエンジンECU24により実行される燃料噴射制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。 実施例のエンジンECU24により実行される下限値設定ルーチンの一例を示すフローチャートである。 スロットル開度θtを比較的小さい値で保持しながらエンジン22を始動した後にエンジン22を無負荷運転するときの様子の一例を示す説明図である。 スロットル開度θtを増加させながらエンジン22を始動した後にエンジン22を負荷運転するときの様子の一例を示す説明図である。 スロットル開度θtを比較的小さい値で保持しながらエンジン22を始動した後にエンジン22を負荷運転するときの様子の一例を示す説明図である。
次に、本発明を実施するための形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施例としてのハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。実施例のハイブリッド自動車20は、図示するように、エンジン22と、プラネタリギヤ30と、モータMG1,MG2と、インバータ41,42と、バッテリ50と、ハイブリッド用電子制御ユニット(以下、「HVECU」という)70と、を備える。
エンジン22は、ガソリンや軽油などを燃料として吸気・圧縮・膨張・排気の4行程によって動力を出力する4気筒の内燃機関として構成されている。図2は、エンジン22の構成の概略を示す構成図である。図示するように、エンジン22は、エアクリーナ122によって清浄された空気をスロットルバルブ124を介して吸気管125に吸入すると共に燃料噴射弁127から吸気管125に燃料を噴射して空気と燃料とを混合し、この混合気を吸気バルブ128を介して燃焼室129に吸入する。そして、吸入した混合気を点火プラグ130による電気火花によって爆発燃焼させて、そのエネルギによって押し下げられるピストン132の往復運動をクランクシャフト26の回転運動に変換する。燃焼室129からの排気は、一酸化炭素(CO)や炭化水素(HC),窒素酸化物(NOx)の有害成分を浄化する浄化触媒(三元触媒)134aを有する浄化装置134を介して外気に排出される。燃焼室129からの排気は、外気に排出されるだけでなく、排気を吸気に還流する排気再循環装置(以下、「EGR(Exhaust Gas Recirculation)システム」という)160を介して吸気管125に供給される。EGRシステム160は、EGR管162と、EGRバルブ164と、を備える。EGR管162は、浄化装置134の後段に接続されており、排気を吸気管125に供給するために用いられる。EGRバルブ164は、EGR管162に配置されており、ステッピングモータ163によって駆動される。このEGRシステム160は、EGRバルブ164の開度を調節することにより、不燃焼ガスとしての排気の還流量を調節して吸気側に還流する。エンジン22は、こうして空気と排気とガソリンとの混合気を燃焼室129に吸引することができるようになっている。
エンジン22は、エンジン用電子制御ユニット(以下、「エンジンECU」という)24によって運転制御されている。エンジンECU24は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROMやデータを一時的に記憶するRAM,入出力ポート,通信ポートを備える。エンジンECU24には、エンジン22を運転制御するのに必要な各種センサからの信号が入力ポートを介して入力されている。各種センサからの信号としては、以下のものを挙げることができる。クランクシャフト26の回転位置を検出するクランクポジションセンサ140からのクランク角θcr。エンジン22の冷却水の温度を検出する水温センサ142からの冷却水温Tw。吸気バルブ128を開閉するインテークカムシャフトの回転位置や排気バルブ131を開閉するエキゾーストカムシャフトの回転位置を検出するカムポジションセンサ144からのカム角θci,θco。スロットルバルブ124の開度を検出するスロットル開度センサ146からのスロットル開度θt。吸気管125に取り付けられたエアフローメータ148からの吸入空気量Qa。吸気管125に取り付けられた温度センサ149からの吸気温Ta。吸気管125内の圧力を検出する圧力センサ158からの吸気管圧力Pm。浄化装置134の浄化触媒134aの温度を検出する温度センサ134bからの浄化触媒温度Tc。空燃比センサ135aからの空燃比AF。酸素センサ135bからの酸素信号O2。シリンダブロックに取り付けられてノッキングの発生に伴って生じる振動を検出するノックセンサからのノック信号Ks。EGRバルブ164の開度を検出するEGRバルブ開度センサ165からのEGRバルブ開度。エンジンECU24からは、エンジン22を運転制御するための種々の制御信号が出力ポートを介して出力されている。種々の制御信号としては、以下のものを挙げることができる。スロットルバルブ124のポジションを調節するスロットルモータ136への制御信号。燃料噴射弁127への制御信号。イグナイタと一体化されたイグニッションコイル138への制御信号。吸気バルブ128の開閉タイミングを変更可能な可変バルブタイミング機構170への制御信号。EGRバルブ164の開度を調整するステッピングモータ163への制御信号。エンジンECU24は、HVECU70と通信ポートを介して接続されている。このエンジンECU24は、HVECU70からの制御信号によってエンジン22を運転制御する。また、エンジンECU24は、必要に応じてエンジン22の運転状態に関するデータをHVECU70に出力する。エンジンECU24は、クランクポジションセンサ140からのクランク角θcrに基づいて、クランクシャフト26の回転数、即ち、エンジン22の回転数Neを演算している。また、エンジンECU24は、クランクポジションセンサ140からのクランク角θcrに対するカムポジションセンサ144からのインテークカムシャフトのカム角θciの角度(θci−θcr)に基づいて、吸気バルブ128の開閉タイミングVTを演算している。さらに、エンジンECU24は、エアフローメータ148からの吸入空気量Qaとエンジン22の回転数Neとに基づいて、エンジン22の負荷としての体積効率(エンジン22の1サイクルあたりの行程容積に対する1サイクルで実際に吸入される空気の容積の比)KLを演算している。
プラネタリギヤ30は、シングルピニオン式の遊星歯車機構として構成されている。プラネタリギヤ30のサンギヤには、モータMG1の回転子が接続されている。プラネタリギヤ30のリングギヤには、駆動輪38a,38bにデファレンシャルギヤ37を介して連結された駆動軸36が接続されている。プラネタリギヤ30のキャリヤには、エンジン22のクランクシャフト26が接続されている。
モータMG1は、例えば同期発電電動機として構成されており、上述したように、回転子がプラネタリギヤ30のサンギヤに接続されている。モータMG2は、例えば同期発電電動機として構成されており、回転子が駆動軸36に接続されている。インバータ41,42は、バッテリ50と共に電力ライン54に接続されている。モータMG1,MG2は、モータ用電子制御ユニット(以下、「モータECU」という)40によって、インバータ41,42の図示しないスイッチング素子がスイッチング制御されることにより、回転駆動される。
モータECU40は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROMやデータを一時的に記憶するRAM,入出力ポート,通信ポートを備える。モータECU40には、モータMG1,MG2を駆動制御するのに必要な各種センサからの信号が入力ポートを介して入力されている。各種センサからの信号としては、以下のものを挙げることができる。モータMG1,MG2の回転子の回転位置を検出する回転位置検出センサ43,44からの回転位置θm1,θm2。モータMG1,MG2の各相に流れる電流を検出する電流センサからの相電流。モータECU40からは、インバータ41,42の図示しないスイッチング素子へのスイッチング制御信号などが出力ポートを介して出力されている。モータECU40は、HVECU70と通信ポートを介して接続されている。このモータECU40は、HVECU70からの制御信号によってモータMG1,MG2を駆動制御する。また、モータECU40は、必要に応じてモータMG1,MG2の駆動状態に関するデータをHVECU70に出力する。モータECU40は、回転位置検出センサ43,44からのモータMG1,MG2の回転子の回転位置θm1,θm2に基づいてモータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2を演算している。
バッテリ50は、例えばリチウムイオン二次電池やニッケル水素二次電池として構成されており、電力ライン54によってインバータ41,42と接続されている。このバッテリ50は、バッテリ用電子制御ユニット(以下、「バッテリECU」という)52によって管理されている。
バッテリECU52は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROMやデータを一時的に記憶するRAM,入出力ポート,通信ポートを備える。バッテリECU52には、バッテリ50を管理するのに必要な各種センサからの信号が入力ポートを介して入力されている。各種センサからの信号としては、以下のものを挙げることができる。バッテリ50の端子間に設置された電圧センサ51aからの電池電圧Vb。バッテリ50の出力端子に取り付けられた電流センサ51bからの電池電流Ib。バッテリ50に取り付けられた温度センサ51cからの電池温度Tb。バッテリECU52は、HVECU70と通信ポートを介して接続されている。このバッテリECU52は、必要に応じてバッテリ50の状態に関するデータをHVECU70に出力する。バッテリECU52は、電流センサ51bからの電池電流Ibの積算値に基づいて蓄電割合SOCを演算している。蓄電割合SOCは、バッテリ50の全容量に対するバッテリ50から放電可能な電力の容量の割合である。また、バッテリECU52は、演算した蓄電割合SOCと、温度センサ51cからの電池温度Tbと、に基づいて入出力制限Win,Woutを演算している。入出力制限Win,Woutは、バッテリ50を充放電してもよい最大許容電力である。
HVECU70は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROMやデータを一時的に記憶するRAM,入出力ポート,通信ポートを備える。HVECU70には、各種センサからの信号が入力ポートを介して入力されている。各種センサからの信号としては、以下のものを挙げることができる。イグニッションスイッチ80からのイグニッション信号。シフトレバー81の操作位置を検出するシフトポジションセンサ82からのシフトポジションSP。アクセルペダル83の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Acc。ブレーキペダル85の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキペダルポジションBP。車速センサ88からの車速V。HVECU70は、上述したように、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と通信ポートを介して接続されている。このHVECU70は、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と各種制御信号やデータのやりとりを行なっている。
こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20では、ハイブリッド走行モード(HV走行モード),電動走行モード(EV走行モード)などの走行モードで走行する。HV走行モードは、エンジン22の運転を伴って走行する走行モードである。EV走行モードは、エンジン22を運転停止して走行する走行モードである。
HV走行モードでの走行時には、HVECU70は、まず、アクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Accと車速センサ88からの車速Vとに基づいて、走行に要求される(駆動軸36に出力すべき)要求トルクTr*を設定する。続いて、要求トルクTr*に駆動軸36の回転数Nrを乗じて、走行に要求される走行用パワーPdrv*を演算する。ここで、駆動軸36の回転数Nrとしては、モータMG2の回転数Nm2,車速Vに換算係数を乗じて得られる回転数などを用いることができる。そして、走行用パワーPdrv*からバッテリ50の充放電要求パワーPb*(バッテリ50から放電するときが正の値)を減じて、車両に要求される車両パワーPv*を演算する。次に、車両パワーPv*をエンジン22の要求パワーPe*に設定する。続いて、エンジン22の要求パワーPe*と、動作ライン(例えば燃費最適動作ライン)とを用いてエンジン22の目標回転数Ne*および目標トルクTe*を設定する。実施例では、要求パワーPe*の等パワーラインと、動作ラインと、の交点の回転数NeefおよびトルクTeefを目標回転数Ne*および目標トルクTe*として設定するものとした。そして、バッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内で、モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を設定する。モータMG1のトルク指令Tm1*については、エンジン22の回転数Neが目標回転数Ne*となるようにするための回転数フィードバック制御によって設定する。モータMG2のトルク指令Tm2*については、トルク(−Tm1*/ρ)を要求トルクTr*から減じて設定する。トルク(−Tm1*/ρ)は、モータMG1をトルク指令Tm1*で駆動したときに、モータMG1から出力されてプラネタリギヤ30を介して駆動軸36に作用するトルクである。そして、エンジン22の目標回転数Ne*および目標トルクTe*をエンジンECU24に送信すると共に、モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*をモータECU40に送信する。エンジンECU24は、エンジン22の目標回転数Ne*および目標トルクTe*を受信すると、受信した目標回転数Ne*および目標トルクTe*に基づいてエンジン22が運転されるように、エンジン22の吸入空気量制御や燃料噴射制御,点火制御,開閉タイミング制御などを行なう。吸入空気量制御は、スロットルモータ136を駆動制御することによって行なわれる。燃料噴射制御は、燃料噴射弁127を駆動制御することによって行なわれる。点火制御は、イグニッションコイル138を駆動制御することによって行なわれる。開閉タイミング制御は、可変バルブタイミング機構170を駆動制御することによって行なわれる。モータECU40は、モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を受信すると、モータMG1,MG2がトルク指令Tm1*,Tm2*で駆動されるようにインバータ41,42のスイッチング素子のスイッチング制御を行なう。
EV走行モードでの走行時には、HVECU70は、まず、HV走行モードと同様に、要求トルクTr*を設定する。続いて、モータMG1のトルク指令Tm1*に値0を設定する。そして、バッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内で要求トルクTr*が駆動軸36に出力されるように、モータMG2のトルク指令Tm2*を設定する。そして、モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*をモータECU40に送信する。モータECU40は、モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を受信すると、モータMG1,MG2がトルク指令Tm1*,Tm2*で駆動されるようにインバータ41,42のスイッチング素子のスイッチング制御を行なう。
また、実施例のハイブリッド自動車20では、EV走行モードでの走行時などエンジン22の運転停止中には、車両パワーPv*が閾値Pref以上に至ったとき,エンジン22の暖機条件が成立したとき,エンジン22を熱源とする車室内の暖房条件が成立したときなどに、エンジン22の始動条件が成立したと判断し、エンジン22の始動処理を実行する。エンジン22の始動処理は、モータMG1によってエンジン22の回転数Neが増加するようにモータリングし、エンジン22の回転数Neが所定回転数Nst(例えば、500rpm,600rpm,700rpmなど)以上に至ったときに、燃料噴射制御と点火制御とを開始する、ことによって行なわれる。また、エンジン22の始動処理において、実施例では、アクセル開度Accが閾値Aref(例えば、50%,60%など)以上のときには、目標トルクTe*を値0からトルクTeef(HV走行モードと同様に動作ラインと要求パワーPe*とを用いて設定したトルク)に向けて徐々に増加させ、アクセル開度Accが閾値Aref未満のときには、要求パワーPe*を値0で保持するものとした。
また、HV走行モードでの走行時などエンジン22の運転中には、車両パワーPv*が閾値Pref未満に至ったとき,エンジン22の暖機条件が成立から不成立になったとき,エンジン22を熱源とする車室内の暖房条件が成立から不成立になったときなどに、エンジン22の停止条件が成立したと判断し、エンジン22の停止処理を実行する。エンジン22の停止処理は、エンジン22の燃料噴射制御を停止し、モータMG1によってエンジン22の回転数Neが低下するようにモータリングする、ことによって行なわれる。
なお、実施例では、エンジン22の停止条件が成立したときに、吸気バルブ128の開閉タイミングVTがエンジン22の始動に適した始動用位置(例えば最遅角位置)よりも進角側の位置(目標トルクTe*などに応じた位置)のときには、以下のように制御する。まず、可変バルブタイミング機構150によって開閉タイミングVTを始動用位置に移動させながらエンジン22の目標トルクTe*に値0を設定してエンジン22をアイドル運転する。そして、開閉タイミングVTが始動用位置に移動すると、エンジン22の停止処理を実行する。これは、次回のエンジン22の始動性を良好にするためである。
また、実施例では、エンジン22の始動完了から所定時間taref(例えば、3秒,5秒など)が経過する前にエンジン22の停止条件が成立したときには、以下のように制御する。まず、吸気バルブ128の開閉タイミングVTが始動用位置であるか否かに拘わらず、エンジン22の始動完了から所定時間tarefが経過するまでは、エンジン22の目標トルクTe*に値0を設定してエンジン22をアイドル運転する。そして、エンジン22の始動完了から所定時間tarefが経過すると、エンジン22の停止処理を実行する。これは、エンジン22の運転時間が極短時間になるのを回避するためである。なお、エンジン22の始動完了のタイミングは、実施例では、簡単のために、後述の始動時噴射の完了のタイミングとするものとした。
次に、エンジンECU24によるエンジン22の制御、特に、吸入空気量制御および燃料噴射制御について説明する。なお、点火制御および開閉タイミング制御については、本発明の中核をなさないため、詳細な説明は省略する。
吸入空気量制御では、エンジンECU24は、まず、エンジン22の目標トルクTe*などのデータを入力する。ここで、目標トルクTe*は、上述のHV走行モード,始動処理で設定された値を入力するものとした。こうしてデータを入力すると、入力した目標トルクTe*に基づいて目標スロットル開度TH*を設定する。そして、スロットル開度θtが目標スロットル開度TH*となるようにスロットルモータ136を制御する。
燃料噴射制御では、エンジンECU24は、図3に例示する燃料噴射制御ルーチンを実行する。このルーチンは、繰り返し実行される。
燃料噴射制御ルーチンが実行されると、エンジンECU24は、まず、エンジン22の回転数Ne,体積効率KL,吸気管圧力Pm1,冷却水温Tw,吸気バルブ128の開閉タイミングVTなどのデータを入力する(ステップS100)。ここで、エンジン22の回転数Neは、クランクポジションセンサ140からのクランク角θcrに基づいて演算された値を入力するものとした。体積効率KLは、エアフローメータ148からの吸入空気量Qaとエンジン22の回転数Neとに基づいて演算された値を入力するものとした。吸気管圧力Pmは、圧力センサ158によって検出された値を入力するものとした。冷却水温Twは、水温センサ142によって検出された値を入力するものとした。吸気バルブ128の開閉タイミングVTは、クランクポジションセンサ140からのクランク角θcrに対するカムポジションセンサ144からのインテークカムシャフトのカム角θciの角度(θci−θcr)に基づいて演算された値を入力するものとした。
こうしてデータを入力すると、エンジン22の始動時噴射を完了したか否かを判定する(ステップS110)。そして、エンジン22の始動時噴射を完了していないと判定されたときには、所定噴射量Qf1を基本燃料噴射量Qftmpに設定する(ステップS112)。ここで、所定噴射量Qf1は、エンジン22の始動性を良好にするために、空燃比が理論空燃比などの目標空燃比よりも若干小さくなる(若干リッチ側になる)ように設定される値である。この基本燃料噴射量Qftmp(=Qf1)に基づく目標燃料噴射量Qf*を用いて燃料噴射制御を行なうことを「始動時噴射」という。始動時噴射は、エンジン22の回転数Neが所定回転数Nst以上に至ったとき(燃料噴射制御を開始するとき)に開始し、所定気筒数(例えば、4,8,12(エンジン22の2回転,4回転,6回転に相当する気筒数)など)だけ燃料噴射が行なわれたときに完了するものとした。
続いて、エンジン22の回転数Neと体積効率KLとに基づいて、壁面付着量Qmwを推定する(ステップS120)。ここで、壁面付着量Qmwは、エンジン22の運転状態が定常状態であるとして燃料噴射制御を行なったときの、吸気管125の壁面に付着する燃料量である。壁面付着量Qmwは、実施例では、エンジン22の回転数Neと体積効率KLと壁面付着量Qmwとの関係を予め実験や解析によって求めてマップとして図示しないROMに記憶しておき、エンジン22の回転数Neと体積効率KLとが与えられると、このマップから対応する壁面付着量Qmwを導出して推定するものとした。壁面付着量Qmwは、基本的には、エンジン22の回転数Neが大きいほど大きくなる傾向で、且つ、体積効率KLが大きいほど大きくなる傾向に設定される。
こうして壁面付着量Qmwを推定すると、次式(1)に示すように、壁面付着量Qmwから前回の壁面付着量(前回Qmw)を減じて、壁面付着変化量ΔQmwを演算する(ステップS122)。上述の傾向に壁面付着量Qmwが推定されることから、壁面付着変化量ΔQmwは、基本的には、エンジン22の回転数Ne,体積効率KLが大きくなる場合には正の値となり、エンジン22の回転数Ne,体積効率KLが小さくなる場合には負の値となる。
ΔQmw=Qmw-前回Qmw (1)
続いて、エンジン22の第1吸気管圧力Pm1と冷却水温Twとに基づいて、直接吸入率kw1および間接吸入率kw2を推定する(ステップS124)。ここで、直接吸入率kw1は、燃料噴射弁127からの燃料噴射量のうち、吸気管125の壁面に付着せずに燃焼室129内に直接吸入される燃料量の比率である。間接吸入率kw2は、吸気管125の壁面に付着している燃料量のうち、吸気管125の壁面から離れて燃焼室129内に吸入される燃料量の比率である。直接吸入率kw1および間接吸入率kw2は、実施例では、第1吸気管圧力Pm1と冷却水温Twと直接吸入率kw1および間接吸入率kw2との関係を予め実験や解析によって求めてそれぞれマップとして図示しないROMに記憶しておき、第1吸気管圧力Pm1と冷却水温Twとが与えられると、これらのマップから対応する直接吸入率kw1および間接吸入率kw2を導出して推定するものとした。
次に、次式(2)に示すように、壁面付着変化量ΔQmwに直接吸入率kw1を乗じた値と、前回の壁面付着推定量(前回Qtrn)に間接吸入率kw2を乗じた値と、の和として基本補正量Qfmwtmpを演算する(ステップS126)。続いて、式(3)に示すように、基本補正量Qfmwtmpを下限値Qfmwminで下限ガードして補正量Qfmwを設定する(ステップS128)。下限値Qfmwminの詳細については後述する。そして、式(4)に示すように、基本燃料噴射量Qftmpに補正量Qfmwを加えて目標燃料噴射量Qf*を演算する(ステップS130)。こうして目標燃料噴射量Qf*を設定すると、設定した目標燃料噴射量Qf*の燃料噴射が燃料噴射弁127から行なわれるように燃料噴射弁127を制御して(ステップS140)、本ルーチンを終了する。
Qfmwtmp=ΔQmw・kw1+前回Qtrn・kw2 (2)
Qfmw=max(Qfmwtmp,Qfmwmin) (3)
Qf*=Qftmp+Qfmw (4)
ここで、壁面付着推定量Qtrnは、吸気管125の壁面に付着していると推定される燃料量である。この壁面付着推定量Qtrnは、直接吸入率kw1と壁面付着変化量ΔQmwと間接吸入率kw2とを用いて、次式(5)により、演算することができる。式(5)中、右辺第1項は、壁面付着変化量ΔQmwのうち、燃焼室129内に吸入されずに吸気管125の壁面に新たに付着する燃料量である。右辺第2項は、前回の壁面付着推定量(前回Qtrn)のうち、吸気管125の壁面から離れずに(燃焼室129内に吸入されずに)吸気管125の壁面に付着し続ける燃料量である。また、基本補正量Qfmwtmpは、吸気管125の壁面に付着する燃料量の変化に対応する値となる。以下、この基本補正量Qfmwtmpに基づく補正量Qfmwを用いて基本燃料噴射量Qftmpを補正することを「壁面付着補正」という。
Qtrn=ΔQmw・(1-kw1)+前回Qtrn・(1-kw2) (5)
ステップS110でエンジン22の始動時噴射を完了したと判定されたときには、エンジン22の回転数Neと体積効率KLとに基づいて、基本燃料噴射量Qftmpを設定し(ステップS114)、ステップS120以降の処理を実行する。この場合の基本燃料噴射量Qftmpは、エンジン22の空燃比を目標空燃比にするための燃料噴射量である。この基本燃料噴射量Qftmpは、実施例では、エンジン22の回転数Neと体積効率KLと基本燃料噴射量Qftmpとの関係を予め定めてマップとして記憶しておき、エンジン22の回転数Neと体積効率KLとが与えられると、このマップから対応する基本燃料噴射量Qftmpを導出して設定するものとした。基本燃料噴射量Qftmpは、エンジン22の回転数Neが大きいほど大きくなる傾向で、且つ、体積効率KLが大きいほど大きくなる傾向に設定される。
次に、こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20の動作、特に、下限値Qfmwminを設定する際の動作について説明する。図4は、実施例のエンジンECU24により実行される下限値設定ルーチンの一例を示す説明図である。このルーチンは、エンジン22の始動時噴射が完了したとき(エンジン22の始動が完了したとき)に実行される。なお、エンジン22の燃料噴射制御(始動時噴射)を開始してから始動時噴射が完了するまでは、壁面付着補正の減量補正を禁止し、下限値Qfmwminに値0を設定するものとした。この場合、基本補正量Qfmwtmpが値0以上のときには、基本補正量Qfmwtmpをそのまま補正量Qfmwに設定し、基本補正量Qfmwtmpが値0未満のときには、値0を補正量Qfmwに設定することになる。これにより、始動時噴射の際に、壁面付着補正の減量補正が行なわれるのを回避することができる。この結果、エンジン22の始動時に、燃料噴射量が不足するのを抑制し、エンジン22の始動性が悪化するのを抑制することができる。
下限値設定ルーチンが実行されると、エンジンECU24は、まず、エンジン22の始動時噴射の完了(エンジン22の始動完了)からの時間tbの計時を開始し(ステップS200)、エンジン22の始動時噴射の完了後(エンジン22の始動後)にエンジン22を無負荷運転(アイドル運転)するか負荷運転するかを判定する(ステップS210)。そして、エンジン22の始動時噴射の完了後にエンジン22を無負荷運転すると判定されたときには、閾値tbrefに所定時間tb1を設定する(ステップS220)。ここで、閾値tbrefは、エンジン22の始動時噴射の完了後に壁面付着補正の減量補正の禁止を継続する時間を意味する。また、所定時間tb1は、エンジン22の始動時噴射の完了後にエンジン22を無負荷運転するときに実際の吸気管圧力が安定するまでに要する時間として予め実験や解析によって定められ、例えば、1.3秒,1.5秒,1.7秒などとすることができる。
そして、始動時噴射の完了からの時間tbを閾値tbrefと比較し(ステップS240)、時間tbが閾値tbref未満のときには、壁面付着補正の減量補正を禁止すると判定し(ステップS250)、下限値Qfmwminに値0を設定して(ステップS260)、ステップS240に戻る。この場合、基本補正量Qfmwtmpが値0以上のときには、基本補正量Qfmwtmpをそのまま補正量Qfmwに設定し、基本補正量Qfmwtmpが値0未満のときには、値0を補正量Qfmwに設定することになる。
こうしてステップS240〜S260の処理を繰り返し実行して、ステップS240で、時間tbが閾値tbref以上に至ると、壁面付着補正の減量補正の禁止を解除してこの減量補正を許可すると判定し(ステップS270)、下限値Qfmwminに値(−MAX)を設定して(ステップS280)、本ルーチンを終了する。ここで、値(−MAX)は、基本補正量Qfmwtmpの想定範囲の下限値よりも小さい(絶対値としては大きい値である)。この場合、基本補正量Qfmwtmpをそのまま補正量Qfmwに設定することになる。こうして本ルーチンを終了すると、それ以降、エンジン22を停止するまで、下限値Qfmwminは値(−MAX)で保持される。
ステップS210で、エンジン22の始動時噴射の完了後にエンジン22を負荷運転すると判定されたときには、閾値tbrefに所定時間tb1よりも短い所定時間tb2を設定して(ステップS230)、ステップS240以降の処理を実行する。ここで、所定時間tb2は、エンジン22の始動時噴射の完了後にエンジン22を負荷運転するときに実際の吸気管圧力が安定するまでに要する時間として予め実験や解析によって定められ、例えば、3行程,4行程,5行程に相当する時間(例えば、エンジン22の回転数が1000rpmのときに90msec,120msec,150msec)などとすることができる。
エンジン22の始動後にエンジン22を負荷運転するときには、エンジン22の始動後にエンジン22を無負荷運転するときよりも、実際の吸気管の圧力が安定するまでに要する時間が短くなりやすい。したがって、エンジン22の始動時噴射の完了後(エンジン22の始動完了後)にエンジン22を負荷運転するときには、エンジン22の始動時噴射の完了後にエンジン22を無負荷運転するときよりも、壁面付着補正の減量補正の禁止時間(減量補正を許可するまでの時間)を短くすることにより、未燃焼の燃料が増加して空燃比がリッチ側になるのをより抑制することができ、エミッションが悪化するのをより抑制することができる。特に、エンジン22の始動時噴射の完了後にエンジン22の負荷運転を開始してから比較的短時間(例えば、1秒,2秒など)で無負荷運転に移行するときに、この効果がより顕著に現われる。また、エンジン22の負荷運転を開始してから比較的短時間で無負荷運転に移行して更に比較的短時間でエンジン22を停止する場合において、その後にエンジン22を再始動する際に始動時噴射を実行するときには、空燃比が比較的大きくリッチ側になるのを抑制し、エミッションが悪化するのを抑制することができる。これに対して、エンジン22の始動後にエンジン22を無負荷運転するときには、エンジン22の始動後にエンジン22を負荷運転するときよりも、壁面付着補正の減量補正の禁止時間を長くすることにより、壁面付着補正の減量補正の開始が早すぎることによって燃焼が不安定になるのを抑制することができる。これらの結果、エンジン22の始動後に、エンジン22を無負荷運転するか負荷運転するかに応じて、壁面付着補正の減量補正の禁止時間をより適切に定めることができる。
図5は、スロットル開度θtを比較的小さい値で保持しながらエンジン22を始動した後にエンジン22を無負荷運転するときの様子の一例を示す説明図である。図6は、スロットル開度θtを増加させながらエンジン22を始動した後にエンジン22を負荷運転するときの様子の一例を示す説明図である。図7は、スロットル開度θtを比較的小さい値で保持しながらエンジン22を始動した後にエンジン22を負荷運転するときの様子の一例を示す説明図である。以下、順に説明する。
まず、図5の場合について説明する。図5は、アクセル開度Accが閾値Aref未満で且つ要求パワーPe*が閾値Pref未満のときに、エンジン22の暖機要求,エンジン22を熱源とする車室内の暖房要求などによってエンジン22の始動条件が成立したときの様子を示す。図5に示すように、時刻t11にエンジン22の始動が要求されると、アクセル開度Accが閾値Aref未満であるために目標トルクTe*およびスロットル開度θtを比較的小さい値で保持しながら、モータMG1によってエンジン22をモータリングし、始動時噴射を行なって、エンジン22を始動する。そして、時刻t12にエンジン22の始動時噴射が完了すると、エンジン22の無負荷運転を開始し、時刻t12から所定時間tarefよりも短い所定時間tb1が経過すると、壁面付着補正の減量補正を許可し、下限値Qfmwminを値0から値(−MAX)に変更する。これにより、エンジン22の始動時噴射の完了から所定時間tarefが経過する前に、壁面付着補正の減量補正を許可することができる。この結果、エンジン22の始動から停止までに亘って減量付着補正の減量補正が禁止されるのを抑制することができ、エミッションの悪化を抑制することができる。また、上述したように、所定時間tb1を上述の所定時間tb2よりも長い時間とするから、壁面付着補正の減量補正の開始が早すぎることによって燃焼が不安定になるのを抑制することができる。
続いて、図6の場合について説明する。図6は、アクセル開度Accが閾値Aref以上で、エンジン22の要求パワーPe*が閾値Pref以上に至ることによってエンジン22の始動条件が成立したときの様子を示す。図6に示すように、時刻t21にエンジン22の始動が要求されると、アクセル開度Accが閾値Aref以上であるために目標トルクTe*およびスロットル開度θtを増加させながら、モータMG1によってエンジン22をモータリングし、始動時噴射を行なって、エンジン22を始動する。そして、時刻t22にエンジン22の始動時噴射が完了すると、エンジン22の負荷運転を開始し、時刻t22から所定時間tarefおよび所定時間tb1よりも短い所定時間tb2が経過すると、壁面付着補正の減量補正を許可し、下限値Qfmwminを値0から値(−MAX)に変更する。これにより、始動時噴射の完了から壁面付着補正の減量補正を許可するまでの時間をより短くすることができる。この結果、未燃焼の燃料が増加して空燃比がリッチ側になるのをより抑制することができ、エミッションが悪化するのをより抑制することができる。特に、図6に示すように、エンジン22の負荷運転を開始してから比較的短時間(例えば、1秒,2秒など)で無負荷運転に移行するときに、この効果がより顕著に現われる。
さらに、図7の場合について説明する。図7は、アクセル開度Accが閾値Aref未満で、エンジン22の要求パワーPe*が閾値Pref以上に至ることによってエンジン22の始動条件が成立したときの様子を示す。図7に示すように、時刻t31にエンジン22の始動が要求されると、アクセル開度Accが閾値Aref未満であるために目標トルクTe*およびスロットル開度θtを比較的小さい値で保持しながら、モータMG1によってエンジン22をモータリングし、始動時噴射を行なって、エンジン22を始動する。そして、時刻t32にエンジン22の始動時噴射が完了すると、エンジン22の負荷運転を開始し、時刻t32から所定時間tarefおよび所定時間tb1よりも短い所定時間tb2が経過すると、壁面付着補正の減量補正を許可し、下限値Qfmwminを値0から値(−MAX)に変更する。これにより、始動時噴射の完了から壁面付着補正の減量補正を許可するまでの時間をより短くすることができる。この結果、未燃焼の燃料が増加して空燃比がリッチ側になるのをより抑制することができ、エミッションが悪化するのをより抑制することができる。特に、図7に示すように、エンジン22の負荷運転を開始してから比較的短時間(例えば、1秒,2秒など)で無負荷運転に移行するときに、この効果がより顕著に現われる。
以上説明した実施例のハイブリッド自動車20では、エンジン22の始動時噴射の完了(始動完了)からの時間tbが閾値tbref未満のときには、壁面付着補正の減量補正を禁止し、時間tbが閾値tbref以上に至ると、壁面付着補正の減量補正を許可する。この際、エンジン22の始動後にエンジン22を無負荷運転(アイドル運転)するときには、閾値tbrefに所定時間tb1を設定し、エンジン22の始動後にエンジン22を負荷運転するときには、閾値tbrefに所定時間tb1よりも短い所定時間tb2を設定する。これにより、エンジン22の始動後にエンジン22を負荷運転するときには、未燃焼の燃料が増加して空燃比がリッチ側になるのをより抑制することができ、エミッションが悪化するのをより抑制することができる。特に、エンジン22の負荷運転を開始してから比較的短時間で無負荷運転に移行するときに、この効果がより顕著に現われる。これに対して、エンジン22の始動後にエンジン22を無負荷運転するときには、壁面付着補正の減量補正の開始が早すぎることによって燃焼が不安定になるのを抑制することができる。これらの結果、エンジン22の始動後に、エンジン22を無負荷運転するか負荷運転するかに応じて、壁面付着補正の減量補正の禁止時間をより適切に定めることができる。
実施例では、エンジン22とプラネタリギヤ30とモータMG1,MG2とバッテリ50とを備えるハイブリッド自動車20の構成について説明した。しかし、エンジンと、エンジンの出力軸にクラッチを介して接続されると共に駆動輪に連結された駆動軸に変速機を介して接続されるモータと、モータと電力をやりとりするバッテリと、を備えるいわゆる1モータハイブリッド自動車の構成としてもよい。また、モータを備えず、エンジンからの動力だけを用いて走行する自動車の構成としてもよい。
実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、エンジン22が「エンジン」に相当し、エンジンECU24が「制御手段」に相当する。
なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
以上、本発明を実施するための形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、自動車の製造産業などに利用可能である。
20 ハイブリッド自動車、22 エンジン、24 エンジン用電子制御ユニット(エンジンECU)、26 クランクシャフト、30 プラネタリギヤ、36 駆動軸、37 デファレンシャルギヤ、38a,38b 駆動輪、40 モータ用電子制御ユニット(モータECU)、41,42 インバータ、43,44 回転位置検出センサ、50 バッテリ、51a 電圧センサ、51b 電流センサ、51c 温度センサ、52 バッテリ用電子制御ユニット(バッテリECU)、54 電力ライン、70 ハイブリッド用電子制御ユニット(HVECU)、80 イグニッションスイッチ、81 シフトレバー、82 シフトポジションセンサ、83 アクセルペダル、84 アクセルペダルポジションセンサ、85 ブレーキペダル、86 ブレーキペダルポジションセンサ、88 車速センサ、122 エアクリーナ、124スロットルバルブ、125 吸気管、127 燃料噴射弁、128 吸気バルブ、129 燃焼室、130 点火プラグ、131 排気バルブ、132 ピストン、134 浄化装置、134a 浄化触媒、134b 温度センサ、135a 空燃比センサ、135b 酸素センサ、136 スロットルモータ、138 イグニッションコイル、140 クランクポジションセンサ、142 水温センサ、144 カムポジションセンサ、146 スロットル開度センサ、148 エアフローメータ、149 温度センサ、158 圧力センサ、160 EGRシステム、162 EGR管、163 ステッピングモータ、164 EGRバルブ、165 EGRバルブ開度センサ、170 可変バルブタイミング機構、MG1,MG2 モータ。

Claims (1)

  1. 吸気管に燃料を噴射する燃料噴射弁を有するエンジンと、
    基本燃料噴射量に、前記吸気管の壁面に付着する燃料量の変化に対応する増量補正または減量補正を施して、目標燃料噴射量を設定し、該目標燃料噴射量の燃料噴射が前記燃料噴射弁から行なわれるように前記エンジンを制御する制御手段と、
    を備える自動車であって、
    前記制御手段は、
    前記エンジンの始動後に該エンジンを無負荷運転するときには、該エンジンの始動後に第1所定時間が経過するまでは、前記減量補正を禁止し、該第1所定時間が経過すると、前記減量補正を許可し、
    前記エンジンの始動後に該エンジンを負荷運転するときには、該エンジンの始動後に前記第1所定時間よりも短い第2所定時間が経過するまでは、前記減量補正を禁止し、該第2所定時間が経過すると、前記減量補正を許可する手段である、
    ことを特徴とする自動車。
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